JP2009212319A - 多数個取り配線基板の製造方法 - Google Patents

多数個取り配線基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009212319A
JP2009212319A JP2008054200A JP2008054200A JP2009212319A JP 2009212319 A JP2009212319 A JP 2009212319A JP 2008054200 A JP2008054200 A JP 2008054200A JP 2008054200 A JP2008054200 A JP 2008054200A JP 2009212319 A JP2009212319 A JP 2009212319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
break groove
wiring board
green sheet
back surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008054200A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Kagami
栄治 各務
Onori Kato
大典 加藤
Mitsuo Shiraishi
光雄 白石
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Motohiko Itai
基彦 板井
Kohei Yoshimura
光平 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2008054200A priority Critical patent/JP2009212319A/ja
Publication of JP2009212319A publication Critical patent/JP2009212319A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ブレーク溝の深さを適正化でき、目つ切断予定面と交差するメッキ用結線の断線などが生じにくい多数個取り配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】分割後に配線基板となる複数の製品部pを縦横に連続して有する製品エリアaと、裏面4に開口し、隣接する製品部pを区画する切断予定面cと交差して形成され、表面3に露出せず、内壁面に未焼成のメタライズ層9を有する裏面側凹部7と、裏面側凹部7がない位置の切断予定面cを交差して形成され、隣接する製品部pの配線層(導体)12間を導通するメッキ用結線14と、を備えたベースグリーンシートbgに対し、該シートbgの表面3側と裏面4側から各製品部pを区画する切断予定面cに沿って、第1ブレーク溝v1と第2ブレーク溝v2とを個別に形成する工程を含み、第2ブレーク溝v2の最深部は、メッキ用結線14よりも裏面4側に位置している、多数個取り配線基板1の製造方法。
【選択図】図8

Description

本発明は、複数のセラミック層を積層してなり、分割後に複数の配線基板となる製品部を縦横に連続して有する製品エリアを含む多数個取り配線基板の製造方法に関する。
複数のセラミック層を積層しなり、複数の製品部を縦横に連続して有する製品エリアを含む未焼成の多数個取り配線基板を、その表面および裏面に設けたブレーク溝に沿って分割する際に、個々の配線基板の切断面である側面が割り欠けやバリなどの異形になることを防ぐと共に、上記ブレーク溝を形成する際に、製品部同士の導体を接続するメッキ用結線の断線を防ぐため、次述するような配線基板の製造方法が提案されている。
即ち、未焼成の多数個取り配線基板において、キャビティを有する単位配線基板の配線同士間を導通するメッキ用結線を、単位配線基板相互間および単位配線基板と捨て代(耳部)との境界線上の上下に形成される分割溝(ブレーク溝)の深さの合計を単位配線基板の枠部分の厚みの40〜60%とし、これよりも深い領域を横断するように配設する、配線基板の製造方法である(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−216507号公報(第1〜8頁、図1〜3)
しかしながら、前記特許文献1に記載された配線基板の製造方法のように、上下の分割溝(ブレーク溝)の深さの合計が単位配線基板の枠部分の厚みの40〜60%とし、これよりも深い領域において、メッキ用結線を横断させると、該メッキ用結線を配線すべき領域が著しく制限される。そのため、積層すべき複数のグリーンシートごとの厚みを個別に調整したり、全体の層数を増やすなどの対策が必要となるので、製造工程が複雑化し、且つコスト高を招く、という問題点があった。
しかも、上下一対のブレーク溝の深さが、前記のように単位配線基板の枠部分の厚みの40〜60%にも達すると、焼成前において、複数のグリーンシートを積層した積層体が、不用意な外力によって破損し易くなる、という問題もあった。
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、複数のグリーンシートを積層してなり、分割後に複数の配線基板となる製品部を縦横に連続して有する製品エリアを区画する切断予定面に沿って裏面側凹部が形成されたベースグリーンシートの表・裏面側から形成する第1・第2ブレーク溝の深さを適正化でき、且つ切断予定面と交差するメッキ用結線の断線などが生じにくい多数個取り配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、複数のグリーンシートを積層したベースグリーンシートの表・裏面側から形成する第1・第2ブレーク溝の深さを、互いに均衡化させ、且つこれらの合計の深さをベースグリーンシートの厚みに対し、一定の範囲にする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の多数個取り配線基板の製造方法(請求項1)は、複数のグリーンシートを積層してなり、且つ表面および裏面を有し、分割後に配線基板となる複数の製品部を縦横に連続して有する製品エリアと、裏面に開口し、隣接する製品部を区画する切断予定面と交差して形成され、表面に露出せず且つ内壁面に未焼成のメタライズ層を有する裏面側凹部と、かかる裏面側凹部がない位置の切断予定面を交差して形成され、且つ隣接する製品部の導体間を導通するメッキ用結線と、を備えたベースグリーンシートに対し、該ベースグリーンシートの表面側および裏面側から各製品部を区画する切断予定面に沿って、それぞれの深さがベースグリーンシートの厚みの10%以上であり、且つ各深さの合計が30%以上となる第1ブレーク溝および第2ブレーク溝を個別に形成する工程を含み、このうち、裏面側から形成される第2ブレーク溝の最深部は、上記メッキ結線よりも裏面側に位置している、ことを特徴とする。
これによれば、前記ベースグリーンシートの表面側および裏面側から各製品部を区画する切断予定面に沿って、個別の深さがベースグリーンシートの厚みの10%以上であり、且つ各深さの合計が30%以上となる第1ブレーク溝および第2ブレーク溝が形成されるため、焼成間までの工程で不用意に破損せず、且つ焼成後の切断時に個々の配線基板の側面に露出する切断面が、割り欠けなどを含む異形となりにくくなる。しかも、第2ブレーク溝の最深部は、隣接する製品部の導体間を導通するメッキ用結線に達しないため、該メッキ用結線の断線を確実に防止できる。従って、形状および寸法精度に優れ、前記メタライズ層などの表面に良好なメッキ処理が施された複数の配線基板を、確実且つ効率良く提供することが可能となる。
前記第1・第2ブレーク溝の前記ベースグリーンシートの厚みに対する深さの上限は、これらの合計値との関係を考慮すると、15%〜30%の範囲である。
また、前記第1・第2ブレーク溝の深さの合計の上限は、前記ベースグリーンシートの厚みの60%未満が推奨される。これによって、ベースグリーンシートの不用意な破損を予防することができる。望ましい上記深さの合計値の範囲は、30〜55%である。
尚、前記グリーンシートは、アルミナなどの高焼成セラミック粉末を含むものや、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミック粉末を含むものである。
更に、前記配線基板は、例えば、水晶振動子やSAWフィルタなどをキャビティの底面に実装する箱形形状のパッケージタイプの形態や、配線層を内蔵する平板形状や、配線層を内蔵し且つ表面に開口するキャビティを有する形態を含む。
また、本発明には、前記第1ブレーク溝および第2ブレーク溝の各最深部と、前記メッキ用結線との間の距離は、少なくとも0.05mm以上である、多数個取り配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、第1・第2ブレーク溝の各最深部とメッキ用結線との間の距離が、それぞれ0.05mm以上であるため、かかる第1・第2ブレーク溝によって、隣接する製品部同士および製品部と耳部との間において、引き回して配線されるメッキ用結線の断線を確実に防ぐことが可能となる。
尚、前記距離が、0.05mm未満になると、製造工程での第1・第2ブレーク溝を形成する際に、刃物の挿入深さの制御が著しく困難となり、製造効率の低下を招き易くなるため、かかる範囲を除外した。
更に、本発明には、前記第1ブレーク溝の最深部は、前記裏面側凹部の天井面よりも裏面側に達している、多数個取り配線基板の製造方法(請求項3)も含まれる。
これによれば、裏面側凹部に形成されたメタライズ層に対して、焼成後に施される電解メッキ工程において、裏面側凹部の開口部と共に第1ブレーク溝の最深部を介しても、メッキ液を流動化できるので、上記メタライズ層の表面に、NiおよびAuメッキ層を比較的均一な厚みで確実に被覆することが可能となる。
また、本発明には、前記製品エリアの少なくとも一辺には、前記複数のグリーンシートからなり、外側面に前記メッキ用結線および前記裏面側凹部のメタライズ層と導通するメッキ用電極を形成した耳部が配設されている、多数個取り配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。
これによれば、耳部のメッキ用電極に所定の電極棒を接触させて、電解Niメッキおよび電解Auメッキを施すことで、前記メッキ用結線を介して、裏面側凹部のメタライズ層の表面に、NiおよびAuメッキ層を確実に被覆可能となる。
加えて、本発明には、前記第1ブレーク溝および第2ブレーク溝を形成する工程の後に、前記裏面側凹部のメタライズ層の表面にメッキ層を形成する工程と、これらが形成された前記ベースグリーンシートを焼成する工程と、を行う、多数個取り配線基板の製造方法(請求項5)も含まれる。
これによれば、前記裏面側凹部のメタライズ層などの表面に、NiおよびAuメッキ層が被覆され、且つ複数の前記グリーンシートが複数のセラミック層となり、且つ製品エリアにおける複数の配線基板同士間を区画する第1・第2ブレーク溝が適正な深さで、切断面に割り欠けなどの異形が生じにくい多数個取り配線基板を提供することが可能となる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明によって製造される一形態の多数個取り配線基板1の平面図、図2は、その底面図、図3は、図1,図2中のX−X線の矢視に沿った部分垂直断面図、図4は、図1,図2中のY−Y線の矢視に沿った部分垂直断面図である。
多数個取り配線基板1は、図1乃至図4に示すように、複数のセラミック層s1〜s4を積層してなり、平面視が長方形(矩形)を呈する表面3および裏面4を有する基板本体2と、該基板本体2の四辺の内側に沿って配設され、平面視が矩形枠を呈する耳部mと、該耳部mの内側に配設され、分割後にパッケージ(配線基板)となる複数の製品部pを縦横に連続して有する製品エリアaと、を備えている。前記セラミック層s1〜s4は、アルミナなどの高温焼成セラミックからなる。尚、表面3と裏面4とは、基板本体2、個々の製品部p、耳部m、および後述するベースグリーンシート(bg)について、以下で共通して用いる。
また、図1,図2に示すように、前記耳部mにおいて、対向する一対の長辺には、外側面に開口する平面視がほぼ半円形の凹溝6aが厚み方向に沿って複数形成され、これらの内壁面には、断面がほぼ半円形のメッキ用電極6が形成されている。該メッキ用電極6は、WまたはMoからなる。
更に、図1乃至図4に示すように、前記製品エリアaにおいて、隣接する製品部p,p間、および製品エリアaと耳部mとの間は、基板本体2の表面3側から進入する第1ブレーク溝v1、基板本体2の裏面4側から進入する第2ブレーク溝v2、およびこれらの最深部間を接続する仮想の切断予定面cによって区画されている。尚、第1・第2ブレーク溝v1、v2の内角は、それぞれ22度以上で且つ30度未満である。
また、図1,図3に示すように、個々の製品部pは、表面3に開口するキャビティ5を有し、その底面5bには、実装すべき電子部品(例えば、水晶振動子)の電極と接続するための表面電極fが4個形成されている。尚、キャビティ5は、底面5bとその四辺から表面3に向かって立設する四辺の側面5aとからなる。
更に、図2,図4に示すように、基板本体2の裏面4には、縦横に交差する第2ブレーク溝v2および切断予定面cに沿って、平面視が長円形の裏面側凹部7が複数個形成され、かかる裏面側凹部7の天井面8および内壁面には、全体がほぼ長円筒形を呈するメタライズ層9が形成されている。尚、該メタライズ層9や前記表面電極fは、WまたはMoからなる基体の表面に、図示しないNiメッキ層およびAuメッキ層が被覆されている。
また、図3に示すように、メタライズ層9の側面から、隣接する製品部pごとのセラミック層s3,s4間に延びた配線層10は、セラミック層s3を貫通するビア導体vを介して、キャビティ5の底面5bに形成された表面電極fと接続されている。尚、上記ビア導体vおよび配線層10は、WまたはMoからなる。
更に、図2,図3に示すように、第1ブレーク溝v1の最深部は、裏面側凹部7の天井面8よりも裏面4側に達しており、裏面4側からも視認可能である。
加えて、前記裏面側凹部7の天井面8および内壁面に形成されたメタライズ層9と、前記耳部mのメッキ用電極6との間は、図示しない接続配線を介して、導通可能とされている。尚、前記耳部mの内周辺に沿って位置するメタライズ層9も、上記と同様にしてメッキ用電極6と導通されている。
一方、図4に示すように、前記裏面側凹部7,7間の切断予定面c付近では、隣接する製品部pごとのセラミック層s3,s4間に形成された配線層(導体)12,12間を、メッキ用結線14が接続している。前記第2ブレーク溝v2の最深部は、該メッキ用結線14よりも裏面4側に位置している。
尚、上記配線層12やメッキ用結線14もWまたはMoからなる。また、配線層12は、前記メタライズ層9や、耳部mのメッキ用電極6とも導通可能である。
以下において、本発明による前記多数個取り配線基板1の製造方法を説明する。
予め、アルミナ粉末、有機バインダ、および溶剤などを適量ずつ配合して、セラミックスラリーを作り、ドクターブレード法によって、図5の部分断面図に示すように、大版サイズの4枚のグリーンシートg1〜g4を製作した。
次に、追って前記セラミック層s1,s2となるグリーンシートg1,g2には、図5に示すように、平面視が矩形の貫通孔h1を、平面視で格子状の配置となるように、縦・横方向に沿って、打ち抜き加工により形成した。このうち、第2層のセラミック層s2となるグリーンシートg2には、更に、隣接する貫通孔h1,h1間に、平面視が長円形の貫通孔h2を縦・横方向に沿って形成した。
更に、追って第3層および最下層のセラミック層s3,s4となるグリーンシートg3,g4には、図5に示すように、平面視で前記貫通孔h2と同じ位置に貫通孔h2を縦・横方向に沿って形成した。このうち、グリーンシートg3には、複数の貫通孔h2に囲まれた内側ごとの位置に4個のビアホールh3を形成した。
尚、図示しないグリーンシートg1〜g4の外側面には、打ち抜き加工によって、断面がほぼ半円形の凹溝6aを複数個形成した。
次いで、図6に示すように、グリーンシートg3の各ビアホールh3内に、WまたはMo粉末を含む導電性ペーストを充填して、未焼成のビア導体vを形成した。また、グリーンシートg2〜g4の各貫通孔h2ごとの内壁面に、上記同様の導電性ペーストを吸引・塗布して、未焼成でほぼ長円筒形のメタライズ層9aを形成した。更に、グリーンシートg1,g3,g4の表面および裏面の少なくとも一方に対し、前記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷して、図6に示すように、未焼成のメタライズ層9b、表面電極f、および配線層10を形成した。
尚、グリーンシートg3,g4間において、図6の前後方向にずれた位置には、図示しない未焼成の配線層12およびメッキ用結線14を上記と同様に形成した。
このうち、グリーンシートg3の表面に形成された表面電極fは、前記ビア導体vと接続され、グリーンシートg4の表面に形成された配線層10は、前記メタライズ層9aの上端部と接続されていた。
尚、グリーンシートg1〜g4ごとの凹溝6aの内壁面にも、前記同様の導電性ペーストを吸引・塗布して、未焼成の部分メッキ用電極を形成した。
次に、図6中の矢印で示すように、前記グリーンシートg1〜g4を厚み方向に沿って、前記貫通孔h1、貫通孔h2、メタライズ層9a、および凹溝6aがそれぞれ個別に連続するように、積層し且つ圧着した。
その結果、図7に示すように、グリーンシートg1〜g4が積層され、表面3および裏面4を有するベースグリーンシートbgが形成された。該ベースグリーンシートbgでは、前記貫通孔h1,h1が連続したことで形成された側面5aと、グリーンシートg3の表面であった底面5bとからなる複数のキャビティ5が形成され、該キャビティ5を有する製品部pが縦・横方向に沿って複数個配列されることで、前記製品エリアaが形成された。
同時に、図7に示すように、3個の前記貫通孔h2が連続したことで、ベースグリーンシートbgに裏面4に開口する裏面側凹部7が形成されると共に、かかる裏面側凹部7の内壁面および天井面8には、3個の前記メタライズ層9aとメタライズ層9bとによって、全体がほぼ長円筒形を呈する未焼成のメタライズ層9が形成された。該メタライズ層9は、その側面から各製品部pのグリーンシートg3,g4間に延びた配線層10、およびビア導体vを介して、前記表面電極fと導通可能となった。
尚、前記配線層12およびメッキ用結線14も、メタライズ層9や配線層10と導通可能となった。更に、ベースグリーンシートbgにおける製品エリアaの外側には、未焼成の前記耳部mが形成され、その外側面に複数の前記部分メッキ用電極によって形成された未焼成の前記メッキ用電極6は、メタライズ層9、配線層10,12、メッキ用結線14などと導通可能となった。
次いで、第1・第2ブレーク溝v1,v2を形成する工程を、前記図7中の部分拡大図である図8,図9によって説明する。
図8中で下向きの実線の矢印で示すように、ベースグリーンシートbgの製品エリアaにおいて、隣接する製品部p,p間を区画する切断予定面cに沿って、上方から第1刃物B1を、隣接するキャビティ5,5間に挟まれたグリーンシートg1,g2の幅方向の中間位置に対し、垂直に挿入して断面ほぼV字形の第1ブレーク溝v1を形成した。
図8,図9に示すように、第1ブレーク溝v1の深さd1は、ベースグリーンシートbgの厚みtの10%以上、具体的には、18%であった。
尚、前記第1刃物B1の刃先角は、22度以上で且つ30度未満の鋭角であるため、第1ブレーク溝v1内の角度は、約21度〜29度程度の角度となった。
また、前記第1刃物B1の刃先部分をメタライズ層6に挿入した際、第1刃物B1の刃先部分を最上層のグリーンシートg1の厚み方向に沿って挿入および通過させた際、その刃身が左右に振れることなく、スムースに挿入・通過した。
更に、該第1刃物B1の刃先部分は、第2層のグリーンシートg2の表面付近に位置する裏面側凹部7の天井面8と、メタライズ層9の前記天井部分9bとを通過した。即ち、図8に示すように、第1ブレーク溝v1の最深部は、裏面側凹部7の天井面8よりも裏面4側に達していた。
次に、図8中で上向きの実線の矢印で示すように、ベースグリーンシートbgの製品エリアaにおいて、隣接する製品部p,p間を区画する切断予定面cに沿って、下方から第2刃物B2を、裏面側凹部7ごとにおける幅方向の中間位置から、最下層のグリーンシートg4の表面の直前付近に至る深さで垂直に挿入して、断面ほぼ逆V字形の第2ブレーク溝v2を形成した。尚、第2刃物B2の刃先角も、前記第1刃物B1の刃先角とほぼ同様であった。
図8に示すように、第2ブレーク溝v2の深さd2も、ベースグリーンシートbgの厚みtの10%以上、具体的には、14%であり、その最深部は、裏面側凹部7の天井面8には達していない。同時に、図9に示すように、第2ブレーク溝v2の最深部は、メッキ用結線14よりも裏面4側に位置していた。しかも、第1・第2ブレーク溝v1,v2の最深部と、メッキ用結線14との距離w1,w2は、何れも0.05mm以上であった。
尚、図8中の破線の矢印は、前記第1・第2刃物B1,B2をそれぞれ抜き出した際の方向を示す。
以上のような第1・第2ブレーク溝v1,v2は、ベースグリーンシートbgの製品エリアaにおいて、隣接する製品部p,p間を区画する切断予定面c、および外周側の製品部pと耳部mとの間を区画する切断予定面cに沿って、縦横に複数ずつ順次形成され、平面視で全体が格子形状となった。
次いで、前記第1・第2ブレーク溝v1,v2が形成されたベースグリーンシートbgを、所定の温度帯において焼成した。その結果、前記グリーンシートg1〜g4は、前記セラミック層s1〜s4となり、且つこれらが一体に積層された前記基板本体2となった。
そして、基板本体2の耳部mに形成された複数のメッキ用電極6ごとに、図示しない電極棒を接触させた状態で、かかる基板本体2を所定のメッキ液槽に順次浸漬して、電解Niメッキおよび電解Auメッキを施した。この際、第1ブレーク溝v1の最深部が、前記裏面側凹部7の天井面8よりも裏面4側に達していたため、上記の各メッキ液が裏面側凹部7内において、比較的均一に流動化された。このため、裏面側凹部7内に位置するメタライズ層9の表面全体に対し、電解Niメッキおよび電解Auメッキを、比較的均一で且つ確実に施すことができた。
その結果、焼成された裏面側凹部7内に位置するメタライズ層9、および表面電極fの表面に、所要の厚みを有するNiおよびAuメッキ層(メッキ層)が被覆され、前記図1乃至図4で示した多数個取り配線基板1を製造できた。
以上のような多数個取り配線基板1の製造方法によれば、第1・第2ブレーク溝v1,v2の深さd1,d2が前記範囲内にあり、且つそれらの最深部がメッキ用結線14と所定の距離w1,w2を保っていたため、焼成間までの工程でベースグリーンシートbgが不用意に破損せず、且つ焼成後の切断時に個々の配線基板の側面に露出する切断面が、割り欠けなどを含む異形となりにくくなった。しかも、第2ブレーク溝v2の最深部は、隣接する製品部pの配線層12,12間を導通するメッキ用結線14に達しないため、該メッキ用結線14の断線を確実に防止できた。従って、形状および寸法精度に優れ、前記メタライズ層9などの表面に良好なメッキ処理が施された複数の配線基板を、確実且つ効率良く提供することが可能となった。
本発明は、以上において説明した形態に限定されるものではない。
例えば、前記グリーンシートは、ムライトや窒化アルミニウムなどの高温焼成セラミック、あるいはガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックを含むものとしても良い。このうち、低温焼成セラミックを含む場合、前記導電性ペーストは、CuまたはAg粉末を含むものが用いられる。
また、積層すべきグリーンシートは、2,3層や5層以上であっても良い。
更に、前記裏面側凹部は、断面が円形で且つ全体がほぼ円柱形の形態としても良く、その内側に形成されるメタライズ層は、ほぼ相似形の円筒形状となる。
また、前記製品部は、平面視がほぼ正方形を呈する形態としても良い。
更に、前記製品部は、表面に開口し且つその底面に電子部品を実装するキャビティ、および裏面を有し、表面におけるキャビティの開口部を除いたほぼ全面に封止用メタライズ形成されている箱形のパッケージの形態としても良い。
加えて、前記製品部は、表面に開口するキャビティを有するほぼ板形状、あるいはキャビティを有しない平板形状の配線基板の形態としても良い。
本発明によって製造される一形態の多数個取り配線基板の平面図。 上記多数個取り配線基板の底面図。 図1,2中のX−X線の矢視に沿った部分垂直断面図。 図1,2中のY−Y線の矢視に沿った部分垂直断面図。 上記多数個取り配線基板の製造工程の概略を示す断面図。 図5に続く製造工程の概略を示す断面図。 図6に続く製造工程の概略を示す断面図。 第1・第2ブレーク溝を形成する工程の概略を示す断面図。 図8の工程後における異なる位置での多数個取り配線基板を示す断面図。
符号の説明
1……………多数個取り配線基板
3……………表面
4……………裏面
6……………メッキ用電極
7……………裏面側凹部
8……………裏面側凹部の天井面
9……………裏面側凹部のメタライズ層
12…………配線層(導体)
14…………メッキ用結線
g1〜g4…グリーンシート
bg…………ベースグリーンシート
a……………製品エリア
p……………製品部
m……………耳部
c……………切断予定面
v1,v2…第1・第2ブレーク溝
t……………ベースグリーンシートの厚み
d1,d2…第1・第2ブレーク溝の深さ
w1,w2…距離

Claims (5)

  1. 複数のグリーンシートを積層してなり、且つ表面および裏面を有し、分割後に配線基板となる複数の製品部を縦横に連続して有する製品エリアと、裏面に開口し、隣接する製品部を区画する切断予定面と交差して形成され、表面に露出せず且つ内壁面に未焼成のメタライズ層を有する裏面側凹部と、かかる裏面側凹部がない位置の切断予定面を交差して形成され、且つ隣接する製品部の導体間を導通するメッキ用結線と、を備えたベースグリーンシートに対し、
    上記ベースグリーンシートの表面側および裏面側から各製品部を区画する切断予定面に沿って、それぞれの深さがベースグリーンシートの厚みの10%以上であり、且つ各深さの合計が30%以上となる第1ブレーク溝および第2ブレーク溝を個別に形成する工程を含み、このうち、裏面側から形成される第2ブレーク溝の最深部は、上記メッキ用結線よりも裏面側に位置している、
    ことを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。
  2. 前記第1ブレーク溝および第2ブレーク溝の各最深部と、前記メッキ用結線との間の距離は、少なくとも0.05mm以上である、
    請求項1に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
  3. 前記第1ブレーク溝の最深部は、前記裏面側凹部の天井面よりも裏面側に達している、
    請求項1または2に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
  4. 前記製品エリアの少なくとも一辺には、前記複数のグリーンシートからなり、外側面に前記メッキ用結線および前記裏面側凹部のメタライズ層と導通するメッキ用電極を形成した耳部が配設されている、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
  5. 前記第1ブレーク溝および第2ブレーク溝を形成する工程の後に、前記裏面側凹部のメタライズ層の表面にメッキ層を形成する工程と、これらが形成された前記ベースグリーンシートを焼成する工程と、を行う、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
JP2008054200A 2008-03-05 2008-03-05 多数個取り配線基板の製造方法 Pending JP2009212319A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008054200A JP2009212319A (ja) 2008-03-05 2008-03-05 多数個取り配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008054200A JP2009212319A (ja) 2008-03-05 2008-03-05 多数個取り配線基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009212319A true JP2009212319A (ja) 2009-09-17

Family

ID=41185178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008054200A Pending JP2009212319A (ja) 2008-03-05 2008-03-05 多数個取り配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009212319A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018101720A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 Ngkエレクトロデバイス株式会社 多数個取り配線基板およびその製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56110674U (ja) * 1980-01-23 1981-08-27
JPH0359660U (ja) * 1989-10-12 1991-06-12
JPH0974151A (ja) * 1995-09-07 1997-03-18 Shinko Electric Ind Co Ltd チップキャリア用基板及びその製造方法
JPH11163193A (ja) * 1997-11-25 1999-06-18 Kyocera Corp 電子部品収納用パッケージの製造方法
JP2002009188A (ja) * 2000-06-19 2002-01-11 Sumitomo Metal Electronics Devices Inc セラミックパッケージ及びその製造方法
JP2002016341A (ja) * 2000-06-30 2002-01-18 Ngk Spark Plug Co Ltd 連結セラミック配線基板の製造方法、および配線基板の製造方法。
JP2006041310A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Kyocera Corp 多数個取り配線基板
JP2006128363A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Kyocera Corp 多数個取り配線基板および電子装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56110674U (ja) * 1980-01-23 1981-08-27
JPH0359660U (ja) * 1989-10-12 1991-06-12
JPH0974151A (ja) * 1995-09-07 1997-03-18 Shinko Electric Ind Co Ltd チップキャリア用基板及びその製造方法
JPH11163193A (ja) * 1997-11-25 1999-06-18 Kyocera Corp 電子部品収納用パッケージの製造方法
JP2002009188A (ja) * 2000-06-19 2002-01-11 Sumitomo Metal Electronics Devices Inc セラミックパッケージ及びその製造方法
JP2002016341A (ja) * 2000-06-30 2002-01-18 Ngk Spark Plug Co Ltd 連結セラミック配線基板の製造方法、および配線基板の製造方法。
JP2006041310A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Kyocera Corp 多数個取り配線基板
JP2006128363A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Kyocera Corp 多数個取り配線基板および電子装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018101720A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 Ngkエレクトロデバイス株式会社 多数個取り配線基板およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009218319A (ja) 多数個取り配線基板の製造方法
KR101550125B1 (ko) 세라믹 배선기판, 다수개 취득 세라믹 배선기판, 및 그 제조방법
US9049793B2 (en) Multi-piece-array and method of manufacturing the same
EP2712281B1 (en) Wiring substrate, multi-pattern wiring substrate, and manufacturing method therefor
JP4676964B2 (ja) 多数個取り基板
JP4190555B2 (ja) 多数個取り配線基板およびその製造方法
JP5295807B2 (ja) 配線基板多数個取り用の母基板
JP2008153441A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2009212319A (ja) 多数個取り配線基板の製造方法
JP2007251017A (ja) 配線基板および多数個取り配線基板ならびにその製造方法
CN103477722B (zh) 配线基板、组合配线基板及其制造方法
JP2017076698A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2009194000A (ja) 多数個取り配線基板
JP5574804B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP4431117B2 (ja) セラミックパッケージの製造方法
JP2016201434A (ja) セラミック配線基板およびその製造方法
JP2019047005A (ja) 多数個取りセラミック基板およびその製造方法
JP2009200404A (ja) セラミック配線板の製造方法
JP5297164B2 (ja) 配線基板
JP2014007235A (ja) セラミック基板の製造方法
JP2006173368A (ja) セラミック基板
JP2006041310A (ja) 多数個取り配線基板
JP2013122979A (ja) 多数個取り配線基板およびその製造方法
KR20140115930A (ko) 레이저를 이용한 다층패턴 pcb의 제조방법 및 이를 통해 제조한 다층패턴 pcb
JP2020113725A (ja) 配線基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091114

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20100223

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20100406

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20100612

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100817