JP2013122979A - 多数個取り配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面3および裏面4を有し、複数のセラミック層s1〜s3を積層してなる基板本体2と、基板本体2の中央側に位置し、複数の配線基板領域paが縦横に隣接して位置する製品領域と、基板本体2の周辺側に位置し、製品領域の周囲を囲む耳部5と、基板本体2の表面3にレーザー加工により形成され、製品領域における配線基板領域pa同士の境界cfおよび製品領域と耳部5との境界cfに沿った複数の分割溝7,8と、を備え、該分割溝7,8の両端には、耳部5に位置し、該両端部を除いた製品領域PA内の溝部7,8よりも深さが深く、且つ製品領域内の溝部7,8の溝幅よりも大きな溝幅を有する中央側の幅広部11と外側の曲線部12とで構成されるアール部9が位置している、多数個取り配線基板。
【選択図】図3
Description
即ち、本発明の多数個取り配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有し、複数のセラミック層を積層してなる基板本体と、該基板本体の中央側に位置し、複数の配線基板領域が縦横に隣接して位置する製品領域と、上記基板本体の周辺側に位置し、上記製品領域の周囲を囲む耳部と、上記基板本体の表面および裏面の少なくとも一方にレーザー加工により形成され、上記製品領域における配線基板領域同士の境界および製品領域と耳部との境界に沿った平面視が格子枠形状を呈する複数の分割溝と、を備えた多数個取り配線基板であって、上記分割溝の両端には、上記耳部に位置し、該両端部を除いた製品領域内の溝部よりも深さが深く、且つ平面視で製品領域内の溝部の溝幅よりも大きな溝幅を有する中央側の幅広部と外側の曲線部とで構成されるアール部が位置している、ことを特徴とする。
また、前記基板本体の表面および裏面の双方に形成される分割溝は、平面視において互いに重複する位置に配設される。
更に、配線基板領域には、表面および裏面が平行で且つ板状の配線基板のほかに、例えば、表面にキャビティを有する形態や、表面と裏面との双方にキャビティを有する形態を形態などが含まれる。
これによれば、前記分割溝の両端のアール部を、平面視で比較的狭い面積により耳部に狭ピッチで配置できると共に、外力などに起因する割れも確実に抑制することが可能となる。
更に、本発明には、前記分割溝の両端の前記アール部における平面視の直径または短径は、前記製品領域内の溝部の溝幅よりも2mmまでの範囲で大きい、多数個取り配線基板(請求項3)も含まれる。
これによっても、前記アール部を、平面視で比較的狭い面積により耳部に狭ピッチで配置でき、外力などに起因する割れも確実に抑制することが可能となる。
尚、前記直径または短径を、前記溝幅に対してプラス2mm以下としたのは、かかる範囲を超えた場合、隣接する分割溝同士間のピッチを大きくなり過ぎるためである。
これによれば、製品領域内に位置する溝部の溝底部と、該溝部に隣接し且つ耳部に位置するアール部の最深部とが、深さ方向においても、上向きに凸の曲面あるいはテーパ面によって連続的に連なっている。そのため、外力などを受けた際に、基板本体の内部においても、外力や応力の集中による不用意な割れや破損を抑制ないし低減することが可能となる。
加えて、本発明には、前記分割溝の両端に位置するアール部の最深部は、前記基板本体の内部に位置しているか、該基板本体において当該分割溝が位置する表面または裏面と反対側の裏面または表面に開口している、多数個取り配線基板(請求項5)も含まれる。
これらのうち、アール部の最深部が基板本体の内部に位置している形態は、前記請求項4と同様の効果を奏する。一方、アール部の最深部が該基板本体において当該分割溝が位置する表面と反対側の裏面などに開口している形態では、該反対側の裏面に貫通する貫通孔を基準として、該裏面に対して平面視で同じ位置に分割溝を容易に形成することができる。
尚、前記レーザーには、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザーなどが含まれる。
これによれば、基板本体の表面と裏面とにおける平面視で同じ位置に両端にアール部を有する前記分割溝を精度良く容易に形成することができる。
図1は、本発明による一形態の多数取り配線基板1を示す平面図、図2は、図1中の一点鎖線部分Xの部分拡大平面図、図3は、図2中のY−Y線の矢視に沿った垂直断面図である。
多数取り配線基板1は、図1,図3に示すように、表面3および裏面4を有する基板本体2と、該基板本体2の平面視における中央側に位置する製品領域PAと、該製品領域PAの周囲を囲み基板本体2の周辺側に位置する四角枠形状の耳部5と、基板本体2の表面3に平面視で格子枠形状を呈して形成された複数の分割溝7,8とを備えている。
以上のような溝部7a,8aとその両端にアール部9とを有する分割溝7,8は、後述するレーザー加工のみによって形成されたものである。
上記配線基板1aにおいて、前記同様に、製品領域PA内の表面3に溝部7a,8aを格子枠状に形成された分割溝7,8の両端は、耳部5に部分的に進入し、溝部7a,8aの端部にアール部10が該溝部7a,8aおよび表面3に沿って連続して位置している。
上記アール部10は、図4,図5に示すように、平面視で楕円形状を呈し、且つ中央側の溝部7a,8aに隣接し、側面視で最深部14が溝部7a(8a)の溝底部よりも深く、且つ平面視で溝幅が溝部7a,8aの溝幅よりも大きい製品領域PA側(中央側)の幅広部11と、外側の曲線部12とから構成されている。
以上のような溝部7a,8aとその両端にアール部10とを有する分割溝7,8も、後述するレーザー加工のみによって形成されたものである。
予め、アルミナ粉末に樹脂バインダおよび溶剤などを適量ずつ配合してセラミックスラリとし、該セラミックスラリをドクターブレード法によってシート化して、3層のグリーンシートを製作した。
次に、上記グリーンシートごとにおける所定の位置にビアホールを打ち抜き、該ホールごとにW粉末またはMo粉末を含む導電性ペーストを充填した後、各グリーンシートの表・裏面の少なくとも一方に上記ペーストを所定のパターンで印刷して、未焼成のパッド6、内部配線層、および裏面導体層(何れも図示せず)を形成した。
更に、前記3層のグリーンシートを厚み方向に沿って積層し圧着した。
その結果、図6の平面図で示すように、表面3および裏面4を有する未焼成の基板本体2、平面視で該基板本体2中央側に位置し、複数の配線基板領域paを併有する製品領域PA、該製品領域PAの周囲を囲み基板本体2の周辺側に位置する耳部5、配線基板領域pa,pa間および製品領域PAと耳部5とを区画する境界に位置する切断予定面cfが平面視で格子枠形状に設定された未焼成のグリーンシート積層体gsを形成した。
かかる工程において、レーザーLは、図示しないレーザー照射手段のレーザー発生源と共に図示で水平方向に沿って移動する集光レンズ18により設定された焦点を上記表面3付近に保って、図9に示すように、送り速度spを制御するによって移動する。即ち、レーザーLの出力pwを一定とし、図示のように、送り方向に沿った距離のうち、最初と最後の部位では、送り速度spを相対的に低くし、これらの間では送り速度spを相対的に高くするパターンにして制御した。
あるいは、図10に示すように、上記送り速度spを一定とし、レーザーLの出力pwを移動方向の距離(位置)に応じて制御を行った。即ち、レーザーLの送り速度spを一定とし、図示のように、最初と最後の部位では、レーザーLの出力pwを相対的に高くし、これらの間ではレーザーLの出力pwを相対的に低くするパターンにするように制御した。
引き続いて、図7,図8に示すように、製品領域PA内では、送り速度spが相対的に高いか、レーザーLの出力が相対的に低いことに起因して、アール部9,10の最深部13,14よりも溝底部が浅く断面V字形状の溝部7aが表面3および前記切断予定面cfに沿って、直線状に形成された。
そして、分割溝7,8が基板本体2の表面3に格子枠状に形成された前記グリーンシート積層体gsを所定の温度域で焼成し、更に前記パッド6などの外部に露出する導体部分の表面にNiメッキやAuメッキなどの金属メッキを施すことによって、図13,図14に示すように、多数個取り配線基板1,1aを得ることができた。
尚、前記分割溝7,8の両端には、一対の同じアール部9、あるいは一対の同じアール部10を対称に形成した形態が望ましいが、両端にアール部9,10を個別に有する形態としても特に支障はない。
図14で示したように、前記配線基板1aに形成された分割溝7,8の両端には、裏面4側に開口孔15を有する一対のアール部10が対称に位置している。
次に、図15に示すように、前記配線基板1aを上下逆とし、裏面4を上方の姿勢にすると、かかる裏面4には、比較的小径の開口孔15が四辺の耳部5に沿って殆んど等間隔にして複数個が連続して露出している。前記製品領域PAを挟んで対称な位置に開口する一対の開口孔15,15は、図示のように、表面3側に形成された分割溝7あるいは分割溝8の両端部の位置を示している。
そして、表面3側の分割溝7,8と裏面4側の分割溝17(18)が形成された前記グリーンシート積層体gsを前記同様に焼成し、且つ金属メッキすることによって、基板本体2の表裏面3,4に分割溝7,8,17,18が格子枠形状で且つ厚み方向で対称に形成された多数個取り配線基板1bが得られた。
前記のような多数個取り配線基板1,1aの製造方法によれば、前記照射条件によるレーザー加工のみによって、製品領域PA内の溝部7a,8aと耳部5に位置する両端のアール部9,10とを一体に有する分割溝7,8を、基板本体2の表面3に確実に形成することができた。従って、比較的少ない工数で且つ比較的容易な照射条件の制御によるレーザー加工のみにより、割れにくく且つより多くの配線基板領域paを配設できる多数個取り配線基板1,1aを、効率良く製造することができた。
更に、前記多数個取り配線基板1bの製造方法によれば、基板本体2の表面3と裏面4とにおける平面視で同じ位置に両端にアール部9,10を有する前記分割溝7,8と、一定の深さの溝底部を有する分割溝17,18とを精度良く対称で且つ容易に形成することができた。
例えば、前記基板本体2のセラミックは、アルミナ以外の高温焼成セラミック、あるいはガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックとしても良い。
また、前記アール部は、平面視で長円形状、あるいは中央側と外側とが非対称である円弧形状であっても良い。
更に、前記レーザーは、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、あるいは半導体レーザーなどにしても良い。
加えて、前記レーザーの照射条件は、送り方向の距離における最初付近と最後付近とでは、送り速度を低くし且つレーザーの出力を高くすると共に、これらの中間では、送り速度を高くし且つレーザーの出力を低くする制御としても良い。
2………………………基板本体
3………………………表面
4………………………裏面
5………………………耳部
7,8,17,18…分割溝
7a,8a……………溝部
9,10………………アール部
11……………………幅広部
12……………………曲線部
15……………………開口孔
18……………………集光レンズ(レーザー照射手段)
s1〜s3……………セラミック層
PA……………………製品領域
pa……………………配線基板領域
cf……………………切断予定面(境界)
r………………………曲面
gs……………………グリーンシート積層体
L………………………レーザー
sp……………………送り速度
pw……………………レーザーの出力
Claims (7)
- 表面および裏面を有し、複数のセラミック層を積層してなる基板本体と、
上記基板本体の中央側に位置し、複数の配線基板領域が縦横に隣接して位置する製品領域と、
上記基板本体の周辺側に位置し、上記製品領域の周囲を囲む耳部と、
上記基板本体の表面および裏面の少なくとも一方にレーザー加工により形成され、上記製品領域における配線基板領域同士の境界および製品領域と耳部との境界に沿った平面視が格子枠形状を呈する複数の分割溝と、を備えた多数個取り配線基板であって、
上記分割溝の両端には、上記耳部に位置し、該両端部を除いた製品領域内の溝部よりも深さが深く、且つ平面視で製品領域内の溝部の溝幅よりも大きな溝幅を有する中央側の幅広部と外側の曲線部とで構成されるアール部が位置している、
ことを特徴とする多数個取り配線基板。 - 前記分割溝の両端のアール部は、平面視で円弧形状、長円形状、あるいは楕円形状を呈する、
ことを特徴とする請求項1に記載の多数個取り配線基板。 - 前記分割溝の両端の前記アール部における平面視の直径または短径は、前記製品領域内の溝部の溝幅よりも2mmまでの範囲で大きい、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の多数個取り配線基板 - 前記分割溝の両端に位置するアール部と、該アール部に隣接する溝部の溝底部との間には、上向きに凸の曲面あるいはテーパ面が位置している、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の多数個取り配線基板。 - 前記分割溝の両端に位置するアール部の最深部は、前記基板本体の内部に位置しているか、該基板本体において当該分割溝が位置する表面または裏面と反対側の裏面または表面に開口している、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の多数個取り配線基板。 - 表面および裏面を有し、複数のセラミック層を積層してなる基板本体と、該基板本体の中央側に位置し、複数の配線基板領域が縦横に隣接して位置する製品領域と、上記基板本体の周辺側に位置し、上記製品領域の周囲を囲む耳部と、上記基板本体の表面および裏面の少なくとも一方にレーザー加工により形成され、上記製品領域における配線基板領域同士の境界および製品領域と耳部との境界に沿った平面視が格子枠形状を呈する複数の分割溝と、を備えた多数個取り配線基板の製造方法であって、
複数のグリーンシートを積層してグリーンシート積層体を形成する工程と、
上記グリーンシート積層体の表面および裏面の少なくとも一方にレーザーを照射するレーザー加工を施して複数の上記分割溝を形成する工程を含み、
上記レーザーの照射は、上記グリーンシート積層体の表面または裏面に沿ったレーザー照射手段の送り速度を上記分割溝の両端部ではこれらの間における製品領域内の溝部よりも遅くするか停止させ、あるいはレーザー出力を上記分割溝の両端ではこれらの間における製品領域内の溝部よりも大きくすることにより、中央側の溝部よりも深さが深く、且つ平面視による溝幅が製品領域内の溝部よりも大きなアール部を両端部に形成している、
ことを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。 - 前記グリーンシート積層体の表面に沿って前記レーザー加工により両端部に貫通孔を含むアール部を有する分割溝を形成した後、該両端部の開口孔を基準として上記グリーンシート積層体の裏面に対し、上記同様のレーザー加工による分割溝の形成を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の多数個取り配線基板の製造方法。
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