JP5574804B2 - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、母基板の中央部に、各々が電子部品を搭載するための配線基板となる複数の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに配置され、配線基板領域の境界に分割溝が形成された多数個取り配線基板に関するものである。
従来、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基体の表面に、タングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成る配線導体が配設されることによって形成されている。
このような配線基板は、近年の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが小さくなってきており、複数の配線基板を効率良く製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって製作するということが行なわれている。多数個取り配線基板は、広い面積の母基板の中央部に複数の配線基板領域が縦横に配列して形成され、各配線基板領域を区分する分割溝が縦横に形成されたものである。この母基板を撓ませて分割溝に沿って分割することによって、複数の配線基板が得られる。
また、配線基板は、通常は矩形状であるが、配線基板の欠けの防止や平面視で配線基板の方向性を示すことを目的として、配線基板の角部を斜めに切り取った形状とすることがある。このような配線基板は、配線基板領域の周囲にダミー領域を設けて、配線基板領域の角部を斜めに切り取るような三角形状の貫通孔を、三角形状の貫通孔の斜辺が分割溝と交わるように設けた多数個取り配線基板を製作することで得ることができる(例えば、特許文献1を参照。)。また、位置合わせ用の切欠きを配線基板の辺に設けるために、各配線基板領域の辺となる部分に貫通孔をもうける場合もある。
特開2008−060096号公報
しかしながら、上記した従来技術のような多数個取り配線基板においては、多数個取り配線基板を撓ませて分割溝に沿って分割しようとすると、応力の集中しやすい三角形状の貫通孔の角部が分割溝の近傍に位置するので、この角部を起点とした亀裂が発生してしまうことがあった。このように、貫通孔の角部を起点とした亀裂が発生して多数個取り配線基板が分割されると、配線基板の外縁に大きなバリを発生させてしまうことや、配線基板領域まで亀裂が入って、分割後の配線基板にクラックが生じてしまうことがあった。
特に、分割溝と貫通孔の辺とが斜めに交わっている場合には、分割溝を挟んでその片側の絶縁体にだけ貫通孔の角部が存在するので、貫通孔の角部に応力がより集中しやすくなって、この貫通孔の角部を起点とした亀裂が発生しやすい傾向があった。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、貫通孔の角部を起点とする亀裂の発生を抑えることのできる多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の多数個取り配線基板は、平面視で矩形状の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置され、それぞれの前記配線基板領域の周囲にダミー領域が形成された母基板に、前記配線基板領域と前記ダミー領域との境界に沿って分割溝が形成されているとともに、前記配線基板領域と前記ダミー領域とにまたがって配置された、角部を有する貫通孔が形成された多数個取り配線基板において、前記境界上に、前記貫通孔から前記分割溝にかけて前記母基板を貫通した切り込みを備えており、該切り込みは、平面視で前記貫通孔から、該貫通孔の角部から前記境界に対し引いた垂線と交わる部分までの長さより長く形成されていることを特徴とするものである。
本発明の多数個取り配線基板によれば、配線基板領域とダミー領域との境界上に、貫通孔から分割溝にかけて母基板を貫通した切り込みを備えており、切り込みは、平面視で貫通孔から、貫通孔の角部から境界に対し引いた垂線と交わる部分までの長さより長く形成
されていることから、母基板を撓ませて分割する際に、切り込みの先端部に応力が集中しやすく、切り込みの先端部を起点として亀裂が入り、分割溝に沿って亀裂が進展しやすくなるので、配線基板を分割溝に沿って良好に分割することができ、配線基板の外縁におけるバリの発生や配線基板へのクラックの発生を抑制することができる。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。 図1(a)のA部を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。 図1(a)のB部を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例の要部を拡大してを示す平面図である。
本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ説明する。図1〜図6において、1は母基板、1aは配線基板領域、1bはダミー領域、1cは切り込み、2(2x,2y)は分割溝、3は貫通孔、4は配線導体、5は凹部である。
図1,図4および図5に示す例の多数個取り配線基板は、母基板1の中央部に複数の配線基板領域1aが縦および横の並びに複数配列されており、これら複数の配線基板領域1aのそれぞれの周囲にダミー領域1bが設けられている。このような中央部に配線基板領域1aが複数配列された多数個取り配線基板は、配線基板領域1aを個々に分割することによって、複数の矩形状の小型の配線基板を良好に作製することが可能となる。なお、図1(a),図4(a)および図5(a)に示す例においては、母基板1に縦方向および横方向に2列ずつの計4個の配線基板領域1aが配列されている。母基板1の一方主面の各配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界には、横方向の分割溝2xと縦方向の分割溝2yとからなる分割溝2が形成されている。また、配線基板領域1aとダミー領域1bとにまたがって角部を有する貫通孔3が配置されている。そして、境界上に、貫通孔3から分割溝2にかけて母基板1を貫通した切り込み1cを備えている。
このような本発明の多数個取り配線基板によれば、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界上に、貫通孔3から分割溝2にかけて母基板1を貫通した切り込み1cを備えて
いることから、母基板1を撓ませて分割する際に、貫通孔3の角部に応力が集中しにくくなって、切り込み1cの先端部に応力が集中しやすく、切り込み1cの先端部を起点として亀裂が入り、分割溝2に沿って亀裂が進展しやすくなるので、母基板1を分割溝2に沿って良好に分割することができ、配線基板の外縁におけるバリの発生や配線基板へのクラックの発生を抑制することができる。
なお、配線基板領域1aは縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置されていればよく、図1(a),図4(a)および図5(a)に示す例では縦横の並びにそれぞれ2個ずつ配置しているが、さらに多数個の並びに配置されたものであってもよい。例えば、縦の並びに6個配置するとともに横の並びに9個配置して計54個の配線基板領域1aが配置されていてもよい。また、縦の並びに1個配置するとともに横の並びに4個配置して計4個の配線基板領域1aが配置された多数個取り配線基板や、縦の並びに3個配置するとともに横の並びに1個配置して計3個の配線基板領域1aが配置された多数個取り配線基板としてもよい。いずれの場合も、それぞれの配線基板領域1aの周囲にダミー領域1bが設けられている。このような配線基板領域1aの配置は、母基板1や配線基板領域1aの大きさ、配線基板領域1aに搭載される電子部品や配線導体の配置等に合わせて設定される。
母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成る単数の絶縁層または複数の絶縁層が積層されて成るものである。この母基板1の中央部に、タングステン,モリブデン,銅,銀等の金属粉末メタライズから成る配線導体4が形成された配線基板領域1aが縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置されている。
母基板1は、絶縁層が例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダー,溶剤,可塑剤および分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法等のシート成形方法を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得た後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに必要に応じてこれを複数枚積層して、母基板1となる生成形体を作製して、約1500℃〜1800℃の温度で焼成することで、単数あるいは複数の絶縁層からなるものが製作される。
また、母基板1は、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域1aのそれぞれの周囲に、ダミー領域1bを有している。ダミー領域1bは、貫通孔3を形成するために必要な領域であるとともに、多数個取り配線基板の製造や搬送を容易とするための領域であり、このダミー領域1bを用いて母基板1となる生成形体や多数個取り配線基板の加工時や搬送時の位置決め、固定等を行なうことができる。また、分割溝2の両端部が、最外周に配列される配線基板領域1aと母基板1となる生成形体の外周部との間のダミー領域1bに位置するように形成しておくと、母基板1の搬送時等に外部から加わる力によって母基板1が不用意に割れてしまうことを防止することができるので好ましい。
分割溝2は、母基板1の各配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界に形成されている。これらの分割溝2は、母基板1となる生成形体にカッター刃や金型を押し当てることによって、あるいは母基板1となる生成形体または焼成後の母基板1にレーザ加工やダイシング加工を施すことによって形成することができる。分割溝2の縦断面形状は、V字状やU字状あるいは凹形状であってもよいが、図1(b),図2(b),図4(b),図5(b)に示す例のようにV字状にすると、母基板1を撓ませて分割溝2に沿って破断する
際に、分割溝2の底部に応力が集中しやすいので、U字状または凹形状の場合に比べて小さい力で正確に分割できて好ましい。また、分割溝2は、図4(b)および図5(b)に示す例のように、母基板1の両主面に形成していても構わない。
分割溝2の深さは、絶縁基体の材料等によって適宜設定され、例えば、母基板1の厚みの50%〜70%に形成されることが好ましい。分割溝2の深さが母基板1の厚みの50%以下であると分割しにくくなる傾向にあり、分割溝2の深さが70%以上であると運搬時の衝撃等によって不用意に分割溝2で割れやすくなる傾向にある。分割溝2の深さを上記範囲とすることで、母基板1が良好に分割されるとともに不用意に割れることのない多数個取り配線基板となる。なお、分割溝2が、母基板1の両主面に形成される場合は、両主面に形成された分割溝2の深さの合計が上記範囲のように設定されていればよい。
母基板1の分割溝2の開口幅は、例えば、0.01mm〜1.0mmであれば、母基板1を良
好に分割することができるとともに、分割溝2を形成することによって各配線基板領域1aの面積が小さくなってしまうことを抑制できる。開口幅が0.01mmより小さいと、母基板1となる生成形体にカッター刃や金型を押し当てることによって分割溝2を形成してから母基板1となる生成形体を焼成する際に、分割溝2の内壁面がくっついて分割溝2が閉じてしまうことや、分割溝2の底部側の内壁面同士がくっついて分割溝2が浅くなってしまうことがある。
貫通孔3は、配線基板領域1aとダミー領域1bとにまたがって、配置されており、図1〜図5に示す例のように、配線基板の切欠きの形状に応じた形状、例えば、平面視で三角形状や六角形状等の多角形状、扇形状または釣鐘形状に形成される。また、貫通孔3は、配線基板領域1aの角部に形成される場合には、例えば、配線基板領域1aの角部とダミー領域1bとにまたがって、それぞれの配線基板領域1aの角部を斜めに切り取るための辺を含む三角形状に形成すると、配線基板領域1aの角部に沿った形状となってダミー領域1bの大きさを大きくしなくてよいので好ましい。
このような貫通孔3を備えた多数個取り配線基板を分割することによって、平面視で外縁の一部分に切欠きを有する形状の、あるいは矩形状の角部が斜めに切り取られた形状の配線基板を得ることができる。
このような貫通孔3は、母基板1用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の加工方法によって形成される。また、配線基板領域1aが縦5mm〜50mm,横5mm〜50mm,厚さ0.5mm〜5mm程度であれば、貫
通孔3は、例えば、三角形状である場合であれば、三角形の辺が配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界と斜めに交わっており、辺の長さが1.4mm〜7mmであって、平面
視で辺と辺の交わる境界とのなす角の角度が120度〜150度であればよく、好ましくは135
度となる。
また、図4〜図6に示す例のように、貫通孔3の角部は、円弧状に形成されていることが好ましい。このようにすると、母基板1を分割する際に、貫通孔3角部に応力がより集中し難くなって、分割溝2に沿ってより良好に分割しやすくなる。この円弧の半径が0.1
mm〜1.0mmとなるように形成されていることが好ましい。このような半径とすること
で、応力の集中を抑えるとともに、貫通孔3の大きさが大きくなってダミー領域1bが大きくなることを抑えることができる。
貫通孔3は、図1に示す例では、矩形状の配線基板領域1aの角部とダミー領域1bとにまたがる部分および矩形状の配線基板領域1aの辺とダミー領域1bとにまたがる部分の両方に配置されているが、いずれか一方であってもよい。配線基板に要求される形状に
応じて配置すればよい。
また、貫通孔3は、図1に示す例では、矩形状の配線基板領域1aの1つの角部にのみ形成しているが、図4に示す例のように、矩形状の配線基板領域1aの4つの角部に形成していても構わない。また、貫通孔3を矩形状の配線基板領域1aの4つの角部に形成する場合には、これらの貫通孔3の少なくとも1つの大きさや形状について、境界と斜めに交わっている辺の長さや、境界と斜めに交わっている辺と境界との間の角度を変えることによって、配線基板領域1aの他の角部に形成された貫通孔3の大きさや形状と異ならせてもおけばよい。このようにすると、多数個取り配線基板を配線基板領域1a毎に分割して配線基板としたときに、矩形状の配線基板領域1aの角部に形成された辺の長さや辺と境界との間の角度をそれぞれの角部で異ならせて形成することができるので、矩形状の配線基板の角部の切取りを行なうとともに、方向性を示すことができる。
また、貫通孔3は、平面視で配線基板領域1aの辺上に、配線基板領域1aとダミー領域1bとにまたがって形成される場合においても、配線基板領域1aの辺に複数形成しておいても構わない。例えば、隣接する配線基板領域1aの2つの辺に3つの貫通孔3を形成しているか、あるいは配線基板領域1aの3つの辺に3つの貫通孔3を形成しておくと、縦横方向ならびに傾きの配線基板の平面方向における位置合わせを良好に行いやすくなる。また、隣接する配線基板領域1aの隣接する辺に貫通孔3を形成する場合には、図5に示す例のように、隣接する2つの配線基板領域1aとその間のダミー領域1bとにまたがって貫通孔3を形成しておいても構わない。このように貫通孔3を形成することによって、効率良く貫通孔3を形成できるとともに、母基板1の隣接する貫通孔3間に不用意に割れが発生することを抑制することができる。
切り込み1cは、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界上に、貫通孔3から分割溝2にかけて形成されているとともに、母基板1を貫通している。また、切り込み1cは、図1〜図5に示す例のような、平面視で、幅が分割溝2の開口幅と同程度の四角形状であればよい。分割溝2の幅は小さいので、通常はこのような切り込み1cであれば、貫通孔3の角部より応力が集中しやすいものとなる。また、切り込み1cの形状を、図6(a)に示す例のように、貫通孔3から先端にかけて徐々に幅が小さくなる三角形状とすると、切り込み1cの先端に応力がより集中しやすくなる。切り込み1cの先端の角の角度は、貫通孔3の角部の角度より小さいものとすれば、貫通孔3の角部よりも応力が集中しやすいものとなる。この場合の幅(貫通孔3側の幅)は、分割溝2の開口幅よりも大きくてもよいが、分割溝2の開口幅と同じにすると、各配線基板領域1aの形状(切欠き等の形状)を変えることがないのでよい。なお、切り込み1cが徐々に幅が小さくなる三角形状に形成されている場合には、切り込み1cの先端の角部を円弧状にするか、先端の角部を切り取った形状とすると、切り込み1cに応力が集中しやすくなりすぎて、運搬時の衝撃等によって不用意に割れやすくなることを抑えることができる。また、切り込み1cの形状を、図1〜図5に示す例のような形状に対して、先端を円弧状にしたものとしても、切り込み1cの先端に応力がより集中しやすくなる。切り込み1cの形状を円弧状にしてもよいが、その場合は、貫通孔3の角部の円弧の半径よりも小さい半径とすることによって、貫通孔3の角部よりも切り込み1cの方を応力が集中しやすいものとすることができる。
切り込み1cは、図6(a)に示す例のように、貫通孔3からその周囲の全ての分割溝2にかけて設けてもよいが、図1〜図5および図6(b)に示す例のように、貫通孔3から、配線基板領域1aとダミー領域1bとの間で、かつ応力の集中しやすい鋭角である角部の近くにある分割溝2にかけてのみ設ければよい。分割溝2と貫通孔3の辺とが斜めに交わっている場合には、その辺の両側の角部が直角等であっても切り込み1cを設けるのが好ましい。
このような切り込み1cは、母基板1となる生成形体にカッター刃や金型を押し当てることによって、あるいは母基板1となる生成形体または焼成後の母基板1にレーザ加工やダイシング加工を施すことによって形成することができる。あるいは、母基板1用のセラミックグリーンシートに貫通孔3となる孔を形成する際に、同時に形成してもよい。
また、分割溝2となる領域よりも切り込み1cとなる領域の刃の深さが深い1つのカッター刃を、切り込み1cとなる領域で、母基板1となる成形体を貫通するように押し当てることによって形成すると、分割溝2と切り込み1cとを同時に形成することによって、分割溝2と切り込み1cとを効率良く形成することができる。また、母基板1となる生成形体の両主面からカッター刃を押し当て、一方主面側の切り込みと他方主面側の切り込みとがつながるようにして、基板1を貫通する切り込み1cを形成しても構わない。
また、上述の複数の製造方法を組み合わせて形成しても構わない。例えば、母基板1が複数層から形成される場合、母基板1の他方主面側となるセラミックグリーンシートに、金型やパンチングによる打ち抜き加工を行い、このセラミックグリーンシートと他のセラミックグリーンシートと積層して母基板1となる生成形体の他方主面側に切り込み1cの一部となる穴を形成した後、母基板1となる生成形体の一方主面側からカッター刃を穴に達する深さまで押し当てて母基板1を貫通する切り込み1cを形成しても構わない。
なお、母基板1が複数層から形成される場合、母基板1となる生成形体にカッター刃や金型を押し当てることによって切り込み1cを形成することが好ましい。打ち抜き加工やレーザ加工を施した後に、これらの切り込み1cとなる貫通孔が形成された複数枚のセラミックグリーンシート同士を積層すると、積層時の圧力によって、切り込み1cの周囲のセラミックグリーンシートが変形して切り込み1cが潰れたりすることを抑制することができる。
また、分割溝2と貫通孔3の辺とが斜めに交わっている場合には、分割溝2を挟んでその片側にだけ、応力が集中して亀裂が入りやすい貫通孔3の角部が存在するので、この貫通孔3の角部に応力がより集中しやすくなり、貫通孔3の角部に亀裂が入る場合がある。このとき、図3に示す例のように、切り込み1cは、平面視で、貫通孔3から、貫通孔3の角部から配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界(分割溝2)に引いた垂線(図3に示す破線B)までの長さ以上に形成されている。言い換えれば、分割溝2を挟んで両側のいずれにも(分割溝に垂直な方向には)貫通孔3が存在しなくなる位置まで切り込み1cが延びている。このような切り込み1cとすることによって、分割溝2を挟んで配線基板領域1a側とダミー領域1b側の両側とも貫通孔3が存在しないので、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界と斜めに交わっている辺があっても切り込み1cの先端部に応力が集中して、分割溝2に沿って良好に分割することができる。
配線導体4には、絶縁基体の表面や絶縁層間に配置される配線導体層と、絶縁層を貫通して上下に位置する配線導体層同士を電気的に接続する貫通導体とがある。配線導体層は、母基板1用のセラミックグリーンシートにスクリーン印刷法等の印刷手段によって配線導体層用のメタライズペーストを印刷塗布し、母基板1用の生成形体とともに焼成することによって形成する。貫通導体は、配線導体4を形成するためのメタライズペーストの印刷塗布に先立って母基板1用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の加工方法によって貫通導体用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって充填しておき、母基板1となる生成形体とともに焼成することによって形成する。メタライズペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダーおよび有機溶剤、また必要に応じて分散剤等
を加えてボールミル,三本ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の混練手段によって混合および混練することで作製する。また、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼成後の母基板1との接合強度を高めたりするために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。貫通導体用のメタライズペーストは、有機バインダーや有機溶剤の種類や添加量によって、充填に適した、一般的に配線導体層用のメタライズペーストよりも高い粘度に調整される。
なお、配線導体4の露出する表面には、必要に応じて、ニッケルおよび金等の耐蝕性に優れる金属が被着される。これによって、配線導体4が腐食することを効果的に抑制することができるとともに、配線導体4と電子部品との接合、配線導体4とボンディングワイヤとの接合、および配線導体4と外部電気回路基板の配線導体との接合等を強固にすることができる。また、例えば、配線導体4の露出する表面には、厚さ1μm〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1μm〜3μm程度の金めっき層とが、電解めっき法もしくは
無電解めっき法によって順次被着される。
また、図4および図5に示す例のように、母基板1の主面の各配線基板領域1aに電子部品を収納するための凹部5を備えているものであっても構わない。凹部5は、母基板1用のセラミックグリーンシートのいくつかに金型やパンチングによる打ち抜き方法によって凹部5用の貫通孔を形成して、凹部5の底面となる貫通孔を形成していないセラミックグリーンシートと積層することによって形成することができる。
このような開口の大きさが異なる貫通孔3は、複数の母基板1用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の孔加工方法によって形成する際に、それぞれ異なる大きさの貫通孔を形成しておき、これらの貫通孔同士が重なるようにして母基板1用のセラミックグリーンシート同士を積層することによって、一方主面側と他方主面側とで開口の大きさが異なる貫通孔3を備えた多数個取り配線基板を製作することができる。
また、配線基板領域1aとダミー領域1bとの間の分割溝2と重なるように、内壁面に配線導体4が形成された穴または貫通孔を備えていても構わない。このような母基板1を分割した際には、穴または貫通孔が分割されることによって、配線基板の側面に配線導体が形成された溝を形成して、いわゆるキャスタレーション導体とすることができる。
なお、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、凹部5は母基板1の両主面に形成されていても構わない。
次に、本発明の多数個取り配線基板の具体例について説明する。
まず、縦82.9mm×横40.2mm×厚み2.95mmの酸化アルミニウム質焼結体からなる母基板1に、縦22.3mm×横32.2mmの矩形状の配線基板領域1aを、縦方向に3列および横方向に1列の3個配列して、各配線基板領域1aの外側には、幅4.0mmのダミー領域
1b(母基板1の外周部には上下にそれぞれ幅4.0mmの、左右にそれぞれ幅4.0mmの四角枠状のダミー領域1b、各配線基板領域1aの間には幅4.0mmのダミー領域1b)を
設けた母基板1を準備した。また、各配線基板領域1aには、中央部に縦20.02mm×横21.36mm×深さ1.75mmの凹部5が形成され、凹部5の底面と母基板1の下面には、配線導体4が導出されているものとした。さらに、配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界に、母基板1となる生成形体に金型を押し当てることによってV字状に形成された分割溝2を形成しており、この分割溝2は、開口幅が0.1mmで、母基板1の一方主面側の深
さを1.77mmとし、他方主面側の深さを0.16mmとした。
そして、実施例として、配線基板領域1aの1つの角部に、三角形状の貫通孔3を形成しているものとした。この三角形状の貫通孔3は、斜辺が4.5mmの、直角二等辺三角形
で斜辺両端の角部が半径0.16mmの円弧状であるものとした。この斜辺と配線基板領域1aの角部をなす2つの境界線(分割溝2)とがなす角度がともに135度であり、貫通孔3
の直角の角部が、ダミー領域1b内の配線基板領域1aの角部から縦方向、横方向ともに0.63mmの地点に位置する(斜辺の配線基板領域1aからダミー領域1b側に突出した部分の長さが片側0.9mm)ように配置した。また、切り込み1cは、幅方向の中心線を境
界に合わせて配置して、中心線の長さが0.68mm,幅が0.1mmの図2(a)に示す例の
ような形状のものとした。
また、比較例として、切り込み1cを有さない点以外は、上記の実施例と同じ多数個取り配線基板を準備した。また、比較例においては、分割溝は、貫通孔と交わるように形成しており、角部がダミー領域に位置するようにした。比較例1として、一方主面および他方主面側の分割溝が貫通孔3につながっている多数個取り配線基板を準備した。また、比較例2として、実施例の切り込み1cにかえて深さが一方主面側は2.3mmで他方主面側
は0.16mmである分割溝2とした多数個取り基板を準備した。
そして、実施例、比較例1および比較例2の多数個取り配線基板をそれぞれ20個ずつ準備し、これらの多数個取り配線基板を撓ませ、分割溝に沿って分割した後、それぞれの分割後の配線基板(各60個)に対して外観検査を行なって、配線基板の外縁のバリの発生の有無および配線基板のクラックの発生の有無を調べた。
比較例1では、貫通孔3の角部を起点とした亀裂の発生数は60個(発生率100%)であ
り、分割後の配線基板のクラックの発生数は9個(発生率15%)であった。また、比較例2では、貫通孔3の角部を起点とした亀裂の発生数は3個(発生率5%)であり、分割後
の配線基板のクラックの発生数は1個(発生率1.7%)であった。
これに対して、実施例では、全ての配線基板が、分割溝2に沿って分割されており、三角形状の貫通孔3の角部を起点とした亀裂の発生数は0個(発生率0%)であり、分割後の配線基板のクラックの発生数は0個(発生率0%)であった。
この結果から、貫通孔3から分割溝2にかけての部分に貫通孔3の角部より応力が集中しやすく亀裂の起点となりやすい部分を設けることで、貫通孔3の角部を起点とする亀裂の発生が抑えられることがわかった。そして、応力が集中しやすい部分が母基板1を貫通する切り込みであると、貫通孔3の角部を起点とする亀裂の発生がより抑えられることがわかった。
以上のように、本発明の多数個取り配線基板によれば、貫通孔3から分割溝2にかけて母基板1を貫通した切り込み1cを備えていることによって、配線基板にバリやクラックが生じることが抑制されることが確認できた。
1・・・・母基板
1a・・・配線基板領域
1b・・・ダミー領域
1c・・・切り込み
2・・・・分割溝
3・・・・貫通孔
4・・・・配線導体
5・・・・凹部

Claims (1)

  1. 平面視で矩形状の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置され、それぞれの前記配線基板領域の周囲にダミー領域が形成された母基板に、前記配線基板領域と前記ダミー領域との境界に沿って分割溝が形成されているとともに、前記配線基板領域と前記ダミー領域とにまたがって配置された、角部を有する貫通孔が形成された多数個取り配線基板において、前記境界上に、前記貫通孔から前記分割溝にかけて前記母基板を貫通した切り込みを備えており、該切り込みは、平面視で前記貫通孔から、該貫通孔の角部から前記境界に対し引いた垂線と交わる部分までの長さより長く形成されていることを特徴とする多数個取り配線基板。
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