JP5893967B2 - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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本発明は、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するための配線基板となる複数の配線基板領域が母基板に縦横の並びに配列されてなり、配線基板領域の境界に形成された分割溝に沿って個片の配線基板に分割される多数個取り配線基板に関するものである。
従来、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板は、ガラスセラミック焼結体や酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体からなる四角形板状の絶縁基体の上面に電子部品を搭載するための搭載部を有し、この搭載部またはその周辺から絶縁基体の側面や下面にかけて銀や銅等の金属材料から成る複数の配線導体が形成された構造を有している。
このような配線基板は、一般に、1枚の広面積の母基板から複数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。多数個取り配線基板は、例えば、平板状の母基板に配線基板となる複数の配線基板領域が縦横の並びに配列形成された構造を有している。このような多数個取り配線基板は、配線基板領域の境界にあらかじめ分割溝を設けておき、この分割溝に沿って母基板を破断させることによって個片の配線基板に分割される。
多数個取り配線基板は、一般に、所定部位に配線導体となる導体ペーストを印刷した複数のセラミックグリーンシートを積層し、この積層体の主面に、配線基板領域の境界に沿ってカッター刃等を切り込ませて分割溝を形成し、その後焼成することによって製作されている。
特開2003−273274号公報 特開2008−300485号公報 特開2009−10103号公報 特開2009−19400号公報
しかしながら、近年、多数個取り配線基板は下面等の外面に、配線導体と電気的に接続された厚膜抵抗の被着(抵抗材料のペーストの印刷)等の加工が施される場合があり、この場合、母基板において分割溝の端部分から外周にかけて不要な亀裂が生じる可能性がある。
すなわち、母基板には、焼成時の収縮の偏り等に起因する反りが生じている可能性があり、上記厚膜抵抗の被着等の際の圧力(例えば印刷用スキージを押し付ける力)が加わったときに、母基板の中央部等の一部に応力が集中し、この応力によって、分割溝の端を起点とした亀裂が発生する。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、配線基板領域の境界に分割溝が設けられた多数個取り配線基板において、母基板の分割を容易とするための分割溝を有しながら、例えば厚膜抵抗用の抵抗材料のペースト等の印刷が可能で
あり、分割溝の端を起点とした不要な亀裂の発生が抑制された多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板は、セラミック焼結体からなる母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列され、該配線基板領域の境界に分割溝が形成された多数個取り配線基板であって、前記母基板の外周部に枠状のダミー領域が設けられており、該ダミー領域のうち角部分を除いた辺部分において、前記分割溝の端に接して前記分割溝よりも深い穴が設けられているとともに、平面視における前記穴の大きさが、前記辺部分のうち前記角部分に近い部分において他の部分よりも小さいことを特徴とする。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板によれば、分割溝の端に接して、この分割溝よりも深い穴が設けられていることから、分割溝の端に母基板の一部が直接つながっていない。つまり母基板において分割溝の端に亀裂の起点となる部分が存在しない。そのため、抵抗材料のペーストの印刷等に伴う圧力が加わったとしても、分割溝の端を起点とした亀裂が母基板に生じることが効果的に抑制される。
また、ダミー領域の角部分には穴が形成されていないとともに、平面視における穴の大きさが、辺部分のうち角部分に近い部分において他の部分よりも小さいため、この穴の存在に起因して母基板に変形(例えば穴の有無による焼成時の収縮の偏りに起因した部分的な反り)が生じることも効果的に抑制される。
したがって、配線基板領域の境界に分割溝が設けられた多数個取り配線基板において、母基板の分割を容易とするための分割溝を有しながら、例えば厚膜抵抗用の抵抗材料のペースト等の印刷が可能であり、分割溝の端を起点とした不要な亀裂の発生が抑制された多数個取り配線基板を提供することができる。
本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図である。 (a)は図1に示す多数個取り配線基板の要部を拡大して示す上面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図であり、(c)は(a)のB−B線における断面図である。 図1に示す多数個取り配線基板が個片に分割されて製作された配線基板の一例を示す下面側斜視図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。 図4または図5に示す多数個取り配線基板の変形例における要部を透視して示す斜視図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例における要部を拡大して示す上面図であり、(b)は(a)のC−C線における断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例における要部を拡大して示す断面図である。
本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図2(a)は図1に示す多数個取り配線基板の要部を拡大して示す平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線における断面図であり、図2(c)は図2(a)のB−B線における断面図である。図1および図2において、1は母基板、2は配線基板領域である。母基板1に複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列され、配線基板領域2の境界に分割溝3
が形成されて多数個取り配線基板9が基本的に形成されている。
母基板1は、酸化アルミニウム質焼結体,ガラスセラミック焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体またはムライト質焼結体等のセラミック焼結体からなる複数の絶縁層1aが積層されて形成されている。
母基板1に配列された複数の配線基板領域2は、それぞれが個片の配線基板となる領域である。分割溝3が形成された部分において母基板1が破断して分割されることにより、例えば図3に示すような複数の配線基板が同時集約的に製作される。なお、図3は図1に示す多数個取り配線基板が個片に分割されて製作された配線基板の一例を示す下面側斜視図である。図3において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。図3において絶縁基板11の下面に厚膜抵抗5が被着されている。厚膜抵抗5については後述する。
個片の配線基板が電子部品搭載用基板として使用される場合には、配線基板領域2の上面の中央部に電子部品の搭載部(符号なし)が設けられている。なお、母基板1は、このような電子部品を収容する凹部(いわゆるキャビティ)を複数の配線基板領域2のそれぞれの上面等に有するものでもよい。
配線基板(配線基板領域2)に搭載される電子部品(図示せず)としては、ICやLSI等の半導体集積回路素子、およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子を含む半導体素子、弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子、容量素子、抵抗器、半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品が挙げられる。
電子部品は、例えばエポキシ系樹脂,ポリイミド系樹脂,アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂,ポリエーテルアミド系樹脂等の樹脂接着剤や、Au−Sn,Sn−Ag−Cu,Sn−Cu,Sn−Pb等のはんだや、ガラス等で配線基板の搭載部に接合される。
また、この例においては、各配線基板領域2に配線導体4が形成されている。配線導体4は、一部が搭載部に露出するように形成されている。この配線導体4は、例えば搭載部において一部が電子部品と電気的に接続されて、電子部品同士や、電子部品と外部の電気回路とを互いに電気的に接続する導電路として機能する。なお、図1および図2に示す例において配線導体4は模式的に示しており、具体的なパターンは省略している。
配線導体4は、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀,パラジウム,白金,金等の金属材料により形成されている。
電子部品と配線導体4との電気的な接続は、例えば、配線導体4のうち搭載部の周辺に露出している部位に電子部品の電極(図示せず)を、ボンディングワイヤやはんだ等の導電性接続材(図示せず)を介して接続することにより行なうことができる。
このような、それぞれが配線導体4を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1は、例えば各絶縁層1aが酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。
まず、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化ケイ素や酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の粉末を添加した原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練するとともに、ドクターブレード法やリップコータ法等の成形方法でシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。次に、タングステンやモリブデン等の金属材料の粉末を有機溶剤およびバイ
ンダとともに混練して、金属ペーストを作製する。次に、セラミックグリーンシートを母基板1の外形寸法に切断するとともに、配線基板領域2となる領域のそれぞれに、所定の配線導体4のパターンにスクリーン印刷法等の印刷法で金属ペーストを印刷する。そして、複数のセラミックグリーンシートを積層した後、約900〜1000℃程度の焼成温度で焼成
することによって、それぞれが配線導体4を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1を製作することができる。
母基板1の外周には、配列された複数の配線基板領域2を取り囲む枠状のダミー領域6が設けられている。ダミー領域6は、多数個取り配線基板9の取り扱いを容易とすること等のために設けられている。
多数個取り配線基板9は、配線基板領域2の境界(配線基板領域2同士の境界および配線基板領域2とダミー領域6との境界)に、例えば縦断面がV字状である分割溝3が形成されている。この分割溝3が形成されている部分において母基板1を破断させることによって、多数個取り配線基板9を個片の配線基板に分割することができる。この母基板1の分割(破断)は、分割溝3を挟むように母基板1に曲げ応力を加え、この応力で母基板1を破断させて行なわれる。なお、分割溝3は、母基板1となるセラミックグリーンシートの積層体の表面に、配線基板領域2の境界に沿ってカッター刃等で所定の深さの切り込みを入れることによって形成される。
前述した、個片の配線基板において絶縁基板11の下面に被着されている厚膜抵抗5は、例えば配線導体4や配線導体4と電気的に接続される電子部品に対して所定の電気抵抗を形成するためのものである。厚膜抵抗5は、例えば絶縁基板11の内部に形成された貫通導体や内部配線等の接続用導体(図示せず)を介して配線導体4と電気的に接続されている。
厚膜抵抗5は、酸化スズ等の抵抗材料により形成されている。厚膜抵抗5は、例えば酸化スズの粉末に有機溶剤およびバインダを添加し、混練して作製した抵抗材料のペーストを、多数個取り配線基板9の各配線基板領域2の下面側に印刷した後、これを加熱して母基板1に接合させることによって形成している。抵抗材料のペーストの印刷は、例えばスクリーン印刷法によって行なわれ、スクリーン製版上にセットしたペーストが、スキージで多数個取り配線基板9の下面に押圧されて塗布される。
ダミー領域6には、複数の分割溝3のそれぞれの端に接して、分割溝3よりも深い穴7が設けられている。穴7は、上記抵抗材料のペーストの印刷時等に加わる圧力によって、分割溝3の端から母基板1の外周に向かって亀裂が生じることを防ぐためのものである。
分割溝3よりも深い穴7が設けられていることから、分割溝3の端に母基板1の一部が直接つながっていない。つまり多数個取り配線基板9において不要な亀裂の起点となりやすい部分が存在しない。そのため、抵抗材料のペーストの印刷等に伴う圧力が加わったとしても、分割溝3の端を起点とした亀裂が母基板1に生じることが効果的に抑制される。
また、ダミー領域6の角部分には穴7が形成されていないため、この穴7の存在に起因して母基板1に変形(例えば焼成時の収縮の偏りに起因した部分的な反り)が生じることも効果的に抑制される。
すなわち、母基板1(母基板1となるセラミックグリーンシートの積層体)は、焼成時に穴7が閉じる方向に収縮しやすいため、穴7が形成されている部分で他の部分よりも収縮が大きくなりやすい傾向があり、この収縮の偏りに起因して母基板1に部分的な反りが生じやすい。これに対して穴7がダミー領域6の角部分には形成されていない、つまり母
基板1の変形しやすい部分には変形を誘発する穴7が形成されていないため、母基板1の部分的な反り等の変形が生じることも効果的に抑制される。
したがって、配線基板領域2の境界に分割溝3が設けられた多数個取り配線基板9において、母基板1の分割を容易とするための分割溝3を有しながら、例えば厚膜抵抗5用の抵抗材料のペースト等の印刷が可能であり、分割溝3の端を起点とした不要な亀裂の発生が抑制された多数個取り配線基板9を提供することができる。
穴7は、分割溝3の端から不要な亀裂が母基板1に生じることを抑制するためのものであるため、分割溝3の端に接して、つまり分割溝3と穴7とが連続してつながるように形成されている。穴7の内側面の一部に分割溝3のV字状等の開口部分が位置し、この開口部分は穴7の内側面まで達していない。そのため、分割溝3は、その縦方向の断面の全面が穴7の内側の空間に続いている。
穴7は、例えば、分割溝3が母基板1を形成する複数の絶縁層1aのうち最上層のものの下面まで達しない深さであれば、この最上層の絶縁層1aとなるセラミックグリーンシートの所定位置に貫通孔を形成しておいて、このセラミックグリーンシートを他のセラミックグリーンシート上に積層し、焼成する方法で形成することができる。
穴7の平面視における形状は、円形状や楕円形状,四角形状,三角形状,角部を円弧状に成形した四角形状等の種々の形態であって構わない。穴7は、平面視で円形状や楕円形状であれば、打ち抜き加工等による形成が容易であり、また応力が集中しやすい角部がないため、応力の集中による母基板1の亀裂をより効果的に抑制することができる。
平面視における穴7の大きさは、φ0.2〜φ0.5mm程度(穴7が円形状の場合)でダミー領域6の幅(枠状のダミー領域6の外周と内周との間の距離)や隣り合う分割溝3同士の間の距離等の条件に応じて、適宜設定すればよい。分割溝3の端からの亀裂を抑制するために、分割溝3の幅より穴7の幅(分割溝3の幅方向の寸法)の方が大きくされている。
平面視における穴7の大きさは、上記抵抗材料のペーストの印刷等の圧力を穴7の内側面に沿って分散させることを考慮すれば、大きいほど好ましいが、穴7同士が近すぎたり、母基板1の外辺に近すぎるとその部分にクラックが入ったりするおそれがあるので、これらは少なくとも0.3mm以上は離れている方がよい。
前述したように、穴7は、この穴7の存在に起因して母基板1に変形が生じることを抑制するために、ダミー領域6の角部分には形成されていない。この、穴を設けない角部分は、例えば、母基板1が、1辺の長さが30〜100mm程度の四角板状であり、ダミー領域
の幅が3〜7mm程度の場合であれば、四角枠状のダミー領域6の各辺の長さに対して15〜25%程度の範囲に設定すればよい。
例えば、多数個取り配線基板9において多用されている、配線基板領域2の配列が縦横に10〜30個程度の配列の場合であれば、縦横それぞれの両端から2〜4列程度の分割溝3について、端に穴7を設けないようにすればよい。
なお、このように穴7を設けない場合でも、分割溝3のうち縦横の並びの両端近くのものは、前述した抵抗材料のペーストの印刷時等の圧力が大きく作用しにくい傾向があるため、これらの分割溝3の端から不要な亀裂が生じる可能性は低い。
すなわち、母基板1は、通常、中央部を頂点として全体が凸状(反対側から見れば凹状
)に反っている。そのため、抵抗材料のペーストを印刷する際の圧力は母基板1の中央部で他の部分よりも集中し、この中央部を通る分割溝3の端から亀裂が生じやすい。逆に、母基板1の外周部では上記圧力の集中の程度は比較的低く、この外周部に位置する分割溝3の端には比較的応力が集中しにくい。そのため、上記のように不要な亀裂が発生する可能性が低い。
ここで、上記穴7を設けることによる効果を、具体例を挙げて説明する。
具体例の多数個取り配線基板9として、酸化アルミニウムを主成分として酸化ケイ素,酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを含む酸化アルミニウム質焼結体からなる厚みが約0.5mmの母基板1に、1辺の長さが約7mmの正方形状の配線基板領域2を11×11個
の並びに縦横に配列し、配線基板領域2の境界に約0.3mmの深さで分割溝3を縦横に形
成したものを作製した。この多数個取り配線基板において、深さが約0.1mmの分割溝3
の底は、母基板1を構成する厚みが約0.5mmの絶縁層1aのうち最上層の絶縁層1aの
厚み方向の途中部分に位置していた。
また、具体例の多数個取り配線基板9は、ダミー領域6の辺部分において、分割溝3のそれぞれの端に、深さが0.5mm(絶縁層1a1層分の厚みに相当)で直径が約0.5mmの円形状の穴7を設けた。また、分割溝3のうち縦横それぞれの並びの両端から2列目までの分割溝3については、端に穴7を設けなかった。
この具体例の多数個取り配線基板9について、母基板1の下面側(各配線基板領域2の下面)に、酸化スズのペーストをスクリーン印刷法で印刷した後、加熱して厚膜抵抗5を形成した。また、比較例として、分割溝の端に穴を設けていない従来技術の多数個取り配線基板(図示せず)を準備し、上記具体例の多数個取り配線基板9と同様に抵抗材料のペーストの印刷および加熱を行なった。なお、具体例の多数個取り配線基板9および比較例の多数個取り配線基板ともに、それぞれ100シートずつ準備した。
その結果、具体例の多数個取り配線基板9では母基板1に不要な亀裂の発生が確認されなかったのに対し、比較例の多数個取り配線基板では、不要な亀裂が、6%の分割溝3の端において発生しているのが確認された。亀裂の有無は、倍率20倍の外観検査により確認した。また、具体例の多数個取り配線基板9および比較例の多数個取り配線基板のいずれにおいても、母基板1の角部分における部分的な反り等の部分的な変形は生じていなかった。また、具体例の多数個取り配線基板9および比較例の多数個取り配線基板のいずれにおいても、母基板1を個片に分割するための大きな応力を加えたときには、個片の配線基板におけるバリや欠け等の不具合を生じることなく、分割することができた。したがって、本発明の多数個取り配線基板9における亀裂の発生を抑制する効果を確認することができた。
図4は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す上面図である。図4において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図4に示す例において、平面視における穴7の大きさが、ダミー領域6の辺部分のうち角部分に近い部分において他の部分よりも小さい。この場合には、穴7の存在に起因した母基板1の変形がより生じやすい角部分に近い部分において穴7が小さい。つまり、穴7による焼成時の収縮の偏りがより効果的に抑制される。そのため、母基板1の部分的な反り等の変形がより効果的に抑制された多数個取り配線基板9を提供することができる。
穴7について、平面視における大きさを小さくするものは、例えば平面視で円形状の場合であれば、直径が他のものの直径の約1/3〜2/3程度になるようにして形成すれば
よい。
図5は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す断面図である。図5において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図5に示すように、多数個取り配線基板9について、穴7の深さが、辺部分のうち前記角部分に近い部分において他の部分よりも小さいものであってもよい。この場合には、穴7の存在に起因した母基板1の変形がより生じやすい角部分に近い部分において穴7が浅い。つまり、穴7による焼成時の収縮の偏りがより効果的に抑制される。そのため、母基板1の部分的な反り等の変形がより効果的に抑制された多数個取り配線基板9を提供することができる。
穴7について、その深さを小さくするものは、例えば、他のものの深さの約1/3〜2/3程度になるようにして形成すればよい。
図6は、図4または図5に示す多数個取り配線基板9の変形例における要部を透視して示す斜視図である。図6において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図6に示すように、穴7の平面視における大きさは、辺部分の中央部で最も大きく、角部分に最も近い部分で最も小さくなっていて、その間のものの大きさが漸次、角部分に近いほど小さくなるようなものであってもよい。
図6に示す例において、穴7は平面視で円形状である。辺部分の中央部から角部分に近い部分に向かって、穴7の直径が漸次、小さくなっている。また、例えば穴7が楕円形状の場合(図示せず)であれば、短軸または長軸を一定としておいて(ダミー領域6の幅に対して、この幅方向の穴7の寸法を一定としておいて)、他の軸の寸法を漸次短くするようにして、穴7の大きさを調整するようにしてもよい。
また、図6に示すように、穴7の深さは、辺部分の中央部で最も大きく、角部分に最も近い部分で最も小さくなっていて、その間のものの大きさが漸次、角部分に近いほど小さくなるようなものであってもよい。
図6に示す例において、穴7内の空間が円柱状である。辺部分の中央部から角部分に近い部分に向かって、穴7の深さが漸次、小さくなっている。なお、中央部の二つの穴7は、同じ深さである。
穴7について、辺部分の中央部から角部分に近い部分に向かって漸次、平面視における大きさ、または深さを小さくすることは、穴7内の空間の体積を漸次小さくすることになる。図6では、平面視における大きさ、および深さの両方を、辺部分の角部分に向かって小さくしているが、平面視における大きさおよび深さのいずれか一方のみを小さくするようにしてもよい。
穴7について、辺部分の中央部から角部分に近い部分に向かって漸次、平面視における大きさ、または深さを小さくしたときには、穴7を設けることによる上記効果(母基板1の亀裂の抑制等)を効果的に得ながら、穴7による母基板1の変形等の誘発の可能性を低減することもより容易である。
なお、分割溝3は、例えば図5に示すように、配線基板領域2の境界を越えて延長されて、端がダミー領域6内に位置していても構わない。この場合には、分割溝3が形成されている範囲が広いため、分割溝3の端からの不要な亀裂の発生を穴7で抑制しながら、必
要なときには容易に分割溝3が形成された部位において母基板1を破断させることができる。したがって、この場合には、より実用性の高い多数個取り配線基板9を提供することができる。なお、図5は(a)は本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例における要部を拡大して示す上面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線における断面図である。図5において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。
分割溝3が配線基板領域2の境界を越えてダミー領域6内に延長される場合には、分割溝3の端がダミー領域6の幅方向の中央よりも内側に位置していることが好ましい。これにより、ダミー領域6における母基板1の不要な割れ等をより効果的に抑制することができる。例えば、ダミー領域6の幅が5mm程度の場合であれば、分割溝3の端がダミー領域6の内周から1〜2mm程度の位置にあるように設定することが好ましい。
なお、本発明の多数個取り配線基板9は、以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、分割溝3は、図6に示すように、母基板1の上下両面に形成されていても構わない。図6は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例における要部を示す断面図である。図6において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。分割溝3を母基板1の上下両面に形成した場合には、母基板1の破断がより容易であり、個片の配線基板への分割がより容易な多数個取り配線基板9を提供することができる。
1・・・母基板
1a・・絶縁層
2・・・配線基板領域
3・・・分割溝
4・・・配線導体
5・・・厚膜抵抗
6・・・ダミー領域
7・・・穴
9・・・多数個取り配線基板
11・・・絶縁基板

Claims (4)

  1. セラミック焼結体からなる母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列され、該配線基板領域の境界に分割溝が形成された多数個取り配線基板であって、前記母基板の外周部に枠状のダミー領域が設けられており、該ダミー領域のうち角部分を除いた辺部分において、前記分割溝の端に接して前記分割溝よりも深い穴が設けられているとともに、平面視における前記穴の大きさが、前記辺部分のうち前記角部分に近い部分において他の部分よりも小さいことを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 平面視における前記穴の大きさが、前記辺部分の中央部から前記角部分に近い部分に向かって漸次小さくなっていることを特徴とする請求項記載の多数個取り配線基板。
  3. セラミック焼結体からなる母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列され、該配線基板領域の境界に分割溝が形成された多数個取り配線基板であって、前記母基板の外周部に枠状のダミー領域が設けられており、該ダミー領域のうち角部分を除いた辺部分において、前記分割溝の端に接して前記分割溝よりも深い穴が設けられているとともに、前記穴の深さが、前記辺部分のうち前記角部分に近い部分において他の部分よりも小さいことを特徴とする多数個取り配線基板。
  4. 前記穴の深さが、前記辺部分の中央部から前記角部分に近い部分に向かって漸次小さくなっていることを特徴とする請求項記載の多数個取り配線基板。
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