JP2010056498A - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線基板領域の境界において母基板を分割する際の作業性が良好であり、個片の配線基板の生産性に優れた多数個取り配線基板を提供する。
【解決手段】 母基板1に複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列形成されてなり、配線基板領域2の境界でダイシング加工により分割される多数個取り配線基板9であって、母基板1の配線基板領域2の境界2bに、境界2bの長さ方向に不連続部となる複数の空間5が、平面視で隣り合うもの同士で、母基板1の厚み方向における位置が異なり、かつ境界2bの長さ方向において連続するように形成されている多数個取り配線基板9である。ダイシング加工で実際に切断される母基板1の厚さが空間5の分薄くなるので、欠け等の発生を抑えながら切断速度を速くすることができ、個片の配線基板の生産性に優れた多数個取り配線基板9とすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するための配線基板となる配線基板領域が複数個、母基板に縦横の並びに配列されてなり、配線基板領域の境界においてダイシング加工により切断される多数個取り配線基板に関するものである。
従来、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミック焼結体等の電気絶縁材料から成る四角形板状の絶縁基体の上面に電子部品を搭載するための搭載部を有し、この搭載部またはその周辺から絶縁基体の側面や下面にかけてタングステン等の金属材料から成る複数の配線導体が形成された構造を有している。
このような配線基板は、一般に、1枚の広面積の母基板から複数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
多数個取り配線基板は、例えば、平板状の母基板に配線基板となる配線基板領域が縦横の並びに複数個配列形成された構造を有している。
このような多数個取り配線基板は、配線基板領域の境界において母基板にダイシング加工等の切断加工を施すことにより、個片の配線基板に分割される。ダイシング加工は、ダイヤモンドや酸化アルミニウム等の研削材を樹脂等の結合材で結合してなる円盤状のダイシングブレードを高速で回転させて母基板を切断することにより行なわれる。
特開平11−135557号公報 特開2000−22040号公報 特開2001−308524号公報
しかしながら、上記従来技術の多数個取り配線基板は、ダイシングブレードを用いて母基板を分割する際に、酸化アルミニウム質焼結体等からなる厚い母基板を切断する必要があるため、切断の速度を速くすることが難しい。また、切断の速度を速くするためにダイシングブレードの回転速度や母基板の送り速度を無理に速くした場合には、母基板に負荷が掛かって欠けや亀裂等が発生しやすくなるという問題があった。このような欠けや亀裂が発生すると、個片の配線基板に、欠けや亀裂に伴う配線導体の断線や外形寸法の不良等の不具合を発生させやすくなる。そのため、母基板を分割する際の作業性を高めることが難しく、個片の配線基板の生産性を高くすることが難しいという問題があった。
特に、近年、搭載される電子部品の高機能化,高集積化に応じて電子部品と電気的に接続される配線導体数が増える傾向もあり、多数の配線導体を形成するスペースを確保するために母基板(個片の絶縁基体)の厚さが、例えば約3mm以上と厚くなる場合もある。そのため、前述したような欠け等の不具合の防止や分割時の作業性の向上がさらに難しくなってきている。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、配線基板領域の境界でダイシング加工により母基板を分割する際の作業性が良好であり、個片の配線基板の生産性に優れた多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の多数個取り配線基板は、母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列形成されてなり、前記配線基板領域の境界でダイシング加工により分割される多数個取り配線基板であって、前記母基板の前記配線基板領域の境界に、該境界の長さ方向に不連続部となる複数の空間が、平面視で隣り合うもの同士で、前記母基板の厚み方向における位置が異なり、かつ前記境界の長さ方向において連続するように形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記空間は、平面視で隣り合うもの同士が互いに上下で直接接しないように形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、複数の前記空間からそれぞれ前記母基板の外表面にかけて、前記母基板を厚み方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記母基板の外周部に複数の前記配線基板領域を取り囲むダミー領域が設けられており、該ダミー領域に、前記配線基板領域の境界に形成された前記空間の前記配線基板領域側の外縁を通り前記配線基板領域の境界と平行に伸びる直線に対して前記空間と反対側に、前記直線を外縁の位置としたダミー領域内空間が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記空間のうち前記母基板の外縁部に位置するものは、前記母基板の表面に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記ダミー領域内空間のうち前記母基板の外縁部に位置するものは、前記母基板の表面に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記空間のうち前記配線基板領域の境界同士が交差する部分に位置するものは、前記母基板の表面に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記配線基板領域の境界同士が交差する部分において前記母基板の表面に形成された前記空間は、交差し合う前記境界の両方にそれぞれ、一方の境界に沿った長さが交差する他方の境界における前記ダイシング加工による切断幅よりも長くなるように形成されていることを特徴とするものである。
本発明の多数個取り配線基板によれば、母基板のうち配線基板領域の境界に、配線基板領域の境界の長さ方向に不連続部となる複数の空間が、平面視で隣り合うもの同士で、母基板の厚み方向における位置が異なり、かつ境界の長さ方向に連続するように形成されていることから、ダイシング加工される配線基板領域の境界で、空間の分、母基板の厚さを薄くすることができる。そのため、母基板のダイシング加工で実際に切断される厚さが薄くなるので、ダイシング加工をより容易とすることができ、切断速度を速くすることができる。したがって、本発明の多数個取り配線基板によれば、配線基板領域の境界でダイシング加工により母基板を分割する際の作業性が良好であり、個片の配線基板の生産性に優れた多数個取り配線基板を提供することができる。
また、本発明の多数個取り配線基板において、複数個の空間が互いに上下で直接重ならないように形成されている場合には、空間に変形が生じることをより確実に防止することができる。
すなわち、上下の空間同士が、例えば平面視で隣り合う辺同士の部分で直接接していると、母基板の製作時に、母基板となる未焼成のセラミック材料のうち一方の空間に隣接する部分が上側または下側の他方の空間内に入り込み、他方の空間に高さが低くなるような変形等の変形を発生させる可能性がある。これに対し、空間同士が上下で直接接していなければ、ある空間に隣接する母基板の一部が他の空間内に入り込むようなことを抑制することができる。そのため、空間に変形が生じることを効果的に抑制して、ダイシング加工の作業性をより良好に確保することができる。
なお、空間に変形が生じると、空間の位置がダイシング加工される位置からずれて、ダイシング加工を容易とする効果が低くなる可能性がある。また、配線基板領域の境界(ダイシング加工で除去される部分)に納まっているべき空間が隣接する配線基板領域内に入り込み、個片の配線基板の側面に不要なお凹凸を生じて外観不良や寸法不良等の不具合を生じる可能性がある。
また、本発明の多数個取り配線基板において、複数の空間からそれぞれ母基板の外表面にかけて、母基板を厚み方向に貫通する貫通孔が形成されている場合には、母基板となる未焼成のセラミック材料の内部に空間が形成されているとき、焼成時に空間内のガス(空気や焼成炉中の還元雰囲気等の気体)を容易に外部に排出させることができる。そのため、空間内のガスの熱膨張により母基板の表面が膨れて変形するような不具合(いわゆるフクレ)の発生が効果的に抑制される。したがって、この場合には、個片の配線基板に不具合が生じることがより効果的に抑制されるため、多数の配線基板の生産性を良好とする上で有効な多数個取り配線基板とすることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板において、母基板の外周部に複数の配線基板領域を取り囲むダミー領域が設けられており、そのダミー領域に、配線基板領域の境界に形成された空間の配線基板領域側の外縁を通り配線基板領域の境界と平行に伸びる直線に対して空間と反対側に、直線を外縁の位置としたダミー領域内空間が形成されている場合には、ダイシング加工に用いるダイシングブレードの磨耗にばらつきが生じることを抑制することが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
すなわち、配線基板領域の境界に形成された空間は、個片の配線基板の側面に空間の跡が残ることを防ぐために、母基板のダイシングブレードで切断される幅(ダイシングブレードの幅)よりも狭く設定する場合がある。この場合、空間が形成されている部分(ダイシングブレードの幅方向の中央部分)では、母基板の実際に切断される厚さが薄いため、ダイシングブレードの磨耗が、その外側の空間が形成されていない部分(ダイシングブレードの幅方向の外周部分)に比べて小さくなる傾向がある。
これに対し、上記のようにダミー領域内空間を形成しておけば、ダミー領域では、ダミー領域内空間の分、ダイシングブレードの幅方向の外周部分で磨耗を小さくすることができる。そのため、ダミー領域内空間の分、配線基板領域の境界におけるダイシングブレードの磨耗のばらつきと相殺させて、ダイシングブレードの磨耗のばらつきを抑制することができる。なお、配線基板領域の境界に形成された空間の配線基板領域側の外縁を通り配線基板領域の境界と平行に伸びる直線は、このダイシングブレードの磨耗に差が生じる可能性がある中央部分と外周部分との境界に相当する。
また、本発明の多数個取り配線基板は、空間のうち母基板の外縁部に位置するものが母基板の表面に形成されている場合には、その空間を容易に視認することができる。そして、この空間により、母基板の外縁部における配線基板領域の境界の位置を容易に検知することができる。したがって、この場合には、ダイシングブレードの母基板に対する位置合わせがより容易であり、個片の配線基板の生産性を高める上でより有効な多数個取り配線基板とすることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板は、ダミー領域内空間のうち母基板の外縁部に位置するものが母基板の表面に形成されている場合には、そのダミー領域内空間を容易に視認することができる。そして、このダミー領域内空間により、外周部にダミー領域が設けられた母基板の外縁部における配線基板領域の境界の位置を容易に検知することができる。したがって、この場合にも、ダイシングブレードの母基板に対する位置合わせがより容易であり、個片の配線基板の生産性を高める上でより有効な多数個取り配線基板とすることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板は、空間のうち配線基板領域の境界同士が交差する部分に位置するものが母基板の表面に形成されている場合にも、その空間を容易に視認することができる。したがって、この場合にも、ダイシングブレードの母基板に対する位置合わせがより容易であり、個片の配線基板の生産性を高める上でより有効な多数個取り配線基板とすることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板は、配線基板領域の境界同士が交差する部分において母基板の表面に形成された空間が、交差し合う境界の両方にそれぞれ、一方の境界に沿った長さが交差する他方の境界におけるダイシング加工による切断幅よりも長くなるように形成されている場合にも、同様にダイシングブレードの母基板の位置合わせをより容易とすることができる。また、この場合には、まず一方(または他方)の境界に沿って母基板を分割したときに、その分割された母基板の外縁部において、交差する他方(または一方)の境界に沿って表面に空間を視認することができる。そして、この交差する他方(または一方)の境界に沿った空間により配線基板領域の境界の位置を容易に検知することができる。したがって、この場合には、個片の配線基板への分割がより容易な多数個取り配線基板とすることができる。
本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b),(c)は、それぞれ図1(a)のB−B線,C−C線における断面図である。図1において、1は母基板、2は配線基板領域である。母基板1に複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列されて多数個取り配線基板9が基本的に形成されている。
母基板1は、酸化アルミニウム質焼結体,ガラスセラミック焼結体,窒化アルミニウム
質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ムライト質焼結体等のセラミック材料や、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料、セラミック材料と樹脂材料との複合材料等の電気絶縁材料により形成されている。
母基板1に配列された複数の配線基板領域2は、それぞれが個片の配線基板(図示せず)となる領域である。母基板1が配線基板領域2の境界2bにおいて切断されることにより、複数の配線基板が同時集約的に製作される。
個片の配線基板が電子部品搭載用基板として使用される場合には、配線基板領域2の上面の中央部や下面等に電子部品の搭載部が設けられる。この実施の形態の例においては、配線基板領域2の上面の中央部に凹部2aが設けられ、その凹部2aの底面が電子部品の搭載部(符号なし)とされた例を示している。
なお、母基板1は、このような凹部2aを配線基板領域2に有しているものである必要はなく、平板状のもの(図示せず)として、配線基板領域2の平坦な上面や下面の一部を搭載部としたものでもよい。
搭載部に搭載される電子部品(図示せず)としては、ICやLSI等の半導体集積回路素子、およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子を含む半導体素子、弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子、容量素子、抵抗器、半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品が挙げられる。
電子部品は、搭載部に、例えばエポキシ系樹脂,ポリイミド系樹脂,アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂,ポリエーテルアミド系樹脂等の樹脂接着剤や、Au−Sn,Sn−Ag−Cu,Sn−Cu,Sn−Pb等のはんだや、ガラス等で接着される。
また、この例においては、母基板1に、搭載部の外周部分から配線基板領域2の下面にかけて配線導体3が形成されている。配線導体3は、搭載部に搭載される電子部品と電気的に接続されて、電子部品を外部の電気回路に電気的に接続する導電路として機能する。
配線導体3は、銅タングステンやモリブデン,マンガン,銀,パラジウム,白金,金,等の金属材料により形成されている。
電子部品と配線導体3との電気的な接続は、例えば、配線導体3のうち搭載部の周辺に露出している部位に電子部品の電極(図示せず)を、ボンディングワイヤやはんだ等の導電性接続材(図示せず)を介して接続することにより行なうことができる。
このような、それぞれが配線導体3を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。
まず、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化ケイ素や酸化マグネシウム等を添加してなる原料粉末を、有機溶剤,バインダと混練するとともに、ドクターブレード法やリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して、セラミックグリーンシートを作製する。次に、タングステンやモリブデン等の金属材料の粉末を有機溶剤,バインダとともに混練して、金属ペーストを作製する。次に、セラミックグリーンシートを母基板1の外形寸法に切断するとともに、配線基板領域2となる領域のそれぞれに、所定の配線導体3のパターンにスクリーン印刷法等の印刷法で金属ペーストを印刷する。そして、複数のセラミックグリーンシートを積層した後、約1300〜1600℃程度の焼成温度で焼成することにより、それぞれが配線導体3を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1を製作することができる。
なお、母基板1は、未焼成のセラミック材料や未硬化の樹脂材料を金型等を用いて所定の板状に成型し、これを焼成したり硬化させたりすることにより製作することもできる。
なお、この実施の形態の例において、母基板1の外周には、配列された複数の配線基板領域2を取り囲むようにダミー領域4が設けられている。ダミー領域4は、多数個取り配線基板9の取り扱いを容易とすること等のために設けられている。また、ダミー領域4は、配線導体3の露出表面にニッケルや金等のめっき層(図示せず)を被着させるための電解めっきを施すときに、めっき用の電流を流す導電路を形成するためのスペースとして機能させることもできる。
この多数個取り配線基板9は、配線基板領域2の境界2b(この例では、配線基板領域2同士の境界および配線基板領域2とダミー領域4との境界)においてダイシング加工を施して個々の配線基板領域2毎に切断することにより、個片の配線基板に分割される。
ダイシング加工による母基板1の分割は、ダイヤモンド等の砥粒がガラスや樹脂材料等の結合材で結合されてなるダイシングブレードを高速(約5000〜15000回転/分)で回転させて、配線基板領域2の境界2bにおいて母基板1を切断することにより行なわれる。ダイシングブレードの母基板1に対する位置決めは、例えば母基板1にあらかじめ位置決め用のマーク(図示せず)を形成しておいて、その位置を画像認識装置で認識させることにより行なう。この位置決め用のマークは、例えば配線導体3と同様の材料を用い、同様の方法で母基板1に形成することができる。また、位置決め用のマークは、母基板1を形成するのと同様の材料に顔料等の着色剤を添加したものや、母基板1の外縁部分等の一部を切り欠いてなる切り欠き部等により形成してもよい。
また、この多数個取り配線基板9は、母基板1の配線基板領域2の境界2bに、その境界2bの長さ方向で不連続部となる複数の空間5が、平面視で隣り合うもの同士が、母基板1の厚み方向における位置が異なり、かつ長さ方向において連続するように形成されている。そして、このような空間5が形成されていることから、多数個取り配線基板9では、ダイシング加工される配線基板領域2の境界2b部分において、空間5の分、母基板1の厚さを薄くすることができる。
そのため、母基板1についてダイシング加工で実際に切断される厚さが薄くなるので、ダイシング加工をより容易とすることができ、切断速度を速くすることができる。したがって、このような多数個取り配線基板9によれば、配線基板領域2の境界2bでダイシング加工により母基板1を分割する際の作業性が良好であり、個片の配線基板の生産性に優れた多数個取り配線基板9を提供することができる。
このような空間5は、例えば、母基板1となるセラミックグリーンシートのうち配線基板領域2の境界2bに、金型を用いた打ち抜き加工等の穴あけ加工を施して複数の貫通孔(図示せず)を形成しておくことにより形成することができる。この場合、各セラミックグリーンシートにおいて、このような貫通孔が形成された部分で配線基板領域2の境界2bが長さ方向に不連続となり、この不連続部となる空間5が平面視で長さ方向に連続することにより、境界2bの全長にわたってダイシング加工を容易とする効果を得ることができる。
また、空間5は、平面視で隣り合うもの同士が、母基板1の厚み方向における位置が異なるように形成されているときには、母基板1の厚み方向の一部に空間5が偏って形成されることを抑制することができる。そのため、母基板1の厚み方向に、空間5が形成されずダイシング加工し難い部分や空間5が連続して機械的な強度が低くなるような部分等が偏って形成されることを抑制することができる。
なお、空間5は、母基板1が、未焼成のセラミック材料が板状に成型されるとともに焼成されてなるものである場合には、このような成型体(図示せず)のうち配線基板領域2の境界2bに相当する部分に、焼成時に分解除去されるポリプロピレンやスチレン等の樹脂材料(図示せず)を空間5の所定位置に挿入しておくことにより形成することができる。また母基板1が、未硬化の樹脂材料が板状に成型されるとともに硬化されてなるものである場合には、このような成型体(図示せず)のうち配線基板領域2の境界2bに相当する部分に、熱により分解除去されるメタクリル酸メチルやメタクリル酸ブチル等の熱分解性高分子材料を空間5の所定の位置に挿入しておくことにより空間5を形成することができる。この場合、分解除去された樹脂材料や熱分解性高分子材料の跡が空間5になる。
空間5のそれぞれの高さは、前述のように母基板1がセラミックグリーンシートを積層し、焼成することにより製作されるものである場合には、セラミックグリーンシートそれぞれの厚さ(実際には焼成収縮した後の厚さ)と同じ寸法に設定すればよい。
また、母基板1が酸化アルミニウム質焼結体等の機械的な強度の高いセラミック材料からなる場合には、空間5は、母基板1の実際に切断される厚さが、配線基板2の境界2bの全長にわたって約2.5mm以下程度になるように形成することが好ましい。セラミックグリーンシートの厚さが薄く、1層のみではこの条件を満たすことが難しいような場合には、平面視で同じ位置に、母基板1の厚み方向の位置が異なるようにして空間5を複数形成すればよい。
例えば、図2に断面図で示すように、厚さが0.3mmの酸化アルミニウム質焼結体からなる絶縁層(焼成された各セラミックグリーンシート)1aが10層積層されてなる母基板1の場合であれば、平面視で同じ位置に2個の空間5を、母基板1の深さ方向の位置が異なるようにして形成する。この場合、母基板1の外形の厚さは約3mmであり、平面視で同じ位置に2個の空間が形成されているので、配線基板領域2の境界2bでは母基板1の実際の厚さは約2.4mmになる。なお、図2は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。図2において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
また、空間5は、この図2に示したような配置(平面視で隣り合う空間5の間に絶縁層1aを1層介在させた配置パターンAの繰り返し)に限らず、図3(a)に示すように不規則な配置にしたり、図3(b)に示すような配置(平面視で隣り合う空間5の間に絶縁層1aを2層介在させた配置パターンBの繰り返し)にしたりしてもよい。なお、図3(a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。図3において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
なお、空間5は、母基板1の表面に露出して形成されていると、その露出した部分の外縁部分(空間5の内側面と母基板1の上面等の表面との間の角部分)等で母基板1に欠け等の不具合を誘発する可能性がある。また、この欠け等を基点として母基板1に亀裂を生じる可能性もある。そのため、空間5は、母基板1の表面に露出するものが多くなり過ぎないように形成することが好ましい。図3(a)に示した例では、空間5のうち母基板1の表面に露出するものの割合を、図2や図3(b)に示した例よりも小さくしている。
また、図3(a)に示す例では、空間5の一部(空間5a,5b)は、平面視で隣り合
うもの同士が、隣接する辺部分で直接接するように形成されている。このような配置は、後述するように空間5(この場合は空間5a,5b)の変形を招きやすいため避けることが望ましいものの、母基板1の機械的な強度の確保や配線導体3の配置のスペース確保等の他の条件に応じては採り得る配置である。
また、空間5は、平面視で同じ位置にあるものの高さの合計が、母基板1の厚さの1/3を超えると、その部分における母基板1の機械的強度が他の部分に比べて著しく低くなりやすい。そのため、搬送等の取り扱い時に、誤って母基板1にその機械的な強度の低い部分を起点とする割れ等の不具合を誘発する可能性がある。したがって、空間5は、平面視で同じ位置にあるものの高さの合計が母基板1の厚さの1/3以下になるように形成することが好ましい。
また、空間5は、配線基板領域2の境界2bの全長にわたって母基板1の厚さが同じ程度に薄くなるように配置することが望ましい。母基板1の厚さが部分的に異なると、ダイシング加工時に、厚さが厚い部分で母基板1に掛かる負荷が増加して欠けや亀裂を生じやすくなる可能性があり、また薄い部分で切断速度が急に速くなって、同様に母基板1に欠けや亀裂を生じやすくなる可能性がある。
このような空間5の配置は、前述したように母基板1のダイシング加工により切断される厚さを薄くすることを優先しながら、前述した条件を満たすようにして、さらに、配線基板領域2同士の間を電気的に接続するために境界2bを横切るように形成される可能性のある配線導体3や、母基板1の内部に形成される貫通導体(図示せず)等との干渉を避けることや、生産性,コスト等も考慮して決めるようにすればよい。
また、空間5の幅(境界2bの長さ方向に直交する方向の寸法)は、配線基板領域2の境界2bの、ダイシング加工により切断される幅、つまり切断に用いるダイシングブレードの幅よりも少し狭いものであることが好ましい。空間5の幅がダイシングブレードの幅より大きい場合には、切断した後の個片の配線基板の側面に空間5の跡が残り、外観不良や寸法不良等の不具合を発生させる可能性がある。
例えば、ダイシングブレードの幅が約50〜300μmであれば、空間5の幅は、それよりも5〜30μm程度(ダイシングブレードの幅に対して約10%程度)狭い寸法に設定すればよい。
また、空間5の長さ(境界2bの長さ方向の寸法)は、前述したような配置形態で、前述したような高さおよび厚さの空間5を形成して配置することが可能であり、かつ加工時に変形を生じない範囲であれば、任意に設定してもよい。
例えば、母基板1が複数の絶縁層1a(セラミックグリーンシート)が積層されてなるものの場合には、空間5の長さが長すぎると、積層時に上層のセラミックグリーンシートの一部が下層のセラミックグリーンシートに形成した空間5となる貫通孔内に入り込む、いわゆるダレを生じ、空間5が変形したり、部分的に塞がってしまったりする可能性がある。このような不具合を抑制する上で、空間5の長さは、2mm以下に設定することが好ましい。
また、空間5の平面視したときの形状は、境界2の極力広い範囲で母基板1を薄くする上では、前述したような幅の長方形状(角を円弧状に成形したものを含む)が好ましい。
なお、空間5は、全部を同じ形状,寸法とする必要はなく、前述したような配線導体3等の配置や絶縁層1aの厚さ等に応じて、空間5の形状や寸法が異なっていてもよい。
例えば、絶縁層1aの一部が、配線導体3の電気的な特性の調整等のために他の絶縁層1aよりも薄いものとされるような場合には、その薄い絶縁層1aに形成される空間5は、他の絶縁層1aに形成される空間5よりも高さが低くなる。このような場合には、薄い絶縁層1aのうち空間5が形成されるものの割合を多くすること等の手段により、配線基板領域2の境界2bでの母基板1の厚さを薄くすればよい。
また、この多数個取り配線基板9において、複数個の空間5が、平面視で隣り合うもの同士が互いに上下で直接重ならないように形成されている場合には、空間5の変形をより確実に防止することができる。そして、空間5が変形して配線基板領域2の境界2bから配線基板領域2内にはみ出たり、潰れたりするようなことをより効果的に防止することができる。
すなわち、上下の空間5同士が、例えば平面視で隣り合う辺同士の部分で直接接していると、母基板1の製作時に、母基板1となる未焼成のセラミック材料のうち一方の空間5に隣接する部分が上側または下側の他方の空間5内に入り込み、他方の空間5に高さが低くなるような変形を発生させる可能性がある。これに対し、空間5同士が上下で直接接していなければ、ある空間5に隣接する母基板1の一部が他の空間5内に入り込むようなことは抑制することができる。そのため、空間5に変形が生じることを効果的に抑制して、ダイシング加工の作業性をより良好に確保することができる。
また、このような空間5の変形が効果的に抑制されるため、空間5が隣接する配線基板領域2内に入り込むことは効果的に防止され、個片の配線基板の側面に不要な凹凸を生じて外観不良や寸法不良等の不具合を生じることが抑制される。
複数個の空間5が、平面視で隣り合うもの同士が互いに上下で直接重ならないように形成されている多数個取り配線基板9の例としては、図2や図3(b)に示したような例を挙げることができる。
また、このような多数個取り配線基板9において、図4に示すように、複数の空間5からそれぞれ母基板1の外表面にかけて、母基板1を厚み方向に貫通する貫通孔6が形成されている場合には、母基板1となる未焼成のセラミック材料(セラミックグリーンシートの積層体等)の内部に空間5が形成されているとき、焼成時に空間5内のガスを外部に排出させることができる。そのため、空間5内のガスの熱膨張により母基板1の表面が膨れて変形するような不具合(いわゆるフクレ)の発生が効果的に抑制される。したがって、この場合には、個片の配線基板に不具合が生じることがより効果的に抑制され、多数の配線基板の生産性を良好に確保する上で有効な多数個取り配線基板9とすることができる。なお、図4は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。図4において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
このような貫通孔6は、例えば、母基板1となるセラミックグリーンシートに金属ピンを用いた機械的な打ち抜き加工を施すことにより形成することができる。
なお、貫通孔6は、それぞれの空間5から個別に直接母基板1の外表面(図4に示す例では母基板1の上面または下面)にかけて形成されているものである必要はなく、途中で他の空間5を経て母基板1の外表面に貫通しているものでも構わない。
また、貫通孔6は、例えば、空間5の幅が約100μmで長さが約2mm程度のものであれば、横断面が直径約50μmの円形状に形成すればよい。この場合、貫通孔6は、金属ピン等による打ち抜き加工の加工性を考慮すれば横断面が円形のものが適しているが、空間5の寸法や形状に応じて、楕円形状や四角形状の横断面で形成してもよい。また、貫通孔6は、1つの空間5に対して1つ形成されていれば、ガスを排出させる効果を十分に得ることができる。
なお、図1に示した例では、母基板1の外周部に設けたダミー領域4にも、配線基板領域2の境界2bを延長した延長線部分(符号なし)に空間5を形成している。ダミー領域4の空間5も、配線基板領域2の境界2bの空間と同様の方法で形成することができる。母基板1が外周部分にダミー領域4を有する場合には、ダイシングブレードによる母基板1の切断をより確実に不具合なく行なわせるために、ダミー領域4にも空間5を形成することが好ましい。
ダミー領域4に空間5を形成する場合にも、配線基板領域2の境界2bに空間5を形成する場合と同様の基準で、空間5の位置や寸法を決めるようにすればよい。すなわち、ダミー領域4にも、配線基板領域2の境界2bに形成するのと同様の形状および寸法の空間5を、母基板1の厚さが延長線部分の全長にわたって配線基板領域2の境界2bと同じ程度に薄くなるように形成すればよい。
このように、ダミー領域4にも空間5を形成した母基板1を備える多数個取り配線基板9の切断は、例えば母基板1が酸化アルミニウム質焼結体からなり、厚さが3mm以上の硬く厚いものでも、切断速度を効果的に速くすることができる。例えば、刃厚が約0.05mmのダイシングブレード(砥粒としてダイヤモンドを用いたもの)を約5000回転/分で回転させて行なう場合には、約20mm/秒以上の速度で母基板1を配線基板領域2の境界2bにおいて切断することができる。また、このような速度で切断したとしても、切断されて得られる個片の配線基板に発生する欠け等の不良の発生率は約0.05%以下に抑えることができる。
これに対し、このような空間5を形成しない、従来の多数個取り配線基板(図示せず)の場合であれば、上記と同様の条件において、母基板の切断速度は約15mm/秒程度であり、これ以上速くすると亀裂等の不具合の発生が増加する。
この多数個取り配線基板9において、例えば図5に示すように、母基板1の外周部に複数の配線基板領域2を取り囲むダミー領域4が設けられており、そのダミー領域4に、配線基板領域2の境界2bに形成された空間5の配線基板領域2側の外縁を通り配線基板領域2の境界2bと平行に伸びる直線Lに対して空間5と反対側に、直線Lを外縁の位置としたダミー領域内空間7が形成されている場合には、ダイシング加工に用いるダイシングブレードの磨耗にばらつきが生じることを抑制することが可能な多数個取り配線基板9とすることができる。なお、図5は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。図5において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
すなわち、配線基板領域2の境界2bに形成された空間5は、個片の配線基板の側面に空間5の跡が残ることを防ぐために、例えば図6(a)に示すように、母基板1のダイシングブレードDで切断される幅(ダイシングブレードDの幅)よりも狭く設定する場合がある。この場合、空間5が形成されている部分(ダイシングブレードDの幅方向の中央部分)では、母基板1の実際に切断される厚さが薄いため、ダイシングブレードDの磨耗が、その外側の空間5が形成されていない部分(ダイシングブレードDの幅方向の外周部分)に比べて小さくなる傾向がある。これに対し、上記のようにダミー領域内空間7を形成しておけば、例えば図6(b)に示すように、ダミー領域4では、ダミー領域内空間7の分、母基板1の切断される厚さが薄くなるため、ダイシングブレードDの幅方向の外周部分で、中央部部分に比べて磨耗を小さくすることができる。そのため、ダミー領域内空間7の分、配線基板領域2の境界2bにおけるダイシングブレードDの磨耗のばらつきと相殺させて、ダイシングブレードDの磨耗のばらつきを抑制することができる。なお、図6(a)および(b)は、本発明の多数個取り配線基板の他の実施形態における効果を説明するために要部を模式的に示す要部拡大断面図である。図6において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
また、ダミー領域内空間7の分、母基板1のダイシング加工で切断される厚さを薄くすることもできるので、ダイシング加工の作業性を良好に確保することもできる。
なお、配線基板領域2の境界2bに形成された空間5の配線基板領域2側の外縁を通り配線基板領域2の境界2bと平行に伸びる直線Lは、このダイシングブレードDの磨耗に差が生じる可能性がある、ダイシングブレードDの幅方向の中央部分と外周部分との境に相当する。ダミー領域内空間7が、この直線Lを外縁の位置として形成されているので、直線Lを境として生じるダミーブレードDの磨耗の差を効果的に相殺させる(幅方向において磨耗の程度を均す)ことができる。
このダミー領域内空間7も、空間5と同様に、複数のダミー領域内空間7が、平面視で隣り合うもの同士で、母基板1の厚み方向における位置が異なり、かつ直線Lに沿って連続するように形成すればよい。
ダミー領域内空間7は、直線LとダイシングブレードDで切断される範囲の外縁との間に形成されていれば、ダイシングブレードの磨耗を均す効果を得ることができるが、母基板1のダイシングブレードDにより切断される範囲よりも外側まで延びて形成されていてもよい。
このようなダミー領域内空間7は、直線Lを外縁の位置とするため、平面視したときに直線L側の外縁が直線状である形状、例えば長方形状や台形状等の四角形状や、角部を円弧状に面取りした四角形状,半円状,楕円を長軸や短軸に沿って切断した形状に形成される。
また、この多数個取り配線基板9は、図7に示すように、空間5のうち母基板1の外縁部に位置するものが母基板1の表面に形成されている場合には、その空間5を容易に視認することができる。そして、この空間5により、母基板1の外縁部における配線基板領域2の境界2bの位置を容易に検知することができる。したがって、この場合には、ダイシングブレードの母基板1に対する位置合わせがより容易であり、個片の配線基板の生産性を高める上でより有効な多数個取り配線基板9とすることができる。なお、図7は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。図7において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。図7に示す例では、母基板1の外周部にダミー領域4を設けていない。
また、この多数個取り配線基板9は、図8に示すように、母基板1の外周部にダミー領域4が設けられ、このダミー領域4にダミー領域内空間7が形成されている構成において、ダミー領域内空間7のうち母基板1の外縁部に位置するものが母基板1の表面に形成されている場合には、そのダミー領域内空間7を容易に視認することができる。そして、このダミー領域内空間7により、外周部にダミー領域4が設けられた母基板1の外縁部における配線基板領域2の境界2bの位置を容易に検知することができる。したがって、この場合にも、ダイシングブレードの母基板1に対する位置合わせがより容易であり、個片の配線基板の生産性を高める上でより有効な多数個取り配線基板9とすることができる。なお、図8は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。図8において、図1および図5と同様の部位には同様の符号を付している。
なお、図7や図8に示す例のように母基板1の表面に空間5やダミー領域内空間7を形成した場合には、前述のように空間5やダミー領域内空間7の内側面と母基板1の上面との間の角部分で欠け等の不具合を誘発する可能性があるため、この角部分を、例えばサンドブラスト加工等の加工方法で円弧状等に面取り加工しておくことが好ましい。
また、本発明の多数個取り配線基板9は、図9(a)に示すように、空間5のうち配線基板領域2の境界2b同士が交差する部分に位置するものが母基板1の表面に形成されている場合にも、その空間5を容易に視認することができる。したがって、この場合にも、ダイシングブレードの母基板1に対する位置合わせがより容易であり、個片の配線基板の生産性を高める上でより有効な多数個取り配線基板9とすることができる。なお、図9(a)は、本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。図9(a)において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
また、この図9(a)に示す例において、多数個取り配線基板9は、配線基板領域2の境界2b同士が交差する部分において母基板1の表面に形成された空間5が、交差し合う境界2bの両方にそれぞれ、一方の境界2bに沿った長さが交差する他方の境界2bにおけるダイシング加工による切断幅よりも長くなるように形成されている。この場合には、前述のようにダイシングブレードの母基板1の位置合わせをより容易とすることができることに加えて、次のような効果を得ることができる。
すなわち、この場合には、例えば図9(b)に示すように、まず一方(または他方)の境界2bに沿って母基板1をいわゆる短冊状に分割したときに、その短冊状に分割された母基板(1)の外縁部において、交差する他方(または一方)の境界2bに沿って表面に空間5を残しておくことができる。そして、この交差する他方(または一方)の境界2bに沿った空間5により配線基板領域2の境界2bの位置を容易に検知することができ、この位置を基準にして、短冊状に分割された母基板(1)を個片の配線基板に分割することができる。したがって、この場合には、個片の配線基板への分割がより容易な多数個取り配線基板9とすることができる。なお、図9(b)は、図9(a)に示す多数個取り配線基板9の母基板1を一方の境界2bに沿って分割した状態(分割した短冊状のものの一つ)を示す平面図である。図9(b)においても、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
また、多数個取り配線基板9の個片への分割は、配線基板領域2に電子部品を搭載した後で行なってもよい。配線基板領域2に電子部品を搭載した後にダイシング加工を行なうときに、特に電子部品がMEMS素子や弾性表面波素子のように機械的な動きをする機構を有するものの場合には、ダイシングに伴う切削屑が電子部品に付着すると、その機械的な動きが妨げられて誤作動する可能性が大きくなる。そのため、この場合には、まず蓋体や封止樹脂等の封止手段(図示せず)で電子部品を封止してから、母基板1にダイシング加工を施すことが好ましい。
個片の配線基板に電子部品が搭載されてなる電子装置は、コンピュータや携帯電話,デジタルカメラ,加速度や圧力等の各種センサ等の種々の電子機器において部品として使用される。電子装置と電子機器(電子機器を構成する回路基板等)との電気的な接続は、例えば配線導体3のうち配線基板(配線基板領域2)の下面に露出する部位を、はんだや導電性接着剤等の導電性接合材を介して接合することにより行なわせることができる。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の平面図であり、(b)および(c)はそれぞれ(a)のB−B線,C−C線における断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板の他の実施形態における効果を説明するために要部を模式的に示す要部拡大断面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。 本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大平面図であり、(b)は(a)に示す多数個取り配線基板が短冊状に分割された状態を示す平面図である。
符号の説明
1・・・母基板
1a・・絶縁層
2・・・配線基板領域
2a・・凹部
2b・・配線基板領域の境界
3・・・配線導体
4・・・ダミー領域
5・・・空間
6・・・貫通孔
7・・・ダミー領域内空間
9・・・多数個取り配線基板

Claims (8)

  1. 母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列形成されてなり、前記配線基板領域の境界でダイシング加工により分割される多数個取り配線基板であって、
    前記母基板の前記配線基板領域の境界に、該境界の長さ方向に不連続部となる複数の空間が、平面視で隣り合うもの同士で、前記母基板の厚み方向における位置が異なり、かつ前記境界の長さ方向において連続するように形成されていることを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記空間は、平面視で隣り合うもの同士が互いに上下で直接接しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  3. 複数の前記空間からそれぞれ前記母基板の外表面にかけて、前記母基板を厚み方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  4. 前記母基板の外周部に複数の前記配線基板領域を取り囲むダミー領域が設けられており、該ダミー領域に、前記配線基板領域の境界に形成された前記空間の前記配線基板領域側の外縁を通り前記配線基板領域の境界と平行に伸びる直線に対して前記空間と反対側に、前記直線を外縁の位置としたダミー領域内空間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  5. 前記空間のうち前記母基板の外縁部に位置するものは、前記母基板の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  6. 前記ダミー領域内空間のうち前記母基板の外縁部に位置するものは、前記母基板の表面に形成されていることを特徴とする請求項4記載の多数個取り配線基板。
  7. 前記空間のうち前記配線基板領域の境界同士が交差する部分に位置するものは、前記母基板の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  8. 前記配線基板領域の境界同士が交差する部分において前記母基板の表面に形成された前記空間は、交差し合う前記境界の両方にそれぞれ、一方の境界に沿った長さが交差する他方の境界における前記ダイシング加工による切断幅よりも長くなるように形成されていることを特徴とする請求項7記載の多数個取り配線基板。
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JP2016109548A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 株式会社デンソー セラミック成形体の焼成方法、及び、圧力センサの製造方法

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