JP5197407B2 - 多数個取り配線基板 - Google Patents

多数個取り配線基板 Download PDF

Info

Publication number
JP5197407B2
JP5197407B2 JP2009016258A JP2009016258A JP5197407B2 JP 5197407 B2 JP5197407 B2 JP 5197407B2 JP 2009016258 A JP2009016258 A JP 2009016258A JP 2009016258 A JP2009016258 A JP 2009016258A JP 5197407 B2 JP5197407 B2 JP 5197407B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring board
space
mother
board
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009016258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010177320A (ja
Inventor
賢三 永岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2009016258A priority Critical patent/JP5197407B2/ja
Publication of JP2010177320A publication Critical patent/JP2010177320A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5197407B2 publication Critical patent/JP5197407B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Description

本発明は、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するための配線基板となる複数の配線基板領域が母基板に縦横の並びに配列されてなり、配線基板領域の境界において厚み方向に破断して個片の配線基板に分割される多数個取り配線基板に関するものである。
従来、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミック焼結体等のセラミック焼結体から成る四角形板状の絶縁基体の上面に電子部品を搭載するための搭載部を有し、この搭載部またはその周辺から絶縁基体の側面や下面にかけてタングステン等の金属材料から成る複数の配線導体が形成された構造を有している。
このような配線基板は、一般に、1枚の広面積の母基板から複数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。多数個取り配線基板は、例えば、平板状の母基板に配線基板となる配線基板領域が縦横の並びに複数個配列形成された構造を有している。
このような多数個取り配線基板は、配線基板領域の境界における母基板の主面(上面や下面)にあらかじめ分割溝を設けておき、この分割溝が設けられた部分において母基板に曲げ応力等の応力を加えて母基板を破断させることにより、個片の配線基板に分割される。分割溝は、一般に、母基板となる未焼成のセラミック材料の主面に、配線基板領域の境界に沿ってカッター刃等を切り込ませることにより形成されている。
特開2001−319991号公報 特開2003−273272号公報 特開2007−158183号公報
しかしながら、上記従来技術の多数個取り配線基板は、母基板の主面に分割溝が形成されているため、この分割溝の内部に異物が入り込んで分割溝の内側面に付着する可能性があるという問題点があった。多数個取り配線基板の分割溝の内側面、つまり配線基板領域の側面にこのような付着が発生すると、個片の配線基板に分割したときに配線基板の側面に異物が残留し、電気的な特性や外観等において不良になってしまう。
特に、配線導体の露出する表面に無電解めっき法でニッケルや金等のめっき層を被着させる場合には、幅が狭い分割溝の内部において、無電解めっき液中で酸素成分の不足等に起因してめっき液からの金属成分の不要な還元析出(いわゆる液の分解)が生じ、この金属成分が、個片の配線基板の側面となる分割溝の内側面に付着しやすい。そして、このような金属成分の付着は、配線基板の小型化や生産性の向上のために多数個取り配線基板に配列される配線基板領域の数(いわゆる取り数)の増加に応じて分割溝の幅が狭くなってきているため、多発する傾向にある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、配線基板領域の境界において破断して分割される多数個取り配線基板であって、母基板の分割を容易としながら、無電解めっきの際の金属成分の付着等の付着を防止することが可能な多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の多数個取り配線基板は、母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列形成され、前記配線基板領域の境界において厚み方向に破断して分割される多数個取り配線基板であって、前記配線基板領域の境界における前記母基板の内部に、平面視で前記配線基板領域の境界の長さ方向に延びる直線状の、縦断面における上端部および下端部のそれぞれがV字状である空間が設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、前記母基板の外周に前記配線基板領域を取り囲む枠状のダミー領域が設けられているとともに、前記空間の端が前記ダミー領域内に位置しており、前記母基板の主面に分割溝がなく、前記空間が前記母基板の表面に露出していないことを特徴とするものである。
本発明の多数個取り配線基板によれば、配線基板領域の境界における母基板の内部に、平面視で配線基板領域の境界の長さ方向に延びる直線状の、縦断面における上端部および下端部のそれぞれがV字状である空間が設けられていることから、分割時に配線基板領域の境界において母基板に曲げ応力等の応力を加えた際に、V字状である空間の上端部および下端部に応力が集中し、それぞれ母基板の上面または下面に向かって亀裂が生じる。そして、この亀裂が母基板の上面や下面に達して母基板が空間の上下において破断するため、母基板を容易に個片に分割することができる。
また、この空間は、母基板の主面(上面や下面)に露出していないので、例えば無電解めっきの際のめっき液や、その他の異物が内側に入り込むことはない。また、母基板の主面に分割溝がない。そのため、無電解めっきの際の金属成分等の異物が個片の配線基板の側面となる空間の内面等に付着することを効果的に防止することができる。したがって、
母基板の分割を容易としながら、無電解めっきの際の金属成分の付着等の付着を防止することが可能な多数個取り配線基板を提供することができる。
また、本発明の多数個取り配線基板において、母基板の外周に配線基板領域を取り囲む枠状のダミー領域が設けられており、空間の端がダミー領域内に位置している。配線基板領域の境界における母基板の破断をより容易とするために空間を配線基板領域の境界の全長にわたるように形成することが容易であり、配線基板領域の境界の全長にわたって、より容易に母基板を分割することができる。
この場合、空間の端がダミー領域内に位置しているので、空間の端部分において母基板を破断させる亀裂の進行方向が多少母基板の主面に真っ直ぐ向かう方向から多少ずれたとしても、この亀裂に伴って個片の配線基板に亀裂や欠けやバリ等の不具合が生じることは効果的に抑制される。そのため、個片の配線基板への分割をより容易かつ確実に行なえる多数個取り配線基板とすることができる。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す斜視図であり、(b)および(c)は、それぞれ(a)のA−A線,B−B線における断面を示すための斜視図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板における空間の好適な例を説明するための要部拡大断面図である。
本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図1(b),(c)は、それぞれ図1(a)のA−A線,B−B線における断面を示すための斜視図である。図1において、1は母基板、2は配線基板領域である。母基板1に複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列されて多数個取り配線基板9が基本的に形成されている。
母基板1は、ガラスセラミック焼結体や酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ムライト質焼結体等のセラミック材料からなる複数の絶縁層(符号なし)が上下に積層されて形成されている。
母基板1に配列された複数の配線基板領域2は、それぞれが個片の配線基板(図示せず)となる領域である。母基板1が配線基板領域2の境界2aにおいて破断して分割されることにより、複数の配線基板が同時集約的に製作される。
個片の配線基板が電子部品搭載用基板として使用される場合には、配線基板領域2の上面の中央部等に電子部品の搭載部(符号なし)が設けられている。なお、母基板1は、この図1に示す例では平板状のものであるが、電子部品を収容する凹部(図示せず)を配線基板領域2の上面の中央部等に有し、凹部の底面を搭載部としたものでもよい。
搭載部に搭載される電子部品(図示せず)としては、ICやLSI等の半導体集積回路素子、およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子を含む半導体素子、弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子、容量素子、抵抗器、半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品が挙げられる。
電子部品は、搭載部に、例えばエポキシ系樹脂,ポリイミド系樹脂,アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂,ポリエーテルアミド系樹脂等の樹脂接着剤や、Au−Sn,Sn−Ag−Cu,Sn−Cu,Sn−Pb等のはんだや、ガラス等で接合される。
また、この実施の形態の例においては、各配線基板領域2に配線導体3が形成されている。配線導体3は、一部が搭載部に露出するように形成されている。この配線導体3は、例えば搭載部において一部が電子部品と電気的に接続されて、搭載部に搭載される複数の電子部品同士や、電子部品と外部の電気回路(図示せず)とを互いに電気的に接続する導電路として機能する。
配線導体3は、銅,銀,パラジウム,白金,金,タングステン,モリブデン,マンガン等の金属材料により形成されている。
電子部品と配線導体3との電気的な接続は、例えば、配線導体3のうち搭載部の周辺に露出している部位に、電子部品の電極(図示せず)を、ボンディングワイヤやはんだ等の導電性接続材(図示せず)を介して接続することにより行なうことができる。
このようなボンディングワイヤのボンディング性やはんだの濡れ性等の特性の確保および酸化腐食の防止等のために、配線導体3の表面は、ニッケルや金等のめっき層により被覆される。これらのめっき層による被覆は、例えばめっき用の電力を配線導体3に供給するための引き出し線を不要として個片の配線基板としての小型化を容易とするような場合には、無電解めっき法により行なわれる。
無電解めっき法によるめっき層の被着は、例えばニッケルの場合であれば、硫酸ニッケル等のニッケル(イオン)成分と還元剤とを含む無電解めっき液中に多数個取り配線基板9を浸漬し、配線導体3の表面において還元剤でニッケル成分を還元析出させることにより行なわれる。この場合、母基板1の表面に比べて配線導体3の表面の方がニッケルの還元反応に対する触媒活性が高いため、配線導体3の表面で優先的にニッケルが析出する。
このような、それぞれが配線導体3を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。
まず、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化ケイ素や酸化マグネシウム等を添加してなる原料粉末を、有機溶剤およびバインダと混練するとともに、ドクターブレード法やリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して、セラミックグリーンシートを作製する。次に、タングステンやモリブデン等の金属材料の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して、金属ペーストを作製する。次に、セラミックグリーンシートを母基板1の外形寸法に切断するとともに、配線基板領域2となる領域のそれぞれに所定の配線導体3のパターンでスクリーン印刷法等の印刷法によって金属ペーストを印刷する。そして、複数のセラミックグリーンシートを積層した後、約1300〜1600℃程度の焼成温度で焼成すれば、それぞれが配線導体3を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1を製作することができる。
なお、母基板1は、未焼成のセラミック材料を金型等を用いて所定の板状に成型し、これを焼成して製作することもできる。
この実施の形態の例において、母基板1の外周には、配列された複数の配線基板領域2を取り囲んでダミー領域4が設けられている。ダミー領域4は、多数個取り配線基板9の取り扱いを容易とすること等のために設けられている。
この多数個取り配線基板9を、配線基板領域2の境界2a(配線基板領域2同士の間の境界および配線基板領域2とダミー領域4との間の境界)において破断することにより、個片の配線基板に分割される。そして、母基板1を破断させるために、配線基板領域2の境界2aにおける母基板1の内部に、平面視で配線基板領域2の境界2aの長さ方向に延びる直線状の、縦断面における上端部および下端部のそれぞれがV字状である空間5が設けられている。
母基板1の分割は、例えば、配線基板領域2の境界2を挟むように母基板1に曲げ応力等の応力を加え、この応力によって空間5が形成されている部分において母基板1を破断させて行なわれる。
配線基板領域2の境界2aにおいて母基板1に応力を加えるには、例えば、母基板1の厚みと同じ程度の間隔をおいて上下に対向し合う一対のベルト(無端ベルト等)(図示せず)の間に多数個取り配線基板9を挟み、ベルトを一方向に動かして母基板1に上下のベルトから圧力を加えること等の方法を用いればよい。
この多数個取り配線基板9によれば、配線基板領域2の境界2aに、平面視で配線基板領域2の境界2aの長さ方向に延びる直線状の、上端部および下端部がV字状である空間5が設けられていることから、配線基板領域2の境界2aに沿って母基板1に応力等の応力を加えた際に、V字状である空間5の上端部および下端部に応力が集中し、それぞれの端部から母基板1の上面または下面に向かって亀裂が生じる。そして、この亀裂が母基板1の上面や下面に達して母基板1が空間5の上下において破断するため、母基板1を容易に個片に分割することができる。
このとき、空間5が直線状で配線基板領域2の境界に沿った直線状のものであるため、配線基板領域2内に亀裂が生じることは抑制され、個片の配線基板における欠けやバリや亀裂等の不具合が発生することは抑制される。
また、この空間5は、母基板1の主面(上面や下面)に露出していないので、例えば無電解めっきの際のめっき液や、その他の異物が内側に入り込むことはない。そのため、無電解めっきの際の金属成分等の異物が個片の配線基板(図示せず)の側面となる空間5の内側面に付着することを効果的に防止することができる。したがって、母基板1の分割を容易としながら、無電解めっきの際の金属成分の付着等の付着を防止することが可能な多数個取り配線基板9を提供することができる。
空間5について、上記のような無電解めっき液からの金属成分の付着等を防止する効果を得る上では、空間5が母基板1の内部にあれば(表面に露出していなければ)よく、その上端や下端、および長さ方向の両端から母基板1の表面までの距離については特に制限はない。
このような空間5は、例えば、母基板1となるセラミックグリーンシートのうち配線基板領域2の境界2aに、切断刃を備えた金型を用いる打ち抜き加工等の加工を施して直線状の打ち抜き部分または切り込み部分(図示せず)を設けておくことにより形成することができる。すなわち、複数のセラミックグリーンシートを、このような打ち抜き部分および切り込み部分が上下に連続するように(切り込み部分が最も上または下になるように)位置合わせして積層すれば、複数の絶縁層の間で打ち抜き部分が上下に連なって、母基板1の内部に空間5が形成される。
また、空間5について、縦断面における上端部および下端部をそれぞれV字状とするには、例えば、空間5を構成する上記の打ち抜き部分のうち、最上層および最下層となるものについては縦断面がV字状である刃を用いて、V字状の切り込み部分が設けられる程度としておくようにすればよい。図1に示す例では、最上層および最下層の絶縁層(セラミックグリーンシート)にそれぞれ空間5の上端部および下端部が位置しており、その最上層および最下層の厚み方向の途中まで、空間5を構成するV字(逆V字)状の切り込み部分が設けられている。
この場合、空間5の上端部や下端部を、母基板1を構成する絶縁層のうち最上層や最下層以外の層に位置させるようにしてもよく、その最上層や最下層以外の絶縁層に、縦断面がV字状である打ち抜き部分を設けて、空間5の上端部や下端部をV字状とするようにしてもよい。このような例は、例えば、絶縁層の1層当たりの厚さが35μm程度と薄いときに、加工や積層を容易とする上で有利である。
なお、上記のような方法で、配線基板領域2の境界2aにおいてセラミックグリーンシートを打ち抜いて空間5を母基板1に設ける場合には、空間5が母基板1に縦横に並んでいるので、配線基板領域2に対応した部分毎に母基板1となるセラミックグリーンシートが分かれてしまう層が生じる。そのため、この場合には、生産性や上下の位置合わせ精度等を考慮して、セラミックグリーンシートに対する打ち抜き加工と、そのセラミックグリーンシートを下層の他のセラミックグリーンシートに積層する加工とを併せて(1つの加工工程で)行なうことが好ましい。これについては、例えば、下層のセラミックグリーンシートを積層用の台板上に位置決めして載せておき、その上に打ち抜き加工用の金型をセットして上層のセラミックグリーンシートに対する打ち抜き加工を行なうようにすればよい。このようにすれば、打ち抜き加工を施した上層のセラミックグリーンシート(配線基板領域2毎に分かれたもの)を、そのまま下層のセラミックグリーンシートの所定位置に加圧して積層することができる。
空間5について、V字状の上端部および下端部それぞれの先端角(空間5の縦断面において空間5の側面同士のなす角)は、使用する母基板1の材料や厚さ、絶縁層1の厚さ、応力を加える方向等に応じて適宜設定すればよい。
例えば、母基板1が、ホウケイ酸ガラス成分を約20質量%以上含有し、セラミック成分として酸化アルミニウムを含有するガラスセラミック焼結体からなり、厚みが約0.5mm〜2.5mm程度の場合であれば、先端角は約20〜45度程度が適している。この範囲であれば、空間5のV字状の上端部や下端部において効果的に応力を集中させることができ、その応力による亀裂の発生を容易にすることができる。
具体的に、上記組成のガラスセラミック焼結体からなる母基板1を用いた多数個取り配線基板9について、空間5を設けたときの個片への分割の容易さ、および個片の配線基板における側面への異物付着の有無を確認した例を挙げる。この例において、母基板1の厚さは約1.5mmであった。また、分割溝5は、母基板1の上面および下面からそれぞれ約0.12mmの位置に上端および下端が位置し、幅が約0.1mmで、V字状の部分の長さが上端部および下端部ともに約0.2mmであり、先端角が上下ともに約25度であった。また、各配線基板領域2の平面視したときの寸法は約2.5mm×3.5mmで、母基板1に15×10個の配列で縦横の並びに配列し、各配線基板領域2の表面に配線導体3を形成した。この多数個取り配線基板9について、無電解めっき法で配線導体3にニッケルめっきを施した後、前述したような上下に対向し合う一対のベルトを用いた方法で個片への分割を行なったところ、バリや欠けや亀裂等の発生および付着の発生は、個片の配線基板1500個中で0個であった。
また、この具体例との比較のために、母基板の主面に分割溝を設けた従来技術の多数個取り配線基板(図示せず)についても、空間5を設けずに分割溝を設けた点以外は上記の具体例と同様の条件で作製し、無電解めっきを施した後に個片に分割した。その結果、個片の配線基板1500個においてバリや欠けや亀裂等の発生は0個であったものの、2個において側面に斑点状の異物付着が見られた。この付着した異物は、波長分散型X線分光分析によりニッケルであることを確認した。
また、空間5は、例えば図1に示すような、縦断面における中間部で幅が一定であるものに限らず、例えば図2(a)および(b)に示すような形状でもよい。図2(a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板9の実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図2(a)に示す例は、空間5の縦断面が四角形状(菱形状や正方形状等)であり、その対角線が母基板1の厚み方向と平行になるように配置された例である。このような例は、母基板1の厚みが例えば0.5mm程度と薄い場合や絶縁層の数が少ない場合等の、図1のような空間5を設けることが難しい場合に適している。
図2(b)に示す例は、縦断面の中間部の一部において空間5の幅が狭くなっている例である。このように空間5の幅を中間部の一部において狭くした場合には、母基板1の機械的な強度が低くなり過ぎることを防止したり、母基板1の内部に配線導体3を形成するためのスペースをより広く確保したりする上で効果がある。
また、空間5は、配線基板領域2の境界において、例えば配線基板領域2内に亀裂が入り込むようなことを防止しながら母基板1を破断させることができるような範囲であれば、平面視で部分的に幅が変化しているようなものでもよい。この場合には、空間5が平面視で配線基板領域2内に入り込まないようにする必要がある。また、母基板1の配線基板領域2同士の間に一定の幅で、破断のための捨て代となる帯状のスペース(図示せず)を確保して、このスペース内に空間5が収まるようにしてもよい。
また、空間5は、配線基板領域2の境界2aの全長において容易に母基板1を破断させることができるようにするために、配線基板領域2の境界2aの全長にわたって設けられていることが好ましい。すなわち、母基板1は、空間5が設けられている部分においては、その空間5の上下方向に、応力により破断させることが容易であるものの、その空間5の長さ方向の端より外側では、母基板1の機械的な強度が比較的大きくなるために破断させることが難しくなる傾向があり、その強度が比較的大きい部分を破断させる際に、母基板1により大きな応力が作用して、破断面に亀裂や欠けやバリ等を生じる可能性がある。これに対して、空間5を配線基板領域2の境界2aの全長にわたって設けておけば、分割された個片の配線基板に亀裂や欠けやバリ等の不具合が生じることを効果的に抑制することができる。
なお、空間5を配線基板領域2の境界2aの全長にわたって設ける場合には、配線基板領域2を取り囲むダミー領域4を母基板1の外周に設けておけば、空間5の端が露出しないようにすることができる。
また、この多数個取り配線基板9において、母基板1の外周に配線基板領域2を取り囲む枠状のダミー領域4が設けられており、空間5の端がダミー領域4内に位置している。配線基板領域2の境界2aにおける母基板1の破断をより容易とするために空間5を配線基板領域2の境界2aの全長にわたるように形成することが容易であり、配線基板領域2の境界2aの全長にわたって、より容易に母基板1を分割することができる。
この場合、空間5の端がダミー領域4内に位置しているので、空間5の端部分において母基板1を破断させる亀裂の進行方向が母基板1の主面に真っ直ぐ向かう方向から多少配線基板領域2側にずれたとしても、この亀裂に伴って個片の配線基板に亀裂や欠けやバリ等の不具合が生じることは効果的に抑制される。そのため、個片の配線基板への分割がより容易で確実な多数個取り配線基板9とすることができる。
この場合、ダミー領域4の幅は、例えば隣接する配線基板領域2の幅の約1.5〜2倍程度に設定すればよい。このダミー領域4内に、配線基板領域2の端から配線基板領域2の幅程度の長さで入った位置まで空間5を延長しておけば、亀裂が配線基板領域2内に入り込むことを効果的に抑制することができる。
なお、このようにダミー領域4内に空間5を延長する場合には、生産性等を考慮して、空間5を配線基板領域2の境界における縦断面の形状および寸法のままでダミー領域4内に延長すればよい。
また、空間5は、例えば図3(a)に示すように、その上端および下端が絶縁層の層間に位置していないことが好ましい。空間5の上端や下端が、例えば図3(b)に示すように絶縁層の層間に位置していると、多数個取り配線基板9(母基板1)を分割する際に、この上端や下端で発生した亀裂が機械的な強度が比較的低い絶縁層の層間に沿って進行し、個片の配線基板にバリや欠けや亀裂等の不具合を生じさせる可能性がある。なお、図3(a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板9における空間5の好適な例を説明するための要部拡大断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
1・・・母基板
2・・・配線基板領域
2a・・配線基板領域の境界
3・・・配線導体
4・・・ダミー領域
5・・・空間
9・・・多数個取り配線基板

Claims (2)

  1. 母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列形成され、前記配線基板領域の境界において厚み方向に破断して分割される多数個取り配線基板であって、前記配線基板領域の境界における前記母基板の内部に、平面視で前記配線基板領域の境界の長さ方向に延びる直線状の、縦断面における上端部および下端部のそれぞれがV字状である空間が設けられており、前記母基板の外周に前記配線基板領域を取り囲む枠状のダミー領域が設けられているとともに、前記空間の端が前記ダミー領域内に位置しており、前記母基板の主面に分割溝がなく、前記空間が前記母基板の表面に露出していないことを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  2. 前記空間は、縦断面の中間部の一部においてその幅が狭くなっていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
JP2009016258A 2009-01-28 2009-01-28 多数個取り配線基板 Expired - Fee Related JP5197407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009016258A JP5197407B2 (ja) 2009-01-28 2009-01-28 多数個取り配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009016258A JP5197407B2 (ja) 2009-01-28 2009-01-28 多数個取り配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010177320A JP2010177320A (ja) 2010-08-12
JP5197407B2 true JP5197407B2 (ja) 2013-05-15

Family

ID=42707990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009016258A Expired - Fee Related JP5197407B2 (ja) 2009-01-28 2009-01-28 多数個取り配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5197407B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109661108A (zh) * 2018-12-29 2019-04-19 广东科翔电子科技有限公司 一种特种阶梯pcb成型加工方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08213720A (ja) * 1995-02-06 1996-08-20 Ricoh Co Ltd 配線基板
JP2001308528A (ja) * 2000-04-25 2001-11-02 Kyocera Corp 配線基板の製造方法
DE602007011286D1 (de) * 2006-08-07 2011-01-27 Murata Manufacturing Co Verfahren zur herstellung eines keramischen, mehrschichtsubstrats

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010177320A (ja) 2010-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5738109B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP5197407B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP5383407B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP5046625B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP2010171354A (ja) 多数個取り配線基板
JP4458974B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP5956185B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP2013207204A (ja) 配線母基板
JP4272550B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP5893967B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP5673123B2 (ja) モジュール基板及びモジュール基板の製造方法
JP5546352B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP2011176020A (ja) 多数個取り配線基板およびその製造方法
JP6193702B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP2010056498A (ja) 多数個取り配線基板
JP2005340562A (ja) 多数個取り配線基板
JP6114102B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP4772730B2 (ja) 複数個取り配線基板および配線基板、ならびに電子装置
JP4738220B2 (ja) 複数個取り配線基板
JP4423181B2 (ja) 複数個取り配線基板
JP5574901B2 (ja) 多数個取り配線基板
JP3798992B2 (ja) 多数個取りセラミック配線基板
JP2010135714A (ja) 多数個取り配線基板およびその製造方法ならびに配線基板およびその製造方法
JP5791450B2 (ja) 多数個取り配線基板および配線基板
JP2011029468A (ja) 多数個取り配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5197407

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees