JP5743779B2 - 多数個取り配線基板および電子装置 - Google Patents

多数個取り配線基板および電子装置 Download PDF

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本発明は、母基板の中央部に、各々が電子部品を搭載するための配線基板となる複数の配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに配置され、配線基板領域の境界に分割溝が形成された多数個取り配線基板および電子装置に関するものである。
従来、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、電気絶縁材料から成る絶縁基体と、絶縁基体の表面および内部に設けられた配線導体とから構成されている。
配線基板は、近年の電子装置の小型化に伴って小型化されており、複数の配線基板を効率良く製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって製作されている。多数個取り配線基板は、母基板に、複数の配線基板領域が縦横に配列するように、各配線基板領域を区分する分割溝が縦横に形成されたものである。この母基板を撓ませて分割溝に沿って分割することによって、複数の配線基板が得られる。
このような配線基板には、配線基板の側面から下面にかけて、溝を複数設けて、この溝の内面に端子電極を被着して形成した、いわゆるキャスタレーション導体を備えたものが知られている。このような溝および端子電極は、分割溝と重なるように端子電極用の導体が被着された穴または貫通孔を母基板に形成しておき、母基板を分割する際に、穴または貫通孔を分割することによって形成される。
なお、このような配線基板の配線導体およびキャスタレーション導体の露出する表面にはニッケル/金等からなるめっき層が形成されている。そして、複数個の配線基板を効率良く製作するために、多数個取り配線基板の状態でめっき層が被着される(例えば、特許文献1を参照。)。
また、近年の配線基板の小型化および高密度化に伴って、隣接する配線導体同士または隣接する導体同士の間隔が狭くなってきている。電解めっき法によって、配線導体および導体の露出した表面にめっき層を形成する場合、それぞれの配線導体や導体に接続されためっき用配線を、各配線基板領域内から各配線基板領域外に引き出されるように配置する必要がある。そして、配線基板の小型化および高密度化によって、これらのめっき用配線が隣接する配線導体間または隣接する導体間に形成されていると、めっき用配線と配線導体、あるいはめっき用配線と導体との間隔が狭いので、配線導体や導体、およびめっき用配線が印刷ずれ等によってずれて配置されたり、これらの大きさがばらつくことによって、同じ配線基板領域の隣接する配線導体同士あるいは隣接する導体同士がめっき用配線を介して短絡するという問題があった。
そこで、めっき用配線を必要としない無電解めっき法によって多数個取り配線基板の配線導体および導体の表面にめっき層を形成するということが行われていた。
特開2005−340538号公報
しかしながら、無電解めっき法によって多数個取り配線基板の配線導体および導体の表面にめっき層を形成すると、分割溝の底部に沿って金属層が形成され、この金属層を介して隣接する導体同士が短絡することがあった。これは、母基板を活性液やめっき液に浸漬して引き上げた際、分割溝の底部に活性液や無電解めっき液が溜まり、液中の成分が残ることが原因であると考えられる。すなわち、母基板を無電解めっき液に浸漬した際に、分割溝の底部に残留した活性液や無電解めっき液中の成分が、異なる無電解めっき液の成分と反応して金属層を形成することが要因であると考えられる。
特に、分割溝を断面視でV字状に形成した際、分割溝の底部に活性液や無電解めっき液が溜まり、液中の成分が残りやすく、金属層が形成されやすかった。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、隣接する導体同士が短絡することを抑制することができる多数個取り配線基板および電子装置を提供することにある。
本発明の一つの態様による多数個取り基板は、配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置された母基板と、該母基板の上面および下面の少なくとも一方に、前記配線基板領域の境界上に形成された分割溝と、該分割溝と重なるように配置されており、前記母基板の上面および下面の少なくとも一方に開口した複数の穴と、該穴の内周面に被着された導体とを備える多数個取り配線基板において、前記導体は前記分割溝の底部から離間して形成されており、前記穴と前記分割溝の前記底部とが接続されていることを特徴とするものである。
本発明の電子装置は、破断面を含む側面と、前記破断面および前記破断面とは異なる側面にわたって設けられた溝と、該溝の内面に前記破断面の境界から離間して設けられた導体とを有する配線基板および該配線基板に搭載された電子部品を備えたことを特徴とするものである。
本発明の一つの態様による多数個取り配線基板によれば、配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置された母基板と、母基板の上面および下面の少なくとも一方に、配線基板領域の境界上に形成された分割溝と、分割溝と重なるように配置されており、母基板の上面および下面の少なくとも一方に開口した複数の穴と、穴の内周面に被着された導体とを備える多数個取り配線基板において、導体は分割溝の底部から離間して形成されており、穴と分割溝の底部とが接続されていることから、分割溝の底部に金属層が形成されたとしても、金属層と導体とが離間しており、金属層と導体とが電気的に接続されることを抑制できるので、個々の配線基板に分割した際に配線基板の側面に露出する端子電極同士が短絡することを抑制できる。
本発明の一つの態様による電子装置によれば、破断面を含む側面と、破断面および破断面とは異なる側面にわたって設けられた溝と、溝の内面に破断面の境界から離間して設けられた導体とを有しており、溝と破断面の境界とが接続されている配線基板および配線基板に搭載された電子部品を備えていることから、導体同士が短絡することを抑制されたものとなる。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図であり、(b)は(a)に示した多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す下面図である。 (a)は図1(a)のA−A線断面を示す断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。 図2(b)のB部における要部拡大断面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)に示した多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す下面図である。 (a)は図4(a)のA−A線断面を示す断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す下面図である。 (a)は図7(a)のA−A線断面を示す断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。 図8(b)のB部における要部拡大断面図である。 (a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す上面図であり、(b)は(a)に示した多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す下面図である。 (a)は図10(a)のA−A線断面を示す断面図であり、(b)は(a)のA部における要部拡大断面図である。
本発明のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、図2,図3,図5,図6,図8および図9は、配線導体5および金属層3aに、認識しやすいようにハッチングを設けている。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における多数個取り配線基板は、図1〜図9に示す例のように母基板1の中央部に複数の配線基板領域1aが縦および横の並びに複数配列されており、これら複数の配線基板領域1aの周囲にダミー領域1bが設けられている。このような中央部に配線基板領域1aが複数配列された多数個取り配線基板は、配線基板領域1aを個々に分割することによって、複数の矩形状の小型の配線基板を良好に作製することが可能となる。なお、図1および図4に示す例においては、母基板1に縦方向に5列および横方向に4列の計20個の配線基板領域1aが配列されている。母基板1の一方主面の各配線基板領域1a同士の境界および配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界には、横方向の分割溝2xと縦方向の分割溝2yとからなる分割溝2が形成されている。図7に示す例においては、縦方向に4列および横方向に3列の計12個の配線基板領域1aが配列されている。
第1の実施形態の多数個取り配線基板は、図1〜図9に示す例のように、配線基板領域1aが縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置された母基板1と、母基板1の上面および下面の少なくとも一方に、配線基板領域1aの境界上に形成された分割溝2と、分割溝2と重なるように配置されており、母基板1の上面および下面の少なくとも一方に開口した複数の穴3と、穴3の内周面に被着された導体4とを備える多数個取り配線基板において、導体4は分割溝2の底部2aから離間して形成されている。
図1〜図3に示す例では、穴3は下面に開口して、平面視および断面視で、上面に形成された分割溝2と重なるように配置されている。また、図4,図5および図7ならびに図8に示す例では、穴3は母基板1の厚み方向に貫通した貫通孔3aとして形成されている。また、図6に示す例では、穴3は母基板1の厚み方向に貫通した貫通孔3aであるとともに、貫通孔3aの上面側の開口よりも下面側の開口が大きく、貫通孔3aの厚み方向の途中に段差部を有している。
また、図1〜図6に示す例では、導体4の上端部4aは、分割溝2の底部2aから厚み方向に離間して配置されており、図7〜図9に示す例では、導体4の分割溝2の底部2aに対応する部位4bは、分割溝2の底部2aから平面方向に離間して配置されている。
なお、配線基板領域1aは縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置されていればよく、図1および図4に示す例では縦に5個および横に4個ずつ、図7に示す例では縦に4個および横に3個ずつ配置しているが、さらに多数個の並びに配置されたものであってもよい。例えば、縦の並びに6個配置するとともに横の並びに9個配置して計54個の配線基板領域1aが配置されていてもよい。また、縦の並びに1個配置するとともに横の並びに4個配置して計4個の配線基板領域1aが配置された多数個取り配線基板や、縦の並びに3個配置するとともに横の並びに1個配置して計3個の配線基板領域1aが配置された多数個取り配線基板としてもよい。このような配線基板領域1aの配置は、母基板1や配線基板領域1aの大きさ、配線基板領域1aに搭載される電子部品や配線導体5の配置等に合わせて設定される。
母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成る複数の絶縁層が積層されて成るものである。この母基板1の中央部に、タングステン,モリブデン,銅,銀等の金属粉末メタライズから成る配線導体5が形成された、図1,図4および図7に示す配線基板領域1aが縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置されている。
母基板1は、絶縁層が例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダー,溶剤,可塑剤および分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法等のシート成形方法を採用してシート状に成形し
てセラミックグリーンシートを得た後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層して、母基板1となる生成形体を作製して、約1500℃〜1800℃の温度で焼成することで、数の絶縁層からなるものが製作される。
また、母基板1は、図1〜図6に示す例においては、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域1aの周囲(母基板1の外周部)に、ダミー領域1bを有しており、図7〜図9に示す例においては、縦および横の少なくとも一方の並びに配列された複数の配線基板領域1aのそれぞれの周囲に、ダミー領域1bを有している。ダミー領域1bは、多数個取り配線基板の製造や搬送を容易とするための領域であり、このダミー領域1bを用いて母基板1となる生成形体や多数個取り配線基板の加工時や搬送時の位置決め、固定等を行なうことができる。また、分割溝2の両端部が、最外周に配列される配線基板領域1aと母基板1となる生成形体の外周部との間のダミー領域1bに位置するように形成しておくと、母基板1の搬送時等に外部から加わる力によって母基板1が不用意に割れてしまうことを防止することができるので好ましい。
分割溝2は、母基板1の各配線基板領域1aとダミー領域1bとの境界に形成されている。これらの分割溝2は、母基板1となる生成形体にカッター刃や金型を押し当てることによって、あるいは母基板1となる生成形体または焼成後の母基板1にレーザ加工やダイシング加工を施すことによって形成することができる。分割溝2の縦断面形状は、V字状やU字状あるいは凹形状であってもよいが、図1〜図9に示す例のようにV字状にすると、母基板1を撓ませて分割溝2に沿って破断する際に、分割溝2の底部2aによって応力が集中しやすいので、U字状または凹形状の場合に比べて小さい力で正確に分割できて好ましい。また、分割溝2は、図4〜図6に示す例のように、母基板1の両主面に形成していても構わない。
分割溝2の深さは、絶縁基体の材料等によって適宜設定され、母基板1の厚みの50%〜
70%程度に形成されることが好ましい。分割溝2の深さが母基板1の厚みの50%以下であると、母基板1の厚みに対して機械的強度が高くなって分割しにくくなる傾向にあり、分割溝2の深さが70%以上であると、母基板1の機械的強度が低くなって、配線基板が運搬時等に割れやすくなる傾向にある。分割溝2の深さを上記範囲とすることで、母基板1が良好に分割されるとともに不用意に割れることのない多数個取り配線基板となる。なお、分割溝2が、母基板1の両主面に形成される場合は、両主面に形成された分割溝2の深さの合計が上記範囲のように設定されていればよい。
母基板1の分割溝2の開口幅は、0.01mm〜1.0mm程度であれば、母基板1を良好に
分割することができるとともに、分割溝2を形成することによって各配線基板領域1aの面積が小さくなってしまうことを抑制できる。つまり、分割溝2を形成する際に、配線基板領域1aの面積を大きく減少させることがないので好ましい。分割溝2の開口幅が0.01mmより小さいと、母基板1を撓ませて分割溝2に沿って分割しようとした際に、分割溝2の底部2aに加わる力が弱くなり、他方で、分割溝2の開口幅が1.0mmより大きいと
、配線基板1cの主面の面積を小さくしてしまうからである。また、開口幅が0.01mmより小さいと、母基板1となる生成形体にカッター刃や金型を押し当てることによって分割溝2を形成してから母基板1となる生成形体を焼成する際に、分割溝2の内壁面がくっついて分割溝2が閉じてしまうことや、分割溝2の底部2a側の内壁面同士がくっついて分割溝2が浅くなってしまうことがある。
穴3は、図1〜図8に示す例のように、平面視および断面視で分割溝2と重なるように、すなわち穴3も一部が分割溝2に分割されて、分割溝2の底部が穴3の深さ方向の途中に到達するように、異なる配線基板領域1a同士または配線基板領域1aとダミー領域1bとにまたがって配置されており、母基板1の上面および下面の少なくとも一方に開口している。穴3の形状は、例えば、平面視で円形状や楕円形状または多角形状等に形成される。
このような穴3は、母基板1用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の加工方法によって形成される。また、配線基板領域1aが縦5mm〜50mm,横5mm〜50mm,厚さ0.5mm〜5mm程度であって、図1〜
図8に示す例のように、穴3が円形状である場合であれば、穴3は直径0.2mm〜2.0mm程度であればよく、好ましくは0.3〜1.0mmとなる。
図2および図3に示す例のように、穴3が下面のみに開口しているとともに、分割溝2が上面に開口しているときには、分割溝2が穴3の底部に達する深さまで形成する。多数個取り配線基板を分割するときに、穴3の底の角部を起点としたクラックが生じることを防止できるので、多数個取り配線基板を分割溝2に沿って良好に分割する上で有効である。
また、図6に示す例のように、母基板1の上面側の貫通孔3aの開口が下面側の貫通孔3aの開口よりも小さく形成されているときには、母基板1の上面を下面よりも広くすることができる。したがって、多数個取り配線基板の上面を、電子部品を実装するための実装領域とすることによって、実装領域を広くする上で有効である。
また、貫通孔3aの深さ方向の途中に、分割溝2の底部2aと導体4との間に、貫通孔3aの径が変わる段差部や斜面を有する場合には、分割溝2の底部2aから導体4までの距離が長くなるので、分割溝2の底部2aに形成された金属層と導体4とが電気的に接続されることを抑制する上でより効果的である。
また、図6に示す例のように、母基板1の上面側の貫通孔3aの開口が下面側の貫通孔
3aの開口よりも小さくなるように形成されているとともに貫通孔3aの深さ方向の途中に段差部があるときには、下面側の分割溝2を、貫通孔3aの段差部に到達する深さに形成しておくことが好ましい。このような場合には、多数個取り配線基板を分割するときに、段差部に応力が集中することを抑制することから、段差部を起点としたクラックが生じることを抑制できるので、多数個取り配線基板を分割溝2に沿って良好に分割する上で有効である。
また、貫通孔3aの段差部が比較的、上面側に位置する場合、下面側の分割溝2の底部2aを導体4から離間して形成するとともに、上面側の分割溝2を貫通孔3aの段差部に到達する深さに形成しておいても構わない。
このような開口の大きさが異なる貫通孔3aは、複数の母基板1用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の孔加工方法によって貫通孔を形成する際に、それぞれ異なる大きさの貫通孔を形成しておき、これらの貫通孔同士が重なるようにして母基板1用のセラミックグリーンシート同士を積層することによって、一方主面側と他方主面側とで開口の大きさが異なる穴3を備えた多数個取り配線基板を製作することができる。
また、図1および図4に示す例では、穴3は、平面視で矩形状の配線基板領域1aの対向する2つの境界にのみ形成しているが、図7に示す例のように、矩形状の配線基板領域1aの4つの境界および4つの角部に穴3を形成していても構わない。また、穴3を矩形状の配線基板領域1aの4つの角部に形成する場合には、角部の穴3の大きさが他の穴3の大きさと異なっていても構わない。例えば、角部の穴3を他の穴3よりも大きくしておくと、配線基板の角部に形成されるキャスタレーション導体を大きくして、外部の回路基板の配線導体との接合を強固にすることができる。また、複数の角部の穴3の少なくとも1つの大きさや形状を、配線基板領域1aの他の角部に形成された穴3の大きさや形状と異ならせていても構わない。このようにすると、多数個取り配線基板を配線基板領域1a毎に分割して配線基板としたときに、矩形状の配線基板の角部に形成されたキャスタレーション導体をそれぞれの角部で異ならせることによって、配線基板の方向性を示すことができる。
また、配線基板領域1a同士の間にダミー領域1bが配置されている場合には、穴3は、隣接する2つの配線基板領域1aとその間のダミー領域1bとにまたがって形成されていても構わない。このように穴3を形成することによって、効率良く穴3を形成するのに有効である。
配線導体5には、絶縁基体の表面や絶縁層間に配置される配線導体層と、絶縁層を貫通して上下に位置する配線導体層同士を電気的に接続する貫通導体とがある。配線導体層は、母基板1用のセラミックグリーンシートにスクリーン印刷法等の印刷手段によって配線導体層用のメタライズペーストを印刷塗布し、母基板1用の生成形体とともに焼成することによって形成する。貫通導体は、配線導体5を形成するためのメタライズペーストの印刷塗布に先立って母基板1用のセラミックグリーンシートに金型やパンチングによる打ち抜き加工またはレーザ加工等の加工方法によって貫通導体用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって充填しておき、母基板1となる生成形体とともに焼成することによって形成する。メタライズペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダーおよび有機溶剤、また必要に応じて分散剤等を加えてボールミル,三本ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の混練手段によって混合および混練することで作製する。また、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼成後の母基板1との接合強度を高めたりするために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。貫通導体用のメタライズペーストは、有機バインダーや有機溶剤
の種類や添加量によって、充填に適した、一般的に配線導体層用のメタライズペーストよりも高い粘度に調整される。
導体4は、穴3の内周面に被着されて形成され、母基板1を分割した際には、穴3が分割されることによって、配線基板の側面に端子電極が被着された溝を形成して、いわゆるキャスタレーション導体となる。このような導体4は、配線導体5と同様のメタライズペーストを用いて、穴3となる母基板1用のセラミックグリーンシートの穴の内周面に、スクリーン印刷法等の印刷手段によって印刷塗布し、母基板1用の生成形体とともに焼成することによって形成する。
また、図7〜図9に示す例では、導体4は、分割溝2の底部2aと貫通孔3aとが交わっている部分の周囲で、分割溝2の底部2aから、母基板1の厚み方向および平面方向に離間して配置されている。このような導体4は、例えば、セラミックグリーンシートに貫通孔3aとは異なる導体4用の貫通孔を形成し、この貫通孔にスクリーン印刷法等の印刷手段によって、配線導体5と同様に製作されたメタライズペーストを充填した後、この貫通孔に充填された導体4用のメタライズぺーストが内周面に露出するようにセラミックグリーンシート1に貫通孔3aを形成する。
また、図3に示す例のように、導体4は、分割溝2の底部2aから離間して配置されており、導体4の底部2a側の端部(上端部4a)と分割溝2の底部2aとの間の、母基板1の厚み方向の距離d1は、好ましくは0.05mm〜0.5mmとすることが好ましい。距離
dが0.05mm以上であると、分割溝2の底部2aに残留した金属層と導体4との間がめっきによって接続されることによる短絡を防止するうえで好適である。また、0.5mm以下
であると配線基板の厚みを必要以上に厚くしてしまうことを抑制する上で好ましい。
また、図5および図6に示す例では、導体4は、断面視で貫通孔3aの下面側の開口部から母基板1の厚み方向に形成されている。なお、導体4は、図1〜図3に示す例と同様に、分割溝2の底部2aから離間されて配置されている。
図9に示す例では、導体4は、断面視で貫通孔3aの内周面の、上面の開口部から下面の開口部にかけて形成されているとともに、分割溝2の底部2aから、厚み方向に距離d1,d2,水平方向に距離d3の間隔をあけて配置されている。なお、距離d1,d2およびd3は、図3に示す例の距離dと同様の長さとしておくことが好ましい。
なお、導体4および配線導体5の露出する表面には、ニッケルおよび金等の耐蝕性に優れる金属が被着される。これによって、導体4および配線導体5が腐食することを効果的に抑制することができるとともに、配線導体5と電子部品との接合、配線導体5とボンディングワイヤとの接合、導体4および配線導体5と外部電気回路基板の配線導体との接合等を強固にすることができる。また、例えば、導体4および配線導体5の露出する表面には、厚さ1μm〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1μm〜3μm程度の金めっき
層とが、無電解めっき法によって順次被着される。
また、図4および図7に示す例のように、母基板1には、母基板1の一方主面の各配線基板領域1aに電子部品を収納するための凹部6を備えていても構わない。凹部6は、母基板1用のセラミックグリーンシートのいくつかに金型やパンチングによる打ち抜き方法によって凹部6用の貫通孔を形成して、凹部6の底面となる貫通孔を形成していないセラミックグリーンシートと積層することによって形成することができる。
このような第1の実施形態の多数個取り配線基板によれば、導体4は分割溝2の底部2aから離間して形成されていることから、分割溝2の底部2aに金属層が形成されたとし
ても、金属層と導体4とが離間されることになり、金属層と導体4とが電気的に接続される可能性を低減できるので、個々の配線基板に分割した際に配線基板の側面に露出する端子電極同士が短絡する可能性を低減できる。
また、第1の実施形態において図2に示す例のように、穴3と分割溝2とが異なる主面に開口しており、穴3の底部が分割溝2と平面視および断面視で重なる場合には、穴3の底部が母基板1の破断される領域に位置していない。したがって、穴3の底部が母基板1の破断される領域にある場合と比べて、穴3の底部の角部を起点としたクラックが生じることを低減できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による多数個取り配線基板について、図10および図11を参照しつつ説明する。なお、図11においても、配線導体5および金属層3aにはハッチングを設けている。
本発明の第2の実施形態における多数個取り配線基板において、上記した第1の実施形態の多数個取り配線基板と異なる部分は、図10および図11に示す例のように、複数の穴3と分割溝2とが母基板1の同じ主面に開口しており、導体4は分割溝2の底部2aよりも分割溝2の開口側に配置されている点である。その他の構成については、上記した第1の実施形態による多数個取り配線基板と同様である。
導体4は分割溝2の底部2aよりも分割溝2の開口側に位置していることから、導体4の表面にめっき層を形成した後に多数個取り配線基板を分割すると、導体4および導体4の露出する表面に形成されためっき層を分割することなく、多数個取り配線基板を分割できるので、分割後の配線基板において導体4が露出する面積を低減するのに有効である。
なお、穴3は母基板1を貫通していてもよく、穴3が母基板1を貫通している場合には貫通していない場合に比べて、めっき液を穴3内に流しやすくできるので、導体3に被着されるめっき層の厚みを均一にするのに有効である。
上記のような多数個取り配線基板を、分割溝2に沿って分割することによって、側面に配線基板の側面に配線導体5が形成された溝とした、いわゆるキャスタレーション導体を備えた矩形状の配線基板を得ることができる。このような配線基板は、側面に露出する導体4からなる端子電極同士が短絡することを抑制されたものとなる。
このような配線基板の主面に電子部品を搭載することによって、電子装置とすることができる。このような電子装置は、破断面を含む側面と、破断面および破断面とは異なる側面にわたって設けられた溝と、溝の内面に破断面の境界から離間して設けられた導体4とを有する配線基板および配線基板に搭載された電子部品を備えたものである。
このような電子装置は、側面に露出する導体4からなる端子電極同士が短絡することを抑制されたものとなる。また、なお、電子装置は各配線基板領域1aの主面にそれぞれ電子部品を搭載した後、分割溝2に沿って分割することによって作製してもよい。
また、このような電子装置において、導体4は配線基板の分割溝2の底部2aであった部分よりも、配線基板の外部電気回路基板との接合面側に配置されているときには、導体4と外部電気回路基板の配線導体とを接合する際に、半田等の接合部材が導体4よりも分割溝2の底部2aであった部分側に広がることが抑制されるので、導体4同士が短絡することを抑制できる。
配線基板に実装される電子部品は、ICチップやLSIチップ等の半導体素子,水晶振動子や圧電振動子等の圧電素子および各種センサ等である。電子部品の搭載は、例えば、電子部品がフリップチップ型の半導体素子である場合には、はんだバンプや金バンプまたは導電性樹脂(異方性導電樹脂等)等の接合材を介して、半導体素子の電極と配線導体5とを電気的および機械的に接続することによって行なわれる。あるいは、例えば、電子部品がワイヤボンディング型の半導体素子である場合には、電子部品を接合材によって電子部品搭載領域に固定した後、ボンディングワイヤを介して半導体素子の電極と配線導体5とを電気的に接続することによって行なわれる。
なお、上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、図7に示す例のように、凹部6は母基板1の両主面に形成されていても構わない。また、図8および図9に示す例では、上面側の導体4と下面側の導体4とは、1つの連結部である導体4により接続されているが、複数の連結部である導体4により接続されていて構わない。例えば、穴3を幅方向に広く形成し、上面側の導体4と下面側の導体4との連結部である導体4を幅広に形成しにくい場合等に適用することができる。
1・・・・母基板
1a・・・配線基板領域
1b・・・ダミー領域
1c・・・配線基板
1d・・・切取り部
2・・・・分割溝
2a・・・底部
3・・・・穴
3a・・・貫通孔
4・・・・導体
4a・・・上端部
4b・・・分割溝の底部の周囲に対応する部位
5・・・・配線導体
6・・・・凹部

Claims (3)

  1. 配線基板領域が縦および横の少なくとも一方の並びに複数配置された母基板と、該母基板の上面および下面の少なくとも一方に、前記配線基板領域の境界上に形成された分割溝と、該分割溝と重なるように配置されており、前記母基板の上面および下面の少なくとも一方に開口した複数の穴と、該穴の内周面に被着された導体とを備える多数個取り配線基板において、
    前記導体は前記分割溝の底部から離間して形成されており、
    前記穴と前記分割溝の前記底部とが接続されていることを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記複数の穴と前記分割溝とが前記母基板の同じ主面に開口しており、前記導体は前記分割溝の底部よりも前記分割溝の開口側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の多数個取り配線基板。
  3. 破断面を含む側面と、前記破断面および前記破断面とは異なる側面にわたって上下方向に設けられた溝と、該溝の内面に前記破断面の境界から離間して設けられた導体とを有しており、前記溝と前記破断面の前記境界とが接続されている配線基板および該配線基板の上面に搭載された電子部品を備えたことを特徴とする電子装置。
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