JP2009208179A - 弾性体ローラの製造方法 - Google Patents

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道隆 北原
Yukinori Nagata
之則 永田
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Abstract

【課題】外周面の表面粗さが均一な弾性体ローラを、短時間で効率よく製造することが可能な弾性体ローラの製造方法を提供する。
【解決手段】軸体の外周に弾性体層を有するローラの外周面を、弾性体層の軸方向長さ以上の軸方向長さを有する円筒形状の砥石を具備するプランジ方式の研削機を用いて研削する工程を有する弾性体ローラの製造方法において、砥石は、軸方向において中央部よりも両端部の方が粗いことを特徴とする弾性体ローラの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、弾性体ローラの製造方法に関するものである。
従来から、電子写真装置の帯電・転写プロセスにおいて、接触帯電及び接触転写の手法が研究されている。図1は、接触帯電手段及び接触転写手段を有する電子写真装置の構成を模式的に示す図である。1は被帯電体としての像保持体であり、アルミニウムなどの導電性の支持体と、その外周面に少なくとも光導電層を有するドラム型の感光体である。2はこの感光体に接し、感光体の表面を所定の電位に一様に帯電させる帯電手段である。
この帯電手段は、バネ等の圧接手段(図示していない)を用いて所定の圧接力により感光体1に圧接され、感光体1の回転にともない従動回転する。この軸体に直流と交流、又は、直流のみのバイアスを印加することで感光体1を所定の電位に接触帯電させる。つまり、良好な画像を得るためには、帯電手段2は、感光体1と均一に接触すること、及び良好な導電性を有することが必要となる。
次に、帯電手段2により所定の電位が帯電された感光体1の表面は、レーザー、LED等の露光手段(図示していない)から出力される露光3によって画像情報を露光する。これによって、感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
次いで、現像手段4によって、この感光体1表面の潜像を、トナー画像として可視像化する。このトナー画像は、転写部材5によって転写材6の裏からトナーと逆極性の帯電を行うことで、感光体1表面のトナー画像が転写材6の表面側に転写される。トナー画像の転写を受けた転写材6は感光体1から分離されると共に、定着部材7によって熱、圧力を付与されて固着される。また、トナー画像転写後の感光体1の表面は、クリーニング部材8により転写時における残留トナー等の付着物の除去を受けて清浄面化され、くり返し作像に供される。なお、図1の中の9はトナー、10は回転軸を示す。
こうした帯電手段2、転写部材5、現像手段4等としては、図2に示すように、少なくともその両端が回転可能に支持される軸体と、軸体の外周面上に設けられた弾性体層とによって構成される弾性体ローラ101が用いられている。この弾性体ローラ101は、感光体、転写ベルトなどの像坦持体、紙などに対して、ローラ表面を密着させて安定した接触状態を確保することが求められる。この為、弾性体層は、ゴム、エラストマーなどの材料を用いてソリッド又は発泡体状に形成した低硬度な弾性体により構成されている。
また、帯電手段2、転写部材5、現像手段4等に使用される弾性体ローラの形状として次のような形状が知られている。
ストレート形状;
中央部から端部に向かってその外径が漸次小さくなるクラウン形状;
中央部から端部に向かってその外径が漸次大きくなる逆クラウン形状。
ところで、電子写真装置に使用される、これらの弾性体ローラはその用途に応じて、外径の均一性及び外周面の表面粗さの高精度化が要求されている。例えば、感光体に圧接させて用いる帯電ローラは、感光体と帯電ローラ間のギャップに放電するように構成されている。このため、感光体を均一に帯電させるためには、弾性体ローラ外周面上の粗さを高精度で制御することが必要とされている。また、外周面の研削後の弾性体ローラに、外周面上に導電性又は絶縁性の薄膜を塗工形成して抵抗等を制御した帯電ローラでは、研削後の弾性体ローラ外周面の表面粗さを制御する必要があった。
従来、このようなローラの外周面を研削する方法の一つとして、プランジ方式が知られている。プランジ方式とは、弾性体層の軸方向の幅以上の幅を有する円筒形状の砥石を用い、弾性体層の幅方向の全長を砥石に接触させて研削する方法である。この方法では、砥石とローラの位置を移動させずに固定して研削するため、軸方向の全体にわたって一度に研削できるという利点があり、トラバース方式の研削よりも加工時間を短くすることが可能である。
特許文献1(特開2002−070840号公報)には、ローラの弾性体層の軸方向長さに対し、0.9〜1.3倍の幅をもつ砥石を用い、オシュレーション処理を行なうプランジ方式の研削方法が開示されている。また、特許文献2(特開2006−130627号公報)には、研削時に砥石とローラの接触に伴う負荷変動をセンサーで感知して、切込み移動側の前進後退を制御したプランジ方式の研削方法が開示されている。
特開2002−070840号公報 特開2006−130627号公報
しかしながら、プランジ方式の研削機で研削する場合、ローラの幅が広くなるとローラと研削機の接触面が増加して研削抵抗が増加することとなっていた。また、この研削抵抗は、ローラの両端部で最も大きく、その中央部付近で小さくなっていた。このように研削抵抗がローラの軸方向で不均一になることで、ローラ外周面の研削環境も軸方向に関して不均一となっていた。この結果、研削後の弾性体ローラは、端部の表面粗さが小さく、中央部の表面粗さが大きなものとなっていた。
本発明は、このようなローラ研削時の研削状態の不均一性に起因して研削後の弾性体ローラに表面粗さのバラツキが発生するという従来の課題を解決することを目的とするものである。すなわち、本発明は、外周面の表面粗さが軸方向に関して均一な弾性体ローラを、短時間で効率よく製造可能な弾性体ローラの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態は、
軸体の外周に弾性体層を有するローラの外周面を、前記弾性体層の軸方向長さ以上の軸方向長さを有する円筒形状の砥石を具備するプランジ方式の研削機を用いて研削する工程を有する弾性体ローラの製造方法において、
該砥石は、軸方向において、中央部よりも両端部の方が粗いことを特徴とする弾性体ローラの製造方法に関する。
本発明では、ローラの外周面を軸方向に関して均一な研削環境で研削することができる。この結果、外周面の表面粗さが均一な弾性体ローラを、短時間で効率よく製造することができる。
本発明の弾性体ローラの製造方法は、以下の工程を有する。
軸体と、軸体の外周面上に弾性体層とを有するローラを準備する工程、
弾性体層の軸方向長さ以上の軸方向長さを有し、中央部よりも両端部の方が粗い円筒形状の砥石を具備するプランジ方式の研削機を準備する工程、
ローラと砥石の軸方向が互いに平行となるように配置し、砥石とローラを回転させながら砥石とローラの外周面を接触させることにより、ローラ外周面の研削を行なう研削工程。
図2は、本発明の砥石を用いてローラを研削する状態の一例を説明する図である。図2に示すように、ローラ101は、軸体の外周面上に弾性体層102を有する。そして、弾性体層の軸方向長さ以上の軸方向長さを有し、中央部よりも両端部の方が粗い円筒形状の砥石を準備する。次に、このローラと砥石の軸方向が互いに平行となるように配置する。そして、砥石とローラを回転させながら砥石とローラの外周面を接触させることにより、ローラ外周面の研削を行なう。なお、砥石とローラの回転方向は同方向でも逆方向でも良いが、図2に示すように同方向のアッパーカット方式とすることが好ましい。
以下、本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
(ローラ)
まず、ローラは例えば、以下の方法により準備することができる。すなわち、軸体の外周面上に、射出成形法、押出成形法、トランスファー成形法、プレス成形法等によって弾性体層の材料を形成することにより製造することができる。
例えば、射出成形法では、円筒金型内に同心状になるように、軸体を保持する。次に、この円筒金型内に、軸体の外周面上に弾性体層用材料を注入し、加熱することにより、弾性体層用材料を硬化させてローラを成形する。
また、押出成形法では、押出機を用いて弾性体層用材料をチューブ状に押出す。この後、チューブ状の弾性体層用材料の中空部に軸体を挿入した後、加熱してローラを形成する。なお、この押出成形法では、押出機から軸体と弾性体層用材料を一体的に共押出した後、加熱することによってローラを成形することもできる。
製造時間の短縮等を考えると、これらの製造方法の中では、押出機から軸体と弾性体層用材料を共押出した後、加熱する押出成形法が好ましい。なお、この軸体の外周面上への弾性体層用材料の形成方法は、上記方法に限定されるわけではない。
図6は、押出成形法によるローラの製造方法の一例を表す模式図である。押出機61は、クロスヘッド62を備えている。この押出機61は、軸体送りローラ63によってクロスヘッド62内に送られた軸体14と、別途、押出機61に導入された弾性体層用材料と、をクロスヘッド62から一体的に共押出する。そして、軸体14の外周面上に、円筒状の弾性体層用材料を成形する。次に、このように軸体の外周面上に成形した弾性体層用材料に対して加硫処理(この処理工程は図6中に示していない)を行ない、弾性体層用材料を硬化させて弾性体層とする。この後、弾性体層の端部を切断・除去する処理65を行い、研削前のローラ66を成形する。
なお、この弾性体層用材料を加熱、加硫する方法としては特に限定されるわけではなく、熱風炉、加硫缶、熱板、遠・近赤外線、誘導加熱等のいずれの方法を使用することもできる。また、これらの方法と共に、弾性体層用材料を成形した軸体を回転させながら、この弾性体層用材料の外周面に加熱状態の円筒状又は平面状の部材を接触させる方法を併用しても良い。この加熱状態の円筒状又は平面状の部材の加熱温度は140℃以上220℃以下が好ましく、加熱時間は10分以上120分以下が好ましい。
ローラを構成する軸体14の材質としては、ニッケルメッキやクロムメッキを施したSUM材等の鋼材を含むステンレス・スチール棒、リン青銅棒、アルミニウム棒、耐熱樹脂棒等が好ましい。軸体の材質は、これらに限定されるものではない。
また、弾性体層用材料の具体例を以下に列挙する。天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム、塩素ゴム、熱可塑性エラストマー等。これらの材料は単体で、又は複数種を混合して用いることができる。
弾性体層に導電性を付与するために、上記弾性体層用材料中に導電性粒子を分散させることが好ましい。この導電性粒子としては、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック、ゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボンなどの導電性カーボンを用いることができる。ゴム用カーボンの具体例を以下に列挙する。
Super Abrasion Furnace(SAF:超耐摩耗性);
Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF:準超耐摩耗性);
High Abrasion Furnace(HAF:高耐摩耗性);
Fast Extruding Furnace(FEF:良押し出し性);
General Purpose Furnace(GPF:汎用性);
Semi Rein Forcing Furnace(SRF:中補強性);
Fine Thermal(FT:微粒熱分解);
Medium Thermal(MT:中粒熱分解)など。
また、他に用い得る導電性粒子の具体例を以下に列挙する。
天然グラファイトや人造グラファイトなどのグラファイト;
TiO2、SnO2、ZnOなどの金属酸化物;
SnO2とSb23などとの固溶体、ZnOとAl23との固溶体などの複酸化物;
Cu、Agなどの金属粉等。
これらの導電性粒子は単体で、又は複数種を混合して使用しても良い。更に、導電性粒子に、導電性ポリマー、イオン導電剤などを併用することにより、弾性体層に導電性を付与しても良い。
上記弾性体層用材料中には、加硫剤、加硫促進剤、導電剤、帯電制御剤、可塑剤、老化防止剤等を適宜、添加することもできる。また、帯電防止剤、紫外線吸収剤、補強剤、充填剤、滑剤、離型剤、顔料、染料、難燃剤等を必要に応じて適宜、添加することもできる。
(砥石)
次に、本発明に用いられる、プランジ方式の研削用の砥石について説明する。
砥石は、弾性体層の軸方向長さと同等か、又は弾性体層の軸方向長さよりも長い軸方向長さを有している。また、砥石は、軸方向において中央部よりも両端部の方が粗くなっている。なお、この砥石の両端部、中央部の粗さとは、両端部、中央部をそれぞれ構成する砥粒の粒度を表す。この「砥粒の粒度」とは砥粒の大きさを示す。すなわち、砥石が「粗い」とは、その砥石を構成する砥粒が大きいことを表す。例えば、#100(100メッシュ)と表記し、この場合、砥粒は#100の篩を通過できるものであることを表す。また、この「#100」の具体的な大きさは、1インチ(25.4mm)当りにメッシュが100本あることを意味しており、メッシュ間の間隔は、25.4mm/100=254μmとなる。従って、#100の砥粒の径は254μmを中心とする粒度分布となる。本特許請求の範囲、明細書において、砥石の両端部、中央部の粗さの評価は、上記のように砥粒の粒度を評価することによって行なう。
砥石の両端部、中央部の粗さは、砥粒の種類、粒度、砥粒率、結合度、結合剤、気孔率などによって制御することができ、これらの特性の1つ又は複数を制御することによって所望の粗さとすることができる。また、砥石を粗さの異なる複数の領域から構成する場合、各領域を形成した後、ボンドにより張り合わせたり、フランジにより挟み込むことにより、砥石の形状とすることができる。
上記「砥粒の結合度」とは砥石の硬さを示し、アルファベットAからZで表す。この結合度はAに近いほど軟らかく、Zに近いほど硬いことを表す。砥粒中に結合剤を多量に含むほど、結合度の硬い砥石となる。
また、上記「砥粒の砥粒率」とは、砥石の全容積中に占める砥粒の容積比を表し、この数値の大小により砥粒の粗密を表す。数値が大きいほど、粗であること示す。
この砥石は、原料(砥粒、結合剤、気孔剤等)を混合し、プレス成形、乾燥、焼成、仕上げにより製造することができる。砥粒としては、緑色炭化けい素質(GC)、黒色炭化けい素質(C)、白色アルミナ質(WA)、褐色アルミナ質(A)、ジルコニアアルミナ質(Z)などを使用することができる。これらの材料は単体で、又は複数種を混合して用いることができる。
また、上記結合剤としては、ビトリファイド(V)、レジノイド(B)、レジノイド補強物(BF)、ゴム(R)、シリケート(S)、マグネシア(Mg)、シェラック(E)などを用途に応じて適宜、使用することができる。
砥石の中央部の粗さは、♯46以上♯200以下であることが好ましく、♯60以上♯180以下であることがより好ましく、♯80以上♯120以下であることが更に好ましい。また、砥石の両端部の粗さは、♯30以上♯180以下であることが好ましく、♯46以上♯120以下であることがより好ましく、♯60以上♯80以下であることが更に好ましい。
砥石の形状としては、端部から中央部に向けて徐々に外径が小さくなる逆クラウン形状とすることが好ましい。砥石を逆クラウン形状とすることにより、ローラをクラウン形状に研削することができる。砥石の外形形状は、軸方向に対して円弧曲線又は2次以上の高次曲線の形状となることが好ましい。また、これ以外にも、研磨砥石の外径形状は4次曲線やサイン関数等、様々な数式で表される形状としても良い。砥石の外形形状は外径の変化が滑らかに変化するものが好ましいが、円弧曲線等を直線による多角形状に近似した形状としても良い。
図3は本発明で用いる砥石の例を表す側面図であり、図3(a)〜(e)に示すように、本発明の砥石は軸方向に関して、両端部の方が中央部よりも粗くなっている。より具体的には、図3(a)の砥石は3つの領域の構成となっており、両端部の領域の方が中央部の領域よりも粗くなっている。なお、図3において右側端部より順に、第1領域、第2領域、第3領域と呼ぶ。図3(b)の砥石では、5つの領域の構成となっており、第3領域<第2領域<第1領域、第3領域<第4領域<第5領域、の順に、粗くなっている。すなわち、一番右側の第1領域が最も粗く、次の第2領域は第1領域よりも細かく、更に中央の第3領域が最も細かくなっている。また、中央の第3領域よりも左の第4領域は粗くなり、一番左側の第5領域は一番右側の第1領域と同じ粗さを有している。なお、砥石を構成する領域の数はこれらに限定されるわけではなく、1つであっても、2つ以上の複数の領域から構成されていても良い。また、砥石を1つの領域から構成する場合は、後述するように、軸方向に連続的に砥石の粗さを変化させることにより、砥石の両端部を中央部よりも粗くすることができる。
図3(c)及び(d)は、本発明で用いる砥石の別の例を示す模式図である。図3(a)及び(b)では、粗さの異なる各領域間の境界は、砥石の軸方向に垂直、すなわち、砥石の周方向と平行な方向となっていた。これに対して、図3(c)及び(d)の砥石では、粗さの異なる各領域間の境界は砥石の軸方向に垂直とはならず、図3中では各領域の境界は斜めの方向、すなわち、砥石の周方向とは異なる方向となっている。このような中央部と両端部の間にこのような境界を設けることにより、砥石の回転方向と境界は平行とならず、境界部分がローラの外周面に転写されて境界跡が生じることを防止することができる。
また、図3(e)は、本発明で用いる砥石の別の一例を示す模式図である。本発明の砥石は、図3(e)に示すように、各領域の境界が明確に判別できず、砥石が1つの領域から構成されていても良い。
上記のように、砥石の端部から中央部に向かって砥石の粗さが変化する割合は特に限定されず、砥石の両端部と中央部とは明確な境界を有していても、有していなくても良い。なお、砥石中において、中央部、両端部が占める範囲は特に限定されず、最終的に得たい弾性体ローラの形状等に応じて、中央部、両端部を所望の範囲とすることができる。すなわち、本特許請求の範囲及び明細書では、砥石の軸方向に関して中央近傍の粒度の値(♯)が大きい部分を中央部とし、軸方向に関してこの中央部を挟む両側の粒度の値(♯)が小さい部分を両端部とする。なお、砥石の粗さがその軸方向に関して連続的に変化する場合(例えば、図3(e)の砥石の場合)は、中央部と両端部の境界を明確に判別できない場合もあるが、このような砥石であっても本発明で用いる砥石に含まれるものとする。また、砥石の一方の端部と他方の端部の粗さは異なっていても同じであっても良い。
(研削機)
次に、本発明で使用する研削機について説明する。研削機は、軸体と軸体の外周面上に弾性体層とを有するローラの外周面の研削用のプランジ方式の研削機であり、砥石、保持手段を備える。砥石は、回転可能であり円筒形状を有している。保持手段は、ローラと砥石の軸方向が互いに平行となるように研削機内にローラを保持し、回転させることが可能なように構成されている。
図4は、本発明で用いるプランジ方式の研削機の一例を示す模式図である。図4に示されるように、この研削機は、保持手段を構成する主軸台ユニット11と心押軸ユニット16により、ローラを保持して回転できるようになっている。この主軸台ユニット11は、主軸受け部12、コレットチャック13a、プーリ及びベルト14、並びにプーリ及びベルトを介して主軸とコレットチャック13aを一体的に回転させるワーク回転用モータ15によって構成される。心押軸ユニット16は、同様にして、心押軸受け部17、コレットチャック13b、プーリ及びベルト14、ワーク回転用モータ15により構成されている。また、心押台ユニット16は、前後進が可能なように、リニアガイド等(図示していない)を備えている。
主軸の先端にはコレットチャック13aが取り付けてあり、ローラ101の軸体端部103aはコレットチャック13aにより保持されるようになっている。また、もう一方の軸体端部103bは、心押軸ユニット16がローラ101側に前進した後にコレットチャック13bにより保持されるようになっている。このようにして研削機内に保持されたローラ101は、ワーク回転用モータ15が駆動するとプーリ及びベルト14、並びに主軸受け部12及び心押軸受け部17を介して、回転するようになっている。
41は砥石であり、砥石41を回転させながら42のダイヤモンドドレッサを押し当てることにより、逆クラウン状に成形される。また、28は回転する砥石41を保持する砥石軸受け部、29は砥石回転伝達用のベルト及びプーリ、31は砥石軸受け部28を介して砥石41を駆動回転させる砥石用モータである。この砥石台23上には、砥石41、砥石軸受け部28、砥石用モータ31が取り付けられている。
この主軸コレットチャック13aと心押軸コレットチャック13bにより、両端を保持されたローラ101の回転中心に対して、砥石台23の砥石41の回転中心は平行に配置されている。すなわち、ローラ101の軸方向と、砥石41の軸方向は互いに平行となるように配置されている。そして、砥石41は、砥石41の回転中心とローラ101の回転中心を含む面上を、ローラ101の回転中心に対して直交する方向に移動可能なようになっている。また、この砥石41の軸方向長さは、ローラ101の軸方向長さと同等となっている。
なお、上記研削機において、主軸側がコレットチャック、芯押軸側がセンタ又は逆センタ受けである構成としても良い。また、コレットチャックの代わりにダイヤフラムチャック等によりローラの両端を保持する構成とすることも可能である。更に、主軸側を駆動回転し、芯押軸側を従動回転とする片駆動構成とすることも可能である。
上記研削機を用いることにより、ローラ101への砥石41の切り込み量を任意に設定することができ、ローラ101の外径形状、表面性を適宜、調節することができる。また、砥石はその軸方向に関して両端部と中央部で粗さが異なるため、ローラの外周面をその軸方向に関して均一な研削環境にして研削することができる。この結果、外周面の表面粗さが軸方向に関して均一な弾性体ローラを、短時間で効率よく製造することができる。また、研削後の弾性体ローラは表面粗さの均一性に優れるため、弾性体ローラの外周面上に表面処理及び塗布液を塗布して表面層を形成した場合であっても、表面層の特性・表面性状を均一なものとすることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではない。
[実施例1]
(未加硫ゴム組成物の作製)
以下の材料を15分間、オープンロールで混練して未加硫ゴム組成物を作製した。
NBR(商品名「Nipol DN219」:日本ゼオン(株)製)
100質量部
カーボンブラック1(導電性粒子)(商品名「旭HS−500」:旭カーボン製)
14質量部
カーボンブラック2(導電性粒子)(商品名「ケッチェンブラックEC600JD」:ライオン製) 6質量部
ステアリン酸亜鉛 1質量部
酸化亜鉛(酸化亜鉛二種 正同化学) 5質量部
液状エポキシ化ポリブタジエン(商品名「アデカザイザーBF−1000」:旭電化工業(株)製) 10質量部
炭酸カルシウム(商品名「ナノックス#30」:丸尾カルシウム(株)製)
30質量部
炭酸カルシウムを5質量%含む架橋NBR粒子(商品名「Baymod N PV KA 8641」:バイエル(株)製) 50質量部
ジベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名「ノクセラーDM−P」:大内新興化学(株)製) 1質量部
テトラベンジルチウラムジスルフィド(商品名「パーカシットTBzTD」:フレキシス(株)製) 3質量部
硫黄(加硫剤) 1.2質量部。
(弾性体ローラの作製)
次いで、外径φ6mm、長さ254mmで、予め両端部11mmを除いた領域に接着剤を塗布したステンレス製の軸体を用意した。なお、この接着剤は導電性があるホットメルトタイプのものを用いた。次に、図6に示す押出機を用いて、軸体と上記未加硫ゴム組成物を一体的に共押出することで、軸体の外周面上に未加硫ゴム組成物の層を有する未加硫ゴムローラを成形した。この後、160℃、120分間、熱風炉により未加硫ゴム組成物の加熱・加硫を行って弾性体層とした。この後、弾性体層の長さが232mmとなるように弾性体層端部の切断・除去処理を行い、外径φ9mmのローラを得た。
次いで、図3(a)に示す3つの領域の構成の砥石を準備した。この砥石は、図3(a)に示すように3つの領域を有している。第1領域及び第3領域はGC−#80で幅(軸方向長さ)35mm、第2領域はGC−#120で幅(軸方向長さ)164mmとなっている。また、この砥石は、全幅(軸方向の全長)234mm、外径300mmで、円弧曲線状の逆クラウン形状となるように、ダイヤモンドドレッサにより成形したものである。
次に、この砥石を備えた図4に示すプランジ方式の研削機内に、上記ローラをセットして、研削を行い、最終的に弾性体ローラ1を得た。この時のローラ中央部の外径はφ8.4mmであり、研削条件は、砥石回転数2050rpm、ローラの回転数350rpm、砥石とローラの回転方向を同方向とするアッパーカット方式とした。
上記のようにして研削後の弾性体ローラ1の表面粗さを、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器SE−3400を用いて、カットオフ0.8mm、測定速度0.5mm/s、測定長さ8mmの条件で測定を行った。なお、表面粗さRz1は、図5に示すように、弾性体ローラの両端部から10mmの位置の2点について周方向に60°ごとに回転させ、合計12点を測定してその平均値を求めた。また、表面粗さRz2は、図5に示すように、弾性体ローラの中央部の1点において周方向に60°ごとに回転させ、合計6点を測定してその平均値を求めた。また、Rzは、JIS B0601(1994)のJIS10点平均粗さに準拠して測定した。研削後の弾性体ローラ1の表面粗さは、Rz1=4.48μm、Rz2=4.30μmであり、その比Rz2/Rz1=0.96であった。この結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、第1領域および第3領域の砥石をGC−#60に変更した以外は、実施例1と同様にして弾性体ローラ2を作製した。この弾性体ローラ2について、実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、第1領域および第3領域の砥石をGC−#60、第2領域の砥石をGC−#80に変更した以外は、実施例1と同様にして弾性体ローラ3を作製した。この弾性体ローラ3について、実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
[参考例1]
実施例1において、砥石全体をGC−#80に変更した以外は、実施例1と同様にして弾性体ローラ4を作製した。この弾性体ローラ4について、実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
[参考例2]
実施例1において、砥石全体をGC−#120に変更した以外は、実施例1と同様にして、弾性体ローラ5を作製した。この弾性体ローラ5について、実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
表1から分かるように、本発明によれば、プランジ方式の研削にかかる課題である弾性体ローラの軸方向両端と中央部で粗さの不均一を改善することができた。
電子写真装置の一例を表す図である。 本発明の砥石を用いてローラを研削する工程の一例を表す概略図である。 本発明の砥石の一例を表す図である。 本発明の製造方法で用いるプランジ方式の研削機の一例を表す図である。 弾性体ローラの表面粗さの測定方法を説明する図である。 押出機の一例を表す模式図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電部材
3 露光光
4 現像部材
5 転写部材
6 転写材
7 定着部材
8 クリーニング部材
9 トナー
10 回転軸
11主軸台ユニット
12主軸受け部
13a,b コレットチャック
14 回転伝達用プーリおよびベルト
15 ワーク回転用モータ
16 心押台ユニット
17 心押軸受け部
23 砥石台
24 切り込み用モータ
25 スラスト移動台
27 スラスト移動用モータ
28 砥石軸受け部
29 回転伝達用ベルト
30 プーリ
31 砥石用モータ
41 プランジ研磨用砥石
42 ダイヤモンドドレッサ
61 押出機
62 クロスヘッド
63 軸体送りローラ
64 軸体
65 切断・除去処理
66 ローラ素材
101 ローラ
102 ローラ本体
103a,103b 軸体

Claims (1)

  1. 軸体の外周に弾性体層を有するローラの外周面を、前記弾性体層の軸方向長さ以上の軸方向長さを有する円筒形状の砥石を具備するプランジ方式の研削機を用いて研削する工程を有する弾性体ローラの製造方法において、
    該砥石は、軸方向において、中央部よりも両端部の方が粗いことを特徴とする弾性体ローラの製造方法。
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