JP2006029390A - 弾性体ローラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期使用に伴う表面性の変化を防止し、表面粗さが小さく、更に芯金上に未加硫ゴムを被覆したローラの外径精度を必要以上に高めずに外径振れ精度の良い弾性体ローラを低コストに提供すること。
【解決手段】未加硫ゴム組成物を芯金上に円筒状に被覆して未加硫ゴムローラとし、未加硫ゴムローラの回転中心軸を結ぶ移動面対して加熱規制部材の当接面を回転する未加硫ゴムローラの移動面の両側から対称に対向配置した。
【選択図】図1
【解決手段】未加硫ゴム組成物を芯金上に円筒状に被覆して未加硫ゴムローラとし、未加硫ゴムローラの回転中心軸を結ぶ移動面対して加熱規制部材の当接面を回転する未加硫ゴムローラの移動面の両側から対称に対向配置した。
【選択図】図1
Description
本発明は、弾性体ローラの製造方法に関する。より具体的には、複写機、レーザビームプリンター、LEDプリンタ等の電子写真や電子写真製版システム等において使用される帯電、転写ローラ、現像ローラ、搬送ローラ、中間転写体等の弾性体ローラを加熱する方法に関するものである。
従来、複写機、レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真装置や電子写真製版システムの装置内では、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、レジストローラ等はそれぞれその用途に適する形態の弾性体ローラが使用されている。これら電子写真装置内で利用される弾性体ローラ101は、図5に示すように、弾性体のローラ本体102と、その中心に芯金103とを持ち、円筒形状ローラ本体部の筒孔を貫通した芯金103の一部が両端に突出した形態とされ、芯金103の両端突出部を基準として回転可能に支持され芯金103の中心軸回りに像担持体等に対し従属回転又は周速差をもって駆動回転する。
弾性体ローラ本体102は、感光体、転写ベルト等の像担持体、転写材(紙)等に対して、ローラ表面を密着させて安定した接触状態を確保するために、ゴム、エラストマー等の材料を用いて低硬度な弾性体で構成されている。又、弾性体ローラ本体102の外径形状も芯金103のスラスト方向において中央部と両端部の外径が同じであるストーレート形状、像担持体と弾性体ローラとのスラスト方向において当接ニップ圧及び当接ニップ幅を制御するため、中央の外径が両端部の外径より大きいクラウン形状等、用途により外径形状が異なっている。
そして、特に感光体等に接触させてバイアスを掛けて用いる導電性弾性体ローラの場合には、弾性体ローラ本体102の外周表面の粗さが大きい又は表面に不均一な粗さ、うねりがあるとトナー、紙粉等の汚れがローラの表面全体若しくは部分的に付着し易くなり、長期使用に伴い導電性の低下による画像不良(例えば、感光体に対する均一帯電性の低下)を発生させることがある。或はバイアスを掛けて転写材(紙)への帯電と転写材を搬送するソリッドの転写ローラでは弾性体ローラ本体102の外周表面の粗さが大きい又は表面に不均一な粗さ、うねりがあると同様に長期使用に伴い残トナー、紙粉等の汚れにより搬送力の低下或は導電性の低下等による画像不良を発生させることがある。
そのため、弾性体ローラは長期使用に伴い表面性の変化を防止するために外周表面の粗さを均一で小さくすることが必要である。
そして、これらの課題に対して押出し機、熱プレス等により未加硫ゴムを芯金の周囲に円筒状に成形して加硫し、その後、弾性体ローラの外径を円筒研削機で研削する方法が知られ、弾性体ローラの表面粗さを小さくするには、研削砥石の砥粒の粒度を大きくして且つ研削砥石の単位時間当りの切り込み量を少なくすることにより、弾性体ローラの表面粗さを小さくしているが、微小切り込みのため加工時間が増大し、又、研削砥石の砥粒の粒度が大きいと砥石が目詰り易く、びびりマークが発生することがある。
又、キャビティを有する円筒状金型に未加硫ゴム充填して加熱成形する方法では、クラウン形状等の金型代及び金型ごとの組み立てばらし等により設備コストが掛かり、更に金型への充填のし易さ、加硫速度等、加硫ゴム材料の選定に制限があった。
更に、クロスヘッドダイにより芯金に未加硫ゴム材料を被着する場合に、クロスヘッドダイのダイノズルで生じるダイスウェルによる小さいしわを生じないようにダイノズルを通過する未加硫ゴム材料の移動速度より芯金の送り速度を速くして弾性体ローラの表面性を良くする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、未加硫ゴム材料を被着時にクロスヘッドダイと芯金間のクリアランスがあるため、外径振れ精度を抑えるには限界があり、外径振れ精度が大きくなり、ラジアル方向において像担持体と弾性体ローラとの当接ニップ圧及び当接ニップ幅が安定せず不均一となり、汚れ物質の付着量にムラを生じ、画像濃度ムラを発生し易い。又は未加硫ゴム材料の粘度ばらつき等により、外径にばらつきが生じることがある。
又、弾性体ローラの表面層の平滑化方法として表面層材料の軟化温度に加熱した金属製のコロを弾性体ローラの表面層に押し当てながら回転させ、コロ表面を弾性体ローラの表面層全面に転写する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、転写部材を圧接して転写面を形成する方法であると、転写部材が弾性体ローラの表面に追随して平滑化加工するため、平滑化前の振れ精度が弾性体ローラの外径振れ精度となるために平滑化時に振れ精度を修正することができなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、長期使用に伴い表面性の変化を防止し、表面粗さが小さく、更に芯金上に未加硫ゴムを被覆したローラの外径精度を必要以上に高めることなく外径振れ精度の高い弾性体ローラを低コストで得ることができる製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、芯金上にポリマー原料と添加剤を配合し混合した未加硫ゴム組成物を被覆して未加硫ゴムローラとし、順次移動する未加硫ゴムローラの芯金の回転中心軸を結ぶ移動面に対して加熱規制部材の当接面を対向配置して、該移動面と加熱規制部材の当接面との対向間隔が未加硫ゴムローラの移動方向に対して少なくとも順次狭まることを備え、未加硫ゴムローラが加熱規制部材と当接するときには少なくとも芯金軸の中心を回転中心にして回転することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、加熱規制部材の当接面を該移動面の両側から対称に対向配置したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、加熱規制部材がベルト形状で回転駆動することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、弾性体ローラが帯電ローラであることを特徴とする。
本発明によれば、表面粗さが小さく、更に芯金上に未加硫ゴム組成物を被覆したローラの外径精度を必要以上に高めることなく外径振れ精度の良い弾性体ローラを得ることができる。又、長期使用に伴う汚れ等の表面性の変化を防止し、更に振れ形状に起因する部分な画像不良を防ぐことができる。
又、加熱規制部材の当接面が対象に対向し、対向間隔を連続的に小さくすることにより外径を平滑化仕上げするため、平滑化加工時に芯金撓みなく、弾性体ローラはバナナ形状にならずに連続的加工ができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して弾性体ローラの製造方法について説明する。
<実施の形態1>
本発明で使用されるポリマー原料としてはEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−共重合体)、ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(アクリルニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム等のゴムがある。又、これらのゴムを混合物としても用いることができ、混合物としては未加硫の円筒状成形体にできるものであれば特に限定されるものでない。
本発明で使用されるポリマー原料としてはEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−共重合体)、ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(アクリルニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム等のゴムがある。又、これらのゴムを混合物としても用いることができ、混合物としては未加硫の円筒状成形体にできるものであれば特に限定されるものでない。
又、前記ポリマー原料に添加され配合する添加剤としては公知の加硫剤、加硫促進剤、無機充填剤、可塑剤等がある。
加硫剤としては硫黄、金属酸化物、有機過酸化物等が挙げられ、その他公知の加硫促進剤、無機充填剤としてカーボンブラック、タルク、クレー等が挙げられ、可塑剤としてプロセスオイル等があり、押出し性、加硫特性、硬度等の調整のため適宜添加される。
さらに導電性を付与する場合には導電性物質としては、導電粒子では導電性カーボンブラック、TiO2・SnO2・ZnO等の金属酸化物、SnO2とSb2O5の固溶体・ZnOとAl2O3の固溶体等の複酸化物、Cu・Ag等の金属粉等が挙げられ、通常、前記ポリマー原料100重量部に対して5〜200重量部の範囲で添加する。
導電粒子以外ではイオン導電性物質としてLiBF4、NaSCN等の金属塩、第4級アンモニウム塩等の界面活性剤が挙げられ、通常、前記ポリマー原料100重量部に対して0.02〜20重量部添加する。
上記組成物を混合するための練り手段としては、通常のバンバリーミキサー、ニーダー等の混練り機で混練りし、未加硫ゴム組成物をロールでシーティングする方法が通常採用される。
先ず、未加硫ゴム組成物を芯金上に被覆して未加硫ゴムローラとするための一例を説明する。図4は従来から知られているクロスヘッド押出し機を用いて未加硫ゴムローラとするクロスヘッド押出し工程の模式図を示す。
201はピンチローラで芯金供給機構の回転駆動部であり、芯金供給機構は芯金103をピンチローラの回転でクロスヘッド202に送り込む構成である。
クロスヘッド押出し機は、押出し機本体203とクロスヘッド202で構成され、クロスヘッド202に送り込んだ芯金103と押出し機本体203から押出した未加硫ゴム組成物をクロスヘッド202内で芯金上に未加硫ゴムを円筒状に被覆することにより一体化成形されて同時に押し出す。204はゴム除去刃で未加硫ゴムが被覆した芯金両端部の未加硫ゴムを定寸で切断除去して円筒状の未加硫ゴムローラ205にする。
更に、未加硫ゴムローラの形状はピンチローラの回転を変化させて芯金の送り速度を変えることにより、芯金上の未加硫ゴムの被覆量、つまりゴム厚を変化させてクラウン形状等の任意の外径形状にすることができる。
そして、未加硫ゴムローラの他の例として、押出し時に同時に多層の未加硫ゴム被覆層を成形して未加硫ゴムローラとして用いることもできる。
又、加硫後の弾性体ローラの最外層に未加硫ゴムを被覆して未加硫ゴムローラとして用いても良い。
更に、未加硫ゴム組成物を芯金上に略円筒状に被覆する方法して未加硫ゴム組成物をチューブ状に押出して割り型で被覆する方法を用いても良い。
次いで、上述した未加硫ゴムローラの外周面を平滑化し、外径振れ等の形状を補正する加熱工程について図1〜図3を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1である加熱工程を説明する斜視図であり、図2は未加硫ゴムローラと加熱規制部材の当接状態を説明する部分断面図である。
図1において、1は外周面を加熱して平滑化した弾性体のローラ本体であり、2は芯金であり、3a,3bは回転自在で芯金の両端突出部に嵌合して位置決めし、且つ、3b側には図示されてないバネのバネ圧で芯金突出部を保持する取付部であり、4a,4bは図示されてない軸受を介して取付部3a,3bを位置決めして未加硫ゴムローラを回転させながらA方向に移動する搬送台であり、5a,5bはそれぞれ搬送台4a,4bと一体で構成されている位置決めブロックであり、6a,6bは水平方向に平行に配置した直動スライダーであって、位置決めブロック5a,5bを垂直方向に位置決めして直動スライダーの位置により未加硫ゴムローラの芯金中心軸に対して垂直方向の位置を制御する。
7は取付け部3aと略同軸に連結したスプロケットであり、8a,8bは搬送台4a,4bを設置して搬送台4a,4bをA方向に移動させる搬送チェーンであり、9はスプロケット7に回転駆動を与える駆動チェーンである。
動作を説明すると、搬送チェーン8a,8bをA方向に移動させると、搬送台4a,4bを介して未加硫ゴムローラが同方向に移動する。又、スプロケット7は、駆動チェーン9に連結してあり、スプロケット7の回転駆動は駆動チェーン9の移動スピードと搬送チェーン8aの移動スピードの差から与える。
スプロケット7がB方向に回転駆動すると、未加硫ゴムローラに同様にB方向に回転が与えられ同時に搬送チェーン8aの移動により未加硫ゴムローラがB方向に回転しながらA方向に移動する。
10は未加硫ゴムローラの回転移動に対して未加硫ゴムローラの外周面に当接する加熱規制部材である。
更に、加熱規制部材10と未加硫ゴムローラが当接し、未加硫ゴムローラの外周面を加熱して未加硫ゴムローラの形状創成を行う構成を断面模式図である図2で説明する。
2はそれぞれB方向に回転する未加硫ゴムローラの芯金であり、21は未加硫ゴムローラの回転中心である芯金の中心軸であり、22は図示されてない直動スライダーによってそれぞれの芯金2の回転中心軸がA方向に水平移動する移動面であり、1−1,1−2,1−3,1は多数の未加硫ゴムローラのローラ本体であり、10は芯金2の回転中心軸が水平移動する移動面22に対しての対向間隔W1,W2が未加硫ゴムローラの移動方向に対して接触面が少なくとも順次狭まる構成とした加熱規制部材である。
次に、上記構成において未加硫ゴムローラの芯金中心軸が移動面3に沿ってB方向に回転移動することにより未加硫ゴムローラが同様に回転移動し、加熱規制部材10との対向間隔が未加硫ゴムローラの半径より広い(対向間隔W1)投入口より先ず搬送され、次に順次狭まる加熱規制部材10との対向間隔により加熱規制部材10に接触して未加硫ゴムローラの外周面が加熱されて特に未加硫ゴムの粘度が低下し、表面側の流動性が高くなり、加熱規制部材の当接面との対向間隔まで未加硫ゴムが流動して未加硫ゴムローラの形状創成を行い、更に加熱することにより表面側から加硫を進行することができる。
回転しないで未加硫ゴムローラの一部分だけに集中し、加熱して加硫すると跡が残ってしまうため、連続的に回転しながら加熱規制部材により未加硫ゴムローラの回転中心から肉厚の厚い部分を選択的に加熱流動して平均化した後に加硫することが振れ回り精度を向上するのに好ましい。又、加熱に伴って粘度が低下した状態にして加熱規制部材で移動方向に伴って徐々に所望の形状になるように規制するため、表面の荒れた部分、押出し時の端部の膨れ等も無くなる。従って、押出しにより形成した未加硫ゴムローラの表面粗さの向上、形状の補正を可能とする。
接触加熱により未加硫ゴムローラの表面側の粘度を低下させ、未加硫ゴムが流動状態になり、未加硫ゴムローラの回転力で形状補正を行って更に加熱することにより表面側から加硫が進行するため、未加硫ゴムの粘度低下、加硫の進行のし易さとヤケの発生から加熱規制部材の加熱温度は130〜220℃が好ましい。
加熱規制部材内に加熱ヒータを内蔵して、予め加熱温度に温めても良く、或は装置全体を恒温槽の中に構築する等して全体を加硫温度に保っても良く、両者を同時に行っても良い。又、加熱規制部材の温度を雰囲気の温度より高くする等して、加熱規制部材と雰囲気の温度に差があっても良い。
加熱規制部材の材質としては、熱伝導性の良く強度の高い金属類が好ましく、又、表面を転写させるため、粗さが良いものが好ましい。
加熱規制部材の当接面の粗さとしては、十点平均粗さであるRz(JIS B 0601で評価)で0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.5〜1.2μmである。
又、加熱規制部材の当接面に表面処理を施しても良く、未加硫ゴムがくっつかないように、クロームメッキ、ニッケルメッキ、フッ素含有ニッケルメッキ等のメッキ類の他に、フッ素コーティング、フッ素樹脂・シリコーン樹脂等をコーティングしたものや、フッ素系・シリコーン系の離形材を塗布したもの、その他公知の金属の表面処理を用いることができる。
加熱規制部材の当接面の形状としては、未加硫ゴムローラのローラ本体のスラスト方向長さよりも長い加熱規制部材を用いることが好ましい。又、加熱規制部材と未加硫ゴムローラとの当接面は平面形状、未加硫ゴムローラのスラスト方向に逆クラウン、クラウン形状等、所望の形状に適宜選ばれる。更に、加熱規制部材は加熱ヒータを内蔵した略板状、当接面と逆側に加熱体を配置したベルト状でも良い。
ベルト状の部材の材質としては、懸架に耐える強度があればどのような材質でも良いが、熱伝導の良いSUS、ニッケル等の金属が特に好ましい。ベルト状加熱規制部材は、駆動ローラ等で駆動して回転することによってよりベルトの汚れが少なくなるために回転駆動させることが好ましい。又、補強部材を兼ねる加熱体等の形状を変化させることでクラウン形状、或は逆クラウン形状等のローラも得ることができる。
そして、加熱規制部材の当接面と未加硫ゴムローラの回転中心軸が水平移動する移動面との対向間隔が水平移動方向で順次狭め所望の対向間隔になってからその後対向間隔を維持しても良い。
未加硫ゴムローラを水平方向に送っていく速度としては、加熱によって未加硫ゴムローラ表面の加硫が進行して跡が残らないように移動速度を調整すると良く、移動速度は20〜1000mm/minから適宜選ばれる。
未加硫ゴムローラの加熱に関しては、本実施の形態と共に熱風炉、遠・近赤外線、誘導加熱等、何れの手法を併用しても良く、130〜220℃の温度で10分以上120分以下加熱することが好ましい。
<実施の形態2>
図3は本発明の実施の形態2に係る多数の未加硫ゴムローラと複数の加熱規制部材の当接状態を説明する部分断面図である。
図3は本発明の実施の形態2に係る多数の未加硫ゴムローラと複数の加熱規制部材の当接状態を説明する部分断面図である。
31はベルト状加熱規制部材であり、図示していないモータにより駆動ローラ32が回転駆動して対向配置した1組のベルト状加熱規制部材31はC方向及びC方向の逆のD方向に回転する。又、33はベルト状加熱規制部材31の加熱体であり、ベルト状加熱規制部材31の当接面の逆側から位置決め配置して補強部材の機能も備えている。
2はそれぞれB方向に回転する未加硫ゴムローラの芯金であり、22は前述した図示されてない直動スライダーによってそれぞれの芯金2の回転中心軸がA方向に水平移動する移動面であり、1−1,1−2,1−3,1−4,1−5は多数の未加硫ゴムローラのローラ本体である。対向配置したベルト状加熱規制部材31は、芯金2の回転中心軸が水平移動する移動面22に対しての対向間隔W1,W2が未加硫ゴムローラの移動方向に対して未加硫ゴムローラとの当接面が少なくとも順次狭まる構成し、未加硫ゴムローラをベルト状加熱規制部材31の当接部で上下から挟み込みながら加熱する。未加硫ゴムローラは、ベルト状加熱規制部材31の回転により駆動されB方向に回転される。
複数の加熱規制部材によって未加硫ゴムローラに当接した場合、加熱規制部材との接触面積が更に増えるため、未加硫ゴムローラの温度をより早く上昇させることができる。多方向の選び方としては、対称性を考慮して、上下或は水平対向等が良い。
又、対向した2本の加熱規制部材で挟み込んで回転加熱を行う場合には、芯金の両端に加圧した場合に発生する芯金の曲がりや、芯金の撓みに起因する外径不良等の発生を抑えられることから、より高精度なローラを得ることができる。
又、加硫の最後まで当接回転させ続けなくても良く、加硫が進行し形状が保持されるまで行えば、その後は熱風炉の中等で加熱しても良い。
以上のように製造された弾性体ローラの表面粗さとしては、Rz(JIS)で0.5μm以上10μm以下が好ましく、特に好ましくは0.5μm以上6μm以下である。又、外径精度としては、長手方向には同一の径を持つ形状を所望している場合には、(最大値)−(最小値)で100μm以下が好ましく、特に好ましくは50μm以下である。振れ精度としては、100μm以下が好ましく、特に好ましくは50μm以下が良い。
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
(未加硫ゴムローラの調製)
ポリマー原料としてエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(ダイソー CG102)100部に対して、酸化亜鉛(酸化亜鉛二種 正同化学)5部、炭酸カルシウム(白石カルシウム シルバーW)40部、カーボンブラック(サーマックスフロフォーム MTカーボン)15部、イオン導電剤としてテトラブチルアンモニウムパークロレート1部、加工助剤としてステアリン酸1部、可塑剤としてアジピン酸エステル(日本インキ化学工業 ポリサイザーW305ELS)8部、加硫剤として硫黄1部、架橋助剤としてジベンゾチアジルスルフィド(大内新興化学工業 ノクセラーDM)2部をニーダで均一に練り込み、未加硫ゴム組成物としてオープンロールでシーテングした。
(未加硫ゴムローラの調製)
ポリマー原料としてエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(ダイソー CG102)100部に対して、酸化亜鉛(酸化亜鉛二種 正同化学)5部、炭酸カルシウム(白石カルシウム シルバーW)40部、カーボンブラック(サーマックスフロフォーム MTカーボン)15部、イオン導電剤としてテトラブチルアンモニウムパークロレート1部、加工助剤としてステアリン酸1部、可塑剤としてアジピン酸エステル(日本インキ化学工業 ポリサイザーW305ELS)8部、加硫剤として硫黄1部、架橋助剤としてジベンゾチアジルスルフィド(大内新興化学工業 ノクセラーDM)2部をニーダで均一に練り込み、未加硫ゴム組成物としてオープンロールでシーテングした。
混練りした未加硫ゴム組成物を芯金の周囲に被覆するために、図4に模式的に示すクロスヘッド押出し機に内径がФ12.3mmであるダイをセットし、予めクロスヘッドを60℃に温調した。次に、直径がΦ6mmの芯金を用意して未加硫ゴム組成物と共に押し出すことで、芯金の周囲に円筒状の未加硫ゴム組成物を成形した。そして、芯金送り速度を4mm/sと12mm/sにて押し出した。
更に、研磨による弾性体ローラ作製のため、内径がФ13.4mmであるダイをセットし、芯金送り速度を12mm/sにて押し出して、研磨代を加えた外径にした。
その後、未加硫ゴム組成物の成形長さを224mmになるように端部の余分な未加硫ゴム組成物を切断、除去処理を行い、円筒状の未加硫ゴムローラを得た。
得られたФ12mm狙い未加硫ゴムローラの振れを50本について測定したところ、中央部の振れは芯金送り速度を4mm/sで平均60μmであり、12mm/sで平均110μmであった。又、得られたФ13mm狙い未加硫ゴムローラの振れは平均105μmであった。
尚、未加硫ゴムローラの振れは、ローラの芯金両端部を支持し、ローラに対して平行に固定しておいた基準丸棒に対してローラを回転させながら基準丸棒とローラの中央部の表面との距離を非接触のレーザ測長機にて測定し、ローラ1周分の最大値と最小値を求め、その差をローラの振れとした。
実施の形態1である図1及び図2に模式的に示す加熱装置を用いて加硫を行った。Ф12mmの未加硫ゴムローラは中央部の振れ平均60μmと振れ平均110μmを用いた。
加熱規制部材はナック材を用いて当接面を粗さRz0.9μmに平面研磨した。
内蔵した加熱ヒータにより加熱規制部材の加熱温度は180℃にし、対向間隔W1は6.4mm、対向間隔W2は6.0mmにし、未加硫ゴムローラの移動方向での加熱規制部材の長さを1000mmとし、未加硫ゴムローラの送り速度は100mm/minとした。未加硫ゴムローラの表面を平滑化後、熱風炉で170℃、20分加熱を行い、実施例1の弾性体ローラを得た。
次に、実施の形態2である図3に模式的に示す加熱方法を用いて加硫を行った。
ベルト状の加熱規制部材はSUSを用いて当接面を粗さRz1.2μmに平面研磨した。加熱体は加熱ヒータを内蔵したものとし、SUSベルトとの摺動面は研磨仕上げを施した。Ф12mm狙いの未加硫ゴムローラは中央部の振れ平均60μmと振れ平均110μmを用いた。
加熱規制部材の加熱温度は180℃にし、対向間隔2W1は12.8mm、対向間隔2W2は12.0mmにし、未加硫ゴムローラの移動方向での加熱規制部材の長さを1000mmとし、未加硫ゴムローラの送り速度は100mm/minとした。表面を平滑化後、熱風炉で170℃、30分加熱を行い、実施例2の弾性体ローラを得た。
<比較例1>
比較例1は、実施例1,2と同様にФ12mmの未加硫ゴムローラで中央部の振れ平均60μmと振れ平均110μmであるものを用いた。加熱方法は、未加硫ゴムローラを直接170℃に予め温められた熱風炉で40分加熱を行い、弾性体ローラを作製した。
比較例1は、実施例1,2と同様にФ12mmの未加硫ゴムローラで中央部の振れ平均60μmと振れ平均110μmであるものを用いた。加熱方法は、未加硫ゴムローラを直接170℃に予め温められた熱風炉で40分加熱を行い、弾性体ローラを作製した。
<比較例2>
比較例2は、Ф13mmの未加硫ゴムローラで振れが平均105μmであるものを用いた。
比較例2は、Ф13mmの未加硫ゴムローラで振れが平均105μmであるものを用いた。
加熱方法は、比較例1と同様に未加硫ゴムローラを直接170℃に予め温められた熱風炉で40分加熱を行い、その後、円筒研磨機を用いて、外径をφ12mmに調整することで弾性体ローラを得た。
次に、実施例1,2及び比較例1,2で得た弾性体ローラに下記のような塗料を用いてディピング塗工で表層を施し、2層構成の帯電ローラを調製した。
表面層用塗料の調製として、先ずラクトン変性アクリルポリオール100質量部、メチルイソブチルケトン220質量部、導電性酸化錫(シランカップリング剤表面処理、粉体抵抗100Ωcm、平均粒径0.02μm)90質量部、変性ジメチルシリコーンオイル0.08質量部の割合で配合した混合液をビーズミルにて分散させた後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の1:1混合物をNCO/OH=1.0となるように添加し、溶解して表面層用塗料を調製した。
上記表面層用塗料を実施例1,2及び比較例1,2で得た弾性体ローラの上に、先ず、ディピング塗布し、10分間風乾した後、上下を逆さにしてディピング塗布し、30分風乾した後、150℃で1時間乾燥することにより、厚さ10μmの表面層を有する帯電ローラを得た。得られた塗工弾性体ローラに対し、表面粗さと振れ精度、外観の測定を行った。
表面粗さの測定は、小坂研究所製:表面粗度計SE−3300Hを用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、測定距離8mm、送り速度0.1mm/sにて、弾性体ローラ長手方向10mm間隔、周方向3箇所(任意の場所を起点に120°刻み)のRzを測定し、Rzの平均値を求めた。
弾性体ローラの長手方向中央部において、弾性体ローラを回転させながらローラと平行に設けられた基準丸棒との距離を測定し、(最大値)−(最小値)で示した。びびり、うねりは目視で判定した。塗工の表面粗さ、振れ精度、外観の結果は表1に示す。
次に、実施例1,2及び比較例1,2に表層を施した帯電ローラを画像形成装置で画像の評価した。
本試験で使用した電子写真式レーザープリンターはA4縦出力用の装置で、記録メディアの出力スピードは、94mm/secで画像解像度は600dpiである。感光体はアルミシリンダーに膜厚18μmの感光層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。トナーは、ワックスを中心に電荷制御剤と色素等を含有するスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子を外添した。このトナーのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径6μmの重合トナーである。
画像の評価は全て、低温低湿環境(L/L:15℃×10%Rh)で行い、ハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)画像を初期チェック画像として出力した。又、耐久の汚れ評価としてE文字画像を4000枚/1日ずつ出力した。ハーフトーン画像をチェック画像として2000枚ごとに5枚出力し、16000枚の連続耐久を実施した。耐久前と各毎朝一番目と耐久後の汚れが発生しないかどうかを見た。
実施例1,2に表層を施した帯電ローラは初期に問題なく、16000枚の連続耐久後も汚れがなく良好な画像を得た。
比較例1に表層を施した帯電ローラは、初期画像において当り不良と思われるむら画像があった。
比較例1に表層を施した帯電ローラでは中央部の振れは平均で65μmと120μmであり、実施例1,2に表層を施した帯電ローラに比べて大きかった。
又、比較例1に表層を施した帯電ローラは、両端部はねを発生していて更に外観にもうねりが見られた。
比較例2に表層を施した帯電ローラは、6000枚後の連続耐久後に帯電ローラの表面が部分的に汚れが目立ってきて、翌日の朝一番目で8000枚後の連続耐久後に縦スジが入った。
1,102,205 ローラ本体
202 クロスヘッド
2,103 芯金
10 加熱規制部材
31 ベルト状の加熱規制部材
33 加熱体
202 クロスヘッド
2,103 芯金
10 加熱規制部材
31 ベルト状の加熱規制部材
33 加熱体
Claims (4)
- 芯金上にポリマー原料と添加剤を配合し混合した未加硫ゴム組成物を被覆して未加硫ゴムローラとし、順次移動する未加硫ゴムローラの芯金の回転中心軸を結ぶ移動面に対して加熱規制部材の当接面を対向配置して、該移動面と加熱規制部材の当接面との対向間隔が未加硫ゴムローラの移動方向に対して少なくとも順次狭まることを備え、未加硫ゴムローラが加熱規制部材と当接するときには少なくとも芯金軸の中心を回転中心にして回転することを特徴とする弾性体ローラの製造方法。
- 加熱規制部材の当接面を該移動面の両側から対称に対向配置したことを特徴とする請求項1記載の弾性体ローラの製造方法。
- 加熱規制部材がベルト形状で回転駆動することを特徴とする請求項1又は2記載の弾性体ローラの製造方法。
- 弾性体ローラが帯電ローラであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾性体ローラの製造方法。
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2004
- 2004-07-13 JP JP2004205939A patent/JP2006029390A/ja not_active Withdrawn
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