JP2009199793A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異常過熱した際の安全性、短絡に対する信頼性および急速充放電特性に優れたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】 正極活物質を含有する正極合剤層を有する正極、スピネル型結晶構造またはラムスデライト型結晶構造のリチウムチタン複合酸化物を負極活物質として含有する負極合剤層を有する負極、およびセパレータを有するリチウム二次電池であって、前記セパレータが、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有し、かつ前記多孔質層(I)が少なくとも前記負極に面しており、前記正極活物質および前記負極活物質は、一次粒子径が1μm以下であり、前記正極合剤層および前記負極合剤層の厚みが50μm以下であることを特徴とするリチウム二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細な活物質を含有する電極と、安価で高温時の寸法安定性に優れたセパレータとを有し、急速充放電特性が良好で、高温環境下においても安全なリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。携帯機器の高性能化に伴ってリチウム二次電池の高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行のリチウム二次電池では、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の微多孔膜が使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。
ところで、こうしたセパレータとしては、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸あるいは二軸延伸したフィルムが用いられている。このようなセパレータは、単独で存在する膜として供給されるため、作業性などの点で一定の強度が要求され、これを前記延伸によって確保している。しかし、このような延伸フィルムでは結晶化度が増大しており、シャットダウン温度も、電池の熱暴走温度に近い温度にまで高まっているため、電池の安全性確保のためのマージンが十分とは言い難い。
また、前記延伸によってフィルムにはひずみが生じており、これが高温に曝されると、残留応力によって収縮が起こるという問題がある。収縮温度は、融点、すなわちシャットダウン温度と非常に近いところに存在する。このため、ポリオレフィン系の微多孔膜セパレータを使用するときには、充電異常時などに電池の温度がシャットダウン温度に達すると、電流を直ちに減少させて電池の温度上昇を防止しなければならない。空孔が十分に閉塞せず電流を直ちに減少できなかった場合には、電池の温度は容易にセパレータの収縮温度にまで上昇するため、内部短絡の危険性があるからである。
このようなセパレータの熱収縮による短絡を防止し、電池の信頼性を高める技術として、例えば、シャットダウン機能を確保するための樹脂を主体として含む第1セパレータ層と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む第2セパレータ層とを有する多孔質のセパレータにより電気化学素子を構成することが提案されている(特許文献1)。
特許文献1の技術によれば、異常過熱した際にも熱暴走が生じ難い安全性に優れたリチウム二次電池などの電気化学素子を提供することができる。
国際公開第2007/66768号公報
ところで、近年のリチウム二次電池では、その用途が多様化していることに伴って、より優れた電池特性の確保が要求されている。そのような要求の一つに、より短時間で充放電できる特性、すなわち急速充放電特性の向上が挙げられ、例えば、特許文献1に記載の電池においても、このような点において、未だ改善の余地を残している。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異常過熱した際の安全性、短絡に対する信頼性、および急速充放電特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
前記課題を解決し得た本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を含有する正極合剤層を有する正極、スピネル型結晶構造またはラムスデライト型結晶構造のリチウムチタン複合酸化物を負極活物質として含有する負極合剤層を有する負極、およびセパレータを有するリチウム二次電池であって、前記セパレータが、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質の多孔質層(II)とを有し、かつ前記多孔質層(I)が少なくとも前記負極に面しており、前記正極活物質および前記負極活物質は、一次粒子径が1μm以下であり、前記正極合剤層および前記負極合剤層の厚みが50μm以下であることを特徴とするものである。
なお、後記の多孔質基体を除き、本明細書でいう「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
また、本明細書でいう多孔質層(I)における「熱可塑性樹脂を主体とする」とは、多孔質層(I)内の固形分比率で、熱可塑性樹脂である樹脂(A)が50体積%以上であることを意味している。更に、本明細書でいう多孔質層(II)における「耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む」とは、層内の固形分比率(ただし、後記の多孔質基体を有する場合においては、多孔質基体を除いた固形分比率)で、耐熱温度が150℃以上のフィラーが50体積%以上であることを意味している。
本発明によれば、異常過熱した際の安全性、短絡に対する信頼性、および急速充放電特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明のリチウム二次電池に係るセパレータは、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質の多孔質層(II)とを有するものである。
本発明のリチウム二次電池に用いられるセパレータに係る多孔質層(I)は、主にシャットダウン機能を確保するためのものである。本発明のリチウム二次電池の温度が多孔質層(I)の主体となる成分である熱可塑性樹脂[以下、樹脂(A)と称する]の融点以上に達したときには、多孔質層(I)に係る樹脂(A)が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウンを生じる。
また、本発明のリチウム二次電池に用いられるセパレータに係る多孔質層(II)は、電池の内部温度が上昇した際にも正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えたものであり、耐熱温度が150℃以上のフィラーによって、その機能を確保している。すなわち、電池が高温となった場合には、喩え多孔質層(I)が収縮しても、収縮し難い多孔質層(II)によって、セパレータが熱収縮した場合に発生し得る正負極の直接の接触による短絡を防止することができる。また、後述するように多孔質層(I)と多孔質層(II)が一体化した構成の場合には、この耐熱性の多孔質層(II)が、セパレータの骨格として作用し、多孔質層(I)の熱収縮、すなわちセパレータ全体の熱収縮を抑制する。
多孔質層(I)に係る樹脂(A)は、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に後で詳述する電池の有する非水電解液(以下、「電解液」と省略する場合がある)や、セパレータ製造の際に使用する溶媒(詳しくは後述する)に安定な熱可塑性樹脂であれば特に制限は無いが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などが好ましい。
なお、本発明のセパレータは、80℃以上140℃以下(より好ましくは100℃以上)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、多孔質膜(I)は、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、80℃以上140℃(更に好ましくは100℃以上)の熱可塑性樹脂を、その構成成分とするものがより好ましく、PEを主成分とする単層の微多孔膜であるか、PEとPPとを2〜5層積層した積層微多孔膜などであることが好ましい。
PEのように融点が80℃以上140℃以下の熱可塑性樹脂と、PPなどのように、融点が140℃を超える熱可塑性樹脂とを併用して多孔質層(I)を構成する場合、例えば、PEと、PPなどのPEよりも高融点の樹脂とを混合して構成された微多孔膜を多孔質層(I)としたり、PE層と、PP層などのPEよりも高融点の樹脂で構成された層とを積層して構成された積層微多孔膜を多孔質層(I)としたりする場合には、多孔質層(I)を構成する樹脂(A)中、融点が80℃以上140℃以下の樹脂(例えばPE)が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
前記のような微多孔膜としては、例えば、従来公知のリチウム二次電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された微多孔膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の微多孔膜を用いることができる。
また、多孔質層(I)には、セパレータにシャットダウン機能を付与する作用を損なわない範囲で、その強度などを向上するためにフィラーなどを含有させることもできる。多孔質層(I)に使用可能なフィラーとしては、後述する多孔質層(II)に使用可能なフィラー(耐熱温度が150℃以上のフィラー)と同じものが挙げられる。
フィラーの粒径は、平均粒径で、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下である。なお、本明細書でいう平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、フィラーを溶解しない媒体に、これら微粒子を分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる[後述する多孔質層(II)に係るフィラーについても同じである。]。
前記のような構成の多孔質層(I)を備えることで、セパレータにシャットダウン機能を付与することが容易となり、電池の内部温度上昇時における安全性確保を容易に達成することが可能となる。
多孔質層(I)における樹脂(A)の含有量は、シャットダウンの効果をより得やすくするために、例えば、下記のようであることが好ましい。セパレータの全構成成分中における樹脂(A)の体積は、10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましい[樹脂(A)が100体積%であってもよい。]。また、樹脂(A)の体積が、多孔質層(I)の全構成成分中、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましく、80体積%以上であることがより好ましい。更に、後記の方法により求められる多孔質層(II)の空孔率が20〜60%であり、かつ樹脂(A)の体積が、多孔質層(II)の空孔体積の50%以上であることが好ましい。
多孔質層(II)に係るフィラーは、耐熱温度が150℃以上で、電池の有する電解液に対して安定であり、更に電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであれば、有機粒子でも無機粒子でもよいが、分散などの点から微粒子であることが好ましく、安定性などの点から無機微粒子がより好ましく用いられる。
無機粒子の構成材料の具体例としては、例えば、酸化鉄、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。無機粒子としては、多孔質層(II)が正極に面するように電池を構成した場合に、その高温での貯蔵性や充放電サイクル特性を高め得る(詳しくは後述する)ことから、前記の無機酸化物の粒子(微粒子)が好ましく、中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトが特に好ましく用いられる。
また、有機粒子(有機粉末)としては、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの各種架橋高分子粒子や、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミドなどの耐熱性高分子粒子などが例示できる。また、これらの有機粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
耐熱温度が150℃以上のフィラーの形態としては、例えば、球状に近い形状を有していてもよく、板状の形状を有していてもよいが、多孔質層(II)に含まれる前記フィラーの少なくとも一部が板状粒子であることが好ましい。前記フィラーの全てが板状粒子でもよい。多孔質層(II)が板状粒子を含有することで、多孔質層(II)が多孔質層(I)と一体化した場合においても、板状粒子同士の衝突によって多孔質膜(I)が収縮する力を抑制することが可能となる。また、板状粒子を用いることでセパレータにおける正極負極間の経路、すなわち所謂曲路率が大きくなる。そのため、デンドライトが生成した場合でも、該デンドライトが負極から正極に到達し難くなり、デンドライトショートに対する信頼性を高めることができる。
板状の前記フィラーとしては、各種市販品が挙げられ、例えば、旭硝子エスアイテック社製「サンラブリー(商品名)」(SiO)、石原産業社製「NST−B1(商品名)」の粉砕品(TiO)、堺化学工業社製の板状硫酸バリウム「Hシリーズ(商品名)」、「HLシリーズ(商品名)」、林化成社製「ミクロンホワイト(商品名)」(タルク)、林化成社製「ベンゲル(商品名)」(ベントナイト)、河合石灰社製「BMM(商品名)」や「BMT(商品名)」(ベーマイト)、河合石灰社製「セラシュールBMT−B(商品名)」[アルミナ(Al)]、キンセイマテック社製「セラフ(商品名)」(アルミナ)、斐川鉱業社製「斐川マイカ Z−20(商品名)」(セリサイト)などが入手可能である。この他、SiO、Al、ZrO、CeOについては、特開2003−206475号公報に開示の方法により作製することができる。
前記フィラーが板状粒子の場合の形態としては、アスペクト比(板状粒子中の最大長さと板状粒子の厚みとの比)が、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であって、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。板状粒子におけるアスペクト比は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求めることができる。
また、多孔質層(II)に含まれる前記フィラーの少なくとも一部が、一次粒子が凝集した二次粒子構造を有する微粒子であることが好ましい。前記フィラーの全部が、前記二次粒子構造を有する微粒子であってもよい。多孔質層(II)が前記二次粒子構造のフィラーを含有することで、前述した板状粒子を用いた場合と同様の熱収縮抑制効果や、デンドライトショートの抑制効果を得ることができる。前記二次粒子構造のフィラーの例としては、大明化学社製「ベーマイト C06(商品名)」、「ベーマイト C20(商品名)」(ベーマイト)、米庄石灰工業社製「ED−1(商品名)」(CaCO)、J.M.Huber社製「Zeolex 94HP(商品名)」(クレイ)などが挙げられる。
多孔質層(II)に係る前記フィラーの平均粒径(二次粒子構造のフィラーについても、前記の測定法により求められる平均粒径)は、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは5μm以下である。
多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中[ただし、後記の多孔質基体を使用する場合には、多孔質基体を除く構成成分の全体積中。多孔質層(II)の各構成成分の含有量について、以下同じ。]、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層(II)中のフィラーを前記のように高含有量とすることで、電池が高温となった際の正極と負極との直接の接触による短絡の発生をより良好に抑制することができ、また、特に多孔質層(I)と多孔質層(II)とを一体化した構成のセパレータの場合には、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができる。
また、多孔質層(II)には、耐熱温度が150℃以上のフィラー同士を結着したり、必要に応じて多孔質層(I)と多孔質層(II)とを結着したりするために有機バインダを含有させることが好ましく、このような観点から、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラー量の好適上限値は、例えば、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、99体積%である。なお、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量を70体積%未満とすると、例えば、多孔質層(II)中の有機バインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には多孔質層(II)の空孔が有機バインダによって埋められやすく、セパレータとしての機能が低下する虞があり、また、開孔剤などを用いて多孔質化した場合には、前記フィラー同士の間隔が大きくなりすぎて、熱収縮を抑制する効果が低下する虞がある。
耐熱温度が150℃以上のフィラーとして板状粒子を用いる場合、多孔質層(II)中での板状粒子の存在形態は、平板面がセパレータの面に対して略平行であることが好ましく、より具体的には、セパレータの表面近傍における板状粒子について、その平板面とセパレータ面との平均角度が30°以下であることが好ましい[最も好ましくは、当該平均角度が0°、すなわち、セパレータの表面近傍における板状の平板面が、セパレータの面に対して平行である]。ここでいう「表面近傍」とは、セパレータの表面から全体厚みに対しておよそ10%の範囲を指す。板状粒子の存在形態が前記のような状態となるように板状粒子の配向性を高めることで、前記の多孔質層(II)の熱収縮抑制作用をより強く発揮させることが可能になり、また、電極表面に析出するリチウムデンドライトや電極表面の活物質の突起により生じ得る内部短絡をより効果的に防ぐことができる。
多孔質層(II)には、セパレータの形状安定性の確保や、多孔質層(II)と多孔質層(I)との一体化などのために、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR)」、日本ゼオン社の「EM−400B(SBR)」などがある。
なお、前記の有機バインダを多孔質層(II)に使用する場合には、後述する多孔質層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
また、セパレータの形状安定性や柔軟性を確保するために、多孔質層(II)において、繊維状物などを前記フィラーと混在させてもよい。繊維状物としては、耐熱温度が150℃以上であって、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に下記に詳述する電解液や、セパレータ製造の際に使用する溶媒に安定であれば、特に材質に制限はない。なお、本明細書でいう「繊維状物」とは、アスペクト比[長尺方向の長さ/長尺方向に直交する方向の幅(直径)]が4以上のものを意味しており、アスペクト比は10以上であることが好ましい。
繊維状物の具体的な構成材料としては、例えば、セルロースおよびその変成体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)など]、ポリオレフィン[ポリプロピレン(PP)、プロピレンの共重合体など]、ポリエステル[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など]、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂;ガラス、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの無機酸化物;などを挙げることができ、これらの構成材料を2種以上併用して繊維状物を構成してもよい。また、繊維状物は、必要に応じて、公知の各種添加剤(例えば、樹脂である場合には酸化防止剤など)を含有していても構わない。
また、本発明の電池に用いるセパレータは、特に多孔質層(I)と多孔質層(II)を一体化せずに多孔質層(II)を独立膜として用いた場合において、その取り扱い性を高めるなどのために、多孔質層(II)に多孔質基体を用いることができる。多孔質基体は、前記の繊維状物が織布、不織布(紙を含む)などのシート状物を形成してなる耐熱温度が150℃以上のものであり、市販の不織布などを基体として用いることができる。この態様のセパレータでは、多孔質基体の空隙内に耐熱温度が150℃以上の前記フィラーを含有させることが好ましいが、多孔質基体と前記フィラーとを結着させるために、前記の有機バインダを用いることもできる。
なお、多孔質基体の「耐熱性」は、軟化などによる実質的な寸法変化が生じないことを意味し、対象物の長さの変化、すなわち、多孔質基体においては、室温での長さに対する収縮の割合(収縮率)が5%以下を維持することのできる上限温度(耐熱温度)が、セパレータのシャットダウン温度よりも十分に高いか否かで耐熱性を評価する。シャットダウン後のリチウム二次電池の安全性を高めるために、多孔質基体は、シャットダウン温度よりも20℃以上高い耐熱温度を有することが望ましく、より具体的には、多孔質基体の耐熱温度は、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。
多孔質基体を用いて多孔質層(II)を構成する場合には、耐熱温度が150℃以上のフィラーの全部または一部が、多孔質基体の空隙内に存在する形態とすることが好ましい。このような形態とすることで、前記フィラーの作用をより有効に発揮させることができる。
繊維状物(多孔質基体を構成する繊維状物、その他の繊維状物を含む)の直径は、多孔質層(II)の厚み以下であればよいが、例えば、0.01〜5μmであることが好ましい。繊維状物の径が大きすぎると、繊維状物同士の絡み合いが不足するため、例えばシート状物を形成して多孔質基体を構成する場合に、その強度が小さくなって取り扱いが困難となることがある。また、繊維状物の径が小さすぎると、セパレータの空孔が小さくなりすぎてイオン透過性が低下する傾向にあり、リチウム二次電池の負荷特性を低下させてしまうことがある。
多孔質層(II)に繊維状物を使用する場合(多孔質基体として繊維状物を使用する場合を含む)には、その含有量は、例えば、多孔質層(II)の全構成成分中、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上であって、好ましくは90体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。多孔質層(II)中での繊維状物の存在状態は、例えば、長軸(長尺方向の軸)の、セパレータ面に対する角度が平均で30°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
本発明のリチウム二次電池におけるセパレータの厚みは、正極と負極とをより確実に隔離する観点から、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。他方、セパレータの厚みが大きすぎると、リチウム二次電池のエネルギー密度が低下してしまうことがあるため、その厚みは、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
また、セパレータを構成する多孔質層(I)の厚みをA(μm)、多孔質層(II)の厚みをB(μm)としたとき、AとBとの比率A/Bは、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、また、1/8以上であることが好ましく、1/5以上であることがより好ましい。本発明のリチウム二次電池に係るセパレータでは、多孔質層(I)の厚み比率を大きくし多孔質層(II)を薄くしても、良好なシャットダウン機能を確保しつつ、セパレータの熱収縮による短絡の発生を高度に抑制することができる。なお、セパレータにおいて、多孔質層(I)が複数存在する場合には、厚みAはその総厚みであり、多孔質層(II)が複数存在する場合には、厚みBはその総厚みである。
なお、具体的な値で表現すると、多孔質層(I)の厚み[セパレータが多孔質層(I)を複数有する場合には、その総厚み]は、5μm以上であることが好ましく、また、30μm以下であることが好ましい。そして、多孔質層(II)の厚み[セパレータが多孔質層(II)を複数有する場合には、その総厚み]は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることが更に好ましく、また、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがより好ましい。多孔質層(I)が薄すぎると、シャットダウン機能が弱くなる虞があり、厚すぎると、電池のエネルギー密度の低下を引き起こす虞があることに加えて、熱収縮しようとする力が大きくなり、例えば、多孔質層(I)と多孔質層(II)が一体化した構成では、セパレータ全体の熱収縮を抑える作用が小さくなる虞がある。また、多孔質層(II)が薄すぎると、セパレータの熱収縮に起因する短絡の発生を抑制する効果が小さくなる虞があり、厚すぎると、セパレータ全体の厚みの増大を引き起こしてしまう。
セパレータ全体の空孔率としては、電解液の保液量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。なお、セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(1)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P = 100−(Σa/ρ)×(m/t) (1)
ここで、前記式中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)である。
また、前記(1)式において、mを多孔質層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(I)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔質層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(I)の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記(1)式において、mを多孔質層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(II)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔質層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(II)の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池に係るセパレータは、JIS P 8117に準拠した方法で測定され、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、10〜300secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。さらに、セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。前記の構成を採用することにより、前記の透気度や突き刺し強度を有するセパレータとすることができる。
セパレータの平均孔径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であって、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。また、多孔質層(I)の平均孔径は、0.01〜0.5μmであることが好ましく、多孔質層(II)の平均孔径は、0.05〜1μmであることが好ましい。
前記の構成を有するセパレータを有する本発明のリチウム二次電池のシャットダウン特性は、例えば、電池の内部抵抗の温度変化により求めることができる。具体的には、リチウム二次電池を恒温槽中に設置し、温度を室温から毎分1℃の割合で上昇させ、リチウム二次電池の内部抵抗が上昇する温度を求めることで測定することが可能である。この場合、150℃におけるリチウム二次電池の内部抵抗は、室温の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、前記構成のセパレータを使用することで、このような特性を確保することができる。
また、本発明のリチウム二次電池に用いるセパレータは、150℃での熱収縮率を5%以下とすることが好ましい。このような特性のセパレータであれば、リチウム二次電池内部が150℃程度になっても、セパレータの収縮が殆ど生じないため、正負極の接触による短絡をより確実に防止することができ、高温でのリチウム二次電池の安全性をより高めることができる。前記の構成を採用することで、前記のような熱収縮率を有するセパレータとすることができる。
ここでいう熱収縮率は、多孔質層(I)と多孔質層(II)が一体化している場合は、その一体化したセパレータ全体の収縮率を指し、多孔質層(I)と多孔質層(II)が独立している場合には、それぞれの収縮率の小さい方の値を指す。また、後述するように、多孔質層(I)および/または多孔質層(II)は、電極と一体化する構成とすることもできるが、その場合は、電極と一体化した状態で測定した熱収縮率を指す。
なお、前記の「150℃の熱収縮率」とは、セパレータまたは多孔質層(I)および多孔質層(II)(電極と一体化した場合には電極と一体化した状態で)を恒温槽に入れ、温度を150℃まで上昇させて3時間放置した後に取り出して、恒温槽に入れる前のセパレータまたは多孔質層(I)および多孔質層(II)の寸法と比較することで求められる寸法の減少割合を百分率で表したものである。
本発明のリチウム二次電池に用いるセパレータの製造方法としては、例えば、下記の(a)または(b)の方法を採用できる。製造方法(a)は、多孔質基体に、耐熱温度が150℃以上のフィラーを含有する多孔質層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を塗布した後、所定の温度で乾燥して多孔質層(II)を形成し、これを、前記の方法で作製された多孔質層(I)を構成するための微多孔膜と重ね合わせて、1つのセパレータとする方法である。この場合、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは一体化されていてもよいし、それぞれ独立した膜であって、リチウム二次電池の組み立てにより、電池内で重ね合わされた状態で一体のセパレータとして機能するものであってもよい。
多孔質層(I)と多孔質層(II)を一体化するには、例えば、多孔質層(I)と多孔質層(II)とを重ね合わせ、ロールプレスなどにより両者を貼り合わせる方法などが採用できる。
前記の場合の多孔質基体としては、具体的には、前記例示の各材料を構成成分に含む繊維状物の少なくとも1種で構成される織布や、これら繊維状物同士が絡み合った構造を有する不織布などの多孔質シートなどが挙げられる。より具体的には、紙、PP不織布、ポリエステル不織布(PET不織布、PEN不織布、PBT不織布など)、PAN不織布などの不織布が例示できる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラーの他、必要に応じて有機バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。なお、有機バインダについては溶媒に溶解させることもできる。多孔質層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、前記フィラーなどを均一に分散でき、また、有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般的な有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラー、および有機バインダを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
前記多孔質基体の空孔の開口径が比較的大きい場合、例えば、5μm以上の場合には、これがリチウム二次電池の短絡の要因となりやすい。よって、この場合には、前記の通り、耐熱温度が150℃以上のフィラーなどの全部または一部が、多孔質基体の空隙内に存在する構造とすることが好ましい。多孔質基体の空隙内に前記フィラーなどを存在させるには、例えば、これらを含有する多孔質層(II)形成用組成物を多孔質基体に塗布した後に一定のギャップを通し、余分の組成物を除去した後、乾燥するなどの工程を用いればよい。
また、多孔質層(II)において、前記のように、板状の前記フィラーの配向性を高めるには、板状の前記フィラーを含有する多孔質層(II)形成用組成物を多孔質基体に塗布し含浸させた後、前記組成物にシェアや磁場をかけるといった方法を用いればよい。例えば、前記のように、板状の前記フィラーを含有する多孔質層(II)形成用組成物を多孔質基体に塗布した後、一定のギャップを通すことで、前記組成物にシェアをかけることができる。
また、前記フィラーや多孔質層(II)を構成するその他の成分の持つ作用をより有効に発揮させるために、これらの成分を偏在させて、セパレータの面と平行または略平行に、前記成分が層状に集まった形態としてもよい。
セパレータの製造方法(b)は、多孔質層(II)形成用組成物に、更に必要に応じて繊維状物を含有させ、これをフィルムや金属箔などの基板上に塗布し、所定の温度で乾燥した後に、該基板から剥離する方法である。これにより多孔質層(II)となる多孔質膜を形成することができる。
製造方法(b)でも、製造方法(a)と同様に、樹脂(A)を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、フィラーを主体として含む多孔質層(II)とは、それぞれ独立した構成としてもよいし、一体化した構成としてもよい。多孔質層(I)と多孔質層(II)を一体化するには、個別に形成した多孔質層(II)と多孔質層(I)とをロールプレスなどにより貼り合わせる方法の他、前記の基板を使用する代わりに、多孔質層(I)の表面に多孔質層(II)形成用組成物を塗布し、乾燥して、多孔質層(I)の表面に直接多孔質層(II)を形成する方法を採用することもできる。
また、製造方法(b)によって、リチウム二次電池を構成する正極の表面に多孔質層(II)を形成して、セパレータと電極とが一体化した構造としてもよい。
(a)、(b)いずれの製造方法を採用する場合においても、多孔質層(I)を正極および負極の少なくとも一方の電極と一体化してもよい。多孔質層(I)を電極と一体化するには、例えば、多孔質層(I)となる微多孔膜と電極とを重ねてロールプレスする方法などが採用できる。更に、製造方法(b)により、正極の表面に多孔質層(II)を形成し、負極の表面に多孔質層(I)となる微多孔膜を貼り付けて一体化してもよいし、製造方法(a)または(b)により製造した多孔質層(I)と多孔質層(II)とを一体化したセパレータを、正極および負極のいずれか一方の表面に貼り付けて、一体化してもよい。多孔質層(I)と多孔質層(II)とが一体化したセパレータを電極の表面に貼り付けて一体化するには、例えば、セパレータと電極とを重ねてロールプレスする方法などが採用できる。
なお、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは、それぞれ1層ずつである必要はなく、複数の層がセパレータ中にあってもよい。例えば、多孔質層(II)の両面に多孔質層(I)を配置した構成としたり、多孔質層(I)の両面に多孔質層(II)を配置した構成としてもよい。ただし、層数を増やすことで、セパレータの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、セパレータ中の多孔質層(I)と多孔質層(II)との合計層数は5層以下であることが好ましい。
また、前記の通り、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは、一体化して独立膜としてセパレータを構成する以外に、それぞれ独立した構成要素とし、リチウム二次電池が組み立てられた段階で、リチウム二次電池内で重ね合わされた状態となり、正極と負極の間に介在するセパレータとして機能するようにすることもできる。更に、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは接している必要はなく、それらの間に別の層、例えば、多孔質基体を構成する繊維状物の層などが介在していてもよい。
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を含有する正極合剤からなる正極合剤層を有する正極と、負極活物質を含有する負極合剤からなる負極合剤層を有する負極とを有しており、正極活物質および負極活物質の一次粒子径が1μm以下であり、更に、正極合剤層および負極合剤層の厚みが50μm以下である。本発明のリチウム二次電池では、このような構成の採用によって、その急速充放電特性を高めている。
本発明のリチウム二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質を含有する正極合剤からなる正極合剤層が正極集電体の片面または両面に形成された構成のものが使用できる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な活物質であれば特に制限はない。例えば、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などを用いることが可能である。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiMn3/5Ni1/5Co1/5など)などを例示することができる。
正極活物質は、その一次粒子径が1μm以下である。正極活物質の一次粒子径が大きすぎると、電池の急速充放電特性が低下する。正極活物質の一次粒子径は、0.8μm以下であることが好ましい。ただし、正極活物質の一次粒子径が小さすぎると、正極合剤層中での正極活物質の分散が困難となり、また、正極活物質粒子への集電のために多量の導電助剤が必要となることから、正極活物質の一次粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。
前記の正極活物質の一次粒子径および後記の負極活物質の一次粒子径は、数平均粒子径を用いればよく、レーザー回折式粒度分布測定装置などを用い、水に分散させた試料を測定することにより求められる。ただし、粒子径が非常に小さい場合には、電子顕微鏡により観察される粒子径から平均値を求めるのであってもよい。また、本発明では、前記平均粒子径を有する一次粒子は、そのまま正極活物質または負極活物質を構成してもよく、または、二次粒子となって活物質を構成してもよい。
正極合剤層は、通常、前記の正極活物質の他に、導電助剤、バインダなども含有する。導電助剤としては、カーボンブラックなどの炭素材料が用いられ、また、バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂などが用いられる。
正極合剤層の厚み(正極の両面に正極合剤層が形成されている場合には、片面あたりの厚み。正極合剤層の厚みに関して、以下同じ。)は、50μm以下である。正極合剤層が厚すぎると、電池の急速充放電特性が低下する。正極合剤層の厚みは、40μm以下であることがより好ましい。ただし、正極合剤層が薄すぎると、活物質量が減少して電池容量が低下する虞があることから、正極合剤層の厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。
また、正極集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
本発明のリチウム二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質を含有する負極合剤からなる負極合剤層が負極集電体の片面または両面に形成された構成のものが使用できる。
負極活物質には、スピネル型結晶構造またはラムスデライト型結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物を使用する。前記のリチウムチタン複合酸化物は熱的安定性が高く、また、このような負極活物質を用いた負極を有する電池では、リチウムデンドライトが生じにくい。そのため、前記のリチウムチタン酸化物を有する負極と前記のセパレータとの併用によって、電池の信頼性および安全性をより高めることが可能となる。
スピネル型結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物としては、LiTi12、LiTiなどの組成で代表される酸化物を用いることができ、特に、LiTi12に代表される欠陥スピネル構造を有するものが好ましく用いられる。
また、ラムスデライト型結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物としては、LiTi、LiTi12などの組成で代表される酸化物を用いることができ、特に、LiTiで表されるものが好ましく用いられる。このLiTiの場合、CuをターゲットとしたX線回折法による主たるピークのd値が、0.445nm、0.269nm、0.224nm、0.177nm(それぞれ±0.0002nm)にあることが好ましい。
前記いずれのリチウムチタン複合酸化物も、その構成元素の一部が他の元素で置換されていてもよく、Ca、Mg、Sr、Sc、Zr、V、Nb、W、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Si、Ga、Ge、Snなどの元素を置換元素とすることができる。置換量は、置換される元素の10mol%以下とするのがよい。
負極には、前記の結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物と共に、該リチウムチタン複合酸化物以外の負極活物質も使用できる。このような負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維など炭素系材料;Si、Sn、Ge,Bi、Sb、Inなどのリチウムと合金可能な元素の単体およびその合金;もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金;などが挙げられる。なお、負極合剤層における全負極活物質中、前記の結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物は、80質量%以上であることが好ましい。また、負極活物質の全てが前記の結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物でもよい。
負極活物質は、その一次粒子径が1μm以下である。負極活物質の一次粒子径が大きすぎると、電池の急速充放電特性が低下する。負極活物質の一次粒子径は、0.5μm以下であることが好ましい。ただし、負極活物質の一次粒子径が小さすぎると、負極合剤層中での負極活物質の分散が困難となり、また、負極合剤層の密度の低下や負極活物質の集電が困難となる虞があることから、負極活物質の一次粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。
負極合剤層は、通常、前記の負極活物質の他に、バインダなども含有し、また、必要に応じて導電助剤を含有していてもよい。導電助剤としては、カーボンブラックなどの炭素材料が用いられ、また、バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂などが用いられる。
負極合剤層の厚み(負極の両面に負極合剤層が形成されている場合には、片面あたりの厚み。負極合剤層の厚みに関して、以下同じ。)は、50μm以下である。負極合剤層が厚すぎると、電池の急速充放電特性が低下する。負極合剤層の厚みは、40μm以下であることがより好ましい。ただし、負極合剤層が薄すぎると、活物質量が減少して電池容量が低下する虞があることから、負極合剤層の厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
電極は、前記の正極と前記の負極とを、前記のセパレータを介して積層した積層体電極群や、更にこれを巻回した巻回体電極群の形態で用いることができる。なお、本発明のリチウム二次電池は、セパレータに係る多孔質層(I)が少なくとも負極に面している必要があるため、前記のような電極体は、セパレータの多孔質層(I)が負極に面するように形成する。
詳細な理由は不明であるが、微多孔膜からなる多孔質層(I)が少なくとも負極に面するようにセパレータを配置した場合には、正極側に配置した場合よりも、シャットダウンを生じた場合に、微多孔膜から溶融した樹脂のうち、電極合剤層に吸収される割合が少なくなり、溶融した樹脂がセパレータの孔を閉塞するのに、より有効に利用されるため、シャットダウンによる効果がより良好となる。
また、例えばリチウム二次電池が、温度上昇により電池の内圧が上昇した際に、電池内部のガスを外部に排出して電池の内圧を下げる機構を有する場合には、この機構が作動した際に、内部の非水電解液が揮発して、電極が直接空気に曝される状態となる虞がある。電池が充電状態にある場合に、前記のような状態となり、負極と空気(酸素や水分)が接触すると、負極に吸蔵されたリチウムイオンや負極表面に析出したリチウムと空気とが反応して発熱したり、また、この発熱により電池の温度が上昇して正極活物質の熱暴走反応を引き起こし、その結果、シャットダウンを生じても電池の温度が上昇し続けることがある。
しかしながら、本発明のリチウム二次電池は、多孔質層(I)が負極に面しているために、高温時には多孔質層(I)の主体である熱可塑性樹脂が溶融して負極表面を覆うことから、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構の作動に伴う負極と空気との反応を抑制することができる。そのため、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構が作動することによる発熱の虞をなくし、電池をより安全に保つことができる。
また、多孔質層(II)に用いる耐熱温度が150℃以上のフィラーとして、耐酸化性に優れた材料(例えば、無機酸化物)を用いた場合、多孔質層(II)を正極側に向けることによって、正極によるセパレータの酸化を抑制することが可能となり、高温時の保存特性や充放電サイクル特性に優れた電池とすることができるため、多孔質層(II)を正極側に向ける構成とすることがより好ましい。例えば、多孔質層(I)や多孔質層(II)を複数有するセパレータの場合、負極側が多孔質層(I)となり、かつ正極側が多孔質層(II)となるようにセパレータを構成することがより好ましい。
なお、前記のような正極合剤層を有する正極や、負極合剤層を有する負極は、例えば、正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶媒に分散させてなる正極合剤層形成用組成物(スラリーなど)や、負極合剤をNMPなどの溶媒に分散させてなる負極剤層形成用組成物(スラリーなど)を集電体表面に塗布し、乾燥することにより作製される。この場合、例えば、正極合剤層形成用組成物を集電体表面に塗布し、該組成物が乾燥する前に、多孔質層(II)形成用組成物を塗布して作製した正極と多孔質層(II)との一体化物を用いて、リチウム二次電池を構成することもできる。
本発明のリチウム二次電池は、例えば前記の電極群と、電解液とを、常法に従い外装体内に封入して構成される。電池の形態としては、従来公知のリチウム二次電池と同様に、筒形(円筒形や角筒形)の外装缶を使用した筒形電池や、扁平形(平面視で円形や角形の扁平形)の外装缶を使用した扁平形電池、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池などとすることができる。また、外装缶には、スチール製やアルミニウム製のものが使用できる。
本発明のリチウム二次電池は、温度が上昇した際に電池内部のガスを外部に排出する機構を有していることが好ましい。かかる機構としては、従来公知の機構を用いることができる。すなわち、スチール缶やアルミニウム缶などの金属缶を外装缶とする電池では、一定の圧力で亀裂が生じる金属製の開裂ベント、一定の圧力で破れる樹脂製のベント、一定の圧力で蓋の開くゴム製のベントなどを用いることができるが、中でも金属製の開裂ベントを用いるのが好ましい。
一方、ソフトパッケージ電池では、封止部分が樹脂の熱融着により封止されているため、そもそも温度と内圧が上昇した場合に、こうした高温、高圧に耐えられる構造とすることが難しく、特別な機構を設けなくても温度が上昇した場合に電池内部のガスを外部に排出する構成とすることが可能である。すなわち、ソフトパッケージ電池においては、外装体の封止部(熱融着部)が、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構として作用する。また、ソフトパッケージ電池の場合、封止部分の幅を特定の場所だけ狭くするなどの方法によっても、温度が上昇した場合に電池内部のガスを外部に排出する構成とすることができる(すなわち、前記特定の場所が、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構として作用する)。
電解液(非水電解液)としては、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF などの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類、エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
電解液中のリチウム塩の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、異常過熱した際の安全性、短絡に対する信頼性および急速充放電特性に優れていることから、このような特性を生かして、ハイブリッド自動車や電導バイクなどの電源用途を始めとして、従来公知のリチウム二次電池が用いられている各種用途と同じ用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、各実施例で示す多孔質層(I)および多孔質層(II)における各成分の体積含有率は、多孔質基体(不織布)を使用している場合には、この多孔質基体を除く全構成成分中の体積含有率である。更に、各実施例で示す樹脂(A)の融点(融解温度)は、JIS K 7121の規定に準じて、DSCを用いて測定した値である。また、正極活物質および負極活物質の一次粒子径は、前記のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いる方法により測定した数平均粒子径である。
実施例1
(負極の作製)
負極活物質である一次粒子径100nmのLiTi12:75質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:15重量部、およびバインダであるPVDF:10質量部を、NMPを溶剤として均一になるように混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚さ10μmの集電体の両面に、塗布長が表面500mm、裏面440mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が70μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅45mmになるように切断して、長さ510mm、幅45mmの負極を作製した。更にこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。この負極の負極合剤層の厚み(片面あたり)は、30μmである。
(正極の作製)
正極活物質である一次粒子径500nmのLiCoO:75質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:15質量部、およびバインダであるPVDF:10質量部を、NMPを溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、塗布長が表面500mm、裏面425mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が75μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して、長さ520mm、幅43mmの正極を作製した。さらにこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。この正極の正極合剤層の厚み(片面あたり)は、30μmである。
(セパレータの作製)
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):100gと、水:4000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に耐熱温度が150℃のフィラーであるベーマイト粉末(板状、平均粒径1μm、アスペクト比10):4000gを4回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリーを調製した。PE製微多孔膜[多孔質層(I):厚み16μm、空孔率40%、平均孔径0.02μm、融点135℃]表面に、前記のスラリーをマイクログラビアコーターによって塗布し、乾燥して多孔質層(II)を形成することで、厚みが22μmのセパレータを得た。このセパレータの多孔質層(II)における前記フィラーの体積比率は91体積%、多孔質層(II)の空孔率は48%であった。
(電池の組み立て)
前記のようにして得た正極と負極とセパレータとを、セパレータの多孔質層(I)が負極側に向くように介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して巻回体電極群を作製した。得られた巻回体電極群を押しつぶして扁平状にし、厚み6mm、高さ50mm、幅34mmでのアルミニウム製外装缶に入れ、電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1対2に混合した溶媒にLiPFを濃度1.2mol/lで溶解したもの)を注入した後に封止を行って、図1に示す構造で、図2に示す外観のリチウム二次電池を作製した。なお、この電池は、缶の上部に内圧が上昇した場合に圧力を下げるための開裂ベントを備えている。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、正極1と負極2は前記のようにセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回体電極群6として、角筒形の外装缶4に電解液と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
外装缶6はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この外装缶4は正極端子を兼ねている。そして、外装缶4の底部にはポリエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回体電極群6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、外装缶4の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は外装缶4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋板9に非水電解液注入口14が設けられており、この非水電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図1および図2の電池では、実際には、非水電解液注入口14は、非水電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、非水電解液注入口14として示している)。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって外装缶5と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、外装缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図1では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極群の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
セパレータ作製に用いる耐熱温度が150℃以上のフィラーを、一次粒子が凝集した二次粒子構造のベーマイト(平均粒径0.6μm)に変えた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。このリチウム二次電池に用いたセパレータの総厚みは22μmで、多孔質層(II)における前記フィラーの体積含有率は97体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は44%であった。
実施例3
セパレータ作製に用いる耐熱温度が150℃以上のフィラーを、粒状のアルミナ(平均粒径0.4μm)に変えた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。このリチウム二次電池に用いたセパレータの総厚みは20μmで、セパレータの多孔質層(II)における前記フィラーの体積含有率は96体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は55%であった。
実施例4
セパレータ作製に用いる多孔質層(I)を構成する微多孔膜を、PP/PE/PPの三層構造のもの(厚み16μm、空孔率43%、平均孔径0.008μm、PEの融点135℃、PEの体積含有率33体積%)に変えた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。このリチウム二次電池に用いたセパレータの総厚みは22μmで、セパレータの多孔質層(II)における前記フィラーの体積含有率は97体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は48%であった。
実施例5
実施例1で作製したものと同じ正極の表面に、実施例1で調製したものと同じ多孔質層(II)形成用のスラリーを、マイクログラビアコーターを用いて塗布し、乾燥して、正極の両面上に多孔質層(II)を形成した。多孔質層(II)の厚みは片面あたり5μmで、多孔質層(II)における前記フィラーの体積含有率は97体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は48%であった。また、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜として、実施例1で用いたものと同じPE製微多孔膜を使用し、多孔質層(I)と多孔質層(II)を一体化せずに重ね合わせてセパレータとして用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例6
PET製不織布(厚み12μm、目付け8g/m)を基材とし、実施例1で調製したものと同じ多孔質層(II)形成用スラリーの中に前記PET製不織布を通して引き上げ塗布を行い、乾燥することで、厚みが20μmの多孔質層(II)を作製した。多孔質層(II)における前記フィラーの体積含有率は97体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は33%であった。また、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜として、実施例1で用いたものと同じPE製微多孔膜を使用し、多孔質層(I)と多孔質層(II)を一体化せずに重ね合わせてセパレータとして用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例7
実施例6と同様にして、多孔質層(II)形成用スラリーにPET製不織布を通して引き上げ塗布を行い、スラリーが完全に乾燥する前に、実施例6で使用したものと同じ多孔質層(I)を構成するためのPE製微多孔膜を重ね合わせて乾燥することにより、多孔質層(I)と多孔質層(II)とを一体化したセパレータを作製した。このセパレータの総厚みは33μmで、多孔質層(II)における前記フィラーの体積含有率は97体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は33%であった。このセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例8
正極活物質を、一次粒子径が55nmのLiMnに変更した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例1
セパレータとして、PE製微多孔膜(厚み22μm、空孔率49%、平均孔径0.09μm、融点135℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例2
PET製不織布(厚み15μm、目付け12g/m)を基材とし、実施例1で調製したものと同じ多孔質層(II)形成用スラリーの中に前記PET製不織布を通して引き上げ塗布を行い、乾燥することで、多孔質層(II)を作製した。この多孔質層(II)をセパレータとして用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例3
巻回体電極群の作製の際に、セパレータの多孔質層(I)が正極側に向くようにした以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例1〜8および比較例1〜3のリチウム二次電池作製に使用したセパレータについて、150℃の恒温槽内に3時間放置して熱収縮率を測定した。
熱収縮率の測定は、次のようにして行った。4cm×4cmに切り出したセパレータの試験片を、クリップで固定した2枚の厚さ5mmのガラス板で挟みこみ、150℃の恒温槽内に3時間放置した後に取り出し、各試験片の長さを測定し、試験前の長さと比較して長さの減少割合を熱収縮率とした。なお、実施例5のセパレータについては、正極と多孔質層(II)が一体化したものを用いて測定し、セパレータの熱収縮率とした。また、実施例6のセパレータについては、より熱収縮の少ない多孔質層(II)の熱収縮率をセパレータの熱収縮率とした。各セパレータの熱収縮率の測定結果を表1に示す。
Figure 2009199793
表1に示す通り、実施例1〜8のリチウム二次電池に使用したセパレータの150℃での熱収縮率は、いずれも1%以下であった。
次に、実施例1〜8および比較例1〜3の各リチウム二次電池について、以下の条件で充電を行い、充電容量および放電容量をそれぞれ求め、充電容量に対する放電容量の割合を充電効率として評価した。充電は、0.2Cの電流値で電池電圧が2.8Vになるまで定電流充電を行い、次いで、2.8Vでの定電圧充電を行う定電流−定電圧充電とした。充電終了までの総充電時間は15時間とした。
充電後の電池を、0.2Cの放電電流で、電池電圧が1.0Vになるまで放電を行ったところ、実施例1〜8の電池、比較例1〜3の電池ともに、充電効率がほぼ100%となり、充電時のリチウムデンドライトの生成が抑止され電池として良好に作動することが確認できた。
また、実施例1〜8および比較例1〜3の各リチウム二次電池について、下記のシャットダウン温度測定、高温貯蔵試験および外部短絡試験を行った。結果を表2に示す。
<シャットダウン温度測定>
放電状態の各電池を恒温槽に入れ、30℃から150℃まで毎分5℃の割合で温度上昇させて加熱し、電池の内部抵抗の温度変化を求めた。そして、抵抗値が30℃での値の5倍以上に上昇したときの温度を、シャットダウン温度とした。
<高温貯蔵試験>
更に、前記のシャットダウン温度を測定したものとは別の電池について、0.2Cの電流値で電池電圧が2.8Vになるまで定電流充電を行い、次いで、2.8Vでの定電圧充電を行う定電流−定電圧充電を行った。充電終了までの総充電時間は15時間とした。前記条件で充電した各電池を、30℃から150℃まで、毎分5℃の割合で昇温し、その後引き続き150℃で3時間放置し、電池の表面温度および電池電圧を測定した。
<外部短絡試験>
また、前記のシャットダウン温度測定および高温貯蔵試験を行ったものとは別の電池について、100mΩの抵抗を介して正負極を短絡させる外部短絡試験を行い、電池表面の最高温度を測定した。
Figure 2009199793
表2に示すように、実施例1〜8のリチウム二次電池では、電池の高温での安全性を確保するのに適切な温度範囲でシャットダウンを生じることが明らかとなった。また、実施例1〜8の電池では、150℃で3時間保持しても、電池の表面温度が上昇したりするといった異常は見られなかった。
これに対し、比較例1の電池は、150℃の保持で、50分後に表面温度が上昇した。また、比較例2の電池では、150℃での保持では異常はなかったが、外部短絡試験において、電池の表面温度が異常に上昇することが確認された。これは、シャットダウン特性がセパレータに付与されていないためと考えられる。更に、比較例3の電池では、150℃の保持で90分後に電池の表面温度の上昇が確認された。この電池の昇温時の様子を詳細に観察すると、約75分で、開裂ベントが開いて内圧が低下することで、一旦電池表面の温度が低下しているが、その後電池温度が上昇していることが分かった。これは、多孔質層(I)が正極側を向いているために、開裂ベント作動後に負極の表面を覆う作用が小さく、負極表面で黒鉛に吸蔵されたリチウムイオンと空気が反応したために、電池温度が上昇したものと推察される。
比較例4
負極活物質を、一次粒子径が10μmのLiTi12に変更し、正極活物質を、一次粒子径が10μmのLiCoOに変更した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例5
負極活物質を、一次粒子径が2μmのLiTi12に変更し、正極活物質を、一次粒子径が2μmのLiCoOに変更した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例6
負極の総厚みを150μm(負極合剤層の厚みが、片面あたり70μm)とし、正極の総厚みを155μm(正極合剤層の厚みが、片面あたり70μm)とした以外は、実施例7と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
<急速充放電試験>
実施例1、7、および比較例4〜6の各電池(実施例1、7の電池については、前記の各評価を実施していないもの)について、20℃の温度下で、正極活物質の質量(g)あたりの電流値:0.1A/gから5.0A/gの間の5点において、それぞれ1.0Vから2.9Vまで定電流充電を行い、充電電流と同じ電流値で放電を行って各容量を測定した。
図3に、実施例1、および比較例4、5の各電池の急速充放電試験結果を、図4に、実施例7および比較例6の各電池の急速充放電試験結果を、それぞれ示している。図3および図4のグラフでは、横軸に充電電流を示し、縦軸に容量を示している。
図3から、一次粒子径の大きな正極活物質および負極活物質を用いた比較例4および比較例5の電池に比べて、一次粒子径の小さな正極活物質および負極活物質を用いた実施例1の電池では、充放電電流を大きくし、急速充放電を行った場合の容量が大きいことが分かる。これは、活物質粒子内のリチウムイオンの移動速度が、同種の活物質では一定であるため、一次粒子径が一定の大きさ以上になると、活物質粒子全体にリチウムイオンが行き渡らなくなるためであると考えられる。例えば、1A/gの電流は、これらの電池では大凡7Cに相当し、通常の使用ではかなり高速な放電スピードに値する。
前記の結果から、急速充放電を行う場合、特定値以下の一次粒子径を有する活物質を使用することで、リチウムイオンの拡散スピードとの関係から、優れた出力を発揮し得るリチウム二次電池を構成できることが分かる。
また、図4から、厚みの大きな正極合剤層および負極合剤層を備えた比較例6の電池に比べて、これらの厚みの小さな実施例7の電池では、充放電電流を大きくし、急速充放電を行った場合の容量が大きいことが分かる。これは、正負極の合剤層が厚い場合に、その厚み方向のリチウムイオン拡散が追いつかないためであると考えられる。
前記の結果から、正極合剤層および負極合剤層の厚みの調節によって、電池の急速充放電特性を制御でき、特定の厚み以下とすることで、優れた急速充放電特性を有する電池を構成し得ることが分かる。
本発明のリチウム二次電池の一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)断面図である。 図2の斜視図である。 実施例1、比較例4および比較例5のリチウム二次電池の急速充放電試験結果を示すグラフである。 実施例7および比較例6のリチウム二次電池の急速充放電試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
15 開裂ベント

Claims (9)

  1. 正極活物質を含有する正極合剤層を有する正極、スピネル型結晶構造またはラムスデライト型結晶構造のリチウムチタン複合酸化物を負極活物質として含有する負極合剤層を有する負極、およびセパレータを有するリチウム二次電池であって、
    前記セパレータが、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有し、かつ前記多孔質層(I)が少なくとも前記負極に面しており、
    前記正極活物質および前記負極活物質は、一次粒子径が1μm以下であり、
    前記正極合剤層および前記負極合剤層の厚みが50μm以下であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 負極活物質として、スピネル型結晶構造のLiTi12、またはその構成元素の一部が他の元素で置換されたリチウムチタン複合酸化物を含有している請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 多孔質層(II)に含まれるフィラーの少なくとも一部が板状粒子である請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 多孔質層(II)に含まれるフィラーの少なくとも一部が、一次粒子が凝集した二次粒子構造を有している請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. 多孔質層(II)に含まれるフィラーが、アルミナ、シリカおよびベーマイトよりなる群から選択される少なくとも1種の粒子である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 多孔質層(II)が、耐熱温度が150℃以上の多孔質基体を有している請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  7. 多孔質層(I)が、融点が100〜140℃のポリオレフィンを含有している請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  8. セパレータの150℃における熱収縮率が5%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  9. 150℃に昇温後の内部抵抗が、室温における内部抵抗の5倍以上である請求項1〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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