JP2009190405A - 発光装置、プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路基板62の表面に、発光部63は、発光チップS(S1〜S40)を、主走査方向(X方向)に一次元的に千鳥状に配置して構成されている。回路基板62の裏面には、バイパスコンデンサC(C1〜C21)と、信号発生回路100とが設けられている。バイパスコンデンサC(C1〜C20)のGND極201とVcc極202とは、回路基板62の副走査方向(Y方向)に並ぶように配置されている。そして、隣り合うバイパスコンデンサC間で、GND極201とVcc極202とが互い違いになるように配置されている。
【選択図】図3
Description
特許文献2には、複数の発光ダイオードからなる発光ダイオードアレイを回路配線基板の一方の面に設け、この回路配線基板の他方の面に発光ダイオード駆動用の正負の電源ラインとしてそれぞれ金属板を設け、これら正の電源ラインの金属板と負の電源ラインの金属板との間にコンデンサを設けたことを特徴とする発光ダイオードアレイ装置が記載されている。
特許文献3には、1ラインに配列される複数の発光素子と、電源側の給電点に接続される薄膜配線で形成した第1の電源線と、接地側の給電点に接続される薄膜配線で形成した第2の電源線とを備え、前記各発光素子を前記第1の電源線および第2の電源線間に接続するラインヘッドであって、前記第1の電源線と第2の電源線間に、電源線の電圧変動抑制手段を接続したことを特徴とする、ラインヘッドが記載されている。
請求項2に記載の発明は、複数の前記発光チップは、前記基板の表面に設けられ、複数の前記コンデンサは、当該基板の裏面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置である。
請求項3に記載の発明は、複数の前記発光チップは、並行して駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置である。
請求項4に記載の発明は、複数の前記発光チップは、それぞれが複数の発光サイリスタを一次元に配列した自己走査型発光素子アレイを搭載し、同期して駆動されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置である。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、回路基板を小型化できる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、バイパスコンデンサの充放電によるノイズの発生がより抑制できる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、発光装置の構成が簡略化できる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、バイパスコンデンサの充放電によるノイズの発生を抑制した発光装置を使用して、安定した露光が行われる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、バイパスコンデンサの充放電によるノイズの発生を抑制したプリントヘッドを使用して、安定した画像形成が行われる。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。この画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3に接続され、これらから受信された画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像処理部40を備えている。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像を記録用紙に多重転写させるために、この記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト21と、用紙搬送ベルト21を駆動させるロールである駆動ロール22と、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙に転写させる転写手段の一例としての転写ロール23と、記録用紙にトナー像を定着させる定着器24とを備えている。
ここでは、回路基板62と、回路基板62に搭載された発光部63、信号発生回路100などをまとめて、露光手段が備える発光装置65と呼ぶ。
図3(a)に示すように、回路基板62は主走査方向(X方向)に長尺である。この回路基板62の表面に、発光部63は、例えば40個の発光チップS(S1〜S40)を、基板の長手方向(X方向)に一次元的に二列に千鳥状に配置して構成されている。以下では、発光チップS1〜S40をそれぞれ区別しないで説明するときは、発光チップSと呼ぶ。
なお、本実施の形態では、信号発生回路100は、回路基板62の長手方向(X方向)の中央に設けられている。
そして、回路基板62の発光チップSを設けた側を回路基板62の表面、回路基板62のバイパスコンデンサCを設けた側を回路基板62の裏面と呼ぶ。
このように、本実施の形態においては、バイパスコンデンサCは、2つの電極が回路基板62の短手方向に並ぶように配置され、GND電位に接続される電極(GND極201)とVcc電位に接続される電極(Vcc極202)とが、隣接するバイパスコンデンサC間で互い違いに配置されている。
なお、図3(b)では、GND極201を“GND”とVcc極202を“Vcc”と、記載して、理解が容易になるようにした。
図5は、図3に示すIII−III線での断面構造(バイパスコンデンサC2〜C5部分)を示している。図の横方向がX方向、図の上方向がZ方向である。なお、図5は、バイパスコンデンサC2〜C5の一方の電極(GND極201またはVcc極202)の中央で切断した断面構造を示している。
回路基板62は、厚さ方向の中央に絶縁材料から構成されるコア層301を備えている。そして、コア層301の上面(図において上側の面を指す。以下同様とする。)側には、導電材料から構成され、電源(Vcc)電位が供給される電源(Vcc)層302を備えている。一方、コア層301の下面(図において下側の面を指す。以下同様とする。)側には、導電材料から構成され、接地(GND)電位が供給される接地(GND)層303を備えている。
さらに、回路基板62は、Vcc層302の上面に絶縁材料から構成されるプリプレグ層304と、さらに、プリプレグ層304の上面に導電材料から構成される配線層305とを備えている。配線層305は、Vcc層302に接続される配線305aと、GND層303に接続される配線305bと、信号発生回路100から各発光チップS(S1〜S40)に送信される転送信号および点灯信号のための配線305cとを備えている(後述する図6参照)。
一方、回路基板62は、GND層303の下面に絶縁材料から構成されるプリプレグ層306と、プリプレグ層306の下面に導電材料から構成される配線層307とを備えている。配線層307は、Vcc層302に接続される配線307aと、GND層303に接続される配線307bとを備えている。
そして、回路基板62は、GND層303と配線307bとを接続するための、プリプレグ層306を貫いて設けられた配線310を備えている。
図示しないが、回路基板62は、配線309および配線310と同様に、Vcc層302と配線305aとを接続するための配線と、GND層303と配線305bとを接続するための配線とを備えている。さらに、回路基板62の裏面中央に設けられた信号発生回路100から、回路基板62の表面に設けられた発光チップS(S1〜S40)に送信される転送信号および点灯信号のための配線が、コア層301、プリプレグ層304、306、Vcc層302、GND層303を貫いて設けられている。
図4(a)において、発光チップS4、S5はその裏面が、配線305a上に、導電性接着剤により固定されている。そして、発光チップS4、S5は、裏面に形成されたSUB端子(後述する図6、図7参照)を介して、Vcc電位が供給される。一方、発光チップS4、S5のGND端子(後述する図6、図7参照)は、ワイヤボンド311により、配線305bに接続されている。そして、発光チップS4、S5は、GND端子(後述する図6、図7参照)を介してGND電位が供給される。
説明を省略するが、図4(b)に示す、発光チップS6、S7においても、同様である。
バイパスコンデンサCは、例えばセラミックコンデンサである。なお、セラミックコンデンサは、極性を有しないため、GND極201とVcc極202とは区別されない。しかし、説明の便宜上、接続される電位(GND電位またはVcc電位)によって、GND極201とVcc極202とに区別した。
さて、バイパスコンデンサC3のGND極201は、図4(a)に示すように、GND層303に接続された配線307bに接続され、GND電位が供給される。そして、Vcc極202は、Vcc層302に接続された配線307aに接続され、Vcc電位が供給される。
一方、バイパスコンデンサC4のVcc極202は、図4(b)に示すように、Vcc層302に接続された配線307aに接続され、Vcc電位が供給される。そして、GND極201は、GND層303に接続された配線307bに接続され、GND電位が供給される。
つまり、本実施の形態では、バイパスコンデンサC2〜C5は、X方向においてGND極201とVcc極202との位置が互い違いになるように配置されている。
信号発生回路100は、点灯信号発生部110と転送信号発生部120とを備えている。信号発生回路100には、図示しないが、画像出力制御部30および画像処理部40(図1参照)より、画像処理された画像データおよび各種の制御信号が入力される。そして、信号発生回路100は、これらの画像データおよび各種の制御信号に基づいて、画像データの並び替えや発光強度の補正等を行う。
また、転送信号発生部120は、各種の制御信号に基づき、各発光チップS1〜S40に対して、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を出力する。
また、回路基板62には、信号発生回路100の転送信号発生部120から発光部63に、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2をそれぞれ送信する第1転送信号ライン107および第2転送信号ライン108が設けられている。さらに、回路基板62には、信号発生回路100の点灯信号発生部110から各発光チップS(S1〜S40)に第1点灯信号φI1(φI1_1〜φI1_40)と第2点灯信号φI2(φI2_1〜φI2_40)とを送信する80本の点灯信号ライン109(109_1〜109_80)も設けられている。さらに、回路基板62には、80本の点灯信号ライン109(109_1〜109_80)に過剰な電流が流れるのを防止するための80個の点灯電流制限抵抗RIDが設けられている。
そして、発光ブロックB1とB2とは、それぞれ点灯信号φI1とφI2とが個別に供給される点が異なるが、他は同じ構成を有している。同じ構成を有する部分は、図7において、左右対称になるように構成されている。ここでは、発光チップS1の発光ブロックB1を例として、発光チップSの平面レイアウトおよび回路構成を説明する。
なお、転送サイリスタT1〜T128をそれぞれ区別しないときは、転送サイリスタTと、発光サイリスタL1〜L128をそれぞれ区別しないときは、発光サイリスタLと呼ぶ。同様に、ダイオードD1〜D127をそれぞれ区別しないときは、ダイオードDと、抵抗R1〜R128をそれぞれ区別しないときは、抵抗Rと呼ぶ。
なお、発光ブロックB2においては、発光サイリスタL、転送サイリスタT、ダイオードD、抵抗Rの配列の順は、発光ブロックB1とは逆に、右側から左側へと配列されている。後述するように、発光ブロックB1およびB2は、発光サイリスタL1からL128へと順に点灯制御されるので、発光ブロックB1では図の左から右へと、発光ブロックB2では図の右から左へと点灯制御される。
発光チップS1は、発光ブロックB1と発光ブロックB2とを合わせて256個の発光サイリスタLを備えている。
各転送サイリスタT1〜T128および各発光サイリスタL1〜L128のアノード端子は、発光チップS1の基板に接続されている。そして、これらのアノード端子は、基板に設けられたSUB端子を介して電源ライン105(図6参照)に接続されている。この電源ライン105には、Vcc電位(3.3V)が供給される。
また、各転送サイリスタT1〜T128のゲート端子G1〜G128は、各転送サイリスタT1〜T128に対応して設けられた抵抗R1〜R128をそれぞれ介して電源配線71に接続され、GND端子に接続されている。そして、GND端子は、電源ライン106(図6参照)に接続され、GND電位(0V)が供給される。
一方、偶数番目の転送サイリスタT2、T4、…、T128のカソード端子は、第2転送信号配線73に接続され、転送電流制限抵抗R2Aを介して第2転送信号φ2の入力端子であるφ2端子に接続されている。このφ2端子には、第2転送信号ライン108(図6参照)が接続され、第2転送信号φ2が供給される。
すなわち、発光チップS1において、発光ブロックB1とB2とでは、それぞれ異なる第1点灯信号φI1と第2点灯信号φI2とが供給される。
すなわち、各発光チップS(S1〜S40)は、第1点灯信号φI1および第2点灯信号φI2がそれぞれ異なるが、一組の第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とが共通に供給され、同期して並行に駆動される。
発光サイリスタL1〜L128は、後述するように、1個ずつ順に点灯/非点灯の制御(点灯制御)がされていく。このため、各発光サイリスタL1〜L4の点灯/非点灯が期間Tを周期として行われるとし、時刻aから時刻dまでを発光サイリスタL1を点灯制御する期間T(L1)、時刻dから時刻hまでを発光サイリスタL2を点灯制御する期間T(L2)、時刻hから時刻lまでを発光サイリスタL3を点灯制御する期間T(L3)、そして時刻lから時刻pまでを発光サイリスタL4を点灯制御する期間T(L4)とする。
第1転送信号φ1は、時刻hでハイレベル(以下、「H」と記す)からローレベル(以下、「L」と記す)に、時刻mで「L」から「H」に移行し、その他の期間は「H」である。
第2転送信号φ2は、時刻hで「L」であり、時刻iで「L」から「H」に移行し、時刻lで「H」から「L」に移行する。そして、時刻pでは「L」を維持する。
ここで、第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とを比較すると、第2転送信号φ2は、第1転送信号φ1を期間Tに相当する期間だけ時間軸上を右にシフトした信号にあたる。
そして、期間T(L3)の開始時刻hから時刻iまでの期間と、期間T(L4)の開始時刻lから時刻mまでの期間は、第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とは、共に「L」になっている。すなわち、期間Tの開始時刻においては、第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とは、共に「L」になっている。
第1点灯信号φI1は、第1転送信号φ1または第2転送信号φ2のいずれか一方のみが「L」にある間(第1転送信号φ1では時刻iから時刻l、第2転送信号φ2では時刻mから時刻p)に、「Le」になる。
そして、サイリスタがオンすると、サイリスタのゲート端子Gの電位は、サイリスタのアノード端子の電位(アノード電位)となる。また、オン状態のサイリスタのカソード端子の電位は、pn接合の拡散電位Vdになる。
一度、サイリスタがオン状態になると、カソード端子の電位が、サイリスタのオン状態を維持するに必要な電位以上になるまで、サイリスタはオン状態を維持する。例えば、カソード端子の電位とアノード端子の電位とを同じにすれば、サイリスタはオン状態を維持できずオフする。
ゲート端子G1に接続されているスタートダイオードDsのカソード端子は、「L」になっている。一方、第2転送信号φ2に接続されているスタートダイオードDsのアノード端子は、「H」になっている。したがって、スタートダイオードDsは順バイアス状態になっている。
すると、ゲート端子G1の電位は、順バイアス状態のスタートダイオードDsにより、スタートダイオードDsのアノード端子の電位「H」(3.3V)からpn接合の拡散電位Vdを引いた値に設定される。例えば、GaAsの場合、拡散電位Vdは1.5Vである。すると、ゲート端子G1の電位は1.8Vとなる。よって、転送サイリスタT1のしきい電圧は0.3Vである。
時刻aにおいて、第1転送信号φ1が、「H」(3.3V)から「L」(0V)に移行する。すると、第1転送信号φ1がカソード端子に接続されている転送サイリスタT1は、しきい電圧が0.3Vであるので、オンする。
しかし、第1転送信号φ1がカソード端子に接続された転送サイリスタT3は、しきい電圧は−1.5Vであるので、オンすることができない。
すなわち、時刻aにおいて、オンできるのは、転送サイリスタT1に限られる。
なお、時刻aにおいて、第2転送信号φ2は、「H」に維持されているので、転送サイリスタT2、T4、…、T128もオンすることができない。
一方、発光サイリスタL2のゲート端子G2の電位(転送サイリスタT2のゲート端子G2の電位に等しい)は1.3Vであるので、発光サイリスタL2のしきい電圧は0.3Vになっている。そして、発光サイリスタL3のゲート端子G3の電位は0.3Vであるので、発光サイリスタL3のしきい電圧は−1.2Vになっている。それ以降の発光サイリスタL4、…、L128のゲート端子の電位は0Vであるので、発光サイリスタL4以降のしきい電圧は−1.5Vである。
このとき、転送サイリスタT1はオン状態を維持している。
前述したように、転送サイリスタT2のしきい電圧は、0.3Vになっている。
そこで、時刻dにおいて、第2転送信号φ2を、転送サイリスタT2のしきい電圧の0.3Vより低い「L」(0V)にすると、転送サイリスタT2がオンする。これにより、ゲート端子G2の電位は3.3Vになる。すると、転送サイリスタT3のゲート端子G3の電位が、ダイオードD2を介して、0.3Vになる。
しかし、第1転送信号配線72の電位は、オン状態の転送サイリスタT1により、1.8Vに固定されているため、転送サイリスタT3はオンしない。
さらに、転送サイリスタT2がオン状態になると、ゲート端子G2の電位は3.3Vになる。すると、発光サイリスタL2のしきい電圧は1.8Vになる。
なお、時刻dでは、転送サイリスタT1はオン状態を維持している。
また、転送サイリスタT3のカソード端子も「H」になるため、転送サイリスタT3のアノード端子とカソード端子は共に「H」になる。このため、転送サイリスタT3はオンしない。
時刻hでは、前述したように、転送サイリスタT3のゲート端子G3の電位が1.8Vで、しきい電圧が0.3Vになっている。そこで、第1転送信号φ1をL(0V)にすると、転送サイリスタT3がオンする。すると、転送サイリスタT3のゲート端子G3は3.3Vになり、転送サイリスタT4のゲート端子G4の電位は、ダイオードD3を介して、1.8Vになる。このとき、転送サイリスタT2とT3とはともにオン状態になっている。
そして、時刻iにおいて、第2転送信号φ2を「H」にすると、転送サイリスタT2のアノード端子の電位とカソード端子の電位がともに「H」になるので、転送サイリスタT2はもはやオン状態を維持できず、オフする。
そして、時刻kにおいて、第1点灯信号φI1を「H」にすると、発光サイリスタL3のアノード端子の電位とカソード端子の電位がともに「H」になるので、発光サイリスタL3はもはや点灯を維持することができず消灯する。
こののち、時刻lから始まる期間T(L4)では、時刻dから始まる期間T(L2)と同様な操作となる。すなわち、これ以降は、期間T(L2)とT(L3)とを順に繰り返すように操作すればよい。
そして、転送サイリスタTのゲート端子Gの電位の変化とともに、ゲート端子Gに接続された発光サイリスタLのしきい電圧の値が小さくなる。そこで、画像データに基づいて第1点灯信号φI1(または第2点灯信号φI2)を「Le」にして“点灯”に設定したり、「H」のままとして“非点灯”としたりすることで、発光サイリスタLの点灯/非点灯を制御しうる。
さらに、発光部63を構成する発光チップS(S1〜S40)においても、一組の第1転送信号φ1と第2転送信号φ2とにより、同期して並行に駆動される。そして、各発光チップS(S1〜S40)に、画像データに基づいた第1点灯信号φI1(φI1_1〜φI1_40)と第2点灯信号φI2(φI2_1〜φI2_40)とが別々に供給されるので、発光チップS(S1〜S40)のそれぞれの発光ブロックB1およびB2の発光サイリスタL1〜L128の点灯/非点灯が個別に制御される。
電気回路(LSI)、特にデジタル回路では、信号の変化時に大電流が流れて、電源からの電流供給が間に合わず、電源電圧の低下を生じる。この結果、電気回路(LSI)の誤動作が引き起こされる。そこで、これを防止するため、電気回路(LSI)の近傍に設けたバイパスコンデンサに一定の電荷を蓄積し、瞬時の電流供給を賄っている。
このとき、バイパスコンデンサは、信号の変化時毎に充放電を繰り返す。バイパスコンデンサの充放電に伴って電流が流れるため、磁界が発生する。そして、磁界が時間的に変化することにより、バイパスコンデンサの周囲の回路に逆起電力を誘発する。
この逆起電力は、電気回路(LSI)に対してノイズ(電磁ノイズ)となる。そして、このノイズは、電気回路(LSI)の誤動作を生じさせる。
すると、それぞれのバイパスコンデンサCの充放電により生じる磁界が重畳され、大きな逆起電力を誘発し、例えば、信号発生回路100などの電気回路に誤動作を生じさせるノイズとなることが考えられる。
図9(a)および(b)は、図5と同様に、バイパスコンデンサC2〜C5の部分を例として説明した図である。図9(a)および(b)は、図3(b)と同様に、回路基板62の裏面から見たとした場合の等価回路である。
バイパスコンデンサCを充電する場合には、Vcc側からバイパスコンデンサCへ向かって電流が流れる。このとき、バイパスコンデンサC2およびC4では、図の上から下へそれぞれ電流I2cとI4cとが流れる。そして、バイパスコンデンサC2およびC4の回りに、電流の向きに対して右回りの磁界Hを形成する。この結果、回路基板62の内部(紙面に対して奥側)に、回路基板62の長手方向に右向きの磁界H2cとH4cとを発生する。
一方、バイパスコンデンサC3およびC5では、逆に、図の下から上へ電流I3cとI5cとがそれぞれ流れる。この結果、回路基板62の内部において、回路基板62の長手方向に左向きの磁界H3cとH5cとを発生する。
磁界H2cおよびH4cの向きと、磁界H3cおよびH5cの向きとは、逆向きである。
放電の場合は、バイパスコンデンサCからVcc側に向かって電流が流れる。すなわち、電流(I2d〜I5d)は、充電の場合の電流(I2c〜I5c)と、それぞれ流れる向きが逆になる。すると、電流によって作られる磁界Hの向きが逆になり、さらに、回路基板62の内部の磁界の向き(H2d〜H5d)がそれぞれ逆になる。
しかし、磁界H2d〜H5dは、充電の場合と同様に、隣接するバイパスコンデンサC間でそれぞれ互いに打ち消し合える関係になっている。
したがって、本実施の形態では、バイパスコンデンサCの発生する磁界が打ち消し合える関係になっているので、信号発生回路100などの電気回路に発生する逆起電力を低減し、ノイズの発生を抑制しうる。
バイパスコンデンサCを充電する場合には、Vcc側からバイパスコンデンサCへ向かって電流が流れる。このとき、バイパスコンデンサC2〜C5に同じ向き(図の上から下へ)の電流I2c〜I5cが流れる。そして、これらの電流によって発生する磁界Hの向きも同じになる。すると、回路基板62の内部(紙面に対して奥側)に、回路基板62の長手方向の右向きの磁界(H2c〜H5c)を発生する。これらの磁界(H2c〜H5c)は、同じ向きのため、互いに打ち消し合うことなく、合成されて、図中右向きの磁界Hcを発生する。
放電の場合は、バイパスコンデンサCからVcc側に向かって電流が流れる。すなわち、電流(I2d〜I5d)は、充電の場合の電流(I2c〜I5c)と、それぞれ流れる向きが逆になる。すなわち、バイパスコンデンサC2〜C5に同じ向き(図の下から上へ)の電流I2d〜I5dが流れる。そして、これらの電流によって発生する磁界Hの向きは充電の場合とは逆になるが、バイパスコンデンサC2〜C5で同じになる。そして、回路基板62の内部(紙面に対して奥側)に、回路基板62の長手方向の左向きの磁界(H2d〜H5d)を発生する。これらの磁界(H2d〜H5d)は、同じ向きのため、互いに打ち消し合うことなく、合成されて、図中左向きの磁界Hdを発生する。
すなわち、本実施の形態が適用されない発光装置65においては、バイパスコンデンサCが充電と放電を繰り返す毎に、回路基板62の長手方向に、右向きの磁界Hcと左向きの磁界Hdとを発生する。磁界のこのような時間的変化により、信号発生回路100などの電気回路に逆起電力を誘発し、ノイズが生じることになる。
例えば、部分的に、同じ向きのバイパスコンデンサCが並列に配置されてもよい。
さらに、2個の発光チップS当たり1個のバイパスコンデンサCを設けたが、1個の発光チップS当たり1個としてもよい。また、バイパスコンデンサCを発光チップSの数と無関係に設けてもよい。
さらに、発光装置65において、バイパスコンデンサCを規則的な間隔で設けなくともよく、信号発生回路100やコネクタの設けられる部分を避けて配置してもよい。
また、本実施の形態では、バイパスコンデンサCをセラミックコンデンサとしたが、タンタルコンデンサ、フィルムコンデンサ、電解コンデンサなどとしてもよい。
Claims (6)
- 基板と、
前記基板の長手方向に一次元的に配列され、第1の電位と第2の電位とに接続される複数の発光チップと、
前記発光チップの前記第1の電位に接続される第1の電極と前記第2の電位に接続される第2の電極とを前記基板の短手方向に並ばせ、隣接するコンデンサ間において当該第1の電極と当該第2の電極とが互い違いになるように前記基板の長手方向に配列される複数のコンデンサと
を有することを特徴とする発光装置。 - 複数の前記発光チップは、前記基板の表面に設けられ、複数の前記コンデンサは、当該基板の裏面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 複数の前記発光チップは、並行して駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
- 複数の前記発光チップは、それぞれが複数の発光サイリスタを一次元に配列した自己走査型発光素子アレイを搭載し、同期して駆動されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 基板と、当該基板の長手方向に一次元的に配列され、第1の電位と第2の電位とに接続される複数の発光チップと、当該発光チップの当該第1の電位に接続される第1の電極と当該第2の電位に接続される第2の電極とを当該基板の短手方向に並ばせ、隣接するコンデンサ間において当該第1の電極と当該第2の電極とが互い違いになるように当該基板の長手方向に配列される複数のコンデンサとを有する発光装置を備え、像保持体を露光する露光手段と、
前記発光装置から照射される光を前記像保持体に結像させる光学手段と
を備えたことを特徴とするプリントヘッド。 - 像保持体を帯電する帯電手段と、
基板と、当該基板の長手方向に一次元的に配列され、第1の電位と第2の電位とに接続される複数の発光チップと、当該発光チップの当該第1の電位に接続される第1の電極と当該第2の電位に接続される第2の電極とを当該基板の短手方向に並ばせ、隣接するコンデンサ間において当該第1の電極と当該第2の電極とが互い違いになるように当該基板の長手方向に配列される複数のコンデンサとを有する発光装置を備え、前記像保持体を露光する露光手段と、
前記露光手段から照射される光を前記像保持体上に結像させる光学手段と、
前記像保持体に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
前記像保持体に現像された画像を被転写体に転写する転写手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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