JP2009185227A - ポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂65%重量以上94%重量以下、可塑剤を5重量%以上30重量%以下と、有機滑剤を0.1重量%以上5重量%以下含んだチップ状物であって、メルトフローレートが0.1g/10min以上15g/10min以下とする。
【選択図】なし
Description
ポリ乳酸系樹脂65%重量以上94%重量以下、可塑剤5重量%以上30重量%以下、有機滑剤0.1重量%以上5重量%以下を含む組成物からなり、メルトフローレートが0.1g/10min以上15g/10min以下であることを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂系組成物からなるチップ状物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
[特性の測定ならびに評価方法]
(1)ポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物のメルトフローレート値[g/10min]
チップ状物サンプルを乾燥するなどして、水分率を700ppm以下にした後に、JIS−K7120 B法に準拠して、メルトインデクサで荷重2.16kg、温度170℃にてメルトフローレート値を測定した。
(2)フィルムの柔軟性
フィルムサンプルを長手方向150mm、幅方向10mmに切り出し、あらかじめ温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で24時間調湿した。この試料を23℃の雰囲気下でJIS K7161およびJIS K7127に準じて、テンシロン万能試験機UTC−100型(株式会社オリエンテック製)を用い、初期長50mm、引張速度300mm/分条件で引張試験を行い長手方向の引張弾性率を測定した。
◎ : 引張弾性率が0.1GPa以上1.0GPa未満の範囲
○ : 引張弾性率が1.0GPa以上1.5GPa未満の範囲
△ : 引張弾性率が1.5GPa以上2.0GPa未満の範囲
× : 引張弾性率が2.0GPa以上
(3)各原料の水分率測定[ppm]
カールフィッシャー水分計MKC−510N(京都電子工業株式会社)を使用して、カールフィッシャー法(電量滴定法)により測定した。測定時の加熱条件は、150℃とした。
(4)結晶融解熱量
チップサンプルを30℃で12時間減圧乾燥した後、4.0mg秤量して試料とした。
(5)乾燥時チップ状物のブロッキング性
チップ状物を温度100℃、露点−25℃の除湿熱風にて、所定の時間乾燥した後取り出してすぐに状態を確認し、次の基準で評価した。
◎ : ブロッキングは認められなかった。
○ : 10粒以下のサイズにブロッキングしたものがあったが手で容易にほぐれた。
△ : 10粒以上のサイズにブロッキングしたものがあったが手で容易にほぐれた。
× : 10粒以上のサイズにブロッキングしたものが発生しかつ強固に固着していた。
(6)インフレーション製膜性
インフレーション製膜性を次ぎの基準で評価した。
○ : バブル状に吹き上げ可能で製膜は12時間破れることなく安定していた。
△ : バブル状に吹き上げはできたが若干不安定であり、12時間製膜して1〜5回破れた。
× : バブル状に吹き上げはできたが不安定であり、12時間製膜して6回以上破れたかまたは製膜不可だった。
(7)乾燥時チップ状物のブリードアウト性
チップ状物を温度100℃、露点−25℃の除湿熱風にて、10時間乾燥した。取り出してすぐに状態を確認し、次の基準で評価した
○ : ブリートは認められなかった。
△ : チップの表面に若干ブリードしていたがチップ同士が粘着するほどではなかった。 × : チップの表面に出てチップ同士の粘着が認められた。
[使用したポリ乳酸系樹脂]
ポリ乳酸P1
D体含有量=12.0wt%、メルトフローレート=3g/10min、
水分量=490ppm、Tm=無し、重量平均分子量=200,000
ポリ乳酸P2
D体含有量=1.4wt%、メルトフローレート=2g/10min、
水分量=360ppm、Tm=166℃、重量平均分子量=220,000
ポリ乳酸P3
D体含有量=1.4wt%、メルトフローレート=30g/10min
水分量=450ppm、Tm=166℃、重量平均分子量=110,000
ポリ乳酸P4
D体含有量=4.0wt%、メルトフローレート=2g/10min
水分量=380ppm、Tm=153℃、重量平均分子量=220,000
[可塑剤の製造方法]
可塑剤S1
数平均分子量8000のポリエチレングリコール62重量%とL−ラクチド38重量%とオクチル酸スズ0.025重量%を混合し、窒素雰囲気下150℃で3時間重合することで、ポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2500のポリ乳酸セグメントを有する可塑剤S1を得た。水分量を測定すると、1650ppmであった。
可塑剤S2
数平均分子量10000のポリエチレングリコール62重量%とL−ラクチド38重量%とオクチル酸スズ0.025重量%を混合し、窒素雰囲気下150℃で3時間重合することで、ポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2400のポリ乳酸セグメントを有する可塑剤S2を得た。水分量を測定すると、1380ppmであった。
可塑剤S3
数平均分子量6000のポリエチレングリコール62重量%とL−ラクチド38重量%とオクチル酸スズ0.025重量%を混合し、窒素雰囲気下150℃で3時間重合することで、ポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2300のポリ乳酸セグメントを有する可塑剤S3を得た。水分量を測定すると、1500ppmであった。
可塑剤S4
数平均分子量8000のポリエチレングリコール。水分量を測定すると、1700ppmであった。
可塑剤S5
クエン酸アセチトルトリブチル(森村商事社製、 “シトロフレックスA−4”)
[使用した添加剤]
有機滑剤SL1
ステアリン酸アミド(日本油脂社製、“アルフロー S−10”)
添加剤A1
カルボジイミド変性イソシアネート(日清紡社製、“カルボジライト LA−1”)
ポリエステルPA1
ポリブチレンサクシネート・アジペート系樹脂(昭和高分子社製、“ビオノーレ #3001)
[ポリ乳酸系樹脂組成物の作成]
(実施例1)
ポリ乳酸P1を54重量%、ポリ乳酸P2を20重量%、可塑剤S1を25重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化しガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物のチップを得た。
(実施例2)
ポリ乳酸P1を64重量%、ポリ乳酸P2を10重量%、可塑剤S1を25重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(実施例3)
ポリ乳酸P1を54重量%、ポリ乳酸P2を20重量%、可塑剤S1を25重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に、供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。この樹脂組成物チップを温度100℃、露点−25℃の除湿熱風にて5時間乾燥した。
(実施例4)
ポリ乳酸P1を54重量%、ポリ乳酸P2を20重量%、可塑剤S5を25重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(実施例5)
ポリ乳酸P1を64重量%、ポリ乳酸P2を10重量%、可塑剤S5を25重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。この樹脂組成物チップを温度100℃、露点−25℃の除湿熱風にて5時間乾燥した。
(実施例6)
ポリ乳酸P1を69重量%、ポリ乳酸P2を20重量%、可塑剤S1を10重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(実施例7)
ポリ乳酸P1を55重量%、ポリ乳酸P2を16重量%、可塑剤S4を29重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(実施例8)
ポリ乳酸P1を55重量%、ポリ乳酸P2を16重量%、可塑剤S2を29重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(実施例9)
ポリ乳酸P1を44重量%、ポリ乳酸P2を12重量%、ポリ乳酸P4を20重量%、可塑剤S1を22重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%、添加剤A1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(比較例1)
ポリ乳酸P1を45重量%、ポリ乳酸P2を20重量%、可塑剤S1を25重量%、有機滑剤SL1を10重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(比較例2)
ポリ乳酸P1を74重量%、ポリ乳酸P2を22重量%、可塑剤S1を3重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(比較例3)
ポリ乳酸P1を55重量%、ポリ乳酸P2を20重量%、可塑剤S1を25重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。
(比較例4)
ポリ乳酸P1を34重量%、ポリ乳酸P2を10重量%、可塑剤S1を55重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練を試みたが、溶融粘度が低すぎて安定したガット状に押し出すことができなかった。
(比較例5)
ポリ乳酸P1を54重量%、ポリ乳酸P3を16重量%、可塑剤S3を29重量%、有機滑剤SL1を1.0重量%の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化してガット状に押出した後水浴にて冷却固化してカットすることで樹脂組成物チップを得た。以下、実施例1と同様に製膜を試みたが環状ダイスよりバルブ状に上向きに押出して引き取ることができず製膜不可であった。結果を表2に示した。
Claims (7)
- ポリ乳酸系樹脂65%重量以上94%重量以下、可塑剤5重量%以上30重量%以下、有機滑剤0.1重量%以上5重量%以下を含む組成物からなり、メルトフローレートが0.1g/10min以上15g/10min以下であることを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂系組成物からなるチップ状物。
- 可塑剤が常温で固体状であることを特徴とする、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物。
- 可塑剤が、ポリエーテル系セグメントおよび/またはポリエステル系セグメントを含有し、かつ一分子中に数分子量が1,200以上10,0000以下のポリ乳酸セグメントを一つ以上有するブロック共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物。
- 示差走査熱量測定による結晶融解熱量ΔHplaが、5J/g以上60J/g以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物。
- 水分率が1000ppm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物。
- インフレーション製膜法に用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなるチップ状物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のチップ状物からなるフィルム。
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2008
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