JP2009181876A - リチウムイオン二次電池用積層体の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解質、正極、負極からなるリチウムイオン二次電池用積層体を簡単に能率的に製造し、グリーンシートを所定の寸法に切断する際にグリーンシートの切断面付近の部分に生じる変形を最小限に抑えることができる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】正極、電解質、負極のそれぞれのグリーンシートを作製する工程と、各グリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、この積層体を所定の縦横寸法に切断する工程と、所定の寸法に切断された積層体を焼成する工程を含むリチウムイオン二次電池用積層体の製造方法。この切断は、切断刃を積層体に表面に対し垂直に当てて押し切る。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解層、正極および負極からなるリチウムイオン二次電池用積層体の製造方法に関し、特に正極、電解質、負極のそれぞれのグリーンシートを積層してなる積層体を一括焼結してなる全固体リチウムイオン二次電池用積層体の製造方法に関する。
従来リチウムイオン二次電池における電解質としては、一般に非水系の電解液をセパレータと称される微多孔膜に含浸させた電解質が使用されていたが、漏液や発火のおそれがあるため、近年このような液体が中心の電解質に代わり、電解質に無機の固体電解質を用いた全固体電池が提案されている。全固体電池は、電解液など可燃性の有機溶剤を用いないため、液漏れや発火のおそれがないため、安全性に優れている。しかし、全固体電池の場合、正極、電解質、負極のすべてが固体であるため、それぞれの接触界面がとり難く、界面抵抗が高くなってしまうという問題がある。この場合、電極―電解質界面でのリチウムイオン伝導性が充分に高くないため、いまだ実用に供されていない。
このような全固体電池の一つとして、特許文献1は、固体電解質、正極および負極を特定の組成の粉体を主成分として含有するスラリーからグリーンシートとして作成し、このグリーンシートをそれぞれ焼成してなる固体電解質と、正極用グリーンシートおよび負極用グリーンシートをそれぞれ所定の寸法に切断した後固体電解質および正極用グリーンシート、負極用グリーンシートの3者を貼り合わせることによりリチウムイオン二次電池用積層体を得る方法を開示している。
このように固体電解質、正極および負極をそれぞれ所定の寸法に切断してから貼り合わせて積層体とする方法は、それぞれを所定の寸法に切断するために手間がかかり、生産効率が悪いという問題点がある。
また、粉体を構成する粒子をバインダーで相互に結合させてなるグリーンシートを切断する際に、たとえばはさみで切断するとグリーンシートの切断面の両側にかかる応力が均等でないため、グリーンシートの切断面付近にひずみが発生し、切断後のグリーンシートの切断面付近の部分に膨出や欠落あるいは不陸等の変形が生じるという問題がある。このようなグリーンシートの変形はその後他の電池構成部材を積層して電池を構成する際に積層界面における接触不良の原因となるので、極力防止しなければならない。
特開2001−93536号公報
本発明は、上記従来の全固体リチウムイオン二次電池用積層体の製造方法における問題点にかんがみなされたものであって、本発明の第1の目的は、固体電解質、正極、負極からなるリチウムイオン二次電池用積層体を簡単に能率的に製造できる方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、グリーンシートを所定の寸法に切断する際にグリーンシートの切断面付近の部分に生じる変形を最小限に抑えることができるリチウムイオン二次電池用積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、固体電解質の両面に正極および負極を形成したリチウムイオン二次電池用積層体を作成するもっとも能率的な方法として、固体電解質、正極、負極のそれぞれをグリーンシートで作製し、これらのグリーンシートを積層してグリーンシート積層体とし、子の積層体を一括焼成してリチウムイオン二次電池用積層体とする方法について実験と研究を重ねた結果、各グリーンシートをそれぞれ所定の寸法に切断してから積層体に積層する代わりに、できあがった各グリーンシートを所定の寸法に切断せずにそのまま積層して積層体を作り、この積層体をまとめて所定の寸法に切断した後一括焼結することにより、リチウムイオン二次電池用積層体を効率よく生産できることを発見し、本発明に到達した。
すなわち、上記本発明の第1の目的を達成する本発明の第1の構成は、正極、電解質、負極のそれぞれのグリーンシートを作製する工程と、正極、電解質、負極の該グリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体を所定の縦横寸法に切断する工程と、該所定の寸法に切断された積層体を焼成する工程を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用積層体の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する本発明の第2の構成は、前記切断は、切断刃を該積層体に表面に対し垂直に当てて押し切ることを特徴とする第1の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する本発明の第3の構成は、前記切断に使用する切断刃は切断時に所定温度に加熱されていることを特徴とする第1または第2の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する本発明の第4の構成は、回転式の刃を用いて該回転式の刃の回転につれて刃の外縁が該積層体の表面上に順次接触するようにして進行しながら該積層体を順次切断することを特徴とする第1の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する本発明の第5の構成は、前記切断は、切断用の型を該積層体の表面に当てて該積層体を打ち抜くことを特徴とする第1の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する第6の構成は、前記切断は、固定した切断刃を該積層体の表面に対し垂直に当てた状態で該積層体を該切断刃に沿って移動させるようにして該積層体を順次切断することを特徴とする第1の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する第7の構成は、前記切断は、回動中心の周りに回動する切断刃を、該積層体の表面に垂直に当てるようにして順次回動させることにより該積層体を順次切断することを特徴とする第1の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する第8の構成は、前記切断は、高圧の液体を該積層体の表面の垂直方向にジェット流として衝突させるようにして噴出させながら該高圧液体のジェット流を順次移動させることにより該積層体を順次切断することを特徴とする第1の構成記載の製造方法である。
上記本発明の第2の目的を達成する本発明の第9の構成は、切断した後に、該積層体を所定の温度に加熱してプレスすることを特徴とする第1〜第8の構成のいずれかに記載の製造方法である。
本発明によれば、正極、電解質、負極のそれぞれのグリーンシートを所定の寸法に切断することなく積層して積層体を作製した後該積層体を所定の寸法に切断して一括焼成するので、それぞれのグリーンシートを切断してから積層する方法に比べてリチウムイオン二次電池用積層体を能率的に生産することができる。
また、本発明によれば、グリーンシート積層体の切断は、切断刃を該積層体に表面に対し垂直に当てて押し切ることにより行うので、刃の押し下げにより発生した応力が積層体の切断面の両側の部分に均等にかかり、応力の不均一によって生じる切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
また、本発明によれば、前記切断に使用する切断刃を切断時に所定温度に加熱されている状態で切断することにより、積層体の切断面付近の部分のバインダーが柔らかくなりグリーンシートを構成する無機粉体粒子がすべりやすくなり、スムーズな切断が行えるので、切断面付近の変形を一層防止することができる。
また本発明によれば、回転式の刃を用いて該回転式の刃の回転につれて刃の外縁が積層体の表面上に順次接触するようにして進行しながら積層体を順次切断することにより、回転刃の回転押し下げにより発生した応力が積層体の切断面の両側の部分に均等にかかり、応力の不均一によって生じる切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
また本発明によれば、切断用の型を積層体の表面に当てて型により発生する応力が均等にかかるようにして積層体を打ち抜くことにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
また本発明によれば、固定した切断刃を積層体の表面に対し垂直に当てた状態で積層体を切断刃に沿って移動させるようにして積層体を順次切断することにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
また本発明によれば、回動中心の周りに回動する切断刃を、積層体の表面に垂直に当てるようにして順次回動させることにより積層体を順次切断することにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
また本発明によれば、高圧の液体を該積層体の表面の垂直方向にジェット流として衝突させるようにして噴出させながら高圧液体のジェット流を順次移動させることにより積層体を順次切断することにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
さらに本発明によれば、切断した後に、積層体を所定の温度に加熱してプレスすることにより、積層体の切断面付近の部分に残るひずみを除去するとともに切断によって生じた変形をなくして平坦な積層体表面を得ることができる。
以下本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本明細書において、「グリーンシート」とは、焼成前のガラスや無機酸化物等のセラミックスの主に粉体に有機バインダー、可塑剤、溶剤等を混合し混合スラリーとして、これを薄板状に成形した未焼成体を意味することができる。この成形は、ドクターブレードやカレンダ法、スピンコートやディップコーティングなどの塗布法、インクジェット、バブルジェット(登録商標)、オフセットなどの印刷法、ダイコーター法、スプレー法等により行うことができ、混合スラリーから薄板状のグリーンシートを作ることができる。一般的には前記混合スラリーを離型処理を施したPET等のフィルム上に成形し、乾燥後に剥離することにより作製するが、積層する相手のグリーンシートまたはセラミックス等の上にスラリーを直接成形しても良く、この方法によって作製された層もグリーンシートの概念に含んでもよい。この焼成前のグリーンシートは柔軟であり、任意の形状に切断することや、積層することも可能である。
本発明の製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池用積層体は、固体電解質、正極、負極のそれぞれを粉末のスラリーからなるグリーンシートに形成し、正極グリーンシートおよび負極グリーンシートを固体電解質のグリーンシートの両面に積層した後一括焼成することにより形成する積層体である。
本発明のリチウムイオン二次電池用積層体の製造方法は、正極、電解質、負極のそれぞれのグリーンシートを作製する工程と、正極、電解質、負極の該グリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体を所定の縦横寸法に切断する工程と、該所定の寸法に切断された積層体を焼成する工程を含むものである。
固体電解質グリーンシート、正極グリーンシート、負極グリーンシートの等のグリーンシートの作製について説明する。グリーンシートは均一な厚みに形成することが望ましい。焼成時、均一にグリーンシートが加熱され易いからである。加熱の程度に応じて温度が上昇し焼結が進むが、均一な加熱で均一に焼成され、緻密な焼結体で気孔率が20vol%以下と非常に少ないシート状のグリーンシートを得ることができる。そこで、焼成前のグリーンシートの厚みの変化は、焼成前のグリーンシートの厚みの分布の平均値に対して+10%から−10%の範囲であると好ましい。さらに、原料を十分混合することにより、グリーンシートの組成を均一にし、焼成前にロールプレスや一軸、等方加圧などにより加圧し、緻密化しておくことにより、焼成後も緻密で気孔率の少ないグリーンシートを得ることができる。そこで原料の混合は、例えばボールミルで少なくとも1時間以上行なうことが望ましい。
固体電解質グリーンシートはリチウムイオン伝導性無機物粉体または熱処理によりリチウムイオン伝導性が発現する無機粉体が含まれる。
正極グリーンシートには上記の材料以外に活物質の粉体が含まれる。ここで、正極グリーンシートに使用する活物質としては、Liイオンの吸蔵、放出が可能な遷移金属化合物を用いることができ、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、バナジウム、ニオブ、モリブデン、チタン、鉄、リン、アルミニウム、クロムから選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属酸化物等を使用することができる。
正極グリーンシートに含まれる活物質の含有量の下限値は、少ないと単位体積当りの電池容量が少なくなってしまうため、40w%以上であることが好ましく、50wt%以上であることがより好ましく、60wt%以上であることが最も好ましい。
また、正極グリーンシートに含まれる活物質の含有量は、多すぎると可とう性が無くなり取り扱いが難しくなるため、97wt%であることが好ましく、94wt%であることがより好ましく、90wt%以下であることが最も好ましい。
前記の活物質の含有量を有する正極グリーンシートを得るため、また良好に塗布できるスラリーを調製するためには、正極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して正極活物質の量は10wt%以上とすることが好ましく、15wt%以上とすることがより好ましく、20wt%以上とすることが最も好ましい。
また、前記活物質の含有量の上限値は、良好に塗布できるスラリーを調製するためには、混合スラリーの量に対して90wt%以下とすることが好ましく、80wt%以下とすることがより好ましく、75wt%以下とすることが最も好ましい。
また、正極活物質の電子伝導性が低い場合、電子伝導助剤を添加することにより、電子伝導性を付与することができる。電子伝導助剤としては、微粒子や纎維状の炭素材や金属を用いることができる。用いることができる金属は、チタンやニッケル、クロム、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属や白金、金、ロジウムなどの貴金属を用いることができる。
一方、負極グリーンシートには上記の材料以外に活物質の粉体が含まれる。負極グリーンシートに使用する活物質としては、アルミニウム、シリコン、スズなどLiイオンの吸蔵、放出が可能な合金、チタンやバナジウム、クロム、ニオブ、シリコンなどの金属酸化物、の材料を使用することができる。
負極グリーンシートに含まれる活物質の含有量の下限値は、少ないと単位体積当りの電池容量が少なくなってしまうため、40w%以上であることが好ましく、50wt%以上であることがより好ましく、60wt%以上であることが最も好ましい。
また、負極グリーンシートに含まれる活物質の含有量の上限値は、良好に塗布できるスラリーを調製するためには、負極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して負極活物質の量は10wt%以上とすることが好ましく、15wt%以上とすることがより好ましく、20wt%以上とすることが最も好ましい。
また、前記活物質の含有量の上限値は、バインダーや溶剤を用いてスラリー化する必要があるため、混合スラリーの量に対して90wt%以下とすることが好ましく、80wt%以下とすることがより好ましく、75wt%以下とすることが最も好ましい。
また、負極活物質の電子伝導性が低い場合、電子伝導助剤を添加することにより、電子伝導性を付与することができる。電子伝導助剤としては、微粒子や纎維状の炭素材や金属を用いることができる。用いることができる金属は、チタンやニッケル、クロム、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属や白金、金、ロジウムなどの貴金属を用いることができる。
正極グリーンシート及び負極グリーンシートには、リチウムイオン伝導性無機物粉体を添加するとイオン伝導が付与され好ましい。具体的には、前記リチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを含むことができる。また、固体電解質グリーンシートに含まれるイオン伝導性無機物と同じものを添加するとより好ましい。このように同じ材料を含むと電解質と電極材に含まれるイオン移動機構が共通することができ、電解質―電極間のイオン移動がスムーズに行え得る。従って、より高出力・高容量の電池が提供できる。
[リチウムイオン伝導性無機物粉体]
リチウムイオン伝導性無機物粉体としては、LiN、LISICON類、La0.55Li0.35TiO、LiTi12、Li1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)等の結晶の粉体、またはこれらの結晶を析出させたガラスセラミックスの粉体が、リチウムイオン伝導度が高いという点で好ましい。
ここで、ガラスセラミックスとは、ガラスを熱処理することによりガラス相中に結晶相を析出させて得られる材料であり、非晶質固体と結晶からなる材料をいう。ガラスセラミックスはイオン伝導を妨げる空孔や結晶粒界をほとんど有しないため、イオン伝導性が高くかつ化学的な安定性に優れるためより好ましい。なお、ガラスセラミックスには、ガラス相すべてを結晶相に相転移させた材料、すなわち、材料中の結晶量(結晶化度)が100質量%のものを含む。これらは結晶の粒子間や結晶中に空孔がほとんどない。特にイオン伝導に関しては、セラミックスの場合は空孔や結晶粒界の存在により、結晶粒子自体の伝導度よりもかなり低い値となってしまう。ガラスセラミックスは結晶化工程の制御により結晶間の伝導度の低下を抑えることができ、結晶そのもののイオン伝導度と同程度の伝導度を保つことができる。
上記のリチウムイオン伝導性無機物粉体の中でも特に、Li1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)である結晶を析出させたガラスセラミックスの粉体は高いリチウムイオン伝導度を有し、化学的にも安定であるため最も好ましい。
前記の結晶を有するガラスセラミックス、すなわちLi1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)の結晶が結晶相として析出しているガラスセラミックスは、
酸化物基準のmol%で、
LiO 10〜25%、及び
Al及び/又はGa 0.5〜15%、及び
TiO及び/又はGeO 25〜50%、及び
SiO 0〜15%、及び
26〜40%
の各成分を含有するガラスを溶融、急冷することでガラスを得たのち、このガラスを熱処理し、結晶を析出させることによって得ることができる。
また、前記のガラスをリチウムイオン伝導性無機物粉体としてグリーンシートを作製しても良い。この場合、前記のガラスはグリーンシートの焼成時の熱処理によって上記の結晶が析出し、リチウムイオン伝導性が発現し、高いイオン伝導度(25℃で1×10−4S・cm−1以上)を示す。
ここで、リチウムイオン伝導性とはリチウムイオン伝導度が25℃において1×10−8S・cm−1以上の値を示すことを言う。
リチウムイオン伝導性無機物粉体の作製は、上記のリチウムイオン伝導性無機物をボールミル、ジェットミル等によって粉砕することにより作製する。混合スラリーに含まれる際のリチウムイオン伝導性無機物粉体の平均粒径は、充填率を高めるため5μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることがより好ましく、1μm以下とすることが最も好ましい。またリチウムイオン伝導性無機物粉体の平均粒径の下限値としては、均一に分散させるため0.01μm以上とすることが好ましく、0.05μm以上とすることがより好ましく、0.1μm以上とすることが最も好ましい。
ここで平均粒径とはレーザー回折法によって測定した時のD50(累積50%径)の値であり、使用する測定装置を具体的にはベックマン・コールター社の粒度分布測定装置LS100Qまたはサブミクロン粒子アナライザーN5によって測定した値を用いることができる。なお、前記平均粒子径は体積基準で表わした値である。前記の測定装置は被測定物の粒径によって使い分けをする。被測定物の最大粒径が3μm未満の場合はサブミクロン粒子アナライザーN5のみを用いて測定する。
固体電解質グリーンシートの場合、有機バインダーと混合する際のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は、焼成後の空隙を低減させるため、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して50wt%以上とすることが好ましく、55wt%以上とすることがより好ましく、60wt%以上とすることが最も好ましい。乾燥後の固体電解質グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は前記と同様の理由から、97wt%であることが好ましく、94wt%であることがより好ましく、90wt%以下であることが最も好ましい。
また、リチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は、シート形状を維持させるため、混合スラリーの量に対して90wt%以下とすることが好ましく、80wt%以下とすることがより好ましく、80wt%以下とすることが最も好ましい。乾燥後のグリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は前記と同様の理由から、97wt%以下であることが好ましく、94wt%以下であることがより好ましく、90wt%以下であることが最も好ましい。
正極グリーンシートの場合、有機バインダーと混合する際のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は、イオン伝導性を付与させる必要があるため、正極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して1wt%以上とすることが好ましく、3wt%以上とすることがより好ましく、5wt%以上とすることが最も好ましい。
乾燥後の正極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は前記と同様の理由から、3wt%以上とすることが好ましく、5wt%以上とすることがより好ましく、10wt%以上とすることが最も好ましい。
また、リチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は、多くなりすぎると含まれる活物質の量が少なく電池容量が低下してしまうため、混合スラリーの量に対して5
0wt%以下とすることが好ましく、40wt%以下とすることがより好ましく、30wt%以下とすることが最も好ましい。
乾燥後の正極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は前記と同様の理由から、70wt%以下とすることが好ましく、60wt%以下とすることがより好ましく、50wt%以下とすることが最も好ましい。
負極グリーンシートの場合、有機バインダーと混合する際のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は、イオン伝導性を付与させる必要があるため、負極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して1wt%以上とすることが好ましく、3wt%以上とすることがより好ましく、5wt%以上とすることが最も好ましい。
乾燥後の負極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は前記と同様の理由から、3wt%以上とすることが好ましく、5wt%以上とすることがより好ましく、10wt%以上とすることが最も好ましい。
また、リチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は、多くなりすぎると含まれる活物質の量が少なく電池容量が低下してしまうため、シート形状を維持させるため、混合スラリーの量に対して50wt%以下とすることが好ましく、40wt%以下とすることがより好ましく、30wt%以下とすることが最も好ましい。
乾燥後の負極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は前記と同様の理由から、70wt%以下とすることが好ましく、60wt%以下とすることがより好ましく、50wt%以下とすることが最も好ましい。
[有機バインダー]
有機系のバインダーとしては、プレス成形やラバープレス、押し出し成形、射出成形用の成形助剤として市販されている汎用のバインダーを用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチルメタアクリレート、ビニル系の共重合物等を用いることができる。有機バインダーの含有量の下限値は、シート形状を維持させやすくするため、活物質粉体(正極グリーンシート、負極グリーンシートの場合)無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して1wt%以上とすることが好ましく、3wt%以上とすることがより好ましく、5wt%以上とすることが最も好ましい。
前記と同様の理由から、乾燥後のグリーンシート中の含有量の下限値は3wt%以上とすることが好ましく、5wt%以上とすることがより好ましく、7wt%以上とすることが最も好ましい。
また、有機バインダーの含有量の上限値は、脱脂後の空隙を低減させやすくするため、混合スラリーの量に対して50wt%以下とすることが好ましく、40wt%以下とすることがより好ましく、30wt%以下とすることが最も好ましい。
前記と同様の理由から、乾燥後のグリーンシート中の含有量の上限値は40wt%以下とすることが好ましく、35wt%以下とすることがより好ましく、30wt%以下とすることが最も好ましい。
[溶剤]
溶剤はリチウムイオン伝導性無機物粉体を均質に分散する為に用いてもよい。溶剤としてはPVA、IPA、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトニトリル、NMPなど公知の材料を使用することができるが、環境の点でアルコールもしくは水が好ましい。さらに均質で緻密な固体電解質を得るために、リチウムイオン伝導性無機物粉体、有機バインダーと共に分散剤を適量添加することも可能であり、混合乾燥時の泡抜きを良好にするための界面活性剤などを適量添加することも可能である。
[その他]
また、グリーンシートには、Liを含む無機化合物を同時に含有する事も可能である。これは、Liを含む無機化合物が焼結助剤(バインダー)として働き、ガラスセラミックス粒子を結合させる働きを持つ。
Liを含む無機化合物としてはLiPO、LiPO、LiI、LiN、LiO、Li、LiF等が挙げられる。特に、これらのLiを含む無機化合物は、リチウムイオン伝導性無機物粉体と混合して焼結させた際に、焼結温度・雰囲気を調整することにより、軟化または溶融させることが可能である。軟化または溶融したLiを含む無機化合物は、リチウムイオン伝導性無機物粉体の隙間に流れ込み、前記無機物粉体を強固に結合させることが可能である。
グリーンシートに無機粉体として誘電性の高い絶縁性の結晶またはガラスを少量加えると、リチウムイオンの拡散性が上がるため、リチウムイオン伝導性が向上する効果が得られることがある。例えばBaTiO、SrTiO、Nb、LaTiO等が挙げられる。
[グリーンシートの成形]
グリーンシートの成形はドクターブレード法、カレンダ法、スピンコートやディップコーティングなどの塗布法、インクジェット、バブルジェット、オフセットなどの印刷法、ダイコーター法、スプレー法等の公知の方法を用い、シート状に成形する。成形後のグリーンシートの厚みの下限値は、乾燥工程において内部の残溶媒量をできるだけ少なくし表面にクラックを生じさせないようにするため、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が最も好ましい。また、グリーンシートの厚みの下限値は安定したハンドリング性をもたせるため0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がよりこのましく、1μm以上が最も好ましい。さらに必要に応じて任意の形状に加工してもよい。焼成後の固体電解質、電極等を所望の厚みとするために、同種のグリーンシートを積層してもよい。また焼成後の固体電解質の緻密性をより向上させる為に、グリーンシートをロールプレスや一軸、等方加圧等により加圧しても良い。
積層後のグリーンシートの厚みの上限値は焼成時間の短縮のため800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、400μm以下が最も好ましい。また、グリーンシートの厚みの下限値はうねり度低減のため0.5μm以上が好ましく、1μm以上がよりこのましく、5μm以上が最も好ましい。
ここで得られた固体電解質グリーンシートと、さらに正極グリーンシートおよび負極グリーンシートの少なくとも一つをさらに積層することにより積層体を作製する。
また、上述した様に、積層する相手のグリーンシート上、またはセラミックス等に直接成形しても良い。
こうして固体電解質グリーンシート、正極グリーンシート、負極グリーンシートを作成した後、固体電解質の一方の面に正極グリーンシート、他方の面に負極グリーンシートが配置されるように各グリーンシートを重ね合わせ、加熱したロールプレス等により3者を貼り合わせることによりグリーンシート積層体を得ることができる。
グリーンシート積層体の切断は、グリーンシート積層体をプラスチック板などのある程度弾性を有する板の上に配置して、切断刃を該積層体に表面に対し垂直に当てて押し切るようにして行う。これによって、刃の押し下げにより発生した応力が積層体の切断面の両側の部分に均等にかかり、応力の不均一によって生じる切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
この場合、切断に使用する切断刃を切断時に所定温度に加熱されている状態で切断することが好ましい。これによって、積層体の切断面付近の部分のバインダーが柔らかくなりグリーンシートを構成する無機粉体粒子がすべりやすくなり、スムーズな切断が行えるので、切断面付近の変形を一層防止することができる。切断刃の加熱温度は50〜150℃が好ましい。加熱温度が50℃未満では刃が当たった瞬間に切断面付近のバインダーを軟らかくする効果が少なく、また加熱温度が150℃を超えると切断面付近のみならず積層体の広範囲の部分が軟化して積層体全体の変形が生じてしまう。
積層体切断の他の方法として、回転式の刃を用いて該回転式の刃の回転につれて刃の外縁が積層体の表面上に順次接触するようにして進行しながら積層体を順次切断するようにしてもよい。これによって、回転刃の回転押し下げにより発生した応力が積層体の切断面の両側の部分に均等にかかり、応力の不均一によって生じる切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
積層体切断の他の方法として、切断用の型を積層体の表面に当てて型により発生する応力が均等にかかるようにして積層体を打ち抜くことにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
積層体切断の他の方法として、固定した切断刃を積層体の表面に対し垂直に当てた状態で積層体を切断刃に沿って移動させるようにして積層体を順次切断することにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
積層体切断の他の方法として、回動中心の周りに回動する切断刃を、積層体の表面に垂直に当てるようにして順次回動させることにより積層体を順次切断することにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
積層体切断の他の方法として、高圧の液体を該積層体の表面の垂直方向にジェット流として衝突させるようにして噴出させながら高圧液体のジェット流を順次移動させることにより積層体を順次切断することにより、同様に切断面付近の積層体部分の膨出、欠落、不陸等の変形を最小限に抑えることができる。
上記のいずれかの方法によりグリーンシート積層体を切断した後に、積層体を所定の温度に加熱してプレスすることが好ましい。これによって、切断によって積層体の切断面付近の部分に残るひずみを除去するとともに切断によって生じた変形をなくして平坦な積層体表面を得ることができる。加熱・プレスの方法としては、たとえばロールプレスを加熱して使用する等の方法で行うことができる。加熱温度としては50℃〜150℃が好ましい。加熱温度が50℃未満ではひずみを充分に除去することができず、また加熱温度が150℃を超えると積層体が軟化してプレスに不適な状態となるおそれがある。
[実施例1]
非晶質の酸化物ガラス粉末の作製
原料として日本化学工業株式会社製のHPO、Al(PO、LiCO、株式会社ニッチツ製SiO、堺化学工業株式会社製のTiOを使用し、これらを酸化物換算のmol%でPを35.0%、Alを7.5%、LiOを15.0%、TiOを38.0%、SiOを4.5%といった組成になるように秤量して均一に混合した後に、白金ポットに入れ、電気炉中1500℃の温度で撹拌しながら3時間加熱・熔解してガラス融液を得た。その後、ガラス融液をポットに取り付けた白金製のパイプから加熱しながら室温の流水中に滴下させることにより急冷し、酸化物ガラスを得た。
この酸化物ガラスを栗本鐵工所製のジェットミルにて粉砕後、エタノールを溶媒としたボールミルに入れ、湿式粉砕を行い、平均粒径0.5μm、最大粒径1μmの酸化物ガラス粉末を得た。
この粉砕前のガラスを1000℃の電気炉にて結晶化を行い、リチウムイオン伝導度の測定を行ったところ、室温にて1.3×10−3Scm−1であった。リチウムイオン伝導度の測定にはソーラートロン社製のインピーダンスアナライザーSI−1260を用いて、交流二端子法による複素インピーダンス測定により算出した。また、析出した結晶相はフィリップス社製の粉末X線回折測定装置を用いて測定し、Li1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦0.4、0<y≦0.6)が主結晶相であるガラスセラミックスであることが確認された。
電解質グリーンシートの作製
上記で作製した平均粒径0.5μmの酸化物ガラスを、アクリル系のバインダー、分散剤、消泡剤とともに水を溶剤として、分散・混合して電解質スラリーを調製した。スラリーは減圧して泡抜きをした後、ドクターブレードを用いて成形、乾燥させて厚み40μmの電解質グリーンシートを作製した。
正極グリーンシートの作製
正極活物質として、日本化学工業株式会社製のLiCoOを用いた。平均粒径6μmのLiCoO粉末と上記で作製した平均粒径0.5μmの酸化物ガラスを80:20wt%の割合で秤量し、アクリル系のバインダー、分散剤とともに水を溶剤として、分散・混合して正極スラリーを調製した。スラリーは減圧して泡抜きをした後、ドクターブレードを用いて成形、乾燥させて厚み50μmの正極グリーンシートを作製した。
負極グリーンシートの作製
負極活物質として、石原産業製のLiTi12を500℃にてアニールを行ってから用いた。平均粒径5μmのLiTi12粉末と上記で作製した平均粒径0.5μmの酸化物ガラスを80:20wt%の割合で秤量し、アクリル系のバインダー、分散剤とともに水を溶剤として、分散・混合して正極スラリーを調製した。スラリーは減圧して泡抜きをした後、連続式のロールコーターを用いて成形、乾燥させて厚み50μmの負極グリーンシートを作製した。
グリーンシート積層体の作製
上記で作製した、正極、電解質、負極の各グリーンシートを、130mm角に切り出し、正極1枚、電解質2枚、負極1枚を重ね、ロールプレスを加熱したロールプレスにて貼り合わせた。貼り合わせた積層体を、神戸製鋼製のCIP(冷間等方圧加圧)を用いて室温にてプレスし、緻密化させた。
グリーンシート積層体の切断
平らな剥離処理を施した樹脂盤の上に、上記で作製したグリーンシート積層体を貼り合わせるように置き、100℃に加熱した金属切断刃を用いて、グリーンシート積層体に垂直に押し切るように60mm角に切断した。切断したグリーンシート積層体を80℃の高温槽で24時間保持し、切断時に入った歪を取り除いた。上記積層体を、ジルコニア製のセッターに挟み、電気炉内にて400℃に加熱し、積層体内のバインダーや分散剤などの有機物を除去した。その後、900℃に急昇温を行い、5分間保持し、その後すぐに冷却することにより、形状に歪みの無い正極、電解質、負極を組み合わせた積層焼結体が作製できた。
全固体リチウムイオン二次電池の作製
上記で作製した積層体の正極側に、アルミニウムペーストを塗布後、乾燥・焼成することにより、正極集電体を取り付けた。負極側に、銅ペーストを印刷後、乾燥・焼き付けることにより負極集電体を取付けた。
正極側にアルミニウム箔を正極リードとして接続し、負極側に胴箔を負極リードとして接続し、内側を絶縁コートしたアルミニウム製のラミネートフィルムに封入し、リチウムイオン電池を作製した。作製した電池は、平均電圧2.5Vで放電し、充放電可能な電池であった。
[比較例1]
実施例1にて作製したグリーンシート積層体を切断せずに130mm角のサイズのまま実施例1の条件にて焼成を行い、積層焼結体を作製した。作製した焼結体を、ダイヤモンド砥粒を固定した高速回転式のホイールカッターにて50mm角に切断したところ、チッピングが発生して割れてしまい、電池としての評価まではできなかった。
[比較例2]
実施例1にて作製したグリーンシート積層体をライオン製ペーパーカッターLPC614Sを用いて、60mm角に剪断した。60mm角に切断した積層体を実施例1と同じ条件にて焼成を行なった。積層焼結体は得られたが、切断した辺が反っており、また電解質層と電極層が少し剥離しているため、再度周囲を切断加工しなければならない状態であり、形状に歪の無い積層体は得られなかった。

Claims (9)

  1. 正極、電解質、負極のそれぞれのグリーンシートを作製する工程と、正極、電解質、負極の該グリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体を所定の縦横寸法に切断する工程と、該所定の寸法に切断された積層体を焼成する工程を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用積層体の製造方法。
  2. 前記切断は、切断刃を該積層体の表面に対し垂直に当てて押し切ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記切断に使用する切断刃は切断時に所定温度に加熱されていることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 回転式の刃を用いて該回転式の刃の回転につれて刃の外縁が該積層体の表面上に順次接触するようにして進行しながら該積層体を順次切断することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 前記切断は、切断用の型を該積層体の表面に当てて該積層体を打ち抜くことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  6. 前記切断は、固定した切断刃を該積層体の表面に対し垂直に当てた状態で該積層体を該切断刃に沿って移動させるようにして該積層体を順次切断することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  7. 前記切断は、回動中心の周りに回動する切断刃を、該積層体の表面に垂直に当てるようにして順次回動させることにより該積層体を順次切断することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  8. 前記切断は、高圧の液体を該積層体の表面の垂直方向にジェット流として衝突させるようにして噴出させながら該高圧液体のジェット流を順次移動させることにより該積層体を順次切断することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
    記載の製造方法。
  9. 切断した後に、該積層体を所定の温度に加熱してプレスすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
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