JP2019139921A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性が向上した全固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】本発明により、以下の工程:電極活物質と、ガラス質の固体電解質材料と、溶媒とを含んだ電極スラリーを、塗工方向に沿って集電箔上に塗工し、乾燥して、正極および負極を作製する工程と;上記正極、上記負極およびキャリアシートの少なくとも一つの表面に、ガラス質の固体電解質材料を含んだ固体電解質層を成形する工程と;上記正極および上記負極を、上記固体電解質層を介在させた状態で積層し、積層方向からプレスすることで、積層体を作製する工程と;上記積層体を、上記塗工方向に対して10°以上40°以下の切り込み角度となるように切断する工程と;を包含する、全固体電池の製造方法が提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、全固体電池の製造方法に関する。
近年、二次電池の信頼性向上や低コスト化等が求められるなか、全固体電池の開発が加速している。例えば特許文献1には、全固体電池の製造方法が開示されている。かかる製造方法では、まず、正極活物質層を有する正極と、固体電解質層と、負極活物質層を有する負極と、をこの順に積層して、積層体を用意する。次に、上記積層体をプレスして一体化させる。次に、一体化させた積層体の端部を切断して所望のサイズとした後、電圧を計測する。そして、電圧の計測において電圧降下が認められなければ、そのまま電池の構築に用いる。一方で、電圧降下が認められれば、再度、積層体の端部を切断し、電圧を計測し直す。
特開2015−076315号公報 特開2009−176650号公報
積層体を切断する際、正負極の活物質層に切断力がかかる。このことにより、活物質層が崩れたり、活物質自体に割れが生じたりして、正負極間が導通され、短絡を生じることがある。そこで、特許文献1の製造方法では、積層体の端部を切断した後に電圧を計測し、電圧降下が認められる(言い換えれば、正負極に短絡が生じている)場合には、再度端部を切断するようにしている。しかし、かかる方法では、電圧降下が認められなくなるまで端部の切断と電圧の計測とを繰り返す必要がある。このため、材料が無駄になったり、製造工程が煩雑になったりして、コストがかさむ課題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性が向上した全固体電池の製造方法を提供することにある。
本発明により、以下の工程:電極活物質と、ガラス質の固体電解質材料と、溶媒とを含んだ電極スラリーを、塗工方向に沿って集電箔上に塗工し、乾燥して、正極および負極をそれぞれ作製する工程と;上記正極、上記負極およびキャリアシートの少なくとも一つの表面に、ガラス質の固体電解質材料を含んだ固体電解質層を成形する工程と;上記正極および上記負極を、上記固体電解質層を介在させた状態で積層し、積層方向からプレスすることで、積層体を作製する工程と;上記積層体を、上記塗工方向に対して10°以上40°以下の切り込み角度となるように切断する工程と;を包含する、全固体電池の製造方法が提供される。
本発明者らは、積層体をプレスする際に、ガラス質の固体電解質材料が塗工方向に配向することを新たに見出した。この知見を活かして、本発明では、塗工方向に対して所定の角度となるように積層体を切断する。このことにより、積層体の切断時に、活物質層にかかる切断力を好適に分散することができる。その結果、活物質層の崩れや活物質自体の割れが生じにくくなり、正負極間の短絡が抑えられる。したがって、本発明によれば、従来の製造方法に比べて材料の無駄を低減すると共に、製造工程を簡素化することができ、全固体電池の生産性を向上することができる。
なお、電極の切断方法に関連する従来技術として、特許文献2が挙げられる。特許文献2には、電極板をギャング刃で切断するときに、電極板の切断刃への挿入角度と電極板の切断後の出口角度とをそれぞれ調整することが記載されている。しかし、特許文献2には、本発明と技術思想の共通性はない。
一実施形態に係る電極の作製方法を表す模式的な平面図である。 一実施形態に係る積層体の切断方法を表す模式的な斜視図である。 一実施形態に係る積層体の切断方法を表す模式的な平面図である。 一実施形態に係る電極体を表す模式的な平面図である。 変形例に係る模式的な平面図であり、(a)は電極の作製方法を、(b)は積層体の切断方法を、(c)は電極体を、それぞれ表している。 従来の積層体の切断方法を表す模式的な斜視図である。
以下、ここで開示される製造方法の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、図面中の符号X、Y、Zは、それぞれ、集電箔の長手方向、幅方向、積層体の積層方向を意味するものとする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電極や積層体の配置を何ら限定するものではない。また、本明細書において数値範囲をA〜B(A,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものである。
本実施形態に係る全固体電池の製造方法は、次の5つの工程:(ステップS1)正極および負極の作製工程;(ステップS2)固体電解質層の成形工程;(ステップS3)積層体の作製工程;(ステップS4)積層体の切断工程;を包含する。
以下、各工程について詳細に説明する。
<(ステップS1)正極および負極の作製工程>
本工程では、正極および負極を作製する。以下、正極と負極とを纏めて電極ということがある。電極は、電極スラリーを所定の塗工方向に沿って(一方向に)集電箔上に塗り広げた後、乾燥することによって作製される。すなわち、正極は、正極スラリーを、所定の塗工方向に沿って(一方向に)正極集電箔上に塗り広げた後、乾燥することによって作製される。また、負極は、負極スラリーを、所定の塗工方向に沿って(一方向に)負極集電箔上に塗り広げた後、乾燥することによって作製される。
正極集電箔としては、導電性の良好な金属、例えばアルミニウムからなる導電性部材を用いることができる。正極スラリーは、例えば、正極活物質と、後述するようなガラス質の固体電解質材料とを、溶媒中で混合することにより、調製することができる。正極活物質は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。正極活物質は、例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物である。ガラス質の固体電解質材料としては、例えば硫化物系ガラスセラミックを用いることができる。溶媒としては、例えばn−酪酸ブチル等の有機溶剤を用いることができる。正極スラリーは、上記成分に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、バインダ、導電材、各種添加剤等を含んでもよい。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(PVdF−HFP)等のハロゲン化ビニル樹脂が例示される。導電材としては、例えば、気相成長炭素繊維、カーボンブラック等の炭素材料が例示される。
負極集電箔としては、導電性の良好な金属、例えば銅からなる導電性部材を用いることができる。負極スラリーは、例えば、負極活物質と、後述するようなガラス質の固体電解質材料とを、溶媒中で混合することにより、調製することができる。負極活物質は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。負極活物質は、例えば、ハードカーボン、黒鉛等の炭素材料である。ガラス質の固体電解質材料としては、例えば硫化物系ガラスセラミックを用いることができる。負極スラリーは、負極活物質とガラス質の固体電解質材料とに加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、正極用として上述したようなバインダや、増粘剤、各種添加剤等を含んでもよい。
電極スラリーの塗工には、ダイコータやアプリケータ等の従来公知の塗布装置を使用することができる。塗布装置は、電極スラリーを吐出可能な吐出部を有する。塗布装置は、例えば、所定の方向に搬送される集電箔の表面に対して、吐出部から電極スラリーを吐出する。あるいは、塗布装置は、集電箔の表面に沿って吐出部を移動させながら、電極スラリーを吐出する。これにより、所定の塗工方向に沿って、電極スラリーが塗り広げられる。また、電極スラリーの乾燥は、例えば、100℃以上での加熱乾燥や、真空乾燥によって行うことができる。これにより、電極スラリーから溶媒が除去される。
図1は、電極の作製方法の一例を表す平面図である。図1に示すように、例えば帯状の電極を作製する場合は、帯状の集電箔のXY平面において、長手方向Xに沿って集電箔よりも小さい幅で、電極スラリーを塗工してもよい。この場合、電極スラリーの塗工方向は、帯状の集電箔の長手方向と平行である。すなわち、電極スラリーの塗工方向は、帯状の集電箔の長手方向と同じX方向となる。これにより、集電箔の幅方向Yの中央部分に帯状の塗工部を有し、集電箔の幅方向Yの両端部分に帯状の未塗工部を有する電極を作製することができる。また、正極および負極では、集電箔に対する塗工方向を同じように設定するとよい。例えば正極スラリーの塗工方向をX方向とする場合には、負極スラリーの塗工方向もX方向とするとよい。このことにより、正・負極活物質層の崩れや正・負極活物質自体の割れをより良く抑制することができる。
以上のように、正極および負極を作製することができる。作製された正極は、正極集電箔と、当該正極集電箔上に固着され、正極活物質を含む正極活物質層と、を備えている。負極は、負極集電箔と、当該負極集電箔上に固着され、負極活物質を含む負極活物質層と、を備えている。
<(ステップS2)固体電解質層の成形工程>
本工程では、固体電解質層を成形する。具体的には、まず、固体電解質材料と、溶媒と、を含んだ固体電解質スラリーを調製する。固体電解質材料は、イオン伝導性、例えばLiイオン伝導性を有する。固体電解質材料は、硫化物系であってもよく酸化物系であってもよい。ここに開示される技術では、固体電解質材料として、少なくともガラス質のものを用いる。ガラス質の固体電解質材料の一好適例として、Li11、Li3.250.75等の硫化物系ガラスセラミック;LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−SiS−LiI等の硫化物系ガラス;Li1.07Al0.69Ti1.46(PO、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO等の酸化物系ガラスセラミック;等が挙げられる。なかでも、広範な電位域で電気化学的に安定なことや、導電率が高いこと等から、硫化物系ガラスセラミックが好ましい。また、正極活物質層および/または負極活物質層と同種の固体電解質材料を用いることが好ましい。なお、固体電解質材料は、ガラス質のものに加え、例えば固体電解質材料全体の50質量%未満の割合で、好ましくは10質量%以下の割合で、ガラス質以外の固体電解質材料、例えば結晶質の固体電解質材料を含んでもよい。また、溶媒としては、例えばn−酪酸ブチル等の有機溶剤を用いることができる。また、固体電解質スラリーは、固体電解質材料や溶媒に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、正極および負極用として上述したようなバインダや、各種添加剤等を含んでもよい。
本工程では、次に、上記調製した固体電解質スラリーを、(1)ステップS1で作製した正極、(2)ステップS1で作製した負極、(3)キャリアシート、の少なくとも一つの表面に付与し、乾燥させる。例えば、(1)正極および/または(2)負極の表面に固体電解質スラリーを塗工して、固体電解質層を成形する場合は、固体電解質スラリーの塗工方向を、電極スラリーの塗工方向と同じ方向とするとよい。すなわち、ステップS1で正極スラリーの塗工方向をX方向とした場合には、これと同様に固体電解質スラリーを長手方向Xに沿って正極の表面に塗工し、塗工方向をX方向とするとよい。また、ステップS1で負極スラリーの塗工方向をX方向とした場合には、これと同様に固体電解質スラリーを長手方向Xに沿って負極の表面に塗工し、塗工方向をX方向とするとよい。このことにより、以降の積層体の切断工程において、活物質層にかかる切断力をより良く緩和することができ、活物質層の崩れや活物質自体の割れをさらに高いレベルで抑制することができる。一例として、正極および負極の表面に、それぞれ、固体電解質スラリーを塗工するとよい。
他の一例として、(3)キャリアシートの表面にのみ、固体電解質スラリーを塗工してもよい。キャリアシートに固体電解質スラリーを塗工する場合は、集電箔に対する塗工方向を、ステップS1と同じ方向に設定するとよい。例えば、ステップS1で集電箔の長手方向Xに沿って電極スラリーを塗工した場合には、帯状のキャリアシートを用意して、これと同様にキャリアシートの長手方向Xに沿って固体電解質スラリーを塗工するとよい。キャリアシートとしては、例えば、正極および負極の集電箔として上述した導電性部材や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムを使用することができる。また、固体電解質スラリーの塗工および乾燥には、ステップS1の電極作製時と同様に、適宜、従来公知の塗布装置や乾燥方法を採用することができる。
以上のように、正極、負極、およびキャリアシートの少なくとも一つの表面に、固体電解質層を成形することができる。
<(ステップS3)積層体の作製工程>
本工程では、まず、ステップS1で作製した正極および負極を、ステップS2で作製した固体電解質層を介在させた状態で積層する。一例では、第1の固体電解質層を備えた正極と、第2の固体電解質層を備えた負極とを、固体電解質層の側を対向させるように積層して、積層体を作製する。他の一例では、まず、正極および負極のうちの一方の電極の表面に、キャリアシートに担持された固体電解質層を転写する。次に、キャリアシートを剥離した後、他方の電極を積層して、積層体を作製する。積層体を作製するとき、固体電解質スラリーの塗工方向は、ステップS1における正極スラリーおよび負極スラリーの塗工方向と一致させることが好ましい。このことにより、活物質層の崩れや活物質自体の割れをより良く抑制することができる。
本工程では、次に、上記作製した積層体を積層方向からプレスする。プレス処理は、例えば、ロールプレス機、平板プレス機等によって行うことができる。このことにより、正極と固体電解質層と負極とを相互に圧着させると共に、ガラス質の固体電解質材料を塗工方向に配向させる。プレス時の圧力は、概ね0.5ton/cm以上、典型的には0.5〜10ton/cm、例えば1〜5ton/cmに設定するとよい。固体電解質材料の配向性をより良く高める観点からは、プレス時に加熱を行うことが好ましい。言い換えれば、上記作製した積層体を積層方向からホットプレスすることが好ましい。加熱温度は、典型的には固体電解質材料のガラス転移温度以上、具体的には、概ね210℃以上、例えば250〜350℃としてもよい。
以上のように、正極と固体電解質層と負極とをこの順に備えた積層体を作製することができる。一例では、図2に示すように、積層方向Zに沿って、正極集電箔と、正極活物質層と、固体電解質層と、負極活物質層と、負極集電箔と、がこの順に積層された積層体を作製することができる。図2では、正極スラリーと、固体電解質層スラリーと、負極スラリーとの塗工方向が、いずれも長手方向Xである。このため、正極活物質層と固体電解質層と負極活物質層とにおいて、固体電解質材料は、長手方向Xに配向している。言い換えれば、固体電解質材料の配向方向もまた、長手方向Xである。
<(ステップS4)積層体の切断工程>
本工程では、積層体の平面視(XY平面)が所望の形状および大きさになるように、積層体を切断する。本実施形態では、XY平面において、塗工方向Xに対する切り込み角度θが、10〜40°(例えば20〜30°)となるように切断刃具を当接させ、積層方向Zに押し込む。言い換えれば、固体電解質材料の配向方向に対して10〜40°(例えば20〜30°)の角度で切断刃具を当接させ、積層方向Zに押し込む。切断刃具としては、例えば打ち抜き機を用いることができる。
図2は、積層体の切断方法の一例を表す斜視図である。図3は、積層体の切断方法の一例を表す平面図である。図4は、積層体を所望の形状および大きさに切断して得られる電極体の一例を表す平面図である。図2,3に示すように、電極スラリーの塗工方向が長手方向Xと同じ方向である場合には、長手方向Xに対して切断刃具を10〜40°傾けた状態で、積層体に対して当接させる。言い換えれば、長手方向Xと切断刃具とのなす角を、10〜40°とする。そして、切断刃具を積層方向Zに押し込む。例えば図3に示すように積層体が帯状である場合には、波線で表す長方形状および大きさの切断刃を有する打ち抜き機で、長手方向Xに沿って積層体を順次打ち抜くことにより、図4に示すような形状および大きさにカットされた電極体を量産することができる。
なお、図6は、従来の積層体の切断方法の一例を表す斜視図である。本発明者らの検討によれば、図6に示すように、従来の製造方法では、電極スラリーの塗工方向と平行、あるいは垂直に、積層体を切断することが一般的であった。言い換えれば、塗工方向に対する切り込み角度θを、0°あるいは90°とすることが一般的であった。この場合、切断刃具は、固体電解質材料の配向方向と平行、あるいは垂直に、積層体に対して挿入されることとなる。その結果、活物質層の崩れや活物質自体の割れが生じやすくなっていた。
これに対して、ここに開示される技術では、上記したように、切り込み角度θをもって積層体に対して切断刃具を侵入させる。このように、塗工方向に対する切り込み角度θを調整することで、活物質層にかかる切断力を好適に分散することができる。その結果、短絡の原因となる活物質層の崩れや活物質自体の割れを抑制することができる。これにより、固体電解質層に活物質や導電材等の導電性物質が付着しにくくなる。したがって、ここに開示される製造方法によれば、例えばトンネル効果によって漏れ電流が生じたり、正負極間が導通されて短絡を生じたりすることを好適に抑えることができる。また、ここに開示される製造方法によれば、従来の製造方法に比べて材料の無駄を低減すると共に、製造工程を簡素化することができ、全固体電池の生産性を向上することができる。
<電池の構築工程>
上記ステップS4で得られた電極体は、全固体電池の構築に好適に用いることができる。例えば、正極および負極にそれぞれ端子を取り付けて、電極体の形状に合ったケースに収容することにより、全固体電池を構築することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
まず、正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3と、固体電解質材料としての硫化物系ガラスセラミックと、バインダと、導電助剤とを、溶媒中で混合して、正極スラリーを調製した。次に、この正極スラリーを、ダイ塗工でアルミニウム箔(正極集電箔)の表面に塗工し、100℃で5分間加熱乾燥させた。このことにより、正極集電箔上に正極活物質層が固着された正極を作製した。また、負極活物質としてのハードカーボンと、固体電解質材料としての硫化物系ガラスセラミックと、バインダとを、溶媒中で混合して、負極スラリーを調製した。次に、この負極スラリーを、ダイ塗工で銅箔(負極集電箔)の表面に塗工し、100℃で5分間加熱乾燥させた。このことにより、負極集電箔上に負極活物質層が固着された負極を作製した。
次に、固体電解質材料としての硫化物系ガラスセラミックと、バインダとを、溶媒中で混合して、固体電解質スラリーを調製した。次に、この固体電解質スラリーを、ダイ塗工でアルミニウム箔(キャリアシート)の表面に塗工し、100℃で5分間加熱乾燥させた。このことにより、キャリアシート上に硫化物固体電解質層を成形した。
次に、上記作製した正極に硫化物固体電解質層を軽く押し付けて密着させた後、キャリアシートを剥がし取った。次に、硫化物固体電解質層のキャリアシートを剥がし取った面に上記作製した負極を対向させ、ホットプレスすることにより、積層体を作製した。なお、積層体は、正極スラリーと負極スラリーと固体電解質スラリーとの塗工方向が、全て同じ方向となるように作製した。
次に、上記作製した積層体に、スラリーの塗工方向に対して0〜90°の角度から切断刃具を当接させて、積層方向に押し込むことにより、積層体を切断した。このようにして、積層体の塗工方向に対する切断刃具の挿入角度を異ならせて、積層体から複数個の電極体を切り出した。
そして、切り出した電極体について、それぞれ断面のSEM観察を行い、さらに短絡チェッカーを用いて、正負極間の短絡(ショート)の有無を確認した。結果を表1に示す。
Figure 2019139921
表1に示すように、切り込み角度θが0°の場合、すなわち、スラリーの塗工方向と平行に積層体を切断した場合、電極体の正負極間に短絡が生じていた。同様に、切り込み角度θが90°の場合、すなわち、スラリーの塗工方向と垂直に積層体を切断した場合にも、正負極に短絡が生じていた。この理由としては、積層体を切断する際に、活物質層が崩れたり、活物質自体に割れが生じたりして、活物質層の構成材料が固体電解質層に付着したことが考えられる。
これに対して、切り込み角度θが10〜40°の場合、すなわち、スラリーの塗工方向に対して10〜40°の角度で切断刃具を挿入し、積層体を切断した場合、電極体の正負極間に短絡は認められなかった。言い換えれば、正負極間の絶縁性が良好に維持されていた。以上のことから、塗工方向に対して10〜40°の角度で切断刃具を挿入し、積層体を切断することで、塗工方向と平行または垂直に切断刃具を挿入する場合と比べて、所定のサイズの電極を高い生産性で得ることができるとわかった。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記した実施形態では、帯状の電極を作製する際に、帯状の集電箔の長手方向Xに沿って電極スラリーを塗工していた。言い換えれば、電極スラリーの塗工方向が、長手方向Xと同じ方向であった。また、積層体を切断する際に、長手方向Xに対して10〜40°の角度で切断刃具を当接させていた。言い換えれば、集電箔の長手方向Xと切断刃具とのなす角が10〜40°であった。しかし、これには限定されない。
図5(a)は、変形例に係る電極の作製方法の一例を表す平面図である。このように、電極スラリーは、帯状の集電箔の長手方向Xに対して10〜40°の角度をなす方向から塗工してもよい。より具体的には、例えば、まず集電箔の幅方向Yの両端部分に、長手方向Xに沿って帯状のマスキングを施す。次に、マスキングを施した集電箔を、長手方向Xに対して10〜40°傾けた状態で、塗布装置の吐出部と対向させる。次に、吐出部から電極スラリーを吐出して、集電箔のXY平面に塗り広げる。そして、電極スラリーの塗工が終了してからマスキングを剥がし取る。これにより、集電箔の幅方向Yの中央部分に帯状の塗工部を有し、集電箔の幅方向Yの両端部分に帯状の未塗工部を有する電極を作製することができる。
図5(b)は、変形例に係る積層体の切断方法の一例を表す平面図である。図5(c)は、変形例に係る積層体を所望の形状および大きさに切断して得られる電極体の一例を表す平面図である。図5(b)の積層体では、正極スラリーと、固体電解質層スラリーと、負極スラリーとの塗工方向が、いずれも長手方向Xに対して10〜40°の角度をなしている。このため、プレス後の積層体では、固体電解質材料の配向方向もまた、長手方向Xに対して10〜40°の角度を有することとなる。このように、スラリーの塗工方向が長手方向Xに対して10〜40°の角度をなしている場合は、集電箔の長手方向Xに対して垂直に切断刃具を当接させて積層体を切断すればよい。例えば図5(b)に示すように積層体が帯状である場合には、波線で表す長方形状および大きさの切断刃を有する打ち抜き機で、長手方向Xに沿って積層体を順次打ち抜くことにより、図5(c)に示すような形状および大きさにカットされた電極体を量産することができる。
以上のように、例えば電極スラリーの塗工方向を変化させることで、種々の形状の電極体を得ることができる。

Claims (1)

  1. 電極活物質と、ガラス質の固体電解質材料と、溶媒とを含んだ電極スラリーを、塗工方向に沿って集電箔上に塗工し、乾燥して、正極および負極をそれぞれ作製する工程と、
    前記正極、前記負極およびキャリアシートの少なくとも一つの表面に、ガラス質の固体電解質材料を含んだ固体電解質層を成形する工程と、
    前記正極および前記負極を、前記固体電解質層を介在させた状態で積層し、積層方向からプレスすることで、積層体を作製する工程と、
    前記積層体を、前記塗工方向に対して10°以上40°以下の切り込み角度となるように切断する工程と、
    を包含する、全固体電池の製造方法。
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