JP2009173870A - オレフィン重合用固体触媒成分およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有するオレフィン重合用固体触媒成分であって、該触媒成分の濃度0.1g/mlのヘプタン懸濁液を70℃で30分攪拌した後に濾過して得られる濾液中のチタン原子濃度が0.08mg/ml以下であるオレフィン重合用固体触媒成分。
【選択図】 なし
Description
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、高い立体規則性重合能を有し、かつ、高活性なオレフィン重合用固体触媒成分およびその製造方法を提供することにある。
本発明のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法の第二の態様は、工程(1)と、工程(2)および工程(3)の組合せの1回以上の繰り返しと、工程(4)とからなり、全工程がこの順序で実施される。該組合せが例えば2回繰り返される場合、全工程は、工程(1)→工程(2)→工程(3)→工程(2)→工程(3)→工程(4)の順序で実施される。いずれの態様においても、工程(1)または最終の工程(3)で得られる固体成分を炭化水素溶媒にて70℃以上で少なくとも4回洗浄する(工程(4))点に注目すべきである。
工程(1)で得られる固体成分は公知の成分であってもよく、該固体成分については例えば、特開平10−212319号公報または特開平7−216017号公報に記載されている。
工程(1)で用いられる固体物質として、以下1)−3)の固体物質を例示することができ、中でも3)の固体物質が好ましい:
1)式Mg(OR1)(OR2)で表されるジハイドロカルビルオキシマグネシウム(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20のハイドロカルビルを表す);
2)式Mg(OR3)X1で表されるハイドロカルビルオキシマグネシウムハライド(式中、R3は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、X1はハロゲン原子を表す);および
3)3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体物質。
上式1)で表されるジハイドロカルビルオキシマグネシウムの固体物質の製造方法は限定されない。好ましい製造方法として、(1)金属マグネシウムとアルコールと少量のハロゲンおよび/またはハロゲン含有化合物とを反応させる方法、および(2)ジアルキルマグネシウム化合物とアルコキシケイ素化合物とを反応させる方法を例示することができる。
上式2)で表されるハイドロカルビルオキシマグネシウムハライドの固体物質の製造方法は限定されない。好ましい調製方法として、(1)グリニャール化合物とアルコキシケイ素化合物とを反応させる方法、および(2)グリニャール化合物とアルコールとを反応させる方法を例示することができる。
本発明で用いられる固体物質は好ましくは、上記3)の固体物質であって、該固体物質の3価のチタン原子含有量は、該固体物質中の総チタン原子の量を100%として、好ましくは50%以上、より好ましくは90%以上である。ハイドロカルビルオキシ基の含有量は、該固体物質の量を100重量%として、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上である。
式[I]におけるR4として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル基およびシクロペンチル基のようなシクロアルキル基;プロペニル基のようなアリル基;ならびにベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。中でも、炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基が好ましく、炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
式[I]におけるX2の炭素原子数1〜20のハイドロカルビルオキシ基として、上記R4として例示したハイドロカルビル基に対応するハイドロカルビルオキシ基を例示することができる。中でも、特に好ましくは、炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基に対応するアルコキシ基である。
Si(OR5)tR6 4-t、
R7(R8 2SiO)uSiR9 3、または、
(R10 2SiO)v
式中、R5は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり;R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または水素原子であり;tは0<t<4を満たす整数であり;uは1〜1000の整数であり;vは2〜1000の整数である。
上記有機マグネシウム化合物は、マグネシウム原子−炭素原子の結合を有する任意の型の有機マグネシウム化合物である。有機マグネシウム化合物として、下記の第1式で表されるグリニャール化合物、または第2式で表されるジハイドロカルビルマグネシウムが好ましい:
R11MgX3
R12R13Mg
式中、R11は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し;X3はハロゲン原子を表し;R12およびR13はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表す。中でも、良好な形態の重合触媒を得る観点から、グリニャール化合物がより好ましく、グリニャール化合物のエーテル溶液が特に好ましい。
上記エステル化合物として、モノまたは多価のカルボン酸エステルを例示することができる。中でも、メタクリル酸エステルおよびマレイン酸エステルのような不飽和脂肪族カルボン酸エステル、またはフタル酸エステルのような芳香族カルボン酸エステルが好ましく、フタル酸のジアルキルエステルが特に好ましい。具体的には、飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、および芳香族カルボン酸エステルを例示することができる。より具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、およびフタル酸ジフェニルを例示することができる。
還元反応において、多孔質の、無機酸化物および有機ポリマーのような担体を用いて、生成される固体物質を担体に担持させてもよい。担体は、公知の担体であってもよい。担体として、SiO2、Al2O3、MgO、TiO2、およびZrO2のような無機酸化物;ならびにポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール−ジメタクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、およびポリプロピレンのようなポリマーを例示することができる。中でも、有機ポリマーが好ましく、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、またはアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体が特に好ましい。
ケイ素化合物は、ケイ素化合物中のケイ素原子の量が、用いられるチタン化合物中のチタン1グラム原子あたり、通常1〜500グラム原子、好ましくは1〜300グラム原子、特に好ましくは3〜100グラム原子となる量で用いられる。
有機マグネシウム化合物は、用いられるケイ素化合物中のケイ素原子の量と、用いられるチタン化合物中のチタン原子の量との和(グラム原子)が、有機マグネシウム化合物中のマグネシウム原子の量(グラム原子)に対して、通常0.1〜10、好ましくは0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.0となる量で用いられる。
エステル化合物は、用いられるチタン化合物中のチタン原子の1グラム原子あたり、通常0.05〜100モル、好ましくは0.1〜60モル、特に好ましくは0.2〜30モルである。
工程(1)で用いられるハロゲン化化合物とは、固体物質中のハイドロカルビルオキシ基をハロゲン原子に置換し得る化合物である。ハロゲン化化合物は好ましくは、周期表第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物または第14族元素のハロゲン化合物であり、より好ましくは第4族元素のハロゲン化合物または第14族元素のハロゲン化合物である。固体物質がチタン原子を含まない場合は少なくとも、チタン原子のハロゲン化合物を用いる。
第4族元素のハロゲン化合物は、好ましくは下式で表されるハロゲン化合物である:
M1(OR14)bX4 4-b
式中、M1は周期表第4族の原子を表し;R14は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、複数のR14が存在するとき、それらは相互に同じか異なる;X4はハロゲン原子であり;bは0≦b<4を満たす数であり、好ましくは0≦b≦2を満たす数であり、特に好ましくはb=0である。
R14として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、およびドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、クレジル基、キシリル基、およびナフチル基のようなアリール基;プロペニル基のようなアリル基;ならびに、ベンジル基のようなアラルキル基を例示することができる。中でも、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
X4のハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。中でも、特に好ましくは塩素原子である。
M2R15 m-cX5 c
式中、M2は第13族または第14族の原子を表し;R15は炭素原子数が1〜20のハイドロカルビル基を表し;X5はハロゲン原子を表し;mはM2の原子価に相当する数を表し;cは0<c≦mを満たす数を表す。
第13族原子として、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子、インジウム原子およびタリウム原子を例示することができる。中でも、好ましくはホウ素原子またはアルミニウム原子であり、より好ましくはアルミニウム原子である。
第14族原子として、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子および鉛原子を例示することができる。中でも、好ましくはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子であり、より好ましくはケイ素原子または錫原子である。
mは、M2が例えばケイ素原子のとき、4である。
cは、M2が例えばケイ素原子のとき好ましくは3または4である。
X5として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができる。中でも、好ましくは塩素原子である。
[II]
R16〜R19は好ましくは水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、炭化水素基の場合、それらの2以上は相互に結合して環を形成していてもよく;X6およびX7は好ましくはヒドロキシ基または炭素原子数1〜20のアルコキシ基であり;R16〜R19が結合しているベンゼン環以外の芳香族環が存在する場合、該芳香族環の一部または全部は水添されていてもよい。
該ジアルキルエーテルとして、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチル−n−ブチルエーテル、およびメチルシクロヘキシルエーテルを例示することができる。中でも、好ましくはジ−n−ブチルエーテルである。以下、ジ−n−ブチルエーテルを単に、ジブチルエーテルまたはブチルエーテルと記載することがある。
上記の環状エーテルとして、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ヘキサメチレンオキシド、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、フラン、2,5−ジメチルフラン、およびs−トリオキサンを例示することができる。中でも、好ましくは環内に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状エーテルである。
式中、R20〜R23はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R20とR21とはそれぞれ独立に水素原子であってもよく互いに結合して環を形成していてもよい。
上式で表される1,3−ジエーテルとして、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、および2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパンならびにそれらの2種以上の組合せを例示することができる。
(1)固体物質に、ハロゲン化化合物および内部電子供与体を任意の順序で加える方法;
(2)固体物質に、ハロゲン化化合物および有機酸ハライドを任意の順序で加える方法;
(3)固体物質に、ハロゲン化化合物、内部電子供与体および有機酸ハライドの混合物を加える方法;
(4)固体物質に、ハロゲン化化合物および内部電子供与体の混合物と、有機酸ハライドとを、任意の順序で加える方法;
(5)固体物質に内部電子供与体を加え、次いでハロゲン化化合物を加える方法;
(6)固体物質に内部電子供与体を加え、次いでハロゲン化化合物およびさらなる内部電子供与体を任意の順序で加える方法;
(7)固体物質に内部電子供与体を加え、次いでハロゲン化化合物とさらなる内部電子供与体との混合物を加える方法;
(8)ハロゲン化化合物に、固体物質および内部電子供与体を任意の順序で加える方法;
(9)ハロゲン化化合物に、固体物質および有機酸ハライドを任意の順序で加える方法;ならびに
(10)ハロゲン化化合物に、固体物質、内部電子供与体および有機酸ハライドを任意の順序で加える方法。
中でも、好ましくは、方法(2);方法(4);方法(4)の最後の添加の後さらに、ハロゲン化化合物と内部電子供与体との混合物を少なくとも1回加える方法;または方法(7)(ただし、ハロゲン化化合物と内部電子供与体との混合物の添加は1回以上)であり、より好ましくは、方法(4);方法(4)の最後の添加の後さらに、ハロゲン化化合物と内部電子供与体との混合物を少なくとも1回加える方法;または方法(7)(ただし、ハロゲン化化合物と内部電子供与体との混合物の添加は1回以上)であり、特に好ましくは、方法(4)(ただし、内部電子供与体はエーテル)の最後の添加の後さらに、ハロゲン化化合物と内部電子供与体(ただし、内部電子供与体はカルボン酸エステルとエーテルとの組合せ)との混合物を加え、なお更に、ハロゲン化化合物と内部電子供与体(ただし、内部電子供与体はエーテル)との混合物を少なくとも1回加える方法;または方法(7)(ただし、最初に用いる内部電子供与体はカルボン酸エステルであり、次に用いる内部電子供与体はカルボン酸エステルとエーテルとの組合せである)の最後の添加の後さらに、ハロゲン化化合物と内部電子供与体(ただし、内部電子供与体はエーテル)との混合物を少なくとも1回加える方法である。
上記の接触における希釈剤の使用量は、接触1回につき、固体物質1gあたり、通常0.1ミリリットル〜1000ミリリットル、好ましくは1ミリリットル〜100ミリリットルである。
上記の接触は好ましくは、均一なスラリー状態を維持するために、攪拌下に行われる。攪拌が不十分であると、接触が不十分となり、得られる重合触媒の立体規則性や重合活性が十分でないことがある。攪拌が強すぎると、固体成分が破壊されることがある。
ハロゲン化化合物の使用量は、固体物質1gに対し、通常0.5〜1000ミリモル、好ましくは1〜200ミリモル、さらに好ましくは2〜100ミリモルである。ハロゲン化化合物は好ましくは内部電子供与体と組合せて用いられる。その場合の内部電子供与体の使用量は、ハロゲン化化合物1モルあたり、通常1〜100モル、好ましくは1.5〜75モル、さらに好ましくは2〜50モルである。
有機酸ハライドの使用量は、固体物質1gに対して、通常0.1〜100ミリモル、好ましくは0.3〜50ミリモル、さらに好ましくは0.5〜20ミリモルであり、固体物質中のマグネシウム原子1モルに対しては、通常0.01〜1.0モル、好ましくは0.03〜0.5モルである。
内部電子供与体や有機酸ハライドの使用量が、固体物質1gに対して100ミリモルを超えると、粒子(接触生成物)が崩壊することがある。
この工程の炭化水素溶媒として、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンのような芳香族炭化水素溶媒を例示することがで、中でも、好ましくはトルエンまたはキシレンである。
炭化水素溶媒の使用量は、洗浄1回につき、固体成分1gあたり、通常0.1ミリリットル〜1000ミリリットル、好ましくは1ミリリットル〜100ミリリットルである。
洗浄は好ましくは、均一なスラリー状態を維持するために、攪拌下に行われる。攪拌が不十分であると、洗浄が不十分となり、得られる重合触媒の立体規則性や重合活性が十分でないことがある。攪拌が強すぎると、固体成分が破壊されることがある。
この工程における接触の条件は、工程(1)における「固体物質」を「固体成分」に変えたこと以外は全て、工程(1)における接触の条件と同じである。
この工程の炭化水素溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカンのような脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンのような芳香族炭化水素を例示することができ、中でも、好ましくは、芳香族炭化水素であり、より好ましくは、トルエンまたはキシレンである。
洗浄に用いる炭化水素溶媒の使用量および洗浄の時間の好ましい態様は、工程(2)におけるそれらと同じである。
洗浄の温度は70℃以上、通常70〜150℃、好ましくは90〜140℃、より好ましくは100〜135℃である。
この工程は洗浄によって、本発明の目的の観点から好ましくないチタン化合物を固体成分から除去するための工程である。洗浄された固体成分、すなわち、本発明のチタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有するオレフィン重合用固体触媒成分に含まれる好ましくないチタン化合物の量は、該触媒成分の濃度0.1g/mlのヘプタン懸濁液を70℃で30分攪拌した後に濾過して(例えば目開きG4のフィルターを使って)得られる濾液中のチタン原子濃度が0.08mg/ml以下というレベルにまで低減される。濾液中のチタン原子濃度は、好ましくは、0.05ml/g以下、より好ましくは、0.04ml/g以下、さらに好ましくは、0.03ml/g以下であり、UV吸光度法やICP発光法のような分析法で測定される。
本発明のオレフィン重合用固体触媒成分は、チタン原子を0.1〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%、マグネシウム原子を5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、ハロゲン原子を40〜70重量%、好ましくは45〜65重量%、およびハイドロカルビルオキシ基を0.1〜3.5重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%、それぞれ含有する。
オレフィン重合用固体触媒成分は、不活性な溶媒のスラリーとして重合に使用してもよいし、乾燥して得られる流動性の粉末として重合に使用してもよい。乾燥の方法として、減圧乾燥法や、窒素およびアルゴンのような不活性ガスの流通下に揮発成分を除去する方法を例示することができる。乾燥の温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜100℃である。乾燥の時間は、好ましくは0.01〜20時間、より好ましくは0.5〜10時間である。
R24 wAlX8 3-w
R25R26Al−O−AlR27R28
式中、R24〜R28は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基であり;X8はハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基であり;wは2≦w≦3を満足する数である。
該酸素含有化合物として、アルコキシケイ素化合物、エーテル、エステルおよびケトンを例示することができ、なかでも好ましくはアルコキシケイ素化合物またはエーテルである。
該アルコキシケイ素化合物として、下式で表される化合物を例示することができる;
R29 rSi(OR30)4-r
式中、R29は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、水素原子またはヘテロ原子含有置換基を表し、複数のR29が存在するとき、それらは相互に同じか異なる;R30は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、複数のR30が存在するとき、それらは相互に同じか異なる;rは0≦r<4を満たす数を表す。
R29のヘテロ原子含有置換基におけるヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子を例示することができる。ヘテロ原子含有置換基として、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル−n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、パーヒドロインドリル基、パーヒドロイソインドリル基、パーヒドロキノリル基、パーヒドロイソキノリル基、パーヒドロカルバゾリル基、パーヒドロアクリジニル基、フリル基、ピラニル基、パーヒドロフリル基、およびチエニル基を例示することができる。中でも、ヘテロ原子とケイ素原子とが直接化学結合しているヘテロ原子含有置換基が好ましい。
上記の外部電子供与体としての窒素含有化合物として、2,6−ジメチルピペリジンおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのような2,6−置換ピペリジン;2,5−置換ピペリジン、N,N,N',N'−テトラメチルメチレンジアミン、およびN,N,N',N'−テトラエチルメチレンジアミンのような置換メチレンジアミン;ならびに1,3−ジベンジルイミダゾリジンのような置換イミダゾリジンを例示することができる。中でも、好ましくは2,6−置換ピペリジンである。
プロピレン単独重合体またはプロピレン単位を主たる単量体単位とする共重合体の立体規則性は、20℃キシレン可溶成分量(CXS)で表すことができ、CXSが低いほど立体規則性が高い。プロピレン単独重合体のCXSは、好ましくは0.6重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。
本発明におけるオレフィンの重合(本重合)においては、固体触媒成分をそのまま用いるか、又は、該固体触媒成分に替えて、以下に説明する、該固体触媒成分を用いて製造される予備重合された触媒成分(すなわち、該固体触媒成分の表面が、予備重合で生成した重合体で覆われている粒子状の触媒成分)を用いる。
予備重合された触媒成分は、固体触媒成分および有機アルミニウム化合物の存在下、少量のオレフィンをスラリー重合させて製造するのが好ましい。該スラリー重合に用いられる溶媒として、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、およびトルエンのような不活性炭化水素を例示することができる。該不活性炭化水素溶媒の一部または全部を、液状のオレフィンに替えてもよい。
予備重合されるオレフィンの量は、固体触媒成分1gあたり、通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
上記スラリー重合におけるスラリー濃度は、1〜500g−固体触媒成分/リットル−溶媒が好ましく、3〜300g−固体触媒成分/リットル−溶媒が特に好ましい。
予備重合の温度は、−20〜100℃が好ましく、0〜80℃が特に好ましい。予備重合における気相部のオレフィンの分圧は、1kPa〜2MPaが好ましく、10kPa〜1MPaが特に好ましいが、予備重合の圧力や温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。予備重合の時間は特に制限されず、通常2分間から15時間が好適である。
予備重合における外部電子供与体の予備重合反応器への供給方法は特に制限されない。該方法として、(1)外部電子供与体を有機アルミニウム化合物とは別に供給する方法、および(2)外部電子供与体と有機アルミニウム化合物との接触物を供給する方法を例示することができる。予備重合で使用されるオレフィンは、本重合で使用されるオレフィンと同一か又は異なる。
本重合における外部電子供与体の使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルあたり、通常0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは、0.5〜800モルであり、有機アルミニウム化合物1モルあたり、通常0.001〜5モル、好ましくは0.005〜3モル、特に好ましくは0.01〜1モルである。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって特に限定をうけるものではない。
1.固体触媒成分の合成
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、ヘキサン800l、フタル酸ジイソブチル6.8kg、テトラエトキシシラン350kgおよびテトラブトキシチタン38.8kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1mol/l)900lを反応器の温度を7℃に保ちながら5時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン1100lでの洗浄を3回繰り返し、スラリーの全体積が625lとなるようにトルエンを加えた。その後、得られたスラリーを、攪拌下70℃で1時間加熱処理し、室温まで冷却し、固体物質のスラリーを得た。
該スラリーの一部を減圧乾燥して得た乾燥固体物質の組成分析を行ったところ固体物質中にはチタン原子が2.1重量%、エトキシ基が38.9重量%、ブトキシ基が3.4重量%含有されていた(乾燥固体物質を100重量%とする)。また、この固体物質中のチタン原子の原子価は3価であった。
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mlのフラスコを窒素で置換したのち、上記で得た固体物質のスラリーを、乾燥固体物質8gを含む量だけ投入し、スラリーの全体積が26.5mlとなるように上澄み液を抜き取った。40℃で四塩化チタン16.0ml、ジブチルエーテル0.8mlの混合物を投入し、さらにフタル酸クロライド2.0mlとトルエン2.0mlの混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応混合物を115℃で4時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を115℃でトルエン40mlで3回洗浄を行った。
工程(3)
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mlとなるようにトルエンを加えた。そこへジブチルエーテル0.8ml、フタル酸ジイソブチル0.45mlと、四塩化チタン6.4mlの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mlで2回洗浄を行った
工程(3)の繰り返し
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mlとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル0.8ml、四塩化チタン6.4mlの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mlで2回洗浄を行った。
工程(3)のさらなる繰り返し
該洗浄された固体成分に、スラリーの体積が26.5mlとなるようにトルエンを加え105℃とした。そこへジブチルエーテル0.8ml、四塩化チタン6.4mlの混合物を投入し、105℃で1時間攪拌した。その後、同温度で固液分離し、固体成分を得た。
該固体成分を105℃でトルエン40mlで6回洗浄し、室温でヘキサン40mlで3回洗浄を行った。これを減圧乾燥して固体触媒成分を得た。
(1)ろ液40mlを50mlのメスフラスコに移す;
(2)すべての溶媒を窒素気流にて除去する;
(3)2規定の希硫酸約30mlで分解する;
(4)3重量%過酸化水素水3mlを加える;
(5)得られた液状サンプルの410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を用いて測定する;
(6)別途作成しておいた検量線によって、濾液中のチタン原子濃度を求める。
3リットルの内容積を持つステンレス製オートクレーブを真空とした後、0.15MPaの分圧の水素を加えた。上記で得た固体触媒成分7.81mgと、トリエチルアルミニウム(有機アルミニウム化合物)2.6mmolと、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン(外部電子供与体)0.52mmolとを仕込み、次いで液化プロピレン780gを仕込み、オートクレーブの温度を70℃に昇温し、70℃で1時間重合し、プロピレンの単独重合体パウダー319gを得た。
固体触媒成分1gあたりの該単独重合体の収量は40800g/gであった。また、全重合体収量に占める20℃キシレン可溶部(CXS)の割合は0.48重量%、重合体の極限粘度[η]は1.71dl/g、嵩密度は0.448g/mlであった。
(1)サンプル約20mgを2規定の希硫酸約30mlで分解する;
(2)これに、過剰量の、3重量%過酸化水素水3ミリリットルを加える;
(3)得られた液状サンプルの410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を用いて測定する;
(4)別途作成しておいた検量線により含有量を求める。
上記のアルコキシ基含有量(重量%)は、以下の手順からなる方法で求めた:
(1)サンプル約2gを水100mlで分解する;
(2)得られた液状サンプル中のアルコキシ基に対応するアルコール量を、ガスクロマトグラフィー内部標準法を用いて求める;
(3)アルコキシ基含有量に換算する。
(1)サンプル30mgをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解する;
(2)溶液中のカルボン酸エステルの量をガスクロマトグラフィー内部標準法で求める。
(1)固体物質約70mgを、濃度1.5mol/lの酒石酸水溶液および濃度0.5mol/lの硫酸からなる液約30mlに溶解させる;
(2)得られる溶液について、柳本製作所製ポーラログラフィックアナライザP−1100を用い直流電流法によって、原子価を測定する。
(1)重合体1gを沸騰キシレン200mlに溶解させる;
(2)50℃まで徐冷する;
(3)氷水に浸し撹拌しながら20℃までさらに冷却する;
(4)20℃で3時間放置する;
(5)析出した共重合体を濾別する;
(6)濾液中に溶解している共重合体の重量百分率をCXSとして求める。
CXSの値が小さいほど、重合体の立体規則性が高い。
上記の嵩密度は、JIS K 6721(1966)に準拠して測定した。
実施例1の工程(4)における「105℃でのトルエン40mlによる6回の洗浄、および室温でのヘキサン40mlによる3回の洗浄」を、「105℃でのトルエン40mlによる5回の洗浄、および室温でのヘキサン40mlによる3回の洗浄」に変更したこと以外は実施例1と同様に行ない、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分中には、チタン原子1.7重量%、エトキシ基0.07重量%、ブトキシ基0.16重量%、フタル酸ジエチル7.6重量%、フタル酸エチルノルマルブチル0.76重量%、フタル酸ジイソブチル2.5重量%が含有されていた(固体触媒成分を100重量%とする)。
上記の固体触媒成分4.98gを70℃のヘプタン49.8mlに加え、濃度0.1g/mlのヘプタン懸濁液を調製した。これを70℃で30分間攪拌した後に、G4のフィルターで濾過した。得られた濾液中のチタン原子濃度は、上記の方法で求め、0.029mg/mlであった。
実施例1の固体触媒成分7.81mgを上記の固体触媒成分4.48mgに変更した以外は実施例1と同様に行ない、プロピレンの単独重合体パウダー203gを得た。
固体触媒成分1gあたりの該単独重合体の収量は45300g/gであった。また、全重合体収量に占める20℃キシレン可溶部(CXS)の割合は0.55重量%、重合体の極限粘度[η]は1.68dl/g、嵩密度は0.450g/mlであった。
実施例1の工程(4)における「105℃でのトルエン40mlによる6回の洗浄、および室温でのヘキサン40mlによる3回の洗浄」を、「105℃でのトルエン40mlによる4回の洗浄、および室温でのヘキサン40mlによる3回の洗浄」に変更したこと以外は実施例1と同様に行ない、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分中には、チタン原子1.8重量%、エトキシ基0.07重量%、ブトキシ基0.18重量%、フタル酸ジエチル7.8重量%、フタル酸エチルノルマルブチル0.8重量%、フタル酸ジイソブチル2.5重量%が含有されていた(固体触媒成分を100重量%とする)。
上記の固体触媒成分4.83gを70℃のヘプタン48mlに加え、濃度0.1g/mlのヘプタン懸濁液を調製した。これを70℃で30分間攪拌した後に、G4のフィルターで濾過した。得られた濾液中のチタン原子濃度は、上記の方法で求め、0.074mg/mlであった。
実施例1の固体触媒成分7.81mgを上記の固体触媒成分5.82mgに変更した以外は実施例1と同様に行ない、プロピレンの単独重合体パウダー292gを得た。
固体触媒成分1gあたりの該単独重合体の収量は50200g/gであった。また、全重合体収量に占める20℃キシレン可溶部(CXS)の割合は0.56重量%、重合体の極限粘度[η]は1.60dl/g、嵩密度は0.442g/mlであった。
実施例1の工程(4)における「105℃でのトルエン40mlによる6回の洗浄、および室温でのヘキサン40mlによる3回の洗浄」を、「105℃でのトルエン40mlによる3回の洗浄、および室温でのヘキサン40mlによる3回の洗浄」に変更したこと以外は実施例1と同様に行ない、固体触媒成分を得た。
該固体触媒成分中には、チタン原子2.1重量%、エトキシ基0.06重量%、ブトキシ基0.19重量%、フタル酸ジエチル7.7重量%、フタル酸エチルノルマルブチル0.8重量%、フタル酸ジイソブチル2.5重量%が含有されていた(固体触媒成分を100重量%とする)。
上記の固体触媒成分4.55gを70℃のヘプタン46mlに加え、濃度0.1g/mlのヘプタン懸濁液を調製した。これを70℃で30分間攪拌した後に、G4のフィルターで濾過した。得られた濾液中のチタン原子濃度は、上記の方法で求め、0.085mg/mlであった。
実施例1の固体触媒成分7.81mgを上記の固体触媒成分8.21mgに変更した以外は実施例1と同様に行ない、プロピレンの単独重合体パウダー432gを得た。
固体触媒成分1gあたりの該単独重合体の収量は52600g/gであった。また、全重合体収量に占める20℃キシレン可溶部(CXS)の割合は0.62重量%、重合体の極限粘度[η]は1.66dl/g、嵩密度は0.443g/mlであった。
Claims (14)
- チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有するオレフィン重合用固体触媒成分であって、該触媒成分の濃度0.1g/mlのヘプタン懸濁液を70℃で30分攪拌した後に濾過して得られる濾液中のチタン原子濃度が0.08mg/ml以下であるオレフィン重合用固体触媒成分。
- 濾液中のチタン原子濃度が0.05mg/ml以下である請求項1に記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- 濾液中のチタン原子濃度が0.04mg/ml以下である請求項1または2に記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- 濾液中のチタン原子濃度が0.03mg/ml以下である請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- オレフィン重合用固体触媒成分を100重量%として、チタン原子の含有量が0.1〜3.0重量%、マグネシウム原子の含有量が5〜30重量%、ハロゲン原子の含有量が40〜70重量%、およびハイドロカルビルオキシ基の含有量が0.1〜3.5重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- ハロゲン原子が塩素原子である請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- ハイドロカルビルオキシ基がエトキシ基および/またはブトキシ基である請求項1〜6のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- 以下の工程(1)および工程(4)の順序からなる、又は以下の工程(1)と、工程(2)および工程(3)の組合せのこの順序の1回以上の繰り返しと、工程(4)との順序からなる、請求項1〜7のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法:
(1)マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体物質と、ハロゲン化化合物と、内部電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させて固体成分を得る工程;
(2)該固体成分を炭化水素溶媒で洗浄する工程;
(3)洗浄された固体成分と、ハロゲン化化合物と、内部電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる工程;および
(4)該固体成分を炭化水素溶媒にて70℃以上で少なくとも4回洗浄する工程。 - 工程(4)の炭化水素溶媒が芳香族炭化水素溶媒である請求項8に記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
- 工程(4)の炭化水素溶媒がトルエンまたはキシレンである請求項8または9に記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
- 工程(1)にかかるマグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体物質が、3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体物質である請求項8〜10のいずれかに記載のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
- 請求項8〜12のいずれかの製造方法で製造されるオレフィン重合用固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、外部電子供与体とを接触させる工程からなるオレフィン重合用触媒の製造方法。
- 請求項13の製造方法で製造されるオレフィン重合用触媒とオレフィンとを接触させる工程からなるオレフィン重合体の製造方法。
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