JP5211477B2 - エチレン−プロピレン共重合体の製造方法 - Google Patents
エチレン−プロピレン共重合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5211477B2 JP5211477B2 JP2006335472A JP2006335472A JP5211477B2 JP 5211477 B2 JP5211477 B2 JP 5211477B2 JP 2006335472 A JP2006335472 A JP 2006335472A JP 2006335472 A JP2006335472 A JP 2006335472A JP 5211477 B2 JP5211477 B2 JP 5211477B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- ethylene
- compound
- atom
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CCC(C)(C)OC1I(*)=I(*)C1C(*)(CC)N Chemical compound CCC(C)(C)OC1I(*)=I(*)C1C(*)(CC)N 0.000 description 1
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
かかる現状において、本発明の解決すべき課題、即ち本発明の目的は、ランダム性が高く、高分子量のエチレン−プロピレン共重合体を得ることができるエチレン−プロピレン共重合体の製造方法を提供しようとするものである。
(A)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下式[I]で表されるチタン化合物(ii)を有機マグネシウム化合物(iii)によって還元することにより得られる固体成分(a)、M 2 R 1 m-c X 8 c (式中、M 2 はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子を表し、R 1 は炭素原子数が1〜20のヒドロカルビル基を表し、X 8 はハロゲン原子を表し、mはM 2 の原子価に相当する数を表す。cは0<c≦mを満たす数を表す。)で表される化合物(b)およびフタル酸誘導体(c)を接触させる工程を含む方法によって得られる固体触媒成分
(ただし、上式[I]において、R 2 は炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表す。X 2 はそれぞれ独立に、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基を表す。aは1〜20の数を表す。)
(B)有機アルミニウム化合物
本発明の製造方法によって製造されるエチレン−プロピレン共重合体に含有される、13C核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルによって測定されるプロピレンに由来する単量体単位の含有量は10〜90モル%である。該エチレン−プロピレン共重合体の弾性率の観点から、好ましくは20〜60モル%であり、より好ましくは30〜50モル%である。
本発明の製造方法で用いられる固体触媒成分(A)に用いられる電子供与体としては、例えば、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、有機酸または無機酸の酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体を挙げることができる。これらの電子供与体のうち好ましくは有機酸のエステル類および/またはエーテル類であり、より好ましくはカルボン酸エステル類および/またはエーテル類であり、さらに好ましくはカルボン酸エステル類である。
(ただし、上式において、R16〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子からなる置換基を表し、X6、X7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子または酸素原子およびハロゲン原子のうちの複数を任意に組み合わせて形成される置換基を表す。)
R16〜R19として好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜10のヒドロカルビル基であり、各置換基は互いに結合していてもよい。X6、X7として好ましくは、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基である。また、芳香族環の一部または全部は水添されていてもよい。
本発明の固体触媒成分中に含有されるエステルがフタル酸ジアルキルの場合、それらはフタル酸誘導体に由来するものであり、上式においてX6、X7がアルコキシ基となった化合物である。固体触媒成分の調製の際に、用いたフタル酸誘導体のX6,X7はそのまま、あるいは他の置換基と交換しうる。
上記エステル化合物は主として、後述するように、該固体触媒成分(A)の調整過程において、エステル化合物もしくは反応系中でエステル化合物を生成しうる化合物に由来する化合物である。
これらのカルボン酸エステルは1回の接触処理において1種類または複数種類を用いてもよいし、一連の固体触媒成分の製造において1種類または複数種類を用いてもよい。
環状エーテル化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ヘキサメチレンオキシド、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、フラン、2,5−ジメチルフラン、またはs−トリオキサンが挙げられる。なかでも好ましくは、環内に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状エーテルである。
(ただし、上式[III]において、R20〜R23はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R20およびR21はそれぞれ独立に水素原子であってもよい。また、R20とR21は互いに結合していてもよい。)
具体的には、例えば、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−3,7−ジメチルオクチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−ヘプチル−2−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等が挙げられる。
これら電子供与体は、1回の接触処理において1種類または複数種類を用いてもよいし、一連の固体触媒成分の製造において1種類または複数種類を用いてもよい。
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物、チタン化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物のアルコール溶液をチタン化合物と接触させることで得られた固体成分とエステル化合物を接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物の溶液を析出剤と接触させることで得られた固体成分と、ハロゲン化化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物、ハロゲン化チタン化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分、ハロゲン化化合物およびエステル化合物を接触させる方法。
なかでも(5)が本発明において好適であり、マグネシウム原子、チタン原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)およびフタル酸誘導体(c)を接触させる方法が好ましい。以下、更に詳細に説明する。
固体成分(a)は、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下式[I]で表されるチタン化合物(ii)を、有機マグネシウム化合物(iii)で還元して得られる固体成分である。このとき任意成分としてエステル化合物(iv)を共存させると、重合活性が更に向上する場合がある。
(ただし、上式[I]において、R2は炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表す。X2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基を表す。aは1〜20の数を表す。)
Si(OR10)tR11 4-t、
R12(R13 2SiO)uSiR14 3、または、
(R15 2SiO)v
上式において、R10は炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R11、R12、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子を表す。tは0<t≦4を満たす整数を表し、uは1〜1000の整数を表し、vは2〜1000の整数を表す。
(ただし、上式[I]において、R2は炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表す。X2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基を表す。aは1〜20の数を表す。)
これらのヒドロカルビル基のうち、好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基または炭素原子数6〜18のアリール基である。更に好ましくは炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基である。
特に好ましくは、テトラn−ブトキシチタン、テトラn−ブチルチタニウムダイマーまたはテトラn−ブチルチタニウムテトラマーである。
なお、チタン化合物(ii)は単独で用いてもよいし、複数種を混合した状態で用いることも可能である。
かかる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物が挙げられる。
有機マグネシウム(iii)の投入時間は特に限定されないが、通常30分〜10時間程度である。有機マグネシウムの(iii)の投入に伴い還元反応が進行するが、投入後、更に20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
更に、有機マグネシウム化合物(iii)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子数の比で通常(Ti+Si)/Mg=0.1〜10であり、好ましくは0.2〜5.0であり、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
また、固体触媒成分におけるMg/Tiのモル比の値は、通常1〜51であり、好ましくは2〜31であり、特に好ましくは4〜26の範囲となるようにチタン化合物(ii)、有機ケイ素化合物(i)、有機マグネシウム化合物(iii)の使用量を決定する。
また、任意成分のエステル化合物(iv)の使用量は、チタン化合物(ii)のチタン原子に対するエステル化合物のモル比で、通常、エステル化合物/Ti=0.05〜100であり、好ましくは0.1〜60であり、特に好ましくは0.2〜30の範囲である。
このようにして得られた固体成分(a)は3価のチタン原子、マグネシウム原子およびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示す。重合活性および立体規則性の点から、特に非晶性の構造が好ましい。
ハロゲン化化合物として好ましくは、固体成分(a)中のヒドロカルビルオキシ基をハロゲン原子に置換し得る化合物である。より好ましくは、周期表第4族元素のハロゲン化合物、第13族元素のハロゲン化合物または第14族元素のハロゲン化合物であり、更に好ましくは、第4族元素のハロゲン化合物(b1)または第14族元素のハロゲン化合物(b2)である。
ここでいう第13族の原子としては、例えば、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子、インジウム原子、タリウム原子が挙げられ、好ましくはホウ素原子またはアルミニウム原子であり、より好ましくはアルミニウム原子である。また、第14族の原子としては、例えば、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子、鉛原子が挙げられ、好ましくはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子であり、より好ましくはケイ素原子または錫原子である。
cは0<c≦mを満たす数であり、M2がケイ素原子のときcは好ましくは3または4である。
X8で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
ハロゲン化化合物(b)は、上記化合物の中から単独で用いてもよいし、複数種を同時にあるいは逐次的に用いてもよい。
フタル酸誘導体(c)の具体例および好ましい例は、前記のフタル酸誘導体と同様である。
本発明の固体触媒成分(A)は、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、式[I]で表されるチタン化合物(ii)を有機マグネシウム化合物(iii)によって還元することにより得られる固体成分(a)、ハロゲン化化合物(b)およびフタル酸誘導体(c)を接触させることによって得られる。これらの接触処理は通常、全て窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体雰囲気下で行われる。
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(b)に、(a)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(c)に、(a)および(b)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(b)を投入し、接触処理した後に、(c)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理する方法
・(a)に(c)を投入し、接触処理した後に、(b)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
等が挙げられる。なかでも
・(a)に、(b2)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b1)を投入し、接触処理する方法
・(a)に、(b2)および(c)(投入順序任意)を投入し、接触処理した後に(b1)および(c)の混合物を投入し、接触処理する方法
がより好ましい。また、その後更に(b1)との接触処理を複数回繰り返すことで重合活性が改良される場合がある。
また、接触処理後は、そのまま次の操作を行うことができるが、余剰物を除去するため、溶媒によって洗浄処理を行うのが好ましい。
接触処理における溶媒の使用量は、一段階の接触処理につき、固体成分(a)1gあたり通常0.1ml〜1000mlである。好ましくは1gあたり1ml〜100mlである。また、一回の洗浄操作における溶媒の使用量も同程度である。洗浄処理における洗浄操作の回数は、一段階の接触処理につき通常1〜5回である。
接触処理時間は特に限定されないが、好ましくは0.5〜8時間であり、更に好ましくは1〜6時間である。洗浄操作時間は特に限定されないが、好ましくは1〜120分であり、更に好ましくは2〜60分である。
フタル酸誘導体(c)の使用量が過度に多い場合には、粒子の崩壊によって固体触媒成分(A)の粒度分布が広くなることがある。
本発明の製造方法に用いられる重合用触媒を形成するために用いられる有機アルミニウム化合物(B)は、少なくとも分子内に一個のアルミニウム−炭素結合を有するものである。代表的な有機アルミニウム化合物を式で下記に示す。
R19 wAlY3-w
R20R21Al−O−AlR22R23
(上式において、R19〜R23は炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表し、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表し、wは2≦w≦3を満たす数を表す。)
かかる有機アルミニウム化合物(B)としては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサンが挙げられる。
本発明の製造方法に用いられる重合用触媒を形成するために必要に応じて用いられる電子供与体(C)としては、例えば、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、好ましくは酸素含有化合物または窒素含有化合物である。
酸素含有化合物としては、例えば、アルコキシケイ素類、エーテル類、エステル類、ケトン類等が挙げられ、好ましくはアルコキシケイ素類またはエーテル類である。
環状エーテル化合物とは、環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−結合を有する複素環式化合物である。
環状エーテル化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ヘキサメチレンオキシド、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、フラン、2,5−ジメチルフラン、またはs−トリオキサンが挙げられる。好ましくは環構造内に少なくとも一つの−C−O−C−O−C−結合を有する環状エーテル化合物である。
各触媒成分を重合槽に供給する方法としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス中で水分のない状態で供給することが好ましい。各触媒成分は、任意の二成分を予め接触させて供給してもよい。
チタン原子含有量は、固体サンプル約20ミリグラムを0.5モル/Lの硫酸47mlで分解し、これに過剰となる3重量%過酸化水素水3mlを加え、得られた液状サンプルの410nmの特性吸収を日立製ダブルビーム分光光度計U−2001型を用いて測定し、別途作成しておいた検量線によって求めた。アルコキシ基含有量は、固体サンプル約2グラムを水100mlで分解後、得られた液状サンプル中のアルコキシ基に対応するアルコール量を、ガスクロマトグラフィー内部標準法を用いて求め、アルコキシ基含有量に換算した。フタル酸エステル化合物含有量は、固体サンプル約30ミリグラムをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解後、溶液中のフタル酸エステル化合物量をガスクロマトグラフィー内部標準法で求めた。
(2)BET比表面積
固体触媒成分の比表面積は、マイクロメリティクス社製フローソーブII 2300を用いて窒素吸脱着量によるBET法で求めた。
(3)エチレン/プロピレン共重合体中のプロピレン含有量(単位:mol%)
M.ド.ポーター(M.De Pooter)外著、「ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)」、第42巻、米国、1991年、p.399−p.408の記載をもとに13C NMR法によって、下記の条件で測定し、算出した。
装置:日本電子(株)製JNM−EX270
プローブ径:10mmφ
溶媒:オルトジクロロベンゼン
温度:135℃
試料濃度:5重量%
パルス幅:45
繰り返し時間:10秒
積算回数:2500回
(4)モノマー反応性比(r1r2)
(3)と同様な条件で測定し、角五外著、「マクロモルキュールズ(Macromolecules)」、第15巻、米国、1982年、p.1150−p.1152の記載をもとに算出した。
(5)極限粘度(以下[η]と略す。)
テトラリン溶媒に重合体を溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて135℃にて測定した。
(6)ガラス転移温度(Tg 単位:℃)
示差走査熱量測定装置(TAインスツルメンツ社製 DSC Q100)を使用し、試片約10mgを窒素雰囲気下で200℃で溶融させた後、200℃で5分間保持し、10℃/分の降温速度で−90℃まで降温した。その後、10℃/分で200℃まで昇温する際の吸熱曲線から測定した。
(7)結晶化熱量(単位:J/g)
ガラス転移温度と同様の装置を使用し、試片約10mgを窒素雰囲気下で200℃で溶融させた後、200℃で5分間保持し、10℃/分の降温速度で−90℃まで降温する際の放熱ピークから、単位重さ当たりの結晶化熱量(ΔHc)を求めた。
(8)冷キシレン可溶部(CXS)
5gの重合体を1000mlの沸騰キシレンに溶解させたのち、空冷し、20℃の恒温槽で20時間放置した後、同温にて析出した重合体を濾紙(アドバンテック社製No.50)を用いて濾別した。濾液中のキシレンを減圧留去、残存した重合体の重量百分率を求め、CXS(単位=重量%)とした。
(9)温度上昇溶離分別法における溶出樹脂量の測定
装置:三菱化学社製 CFC T150A型
検出器:ニコレ−ジャパン(株)社製 Magna−IR550
波長:データ範囲 2982〜2842cm−1
カラム:昭和電工(株)社製 UT−806M 2本
溶媒:オルトジクロルベンゼン
流速:60ml/時間
試料濃度:100mg/25ml
試料注入量:0.8ml
担持条件:1℃/1分の速度で140℃から0℃まで降温した後、30分間放置して、0℃フラクションから溶出を開始した。
(1)固体触媒成分前駆体の合成
窒素置換した撹拌機、邪魔板を備えた200L反応器に、ヘキサン80L、テトラエトキシシラン20.6kgおよびテトラブトキシチタン2.2kgを投入し、撹拌した。次に、前記攪拌混合物に、ブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液(濃度2.1モル/L)50Lを反応器の温度を5℃に保ちながら4時間かけて滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌したあと濾過し、得られた固体をトルエン70Lでの洗浄を3回繰り返し、トルエン63Lを加え、スラリー化した。スラリーの一部を採取し、溶媒を除去、乾燥を行い、固体触媒成分前駆体を得た。
該固体触媒成分前駆体には、Tiが1.86重量%、OEt(エトキシ基)が36.1重量%、OBu(ブトキシ基)が3.0重量%含有されていた。
撹拌機を備えた内容積210Lの反応器を窒素で置換した後、前記(1)において合成した固体触媒成分前駆体スラリーを該反応器に仕込み、テトラクロロシラン14.4kg、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)9.5kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について95℃にてトルエン90Lでの洗浄を3回繰り返した後、トルエンを63L加えた。70℃に昇温後、TiCl4 13.0kgを投入し、105℃で2時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について95℃にてトルエン90Lでの洗浄を6回繰り返した後、更に室温にてヘキサン90Lでの洗浄を2回繰り返し、洗浄後の固体を乾燥して、固体触媒成分15.2kgを得た。
該固体触媒成分には、Tiが0.93重量%、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)が26.8重量%含有されていた。BET法による比表面積は8.5m2/gであった。
塩化ナトリウム100gを1リットルのかき混ぜ式ステンレス製オートクレーブに添加して80℃で減圧乾燥した。アルゴンで常圧にした後、オートクレーブ内部を60℃で安定させた。プロピレンを0.21MPa、その後、エチレンとプロピレンの混合ガス(混合ガス中のエチレン量は40.0重量%)を全圧が0.71MPaになるまで添加した。ついで、ペンタン5mL、トリエチルアルミニウム1.0mmol、実施例1(2)に記載の固体触媒成分48.6mgを混合したものをアルゴンで加圧投入し、重合を開始した。65℃で、上記のエチレンとプロピレンの混合ガスをモノマー分圧が0.71MPaに調整されるようにフィードし、3時間攪拌を続けた。重合終了後、内容物を取り出し、純水を約1L添加して1時間攪拌後、ろ過、真空乾燥してエチレン−プロピレン共重合体を16g得た。得られたエチレン−プロピレン共重合体の構造値を表1に示した。
実施例1(2)に記載の固体触媒成分を47.3mg用いた以外は、実施例1と同様に行った。重合の結果、エチレン−プロピレン共重合体を14g得た。得られたエチレン−プロピレン共重合体の構造値を表1に示した。
実施例1(2)に記載の固体触媒成分を41.7mg用いた以外は、実施例1と同様に行った。重合の結果、エチレン−プロピレン共重合体を19g得た。得られたエチレン−プロピレン共重合体の構造値を表1に示した。
実施例1(2)に記載の固体触媒成分を31.0mg用いた以外は、実施例1と同様に行った。重合の結果、エチレン−プロピレン共重合体を30g得た。得られたエチレン−プロピレン共重合体の構造値を表1に示した。
〔エチレン−プロピレン共重合体の製造〕
塩化ナトリウム100gを1リットルのかき混ぜ式ステンレス製オートクレーブに添加して80℃で減圧乾燥した。アルゴンで常圧にした後、オートクレーブ内部を60℃で安定させた。プロピレンを0.21MPaし、その後、エチレンとプロピレンの混合ガス(混合ガス中のエチレン量は40.0重量%)を全圧が0.71MPaになるまで添加した。ついで、ペンタン5mL、トリエチルアルミニウム1.0mmol、ノルマルプロピルメチルジメトシシシラン0.1mmolおよび特開2003−105018号公報の実施例1に記載のTi−Mg固体触媒7.78mgを混合したものをアルゴンで加圧投入し、重合を開始した。65℃で、上記のエチレンとプロピレンの混合ガスをモノマー分圧が0.71MPaに調整されるようにフィードし、42分間攪拌を続けた。重合終了後、内容物を取り出し、純水を約1L添加して1時間攪拌後、ろ過、真空乾燥してエチレン−プロピレン共重合体を16g得た。得られたエチレン−プロピレン共重合体の構造値を表1に示した。
Claims (5)
- 下記成分(A)および成分(A)に含有されるチタン原子1モルあたり10〜300モルの下記成分(B)を接触させることによって得られる重合用触媒の存在下に、エチレンおよびプロピレンを共重合させることによって得られるエチレン−プロピレン共重合体の製造方法であって、該共重合体に含有される13C核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルによって測定されるプロピレンに由来する単量体単位の含有量が10〜90モル%であるエチレン−プロピレン共重合体の製造方法。
(A)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(i)の存在下に、下式[I]で表されるチタン化合物(ii)を有機マグネシウム化合物(iii)によって還元することにより得られる固体成分(a)、M 2 R 1 m-c X 8 c (式中、M 2 はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子を表し、R 1 は炭素原子数が1〜20のヒドロカルビル基を表し、X 8 はハロゲン原子を表し、mはM 2 の原子価に相当する数を表す。cは0<c≦mを満たす数を表す。)で表される化合物(b)およびフタル酸誘導体(c)を接触させる工程を含む方法によって得られる固体触媒成分
(ただし、上式[I]において、R 2 は炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基を表す。X 2 はそれぞれ独立に、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基を表す。aは1〜20の数を表す。)
(B)有機アルミニウム化合物 - 成分(A)に含有されるフタル酸誘導体(c)の含有量が10〜50重量%(ただし、乾燥された固体触媒成分(A)全体を100重量%とする)である請求項1に記載のエチレン−プロピレン共重合体の製造方法。
- 成分(A)に含有されるチタン原子の含有量が0.6〜2.5重量%(ただし、乾燥された固体触媒成分(A)全体を100重量%とする)である請求項1または2に記載のエチレン−プロピレン共重合体の製造方法。
- 成分(A)のフタル酸誘導体(c)がフタル酸ジアルキルエステルである請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン−プロピレン共重合体の製造方法。
- 成分(A)および成分(A)に含有されるチタン原子1モルあたり100〜200モルの成分(B)を接触させる請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン−プロピレン共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006335472A JP5211477B2 (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | エチレン−プロピレン共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006335472A JP5211477B2 (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | エチレン−プロピレン共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008144101A JP2008144101A (ja) | 2008-06-26 |
JP5211477B2 true JP5211477B2 (ja) | 2013-06-12 |
Family
ID=39604632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006335472A Expired - Fee Related JP5211477B2 (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | エチレン−プロピレン共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5211477B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4749726B2 (ja) * | 2005-01-18 | 2011-08-17 | 東邦チタニウム株式会社 | オレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法 |
-
2006
- 2006-12-13 JP JP2006335472A patent/JP5211477B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008144101A (ja) | 2008-06-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4903360B2 (ja) | プロピレンブロック共重合体製造用固体触媒成分、プロピレンブロック共重合体製造用触媒、およびプロピレンブロック共重合体の製造方法 | |
US7879751B2 (en) | Production process of olefin polymerization catalyst component, of olefin polymerization catalyst, and of olefin polymer | |
JP2008247944A (ja) | 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体パウダー | |
US7256151B2 (en) | Solid catalyst component for α-olefin polymerization, process for producing catalyst therefor, and process for producing α-olefin polymer | |
JP2006096936A (ja) | α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP2006274160A (ja) | 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法 | |
JP2006016607A (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分、α−オレフィン重合用触媒、α−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP5454107B2 (ja) | プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 | |
JP2006274159A (ja) | 超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体 | |
JP4515023B2 (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分、α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP2006028483A (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法 | |
JP2008163325A (ja) | オレフィン共重合用触媒の製造方法およびオレフィン共重合体の製造方法 | |
JP4882193B2 (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法 | |
JP5211477B2 (ja) | エチレン−プロピレン共重合体の製造方法 | |
JP2007269996A (ja) | オレフィン重合用固体触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 | |
US7049263B2 (en) | Process for producing catalyst for α-olefin polymerization and process for producing α-olefin polymer | |
JP4857513B2 (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分、α−オレフィン重合用触媒、およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP4982936B2 (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分、α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP3941510B2 (ja) | α―オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP2008144008A (ja) | オレフィン共重合用触媒およびオレフィン共重合体の製造方法 | |
US7605215B2 (en) | Process for producing olefin copolymerization catalyst and process for producing olefin copolymer | |
JP2004292773A (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分前駆体の製造方法、α−オレフィン重合用固体触媒成分、α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JP4839513B2 (ja) | α−オレフィン重合用固体触媒成分、α−オレフィン重合用触媒、およびα−オレフィン重合体の製造方法 | |
JPH07157511A (ja) | オレフィン重合体の製造方法およびオレフィンの重合用触媒 | |
JP3427472B2 (ja) | 二軸延伸フィルム用ポリプロピレン及び二軸延伸フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080516 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120403 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130211 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |