以下、本発明の一実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<スロットマシンの全体構造の説明>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、横長矩形の透明な表示窓20aが形成してある。
この表示窓20aの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上L2A、下L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右上がりL3A,斜め右下がりL3B)の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)が表示される。
また、表示窓20aの下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、3−ベットスイッチ36が配設してあり、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入するための遊技媒体投入口38が設けてある。この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110(図4参照)に記憶するようになっている。
3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。遊技者が、遊技媒体を3枚投入し、又は3−ベットスイッチ36を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、すなわち、L1、L2A、L2B、L3A及びL3Bを有効化する。
なお、本実施形態では、遊技媒体投入口38からの投入、又は3−ベットスイッチ36の操作に基づく遊技媒体の数を「ベット数」と称し、その後、RAM110に記憶されて設定されたベット数を「設定ベット数」と称する。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示手段70が設けてある。なお、画像表示手段70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けてある。各リール40L,40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、図2(a)に示すような21個の図柄が描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。各リール40L,40C及び40Rは、上述した表示窓20aを介してそれぞれ視認可能となっている。3本のリール40L,40C及び40Rが停止した場合には、表示窓20aを介して合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L,40C及び40Rは、それぞれ図3又は図4に示すステッピングモータ80L、80C及び80Rにより回転駆動され、表示窓20aにおいて、各リール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rが設けてある。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、ストップスイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した5つの入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3B上に位置付けられるように停止制御している。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納したスピーカ(図5に示すスピーカ64参照)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、所定の組合せ、すなわち、役を構成する図柄の組合せとなり、役に入賞したときには、この組合せに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C及び40Rの図柄の組合せによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行われ、複数のリール40L、40C及び40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行うことができる。
<役、停止図柄の組合せ、遊技媒体の払出枚数、払出音の対応関係>
図2(a)に示すリール40L、40C及び40Rの図柄の組合せは、例えば、図17のBB未動作時一般抽選表に示すような「小役1〜6」、「再遊技役」、「MB役」、「BB役」、「はずれ」といった複数の役を形成する。そして、図18(a)の役−払出音割り当て一覧表1に示すように、「小役1〜6」には、入賞したときに払い出される遊技媒体の払出枚数と、払出音とが割り当てられている。また、「再遊技役」には、遊技媒体の払い出しはないが、入賞したときの効果音としての払出音が割り当てられている。以下、図2(a)、図17及び図18(a)を参照しつつ、役、停止図柄の組合せ、遊技媒体の払出枚数及び払出音の対応関係について説明する。
なお、図2(a)、図17、図18(a)は例示であり、図柄のデザイン、配列、組合せ、役の種類や数、遊技媒体の払出枚数、払出音の種類や割り当ては任意に設定することが可能である。
図17の「小役1」は、左中右リールを全て「ベル」(図2(a)の左リール20番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。図18(a)に示すように、「小役1」に入賞した場合の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中は9枚、特別遊技中は15枚に設定してあり、遊技媒体の払出時に払出音Aが出力される。
図17の「小役2」は、左中右リールを全て「スイカ」(図2(a)の左リール21番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。図18(a)に示すように、「小役2」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中は5枚、特別遊技中は15枚に設定してあり、遊技媒体の払出時に払出音Bが出力される。
図17の「小役3」は、左リールのみを「白チェリー」の図柄(図2(a)の左リール17番の図柄参照)で停止させることにより入賞する役である。図18(a)に示すように、「小役3」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中は4枚、特別遊技中は15枚に設定してあり、遊技媒体の払出時に払出音Cが出力される。
図17の「小役4」は、左リールを「青チェリー」(図2(a)の左リール8番の図柄参照)で停止させることにより入賞する役である。図18(a)に示すように、「小役4」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中は1枚、特別遊技中は15枚に設定してあり、遊技媒体の払出時に払出音Dが出力される。
図17の「小役5」は、左リールを「赤7」(図2(a)の左リール13番の図柄参照)、中リールを「赤チェリー」(図2の中リール8番の図柄参照)、右リールを「白BAR」(図2(a)の右リール7番の図柄参照)で停止させることにより入賞する役である。図18(a)に示すように、「小役5」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中は1枚、特別遊技中は15枚に設定してあり、遊技媒体の払出時に払出音Eが出力される。
図17の「小役6」は、左リールを「白7」(図2(a)の左リール3番の図柄参照)、中リールを「青チェリー」、右リールを「赤BAR」(図2(a)の右リール19番の図柄参照)で停止させることにより入賞する役である。図18(a)に示すように、「小役6」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中は1枚、特別遊技中は15枚に設定してあり、遊技媒体の払出時に払出音Fが出力される。
なお、本実施形態では、一般遊技や特別遊技といった遊技状態に応じて、上述した小役2〜5に入賞した場合の遊技媒体の払出枚数を変化させているが、これに限定されるものではなく、例えば、当該遊技でベットされた遊技媒体の枚数に応じて、小役に入賞した場合の遊技媒体の払出枚数を変化させることとしてもよい。例えば、BB遊技中において、所定の小役に3ベットで入賞した場合は5枚の遊技媒体を払い出し、1ベットで入賞した場合は15枚の遊技媒体を払い出すこととしてもよい。
図17の「再遊技役」は、左中右リールを全て「リプレイ」(図2(a)の左リール19番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。この「再遊技役」に入賞した場合は、遊技媒体を消費することなく次回遊技を行うことができる。また、図18(a)に示すように、「再遊技役」に入賞した場合には、遊技媒体の払い出しはないが、全てのリール停止時に効果音としての払出音Gが出力される。
図17の「MB役」は、左中リールを「赤7」又は「白7」のいずれか一方に揃え、右リールを「赤BAR」で揃えることにより入賞する役である。この「MB役」に入賞した場合は所定枚数の遊技媒体(例えば、106枚)の払い出しを限度にMB遊技を行うことができる。
このMB遊技では、左リールをストップスイッチの押動操作から所定の短い時間内(ex.75ms以内)に停止させるリール制御が行われ、いわゆる目押しにより左リールが「ベル」、「白チェリー」又は「青チェリー」のいずれかで停止するようにしてある(図2(a)の左リールの「ベル」、「赤チェリー」、「白チェリー」及び「青チェリー」の図柄配置を参照)。そして、左→中→右の順番でストップスイッチを押動操作することにより、中右リールにそれぞれ「ベル」が揃って「小役1」、「小役3」又は「小役4」のいずれかに入賞するようにしてある(図15のMB作動時抽選表を参照)。また、図18(a)に示すように、「MB役」に入賞した場合には、遊技媒体の払い出しがなく、払出音も設定されていない。なお、一般的には、MB遊技の開始時に演出音(一般に「ファンファーレ」とも呼ばれている)が出力されるが、この演出音を、他の演出音又は払出音に変更する矛盾演出を行うようにしてもよい。
図17の「BB役」は、左中右リールを全て「赤7」又は「白7」のいずれか一方に揃えることにより入賞する役である。「BB役」に入賞した場合は、所定枚数の遊技媒体(例えば、346枚)の払い出しを限度にBB遊技を行うことができる。このBB遊技は、一般遊技と、所定小役(本実施形態では「小役1」)が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技媒体の払出枚数が所定枚数以上に達するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、図18(a)に示すように、BB役に入賞した場合には、遊技媒体の払い出しがなく、払出音も設定されていない。なお、上記「MB役」の場合と同様に、BB遊技の開始時に演出音(「ファンファーレ」)が出力されるが、この演出音を、他の演出音又は払出音に変更する矛盾演出を行うようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、図18(a)に示すように、小役1〜6にそれぞれ異なる遊技媒体の払出音A〜Fを対応させたが、これに限定されるものではなく、例えば、図18(b)に示すように、小役1〜6に割り当てられた遊技媒体の払出枚数に払出音を対応させてもよい。すなわち、払出枚数9枚には払出音A、払出枚数5枚には払出音B、払出枚数4枚には払出音C、払出枚数1枚には払出音D、払出枚数15枚には払出音Eを対応させることも可能である。また、小役1〜6及び再遊技役のうちの一部の役だけ、又は一部の払出枚数だけに遊技媒体の払出音を対応させてもよい。
<機能ブロック図の説明>
図3は、スロットマシン10の制御に関する機能ブロック図である。同図において、制御回路として、主制御回路100と副制御回路200とが電気的に接続してある。主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続してあるとともに、リール40L、40C及び40Rのそれぞれに設けたステッピングモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続してある。副制御回路200には、報知手段600が電気的に接続してあり、この報知手段600には、画像表示手段70と、ランプ手段21と、スピーカ64とが含まれている。
操作手段300には、停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、3−ベットスイッチ36とが含まれる。また、停止操作手段310は、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rから構成してある。なお、これらの操作手段300は、スイッチやボタンに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
<<主制御回路100の説明>>
主制御回路100は、ベット制御手段400と、役抽選手段410と、リール制御手段420と、図柄判定手段440と、遊技制御手段430とを含んでいる。
ベット制御手段400は、遊技媒体投入口38の下部に設置した遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数、又は3−べットスイッチ36が操作されたときに発信されるベット操作信号に基づいて、新たなベット数を設定するとともに、必要に応じてクレジット数からベット数を減算する。また、ベット制御手段400は、これらの処理の結果を信号に変換して副制御回路200へ送信する。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、上述した小役1〜6、再遊技役、MB役、BB役又ははずれの抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。
ここで、本実施形態では、図17のBB未動作時一般抽選表、及び図16のBB未動作時RT抽選表に示すように、一般遊技中及びRT遊技中において、BB役と小役2〜6とが重複して当選することを可能としている。これにより、一般遊技中及びRT遊技中において、小役2〜6に当選又は入賞した場合に、BB役に重複して当選しているかもしれないという期待感を持たせることができ、一般遊技及びRT遊技に対する遊技者の趣向を高めることができる。
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、ステッピングモータ80L、80C、80Rの制御を行って、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信又は所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組合わせ制御を行う。
図柄判定手段440は、リール制御手段420により停止されたリール40L、40C、40Rの停止図柄の組合せを判定する。この判定結果は、次に述べる遊技制御手段430の制御処理に用いられるとともに、副制御回路200に送信される。
遊技制御手段430は、図柄判定手段440の停止図柄の判定結果に基づいて、小役1〜6、再遊技役、MB役又はBB役に入賞したか否かを判別し、入賞した役があると判別した場合は、この役に対応した制御処理を進める。
また、遊技制御手段430は、特別遊技制御手段431と、再遊技確率変動状態制御手段432とを含み、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、BB遊技等の特別遊技とRT遊技とに関する制御処理を行う。
特別遊技制御手段431は、BB役又はMB役に入賞したときに、遊技状態を上述したBB遊技又はMB遊技に移行させ、これら特別遊技の制御処理、及びこれら特別遊技中における所定枚数の遊技媒体の払い出しなどの制御処理を行う。
再遊技確率変動状態制御手段432は、所定の開始条件が満たされたときに、遊技状態を、役抽選で再遊技役の当選確率が極めて高くなるRT遊技に変更し、その後、所定の終了条件が満たされたときにRT遊技を終了させる制御を行う。RT遊技は、例えば、特別遊技の終了、一般遊技中の所定図柄への入賞を開始条件とし、また、所定回数のRT遊技の消化、RT遊技中における特別役の当選又は入賞を終了条件とすることが可能である。
RT遊技では、図16に示すBB未作動時RT抽選表を用いて役抽選が行われる。このBB未作動時RT抽選表では、再遊技役の当選確率が「1/1.54」(65%)に設定されており、図17に示すBB未作動時一般抽選表における再遊技役の当選確率「1/7.3」(14%)と比較して、極めて高い当選確率となっている。
なお、本実施形態では、再遊技確率変動状態の具体例として、図17のBB未作動時一般抽選表に再遊技役を設定し、図16のBB未作動時RT抽選表において、前記再遊技役の当選確率を高く設定した再遊技高確率状態を説明したが、確率変動状態は、これに限定されるものではない。例えば、図17のBB未作動時一般抽選表に単一又は複数の再遊技役1、2、3…を設定し、図16のBB未作動時RT抽選表において、単一又は複数の再遊技役1、2、3…のいずれか一以上の当選確率を一般遊技よりも高く又は低く設定してもよい。また、図17のBB未作動時RT抽選表において、複数の再遊技役1、2、3…の当選確率を高く設定したもの、低く設定したもの、設定変更しないものが混在していてもよい。
<<副制御回路200の説明>>
副制御回路200は、画像、音及び光を用いた演出を行う演出制御手段210を有し、演出制御手段210には、画像制御手段500と、ランプ制御手段520と、音声制御手段530とが含まれている。
画像制御手段500は、主に、主制御回路100から受信した信号に基づいて、図5に示すROM208に記憶された各種画像データを読み出し、報知手段600の画像表示手段70に所定の演出画像を表示させる。
ランプ制御手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路222(図5参照)を制御して、報知手段600中のランプ手段21を点灯させる。
音声制御手段530には、音データ記憶手段531(実際は、図5に示すROM208の一部の記憶領域)と、演出音変更手段532とが含まれている。音声制御手段530は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、音データ記憶手段531に記憶された音データを読み出し、スピーカ駆動回路224(図5参照)を制御して、報知手段600のスピーカ64から所定の音声を発する。
また、音データ記憶手段531には、図18(a)又は(b)に示す遊技媒体の払出音A〜Gが記憶されており、音声制御手段530は、主制御回路100の図柄判定手段440の判定結果に基づいて、入賞した小役1〜6又は再遊技役と対応関係が設定された所定の払出音A〜Gのデータを読み出し、遊技媒体が払い出されるタイミングで所定の払出音A〜Gをスピーカ64から出力させる。
さらに、演出音変更手段532は、図18(a)又は(b)に示す役(MB役、BB役、はずれをも含む)又は払出枚数(払出枚数がない0枚をも含む)と、遊技媒体の払出音A〜Gとの対応関係を異ならせる、という矛盾演出を実行する。演出音変更手段532は、例えば、図19(a)又は(b)に示す払出音変更処理実行抽選表1、2を用いて抽選を行い、この抽選の結果、払出音変更処理を実行すると判別した場合は、停止図柄の組合せと異なる対応関係で払出音A〜Gをスピーカ64から出力させ又は出力させない制御を実行する。
図18(a)において、演出音変更手段532は、例えば、遊技媒体の払出音Aと対応関係が設定された小役1に入賞した場合に、小役2と対応関係が設定された払出音Bを出力させる第1制御を実行する。この第1制御は、払出音と対応関係が設定された所定の停止図柄の組合せが表示された場合に、これと対応関係の異なる払出音を出力させるものであり、この結果、本来出力される払出音と違う払出音が出力される矛盾演出が行われる。
また、演出音変更手段532は、例えば、遊技媒体の払出音Aと対応関係が設定された小役1に入賞した場合に、いずれの払出音も出力させない第2制御を実行する。この第2制御は、払出音と対応関係が設定された所定の停止図柄の組合せが表示された場合に演出音を出力させないものであり、この結果、本来出力される演出音が出力されない矛盾演出が行われる。
さらに、演出音変更手段532は、例えば、いずれの払出音とも対応関係が設定されていないはずれの図柄の組合せで停止した場合に、払出音A又はBを出力させる第3制御を実行する。この第3制御は、払出音と対応関係が設定されていない停止図柄の組合せが表示された場合にいずれかの演出音を出力させるものであり、この結果、本来出力されない演出音が出力される矛盾演出が行われる。なお、はずれの場合に限らず、例えば、払出音が設定されていない小役に入賞したときに、いずれかの払出音を出力させる矛盾演出を行うことも可能である。
このような矛盾演出を行うことにより、遊技者にBB役の当選を期待させたり、BBの当選確定を報知したりすることが可能となる。この演出音変更手段532の制御処理の詳細は、図11〜図13の払出音変換処理サブルーチン1〜3を用いて後述する。
<スロットマシン10の制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、上述のように主制御回路100と副制御回路200とで構成してある。ここで、図4は、主制御回路100のブロック図を示し、図5は、主制御回路100に電気的に接続した副制御回路200のブロック図を示す。
<<主制御回路100>>
図4において、上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続してあり、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続してある。スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。この入出力バス104を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
また、上述したインターフェイス回路102には、各ストップスイッチ52L、52C、52R、及び3−ベットスイッチ36も接続してある。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に供給される。
上述した入出力バス104には、ROM108及びRAM110も接続してある。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図6に示すメインルーチン、図7〜図10に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器412も接続されている。乱数発生器412は、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。なお、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続してある。このモータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rのそれぞれを回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続してある。ステッピングモータ80L、80C及び80Rは、3つのリール40L、40C及び40Rの内部にそれぞれ設けてあり、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように取り付けてある。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、CPU106からの駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行っている。
リール40L、40C及び40Rには、回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)がそれぞれ設けてあり、各回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続してある。各回転角度位置センサから発せられたリール40L、40C及び40Rの回転角度位置を示す信号は、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、フロントパネル20の表示窓20aの位置で停止している図柄を特定する。
さらに、インターフェイス回路102には、接続線118も接続してある。この接続線118によって、主制御回路100に副制御回路200を電気的に接続してある。
<<副制御回路200>>
図5において、上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続してあり、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続してある。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。この入出力バス204を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
上述した入出力バス204には、ROM208及びRAM210も接続してある。ROM208は、表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224を制御する制御プログラムや、この制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、画像表示手段70に表示される種々の演出画像の制御プログラム、ランプ手段21を点灯させるための制御プログラム、スピーカ64からBGMや効果音等の音声を発するための音データを記憶している。
すなわち、CPU206は、主制御回路100から供給される制御信号に応じてROM208に記憶されている画像、ランプ点灯及び音声に関するデータを読み出し、そのデータを表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224に供給する。これにより、画像表示手段70に演出画像が表示され、ランプ手段21が点灯し、及びスピーカ64から所定の音声が発せられる。
<スロットマシン10の制御処理の説明>
以下に、上述したスロットマシン10の制御手段において行われる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図6はスロットマシン10の主制御回路100で行われる制御処理のメインルーチンを示す。図7〜図10はメインルーチンで行われる制御処理である各サブルーチンを示す。
図7は役抽選手段410により行われる役抽選と、役抽選に引き続き行われるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図8はリール制御手段420により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図9はリール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図10はフラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である入賞判定処理サブルーチンを示す。
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述したスロットマシン10の主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
<<メインルーチンの説明>>
図6のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
まず、ステップS10において、遊技状態が再遊技状態に設定されているか否かを判断する。なお、再遊技状態の設定は、図10に示す入賞判定処理サブルーチンのステップS87において行われる。
ステップS10において、再遊技状態に設定されていないと判別した場合(NO)は、ステップS11に進み、遊技媒体が投入されたか否かを判断する。遊技媒体が投入されたと判別した場合(YES)は、ステップS15に進み、投入枚数をベット数として検出する。なお、遊技媒体が投入された場合のベット数は、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタによって検出される。規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入された場合には、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶される。
ステップS11において、遊技媒体が投入されていないと判別した場合(NO)は、ステップS12に進み、クレジットされた遊技媒体があるか否かを判断する。クレジットされた遊技媒体があると判別した場合(YES)は、ステップS13に進み、3−ベットスイッチ36がオンされたか否かを判断する。ステップS13において3−ベットスイッチ36がオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS15に進み、3枚のベット数を検出する。
一方、ステップS12においてクレジットされた遊技媒体がないと判別した場合(NO)、ステップS13において3−ベットスイッチ36がオンされていないと判別した場合(NO)は、いずれもベット数を検出することができないので、ステップS11〜S13の判断を繰り返す。
また、ステップS10において、遊技が再遊技状態に設定されていると判別した場合(YES)は、ステップS14に進み、再遊技状態の設定を解除する。この場合は、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費したりすることなく、3枚のベット数で再び遊技を行うことができる。
ステップS14又はS15を経て、ステップS16に進み、スタートスイッチ50がオンされたか否かを判断する。スタートスイッチ50がオンされていないと判別した場合(NO)は、ステップS16の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS17の役抽選処理サブルーチンに進む。
ステップS17の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選処理が行われ、当選した役に応じて、BBフラグ、MBフラグ、再遊技フラグ、対応する小役フラグをオンにする等のフラグオン処理が行われる。このサブルーチンの詳細については、図7のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS17)に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン(ステップS18)が行われる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段420によって行われ、このサブルーチンの詳細については、図8のフローチャートを用いて後述する。
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理、入賞判定処理サブルーチン(ステップS19)が行われる。このサブルーチンの詳細については、図9及び図10のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS20)が行われる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
なお、図6のメインルーチンには示していないが、例えば、遊技媒体の投入の検出、3−ベットスイッチ36の押動操作、スタートスイッチ50の傾動操作、ストップスイッチ52L、52C、52Rの押動操作などがあった場合は、各検出又は操作ごとに主制御回路100から副制御回路200へ信号が送信される。また、役抽選の結果や役の入賞等に関する信号も主制御回路100から副制御回路200へ送信される。
<<役抽選処理サブルーチン>>
図7を用いて役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。まず、遊技の態様がBB遊技中であるか否かを判断する(ステップS30)。遊技の態様がBB遊技中であると判別した場合(YES)は、ROM108に記憶されたBB作動時抽選表を読み出す(ステップS31)。ここで、BB作動時抽選表の実施例を図14に示す。
図14に示すBB作動時抽選表では、図柄番号1〜6の小役1〜6と、図柄番号7のはずれとが設定してあり、例えば、小役1が当選した場合には、3つのリール全てに「ベル」の図柄が揃うと入賞するように設定してある。後述するステップS39で行う役抽選において、小役1の当選確率を「1/1.51」(66.25%)と非常に高く設定してあり、逆に、はずれの確率を「1/3.5」(28.75%)と低く設定してある。このようにBB遊技中は、遊技媒体の払出枚数が15枚の小役1に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
ステップS30において、遊技の態様がBB遊技中ではないと判別した場合(NO)には、ステップS32に進み、遊技の態様がMB遊技中であるか否かを判断する。遊技の態様がMB遊技中であると判別した場合(YES)は、ROM108に記憶されたMB作動時抽選表を読み出す(ステップS33)。ここで、MB作動時抽選表の実施例を図15に示す。
図15に示すMB作動時抽選表には、説明の便宜上、図柄番号1〜6の小役1〜6が含まれているが、これら小役1〜6のうち小役1、小役3、4は、MB遊技中の役抽選の対象にはなっていない。上述したように、MB遊技中は抽選によらずに小役1、小役3、4を目押しで入賞させることが可能なリール制御が行われる。本実施形態のMB遊技では、図柄番号2、5、6の小役2、5、6及び図柄番号7のはずれの抽選を行っている。本実施形態では、小役2の当選確率を「1/100」(1%)、小役5、6の当選確率をそれぞれ「1/66.7」(1.5%)、はずれを「1/1.041」(96%)に設定してある。
ステップS32において、遊技の態様がMB遊技中でないと判別した場合(NO)は、ステップS34に進み、遊技状態がRT遊技中であるか否かを判断する。遊技状態がRT遊技中であると判別した場合(YES)は、ROM108に記憶されたBB未動作時RT抽選表を読み出す(ステップS35)。ここで、BB未作動時RT抽選表の実施例を図16に示す。
図16に示すBB未動作時RT抽選表では、上述したように、再遊技役の当選確率を「1/1.54」(65%)と非常に高く設定してあり、はずれの当選確率を「1/14.97」(6.68%)と非常に低く設定してある。このような当選確率により、RT遊技中は遊技媒体を消費することなく所定回数の遊技を行うことができるようになっている。
ステップS34において、遊技の態様がRT遊技中でないと判別した場合(NO)は、ステップS36に進み、ROM108に記憶されたBB未動作時一般抽選表を読み出す。ここで、BB未作動時一般抽選表の実施例を図17に示す。
図17に示すBB未作動時一般抽選表は、BB遊技、MB遊技、RT遊技ではない通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号1〜6の小役1〜6、図柄番号7の再遊技役、図柄番号8のMB役、図柄番号9のBB役、図柄番号10のはずれが設定されている。
以上のようなステップS31、S33、S35又はS36において、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、ステップS39に進み、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する。
その後、ステップS40〜S47において抽選結果の判定と必要なフラグオン処理とを行う。すなわち、ステップS40、S42、S44、S46において、BB役、MB役、再遊技役、小役に当選したか否かを判断する。そして、これらのステップでいずれかの役に当選していると判別した場合(YES)は、ステップS41、S43、S45、S47において、当選した役に対応するBBフラグ、MBフラグ、再遊技フラグ、小役フラグをオンに設定する。
これらステップS41、S43、S45、S47のフラグ処理が終了した後は、ステップS48へ進み、役抽選の結果に関する信号を副制御回路200へ送信する。そして、当選した図柄番号、図柄データをRAM110に記憶する(ステップS49)。また、ステップS46において、いずれの小役にも当選していないと判別した場合(NO)も、ステップS48へ進み、副制御回路200へ信号を送信する。この場合は、はずれの図柄番号、制御図柄データをRAM110に記憶する(ステップS49)。
ステップS49においてRAM110に記憶した図柄番号、制御図柄データは、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いられる。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
<<リール変動・停止サブルーチン>>
次に、図6のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン(ステップS17)が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン(ステップS18)を行う。図8を用いてリールの変動・停止制御について説明する。
まず、図7のステップS49で記憶した図柄番号と制御図柄データとを読み出す(ステップS61)。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う(ステップS62)。最短時間が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS62の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようにしている。この制御によって、一定時間に行われる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
ステップS62において、最短時間が経過したと判別した場合(YES)は、リール回転開始信号を発信する(ステップS63)。この信号に基づいて、図4のモータ駆動回路114が作動して、ステッピングモータ80L、80C、80Rの回転を開始し、各リール40L、40C、40Rが回転を始める。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS64)。リールの回転がまだ定速回転になっていないと判別した場合(NO)は、このステップS64の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようにしている。
ステップS64において、リールの回転が定速回転になっていると判別した場合(YES)は、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS65〜S67)。
リール停止信号は、ストップスイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つのスイッチを押動操作したときに発信される。すなわち、ステップS65において第1リール用のストップスイッチ52Lが押動操作された場合(YES)は、第1リール停止信号(操作信号)が発信され、第1リール40Lを回転させるステッピングモータ80Lの停止制御を行う(ステップS68)。同様に、ステップS66において第2リール用のストップスイッチ52Cが押動操作された場合(YES)は、第2リール停止信号(操作信号)が発信され、第2リール40Cを回転させるステッピングモータ80Cの停止制御を行う(ステップS68)。また、ステップS67において第3リール用のストップスイッチ52Rが押動操作された場合(YES)は、第3リール停止信号(操作信号)が発信され、第3リール40Rを回転させるステッピングモータ80Rの停止制御を行う(ステップS68)。
第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれも受信しないと判別したときは、ステップS65〜S67の判断処理を繰り返し行い、ステップS68の停止制御は行わない。一方、第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれか1つを受信したと判別したときには、ステップS68へ進む。
ステップS68では、当選した役があるか否かを判別し、当選した役があると判別した場合、入賞ライン(図1中のL1,L2A,L2B,L3A,L3B参照)上に停止可能な範囲内に当選した役に対応する図柄があるときには、その図柄を入賞ライン上に停止させる。
また、上述したように、遊技の状態がMB遊技中の場合には、ステップS68において、左リール40Lをストップスイッチ52Lの押動操作から所定の短い時間内(ex.75ms以内)に停止させるリール制御を行い、左リール40Lを「ベル」、「白チェリー」又は「青チェリー」のいずれかで停止させる制御が行われる。
このとき左→中→右の順番でストップスイッチ52L、52C、52Rが押動操作された場合には、中右リール40C、40Rにそれぞれ「ベル」が揃って小役1、小役3又は小役4のいずれかに入賞させるリール制御が行われる。
次いで、ステップS69に進み、停止された第1〜第3リール40L、40C、40Rのいずれかの停止図柄情報を副制御回路200に送信する。この信号を受信した副制御回路200は、後述する払出音変更処理サブルーチン1〜3(図11〜13参照)において、前記停止図柄情報に基づいて停止図柄の組合せを判別し、所定の払出音変換処理を実行する。
その後、ステップS70に進み、全リールが停止したか否かを判断し、全リールが停止していないと判別した場合(NO)は、ステップS65に戻り、全リールが停止するまで、ステップS65〜S67のいずれかの判断処理と、ステップS68〜S70の制御又は判断処理とを繰り返す。一方、全リールが停止したと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
<<フラグオフ処理サブルーチン>>
図6のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン(ステップS18)が終了すると、次に、入賞判定を含むフラグオフ処理、入賞判定処理サブルーチン(ステップS19)を行う。図9を用いてフラグオフ処理について説明する。
ステップS71において、遊技状態がBB遊技中であるか否かを判断する。BB遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS72に進み、BB遊技処理を行う。
BB遊技処理では、所定の終了条件に達するまで、図14のBB作動時抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。この終了条件として、例えば、BB遊技中における遊技媒体の払出枚数又は獲得枚数、遊技回数又は入賞回数などを設定することができる。本実施形態では、BB役に入賞した場合のBB遊技の終了条件を、346枚以上の遊技媒体の払い出しとしている。
ステップS71において、遊技状態がBB遊技中ではないと判別した場合(NO)は、遊技状態がMB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS73)。MB遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS74に進み、MB遊技処理を行う。
MB遊技処理では、所定の終了条件に達するまで、図15のMB作動時抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。また、MB遊技処理には、上述したような、各リール40L、40C、40Rの特殊な停止制御が含まれる。本実施形態では、MB役に入賞した場合のMB遊技の終了条件を、106枚以上の遊技媒体の払い出しとしている。
ステップS73において、遊技状態がMB遊技中ではないと判別した場合(NO)は、遊技状態がRT遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS75)。遊技状態がRT遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS76に進み、RT遊技処理を行う。
RT遊技処理では、所定の開始条件が満たされてから所定の遊技回数に達するまで、図16のBB未動作時RT抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。このRT遊技処理には、前回遊技のベット数(本実施形態では3ベット)をそのまま設定ベット数とし、遊技媒体を投入しないで次回遊技を行う制御処理も含まれる。
上述したステップS72、S74、S76の各遊技処理を行った後、又はステップS75でRT遊技中ではないと判別した場合(NO)は、ステップS77に進み、当選した役があるか否かを判断する。当選役があると判別した場合(YES)は、ステップS78に進み、図10に示す当選時処理サブルーチンの制御処理を実行する。一方、ステップS77において、当選役がないと判別した場合(NO)は、そのままフラグオフ処理サブルーチンを終了する。
<<入賞判定処理サブルーチン>>
図10を用いて入賞判定処理について説明する。この入賞判定処理サブルーチンは、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であり、BB遊技、MB遊技、RT遊技又は一般遊技のいずれかの遊技状態において、何らかの役に当選した場合に実行される。
まず、上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS81)。そして、この入賞図柄判定の結果、BB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS82)。BB役に入賞していると判別した場合(YES)は、BBフラグをオフにしてBB遊技状態に設定し(ステップS83)、本サブルーチンを終了する。BB遊技状態に設定することにより、次回の遊技はBB遊技中と判別される。
ステップS82において、BB役に入賞していないと判別した場合(NO)は、MB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS84)。MB役に入賞していると判別した場合(YES)は、MBフラグをオフにしてMB遊技状態に設定し(ステップS85)、本サブルーチンを終了する。MB遊技状態に設定することにより、次回の遊技はMB遊技と判別される。
ステップS84において、MB役に入賞していないと判別した場合(NO)は、再遊技役に入賞しているか否かを判断する(ステップS86)。再遊技役に入賞していると判別した場合(YES)は、再遊技フラグをオフにして再遊技状態に設定し(ステップS87)、本サブルーチンを終了する。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される。
ステップS86において、再遊技役に入賞していないと判別した場合(NO)は、ステップS88に進み、入賞図柄判定の結果にかかわらず、当選した小役1〜6に対応するフラグをオフにした後、本サブルーチンを終了する。
<<メインルーチンの説明(続き)>>
以上のようにして、図9及び図10に示すフラグオフ処理、入賞判定処理サブルーチンが終了する。ここで、図6のメインルーチンに戻り、ステップS19のフラグオフ処理、入賞判定処理サブルーチンを終了し、ステップS20の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする単位遊技を行うための制御処理が終了する。
<<払出音変更処理サブルーチン1>>
次に、本発明の第1実施形態に係る払出音変更処理サブルーチン1について、図11を参照しつつ説明する。図11は一般遊技中又はRT遊技中における払出音変更処理サブルーチン1を示すフローチャートである。
図11に示す払出音変更処理サブルーチン1では、図17に示す一般遊技又は図16に示すRT遊技のいずれかの遊技状態において、演出音変更手段532が、BB役やMB役の当選の有無にかかわらず、図19(a)又は(b)の抽選表を用いた抽選に基づいて、図18(a)又は(b)の対応関係と異なる払出音A〜Gを出力させる第1制御又は第3制御(払出音変更処理)を実行し、この結果行われる矛盾演出によってBB役の当選を遊技者に期待させるようにしている。
図11のステップS101において、まず、演出音変更手段532が、リール制御手段420から送信された停止図柄情報(図8のステップS69参照)を受信する。この停止図柄情報に基づいて停止図柄の組合せが特定され、後述するステップS105又はS107において、当該遊技で入賞した役の種類やはずれが判別される。
次いで、ステップS102に進み、演出音変更手段532が、全てのリール40L、40C、40Rが停止したか否かを判断する。全てのリール40L、40C、40Rが停止していないと判別した場合(NO)は、再びステップS101、S102の制御処理を繰り返す。
一方、ステップS102において、全てのリール40L、40C、40Rが停止したと判別した場合(YES)は、ステップS103に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否かを抽選により決定する。この抽選は、図19(a)又は(b)に示すような抽選表に基づいて行われる。
ここで、図19(a)はBB役当選の期待度に応じて当選確率を設定した払出音変更処理実行抽選表1を示すものであり、図19(b)はスロットマシン10の出玉率設定1〜6に応じて当選確率を設定した払出音変更処理実行抽選表2を示すものである。
図19(a)の抽選表では、BB役当選の期待度「20%」に対して、払出音変更処理が実行される当選確率を「1/100」(1%)、BB役当選の期待度「50%」に対して、払出音変更処理が実行される当選確率を「1/10」(10%)、BB役当選の期待度「80%」に対して、払出音変更処理が実行される当選確率を「1/5」(20%)に設定してある。このような図19(a)の抽選表を用いて払出音変更処理を実行するか否か決定した場合、BB役当選の期待度が高いほど、遊技媒体の払出音が変更される頻度が高くなり、逆に、BB役当選の期待度が低いほど、遊技媒体の払出音が変更される頻度が低くなる。これによって、遊技者は、一般遊技中又はRT遊技中における遊技媒体の払出音がどれくらいの頻度で変更されているか判断することにより、BB役当選の期待度が高いか低いか判別することが可能となり、遊技者に程度の異なる期待感を持たせることができる。
なお、図19(a)は、遊技媒体の払出音の変更によってBB役当選の期待度を報知する場合の最も単純な具体例であり、例えば、画像表示手段70による演出との組合せや、図柄の停止態様(ex.2以上の停止図柄の組合せ又は停止図柄がどの有効ライン上に停止されたかといった諸態様)との組合せなどによって、BB役当選の期待度が変化するようにしてもよい。
一方、図19(b)の抽選表では、スロットマシン10の出玉率設定「1〜4」に対して、払出音変更処理が実行される当選確率を「1/10」(10%)、スロットマシン10の出玉率設定「5」に対して、払出音変更処理が実行される当選確率を「1/4」(40%)、スロットマシン10の出玉率設定「6」に対して、払出音変更処理が実行される当選確率を「1/2」(50%)に設定してある。このような図19(b)の抽選表を用いて遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否か決定した場合、スロットマシン10の出玉率設定が高いほど、遊技媒体の払出音が変更される頻度が高くなり、逆に、スロットマシン10の出玉率設定が低いほど、遊技媒体の払出音が変更される頻度が低くなる。これによって、遊技者は、一般遊技中又はRT遊技中における遊技媒体の払出音がどれくらいの頻度で変更されているか判断することにより、スロットマシン10の出玉率設定が高いか低いか判別することができ、遊技をするのに有利なスロットマシン10を選択可能となる。
ステップS103の抽選が終了すると、ステップS104に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否かを判断する。遊技媒体の払出音変更処理を実行しないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。この場合は、音声制御手段530が、図18(a)又は(b)の役−払出音割り当て一覧表1、2で設定された対応関係に従って、小役1〜6又は再遊技役のいずれかに入賞した場合には、入賞役又はその払出枚数に対応する遊技媒体の払出音A〜Gのいずれかをスピーカ64から出力させ、また、MB役又はBB役に入賞した場合、はずれの場合には、払出音A〜Gのいずれをも出力させない、という通常通りの制御処理を実行する。
一方、ステップS104において、遊技媒体の払出音変更処理を実行すると判別した場合(YES)は、ステップS105に進み、演出音変更手段532が、ステップS101で受信した停止図柄情報に基づいて、停止図柄の組合せが小役1〜6又は再遊技役のいずれであるか、すなわち、小役1〜6又は再遊技役のいずれかに入賞したか否かを判断する。
ステップS105において、停止図柄の組合せが小役1〜6又は再遊技役のいずれかである、すなわち、小役1〜6又は再遊技役のいずれかに入賞したと判別した場合(YES)は、ステップS106に進み、設定された対応関係と異なる遊技媒体の払出音A〜Gのいずれかを出力させる。詳述すると、演出音変更手段532は、図18(a)又は(b)の役−払出音割り当て一覧表1、2で設定された対応関係に従わずに、入賞役又はその払出枚数と対応関係が異なる遊技媒体の払出音A〜Gを選択してスピーカ64から出力させる第1制御を実行する。これにより、例えば、遊技媒体の払出音Aと対応関係が設定された小役1に入賞した場合に、小役2と対応関係が設定された払出音Bがスピーカ64から出力される、という矛盾演出が行われる。その後、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS105において、停止図柄の組合せが小役1〜6又は再遊技役のいずれでもない、すなわち、小役1〜6又は再遊技役のいずれにも入賞していないと判別した場合(NO)は、ステップS107に進み、演出音変更手段532が、ステップS101で受信した停止図柄情報に基づいて、停止図柄の組合せがはずれであるか否か、すなわち、当該遊技ではずれたのか否かを判断する。
ステップS107において、はずれたと判別した場合(YES)は、ステップS108に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音A〜Gのいずれかを選択して出力させる第3制御を実行する。これにより、当該遊技の結果、停止図柄の組合せがはずれであるにもかかわらず、本来ならば出力されない遊技媒体の払出音A〜Gのいずれかがスピーカ64から出力される、という矛盾演出が行われる。その後、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS107において、はずれでないと判別した場合(NO)は、BB役又はMB役に入賞したことになるので、演出音変更手段523による払出音の矛盾演出は行わず、そのまま本サブルーチンを終了する。なお、BB役又はMB役に入賞した場合は、画像制御手段500、ランプ制御手段520及び音声制御手段が、BB遊技又はMB遊技への移行を報知する専用演出を実行する。
以上説明した本実施形態の払出音変更処理サブルーチン1の制御処理によれば、予め設定された小役1〜6及び再遊技役と、遊技媒体の払出音A〜Gとの対応関係を抽選で異ならせる、という矛盾演出によって遊技者に違和感を与え、BB役当選の期待感又は出玉率設定1〜6等の内部的な遊技状態を、自らが遊技を行っているスロットマシン10の遊技者だけに報知することが可能となる。
これにより、他の遊技者の注目を集めることなく、遊技を行っている遊技者だけが特別な遊技状態への移行を期待しつつ遊技を楽しむことができる。また、一般遊技中又はRT遊技中における遊技媒体の払出音に対する遊技者の趣向が高まり、遊技をより面白いものとすることができる。
なお、上述した図11の払出音変更処理サブルーチン1では、特別役を除く何らかの停止図柄の組合せに対して遊技媒体の払出音A〜Gのいずれかを出力させる第1制御(ステップS106)又は第3制御(ステップS108)を実行するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ステップS106において、本来ならば出力されるはずの払出音A〜Gのいずれかを出力させない第2制御を実行することとしてもよい。また、ステップS105において、小役1〜6又は再遊技役のいずれにも入賞していないと判別した場合(NO)には、矛盾演出を行わずに本サブルーチンをそのまま終了させるようにしてもよい。
さらに、上述した図19(b)の払出音変更処理抽選表2では、スロットマシン10の出玉率設定「1〜4」、「5」、「6」に対応して、単純に払出音変更処理を実行する当選確率を設定したが、これに限定されるものではない。例えば、スロットマシン10の出玉率設定「1〜4」、「5」、「6」に対応して、上述した第1制御、第2制御及び第3制御を実行する当選確率をそれぞれ異ならせてもよい。例えば、出玉率設定「6」の場合は第1制御を実行する当選確率を高く、出玉率設定「5」の場合は第2制御を実行する当選確率を高く、出玉率設定「1〜4」の場合は第1制御を実行する当選確率を高く設定した抽選表を用いる。このような抽選表を用いた場合は、第1制御、第2制御及び第3制御によって行われる矛盾演出の態様に基づいて、スロットマシン10の出玉率設定を判別することが可能となる。
これに加え、ステップS106、S108において出力される払出音A〜Gの選択方法としては、図18(a)、(b)の対応関係とならないような抽選を行い、又は図18(a)、(b)と異なる対応関係をあらかじめ設定しておいて一義的に選択することとしてもよい。さらに、上述した図柄の停止態様に応じて払出音A〜Gのいずれかを選択することも可能である。
<<払出音変更処理サブルーチン2>>
次に、本発明の第2実施形態に係る払出音変更処理サブルーチン2について、図12を参照しつつ説明する。図12は一般遊技中又はRT遊技中における払出音変更処理サブルーチン2を示すフローチャートである。
図12に示す払出音変更処理サブルーチン2では、図17に示す一般遊技又は図16に示すRT遊技のいずれかの遊技状態において、演出音変更手段532が、BB役と重複して当選したいずれかの小役2〜6を取りこぼしたときに、図18(a)又は(b)の対応関係に従って、取りこぼしたいずれかの小役2〜6と対応関係が設定された遊技媒体の払出音B〜Fのいずれかを出力させる第3制御を実行し、BB役の当選確定を遊技者に報知するようにしている。
図12のステップS201において、まず、演出音変更手段532は、役抽選手段410による役抽選の結果、BB役と小役2〜6のいずれかとが重複当選したか否かを判断する。重複当選したか否かは、図7のステップS41、S47のフラグオン処理の有無に基づいて判断される。
ここで、図16及び図17の抽選表では、先の遊技の役抽選で単独当選したBB役と、後の遊技の役抽選で単独当選した小役2〜6のいずれかとの重複当選が可能な設定としてあるが、これに限らず、例えば、一の遊技の役抽選でBB役と小役2〜6のいずれかとが同時に当選するような設定としてもよい。
重複当選していないと判別した場合(NO)は、このステップS201の判断を繰り返す。一方、重複当選していると判別した場合(YES)は、ステップS202に進み、演出音変更手段532が、リール制御手段420から送信された停止図柄情報(図8のステップS69参照)を受信する。この停止図柄情報に基づいて停止図柄の組合せが特定され、後述するステップS204において、停止図柄の組合せがいずれかの特定出目か否か判別される。
次いで、ステップS203に進み、演出音変更手段532が、全てのリール40L、40C、40Rが停止したか否かを判断する。全てのリール40L、40C、40Rが停止していないと判別した場合(NO)は、再びステップS202、S203の制御処理を繰り返す。
一方、ステップS203において、全てのリール40L、40C、40Rが停止したと判別した場合(YES)は、ステップS204に進み、演出音変更手段532が、ステップS202で受信した停止図柄情報に基づいて、当該遊技の停止図柄の組合せが、いわゆる「特定出目」であるか否かを判断する。この「特定出目」とは、例えば、いずれかの役に内部的に当選している状態で、BB役等の特別役に当選した可能性はあるが、いずれの役にも入賞させることができなかった場合(すなわち、当選したいずれかの役を取りこぼした場合)の特定の停止図柄の組合せをいう。ここで、BB役と重複当選した小役2〜6を取りこぼしたときに揃う特定出目の具体例を図2(b)〜(e)に示す。
まず、図2(b)は、いわゆる「はさみ打ち」によって小役4、5、6を取りこぼしたときの特定出目を例示したものである。この「はさみ打ち」とは、ストップスイッチ52L、52R、52Cの順番で押動操作し、左リール40L、右リール40R、中リール40Cの順番で停止させることをいう。
小役4、5、6のいずれかに入賞させるため、図2(a)に示す左リールの「青チェリー(8番)」、「赤7(13番)」、「白7(3番)」のいずれかを狙って左リール40Lを第1停止させると、ストップスイッチ52Lを押したタイミングによっては、BB役に当選した場合のリール制御が影響し、左リール40Lが、図2(a)の鎖線で囲んだ20〜18番の「ベル」、「リプレイ」、「白BAR」の図柄組合せで停止して小役4、5、6を取りこぼしてしまう場合がある。その後、再遊技役に入賞させようとして、右リール40Rを第2停止させると、中段に「リプレイ」の図柄が揃うが、再遊技役に当選していないので、中リール40Cを第3停止させても、中段に「リプレイ」の図柄は揃わない。これにより、図2(b)の特定出目の組合せが形成される。
次いで、図2(c)は、いわゆる「順押し」によって小役2、4、5、6を取りこぼしたときの特定出目を例示したものである。この「順押し」とは、ストップスイッチ52L、52C、52Rの順番で押動操作し、左リール40L、中リール40C、右リール40Rの順番で停止させることをいう。
小役2、4、5、6のいずれかに入賞させるため、図2(a)に示す左リールの「青チェリー(8番)」、「赤7(13番)」、「スイカ(4番)」、「白7(3番)」のいずれかを狙って左リール40Lを第1停止させても、左リール40Lが、図2(a)の鎖線で囲んだ16〜14番の「白BAR」、「ベル」、「リプレイ」の図柄組合せで停止して小役4、5、6を取りこぼしてしまう場合がある。その後、小役1に入賞させようとして、中リール40Cを第2停止させると、中段に「ベル」の図柄が揃うが、小役1に当選していないので、右リール40Rを第3停止させても、中段に「ベル」の図柄は揃わない。これにより、図2(c)の特定出目の組合せが形成される。
その他、図2(d)は、いわゆる「はさみ打ち」によって小役3、6を取りこぼしたときの特定出目を例示したものであり、図2(e)は、いわゆる「順押し」によって小役2、4、5、6を取りこぼしたときの特定出目を例示したものである。図2(b)〜(e)のような特定出目が揃った場合は、BB役と重複当選した小役2〜6のいずれかを取りこぼした可能性があり、BB役当選の期待度が高いことになる。
ステップS204において、当該遊技の停止図柄の組合せが、図2(b)〜(e)のいずれかの特定出目でないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。一方、当該遊技の停止図柄の組合せが、図2(b)〜(e)のいずれかの特定出目であると判別した場合(YES)は、ステップS205に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否かを抽選により決定する。この抽選は、上述した第1実施形態と同様に、図19(a)又は(b)に示す抽選表に基づいて行われる。
ステップS205の抽選が終了すると、ステップS206に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否かを判断する。遊技媒体の払出音変更処理を実行しないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。一方、遊技媒体の払出音変更処理を実行すると判別した場合(YES)は、演出音変更手段532が、図18(a)又は(b)の役−払出音割り当て一覧表1、2で設定された対応関係に従って、取りこぼしたいずれかの小役2〜6、又はその遊技媒体の払出枚数に対応する払出音B〜Fをスピーカ64から出力させる第3制御を実行する。その後、本サブルーチンを終了する。
以上説明した本実施形態の払出音変更処理サブルーチン2の制御処理によれば、BB役と重複当選した小役2〜6のいずれかを取りこぼしたにもかかわらず、これと対応関係が設定されたいずれかの払出音B〜Fを出力する、という矛盾演出が行われることになる。これにより、当該遊技で小役2〜6のいずれかが当選していたことをより明確に報知することが可能となる。この結果、BB役の当選が確定したこと、ないしBB役に当選している可能性が極めて高いことが遊技者に報知され、次回以降の遊技に対する遊技者の趣向を大いに高めることができる。
<<払出音変更処理サブルーチン3>>
次に、本発明の第3実施形態に係る払出音変更処理サブルーチン3について、図13を参照しつつ説明する。図13は一般遊技中又はRT遊技中における払出音変更処理サブルーチン3を示すフローチャートである。
図13に示す払出音変更処理サブルーチン2では、図17に示す一般遊技又は図16に示すRT遊技のいずれかの遊技状態において、演出音変更手段532が、BB役と重複して当選した小役2に入賞したときに、図18(b)の一覧表2で小役2の払出枚数の5枚と対応関係が設定された払出音Bを出力させず、15枚と対応関係が設定された払出音Eを出力させる第1制御を実行し、BB役の当選確定を遊技者に報知するようにしている。
図13のステップS301において、まず、演出音変更手段532は、役抽選手段410による役抽選の結果、BB役及び小役2に重複当選したか否かを判断する。重複当選したか否かは、図7のステップS41、S47のフラグオン処理の有無に基づいて判断される。
ここで、図16及び図17の抽選表では、先の遊技の役抽選で単独当選したBB役と、後の遊技の役抽選で単独当選した小役2との重複当選が可能な設定としてあるが、これに限らず、例えば、一の遊技の役抽選でBB役と小役2とが同時に当選するような設定としてもよい。
ステップS301において、重複当選していないと判別した場合(NO)は、このステップS301の判断を繰り返す。一方、重複当選していると判別した場合(YES)は、ステップS302に進み、演出音変更手段532が、リール制御手段420から送信された停止図柄情報(図8のステップS69参照)を受信する。この停止図柄情報に基づいて停止図柄の組合せが特定され、後述するステップS304において、停止図柄の組合せが小役2か否か判別される。
次いで、ステップS303に進み、演出音変更手段532が、全てのリール40L、40C、40Rが停止したか否かを判断する。全てのリール40L、40C、40Rが停止していないと判別した場合(NO)は、再びステップS302、S303の制御処理を繰り返す。
一方、ステップS303において、全てのリール40L、40C、40Rが停止したと判別した場合(YES)は、ステップS304に進み、演出音変更手段532が、ステップS302で受信した停止図柄情報に基づいて、当該遊技の停止図柄が小役2の組合せか否か、すなわち、小役2に入賞したか否かを判断する。小役2に入賞していないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了させる。
一方、ステップS304において、小役2に入賞していると判別した場合(YES)は、ステップS305に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否かを抽選により決定する。この抽選は、上述した第1及び第2実施形態と同様に、図19(a)又は(b)に示す抽選表に基づいて行われる。
ステップS305の抽選が終了すると、ステップS306に進み、演出音変更手段532が、遊技媒体の払出音変更処理を実行するか否かを判断する。遊技媒体の払出音変更処理を実行しないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。この場合は、音声制御手段530が、図18(b)の役−払出音割り当て一覧表2で設定された対応関係に従って、入賞した小役2の払出枚数の5枚に対応する払出音Bをスピーカ64から出力させる、という通常通りの制御処理を実行する。
一方、ステップS306において、遊技媒体の払出音変更処理を実行すると判別した場合(YES)は、ステップS307に進み、演出音変更手段532が、図18(b)の役−払出音割り当て一覧表2で設定された対応関係に従わずに、小役2の遊技媒体の払出枚数の5枚ではなく、15枚と対応関係が設定された払出音Eをスピーカ64から出力させる第1制御を実行する。その後、本サブルーチンを終了する。
以上説明した本実施形態の払出音変更処理サブルーチン3の制御処理によれば、小役2に入賞した場合に、小役2の払出枚数と異なる対応関係が設定された払出音Eを出力する、という矛盾演出が行われる。これにより、BB役の当選が確定したこと、ないしBB役に当選している可能性が極めて高いことを遊技者に報知することが可能となる。この結果、次回以降の遊技に対する遊技者の趣向を大いに高めることができる。
すなわち、第2実施形態で説明したように、BB役及び小役2〜6のいずれかが重複して当選するスロットマシン10では、小役2〜6のいずれかの入賞によってもBB役が重複して当選している可能性を期待することができる。しかし、小役2〜6のいずれかに入賞したというだけでは、これらに単独で当選した可能性もあるので、BB役の当選に対する期待感は小さい。そこで、小役2〜6のいずれかに入賞したときに、本実施形態のような払出音の対応関係を異ならせる矛盾演出を追加することで、BB役当選の期待感を増大させることが可能となる。
なお、上述した図3に示す払出音変換処理サブルーチン3では、説明を簡単にするために小役2のみを対象としたが、これに限定されるものではない。BB役等の特別役と重複して当選することが可能に設定された小役2〜6の全部又は一部を本サブルーチンの対象として、払出音の対応関係を異ならせる矛盾演出を行うことができる。
<<その他の変更>>
本発明の遊技機は、上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、所定役を形成する3つの停止図柄の組合せ、又ははずれの停止図柄の組合せと、払出音との対応関係を異ならせる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の制御処理は、2以上の停止図柄の組合せと、所定の演出音との対応関係を設定している遊技機に広く適用することが可能である。
例えば、役又ははずれを形成する手前の2つ以上の停止図柄の組合せに対して、上述した第1〜第3制御のいずれかを適用してもよい。例えば、小役2を構成する「スイカ」の図柄が2つ揃った状態で、第3リールが未だ回転中の場合に、1枚役である小役4〜6の払出音D〜Fのいずれかを出力する。また、表示窓20aから視認可能な3×3=9つの停止図柄の組合せ、又は9つの停止図柄の一部の組合せに対して、上述した第1〜第3制御のいずれかを適用してもよい。
その他、本発明は、2以上の停止図柄の組合せと、所定の演出音とに対応関係が設定されている場合に広く適用することができ、対応関係を異ならせる払出音の出力時間は、遊技媒体の払出し処理が実行されている期間と同じ、短い又は長い期間のいずれであってもよい。さらに、2以上の停止図柄の組合せと対応関係が設定されているならば、払出音に限らず、効果音などの演出音に広く適用することが可能である。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態のようなスロットマシン10に限らず、メダル以外の遊技媒体を用いた回胴式遊技機にも広く適用することが可能である。