以下、本発明の一実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[スロットマシンの構成]
<全体構造の説明>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、垂直方向に縦長矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成してある。
これらの3つの表示窓22L、22C及び22Rの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)が表示される。
また、表示窓22L、22C及び22Rの下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、3−ベットスイッチ36が配設してあり、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けてある。
この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110(図6参照)に記憶するようになっている。
3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。遊技者が、遊技媒体を3枚投入し、又は3−ベットスイッチ36を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、すなわち、L1、L2A、L2B、L3A及びL3Bを有効化する。
ここで、本実施形態では、遊技媒体投入口38からの投入、又は3−ベットスイッチ36の操作に基づく遊技媒体の数を「ベット数」と称し、その後、RAM110に記憶されて設定されたベット数を「設定ベット数」と称する。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示手段70が設けてある。なお、画像表示手段70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けてある。各リール40L,40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、21個の図柄が等間隔で描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。各リール40L,40C及び40Rは、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介してそれぞれ視認可能となっている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L,40C及び40Rは、それぞれモータ(図示せず)により回転駆動され、各表示窓22L、22C及び22Rにおいて、各リール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rが設けてある。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、ストップスイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した5つの入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3B上に位置付けられるように停止制御している。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納した図示しないスピーカ(後述する図7に示すスピーカ64に対応する)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C及び40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行われ、複数のリール40L、40C及び40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行うことができる。
リール40L、40C及び40Rの図柄の組み合わせには、例えば、特別役、一般役、再遊技役等の種類がある。特別役は、抽選で特別役に当選し、その当たり役に応じた図柄が揃って入賞したときには、遊技を遊技者にとって有利に進行させる特別遊技を行うことができる役である。また、一般役は、抽選で一般役に当選し、その一般役に応じた図柄が揃って入賞すると、予め定めた数の遊技媒体を払い出す役である。また、再遊技役は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく再遊技(リプレイとも称する)を行うことができる役である。
また、特別役には、BB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役がある。RB役は、第1の特別遊技であるRB遊技に移行させる役である。このRB遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行うものである。一方、BB役は、第2の特別遊技であるBB遊技に移行させる役である。このBB遊技は、一般遊技を行うとともに、この一般遊技中に一定条件下でRB遊技に移行できるようにしたものであり、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、一般遊技とRB遊技とを繰り返し行うことができる。
<機能ブロック図の説明>
図2は、スロットマシン10の制御に関する機能ブロック図である。同図において、制御回路として、主制御回路100と副制御回路200とが電気的に接続してある。また、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続してあるとともに、リール40L、40C及び40Rの各々に設けたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続してある。副制御回路200には、報知手段600が電気的に接続してあり、この報知手段600には、画像表示手段70と、有効ライン表示ランプ124と、スピーカ64とが含まれている。
操作手段300には、停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、3−ベットスイッチ36とが含まれる。また、停止操作手段310は、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rから構成してある。なお、これらの操作手段300は、スイッチやボタンに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、ベット制御手段400と、役抽選手段410と、リール制御手段420と、遊技制御手段430とを含んでいる。
ベット制御手段400は、遊技媒体投入口38の下部に設置した遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数、又は3−べットスイッチ36が操作されたときに発信されるベット操作信号に基づいて、新たなベット数を設定するとともに、必要に応じてクレジット数からベット数を減算する。また、ベット制御手段400は、これらの処理の結果を信号に変換して副制御回路200へ送信する。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(特別役であるRB役とBB役、一般役、再遊技役)の抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行って、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信又は所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組み合わせ制御を行う。
遊技制御手段430は、役抽選処理で特別役、一般役、再遊技役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した処理を進める。遊技制御手段430は、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、特別遊技制御手段432を含む。特別遊技制御手段432は、遊技が遊技者にとって有利に進行する特別遊技や、特別遊技における所定枚数の遊技媒体の払い出しなどの特別遊技中における制御を行う。
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段500と、ランプ制御手段520と、音声制御手段530とが含まれている。画像制御手段500は、主として、主制御回路100から受信した信号に基づいて、画像記憶手段513(実際は図7に示すROM208又はRAM210の記憶領域の一部)に記憶した各種画像データを読み出し、報知手段600の画像表示手段70に所定の演出画像を表示させる。
画像制御手段500には、格上げチャンス演出制御手段510が含まれている。この格上げチャンス演出制御手段510は、所定条件を具備することによって、一の遊技状態から遊技者により有利な他の遊技状態へ移行させる格上げチャンスの演出制御(格上げ制御)を行うものである。
本実施形態では、「一の遊技状態」をBB遊技中の一般遊技とし、これに対する「他の遊技状態」を、この一般遊技中の所定役(後述する図17の「一般役4〜7」)の当選を全て演出画像で報知し、かつこの所定役の停止制御をアシストするようにしてある。本実施形態では、このような「一の遊技状態」から遊技者により有利な「他の遊技状態」へ移行させるか否かの演出及び制御を「格上げチャンス演出制御」と呼び、演出のみを「格上げチャンス演出」と呼ぶことにする。
ここで、他の遊技状態について詳述する。図17において、一般役4は、リール40L、40C、40Rの順(以下、同じ)に図柄「赤7」、「ベル」、「ベル」の組み合わせで入賞する役である。一般役5は、図柄「青7」、「ベル」、「ベル」の組み合わせで入賞する役である。一般役6は、図柄「BAR」、「ベル」、「ベル」の組み合わせで成立する役である。一般役7は、リール40Lが「赤7」、「青7」又は「BAR」のいずれかの図柄(3WAY)で、リール40C及び40Rが「ベル」、「ベル」の組み合わせで成立する役である。
他の遊技状態は、BB遊技中の一般遊技において、一般役4〜7の当選が演出画像によって100%報知され、この報知演出に従って、リール40Lを「赤7」、「青7」又は「BAR」でタイミングよく停止させれば、リール40C及び40Rがアシスト制御によって、タイミングに関係なく「ベル」、「ベル」で停止するようになっている。なお、BB遊技中の一般遊技(一の遊技状態)においても、一般役4〜7が当選した場合には、リール40C及び40Rが「ベル」、「ベル」にアシスト制御で停止されるので、一の遊技状態と他の遊技状態との差は、一般役4〜7の当選が100%報知されるか否かである。
格上げチャンス演出制御は、このような一の遊技状態から他の遊技状態へ移行させるか否かを面白く演出するための制御であり、格上げチャンス演出を実行するか否かの内部的な制御と、所定の演出画像を選択して表示する制御とからなっている。これらの制御は、図4に示すような複数のシナリオ511A〜Dと、これらシナリオ511A〜Dに従って選択される複数の演出シートA〜Dとに基づいて行われる。
また、本実施形態では、一の遊技状態から他の遊技状態へ移行するための条件、すなわち、「他の遊技状態への格上げ」の条件として、1回の単位遊技中に、格上げチャンス演出制御手段510によって格上げチャンス演出が行われ、かつ図17に示す一般役4〜7のいずれかに入賞したことの二つを設定してある。
上述のような格上げチャンス演出制御を実行すべく、図3に示すように、格上げチャンス演出制御手段510には、シナリオデータ記憶手段511と、演出シートデータ記憶手段512と、シナリオ抽選手段513と、演出実行抽選手段514と、格上げチャンス演出画像選択手段515と、格上げチャンス演出画像データ記憶手段516とが含まれている。
シナリオデータ記憶手段511には、図4に示す複数のシナリオ511A〜Dのデータが記憶されている。各シナリオ511A〜Dには、BB遊技中の一連の一般遊技にそれぞれ対応する複数の演出シートA〜Dの選択パターンが定められている。複数の演出シートA〜Dは、演出シートデータ記憶手段512に記憶されている。
図19に示すように、各演出シートA〜Dは、BB遊技中に所定の演出画像を用いた演出を実行するか否か、すなわち、格上げチャンス演出を実行するか否か決定するための抽選表である。各演出シートA〜Dには、BB遊技中のはずれを含む当選役ごとに格上げチャンス演出を実行するか否かの確率が設定してある。そして、各演出シートA〜Dごとに格上げチャンス演出を実行する当選確率が異なり、本実施形態では、演出シートD>演出シートC>演出シートB>演出シートAの順に、格上げチャンス演出を実行する当選確率を高くしてある。すなわち、演出シートD,C,B,Aの順に、遊技者にとって有利な演出シートとなっている。
図19に示すように、演出シートAでは、演出実行率を0%に設定してあり、演出シートAが選択された場合には、格上げチャンス演出が行われないようになっている。演出シートBでは、演出実行率を30%に設定してあり、一般役7に当選したときに「76/256」の確率で格上げチャンス演出が行われるようにしてある。また、演出シートBでは、演出実行率30%のうち、5%の確率で「赤7」、「青7」又は「BAR」の報知演出が行われるようにしてある。すなわち、演出シートBに基づいて格上げチャンス演出が行われた場合は、5%の確率で他の遊技状態への格上げが確定することになる。
演出シートCでは、演出実行率を50%に設定してあり、一般役4〜7のいずれかに当選したときに、それぞれ「32/256」の確率で格上げチャンス演出が行われるようにしてある。また、演出シートCでは、演出実行率50%のうち、10%の確率で「赤7」、「青7」又は「BAR」の報知演出が行われるようにしてある。すなわち、演出シートCに基づいて格上げチャンス演出が行われた場合は、10%の確率で他の遊技状態への格上げが確定することになる。
演出シートDでは、演出実行率を100%に設定してあり、はずれを含む全ての当選役に、それぞれ「28/256」の確率で格上げチャンス演出が行われるようにしてある。また、演出シートDでは、演出実行率100%のうち、20%の確率で「赤7」、「青7」又は「BAR」の報知演出が行われるようにしてある。すなわち、一般役4〜7のいずれかに当選したときに、演出シートDに基づいて格上げチャンス演出が行われた場合は、20%の確率で他の遊技状態への格上げが確定することになる。
次いで、シナリオ511A〜Dのデータ構造について説明する。図5(a),(b)は、各シナリオ511A〜Dのデータ構造の一例を示す概念図である。まず、同図(a)に示すシナリオ511Aには、次回遊技(2G〜4G)に対応して、前回遊技(1G〜3G)の結果に基づいて選択される二以上の演出シートA〜Dの選択パターンが定められている。すなわち、2回目以降の遊技では、前回遊技の結果を反映して、所定の演出シートA〜Dが選択されるように定められている。
例えば、図5(a)に示す具体例では、演出シートA〜Dいずれかの抽選によって格上げチャンス演出が行われない場合において、図17に示す一般役1〜7いずれかに入賞した場合(図中の○)は、この前回遊技の結果を反映して、次回遊技の演出シートがA→B→C→Dとステップアップするような選択パターンが定めてある。なお、演出シートB〜Dで格上げ演出が行われ、かつ一般役4〜7いずれかに入賞した場合は、他の遊技状態への格上げが確定し、格上げチャンス演出制御自体が終了する。
一方、図5(a)において、格上げチャンス演出が行われたか否かを問わず、一般役1〜7いずれにも入賞しなかった場合(図中の×)は、この前回遊技の結果を反映して、次回遊技の演出シートがA→A、B→B又はC→Cというように維持されるような選択パターンが定めてある。
また、シナリオ511A〜Dは、直接演出シートA〜Dを定めたものに限らず、例えば、図5(b)に示すシナリオ511Aのように、いずれかの演出シートA〜Dの当選確率を高くした抽選表の選択パターンを定めてもよい。このようなシナリオ511Aでは、演出シートA〜Dを直接選択するのではなく、まず、演出シートA〜Dのいずれかの当選確率を高くした抽選表が選択され、この抽選の結果、演出シートA〜Dのいずれかが選択されることになる。これにより、例えば、1回目の単位遊技で当選役に入賞した場合(図中の○)でも、2回目の単位遊技で演出シートBが選択される可能性は高いが、100%選択されるとは限らず、演出シートA,C又はDが選択される場合もあり、図5(a)と同じ選択パターンでありながら、演出シートA〜Dの選択バリエーションを豊富にすることができる。
図3に戻り、シナリオ抽選手段513は、抽選処理によって、シナリオ511A〜Dのいずれか一つを選択するものである。シナリオ抽選手段513は、例えば、図7に示すような乱数発生器(ハード乱数等)511aと、この乱数発生器511aが発生した乱数を抽出する図示しない乱数抽出手段と、この乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて当選したシナリオ511A〜Dを判定する図示しない乱数判定手段とを備えている。
演出実行抽選手段514は、シナリオ抽選手段513によって選択されたシナリオ511A〜Dのいずれか一つに従って演出シートA〜Dを選択し、複数回の単位遊技ごとに格上げチャンス演出を実行するか否かを、選択した演出シートA〜Dのいずれか一つに基づく抽選で決定する。抽選により格上げチャンス演出を実行すると決定された場合は、次に説明する格上げチャンス演出画像選択手段515が、所定の演出画像を選択して格上げチャンス演出を実行する。
格上げチャンス演出画像選択手段515は、シナリオ抽選手段513により選択された演出シートB〜Dのいずれか一つに対応する演出画像(例えば、図20(a)〜(c)の敵キャラクターCH1〜3を参照)を、後述する格上げチャンス演出画像データ記憶手段516から呼び出して、画像表示手段70に表示させる。なお、本実施形態では、演出シートAが選択されたときには、格上げチャンス演出が行われないこととしてあるので(図19参照)、演出シートAに対応する演出画像は用意していない。
演出シートA〜Dごとに異なる演出画像を対応させたのは、選択された演出シートA〜Dの種類を演出画像で報知するためであり、遊技者は、一連の単位遊技で表示される演出画像に基づいて、演出シートA〜Dの種類及びシナリオ511A〜Dの種類を推測することが可能となる。これにより、現在又は将来の遊技状態を遊技者に報知したり、期待させたりすることができる。また、演出シートA〜Dは、シナリオ511A〜Dの選択パターンに従って選択されるので、何回目の単位遊技にどのような演出を実行させるかを、各シナリオ511A〜Dにおける演出シートA〜Dの選択パターンによって制御することができ、前回遊技の結果を反映させて、演出に連続性、関連性及びストーリー性をもたせることが可能となる。
また、格上げチャンス演出画像選択手段515は、演出実行抽選手段514の演出シートA〜Dに基づく抽選の結果、一般役4〜7の当選を報知する場合に、所定の報知画像(図21(c)〜(e)の赤球B2、青球B3、黒球B4を参照)を格上げチャンス演出画像データ記憶手段516から呼び出して、画像表示手段70に表示させる。
格上げチャンス演出画像データ記憶手段516には、格上げチャンス演出に用いられる演出画像(報知画像を含む)のデータが記憶されている。格上げチャンス演出に用いられる演出画像の具体例を図20〜22に示す。これら演出画像は、格上げチャンス演出が実行される1回の単位遊技中に表示される一連の演出画像である。図20は3−ベットスイッチ36が操作されたときに表示される演出画像、図21はスタートスイッチ50が操作されたときに表示される演出画像、図22はストップスイッチ52L,52C,52Rが全て操作されたときに表示される演出画像を示す。本実施形態の格上げチャンス演出は、ピッチャーである主人公キャラクターが、バッターである敵キャラクターと野球で一本勝負するストーリーになっている。
図20(a)〜(c)は、それぞれ異なる敵キャラクターCH1〜3がバッターボックスに立ったシーンを示すものである。上述したように、各敵キャラクターCH1〜3は、それぞれ演出シートB〜Dに対応しており、選択された演出シートB〜Dの種類を報知する役割を果たしている。
また、シナリオ511A〜Dの選択パターンに従って選択される演出シートB〜Dに、それぞれ敵キャラクターCH1〜3を対応させているので、何回目の単位遊技にどの敵キャラクターCH1〜3を表示させるかを、シナリオ511A〜Dによって制御することができ、また、前回遊技の結果をも反映させて、演出に連続性、関連性及びストーリー性をもたせることが可能となる。
例えば、図5(a)のシナリオ511Aに示すような演出シートA〜Dの選択パターンならば、1〜4回目の単位遊技において全て当選役を入賞(但し、2回目以降の単位遊技では一般役4〜7の入賞を除く)させた場合は、演出シートA→B→C→Dの順に選択が行われることになり、仮に2〜3回目の単位遊技において毎回格上げチャンス演出が行われるならば、敵キャラクターCH1→CH2→CH3が順に表示されることになる。これにより、例えば、段階的に強い敵キャラクターCH1→CH2→CH3を表示させるというような連続性、関連性及びストーリー性をもたせることができる。
図21(a)は、主人公キャラクターCH4の投球シーンを示すものである。この投球シーンに続いて図21(b)〜(e)の球のアップシーンが表示される。演出シートB〜Dのいずれかに基づく抽選で一般役4〜7いずれの当選も報知しない場合は、図21(b)の白球B1のアップシーンが表示される。演出シートB〜Dのいずれかに基づく抽選で一般役4の当選を報知する場合は、図柄「赤7」に対応した図21(c)の赤球B2のアップシーンが表示される。一般役5の当選を報知する場合は、図柄「青7」に対応した図21(d)の青球B3のアップシーンが表示される。一般役6の当選を報知する場合は、図柄「BAR」に対応した図21(e)の黒球B4のアップシーンが表示される。一般役7の当選を報知する場合は、図柄「赤7」、「青7」、「BAR」のいずれかに対応する赤球B2、青球B3、黒球B4のいずれかのアップシーンが表示される。
図22は、遊技の結果を表現するための演出画像である。はずれ以外の当選役に入賞した場合は、図22(a)に示す敵キャラクターが空振りしたシーンが表示される。一方、当選役に入賞しなかった場合は、図22(b)に示す敵キャラクターがヒットを打ったシーンが表示される。さらに、一般役4〜7のいずれかに入賞し、他の遊技状態への格上げが確定した場合は、図22(c)に示す格上げ確定の報知画像が表示される。なお、本実施形態では、図22(a)、(b)の2種類の演出画像しか例示していないが、実際は、図20(a)〜(c)に示す各敵キャラクターCH1〜3にそれぞれ対応した合計6種類の演出画像が用意されることになる。
ここで、図2に戻り、副制御回路200のその他の構成要素について説明すると、ランプ制御手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路222(図7参照)を制御して、報知手段600中の有効ライン表示ランプ124を点灯させる。
また、音声制御手段530は、上述したように遊技中のBGMや効果音の制御を行うものである。この音声制御手段530は、主制御回路100から受信した信号に基づいてROM208(図7参照)に記憶した音声データを読み出し、スピーカ駆動回路224(図7参照)を制御して、報知手段600のスピーカ64から所定の音声を発する。
[スロットマシン10の制御手段の説明]
スロットマシン10を制御する制御手段は、上述のように主制御回路100と副制御回路200とで構成してある。ここで、図6は、主制御回路100のブロック図を示し、図7は、主制御回路100に電気的に接続した副制御回路200のブロック図を示す。
<主制御回路100>
図6において、上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続してあり、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続してある。スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。この入出力バス104を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
また、上述したインターフェイス回路102には、各ストップスイッチ52L,52C,52R及び3−ベットスイッチ36も接続してある。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に供給される。
上述した入出力バス104には、ROM108及びRAM110も接続してある。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図8に示すメインルーチン、図9から図12に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。なお、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続してある。このモータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rのそれぞれを回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続してある。ステッピングモータ80L、80C及び80Rは、3つのリール40L、40C及び40Rの内部にそれぞれ設けてあり、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように取り付けてある。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行っている。
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rを制御することにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行っている。
リール40L、40C及び40Rには、回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)がそれぞれ設けてあり、各回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続してある。各回転角度位置センサから発せられたリール40L、40C及び40Rの回転角度位置を示す信号は、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、フロントパネル20の表示窓22の位置で停止している図柄を特定する。
さらに、インターフェイス回路102には、接続線118も接続してある。この接続線118によって、主制御回路100に副制御回路200を電気的に接続してある。
<副制御回路200>
図7において、上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続してあり、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続してある。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。この入出力バス204を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
上述した入出力バス204には、ROM208及びRAM210も接続してある。ROM208は、表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224を制御する制御プログラムや、この制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図13〜図15に示す副制御回路サブルーチン、画像表示手段70に表示される種々の演出画像の制御プログラム、スピーカ64から発するための演奏音データを記憶している。
入出力バス204には、図3に示すシナリオ抽選手段513及び演出実行抽選手段514による各種抽選に用いられる乱数発生器511aも接続されている。乱数発生器511aは、上述した主制御回路100の乱数発生器112(図2及び図6参照)と同様に、一定の範囲の数値に含まれる乱数を発生させる。なお、CPU206の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス204には、画像表示手段70を駆動させるための表示駆動装置221も接続してある。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動装置221に供給する。これにより、画像表示手段70には、画像データや文字データ等を含む種々の演出画像が表示される。
さらに、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路224も接続してある。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路224に供給する。これにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
[制御処理の説明]
<スロットマシン10の制御処理の説明>
以下に、上述したスロットマシン10の制御手段において行われる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図8はスロットマシン10の主制御回路100で行われる制御処理のメインルーチンを示す。図9〜図12はメインルーチンで行われる制御処理である各サブルーチンを示す。
図9は役抽選手段410により行われる役抽選と、役抽選に引き続き行われるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図10はリール制御手段420により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図11はリール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図12はフラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述したスロットマシン10の主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
<メインルーチンの説明>
図8のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
まず、再遊技状態に設定されており、再遊技を行う状態であるか否かを判断する(ステップS10)。なお、再遊技状態に設定する処理は、後述するように、例えば、図12に示す役当選時処理サブルーチンのステップS79において行われる。
再遊技状態に設定されていない(NO)と判別したときには、上述した3−ベットスイッチ36を遊技者が操作することによって発せられた信号に基づいて、設定ベット数を決定する(ステップS11)。この設定ベット数は、1回の遊技をするための賭けの対象とされた遊技媒体の枚数であり、本実施形態のスロットマシン10では3枚のみとなっている。さらに、設定ベット数は、クレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされた遊技媒体の数に限られず、遊技媒体投入口38から投入されて直接賭けの対象とされた遊技媒体の数も含む。
なお、遊技媒体が投入されたときは、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。一方、遊技媒体が投入されていないと判断したときは、クレジットされた遊技媒体の有無を判断し、クレジットされた遊技媒体がない場合には、ステップS11において設定ベット数が決定できない。また、クレジットされた遊技媒体がある場合には、遊技者が3−ベットスイッチ36を操作したときに発信されるベット操作信号を受信の有無を判断し、ベット操作信号を受信していない場合は、ステップS11において設定ベット数が設定できない。一方、ベット操作信号を受信した場合は、受信したベット操作信号からベット数を検出し、遊技媒体の投入又はクレジットされた遊技媒体の使用、いずれの場合においても検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶する。クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う。
ステップS10において、再遊技状態に設定されている(YES)と判別したときは、再遊技状態の設定を解除して(ステップS12)、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費したりすることなく、3枚のベット数で再び遊技を行うことができる。
次に、スタートスイッチ50が遊技者によってオンされたか否かを判断する(ステップS13)。スタートスイッチ50がオンされていないと判別した場合(NO)は、ステップS13の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされたと判別した場合(YES)は、役抽選処理サブルーチン(ステップS14)へ進む。
ステップS14の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選処理が行われ、当選した役に応じて、RBフラグ、BBフラグ、再遊技フラグ、対応する一般役フラグをオンにするフラグオン処理が行われる。このサブルーチンの詳細については、図9のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS14)に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)が行われる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段420によって行われ、このサブルーチンの詳細については、図10のフローチャートを用いて後述する。
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理サブルーチン(ステップS16)が行われる。このサブルーチンの詳細については、図11及び図12のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS17)が行われる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
<役抽選処理サブルーチン>
図9を用いて役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。まず、遊技の態様が、RB遊技中であるか否かを判断する(ステップS31)。遊技の態様がRB遊技中である(YES)と判別したときは、ROM108に記憶されたRB用抽選表を読み出す(ステップS32)。ここで、RB用抽選表の実施例を図16に示す。
RB用抽選表では、図柄番号1〜3の一般役と、図柄番号4のはずれとが設定してあり、例えば、一般役2が当選した場合には、3つのリール全てに「ベル」の図柄が揃うと入賞するように設定してある。後述するステップS36で行う役抽選において、一般役2が当選する確率は1/1.03であり、非常に高く設定してある。従って、RB遊技中においては、一般役2に当選する可能性が非常に高くなっている。逆に、はずれの確率は、約1/212.49であり非常に低く設定してある。
ステップS31の判断において、遊技の態様がRB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、遊技の態様が、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS33)。遊技の態様がBB遊技中である(YES)と判別したときは、ROM108に記憶されたBB作動時抽選表を読み出す(ステップS34)。ここで、BB作動時抽選表の実施例を図17に示す。
BB作動時抽選表は、遊技の態様が、BB遊技中であって、かつRB遊技中ではない状態である場合に用いる抽選表である。BB作動時抽選表では、図柄番号1のRB役と、図柄番号2〜8の一般役と、図柄番号9のはずれとが設定してある。ここで、BB未作動時一般抽選表(図18参照)と比較すると、BB作動時抽選表では、BB役及び再遊技役がない設定になっている。
図柄番号1のRB役は、役抽選における当選確率が1/4.0であって、3つのリール共に「BAR」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。通常の遊技状態で用いるBB未作動時一般抽選表では、役抽選におけるRB役の当選確率は1/312であり、BB遊技中においては、通常時と比較してRB役に当選する確率が非常に高く設定してある。
また、図柄番号2の一般役1は、役抽選における当選確率が1/50.0であって、3つのリール全てに「スイカ」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。図柄番号3の一般役2は、役抽選における当選確率が1/20.0であって、3つのリール全てに「ベル」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。図柄番号4の一般役3は、役抽選における当選確率が1/50.0であって、第1のリールの図柄が「チェリー」であれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定してある。
さらに、図柄番号5の一般役4は、役抽選における当選確率が1/33.3であって、第1のリールに「赤7」の図柄が、残りのリールに「ベル」、「ベル」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。図柄番号6の一般役5は、役抽選における当選確率が1/33.3であって、第1のリールに「青7」の図柄が、残りのリールに「ベル」、「ベル」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。図柄番号7の一般役6は、役抽選における当選確率が1/33.3であって、第1のリールに「BAR」の図柄が、残りのリールに「ベル」、「ベル」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。図柄番号8の一般役7は、役抽選における当選確率が1/33.3であって、第1のリールに「赤7」、「青7」又は「BAR」のいずれかの図柄が、残りのリールに「ベル」、「ベル」の図柄が揃う場合に入賞するように設定してある。
ステップS33の判断において、BB遊技の遊技中でもない(NO)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB未作動時一般抽選表を読み出す(ステップS35)。BB未作動時一般抽選表の実施例を図18に示す。
BB未作動時一般抽選表は、特別遊技(RB遊技、BB遊技)ではない通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号1のBB役、図柄番号2のRB役そして図柄番号3〜9の一般役、図柄番号10の再遊技役と、図柄番号11のはずれとが設定されている。
図18のBB未作動時一般抽選表では、図柄番号1のBB役について、役抽選における当選確率と図柄組み合わせの設定がしてあり、さらに、終了条件として、451枚の最大獲得枚数が設定してある。また、はずれの役抽選における確率は約1/1.42に設定してある。
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する(ステップS36)。
そして、判定結果として、RB役に当選したか否かを判断する(ステップS37)。RB役に当選した(YES)と判別したときには、RBフラグをオンに設定し(ステップS38)、副制御回路200へ信号を送信する(ステップS45)。その後、ステップS46へ進み、当選した図柄番号、図柄データをRAM110に記憶する。
ステップS37の判断でRB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、BB役に当選したか否かを判断する(ステップS39)。役抽選によってBB役に当選した(YES)と判別したときには、BBフラグをオンに設定し(ステップS40)、副制御回路200へ信号を送信する(ステップS45)。その後、ステップS46へ進み、当選した図柄番号、図柄データをRAM110に記憶する。
ステップS39の判断でBB役にも当選していない(NO)と判別したときには、一般役1〜7のうちいずれかの一般役に当選したか否かを判断する(ステップS41)。一般役1〜7のうちいずれかの一般役に当選した(YES)と判別したときは、対応する一般役フラグをオンに設定して(ステップS42)、副制御回路200へ信号を送信する(ステップS45)。その後、ステップS46へ進み、当選した図柄番号と制御図柄データをRAM110に記憶する。
次いで、ステップS41の判断で、いずれの一般役にも当選していない(NO)と判別したときは再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS43)。もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、再遊技フラグをオンにして(ステップS44)、副制御回路200へ信号を送信する(ステップS45)。その後、ステップS46へ進み、当選した図柄番号と制御図柄データをRAM110に記憶する。
さらに、ステップS43の判断で、再遊技役にも当選していない(NO)と判別したときは、フラグオン処理は行わずに、そのまま副制御回路200へ信号を送信する(ステップS45)。その後、ステップS46へ進み、はずれの図柄番号と制御図柄データをRAM110に記憶する。
このように、フラグオンに関する一連の処理を行った後、ステップS46においてRAM110に記憶した図柄番号、制御図柄データのデータは、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いられる。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
<リール変動・停止サブルーチンの説明>
次に、図8のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン(ステップS14)が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン(ステップS15)を行う。図10を用いてリールの回転、停止制御について説明する。
まず、図9のステップS46で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS51)。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う(ステップS52)。最短時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS52の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようになっている。この制御によって、一定時間に行われる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
最短時間が経過した(YES)と判別したときには、リール回転開始信号を発信する(ステップS53)。この信号に基づいて、モータ駆動回路114が作動して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始し、リール40L、40C、40Rが回転を始める。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS54)。リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS54の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようになっている。
リールの回転が定速回転になっている(YES)と判別したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS55〜S57)。
リール停止信号は、ストップスイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つのスイッチを押動操作したときに発信される。すなわち、ステップS55において第1リール用のストップスイッチ52Lが押動操作された場合(YES)には、第1リール停止信号(操作信号)が発信され、第1リール40Lを回転させるモータ80Lの停止制御を行う(ステップS58)。同様に、ステップS56において第2リール用のストップスイッチ52Cが押動操作された場合(YES)には、第2リール停止信号(操作信号)が発信され、第2リール40Cを回転させるモータ80Cの停止制御を行う(ステップS58)。また、ステップS57において第3リール用のストップスイッチ52Rが押動操作された場合(YES)には、第3リール停止信号(操作信号)が発信され、第3リール40Rを回転させるモータ80Rの停止制御を行う(ステップS58)。
第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれも受信しないと判別したときは、ステップS55〜S57の判断処理を繰り返し行い、ステップS58の停止制御は行わない。一方、第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれか1つを受信したと判別したときには、ステップS58へ進む。
ステップS58では、当選した役があるか否かを判別し、当選した役があると判別した場合、リール停止可能範囲内に当選した役に対応する図柄があるときには、その図柄を入賞ライン(図1中のL1,L2A,L2B,L3A,L3B参照)上に停止させる。
そして、ステップS59に進み、全リールが停止したか否かを判別し、全リールが停止していない(NO)と判別したときには、ステップS55に戻り、全リールが停止するまで、ステップSS55〜S57のいずれかの判断処理と、ステップS58の停止制御と、ステップS59の全リール停止の判別とを繰り返す。一方、全リールが停止している(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
<フラグオフ処理サブルーチンの説明>
図8のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)が終了すると、次に、フラグオフ処理サブルーチン(ステップS16)を行う。図11を用いてフラグオフ処理について説明する。
まず、遊技状態がRB遊技中であるか否かを判断する(ステップS61)。RB遊技中である(YES)と判別したときは、RB遊技処理(ステップS62)を行い、その後、フラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、RB遊技処理とは、RB遊技中の入賞回数又はRB遊技回数が所定の回数に達するまで、RB用抽選表(図16)を用いた遊技に対する処理である。本実施態様においては、一般役2の当選する確率が1/1.03と非常に高く設定されていることから、RB遊技中、一般役2に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
次いで、ステップS61の判断で、遊技状態がRB遊技中ではない(NO)と判別したときは、遊技状態がBB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS63)。BB遊技中である(YES)と判別したときは、BB遊技処理(ステップS64)を行い、その後、フラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、BB遊技処理とは、BB遊技の終了条件(最大獲得遊技媒体枚数)に達するまで、BB作動時抽選表(図17)を用いた遊技に対する処理である。本実施態様においては、RB役の当選する確率が1/4.0と非常に高く設定されていることから、RB遊技に移行できるRB役に当選する可能性が非常に高く、RB役に当選し入賞することにより、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
さらに、ステップS63の判断で、遊技状態がBB遊技中ではない(NO)と判別したときは、当選役があるか否かを判断する(ステップS65)。当選役がある(YES)と判別したときには、後述する役当選時処理サブルーチン(ステップS66)を行い、その後、フラグオフ処理サブルーチンが終了する。
一方、ステップS65の判断で、当選役がない(NO)と判別したときは、そのまま、フラグオフ処理サブルーチンが終了する。
<役当選時処理サブルーチンの説明>
図12を用いて役当選時処理について説明する。この役当選時処理サブルーチンは、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であり、図11に示すように、RB遊技中でもなく、かつBB遊技中でもない場合のみ実行される。
まず、上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS71)。次に、この入賞図柄判定の結果、RB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS72)。
RB役に入賞している(YES)と判別したときは、RBフラグをオフに設定してRB遊技状態に設定し(ステップS73)、本サブルーチンが終了する。RB遊技状態に設定することにより、次回の遊技からRB遊技が開始され、RB遊技中と判別される。
ステップS72において、RB役に入賞していない(NO)と判別したときは、BB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS74)。BB役に入賞している場合(YES)、BB役フラグをオフに設定しBB遊技状態に設定する(ステップS75)。BB遊技状態に設定することにより、次回の遊技はBB遊技と判別される。
ステップS74において、BB役にも入賞していない(NO)と判別したときは、一般役1〜7のいずれかの一般役に入賞しているか否かを判断する(ステップS76)。一般役1〜7のいずれかの一般役に入賞している場合(YES)は、対応する一般役フラグをオフに設定し(ステップS77)、本サブルーチンが終了する。
ステップS76において、一般役1〜7のいずれの一般役にも入賞していない(NO)と判別したときは、再遊技役に入賞しているか否かを判断する(ステップS78)。再遊技役に入賞している(YES)と判別したとき、再遊技フラグをオフに設定し、再遊技状態に設定する(ステップS79)。そして、本サブルーチンを終了する。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される。
ステップS78において、再遊技役にも入賞していない(NO)と判別したときは、そのまま役当選時処理サブルーチンが終了する。
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のようにして、図11及び図12に示すフラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、図8のメインルーチンに戻り、ステップS16の入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップS17の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする単位遊技を行うための制御処理が終了する。
<副制御回路サブルーチンの説明>
次に、図13〜図15を用いて副制御回路サブルーチンについて説明する。図13〜図15は副制御回路により実行される格上げチャンス演出制御に関する副制御回路サブルーチンを示すフローチャートである。
図13〜図15に示す副制御回路サブルーチンでは、三つリール40L,40C,40Rを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、連続して3回行うときの制御処理を示す。また、本副制御回路サブルーチンに用いられるシナリオ511A〜Dには、3回分の単位遊技に対応した演出シートA〜Dの選択パターンが定められているものとし、シナリオ511A〜Dのいずれか一つで3回分の単位遊技の格上げチャンス演出制御を行うものとする。
<<1回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行するか否かの判断>>
図13において、本実施形態の格上げチャンス演出は、BB遊技中の一般遊技状態ときに行われるものなので、副制御回路サブルーチンでは、まず、BB遊技中の一般遊技状態か否かを判断する(ステップS81)。BB遊技中の一般遊技状態でない(NO)と判別した場合は、このステップS81の処理を繰り返す。
一方、ステップS81において、BB遊技中の一般遊技状態である(YES)と判別した場合は、図3に示すシナリオ抽選手段513が、シナリオデータ記憶手段511から図4に示すシナリオ511A〜Dを読み出して、シナリオ511A〜Dいずれか一つを抽選で選択する(ステップS82)。なお、本実施形態では、説明の便宜上、シナリオ511A〜Dいずれが選択されたか特定しないが、以下の説明における適宜箇所で、図5(a)に示すシナリオ511Aを例示して、副制御回路の制御処理を具体的に説明する場合がある。
ステップS83に進み、図3に示す演出実行抽選手段514が、選択されたシナリオ511A〜Dのいずれか一つに従って、演出シートデータ記憶手段512から、1回目の単位遊技に用いる演出シートA〜D(図19参照)いずれか一つを読み出し、1回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かの抽選を行う。そして、ステップS84に進み、格上げチャンス演出を実行するか否かを判断する。
<<1回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行しない場合の処理>>
図13のステップS84において、1回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行しない(NO)と判別した場合は、1回目の単位遊技の結果が決まるまで待機する。すなわち、図14のステップS101に進み、スタートスイッチ50がONされたか否か判断する。スタートスイッチ50がONされていない(NO)と判別した場合は、ステップS101の処理を繰り返す。また、スタートスイッチ50がONされた(YES)と判別した場合は、ステップS102に進み、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作されたか否かを判断する。
図14のステップS102において、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作されていない(NO)と判別した場合は、このステップS102の処理を繰り返す。また、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作された(YES)と判別した場合は、ステップS103に進み、1回目の単位遊技で一般役1〜7のいずれかに入賞したか否かを判断する。
ステップS103において、1回目の単位遊技で一般役1〜7いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、ステップS104に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜7いずれかに入賞したという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、2回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
例えば、現在、シナリオ511Aが選択されているならば、図5(a)に示すように、2回目の単位遊技に用いられる演出シートとして、演出シートBが選択されることになる。演出シートBは、1回目の単位遊技に用いられた演出シートAと比較して、格上げチャンス演出を実行する当選確率が高く(図19参照)、遊技者により有利な演出シートにステップアップされることになる。また、2回目の単位遊技で格上げチャンス演出が実行される場合には、演出シートBに対応する敵キャラクタCH1が表示されることになる。
一方、ステップS103において、1回目の単位遊技で一般役1〜7のいずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS105に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜7いずれかに入賞していないという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、2回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
例えば、現在、シナリオ511Aが選択されているならば、図5(a)に示すように、2回目の単位遊技に用いられる演出シートとして、1回目の単位遊技と同じ演出シートAが選択されることなり、演出シートがステップアップされない。また、演出シートAが選択されるので、2回目の単位遊技でも格上げチャンス演出が実行されないことになる。
ステップS104又はS105において、2回目の単位遊技に用いられる演出シートA〜Dのいずれかを選択した後、演出実行抽選手段514が、選択した演出シートA〜Dを参照して、2回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かの抽選を行う。そして、ステップS106に進み、2回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かを判断する。
<<1回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行する場合の処理>>
図13のステップS84に戻り、1回目の単位遊技において格上げチャンス演出を実行する(YES)と判別した場合は、ステップS85に進み、3−ベットスイッチ36がONされたか否かを判断する。3−ベットスイッチ36がONされてない(NO)と判別した場合は、ステップS85の処理を繰り返す。
一方、ステップS85において、3−ベットスイッチ36がONされた(YES)と判別した場合は、ステップS86に進み、格上げチャンス演出画像選択手段515が、図20(a)〜(c)のいずれかの第1の格上げチャンス演出画像を、画像表示手段70に表示させる。すなわち、ステップS83において選択された1回目の単位遊技の演出シートB〜Dいずれかに対応した敵キャラクタCH1〜3いずれかがバッターボックスに立つシーンが表示されることになる。
次に、ステップS87に進み、スタートスイッチ50がONされたか否かを判断する。スタートスイッチ50がONされてない(NO)と判別した場合は、ステップS87の処理を繰り返す。
一方、ステップS87において、スタートスイッチ50がONされた(YES)と判別した場合は、ステップS88に進み、演出実行抽選手段514が、1回目の単位遊技で選択された演出シートB〜Dいずれかを参照して、一般役4〜7いずれかの当選を報知するか否かの抽選を行う。
ステップS88において、一般役4〜7いずれかの当選を報知する(YES)と判別した場合は、ステップS89に進み、格上げチャンス演出画像選択手段515が、画像表示手段70に、図21(a)に示す主人公キャラクターCH4の投球シーンを表示させた後、図21(c)〜(e)に示す赤球B2、青球B3又は黒球B4のいずれかのアップシーンを表示させる。赤球B2は一般役4の図柄「赤7」、青球B3は一般役5の図柄「青7」、黒球B4は一般役6の図柄「BAR」をそれぞれ色によって報知するものである。なお、第1リールの図柄が「赤7」、「青7」又は「BAR」のいずれでも入賞となる一般役7(図17参照)に当選している場合も、赤球B2、青球B3又は黒球B4のいずれかによって報知される。この報知演出により、一般役4〜7いずれかの入賞が確定的となり、遊技者が一般役4〜7いずれかに入賞させた場合には、上述した他の遊技状態への格上げの条件が満たされることになる。
ステップS88において、一般役4〜7いずれかの当選を報知しない(NO)と判別した場合は、ステップS90に進み、格上げチャンス演出画像選択手段515が、画像表示手段70に、図21(a)に示す主人公キャラクターCH4の投球シーンを表示させた後、図21(b)に示す白球B1のアップシーンを表示させる。すなわち、一般役4〜7いずれかの当選が球の色によって報知されない。仮に一般役4〜7いずれかの当選しているならば、遊技者は、直感でこれら一般役4〜7いずれかを入賞させることになる。仮に直感で一般役4〜7いずれかに入賞させた場合には、上記と同様に、他の遊技状態への格上げの条件が満たされることになる。
ステップS91に進み、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作されたか否かを判断する。ステップS91において、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作されていない(NO)と判別した場合は、このステップS91の処理を繰り返す。また、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作された(YES)と判別した場合は、ステップS92に進み、1回目の単位遊技で一般役4〜7いずれかに入賞したか否かを判断する。
ステップS92において、1回目の単位遊技で一般役4〜7いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、ステップS93に進み、格上げチャンス演出画像選択手段515が、画像表示手段70に、図22(a)に示す敵キャラクターの空振りシーン(第3の格上げチャンス演出画像)を表示させる。続いてステップS95に進み、図22(c)に示す他の遊技状態への格上げ確定の演出画像を表示させる。これにより格上げチャンス演出が終了し、次回遊技から他の遊技状態へ移行、すなわち、遊技者により有利な遊技状態へ格上げされる(ステップS96)。その後、副制御回路サブルーチンを終了する。
一方、ステップS92において、1回目の単位遊技で一般役4〜7いずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS94に進み、格上げチャンス演出画像選択手段515が、画像表示手段70に、図22(b)に示す敵キャラクターのヒットシーン(第3の格上げチャンス演出画像)を表示させる。
その後、図14のステップS103に進み、一般役1〜7いずれかに入賞したか否かを判断する。この場合は、既に図13のステップS92で一般役4〜7に入賞していないと判別しているので、実質的には一般役1〜3いずれかに入賞したか否かを判断することになる。
ステップS103において、1回目の単位遊技で一般役1〜3いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、ステップS104に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜3いずれかに入賞したという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、2回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
一方、ステップS103において、1回目の単位遊技で一般役1〜3のいずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS105に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜3いずれかに入賞していないという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、2回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
ステップS104又はS105において、2回目の単位遊技に用いられる演出シートA〜Dのいずれかを選択した後、演出実行抽選手段514が、選択した演出シートA〜Dを参照して、2回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かの抽選を行う。そして、ステップS106に進み、2回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かを判断する。
<<2回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行しない場合の処理>>
図14のステップS106において、2回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行しない(NO)と判別した場合は、2回目の単位遊技の結果が決まるまで待機する。すなわち、図15のステップS121に進み、上述した図14のステップS101、S102と同じ制御処理を実行して(ステップS121、122)、2回目の単位遊技で一般役1〜7いずれかに入賞したか否かを判断する(ステップS123)。
図15のステップS123において、2回目の単位遊技で一般役1〜7いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、ステップS124に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜7いずれかに入賞したという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、3回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
例えば、現在、シナリオ511Aが選択されているならば、図5(a)に示すように、3回目の単位遊技に用いられる演出シートとして、演出シートCが選択されることとなる。演出シートCは、2回目の単位遊技に用いられた演出シートA又はBと比較して、格上げチャンス演出を実行する当選確率が高く(図19参照)、遊技者により有利な演出シートにステップアップされることになる。また、3回目の単位遊技で格上げチャンス演出が実行される場合には、演出シートCに対応する新たな敵キャラクタCH3が表示されることになる。
一方、ステップS123において、2回目の単位遊技で一般役1〜7いずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS125に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜7いずれもの入賞していないという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、2回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
例えば、現在、シナリオ511Aが選択されているならば、図5(a)に示すように、3回目の単位遊技に用いられる演出シートとして、2回目の単位遊技と同じ演出シートA又はBが選択されることなり、演出シートがステップアップされない。
ステップS124又はS125において、3回目の単位遊技に用いられる演出シートA〜Dのいずれかを選択した後、演出実行抽選手段514は、選択した演出シートA〜Dを参照して、3回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かの抽選を行う。そして、ステップS126に進み、3回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かを判断する。
<<2回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行する場合の処理>>
図14のステップS106に戻り、2回目の単位遊技において格上げチャンス演出を実行する(YES)と判別した場合は、上述した図13のステップS85〜S91と同じ制御処理を実行して(ステップS107〜S113)、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが全て停止操作されるまでの間に、図20(a)〜(c)に示す第1の格上げチャンス演出画像、及び図21(a)〜(e)に示す第2の格上げチャンス演出画像を、画像表示手段70に表示させる。
図14のステップS113において、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作された(YES)と判別した場合は、ステップS114に進み、2回目の単位遊技で一般役4〜7いずれかに入賞したか否かを判断する。
ステップS114において、2回目の単位遊技で一般役4〜7いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、上述した図13のステップS93及びS95と同じ制御処理を実行して(ステップS115及びS117)、図22(a)に示す敵キャラクターの空振りシーン(第3の格上げチャンス演出画像)と、図22(c)に示す他の遊技状態への格上げ確定の演出画像とを表示させる。これにより格上げチャンス演出が終了し、次回遊技から他の遊技状態へと移行、すなわち、遊技者により有利な遊技状態へ格上げされる(ステップS118)。その後、副制御回路サブルーチンを終了する。
一方、ステップS114において、2回目の単位遊技で一般役4〜7いずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS116に進み、画像表示手段70に、図22(b)に示す敵キャラクターのヒットシーン(第3の格上げチャンス演出画像)を表示させる。
その後、図15のステップS123に進み、一般役1〜7いずれかに入賞したか否かを判断する。この場合は、既に図14のステップS134で一般役4〜7に入賞していないと判別しているので、実質的には一般役1〜3いずれかに入賞したか否かを判断することになる。
ステップS123において、2回目の単位遊技で一般役1〜3いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、ステップS124に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜3いずれかに入賞したという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、3回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
一方、ステップS123において、2回目の単位遊技で一般役1〜3のいずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS125に進み、演出実行抽選手段514が、一般役1〜3いずれにも入賞していないという遊技結果を反映させて、現在のシナリオ511A〜Dいずれかの選択パターンに従って、3回目の単位遊技に用いる演出シートA〜Dいずれかを選択する。
ステップS124又はS125において、3回目の単位遊技に用いられる演出シートA〜Dのいずれかを選択した後、演出実行抽選手段514は、選択した演出シートA〜Dを参照して、3回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かの抽選を行う。そして、ステップS126に進み、3回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行するか否かを判断する。
<<3回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行しない場合の処理>>
図15のステップS126において、3回目の単位遊技で格上げチャンス演出を実行しない(NO)と判別した場合は、図13のステップS82で選択したシナリオ511A〜Dの選択パターンを全て実行したことになるので、そのまま副制御回路サブルーチンを終了する。その後もBB遊技中における一般遊技状態が継続しているならば、再び図13のステップS81及びS82を経て、次の3回分の単位遊技に対応する新たなシナリオ511A〜Dが選択される。
<<3回目の単位遊技:格上げチャンス演出を実行する場合の処理>>
図15のステップS126において、3回目の単位遊技において格上げチャンス演出を実行する(YES)と判別した場合は、上述した図13のステップS85〜S91と同じ制御処理を実行して(ステップS127〜S133)、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが全て停止操作されるまでの間に、図20(a)〜(d)に示す第1の格上げチャンス演出画像、及び図21(a)〜(e)に示す第2の格上げチャンス演出画像を、画像表示手段70に表示させる。
図15のステップS133において、3つのストップスイッチ52L,52C,52Rが、全て停止操作された(YES)と判別した場合は、ステップS134に進み、3回目の単位遊技で一般役4〜7いずれかに入賞したか否かを判断する。
ステップS134において、3回目の単位遊技で一般役4〜7いずれかに入賞した(YES)と判別した場合は、上述した図13のステップS93及びS95と同じ制御処理を実行して(ステップS135及びS137)、図22(a)に示す敵キャラクターの空振りシーン(第3の格上げチャンス演出画像)と、図22(c)に示す他の遊技状態への格上げ確定の演出画像とを表示させる。これにより格上げチャンス演出が終了し、次回遊技から他の遊技状態へ移行、すなわち、遊技者により有利な遊技状態へ格上げされる(ステップS138)。その後、副制御回路サブルーチンを終了する。
一方、ステップS134において、3回目の単位遊技で一般役4〜7いずれにも入賞していない(NO)と判別した場合は、ステップS136に進み、画像表示手段70に、図22(b)に示す敵キャラクターのヒットシーン(第3の格上げチャンス演出画像)を表示させる。これにより、図13のステップS82で選択したシナリオ511A〜Dの遊技の選択パターンを全て実行したことになるので、そのまま副制御回路サブルーチンを終了する。その後もBB遊技中における一般遊技状態が継続しているならば、再び図13のステップS81及びS82を経て、次の3回分の単位遊技に対応する新たなシナリオ511A〜Dが選択される。
[スロットマシンの効果]
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン10によれば、シナリオ511A〜Dの選択と、選択されたシナリオ511A〜Dの演出シートA〜Dの選択パターンと、前回遊技の結果を反映した演出シートA〜Dの選択とに基づいて、連続して実施される複数回の単位遊技における演出(本実施形態では、格上げチャンス演出)を制御することができる。これにより、複数回の単位遊技にわたって演出の実行頻度を制御することが可能となり、また、何回目の単位遊技にどのような演出を実行させるかをシナリオ511A〜Dの演出シートA〜Dの選択パターンによって制御することができ、前回遊技の結果を反映させて、演出に連続性、関連性及びストーリー性をもたせることが可能となる。この結果、一連の単位遊技をより面白く演出することができる。
また、遊技者により有利な遊技状態への移行を左右する一連の単位遊技を、前回遊技の結果を反映させたシナリオ511A〜Dの演出シートA〜Dの選択パターンに基づいて、より面白く演出することができる。これにより、この格上げ制御状態における一連の単位遊技が特別なチャンス遊技となり、スロットマシン10の遊技性をさらに向上させることができる。
さらに、選択された演出シートA〜Dの種類を演出画像で報知することが可能となり、一連の単位遊技で表示される演出画像(本実施形態では、敵キャラクターCH1〜3)に基づいて、演出シートA〜Dの種類及びシナリオ511A〜Dの種類を推測することが可能となる。これにより、現在又は将来の遊技状態を遊技者に報知したり、期待させたりすることができる。また、演出シートA〜Dはシナリオ511A〜Dの選択パターンに従って選択されるので、何回目の単位遊技にどのような演出を実行させるかを、シナリオ511A〜Dの演出シートA〜Dの選択パターンによって制御することができ、前回遊技の結果を反映させて、演出に連続性、関連性及びストーリー性をもたせることが可能となる。
これに加え、演出画像に含まれる報知画像(本実施形態では、赤球B1、青球B2及び黒球B3)によって、役抽選で当選した所定役に入賞させやすくなり、この所定役の入賞に基づいて、次回遊技で選択される演出シートA〜Dを演出の実行頻度の高いものとしたり、より遊技者に有利な遊技状態へ移行させたりすることが可能となり、上述した格上げチャンス演出制御における一連の単位遊技をより面白く演出することができる。
なお、本発明の遊技機は、上述したスロットマシン10に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、演出シートB〜Dにそれぞれ敵キャラクターCH1〜3の演出画像を対応させて、演出シートB〜Dいずれかが選択されたことを報知するようにしたが、これに限らず、シナリオ511A〜Dにそれぞれ異なる演出画像を対応させて、シナリオ511A〜Dいずれかが選択されたことを報知するようにしてもよい。
また、本発明の遊技機の適用は、上述したようなスロットマシン10に限られるものではなく、例えば、液晶表示装置等の画像表示手段を備えたデジタルパチンコ等におけるスロットマシン機能にそのまま適用することもできる。