JP6142351B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
このような演出の決定方法として、あらかじめ演出の実行予定(シナリオ)を決めておき、シナリオに沿って、各ゲームで実行する演出を決定していく手法が知られている。また、演出にバリエーションを持たせるために、シナリオ途中で演出内容を変化させることも行われる。例えば特許文献1には、段階的に変化する予告演出A〜Dの途中で、別系統の予告演出Gに分岐させるようにすることが記載されている。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、当選か否かの当選判定の抽選を行い、抽選結果に基づいて、所定の利益を付与し得るように形成され、所定の契機が発生した場合に演出実行の有無を決定するとともに、演出態様を決定する演出決定手段(210)と、前記演出決定手段(210)の決定に基づいて、演出を実行させる演出実行手段(演出データ出力手段230)と、を少なくとも備え、演出を実行させるための演出データとして、異なる演出カテゴリにグループ分けされた複数の演出データ群と、1又は複数のシナリオ要素を1又は複数の単位期間に対応させて演出の実行予定をあらかじめ設定した複数のシナリオデータとを備え、前記演出決定手段(210)は、演出態様の決定に際し、前記複数のシナリオデータの中から実行に係るシナリオデータを選択するとともに、選択されたシナリオデータに含まれるシナリオ要素に基づいて、所定の単位期間ごとに、実行する演出の演出カテゴリを抽選により決定し、決定した演出カテゴリに含まれる演出データの中から、実行すべき演出データを選択決定するように形成された遊技機に係る。そして、同一の演出カテゴリに含まれる演出データに基づく同系統演出の連続発生回数を判定し、所定の遊技状態において同系統演出の連続実行回数を所定の連続許容回数の範囲内に制限可能な実行演出変更手段(220)を設けたことを特徴とする。
本発明において、演出決定手段(210)は、ゲーム中の所定の契機で、例えば演出実行抽選よって、複数のシナリオデータの中から実行に係るシナリオデータを選択する。1のシナリオ要素より構成されるシナリオデータが選択された場合は、1の単位期間、例えば1ゲームの演出の実行が定められ、複数のシナリオ要素より構成されるシナリオデータが選択された場合は、複数の単位期間、例えば複数ゲームの演出の実行が定められる。シナリオデータが選択されると、シナリオを構成するシナリオ要素ごとに、演出カテゴリが抽選により選択される。そして、選択された演出カテゴリに含まれる演出データの中から、実行すべき演出データが、抽選により、あるいは遊技状態等の諸条件に応じて選択決定される。
本発明によれば、演出カテゴリの抽選によって、同一の演出カテゴリが選択された場合でも、同一の演出カテゴリに含まれる同系統演出が、連続許容回数として設定された一定回数以上は連続することがない。これにより、意図しない同系統演出の連続を回避することができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも多くの利益を付与可能な特別状態とを備えている。
そして、前記実行演出変更手段(220)は、前記通常状態中においては、前記同系統演出の連続発生回数が所定回数に達した場合に、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行うことより、同系統演出の連続実行回数を通常状態に対して設定された所定の連続許容回数の範囲内に制限し、前記特別状態の発生が確定している場合には、前記同系統演出の連続発生回数が前記所定回数に達した場合でも、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行わないことより、同系統演出が前記通常状態に対して設定された所定の連続許容回数を超えて連続して実行されることを可能としたことを特徴とする。
本発明は、特別状態の発生が確定している場合、例えばボーナスゲームなどの有利遊技状態への移行が確定している場合は、そのような状態でない場合に許容される同系統演出の連続実行回数を超えて、同系統演出が連続して実行され得るようにしたものである。
本発明によれば、遊技状態が特別な状態であったり有利状態への移行が確定しているというわけではないのに、抽選よって偶然に同系統演出が連続してしまい、遊技者に誤解を与えるということがない。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
本発明によっても、請求項2記載の発明と同様に、遊技状態によって同系統演出の連続実行回数を変化させることができるとともに、少ないシナリオデータで、同系統演出の連続実行回数を制御することができる。
本発明においては、高確率状態中の同系統演出の連続実行回数を、通常状態中よりも多くすることができ、加えて、特別状態の発生が確定している場合も、同系統演出の連続実行回数を、通常状態中よりも多くすることができる。この場合、同系統演出の連続許容回数を、遊技状態に応じて異なる回数に設定してもよい。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源装置5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの表面には、特に図示しないが、「7」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ表示されている。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとリールモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
ここで、前記操作スイッチとしては、図1に示すように、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50が設けられている。なお、操作スイッチとしては、その操作によりスロットマシン10により行われる演出に関わる選択を行うことができる演出選択スイッチが設けられていてもよい。
前記精算スイッチ17は、操作部3Aの上面左端に設けられたボタンスイッチであって、クレジットを払い戻すためのものである。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
上記制御装置20は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えた制御基板を基板ケースに収納したものである。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図3に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。
(メイン制御装置21)
メイン制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。メイン制御装置21の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、インデックスセンサ60Aの各パーツが接続されている。ここで、メダルセンサ15は、図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルの通過を検知するものである。一方、制御装置20の出力側には、図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65の各パーツが接続されている。
(役抽選手段70)
役抽選手段70は、複数の回転リール40で表示される図柄組合せが対応付けられた所定の「役」について、当選か否かの当選判定の抽選を行うためのものであり、特に図示しないが、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで、特に図示しないカウント抽出手段がループカウンタの数値を読み取り、判定手段がこの数値と役抽選テーブルとを比較して、当選の有無を判定するものである。
具体的には、役抽選テーブルとしては、通常状態において参照される通常抽選テーブル、RT状態において用いられるRT抽選テーブル、ボーナス状態において参照されるボーナス抽選テーブル、及びボーナス内部中において参照されるボーナス内部中抽選テーブルがあり、これらが設定ごとに設けられている。
各役抽選テーブルには、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。例えば、通常役抽選テーブル及びRT役抽選テーブルのそれぞれには、各ボーナス役の当選領域と、小役の当選領域と、再遊技役の当選領域がそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。内部中役抽選テーブルには、小役の当選領域が通常役抽選テーブルと同一の範囲(同一の確率)で設定されているとともに、再遊技役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。ボーナス内部中は、BB、RBの当選判定は行われない。また、ボーナス役抽選テーブルには、小役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
なお、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルともRT役抽選テーブルとも異なるRT役抽選テーブルを設け、複数種類のRT状態を実行可能な仕様にしてもよい。
ここで、抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選に対応する当選フラグが成立する。当選役が小役の場合には小役フラグ(スイカフラグ、ベルフラグなど)が、ボーナス役の場合にはボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)が、再遊技役の場合にはリプレイフラグがそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは1ゲーム限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役当選の場合には、当選の権利が次遊技以降に持ち越されるようになっている。また、重複当選領域が当選している場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
遊技状態移行制御手段80は、所定条件に応じて、遊技状態の移行を制御するためのものである。ここで、遊技状態移行のための所定条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
具体的には、遊技状態移行制御手段80は、役抽選手段70の抽選結果に基づいてボーナス内部中への移行を決定し、遊技結果判定手段100の判定結果に基づいて、ボーナス内部中の終了、ボーナス状態への移行、再遊技の作動、所定のRT状態への移行又は終了(他のRT状態への移行又は通常状態への復帰)を決定し、図示しない遊技カウンタの計測値に基づいて、ボーナス状態の終了(通常状態又は所定のRT状態への復帰)、所定のRT状態の終了などを決定するようになっている。
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、図示しないが、回転制御手段と、停止制御手段とを少なくとも備えている。
回転制御手段は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40を回転させるためのものである。具体的には、規定数のベットがされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、各ステッピングモータに駆動パルスを出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。なお、ステッピングモータを駆動開始させるための駆動パルスをスタート信号というものとする。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
停止制御手段は、上記したような制御を、優先度に基づいて停止位置候補を特定するための優先度判定データと、基準図柄から図柄何コマ分回転させて回転リール40を停止させるかを役抽選の結果及び停止スイッチ50の操作タイミングに応じて各当選図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルとに基づいて、行うようになっている。
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、図柄判定手段93の記憶している停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否か、あるいは遊技状態の移行契機となっているものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、遊技状態の移行契機となっている図柄組合せ(例えば所定の当選役を取りこぼしたときに表示されるブランク図柄)が有効ライン上に表示されたと判断した場合には遊技状態の移行を判定し、その判定結果情報を、ホッパー制御手段110及び遊技状態移行制御手段80に送信する。判定結果情報を受信したホッパー制御手段110は、入賞メダルの払い出し処理を行い、遊技状態移行制御手段80は、ボーナス状態やRT状態への移行処理、あるいは再遊技作動処理を行う。さらに、サブ制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69により、入賞やボーナスゲームの開始際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
ホッパー制御手段110は、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(サブ制御装置22)
サブ制御装置22は、メイン制御装置21からの出力信号に基づいて、主として遊技に付随する演出を制御するものであり、サブ制御装置22の出力側には、演出装置6が接続されている。ここで、演出装置6としては、画像表示部67、ランプ68、スピーカ69が設けられている。画像表示部67は、図柄表示窓13の上側に設けられた窓部であり、液晶表示装置などを用いて入賞の報知その他の演出画像を表示するためのものである。ランプ68は発光体の点灯又は点滅により遊技状態や遊技結果等を報知するためのものであり、スピーカ69は、BGMや操作音等、所定の音声を出力するためのものである。
(演出データ記憶手段200)
演出データ記憶手段200は、演出データとして、画像表示部67に所定の動画や静止画を表示されるための画像データ、ランプ68を所定の態様で点灯点滅させるための発光パターンデータ、スピーカ69から所定の音声を出力させるための音声データなどを記憶するためのものである。
ここで、上記したカテゴリテーブルは、各シナリオ要素ごとに設けられている。例えば、「単発A」に対しては図3(B)に示すようなカテゴリテーブルが設けられ、図示しないが、「単発B」や「発展A」などの他のシナリオ要素に対しても、それぞれカテゴリテーブルが設けられている。各シナリオ要素に対応するカテゴリテーブルは、対応するシナリオ要素ごと異なるように形成されており、例えば「単発A」と「単発B」とでは、演出カテゴリが異なるものとなるように形成されている。本実施の形態においては、後述する演出決定手段210により所定のシナリオデータに基づくシナリオの実行が決定されている場合には、当該シナリオのシナリオ要素に応じて、実行される演出の演出カテゴリが選択されるようになっている。
また、演出データ記憶手段200は、上記したシナリオ演出に係る演出データ以外の演出データ、例えば後述するAT制御手段240の制御に基づくATゲームに関する報知用のデータなども備えているが、説明は省略する。
(演出決定手段210)
演出決定手段210は、演出実行の有無及び演出の態様を決定するためのものであり、図示しない演出抽選手段を備えている。
演出実行抽選は、図示しない実行抽選テーブルを用いて、演出実行の有無を決定するものである。実行抽選テーブルは、演出有り(アタリ)の領域と演出無し(ハズレ)の領域が所定の割合(抽選確率)で規定されたものであり、遊技状態に応じた複数の実行抽選テーブルを設けてもよい。
演出決定抽選は、図示しない演出データ抽選テーブルを用いて、選択された演出カテゴリに属する演出群の中から、今回実行する演出に係る演出データを決定するものである。演出データ抽選テーブルは、演出データテーブル(図3(C)参照)に規定されている各演出データについて、所定の当選領域を定めたものである。
ここで、本実施の形態においては、ゲーム開始時において、シナリオが設定されていない場合、すなわち前記シナリオ記憶領域にシナリオ要素を特定するためのデータが記憶されていない場合(シナリオ記憶領域が全て空の場合)に、演出実行抽選が行われ、演出実行抽選に当選した場合に、シナリオ抽選が行われるようになっている。スロットマシン10の初期状態(電源投入時、設定変更時)では、シナリオ記憶領域は全て空なので、例えばスタートスイッチ30の操作を契機に、まず演出実行抽選が行われる。
演出実行抽選に当選し、シナリオ抽選により所定のシナリオデータが選択されると、上述したように、当該シナリオデータに係るシナリオが設定される。シナリオが設定されると、まず1ゲーム目に相当するシナリオ記憶領域(最先頭領域)に記憶されているシナリオ要素に対応するカテゴリ抽選テーブルが取得される。そして、カテゴリ抽選が行われ、所定の演出カテゴリが決定されると、決定された演出カテゴリに対応する演出データ抽選テーブルが取得される。例えば、シナリオ要素が「単発A」でカテゴリナンバー0(図3(B)参照)が選択されている場合には、演出群TA1用の演出データ群(演出a〜d、図3(C)参照)が規定された演出データ抽選テーブルが取得される。そして、当該演出データ抽選テーブルを用いて、演出決定抽選が行われる。
(実行演出変更手段220)
実行演出変更手段220は、同一の演出カテゴリに含まれる演出データに基づく演出の連続発生回数を判定するとともに、同一の演出カテゴリに含まれる演出データに基づく演出の連続発生回数が所定回数に達したと判定した場合に、連続発生に係る演出と同一の演出カテゴリに含まれる演出を実行させない制御を行うためのものである。そして、実行演出変更手段220は、図2に示すように、連続回数カウンタ221、回数判定手段222及びカテゴリ変更手段223の各手段を備えている。
連続回数カウンタ221は、演出決定手段210のカテゴリ抽選によって決定された同一演出カテゴリの連続発生回数を記憶するためのものである。具体的には、連続回数カウンタ221は、図示しないが、カテゴリ抽選の結果選択された演出カテゴリ(正確には演出カテゴリに関する情報、例えば図3(B)のカテゴリナンバーなど)を記憶(保存)する記憶部と、カウント手段を備えている。そして、カテゴリ抽選が行われた場合には、記憶している演出カテゴリに代えて当該抽選結果に基づく演出カテゴリを記憶し、カテゴリ抽選が行われない場合、つまり演出実行抽選がハズレで演出が行われなかった場合には、記憶部の記憶を消去する。さらに、カテゴリ抽選の結果、記憶部に記憶されている演出カテゴリと同一の演出カテゴリが選択された場合には、カウント値を1だけインクリメントする。また、記憶されている演出カテゴリと異なる演出カテゴリが選択された場合には、カウント値を初期化(ゼロクリア)する。
回数判定手段222は、前記連続回数カウンタ221のカウント値が所定値に達したか否かを判定するためのものである。
ここで、所定値、すなわち同一の演出カテゴリの連続発生を許容する連続許容回数は、遊技状態に応じて定められている。具体的には、ボーナス内部中においては、5回以上の連続発生が許容されており、それ以外の場合には3回までの連続発生が許容されている。なお、AT潜伏状態において、5回以上の連続発生を許容するようにしてもよい。また、AT高確率状態において、4回までの連続発生を許容するようにしてもよい。また、連続発生が許容される回数を、複数回の中から抽選で決定するようにしてもよい。例えば、ボーナス内部中においては、4〜6回以上の連続発生を許容し、それ以外の場合には1〜3回までの連続発生を許容するようにしてもよい。
(カテゴリ変更手段223)
カテゴリ変更手段223は、回数判定手段222からカテゴリ変更信号を受信した場合に、当該ゲームで実行する演出の演出カテゴリを変更する処理を行うためのものである。具体的には、連続発生に係る演出カテゴリを当選領域に含まないカテゴリ抽選テーブルを用いてカテゴリ抽選を再度行わせる。この結果、演出決定抽選では異なるカテゴリに含まれる演出データが選択されるものとなる。なお、カテゴリ抽選を再度行わせた場合には、連続回数カウンタ221のカウント値を初期化する。
演出データ出力手段230は、演出決定抽選により選択された演出データを、所定の演出装置6に出力して、演出を実行させるための演出実行手段である。
(AT制御手段240)
AT制御手段240は、ATを制御する手段である。具体的には、AT制御手段240は、特に図示しないが、ATゲーム数やセット数をカウントするATカウンタを少なくとも備え、メイン制御装置21から送信される役抽選の結果や遊技結果に関する情報、ATカウンタのカウント値に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
ATは、所定の契機、例えばボーナス(BB)当選時や特定の役の当選時などに行われるART抽選に当選した場合に、ボーナス終了後、遊技状態が所定のRT状態に移行することを契機として開始され、所定のゲーム数又はセット数消化や、遊技状態の移行(通常状態への転落やボーナス当選)により終了する。すなわち、本実施の形態では、遊技状態がRT状態で演出状態がAT状態であるARTが行われる。また、遊技中の所定時、例えばスイカ役やチェリー役などの当選時に、ATゲーム数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選すると、抽選により決定された所定回数のATゲームが上乗せされる。また、所定の契機役の当選又は入賞を契機に、ART抽選の当選確率や、上乗せ抽選の当選確率若しくは上乗せ率が高くなるAT高確率状態に移行するように形成することができる。AT高確率状態は、所定の終了契機役の当選又は入賞、あるいは所定のゲーム数消化等により終了する。
ストップスイッチ50の押し順を報知する場合には、役抽選の抽選結果に対してストップスイッチ50の押し順を設定し、押し順の設定された当選領域が当選した場合に設定された押し順(正解の押し順)で停止操作がされたか否かにより、遊技結果が異なるように形成する。例えば、正解の押し順で停止操作がされた場合には、所定の役(正解役)を、条件によっては必ず、入賞させるように停止制御を行う。一方、正解の押し順で停止操作がされなかった場合には、正解役を入賞させず、他の役(不正解役)を入賞させるか、あるいは何の役も入賞させないように停止制御を行う。そして、AT中においては、押し順が設定されている当選領域が当選した場合には、正解の押し順を報知する表示を行わせる。例えば、画像表示部67に、最初に停止操作すべきストップスイッチ50や3個のストップスイッチ50の押し順を、左、中、右などの文字や矢印で表示する。また、ストップスイッチ50の押しボタンの内部に発光体を設け、発光体を点灯させたり発光色を変化させたりして、あるいは、スピーカ69から左、右などの音声を出力させて、操作すべきトップスイッチ50を報知する。
いずれの場合にも、報知に従って停止操作をすることにより、当選役を入賞させ、有利な結果を得ることができるものとなる。
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図5のフローに基づき説明する。
まず、図5に示すステップ100において、遊技を行うためのメダルがベットされたか否かが判断される。ベットには、メダルの投入、ベットスイッチ16の操作の他、再遊技作動による自動ベットも含まれる。ベットがされない場合にはステップ100に戻り、ベットがされた場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ102に進む。
ステップ103において、回転リール40の回転開始処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ50がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ50がONとならない場合には、ステップ104に戻り、いずれかのストップスイッチ50がONとなった場合には、次のステップ105に進む。
ステップ105において、ONとなったストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ107において、遊技結果判定処理が行われる。そして、次のステップ108に進み、遊技結果に応じた処理が行われる。すなわち、所定の役が入賞した場合には、入賞メダルの払い出しや、再遊技作動や、ボーナスゲームへの移行処理が行われ、1回のゲームが終了する。所定の役は入賞しないものの、遊技状態や演出状態の移行契機となる図柄組合せが表示された場合には、遊技状態の移行処理や、演出制御装置21への信号出力処理が行われる。何の役も入賞せず、かつ遊技状態や演出状態の移行契機となる図柄組合せも表示されない場合には、そのまま1回のゲームが終了する。
まず、図6のステップ200において、シナリオが設定されているか否かが判断される。具体的には、今回のゲームで参照するシナリオ記憶領域に、所定のシナリオ要素が記憶されているか否かが判断される。シナリオが設定されていない場合には、次のステップ201に進む。
ステップ202において、演出有りか否か、すなわち演出実行抽選の結果が当選であるか否かが判断される。演出有りと判断された場合には、次のステップ203に進む。
ステップ203において、シナリオ抽選処理が行われる。すなわち、演出抽選手段によるシナリオ抽選が行われ、実行に係るシナリオデータが選択されるとともに、選択されたシナリオが設定される。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、カテゴリ抽選処理が行われる。すなわち、今回のゲームで参照するシナリオ記憶領域に記憶されているシナリオ要素をもとに、演出抽選手段によるカテゴリ抽選が行われ、実行に係る演出の演出カテゴリが選択される。なお、抽選結果は、所定の一時記憶部に記憶される。そして、次のステップ205に進む。
前記ステップ202おいて、演出有りでない場合、すなわち演出実行抽選の結果が不当選であると判断された場合は、ステップ203、204を飛び越してステップ205進む。
ステップ206において、演出無しか否か、すなわち演出実行抽選の結果が不当選であるか否かが判断される。演出無しと判断された場合には、そのまま処理を終了し、演出無しでないと判断された場合には、次のステップ207に進む。
ステップ207において、連続許容回数の設定が行われる。具体的には、役抽選結果等のメイン制御装置21からの出力情報に基づき、遊技状態が通常状態か、ボーナス内部中か、などを判断し、所定の記憶部に、状態に応じた同系統演出の連続許容回数がセットされる。例えば、当該ゲームの遊技状態が通常状態である場合には、連続許容回数が3回にセットされ、当該ゲームでBBが当選した場合は、ボーナス内部中となるので、連続許容回数が5回以上にセットされる。そして、次のステップ208に進む。
ステップ209において、カテゴリ変更処理が行われるとともに、連続回数カウンタ221のカウント値が初期化される。ここでのカテゴリ変更処理は、連続発生に係る演出カテゴリを当選領域に含まないカテゴリ抽選テーブルを用いて行われる演出カテゴリの再抽選である。そして、次のステップ210に進む。
ステップ210において、演出決定抽選処理が行われる。すなわち、演出抽選手段による演出決定抽選が行われ、選択された演出カテゴリに含まれる演出データの中から、実行に係る演出データが選択される。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、演出実行処理が行われる。すなわち、選択された演出データが演出データ出力手段230よって演出装置6に出力され、演出装置6が作動して所定の演出が行われる。そして、シナリオ演出処理を終了する。
前記ステップ205のカテゴリ保存処理について、図7のフローに基づき説明する。
まず、図7のステップ300において、抽選結果の参照が行われる。具体的には、一時記憶部に記憶されている、演出実行抽選と、カテゴリ抽選の結果が参照される。演出実行抽選が行われた場合には、演出実行抽選とカテゴリ抽選の結果が参照され、演出実行抽選が行われなかった場合(シナリオが設定されている場合)には、カテゴリ抽選の結果のみが参照される。そして、次のステップ301に進む。
ステップ302において、当選に係る演出カテゴリ(一時記憶部に記憶されている演出カテゴリ)と、保存されている演出カテゴリ(前ゲームで記憶した演出カテゴリ)とが同一か否かが判断される。双方の演出カテゴリが同一の場合には、ステップ303に進む。
ステップ303において、連続回数を1インクリメントする。そして、ステップ305に進む。
ステップ304において、連続回数を初期化(ゼロクリア)する。そして、次のステップ305に進む。
ステップ305おいて、保存カテゴリが更新される。具体的は、記憶部に記憶されている演出カテゴリ関するデータが、今回の抽選結果に応じた演出カテゴリに関するデータと書き換えられる。なお、演出無しの場合は、演出カテゴリ関するデータとして、カテゴリ無しのデータが保存される。そして、カテゴリ保存処理を終了する。
(総括)
以上のようにして、本実施の形態によれば、通常状態中おいては、カテゴリ抽選より同一カテゴリが連続して選択された回数が所定回数となった場合は、当該ゲームおける実行演出の演出カテゴリが変更され、同系統演出が所定の回数以上連続して実行されるのを回避することができる。また、同一の演出カテゴリの連続発生が許容される連続許容回数は、遊技状態に応じて異なる回数が設定されており、通常状態よりも、特別状態の発生が確定している場合や特別状態の発生確率が高く設定された高確率状態である場合の方が、多くの連続許容回数が設定されている。したがって、ボーナス内部中やAT潜伏中、あるいはAT高確率状態中には、実行演出変更手段220は、同系統演出の連続発生回数が通常状態に対して設定された連続許容回数に達した場合でも、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行わない。これより、同系統演出が連続して実行される回数が通常状態よりも多くなり、同系統演出が連続すると、ボーナス内部中など、有利状態への移行の可能性が高い(あつい)ことや、あるいは有利状態への移行が確定していることを示唆することができるものとなる。換言すると、かかる有利状態への移行が確定していない場合は、同系統演出が所定回数以上連続することはなく、演出抽選によって同系統演出が意図せず連続してしまうという不都合を防ぐことができる。これにより、ボーナス内部中のような特別な遊技状態でないのに同系統演出が連続して実行されて、遊技者が内部状態を誤解したり、誤解と判った遊技者ががっかりしたりすることがない。
上記した実施の形態では、シナリオが設定されていない場合に、演出実行抽選を行うとともに、演出実行抽選に当選したら、シナリオ抽選を行うよう形成されていたが、シナリオ要素を持たないシナリオデータ(演出無しシナリオ)を設けておき、シナリオが設定されていない場合には演出実行抽選を行わずにシナリオ抽選を行い、演出無しシナリオが当選した場合には当該ゲームでは演出を行わないようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、同系統演出を実行させない制御として、カテゴリ変更手段223が、連続発生している演出カテゴリと同一カテゴリが含まれないカテゴリ抽選テーブルを用いてカテゴリ抽選を再度実行させて、当該ゲームで実行される演出の演出カテゴリを変更するように形成されていたが(図6のステップ209のカテゴリ変更処理)、同一の演出カテゴリが連続して選択された場合には、演出を破棄するようしてもよい。すなわち、カテゴリ抽選の抽選結果、若しくは演出決定抽選の抽選結果を消去して、当該ゲームでは演出を行わないようにしてもよいものである。
また、本発明は、遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口に入賞することに基づいて、所定の表示領域において複数の絵柄を所定の態様で変動表示させた後に停止表示させる変動表示ゲームが開始され、変動表示ゲームの結果、停止表示された絵柄の組み合わせが予め設定された特別の組み合わせとなることで所定の当たり(特別遊技状態)となり、特別変動入賞装置が遊技球を受け入れ易い状態となって、特別変動入賞装置への多くの遊技球の入賞に基づいて遊技者が大量の遊技球を獲得可能となるようにしたパチンコ遊技機に利用することもできる。この場合、シナリオ演出は、前記した変動表示ゲームの1変動(変動開始から変動停止まで)を1の単位期間として、複数の変動表示ゲームにわたって連続して行われる演出(例えば液晶画面に表示されるストーリー展開を有する演出)とすることができる。また、通常状態よりも多くの利益を付与可能な特別状態は、大当たり、当たり、小当たり、確変付き当たり、時短付き当たりなどとすることができる。
21 メイン制御装置 22 サブ制御装置
30 スタートスイッチ 40 回転リール
50 ストップスイッチ 70 役抽選手段
220 実行演出変更手段 221 連続回数カウンタ
222 回数判定手段 223 カテゴリ変更手段
230 演出データ出力手段(演出実行手段)
Claims (3)
- 当選か否かの当選判定の抽選を行い、抽選結果に基づいて、所定の利益を付与し得るように形成され、
所定の契機が発生した場合に演出実行の有無を決定するとともに、演出態様を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて、演出を実行させる演出実行手段と、を少なくとも備え、
演出を実行させるための演出データとして、異なる演出カテゴリにグループ分けされた複数の演出データ群と、1又は複数のシナリオ要素を1又は複数の単位期間に対応させて演出の実行予定をあらかじめ設定した複数のシナリオデータとを備え、
前記演出決定手段は、演出態様の決定に際し、前記複数のシナリオデータの中から実行に係るシナリオデータを選択するとともに、選択されたシナリオデータに含まれるシナリオ要素に基づいて、所定の単位期間ごとに、実行する演出の演出カテゴリを抽選により決定し、決定した演出カテゴリに含まれる演出データの中から、実行すべき演出データを選択決定するように形成された遊技機において、
同一の演出カテゴリに含まれる演出データに基づく同系統演出の連続発生回数を判定し、所定の遊技状態において同系統演出の連続実行回数を所定の連続許容回数の範囲内に制限可能な実行演出変更手段を設けたことを特徴とする遊技機。 - 遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも多くの利益を付与可能な特別状態とを備え、
前記実行演出変更手段は、
前記通常状態中においては、前記同系統演出の連続発生回数が所定回数に達した場合に、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行うことより、同系統演出の連続実行回数を通常状態に対して設定された所定の連続許容回数の範囲内に制限し、
前記特別状態の発生が確定している場合には、前記同系統演出の連続発生回数が前記所定回数に達した場合でも、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行わないことより、同系統演出が前記通常状態に対して設定された所定の連続許容回数を超えて連続して実行されることを可能としたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも多くの利益を付与可能な特別状態と、特別状態の発生確率が高く設定された高確率状態とを備え、
前記実行演出変更手段は、
前記通常状態中においては、前記同系統演出の連続発生回数が所定回数に達した場合に、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行うことより、同系統演出の連続実行回数を通常状態おける所定の連続許容回数の範囲内に制限し、
少なくとも前記高確率状態中においては、前記同系統演出の連続発生回数が前記所定回数に達した場合でも、連続発生に係る同系統演出を実行させない制御を行わないことより、同系統演出が前記通常状態に対して設定された所定の連続許容回数を超えて連続して実行されることを可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
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