JP5890724B2 - 遊技機 - Google Patents
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ここで、上記したような連続演出の実行中に、他の演出開始契機が発生した場合、新たに発生した契機に応じて演出を行うと、連続演出が中断されて興趣が削がれてしまう。そのような問題を解決するため、特許文献1に示すように、連続演出の実行中に他の演出実行契機が発生した場合には、当該契機に基づく演出は行わず、連続演出を続行させるようにした遊技機が考案されている。
本願発明は、演出の進行パターンがあらかじめ設定されている場合に、後発事由によって、演出開始当初実行が予定されていた内容よりも期待度の低い演出が実行されることになるのを防止することを目的とする。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、当選か否かの当選判定の抽選を行い、抽選結果に基づいて、その後の遊技において所定の利益を付与し得るように形成された遊技機であって、演出を実行させるための複数の演出データを備え、所定の開始契機が発生した場合に演出実行の有無を決定するとともに、前記複数の演出データの中から所定条件に応じて演出データを選択し、実行させる演出の種類を決定する実行演出決定手段(211)と、前記実行演出決定手段(211)の決定に基づいて、演出を実行させる演出実行手段(演出データ出力手段214)と、を少なくとも備え、前記演出として、複数回の単位期間にわたり継続して実行される連続演出を備え、前記連続演出の開始契機として、前記当選判定の抽選結果のうちの複数の抽選結果が設定され、前記実行演出決定手段(211)は、連続演出の決定に際し、連続演出の進行パターンを選択して決定可能であるとともに、発生した抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性に応じて連続演出に係る演出データを選択可能に形成されている遊技機に係る。
本発明は、スロットマシンなどの遊技機に適している。
ここで、「抽選結果」には、所定の役について当選か否かの判定を行う役抽選の結果が含まれ、役抽選の結果には当選だけでなくハズレも含まれる。また、「その後の遊技において所定の利益を付与」とは、抽選結果に基づいて遊技状態が有利な状態に移行することや、有利な状態への移行が決定している場合に移行先の有利状態の有利度が増大することが含まれる。なお、その後の遊技において利益が付与されるものであれば、抽選結果が発生した遊技においても所定の利益、例えば入賞による遊技媒体(メダルや遊技球)の払い出しが行われるような設定となっていてもよい。
本発明では、連続演出の開始契機となる抽選結果には、当該抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性に応じて優先順位が設けられている。ここで、「抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性」とは、その抽選結果の発生により直接又は間接的に遊技者が利益を獲得できる見込みがあるかどうかであって、抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性が大きい場合とは、抽選結果により所定の利益付与が保証されている場合や、抽選結果により保証されうる付与利益が相対的に大きい場合が含まれる。抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性が小さい場合とは、抽選結果により保証されている又は保証され得る利益が相対的に少ない場合や、抽選結果による利益が必ずしも保証されていない場合が含まれる。
そして、実行演出決定手段(211)は、開始契機情報記憶手段(212)の記憶している開始契機情報に基づいて、連続演出の進行パターンを例えば抽選により決定する。連続演出の進行パターンとは、連続演出全体の構成であって、例えば、所定回数の準備演出(前兆演出)後、本筋のストーリーが展開するパターンや、準備演出なしでいきなり本筋のストーリーが展開するパターンや、準備演出のみで終了するパターンなどを設けることができる。この場合、記憶されている開始契機情報に係る抽選結果の優先順位に応じて、どの進行パターンが選ばれやすいかが変化するようになっていてもよい。
ここにおいて、実行演出決定手段(211)は、記憶されている開始契機情報に基づいて、単位期間ごとに実行させる演出を決定するようになっている。例えば、連続演出の進行パターンが、所定回数の準備演出後に本筋のストーリーが展開するパターンである場合において、ストーリーが展開する契機(発展契機)で演出内容を分岐させる(発展先を決定する)場合にも、開始契機情報が反映される。すなわち、連続演出の途中で優先順位が上位の抽選結果、換言すれば抽選結果に起因する利益獲得の可能性が大きい(期待度の高い)抽選結果が発生した場合には、有利な抽選結果に基づいた発展先を決定することができる。一方、抽選結果に起因する利益獲得の可能性が小さい(期待度の低い)抽選結果が発生した場合には、先に記憶されている開始契機情報が維持されるため、不利な抽選結果に基づいた発展先が決定されることはない。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源装置5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの表面には、特に図示しないが、「7」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ表示されている。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとリールモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
ここで、前記操作スイッチとしては、図1に示すように、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50が設けられている。なお、操作スイッチとしては、その操作によりスロットマシン10により行われる演出に関わる選択を行うことができる演出選択スイッチが設けられていてもよい。
前記精算スイッチ17は、操作部3Aの上面左端に設けられたボタンスイッチであって、クレジットを払い戻すためのものである。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
上記制御装置20は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えた制御基板を基板ケースに収納したものである。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図3に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。
(メイン制御装置21)
メイン制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。メイン制御装置21の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、インデックスセンサ60Aの各パーツが接続されている。ここで、メダルセンサ15は、図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルの通過を検知するものである。一方、制御装置20の出力側には、図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65の各パーツが接続されている。
(役抽選手段70)
役抽選手段70は、複数の回転リール40で表示される図柄組合せが対応付けられた所定の「役」について、当選か否かの当選判定の抽選を行うためのものであり、特に図示しないが、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで、特に図示しないカウント抽出手段がループカウンタの数値を読み取り、判定手段がこの数値と役抽選テーブルとを比較して、当選の有無を判定するものである。
具体的には、役抽選テーブルとしては、通常状態において参照される通常抽選テーブル、RT状態において用いられるRT抽選テーブル、ボーナス状態において参照されるボーナス抽選テーブル、及びボーナス内部中状態において参照されるボーナス内部中抽選テーブルがあり、これらが設定ごとに設けられている。
各役抽選テーブルには、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。例えば、通常役抽選テーブル及びRT役抽選テーブルのそれぞれには、各ボーナス役の当選領域と、小役の当選領域と、再遊技役の当選領域がそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。内部中役抽選テーブルには、小役の当選領域が通常役抽選テーブルと同一の範囲(同一の確率)で設定されているとともに、再遊技役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。ボーナス内部中は、BB、RBの当選判定は行われない。また、ボーナス役抽選テーブルには、小役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
なお、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルともRT役抽選テーブルとも異なるRT役抽選テーブルを設け、複数種類のRT状態を実行可能な仕様にしてもよい。
ここで、抽選の結果、いずれかの役が当選すると、当選に対応する当選フラグが成立する。当選役が小役の場合には小役フラグ(スイカフラグ、ベルフラグなど)が、ボーナス役の場合にはボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)が、再遊技役の場合にはリプレイフラグがそれぞれ成立する。小役フラグ及びリプレイフラグは1ゲーム限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役当選の場合には、当選の権利が次遊技以降に持ち越されるようになっている。また、重複当選領域が当選している場合には、当該領域に含まれる役の全てについて、それぞれに対応する当選フラグを成立させることになる。
遊技状態移行制御手段80は、所定条件に応じて、遊技状態の移行を制御するためのものである。ここで、遊技状態移行のための所定条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
具体的には、遊技状態移行制御手段80は、役抽選手段70の抽選結果に基づいてボーナス内部状態への移行を決定し、遊技結果判定手段100の判定結果に基づいて、ボーナス内部状態の終了、ボーナス状態への移行、再遊技の作動、所定のRT状態への移行又は終了(他のRT状態への移行又は通常状態への復帰)を決定し、図示しない遊技カウンタの計測値に基づいて、ボーナス状態の終了(通常状態又は所定のRT状態への復帰)、所定のRT状態の終了などを決定するようになっている。
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、図示しないが、回転制御手段と、停止制御手段とを少なくとも備えている。
回転制御手段は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40を回転させるためのものである。具体的には、規定数のベットがされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、各ステッピングモータに駆動パルスを出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。なお、ステッピングモータを駆動開始させるための駆動パルスをスタート信号というものとする。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定の定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度で定速回転を行わせるものとなっている。
停止制御手段は、上記したような制御を、優先度に基づいて停止位置候補を特定するための優先度判定データと、基準図柄から図柄何コマ分回転させて回転リール40を停止させるかを役抽選の結果及び停止スイッチ50の操作タイミングに応じて各当選図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルとに基づいて、行うようになっている。
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、図柄判定手段93の記憶している停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否か、あるいは遊技状態の移行契機となっているものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、遊技状態の移行契機となっている図柄組合せ(例えば所定の当選役を取りこぼしたときに表示されるブランク図柄)が有効ライン上に表示されたと判断した場合には遊技状態の移行を判定し、その判定結果情報を、ホッパー制御手段110及び遊技状態移行制御手段80に送信する。判定結果情報を受信したホッパー制御手段110は、入賞メダルの払い出し処理を行い、遊技状態移行制御手段80は、ボーナス状態やRT状態への移行処理、あるいは再遊技作動処理を行う。さらに、サブ制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、液晶表示装置67やランプ68やスピーカ69により、入賞やボーナスゲームの開始に際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
ホッパー制御手段110は、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(サブ制御装置22)
サブ制御装置22は、メイン制御装置21からの出力信号に基づいて、主として遊技に付随する演出を制御するものであり、サブ制御装置22の出力側には、演出装置6が接続されている。ここで、演出装置6としては、画像表示部67、ランプ68、スピーカ69が設けられている。画像表示部67は、図柄表示窓13の上側に設けられた窓部であり、液晶表示装置などを用いて入賞の報知その他の演出画像を表示するためのものである。ランプ68は発光体の点灯又は点滅により遊技状態や遊技結果等を報知するためのものであり、スピーカ69は、BGMや操作音等、所定の音声を出力するためのものである。
(演出データ記憶手段200)
演出データ記憶手段200は、演出データとして、画像表示部67に所定の動画や静止画を表示されるための画像データ、ランプ68を所定の態様で点灯点滅させるための発光パターンデータ、スピーカ69から所定の音声を出力させるための音声データなどを記憶するためのものである。
演出データとしては、複数回のゲームにわたり連続して実行される連続演出であるシナリオ演出に係る演出データが設けられている。
また、シナリオ演出は、基本的に、図3に示すように、シナリオの本筋のストーリーが展開する発展演出と、発展演出に移行する前の準備段階である発展準備演出とから構成されている。そして、シナリオ演出の最終回には、所定の確定演出が行われる流れとなっている。確定演出は、例えばボーナスの当選や、AT上乗せなどの確定を示唆する演出であり、例えば役抽選の結果がボーナス当選でない場合やAT上乗せ抽選等の抽選結果がハズレの場合にもハズレの示唆を行う確定演出が行われる。
図5(A)に示す発展準備演出データは、いわゆる煽り演出を行わせるための演出データであり、複数の演出データ群を有している。各演出データ群には複数の演出データが設けられている。例えばA群には演出α−1乃至α−4、B群にはβ−1乃至β−4、C群にはγ−1乃至γ−4が、それぞれ設けられている。そして、後述する演出実行制御手段210において行われるシナリオ抽選により選択されたシナリオパターンに応じて、各演出データ群の中から、演出抽選により実行される演出が選択され決定されるようになっている。
各発展演出データは、図示していないが、複数のゲームで実行されるべき演出データがゲーム数ごとにストーリーが展開する順序で設けられている。なお、発展演出データを、前記した発展準備演出データと同様に、複数の演出データ群から構成し、発展後のゲーム数及び後述する保存契機役情報に応じて各演出データ群の中から演出抽選により実行される演出を選択決定するように形成してもよい。
(演出実行制御手段210)
演出実行制御手段210は、前記演出データ記憶手段200の記憶している演出データに基づき、演出装置6の作動を制御するためのものであり、図2に示すように、実行演出決定手段211、契機役記憶手段212、優先順位判定手段213、演出データ出力手段214の各手段を備えている。
実行演出決定手段211は、メイン制御装置21からの遊技制御情報などに基づき、実行する演出内容を決定するためのものである。実行演出決定手段211は、演出抽選を行うための演出抽選手段(図示せず)を備えている。なお、演出抽選の方法は、前述した役抽選手段70の役抽選と同様に、所定の契機(例えばスタートスイッチ30の操作)でピックアップした演出抽選用の乱数を、所定の演出抽選テーブルと対比することにより行われる。そして、実行演出決定手段211は、演出抽選として、少なくとも、シナリオ抽選と、実行演出抽選を行う。
実行演出抽選は、図示しない実行演出抽選テーブルを用いて、発展準備演出の実行中(以下発展準備中という)の演出及び発展演出の種類を決定するためのものである。実行演出決定手段211は、実行演出抽選として、発展準備演出抽選テーブルを用いてゲームごとに実行すべき発展準備演出を抽選するための発展準備演出演出抽選と、発展演出抽選テーブルを用いて発展演出の種類を抽選するための発展抽選とを少なくとも行う。なお、実行演出決定手段211は、発展演出の実行中(以下発展中という)の演出をゲームごとに決定するための抽選を実行可能であってもよい。
ここで、発展準備演出抽選テーブルは、契機役の種類に応じて複数設けられており、各発展準備演出抽選テーブルの構成は、期待度の高い契機役aや契機役bに対応する発展準備演出抽選テーブルはα−4、β−3などの特定の演出の当選確率が高くなり、期待度の低い契機役cに対応する発展準備演出抽選テーブルは期待度α−1、β−2などの特定の演出の当選確率が高くなるように形成されている。そして、当選した契機役に対応する発展準備演出抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより、図5(A)に示したように、各演出群に含まれる演出について、期待度の高低が付くように形成されている。
実行演出決定手段211は、実行させる演出を決定した場合には、演出データ出力手段214にその決定情報を送信する。
ここで、実行演出決定手段211は、所定の場合には、発展準備演出抽選テーブルを変更することにより、発展準備中に行われる演出の期待度を変化させることがある。また、発展演出テーブルを変更することにより、発展演出の期待度を変化させることがある。あるいは、発展演出の確定演出データを差し替える場合もある。このように、シナリオ演出の実行中(以下シナリオ中という)に、実行演出を変化させる場合の詳細については後述する。
(契機役情報記憶手段212)
契機役情報記憶手段212は、当選した契機役に関する情報、具体的には契機役の種類を特定可能な情報を記憶する(保存する)とともに、所定の契機で、記憶した契機役情報(保存契機役情報)を書き換え、又は消去するものである。
具体的には、契機役情報記憶手段212は、シナリオ中でない場合に所定の契機役が当選し、シナリオ抽選に当選した場合には、当選した契機役に関する情報を所定の記憶部に保存契機役情報として記憶する。この保存契機役情報に基づいて、実行演出決定手段211が実行演出抽選を行う。また、シナリオ中において、いずれかの契機役が当選した場合には、以下に述べる優先順位判定手段213の判定結果に基づいて、優先順位が上位の契機役についての情報を、優先順位が下位の契機役についての情報に書き換えて、契機役情報として保存する。これにより、シナリオパターンは変化しないものの、発展準備中又は発展中の演出パターン、あるいは発展のパターンが変化する場合があるようになっている。
(優先順位判定手段213)
優先順位判定手段213は、前記契機役情報記憶手段212が所定の契機役情報を記憶している場合において、他の契機役が当選した場合に、当該当選に係る契機役の優先順位と、契機役情報記憶手段212の記憶に係る契機役の優先順位とを比較し、いずれの契機役の優先順位が上位であるかの判定を行うものである。そして、優先順位判定手段213によって優先順位が上位であると判定された契機役の情報が、契機役情報記憶手段212により保存される。
演出データ出力手段214は、演出実行手段であって、実行演出決定手段211の決定情報に基づき、所定の演出データを取得して、演出装置6に出力するものである。演出装置6は、入力した演出データに基づき、画像表示や発光体の点灯点滅や音声の出力を行い、演出を実行する。
(シナリオ中の演出パターン変化)
上記構成を有する演出実行制御手段210の制御に基づく、シナリオ中の契機役当選による演出パターンの変化について、図6に基づき説明する。前述したように、契機役はabcの3つであり、優先度はa>b>cに設定されているものとする。また、契機役の当選に起因して付与されうる所定の特典は、例えば、契機役aはボーナス移行確定(つまり契機役aはボーナス役)、契機役bはAT上乗せが0ゲームから300ゲーム、契機役cはAT上乗せが0ゲームから50ゲーム、などとすることができる。あるいは、AT上乗せ数は同等であるが、契機役aは90パーセントの確率でAT上乗せが決定し、契機役bは50パーセントの確率でAT上乗せが決定し、契機役cは30パーセントの確率でAT上乗せが決定するようになっているものであってもよい。また、演出の決定契機はスタートスイッチ30の操作時であり、演出の実行契機は、演出の決定後1ゲームが終了するまで、もしくは1ゲーム終了後次ゲームが開始(ベット又はスタートスイッチ30が操作)されるまでのいずれかのときとすることができる。
次のゲーム(1ゲーム目)で、契機役cが当選した場合、優先順位判定手段213が優先度の判定を行う。優先順位判定手段213は契機役bの方が優先順位が上であると判定し、契機役情報記憶手段212は契機役bの保存を維持する。実行演出決定手段211は発展準備演出データのB群の中から抽選により所定の演出データを決定し、決定された演出データに基づく発展準備演出が実行される。
次ゲーム(3ゲーム目)で、契機役aに対応する発展抽選テーブルにより発展抽選が行われる。契機役aに対応する発展抽選テーブルでは図5(B)に示す発展演出Aの選ばれる確率が高い。発展演出Aの演出データが選択された場合には、選択された演出データAに基づき発展演出Aが実行される。そして、発展演出の最終回に、アタリ用の確定演出X1が実行される。具体的には、演出データX1に基づき、契機役aの当選に基づく特典付与(ボーナス移行確定)を示唆する確定演出X1、例えばバトルに勝つような内容の演出が行われる。なお、契機役aが、ボーナス役のように当選により特典付与が確定する役でない場合、例えば契機役aの当選時に特典付与の有無を抽選で決定する設定となっている場合には、抽選結果がハズレの場合には演出データX2に基づき、特典付与が行われないことを示唆する確定演出X2、例えばバトルに負けるような内容の演出が行われる。
一連のシナリオ演出の終了後に、契機役の当選に基づく特典付与を告知する演出、例えば「ボーナス確定」や「AT上乗せ100ゲーム」などの表示が行われる。
(AT制御手段220)
AT制御手段220は、ATを制御する手段である。具体的には、AT制御手段200は、特に図示しないが、ATゲーム数やセット数をカウントするATカウンタを少なくとも備え、遊技制御装置21から送信される役抽選の結果や遊技結果に関する情報、ATカウンタのカウント値に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
ATは、所定の契機、例えばボーナス当選時や特定の役の当選時などに行われるART抽選に当選した場合に、ボーナス終了後、遊技状態が所定のRT状態に移行することを契機として開始され、所定のゲーム数又はセット数消化や、遊技状態の移行(通常状態への転落やボーナス当選)により終了する。すなわち、本実施の形態では、遊技状態がRT状態で演出状態がAT状態であるARTが行われる。また、既述したが、遊技中の所定時、例えばスイカ役やチェリー役などの当選時に、ATゲーム数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選すると、抽選により決定された所定回数のATゲームが上乗せされる。
ストップスイッチ50の押し順を報知する場合には、役抽選の抽選結果に対してストップスイッチ50の押し順を設定し、押し順の設定された当選領域が当選した場合に設定された押し順(正解の押し順)で停止操作がされたか否かにより、遊技結果が異なるように形成する。例えば、正解の押し順で停止操作がされた場合には、所定の役(正解役)を、条件によっては必ず、入賞させるように停止制御を行う。一方、正解の押し順で停止操作がされなかった場合には、正解役を入賞させず、他の役(不正解役)を入賞させるか、あるいは何の役も入賞させないように停止制御を行う。そして、AT中においては、押し順が設定されている当選領域が当選した場合には、正解の押し順を報知する表示を行わせる。例えば、画像表示部67に、最初に停止操作すべきストップスイッチ50や3個のストップスイッチ50の押し順を、左、中、右などの文字や矢印で表示する。また、ストップスイッチ50の押しボタンの内部に発光体を設け、発光体を点灯させたり発光色を変化させたりして、あるいは、スピーカ69から左、右などの音声を出力させて、操作すべきトップスイッチ50を報知する。
いずれの場合にも、報知に従って停止操作をすることにより、当選役を入賞させ、有利な結果を得ることができるものとなる。
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図7のフローに基づき説明する。
まず、図7に示すステップ100において、遊技を行うためのメダルがベットされたか否かが判断される。ベットには、メダルの投入、ベットスイッチ16の操作の他、再遊技作動による自動ベットも含まれる。ベットがされない場合にはステップ100に戻り、ベットがされた場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ102に進む。
ステップ103において、回転リール40の回転開始処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ50がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ50がONとならない場合には、ステップ104に戻り、いずれかのストップスイッチ50がONとなった場合には、次のステップ105に進む。
ステップ105において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ107において、遊技結果判定処理が行われる。そして、次のステップ108に進み、遊技結果に応じた処理が行われる。すなわち、所定の役が入賞した場合には、入賞メダルの払い出しや、再遊技作動や、ボーナスゲームへの移行処理が行われ、1回のゲームが終了する。所定の役は入賞しないものの、遊技状態や演出状態の移行契機となる図柄組合せが表示された場合には、遊技状態の移行処理や、演出制御装置21への信号出力処理が行われる。何の役も入賞せず、かつ遊技状態や演出状態の移行契機となる図柄組合せも表示されない場合には、そのまま1回のゲームが終了する。
まず、図8のステップ200において、所定の契機役が当選したか否かが判断される。契機役が当選したと判断された場合には、次のステップ201に進み、契機役当選時の処理が行われる。そして、次のステップ203に進む。一方、ステップ200において、契機役が当選していないと判断された場合には、ステップ201を飛び越してステップ203に進む。
ステップ204において、シナリオ中の処理が行われる。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、シナリオ終了か、すなわち確定演出が実行されたか否かが判断される。シナリオ終了でない場合には、そのまま処理を終了し、シナリオ終了の場合には、次にステップ206に進む。
前記ステップ201の契機役当選時の処理について、図9のフローに基づき説明する。
まず、図9のステップ300において、シナリオ中か否かが判断される。シナリオ中であると判断された場合には、ステップ304に進む。
ステップ304において、保存されている契機役は当選に係る契機役よりも優先順位が上か否かが判断される。保存契機役の優先順位が当選契機役の優先順位よりも上である場合にはそのまま処理を終了し、保存契機役の優先順位が当選契機役の優先順位よりも下である場合には、次のステップ305に進む。
前記ステップ300においてシナリオ中でないと判断された場合、すなわち、当該ゲームが契機役の当選したゲーム(図6における0ゲーム目)である場合には、次のステップ301に進む。
ステップ301において、シナリオ抽選が行われる。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、シナリオ抽選に当選したか否かが判断される。シナリオ抽選に当選していないと判断された場合、すなわち抽選結果がハズレの場合には、そのまま処理を終了する。一方、シナリオ抽選に当選したと判断された場合、すなわちいずれかのシナリオパターンが当選した場合には、次のステップ303に進む。
ステップ306において、当選に係る契機役の契機役情報、又は書き換えられた契機役情報を保存する。そして、契機役当選時の処理を終了する。
続いて、図8のステップ204におけるシナリオ中の処理について、図10のフローに基づき説明する。
まず、図10のステップ400において、発展するか、すなわち発展演出に移行するか否かが判断される。具体的には、設定されているシナリオパターンで発展契機として規定されているゲーム数となった場合、あるいは即発展のシナリオパターンのシナリオ設定が行われている場合には、発展すると判断され、それらの発展契機に該当しない場合には発展しないと判断される。発展しないと判断された場合には、次のステップ401に進む。
ステップ402において、発展中か否かが判断される。発展中か否かは、発展中設定が行われているか否かにより判断する。発展中設定については後述する。発展中でないと判断された場合、すなわち、当該ゲームが契機役の当選したゲームである場合には、次のステップ403に進む。
ステップ403において、発展準備設定が行われる。すなわち、発展準備演出データ(図5(A)参照)が取得され所定の記憶領域にセットされる。そして、次のステップ404に進む。
ステップ404において、保存契機役情報に基づく発展準備演出実行処理が行われる。発展準備演出実行処理については既に述べたが、図9のステップ305で契機役情報が書き換えられている場合には、実行される演出内容が変わってくる場合もある。そして、シナリオ中の処理を終了する。
前記ステップ400において、発展すると判断された場合には、ステップ405に進む。
ステップ406において、発展中設定が行われる。すなわち、抽選により決定された発展演出データ(図5(B)参照)が取得され所定の記憶領域にセットされる。そして、次のステップ407に進む。
前記ステップ402において、発展中であると判断された場合にも、ステップ407に進む。
ステップ407において、保存契機役情報に基づく発展演出実行処理が行われる。発展準備実行処理については既に述べたが、図9のステップ305で契機役情報が書き換えられている場合には、実行される演出内容が変わってくる場合もある。そして、シナリオ中の処理を終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、実行演出決定手段211は、契約情報記憶手段212の記憶している保存契機役情報に基づいて演出実行抽選を行い実行演出を決定するように形成されているとともに、保存契機役情報は、シナリオ演出中に優先順位が上の契機役、すなわち期待度の高い契機役が当選した場合にのみ、上位の契機役情報に書き換えられるようになっている。したがって、シナリオ演出中に、期待度の低い他の契機役が当選しても、期待度の低い契機役に基づいて発展抽選が行われることがなく、例えば有利な特典が付与されうる状態であるのに期待度の低い演出が実行されてしまうという不都合を防ぐことができる。
上記した実施の形態では、シナリオ終了時に保存契機役を消去していたが、保存契機役の消去は発展時でもよい。すなわち、保存契機役情報に基づいて発展抽選が行われた後に、保存契機役を消去するようにしてもよい。この場合には、発展中に他の契機役が当選しても、発展演出には影響を及ぼさないようにする。また、発展中に上位の契機役が当選した場合には、発展演出を変更せずに、確定演出のみを上位の契機役の当選に基づく特典付与の有無に対応した内容に変更するようにしてもよい。この場合には、アタリ用の確定演出を複数設け、上位の契機役が当選した場合とそうでない場合とで選択されるアタリ用の確定演出が異なるように形成することができる。なお、上記した実施の形態において、発展中に上位の契機役が当選した場合には、発展演出を変更せずに、確定演出のみを変更するようにしてもよい。
本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
また、本発明は、遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口に入賞することに基づいて変動表示ゲームが開始され、変動表示ゲームが所定の当たり(特別遊技状態)となると特別変動入賞装置が遊技球を受け入れ易い状態となって、特別変動入賞装置への多くの遊技球の入賞に基づいて遊技者が大量の遊技球を獲得可能となるようにしたパチンコ遊技機に利用することもできる。この場合、シナリオ演出は、変動表示ゲームの1変動を単位期間として、複数の変動表示ゲームにわたって連続して行われる演出(例えば液晶画面に表示されるストーリー展開を有する演出)とすることができ、連続演出の開始契機は始動入賞口への入球とすることができる。また、利益を獲得可能な抽選結果は、大当たり、当たり、小当たり、確変付き当たり、時短付き当たりなどとすることができる。
21 メイン制御装置 22 サブ制御装置
30 スタートスイッチ 40 回転リール
50 ストップスイッチ 70 役抽選手段
211 実行演出決定手段
212 契機役情報記憶手段(開始契機情報記憶手段)
213 優先順位判定手段 214 演出データ出力手段(演出実行手段)
Claims (1)
- 当選か否かの当選判定の抽選を行い、抽選結果に基づいて、その後の遊技において所定の利益を付与し得るように形成され、
演出を実行させるための複数の演出データを備え、
所定の開始契機が発生した場合に演出実行の有無を決定するとともに、前記複数の演出データの中から所定条件に応じて演出データを選択し、実行させる演出の種類を決定する実行演出決定手段と、
前記実行演出決定手段の決定に基づいて、演出を実行させる演出実行手段と、を少なくとも備え、
前記演出として、複数回の単位期間にわたり継続して実行される連続演出を備え、
前記連続演出の開始契機として、前記当選判定の抽選結果のうちの複数の抽選結果が設定され、
前記実行演出決定手段は、連続演出の決定に際し、連続演出の進行パターンを選択して決定可能であるとともに、発生した抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性に応じて連続演出に係る演出データを選択可能に形成されている遊技機において、
連続演出の開始契機となる抽選結果には、当該抽選結果に起因して利益を獲得し得る可能性が大きいほど上位となるように優先順位が設定されており、
前記開始契機となる抽選結果に関する情報を記憶する開始契機情報記憶手段と、
前記開始契機情報記憶手段が記憶している抽選結果の優先順位と、連続演出の実行中に発生した連続演出の開始契機となる他の抽選結果の優先順位とを対比して、いずれの抽選結果が上位であるかを判定する優先順位判定手段とをさらに備え、
前記開始契機情報記憶手段は、連続演出の非実行中に連続演出の開始契機となる抽選結果が発生した場合には、当該抽選結果に関する情報を開始契機情報として記憶し、連続演出の実行中に連続演出の開始契機となる他の抽選結果が発生した場合には、前記優先順位判定手段によって優先順位が上位であると判定された抽選結果に関する情報を開始契機情報として記憶し、
前記実行演出決定手段は、連続演出の非実行中に連続演出の開始契機となる抽選結果が発生した場合には、連続演出の進行パターンを選択して決定するとともに、連続演出中は、単位期間ごとに、前記開始契機情報記憶手段が記憶している開始契機情報に基づいて、実行させる演出を決定可能であり、
前記演出実行手段は、前記進行パターンに沿って、前記実行演出決定手段の決定に基づき、連続演出を実行可能に形成されていることを特徴とする遊技機。
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