本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[遊技用システムの構成]
図1は、本発明が適用された本実施の形態における遊技用システムの構成を示す図である。本実施の形態の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、スロットマシン1に対して1対1に対応設置された呼び出しランプ装置200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50、収集ユニット50において収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60にて中継された当該遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ140とを含む。
本実施の形態における遊技島には、その側面に複数のスロットマシン1が設置されている。呼び出しランプ装置200は、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられている。呼び出しランプ装置200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
スロットマシン1と収集ユニット50とは、信号ケーブル59を介して接続されている。各収集ユニット50は、通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されている。これら収集ユニット50と中継ユニット60とは、簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされている。収集ユニット50は、各スロットマシン1から出力される各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信する。
さらに、各中継ユニット60は、ハブ57を介して通信ケーブル58にてホールコンピュータ140に接続されている。中継ユニット60とホールコンピュータ140とは、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされている。中継ユニット60において各収集ユニット50から送信された送信データは、中継ユニット60によって中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、呼び出しランプ装置200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されている。中継ユニット60を介して呼び出しランプ装置200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できる。各呼び出しランプ装置200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できる。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L,32C,32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できる。
前面扉1bには、図2に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7(スタートレバーともいう)、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止もしくは最終停止と称する。左リール2Lを第1停止することを左第1停止、左リール2Lを第2停止することを左第2停止、左リール2Lを第3停止することを左第3停止と称する。中リール2Cを第1停止することを中第1停止、中リール2Cを第2停止することを中第2停止、中リール2Cを第3停止することを中第3停止と称する。右リール2Rを第1停止することを右第1停止、右リール2Rを第2停止することを右第2停止、右リール2Rを第3停止することを右第3停止と称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する操作手順(押し順、停止操作順とも称する)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図2に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられている。ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図3参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果とも称する)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
さらに、前面扉1bの内側には、AT(Assist Time)の終了時に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L,8C,8Rの操作手順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。ATには、AT制御への権利となるナビストックを保有していることを条件に制御される。ATは、保有するナビストックの数に基づき所定期間に亘り制御される。すなわち、ナビストック数は、ATに制御される権利の数を示し、このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。本実施の形態においては、ナビストックを1つ消化するごとに、50ゲームに亘ってATに制御される。さらに、AT中における1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。このため、AT制御への権利となるナビストックは遊技者にとって有利な特典であるといえる。なお、ナビストックは、メイン制御部41によって行われるAT抽選で当選したときに付与される。
筐体1a内部には、図3に示すように、リールユニット2、スロットマシン1の外部に設けられたデータ表示器などの外部装置に対して所定の信号を出力するための外部出力基板1000(図5参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図5参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図5参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図5参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図5参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図5参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、図5に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筺体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどとも称する。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するとも称する。
本実施の形態では、図2に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜LM4を設定している。無効ラインLM1〜LM4は、これら無効ラインLM1〜LM4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図2に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも称する)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(図3参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作から対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L,2C,2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L,2C,2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。なお、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左,中,右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図3参照)、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これに限らず、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53,54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。小役および再遊技役をまとめて一般役とも称する。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
内部抽選は、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数、および設定値に応じて定められた各役の判定値数とに応じて内部抽選が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
[リールの停止制御]
リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L,32C,32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L,32C,32Rを336ステップ駆動させることでリール2L,2C,2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L,2C,2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制して、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンド]
メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、ナビコマンド、AT当選コマンド、およびCZ当選コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなる。サブ制御部91は、種類データに基づいてコマンドの種類を判別する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるため、サブ制御部91は、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果を特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および内部抽選の結果を特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズの実行有無を特定可能なコマンドである。フリーズコマンドは、フリーズの実行時に送信される。フリーズとは、ゲームの進行を所定時間遅延させる制御のことである。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L,2C,2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞判定コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態およびRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドである。遊技状態コマンドは、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドである。待機コマンドは、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドである。打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドである。設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。サブ制御部91は、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドである。設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R)のうち検出状態(ON/OFF)が変化したスイッチ、検出状態がOFFからONに変化したのかONからOFFに変化したのか、および他のスイッチの検出状態(ON/OFF)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
ナビコマンドは、操作手順を特定可能なコマンドである。ナビコマンドは、AT中に後述するナビ対象役に当選したときに送信される。
AT当選コマンドは、AT抽選の結果を特定可能なコマンドである。AT抽選は、AT制御への権利となるナビストックを付与するか否かを決定するための抽選であり、メイン制御部41によって行われる。AT抽選で当選したときには、AT制御への権利としてナビストックが付与される。なお、AT抽選で当選することをAT当選、当選しないことをAT非当選とも称する。AT当選コマンドは、AT抽選が行われたときに送信される。サブ制御部91は、AT当選コマンドを受信することにより、AT抽選の実行、およびAT抽選の結果(AT当選,AT非当選の結果)を特定可能である。
CZ当選コマンドは、CZ抽選の結果を特定可能なコマンドである。CZ(チャンスゾーン)とは、AT抽選の実行確率、およびAT抽選においてナビストックを付与すると決定される確率が、CZに制御されていない状態に比べて高まった状態のことである。CZには、CZ制御への権利となるCZゲームを保有していることを条件に制御される。このため、CZ制御への権利となるCZゲームは遊技者にとって有利な特典であるといえる。なお、CZは、ナビストックの付与確率が高まる状態であるが、直接的にはメダルの払出率には影響しない。このため、CZは、払出率が1以上となるATやBBよりも有利度が低い。言い換えると、AT制御への権利となるナビストックやBB当選は、CZ御への権利となるCZゲームよりも遊技者にとって有利度が高い特典であるといえる。
CZ抽選は、CZゲームを付与するか否かを決定するための抽選であり、メイン制御部41によって行われる。CZ抽選で当選したときには、CZ制御への権利としてCZゲームが付与される。なお、CZ抽選で当選することをCZ当選、当選しないことをCZ非当選とも称する。CZ当選コマンドは、CZ抽選が行われたときに送信される。サブ制御部91は、CZ当選コマンドを受信することにより、CZ抽選の実行、およびCZ抽選の結果(CZ当選,CZ非当選の結果)を特定可能である。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
コマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、およびリールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53,54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
たとえば、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したAT当選コマンドから特定可能なAT抽選の結果、およびCZ当選コマンドから特定可能なCZ抽選の結果に基づき、少なくともナビストックを付与するか否かを示唆してナビストックの付与を期待させるAT前兆演出を後述するAT前兆演出抽選によって決定する。そして、サブ制御部91は、決定したAT前兆演出を実行した上で演出結果としてナビストックを付与するか否かを報知する。なお、AT前兆演出は、ナビストックを付与するか否かを示唆する期間であるAT前兆期間において実行される。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したCZ当選コマンドから特定可能なCZ抽選の結果、およびAT当選コマンドから特定可能なAT抽選の結果に基づき、少なくともCZゲームを付与するか否かを示唆してCZゲームの付与を期待させるCZ前兆演出を後述するCZ前兆演出抽選によって決定する。そして、サブ制御部91は、決定したCZ前兆演出を実行した上で演出結果としてCZゲームを付与するか否かを報知する。なお、CZ前兆演出は、CZゲームを付与するか否かを示唆する期間であるCZ前兆期間において実行される。
[入賞役]
本実施の形態のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
なお、ビッグボーナスをBBと称し、レギュラーボーナスをRBとも称する。ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスとも称する。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
図6〜図9は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態の概要を示す図である。
本実施の形態においては、図10に示すように、通常遊技状態、内部中1、内部中2、およびボーナス(RB、BB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常とも称する)においては、RT0〜RT4のいずれかに制御される。
図6を参照して、入賞役のうちの特別役について説明する。特別役には、BB1〜BB4、RB1、およびRB2の6種類のボーナスが含まれる。各々の特別役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となる。
たとえば、BB1は入賞ラインに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、BB中レギュラーボーナス(以下、BB中RBとも称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに遊技状態が移行する。
その他の特別役についても、図6に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、ボーナスに遊技状態が移行する。
BB1〜BB4のいずれかの入賞に起因して発生したビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。さらに、BB中における1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。このため、BB入賞への権利となるBB当選は遊技者にとって有利な特典であるといえる。
図10に示すように、BB1、BB3、およびRB2のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中1・RT0に制御され、BB2、BB4、およびRB1のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中2・RT0に制御される。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスとも称する)が終了した後は、通常・RT4に制御される。なお、RT4は、RT1に制御される前の状態であることから、準備状態とも称する。
内部抽選においてBB1〜BB4、RB1、およびRB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L,8C,8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。
図7を参照して、入賞役のうちの小役について説明する。小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベが含まれる。各々の小役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となり、所定枚数のメダルが払い出される。
たとえば、中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる。
その他の小役についても、図7に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、所定枚数のメダルが払い出される。
図8を参照して、入賞役のうちの再遊技役について説明する。再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、およびSP(スペシャル)リプレイが含まれる。各々の再遊技役については、対応する図柄組合せが揃ったときに入賞となり、メダルを消費することなく賭数が自動設定されて次のゲームが開始される(つまり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される)。
たとえば、通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲームが付与される。
その他の再遊技役についても、図8に示す図柄組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲームが付与される。
図10に示すように、通常・RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。通常・RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、通常・RT0に制御される。昇格リプレイは、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しない。通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4から通常・RT0に制御されず、通常・RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、該通常・RT1からのみ通常・RT0に制御される。
通常・RT1、通常・RT3において特殊リプレイに入賞した後は、通常・RT2に制御される。特殊リプレイは、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しない。通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT1、通常・RT4においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT2に制御されず、通常・RT0、通常・RT3であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、該通常・RT0、通常・RT3からのみ通常・RT2に制御される。なお、通常・RT2において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT2が維持される。
通常・RT2においてSPリプレイに入賞した後は、通常・RT3に制御される。SPリプレイは、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しない。通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役とSPリプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4においてはSPリプレイに入賞しない。その結果、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT3に制御されず、通常・RT2であるときにのみSPリプレイ入賞し、該通常・RT2からのみ通常・RT3に制御される。なお、通常・RT3において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT3が維持される。
図9を参照して、移行出目について説明する。入賞を発生させる出目以外の出目には、移行出目と、外れ出目とが設けられている。移行出目は、「リプレイ−オレンジ−ベル」などからなる20種類の組合せである。外れ出目は、何らかの入賞を発生させたり、遊技用価値を付与したり、遊技状態を変更させたり、遊技者にとって有利な制御または不利な制御が行われたりする出目ではない。押し順ベル以外の当選役が当選したときにおいても、該当選した当選役が入賞しなかったときには、外れ出目が導出される。なお、外れ出目が導出されることをハズレになるともいう。
図10に示すように、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、通常・RT1に制御される。なお、通常・RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、通常・RT1が維持される。RT1と、RT0、RT2、およびRT3とを比較すると、メダル払出率が低い点でRT1の方がRT0、RT2、およびRT3よりも有利度は低い。したがって、RT0、RT2、またはRT3において、移行出目が導出されることは、遊技者にとって不利になる。一方、RT0、RT2、またはRT3において、外れ出目が導出されたとしても、そのことによってRT1に制御されることがない。このため、外れ出目が導出されたときには、移行出目が導出されたときよりも、遊技者にとって有利である。
図11に示すように、通常遊技状態においては、RT0〜RT4のいずれかに制御される。
BBは、メダルの払出率が1以上であり、かつ316枚以上のメダルの払い出しが保障されるのに対して、ATは、メダルの払出率は1以上であり、かつ400枚以上のメダルの払い出しが保障される。このため、AT制御への権利となるナビストックは、BB制御への権利となるBB当選よりも遊技者にとって有利度が高い特典であるといえる。
通常遊技状態におけるRT0〜RT4のうちRT0、RT2、およびRT3は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1およびRT4に比較して高い点において、RT1およびRT4よりも遊技者にとって有利な状態である。通常遊技状態におけるRT0、RT2、およびRT3は、ともに1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1およびRT4に比較して高い。RT2からRT3へは直接移行することがある一方で、RT0からRT3へは直接移行することがなく、この点でRT2は、RT0よりも遊技者にとって有利な状態である。
通常遊技状態におけるRT0、RT4は、再遊技役の当選確率が低確率であり、1ゲームあたりのメダルの払出率もRT0、RT2、RT3に比較して低い点において、RT0、RT2、RT3よりも遊技者にとって不利な状態である。
[抽選対象役]
次に、図12〜図16を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。図12、図13、および図16においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図12〜図15においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、該遊技状態であるときに該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、該遊技状態であるときに該抽選対象役が読み出されないこと、すなわち抽選の対象外であることを示す。○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「360」が設定されている抽選対象役の当選確率は、360/65536となる。
図12および図13は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、図14は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図15は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示し、図16は、図12〜図15に示す同時当選役を構成する役の組合せを示す。
図12〜図15に示すように、遊技状態が、通常遊技状態、内部中1(BB1、BB3、RB2が当選している状態)、内部中2(BB2、BB4、RB1が当選している状態)、BB(RB)、およびRBのいずれであるかによって、内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)やRBでは、小役の当選確率が通常遊技状態および内部中よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
遊技状態が内部中である場合には、内部中1および内部中2のいずれであるかによって、内部抽選の対象役は変わらないが、内部中1および内部中2のいずれであるかによって、対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
遊技状態が通常遊技状態である場合には、RT0〜RT4のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜RT4のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役およびその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図16に示すように、内部抽選において複数種類の入賞役が同時に抽選対象役として読み出される。
たとえば、弱スイカとは、上段スイカ+右下がりスイカである。強スイカとは、中段スイカ+右下がりスイカである。すなわち中段スイカが入賞した場合に、強スイカであることを認識できる。弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリーでは、中段に「BAR−BAR−BAR」の組合せが導出可能に制御されるのに対して、強チェリーでは、中段に「BAR−BAR−BAR」の組合せが導出可能に制御される。遊技者は、左リール2Lの下段にチェリーが停止し、かつ中段に「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃うことで強チェリーであることを認識できる。以下では、弱スイカおよび強スイカを総称してスイカとも称し、弱チェリー、強チェリー、および中段チェリーを総称してチェリーとも称する。
その他の組み合わせについても、図16に示す入賞役が同時に抽選対象役として読みだされる。
なお、中ベル1〜8を総称して中ベルとも称し、右ベル1〜8を総称して右ベルとも称する。これら中ベル1〜8、右ベル1〜8を総称して押し順ベルとも称する。また、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜16、リプレイGR21〜25、およびリプレイGR31〜36を総称して押し順リプとも称する。
[RBベル1〜3当選時のリール制御]
本実施の形態においては、当選したRBベルの種類および停止操作順に応じて、予め定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図17は、RBベル1〜RBベル3当選時のリール制御を説明するための図である。
たとえば、RBベル1(右上がりベル+右上がりリベベ)が当選し、左第1停止で操作された場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われ、中第1停止または右第1停止で操作された場合には、右上がりリベベの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われる。
その他のRBベルについても、図17に示すように、当選したRBベルの種類および停止操作順に応じて、予め定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
[押し順リプ当選時のリール制御]
本実施の形態においては、当選した押し順リプの種類および停止操作順に応じて、予め定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図18は、押し順リプ当選時のリール制御を説明するための図である。
たとえば、リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で操作された場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われ、左中右以外の順番で操作された場合には、通常リプレイの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われる。
その他の押し順リプについても、図18に示すように、当選した押し順リプの種類および停止操作順に応じて、予め定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
[押し順ベル当選時のリール制御]
本実施の形態においては、当選した押し順ベルの種類および停止操作順に応じて、予め定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図19は、押し順ベル当選時のリール制御を説明するための図である。
たとえば、中ベル1(中段ベル+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル5+上段ベル8)が当選し、中第1停止で操作された場合には、当選した小役のうち中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われ、左第1停止または右第1停止で操作された場合には、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル5、上段ベル8、移行出目、または外れ出目のいずれかの組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御が行われる。
その他の押し順ベルについても、図19に示すように、当選した押し順ベルの種類および停止操作順に応じて、予め定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
以下では、各当選役(内部抽選の結果)に対応する操作手順を「対応操作手順」とも称し、対応操作手順とは異なる操作手順を「非対応操作手順」とも称する。たとえば、中ベル1〜中ベル8の対応操作手順は中第1停止であり、右ベル1〜右ベル8の対応操作手順は右第1停止となる。さらに、押し順ベルに当選したときにおいて、対応操作手順で操作されたときに導出される小役を「主役」といい、対応操作手順以外の非対応操作手順で操作されたときに導出され得る小役を「副役」という。たとえば、中ベル1〜中ベル4、右ベル1〜右ベル4の主役は「中段ベル」であり、中ベル5〜中ベル8、右ベル5〜右ベル8の主役は「右下がりベル」である。中ベル1、中ベル3、中ベル5、中ベル7の副役は「上段ベル2、上段ベル3、上段ベル5、上段ベル8」であり、中ベル2、中ベル4、中ベル6、中ベル8の副役は「上段ベル1、上段ベル4、上段ベル6、上段ベル7」であり、右ベル1、右ベル3、右ベル5、右ベル7の副役は「上段ベル1、上段ベル3、上段ベル5、上段ベル7」であり、右ベル2、右ベル4、右ベル6、右ベル8の副役は「上段ベル2、上段ベル4、上段ベル6、上段ベル8」である。なお、1枚役は制御用の役であり入賞しないことから、副役には含まれない。
[外部出力について]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図20(a)に示すように、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がレギュラーボーナス中の旨を示すRB中信号、遊技状態がビッグボーナス中の旨を示すBB中信号、前面扉2bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
なお、チャレンジタイム(リールの滑りコマ数が制限されるものの、全ての小役について入賞が許容される遊技状態)や、チャレンジタイムが高確率となるチャレンジボーナスを搭載していないが、これらの遊技状態を搭載したスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態がチャレンジタイム中の旨を示すCT中信号、遊技状態がチャレンジボーナス中の旨を示すCB中信号を出力する信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号ごとの端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)は、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
パラレル・シリアル変換回路1002は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)を、図20(b)に示すデータフォーマットにてシリアル信号に変換し、セキュリティ信号として出力する。基本フォーマットは、パルス幅ms、フレーム長7ビットにて構成され、最初のビットがデータの開始を示すスタートビット、最後のビットがデータの終了を示すストップビット、その間のD1〜D5が送信データとなる。スタートビットは、1(ON)、ストップビットは、0(OFF)となる。D1は、ドア開放信号の出力状態を示すビットであり、1(ON)であればドア開放中信号ON(前面扉2bの開放中)を示し、0(OFF)であればドア開放中信号OFFを示す。D2は、設定変更信号の出力状態を示すビットであり、1(ON)であれば設定変更信号ON(設定変更モードへ移行中)を示し、0(OFF)であれば設定変更信号OFFを示す。D3は、投入エラー信号の出力状態を示すビットであり、1(ON)であれば投入エラー信号ON(メダルセレクタに不正行為が行われた可能性が高い)を示し、0(OFF)であれば投入エラー信号OFFを示す。D4は、払出エラー信号の出力状態を示すビットであり、1(ON)であれば払出エラー信号ON(ホッパーユニット34に不正行為が行われた可能性が高い)を示し、0(OFF)であれば払出エラー信号OFFを示す。D5は、予備信号の出力状態を示すビットであり、常に0となる。
[メイン制御部41の処理]
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41のメインCPU41aが実行する各種制御内容を、図19〜図37に基づいて以下に説明する。
メインCPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図19のフローチャートに示す起動処理を行う。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うメインCPU41aの起動時およびメインCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC(図示しない断線監視ICを除く)、割込モード、スタックポインタなどを初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、メインCPU41aの特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa4)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次に、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、断線監視ICから断線フラグの記憶状態を取得し(Sa7)、断線フラグが記憶されているか否かを判定する(Sa8)。停電中に遊技制御基板と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態および遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除されていなければ、断線フラグは記憶されていないはずであり、断線フラグが記憶されている場合には、停電中に遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態または遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除されたこととなるため、断線異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa9)、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa10)、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する際にRAM41cに設定されるドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1をRAM41cに設定し(Sa11)、割込を許可して(Sa12)、図20に示すエラー処理に移行する。
Sa8のステップにおいて断線フラグが記憶されていない場合には、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa13)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa14)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa13のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa15)、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa10)、ドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1を設定し(Sa11)、割込を許可して(Sa12)、図20に示すエラー処理に移行する。
また、Sa14のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa16)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa16のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa15)、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa10)、RAM41cに設定されているドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1をRAM41cに設定し(Sa11)、割込を許可して(Sa12)、図20に示すエラー処理に移行する。また、Sa12のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa11のステップで設定されたドアコマンド送信要求1に基づきドアコマンドがサブ制御部91に対して送信される。
エラー処理では、図20に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次に、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードが断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードである場合には、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、断線異常エラー、RAM異常エラーおよび異常入賞エラー以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb4)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb4のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb5のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb6)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb7)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、断線異常エラー、RAM異常エラーおよび異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除され、元の状態に復帰することはない。
図19に戻り、Sa16のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa17)、破壊診断用データをクリアし(Sa18)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視間隔を計時するドア監視タイマの値、コマンドの送信遅延時間を計時する遅延カウンタの値、ドア開放検出スイッチ25からの検出信号の入力状態の履歴をクリアし(Sa19)、ドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1を設定する(Sa)。次に、電断前の状態でいずれかの特別役が当選しているか否かを判定し(Sa21)、電断前の状態でいずれかの特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを設定し(Sa22、Sa19のステップに進み、電断前の状態でいずれの特別役も当選していない場合には、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを設定し(Sa23)、Sa24のステップに進む。
Sa24のステップでは、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し、割込を許可して(Sa25)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。また、Sa25のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa17またはSa18のステップにおいて設定された電源投入コマンドがサブ制御部91に対して送信され、その後、Sa20のステップで設定されたドアコマンド送信要求1に基づきドアコマンドがサブ制御部91に対して送信される。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、リセット/設定スイッチ38がONの状態か否かを判定する(Sa26)。Sa26のステップにおいてリセット/設定スイッチ38がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa27)、Sa29のステップに進む。一方Sa26のステップにおいてリセット/設定スイッチ38がOFFの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、停止相ワークおよび使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa28)、Sa29のステップに進む。
Sa29のステップでは、ドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1を設定した後、Sa30のステップに進み、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する。次に、初期化コマンドをセットした後(Sa31)、割込を許可して(Sa32)、図21に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行する(Sa33)。Sa32のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa31のステップにおいて設定された初期化コマンドがサブ制御部91に対して送信され、その後、Sa29のステップで設定されたドアコマンド送信要求1に基づきドアコマンドがサブ制御部91に対して送信される。Sa33のステップにおける設定変更処理の終了後、設定終了コマンドを設定し(Sa34)、ゲーム処理に移行する。Sa34のステップにおいて設定された設定終了コマンドは、その後のタイマ割込処理においてサブ制御部91に対して送信される。
設定変更処理では、図23に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図19のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、断線フラグが記憶されているか否かを判定し、断線フラグが記憶されていればエラー処理に移行する。また、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、エラー処理に移行する。断線異常エラー、RAM異常エラーによるエラー処理では、断線異常エラー、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、電断前の状態に復帰不能となるように初期化1を行ってRAM41cを初期化し、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度断線異常エラーまたはRAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理(メイン)は行われない。すなわち電断割込処理(メイン)において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、メインCPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、メインCPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、断線異常エラーまたはRAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
また、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動した場合には、RAM41cの格納領域のうち、停止相ワークおよび使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1が実行された後、設定変更モードへ移行するのに対して、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態で起動した場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0が実行された後、設定変更モードへ移行するようになっており、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動するか、設定キースイッチ37およびリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態で起動するか、によってリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータを残して初期化するか、含めて初期化するか、を選択できるようになっている。
また、起動後、電断前の状態に復帰するか否かに関わらず、ドアコマンド送信要求1を設定することで、電源投入コマンドまたは初期化コマンドを送信した後、直ちにドアコマンドがサブ制御部91に対して送信されるようになっている。
図24は、メインCPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L,2C,2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L,2C,2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L,2C,2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払い出しなどの処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、RTに関連する制御を行うRT処理についても行われる。また、ゲーム終了時処理の最後に、RAM41cにドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンドの送信を要求する。
図25および図26は、メインCPU41aがSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、満タンフラグがRAM41cに設定されているか否か、すなわち前のゲーム以前にオーバーフロータンク35の満タン状態が判定されているか否かを判定し(Se7)、満タンフラグが設定されていれば、満タン異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Se8)、図20に示すエラー処理に移行する。
Se7のステップにおいて満タンフラグが設定されていなければ、投入待ち前の設定を行い(Se9)、Se10のステップに進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアし、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10の検出を有効化するとともに、メダルの投入が検出された際に、そのメダルが前のゲーム制御終了後、最初に投入されたメダルである旨を示す第1投入フラグをRAM41cに設定する。
Se10のステップにおいては、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。Se10のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Se11)、Se13のステップに進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se12)、Se13のステップに進む。
Se13のステップにおいては、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否かを判定する。Se13のステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Se24のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Se14)、メダルの投入が可能な状態でなければSe24のステップに進む。
Se14のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、第1投入フラグがRAM41cに設定されているか否かに基づいてゲーム制御終了後最初の投入であるか否かを判定し(Se15)、ゲーム制御終了後最初の投入でなければSe19のステップに進み、ゲーム制御終了後、最初の投入であれば、第1投入フラグをクリアし(Se16)、満タンセンサ35aが検出されているか否かを判定する(Se17)。Se17のステップにおいて満タンセンサ35aが検出されていなければSe19のステップに進み、満タンセンサ35aが検出されている場合には、オーバーフロータンク35の満タン状態を示す満タンフラグをRAM41cに設定し(Se18)、Se19のステップに進む。
Se19のステップでは、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し、BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1加算し(Se20)、Se10のステップに戻る。
Se19のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Se21)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Se22)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se10のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをRAM41cに設定し(Se23)、Se10のステップに戻る。
Se24のステップでは、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否かを判定する。Se24のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されていなければSe29のステップに進み、スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se25)。
Se25のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、Se10のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、ゲーム中であることを示すゲーム中フラグをRAM41cに設定する(Se251)。そして、Se251のステップの後、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se26)、ゲーム開始時の設定を行う(Se27)。ゲーム開始時の設定では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10の操作の検出を無効化する。そして、Se27のステップの後、賭数、すなわちBETカウンタの値をメダルIN信号の残り出力回数を示すメダルIN信号出力カウンタの値に加算し(Se28)、BET処理を終了して図24のフローチャートに復帰する。これに伴い、メダルの投入、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作の検出に基づく賭数の設定が禁止されるとともに、精算スイッチ10の操作の検出に基づくクレジットの精算が禁止されることとなる。
Se29のステップにおいては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否かを判定する。Se29のステップにおいて1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、Se34のステップに進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se30)。Se30のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe10のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se31)、クレジットカウンタの値が0であればSe10のステップに戻る。Se31のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se32)、BETカウンタの値を1加算して(Se33)、Se10のステップに戻る。
Se34のステップにおいては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否かを判定する。Se34のステップにおいてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、Se39のステップに進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se35)。Se35のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe10のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se36)、クレジットカウンタの値が0であればSe10のステップに戻る。Se36のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se37)、BETカウンタの値を1加算して(Se38)、Se35のステップに戻る。
Se39のステップにおいては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定する。Se39のステップにおいて精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、Se10のステップに戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se40)、当該ゲームがリプレイゲームであればSe10のステップに戻る。Se40のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が0か否かを判定し(Se41)、BETカウンタの値が0であればSe37のステップに進み、BETカウンタの値が0でなければ、既に設定済み賭数の精算を行う旨を示す賭数精算フラグをRAM41cに設定し(Se42)、Se43のステップに進む。Se43のステップにおいては、ホッパーモータ34bを駆動してクレジットカウンタまたはBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御、すなわちクレジットとして記憶されているメダルまたは賭数の設定に用いられたメダルを返却する制御が行われる精算処理を行う。そして、Se43のステップにおける精算処理の後、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアして(Se44)、Se10のステップに戻る。
図27は、メインCPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施の形態の内部抽選処理では、まず、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定数を読み出し(Sg1)、Sg2のステップに進む。
Sg2のステップでは、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Sg1のステップにて読み出した規定数と一致するか否かを判定し、メダルの投入枚数が規定数と一致すればSg3のステップに進み、メダルの投入枚数が規定数と一致しなければSg4のステップに進む。
Sg3のステップでは、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1〜6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し、設定値が1〜6の範囲であればSg5のステップに進み、1〜6の範囲でなければSg4のステップに進む。
Sg4のステップでは、RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定されたため、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに格納し、図22に示すエラー処理に移行する。
Sg5のステップでは、当該ゲームに用いる乱数を取得する乱数取得処理を行い、Sg6のステップに進む。乱数取得処理では、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出し、抽出した乱数に対して所定の論理演算を行い、その結果を乱数として取得する。
Sg6のステップでは、当該ゲームの遊技状態に応じて状態番号(0〜6のいずれか)をRAM41cに格納し、Sg7のステップに進む。Sg7のステップでは、状態番号が示す遊技状態に応じて最初に抽選対象とする役番号をRAM41cに格納し、Sg8のステップに進む。
Sg8のステップでは、状態番号が6であるか否か、たとえば、レギュラーボーナス中であるか否かを確認し、レギュラーボーナス中である場合にはSg10のステップに進む。状態番号が6でない場合にはSg9のステップに進む。
Sg9のステップでは、抽選対象とする役番号が14であるか否か、たとえば、レギュラーボーナス以外の遊技状態において抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、役番号が14である場合にはSg11のステップに進む。役番号が14でない場合にはSg10のステップに進む。
Sg10のステップでは、抽選対象とする役番号が17であるか否か、たとえば、レギュラーボーナスにおいて抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、役番号が17である場合にはSg11のステップに進む。役番号が17でない場合にはSg12のステップに進む。
Sg11のステップでは、RAM41cにおいて一般役の当選フラグが格納される一般役格納ワークをクリアして、内部抽選処理を終了し、図24に示すフローチャートに復帰する。
Sg12のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて、役別テーブルに登録されている共通フラグが1か否かを確認し、1である場合にはSg13のステップに進み、共通フラグが1でない場合にはSg14のステップに進む。
Sg13のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Sg15のステップに進む。
Sg14のステップでは、まず、RAM41cに格納されている設定値を読み出し、さらに、処理対象の役番号および読み出した設定値に対応付けて、役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Sg15のステップに進む。
Sg15のステップでは、内部抽選用の乱数値に、Sg13またはSg14のステップにおいて取得した判定値数を加算し、加算の結果を新たな乱数値とし、Sg16のステップに進み、判定値数を内部抽選用の乱数値に加算したときにオーバーフローが生じたかを判定する。なお、オーバーフローの発生は、処理対象の役番号に該当する役が当選した旨を示している。そしてオーバーフローが生じた場合にはSg18のステップに進み、オーバーフローが生じなかった場合にはSg17のステップに進む。
Sg17のステップでは、処理対象の役番号に1を加算し、Sg8のステップに戻る。
Sg18のステップでは、役番号が0〜7であるか、たとえば、特別役または特別役を含む役の組み合わせを示す役番号か否かを確認し、役番号が0〜7の場合にはSg19のステップに進み、役番号が0〜7でない場合にはSg20のステップに進む。
Sg19のステップでは、RAM41cにおいて特別役の当選フラグが格納される特別役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する特別役の当選フラグを設定し、Sg20のステップでは、RAM41cの一般役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する一般役の当選フラグを設定して、内部抽選処理を終了し、図24に示すフローチャートに復帰する。なお、Sg20のステップでは、役番号が0〜4の場合、一般役は当選していないため、この場合には、RAM41cの一般役格納ワークをクリアする。
図28は、メインCPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施の形態では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sh1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Sh1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Sh2)。
次に、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Sh3)。そして、回転中のリール別に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行い(Sh4)、停止準備完了時の設定を行う(Sh5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次に、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Sh6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sh7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、および払出エラー(メダルの払い出しが許可されている期間以外で、メダルの払い出しを検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sh8、Sh9)、Sh7〜Sh9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Sh6のステップに戻る。
また、Sh8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSh9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sh10)、Sh6のステップに戻る。
また、Sh7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sh12)、図22に示すエラー処理に移行する(Sh13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSh3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Sh6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Sh14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Sh15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、全てのリールが停止したか否かを判定し(Sh16)、全てのリールが停止していなければ、Sh4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図24のフローチャートに復帰する。
以上のように、リール回転処理では、リール2L,2C,2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
図29は、メインCPU41aがSd5のステップにおいて実行する払出処理の制御内容を示すフローチャートである。
払出処理では、Sd4のステップにおける入賞判定処理の結果、入賞の発生が判定された際に設定されたメダルの付与枚数と既に払い出されたメダル枚数を示す払出枚数を比較し、払い出しが終わったか否かを確認する(Si1)。
そして払い出しが終わっていなければ、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si11)、Si11のステップにおいてエラーの発生が判定されなければ、Si2のステップに進む。Si11のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合には、払出処理中の投入エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si12)、Si2のステップに進む。
Si2のステップでは、クレジットが上限に到達しているか否かに基づいてクレジットに加算できるか否かを確認し(Si2)、クレジットに加算できる場合には、クレジット払出間隔の時間待ちを行った(Si3)後、クレジットを1加算する(Si4)。Si3の処理の後、メダルOUT信号の残り出力回数を示すメダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Si5)、払出枚数を加算した(Si6)後、再びSi1のステップに戻る。
Si2のステップにおいてクレジットに加算できない場合には、1枚払出処理を行った(Si7)後、メダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Si8)、Si9のステップに進み、払出枚数を加算し、再びSi1のステップに戻る。
Si7のステップにおける1枚払出処理では、ホッパーモータ34bを駆動してメダルを1枚払い出す制御を行っており、払出センサ34cにより1枚のメダルの払い出しが正常に検出された場合のみSi8のステップに進む。また、メダル詰まりが発生してないか、またはメダル切れになっていないか否かを監視し、メダル詰まり、またはメダル切れになっていると判定したとき、ホッパーモータ34bを停止し、払出エラーをレジスタに設定し、図22に示すエラー処理に移行する。そして払出エラーが解除された後、Sg1のステップに戻る。
Si1のステップにおいて払い出しが終わっていれば、ホッパーモータ34bの駆動を停止し(Si10)、終了時処理へ移行する。
このように、払出処理においては、1枚払出処理によってメダルの払い出しが払出センサ34cに1枚検出されるごと、またはクレジットを1加算するごとにメダルOUT出力カウンタの値を1加算する制御が行われるようになっている。
図30は、メインCPU41aがSd6のステップにおいて実行する終了処理の制御内容を示すフローチャートである。
終了処理では、まず、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Sj1)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では遊技状態に関わらず3)をRAM41cに設定し(Sj2)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Sj3)。
Sj3のステップにおいて次ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1加算し(Sj4)、メダルOUT信号の残り出力回数を示すメダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Sj5)、Sj6のステップに進む。Sj6のステップでは、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Sj6)、BETカウンタの値が規定数でなければSj4のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sj7)、Sj8のステップに進む。Sj3のステップにおいて次ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、Sj8のステップに進む。
Sj8のステップでは、RAM41cに設定されているゲーム中フラグをクリアし(Sj8)」、エラーコードがレジスタに設定されているか否かを判定する(Sj9)。Sj9のステップにおいてエラーコードがレジスタに設定されていないと判定された場合には、終了処理を終了し、図24に示すフローチャートに復帰する。Sj9のステップにおいてエラーコードがレジスタに設定されていると判定された場合には、図22に示すエラー処理に移行する(Sj10)。そして、エラーが解除された場合には、終了処理を終了し、図24に示すフローチャートに復帰する。
このように、本実施の形態では、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合(たとえば、図28のSh8,Sh9、図29のSi11)、リール回転処理を終了した後に、エラー処理(遊技の進行停止)を行う(ステップSj10)。これにより、制御が複雑になることがない。なお、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常を検出した場合には、異常の検出時点にエラー処理(異常報知、遊技の進行停止)を行う(たとえば、図25のSe8、図27のSg4、図28のSh13)。これにより、好適に異常報知を行うことができる。また、ゲーム終了後にフリーズが発生する場合、該ゲームで異常が発生した場合には、エラー処理を行った後にフリーズを発生させるようにしてもよい。
図31および図32は、メインCPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sk1)。すなわち、タイマ割込処理の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避した後(Sk2)、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う(Sk3)。
次に、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk4)。Sk4のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行されるごとに、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次に、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk5)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L,32C,32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L,32C,32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk9のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk25の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk6)。
次に、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk7)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L,32C,32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk8)、リールモータ32L,32C,32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk9)、リールモータ32L,32C,32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk10)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
また、Sk7のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk11)、各種LEDなどの点灯信号などのデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk12)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求、送信命令などを行うドア監視処理(Sk15)、通常コマンド送信用バッファまたはドアコマンド送信用バッファに格納されているコマンドをサブ制御部91に対して送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
また、Sk5のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L,2C,2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk19)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Sk20)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L,8C,8Rの検出、または自動停止制御に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すればよいかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
図33は、メインCPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたか、あるいは自動停止により停止が指示されたかを判定し(Sk101、Sk102)、全てのリールについて停止操作が検出されていないか、停止が指示されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図32のフローチャートに復帰する。
また、Sk101のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合もしくはリールの停止が指示されている場合には、Sk103のステップに進む。
Sk103のステップでは、当該リールに対応する仮想滑りコマテーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し、Sk104のステップに進み、現在のリール基準位置からのステップ数から、Sk103のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後、停止スイッチ処理を終了し、図32のフローチャートに復帰する。
図34は、メインCPU41aがタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行するドア監視処理の制御内容を示すフローチャートである。
ドア監視処理では、まず、ドア開放検出スイッチ25の入力状態の履歴(ポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の正論理化した検出信号の確定状態を約100ms論理和し続けた値)であるドアセンサ履歴を更新する(Sk201)。すなわちドア開放検出スイッチ25の正論理化した検出信号の確定状態とドアセンサ履歴との論理和をとって新たなドアセンサ履歴とする。
次に、ドア監視タイマの値が0か否か、すなわち前回の監視から約100msが経過したか否かを判定し(Sk202)、ドア監視タイマの値が0でなければ、ドア監視タイマの値を1減算し(Sk203)、ドア監視処理を終了し、図27のフローチャートに復帰する。
Sk202のステップにおいてドア監視タイマの値が0であれば、ドアコマンド送信要求2が設定されているか否か、すなわち起動時において電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信を優先するために、ドアコマンドが送信待ちの状態か否かを判定し(Sk204)、ドアコマンド送信要求2が設定されていれば、ドア監視処理を終了し、図27のフローチャートに復帰する。Sk204のステップにおいてドアコマンド送信要求2が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求2が設定されている場合に、ドア監視処理を終了することで、ドアコマンド送信用バッファの値が更新されないようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドによる送信待ちの間に、ドアコマンド送信用バッファの値、すなわち起動後、最初のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが上書きされないようになっている。
Sk204のステップにおいてドアコマンド送信要求2が設定されていなければ、ドア監視タイマの値として44を設定し(Sk205)、新たに100msの計時を開始する。そしてドアセンサ履歴をレジスタに取得し、RAM41cのドアセンサ履歴をクリアした後(Sk206)、レジスタに取得したドアセンサ履歴が示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、を比較し、ドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化があるか否かを判定する(Sk207)。
Sk207のステップにおいてドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化がなければ、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否か、すなわちメインCPU41aの起動またはゲームの終了に伴いドアコマンドの送信が要求されているか否かを判定し(Sk208)、ドアコマンド送信要求1が設定されていなければ、ドア監視処理を終了し、図27のフローチャートに復帰する。
Sk207のステップにおいてドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化がある場合、またはSk208のステップにおいてドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンド送信要求をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求2を設定し(Sk209)、レジスタに取得したドアセンサ履歴(変化後のドア開放検出スイッチ25の検出状態)に基づくドアコマンドをドアコマンド送信用バッファに格納する(Sk2)ことで、変化後のドアコマンドの送信を命令し、ドア開放信号更新要求を設定する(Sk211)ことで、ドア開放信号の出力状態を変化後の出力状態に更新することを要求した後、ドア監視処理を終了し、図31のフローチャートに復帰する。
図35は、メインCPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
コマンド送信処理では、まず、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信遅延中か否かを判定し(Sk301)、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信遅延中であれば、Sk308のステップに進み、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信遅延中でなければ、未送信の電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されているか否かを判定する(Sk302)。
Sk302のステップにおいて未送信の電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されている場合には、Sk307のステップに進み、未送信の電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されていない場合には、通常コマンドの送信遅延中か否かを判定する(Sk303)。
Sk303のステップにおいて通常コマンドの送信遅延中であれば、Sk308のステップに進み、通常コマンドの送信遅延中でなければ、ドアコマンドの送信遅延中か否かを判定し(Sk304)、ドアコマンドの送信遅延中であれば、Sk308のステップに進み、ドアコマンドの送信遅延中でなければドアコマンド送信要求2が設定されているか、すなわちドアコマンドの送信が命令されているか否かを判定する(Sk305)。
Sk305のステップにおいてドアコマンドの送信要求2が設定されていなければ、未送信の通常コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されているか否かを判定し(Sk306)、未送信の通常コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されている場合には、Sk307のステップに進み、未送信の通常コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されていない場合には、コマンド送信処理を終了し、図31に示すフローチャートに復帰する。
Sk307のステップでは、コマンド遅延用の乱数値(0〜17)を取得し、遅延カウンタに格納し、Sk308のステップに進む。
Sk308のステップでは、遅延カウンタ値を1減算した後、Sk309のステップに進み、遅延カウンタ値が0か否かを判定し、遅延カウンタ値が0でない場合には、コマンド送信処理を終了し、図31に示すフローチャートに復帰する。
Sk309のステップにおいて遅延カウンタ値が0の場合には、ドアコマンドの送信時か否かを判定し(Sk310)、ドアコマンドの送信時であれば、ドアコマンド送信要求2をクリアし、ドアコマンド送信用バッファのアドレスを設定し(Sk311)、Sk315のステップに進む。なお、ドアコマンド送信要求2は、ドア監視処理で設定された後、当該ドアコマンド送信要求2の設定に伴うドアコマンドが送信される直前までクリアされないため、ドアコマンド送信要求2が設定された後、電源投入コマンドまたは初期化コマンドによるドアコマンドの送信待ちの間に、ドアコマンド送信用バッファの値、すなわち起動後、最初のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが上書きされることがない。
Sk310のステップにおいてドアコマンドの送信時でなければ、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信時か否かを判定し(Sk312)、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信時であれば、通常コマンド送信用バッファの電源投入コマンドまたは初期化コマンドが格納されているアドレスを設定し(Sk313)、Sk315のステップに進む。
Sk312のステップにおいて電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信時ではない場合、すなわち通常コマンドの送信時であれば、通常コマンド送信用バッファの送信ポインタが示すアドレスを設定し(Sk314)、Sk315のステップに進む。
Sk315のステップでは、Sk311、Sk313、Sk314のステップにおいて設定されたアドレスに格納されているコマンドを読み出し、サブ制御部91に対して送信し、コマンド送信処理を終了して、図31に示すフローチャートに復帰する。
図36は、メインCPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行する外部出力信号更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
外部出力信号更新処理では、まず、BB中信号の設定に変更があるか否かを判定し(Sk401)、BB中信号の設定に変更がなければ、Sk403のステップに進み、BB中信号の設定に変更があれば、BB中の信号を変更後の出力状態に更新し(Sk402)、Sk403のステップに進む。
Sk403のステップにおいて、RB中信号の設定に変更があるか否かを判定し、RB中信号の設定に変更がなければ、Sk405のステップに進み、RB中信号の設定に変更があれば、RB中の信号を変更後の出力状態に更新し(Sk404)、Sk405のステップに進む。
Sk405のステップにおいて、ドア開放信号の更新要求があるか否かを判定し、ドア開放信号の更新要求がなければ、Sk407のステップに進み、ドア開放信号の更新要求があれば、ドア開放信号を変更後の出力状態に更新し(Sk406)、Sk407のステップに進む。
Sk407のステップにおいて、エラー状態、または設定変更中であるか否かを判定し、エラー状態、または設定変更中でなければ、Sk409のステップに進み、エラー状態、または設定変更中であれば、対応する信号をONに更新し(Sk408)、Sk409のステップに進む。
Sk409のステップにおいて、エラー状態が解除しているか、または設定変更が終了しているか否かを判定し、エラー状態が解除していないか、または設定変更が終了していなければ、Sk411のステップに進み、エラー状態が解除しているか、または設定変更が終了していれば、対応する信号をOFFに更新し(Sk410)、Sk411のステップに進む。
Sk411のステップにおいて、メダルIN信号およびメダルOUT信号の更新間隔を計時するための更新待ちカウンタの値が0か否かを判定し、更新待ちカウンタ値が0でなければ、外部出力信号送信処理を終了し(Sk412)、図31に示すフローチャートに復帰する。
Sk411のステップにおいて、更新待ちカウンタの値が0であれば、メダルIN信号がONであるか否かを判定し(Sk413)、メダルIN信号がONであれば、メダルIN信号をOFFに更新し(Sk414)、更新待ちカウンタに初期値(予め定められた更新待ち時間に応じた値)を設定し(Sk423)、図31に示すフローチャートに復帰する。
Sk413のステップにおいて、メダルIN信号がONでなければ、Sk415のステップに進む。
Sk415のステップにおいて、メダルOUT信号がONであるか否かを判定し、メダルOUT信号がONであれば、メダルOUT信号をOFFに更新し(Sk416)、更新待ちカウンタに初期値を設定し(Sk423)、図31に示すフローチャートに復帰する。
Sk415のステップにおいて、メダルOUT信号がONでなければ、Sk417のステップに進む。
Sk417のステップにおいて、メダルIN信号出力カウンタの値が0か否かを判定し、メダルIN信号出力カウンタの値が0であれば、Sk420のステップに進み、メダルIN信号出力カウンタの値が0でなければ、メダルIN信号をONに更新し(Sk418)、メダルIN信号出力カウンタの値を1減算し(Sk419)、更新待ちカウンタに初期値を設定し(Sk423)、図31に示すフローチャートに復帰する。
Sk420のステップにおいて、メダルOUT信号出力カウンタの値が0か否かを判定し、メダルOUT信号出力カウンタの値が0であれば、図31に示すフローチャートに復帰し、メダルOUT信号出力カウンタの値が0でなければ、ゲーム中フラグがRAM41cに設定されているか否かを判定する(Sk4201)。Sk4201のステップにおいてゲーム中フラグがRAM41cに設定されていると判定された場合には、図31に示すフローチャートに復帰する。また、Sk4201のステップにおいてゲーム中フラグがRAM41cに設定されていないと判定された場合には、メダルOUT信号をONに更新し(Sk421)、メダルOUT信号出力カウンタの値を1減算し(Sk422)、更新待ちカウンタに初期値を設定し(Sk423)、図31に示すフローチャートに復帰する。
このように、外部出力信号更新処理においてメインCPU41aがメダルIN信号出力カウンタをタイマ割込処理(メイン)により監視し、メダルの投入またはクレジットにより賭数が設定された後、スタートスイッチ7が検出され、メダルIN信号出力カウンタが加算された場合に、メダルIN信号が出力されるようになっている。
また、外部出力信号更新処理においてメインCPU41aがメダルOUT信号出力カウンタをタイマ割込処理(メイン)により監視し、メダルの払い出しが検出されてメダルOUT信号出力カウンタが加算された場合、かつ、ゲーム中フラグがRAM41cに設定されていない場合に、メダルOUT信号が出力されるようになっている。これにより、ゲーム中ではなくゲームが終了した後に、メダルOUT信号が出力される。
図37は、メインCPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sm1)。すなわち電断割込処理(メイン)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次に、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm2)。なお、前述したIレジスタおよびIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次に、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sm3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Sm2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sm4)、Sm1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sm5)、割込前の処理に戻る。
また、Sm3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施の形態では、5A(H))をセットして(Sm6)、全ての出力ポートを初期化する(Sm7)。次にRAM41cの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sm8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sm9)。
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Sm10、なお、Sm10は、Sm3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメインCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
なお、本実施の形態では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行わず、ループ処理が行われている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしてもよい。
[サブ制御部91の処理]
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する起動処理(サブ)を、図38のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図38に示す起動処理(サブ)を行う。なお、リセット信号は、電源投入時およびサブ制御部91の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理(サブ)は、電源投入に伴うCPU91aの起動時およびCPU91aの不具合または表示制御回路92の不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタなどを初期化し(Sr1)、表示制御回路92を初期化した後(Sr2)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sr3)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sr4)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sr5)。
RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sr5のステップにおいてRAMパリティが0であれば、RAM91cに格納されているデータが正常であるので、Sr6のステップに進み、電断前の演出状態を復帰させる。Sr6のステップでは、電断前に最後に実行していた制御パターンを設定した後、Sr7のステップに進む。
また、Sr5のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、RAM91cを初期化し(Sr15)、待機パターンを制御パターンとして設定した後(Sr16)、Sr7のステップに進む。
Sr7のステップでは、RAM91cに再起動フラグが設定されているか否か、すなわち表示制御回路92の不具合に伴う再起動であるか否かを判定し、再起動フラグが設定されていればSrのステップに進み、再起動フラグが設定されていない場合、すなわち電源投入に伴う起動であればSr8のステップに進み、コマンド受信割込処理のみを許可し、Sr9のステップに進む。
Sr9のステップでは、初期化コマンドを受信したか否かを判定し、初期化コマンドを受信していない場合には、Sr10のステップに進み、電源投入コマンドを受信した否かを判定する。また、初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cを初期化した後(Sr17)、設定中報知パターンを制御パターンとして設定し(Sr18)、Sr13のステップに進む。
Sr10のステップにおいて、電源投入コマンドを受信しなかった場合には、再びSr9のステップに戻り、電源投入コマンドを受信した場合には、Sr11のステップに進む。
Sr11のステップでは、Sr10のステップにおいて受信した電源投入コマンドに基づいて電断前の状態で特別役が当選しているか否かを判定し(Sr15)、電断前の状態で特別役が当選している場合には、特別役の当選を報知する特別役告知パターンを制御パターンとして設定した後(Sr12)、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sr13)、全ての割込を許可して(Sr14)、ループ処理に移行する。
また、Sr11のステップにおいて、電断前の状態で特別役が当選していない場合には、Sr6のステップにおいて設定された制御パターン、すなわち電断前に設定されていた制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sr13)、全ての割込を許可して(Sr14)、ループ処理に移行する。すなわちこの時点でタイマ割込処理が許可されることに伴い、コマンドの受信に基づく各種の演出が実行可能な状態となる。
図39は、CPU91aが内部クロックのカウントに基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、タッチパネルの動作チェック中を示す検出待ちフラグがRAM91cに設定されているか否かに基づいて、タッチパネルの動作チェック中か否かを判定し(Ss1)、タッチパネルの動作チェック中でなければSs6のステップに進む。
Ss1のステップでタッチパネルの動作チェック中であれば、タッチ操作が検出されたか否かを判定し(Ss2)、タッチ操作が検出されていなければSs16のステップに進み、タッチ操作が検出されていれば、タッチパネルの動作チェックの結果を液晶表示器51に表示させた後(Ss3)、検出待ちフラグをクリアし、タッチパネルの動作チェック中において禁止されていたコマンド受信割込処理を許可し、Ss6のステップに進む。
Ss6のステップでは、受信用バッファにコマンドが格納されているか否か、すなわちメイン制御部41からコマンドを受信しているか否かを判定する。受信用バッファにコマンドが格納されていなければ、Ss16のステップに進み、受信用バッファにコマンドが格納されていれば、受信用バッファからコマンドを取得し(Ss7)、Ss8のステップに進む。
Ss8のステップでは、取得したコマンドが検査コマンドか否かを判定し、検査コマンドでなければSs13のステップに進み、検査コマンドであれば、さらにタッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドであるか否かを判定する(Ss9)。
Ss9のステップにおいてタッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドでなければ、Ss12のステップに進み、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドであれば、コマンド受信割込処理の禁止を設定するとともに(Ss10)、タッチパネルの動作チェック中を示す検出待ちフラグをRAM91cに設定し(Ss11)、Ss12のステップに進む。
Ss12のステップでは、取得した検査コマンドが指定する部品および指定する動作態様を特定し、該当する部品を特定した動作態様にて動作させる動作試験処理を行い、Ss16のステップに進む。
Ss13のステップでは、取得したコマンドが内部当選コマンドの場合に、ROM91bに格納されている演出テーブルを参照し、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する演出パターン選択処理を実行し、Ss14のステップに進む。
Ss14のステップでは、ROM91bに格納されている制御パターンテーブルを参照し、RAM91cに設定されている演出パターンおよび取得したコマンドに対応して登録されている制御パターンを読み出してRAM91cに設定する制御パターン設定処理を実行し、Ss15のステップに進む。
Ss15のステップでは、Ss14のステップにおいて設定された制御パターンに従って、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLEDなどの各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し、Ss16のステップに進む。
Ss16のステップでは、図示しないタッチパネルコントローラから取得したデータに基づいてタッチパネルの検出状況を解析するタッチパネル処理を行った後、Ss17のステップに進み、各種カウンタの値を更新する処理を行った後、タイマ割込処理(サブ)を終了する。
以上のようにタイマ割込処理(サブ)では、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信して、タッチパネルの動作チェックを行う場合には、コマンド受信割込処理を、タッチ操作が検出されるまでの間禁止するようになっており、この間は、新たなコマンドを受信しないようになっており、この間に新たなコマンドが送信された場合でも、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、新たなコマンドは受信されず、当該コマンドに基づく処理が行われないようになっている。また、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信した後、タッチ操作が検出されるまでの間は、コマンド受信割り込み処理が禁止されるのみならず、受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しも行わないようになっており、既にコマンドを受信し、受信したコマンドが受信用バッファに格納されている場合であっても、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、受信用バッファに格納されているコマンドに基づく処理も行われないようになっている。
[メダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミング]
次に、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、メインCPU41aが外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について図40〜図42に基づき説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール回転処理中の投入エラーおよび払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール回転処理中および払出処理中の投入エラーは、たとえば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転中または払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール回転処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図40〜図42において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払い出し、賭数設定は、ゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L,2C,2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払い出しは、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。賭数設定は、リプレイ当選後に賭数の設定処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、メダルOUT信号の出力状況を示す。具体的には、メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(たとえば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図40は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払い出しのある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号およびセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、たとえば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
図41は、メダルの払い出しのある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号およびセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、払出中に異常検出したときに、払出終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「払出中の異常」と「払出終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、遊技媒体の付与を開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、たとえば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
図42は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号およびセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、図示する例では、賭数設定の横軸が長いが、実際は一瞬である。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、たとえば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出するタイミングは、図40、図42に示す例ではリールの回転中であり、図41に示す例では払出処理中であるが、これに限らない。たとえば、ウェイト中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、フリーズ中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、精算中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合などにおいても、図40〜図42に記載の例と同様に、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、各処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、本実施の形態では、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合(たとえば、図28のSh8,Sh9、図29のSi11)、リール回転処理を終了した後に、エラー処理(遊技の進行停止)を行う(ステップSj10)。これにより、制御が複雑になることがない。
また、本実施の形態では、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常を検出した場合には、異常の検出時点にエラー処理(異常報知、遊技の進行停止)を行う(たとえば、図25のSe8、図27のSg4、図28のSh13)。これにより、好適に異常報知を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、メダルの払い出しのある入賞が発生した場合には、払出処理の終了後にメダルOUT信号を出力しているが、これに限らない。たとえば、メダルが1枚払い出されるごとに、メダルOUT信号を出力するようにしてもよい。図43は、メダルの払い出し直後にメダルOUT信号を出力する場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。
図示する例では、払出処理(メダル払い出し)を終了した後、最後のメダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。すなわち、この場合においても、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理(メダル払い出し)を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、メダルが1枚払い出されるごとに、メダルOUT信号を出力する場合においても、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、メダルが1枚払い出されるごとに、メダルOUT信号を出力する場合においても、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、この場合、メダルOUT信号のパルス幅よりも、収集ユニット50がメダルOUT信号およびセキュリティ信号を収集する間隔を短くすることで、ホールコンピュータ104は、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することができる。これにより、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
[メニュー画面]
スロットマシン1においては、遊技者は、液晶表示器51に表示されたメインメニュー画面から「パスワード入力」を選択してパスワードを入力することにより、以前の遊技履歴(たとえば、ボーナス回数、払出枚数など)を引き継いで遊技を行うことが可能である。
図44(a)に示すように、メインメニュー画面には、「パスワード入力」、「簡単スタート」、「会員登録」、および「終了」のメニュー項目が選択可能に表示される。このようなメインメニュー画面は、たとえば、1ゲーム終了時から賭数が設定されるまでの間に演出用スイッチ56が操作されることによって液晶表示器51に表示される。
メインメニュー画面が表示されている状態では、ストップスイッチ8Lが操作されることで、左側のメニュー項目に移動し、ストップスイッチ8Rが操作されることで右側のメニュー項目に移動する。そして、演出用スイッチ56が操作されることで手前に表示されているメニュー項目が選択される。
パスワードが入力された後、図44(b)に示すように、メインメニュー画面には、「2次元コード作成」、「データクリア」、「演出モード設定」、および「終了」のメニュー項目が選択可能に表示される。「2次元コード作成」を選択すると、2次元コードが作成される。2次元コードには、サーバに接続するためのURL、ゲーム開始時に入力されたパスワード、ならびに、遊技の進行に応じて更新された遊技履歴などの情報が格納されている。この2次元コードを携帯端末により読み取り、URLに遊技者がアクセスすることで、2次元コードから特定される情報がサーバに記憶される。「演出モード設定」を選択すると、スロットマシン1における遊技で実行される演出のモード(仕様、態様ともいえる)を選択できる。
メニュー項目として「終了」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56が操作されると、図44(c)に示すように、「YES」または「NO」を選択可能な終了確認画面が表示される。終了確認画面においては、ストップスイッチ8Lまたは8R、あるいは演出用スイッチ56の操作によって「YES」を選択すれば、基本画面(メインメニュー画面に移行する前の通常画面)に戻る。
[演出モード選択]
図45(a),(b)に示すように、遊技者は、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後において、「演出モード設定」を選択することができる。
本実施の形態における演出モードには、引継モード、切替モード、および後報知モードの3種類が含まれる。引継モードは、一の特典を付与するか否かを示唆する前兆期間中に他の特典を付与することが決定されたときに、一の特典を付与するか否かを示唆する前兆演出をそのまま引き継いで他の特典の付与を報知することが可能に設計された演出モードである。切替モードは、一の特典を付与するか否かを示唆する前兆期間中に他の特典を付与することが決定されたときに、一の特典を付与するか否かを示唆する前兆演出から他の特典を付与するか否かを示唆する前兆演出に切り替えて、他の特典を付与するか否かを示唆する前兆演出により他の特典の付与を報知することが可能に設計された演出モードである。後報知モードは、一の特典を付与するか否かを示唆する前兆期間中に他の特典を付与することが決定されたときに、一の特典を付与するか否かを示唆する前兆期間が終了した以降に制御される他の特典を付与するか否かを示唆する前兆期間で他の特典の付与を報知することが可能に設計された演出モードである。
サブ制御部91は、遊技者によっていずれかの演出モードが選択されると、選択された演出モードに基づき演出を実行する。このように、遊技者は、演出モードを選択することによって、自分好みの演出を見ながら遊技することができる。
[CZ抽選]
図46(a)は、CZ抽選テーブルを示す図である。メイン制御部41は、CZ抽選テーブルに基づきCZ抽選を実行することにより、CZ制御への権利となるCZゲームを付与するか否かを決定する。CZ抽選は、所定の抽選条件が成立したときに、当該抽選条件が成立したゲームで実行される。
図46(a)に示すように、CZ抽選は、通常リプレイ当選、ベル当選、1000ゲーム消化ごと、および500ゲームの間AT抽選の実行なしのいずれかが成立したときに実行される。そして、CZ抽選においては、図46(a)に示す当選確率に基づいて、CZゲームを付与するか否か(すなわち、CZ当選するか否か)、および付与する場合のCZゲーム数が決定される。CZ抽選は、図46(a)に示す所定の抽選条件が成立したゲーム以降のゲームで実行される。
なお、本実施の形態においては、CZゲームを付与するか否かの抽選と、付与するCZゲーム数を決定するための抽選とが1回の抽選で行われる例について説明するが、これに限らない。たとえば、CZ抽選は、まずCZゲームを付与するか否かの抽選を行い、CZゲーム数を付与すると決定されたときに付与するCZゲーム数を決定するための抽選を行うといったように、2回の抽選で構成されるものであってもよい。
[AT抽選]
図46(b)は、非CZ中におけるAT抽選テーブルを示す図であり、図46(c)は、CZ中におけるAT抽選テーブルを示す図である。メイン制御部41は、CZ中であるか否かに応じて設定されたAT抽選テーブルに基づきAT抽選を実行することにより、AT制御への権利となるナビストックを付与するか否かを決定する。AT抽選は、図46(b),(c)に示す所定の抽選条件が成立したゲーム以降のゲームで実行される。
図46(b),(c)に示すように、AT抽選は、弱スイカ当選、弱チェリー当選、強スイカ当選、弱チェリー当選、および中段チェリー当選のいずれかが成立したときに実行される。そして、AT抽選においては、図46(b),(c)に示す当選確率に基づいて、ナビストックを付与するか否か(すなわち、AT当選するか否か)、および付与する場合のナビストック数が決定される。
CZ中においては、非CZ中よりもナビストックが付与される確率が高く、かつ付与されるナビストック数が多くなっている。たとえば、非CZ中に弱スイカに当選したときには、5%の確率でしかナビストックが付与されないが、CZ中に弱スイカに当選したときには、20の確率でナビストックが付与される。さらに、非CZ中に弱スイカに当選したときには、AT当選したとしても1個のナビストックしか付与されないが、CZ中に弱スイカに当選したときには、AT当選すると2個や3個のナビストックが付与されることがある。このように、CZに制御されているときには、CZに制御されていないときよりも、AT当選の期待値が高く、多くのナビストックが付与される可能性がある。これにより、CZに制御されたときには、ナビストックの付与に対して遊技者に期待させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、ナビストックを付与するか否かの抽選と、付与するナビストック数を決定するための抽選とが1回の抽選で行われる例について説明するが、これに限らない。たとえば、AT抽選は、まずナビストックを付与するか否かの抽選を行い、ナビストック数を付与すると決定されたときに付与するナビストック数を決定するための抽選を行うといったように、2回の抽選で構成されるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、AT抽選が実行される抽選条件と、CZ抽選が実行される抽選条件とで、共通する抽選条件が存在しない。つまり、ナビストックとCZゲームとでは、共通する契機で付与されることが決定されない。これにより、契機によって、ナビストックおよびCZゲームのいずれが付与される可能性があるかを遊技者に認識させやすくすることができる。
[AT管理処理]
メイン制御部41は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨およびナビストック数を示すATフラグをRAM41cの所定領域に格納する。メイン制御部41は、RAM41cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1消費してATに制御可能となる。
メイン制御部41は、ATの制御中において、ナビ対象役に当選したときには、対応操作手順を特定可能なナビコマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、ナビコマンドを受信すると、対応操作手順を報知するナビ演出を実行する。
ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数を獲得したときには、ATフラグから特定されるナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
たとえば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選が行われる場合には、AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、たとえば、RAM41cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであってもよく、AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであってもよい。
メイン制御部41は、通常・RT0〜4であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、メイン制御部41は、通常・RT1において、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。すなわち、ナビストックが残っているときには、ATの制御を開始する。通常・RT1から通常・RT0に移行するまでの期間においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。
ATに制御されているときであって、通常・RT1で昇格リプレイに入賞して通常・RT0に制御されるとき、または通常・RT0や通常・RT2において所定ゲーム数経過したときには、ナビストック数を1消費(減算)することによるATへの開始条件が成立する。この場合、ATが終了するまでの間、再遊技役の当選確率が高い高RT状態(RT0、RT2、RT3)においてATに制御される。なお、高RT状態、かつATに制御された状態をART状態とも称する。なお、ナビストック数を1消費したときには、1減算したナビストック数を示すATフラグに更新される。
メイン制御部41は、AT管理処理を行うことにより、ARTであるときには所定ゲーム数を消化したときには非ATに制御する。このときに、ATフラグが示すナビストック数が0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。すなわち、一連のATの終了条件は、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるときに成立する。
非ATに制御されたときのATフラグからATでない旨が特定されたときには、再度ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。これにより、通常・RT0であるときには、転落リプレイや移行出目が揃う可能性が高まり、通常・RT1に制御される可能性が高まる。また、通常・RT2であるときには、移行出目が揃う可能性が高まり、通常・RT1に制御される可能性が高まる。
一方、非ATに制御されたときのATフラグから特定されるナビストック数が1以上であれば、ナビ演出の対象役が当選したときに、ナビストック数を1消費し、ATに制御される。そしてナビストック数も0となり、ナビ回数も0となることでATが終了する。
メイン制御部41は、AT管理処理を行うことにより、ATフラグからATである旨が特定されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、サブ制御部91にナビ演出を実行させる。本実施の形態においては、ナビ対象役は押し順ベルおよび押し順リプである。たとえば、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルや中段ベルを確実に入賞させるための対応操作手順が報知される。
さらに、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、SPリプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイ入賞を回避させることができる。
[CZ前兆演出抽選]
図47(a)は、AT非当選時におけるCZ前兆演出抽選テーブルを示す図であり、図47(b)は、AT当選時におけるCZ前兆演出抽選テーブルを示す図である。メイン制御部41は、CZ前兆演出抽選の実行時にAT当選しているか否かに応じて設定されたCZ前兆演出抽選テーブルに基づきCZ前兆演出抽選を実行することにより、CZ前兆演出の種類(演出種別)を決定する。CZ前兆演出抽選は、CZ抽選が実行されたゲーム以降のゲームで実行される。
図47(a),(b)に示すように、AT非当選時におけるCZ前兆演出には、a1〜a4といった4種類の演出種別があり、AT当選時におけるCZ前兆演出には、A1〜A4といった4種類の演出種別がある。CZ前兆演出には、CZ当選しているか否かを示唆してCZゲームの付与を期待させるチャンス演出と、チャンス演出の後に実行され、かつCZ当選しているか否かを示唆してCZゲームを付与するか否かを確定的に報知するルーレット演出とが含まれる。
チャンス演出では、たとえば、液晶表示器51の背景画像が通常画像(たとえば、朝の背景画像)を維持したままで「チャンス」の文字画像が液晶表示器51に表示される。ルーレット演出では、CZ非当選を示す「×」の文字画像とCZ当選を示す「○」の文字画像とがルーレットによって回転する画像が液晶表示器51に表示され、ルーレットの回転が停止したときに指し示された文字画像が「×」であればCZ非当選が確定的に報知される一方、指し示された文字画像が「○」であればCZ当選が確定的に報知される。
図47(a),(b)に示すように、a1〜a4、A1〜A4の各演出は、前兆期間のゲーム数および演出内容(たとえば、チャンス演出のゲーム数およびルーレット演出のゲーム数)が互いに異なる。たとえば、a1に決定されたときには、5ゲームの前兆期間に制御され、その期間内においては、4ゲームのチャンス演出が実行された後に1ゲームのルーレット演出が実行されてCZ当選しているか否かが確定的に報知される。また、A4に決定されたときには、12ゲームの前兆期間に制御され、その期間内においては、9ゲームのチャンス演出が実行された後に3ゲームのルーレット演出が実行されてCZ当選しているか否かが確定的に報知される。
図47(a),(b)に示すように、CZ前兆演出抽選では、CZゲームを付与するか否か、および付与する場合のCZゲーム数に応じて異なる当選確率で、いずれかの演出種別が決定される。
また、CZ前兆演出抽選においては、AT当選時はAT非当選時よりもCZ前兆期間のゲーム数が多くなる確率が高くなっている。たとえば、AT非当選時には、最大(演出種別a4)でもCZ前兆期間のゲーム数が8ゲームであるのに対して、AT当選時には、最小(演出種別A1)でもCZ前兆期間のゲーム数が9ゲームである。
このように、AT当選しているか否かに応じて(加味して)CZ前兆期間のゲーム数が異なるように演出種別が選択されるため、CZ前兆演出に変化を与えることができる。さらに、CZ前兆期間のゲーム数が多くなればAT当選している確率が高くなるため、CZ前兆期間のゲーム数に注目させながら遊技者に遊技させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CZ前兆演出抽選においては、CZ当選時はCZ非当選時よりもCZ前兆期間のゲーム数が多くなる確率が高く、さらに、CZ当選している場合であっても付与されるCZゲーム数が多いほどCZ前兆期間のゲーム数が多くなる確率が高くなっている。たとえば、AT非当選時においてCZ前兆演出抽選を実行する際、CZ非当選時では70%の確率で演出種別a1に決定され、20%の確率で演出種別a2に決定され、10%の確率で演出種別a3に決定される。また、CZ当選して10ゲームのCZゲーム数が付与されるときには、60%の確率で演出種別a1に決定され、20%の確率で演出種別a2に決定され、20%の確率で演出種別a3に決定される。これらに対して、CZ当選して30ゲームのCZゲーム数が付与されるときには、40%の確率で演出種別a1に決定され、30%の確率で演出種別a2に決定され、20%の確率で演出種別a3に決定され、10%の確率で演出種別a4に決定される。AT当選時におけるCZ前兆演出抽選においても同様の傾向にある。
このように、CZ当選しているか否か、および付与されるCZゲーム数に応じて(加味して)CZ前兆期間のゲーム数が異なるように演出種別が選択されるため、CZ前兆演出に変化を与えることができる。さらに、CZ前兆期間のゲーム数が多くなればCZ当選している確率が高くなり、かつ付与されるCZゲーム数が多くなる確率が高くなるため、CZ前兆期間のゲーム数に注目させながら遊技者に遊技させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[AT前兆演出抽選]
図47(c)は、CZ非当選時におけるAT前兆演出抽選テーブルを示す図であり、図47(d)は、CZ当選時におけるAT前兆演出抽選テーブルを示す図である。メイン制御部41は、AT前兆演出抽選の実行時にCZ当選しているか否かに応じて設定されたAT前兆演出抽選テーブルに基づきAT前兆演出抽選を実行することにより、AT前兆演出の種類(演出種別)を決定する。AT前兆演出抽選は、AT抽選が実行されたゲーム以降のゲームで実行される。
図47(c),(d)に示すように、CZ非当選時におけるAT前兆演出には、b1〜b4といった4種類の演出種別があり、CZ当選時におけるAT前兆演出には、B1〜B4といった4種類の演出種別がある。AT前兆演出には、AT当選しているか否かを示唆してナビストックの付与を期待させるトレーニング示唆演出と、トレーニング示唆演出の後に実行され、かつAT当選しているか否かを示唆してナビストックの付与をさらに期待させるトレーニング演出と、トレーニング演出の後に実行され、かつAT当選しているか否かを示唆してナビストックを付与するか否かを確定的に報知するバトル演出とが含まれる。
トレーニング示唆演出では、たとえば、液晶表示器51の背景画像が通常画像(たとえば、朝の背景画像)とは異なる特別画像(たとえば、夕方の背景画像)に切り替えて「トレーニング開始かも?」の文字画像が液晶表示器51に表示される。トレーニング演出では、たとえば、液晶表示器51の背景画像が特別画像(たとえば、夕方の背景画像)を維持したままでキャラクタがトレーニングしている演出画像が液晶表示器51に表示される。バトル演出では、たとえば、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる演出画像が液晶表示器51に表示され、敵キャラクタが勝利すればAT非当選が確定的に報知される一方、味方キャラクタが勝利すればAT当選が確定的に報知される。
図47(c),(d)に示すように、b1〜b4、B1〜B4の各演出は、前兆期間のゲーム数および演出内容(たとえば、トレーニング示唆演出、トレーニング演出、およびバトル演出のゲーム数)が互いに異なる。たとえば、b1に決定されたときには、20ゲームの前兆期間に制御され、その期間内においては、10ゲームのトレーニング示唆演出が実行された後に7ゲームのトレーニング演出が実行され、その後、3ゲームのバトル演出が実行されてAT当選しているか否かが確定的に報知される。また、B4に決定されたときには、34ゲームの前兆期間に制御され、その期間内においては、15ゲームのトレーニング示唆演出が実行された後に13ゲームのトレーニング演出が実行され、その後、6ゲームのバトル演出が実行されてAT当選しているか否かが確定的に報知される。
図47(c),(d)に示すように、AT前兆演出抽選では、ナビストックを付与するか否か、および付与する場合のナビストック数に応じて異なる当選確率で、いずれかの演出種別が決定される。
また、AT前兆演出抽選においては、CZ当選時はCZ非当選時よりもAT前兆期間のゲーム数が多くなる確率が高くなっている。たとえば、CZ非当選時には、最大(演出種別b4)でもAT前兆期間のゲーム数が20ゲームであるのに対して、CZ当選時には、最小(演出種別B1)でもAT前兆期間のゲーム数が28ゲームである。
このように、CZ当選しているか否かに応じて(加味して)AT前兆期間のゲーム数が異なるように演出種別が選択されるため、AT前兆演出に変化を与えることができる。さらに、AT前兆期間のゲーム数が多くなればCZ当選している確率が高くなるため、AT前兆期間のゲーム数に注目させながら遊技者に遊技させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT前兆演出抽選においては、AT当選時はAT非当選時よりもAT前兆期間のゲーム数が多くなる確率が高く、さらに、AT当選している場合であっても付与されるナビストック数が多いほどAT前兆期間のゲーム数が多くなる確率が高くなっている。たとえば、CZ非当選時においてAT前兆演出抽選を実行する際、AT非当選時では70%の確率で演出種別b1に決定され、20%の確率で演出種別b2に決定され、10%の確率で演出種別b3に決定される。また、AT当選して1個のナビストック数が付与されるときには、60%の確率で演出種別b1に決定され、20%の確率で演出種別b2に決定され、20%の確率で演出種別b3に決定される。これらに対して、AT当選して3個のナビストック数が付与されるときには、40%の確率で演出種別b1に決定され、30%の確率で演出種別b2に決定され、20%の確率で演出種別b3に決定され、10%の確率で演出種別b4に決定される。CZ当選時におけるAT前兆演出抽選においても同様の傾向にある。
このように、AT当選しているか否か、および付与されるナビストック数に応じて(加味して)AT前兆期間のゲーム数が異なるように演出種別が選択されるため、AT前兆演出に変化を与えることができる。さらに、AT前兆期間のゲーム数が多くなればAT当選している確率が高くなり、かつ付与されるナビストック数が多くなる確率が高くなるため、AT前兆期間のゲーム数に注目させながら遊技者に遊技させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上のように、ナビストックを付与するか否かを示唆するAT前兆期間中にはAT前兆演出が実行され、CZゲームを付与するか否かを示唆するCZ前兆期間中にはCZ前兆演出が実行される。このように、AT前兆期間中において実行されるAT前兆演出と、CZ前兆期間中において実行されるCZ前兆演出とは、異なる系統の演出である。このため、ナビストックの付与およびCZゲームの付与を一の演出に限って報知するものに比べて遊技が単調になることなく遊技の興趣を向上させることができる。
また、ナビストックとCZゲームとでは種類が異なる特典であるため、AT前兆演出およびCZ前兆演出のいずれが実行されたかに応じて遊技者の期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT前兆演出とCZ前兆演出とでは、共通する演出が存在しないため、AT前兆演出およびCZ前兆演出のいずれが実行されたかに応じて、ナビストックおよびCZゲームのいずれについての演出が実行されたのかを遊技者に認識させやすくすることができる。
[引継モードを選択した場合の演出の一例]
次に、図48を参照しながら、引継モードを選択した場合の演出の一例について説明する。図48においては、AT前兆期間中にCZ当選した場合の演出の一例が示されている。
図48(a)においては、CZ前兆期間のゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数以下の場合の演出の一例を示す。図48(a)に示すように、タイミングt1でAT抽選が実行された場合、AT前兆演出抽選によって決定された演出種別に対応するAT前兆期間に制御され、AT前兆期間内ではAT前兆演出が実行される。なお、この例では、AT抽選によってAT当選し、AT前兆期間はタイミングt1からタイミングt3まで制御される。このため、AT前兆演出は、タイミングt1からタイミングt3まで制御されるAT前兆期間内で実行が予定される。
AT前兆期間中のタイミングt2でCZ抽選が実行された場合、CZ前兆演出抽選によって演出種別が決定される。この例では、CZ前兆演出抽選によって、AT前兆期間の残りゲーム数以下のゲーム数に亘りCZ前兆期間に制御される演出種別に決定される。たとえば、AT前兆期間の残りが10ゲームであれば、a1〜a4,A1,A2のうちのいずれかの演出種別に決定された場合が想定される。つまり、制御中のAT前兆期間内でCZ前兆期間の全てのゲーム数が消化できることになる。
引継モードが選択されている場合、タイミングt2でCZ当選したときには実行中のAT前兆演出がそのまま引き継がれて実行される。このため、AT前兆演出がナビストックに関する演出であることを知っている遊技者であれば、CZ当選した以降においても、AT前兆演出によってナビストックの付与を期待することになる。また、AT前兆演出がナビストックに関する演出であることを知らない遊技者であれば、CZ当選した以降においても、何かしらの特典を期待することになる。
その後、AT前兆期間への制御が終了する予定であったタイミングt3になると、AT前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。たとえば、バトル演出によって味方キャラクタが勝利した後、「CZゲーム獲得!」の文字画像が液晶表示器51に表示される。これにより、AT前兆演出がナビストックに関する演出であることを知っている遊技者に対しては、AT前兆演出によってCZゲームの付与が報知されたことに意外性を感じさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、AT前兆演出がナビストックに関する演出であることを知らない遊技者に対しては、演出が変更されることなくAT前兆演出によってCZゲームの付与が報知されるため、違和感を与えることなくCZゲームの付与について喜びを享受させることができる。
その後、タイミングt3からタイミングt4までCZに制御され、タイミングt4からタイミングt5まで再びAT前兆期間に制御されてAT前兆演出が実行される。タイミングt4からタイミングt5までの間にCZ当選しなかった場合、タイミングt5でAT前兆演出の結果としてAT当選が報知される。
以上のように、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときでもAT前兆演出の実行によってCZゲームの付与が報知されるため、AT前兆期間中であっても遊技者に違和感を与えることなくCZゲームの付与について喜びを享受させることができる。
なお、図48(a)においては、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときの例を説明したが、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときでも同様の処理が行われる。すなわち、タイミングt1からタイミングt3までCZ前兆期間に制御され、その間のタイミングt2でAT当選したときには、CZ前兆演出がそのまま引き継がれる。そして、タイミングt3になると、CZ前兆演出の結果としてAT当選が報知される。
このように、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときでもCZ前兆演出の実行によってナビストックの付与が報知されるため、CZ前兆期間中であっても遊技者に違和感を与えることなくナビストックの付与について喜びを享受させることができる。さらに、この場合、CZゲームよりも有利度合いの高い特典であるナビストックがCZ前兆演出によって報知されるため、遊技者の喜びがさらに向上する。
次に、図48(b)においては、CZ前兆期間のゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数よりも多い場合の演出の一例を示す。図48(b)に示すように、タイミングt1でAT抽選が実行された場合、AT前兆演出抽選によって決定された演出種別に対応するAT前兆期間に制御され、AT前兆期間内ではAT前兆演出が実行される。なお、この例では、AT抽選によってAT当選し、AT前兆期間はタイミングt1からタイミングt3まで制御される。このため、AT前兆演出は、タイミングt1からタイミングt3まで制御されるAT前兆期間内で実行が予定される。
AT前兆期間中のタイミングt2でCZ抽選が実行された場合、CZ前兆演出抽選によって演出種別が決定される。この例では、CZ前兆演出抽選によって、AT前兆期間の残りゲーム数よりも多いゲーム数に亘りCZ前兆期間に制御される演出種別に決定される。たとえば、AT前兆期間の残りが10ゲームであれば、A3およびA4のうちのいずれかの演出種別に決定された場合が想定される。つまり、制御中のAT前兆期間内でCZ前兆期間の全てのゲーム数を消化できないことになる。
引継モードが選択されている場合においてタイミングt2でCZ当選したときであっても、CZ前兆期間のゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数よりも多いときには、実行中のAT前兆演出をそのまま引き継いでCZ当選を報知することはない。具体的には、実行中のAT前兆演出はそのまま実行されるが、AT前兆演出によって予定通りタイミングt3でAT当選が報知される。
その後、タイミングt3からタイミングt4までATに制御され、タイミングt4からタイミングt5までCZ前兆期間に制御されてCZ前兆演出が実行される。そして、タイミングt5でCZ前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。
以上のように、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定された場合において、CZゲームの付与を報知するまでのゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数よりも多いときには、AT前兆期間への制御が終了した以降でCZ前兆演出によってCZゲームの付与が報知される。これにより、CZゲームの付与を報知するためにAT前兆期間への制御をタイミングt3以降までわざわざ延長するといった処理をする必要がなく、無駄な処理の実行を回避することができる。
なお、図48(b)においては、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときの例を説明したが、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときでも同様の処理が行われる。すなわち、タイミングt1からタイミングt3までCZ前兆期間に制御され、その間のタイミングt2でAT当選したときでも、実行中のCZ前兆演出によって予定通りタイミングt3でCZ当選が報知される。そして、CZに制御された後、AT前兆期間に制御されてAT前兆演出が実行され、AT前兆演出の結果としてAT当選が報知される。
このように、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定された場合において、ナビストックの付与を報知するまでのゲーム数がCZ前兆期間の残りゲーム数よりも多いときには、CZ前兆期間への制御が終了した以降でAT前兆演出によってナビストックの付与が報知される。これにより、ナビストックの付与を報知するためにCZ前兆期間への制御をタイミングt3以降までわざわざ延長するといった処理をする必要がなく、無駄な処理の実行を回避することができる。
なお、図48においては、AT抽選を実行した後、AT当選を報知するまでの間においても抽選条件が成立すればAT抽選を実行するものであってもよい。そして、AT当選したときには付与されたナビストック数を未報知のナビストック数に加算してもよい。また、合算したナビストック数は一度に報知してもよいし、複数回に分けて報知してもよい。同様に、CZ抽選を実行した後、CZ当選を報知するまでの間においても抽選条件が成立すればCZ抽選を実行するものであってもよい。そして、CZ当選したときには付与されたCZゲーム数を未報知のCZゲーム数に加算してもよい。また、合算したCZゲーム数は一度に報知してもよいし、複数回に分けて報知してもよい。
また、図48においては、AT前兆期間中にCZ当選した場合について説明したが、AT前兆期間中にCZ当選しなかった場合は、タイミングt3でAT前兆演出によってAT当選が報知される。この場合、その後、CZ非当選を報知するためにCZ前兆期間に制御してもよいし、制御しなくてもよい。
さらに、図48においては、AT当選したときのAT前兆期間中にCZ当選した場合について説明したが、AT非当選したときのAT前兆期間中にCZ当選した場合についても同様の処理が行われる。たとえば、所謂、ガセのAT前兆演出を実行している間にCZ当選した場合であっても、AT前兆演出がそのまま引き継がれ、タイミングt3になると、AT前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。この場合、CZに制御された後においては、再びAT前兆期間に制御してもよいし、制御しなくてもよい。
なお、図48(a)においては、CZ当選が報知されてCZに制御された後にAT前兆期間に制御されるものであるが、CZ当選が報知された後、即座に(たとえば、次のゲームで)、AT前兆期間に制御されるものであってもよい。また、図48(b)においては、AT当選が報知されてATに制御された後にCZ前兆期間に制御されるものであるが、AT当選が報知された後、即座に(たとえば、次のゲームで)、CZ前兆期間に制御されるものであってもよい。
[切替モードを選択した場合の演出の一例]
次に、図49を参照しながら、切替モードを選択した場合の演出の一例について説明する。図49においては、AT前兆期間中にCZ当選した場合の演出の一例が示されている。
図49(a)においては、CZ前兆期間のゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数以下の場合の演出の一例を示す。図49(a)に示すように、タイミングt1でAT抽選が実行された場合、AT前兆演出抽選によって決定された演出種別に対応するAT前兆期間に制御され、AT前兆期間内ではAT前兆演出が実行される。なお、この例では、AT抽選によってAT当選し、AT前兆期間はタイミングt1からタイミングt3まで制御される。このため、AT前兆演出は、タイミングt1からタイミングt3まで制御されるAT前兆期間内で実行が予定される。
AT前兆期間中のタイミングt2でCZ抽選が実行された場合、CZ前兆演出抽選によって演出種別が決定される。この例では、CZ前兆演出抽選によって、AT前兆期間の残りゲーム数以下のゲーム数に亘りCZ前兆期間に制御される演出種別に決定される。つまり、制御中のAT前兆期間内でCZ前兆期間の全てのゲーム数が消化できることになる。
切替モードが選択されている場合、タイミングt2でCZ当選したときには実行中のAT前兆演出がCZ前兆演出に切り替えられ、それ以降、CZ前兆演出が実行される。このため、CZ前兆演出がCZゲームに関する演出であることを知っている遊技者であれば、CZ前兆演出によってCZゲームの付与を期待することになる。また、CZ前兆演出がCZゲームに関する演出であることを知らない遊技者であれば、CZ当選した以降においても、何かしらの特典を期待することになる。
その後、AT前兆期間への制御が終了する予定であったタイミングt3になると、CZ前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。これにより、CZ前兆演出によってCZゲームが付与されることを遊技者に認識させやすくすることができる。
その後、タイミングt3からタイミングt4までCZに制御され、タイミングt4からタイミングt5まで再びAT前兆期間に制御されてAT前兆演出が実行される。タイミングt4からタイミングt5までの間にCZ当選しなかった場合、タイミングt5でAT前兆演出の結果としてAT当選が報知される。
以上のように、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときにはAT前兆演出からCZ前兆演出に切り替わってCZ前兆演出によってCZゲームの付与が報知されるため、CZゲームが付与されることを遊技者に認識させやすくすることができる。
なお、図49(a)においては、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときの例を説明したが、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときでも同様の処理が行われる。すなわち、タイミングt1からタイミングt3までCZ前兆期間に制御され、その間のタイミングt2でAT当選したときには、CZ前兆演出からAT前兆演出に切り替わる。そして、タイミングt3になると、CZ前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。
このように、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときにはCZ前兆演出からAT前兆演出に切り替わってAT前兆演出によってナビストックの付与が報知されるため、ナビストックが付与されることを遊技者に認識させやすくすることができる。
次に、図49(b)においては、CZ前兆期間のゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数よりも多い場合の演出の一例を示す。図49(b)に示すように、タイミングt1でAT抽選が実行された場合、AT前兆演出抽選によって決定された演出種別に対応するAT前兆期間に制御され、AT前兆期間内ではAT前兆演出が実行される。なお、この例では、AT抽選によってAT当選し、AT前兆期間はタイミングt1からタイミングt3まで制御される。このため、AT前兆演出は、タイミングt1からタイミングt3まで制御されるAT前兆期間内で実行が予定される。
AT前兆期間中のタイミングt2でCZ抽選が実行された場合、CZ前兆演出抽選によって演出種別が決定される。この例では、CZ前兆演出抽選によって、AT前兆期間の残りゲーム数よりも多いゲーム数に亘りCZ前兆期間に制御される演出種別に決定される。つまり、制御中のAT前兆期間内でCZ前兆期間の全てのゲーム数を消化できないことになる。
切替モードが選択されている場合においてタイミングt2でCZ当選したときであっても、CZ前兆期間のゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数よりも多いときには、実行中のAT前兆演出からCZ前兆演出に切り替えることはない。具体的には、実行中のAT前兆演出はそのまま実行され、AT前兆演出によって予定通りタイミングt3でAT当選が報知される。
その後、タイミングt3からタイミングt4までATに制御され、タイミングt4からタイミングt5までCZ前兆期間に制御されてCZ前兆演出が実行される。そして、タイミングt5でCZ前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。
以上のように、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定された場合において、CZゲームの付与を報知するまでのゲーム数がAT前兆期間の残りゲーム数よりも多いときには、AT前兆期間への制御が終了した以降でCZ前兆演出によってCZゲームの付与が報知される。これにより、CZゲームの付与を報知するためにAT前兆期間への制御をタイミングt3以降までわざわざ延長するといった処理をする必要がなく、無駄な処理の実行を回避することができる。
なお、図49(b)においては、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときの例を説明したが、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときでも同様の処理が行われる。すなわち、タイミングt1からタイミングt3までCZ前兆期間に制御され、その間のタイミングt2でAT当選したときでも、実行中のCZ前兆演出によって予定通りタイミングt3でCZ当選が報知される。そして、CZに制御された後、AT前兆期間に制御されてAT前兆演出が実行され、AT前兆演出の結果としてAT当選が報知される。
このように、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定された場合において、ナビストックの付与を報知するまでのゲーム数がCZ前兆期間の残りゲーム数よりも多いときには、CZ前兆期間への制御が終了した以降でAT前兆演出によってナビストックの付与が報知される。これにより、ナビストックの付与を報知するためにCZ前兆期間への制御をタイミングt3以降までわざわざ延長するといった処理をする必要がなく、無駄な処理の実行を回避することができる。
なお、図49においては、AT抽選を実行した後、AT当選を報知するまでの間においても抽選条件が成立すればAT抽選を実行するものであってもよい。そして、AT当選したときには付与されたナビストック数を未報知のナビストック数に加算してもよい。また、合算したナビストック数は一度に報知してもよいし、複数回に分けて報知してもよい。同様に、CZ抽選を実行した後、CZ当選を報知するまでの間においても抽選条件が成立すればCZ抽選を実行するものであってもよい。そして、CZ当選したときには付与されたCZゲーム数を未報知のCZゲーム数に加算してもよい。また、合算したCZゲーム数は一度に報知してもよいし、複数回に分けて報知してもよい。
また、図49においては、AT前兆期間中にCZ当選した場合について説明したが、AT前兆期間中にCZ当選しなかった場合は、タイミングt3でAT前兆演出によってAT当選が報知される。この場合、その後、CZ非当選を報知するためにCZ前兆期間に制御してもよいし、制御しなくてもよい。
さらに、図49においては、AT当選したときのAT前兆期間中にCZ当選した場合について説明したが、AT非当選したときのAT前兆期間中にCZ当選した場合についても同様の処理が行われる。たとえば、所謂、ガセのAT前兆演出を実行している間にCZ当選した場合であっても、AT前兆演出からCZ前兆演出に切り替わり、タイミングt3になると、CZ前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。この場合、CZに制御された後においては、再びAT前兆期間に制御してもよいし、制御しなくてもよい。
なお、図49(a)においては、CZ当選が報知されてCZに制御された後にAT前兆期間に制御されるものであるが、CZ当選が報知された後、即座に(たとえば、次のゲームで)、AT前兆期間に制御されるものであってもよい。また、図49(b)においては、AT当選が報知されてATに制御された後にCZ前兆期間に制御されるものであるが、AT当選が報知された後、即座に(たとえば、次のゲームで)、CZ前兆期間に制御されるものであってもよい。
[後報知モードを選択した場合の演出の一例]
次に、図50を参照しながら、後報知モードを選択した場合の演出の一例について説明する。図50においては、AT前兆期間中にCZ当選した場合の演出の一例が示されている。
図50に示すように、タイミングt1でAT抽選が実行された場合、AT前兆演出抽選によって決定された演出種別に対応するAT前兆期間に制御され、AT前兆期間内ではAT前兆演出が実行される。なお、この例では、AT抽選によってAT当選し、AT前兆期間はタイミングt1からタイミングt3まで制御される。このため、AT前兆演出は、タイミングt1からタイミングt3まで制御されるAT前兆期間内で実行が予定される。
AT前兆期間中のタイミングt2でCZ抽選が実行された場合、CZ前兆演出抽選によって演出種別が決定される。この場合、AT前兆期間の残りゲーム数以下のゲーム数に亘りCZ前兆期間に制御される演出種別に決定されてもよいし、AT前兆期間の残りゲーム数よりも多いゲーム数に亘りCZ前兆期間に制御される演出種別に決定されてもよい。
後報知モードが選択されている場合、タイミングt2でCZ当選しても実行中のAT前兆演出がそのまま実行され、AT前兆演出によって予定通りタイミングt3でAT当選が報知される。
以上のように、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されている場合、AT前兆期間への制御が終了しても、それ以降に制御されるCZ前兆期間でCZゲームの付与が報知されるため、遊技が単調になることなく遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図50においては、CZゲームを付与することがAT前兆期間中に決定されたときの例を説明したが、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されたときでも同様の処理が行われる。すなわち、タイミングt1からタイミングt3までAT前兆期間に制御され、その間のタイミングt2でCZ当選したときには、CZ前兆演出がそのまま実行される。そして、タイミングt3になると、CZ前兆演出の結果としてCZ当選が報知される。その後、AT前兆期間に制御されてAT前兆演出によってAT当選が報知される。
このように、ナビストックを付与することがCZ前兆期間中に決定されている場合、CZ前兆期間への制御が終了しても、それ以降に制御されるAT前兆期間でナビストックの付与が報知されるため、遊技が単調になることなく遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図50においては、AT抽選を実行した後、AT当選を報知するまでの間においても抽選条件が成立すればAT抽選を実行するものであってもよい。そして、AT当選したときには付与されたナビストック数を未報知のナビストック数に加算してもよい。また、合算したナビストック数は一度に報知してもよいし、複数回に分けて報知してもよい。同様に、CZ抽選を実行した後、CZ当選を報知するまでの間においても抽選条件が成立すればCZ抽選を実行するものであってもよい。そして、CZ当選したときには付与されたCZゲーム数を未報知のCZゲーム数に加算してもよい。また、合算したCZゲーム数は一度に報知してもよいし、複数回に分けて報知してもよい。
また、図50においては、AT前兆期間中にCZ当選した場合について説明したが、AT前兆期間中にCZ当選しなかった場合は、タイミングt3でAT前兆演出によってAT当選が報知される。この場合、その後、CZ非当選を報知するためにCZ前兆期間に制御してもよいし、制御しなくてもよい。
さらに、図50においては、AT当選したときのAT前兆期間中にCZ当選した場合について説明したが、AT非当選したときのAT前兆期間中にCZ当選した場合についても同様の処理が行われる。たとえば、所謂、ガセのAT前兆演出を実行している間にCZ当選した場合であっても、AT前兆演出がそのまま実行され、タイミングt3になると、AT前兆演出の結果としてAT非当選が報知される。
なお、図50においては、AT当選が報知されてATに制御された後にCZ前兆期間に制御されるものであるが、AT当選が報知された後、即座に(たとえば、次のゲームで)、CZ前兆期間に制御されるものであってもよい。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[特典について]
本実施の形態においては、特典として、ナビストックおよびCZゲームを例示するものであったが、これらに限らない。
たとえば、BB当選を特典としてもよい。具体的には、BBと同時当選する役に当選したことを条件にBB前兆演出抽選を実行して、BB当選しているか否かを示唆して報知するBB前兆演出を決定してもよい。そして、BB当選しているか否かを示唆するBB前兆期間に制御するとともに、BB前兆期間中にBB前兆演出を実行してもよい。また、図48、図49、および図50に示す例において、AT前兆演出やCZ前兆演出の代わり、あるいは加えてBB前兆演出を適用し、AT前兆期間やCZ前兆期間の代わり、あるいは加えてBB前兆期間を適用し、AT当選やCZ当選の代わり、あるいは加えてBB当選を適用してもよい。たとえば、図48の例であれば、BB前兆期間中にCZ当選したときには、BB前兆演出をそのまま引き継いでBB前兆演出によってCZ当選を報知してもよい。あるいは、AT前兆期間中にBB当選したときには、AT前兆演出をそのまま引き継いでAT前兆演出によってBB当選を報知してもよい。
また、直接的にメダルの払出率に関わる特典に限らず、キャラクタ画像の画像データや音楽データ、あるいは携帯端末などを用いて景品と交換可能なポイントなど、遊技者にとって有益(有利)となるものであればいずれの特典を適用してもよい。
[抽選条件について]
本実施の形態においては、図46(a)に示す抽選条件が成立したときにCZ抽選が実行され、図46(b),(c)に示す抽選条件が成立したときにAT抽選が実行されるものであった。しかし、抽選条件はその他の条件であってもよい。
たとえば、BB当選したことを抽選条件としてもよいし、いずれかのスイッチが操作されたこと(たとえば、演出によって促されてストップスイッチや演出用スイッチ56が操作されたこと)を抽選条件としてもよい。また、抽選条件は遊技の進行を所定期間に亘り遅延させるフリーズ(たとえば、リールの回転開始タイミングが遅れる制御、スタートスイッチ7やストップスイッチの操作が所定期間に亘り無効になる制御)が発生したことを抽選条件としてもよい。また、通常のスロットゲームと並行してミニゲームを実行し、当該ミニゲームの結果に応じて抽選条件が成立するものであってもよい。
上述したいずれの抽選条件を適用する場合であっても、CZ抽選とAT抽選とでは、共通する抽選条件が存在しない方が好ましい。
[前兆演出について]
本実施の形態においては、前兆期間中は常に前兆演出が実行されるものであったが、これに限らず、前兆期間中のいずれかの期間で前兆演出が実行されるものであってもよい。
本実施の形態においては、図47に示す前兆演出(CZ前兆演出、AT前兆演出)が実行されるものであったが、これに限らず、前兆演出の内容はその他の内容であってもよい。たとえば、前兆期間中においては、背景画像の色が変化したり、通常は表示されないキャラクタの画像が表示されたり、ランプ(演出効果LED52など)の色が変化したりするものであってもよい。
また、本実施の形態においては、AT当選しているか否かに応じてCZ前兆期間のゲーム数やCZ前兆演出における各種演出(チャンス演出、ルーレット演出)のゲーム数が変化するものであった。また、CZ当選しているか否かに応じてAT前兆期間のゲーム数やAT前兆演出における各種演出(トレーニング示唆演出、トレーニング演出、バトル演出)のゲーム数が変化するものであった。しかし、このような演出の変化に限らない。
たとえば、CZ前兆演出における背景画像の色が青色、黄色、赤色の順に遊技者にとっての有利度が高くなるものであれば、AT当選の場合には、背景画像の色が赤色まで変化するのに対して、AT非当選の場合には、背景画像の色が黄色までしか変化しないものであってもよい。また、AT前兆演出におけるキャラクタの画像が子供の画像、青年の画像、老人の画像の順に遊技者にとっての有利度が高くなるものであれば、AT当選の場合には、老人の画像まで変化するのに対して、AT非当選の場合には、青年の画像までしか変化しないものであってもよい。
なお、本実施の形態においては、AT前兆演出とCZ前兆演出とで完全に異なる演出であった。しかし、AT前兆演出抽選によって決定される演出の中には、CZ前兆演出抽選によって決定される演出と共通する演出が含まれていてもよい。
[演出モードについて]
本実施の形態においては、スロットマシン1が、引継モード、切替モード、および後報知モードの3種類の演出モードを備え、予め遊技者がいずれかの演出モードを選択するものであった。しかし、これに限らず、スロットマシンは、3種類の演出モードのうち、いずれか1種類のみを備えてもよいし、いずれか2種類を備えてもよい。
また、AT前兆演出抽選やCZ前兆演出抽選を実行するときに、3種類の演出モードのうちのいずれかの演出モードが抽選によって決定されるものであってもよい。
[信号出力について]
本実施の形態においては、異常(エラー)の例として「投入エラー(セレクターエラー)」や「払出エラー(ホッパーエラー)」を用いて説明したが、電波による異常や、振動によるエラーなど、どのような異常であっても本実施形態を適用可能である。
本実施の形態においては、パラレル・シリアル変換回路1002は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)を、図20(b)に示すように、データフォーマットにてシリアル信号に変換してセキュリティ信号として出力しているが、これに限らない。たとえば、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)をシリアル信号に変換せず、1種類のセキュリティ信号として出力するようにしてもよい。すなわち、どの異常が発生したとしても、1種類のセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。なお、この場合、ホールコンピュータ140は異常が発生したことを検出することはできるが、異常の内容を特定することができない。
また、たとえば、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)をシリアル信号に変換せず、信号ごとに出力端子を設け、そのままパラレルで個別に信号を出力するようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ140は各信号を収集することができるため、異常の内容を特定することができる。また、本実施の形態においては、ビットのON/OFFで各信号の内容を出力しているが、これに限らない。たとえば、コマンドを用いて、各信号の内容を出力するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)と、セキュリティ信号とを異なる端子で出力しているが、これに限らず、パラレル・シリアル変換回路1002は、全ての信号または一部の信号をシリアル信号に変換して同一端子から出力するようにしてもよい。
[エラー処理について]
本実施の形態においては、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、終了処理でエラー処理を行い、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示して異常を報知しているが、これに限らない。たとえば、異常を検出した時点から、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示して異常を報知するようにしてもよい。また、異常の報知方法は、遊技補助表示器12にエラーコードを表示するだけではなく、液晶表示器51にエラー内容など表示するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、終了処理でエラー処理を行っているが、これに限らない。たとえば、リール2L,2C,2Rのいずれも回転していないときにゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、即エラー処理を行うようにしてもよい。すなわち、リール2L,2C,2Rのいずれも回転していないときにゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、セキュリティ信号を即出力するとともに、即遊技の進行を停止するようにしてもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L,2C,2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。