JP5142140B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、スロットマシンなどの回胴式の遊技機に関し、特に、入賞したときに払い出される遊技媒体が次回遊技のベット数に設定される機能付きの特殊小役を設けた遊技機に関する。

一般に、スロットマシン等の遊技機では、制御手段により役抽選を行い、この役抽選で当選した役に対応した図柄が停止して入賞したときには、入賞した役に応じた態様の遊技を行うようになっている。このような役には、後述するＢＢ（ビッグボーナス）役、ＲＢ（レギュラーボーナス）役、ＭＢ（ミドルボーナス）役等の特別役、一般役及び再遊技（リプレイ）役などがある。

このうちの再遊技役は、役抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に対応した図柄が停止して入賞したときに、遊技媒体を投入することなく次回遊技（再遊技）を行うことが可能な役である。すなわち、再遊技役に入賞した場合には、当該遊技のベット数同じ枚数の遊技媒体が、次回遊技のベット数に自動的に設定され、遊技媒体を消費しないで再遊技を行うことができる。

この再遊技役の性質を利用して遊技をより面白くするために、本出願人は、特許第３７９２９６６号（特許文献１）において、一般遊技で用いられる第１確率テーブルよりも再遊技役の当選確率が高く、遊技媒体の獲得枚数が多くなるように設定した第２確率テーブルを備え、所定の移行条件が満たされた場合には、少なくとも複数回の遊技で継続して第２確率テーブルを用いる遊技機を提案している。

このような遊技機によれば、第２確率テーブルを用いた遊技では、第１確率テーブルを用いた遊技と比較して、遊技媒体の所有枚数を減少させることなく遊技を継続することができるとともに、この遊技状態を維持しつつ、特別役の当選を期待することができる。
特許第３７９２９６６号公報 特開２００１−１７０２５６号公報

ところが、従来の再遊技役は、これに入賞した当該遊技のベット数と同じの枚数の遊技媒体を、次回遊技のベット数に自動設定する役であるため、当該遊技のベット数が最大（一般的に３ベット）でない場合は、当該遊技のみならず、次回遊技における特別役や小役の当選確率までもが低い状態となってしまうという問題があった。

すなわち、一般に、役抽選に用いられる確率テーブルの当選確率は、遊技媒体のベット数が最大であるときの方が、最大でないときよりも高く設定されている。このため、遊技者が誤って最大でないベット数を選択してしまった場合には、当該遊技における特別役や小役等の当選確率が低い状態になってしまう。そして、当該遊技で再遊技役に入賞した場合には、次回遊技も最大でないベット数に設定されてしまい、特別役等の当選に期待を持つことができなくなってしまう。

特に、特許文献１のような再遊技役が高確率で当選する第２確率テーブルを用いた遊技状態おいて、遊技者が誤って最大でないベット数を選択してしまった場合は、特別役等の当選確率が低い再遊技が複数回にわたって連続してしまうため、再遊技役高確率状態の利益を享受することができない事態が生じてしまう。

このような再遊技役の問題点を解決するために、出願人は、特開２００１−１７０２５６号（特許文献２）において、再遊技役の当選確率が高い第２確率テーブルを選択可能な状態であっても、ベット数が最大でないときは、再遊技役の当選確率が低い第１確率テーブルを選択する確率テーブル選択手段を備えた遊技機を提案している。

上記構成によれば、再遊技役が高確率で当選する第２確率テーブルを用いた遊技状態おいて、遊技者が誤って１又は２ベットを選択してしまった場合でも、第１確率テーブルを用いた役抽選によって積極的に再遊技役の連続当選が断たれ、最大ベット数を選択する機会が与えられる。

しかし、特許文献２の遊技機によっても、解決課題の冒頭で述べた一般遊技中における再遊技役の問題は解決することができず、最大でないベット数で再遊技役に入賞した当該遊技の後に、特別役等の当選に期待を持てない次回遊技を消化しなければならなかった。

特に、再遊技役は、遊技媒体を投入してベット数を追加したり、ベット数に自動設定された遊技媒体を払い出したりすることができなかったので、たとえ特別役等の当選に期待を持てない次回遊技であっても消化せざるを得なかった。このため、一の遊技機から他の遊技機へ台変えしようとしたときに再遊技役に入賞してしまった場合は、一の遊技機における遊技を区切りのよいところで終了させることができず、最後に無駄な一遊技を消化する手間がかかった。

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、従来の再遊技役に代わる新規な特殊小役を備え、誤って最大でないベット数で特殊小役に入賞してしまった場合でも、次回遊技のベット数を最大とすることができるとともに、特殊小役の入賞によりベット数に自動設定された遊技媒体の払い出しを可能とし、さらに、特殊小役とフリーズ演出とを組み合わせた新たな遊技性を創設することができる遊技機の提供を目的とする。

上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技媒体を投入し、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させて停止させるまでの工程を一単位とする遊技を繰り返し実施可能な遊技機であって、前記遊技媒体のベット数を設定するベット制御手段と、特殊小役を含む複数の役の中から所定役を定める役抽選を行う役抽選手段と、前記特殊小役に入賞したときの入賞処理を行う特殊入賞処理手段とを備え、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、当該遊技のベット数と同じ値とし、前記特殊入賞処理手段が、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定し、その後の所定操作に基づいて前記払出数の遊技媒体を払い出すことが可能な制御、又は次回遊技のベット数に設定しないで、前記払出数の遊技媒体を払い出す制御のいずれか一方の制御を実行する構成としてある。

このような構成によれば、特殊小役に入賞したときの遊技媒体の払出数を、当該遊技のベット数と同じ値とするとともに、この払出数を次回遊技のベット数として自動設定する制御を実行することにより、特殊小役が従来の再遊技役と同様の機能を営むことになる。

そして、特殊小役に追加した新たな機能により、従来の再遊技役が有していた全ての問題点が解消される。すなわち、自動設定されたベット数の遊技媒体の払い出しを可能としたことにより、誤って最大でないベット数で特殊小役に入賞してしまった場合でも、特別役等の当選確率の低い次回遊技をキャンセルすることができる。また、ベット数が自動設定された後に、遊技媒体を投入し又はベットスイッチを押動操作することにより、ベット制御手段が通常のベット制御を実行するので、自動設定されたベット数を最大ベット数とすることも可能であり、特別役等の当選確率を高くして次回遊技を行うこともできる。

ここで、「遊技媒体」には、例えば、コイン、メダル、チップ、球などの遊技を行うために遊技機に投入する媒体が広く含まれる。また、遊技媒体は、現実の物に限定されず、例えば、磁気カードのような電磁的に作用するものも適用可能である。

「ベット」とは、遊技媒体を遊技の賭けの対象とすることをいい、「ベット数」とは、賭けの対象となった遊技媒体の数をいう。ベットは、例えば、メダルなどの遊技媒体を遊技媒体投入口に実際に投入し、又はベットスイッチを操作することで行われる。

遊技媒体の「払い出し」には、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口から払い出すことのほか、所定数の遊技媒体をクレジットすることが含まれる。遊技媒体の「投入」には、遊技機の遊技媒体投入口等にコイン等の遊技媒体を実際に投入することのほか、遊技機の記憶媒体にクレジットされた遊技媒体を用いることが含まれる。

「複数の図柄が表示された複数のリール」には、モータ等によって物理的に回転、停止を行なう現実の物としてのリールのほか、画像表示手段に表示されるＣＧ（コンピュータグラフィック）等を用いた仮想上のリールも含まれる。

一の役を定める「役抽選」は、例えば、発生させた乱数の値によって一つの当選役を定めることが望ましい。乱数の発生については、乱数発生器又はコンピュータ等のソフトウエア上で発生させることも考えられる。

「所定操作」には、遊技機に設けられた操作手段の操作であって、特殊小役に入賞により次回遊技のベット数に設定された遊技媒体を払い出す契機となりうるものが広く含まれる。例えば、クレジットされた遊技媒体を払い出すための精算ボタンを操作することが考えられる。また、特殊な所定操作として、リールを停止させるためのストップスイッチを所定の押し順で操作すること、リールの回転中にベットスイッチやスタートスイッチを操作すること（無効操作）、ストップスイッチ、ベットスイッチ、スタートスイッチ等の２以上の操作手段を組み合わせて同時に操作すること（組合せ操作）、又はいずれかの操作手段を所定時間以上にわたり操作（ex.ボタン等の長押し）すること（継続操作）、所定のスイッチやボタンの操作を所定回数繰り返すこと（操作回数）等としてもよい。

好ましくは、上記遊技機において、前記所定役の入賞又は所定条件を満たすことにより開始される特定遊技の制御を行う遊技制御手段を備え、前記特定遊技を、前記役抽選における前記特殊小役の当選確率を一般遊技と異なる値に設定した特殊小役確率変動状態とした構成とする。

このような構成によれば、従来の再遊技役を特殊小役に置き換えて、従来の再遊技確率変動状態（リプレイタイム＝ＲＴ遊技）に相当する特殊小役確率変動状態を行うことが可能となる。特殊小役確率変動状態には、役抽選における特殊小役の当選確率を一般遊技と異なる値に設定した遊技状態が広く含まれ、例えば、一般遊技と比較して特殊小役の当選確率を高く設定した特殊小役高確率状態のほかに、一般遊技と比較して特殊小役の当選確率を低く設定した遊技状態をも含む。

さらに、本発明における特殊小役確率変動状態では、特殊小役に入賞して自動設定された次回遊技のベット数の遊技媒体を払い出すことが可能であり、また、自動設定された次回遊技のベット数を遊技媒体の投入により追加することができる点で、従来の再遊技確率変動状態と相違している。このような相違点により、特殊小役確率変動状態の最中に誤って最大でないベット数で特殊小役に入賞してしまった場合でも、次回遊技をキャンセルするか、ベット数を追加することで対処することができ、無駄に遊技を消化することなく、特殊小役確率変動状態の利益を享受することが可能となる。

ここで、「特定遊技」には、例えば、ＢＢ遊技等の各種の特別遊技、再遊技確率変動状態、報知遊技（ＡＴ遊技＝アシストタイム）、上述した本発明の特殊小役確率変動状態など、一般遊技よりも遊技者にとって有利に進行する遊技状態が広く含まれる。また、「遊技制御手段」は、主制御回路及び副制御回路を問わず、上述した特定遊技を制御するためのものをいう。

好ましくは、上記遊技機において、前記特殊入賞処理手段が、前記遊技機の遊技状態に応じて、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を次回遊技のベット数に設定するか否か決定し、次回遊技のベット数に設定しない場合は、前記払出数の遊技媒体を払い出す制御を実行する構成とする。

このような構成によれば、例えば、ＢＢ役等の特別役、特殊小役確率変動状態の終了役といった所定役の当選などの遊技状態を、次回遊技のベット数を自動設定しないことによって報知することが可能となる。

すなわち、特殊小役に入賞したときは、次回遊技のベット数が自動設定されるので、遊技者はベットスイッチを操作することなく、スタートスイッチのみを操作して遊技を行うことになる。特に、特殊小役の当選確率を一般遊技よりも高確率に設定した特殊小役確率変動状態では、特殊小役の連続入賞でベット操作が不要となり、スタートスイッチとストップスイッチとを交互に操作してテンポよく一連の遊技を進行させることができる。このような状況で、特殊小役に入賞したにもかかわらずベット数を自動設定しなければ、スタートスイッチを操作しても次回遊技が開始されなくなり、あたかも遊技機の動作制御がフリーズしたような演出（以下、「フリーズ演出」という）となる。このフリーズ演出が遊技者に与える違和感を利用して、種々の遊技状態を遊技者に報知することが可能となる。

好ましくは、上記遊技機において、前記特定役に、当選した権利が持ち越される特別役を含むとともに、前記特定遊技に、前記特別役の入賞によって遊技状態を遊技者にとって有利に進行する特別遊技を含み、前記役抽選において、前記特別役と前記特殊小役とに重複して当選した場合には、前記特殊入賞処理手段が、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定しないで、前記払出数の遊技媒体を払い出す制御を実行する構成とする。

このような構成によれば、役抽選でＢＢ役等の特別役に当選したときに、次回遊技のベット数を自動設定しないことによるフリーズ演出を行い、遊技者に特別役の当選を報知することができる。特に、特殊小役に連続入賞する特殊小役確率変動状態で特別役に当選した場合は、フリーズ演出が遊技者に顕著な違和感を与えるので、特別役の当選を確実に報知することができる。

ここで、「特別役」には、例えば、抽選で所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行う「第１の特別遊技」に移行させることが可能な「第１の特別役」と、一般遊技と第１の特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を行える「第２の特別遊技」に移行させることが可能な「第２の特別役」とが含まれる。

第１の特別役は、特別遊技の１つである第１の特別遊技に移行させる役であり、レギュラーボーナス（ＲＢ）役と呼ばれる役を含むものである。第１の特別遊技は、所定役が高確率で当選する遊技を、一定条件下で所定回数行うことができる。また、第２の特別役は、特別遊技の１つである第２の特別遊技に移行させる役であり、ビッグボーナス（ＢＢ）役と呼ばれる役も含むものである。第２の特別遊技は、一般遊技と第１の特別遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を、遊技媒体の払出数が所定の値に達するまで行うことができる遊技である。

その他、特別役には、いわゆるミドルボーナス（ＭＢ）役、シングルボーナス（ＳＢ）役などが含まれる。ＭＢ役とは、遊技媒体の払出数又は獲得数がＢＢ役とＲＢ役との中間に設定されたボーナス役であり、例えば、少なくとも一のリールをストップスイッチの押動操作から、他のリールと比較して所定の短い時間内に停止させ、いわゆる目押しで所定役の入賞を可能とする遊技を行うものがある。また、ＳＢ役とは、当該役の入賞により特別遊技を１回だけ行うことができるボーナス役である。

また、特別役の「当選した権利が持ち越される」とは、当該遊技の役抽選で内部的に当選したＢＢ役等の特別役のフラグオン状態を、当該遊技及びその後の遊技で入賞するまで維持することをいう。

好ましくは、上記遊技機において、前記特殊入賞処理手段が、前記遊技機の出玉率設定に応じて、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定するか否か決定する構成とする。

このような構成によれば、例えば、遊技機の出玉率設定が１〜４の場合は低い確率で、出玉率設定が５，６の場合は高い確率で、次回遊技のベット数を自動設定しないことによるフリーズ演出を行い、遊技機の出玉率設定を遊技者に報知することができる。上記例示において、一般遊技中の早い時点又は頻繁にフリーズ演出が実行される場合は、遊技機の出玉率設定が高設定であるとの期待を持たせることができ、遊技者の遊技に対する趣向を高めることが可能となる。

このような本発明の遊技機によれば、従来の再遊技役に代わる新規な特殊小役を備え、誤って最大でないベット数で特殊小役に入賞してしまった場合でも、次回遊技のベット数を最大とすることができるとともに、特殊小役の入賞によりベット数に自動設定された遊技媒体の払い出しが可能となる。

すなわち、特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、当該遊技のベット数と同じ値に設定するとともに、この払出数が次回遊技のベット数として自動設定されることにより、特殊小役が従来の再遊技役と同様の機能を営むことになる。

そして、特殊小役に追加した新たな機能により、従来の再遊技役が有していた全ての問題点が解消される。すなわち、自動設定されたベット数の遊技媒体の払い出しを可能としたことにより、誤って最大でないベット数で特殊小役に入賞してしまった場合でも、特別役等の当選確率の低い次回遊技をキャンセルすることができる。また、ベット数が自動設定された後に、遊技媒体を投入し又はベットスイッチを押動操作することにより、ベット制御手段が通常のベット制御を実行するので、自動設定されたベット数を最大ベット数とすることも可能であり、特別役等の当選確率を高くして次回遊技を行うこともできる。

さらに、特殊小役に入賞したときの遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定しないことにより、スタートスイッチを操作しても次回遊技が開始されないフリーズ演出を行うことができ、このフリーズ演出が遊技者に与える違和感を利用して、種々の遊技状態を遊技者に報知することが可能となる。この結果、特別役の当選や出玉率の高設定などを遊技者に期待させることができ、特殊小役とフリーズ演出とを組み合わせた新たな遊技性を創設することが可能となる。

以下、本発明の一実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。

＜スロットマシンの全体構造の説明＞
図１は、本実施形態に係るスロットマシン（遊技機）の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン１０の筐体の前面部には、フロントパネル２０が設けてある。このフロントパネル２０の略中央には、横長矩形の透明な表示窓２０ａが形成してある。

この表示窓２０ａの前面には、５本の入賞ラインが定めてある。これら５本の入賞ラインは、水平の３本（中央Ｌ１、上Ｌ２Ａ、下Ｌ２Ｂ）の入賞ラインと、斜めの２本（斜め右上がりＬ３Ａ，斜め右下がりＬ３Ｂ）の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体（本実施形態ではメダルを用いている。）の枚数により有効となった入賞ライン（以下、入賞ラインと区別するために「有効ライン」と称する）が表示される。

表示窓２０ａの下方には、略水平の操作パネル部３０が設けてある。この操作パネル部３０の左側には、１−ベットスイッチ３４、２−ベットスイッチ３５及び３−ベットスイッチ（最大ベットスイッチ）３６が配設してある。また、操作パネル部３０の右側には、遊技媒体を投入するための遊技媒体投入口３８が設けてある。この遊技媒体投入口３８から規定枚数である１〜３枚の遊技媒体が投入された場合は、その枚数の遊技媒体を遊技の賭けの対象とし、規定枚数を超える遊技媒体が投入された場合には、規定を超える枚数をクレジット数として後述するＲＡＭ１１０（図４参照）に記憶するようになっている。クレジットされた遊技媒体は、遊技媒体投入口３８の下方に設けた精算ボタン３９を操作することにより、遊技媒体払出口６２から払い出すことができる。

１−ベットスイッチ３４は、クレジット数のうちの１枚の遊技媒体を遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。２−ベットスイッチ３５は、クレジット数のうちの２枚の遊技媒体を遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。３−ベットスイッチ３６は、クレジット数のうちの３枚の遊技媒体を遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。

ここで、遊技媒体投入口３８からの投入又は各ベットスイッチ３４、３５及び３６の操作より、遊技媒体を遊技の賭けの対象とすることを「ベット」といい、ベットされた遊技媒体の枚数を「ベット数」という。この「ベット数」は、ＲＡＭ１１０に記憶されることにより「設定」される。また、後述する「特殊小役」又は「再遊技役」に入賞した場合は、これらの役に入賞した当該遊技のベット数と同じの枚数の遊技媒体が、次回遊技のベット数に「自動設定」される。

１枚の遊技媒体がベット（１ベット）されたときには、５本の入賞ラインのうちの１本、例えば、入賞ラインＬ１が有効化される。また、２枚の遊技媒体がベット（２ベット）されたときには、５本の入賞ラインのうちの３本、例えば、入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ及びＬ２Ｂが有効化される。さらに、３枚の遊技媒体がベット（３ベット）されたときには、５本の入賞ラインの全て、すなわち、Ｌ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ及びＬ３Ｂが有効化される。有効化された入賞ラインは、フロントパネル２０の内側に配設したランプ手段２１（図３及び図５参照）を点灯させて明示される。

また、スロットマシン１０の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示手段７０が設けてある。なお、画像表示手段７０は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。

スロットマシン１０の筐体の内部には、３個のリール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒが回転自在に設けてある。各リール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、図２に示すような２１個の図柄が描かれている。これら図柄の配列は、リール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒごとにそれぞれ異なっている。各リール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒは、上述した表示窓２０ａを介してそれぞれ視認可能となっている。３本のリール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒが停止した場合には、表示窓２０ａを介して合計９つの図柄が視認可能となる（図２中の鎖線枠を参照）。

後述するように、各リール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒは、それぞれ図３又は図４に示すステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒにより回転駆動され、表示窓２０ａにおいて、各リール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。

操作パネル部３０の前面の左側には、スタートスイッチ（スタートレバー）５０が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部３０の前面の中央部には、３つのストップスイッチ５２Ｌ，５２Ｃ及び５２Ｒが設けてある。ストップスイッチ５２Ｌは左リール４０Ｌに対応し、ストップスイッチ５２Ｃは中リール４０Ｃに対応し、ストップスイッチ５２Ｒは右リール４０Ｒに対応している。

遊技者が、スタートスイッチ５０を傾動操作すると、上述した３つのリール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒが一斉に回転を開始する。これらリール４０Ｌ，４０Ｃ及び４０Ｒの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ５２Ｌ，５２Ｃ及び５２Ｒの操作が有効となる。

遊技者が、ストップスイッチ５２Ｌを押動操作すると左リール４０Ｌが停止する。ストップスイッチ５２Ｃを押動操作すると中リール４０Ｃが停止する。ストップスイッチ５２Ｒを押動操作すると右リール４０Ｒが停止する。

各リール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した５つの入賞ラインＬ１、Ｌ２Ａ、Ｌ２Ｂ、Ｌ３Ａ及びＬ３Ｂ上に位置付けられるように停止制御している。

スロットマシン１０の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納したスピーカ（図５に示すスピーカ６４参照）から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴６０が設けてある。スロットマシン１０の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口６２が設けてある。各リール４０Ｌ、４０Ｃ又は４０Ｒが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口６２から払い出すようになっている。

上述したように、スロットマシン１０における遊技は、停止させた複数のリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ５０を遊技者が傾動操作するたびに行われ、複数のリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転開始から回転停止までの行程を１単位の遊技として、繰り返し行うことができる。

＜役と図柄の組み合せ＞
図２に示すリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの図柄の組み合わせは、例えば、図１７の一般抽選表に示すような「小役１〜５」、「特殊小役」、「再遊技役」、「ＭＢ役」、「ＢＢ役」、「はずれ」といった複数種類の役を形成する。以下、図１７に示す役名称及び図柄の組み合わせと、図２に示す図柄との対応関係について説明する。

なお、図２及び図１７（図１４〜１６も同様）は例示であり、図柄のデザイン、配列、組み合せ、役の種類や数は自由に設定することができる。特に、本実施形態における「特殊小役」は、従来の「再遊技役」の問題を解決するための新規な役であり、本実施形態では、新規な「特殊小役」との比較のために従来の「再遊技役」を設けたが、この「再遊技役」を省略することも可能である。

「小役１」は、左中右リールを全て「ベル」（図２の左欄０番の図柄参照）で揃えることにより入賞する役である。例えば、この「小役１」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中及び特別遊技中のいずれで入賞した場合も１５枚に設定することが可能である。

「小役２」は、左中右リールを全て「スイカ」（図２の左欄１２番の図柄参照）で揃えることにより入賞する役である。例えば、この「小役２」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中に入賞した場合は５枚、特別遊技中に入賞した場合は１５枚に設定することが可能である。

「小役３」は、左リールのみを「赤チェリー」の図柄（図２の左欄６番の図柄参照）で停止させることにより入賞する役である。「小役４」は、左リールを「白チェリー」（図２の左欄２０番の図柄参照）で停止させることにより入賞する役である。「小役５」は、左リールを「青チェリー」（図２の左欄１３番の図柄参照）で停止させることにより入賞する役である。例えば、これら「小役３」、「小役４」及び「小役５」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中に入賞した場合は２枚、特別遊技中に入賞した場合は１５枚に設定することが可能である。

なお、本実施形態では、一般遊技や特別遊技といった遊技状態に応じて、上述した小役２〜５に入賞した場合の遊技媒体の払出枚数を変化させているが、これに限定されるものではなく、例えば、当該遊技でベットされた遊技媒体の枚数に応じて、小役に入賞した場合の遊技媒体の払出枚数を変化させることとしてもよい。例えば、ＢＢ遊技中において、所定の小役に３ベットで入賞した場合は５枚の遊技媒体を払い出し、１ベットで入賞した場合は１５枚の遊技媒体を払い出すこととしてもよい。

ここで、本スロットマシン１０の特徴の一つである「特殊小役」は、左中リールを「Ｒ（リプレイの頭文字）」（図２の左欄１８番の図柄参照）、右リールを「ベル」で揃えることにより入賞する役である。この「特殊小役」は、後述する「再遊技役」に代わる新規な役である。なお、特殊小役の図柄は、本実施形態のように「リプレイ」を連想させるものに限らず、自由な図柄デザインとすることができる。また、本実施形態では、「特殊小役」の図柄として「再遊技役」と共通の図柄「Ｒ」を用いたが、「特殊小役」に専用の図柄を設けてもよい。

「特殊小役」の遊技媒体の払出枚数は、この「特殊小役」に入賞した当該遊技のベット数と同じ値に設定してあり、この払出枚数の遊技媒体が次回遊技のベット数として自動設定される。これにより「特殊小役」は、後述する「再遊技役」と同様の機能を営むことになる。

また、「特殊小役」は、後述する「再遊技役」と異なり、ベット数に自動設定された遊技媒体を、例えば、精算ボタン３９（図１及び図４参照）を操作する等の所定操作によって払い出し可能となっている。さらに、自動設定されたベット数が１又は２ベットの場合は、遊技媒体投入口３８から遊技媒体を投入すること、又は２−ベットスイッチ３５、１−ベットスイッチ３４を操作することによって、ベット数を３ベットに追加することが可能となっている。これにより、誤って１又は２ベットで「特殊小役」に入賞してしまった場合でも、自動設定されたベット数の遊技媒体を払い出すか、遊技媒体を追加投入してベット数を最大とすることで対処することができ、特別役等の当選確率が低い状態の遊技を無駄に消化することがなくなる。

なお、自動設定されたベット数の遊技媒体を払い出すための所定操作は、上述した精算ボタン３９の操作に限らず、遊技媒体を払い出す契機となる操作が広く含まれる。例えば、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを停止させるためのストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒを所定の押し順で操作すること、又はリール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒの回転中に３−ベットスイッチ３６やスタートスイッチ５０を操作することが含まれる（無効操作）。また、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒ、３−ベットスイッチ３６、スタートスイッチ５０等の複数の操作手段を組み合わせて同時に操作すること（組合せ操作）、又はいずれかの操作手段を所定時間以上にわたり操作（ex.３−ベットスイッチ３６の長押し）すること（継続操作）、所定のスイッチやボタンの操作を所定回数繰り返すこと（操作回数）等としてもよい。以下、自動設定されたベット数の遊技媒体を払い出すための操作を、単に「所定操作」と総称する。

「再遊技役」は、左中右リールを全て「特殊図柄」で揃えることにより入賞する役である。この「再遊技役」に入賞した場合は、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体が次回遊技のベット数として自動設定される。但し、「再遊技役」は、自動設定されたベット数の遊技媒体を払い出すことができない点、遊技媒体を追加投入して自動設定されたベット数を最大とすることができない点で上述した「特殊小役」と異なる。

「ＭＢ役」は、左中リールをそれぞれ「赤７」（図２の左欄１７番の図柄参照）、右リールを「青ＢＡＲ」（図２の左欄３番の図柄参照）で揃えることにより入賞する役である。この「ＭＢ役」に入賞した場合は所定枚数の遊技媒体（例えば、２５４枚）の払い出しを限度にＭＢ遊技を行うことができる。

このＭＢ遊技では、左リールをストップスイッチの押動操作から所定の短い時間内（ex.７５ｍｓ以内）に停止させるリール制御が行われ、いわゆる目押しにより左リールが「ベル」、「赤チェリー」、「白チェリー」又は「青チェリー」のいずれかで停止するようにしてある（図２の左欄の「ベル」、「赤チェリー」、「白チェリー」及び「青チェリー」の図柄配置を参照）。そして、左→中→右の順番でストップスイッチを押動操作することにより、中右リールにそれぞれ「ベル」が揃って「小役１」、「小役２」又は「小役４」のいずれかに入賞するようにしてある（図１５のＭＢ作動時抽選表を参照）。

「ＢＢ役」は、左中右リールを全て「赤７」で揃えることにより入賞する役である。「ＢＢ役」に入賞した場合は、所定枚数の遊技媒体（例えば、３４６枚）の払い出しを限度にＢＢ遊技を行うことができる。このＢＢ遊技は、一般遊技と、所定小役（本実施形態では「小役１」）が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技媒体の払出枚数が所定枚数以上に達するまで繰り返し行うことができる遊技である。

＜機能ブロック図の説明＞
図３は、スロットマシン１０の制御に関する機能ブロック図である。同図において、制御回路として、主制御回路１００と副制御回路２００とが電気的に接続してある。主制御回路１００には、操作手段３００が電気的に接続してあるとともに、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの各々に設けたステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒが電気的に接続してある。副制御回路２００には、報知手段６００が電気的に接続してあり、この報知手段６００には、画像表示手段７０と、ランプ手段２１と、スピーカ６４とが含まれている。

操作手段３００には、停止操作手段３１０と、スタートスイッチ５０と、各ベットスイッチ３４、３５及び３６と、精算ボタン３９とが含まれる。また、停止操作手段３１０は、３つのストップスイッチ５２Ｌ，５２Ｃ及び５２Ｒから構成してある。なお、これらの操作手段３００は、スイッチやボタンに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。

＜＜主制御回路１００の説明＞＞
主制御回路１００は、ベット制御手段４００と、役抽選手段４１０と、特殊入賞処理手段４４０と、リール制御手段４２０と、遊技制御手段４３０とを含んでいる。

ベット制御手段４００は、遊技媒体投入口３８の下部に設置した遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数、又は各べットスイッチ３４、３５及び３６が操作されたときに発信されるベット操作信号に基づいて新たなベット数を設定する。その他、ベット制御手段４００は、必要に応じてクレジット数からベット数を減算する。また、ベット制御手段４００は、上述した全ての処理の結果を信号に変換して副制御回路２００へ送信する。さらに、当該遊技において特殊小役に入賞した場合は、次に述べる特殊入賞処理手段４４０が、ベット制御手段４００に代わって次回遊技のベット数の自動設定等の制御を実行する。

特殊入賞処理手段４４０は、特殊小役に入賞したときの入賞処理を行うものであり、特殊小役に入賞したときの遊技媒体の払出数を次回遊技のベット数に自動設定する。すなわち、特殊小役に入賞した当該遊技のベット数を次回遊技のベット数に自動設定する。また、特殊入賞処理手段４４０は、次回遊技のベット数を設定した後に遊技媒体が追加投入された場合には、自動設定したベット数に、追加投入された遊技媒体の枚数を加算した新たなベット数を設定する。さらに、特殊入賞処理手段４４０は、次回遊技のベット数を自動設定又は追加設定した後に所定操作が行われた場合には、ベット数を「０」に再設定するとともに、ベット数と同数の遊技媒体を払い出す制御を実行する。

役抽選手段４１０は、役抽選処理によって、上述した役の抽選を行うものである。役抽選手段４１０は、例えば、役抽選用の乱数発生器４１２（ハード乱数等）と、この乱数発生器４１２が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段４１４と、乱数抽出手段４１４が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段４１６とを備えている。

リール制御手段４２０は、スタートスイッチ５０から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒの制御を行って、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを回転させ、そして、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒから発信されたリール停止信号の受信又は所定時間の経過によって、リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組み合わせ制御を行う。

遊技制御手段４３０は、役抽選処理で特別役、小役、特殊小役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した制御処理を進める。

遊技制御手段４３０は、特別遊技制御手段４３１と、特殊小役確率変動状態制御手段４３２とを含み、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、ＢＢ遊技等の特別遊技と、本スロットマシン１０の特徴の一つである特殊小役確率変動状態とに関する制御処理を行っている。

特別遊技制御手段４３１は、ＢＢ遊技及びＭＢ遊技、これら特別遊技中における所定枚数の遊技媒体の払い出しなどの制御を行う。

特殊小役確率変動状態制御手段４３２は、所定の開始条件が満たされたときに、遊技状態を、役抽選で特殊小役の当選確率が極めて高くなる特殊小役確率変動状態に変更し、その後、所定の終了条件が満たされたときに特殊小役確率変動状態を終了させる制御を行う。特殊小役確率変動状態は、従来の再遊技確率変動状態（ＲＴ遊技＝リプレイタイム）に代わる遊技状態であり、特殊小役に当選した後の次回遊技で自動設定されたベット数の遊技媒体を払い出し、又は自動設定されたベット数を追加することが可能な点で、従来の再遊技高確率変動状態と相違する。

特殊小役確率変動状態は、例えば、特別遊技の終了、一般遊技中の所定図柄への入賞を開始条件とし、また、特殊小役確率変動状態中における所定回数の遊技の消化、特殊小役確率変動状態中における特別役の当選又は入賞を終了条件とすることが可能である。

特殊小役確率変動状態では、図１６に示す特殊小役確率変動状態抽選表を用いて役抽選が行われる。この抽選表では、特殊小役の当選確率が「１／１．５４」（６５％）に設定されており、図１７に示す一般抽選表における特殊小役の当選確率「１／７．３」（１４％）と比較して、極めて高い当選確率となっている。

なお、図１６に示す特殊小役確率変動状態の実施例では、特殊小役の当選確率を図１７の一般遊技中よりも高く設定したが、本発明における特殊確率変動状態は、これに限定されるものではない。例えば、図１６の一般抽選表に単一又は複数の特殊小役１、２、３…を設定し、図１７の特殊小役確率変動状態抽選表において、単一又は複数の特殊小役１、２、３…のいずれか一以上の当選確率を一般遊技よりも高く又は低く設定してもよい。また、図１７の特殊小役確率変動状態抽選表において、複数の特殊小役１、２、３…の当選確率を高く設定したもの、低く設定したもの、設定変更しないものを混在させてもよい。

＜＜副制御回路２００の説明＞＞
副制御回路２００は、画像、音及び光を用いた演出を行う演出制御手段２１０を有し、演出制御手段２１０には、画像制御手段５００と、ランプ制御手段５２０と、音声制御手段５３０とが含まれている。

画像制御手段５００は、主に、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、図５に示すＲＯＭ２０８に記憶された各種画像データを読み出し、報知手段６００の画像表示手段７０に所定の演出画像を表示させる。

ランプ制御手段５２０は、主制御回路１００から受信した信号に基づいて、ＲＯＭ２０８に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路２２２（図５参照）を制御して、報知手段６００中のランプ手段２１を点灯させる。

音声制御手段５３０は、上述したように遊技中のＢＧＭや効果音の制御を行うものである。この音声制御手段５３０は、主制御回路１００から受信した信号に基づいてＲＯＭ２０８（図５参照）に記憶した音声データを読み出し、スピーカ駆動回路２２４（図５参照）を制御して、報知手段６００のスピーカ６４から所定の音声を発する。

＜スロットマシン１０の制御手段の説明＞
スロットマシン１０を制御する制御手段は、上述のように主制御回路１００と副制御回路２００とで構成してある。ここで、図４は、主制御回路１００のブロック図を示し、図５は、主制御回路１００に電気的に接続した副制御回路２００のブロック図を示す。

＜＜主制御回路１００＞＞
図４において、上述したスタートスイッチ５０は、主制御回路１００のインターフェイス回路１０２に接続してあり、インターフェイス回路１０２は、入出力バス１０４に接続してある。スタートスイッチ５０から発信されたリール回転開始信号は、インターフェイス回路１０２において所望の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。この入出力バス１０４を介して、中央処理回路（以下、ＣＰＵと称する）１０６にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。

また、上述したインターフェイス回路１０２には、各ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒ、各ベットスイッチ３４、３５、３６、及び精算ボタン３９も接続してある。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路１０２に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス１０４を介してＣＰＵ１０６に供給される。

上述した入出力バス１０４には、ＲＯＭ１０８及びＲＡＭ１１０も接続してある。ＲＯＭ１０８は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図６に示すメインルーチン、図７〜図１３に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、ＲＡＭ１１０は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。

入出力バス１０４には、乱数を発生させるための乱数発生器４１２も接続されている。乱数発生器４１２は、一定の範囲の数値、例えば、０〜６５５３５（２の１６乗）に含まれる乱数を発生させる。なお、ＣＰＵ１０６の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。

入出力バス１０４には、モータ駆動回路１１４が接続してある。このモータ駆動回路１１４には、上述した３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒのそれぞれを回転駆動するステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒが接続してある。ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒは、３つのリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの内部にそれぞれ設けてあり、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの回転シャフトがリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転中心となるように取り付けてある。

ＣＰＵ１０６から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路１１４により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒに供給される。なお、ＣＰＵ１０６からの駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ及び８０Ｒの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行っている。

リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒには、回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ（図示せず）がそれぞれ設けてあり、各回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路１１６に接続してある。各回転角度位置センサから発せられたリール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの回転角度位置を示す信号は、リール回転角度位置検出回路１１６に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス１０４に供給される。ＣＰＵ１０６は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、フロントパネル２０の表示窓２０ａの位置で停止している図柄を特定する。

さらに、インターフェイス回路１０２には、接続線１１８も接続してある。この接続線１１８によって、主制御回路１００に副制御回路２００を電気的に接続してある。

＜＜副制御回路２００＞＞
図５において、上述した接続線１１８は、副制御回路２００のインターフェイス回路２０２に接続してあり、インターフェイス回路２０２は、入出力バス２０４に接続してある。主制御回路１００から副制御回路２００に送信された信号は、インターフェイス回路２０２において所望の信号に変換された後、入出力バス２０４に供給される。この入出力バス２０４を介して、中央処理回路（以下、ＣＰＵと称する）２０６にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。

上述した入出力バス２０４には、ＲＯＭ２０８及びＲＡＭ２１０も接続してある。ＲＯＭ２０８は、表示駆動装置２２１、ランプ駆動回路２２２及びスピーカ駆動回路２２４を制御する制御プログラムや、この制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、画像表示手段７０に表示される種々の演出画像の制御プログラム、ランプ手段２１を点灯させるための制御プログラム、スピーカ６４からＢＧＭや効果音等の音声を発するための音声データを記憶している。

すなわち、ＣＰＵ２０６は、主制御回路１００から供給される制御信号に応じてＲＯＭ２０８に記憶されている画像、ランプ点灯及び音声に関するデータを読み出し、そのデータを表示駆動装置２２１、ランプ駆動回路２２２及びスピーカ駆動回路２２４に供給する。これにより、画像表示手段７０に演出画像が表示され、ランプ手段２１が点灯し、及びスピーカ６４から所定の音声が発せられる。

＜スロットマシン１０の制御処理の説明＞
以下に、上述したスロットマシン１０の制御手段において行われる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。

図６はスロットマシン１０の主制御回路１００で行われる制御処理のメインルーチンを示す。図７〜図１１はメインルーチンで行われる制御処理である各サブルーチンを示す。

図７は役抽選手段４１０により行われる役抽選と、役抽選に引き続き行われるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図８はリール制御手段４２０により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図９はリール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図１０はフラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である入賞判定処理サブルーチンを示す。図１１は特殊入賞処理手段４４０による特殊小役入賞時処理サブルーチンを示す。

以下に説明する制御処理においては、スロットマシン１０は予め起動されており、上述したスロットマシン１０の主制御回路１００や副制御回路２００において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。また、図１１の特殊小役入賞時処理サブルーチンについては、メインルーチンの説明後に別途詳述する。

＜＜メインルーチンの説明＞＞
図６のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、１回行うときの制御処理を示す。

まず、ステップＳ１０において、ベット制御手段４００が、再遊技状態に設定されているか否かを判断する。再遊技状態に設定されているか否かは、図１０の入賞判定処理サブルーチンのステップＳ８７における再遊技役フラグのオフ処理に基づいて判断される。

ステップＳ１０において、再遊技状態に設定されていないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ１１に進み、遊技媒体が投入されたか否かを判断する。遊技媒体が投入されたと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１４に進み、ベット制御手段４００が、投入枚数をベット数として検出する。なお、遊技媒体が投入された場合のベット数は、遊技媒体投入口３８の下部に設置された遊技媒体カウンタによって検出される。

一方、ステップＳ１１において、遊技媒体が投入されていないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ１２に進み、クレジットされた遊技媒体があるか否かを判断する。クレジットされた遊技媒体があると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１３に進み、各ベットスイッチ３４、３５又は３６のいずれかがオンされたか否かを判断する。各ベットスイッチ３４、３５又は３６のいずれかがオンされたと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１４に進み、各ベットスイッチ３４、３５又は３６からの操作信号に基づいてベット数を検出する。

ステップＳ１４においてベット数が検出された場合は、ステップＳ１５に進み、ベット制御手段４００が、検出されたベット数をＲＡＭ１１０に記憶してベット数を設定する。なお、規定枚数（本実施形態では３枚）を越える枚数の遊技媒体が投入された場合には、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット数としてＲＡＭ１１０に記憶される。

一方、ステップＳ１２においてクレジットされた遊技媒体がないと判別した場合（ＮＯ）、ステップＳ１３において各ベットスイッチ３４、３５及び３６のいずれもがオンされていないと判別した場合（ＮＯ）は、ベット数を検出することができないので、ステップＳ１１〜Ｓ１３の判断を繰り返す。

ここで、ステップＳ１０に戻り、ベット制御手段４００が、再遊技状態に設定されていると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１６に進み、再遊技状態の設定を解除する。この場合は、ステップＳ１４において、再遊技役に入賞した当該遊技のベット数が検出され、このベット数と同じ枚数の遊技媒体が次回遊技のベット数に設定される（ステップＳ１５）。これにより、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費したりすることなく、再遊技を行うことができる。

なお、後述するステップＳ２１において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したと判別した場合（ＹＥＳ）は、上述したベット制御手段４００によるステップＳ１０〜Ｓ１６の代わりに、特殊入賞処理手段４４０が、次回遊技のベット数の自動設定等の制御を実行する（ステップＳ２３）。

次いで、ステップＳ１７に進み、スタートスイッチ５０がオンされたか否かを判断する。スタートスイッチ５０がオンされていないと判別した場合（ＮＯ）は、このステップＳ１７の判断を繰り返す。一方、スタートスイッチ５０がオンされたと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１８の役抽選処理サブルーチンに進む。

ステップＳ１８の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段４１０による役抽選処理が行われ、当選した役に応じて、ＢＢ役フラグ、ＭＢ役フラグ、再遊技役フラグ、その他小役１〜５及び特殊小役のいずれかに対応する小役フラグをオンにする等のフラグオン処理が行われる。このサブルーチンの詳細については、図７のフローチャートを用いて後述する。

役抽選処理サブルーチン（ステップＳ１８）に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１９）が行われる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段４２０によって行われ、このサブルーチンの詳細については、図８のフローチャートを用いて後述する。

次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理・入賞判定処理サブルーチン（ステップＳ２０）が行われる。このサブルーチンの詳細については、図９及び図１０のフローチャートを用いて後述する。

そして、ステップＳ２１に進み、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したか否かを判断する。この判断は、特殊小役に入賞したか否かは、図１０の入賞判定処理サブルーチンのステップＳ８８における特殊小役フラグのオフ処理に基づいて判断される。

ステップＳ２１において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ２２に進み、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応する所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理（ステップＳ２１）が行われる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口６２から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。

一方、ステップＳ２１において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ２３に進み、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を、次回遊技のベット数に自動設定するなどの制御を実行する。特殊入賞処理手段４４０による制御処理については、図１１のフローチャートを用いて後述する。

以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。

なお、図６のメインルーチンには示していないが、例えば、遊技媒体の投入の検出、３−ベットスイッチ３６の押動操作、スタートスイッチ５０の傾動操作、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ及び５２Ｒの押動操作などがあった場合は、各検出又は操作ごとに主制御回路１００から副制御回路２００へ信号が送信される。また、役抽選の結果や役の入賞等に関する信号も主制御回路１００から副制御回路２００へ送信される。

＜＜役抽選処理サブルーチン＞＞
図７を用いて役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。まず、遊技の態様がＢＢ遊技中であるか否かを判断する（ステップＳ３０）。遊技の態様がＢＢ遊技中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ＲＯＭ１０８に記憶されたＢＢ作動時抽選表を読み出す（ステップＳ３１）。ここで、ＢＢ作動時抽選表の実施例を図１４に示す。

図１４に示すＢＢ作動時抽選表では、図柄番号１〜５の小役１〜５と、図柄番号６のはずれとが設定してあり、例えば、小役１が当選した場合には、３つのリール全てに「ベル」の図柄が揃うと入賞するように設定してある。後述するステップＳ３９で行う役抽選において、小役１の当選確率を「１／１．５１」（６６．２５％）と非常に高く設定してあり、逆に、はずれの確率を「１／３．５」（２８．７５％）と低く設定してある。このようにＢＢ遊技中は、遊技媒体の払出枚数が１５枚の小役１に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。

ステップＳ３０において、遊技の態様がＢＢ遊技中ではないと判別した場合（ＮＯ）には、ステップＳ３２に進み、遊技の態様がＭＢ遊技中であるか否かを判断する。遊技の態様がＭＢ遊技中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ＲＯＭ１０８に記憶されたＭＢ作動時抽選表を読み出す（ステップＳ３３）。ここで、ＭＢ作動時抽選表の実施例を図１５に示す。

図１５に示すＭＢ作動時抽選表には、説明の便宜上、図柄番号１〜５の小役１〜５が含まれているが、これら小役１〜５のうち小役１、小役３〜５は、ＭＢ遊技中の役抽選の対象にはなっていない。上述したように、ＭＢ遊技中は抽選によらずに小役１、小役３〜５を目押しで入賞させることが可能なリール制御が行われる。本実施形態のＭＢ遊技では、図柄番号２の小役２、図柄番号６のはずれの抽選を行っている。本実施形態では、小役２の当選確率を「１／８．８９」（１１．２５％）、はずれを「１／１．１２７」（８８．７５％）に設定してある。

なお、本実施形態では、図１４のＢＢ作動時抽選表及び図１５のＭＢ作動時抽選表に特殊小役を含めなかったが、これら抽選表に特殊小役を含めて、ＢＢ遊技中又はＭＢ遊技中に特殊小役に当選可能なようにしてもよい。

ステップＳ３２において、遊技の態様がＭＢ遊技中でないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ３４に進み、遊技状態が特殊小役確率変動状態中であるか否かを判断する。遊技状態が特殊小役確率変動状態であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ＲＯＭ１０８に記憶された特殊小役確率変動状態抽選表を読み出す（ステップＳ３５）。ここで、特殊小役確率変動状態抽選表の実施例を図１６に示す。

図１６に示す特殊小役確率変動状態抽選表では、上述したように、特殊小役の当選確率を「１／１．５４」（６４％）と非常に高く設定してあり、はずれの当選確率を「１／１４．９７」（６．６８％）と非常に低く設定してある。このような当選確率により、特殊小役確率変動状態中は、特殊小役の入賞が連続し、遊技媒体を消費することなく所定回数の遊技を行うことができるようになっている。

ステップＳ３４において、遊技の態様が特殊小役確率変動状態中でないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ３６に進み、ＲＯＭ１０８に記憶された一般抽選表を読み出す。ここで、一般抽選表の実施例を図１７に示す。

図１７に示す一般抽選表は、ＢＢ遊技、ＭＢ遊技、特殊小役確率変動状態ではない通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号１〜５の小役１〜５、図柄番号６の特殊小役、図柄番号７の再遊技役、図柄番号８のＭＢ役、図柄番号９のＢＢ役、図柄番号１０のはずれが設定されている。

以上のようなステップＳ３１、Ｓ３３、Ｓ３５又はＳ３６において、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、ステップＳ３９に進み、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する。

その後、ステップＳ４０〜Ｓ４７において抽選結果の判定と必要なフラグオン処理とを行う。すなわち、ステップＳ４０、Ｓ４２、Ｓ４４、Ｓ４６において、ＢＢ役、ＭＢ役、特殊小役、その他の小役に当選したか否かを判断する。そして、これらのステップでいずれかの役に当選していると判別した場合（ＹＥＳ）は、当選した役に対応するＢＢ役フラグ、ＭＢ役フラグ、再遊技役フラグ、その他小役１〜５及び特殊小役のいずれかに対応する小役フラグをオンに設定する（ステップＳ４１、Ｓ４３、Ｓ４５、Ｓ４７）。

これらステップＳ４１、Ｓ４３、Ｓ４５、Ｓ４７のフラグ処理が終了した後は、ステップＳ４８へ進み、役抽選の結果に関する信号を副制御回路２００へ送信する。そして、当選した図柄番号、図柄データをＲＡＭ１１０に記憶する（ステップＳ４９）。また、ステップＳ４６において、いずれの小役にも当選していないと判別した場合（ＮＯ）も、ステップＳ４８へ進み、副制御回路２００へ信号を送信する。この場合は、はずれの図柄番号、制御図柄データをＲＡＭ１１０に記憶する（ステップＳ４９）。

ステップＳ４９においてＲＡＭ１１０に記憶した図柄番号、制御図柄データは、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いられる。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。

＜＜リール変動・停止サブルーチン＞＞
次に、図６のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン（ステップＳ１８）が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１９）を行う。図８を用いてリールの変動・停止制御について説明する。

まず、図７のステップＳ４９で記憶した図柄番号と制御図柄データとを読み出す（ステップＳ６１）。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う（ステップＳ６２）。最短時間が経過していないと判別した場合（ＮＯ）は、このステップＳ６２の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようにしている。この制御によって、一定時間に行われる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。

ステップＳ６２において、最短時間が経過したと判別した場合（ＹＥＳ）は、リール回転開始信号を発信する（ステップＳ６３）。この信号に基づいて、図４のモータ駆動回路１１４が作動して、ステッピングモータ８０Ｌ、８０Ｃ、８０Ｒの回転を開始し、各リール４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒが回転を始める。

次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する（ステップＳ６４）。リールの回転がまだ定速回転になっていないと判別した場合（ＮＯ）は、このステップＳ６４の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようにしている。

ステップＳ６４において、リールの回転が定速回転になっていると判別した場合（ＹＥＳ）は、リール停止信号を受信したか否かを判断する（ステップＳ６５〜Ｓ６７）。

リール停止信号は、ストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒのうち、遊技者が何れか１つのスイッチを押動操作したときに発信される。すなわち、ステップＳ６５において第１リール用のストップスイッチ５２Ｌが押動操作された場合（ＹＥＳ）は、第１リール停止信号（操作信号）が発信され、第１リール４０Ｌを回転させるステッピングモータ８０Ｌの停止制御を行う（ステップＳ６８）。同様に、ステップＳ６６において第２リール用のストップスイッチ５２Ｃが押動操作された場合（ＹＥＳ）は、第２リール停止信号（操作信号）が発信され、第２リール４０Ｃを回転させるステッピングモータ８０Ｃの停止制御を行う（ステップＳ６８）。また、ステップＳ６７において第３リール用のストップスイッチ５２Ｒが押動操作された場合（ＹＥＳ）は、第３リール停止信号（操作信号）が発信され、第３リール４０Ｒを回転させるステッピングモータ８０Ｒの停止制御を行う（ステップＳ６８）。

第１リール停止信号、第２リール停止信号又は第３リール停止信号のいずれも受信しないと判別したときは、ステップＳ６５〜Ｓ６７の判断処理を繰り返し行い、ステップＳ６８の停止制御は行わない。一方、第１リール停止信号、第２リール停止信号又は第３リール停止信号のいずれか１つを受信したと判別したときには、ステップＳ６８へ進む。

ステップＳ６８では、当選した役があるか否かを判別し、当選した役があると判別した場合、入賞ライン（図１中のＬ１，Ｌ２Ａ，Ｌ２Ｂ，Ｌ３Ａ，Ｌ３Ｂ参照）上に停止可能な範囲内に当選した役に対応する図柄があるときには、その図柄を入賞ライン上に停止させる。

また、上述したように、遊技の状態がＭＢ遊技中の場合には、ステップＳ６８において、左リール４０Ｌをストップスイッチ５２Ｌの押動操作から所定の短い時間内（ex.７５ｍｓ以内）に停止させるリール制御を行い、左リール４０Ｌを「ベル」、「赤チェリー」、「白チェリー」又は「青チェリー」のいずれかで停止させる制御が行われる。

このとき左→中→右の順番でストップスイッチ５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒが押動操作された場合には、中右リール４０Ｃ、４０Ｒにそれぞれ「ベル」が揃って小役１、小役１又は小役３〜５のいずれかに入賞させるリール制御が行われる。

その後、ステップＳ６９に進み、全リールが停止したか否かを判断し、全リールが停止していないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ６５に戻り、全リールが停止するまで、ステップＳＳ６５〜Ｓ６７のいずれかの判断処理と、ステップＳ６８の停止制御と、ステップＳ６９の全リール停止の判断とを繰り返す。一方、全リールが停止したと判別した場合（ＹＥＳ）は、そのまま本サブルーチンを終了する。

＜＜フラグオフ処理サブルーチン＞＞
図６のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン（ステップＳ１９）が終了すると、次に、入賞判定を含むフラグオフ処理・入賞判定処理サブルーチン（ステップＳ２０）を行う。図９を用いてフラグオフ処理について説明する。

ステップＳ７１において、遊技状態がＢＢ遊技（変換ＢＢ遊技を含む）中であるか否かを判断する。ＢＢ遊技中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ７２に進み、ＢＢ遊技処理を行う。

ＢＢ遊技処理では、所定の終了条件に達するまで、図１４のＢＢ作動時抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。この終了条件として、例えば、ＢＢ遊技中における遊技媒体の払出枚数又は獲得枚数、遊技回数又は入賞回数などを設定することができる。本実施形態では、ＢＢ役に入賞した場合のＢＢ遊技の終了条件を、３４６枚以上の遊技媒体の払い出しとしている。

ステップＳ７１において、遊技状態がＢＢ遊技中ではないと判別した場合（ＮＯ）は、遊技状態がＭＢ遊技中であるか否かの判断を行う（ステップＳ７３）。ＭＢ遊技中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ７４に進み、ＭＢ遊技処理を行う。

ＭＢ遊技処理では、所定の終了条件に達するまで、図１５のＭＢ作動時抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。また、ＭＢ遊技処理には、上述したような、各リール４０Ｌ、４０Ｃ及び４０Ｒの特殊な停止制御が含まれる。

ステップＳ７３において、遊技状態がＭＢ遊技中ではないと判別した場合（ＮＯ）は、遊技状態が特殊小役確率変動状態中であるか否かの判断を行う（ステップＳ７５）。遊技状態が特殊小役確率変動状態中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ７６に進み、特殊小役確率変動状態の制御処理を行う。

特殊小役確率変動状態の制御処理では、所定の開始条件が満たされてから所定の終了条件（例えば、所定の遊技回数の終了、特別役の当選、所定の小役の当選、所定図柄の表示又は抽選により終了など）が満たされるまで、図１６の特殊小役確率変動状態抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。この特殊小役確率変動状態の制御処理には、上述した図６のステップＳ２３における、特殊小役に入賞した当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を、次回遊技のベット数に自動設定する制御処理が含まれる。

上述したステップＳ７２、Ｓ７４、Ｓ７６の各遊技処理を行った後、又はステップＳ７５で特殊小役確率変動状態中ではないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ７７に進み、当選した役があるか否かを判断する。当選役があると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ７８に進み、図１０に示す当選時処理サブルーチンの制御処理を実行する。一方、ステップＳ７７において、当選役がないと判別した場合（ＮＯ）は、そのままフラグオフ処理サブルーチンを終了する。

＜＜入賞判定処理サブルーチン＞＞
図１０を用いて入賞判定処理について説明する。この入賞判定処理サブルーチンは、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であり、ＢＢ遊技、ＭＢ遊技、特殊小役確率変動状態又は一般遊技のいずれかの遊技状態において、なんらかの役に当選した場合に実行される。

まず、上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか否かの入賞図柄判定を行う（ステップＳ８１）。そして、この入賞図柄判定の結果、ＢＢ役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８２）。ＢＢ役に入賞していると判別した場合（ＹＥＳ）は、ＢＢ役フラグをオフにしてＢＢ遊技状態に設定し（ステップＳ８３）、本サブルーチンを終了する。ＢＢ遊技状態に設定することにより、次回の遊技はＢＢ遊技中と判別される。

一方、ステップＳ８２において、ＢＢ役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）は、ＭＢ役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８４）。ＭＢ役に入賞していると判別した場合（ＹＥＳ）は、ＭＢ役フラグをオフにしてＭＢ遊技状態に設定し（ステップＳ８５）、本サブルーチンを終了する。ＭＢ遊技状態に設定することにより、次回の遊技はＭＢ遊技と判別される。

ステップＳ８４において、ＭＢ役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）は、再遊技役に入賞しているか否かを判断する（ステップＳ８６）。再遊技役に入賞していると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ８６に進み、再遊技役フラグをオフにして、本サブルーチンを終了する。再遊技役フラグをオフにすることにより、ベット制御手段４００が再遊技役に入賞したと判別し（図６のステップＳ１０のＹＥＳ）、次回遊技のベット数が自動設定される（図６のステップＳ１６、Ｓ１４、Ｓ１５）。

ステップＳ８６において、再遊技役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ８８に進み、入賞図柄判定の結果にかかわらず、当選した小役１〜５又は特殊小役に対応する小役フラグをオフにした後、本サブルーチンを終了する。

＜＜メインルーチンの説明（続き）＞＞
以上のようにして、図９及び図１０に示すフラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、図６のメインルーチンに戻り、ステップＳ２０のフラグオフ処理・入賞判定処理サブルーチンを終了し、ステップＳ２１の特殊小役に入賞したか否かの判断結果に基づいて、ステップＳ２２の払い出し処理又はステップＳ２３の特殊小役入賞時処理サブルーチンを実行して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの１工程を１回とする単位遊技を行うための制御処理が終了する。

＜＜特殊小役入賞時処理サブルーチン＞＞
次に、主制御回路１００の特殊入賞処理手段４４０による特殊小役入賞時処理サブルーチンについて、図１１を参照しつつ説明する。図１１は一般遊技状態における特殊小役入賞時処理サブルーチンを示すフローチャートである。なお、図１１の特殊小役入賞時処理サブルーチンには、説明の便宜上、図６のメインルーチンと同一の制御処理が含まれており、図６と同一の制御処理には同一符号を付してある。

まず、図１１のステップＳ２１（図６のステップＳ２１と同じ）において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したか否かを判断する。このステップＳ２１の判断は、図１０の入賞判定処理サブルーチンのステップＳ８８における特殊小役のフラグオフ処理の有無に基づいて行われる。特殊小役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ２１の判断を繰り返す。すなわち、次回遊技のベット数を自動設定するなどの本サブルーチンの制御処理は行われず、当該遊技で小役１〜５のいずれかに入賞した場合は、その役に対応する枚数の遊技媒体の払い出し処理（図６のステップＳ２２）が実行される。

一方、ステップＳ２１において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１０２に進み、当該遊技のベット数を検出し、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を、次回遊技のベット数として自動設定する（ステップＳ１０３）。

次いで、ステップＳ１０４に進み、特殊入賞処理手段４４０は、遊技媒体の追加投入があったか否かを判断する。遊技媒体の追加投入の有無は、遊技媒体投入口３８に遊技媒体が投入されたか否か、１−ベットスイッチ３４又は２−ベットスイッチ３５の押動操作によりクレジットされた遊技媒体が投入されたか否かに基づいて判断される。

ステップＳ１０４において、遊技媒体が追加投入されたと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１０２に戻り、自動設定したベット数に、追加投入された遊技媒体の枚数を加えた新たなベット数を再設定する。一方、遊技媒体が追加投入されていないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ１０５に進み、特殊入賞処理手段４４０が、自動設定したベット数の遊技媒体を払い出すための所定操作が行われたか否かを判断する。

ステップＳ１０５において、特殊入賞処理手段４４０が、所定操作が行われていない判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ１７（図６のステップＳ１７と同じ）に進み、リール制御手段４２０が、スタートスイッチ５０がオンされた否かを判断する。スタートスイッチ５０がオンされていないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ１０４、Ｓ１０５、Ｓ１０６の判断を繰り返す。一方、スタートスイッチ５０がオンされたと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１０３で自動設定又は追加設定したベット数で次回遊技が開始される。その後、本サブルーチンを終了する。

一方、ステップＳ１０５において、特殊入賞処理手段４４０が、所定操作が行われたと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ１０６に進み、特殊入賞処理手段４４０が、上記ステップＳ１０３で自動設定又は追加設定した次回遊技のベット数を「０」に再設定し、再設定前のベット数と同じ枚数の遊技媒体を払い出す（ステップＳ１０７）。その後、本サブルーチンを終了する。

＜＜ＢＢ役当選報知制御処理サブルーチン＞＞
次に、主制御回路１００のベット制御手段４００、特殊入賞処理手段４４０によるＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンについて、図１２を参照しつつ説明する。本実施形態では、特殊小役確率変動状態中において、特殊小役入賞時のベット数の自動設定を行わないことで、ＢＢ役の内部的な当選を遊技者に報知するようにしている。

図１２は特殊小役確率変動状態におけるＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。なお、図１２のＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンには、説明の便宜上、図６のメインルーチンと同一の制御処理が含まれており、図６と同一の制御処理には同一符号を付してある。

まず、図１２のステップＳ２１（図６のステップＳ２１と同じ）において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したか否かを判断する。特殊小役に入賞したと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ２０２に進み、現在の遊技状態が特殊小役確率変動状態中か否かを判断する。この判断は、特殊小役確率変動状態制御手段４３２による特殊小役確率変動状態の設定の有無に基づいて行われる。現在の遊技状態が特殊小役確率変動状態中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ２０３に進む。

一方、特殊入賞処理手段４４０が、ステップＳ２１で特殊小役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）、ステップＳ２０２で現在の遊技状態が特殊小役確率変動状態中ではないと判別した場合（ＮＯ）は、いずれもステップＳ２１及びＳ２０２の判断を繰り返す。すなわち、次回遊技のベット数を自動設定するなどの本サブルーチンの制御処理は行われず、当該遊技で小役１〜５のいずれかに入賞した場合は、その役に対応する枚数の遊技媒体の払い出し処理（図６のステップＳ２２）が実行される。

次いで、ステップＳ２０３において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技の役抽選でＢＢ役に当選したか否かを判断する。この判断は、図７の役抽選処理サブルーチンのステップＳ４１におけるＢＢ役フラグのオン処理の有無に基づいて行われる。なお、図１６のＢＢ未作動時特殊小役確率変動状態抽選表では、ＢＢ役の単独当選、及び既に当選しているＢＢ役とその後当選した他の役との重複当選が可能な設定としてあるが、これに限らず、例えば、１回の役抽選でＢＢ役と他の役とが同時当選するような設定としてもよい。そして、このステップＳ２０３では、単独当選、重複当選又は同時当選の別を問わず、フラグオン処理の有無に基づいてＢＢ役に当選したか否かを判断する。

ステップＳ２０３において、特殊入賞処理手段４４０が、ＢＢ役に当選していないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ２０７に進み、当該遊技のベット数を検出し、これと同じ枚数の遊技媒体を、次回遊技のベット数を自動設定する（ステップＳ２０８）。その後、本サブルーチンを終了する。

一方、ステップＳ２０３において、特殊入賞処理手段４４０が、ＢＢ役に当選したと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ２０４に進み、当該遊技の結果、ＢＢ役に入賞したか否かを判断する。この判断は、図１０の入賞判定処理サブルーチンのステップＳ８３におけるＢＢ役フラグのオフ処理の有無に基づいて行われる。

ステップＳ２０４において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技でＢＢ役に入賞したと判別した場合（ＹＥＳ）は、もはやＢＢ役の当選を報知する必要がないので、そのまま本サブルーチンを終了する。

一方、ステップＳ２０４において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技でＢＢ役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ２０５に進み、当該遊技のベット数を検出し、この検出結果に基づいて、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を払い出す（ステップＳ２０６）。すなわち、次回遊技のベット数を自動設定しない制御処理を行う。その後、本サブルーチンを終了する。

ステップＳ２０６において、次回遊技のベット数を自動設定しないことにより、当該遊技で特殊小役に入賞したにもかかわらず、次回遊技のベット操作が必要となり、遊技者が、ベット操作を省略してスタートスイッチ５０を操作しても次回遊技が開始されないフリーズ演出が行われる。このようなフリーズ演出によって、遊技者にＢＢ役の内部的な当選が報知される。

ここで、ステップＳ２０６における遊技媒体の払い出しは、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口６２から実際に払い出してもよく、又は当該遊技のベット数をクレジット数に加算してもよい。

なお、上述した図１２のＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンは、特殊小役確率変動状態中におけるＢＢ役の当選を上記フリーズ演出で報知するものであるが、これに限らず、一般遊技中におけるＢＢ役の当選を上記フリーズ演出で報知してもよい。さらに、上記フリーズ演出で報知する対象はＢＢ役の当選に限らず、上記フリーズ演出によってスロットマシン１０の種々の遊技状態を報知することが可能である。

＜＜出玉率設定報知制御処理サブルーチン＞＞
次に、主制御回路１００の特殊入賞処理手段４４０による出玉率設定報知制御処理サブルーチンについて、図１３を参照しつつ説明する。本実施形態では、特殊小役確率変動状態中において、特殊小役入賞時のベット数の自動設定を行わないことで、スロットマシン１０の内部的な出玉率設定を遊技者に報知するようにしている。

図１３は特殊小役確率変動状態における出玉率設定報知制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。なお、図１３のＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンには、説明の便宜上、図６のメインルーチンと同一の制御処理が含まれており、図６と同一の制御処理には同一符号を付してある。

まず、図１３のステップＳ２１（図６のステップＳ２１と同じ）において、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技で特殊小役に入賞したか否かを判断する。特殊小役に入賞したと判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ３０２に進み、現在の遊技状態が特殊小役確率変動状態中か否かを判断する。現在の遊技状態が特殊小役確率変動状態中であると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ３０３に進む。

一方、特殊入賞処理手段４４０が、ステップＳ２１で特殊小役に入賞していないと判別した場合（ＮＯ）、ステップＳ３０２で現在の遊技状態が特殊小役確率変動状態中ではないと判別した場合（ＮＯ）は、いずれもステップＳ２１及びＳ２０２の判断を繰り返す。すなわち、本サブルーチンの制御処理は行われず、図６のステップＳ２２に示す遊技媒体の払い出し処理が実行される。

次いで、ステップＳ３０３において、特殊入賞処理手段４４０が、スロットマシン１０の出玉率設定が「１〜６」のいずれであるかを確認する。そして、ステップＳ３０４に進み、スロットマシン１０の出玉率設定「１〜６」に応じた当選確率の抽選を実行する。この抽選表の実施例を図１８（ａ）に示す。

図１８（ａ）はスロットマシン１０の出玉率設定報知実行抽選表１である。本実施形態では、出玉率設定「１〜４」の場合に報知する当選確率を「１／１０」（１０％）、出玉率設定「５」の場合に報知する当選確率を「１／１．４」（７０％）、出玉率設定「６」の場合に報知する当選確率を「１／１．１１」（９０％）に設定してある。これにより、特殊小役に入賞したにもかかわらずベット数の自動設定が行われない場合は、スロットマシン１０の出玉率設定が「６」又は「５」である可能性が高いという期待感を遊技者に持たせることが可能となる。

そして、ステップＳ３０５に進み、図１８（ａ）の抽選表を用いた抽選の結果、スロットマシン１０の出玉率設定を報知するか否か判断する。出玉率設定を報知しないと判別した場合（ＮＯ）は、ステップＳ３０８に進み、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技のベット数を検出し、次回遊技のベット数を自動設定する（ステップＳ３０９）。その後、本サブルーチンを終了する。

一方、ステップＳ３０５において、図１８（ａ）の抽選表を用いた抽選の結果、スロットマシン１０の出玉率設定を報知すると判別した場合（ＹＥＳ）は、ステップＳ３０６に進み、特殊入賞処理手段４４０が、当該遊技のベット数を検出し、この検出結果に基づいて、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を払い出す（ステップＳ３０７）。すなわち、次回遊技のベット数を自動設定しない制御処理を行う。その後、本サブルーチンを終了する。

ステップＳ３０７において、次回遊技のベット数を自動設定しないことにより、当該遊技で特殊小役に入賞したにもかかわらず、次回遊技のベット操作が必要となり、遊技者が、ベット操作を省略してスタートスイッチ５０を操作しても次回遊技が開始されないフリーズ演出が行われる。このようなフリーズ演出によって、遊技者にスロットマシン１０の内部的な出玉率設定が「６」又は「５」である可能性が高いという期待感を持たせることができる。

上述した図１２の実施形態と同様に、ステップＳ３０７における遊技媒体の払い出しは、当該遊技のベット数と同じ枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口６２から実際に払い出してもよく、又は当該遊技のベット数をクレジット数に加算してもよい。

なお、上述した図１３の出玉率設定報知制御処理サブルーチンでは、特殊小役確率変動状態中における出玉率設定を上記フリーズ演出で報知するものであるが、これに限らず、一般遊技中に上記フリーズ演出を実行して出玉率設定を報知することとしてもよい。

また、図１８（ａ）の出玉率設定報知実行抽選表１は、出玉率設定が「６」又は「５」の高い場合に高確率で報知が行われるようにしたが、これに限らない。例えば、図１８（ｂ）の出玉率設定報知実行抽選表２のように、出玉率設定「１〜４」の場合に報知する当選確率を「１／１．１１」（９０％）、出玉率設定「５」の場合に報知する当選確率を「１／３．３３」（３０％）、出玉率設定「６」の場合に報知する当選確率を「１／１０」（１０％）に設定してもよい。このような抽選表２を用いた場合は、上記フリーズ演出が実行されないことで、遊技者にスロットマシン１０の出玉率設定が「６」又は「５」である可能性が高いという期待感を持たせることができる。

＜スロットマシンの作用効果＞
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン１０によれば、特殊小役に入賞したときの遊技媒体の払出数を、当該遊技のベット数と同じ値に設定するとともに、この払出数が次回遊技のベット数として自動設定されることにより、特殊小役が従来の再遊技役と同様の機能を営むことになる。

そして、特殊小役に追加した新たな機能により、再遊技役が有していた全ての問題点が解消される。すなわち、自動設定されたベット数の遊技媒体の払い出しを可能としたことにより、誤って最大でないベット数（１又は２ベット）で特殊小役に入賞してしまった場合でも、特別役等の当選確率の低い次回遊技をキャンセルすることができる。また、自動設定されたベット数を、遊技媒体を投入して最大ベット数（３ベット）とすることも可能なので、特別役等の当選確率を高くしてから次回遊技を行うこともできる。

また、本スロットマシン１０では、再遊技役を特殊小役に置き換えて、従来の再遊技確率変動状態（リプレイタイム＝ＲＴ遊技）に相当する特殊小役確率変動状態を行うことが可能となる。この特殊小役確率変動状態では、特殊小役に入賞して自動設定された次回遊技のベット数の遊技媒体を払い出すことが可能であり、また、自動設定された次回遊技のベット数を遊技媒体の投入により追加することができる点で、従来の再遊技確率変動状態と相違している。このような相違点により、特殊小役確率変動状態の最中に誤って最大でないベット数で特殊小役に入賞してしまった場合でも、次回遊技をキャンセルするか、ベット数を追加することで対処することができ、無駄に遊技を消化することなく、特殊小役確率変動状態の利益を享受することが可能となる。

さらに、役抽選でＢＢ役等の特別役に当選したときに、特殊小役に入賞したにもかかわらず、次回遊技のベット数を自動設定しない上記フリーズ演出を行うことにより、ＢＢ役の当選や出玉率設定といった種々の内部的な遊技状態を遊技者に報知することが可能となる。特に、特殊小役に連続入賞する特殊小役確率変動状態では、上記フリーズ演出が遊技者に顕著な違和感を与えるので、内部的な遊技状態を確実に報知することができる。

＜その他の変更＞
なお、本発明の遊技は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した図１２のＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンでは、ＢＢ役の当選（ステップＳ２０３のＹＥＳ）を、特殊小役入賞時の上記フリーズ演出（ステップＳ２０５、Ｓ２０６）によって１００％報知することとしたが、これに限定されるものではなく、図１８（ａ）、（ｂ）のようなＢＢ役当選の期待度に応じた抽選表を用いた抽選により、上記フリーズ演出を実行するか否か決定するようにしてもよい。

また、図１２のＢＢ役当選報知制御処理サブルーチン及び図１３の出玉率設定報知制御処理サブルーチンにおいて、特殊小役入賞時の上記フリーズ演出と、画像表示手段７０による演出との組合せによって、ＢＢ役の当選や出玉率の高設定に関する期待度を報知するようにしてもよい。

さらに、上記実施形態のスロットマシン１０は、１−ベットスイッチ３４、２−ベットスイッチ３５、３−ベットスイッチ３６を備えた構成としたが、これに限定されるものではない。本発明は、常に最大ベット数で遊技を行う３枚賭け専用のスロットマシンでも、特有の作用効果を奏する。すなわち、本発明の特殊小役は、次回遊技で自動設定されたベット数の遊技媒体を払い出すことが可能であるから、遊技者が一のスロットマシンから他のスロットマシンへ台変えしようとしたときに特殊小役に入賞した場合でも、一のスロットマシンにおける遊技を区切りのよいところで終了させることができるというメリットがある。

これに加え、上記実施形態では、従来の再遊技確率変動状態（ＲＴ状態）を特殊小役変動状態に置き換えたが、再遊技確率変動状態と特殊小役変動状態との両方を並設してもよい。この場合、所定の開始条件が満たされたときに、再遊技確率変動状態又は特殊小役変動状態の一方が開始されるようにしてもよいし、所定の変動条件が満たされたときに、再遊技確率変動状態から特殊小役変動状態に変動し、又はその逆に変動するような遊技状態を設定してもよい。

また、上述した図１２のＢＢ役当選報知制御処理サブルーチン及び図１３の出玉率設定報知制御処理サブルーチンでは、特殊小役確率変動状態中に上記フリーズ演出を行ってＢＢ役の当選又は出玉率設定を報知することとしたが、これに限らず、例えば、一般遊技中に上記フリーズ演出を行ってＢＢ役の当選又は出玉率設定を報知してもよく、さらに、ＢＢ遊技又はＭＢ遊技中に上記フリーズ演出を行って出玉率設定を報知してもよい。

その他、本発明は、上記実施形態のようなスロットマシン１０に限らず、メダル以外の遊技媒体を用いた回胴式遊技機にも広く適用することが可能である。

本発明の一実施形態に係るスロットマシン（遊技機）の外観を示す正面図である。 上記スロットマシンの図柄配列を示す説明図である。 上記スロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。 上記スロットマシンを制御する主制御回路を示すブロック図である。 上記スロットマシンを制御する副制御回路を示すブロック図である。 上記主制御回路において実行される遊技の進行を制御するメインルーチンを示すフローチャートである。 役抽選処理と、引き続いて行われるフラグオン処理の役抽選処理サブルーチンを示すフローチャートである。 リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示すフローチャートである。 図８のサブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理を示すフラグオフ処理サブルーチンを示すフローチャートである。 フラグオフ定処理サブルーチンの制御処理の一部である入賞判定処理サブルーチンを示すフローチャートである。 一般遊技状態における特殊小役入賞時処理サブルーチンを示すフローチャートである。 特殊小役確率変動状態におけるＢＢ役当選報知制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。 特殊小役確率変動状態における出玉率設定報知制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。 ＢＢ作動時抽選表の実施例を示す図面である。 ＭＢ作動時抽選表の実施例を示す図面である。 ＢＢ未作動時特殊小役確率変動状態抽選表を示す図面である。 ＢＢ未作動時一般抽選表を示す図面である。 同図（ａ）は出玉率設定報知実行抽選表１を示す図面であり、同図（ｂ）は出玉率設定報知実行抽選表２を示す図面である。

符号の説明

１０ スロットマシン（遊技機）
３４ １−ベットスイッチ
３５ ２−ベットスイッチ
３６ ３−ベットスイッチ
３９ 精算ボタン
４０Ｌ、４０Ｃ、４０Ｒ リール
５０ スタートスイッチ
５２Ｌ、５２Ｃ、５２Ｒ ストップスイッチ
７０ 画像表示手段
１００ 主制御回路
２００ 副制御回路
２１０ 画像制御手段
４００ ベット制御手段
４１０ 役抽選手段
４２０ リール制御手段
４３０ 遊技制御手段
４３１ 特別遊技制御手段
４３２ 特殊小役確率変動状態制御手段
４４０ 特殊入賞処理手段
５００ 画像制御手段
５２０ ランプ制御手段
５３０ 音声制御手段

Claims (5)

1. 遊技媒体を投入し、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させて停止させるまでの工程を一単位とする遊技を繰り返し実施可能な遊技機であって、
   前記遊技媒体のベット数を設定するベット制御手段と、
   特殊小役を含む複数の役の中から所定役を定める役抽選を行う役抽選手段と、
   前記特殊小役に入賞したときの入賞処理を行う特殊入賞処理手段とを備え、
   前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、当該遊技のベット数と同じ値とし、
   前記特殊入賞処理手段が、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定し、その後の所定操作に基づいて前記払出数の遊技媒体を払い出すことが可能な制御を実行することを特徴とする遊技機。
2. 前記所定役の入賞又は所定条件を満たすことにより開始される特定遊技の制御を行う遊技制御手段を備え、
   前記特定遊技を、前記役抽選における前記特殊小役の当選確率を一般遊技と異なる値に設定した特殊小役確率変動状態としたことを特徴とする請求項１記載の遊技機。
3. 前記特殊入賞処理手段が、前記遊技機の遊技状態に応じて、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を次回遊技のベット数に設定するか否か決定し、次回遊技のベット数に設定しない場合は、前記払出数の遊技媒体を払い出す制御を実行することを特徴とする請求項１又は２記載の遊技機。
4. 前記特定役に、当選した権利が持ち越される特別役を含むとともに、前記特定遊技に、前記特別役の入賞によって遊技状態を遊技者にとって有利に進行する特別遊技を含み、
   前記役抽選において、前記特別役と前記特殊小役とに重複して当選した場合には、前記特殊入賞処理手段が、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定しないで、前記払出数の遊技媒体を払い出す制御を実行することを特徴とする請求項２又は３記載の遊技機。
5. 前記特殊入賞処理手段が、前記遊技機の出玉率設定に応じて、前記特殊小役に入賞したときの前記遊技媒体の払出数を、次回遊技のベット数に設定するか否か決定することを特徴とする請求項１〜４いずれか記載の遊技機。

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