以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
(スロットマシン10の構成)
<全体構造の説明>
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。
図1において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の中には、垂直方向に縦長の矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成されている。
これらの3つの表示窓22L、22C及び22Rの前面には、5本の入賞ラインが定められている。この5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインとがある。これらの入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3Bの左端部には、ベット数(賭け枚数)表示部24a〜24eが、上から順に「3」,「2」,「1」,「2」,「3」のように設けられている。ベット数表示部24a〜24eは、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)と、遊技媒体のベット数とを表示する。
上述した表示窓22L、22C及び22Rの下方には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36が設けられている。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けられている。
遊技媒体投入口38から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ(図示せず)により遊技媒体の枚数が計数され、規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数はクレジット数として後述するRAM110に記憶される。
1−ベットスイッチ32は、クレジット数のうちの1枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの2枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。最大ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
以下においては、賭けの対象となる遊技媒体の数を「ベット数」と称し、上述した1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34又は最大ベットスイッチ36の操作により遊技者によって賭けの対象として設定されたメダルの数を「設定ベット数」と称する。
1−ベットスイッチ32を遊技者が操作したときには、5本の入賞ラインのうちの1本、例えば入賞ラインL1を有効化する。また、2−ベットスイッチ34を操作したときには、5本の入賞ラインのうちの3本、例えば入賞ラインL1、L2A及びL2Bを有効化する。更に、最大ベットスイッチ36を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、即ちL1、L2A、L2B、L3A及びL3Bを有効化する。有効化された入賞ラインは、ベット数表示部24a〜24eの各々の背面に設けられている有効ライン表示ランプ124(図示せず)を点灯することにより明示される。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70においては、遊技履歴を表示したり、特別遊技における演出画像、役の抽選に応じた演出画像、遊技の進行状況に応じた演出画像等を表示したりすることができる。
ここで、「演出画像」とは、画像表示装置に表示される画像であればあらゆる画像が含まれる。例えば、文字、図柄、色彩、模様のようなあらゆる画像が適用でき、静止画像も動画も含まれる。また、音声と組み合わせることも可能である。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられている。リール40L,40C及び40Rは、リング状の形状であり、このリール40L,40C及び40Rの外周面には、図柄が印刷されたリールテープが貼り付けられている。リール40L,40C及び40Rの各々には、例えば、21個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rの各々で異なる。これらのリール40L,40C及び40Rの各々は、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介して視認可能に設けられている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9個の図柄が視認可能となる。
後述するように、リール40L,40C及び40Rの各々は、モータ(図示せず)により回転駆動され、表示窓22L、22C及び22Rにおいては、リール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ50が傾動可能に設けられている。操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rが設けられている。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
上述したスタートスイッチ50を遊技者が傾動操作すると、上述した3つの40L,40C及び40Rは、一斉に回転を始める。3つのリール40L,40C及び40Rが回転したときには、リール40L,40C及び40Rの各々の外周面に描かれている図柄は、表示窓22L、22C及び22Rの各々において上から下へと移動表示される。
上述した3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達したときには、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
ストップスイッチ52Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを遊技者が押動操作したときには、中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを遊技者が押動操作したときには、右リール40Rが停止する。
リール40L、40C又は40Rが停止するときには、リールの各々の外周面に描かれている図柄が、上述した入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3B上に位置付けられるように、3つのリール40L、40C又は40Rの各々は、停止制御される。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納されたスピーカ(図示せず。尚、後述する図4に示すスピーカ64に対応する。)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けられている。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けられている。リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、所定の組合せ、即ち役を構成する図柄の組合せとなり、役に入賞したときには、その組合せに応じて予め定められた枚数の遊技媒体が遊技媒体払出口62から払い出される。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させられた複数のリール40L、40C又は40Rの停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が定まる遊技である。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作する度に行われ、複数のリール40L、40C又は40Rの回転開始から回転停止までの行程を1回の遊技として、繰り返され得る遊技である。
上述した役の種類には、例えば、一般役、当たり役、再遊技役等の種類がある。「一般役」とは、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う役である。「当たり役」とは、抽選で所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行う「第1の当たり遊技」に移行させることが可能な「第1の当たり役」と、一般遊技と第1の当たり遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を行える「第2の当たり遊技」に移行させることが可能な「第2の当たり役」である。尚、「第2の当たり遊技」は、前記一般遊技と前記第1の当たり遊技に相当する遊技の少なくとも一方の遊技を、所定の遊技媒体払出枚数に達するまで行える。また、「再遊技役」は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく、現在行われた遊技でのベット数を維持した再遊技(リプレイとも称する。)が行えるようにした役である。ここで、再遊技役は必ずしも1つに限定されておらず、本実施例においては、再遊技役1と再遊技役2の2つの再遊技役が設定されている。
<制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、主制御回路100と副制御回路200から構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を図2に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図3に示す。
上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ50から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。
また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ52L,52C及び52R、並びに1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したストップスイッチ52L,52C又は52Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図5に示すメインルーチン、図6から図12に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。
また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。尚、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内部に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに取り付けられている。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに対する制御をすることにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行うことができる。
リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。
CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22L、22C及び22Rの各々に表示される図柄を特定する。
更に、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されている。この接続線118によって、主制御回路100は、後述する副制御回路200に電気的に接続される。この副制御回路200を示すブロック図を図3に示す。
上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続され、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、後述するランプ駆動回路218や、表示駆動装置220や、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データや、スピーカ64から発するための演奏音データも記憶する。
入出力バス204には、有効ライン表示ランプ124を駆動するためのランプ駆動回路218も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路218に発し、駆動指令に応じて有効ライン表示ランプ124を点灯駆動する。
また、入出力バス204には、表示装置70を駆動する表示駆動装置220も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動装置220に供給する。このようにすることにより、表示装置70には、画像データが演出画面として表示されたり、文字データがメッセージとして表示されたりする。
更に、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路222も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路222に供給する。このようにすることにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
(機能ブロック図の説明)
次に、スロットマシン10の制御の機能ブロック図を図4に示す。
制御回路として、主制御手段100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御基板200には、表示装置70、有効ライン表示ランプ124、及びスピーカ64が電気的に接続されている。
3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rから停止操作手段310が構成され、この停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、ベットスイッチ32、34及び36とから操作手段300が構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、当たり遊技制御手段430と、再遊技制御手段440と、再遊技選択高制御手段450とを含む。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(当たり役である第1当たり役と第2当たり役、一般役、再遊技役)の抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、役抽選処理サブルーチン(図6、図7参照)に示される。
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行って、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信または所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組合せ制御を行う。このリール制御手段420による制御処理は、リール変動・停止サブルーチン(図8参照)に示される。
当たり遊技制御手段430は、役抽選処理で当たり役や一般役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技が遊技者にとって有利に進行する当たり遊技や所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う。
再遊技制御手段440は、抽選処理で再遊技役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、再遊技役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技媒体を投入しないで、直前に行なわれた遊技でのベット数を維持した状態で、遊技を再実施するための制御を行う。また、所定の条件を満たす場合には、役抽選処理で再遊技役が当選する確率がより高く設定された再遊技選択高状態(以下、RT(リプレイタイム)作動状態と称する。)が設定可能になっている。
再遊技選択高状態制御手段450は、所定の開始条件を達成したときに、遊技の態様を、役抽選手段により再遊技役が当選する確率がより高い値に設定された再遊技選択高状態に変更し、再遊技選択高状態に変更後、所定の解除条件を達成したときに、再遊技選択高状態を解除する処理を行うとともに、再遊技選択高状態である第1及び第2の再遊技選択高状態それぞれにおける遊技を制御し、さらに、第1の再遊技選択高状態から第2の再遊技選択高状態に遊技状態を変更する処理をも行う。
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段510、ランプ制御手段520、及び音声制御手段530が設けられている。画像制御手段510は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶した画像データを読み出し、表示駆動装置220を制御して、画像表示装置70に所定の画像を表示することができる。この所定の画像には、リールを停止させる順番を報知する演出画像や、所定の役に当選にしたことを遊技者に報知する演出画像も含まれる。
また、ランプ制御手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路218を制御して、所定の有効ライン表示ランプ124を点灯することができる。また、音声制御手段530は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶した記憶した音声データを読み出して、スピーカ駆動回路222を制御して、スピーカ64から所定の音声を発することができる。
(制御処理の説明)
以下に、上述した制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図5には、主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。図6から図12には、このメインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。
図6及び図7には、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図8には、リール制御手段420により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図9には、リール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ・RT設定処理サブルーチンを示す。
図10には、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンの制御処理の一部であるRB遊技中処理サブルーチンを示し、図11には、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンの制御処理の一部であるBB遊技中処理サブルーチンを示し、図12には、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンの一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述した主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
<メインルーチンの説明>
まず、メインルーチンの制御処理の説明を、図5のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、複数の図柄が標示された複数のリールを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
まず、再遊技状態に設定されており、再遊技を行う状態であるか否かを判断する(ステップS10)。再遊技状態に設定する処理は、後述するように、例えば、図12に示す役当選時処理サブルーチンのステップS119において行なわれる。
再遊技状態に設定されていない(NO)と判別したときには、上述した1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34又は最大ベットスイッチ36を遊技者が操作することによって発せられた信号に基づいて、設定ベット数を決定する(ステップS11)。この設定ベット数は、1回の遊技をするための賭けの対象とされた遊技媒体の枚数を示す。さらに、設定ベット数は、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされた遊技媒体の数に限られず、遊技媒体投入口38から投入されて直接賭けの対象とされた遊技媒体の数も含む。
尚、遊技媒体が投入されたときは、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。一方、遊技媒体が投入されていないと判断したときは、クレジットされた遊技媒体の有無を判断し、クレジットされた遊技媒体がない場合には、ステップ11において設定ベット数が決定できない。また、クレジットされた遊技媒体が有る場合には、遊技者がベットスイッチ32、34又は36の何れか1のスイッチを操作したときに発信されるベット操作信号を受信の有無を判断し、ベット操作信号を受信していない場合は、ステップ11において設定ベット数が設定できず、一方、ベット操作信号を受信した場合は、受信したベット操作信号からベット数を検出し、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う。
ステップS10において、再遊技状態に設定されている(YES)と判別したときは、再遊技状態の設定を解除して(ステップS12)、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、再び遊技を行うことができる。また、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されているベット数が用いられるので、直前に行なわれた遊技におけるベット数によって再遊技役が当選したときの遊技のベット数が用いられる。
次に、スタートスイッチ50が遊技者によってオンされたか否かを判断する(ステップ13)。スタートスイッチ50がオンされていないと判断した場合、ステップ13の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされた判断した場合、役抽選処理サブルーチン(ステップS14)へ進む。
ステップS14の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選処理が行なわれ、当選した役に応じて、RBフラグ、対応するBBフラグ、再遊技フラグ、対応する一般役フラグをオンにするフラグオン処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、図6及び図7のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS14)に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)が行なわれる。このリール変動、停止サブルーチンは、リール制御手段420によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、図8のフローチャートを用いて後述する。
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ・RT設定処理サブルーチン(S16)が行われる。このサブルーチンの詳細については、図9〜図12のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した当たり遊技に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS17)が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の遊技を行うことができる。
<役抽選処理サブルーチン>
次にメインルーチンのステップS14で行なわれる役抽選処理サブルーチンについて、図6及び図7に示したフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、遊技の状態がRB遊技中であるか否かを判断する(ステップS21)。RB遊技中である(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されたRB用抽選表を読み出す(ステップS22)。ここで、RB用抽選表の実施例を図13に示す。
RB用抽選表では、図柄番号1〜3の一般役と、図柄番号4のはずれとが設定されており、例えば一般役2の場合には、第1及び第2リールにベル、第3リールにリプレイの図柄が揃うと入賞するように設定されている。後述するステップS23で行う役抽選において、一般役2が当選する確率は1/1.03であり、非常に高く設定されている。従って、RB遊技中においては、一般役2に当選する可能性が非常に高くなっている。逆に、はずれの確率は、約1/65536であり非常に低く設定されている。
そして、RB用抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する(ステップS23)。具体的には、乱数発生器412で発生させた乱数を乱数抽出手段414で抽出し、乱数判定手段416が、この抽出した乱数と上述の読み出した抽選表を照らし合わせて当選の判定を行う。
ステップS21の判断において、遊技状態がRB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、遊技状態が複数あるBB遊技、すなわち、BB1、BB2又はBB3遊技の遊技中であるか否かを判断する(ステップS24)。BB1、BB2又はBB3遊技のうちのいずれかに対応するBB遊技中である(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB1からBB3に対応するBB作動時抽選表を読み出す(ステップS25)。ここで、BB1作動時抽選表からBB3作動時抽選表の実施例を図14から図16に示す。
BB1からBB3作動時抽選表は、BB1からBB3のいずれかのBB遊技中であって、かつRB遊技中ではない状態の場合に用いる抽選表である。仮に、BB遊技中であってRB遊技中の場合には、上述の図13に示すRB用抽選表を用いる。BB1からBB3作動時抽選表では、図柄番号1のRB役と、図柄番号2〜4の3種類の一般役と、図柄番号5のはずれとが設定されている。ここで、RB遊技状態、BB遊技状態、再遊技状態及び再遊技選択高状態ではない通常の遊技状態において用いるBB未作動時一般抽選表(図17参照、詳細は後述する。)と比較すると、BB1からBB3作動時抽選表では、BB役1からBB役3及び再遊技役がない設定になっている。
図柄番号1のRB役は、BB1からBB3作動時抽選表の順に、役抽選における当選確率が1/4.0、1/4.1、1/4.2であって、3つのリール共にBARの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。通常の遊技状態で用いるBB未作動時一般抽選表(図17参照)では、役抽選におけるRB役の当選確率は1/655.4であり、BB遊技中においては、通常時に比べてRB役に当選する確率が非常に高く設定されている。
また、図柄番号2の一般役1は、役抽選における当選確率が1/81.9であって、3つのリール共にスイカの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号3の一般役2は、役抽選における当選確率が1/10.08であって、左及び中央のリールにベルの図柄が揃い、右リールにリプレイの図柄が揃う場合に入賞するように設定されている。図柄番号4の一般役3は、役抽選における当選確率が1/81.9であって、第1のリールの図柄がチェリーであれば、残りのリールの図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
ステップS24の判断において、BB1、BB2、BB3遊技のいずれの遊技中でもない(NO)と判別したときには、RT作動状態か否か判断するため、まず、NRTフラグがRT2、RT3又はRT4であるか否かを判断する(ステップS26)。ここで、NRTフラグとは、RT作動状態か否かを判断するフラグであって、NRT=0の場合、初期値であって、一般遊技状態を、NRT=RT1の場合、再遊技役2に入賞後のRT作動状態を、そして、NRT=RT2〜RT4の場合、BB1〜BB3に対応するBB遊技終了後のRT作動状態を、NRT=RT5の場合、RB終了後のRT作動状態を表すものである。
NRTフラグがRT2、RT3又はRT4である(YES)と判断したときには、ROM108に記憶された対応するBB終了後(RT2〜RT4)抽選表を読み出す(ステップS27)。ここで、BB1終了後(RT2)抽選表からBB3終了後(RT4)抽選表の実施例を図19から図21に示す。
BB1終了後(RT2)抽選表からBB3終了後(RT4)抽選表では、図柄番号1のBB役1と、図柄番号2のBB役2と、図柄番号3のBB役3と、図柄番号4のRB役と、図柄番号5から図柄番号7の3種類の一般役と、図柄番号8の再遊技役1と図柄番号9の再遊技役2とからなる2つの再遊技役と、図柄番号10のはずれが設定されている。ここで、通常の遊技状態において用いるBB未作動時一般抽選表(図17)と比較すると、BB1終了後(RT2)からBB3終了後(RT4)抽選表では、再遊技役1の当選確率は同じ値である一方、再遊技役2の当選確率が順に1/65.54、1/64.47、1/65.41であり、非常に高く設定されている。
ステップS26の判断において、NRTフラグがRT2、RT3及びRT4でもない(NO)と判別したときには、次に、NRTフラグがRT5であるか否かを判断する(ステップS28)。
NRTフラグがRT5である(YES)と判断したときには、ROM108に記憶された対応するRB終了後(RT5)抽選表を読み出す(ステップS29)。ここで、RB終了後(RT5)抽選表の実施例を図22に示す。
RB終了後(RT5)抽選表では、通常の遊技状態において用いるBB未作動時一般抽選表(図17)と比較すると、再遊技役2の当選確率が1/65.34であり、非常に高く設定されている。
ステップS28の判断において、NRTフラグがRT5でもない(NO)と判別したときには、さらに、NRTフラグがRT1であるか否かを判断する(ステップS30)。
NRTフラグがRT1である(YES)と判断したときには、ROM108に記憶された対応する再遊技役2入賞後(RT1)抽選表を読み出す(ステップS31)。ここで、再遊技役2入賞後(RT1)抽選表の実施例を図18に示す。
再遊技役2入賞後(RT1)抽選表では、通常の遊技状態において用いるBB未作動時一般抽選表(図17)と比較すると、再遊技役1の当選確率が1/1.16と非常に高く設定されている一方、再遊技役2の当選確率がBB未作動時一般抽選表と同じ1/65536となっている。
ステップS30の判断において、NRTフラグがRT1でもない(NO)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB未作動時一般抽選表を読み出す(ステップS32)。BB未作動時一般抽選表の実施例は図17に示されている。
BB未作動時一般抽選表は、当たり遊技(RB遊技、BB遊技)及びRT作動状態でもない通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号1のBB1役、図柄番号2のBB2役そして図柄番号3のBB3役、図柄番号4のRB役、図柄番号5〜7の3種類の一般役、図柄番号8の再遊技役1と図柄番号9の再遊技役2の2つの再遊技役と、図柄番号10のはずれが設定されている。
図柄番号1〜3のBB役1、BB役2、BB役3については、役抽選における当選確率とBB役1からBB役3毎に異なる図柄の設定がされている。さらに、終了条件である最大獲得枚数がBB役毎に設定されており、図17では、BB役1、BB役2、BB役3の順に、終了条件である各最大獲得枚数は、451枚、450枚、300枚である。はずれの役抽選における確率は約1/1.36に設定されている。
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、ステップS22において、RB抽選表を読み出した後と同様に、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する(ステップS23)。
そして、判定結果として、RB役に当選したか否かを判断する(ステップS33)。RB役に当選した(YES)と判別したときには、RBフラグをオンに設定し、RAM110に記憶する(ステップS34)。さらに、RT作動状態、特に再遊技役2入賞後の遊技であるか否かを判断するため、NRTフラグを用いて、NRT=RT1であるか否かを判断する(ステップS35)。
NRTフラグがRT1である(YES)と判断したときには、RB遊技内部中遊技に移行し、かつRT作動状態が終了することから、NRTフラグを0に設定する(ステップS36)。そして、ステップS37へ進む。NRTフラグがRT1ではない(NO)と判断したときには、NRTフラグの値を変更することなくステップS37へ進む。
ステップS33の判断でRB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、BB役1、BB役2、BB役3のうちいずれかのBB役に当選したか否かを判断する(ステップS38)。役抽選によってBB役1、BB役2、BB役3のうちいずれかのBB役に当選した(YES)と判別したときには、対応するBBフラグをオンに設定してRAM110に記憶する(ステップS39)。さらに、RT作動状態、特に再遊技役2入賞後の遊技であるか否かを判断するため、NRTフラグを用いて、NRT=RT1であるか否かを判断する(ステップS35)。
NRTフラグがRT1である(YES)と判断したときには、BB遊技内部中遊技に移行し、かつRT作動状態が終了することから、NRTフラグを0に設定する(ステップS36)。そして、ステップS37へ進む。NRTフラグがRT1ではない(NO)と判断したときには、NRTフラグの値を変更することなくステップS37へ進む。
ステップS38の判断でいずれのBB役にも当選していない(NO)と判別したときには、一般役1、一般役2、一般役3のうちいずれかの一般役に当選したか否かを判断する(ステップS40)。一般役1、一般役2、一般役3のうちいずれかの一般役に当選した(YES)と判別したときは、対応する一般役フラグをオンに設定してRAM110に記憶し(ステップS41)、ステップS37へ進む。
次に、ステップS40の判断で、いずれの一般役にも当選していない(NO)と判別したときは再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS42)。もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、再遊技フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS43)、ステップS37へ進む。
さらに、ステップS42の判断で、再遊技役にも当選していない(NO)と判別したときは、RB遊技中であって一般役に当選したか否かを判断する(ステップS44)。RB遊技中であって一般役に当選した(YES)と判別したときには、対応するRB遊技中一般役フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS45)、ステップS37へ進む。
ここで、ステップS44の判断で対応するRB遊技中一般役に当選していない(NO)と判別したときには、フラグオン処理は行わずに、そのままステップS37へ進む。
以上の通り、フラグオンに関する一連の処理を行った後、ステップS37において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをROM108から読み出して、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いるため、このデータをRAM110に記憶する。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
<リール変動・停止サブルーチンの説明>
次に、図5のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン(ステップS14)が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン(ステップS15)を行う。図8に示すフローチャートを用いて、リール変動・停止サブルーチンの詳細な説明を行う。
まず、図7のステップS37で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS51)。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う(ステップS52)。最短時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS52の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようになっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
最短時間が経過した(YES)と判別したときには、リール回転開始信号を発信する(ステップS53)。この信号に基づいて、モータ駆動回路114が作動して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始し、リール40L、40C、40Rが回転を始める。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS54)。リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS54の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行うことができないようになっている。
リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS55)。
リール停止信号は、ストップスイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つのスイッチを押動操作したときに発信される。例えば、第1リール用のストップスイッチ52Lが押動操作された場合には、第1リール40Lを回転させるモータ40Lの停止制御が行なわれる。同様に、第2リール用のストップスイッチ52Cが押動操作された場合には、第2リール40Cを回転させるモータ40Cの停止制御が行われ、第3リール用のストップスイッチ52Rが押動操作された場合には、第3リール40Rを回転させるモータ40Rの停止制御が行われる。
ステップS55の判断において、リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、停止に関する制御を行わないが、受信している(YES)と判別したときには、次のステップS56へ進む。ステップS56では、全てのリールは停止したか否かを判断する。もし、全てのリールが停止している(YES)と判別したときには、本サブルーチンを終了する。全てのリールが停止してはいない(NO)と判別したときには、再びステップS55に戻り、ステップS55からステップS56の処理を繰り返す。
<フラグオフ・RT設定処理サブルーチンの説明>
図5のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)が終了すると、次に、フラグオフ・RT設定処理サブルーチン(ステップS16)を行う。図9に示すフラグオフ・RT設定処理サブルーチンのフローチャートを用いて、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンの詳細な説明を行う。
はじめに、遊技状態がRB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS61)。RB遊技中である(YES)と判別したときは、RB遊技中処理サブルーチン(ステップS62)を行って、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了する。RB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
次に、ステップS61の判断で、遊技状態がRB遊技中ではない(NO)と判別したときは、遊技状態がBB1、BB2又はBB3のいずれかの遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS63)。BB1、BB2又はBB3のいずれかの遊技中である(YES)と判別したときは、BB遊技中処理サブルーチン(ステップS64)を行って、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了する。BB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS63の判断で、BB役1、BB役2、BB役3のいずれものフラグがオンに設定されていない(NO)と判別したときは、当選役があるか否かを判断する(ステップS65)。当選役がある(YES)と判別したときには、役当選時処理サブルーチン(ステップS66)を行って、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
一方、ステップS65の判断で、当選役がない(NO)と判別したときは、再遊技選択高状態であるか否かを判断するため、NRTフラグが0か否か判断する(ステップS67)。NRTフラグが0ではない(YES)と判別したときは、RT遊技回数をカウントする(ステップS68)。ここで、RT遊技回数とは、遊技状態が新たな再遊技選択高状態に変更した後の遊技回数を表す。例えば、BB役1のBB遊技を終了した場合、最大RT遊技回数は30回であることから(図19)、RT遊技回数が30回になった時点で再遊技選択高状態を解除する。
そして、ステップS68の後、RT遊技回数が、解除条件である最大RT遊技回数以上になったか否か判断する(ステップS69)。ステップS69において、RT遊技回数が解除条件である最大RT遊技回数未満である(YES)と判別したときは、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了する。一方、RT遊技回数が解除条件である最大RT遊技回数以上である(NO)と判別したときは、NRTフラグを0に設定して再遊技選択高状態を解除し、RT遊技回数もリセットし(ステップS70)、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了する。
なお、ステップS67の判断で、NRTフラグが0である、すなわちRB遊技、BB1〜BB3遊技、そして、再遊技選択高状態に該当しない一般遊技において、当選役がない(NO)と判別したときは、そのまま、フラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了する。以下に、ステップS62、S64、S66に示されるサブルーチンの詳細な説明を行う。
<RB遊技中処理サブルーチンの説明>
初めに、ステップS61の判断で、RB遊技中であると判別したときに実施するRB遊技中処理サブルーチン(ステップS62)の詳細な説明を、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
はじめに、上述のリール変動・停止サブルーチン(ステップS15)によって停止したリール図柄が入賞しているか否か入賞図柄判定を行う(ステップS71、S72)。入賞している場合(YES)、RB遊技中入賞回数回数をカウントし(ステップS73)、RB遊技中当たり役フラグをオフに設定する(ステップS74)。そして、更新されたデータをRAM110に記憶する。
次に、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS75)。BB遊技中である(YES)、すなわち、BB遊技中においてRB遊技中であると判別したときは、払出枚数をカウントして払出枚数データを更新し(ステップS76)、そして、RB遊技回数をカウントし(ステップS77)、更新されたデータをRAM110に記憶する。これらデータは、RB遊技の終了条件に用いられ、具体的には、RB遊技中入賞回数又はRB遊技回数が所定回数に達したとき、RB遊技を終了する。
尚、ステップS75において、BB遊技中ではない(NO)、すなわち、RB遊技中であって入賞したがBB遊技中におけるRB遊技中ではないと判別したときは、RB遊技回数をカウントし(ステップS77)、更新されたデータをRAM110に記憶する。
一方、ステップS72において、入賞していない場合(NO)、RB遊技回数をカウントし(ステップS77)、更新されたデータをRAM110に記憶する。
次に、RB遊技中入賞回数又はRB遊技回数が所定回数に達することにより、RB遊技の終了条件を達成しているか否かを判断する(ステップS78)。RB遊技の終了条件を達成している(YES)と判別したときは、RB遊技状態を解除する(ステップS79)。そして、ステップS80に進む。
ステップS80においては、BB遊技中であるか否かを判断する(ステップS80)。BB遊技中である(YES)、すなわち、BB遊技中においてRB遊技が解除されたと判別したときは、RB遊技中入賞回数とRB遊技回数をリセットする(ステップS81)。そして、RB遊技中処理サブルーチンを終了する。
一方、ステップS80において、BB遊技中ではない(NO)と判断した場合、当たり遊技であるBB遊技中ではないが、RB遊技を終了したことから、RT作動状態に変更するため、NRTフラグをRT5に設定する(ステップS82)。そして、RT遊技回数をリセットした後(ステップS83)、RB遊技中入賞回数とRB遊技回数をリセットし(ステップS81)、そして、RB遊技中処理サブルーチンを終了する。
一方、ステップS78において、RB終了条件を達成していない場合(NO)、BB役1、BB役2又はBB役3のいずれかに対応するBB終了条件を達成しているか否か判断する(ステップS84)。これは、RB終了条件を達成していない場合でも、対応するBB終了条件であるBB遊技中の遊技媒体払出枚数が所定枚数に到達した場合、より詳細には、「対応するBB終了条件であるBB遊技中の最大獲得枚数」から「1回の遊技で払い出される最大遊技媒体枚数」を減じた遊技媒体枚数を超えた場合、対応するBB遊技を終了するからである。例えば、最大遊技媒体枚数が15枚であり、かつ、BB役1(図19より、BB役1に対応するBB遊技の終了条件は451枚)に当選、入賞した場合、「BB遊技中の払出枚数」が「対応するBB終了条件であるBB遊技中の最大獲得枚数」である451枚から、「1回の遊技で払い出される最大遊技媒体枚数」である15枚を減じた遊技媒体枚数である436枚を超えた場合、BB終了条件に到達し、対応するBB遊技を終了する。
対応するBB終了条件を達成した場合(YES)、対応するBB遊技状態を解除し(ステップS85)、BB遊技中の払出枚数をリセットし(ステップS86)、RB遊技状態も解除する(ステップS87)。当たり遊技であるBB遊技を終了したことから、RT作動状態に変更するため、NRTフラグをBB1〜BB3に対応するBB終了後のRT(RT2〜RT4のいずれか)に設定する(ステップS88)。そして、RT遊技回数をリセットした後(ステップS83)、RB遊技中入賞回数とRB遊技回数をリセットし(ステップS81)、RB遊技中処理サブルーチンを終了する。
尚、ステップS84において、対応するBB終了条件を達成していない場合(NO)、RB遊技中処理サブルーチンを終了する。
<BB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、フラグオフ・RT設定処理サブルーチン(図9参照)において、ステップS63でBB役1、BB役2又はBB役3のいずれかに対応するBB遊技中であると判別したときに実施するBB遊技中処理サブルーチン(ステップS64参照)の詳細な説明を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
BB遊技中処理サブルーチンは、図9に示すように、RB遊技中ではないが、BB役1、BB役2又はBB役3のいずれかに対応する遊技中である場合のみ実行される。すなわち、遊技状態はRB遊技中ではない。
上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行う(ステップS91、S92)。RB役に入賞している場合(YES)、RBフラグをオフに、すなわち、RB遊技状態に設定する(ステップS93)。そして、BB遊技中処理サブルーチンを終了する。
次に、ステップS92において、RB役に入賞していない(NO)と判断したときは、一般役1、一般役2、又は一般役3のいずれかに入賞しているか否かを判断する(ステップS94)。一般役1、一般役2、又は一般役3のいずれかに入賞している場合(YES)と判別したときは、対応する一般役フラグをオフに設定し(ステップS95)、払出枚数をカウントして払出枚数データを更新し(ステップS96)、更新されたデータをRAM110に記憶する。このデータは、BB役1、BB役2又はBB役3のいずれかに対応するBB遊技の終了条件を達成しているか否かの判断(ステップS97)に用いられる。
具体的には、対応するBB終了条件であるBB遊技中の遊技媒体払出枚数が所定枚数に到達した場合、より詳細には、「対応するBB終了条件であるBB遊技中の最大獲得枚数」から「1回の遊技で払い出される最大遊技媒体枚数」を減じた遊技媒体枚数を超えた場合、対応するBB遊技を終了する。
対応するBB終了条件を達成した場合(YES)、対応するBB遊技状態を解除し(ステップS98)、当たり遊技であるBB遊技を終了したことから、RT作動状態に変更するため、NRTフラグを対応するBB終了後のRT(RT2〜RT4のいずれか)に設定する(ステップS99)。そして、RT遊技回数をリセットした後(ステップS100)、BB遊技中の払出枚数をリセットし(ステップS101)、BB遊技中処理サブルーチンを終了する。
尚、ステップS97において、対応するBB終了条件を達成していない場合(NO)、BB遊技中処理サブルーチンを終了する。
さらに、ステップS94において、一般役1、一般役2及び一般役3のいずれかに入賞していない(NO)と判断したときは、BB遊技中処理サブルーチンを終了する。
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、フラグオフ・RT設定処理サブルーチン(図9参照)において、ステップS65で当選役ありと判別したときに実施する役当選時処理サブルーチン(ステップS66)の詳細な説明を、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
役当選時処理サブルーチンは、図9に示すように、RB遊技中ではなく、BB遊技中でもない場合のみ実行される。
はじめに、上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行う(ステップS111)。次に、この入賞図柄判定の結果、RB役に入賞しているか否かを判断する(ステップS112)。
RB役に入賞している(YES)と判別したときは、RBフラグをオフに設定し(ステップS113)、RB遊技状態に設定し、本サブルーチンを終了する。RB遊技状態に設定することにより、次回の遊技からRB遊技が開始され、RB遊技中と判別される。
ステップS112において、RB役に入賞していない(NO)と判別したときは、BB役1、BB役2又はBB役3に入賞しているか否かを判断する(ステップS114)。BB役1等のいずれかのBB役に入賞している場合(YES)、対応するBB役フラグをオフに設定し(ステップS115)、役当選時処理サブルーチンを終了する。次回の遊技はBB遊技と判別される。
ステップS114において、BB役1等のいずれのBB役にも入賞していない(NO)と判別したときは、一般役1、一般役2又は一般役3に入賞しているか否かを判断する(ステップS116)。一般役1等のいずれかの一般役に入賞している場合(YES)、対応する一般役フラグをオフに設定し(ステップS117)、そして、再遊技選択高状態であるか否かを判断するため、NRTフラグが0であるか否かを判断する(ステップS122)。NRTフラグが0ではない(YES)であると判別したときは、新たな再遊技選択高状態に変更することなく、既に設定されている再遊技選択高状態のまま、RT遊技回数をカウントし(ステップS123)、役当選時処理サブルーチンを終了する。
なお、ステップ122において、NRTフラグが0である(NO)であると判別したときは、新たに再遊技選択高状態に変更することなく、再遊技選択高状態ではない一般遊技の状態のまま、役当選時処理サブルーチンを終了する。
ステップS116において、一般役1等のいずれの一般役にも入賞していない(NO)と判別したときは、再遊技役に入賞しているか否かを判断する(ステップS118)。再遊技役に入賞している(YES)と判別したとき、再遊技フラグをオフに設定し(ステップS119)、再遊技状態に設定する。そして、再遊技役中の再遊技役2に入賞したか否か判断する(ステップS120)。
ステップS120において、再遊技役2に入賞した(YES)と判別したときは、NRTフラグをNRT1に設定し、既に再遊技選択高状態での遊技であるか否かに関わらず、遊技状態を新たな再遊技選択高状態に変更する(ステップS121)。そして、本サブルーチンを終了する。これにより、次の遊技から新たな再遊技選択高状態における遊技を行うことが可能となる。
ここで、NRTフラグにRT1が設定された(ステップS121)後の再遊技選択高状態の遊技においては、図18の再遊技役2入賞後(RT1)抽選表が読み出される(ステップS31)。ここで、再遊技役2入賞後(RT1)抽選表は、BB未作動時一般抽選表(図17)と比較すると、再遊技役1の当選確率が1/1.16と非常に高く設定されている一方、再遊技役2の当選確率がBB未作動時一般抽選表と同じ1/65536となっている。さらに、最大RT遊技回数の制限はない。従って、再遊技役1に対応する図柄が揃い易い状態に変化させることが可能となるだけでなく、遊技者にはそのような状態を継続して遊技可能となる。
また、既に、遊技者が再遊技選択高状態(RT2〜RT5)での遊技を行い、再遊技役2に入賞した場合でも、遊技状態を新たな再遊技選択高状態に変更する(ステップS121)。これにより、次の遊技から新たな再遊技選択高状態における遊技を行うことが可能となる。
例えば、BB役1に対応するBB遊技が終了条件を達成し(ステップS97)、BB役1に対応するBB遊技状態が解除され(ステップS98)、NRTフラグにRT2が設定された(ステップS99)後の再遊技選択高状態(第1の再遊技選択高状態)の遊技において、ステップS27で読み出される図19のBB1終了後(RT2)抽選表は、BB未作動時一般抽選表(図17)と比較すると、再遊技役2の当選確率が1/65.54と高く設定されている。そのため、再遊技選択高状態ではない一般遊技と比較し、再遊技役2に対応する図柄が揃い易く、遊技状態を第2の再遊技選択高状態に変更させ易くなる。
さらに、BB1終了後の第1の再遊技選択高状態の遊技において、再遊技役2に入賞するとNRTフラグにRT1が設定され(ステップS121)、新たな再遊技選択高状態(第2の再遊技選択高状態)の遊技に変更される。ステップS31で読み出される図18の再遊技役2入賞後(RT1)抽選表は、BB1終了後(RT2)抽選表と比較すると、
再遊技役1の当選確率が1/1.16と非常に高く設定され、再遊技役1に対応する図柄が揃い易い状態になっている一方、再遊技役2の当選確率がBB未作動時一般抽選表と同じ1/65536となっている。
従って、NRTフラグがRT2〜RT5に設定された第1の再遊技選択高状態では、再遊技選択高状態ではない一般遊技と比較し、第2の再遊技選択高状態に変更させるための再遊技役2の当選確率が高く設定されていることから、第2の再遊技選択高状態に変更し易く、第2の再遊技選択高状態では、再遊技役1の当選確率が非常に高く設定されていることから、再遊技選択高状態において、設定された再遊技役1及び再遊技役2各々に対して図柄が揃い易い状態と揃い難い状態を変化させることが可能となる。
一方、ステップ120において、再遊技役2に入賞していない(NO)と判定した場合、再遊技選択高状態であるか否かを判断するため、NRTフラグが0であるか否かを判断する(ステップS122)。NRTフラグが0ではない(YES)であると判別したときは、新たな再遊技選択高状態に変更することなく、既に設定されている再遊技選択高状態のまま、RT遊技回数をカウントし(ステップS123)、役当選時処理サブルーチンを終了する。
なお、ステップ122において、NRTフラグが0である(NO)であると判別したときは、新たな再遊技選択高状態に変更することなく、再遊技選択高状態ではない一般遊技の状態のまま、役当選時処理サブルーチンを終了する。
ステップS118において、再遊技役にも入賞していない(NO)と判別したときは、再遊技選択高状態であるか否かを判断するため、NRTフラグが0であるか否かを判断する(ステップS122)。NRTフラグが0ではない(YES)であると判別したときは、新たな再遊技選択高状態に変更することなく、既に設定されている再遊技選択高状態のまま、RT遊技回数をカウントし(ステップS123)、役当選時処理サブルーチンを終了する。一方、ステップ122において、NRTフラグが0である(NO)であると判別したときは、新たな再遊技選択高状態に変更することなく、再遊技選択高状態ではない一般遊技の状態のまま、役当選時処理サブルーチンを終了する。
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のように、ステップS62、S64、S66に示されるサブルーチンが終了して、図9に示すフラグオフ・RT設定処理サブルーチンが終了する。ここで、図5のメインルーチンに戻り、ステップS16のフラグオフ・RT設定処理サブルーチンを終了し、ステップS17の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行うための制御処理が終了する。
以上のように、本実施態様によれば、複数の再遊技役の中から一の再遊技役が当選する確率を異なる値に設定される第1の再遊技選択高状態と、複数の再遊技役の中から他の再遊技役が当選する確率を異なる値に設定される第2の再遊技選択高状態とに変更する再遊技選択高状態制御手段を有することから、第1の再遊技選択高状態において、複数の再遊技役の中から一の再遊技役が当選する確率を高く異なる値に設定し、第2の再遊技選択高状態において、他の再遊技役が当選する確率を高く異なる値に設定することが可能となる。
さらに、第2の再遊技選択高状態の第2の開始条件を、設定された複数の再遊技役のうちから、一の再遊技役に当選し、かつ当選した役に対応した図柄が停止して入賞したこととしたことから、第1の再遊技選択高状態において、第2の再遊技選択高状態に変更させるための第2の開始条件である一の再遊技役の当選確率を通常の遊技状態と比較して高く設定し、遊技状態を新たな再遊技選択高状態に変更させるための再遊技役の図柄が揃い易い状態と揃い難い状態を変化させることが可能となる。
更に、本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。