以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図4参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「R」、「W」、「B」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。ここで、「赤7」及び「R」は赤を基調とし、「白7」及び「W」は白を基調とし、「BAR」及び「B」は青を基調とした図柄となっている。「チェリー」は赤及び緑の両方を基調とし、「スイカ」は緑を、「ベル」は黄色を、「JAC」はグレーを基調としている。
また、リール3L、3C、3Rのいずれについても、「赤7」、「白7」及び「BAR」は、互いに7コマ間隔で1つずつ配置されている。「R」、「W」及び「B」は、リール3L、3Rについて互いに7コマ間隔で、それぞれ基調とする色が同じ「赤7」、「白7」及び「B」に隣接して配置されている。「チェリー」は、左のリール3Lについて7コマ間隔で配置されているが、いずれも「ベル」と2コマ間隔となる位置になっていない。左のリール3Lと中のリール3Cについて、「スイカ」、「ベル」及び「JAC」のいずれも7コマ以内の間隔で配置されているが、右のリール3Rについて、「スイカ」及び「JAC」は4コマ以内の間隔で配置されているが、「ベル」は7コマ間隔で配置されている。
リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。可変表示装置2には、図3に示すように、リール3L、3C、3Rのそれぞれについて上段または下段を選択して構成される8本の有効ラインが設定される。この有効ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図4参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、RAM異常エラーなどのエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図4参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図4参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。可変表示装置2の左側には、ゲーム毎に設定されている賭け数を示すための1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。但し、ゲームを開始できる賭け数は、遊技状態に応じて予め決まっている。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図4参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図4参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図4参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図4参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図4参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図4参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図4参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は、基本的には190ミリ秒であるが、遊技状態が後述する1GCT(1 Game Challenge Time)にあるときは、右のリール3Rについての最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮される。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。遊技状態がCTにあるときの右のリール3Rについては、75ミリ秒の間で最大1コマの図柄を引き込むことができる。なお、リール3L、3C、3Rの停止時における停止図柄の選択は、後述するように当選フラグの設定状況に従って予め選択されるに基づいて行われる。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図4参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図4参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図4参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図4参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図4は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図4では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、RAM112は、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU111には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、1ワード分の大きさである8ビットからなり、そのうちの下位7ビットがCPU111がROM113から命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。なお、RAM112の領域の構成については、後述する。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御回路110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。これらのコマンドは、それぞれ8ビットで構成される。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。これに加えて、当選状況信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号を外部装置に出力するものであってもよい。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技状態の移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
図5は、抽選対象となる役と、各役に対応した図柄組み合わせ及び配当の関係を示す図である。なお、抽選対象としては、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナス(それぞれ、BB1、BB2、RB)+チェリーや、グループ1〜グループ9のように同時に複数の役が抽選対象となっているものもあるが、複数の役が抽選対象となって後述する内部抽選に当選したからといって、当該複数の役の同時入賞が可能になる訳ではない。ここでは、まず、入賞となる図柄組み合わせとそれぞれの配当について説明する。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(1)に入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、1GCT、シングルボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナス(1)が与えられる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(2)に入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、1GCT、シングルボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナス(2)が与えられる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うと、レギュラーボーナスに入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、1GCT、シングルボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるレギュラーボーナスが与えられる。
遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にあるときは、払出メダル枚数が後述する所定数に達するまで、レギュラーボーナスの遊技状態が繰り返して提供される。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定され、また、通常の賭け数とは異なる1を設定してゲームを開始させるものとなる。
ビッグボーナス(1)は、払出メダル枚数が245枚に達したとき、ビッグボーナス(2)は、払出メダル枚数が465枚に達したときに終了する。遊技状態がビッグボーナス(1)にある間は、ビッグボーナス(1)中フラグがRAM112に設定され、ビッグボーナス(2)にある間は、ビッグボーナス(2)中フラグがRAM112に設定される。遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある状態でゲームの開始時においてレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、当該時点でRAM112にレギュラーボーナス中フラグも設定されるものとなる。
また、ビッグボーナス(2)の終了後は、さらに次にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選するまで、遊技状態がRT(Replay Time)に移行される。ビッグボーナス(1)の終了後も、さらに次の100ゲームの間(但し、次にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選するまで)、遊技状態がRTに移行される。遊技状態がRTにあるかどうかは(100ゲーム以内のRTであれば、残りゲーム数も)、RAM112に設けられるRTカウンタの値によって示される。
なお、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)において提供された場合を含む)にあるゲーム、或いは遊技状態がRTにあるゲームにおいては、演出制御基板102側の制御によって遊技状態がAT(Assist Time)に移行されるが、これについての詳細は後述する。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃うと、1GCTに入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次の1ゲームにおける遊技状態として1GCTが与えられ、RAM112に1GCT中フラグが設定される。
遊技状態が1GCTにあるときには、通常の賭け数とは異なる1を設定してゲームを開始させるものとなる。また、1ゲームだけのCTとして、右のリール3Rについての最大停止遅延時間が通常の190ミリ秒から75ミリ秒に短縮され、停止ボタン12Rを操作したときの図柄位置から引き込める図柄の範囲が1コマだけとなるが、停止ボタン12Rの操作タイミングが適正でありさえすれば、内部抽選の結果に関わらずに小役入賞させることができるようになる。さらに、1GCTでは、単純なCTとしての制御だけではなく、詳細を後述するように、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選する確率が、他の遊技状態よりも高くなる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「赤7/白7/BAR−ベル−R/W/B」(“/”は、いずれでもよいことを示す。以下、同じ)の組み合わせが揃うと、シングルボーナスに入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次の1ゲームにおける遊技状態としてシングルボーナスが与えられ、RAM112にシングルボーナス中フラグが設定される。シングルボーナスは、通常遊技状態(RT中の入賞ではRT)に比べると遊技者にとって有利な遊技状態であるが、その詳細については後述する。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「赤7/白7/BAR−ベル−赤7/白7/BAR」の組み合わせが揃うと、組み合わせ小役入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として15枚のメダルが払い出される。可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うと、ベルの小役入賞となり、賭け数が3のゲーム(通常、RT、シングルボーナス)で入賞した場合には10枚のメダルが、賭け数が1のゲーム(レギュラーボーナス、1GCT)で入賞した場合には15枚のメダルが、それぞれ配当として払い出される。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインにおいて、左のリール3Lに「チェリー」が導出されると、チェリーの小役入賞となり、賭け数が3のゲーム(通常、RT、シングルボーナス)で入賞した場合には1有効ライン当たり1枚のメダルが、賭け数が1のゲーム(レギュラーボーナス、1GCT)で入賞した場合には1有効ライン当たり3枚のメダルが、それぞれ配当として払い出される。左のリール3Lの中段には有効ラインが設定されておらず、上段及び下段にはそれぞれ4本の有効ラインが設定されているので、結局、賭け数が3のゲームでは4枚のメダルが、賭け数が1のゲームでは12枚のメダルが、チェリーの小役入賞時に払い出されることとなる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃うと、リプレイ入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次の1ゲームを改めて賭け数を設定せずに行うことのできる再遊技が付与される。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535)が取得される。そして、内部抽選において定められた抽選対象役毎に、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた判定値数に応じて行われる。
図5に示すように、入賞と判定される役と抽選対象役とは必ずしも1対1で対応するものではない。1GCT、ベルの小役とリプレイは、それぞれ単独でのみ抽選対象役とされる。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、及びチェリーの小役は、それぞれ単独で抽選対象役ともされるが、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーも抽選対象役となっている。
組み合わせ小役は、「赤7−ベル−赤7/白7/BAR」に対応した組み合わせ1、「BAR−ベル−赤7/白7/BAR」に対応した組み合わせ2、「白7−ベル−赤7/白7/BAR」に対応した組み合わせ3が抽選対象役となっている。また、組み合わせ小役のうちの「赤7−ベル−赤7」とシングルボーナスのうちの「赤7−ベル−B」に対応したグループ1、「赤7−ベル−BAR」と「赤7−ベル−W」に対応したグループ2、「赤7−ベル−白7」と「赤7−ベル−R」に対応したグループ3、「BAR−ベル−赤7」と「BAR−ベル−B」に対応したグループ4、「BAR−ベル−BAR」と「BAR−ベル−W」に対応したグループ5、「BAR−ベル−白7」と「BAR−ベル−R」に対応したグループ6、「白7−ベル−赤7」と「白7−ベル−B」に対応したグループ7、「白7−ベル−BAR」と「白7−ベル−W」に対応したグループ8、「白7−ベル−白7」と「白7−ベル−R」に対応したグループ9が抽選対象役となっている。
これらの抽選対象役のうちで、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、1GCT及びリプレイは、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供された場合を含む)にあるときには抽選対象役とならないが、他の抽選対象役は、いずれの遊技状態においても抽選対象役となる。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)及びレギュラーボーナスは、既にビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが設定されているときにも抽選対象役とならない。
もっとも、遊技状態がレギュラーボーナスにあるとき、または既にビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが設定されているときにビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、レギュラーボーナス+チェリー、及びグループ1〜グループ9に当選したとしても、ここでの当選に基づいてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス或いはシングルボーナスの入賞が可能となるものではない。
例えば、既にビッグボーナス(1)当選フラグが設定されているときに、ビッグボーナス(2)+チェリーに当選したとしても、既に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグに加えて設定されるのは、チェリー当選フラグだけであってビッグボーナス(2)当選フラグは設定されない。既にビッグボーナス(1)当選フラグが設定されているときに、グループ1に当選したときには、グループ1当選フラグもビッグボーナス(1)当選フラグに加えて設定されるが、グループ1に対応する組み合わせ小役には入賞できても、グループ1に対応するシングルボーナスには入賞しない。
図6(a)〜(e)は、それぞれ遊技状態が通常、RT、シングルボーナス、1GCT、レギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供された場合を含む)にあるときの各抽選対象役の当選確率を示す図である。遊技制御基板101のROM113には、この当選確率に応じた遊技状態、判定値毎の判定値数を登録したテーブルが記憶されている。登録されている判定値数を分子、内部抽選用の乱数の大きさ(65536)を分母とすれば、図6に示しているような確率となる。
内部抽選では、遊技状態及び設定値に応じて抽選対象役について定められた判定値数が順次読み出され、内部抽選用の乱数に順次加算されていく。そして、加算の結果がオーバーフローしたときに読み出した抽選対象役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該抽選対象役の当選フラグがRAM112に設定されるが、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、またはレギュラーボーナス+チェリーに当選したときには、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグとともに、チェリー当選フラグがRAM112に設定される。
グループ1〜グループ9に当選したときには、それぞれグループ1当選フラグ〜グループ9当選フラグがRAM112に設定される。ここで、例えば、グループ1当選フラグが設定されているときには、レギュラーボーナス以外の遊技状態においては、組み合わせ小役のうちの「赤7−ベル−赤7」とシングルボーナスのうちの「赤7−ベル−B」のいずれかに入賞可能となるが、図2に示した左と右のリール3L、3Rの図柄配列から、停止ボタン12L、12Rの操作タイミングによってはいずれにも入賞しないことがある。グループ2当選フラグ〜グループ9当選フラグが設定されているときも同様である。
組み合わせ1〜3に当選したときには、それぞれ組み合わせ1当選フラグ〜組み合わせ3当選フラグが設定され、それぞれ「赤7−ベル−赤7/白7/BAR」、「BAR−ベル−赤7/白7/BAR」、「白7−ベル−赤7/白7/BAR」での組み合わせ小役の入賞が可能となる。組み合わせ小役1〜3に当選したときには、遊技状態が1GCTにある場合を除いて、左のリール3Lに対応した停止ボタン12Lの操作タイミングさえ適正なものであれば、右のリール3Rに対応した停止ボタン12Rの操作タイミングがいずれのタイミングであっても入賞することとなる。
内部抽選の結果によってRAM112に設定された当選フラグのうちでビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグは、それぞれビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスに入賞しなければ、その入賞まで次ゲーム以降に持ち越される。これ以外の当選フラグは、入賞が発生したかどうかに関わらず、当該ゲーム限りで消去される。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグが持ち越されているゲームでも、これらを単独とするもの以外は抽選対象役となり、例えば、ビッグボーナス(1)当選フラグが設定されているときにベルの小役に当選すると、ビッグボーナス(1)当選フラグに重ねてベル当選フラグもRAM112に設定される。
上記の内部抽選の結果に応じて当選フラグが設定されると、当選フラグ(前回以前のゲームから持ち越されたものを含む)の設定状況に応じてリール3L、3C、3Rの回転を停止する際の停止図柄を示すリール制御テーブルを選択するためのテーブルインデックスが決められる。テーブルインデックスは、遊技状態、当選フラグの設定状況に応じた別々に用意され、ROM113に予め格納されており、リール3L、3C、3Rの回転を停止する際に選択されるリール制御テーブルを示すものである。
テーブルインデックスには、遊技状態、当選フラグの設定状況、他のリールの停止図柄に応じたリール制御テーブルのテーブル番号が、リール3L、3C、3R毎に登録されている。また、リール制御テーブルには、停止タイミング(ストップスイッチ42L、42C、42Rにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された際に、基準位置(例えば、可変表示装置2の透視窓の下段位置)に位置する図柄番号)毎に制御内容として、引き込み図柄数が登録されている。
ここで、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグと共に他の役の当選フラグも設定されているときのテーブルインデックスに従って順次選択されるリール制御テーブルは、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに応じて「赤7」、「白7」または「BAR」を有効ライン上に揃えることが可能であれば、他の当選フラグに対応した図柄組み合わせを有効ライン上に揃えることが可能であっても、「赤7」、「白7」または「BAR」を優先して有効ライン上に揃える制御を行うための制御内容が書き込まれたものとなる。
また、例えば、グループ2当選フラグが設定されているときのテーブルインデックスに従って順次選択されるリール制御テーブルは、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに応じて「赤7−ベル−BAR」を有効ライン上に揃えることが可能であれば、この図柄組み合わせを有効ライン上に揃え、「赤7−ベル−BAR」を有効ライン上に揃えることが不可能な場合に「赤7−ベル−W」を有効ライン上に揃えることが可能であれば、この図柄組み合わせを有効ライン上に揃えるための制御内容が書き込まれたものとなる。
ここで、左→中→右の順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作されるものとすると、後述するように、左のリール3Lについて選択されるリール制御テーブルでは、11番〜17番の図柄が下段に位置するときには、「赤7」を上段または下段に停止させる制御内容が書き込まれている。次に停止される中のリール3Cについて選択されるリール制御テーブルでは、必ず「ベル」を上段または下段に停止させる制御内容が書き込まれている。右のリール3Cについて選択されるリール制御テーブル(但し、1GCT以外で選択されるもの)では、4番〜11番の図柄が下段に位置するときには「BAR」を、17番〜20番、0番〜2番の図柄が下段に位置するときには「W」を上段または下段に停止させる制御内容が書き込まれている。
グループ1、グループ3〜グループ9当選フラグが設定されているときに選択されるリール制御テーブルも、それぞれのグループに応じて入賞可能なものと定められた組み合わせ小役、シングルボーナスに応じて、グループ2当選フラグが設定されている場合に選択されるリール制御テーブルと、同様の制御内容が書き込まれているものとなる。
なお、リール制御テーブルの制御内容としては、例えば、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに下段に位置する図柄を基準として、当選フラグの設定状況に応じて下段に停止させるべき図柄の番号を登録したものとすることもできる。さらに、リールモータ3ML、3MC、3MRを構成するステッピングモータのステップ番号(リール3L、3C、3Rの回転位置に対応する)を登録したものとすることもできる。また、リール制御テーブルにおいて基準とすべき位置は、下段の位置に限るものではなく、上段または中段としてもよい。
また、図6(a)〜(c)に示した当選確率から分かるように、遊技状態がシングルボーナスにあるときのベルの小役の判定値数が1だけ遊技状態が通常またはRTであるときのベルの小役の判定値数よりも大きいので、遊技状態がシングルボーナスにあるときのベルの小役の当選確率は遊技状態が通常またはRTであるときのベルの小役の当選確率よりも高くなる。また、遊技状態がシングルボーナスにあるときのリプレイの当選確率は、当該シングルボーナスに入賞したときの遊技状態に応じて決まるものとなる。
従って、グループ1〜グループ9に当選したときには、それぞれに対応した組み合わせ小役に入賞させることができれば、15枚のメダルの払い出しを受けることができる。組み合わせ小役に入賞しなくても、それぞれに対応したシングルボーナスに入賞させることができれば、次のゲームでの遊技状態がシングルボーナスとなる。シングルボーナスになると、ベルの小役の当選確率が1/65536だけ高くなるので、遊技状態が通常またはRTである場合よりも15/65536枚だけ払い出しを受けることのできるメダルの期待枚数が高くなる。
もっとも、シングルボーナスでの期待枚数の向上は15/65536枚だけであるので、グループ1〜グループ9に当選したときには、それぞれに対応した組み合わせ小役に入賞させた場合に遊技者が最も大きな利益を受けることができるものとなり、組み合わせ小役に入賞しなくても、それぞれに対応したシングルボーナスに入賞させることができれば、いずれにも入賞しなかった場合に比べると15/65536枚だけ(期待枚数)の利益を遊技者が受けることができるものとなる。
さらに、図6(a)〜(e)に示した当選確率から分かるように、遊技状態が1GCTにあるときには、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーの当選確率が、他の遊技状態にあるときに比べて極めて高くなる。1GCTに当選したときの取りこぼしはないので、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの入賞は、多くの場合において1GCTを経由しているものとなる。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
図7は、遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドの種類と、演出制御基板102のCPU121が各コマンドに基づいて認識する遊技の進行状況に関する内容、及び各コマンドの送信時期を示す図である。図示するように、遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払い出しコマンド、遊技状態コマンド、停止促進コマンド、及び停止促進解除コマンドがある。これ以外のコマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信することも可能であるが、本発明と関係のないものであるため説明を省略している。
BETコマンドは、遊技者の設定した賭け数を示すもので、メダル投入口13からのメダルの投入、またはBETボタン14、15の操作があったときに送信される。内部当選コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。リール回転開始コマンドは、リール3L、3C、3Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール3L、3C、3Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール3L、3C、3Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール3L、3C、3Rがそれぞれ停止されたときに送信される。
入賞判定コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。払い出しコマンドは、メダルの払い出しを開始するタイミング及び予測される払い出し時間を示すもので、メダルの払い出し開始時に送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。
停止促進コマンドは、後述する停止操作を促す演出を開始させる旨を指示するコマンドであり、リール3L、3C、3Rが回転開始してから60秒を経過しても停止ボタン12L、12C、12Rのいずれも操作されないとき、1番目の停止ボタンを操作してから60秒を経過しても2番目の停止ボタンが操作されないとき、或いは2番目の停止ボタンを操作してから60秒を経過しても3番目の停止ボタンが操作されないときに送信される。停止促進解除コマンドは、停止操作を促す演出を解除する旨を指示するコマンドであり、停止促進コマンドを送信した後に停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに送信される。
なお、RAM112には、所定時間毎のタイマ割り込みによって値が更新され、リール3L、3C、3Rの回転開始か1番目または2番目の停止ボタンの操作により新たに計時を開始することで、この60秒を経過したかどうかを判定するためのデモ移行タイマが設けられている。
次に、演出制御基板102の側において行われる演出について説明する。遊技制御基板101の側で制御されている遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)において提供された場合を含む)にあれば、演出制御基板102の側で制御する遊技状態は、ATとなる。ATにおいては、グループ1〜グループ9のいずれかに当選していると、それに対応した組み合わせ小役に入賞させるための手順が遊技者に報知され、組み合わせ1〜組み合わせ3のいずれかに当選していると、それに対応した組み合わせ小役に入賞させるための手順が遊技者に報知される。
図8は、遊技状態がRT(演出制御基板102の側で制御する遊技状態はAT)にあるときの組み合わせ小役報知の態様と、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに応じた可変表示装置2の表示態様とを説明する図である。遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)において提供された場合を含む)にある場合は、演出制御基板102の側の遊技状態はATにあるので、遊技状態がRTにある場合と同じ報知がされる。もっとも、次に示すような小役報知に応じたタイミングで停止ボタン12L、12C、12Rを操作すれば組み合わせ小役には入賞するものの、そのタイミングで停止ボタン12L、12C、12Rを操作できなければ、シングルボーナスの図柄を引き込めるタイミングで停止ボタン12Rを操作したとしても、シングルボーナスに入賞することはない。
図8(a)に示すように、例えば、グループ2に当選しているときには、グループ2に対応した組み合わせ小役「赤7−ベル−BAR」に対応して、それぞれの図柄が基調とする「赤」、「黄」、「青」の色が順に液晶表示器4に表示される。ここで、左→中→右の順で停止ボタン12L、12C、12Rを順押し操作した場合であって、1GCT以外の遊技状態にある場合を考える。
左のリール3Lについて、報知された色に従って「赤7」を上段または下段に停止させることができる11番〜17番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作すれば、図8(a)に示すように、「赤7」を上段(または下段)に停止させることができる。左のリール3Lが停止すると、「赤」の表示が液晶表示器4から消去される。中のリール3Cについては、0番〜20番のいずれの図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Cを操作しても、図8(b)に示すように、「ベル」を上段(または下段)に停止させることができる。中のリール3Cが停止すると、「黄」の表示が液晶表示器4から消去される。
次に、右のリール3Rについて、報知された色に従って「BAR」を上段または下段に停止させることができる4番〜11番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、図8(c)に示すように、「BAR」を下段(または上段)に停止させて、組み合わせ小役に入賞させることができる。ここで、組み合わせ小役に入賞させることができなかったとしても、17番〜20番、0番〜2番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、図8(d)に示すように、「W」を下段(または上段)に停止させて、シングルボーナスに入賞させることができる。もっとも、3番、12番〜16番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作した場合は、図8(e)に示すように、グループ2に当選していたとしても、いずれの役にも入賞させることができない。
なお、図8(a)〜(e)では、グループ2に当選していた場合を示していたので、「赤」、「黄」、「青」と液晶表示器4に表示されたが、他のグループに当選していた場合には、それぞれのグループに対応した組み合わせ小役の図柄組み合わせに対応した色が液晶表示器4に表示される。例えば、当選していたグループに対応した組み合わせ小役では、左のリール3Lの図柄が「白7」、「BAR」であれば、それぞれ液晶表示器4の左側に「白」、「青」が表示される。右のリール3Rの図柄が「赤7」、「白7」であれば、それぞれ液晶表示器4の右側に「赤」、「白」が表示される。真ん中に表示される色は、いずれにしても「黄」である。
また、組み合わせ1に当選していた場合には、図8(f)〜(h)に示すように、液晶表示器4の右側に表示される色は、「赤」、「白」、「青」のいずれでもなく、「黒」となる。例えば、組み合わせ1に当選していて、入賞の可能性を残したまま左と中のリール3L、3Cが停止した場合には、停止ボタン12Rの操作タイミングに関わらずに、組み合わせ小役に入賞となるからである。
18番〜20番、0番〜3番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、図8(f)に示すように「白7」が下段(または上段)に停止して組み合わせ小役に入賞となり、4番〜10番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、図8(g)に示すように「BAR」が下段(または上段)に停止して組み合わせ小役に入賞となり、11番〜17番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、図8(h)に示すように「赤7」が下段(または上段)に停止して組み合わせ小役に入賞となる。
また、リール3L、3C、3Rのうち2つのリールの回転が停止した際に、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスにテンパイ(それぞれの役の図柄組み合わせを構成する図柄のうちの2つが有効ライン上に揃ったこと)した場合には、所定のテンパイ音がスピーカ7L、7R、7Uから出力される。ここで出力されるテンパイ音には、通常、特殊1、特殊2の3態様があるが、いずれの態様が選択されるかは、当選フラグの設定状況に応じて異なるものとなる。
図9(a)は、テンパイ音の選択確率を示す図である。ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない場合には、全て通常態様のテンパイ音が選択されて出力される。ビッグボーナス(1)に当選している場合には、120/128の確率では通常態様のテンパイ音が選択された出力されるが、8/128の確率では特殊1態様のテンパイ音が選択されて出力される。ビッグボーナス(2)に当選している場合には、通常態様のテンパイ音が選択される確率は96/128だけで、12/128の確率で特殊1態様のテンパイ音が、20/128の確率で特殊2態様のテンパイ音が選択されて出力される。
なお、可変表示装置2の有効ライン上にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの図柄がテンパイしたかかどうかは、遊技制御基板101から送信されるリール停止コマンドに基づいて判断される。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM123には、リール3L、3C、3Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、また、可変表示装置2に停止している図柄の種類をリール毎に保存する停止図柄テーブルがRAM122に設けられている。
また、組み合わせ小役、ベルの小役またはチェリーの小役の入賞に伴ってメダルの払い出しが行われる場合には、メダル払出音がスピーカ7L、7R、7Uから出力される。メダル払出音には、払出音1〜払出音5までの5つの態様があるが、入賞時の条件や入賞した役の種類に応じて、いずれの態様の払出音が出力されるかが選択されることとなる。
図9(b)は、払出音の選択確率を示す図である。遊技状態がATにある場合において、リール3L、3C、3Rの回転開始から全ての停止までに要した時間が所定時間内である高速入賞となった場合には、全て払出音5が選択されて出力される。AT時の高速入賞以外でチェリーの小役に入賞した場合には、全て払出音4が選択されて出力される。遊技状態が1GCTにある場合においてベルの小役または組み合わせ小役に入賞した場合には、全て払出音3が選択されて出力される。
1GCT以外の遊技状態でビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選しているときにおいてベルの小役または組み合わせ小役に入賞した場合には、112/128の確率では払出音1が選択されて出力されるが、残りの16/128の確率では払出音2が選択されて出力される。これ以外の場合でベルの小役または組み合わせ小役に入賞した場合には、全て払出音1が選択されて出力される。なお、これらの払出音が出力される継続時間は、遊技制御基板101から送信される払出コマンドに従って決められるものとなる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、スタートレバー11の操作によりリール3L、3C、3Rの回転が開始した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しない限り、それぞれのリール3L、3C、3Rの回転が停止することはない。つまり、リール3L、3C、3Rの自動停止の機能を有していない。リール3L、3C、3Rの回転がいつまでも継続したままだと、スロットマシン1の稼働率が低下してしまうこととなる。そこで、停止ボタン12L、12C、12Rが一定期間操作されない場合には、停止操作を遊技者に促すための演出が行われるものとなる。
すなわち、リール3L、3C、3Rが回転開始してから60秒を経過しても停止ボタン12L、12C、12Rのいずれも操作されないとき、1番目の停止ボタンを操作してから60秒を経過しても2番目の停止ボタンが操作されないとき、或いは2番目の停止ボタンを操作してから60秒を経過しても3番目の停止ボタンが操作されないときには、遊技制御基板101から送信されてくる停止促進コマンドに従って、停止促進画面を液晶表示器4に表示させると共に、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声のレベルを所定レベルまで低下させる。
このような停止促進画面の表示等により停止ボタン12L、12C、12Rの操作が遊技者に促された後であっても、遊技者により停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると、遊技制御基板101から送信されてくる停止促進解除コマンドに従って、停止促進画面4が液晶表示器4から表示消去され、また、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声のレベルも元のレベルまで戻されるものとなる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明と直接関わるものでなければ、説明を省略している場合がある。
図10は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。BETボタン14、15の操作またはメダルの投入により賭け数が設定されると、BETコマンドが演出制御基板102に送信される。
ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)を含む)または1GCTにあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM112に当選フラグが設定され、テーブルインデックスが決定される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転を開始させる際に、リール回転開始コマンドが演出制御基板102に送信される。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。
ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。また、リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、リール変動停止処理に移行する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じて選択されたリール制御テーブルを参照してリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図11は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、まず、RAM112にビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS101)。ビッグボーナス(1)中フラグと ビッグボーナス(2)中フラグのいずれも設定されていなければ、そのままステップS103の処理に進む。
ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されていれば、いずれにしてもレギュラーボーナスの遊技状態でゲームを行うため、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定する(ステップS102)。ここで、既にレギュラーボーナス中フラグが設定されていた場合は、その状態が継続されるだけである。そして、ステップS103の処理に進む。ステップS103では、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、内部抽選用の乱数を取得し、RAM112の所定の領域(判定領域)に記憶させる。
次に、遊技状態に応じた抽選対象役を最初から順に読み出す(ステップS104)。ここで、読み出した役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナス(+チェリーとなる場合を含まない)であるかどうかを判定する(ステップS105)。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれでもない場合には、そのままステップS107の処理に進む。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスである場合には、前回以前のゲームからの持ち越しによりビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグがRAM112に設定されているかどうかを判定する(ステップS106)。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグのいずれかが設定されていれば、ステップS104の処理に戻り、次の抽選対象役を読み出すものとする。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグのいずれも設定されていなければ、ステップS107の処理に進む。
ステップS107では、当該遊技状態に応じた抽選対象役について設定値に応じてROM103に記憶されている判定値数を取得する。次に、ここで取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする(ステップS108)。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS109)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態における抽選対象役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS110)。未だ処理対象としていない抽選対象役があれば、ステップS104の処理に戻り、次の抽選対象役を読み出すものとする。処理対象としていない抽選対象役がなければ、ステップS114の処理に進む。
ステップS109でオーバーフローが生じたと判定された場合には、このときの抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナス(+チェリーの場合を含む)であるかどうかを判定する(ステップS111)。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれでもなければ、ステップS113の処理に進む。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれかであれば、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS112)。そして、ステップS113の処理に進む。
ステップS113では、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。ここで、抽選対象役がビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、またはレギュラーボーナス+チェリーであった場合には、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグとともにチェリー当選フラグを設定する。また、前回以前のゲームからの持ち越しによりビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが設定されていた場合には、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグに重ねて、今回のゲームで当選となる抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。そして、ステップS114の処理に進む。
ステップS114では、ここでの当選フラグの設定状況と、レギュラーボーナス中フラグ及び1GCT中フラグにより示される遊技状態に応じてリール3L、3C、3Rの回転停止時においてリール制御テーブルを選択するためのテーブルインデックスが決定される。さらに、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて内部当選コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する(ステップS115)。そして、抽選処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図12は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。リール変動停止処理では、まず、停止ボタン12L、12C、12Rの全てを操作有効にする(ステップS201)。次に、RAM112に設けられたデモ移行タイマによる計時を新たに開始する(ステップS202)。
次に、デモ移行タイマの計時する時間が60秒となったかどうかを判定する(ステップS203)。60秒となっていなければ、ステップS206の処理に進む。60秒となっていれば、RAM112にデモ状態フラグをセットする(ステップS204)。さらに、停止促進コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS205)。そして、ステップS206の処理に進む。
ステップS206では、ストップスイッチ42L、42C、42Rからの信号により停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの操作が検出されたかどうかを判定する。ここで、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで既に操作されていて対応するリールの回転が停止しているものは操作無効となっているので、物理的な操作がされたとしても操作が検出されていないものと判定される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されていなければ、ステップS203の処理に戻る。停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの操作が検出された場合には、デモ移行タイマの計時時間を0秒にクリアして停止させる(ステップS207)。
さらに、RAM112にデモ状態フラグがセットされているかどうかを判定する(ステップS208)。デモ状態フラグがセットされていなければ、そのままステップS210の処理に進む。デモ状態フラグがセットされていれば、まず、RAM112にセットされているデモ状態フラグをリセットする(ステップS209)。さらに、停止促進解除コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS210)。そして、ステップS211の処理に進む。
ステップS211では、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで操作が検出されたものと判定されたものを操作無効とする。さらに、詳細を後述するリール停止制御処理を行って、リール3L、3C、3Rのうちで操作の検出された停止ボタンに対応するものと回転を停止させる(ステップS212)。さらに、ここで停止したリールの種類及び停止位置を示すリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS213)。
次に、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(ステップS214)。リール3L、3C、3Rのうちで未だ回転を継続しているものがあれば、ステップS202の処理に戻り、再びデモ移行タイマによる計時を新たに開始させる。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止した場合には、リール変動停止処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS212のリール停止制御処理について詳しく説明する。図13は、CPU111がステップS212で実行するリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。
リール停止制御処理では、まず、停止ボタン12L、12C、12Rのうちの1番目の停止操作がされたことによる第1停止であるか否かを判定する(ステップS301)。第1停止であれば、テーブルインデックスを参照して、停止リールについて遊技状態及び当選フラグに応じたリール制御テーブルを選択する(ステップS302)。そして、ステップS304の処理に進む。第1停止でなければ、テーブルインデックスを参照して、停止リールについて既に停止しているリールに導出された図柄、遊技状態及び当選フラグに応じたリール制御テーブルを選択する(ステップS303)。そして、ステップS304の処理に進む。
ステップS304では、選択したリール制御テーブルに書き込まれている制御内容を参照して停止操作のタイミングで対象リールの下段に表示されている図柄の位置からの引き込み図柄数を読み出し、対象リールを停止させる際の引き込み図柄数を設定する。そして、設定した引き込み図柄数に基づいて対象リールの回転を停止させる。すなわち、設定した引き込み図柄数分だけ対象リールが回転した後、当該リールの回転を停止させる(ステップS305)。そして、リール停止制御処理を終了して、図12のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS6の入賞判定処理について詳しく説明する。図14は、CPU111がステップS6で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS401)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2に設定された8本の有効ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS402)。当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS403)、ステップS404の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS404の処理に進む。
ステップS404では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS401の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS405)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS406)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS417の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、RAM112にシングルボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、シングルボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS407)。シングルボーナス入賞していれば、シングルボーナス中フラグをRAM112に設定する(ステップS408)。そして、ステップS417の処理に進む。
シングルボーナス入賞していなければ、RAM112に1GCTの入賞フラグが設定されているかどうかにより、1GCT入賞したかどうかを判定する(ステップS409)。1GCT入賞していれば、1GCT中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されている1GCT当選フラグを消去する(ステップS410)。そして、ステップS417の処理に進む。
1GCT入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS411)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス(1)中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する(ステップS412)。そして、ステップS417の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS413)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス(2)中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する(ステップS414)。そして、ステップS417の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS415)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する(ステップS416)。そして、ステップS417の処理に進む。レギュラーボーナス入賞もしていなければ、そのままステップS417の処理に進む。
ステップS417では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示す入賞判定コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS7の払出処理について詳しく説明する。図15は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112に組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS501)。小役入賞していなければ、そのままステップS504の処理に進む。
小役入賞していれば、入賞した小役に基づいて払い出されるメダルの枚数に応じた払出時間を示すと共に、メダルの払い出しを開始する旨を指示する払い出しコマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS502)。そして、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS503)。そして、ステップS504の処理に進む。
ステップS504では、RAM112にビッグボーナス(1)中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナス(1)であったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス(1)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナス(1)であった訳ではないので、ビッグボーナス(1)中フラグが設定されていても、ビッグボーナス(1)中であったと判定されない。
ビッグボーナス(1)中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナス(1)が開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS505)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が255枚を越えたかどうかを判定する(ステップS506)。メダルの払い出し総数が255枚を越えていなければ、ステップS515の処理に進む。
メダルの払い出し総数が255枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS507)。さらに、RAM112に設けられたRTカウンタの初期値として101を設定する(ステップS508)。ここで101を初期値とするのは、後述するステップS523でRTカウンタの値が1減算されても、ビッグボーナス(1)の終了後におけるRTのゲーム数を100ゲームとすることができるようにするためである。そして、ステップS517の処理に進む。
当該ゲームの遊技状態がビッグボーナス(1)でなかった場合には、RAM112にビッグボーナス(2)中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナス(2)であったかどうかを判定する(ステップS509)。但し、ビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナス(2)であった訳ではないので、ビッグボーナス(2)中フラグが設定されていても、ビッグボーナス(2)中であったと判定されない。
ビッグボーナス(2)中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナス(2)が開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS510)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS511)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS515の処理に進む。
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS512)。さらに、RAM112に設けられたRTカウンタの初期値として102を設定する(ステップS513)。ここで102を初期値とするのは、後述するステップS523でRTカウンタの値が1減算されることのないようにし、次にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選するまでRTの遊技状態が継続するようにするためである。そして、ステップS517の処理に進む。
当該ゲームの遊技状態がビッグボーナス(2)でなかった場合には、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供された場合を含まない)であったかどうかを判定する(ステップS514)。但し、レギュラーボーナスの入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、ステップS515の処理に進む。
ステップS515では、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)では、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS516)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS517の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS522の処理に進む。
ステップS517では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS522の処理に進む。
ステップS514で当該ゲームにおける遊技状態がレギュラーボーナスでもなかった場合には、RAM112に1GCT中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態が1GCTであったかどうかを判定する(ステップS518)。但し、1GCTの入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでの1GCT入賞であって、当該ゲームの遊技状態が1GCTであった訳ではないので、1GCT中フラグが設定されていても、1GCT中であったと判定されない。当該ゲームにおける遊技状態が1GCTであった場合には、RAM112に設定されている1GCT中フラグを消去する(ステップS519)。そして、ステップS522の処理に進む。
当該ゲームにおける遊技状態が1GCTでもなかった場合には、RAM112にシングルボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がシングルボーナスであったかどうかを判定する(ステップS520)。但し、シングルボーナスの入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのシングルボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がシングルボーナスであった訳ではないので、シングルボーナス中フラグが設定されていても、シングルボーナス中であったと判定されない。
当該ゲームにおける遊技状態がシングルボーナスであった場合には、RAM112に設定されているシングルボーナス中フラグを消去する(ステップS521)。そして、ステップS522の処理に進む。当該ゲームにおける遊技状態がシングルボーナスでもなければ、そのままステップS522の処理に進む。
ステップS522では、RAM112に設けられたRTカウンタの値が1以上101以下の範囲にあるかどうかを判定する。RTカウンタの値が1以上101以下の範囲にあれば、RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS523)、ステップS524の処理に進む。RTカウンタの値が1以上101以下の範囲になければ、そのままステップS524の処理に進む。
ステップS524では、RAM112にグループ1当選フラグ〜グループ9当選フラグ、組み合わせ1当選フラグ〜組み合わせ3当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。1GCT当選フラグは、取りこぼしなく1GCT入賞するので、ここで消去しなくても、既にステップS410で消去されている。また、ステップS403においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
次に、RAM112におけるビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、シングルボーナス中フラグ及び1GCT中フラグ、並びにRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS525)。そして、払出処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。ここで図10のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、シングルボーナス、1GCTの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、ATへの遊技状態の移行を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図16は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS601)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS602)。
受信したコマンドの種類がステップS2で送信されたBETコマンドであった場合には、スピーカ7L、7R、7Uから所定のBET音を出力させる(ステップS603)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS115で送信された内部当選コマンドであった場合には、当該内部当選コマンドが示す当選フラグの設定状況をRAM122の所定の領域に前回のゲームで保存された当選フラグの設定状況に上書きして保存する(ステップS604)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS4で送信されたリール回転開始コマンドであった場合には、詳細を後述するリール回転開始時処理を行う(ステップS605)。リール回転開始時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS213で送信されたリール停止コマンドであった場合には、詳細を後述するリール停止時処理を行う(ステップS606)。リール停止時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS417で送信された入賞判定コマンドであった場合には、当該入賞判定コマンドが示す入賞状況をRAM122の所定の領域に前回のゲームで保存された入賞状況に上書きして保存する(ステップS607)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS502で送信された払出コマンドであった場合には、詳細を後述する払い出し時処理を行う(ステップS608)。払い出し時処理を終了すると、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS523で送信された遊技状態コマンドであった場合には、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態をRAM122の所定の領域に前回のゲームで保存された遊技状態に上書きして保存する(ステップS609)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS205で送信された停止促進コマンドであった場合には、液晶表示器4に停止促進画面を表示させる。また、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声のレベルを所定レベルまでダウンさせる(ステップS610)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS210で送信された停止促進解除コマンドであった場合には、液晶表示器4に表示されている停止促進画面を表示消去させる。また、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声のレベルを元のレベルまでアップさせる(ステップS611)。そして、ステップS601の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS612)。その後、ステップS601の処理に戻る。
次に、ステップS605のリール回転開始時処理について詳しく説明する。図17は、CPU121がステップS605で実行するリール回転開始時処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転開始時処理では、まず、CPU121の内部タイマを用いて、リール3L、3C、3Rの回転開始からの経過時間を計測するタイマの計時を開始させる(ステップS701)。次に、前のゲームでRAM122に停止図柄テーブルに記憶させた停止図柄を全てクリアする(ステップS702)。
次に、前回のゲームで送信された遊技状態コマンドに基づいてステップS609でRAM122に保存された遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、RTのいずれかにあるかどうかを判断することにより、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあるかどうかを判定する(ステップS703)。演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATになければ、そのままリール回転開始時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあれば、ステップS604でRAM122に保存した当選状況を参照して、グループ1〜グループ9のいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS704)。グループ1〜グループ9のいずれかに当選していれば、当選しているグループに対応した組み合わせ小役を構成する図柄が基調とする色を液晶表示器4に並べて表示する(ステップS705)。そして、リール回転開始時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
グループ1〜グループ9のいずれにも当選していない場合には、さらに組み合わせ1〜組み合わせ3のいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS706)。組み合わせ1〜組み合わせ3のいずれかに当選していれば、当選している組み合わせに応じた組み合わせ小役を構成する図柄が基調とする色を液晶表示器4に並べて表示する。但し、右側の色は「黒」となる(ステップS707)。そして、リール回転開始時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS606のリール停止時処理について詳しく説明する。図18は、CPU121がステップS605で実行するリール停止時処理を詳細に示すフローチャートである。リール停止時処理では、受信したリール停止コマンドに従ってROM123のテーブルを参照して図柄を特定し、当該リール停止コマンドが示すリールについて停止した図柄をRAM122の停止図柄テーブルに保存する(ステップS801)。
次に、ステップS705またはS707で組み合わせ小役に入賞させるための手順に対応した色が液晶表示器4に表示されているかどうかを判定する(ステップS802)。組み合わせ小役に入賞させるための手順に対応した色が液晶表示器4に表示されていなければ、そのままステップS804の処理に進む。組み合わせ小役に入賞させるための手順に対応した色が液晶表示器4に表示されていれば、受信したリール停止コマンドが示すリールに対応する色を液晶表示器4から表示消去する。また、停止図柄テーブルに保存された図柄により可変表示装置2における表示態様が報知していた色に応じた役に入賞することが不能になっていた場合は、全てのリールに対応する色を液晶表示器4から表示消去する(ステップS803)。そして、ステップS804の処理に進む。
ステップS804では、RAM122の停止図柄テーブルを参照し、リール3L、3C、3Rのうちの2つが停止した状態で、「赤7」、「白7」または「BAR」がいずれかの有効ライン上に揃った状態となっているかどうか、すなわち、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれかがテンパイしているかどうかを判定する。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれかがテンパイしていれば、ステップS604でRAM122に保存した当選状況を参照して、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS805)。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選していれば、ソフトウェア乱数機能によりテンパイ音選択用の乱数(0〜127)を抽出し、その値を当選しているのがビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれであるかに応じてテンパイ音の態様を選択する(ステップS806)。
ここで、テンパイ音の態様として特殊1または特殊2が選択されたかどうかを判定する(ステップS807)。特殊1または特殊2がテンパイ音の態様として選択された場合には、選択された態様のテンパイ音(特殊1または特殊2)を所定期間だけスピーカ7L、7R、7Uから出力させる(ステップS808)。そして、リール停止時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれかがテンパイしても、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれにも当選していなかった場合、若しくはビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれかに当選していても通常態様のテンパイ音が選択された場合には、通常態様のテンパイ音を所定期間だけスピーカ7L、7R、7Uから出力させる(ステップS809)。そして、リール停止時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
ステップS804でビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれもテンパイした状態となっていないと判定された場合には、RAM122に停止図柄テーブルを参照して、リール3L、3C、3Rの全てが停止したかどうかを判定する(ステップS810)。リール3L、3C、3Rの全てが停止した場合には、ステップS701で開始した回転開始からの経過時間の計時を、タイマの値をそのままにして停止する(ステップS811)。そして、リール停止時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。リール3L、3C、3Rの全てが停止していない場合には、そのままリール停止時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS608の払い出し時処理について詳しく説明する。図19は、CPU121がステップS608で実行する払い出し時処理を詳細に示すフローチャートである。払い出し時処理では、前回のゲームで送信された遊技状態コマンドに基づいてステップS609でRAM122に保存された遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、RTのいずれかにあるかどうかを判断することにより、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあるかどうかを判定する(ステップS901)。
演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあれば、ステップS811で計時を停止したリール3L、3C、3Rの回転開始からの経過時間を計測するタイマの値を参照して、回転開始から所定時間以内でリール3L、3C、3Rの全てが停止したのかどうかを判定する(ステップS902)。回転開始から所定時間以内でリール3L、3C、3Rの全てが停止した場合には、受信した払い出しコマンドが示す時間だけスピーカ7L、7R、7Uから払出音5を出力させる(ステップS903)。そして、払い出し時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにない場合、或いは回転開始から所定時間を過ぎてリール3L、3C、3Rの全てが停止した場合には、ステップS607でRAM122に保存した入賞状況を参照して、今回のゲームでチェリーの小役に入賞したのかどうかを判定する(ステップS904)。チェリーの小役に入賞した場合には、受信した払い出しコマンドが示す時間だけスピーカ7L、7R、7Uから払出音4を出力させる(ステップS905)。そして、払い出し時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
チェリーの小役に入賞したのでない場合には、前回のゲームのステップS609でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームにおける遊技状態が1GCTであったかどうかを判定する(ステップS906)。今回のゲームにおける遊技状態が1GCTであったならば、受信した払い出しコマンドが示す時間だけスピーカ7L、7R、7Uから払出音3を出力させる(ステップS907)。そして、払い出し時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
今回のゲームにおける遊技状態が1GCTでなかった場合には、ステップS604でRAM122に保存した当選状況を参照して、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS908)。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスのいずれかに当選してる場合には、ソフトウェア乱数機能により払出音選択用の乱数(0〜127)を抽出し、その値に応じて払出音の態様を選択し、払出音の態様として払出音2が選択されたかどうかを判定する(ステップS909)。払出音2が選択された場合には、受信した払い出しコマンドが示す時間だけスピーカ7L、7R、7Uから払出音2を出力させる(ステップS910)。そして、払い出し時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)及びレギュラーボーナスのいずれにも当選していなかった場合、或いはこれらのいずれかに当選していても払出音1が選択された場合には、受信した払い出しコマンドが示す時間だけスピーカ7L、7R、7Uから払出音1を出力させる(ステップS911)。そして、払い出し時処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、グループ1〜グループ9当選フラグが設定されているときには、それぞれのグループに応じた種類の組み合わせ小役にも、シングルボーナスにも入賞させることができるようになる。ここで、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが適切であって組み合わせ小役に入賞すれば、遊技者は、配当として15枚のメダルの払い出しを受けることができる。停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが適切でなければ、グループ1〜グループ9当選フラグが設定されていても組み合わせ小役に入賞させることができず、配当として15枚のメダルの払い出しを受けることができない。
もっとも、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが一定の範囲にあれば、組み合わせ小役に入賞しなくてもシングルボーナスに入賞する。シングルボーナス入賞した場合には、当該ゲームでのメダルの払い出しは受けられないが、次の1ゲームでの遊技状態がシングルボーナスとなる。シングルボーナスの遊技状態では、ベルの小役に当選する確率が通常の遊技状態(或いはRT)よりも高くなるので、遊技者は、これによる利益を受けることができる。このため、グループ1〜グループ9に当選しているときの組み合わせ小役の取りこぼしに対する損失を軽減させることができるようになる。
ここで、組み合わせ小役の入賞ができなかった場合の損失の軽減は、次の1ゲームにおける制御だけで済ましているため、従来のスロットマシンにあった小役カウンタのような構成を設ける必要がなく、また、損失が一定レベルを超えたかどうかという判断も行う必要がないので、その損失を軽減させるための制御負荷の増大も最小限に抑えることができる。さらに、組み合わせ小役の取りこぼしによる損失を軽減するシングルボーナスへの遊技状態の制御は、シングルボーナスの図柄組み合わせの導出を契機としているので、組み合わせ小役の取りこぼしによる損失の軽減が確実にされていることが分かりやすくなり、遊技者に不信感を感じさせることがなくなる。
ところで、グループ1〜グループ9当選フラグが設定されている状態で、組み合わせ小役に入賞できないときにシングルボーナス入賞できることになっているといっても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングがシングルボーナスに対しても不適切なものであれば、何らの役にも入賞することがない。このため、グループ1〜グループ9当選フラグが設定されているときに、遊技者が何らかの配当を受けるためには停止ボタン12L、12C、12Rを全くランダムなタイミングで操作するという訳にはいかない。この結果として、遊技者としては停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに集中する必要があり、技術介入性が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、グループ1〜グループ9当選フラグが設定されている状態では、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあることを条件として、当選しているグループの図柄組み合わせに対応する図柄の色が液晶表示器4に表示されることとなる。この表示された色によって、遊技者は、停止ボタン12L、12C、12Rの適切な操作タイミングを認識することができる。これにより認識した適切なタイミングで停止ボタン12L、12C、12Rを操作することで、より価値の高い配当の得られる組み合わせ小役に入賞させられるので、遊技者としては停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに集中する必要があり、技術介入性が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、組み合わせ小役に入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングを認識可能な報知がされるのは、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあるときに限られている。演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATとなる場合とは、遊技制御基板101の側で制御する遊技状態がレギュラーボーナスまたはRTとなる場合である。RTは、ビッグボーナス(1)の終了後100ゲーム(但し、次のレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選まで)か、ビッグボーナス(2)の終了後次にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選するまで継続することとなる。
このため、単にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)に制御されることが、遊技制御基板101の側で制御する遊技状態が有利なものとなることだけを遊技者に期待させるのではなく、グループ1〜グループ9当選時の報知までを期待させるものとなる。これにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)に対する遊技者の期待感がより高いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、遊技制御基板101の側で制御する遊技状態としての有利度だけでなく、グループ1〜グループ9当選時の報知の有利度まで、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の順で高いものとなる。これにより、ボーナスの種類に応じて異なる期待感を遊技者に与えることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、組み合わせ小役とシングルボーナスの両方の入賞が可能となる抽選対象役は、1種類だけではなくグループ1〜グループ9という9種類のものがある。そして、そのそれぞれについて、対応する組み合わせ小役に入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングと、対応するシングルボーナスに入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが異なっている。このように組み合わせ小役の種類やシングルボーナスの種類が多くあることで、遊技者が配当を受けることのできる図柄組み合わせの態様が豊富なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、グループ1〜グループ9のいずれについて当選フラグが設定されているかに応じて、組み合わせ小役に入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが異なるので、入賞させるためにはゲーム毎に操作タイミングが異なることとなるので技術介入性が高まり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。シングルボーナスについても、グループ1〜グループ9で組み合わせ小役の種類に対応して異なる種類のものが用意され、入賞させるため停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが異なるので、何らかの配当を得るためにはゲーム毎に操作タイミングを変えねばならず、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、可変表示装置2の有効ラインを上段または下段の組み合わせで設定しており、リール3L、3C、3Rのいずれについても「ベル」及び「JAC」を7コマ以内の間隔で配置している。左のリール3Lについては「チェリー」を7コマ以内の間隔で配置している。これにより、ベル、チェリー、リプレイに当選したときには、取りこぼしなしでこれらに入賞させることができる。取りこぼしを生じさせないための図柄の配置間隔が7コマ以内で済むため、図柄の配置に対する自由度が高くなっている。
また、遊技状態として1GCTを有しているが、この1GCTは、単にCTとしての遊技性を有するだけではなく、通常とは異なる賭け数を設定してゲームを開始可能とすることでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の当選確率も高いものとなっている。これにより、CTとしての技術介入性の向上で遊技性を高めさせるだけではなく、遊技者の期待感を高めさせることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、リール3L、3C、3Rのうち第2リールまで回転を停止した段階で「赤7」、「白7」または「BAR」がテンパイしたときには、テンパイ音がスピーカ7L、7R、7Uから出力されることとなる。ここで、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときには、特殊音1が出力される場合があり、ビッグボーナス(2)に当選しているときには、特殊音2が出力される場合がある。このような特殊音1、2が出力させることで、レギュラーボーナスよりも有利度の高いビッグボーナス(1)、さらにはビッグボーナス(1)よりも有利度の高いビッグボーナス(2)の当選を遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、メダルの払い出しが行われる際にも、メダル払出音がスピーカ7L、7R、7Uから出力される。ここで、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATであって所定の時間以内で入賞したときには、これ以外の場合に出力されることのない払出音5が出力されるので、特に技量の高い遊技者に対して満足感を与えさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。AT以外でも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)に当選しているときには、払出音2が出力されることがあるので、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、或いはビッグボーナス(2)の当選を遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技者が積極的に停止ボタン12L、12C、12Rを操作しない限り、リール3L、3C、3Rの回転が停止することはない。このため、可変表示装置2の表示結果として導出される表示態様には、必ず遊技者の操作が介入していることとなり、遊技者が何らの技術介入もしないのに配当が得られたり、技術介入したか否かによって異なる結果が導出されたりすることがないので、遊技の公平性を保つことができる。
もっとも、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されない限りリール3L、3C、3Rの回転を停止しないものとすれば、いつまでもリール3L、3C、3Rが停止されないでゲームを消化できないという不都合も起こりえる。これに対して、スタートレバー11または1番目または2番目の停止ボタンが操作されてから60秒を経過しても次の停止操作がされなければ、停止促進画面が液晶表示器4に表示されるものとなるので、このような不都合が生じるのを可能な限り防ぐことができるようになる。
さらに、停止促進画面が表示されるような場合には、そもそも誰も遊技を行っていない場合も考えられるが、このような場合には、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声のレベルをダウンさせている。これにより、誰も遊技を行っていないスロットマシン1から出力される音声によって、周囲の者(例えば、当該スロットマシンの隣に設置されたスロットマシンで遊技を行っている遊技者)が煩わされるような不都合を防ぐことができるようになる。
ところで、グループ1〜グループ9に当選したときには、組み合わせ小役かシングルボーナスかに入賞させることができる。組み合わせ小役に入賞した場合には、15枚のメダルの払い出しを受けられるが、次のゲームの遊技状態は通常またはRTである。シングルボーナスに入賞した場合は、次のゲームの遊技状態がシングルボーナスに変化するが、ここでは、シングルボーナスに特有の演出は行わないものとしている。このため、組み合わせ小役の取りこぼしの損失を軽減するためのシングルボーナスでのゲームも、遊技者にとって遊技状態が通常またはRTにあるときと変わらずに違和感なく行うことができるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、1GCTやシングルボーナスに遊技状態が制御されているときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても、当該ゲームでこれらの役に入賞することはなかった。しかしながら、1GCTやシングルボーナスにおいても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したゲームで、これらの役に入賞可能となるようにしてもよい。1GCTでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞可能とするが、シングルボーナスでは入賞不能としてもよい。或いは、その逆とすることもできる。
上記の実施の形態では、遊技制御基板101の側で制御する遊技状態として、通常の遊技状態の他に、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、シングルボーナス、1GCT、RTがあった。これらの遊技状態のうちで、1GCTはなくてもよい。1GCTのようなCTとしての遊技性は有しないが、通常とは異なる賭け数を設定してゲームを開始可能とすることで、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の当選確率を高くする遊技状態があってもよい。
また、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の3種類全てがなくてはならないものではなく、いずれか1種類または2種類だけとしてもよい。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)および/またはビッグボーナス(2)に加えて、或いはこれらに変えて、メダルの払い出し枚数が所定数に達するまで遊技状態をチャレンジボーナス(上記したCT(1GCTのように確変しない)のゲームが連続する状態)に制御するものとしてもよい。遊技制御基板101の側で制御する遊技状態がレギュラーボーナスであるときのみグループ1〜グループ9の当選時における報知を行うものとするならば、RTもなくてもよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2の有効ラインは、上段または下段の任意の組み合わせにより設定されるものとしていたが、これ以外の態様、例えば、上段、中段及び下段の3ライン、並びに対角線の2ラインを加えた5ラインが有効ラインとして設定されるものとしてもよい。可変表示装置2の設定される有効ラインの態様に応じて、グループ1〜グループ9に当選したときに組み合わせ小役とシングルボーナスに異なる操作タイミングで入賞するように、リール3L、3C、3Rに図柄を配置するものとすればよい。
上記の実施の形態では、グループ1〜グループ9に当選していて組み合わせ小役に入賞させられないときであっても、停止ボタン12L、12Rの操作タイミングによってはシングルボーナスにも入賞させられない場合もあった。もっとも、グループ1〜グループ9に当選していて組み合わせ小役に入賞させられない場合には、必ずシングルボーナス入賞するものとしてもよい。また、小役の取りこぼしによりシングルボーナスのような有利な遊技状態への移行を伴う役に入賞可能な場合は、1通りだけであってもよい。
上記の実施の形態では、シングルボーナスになってもベルの小役の当選確率が1/99.90から1/99.75に高くなるだけであった。これに対して、ベルの小役の入賞時のメダルの払い出し枚数も10枚から15枚に増えるものとしてもよく、この場合、遊技状態が通常またはRTである場合よりも(15×1/99.75−10×1/99.90)枚だけ払い出しを受けることのできるメダルの期待枚数が高くなる。また、チェリーの小役の入賞時のメダルの枚数もトータル4枚からトータル12枚に増えるものとしてもよく、この場合、遊技状態が通常またはRTである場合よりも((12−4)×1/79.92)枚だけ払い出しを受けることのできるメダルの期待枚数がさらに高くなる。さらに、シングルボーナスのゲームで設定する賭け数を、通常の遊技状態またはRTの3から1に減らしてもよい。
これらの全てを適用した場合には、いずれにも入賞しなかった場合に比べると(15×1/99.75−10×1/99.90+(12−4)×1/79.92+2)枚だけ(期待枚数)の利益を遊技者が受けることができるものとなる。もっとも、シングルボーナスの入賞による配当の価値としては、グループ1〜グループ9に対応した組み合わせ小役に入賞による配当の価値(メダル15枚分)よりも小さいものとなっている。
上記の実施の形態では、グループ1〜グループ9に当選していて組み合わせ小役に入賞できないときに入賞可能なシングルボーナスは、ベルの小役の当選確率を高くする遊技状態を1ゲームだけ与えるものであった。もっとも、シングルボーナス後の複数ゲームに亘ってベルの小役の当選確率を高くする遊技状態に制御するものであってもよい。組み合わせ小役に入賞できない場合に入賞した役により制御される遊技状態は、上記したRTや1GCT(但し、ビッグボーナス(1)等の当選確率を高くしないもの)であってもよい。いずれにしても、組み合わせ小役に入賞できない場合に入賞した役により制御される遊技状態においては、何の役にも入賞しなかったよりも高い利益が得られるが、組み合わせ小役への入賞した場合ほどは利益が得られないものとなればよい。
上記の実施の形態では、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあるときにグループ1〜グループ9に当選した場合には、当選したグループに対応した組み合わせ小役を構成する図柄の色を液晶表示器4に表示していた。もっとも、これとは逆に、当選したグループに対応したシングルボーナスを構成する図柄の色を液晶表示器4に表示するなど、シングルボーナスに入賞させる手順を遊技者に報知するものとしてよい。この場合でも、各シングルボーナスに対応する組み合わせ小役が1つに特定できるため、当選したグループに対応する組み合わせ小役に入賞させるための手順が遊技者に分かることとなるからである。
また、ATにおいてグループ1〜グループ9に当選した場合の報知は、このように組み合わせ小役やシングルボーナスに入賞させるための手順を直接示すものに限るものではない。例えば、小役の取りこぼしによりシングルボーナスのような有利な遊技状態への移行を伴う役に入賞可能な場合が1通りだけであれば、そのような役に当選したことだけを報知するものであってもよい。報知の方法も、液晶表示器4への画像の表示に限るものではなく、音声の出力やランプ類の点灯によってもよい。
いずれにしても、グループ1〜グループ9に当選した場合のように組み合わせ小役のようにメダルの払い出しが直接得られる小役とシングルボーナスのように有利な遊技状態の付与を伴う特別役に同時に当選しているときにおいて、メダルの払出を受けることのできる小役に入賞させるための手順を特定できる情報が遊技者に示されることとなる報知が、何らかの方法により行われればよい。
上記の実施の形態では、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATとなってグループ1〜グループ9に当選した場合において組み合わせ小役に入賞させるための手順が報知されるのは、遊技制御基板101の側で制御する遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供された場合を含む)かRTにある場合であった。これに対して、演出制御基板102の側で制御する遊技状態をATとする条件は、これに限るものではなく、例えば、可変表示装置2の表示結果として所定の結果が導出されたことを条件として、演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATになるものとしてもよい。ATの終了条件も、上記の実施の形態に限られるものではなく、例えば、AT開始からの経過時間が所定時間となったことや、可変表示装置2の表示結果として所定の結果が導出されたこととしてもよい。遊技制御基板101の側の制御とは完全に独立して、演出制御基板102のCPU121が決定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、グループ1〜グループ9に当選したときには、それぞれグループ1当選フラグ〜グループ9当選フラグという1種類の当選フラグを設定することで、9種類ある組み合わせ小役のうちの1種類と、9種類あるシングルボーナスのうちの1種類とに入賞が可能となるものとしていた。組み合わせ1〜3についても同様であった。これに対して、入賞となる役の種類毎に当選フラグを定めるものとし、例えば、内部抽選によりグループ1に当選したときには、「赤7−ベル−赤7」の組み合わせ小役当選フラグと、「赤7−ベル−B」のシングルボーナス当選フラグとを重複してRAM112に設定するものとしてもよい。組み合わせ1〜3の当選では、3つの組み合わせ小役の当選フラグを設定するものとしてもよい。
入賞となる役の種類毎に当選フラグが定められるのであれば、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)、(2)で提供された場合を含む)、シングルボーナス、1GCTにあるときに、グループ1〜グループ9に当選した場合には、対応する組み合わせ小役当選フラグのみを設定するものとし、シングルボーナス当選フラグを設定しないものとしてもよい。これらの遊技状態では、いずれにしてもシングルボーナスに入賞することはないからである。
また、このように入賞となる役の種類毎に当選フラグが定められるのであれば、組み合わせ小役の抽選とシングルボーナスの抽選は、別個の当選判定用テーブルを用いて行うものとしてもよい。例えば、9種類の組み合わせ小役、ベル、チェリー及びリプレイに当選となる判定値の範囲を登録した小役テーブルと、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス及び9種類のシングルボーナスに当選となる判定値の範囲を登録した特別役テーブルとを予め用意しておく。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)、(2)で提供された場合を含む)、シングルボーナス、1GCTにあるとき、或いは通常の遊技状態またはRTであってもビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが持ち越されているときには、特別役テーブルのみを用いて内部抽選を行う。一方、通常の遊技状態またはRTであってもビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが持ち越されていないときには、小役テーブルと特別役テーブルの両方を用いて内部抽選を行うものとする。
ここで、特別役テーブルにおいて9種類のシングルボーナスのそれぞれについて登録されている判定値の範囲は、小役テーブルにおいて9種類の組み合わせ小役のそれぞれについて登録されている判定値の範囲と重複するものとしてもよい。内部抽選用の乱数の値がシングルボーナスの判定値の範囲と組み合わせ小役の判定値の範囲の重複範囲に含まれる場合は、組み合わせ小役とシングルボーナスの両方に当選となり、当該種類の組み合わせ小役当選フラグとシングルボーナス当選フラグがRAM112に設定されることとなる。
このように小役テーブルと特別役テーブルを別個に用意しておくことにより、特別役テーブルは必要な場合のみ内部抽選で用いればよいこととなるので、内部抽選において役毎に抽選対象となるかどうかを何度も判定する必要がなくなり、内部抽選を簡単な処理で行えるようになる。
なお、特別役テーブルに登録されているビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)および/またはレギュラーボーナスの判定値の範囲が、小役テーブルに登録されている何らかの種類の小役(例えば、ベル)の判定値の範囲と重複するものとした場合には、当該種類の小役に入賞したときには、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選も遊技者が期待できるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができるようになる。
上記の実施の形態では、グループ1〜グループ9のそれぞれにおいて、右のリール3Rについて組み合わせ小役の図柄(赤7、白7またはBAR)を有効ライン上に引き込める範囲と、シングルボーナスの図柄(W、BまたはR)を有効ライン上に引き込める範囲とは、完全に排他的なものであった。従って、組み合わせ小役に入賞することとなる停止ボタン12Rの操作タイミングとシングルボーナスに入賞することとなる停止ボタン12Rの操作タイミングとは、完全に排他的なものであった。
これに対して、右のリール3Rについて組み合わせ小役の図柄(赤7、白7またはBAR)を有効ライン上に引き込める範囲と、シングルボーナスの図柄(W、BまたはR)を有効ライン上に引き込める範囲とが一致する訳ではないが、一部で重複している図柄の配列(但し、同時入賞しない配列)となっていてもよい。このように一部重複で引き込み範囲が異なるものとなっている場合、その重複範囲に対応したタイミングで停止ボタン12Rが操作されたときには、必ず組み合わせ小役の図柄を引き込んで、有効ライン上に停止させるものとしてもよい。組み合わせ小役の図柄とシングルボーナスの図柄をそれぞれ所定の割合で引き込んで、有効ライン上に停止させるものとしてもよい。
また、同じグループに対応した組み合わせ小役もシングルボーナスも、それぞれの図柄を確実に引き込める範囲があるならば、例えば、組み合わせ小役とハズレのいずれかが所定の割合で選択される重複範囲や、シングルボーナスとハズレのいずれかが所定の割合で選択される重複範囲があってもよい。この場合、必ずハズレとなってしまう範囲はなくてもよい。組み合わせ小役の図柄を確実に引き込める範囲に対応したタイミングで遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作すれば、100%組み合わせ小役に入賞し、シングルボーナスの図柄を確実に引き込める範囲に対応したタイミングで遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作すれば、100%シングルボーナスに入賞するからである。
上記の実施の形態では、グループ1〜グループ9に当選しているときには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順としてその操作タイミングが適正であることを条件として、組み合わせ小役に入賞し、シングルボーナスに入賞するものとしていた。しかしながら、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングではなく、操作順序に応じて組み合わせ小役に入賞し、シングルボーナスに入賞するものとしてもよい。例えば、グループ1では、左→中→右の順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作すれば組み合わせ小役に入賞し、左→右→中の順で停止ボタン12L、12R、12Cを操作すればシングルボーナスに入賞するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、リール3L、3C、3Rの回転開始時において演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATにあれば、グループ1〜グループ9または組み合わせ1〜組み合わせ3に当選していることを条件として、組み合わせ小役に入賞させるための手順を報知するものとする演出を行っていた。もっとも、演出制御基板102の側で実行する演出はこれに限るものではなく、例えば、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選しているときにボーナス告知演出を行ったり、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選しているときにはこれらに当選していないときよりも高い割合でボーナス予告演出を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、リール3L、3C、3Rの回転開始からの経過時間、或いは1番目または2番目の停止ボタンの操作からの経過時間を遊技制御基板101の側で計測していて、該計測する時間が60秒となったときに停止促進コマンドを演出制御基板102に送信し、停止促進画面の表示等をさせるものとしていた。また、遊技制御基板101の側のRAM112にデモ状態フラグをセットしておき、停止促進コマンドを送信した後に停止ボタンの操作があれば、停止促進解除コマンドを送信するものとしていた。
しかしながら、リール3L、3C、3Rの回転開始からの経過時間、或いは1番目または2番目の停止ボタンの操作からの経過時間は、リール回転開始コマンド、リール停止コマンドに基づいて、演出制御基板102の側で計測するものとしてもよい。この場合、停止促進画面の表示等の制御は、演出制御基板102の側で計測する時間に基づいて行うことができ、遊技制御基板101のCPU111は、停止促進コマンド及び停止促進解除コマンドを演出制御基板102に送信する必要がなくなる。
上記の実施の形態では、2つのリールが停止した状態でビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスがテンパイしたときに限って、テンパイ音をスピーカ7L、7R、7Uから出力するものとしていた。しかしながら、他の役の図柄がテンパイしたときにも、テンパイ音(但し、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選していなければ特殊音とはしない)を出力するものとしてもよい。また、リール3L、3C、3Rの回転が停止する度に、すなわちリール停止コマンドを演出制御基板102で受信する度に、リール停止音を出力するものとしてもよい。この場合、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスがテンパイしたとき(さらには、他の役がテンパイしたとき)に、通常のリール停止音とは異なるテンパイ音を出力するものとしてもよい。また、テンパイ音とは異なるリール停止音についても、当選フラグの設定状況に応じて態様を変化させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、払出コマンドは、メダルの払い出し時間に関する情報を含んでおり、この情報が示す時間だけ、演出制御基板102のCPU121が払出音を出力させるように制御していた。もっとも、その前に受信した入賞コマンドが示す入賞の種類に応じた時間に基づいて、払出音を出力する時間制御を行ってもよい。メダルの払い出し開始時に払出開始コマンドを送信して演出制御基板102のCPU121に払出音の出力を開始させるが、メダルの払い出し終了時に払出終了コマンドを送信して払出音の出力を停止させるものとしてもよい。入賞の種類に応じて異なる態様の払出音を出力させるものとしてもよい。この場合、先に受信した入賞コマンドに応じて演出制御基板102の側で払出音の態様を制御するものとしても、払出(開始)コマンドが出力すべき払出音の態様を示すものとしてもよい。さらに、メダルの払い出しを行っている時間に関わらずに入賞の種類に応じて払出音を出力するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある場合において、スタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。もっとも、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)における遊技状態をレギュラーボーナスに制御する条件はこれに限るものではなく、例えば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)において可変表示装置2の表示結果として所定の結果(JACIN)が導出されたことを条件として、レギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合、遊技状態がビッグボーナス(1)またはレギュラーボーナス(2)に制御されているときには、内部抽選においてJACINも抽選対象役とし、JACIN当選したときには、JACIN当選フラグをRAM112に設定するものとすればよい。JACIN入賞は、JACIN当選フラグの設定が条件となる。
上記の実施の形態では、精算ボタン16の操作が精算スイッチ47により検出されたときに、データとして蓄積されたクレジット分のメダルが払い出されるだけであったが、この際に既に賭け数が設定されていれば、設定された賭け数分のメダルも払い出すものとしてもよい。もっとも、前回のゲームのリプレイ入賞により賭け数が自動設定された場合には、精算ボタン16の操作では自動設定された賭け数分のメダルは払い出し対象とならない。そこで、メダルの投入またはBETボタン14、15の操作により賭け数が設定されたかリプレイ入賞により賭け数が自動設定されたかを判断できるようにするため、リプレイゲーム中フラグは、賭け数が自動設定された後スタートレバー11が操作されることによって消去されるものとすればよい。1回目の精算ボタン16の操作でクレジットに対応したメダルを払い出し、2回目の精算ボタン16の操作で賭け数に対応したメダルを払い出すものとしてもよい。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して有効ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な有効ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
例えば、コントロール方式のスロットマシンでグループ2当選フラグが設定されている場合であって、左→中→右の順に停止ボタン12L、12C、12Rが操作された場合を例として考える。まず、左の停止ボタン12Lの操作が検出されたときに、当選フラグを参照するとグループ2当選フラグが設定されていると判断できる。このタイミングで下段に位置する図柄を含めて7コマ以内に「赤7」があるかどうかを調べる。11番〜17番の図柄が下段に位置する場合には「赤7」があり、「赤7」を上段または下段に停止させるものとする。中の停止ボタン12Cの操作が検出されたときには、グループ2当選フラグが設定されていると判断でき、「ベル」は必ず上段または下段に停止させることができるので、最も近くにある「ベル」を上段または下段に停止させる。
さらに、右の停止ボタン12Rの操作が検出されたときも、グループ2当選フラグが設定されていると判断でき、このタイミングで下段に位置する図柄を含めて7コマ以内に「BAR」があるかどうかを調べる。4番〜11番の図柄が下段に位置する場合には「BAR」があり、「BAR」を上段または下段に停止させる。下段に位置する図柄を含めて7コマ以内に「BAR」がなければ、さらにこの範囲内に「W」があるかどうかを調べる。17番〜20番、0番〜2番の図柄が下段に位置する場合には「W」があり、「W」を上段または下段に停止させるものとする。なお、グループ1、グループ3〜グループ9当選フラグが設定されているときの停止制御も、同様にして行われる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う有価価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。