以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。特にリール3Lにおいては、「赤7」、「青7」、「BAR」が1つずつ等間隔で配されている。リール3C、3Rにおいては、後述する4コマの引き込み制御で必ず有効ライン上に引き込み可能となるように配されている。
リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス、或いはRT時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナスやCT時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、賭け数(1、2または3)に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示する画像による演出としては、例えば、後述するボーナス当選フラグが設定されたことを報知するボーナス予告(告知)演出がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板101は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信し、またリール中継基板103を介して外部出力基板105に各種の信号を出力する。遊技制御基板101から演出制御基板102及び外部出力基板105へ情報(コマンド、信号)は一方向のみで送られ、演出制御基板102及び外部出力基板105から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド、信号)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、ROM113内の遊技状態に対応したリール制御テーブルを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。
外部出力基板105は、遊技制御基板103を介して入力された各種の信号を試験装置やホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力する。図4は、外部出力基板105の構成を詳細に示す図である。外部出力基板105は、主部105aと、折欠いて取り除くことが可能な副部105bとから構成されている。主部105a、副部105bには、それぞれ外部出力端子150a、150bが設けられている。外部出力端子150a、150bに外部装置を接続することで、各種の信号を外部装置に出力することができるようになる。
遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力され、外部出力基板105の外部に出力される信号には、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、RT中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号がある。このうち、当選状況信号の伝送路(配線)だけが副部105bの外部出力端子150bに接続されており、他の信号の伝送路(配線)は、主部105aの外部出力端子150aに接続されている。
市場投入前の試験時においては、外部出力基板105は、副部105bを折欠くことなく用いられ、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、RT中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号は、それぞれの伝送路から外部出力端子150a、150bを介して試験装置に出力することができる。
しかし、市場投入時には、副部105bが折り欠かれ、当選状況信号の伝送路は、外部出力端子150bに接続されなくなる。つまり、伝送路が主部105aの外部出力端子150aに接続された、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、RT中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号だけしか、ホールの管理コンピュータに出力することができるようになっている。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の内部当選フラグが設定されている必要がある。また、入賞に伴ってメダルが払い出され、遊技状態が変化させられる。図5は、このスロットマシン1において入賞と判定される役の種類、それぞれの内部抽選における当選確率とを示すテーブルである。但し、RT役だけは内部抽選が行われない。
通常の遊技状態またはCTにおいて、賭け数に応じた有効ライン上に「BAR」が3つ揃った場合には、レギュラーボーナス入賞となり、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、レギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)と称されるゲームを所定回(例えば、12回)だけ行うこと、または所定回(例えば、8回)だけ入賞する(有効ライン上に「JAC」が揃う:JAC入賞)ことにより終了する。
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に「赤7」が3つ揃った場合には、ビッグボーナス入賞となり、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができ、この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃う(JACIN入賞)。JACIN入賞すると、前述したレギュラーボーナス(JACゲーム)が提供される。ビッグボーナスは、払い出されたメダルの枚数が360枚に達したときに終了する。
遊技制御基板101のRAM112には、レギュラーボーナスゲーム(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)のゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。レギュラーボーナスに移行しているときには、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定される。ビッグボーナスに移行しているときには、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。JACINによりJACゲームが提供されているときには、レギュラーボーナス中フラグも合わせて設定される。
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に「青7」が3つ揃った場合には、CT入賞となり、遊技状態がCTに移行する。CTにおいては、リール3L、3C、3Rのうちの1番目のリール(第1リール)について4コマの引き込み制御が行われなくなり、対応する停止ボタン12L、12C、12Rを操作したタイミングから75ミリ秒以内(1コマ以内)で停止されるものとなる。CTは、内部抽選においてレギュラーボーナスに当選することにより終了する。また、CTにおいて払い出されたメダルの枚数が253枚に達したときにも終了する。遊技制御基板101のRAM112には、CT中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。CTに移行しているときには、RAM112にCT中フラグが設定される。
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に「赤7−青7−青7」の組み合わせが揃った場合には、RT入賞となり、遊技状態がRTに移行する。RTにおいては、後述するリプレイに当選する確率が通常の遊技状態よりも高くなる。RTは、所定ゲーム数を消化することにより終了する。遊技制御基板101のRAM112には、RT中のゲーム数をカウントするカウンタが設けられている。RTに移行しているときには、RAM112にRT中フラグが設定される。
レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム以外のゲームで、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、それぞれスイカ、ベル、チェリーの小役入賞となる。ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲーム及びJACゲーム、レギュラーボーナスゲームを除き、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。それ以外の表示態様が可変表示装置2に導出表示された場合には、いずれの役にも入賞しなかったこと、すなわちハズレとなる。
なお、この実施の形態において「小役」といった場合には、スイカ、ベル、チェリーの小役だけではなく、特に説明した場合においては、リプレイ等(リプレイ、JAC及びJACIN)を含むことがあるものとする。単に「ボーナス」といった場合は、特に断りがない限り、ビッグボーナス、レギュラーボーナス及びCTを含むものとする。また、「ボーナス」といった場合には、特に説明した場合においては、RTを含むことがあるものとする。役の種別だけではなく、入賞や当選フラグについて使用する場合も同様である。
以上説明した役への入賞があった場合には、リプレイ入賞であった場合を除いて、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、ベルの小役が8枚、チェリーの小役が2枚である他は、全て15枚である。リプレイ入賞の場合には、次のゲームで遊技者が手持ちのメダルまたはクレジットから賭け数を設定しなくても、今回のゲームと同じ賭け数が自動的に設定されて、そのままゲームを開始可能となる。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役(RTを除く)への入賞を許容するかどうかを可変表示装置2に表示結果が導出表示される以前(実際は、スタートレバー11の操作のとき)に決定するものであり、ゲーム毎にハードウェア乱数機能を用いて取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭け数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照することによって、CPU111が行うものである。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
内部抽選のための当選判定用テーブルは、設定値及び賭け数毎に異なるものが用意されているので、内部抽選における各役の当選確率は、設定値及び賭け数に応じて異なるものとなるが、図5では設定値が6、賭け数が3である場合を例として示している。また、遊技状態に応じて異なる当選判定用テーブルが用意されているので、図5に示すように、内部抽選における各役の当選確率は、遊技状態に応じて異なっている。遊技状態によって抽選が行われない役もあるが、RTに関してだけは内部抽選において当選が決定されない。
ここで、遊技状態がRTにあるときにリプレイに当選する確率は、通常の遊技状態よりも高くなっている。リプレイ入賞しても遊技者にメダルが払い出されることがないが、リプレイ入賞すれば賭け数の設定にメダルを消費しなくてもよいので、メダルの純増(純減)枚数の点で通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる。また、遊技状態がCTにあるときには、スイカ、ベル、チェリーのいずれの小役にも入賞可能であるが、これらの小役についての抽選は行われない(内部抽選により当選と決定されることがない)。もっとも、CTにあるときには、CTにおいてリプレイ当選してリプレイ当選フラグが設定された場合を除いて(CTにおいてレギュラーボーナス当選すると、もはやCTでなくなる)、スイカ当選フラグがRAM112に設定される。
なお、内部抽選は、ゲーム毎に行われ、その結果に応じて当選フラグがRAM112に設定されるものとなるが、小役(リプレイ等を含む)の当選フラグは、これに基づいて入賞が発生したか否かに関わらず、ゲーム毎に消去されるものとなる。一方、ボーナス当選フラグは、これに基づいて入賞が発生するまで、次ゲーム以降に持ち越されるものとなる。
前回のゲーム以前の内部抽選により既にボーナス当選フラグ(後述するRT当選フラグを含む)が設定されているときには、ボーナスの抽選が行われることがなく、複数種類のボーナス当選フラグ(RT当選フラグを含む)が同時に設定されることがない。既にボーナス当選フラグが設定されていても、小役(リプレイを含む)の抽選は行われるので、小役(リプレイを含む)に当選したときには、ボーナス当選フラグと小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)とが重複して設定された状態となることがある。なお、ボーナス当選フラグと小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)とが重複して設定されているときには、後述するリール3L、3C、3Rの制御において、小役当選フラグの方が優先される。
次に、RTの発生について説明する。RTは、「赤7−青7−青7」のRT図柄が導出表示されたときに発生するが、このRT図柄を導出表示するためには、RAM112にRT当選フラグが設定されている必要がある。このRT当選フラグは、他の役の当選フラグと異なり内部抽選の結果に基づいて設定されるものではなく、CT中に行われるRT抽選の結果に基づいて設定される。
RT抽選は、CT中のゲームにおいて「スイカ」の小役に入賞したときに行われる。もっとも、RT抽選に当選したからといって、すぐにRT当選フラグが設定される訳ではない。RT抽選に当選したときには、まずRAM112にRT保留フラグが設定される。払出メダル枚数によりCTが終了したときにRAM112にRT保留フラグが設定されていると、これがRAM112から消去されるとともにRT当選フラグがRAM112に設定される。
レギュラーボーナスの当選によりCTが終了したときは、レギュラーボーナス当選フラグがRAM112に設定されるので、RT保留フラグに基づいてRT当選フラグが設定されることはない。当該レギュラーボーナス当選フラグに基づくレギュラーボーナスが終了したときに、RT保留フラグが設定されていると、これがRAM112から消去されるとともにRT当選フラグがRAM112に設定される。
RT当選フラグがRAM112に設定されているときに、これに基づいてRT入賞すると、RT当選フラグが消去されるとともにRT中フラグがRAM112に設定されて、遊技状態がRTに移行する。RAM112に設定されたRT当選フラグに基づいてRT入賞させることができなかった場合には、当該RT当選フラグは、他のボーナス当選フラグと同様に次ゲーム以降に持ち越されるものとなる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、演出制御基板102における処理は本発明と関係がなく、従ってコマンドの送信も本発明と関係がないので、これらに関する処理の説明は省略するものとする。
図6は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。もっとも、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、設定値、賭け数及び遊技状態に応じて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する内部抽選を行い、その結果に応じて当選フラグを設定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、遊技状態がCTにあるときは、抽選結果に関わらずスイカ当選フラグを設定し、CT中にレギュラーボーナスに当選したときには、当該CTを終了させる処理も行う。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。このとき、当選フラグに応じて190ミリ秒の範囲(4コマ以内の範囲)で引き込み制御が行われるが、CT中では、左のリール3Lについて引き込み制御を行わなずに75ミリ秒の範囲で停止させる。また、所定の条件が成立してからの経過時間が所定時間(例えば、30秒)となったときに、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。CT中にスイカに入賞した場合には、RT抽選を行うものとする。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけだけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の設定も行う。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図7は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。まず、ハードウェア乱数機能を利用して内部抽選用の乱数を抽出し、当該抽出した乱数の値をRAM112に一時格納する(ステップS101)。さらに、RAM112に一時格納した乱数の値を、設定スイッチ91による確率設定、ステップS2のBET処理で設定した賭け数、並びに現在の遊技状態(通常、レギュラーボーナス、ビッグボーナス、CT及びRT)に応じた当選判定用テーブルと比較する(ステップS102)。
次に、RAM112にビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、CT当選フラグ、或いはRT当選フラグが既に設定されているかどうかを判定する(ステップS103)。いずれの種類のボーナス当選フラグも設定されていない場合には、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、いずれかの種類のボーナス(RTを含まず)に当選したかどうかを判定する(ステップS104)。いずれかの種類のボーナスに当選していた場合には、当該当選したボーナスの当選フラグをRAM112に設定する(ステップS105)。そして、抽選処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
いずれかの種類のボーナス当選フラグが既に設定されていた場合、或いは新たなボーナス当選もしなかった場合には、いずれかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選したかどうかを判定する(ステップS106)。いずれかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選していた場合には、当該当選した小役(リプレイ等を含む)の当選フラグをRAM112に設定する(ステップS107)。そして、抽選処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。いずれの種類の小役(リプレイ等を含む)にも当選していなければ、そのまま抽選処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図8は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず、リール3L、3C、3Rの回転が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRの全てが基準位置を検出するというリール3L、3C、3Rの停止を可能とする所定の条件が成立したかどうかを判定する(ステップS201)。
この所定の条件が成立していなければ、ステップS201の処理を繰り返し、この所定の条件が成立するのを待機する。この所定の条件が成立した(していた)場合には、リール3L、3C、3Rの回転を強制的に停止させるためのリールタイマの計時を開始する(ステップS202)。また、左、中、右の停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれの操作有効ランプ63L、63C、63Rを点灯する(ステップS203)。そして、ステップS204の処理に進む。
ステップS204では、ストップスイッチ42Lの検出信号に基づいて、左の停止ボタン12Lが操作されているかどうかを判定する。左の停止ボタン12Lが操作されていないと判定すれば、そのままステップS207の処理に進む。左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS205)。さらに、左のリール3Lを停止対象リールとして後述するリール停止制御処理を行い、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS206)。そして、ステップS207の処理に進む。
ステップS207では、ストップスイッチ42Cの検出信号に基づいて、中の停止ボタン12Cが操作されているかどうかを判定する。中の停止ボタン12Cが操作されていないと判定すれば、そのままステップS210の処理に進む。中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS208)。さらに、中のリール3Cを停止対象リールとして後述するリール停止制御処理を行い、中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS209)。そして、ステップS210の処理に進む。
ステップS210では、ストップスイッチ42Rの検出信号に基づいて、右の停止ボタン12Rが操作されているかどうかを判定する。右の停止ボタン12Rが操作されていないと判定すれば、そのままステップS213の処理に進む。右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS211)。さらに、右のリール3Rを停止対象リールとして後述するリール停止制御処理を行い、右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS212)。そして、ステップS213の処理に進む。
ステップS213では、左、中及び右の全てのリール3L、3C、3Rが停止しているかどうかを判定する。全てのリール3L、3C、3Rが停止している場合には、リール変動停止処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。一方、リール3L、3C、3Rのうちで1つでも停止していないものがあれば、リール変動開始処理において計時を開始したリール停止タイマが所定時間(例えば、30秒)を計時したかどうかを判定する(ステップS214)。リール停止タイマが所定時間を計時していなければ、ステップS204の処理に戻り、ステップS204〜S214の処理を繰り返す。
リール停止タイマが所定時間を計時した場合には、リール3L、3C、3Rのうちで回転を停止していないものに対応したストップスイッチ42L、42C、42Rからの信号と同じ信号をCPU111に入力させ、残りの全ての停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたものとする(ステップS215)。そして、ステップS204の処理に戻り、残りのリール3L、3C、3Rの回転を停止させることとなる。
次に、ステップS206、S209、S212のリール停止制御処理について詳しく説明する。図9は、CPU111がステップS206、S209、S212で行うリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112にCT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がCTにあるかどうかを判定する(ステップS301)。現在の遊技状態がCTにあれば、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS302)。
リプレイ当選フラグが設定されていなければ、停止対象のリールが左のリール3L、すなわち左の停止ボタン12Lが操作されたのかどうかを判定する(ステップS303)。停止対象のリールが左のリール3Lであるときには、リプレイ入賞の回避を優先しつつ、停止ボタン12Lが操作されてから75ms以内(1コマ以内)の範囲で停止対象である左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS304)。そして、リール停止制御処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
停止対象のリールが左のリール3Lでない場合には、左のリール3Lが既に停止していて、その有効ライン上に「スイカ」を導出いるかどうかを判定する(ステップS305)。左のリール3Lについて有効ライン上に「スイカ」を導出している場合には、停止対象のリールの現在の図柄位置から190ミリ秒以内で停止可能な範囲の中に「スイカ」の図柄があるかどうかを判定する(ステップS306)。「スイカ」の図柄があれば、当該「スイカ」の図柄を有効ライン上に停止させるように、停止対象リールを停止させる(ステップS307)。そして、リール停止制御処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
左のリール3Lが未だ停止していないか、停止していても有効ライン上に「スイカ」を導出していない場合、或いは停止対象のリールについて190ミリ秒以内で停止可能は範囲の中に「スイカ」の図柄がない場合には、既に停止しているリールについて導出表示された図柄に応じて「ベル」を有効ライン上に導出させるように、190ミリ秒以内(4コマ以内)の範囲で停止対象のリールの引き込み制御を行って、停止対象のリールの回転を停止させる(ステップS308)。そして、リール停止制御処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
また、現在の遊技状態がCTにない場合には、或いはCTにあってもリプレイ当選フラグが設定されている場合には、RAM112における当選フラグの設定状況に従って、対応する停止ボタン12L、12C、12Rが操作されてから190ms以内(4コマ以内)の範囲で停止対象のリールの引き込み制御を行って、停止対象のリールの回転を停止させる(ステップS309)。そして、リール停止制御処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS6の入賞判定処理について詳しく説明する。図10は、CPU111がステップS6で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、賭け数に応じて設定された有効ライン上に、遊技状態に応じて入賞の表示態様となる図柄が揃ったかどうかを判定する(ステップS401)。入賞の表示態様となる図柄が揃っていなければ、入賞判定処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
入賞の表示態様となる図柄が揃っていた場合には、当該入賞の表示態様がボーナス入賞(RT入賞を含む)の表示態様であり、対応するボーナス当選フラグ(RT当選フラグを含む)がRAM112に設定されていなかったものであるかどうかを判定する。当該入賞の表示態様が当選フラグの設定されていないボーナス入賞の表示態様であった場合には、エラー終了する。このときのエラー処理については、本発明と関係がないので説明を省略する。
当該入賞の表示態様が当選フラグの設定されていないボーナス入賞の表示態様でなければ、入賞の表示態様が導出表示された有効ラインに対応した1枚、2枚または3枚賭けランプ54〜58の点滅表示させる(ステップS403)。また、当該入賞の表示態様がいずれかのボーナス(RTを含む)の表示態様であるかどうかを判定する(ステップS404)。
いずれかのボーナス(RTを含む)の表示態様である場合には、当該ボーナスの種類に対応したボーナス中フラグをRAM112に設定するとともに、RAM112に設定されているボーナス当選フラグを消去する(ステップS405)。さらに、RAM112に設けられたボーナス中のゲーム数や入賞数、払出メダル枚数をカウントするための各種カウンタの値を初期化する(ステップS406)。そして、ステップS414の処理に進む。
入賞の表示態様がボーナスの表示態様でない場合には、リプレイの表示態様であるかどうかを判定する(ステップS407)。リプレイの表示態様である場合には、RAM112にリプレイフラグを設定する(ステップS408)。このリプレイフラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されたときに、消去されるものとなる。そして、入賞判定処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
リプレイの表示態様でなければ、小役またはJAC、JACINの表示態様となって、これらの役に入賞したものとなるが、このうちで「スイカ」の小役の表示態様となっているかどうかを判定する(ステップS409)。「スイカ」の小役の表示態様となっていれば、RAM112にCT中フラグが設定されて現在の遊技状態がCT中となっており、RT保留フラグが設定されておらず未だRTに未当選となっているかどうかを判定する(ステップS410)。
CT中でRT未当選の場合には、ソフトウェア乱数機能によりRT抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT当選とするかどうかを決定するRT抽選を行う(ステップS411)。その結果、RTに当選したかどうかを判定する(ステップS412)。ここでRTに当選した場合であっても、RT入賞が発生可能となるのはCTの終了後となるので、RAM112にRT当選フラグではなく、一旦RT保留フラグを設定する(ステップS413)。CT終了時にRT保留フラグが設定されていると、RT当選フラグが設定されるものとなる。そして、ステップS414の処理に進む。
入賞の表示態様が「スイカ」の小役の表示態様となっていない場合、CT中でないか、CT中であっても既にRTに当選している場合、RT抽選にハズレた場合には、そのままステップS414の処理に進む。ステップS414では、リプレイ以外の役に入賞したものとなるので、当該入賞の表示態様に応じて定められたメダルの払い出し数(チェリーが2枚、ベルが8枚、それ以外は15枚)を払い出し予定数としてRAM112に設定する。そして、入賞判定処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図11は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS501)。
次に、RAM112にレギュラーボーナス中フラグ、ビッグボーナス中フラグ、CT中フラグまたはRT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナス(RTを含む)中となっているかどうかを判定する(ステップS502)。現在の遊技状態がボーナスとなっていれば、RAM112の各種カウンタを用いて、当該ボーナスにおけるゲーム数や入賞数、払出メダル枚数をカウントする(ステップS503)。
そのカウント結果として、ボーナス(RT、ビッグボーナス中のレギュラーボーナスを含む)の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS504)。ボーナスの終了条件となっていれば、RAM112の対応するボーナス中フラグ(RT中フラグを含む)を消去する。但し、ビッグボーナス中のレギュラーボーナスのみ終了した場合には、ビッグボーナス中フラグを消去せずに、レギュラーボーナス中フラグのみを消去する(ステップS505)。
次に、ここで消去したのがCT中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグであったかどうかにより、終了したボーナスの種類がCTまたはレギュラーボーナスであったかどうかを判定する(ステップS506)。終了したボーナスの種類がCTまたはレギュラーボーナスであった場合には、RAM112にRT保留フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS507)。RT保留フラグが設定されていれば、当該RT保留フラグを消去するとともに、RAM112にRT当選フラグを設定する(ステップS508)。このRT当選フラグの設定により、次のゲームからRT入賞することが可能となる。そして、ステップS509の処理に進む。
現在の遊技状態がボーナス中となっていなかった場合、ボーナス中であってボーナスの終了とならなかった場合、終了したボーナスの種類がCT及びレギュラーボーナスのいずれでもなかった場合、或いはCTが終了した場合であってもRT保留フラグが設定されていなかった場合には、そのままステップS509の処理に進む。
ステップS509では、RAM112に小役(リプレイ等を含む)の当選フラグが設定されていれば、これを消去する。その他のレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス当選フラグ、CT当選フラグ、或いはRT当選フラグは消去しないで、次のゲームに持ち越させる。そして、払出処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。図6のフローチャートに復帰すると、そのまま1ゲーム分の処理が終了することとなる。
また、遊技制御基板101のCPU111は、上記した処理とは別に、外部出力基板105から出力するための各種信号を生成し、外部出力基板105から外部に出力させる処理を行っている。
例えば、ステップS3の抽選処理において各役の当選フラグが設定されると、RT当選フラグを含めてRAM112に設定されている当選フラグの設定状況を示す当選状況信号を生成して外部出力基板105に出力する。この当選状況信号は、市場投入前の試験時においては、外部出力基板105の副部105bが取り除かれていないので、外部出力端子150bに接続した試験装置に出力することができる。一方、市場投入時には、外部出力基板105から副部105bが取り除かれているので、主部105aにある外部出力端子150aのみにホールの管理コンピュータに接続しても、当選状況信号を当該管理コンピュータに出力することができない。
ステップS6の入賞判定処理においてレギュラーボーナス中フラグ、ビッグボーナス中フラグ、CT中フラグ、またはRT中フラグが設定されてから、ステップS7の払出処理においてこれらのフラグが消去されるまで、それぞれレギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、RT中信号を生成して外部出力基板105に出力し、外部出力基板105から試験装置または管理コンピュータに入力されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態がCTにあるゲームでは、単に当選フラグの設定に関わらずに小役を入賞させることができるということに止まらず、RT抽選も行われるものとなっている。RT抽選に当選すれば、CT終了後に設定されるRT当選フラグに基づいて、CTという有利な遊技状態からRTという他の異なる有利な遊技状態を続けて発生させることができるようになる。このため、CT中における遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
CT中のゲームにおいてRT抽選を行うためには、停止ボタン12Lの操作タイミングによる目押しを行って、「スイカ」の小役を入賞させなければならない。このようにRT抽選の実行に遊技者の技術介入を要件とすることで、CTにおける技術介入性がさらに高まり、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、「スイカ」の小役の入賞に何度入賞しても、同様の当選確率でRT抽選を行うことができるために「スイカ」の小役に入賞させればさせるほど1回のCT当たりでRT当選する期待値が高くなるので、技量の高い遊技者ほどRTの発生も増えるというように技術介入性が非常に高くなって、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、RT抽選に当選しても、そのままRAM112にRT当選フラグが設定されて直ちにRT入賞が可能となるものではなく、一旦RT保留フラグが設定されるものとなっているので、払出メダル枚数が規定枚数に達するまでCTを継続させることができる。このため、CTのゲーム数を無駄なく消化できるとともに、RT当選によってCTの終了という遊技者の期待感を喪失させるようなことを防ぐことができる。一方、レギュラーボーナス当選によりCTが終了した場合でも、当該レギュラーボーナスの終了後においてRT保留フラグに基づいてRAM112にRT当選フラグが設定されるものとなるので、CT中のRT当選が無駄になることはない。
もっとも、RTは、RT抽選に当選するだけで発動させることができるものではなく、RT抽選の結果に基づいて設定されたRT当選フラグに基づいてRT入賞が発生しなければ発動しない。リール3L、3C、3Rの図柄の配列との関係から、RT入賞を発生させるには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングを図る目押しの技術が必要となる。従って、RT抽選の実行だけではなく、RTの発動にも遊技者の技術介入が必要となるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、RTの発動が、それぞれの役の図柄が可変表示装置2に導出されたことを契機として行われるものであるため、遊技者にとって分かり易くなる。
さらにCTを発生させるためにも、内部抽選においてCT当選フラグがRAM112に設定され、これに基づいてCTの表示態様を可変表示装置2の表示結果として導出表示させることが必要となっている。リール3L、3C、3Rの図柄の配列との関係から、CT入賞を発生させるには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングを図る目押しの技術が必要となる。従って、CT中のゲームだけではなく、CTの発動にも遊技者の技術介入が必要となるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、CTの発動が、それぞれの役の図柄が可変表示装置2に導出されたことを契機として行われるものであるため、遊技者にとって分かり易くなる。
なお、CT当選フラグやRT当選フラグが設定されているときに、遊技者がCT入賞やRT入賞を発生させることができなかったとしても、CT当選フラグまたはRT当選フラグを次ゲーム以降に持ち越すことができるようになっている。このため、遊技者がCT入賞やRT入賞させることができなかったとしても再度チャンスが与えられるため、CT当選やRT当選が無駄になってしまうことがなく、遊技者が不利益を受けるのを防止することができる。
ところで、内部抽選の結果によりRAM112に設定される当選フラグの設定状況は、CPU111により生成される当選状況信号により、外部出力基板105からスロットマシン1の外部に出力される。ここで、遊技状態がCTにあるときには、小役に関して内部抽選は行われないが、レギュラーボーナスまたはリプレイに当選したとき以外には、スイカ当選フラグがRAM112に設定されることとなる。そして、当選状況信号も、15枚役の当選を示すものとなる。小役の中で最も多くのメダルが払い出されるのは15枚役であるので、外部出力基板105に試験装置を接続して当選状況信号を監視することにより、当選フラグの設定状況に基づいて払出メダル枚数が最も多くなる場合を、当該試験装置においてシミュレーションすることができるものとなる。
一方、CTにあるときであっても、内部抽選においてリプレイ当選したならば、スイカ当選フラグが設定されることはなく、リプレイ当選フラグが設定されるものとなる。レギュラーボーナスに当選したならば、CTの遊技状態はそこで終了し、スイカ当選フラグは設定されない。CT中であっても、リプレイ当選フラグが設定されているときには、小役入賞を発生させることができないが、このような場合には、当選状況信号もリプレイ当選フラグだけが設定されていることを示しているので、試験装置においてシミュレーションされる最大払出メダル枚数と、実際上の最大払出メダル枚数との間に食い違いが生じることがない。
ここで、当選状況信号を含む各種信号を外部に出力する外部出力基板105は、それぞれ外部出力端子150a、150bが設けられた主部105aと副部105bとに分けて構成されている。主部105aは、市場投入前の試験においても市場投入後においても除去されることはないので、ここに設けられた外部出力端子150aから、当選状況信号以外の各種信号を試験装置にもホールの管理コンピュータにも出力することができるようになる。
一方、副部105bは、市場投入前の試験においては除去されていないが、市場投入時には、主部105aから折欠かれて除去されている。従って、副部105bに搭載されているはずの外部出力端子150bに試験装置を接続することはできるが、管理コンピュータを接続することはできない。これにより、当選状況信号がそのまま管理コンピュータなどに入力されて、プログラム解析されるなどといった不正を防ぐことができる。さらに、外部出力端子150bに不正に構成された制御基板を接続して、当選フラグの設定状況に基づく演出を行い得る仕様にするという不正な改造も、容易に行えなくなる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、CTにおける入賞で払い出したメダルの枚数が253枚に達したことを条件として、CTの遊技状態を終了させるものとしていたが、さらにCTにおける消化ゲーム数が所定ゲーム数に達したことを条件として、CTの遊技状態を終了させるものとしてもよい。この場合、メダルの払い出しと異なり、ゲーム数は1ずつ数えていけばいいので、どの条件でCTが終了するかどうかが遊技者に分かり易いものとなる。また、技量の低い遊技者がCTにおいてなかなか小役を入賞させることができず、手持ちのメダルの量を減らしすぎてしまうということも避けることができるようになる。
上記の実施の形態では、CTにおけるゲームで「スイカ」の小役に入賞させることによって、RT抽選が行われるものとしていたが、これ以外の小役に入賞したときにRT抽選を行わせるものとしてもよい。RT抽選を行わせる小役は、全ての小役としてもよいし、入賞によってメダルの払い出されない0枚役としてもよい。また、RT抽選を行うための小役の種類が2種類以上ある場合には、入賞した小役の種類に応じた当選確率でRT抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、CT中にRT当選してもRT保留フラグが設定されるだけで、実際にRT入賞が可能となるのは規定の払出枚数に達することでCTが終了して(CT中にレギュラーボーナス当選したときは、当該レギュラーボーナスが終了して)RT当選フラグが設定された後であった。これに対して、RT抽選に当選したときには、CTが終了する前でもRAM112にRT当選フラグを設定して、次のゲームからRT入賞が可能となるものとしてもよい。ここで、RT当選フラグを次ゲーム以降に持ち越さないものとすることもできるが、その場合には、RT当選したときにはその旨を遊技者に報知することが好ましい。
上記の実施の形態では、RTは、リプレイの当選確率を通常の遊技状態の1/7.2よりも高い1/2.4とし、予め定められた所定ゲーム数の消化により終了する1種類のものしかなかった。これに対して、リプレイの当選確率が互いに異なる複数種類のRT(但し、いずれも通常の遊技状態における当選確率よりも高い)や、終了までのゲーム数が異なる複数種類のRTを設けるものとしてもよい。これらの複合により、さらに有利度が異なる複数種類のRTを設けるものとすることができる。
この場合において、RT抽選においてRT当選したときには、さらにRTの種類を決定するものとしてもよい。そして、RT抽選の結果に従って設定されたRT当選フラグに基づいてRT入賞したときには、決定した種類のRTに制御するものとすることができる。ここでは、複数種類のRTが設けられ、そのうちのいずれかに制御されるものとなるので、遊技状態の変化の態様が豊富になり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、CT中にはその終了条件となったかどうかを判定するために、CT中における払出メダル枚数をカウントするものとしていた。この払出メダル枚数のカウント結果を利用してRT抽選の当選確率を変化させるものとすることができる。これは、上記の実施の形態のものに加えて適用することもできるが、上記の実施の形態とは異なりRT当選した場合にCTを終了させるとともに即座にRT当選フラグを設定してRT入賞を可能としたものに、特に適したものである。
RT当選した場合にCTを終了させるものに適用した場合において、例えば、CT中においてカウントした払出メダル枚数が少ないときほどRT当選確率を高くすることができる。この場合には、RTへの移行を早めさせることができるようになる。一方、払出メダル枚数が多いときほどRT当選確率を高くすることもできる。この場合には、CTが開始してから直ぐにRT当選することは少なく、CTの終了間際になるとRT当選することが多くなるので、CTが終了するまでの払出メダル枚数の期待値を多くすることができるとともに、CTが終了に近づくにつれてRT当選の期待を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CT中における払出メダル枚数だけではなく、払出メダル枚数から遊技者が設定した賭け数を減算した純増枚数をカウントし、このカウント結果を利用してRT抽選の当選確率を変化させることもできる。例えば、純増メダル枚数が多くなるほどRT当選確率を高くすることで、RTの発動に対する遊技者の技術介入性をさらに高めて、遊技の興趣を向上させることができる。また、純増メダル枚数が少ない(払出メダル枚数に対する比が少ない場合を含む)ほどRT当選確率を高くすることで、技量の低い遊技者にとっては有利度があまり高くないCTを終了させて、RTに早めに移行させるという制御も可能となる。このように遊技者の技量に応じてRTの発動を制御することで、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
なお、メダルの純増枚数をカウントするのではなく、CT中におけるゲーム数をカウントし、払出メダル枚数をカウントしたゲーム数で除算したメダル増加率を求め、このメダル増加率を利用してRT抽選の当選確率を変化させることもできる。メダル増加率が高くなるほどRT当選確率を高くする場合には、純増メダル枚数が多くなるほどRT当選確率を高くする場合と同じ効果が得られ、メダル増加率が低くなるほどRT当選確率を高くする場合には、純増メダル枚数が多くなるほどRT当選確率を高くする場合と同じ効果が得られる。
さらに、有利度が複数種類のRTを設けた場合には、RT当選するまでのCT中の純増メダル枚数を判定し、この判定結果に従ってRTの種類を決定することができる。CT中のゲーム数が最低消化ゲーム数の17ゲーム以内であるかどうかを判定し、この判定結果に従ってRTの種類を決定することもできる。このようにCTの状況に応じてRTの種類を決定し、決定した種類のRTに制御することで、遊技者の技量に応じてRTの種類まで変化し、さらに遊技の興趣を向上させることができる。ここで、RTの種類は、RTの継続ゲーム数の違いや、RTにおけるリプレイ当選確率の違い(いずれにしても通常の遊技状態よりも高い)によって有利度を区別するものとことができる。
上記の実施の形態では、CT中には、小役の抽選を行わないものとしていたが、RAM112には、レギュラーボーナスまたはリプレイに当選しない限り、スイカ当選フラグを設定するものとしていた。しかしながら、RAM112において当選フラグの設定領域が役の種類毎に独立して設けられるのであれば、CT中におけるゲームでは、レギュラーボーナスまたはリプレイに当選しない限り、全ての小役の当選フラグをRAM112に設定するものとしてもよい。それぞれの役の当選フラグに基づいて、何れの小役の入賞も発生可能なものとすることができる。
また、CT中におけるゲームでは、内部抽選の結果に関わらず、何れの小役当選フラグも設定しないものとしてもよい。小役当選フラグが全く設定されていなくても、RAM112に設定されているCT中フラグに基づいて、何れの役の小役の入賞も発生可能なものとすることができる。これらの場合であっても、CPU111は、スイカ当選フラグが設定されていることを示す当選状況信号を生成して、外部出力基板105に出力するものとすることができる(但し、リプレイ当選フラグが設定されている場合を除く)。
上記の実施の形態では、CT中には各ゲームで「スイカ」の小役を入賞させる度にRT抽選が行われるものとなっていたため、その入賞回数が多ければ多いほど1回のCT当たりでRT当選する期待値が高くなるという技術介入性を実現していた。これに対して、CT中の各ゲームでRT抽選を行うものとせず、CTの終了時において1回だけRT抽選を行うものとしてもよい。CT終了時の1回だけのRT抽選でも、次のようにしてRTの発生に遊技者を技術介入させることができる。
例えば、CT中において「スイカ」などの小役に入賞させた回数、CT中におけるメダルの純増枚数、CTが終了するまでのゲーム数をカウントするものとする。CTにおける払出メダル枚数は、それ以外にCTの終了条件が成立しないならば遊技者の技量によらずに一定となるが、メダルの純増枚数は、遊技者の技量に応じて払出枚数の多い小役を入賞させる頻度が高くなるほど多くなる。CTが終了するまでのゲーム数は、レギュラーボーナス当選によってCTが終了する場合を除いて、遊技者の技量に応じて払出枚数の多い小役を入賞させる頻度が高くなるほど少なくなる。ここで、CT終了時のRT抽選の当選確率を、CT中における小役の入賞回数、メダルの純増枚数および/またはCTが終了するまでのゲーム数に応じて変化させるものとすることができる。
このような場合にも遊技者はRTの発生に技術介入することができるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、RT抽選した場合にRT当選フラグをRAM122に設定し、これに基づいてRT入賞したことを条件としてRTに制御することができるのも、上記の実施の形態と同様である。また、RT当選フラグに基づいてRT入賞させることができなかった場合に、当該RT当選フラグを次ゲーム以降に持ち越すことができるのも、上記の実施の形態と同様である。
上記の実施の形態では、CTにおいては、左のリール3Lについて4コマの引き込み制御が行われなくなり、停止ボタン12Lを操作したタイミングから75ミリ秒以内(1コマ以内)で停止されるものとし、中と右のリール3C、3Rについては通常の遊技状態と同様に190ミリ秒以内で4コマの引き込み制御を行うものとしていた。もっとも、4コマの引き込み制御を行わないものとするリールは、左のリール3Lに限るものではなく、中または右のリール3C、3Rとしてもよい。また、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで最初に操作したもの(若しくは2番目または最後に停止したもの)に対応するリールについて、停止ボタン12L、12C、12Rを操作したタイミングから75ミリ秒以内(1コマ以内)で変動表示を停止させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態がCTにあるときのリプレイ当選確率は、通常の遊技状態と同じであったが、通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率を高くしてもよい(いわゆるRT(Replay Time)との複合)。RTを複合したCTと、複合しないCTの両方があってもよい。リプレイ当選に基づいてリプレイ入賞したときには、メダルの払い出しもないが次のゲームで賭け数を設定しなくてよいので、CTの終了条件及びCT中の純増メダル枚数に全く影響しない。RTとの複合によりリプレイ当選確率を高くすることで、CTのゲーム数だけが増える結果となるが、これによってCTの開始から終了するまでの全期間でのレギュラーボーナスの当選期待値を高くすることができる。このようにRTと複合したCTとすることで、遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、外部出力基板105は、主部105a及び副部105bから構成され、市場投入時には副部105bを除去して当選状況信号の信号配線が外部出力端子150bに接続されなくすることで、当選状況信号がホールの管理コンピュータなどに出力されないようにしていた。しかしながら、市場投入時において当選状況信号を外部装置に出力できないようにするための構成は、これに限るものではない。例えば、遊技制御101のCPU111は、当選状況信号を暗号化して出力するものとし、市場投入前の試験時においてのみ、外部出力基板105に暗号化した当選状況信号を復号化する回路を設けるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。