以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図2参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「赤7」、「青7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。特にリール3Lにおいては、「赤7」、「青7」、「BAR」が1つずつ等間隔で配されている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図2参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図2参照)によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス、或いはRT時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図2参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図2参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、賭け数(1、2または3)に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図2参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図2参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図2参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図2参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図2参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図2参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示する画像による演出としては、例えば、後述するRTまたはRT潜伏の状態にあることを報知する演出がある。また、後述するRTにおいて「ベル」の小役に当選したときに、これを入賞させるための操作手順を報知する演出がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図2参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図2参照)またはMAXBETスイッチ46(図2参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図2参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図2参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図2参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図2参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図2参照)が点灯状態となることで、後述するボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図2参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図2参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図2参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図2は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図2では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板101は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信し、またリール中継基板103を介して外部出力基板105に各種の信号を出力する。遊技制御基板101から演出制御基板102及び外部出力基板105へ情報(コマンド、信号)は一方向のみで送られ、演出制御基板102及び外部出力基板105から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド、信号)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、ROM113内の遊技状態に対応したリール制御テーブルを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。
外部出力基板105は、遊技制御基板103を介して入力された各種の信号を試験装置やホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力する。遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力され、外部出力基板105の外部に出力される信号には、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、RT中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号がある。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の内部当選フラグが設定されている必要がある(但し、後述するRT入賞の発生は、RT抽選に当選してRT当選フラグが設定されることが条件となる)。また、入賞に伴ってメダルが払い出され、遊技状態が変化させられる。
通常の遊技状態またはRTにおいて、賭け数に応じた有効ライン上に「BAR」が3つ揃った場合には、レギュラーボーナス入賞となり、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、レギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)と称されるゲームを所定回(例えば、12回)だけ行うこと、または所定回(例えば、8回)だけ入賞する(有効ライン上に「JAC」が揃う:JAC入賞)ことにより終了する。
通常の遊技状態またはRTにおいて、賭け数に応じた有効ライン上に「赤7」が3つ揃った場合には、ビッグボーナス入賞となり、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができ、この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃う(JACIN入賞)。JACIN入賞すると、前述したレギュラーボーナス(JACゲーム)が提供される。ビッグボーナスは、払い出されたメダルの枚数が360枚に達したときに終了する。
遊技制御基板101のRAM112には、レギュラーボーナスゲーム(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)のゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。レギュラーボーナスに移行しているときには、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定される。ビッグボーナスに移行しているときには、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。JACINによりJACゲームが提供されているときには、レギュラーボーナス中フラグも合わせて設定される。
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に「青7」が3つ揃った場合には、RT入賞となり、遊技状態がRTに移行する。RTにおいては、後述するリプレイに当選する確率が通常の遊技状態よりも高くなる。但し、他の役の当選確率は、通常の遊技状態と変わらない。RTは、所定ゲーム数を消化することにより終了する。遊技制御基板101のRAM112には、RT中のゲーム数をカウントするカウンタが設けられている。RTに移行しているときには、RAM112にRT中フラグが設定される。
レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム以外のゲームで、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、それぞれスイカ、ベル、チェリーの小役入賞となる。ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲーム及びJACゲーム、レギュラーボーナスゲームを除き、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。それ以外の表示態様が可変表示装置2に導出表示された場合には、いずれの役にも入賞しなかったこと、すなわちハズレとなる。
なお、この実施の形態において「小役」といった場合には、スイカ、ベル、チェリーの小役だけではなく、特に説明した場合においては、リプレイ等(リプレイ、JAC及びJACIN)を含むことがあるものとする。単に「ボーナス」といった場合は、特に断りがない限り、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを含むものとする。役の種別だけではなく、入賞や当選フラグについて使用する場合も同様である。
以上説明した役への入賞があった場合には、リプレイ入賞であった場合を除いて、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、ベルの小役が8枚、チェリーの小役が2枚である他は、全て15枚である。リプレイ入賞の場合には、次のゲームで遊技者が手持ちのメダルまたはクレジットから賭け数を設定しなくても、今回のゲームと同じ賭け数が自動的に設定されて、そのままゲームを開始可能となる。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役(RTを除く)への入賞を許容するかどうかを可変表示装置2に表示結果が導出表示される以前(実際は、スタートレバー11の操作のとき)に決定するものであり、ゲーム毎にハードウェア乱数機能を用いて取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭け数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照することによって、CPU111が行うものである。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。また、RTに関してだけは内部抽選において当選が決定されない。
遊技状態がRTにあるときにリプレイに当選する確率は、通常の遊技状態よりも高くなっている。リプレイ入賞しても遊技者にメダルが払い出されることがないが、リプレイ入賞すれば賭け数の設定にメダルを消費しなくてもよいので、メダルの純増(純減)枚数の点で通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる。また、「ベル」の小役に当選したときには、ベル当選フラグが設定されるが、さらにこれを入賞させるためのリール3L、3C、3Rの制御も決定される(リール制御テーブルの選択)。決定された制御に応じて停止ボタン12L、12C、12Rを操作しない限り、「ベル」の小役には入賞しないものとなる。
「ベル」の小役に入賞させるためのリール制御テーブルの振り分けとして、左の停止ボタン12Lを1番目に操作した場合に入賞可能となるものは、中または右の停止ボタン12C、12Rを1番目に操作した場合に入賞可能となるものよりも振り分け率が低くなっている。この振り分け率の違いにより、各役の当選確率及びリール制御テーブルの振り分けに従って遊技者に払い出されるメダルの割合を示す払出率は、左の停止ボタン12Lを1番目に操作した場合には、中または右の停止ボタン12C、12Rを1番目に操作した場合よりも低くなるように設定されている。
また、前回のゲーム以前の内部抽選により既にボーナス当選フラグまたはRT当選フラグが設定されているときには、ボーナスの抽選が行われることがなく、ボーナス当選フラグとRT当選フラグのうちの複数種類のものが同時に設定されることがない。既にボーナス当選フラグまたはRT当選フラグが設定されていても、小役(リプレイを含む)の抽選は行われるので、小役(リプレイを含む)に当選したときには、ボーナス当選フラグまたはRT当選フラグと小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)とが重複して設定された状態となることがある。この場合は、小役の入賞を優先してリール3L、3C、3Rの停止制御が行われるものとなる。
なお、内部抽選は、ゲーム毎に行われ、その結果に応じて当選フラグがRAM112に設定されるものとなるが、小役(リプレイ等を含む)の当選フラグは、これに基づいて入賞が発生したか否かに関わらず、ゲーム毎に消去されるものとなる。一方、ボーナス当選フラグは、これに基づいて入賞が発生するまで、次ゲーム以降に持ち越されるものとなる。ボーナス当選フラグまたはRT当選フラグと小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)とが重複設定されているときには、小役当選フラグ(リプレイ当選フラグ)の方だけが消去される。
次に、RTの発生について説明する。RTの遊技状態には、RT入賞することによって制御されるが、RT入賞が発生するためには、次に示す場合に行われるRT抽選に当選してRAM112にRT当選フラグが設定されている必要がある。また、RT抽選よりも高い1/32の確率でRT当選するRT高確抽選に当選して、RT当選フラグが設定されている場合もある。RT高確抽選は、次に示す場合に行われるRT潜伏抽選に当選して、RT潜伏状態に制御されているときのゲームで左の停止ボタン12Lが1番目に操作されたことを条件として行われる。RT潜伏状態で25ゲーム消化したときには、RT高確抽選に当選しなくても無条件にRT当選フラグが設定されて、遊技状態がRTに制御されるものとなる。
図3は、RT抽選及びRT潜伏抽選をそれぞれ行う場合の条件を示す表である。内部抽選において全ての役にハズレ、可変表示装置2の表示結果もハズレとなった純ハズレのゲームでは、RT抽選とRT潜伏抽選の両方が行われる。場合によっては両方に当選する場合もある。ビッグボーナス中に「チェリー」の小役に入賞した場合には、RT抽選だけが行われる。RT中、RT当選中またはRT潜伏中意外でリプレイ入賞が3回連続した場合には、RT抽選だけが行われ、4回連続した場合には、RT潜伏抽選だけが行われる。
RT抽選に当選すると、RAM112にRT当選フラグが設定され、これに基づいてRT入賞を発生させることが可能となる。RAM112に設定されたRT当選フラグに基づいてRT入賞させることができなかった場合には、当該RT当選フラグは、ボーナス当選フラグと同様に次ゲーム以降に持ち越されるものとなる。
RT当選フラグがRAM112に設定されているときに、これに基づいてRT入賞すると、ここでRT当選フラグが消去されるものとなるが、このときにRTゲーム数が決定される。RTゲーム数は、25、50、75、100、150、250、500、1000の8種類の中から抽選によりいずれかが選択される。RTゲーム数が決定されると、その値がRAM112に設けられたRTカウンタに初期値としてセットされ、以後RTにおいて1ゲームを消化する度にRTカウンタの値が1ずつ減算される。RTカウンタの値が0となると、RTの遊技状態が終了となる。
一方、RT潜伏抽選に当選した場合には、RAM112に設けられた潜伏カウンタに潜伏ゲーム数がセットされて、RT潜伏状態に制御される。潜伏ゲーム数は、50、75、100、150、200の8種類の中から抽選によりいずれかが決定される。従って、左の停止ボタン12L、12C、12Rを1番目に操作する限り、それぞれ2、3、4、6、8回のRTの発生が保証されるものとなる。RT潜伏状態において1ゲームを消化する度に潜伏カウンタの値が1ずつ減算され、潜伏カウンタの値が0となると、RT潜伏状態が終了となる。
RTまたはRT潜伏状態に制御されているときにボーナス入賞したり、ボーナス中にRT抽選またはRT潜伏抽選に当選する場合もある。遊技状態がボーナスにあるとき、すなわちRAM112にボーナス中フラグが設定されているときには、RTカウンタの値または潜伏カウンタの値が1以上となっていても、これが無視されて(すなわち、これらの値が0となっているものと見なされて)、RTまたはRT潜伏状態にないものとして処理が行われる。ボーナスが終了となると、RTカウンタまたは潜伏カウンタの値に応じた残りゲーム数分だけRTまたはRT潜伏状態が再開するものとなる。また、RT潜伏状態からRTに遊技状態が制御されたときには、当該RTが終了した後、潜伏カウンタの値に応じた残りゲーム数分だけRT潜伏状態が再開するものとなる。
なお、RT潜伏状態については、ダウンカウンタからなる潜伏カウンタにより残りゲーム数がカウントされるものとなるが、RT潜伏状態においてRT当選フラグが設定される25ゲームをカウントするためのアップカウンタからなる潜伏ハズレカウンタが、これとは別に設けられている。潜伏ハズレカウンタの値は、RT高確抽選によるか25ゲームの消化によるかに関わらず、RT当選フラグが設定されると0に初期化されるものとなる。
もっとも、RT潜伏状態において1ゲームを消化したときには、停止ボタン12L、12C、12Rのうちのどれを1番目に操作したかに関わらず、潜伏カウンタの値が1だけ減算されるが、これに対してRT潜伏状態において1ゲームを消化しても、停止ボタン12Lを1番目に操作しない限り、潜伏ハズレカウンタの値が加算されることはない。つまり、RT潜伏状態においては、左の停止ボタン12Lを1番目に操作して消化したゲーム数が25ゲームに達する度に、RT当選フラグが設定されるようになる。
ところで、遊技状態がRTに制御されているときには、通常の遊技状態に比べてリプレイ当選確率が高くなるだけではなく、他の遊技状態では行われなかった「ベル」の小役を入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順が報知されるものとなる。この報知は、遊技状態がRTにあって「ベル」の小役に当選したときに、選択されたリール制御テーブルに応じた停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を特定することが可能な操作手順コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信し、液晶表示器4にその手順を表示することにより行うものである。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信、及びコマンドに基づく演出の処理は、本発明に関わるものだけ説明するものとする。
図4は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。もっとも、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、設定値、賭け数及び遊技状態に応じて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する内部抽選を行い、その結果に応じて当選フラグを設定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、「ベル」の小役に当選したときに、これを入賞させるためのリール3L、3C、3Rの制御を決定する処理を含んでいる。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。このとき、当選フラグに応じて選択されるリール制御テーブルに従って、4コマ以内の範囲で引き込み制御が行われる。また、所定の条件が成立してからの経過時間が所定時間(例えば、30秒)となったときに、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。RT抽選及びRT潜伏抽選もここで行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけだけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、ボーナス及びRTの終了の制御など、入賞に関わらない各種の設定も行われる。RT潜伏状態にあるときには、ここでRT高確抽選が行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図5は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。まず、ハードウェア乱数機能を利用して内部抽選用の乱数を抽出し、当該抽出した乱数の値をRAM112に一時格納する(ステップS101)。さらに、RAM112に一時格納した乱数の値を、設定スイッチ91による確率設定、ステップS2のBET処理で設定した賭け数、並びに現在の遊技状態(通常、レギュラーボーナス、ビッグボーナス、及びRT)に応じた当選判定用テーブルと比較する(ステップS102)。
次に、RAM112にビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが既に設定されているかどうかを判定する(ステップS103)。いずれの種類のボーナス当選フラグも設定されていない場合には、RAM112にRT当選フラグが設定されているかどうか、または潜伏カウンタの値が1以上となっていてRT潜伏中の状態にあるかどうかを判定する(ステップS104)。
RT当選フラグが設定されておらず、RT潜伏中にもない場合には、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、いずれかの種類のボーナスに当選したかどうかを判定する(ステップS105)。いずれかの種類のボーナスに当選していた場合には、当該当選したボーナスの当選フラグをRAM112に設定する(ステップS106)。そして、抽選処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。
いずれかの種類のボーナス当選フラグが既に設定されていた場合、RT当選フラグが設定されているかRT潜伏中にあった場合、或いは新たなボーナス当選もしなかった場合には、いずれかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選したかどうかを判定する(ステップS107)。いずれの種類の小役(リプレイ等を含む)にも当選していなければ、そのまま抽選処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。いずれかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選していた場合には、当該当選した小役(リプレイ等を含む)の当選フラグをRAM112に設定する(ステップS108)。
次に、当選した小役の種類が「ベル」であるかどうかを判定する(ステップS109)。「ベル」以外の小役(リプレイ等を含む)に当選していた場合には、抽選処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。当選した小役の種類が「ベル」であった場合には、当該「ベル」の小役を入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を決定する(ステップS110)。もっとも、ここで実際に行うのは、操作手順に対応したリール制御テーブルの選択である。他の役の場合は、当選フラグに応じて一義的にリール制御テーブルが選択される。
次に、RAM112にRT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がRTにあるかどうかを判定する(ステップS111)。現在の遊技状態がRTになければ、そのまま抽選処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。現在の遊技状態がRTにあれば、「ベル」の小役を入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を特定可能な情報を示す手順報知コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS112)。そして、抽選処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図6は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず、リール3L、3C、3Rの回転が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRの全てが基準位置を検出するというリール3L、3C、3Rの停止を可能とする所定の条件が成立したかどうかを判定する(ステップS201)。
この所定の条件が成立していなければ、ステップS201の処理を繰り返し、この所定の条件が成立するのを待機する。この所定の条件が成立した(していた)場合には、リール3L、3C、3Rの回転を強制的に停止させるためのリールタイマの計時を開始する(ステップS202)。また、左、中、右の停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれの操作有効ランプ63L、63C、63Rを点灯する(ステップS203)。そして、ステップS204の処理に進む。
ステップS204では、ストップスイッチ42Lの検出信号に基づいて、左の停止ボタン12Lが操作されているかどうかを判定する。左の停止ボタン12Lが操作されていないと判定すれば、そのままステップS208の処理に進む。左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS205)。また、左のリール3Lが停止された順番を示す停止順情報をRAM112に保存する(ステップS206)。さらに当選フラグの設定に応じて左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS207)。そして、ステップS208の処理に進む。
ステップS208では、ストップスイッチ42Cの検出信号に基づいて、中の停止ボタン12Cが操作されているかどうかを判定する。中の停止ボタン12Cが操作されていないと判定すれば、そのままステップS212の処理に進む。中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS209)。また、中のリール3Cが停止された順番を示す停止順情報をRAM112に保存する(ステップS210)。さらに当選フラグの設定に応じて中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS211)。そして、ステップS212の処理に進む。
ステップS212では、ストップスイッチ42Rの検出信号に基づいて、右の停止ボタン12Rが操作されているかどうかを判定する。右の停止ボタン12Rが操作されていないと判定すれば、そのままステップS216の処理に進む。右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS213)。また、右のリール3Rが停止された順番を示す停止順情報をRAM112に保存する(ステップS214)。さらに当選フラグの設定に応じて右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS215)。そして、ステップS216の処理に進む。
ステップS216では、左、中及び右の全てのリール3L、3C、3Rが停止しているかどうかを判定する。全てのリール3L、3C、3Rが停止している場合には、リール変動停止処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。一方、リール3L、3C、3Rのうちで1つでも停止していないものがあれば、リール変動開始処理において計時を開始したリール停止タイマが所定時間(例えば、30秒)を計時したかどうかを判定する(ステップS217)。リール停止タイマが所定時間を計時していなければ、ステップS204の処理に戻り、ステップS204〜S217の処理を繰り返す。
リール停止タイマが所定時間を計時した場合には、リール3L、3C、3Rのうちで回転を停止していないものに対応したストップスイッチ42L、42C、42Rからの信号と同じ信号をCPU111に入力させ、残りの全ての停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたものとする(ステップS218)。そして、ステップS204の処理に戻り、残りのリール3L、3C、3Rの回転を停止させることとなる。
次に、上記したステップS6の入賞判定処理について詳しく説明する。図7は、CPU111がステップS6で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、賭け数に応じて設定された有効ライン上に、遊技状態に応じて入賞の表示態様となる図柄が揃ったかどうかを判定する(ステップS301)。
入賞の表示態様となる図柄が揃っていた場合には、当該入賞の表示態様に対応する当選フラグ(RT当選フラグを含む)がRAM112に設定されていなかったものであるかどうかを判定する(ステップS302)。当該入賞の表示態様が当選フラグの設定されていない入賞の表示態様であった場合には、エラー終了する。このときのエラー処理については、本発明と関係がないので説明を省略する。
当該入賞の表示態様が当選フラグの設定されていない入賞の表示態様でなければ、入賞の表示態様が導出表示された有効ラインに対応した1枚、2枚または3枚賭けランプ54〜58の点滅表示させる(ステップS303)。次に、当該入賞の表示態様がリプレイの表示態様であるかどうかを判定する(ステップS304)。リプレイの表示態様であれば、RAM112にリプレイフラグを設定し(ステップS305)、RAM112のリプレイ連続カウンタの値を1だけ加算する(ステップS306)。
次に、RAM112にRT中フラグが設定されて現在の遊技状態がRTとなっているかどうか、RT当選フラグが設定されているかどうか、或いは潜伏カウンタの値が1以上となっていてRT潜伏中となっているかどうかを判定する(ステップS307)。現在の遊技状態がRTであるか、RT当選フラグが設定されているか、或いはRT潜伏中となっている場合には、そのままステップS344の処理に進む。
現在の遊技状態がRTとなっておらず、RT当選フラグも設定されていらず、且つRT潜伏中ともなっていない場合には、RAM112のリプレイ連続カウンタの値がいくつになっているかを判定する(ステップS308)。リプレイ連続カウンタの値が2以下または5以上であれば、RT抽選もRT潜伏抽選も行わないため、そのままステップS344の処理に進む。
リプレイ連続カウンタの値が3であれば、ソフトウェア乱数機能によりRT抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT当選とするかどうかを決定するRT抽選を行う(ステップS309)。その結果として、RT抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS310)。RT抽選に当選していれば、RAM112にRT当選フラグを設定し(ステップS311)、RT当選したことを示すRT当選コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS312)。そして、ステップS344の処理に進む。RT抽選に当選していなければ、そのままステップS344の処理に進む。
また、リプレイ連続カウンタの値が4であれば、ソフトウェア乱数機能によりRT潜伏抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT潜伏状態にするかどうかを決定するRT潜伏抽選を行う(ステップS313)。その結果として、RT潜伏抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS314)。RT潜伏抽選に当選していれば、ソフトウェア乱数機能により乱数を抽出してRT潜伏ゲーム数を決定し(ステップS315)、決定したRT潜伏ゲーム数をRAM112の潜伏カウンタにセットする(ステップS316)。また、RT潜伏当選したことを示す潜伏当選コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS317)。そして、ステップS344の処理に進む。RT潜伏抽選に当選していなければ、そのままステップS344の処理に進む。
ステップS304において入賞の表示態様がリプレイの表示態様でなかった場合には、当該入賞の表示態様がいずれかのボーナスの表示態様であるかどうかを判定する(ステップS318)。いずれかのボーナスの表示態様である場合には、当該ボーナスの種類に対応したボーナス中フラグをRAM112に設定するとともに、RAM112に設定されているボーナス当選フラグを消去する(ステップS319)。また、RAM112に設けられたボーナス中のゲーム数や入賞数、払出メダル枚数をカウントするための各種カウンタの値を初期化する(ステップS320)。そして、ステップS331の処理に進む。
ステップS318において入賞の表示態様がいずれのボーナスの表示態様でもなかった場合には、当該入賞の表示態様がRTの表示態様であるかどうかを判定する(ステップS321)。RTの表示態様である場合には、RAM112に設定されているRT当選フラグを消去する(ステップS322)。また、ソフトウェア乱数機能により乱数を抽出して、当該RTのゲーム数を決定し(ステップS323)、決定したRTのゲーム数をRAM112のRTカウンタにセットする(ステップS324)。そして、ステップS331の処理に進む。
ステップS321において入賞の表示態様がRTの表示態様でもなかった場合には、当該入賞の表示態様が「チェリー」の小役の表示態様であるかどうかを判定する(ステップS325)。「チェリー」の小役の表示態様でもなければ、ステップS331の処理に進む。「チェリー」の小役の表示態様であった場合には、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS326)。現在の遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS331の処理に進む。
現在の遊技状態がビッグボーナスにあれば、ソフトウェア乱数機能によりRT抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT当選とするかどうかを決定するRT抽選を行う(ステップS327)。その結果として、RT抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS328)。RT抽選に当選していれば、RAM112にRT当選フラグを設定し(ステップS329)、RT当選したことを示すRT当選コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS330)。そして、ステップS331の処理に進む。RT抽選に当選していなければ、そのままステップS331の処理に進む。
ステップS331では、リプレイ以外のメダルの払い出しを伴う役に入賞したものとなるので、当該入賞の表示態様に応じて定められたメダルの払い出し数(チェリーが2枚、ベルが8枚、それ以外は15枚)を払い出し予定数としてRAM112に設定する。そして、ステップS343の処理に進む。
また、ステップS301において有効ライン上にいずれの入賞の表示態様となる図柄も揃っていないでハズレとなっていた場合には、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていない純ハズレとなっていたかどうかを判定する(ステップS332)。純ハズレでなかった場合(RT当選フラグが設定されていた場合も純ハズレとならない)には、そのままステップS343の処理に進む。
純ハズレとなっていた場合には、RAM112にRT中フラグが設定されていて現在の遊技状態がRTとなっているかどうか、或いは潜伏カウンタの値が1以上となっていてRT潜伏中となっているかどうかを判定する(ステップS333)。現在の遊技状態がRTとなっているか、或いはRT潜伏中となっている場合には、そのままステップS343の処理に進む。
現在の遊技状態がRTではなく、RT潜伏中ともなっていない場合には、ソフトウェア乱数機能によりRT抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT当選とするかどうかを決定するRT抽選を行う(ステップS334)。その結果として、RT抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS335)。RT抽選に当選していれば、RAM112にRT当選フラグを設定し(ステップS336)、RT当選したことを示すRT当選コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS337)。そして、ステップS338の処理に進む。RT抽選に当選していなければ、そのままステップS338の処理に進む。
ステップS338では、ソフトウェア乱数機能によりRT潜伏抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT潜伏状態にするかどうかを決定するRT潜伏抽選を行う。その結果として、RT潜伏抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS339)。RT潜伏抽選に当選していれば、ソフトウェア乱数機能により乱数を抽出してRT潜伏ゲーム数を決定し(ステップS340)、決定したRT潜伏ゲーム数をRAM112の潜伏カウンタにセットする(ステップS341)。また、RT潜伏当選したことを示す潜伏当選コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS342)。そして、ステップS343の処理に進む。RT潜伏抽選に当選していなければ、そのままステップS343の処理に進む。
このように純ハズレしたゲームで遊技状態がRTではなく、RT潜伏中ともなっていない場合には、RT抽選とRT潜伏抽選の両方が行われるものとなり、その両方ともに当選する場合もある。両方に当選した場合、後述するように払出処理においてRT当選フラグが設定されているかRT中であるときには、これに基づく処理が先に行われてRT潜伏中であることに基づく処理が行われないものとなるため、RT抽選の当選が優先され、当該当選に基づくRTが終了した後に、RT潜伏状態に移行するものとなる。
ステップS343では、今回のゲームでリプレイに入賞しなかったものとなるので、RAM112のリプレイ連続カウンタの値を0に初期化する。そして、ステップS344の処理に進む。ステップS344では、入賞の有無及び入賞した役の種類を特定可能な情報を含む入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図8は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS401)。
次に、RAM112にRT当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS402)。RT当選フラグが設定されていれば、そのままステップS423の処理に進む。RT当選フラグが設定されていなければ、RAM112にRT中フラグが設定されているかどうかにより現在の遊技状態がRTにあるかどうかを判定する(ステップS403)。現在の遊技状態がRTにあれば、RAM112のRTカウンタの値を1だけ減算する(ステップS404)。その減算の結果として、RTカウンタの値が0となり、RTの遊技状態が終了したかどうかを判定する(ステップS405)。RTカウンタの値が0となった場合には、RT終了コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS406)。そして、ステップS423の処理に進む。RTカウンタの値が0となっていなければ、そのままステップS423の処理に進む。
現在の遊技状態がRTになければ、RAM112の潜伏カウンタの値が1以上となっていて、RT潜伏中となっているかどうかを判定する(ステップS407)。RT潜伏中となっていれば、ステップS206、S210、S214でRAM112に保存した停止順情報に基づいて、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで左の停止ボタン12Lが1番目に操作されたかどうかを判定する(ステップS408)。左の停止ボタン12Lが1番目に操作されていない場合には、そのままステップS416の処理に進む。
左の停止ボタン12Lが1番目に操作されていた場合には、RAM112の潜伏ハズレカウンタの値を1だけ加算する(ステップS409)。その加算の結果として、潜伏ハズレカウンタの値が25となったかどうかを判定する(ステップS410)。潜伏ハズレカウンタの値が25となっていれば、ステップS413の処理に進む。潜伏ハズレカウンタの値が25となっていなければ、ソフトウェア乱数機能によりRT高確抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に応じてRT当選とするかどうかを決定するRT高確抽選を行う(ステップS411)。その結果としてRT高確抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS412)。
RT高確抽選に当選していれば、ステップS413の処理に進む、RT高確抽選に当選していなければ、ステップS416の処理に進む。ステップS413では、RT入賞を可能とする条件が成立したものとなるので、RAM112にRT当選フラグを設定する。また、ここで潜伏ハズレカウンタの値を0に初期化し(ステップS414)、RT当選したことを示すRT当選コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS415)。そして、ステップS416の処理に進む。
ステップS416では、RT潜伏状態において1ゲームを消化したものとなるので、RAM112の潜伏カウンタの値を1だけ減算する。その減算の結果として、潜伏カウンタの値が0となり、RT潜伏状態の終了となったかどうかを判定する(ステップS417)。潜伏カウンタの値が0となっていれば、RT潜伏状態が終了したことを示す潜伏終了コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS418)。そして、ステップS423の処理に進む。潜伏カウンタの値が0となっていなければ、そのままステップS423の処理に進む。
ステップS407においてRT潜伏中でなかった場合には、RAM112にレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナス中となっているかどうかを判定する(ステップS419)。現在の遊技状態がボーナスとなっていなければ、そのままステップS423の処理に進む。現在の遊技状態がボーナスとなっていれば、RAM112の各種カウンタを用いて、当該ボーナスにおけるゲーム数や入賞数、払出メダル枚数をカウントする(ステップS420)。
そのカウント結果として、ボーナス(ビッグボーナス中のレギュラーボーナスを含む)の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS421)。ボーナスの終了条件となっていなければ、そのままステップS423の処理に進む。ボーナスの終了条件となっていれば、RAM112の対応するボーナス中フラグを消去する。但し、ビッグボーナス中のレギュラーボーナスのみ終了した場合には、ビッグボーナス中フラグを消去せずに、レギュラーボーナス中フラグのみを消去する(ステップS422)。そして、ステップS423の処理に進む。
ステップS423では、RAM112に小役(リプレイ等を含む)の当選フラグが設定されていれば、これを消去する。その他のレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス当選フラグ、或いはRT当選フラグは消去しないで、次のゲームに持ち越させる。そして、払出処理を終了して、図4のフローチャートに復帰する。図4のフローチャートに復帰すると、そのまま1ゲーム分の処理が終了することとなる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出を行うために実行する処理について説明する。
図9は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS501)。コマンドを受信するまでは、ステップS501の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS502)。
受信したコマンドの種類がステップS112で送信された手順報知コマンドであった場合には、「ベル」の小役を入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を液晶表示器4に表示して遊技者に報知する(ステップS503)。そして、ステップS501の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS312、S330、S337またはS415で送信されたRT当選コマンドであった場合には、RT当選している旨を液晶表示器4に表示して遊技者に報知開始する(ステップS504)。そして、ステップS501の処理に戻る。受信したコマンドの種類がステップS317またはS342で送信された潜伏当選コマンドであった場合には、RT潜伏状態となっている旨を液晶表示器4に表示して遊技者に報知開始する(ステップS505)。そして、ステップS501の処理に戻る。なお、純ハズレの場合においてステップS337、S342でRT当選コマンドとRT潜伏コマンドの両方が送信されてきた場合には、その両方を液晶表示器4に表示する。
受信したコマンドの種類がステップS418で送信された潜伏終了コマンドであった場合には、液晶表示器4のRT潜伏状態となっている旨の表示を消去して遊技者への報知を終了する(ステップS506)。そして、ステップS501の処理に戻る。受信したコマンドの種類がステップS344で送信された入賞情報コマンドであった場合には、当該入賞情報コマンドがRT入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS507)。RT入賞を示していなければ、ステップS501の処理に戻る。
RT入賞を示していれば、液晶表示器4のRT当選している旨の表示を消去して遊技者への報知を終了する(ステップS508)。その一方で、現在の遊技状態がRTとなっている旨を液晶表示器4に表示して遊技者に報知開始する(ステップS509)。そして、ステップS501の処理に戻る。受信したコマンドの種類がステップS406で送信されたRT終了コマンドであった場合には、液晶表示器4のRT中である旨の表示を消去して遊技者への報知を終了する(ステップS510)。そして、ステップS510の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS511)。これら他の処理については、本発明とは直接的な関係がないため、詳細な説明は省略する。その後、ステップS501の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態がRTにあるとき、RT当選フラグが設定されているとき、及びRT潜伏状態にあるとき以外の各回のゲームにおいて、純ハズレが発生するとRT抽選とRT潜伏抽選の両方が行われるものとなる。RT抽選に当選すると、直ちにRT当選フラグが設定される。このRT当選フラグに基づいてRT入賞を発生させれば、遊技状態がRTに制御されるものとなる。従って、純ハズレが発生したときには、RTの発生についての遊技者の期待感を高めさせることができる。
一方、RT潜伏抽選に当選したときには、直ちにRT当選フラグが設定されてRT入賞が発生可能となるものではないが、RT潜伏状態に制御されるものとなる。RT潜伏状態では、RT抽選のときよりも高い1/32という高確率で当選するRT高確抽選が行われるので、RTの発生が容易になる。また、RT高確抽選に当選しなくても、RT潜伏状態でゲームを消化して潜伏カウンタの値が25となれば、必ずRT当選フラグが設定されるものとなるので、RTの発生が容易になる。しかも、RT潜伏状態の最低ゲーム数は50ゲームでRTへの制御が必ず行われるまでの25ゲームよりも多いので、RT潜伏状態に制御された後には、必ずRTの発生が期待できるようになる。
このように純ハズレを契機として、当選すればRT当選フラグを直ちに設定するRT抽選の他に、当選すればRTの発生が容易となるRT潜伏抽選をも行うものとしているため、RT抽選にハズレたとしても、RTの発生に対する遊技者の期待感を喪失させることがない。しかもRT潜伏状態からのRTの発生が確実であり、RT高確抽選の当選期待ゲーム数よりも少ないゲーム数でRT当選フラグが設定されるものとなるので、RT潜伏状態への制御に対しても、RTに当選することと同様に遊技者の期待感が向けられる。このように遊技者の期待感の持続を図ることで、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
もっとも、内部的な制御で行われるRT抽選、RT高確抽選、潜伏ハズレカウンタの値の判定に従って直ちにRTが発生するのではなく、これらに従ってRT当選フラグを設定するだけとしている。そして、実際のRTの発生は、設定されたRT当選フラグに基づいて可変表示装置2にRT図柄を導出したことを条件としている。このため、RTの発生する契機が、遊技者にとって分かり易いものとなる。
また、RT抽選は、ビッグボーナス中に「チェリー」の小役に入賞したときと、リプレイ入賞が3回連続したときにも行われる。RT潜伏抽選は、リプレイ入賞が4回連続したときにも行われる。このように純ハズレ以外の発生を契機としてもRT抽選、RT潜伏抽選が行われるので、RTの発生に対する遊技者の期待感をさらに高めさせることができる。さらに、リプレイ入賞の連続に関しては、3回でRT抽選、4回でRT潜伏抽選と、段階的に異なる種類の抽選が行われるものとなるので、遊技者の期待感を徐々に高めさせるものとすることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、RT抽選及びRT潜伏抽選は、ビッグボーナス中の「チェリー」の小役の入賞、リプレイ入賞の連続という遊技者にとって完全に視認可能な事象の発生か、純ハズレという不完全ではあるが遊技者にとって視認可能な事象の発生を契機として行われるものとしている。このため、RT抽選及びRT潜伏抽選が行われる場合が遊技者にとって分かり易くなり、特にそのような事象が発生することで遊技者の期待感を高めさせることができるようになる。
ところで、RT潜伏状態にあるときには、当選確率が1/32と高いRT高確抽選により容易にRT当選フラグが設定され、消化ゲーム数が25ゲームに達する度に確実にRT当選フラグが設定されるものとなるが、RT高確抽選及びRT当選フラグの設定のための消化ゲームのカウントは、左の停止ボタン12Lが1番目に操作されたことを条件として行われるようになっている。左の停止ボタン12Lを1番目に操作して遊技を行うと、中または右の停止ボタン12C、12Rを1番目に操作して遊技を行ったときよりもメダルの払出率が低くなるが、これによってRTの発生が困難になってしまう。このため、払出率の高くなる攻略法、ここでは中または右の停止ボタン12C、12Rを1番目に操作するという攻略法に従って遊技者により遊技が行われるのを防ぐことができるようになる。
さらに、遊技状態がRTにあること、RT当選フラグが設定されていること、及びRT潜伏状態にあることは、液晶表示器4に表示されて遊技者に報知されるため、遊技者は、現在の状況を容易に把握して、遊技を進行させることができるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、RT潜伏状態においては、当選確率が1/32のRT高確抽選に当選するか、消化ゲーム数(左の停止ボタン12Lが1番目に操作されなかったゲームを除く)が25ゲームに達するかで、RT当選フラグが設定されてRT入賞が可能になるものとしていた。RT潜伏状態の最低ゲーム数は50ゲームなので、左の停止ボタン12Lを1番目に操作してゲームを続ける限り、RT潜伏状態となったときに最低2回はRTに移行することが保証されるものとなっていた。
もっとも、消化ゲーム数によってRT潜伏状態からのRTの発生は保証され、必ずその発生を期待できるので、RT潜伏状態においてRT高確抽選を行わないものとしてもよい。また、RT高確抽選の当選確率の逆数32は、RT潜伏状態の最低ゲーム数50よりも小さいので、RT潜伏状態においてRT高確抽選のみを行うものとし、消化ゲーム数によるRT当選フラグの設定を行わないものとしてもよい。この場合でも、RT潜伏状態に制御されたときには、平均して1回以上のRTの発生を期待できるようになる。
このような消化ゲーム数のみによりRT当選フラグの設定を行うRT潜伏状態、或いはRT高確抽選のみによりRT当選フラグの設定を行うRT潜伏状態についての抽選を、RT抽選に併せて行うものとすることによって、純ハズレのときにRT抽選に当選しなくても、なおもRTの発生に関する遊技者の期待感を持続させることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2の表示結果によりリプレイ入賞が連続して発生した回数をリプレイ連続カウンタによりカウントし、カウントしたリプレイ入賞の連続発生回数が3回に達したときにRT抽選を、4回に達したときにRT潜伏抽選を行うものとしていた。しかしながら、リプレイ入賞ではなく、内部抽選においてリプレイ当選が連続して発生した回数をリプレイ連続カウンタによりカウントし、カウントしたリプレイ当選の連続発生回数が3回に達したときにRT抽選を、4回に達したときにRT潜伏抽選を行うものとしてもよい。この場合にも、リプレイ入賞の連続でRT抽選、RT潜伏抽選を行う場合と同様の効果を得ることができる。
また、リプレイ入賞(当選)の連続が1ゲームでも途切れたらリプレイ連続カウンタの値を初期化するのではなく、例えば何ゲームか続けてリプレイ入賞(当選)が発生しなかったときに初めてリプレイ連続カウンタの値を初期化するものとしてもよい。例えば、2ゲーム続けてリプレイ入賞が発生しなかったときにリプレイ連続カウンタの値を初期化するものとした場合には、リプレイ入賞−ハズレ−リプレイ入賞−リプレイ入賞の順に発生したときには、ここでもカウンタの値が3となっているので、RT抽選を行うようにしてもよい。
リプレイ入賞(当選)の連続発生回数が3回に達したときにRT潜伏抽選を、4回に達したときにRT抽選を行うものとしてもよい。リプレイ入賞(当選)の連続発生回数が3回に達したときにRT抽選とRT潜伏抽選の一方のみを、4回に達したときにRT抽選とRT潜伏抽選の両方を行うものとしてもよい。この場合には、リプレイ入賞(当選)の連続発生回数が3回になったときに一方の抽選のみでの期待感を、4回になったときに両方の抽選でより大きな期待感を遊技者に与えることができ、段階的に遊技者の期待感を高めさせて遊技の興趣を向上させることができる。
また、リプレイ以外の所定の役に連続して入賞(当選)した回数に応じて、RT抽選および/またはRT潜伏抽選とをそれぞれ行うものとしてもよい。ビッグボーナス時に「チェリー」の小役に入賞したときに、RT抽選ではなく、RT潜伏抽選を行うものとしてもよい。さらに各ゲームにおいてその他の種々の条件が成立したときに、成立した条件に応じてRT抽選および/またはRT潜伏抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態がRTにあること、RT当選フラグが設定されていること、或いはRT潜伏状態にあることが液晶表示器4により遊技者に報知されるものとなっていた。しかしながら、これらの一部または全部を遊技者に報知しないようにしてもよい。特にRT潜伏状態にあることを遊技者に報知しないものとすれば、遊技者は、純粋な通常の遊技状態にあるのかRT潜伏状態にあるのかを判断することができない。このような場合には、遊技者がRT潜伏状態にあることを前提として遊技を行う場合が多くなると考えられるので、通常の遊技状態にあるときでもメダルの払出率の高くなるような攻略法で遊技が行われることを防止することができるようになる。
上記の実施の形態では、RT抽選またはRT高確抽選に当選してRT当選フラグが設定されているときに、「青7」を3つ有効ライン上に揃えて停止させることでRT入賞するものとなっていた。「青7」のような図柄は、通常はリール3L、3C、3Rに配される数も少ないので、いわゆる目押しが十分に行えないとRT当選フラグが設定されていてもなかなかRT入賞させられないものとなる。これに対して、例えば「ベル−JAC−JAC」のような図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときにRT入賞として、RT当選フラグが設定されているときには取りこぼしが生じないようにしてもよい。賭け数を3として停止ボタン12L、12C、12Rを左から右に順押ししたときに限って、取りこぼしが生じないようにしてもよい。
上記の実施の形態では、RTの遊技状態は、RT入賞時に決められたRTゲーム数を消化するまで継続するものとしていた(但し、ボーナス時には一時中断)。しかしながら、RTにおいてボーナス入賞が発生したとき、或いはボーナス当選したときには、より遊技者にとって有利な遊技状態が新たに発生することとなるので、これによりRT中フラグを消去して、RTの遊技状態を終了させるものとしてもよい。
また、遊技状態がRTにあるときに入賞により払い出されたメダルの枚数と遊技者の設定した賭け数との差枚数をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント値が所定の値に達したときには、RT中フラグを消去して、RTを終了させるものとしてもよい。RTカウンタのカウントの開始は、RT入賞からではなく、RT当選フラグが設定されてからとすることができる。このようなカウンタのカウント値でRTを終了させるものとすることで、1回のRT当たりで遊技者が獲得できるメダルの数が多くなり過ぎることがなく、射倖性を抑えることができるようになる。
上記の実施の形態では、RT潜伏状態の毎ゲームで当選確率1/32のRT高確抽選を行うものとしていた。もっとも、RT潜伏状態で所定の条件が成立したときのみRT高確抽選を行うものとしてもよい。いずれにしても、RT高確抽選を行う条件の成立確率とRT高確抽選の当選確率との積が、RT潜伏状態の継続ゲーム数の逆数よりも高く、さらにRT抽選を行う条件の成立確率とRT抽選の当選確率との積よりも高くなっていればよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス及びレギュラーボーナス以外の遊技者に有利な有利状態として、RTを発生させるスロットマシンを例として説明したが、AT、AR、CTなどの他の種類の有利状態を発生させるスロットマシンであってもよい。ATについては、遊技制御基板101から演出制御基板102に当選フラグの設定状況を特定可能なコマンドを送信して、演出制御基板102のCPU121がATそのものの発生、及び上記したRT潜伏状態に対応したAT潜伏状態の発生を制御するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。