以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16,図17はコネクタホルダーの分解斜視図、図18はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図19は他の形態を示すストッパーの斜視図、図20,図21はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図22は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図23はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図24は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図25はスロットマシン上部の縦断面図、図26はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図27は図26の分解斜視図、図28はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図29は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図30は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図31は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図32は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図33は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図35は透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図、図36はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図37はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図38は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図41は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図43は図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図44は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図45は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図25想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図26〜図30に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図30参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図30参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図26,図27に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図31は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図30参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図26において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図26において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストをかけずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図33,図34に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図35に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図34では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図35に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図33,図34において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図33拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図34の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図33拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図33〜図35において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図35に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図34拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図35は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図35から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天板部305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天板部305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天板部305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天板部305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天板部305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天板部305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張っていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図22に示したように、天板部305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図22の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば演出制御基板510(図44参照)も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図20に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図21に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図18,図23に示した揺動レバー形態のストッパー117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図18実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図18想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図19に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図23に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図24に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図24に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図44参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図44に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図36は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図36の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図37の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図37(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図40及び図41に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図39のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図40において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図40において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が上記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図41,図42に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の底板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図44参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図32に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図32は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図44及び図45参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、 前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図17に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,演出制御基板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図25想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図25に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図46に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図47参照)。
また、図柄の種類は、図46に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄(以下「赤7図柄」という)、「青で塗りつぶされている「7」図柄(以下「青7図柄」という」)、「BAR図柄」、「チェリーの図柄が施された「チェリー図柄」」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「「義」と記載された図柄(以下では「義図柄」という)、「「正」と記載された図柄(以下では「正図柄」という)がある。
図46において、「赤7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号3番・6番の2つ、リール帯321bにおいては配列番号12番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号10番の1つが相当する。「青7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号16番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号3番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号15番の1つが相当する。「BAR図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号11番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号6・9番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号2番の1つが相当する。「チェリー図柄」」は、リール帯321aにおいては配列番号10番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号1番・14番・17番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号7番・14番の2つが相当する。「リプレイ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号1番・4番・7番・12番・17番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号0番・5番・8番・11番・16番・の5つ、リール帯321cにおいては配列番号1番・5番・8番・13番・17番の5つが相当する。「ベル図柄1」は、リール帯321aにおいては配列番号13番・15番・18番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号2番・7番・10番・15番・18番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号9番・12番・16番の3つが相当する。ベル図柄2」は、リール帯321aにおいては配列番号2番・5番・8番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号0番・4番の2つが相当する。「スイカ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号9番・14番・19番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号4番・13番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号3番・6番・11番・20番の4つが相当する。「義図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号19番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。「正図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号0番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。なお、図柄の種類は一例であって、これらの種類に限られるものではない。
[枠部材]
図47は、図柄表示窓401を含む枠部材501の部分を拡大したところを示している。図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「ベル1図柄」が表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「リプレイ図柄」が表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301cの「ベル1図柄」が表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(賭け数のこと、賭けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(賭けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(賭けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、賭けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並びが決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一して称する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄がいずれかの有効ライン上に並んでいなければ(すなわち所定の当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に並んでいなければ)、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このように、所定の当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に並んでいない場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様(すなわちハズレの図柄の組み合わせ)が表示されたと判断される。
次に、ベット数及び有効ラインについて具体的に説明する。本実施形態のスロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、通常ゲームでは、メダルを3枚投入するとゲームを実行することが可能となる。このとき、右上がりの直線型の並び及び右下がりの直線型の並びが有効ラインとなる。
なお、有効ラインは上記のような右上がりの直線型の並びや右下がりの直線型の並びに限られるものではない。さらに、本実施形態のスロットマシン1は3枚賭け専用機であるが、これに代えて、ベット数に応じて有効ライン数が変化するようにしてもよい。
本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、賭け数は3ベット(MAXベット)のみとし、有効ラインを図47の図柄表示窓401内で「BAR図柄−リプレイ図柄−義図柄」が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン623a)の2つのラインのみを有効ラインとしている。
図47の図柄表示窓401内に表示されている図柄の組み合わせは、有効ラインの一つである右下がりライン623aに表示されている「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」であり、この図柄の組み合わせは、リプレイ役(再遊技役)に対応する図柄の組み合わせであるから、次ゲームにおいて、メダルを投入することなく自動ベットされ、前回のゲームと同様のゲームを再び実行することが可能となる。なお、有効ライン上に「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されたとしても、遊技者は、いずれの役の図柄の組み合わせが表示されたのか、一見して把握し難い。しかし、有効ラインではない中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示されることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述する見掛ボーナスの当選を告知するボーナス告知ランプや、見掛ボーナスなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、見掛ボーナスをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを賭けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した1枚投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されると、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207bの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他に演出制御基板510を備えており、この演出制御基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。演出制御基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112tやリセットスイッチ112u、電源スイッチ112v等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112vは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112tはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112uはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112tとともに設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの賭け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている(図46参照)。そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(有効ライン上に表示された図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン(右上がりライン623b及び右下がりライン623a)のうち少なくともいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。このとき、右上がりライン623bと右下がりライン623aとで、別の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示された場合には、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が同時に表示されたと判断されて、それぞれの払出数を合算した数量のメダルの払い出しが行われる。すなわち、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内の有効ライン上に表示されるものとなる)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「チェリー図柄」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「義図柄」及び「正図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」及び「BAR図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が停止操作する際に、これらの図柄が図柄表示窓401内に停止されるように狙って停止操作することが容易となっている(すなわち目押しすることが容易である)。さらに「義図柄」及び「正図柄」についても、図46を見ても分かるように、「義図柄」と「正図柄」との2つの図柄で円状を形成するかたちで「正義」と読めるように互いに上下に隣接して配置されているとともに、各リール301a,301b,301cにおいて1つしか配置されていないので、目押しすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。以下に、図49に示された当たり値判定テーブルにおける各当選役に対応して許容される図柄の組み合わせ態様について説明する。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、これに対応する図柄の組み合わせについて、図49、図50及び図51〜53を用いて説明する。図49は、スロットマシン1の各入賞役についての当選確率を示す図であり、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。図50は、各当選役と、これら各当選役に対応して成立する条件装置を示す図であり、予めROM1112等に格納されているものである。図51〜53は、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図であり、これについても予めROM1112等に格納されているものである。
本実施形態のスロットマシン1では、通常状態、AT状態、見掛ボーナス準備中、および見掛ボーナス中といった遊技状態が用意されている。また、各当選役についての当選確率は、遊技状態によらずに決められている。そして、抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し、作動した条件装置に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。本実施形態のスロットマシン1では、一の条件装置とリール制御のパターンとが1対1で対応しているので、一の当選役に対して複数のリール制御パターンを用意したい場合には、一の当選役に対して複数の条件が成立する場合もある。こうすることで、一の当選役に対して、複数パターンの停止出目(有効ライン上に表示される図柄の組み合わせ)を用意することが可能となる。当選役の種類としては図49に示すように、「チャンス目2(強チャンス目)」「チャンス目1(弱チャンス目)」「スイカ」「チェリー3(中段チェリー)」「チェリー2(強チェリー)」「チェリー1(弱チェリー)」「ベル2」「ベル1」「AT1」〜「AT10」「通常リプ」「7揃いリプ」および「はずれ」が設けられている。
このうち、「チャンス目2」の当選割合は、図49に示すように、180/60000、「チャンス目1」の当選割合は、1000/60000、「スイカ」の当選割合は、610/60000とされている。また、「チェリー3」の当選割合は、6/60000、「チェリー2」の当選割合は、200/60000、「チェリー1」の当選割合は、803/60000とされている。さらに、「ベル2」の当選割合は、3000/60000、「ベル1」の当選割合は、3000/60000、「AT1」−「AT10」の当選割合は、それぞれ1400/60000(合計で14000/60000)とされている。そして、「7揃いリプレイ」の当選割合は、10000/60000、「通常リプレイ」の当選割合は、27200/60000、「ハズレ」の当選割合は、1/60000とされている。
ここで、有効ライン上に表示される図柄組み合わせについて、図49に示される「スイカ」、「AT1」〜「AT10」を例に挙げて説明する。「スイカ」は、スイカの単独当選役である。このとき、有効ライン上にはスイカに対応する図柄の組み合わせが表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、スイカに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば5枚のメダルが払い出される。
なお、抽選の結果、いずれかの役に当選したとしても、当該当選役に対応する図柄の組み合わせは、後述する引き込み制御を実行可能な範囲で図柄表示窓401内(すなわち有効ライン上)に停止されるように狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)が行われないと、有効ライン上に当選役に対応する図柄の組み合わせを表示させることができない。したがって、抽選の結果、いずれかの役に当選したにもかかわらず、この当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されなければ、後述するステップS6においてゲーム結果がハズレである旨が判定される。
「AT1」〜「AT10」は、いずれも、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合とで、賞として払い出されるメダル枚数が異なっている。
適正な押し順について具体的に説明すると、「AT1」及び「AT2」についての適正な押し順は、「左→中→右」(以下「順押し」と称する)である。この適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、作動している条件装置のうち小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。
そして、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出される。なお、小物17の図柄組み合わせを構成する図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるときには、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ず、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。また、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、賞として例えば2枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される。ただし、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
すなわち、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるときには、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ずベル1の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。
なお、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合における上記の「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT1」であるときと「AT2」であるときとでは異なっている。さらに具体的に言うと、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「不適正なタイミング」となり、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「不適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「適正なタイミング」となる。
また、「AT3」及び「AT4」についての適正な押し順は「左→右→中」(以下「はさみ押し」と称する)であり、「AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中→左→右」又は「中→右→左」(以下これらを「中押し」と称する)であり、「AT7」及び「AT8」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆押し」と称する)であり、「AT9」及び「AT10」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆はさみ押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。
ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されるとハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。ここで、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における「適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となり、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における「不適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となる。なお、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるときに、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作され、さらに不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されたことによって有効ライン上に表示されたハズレの図柄組み合わせは、この実施形態において「ベルこぼ目」と称する。
ここで、リプレイ役(再遊技役とも呼ばれる)、小役(ベル役(ベル1、ベル2)、チェリー役(チェリー3、チェリー2、チェリー1)、スイカ役、AT専用役、チャンス目役)、ハズレについて説明する。
[リプレイ役]
本実施形態のスロットマシン1においては、リプレイ役(再遊技役ともいう)として、通常リプレイと7揃いリプレイとが用意されている。このリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、リプレイの図柄組み合わせが揃ったと判定される。なお、上記のリプレイ役に対応する図柄の組み合わせは、図49を見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示されることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。
リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、リプレイの図柄組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを、再遊技として実行できる。なお、リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたとしても、賞としてのメダルは払い出されない。
このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームでは新たにメダルを消費する(新たにメダルを賭ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、通常状態において、おおよそ5〜6回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行に伴う過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、7揃いリプレイが表示されたときについても、通常リプレイが表示された場合と同様に、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する必要がないという特典が与えられる。7揃いリプレイは、図53に示す再遊技4に相当する図柄組み合わせであり、適正な押し順および適正なタイミングで停止ボタンが操作されたときに表示される。7揃いリプレイについての適正な押し順は、「逆押し」であり、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、再遊技2に相当する図柄組み合わせが表示される。さらに、適正な押し順であり、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、再遊技3または再遊技4の図柄組み合わせが表示される。
また、各リール301a,301b,301cにおいて、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄と、同じく通常リプレイに対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄との間に配置される他の図柄(通常リプレイに対応する図柄の組み合わせ態様を構成しない図柄)を1個から最大でも4個までにする)ことで、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせ態様を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。
なお、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを再遊技として実行できるだけである。これに対して、7揃いリプレイに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、見掛ボーナス中へ移行する契機として機能している。
[ベル役]
本実施形態のスロットマシン1には、ベル役として、上述したとおり、「ベル2」と「ベル1」の2種類が用意されている。このベル役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。ベル役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、ベル役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば9枚)が払い出される。なお、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、図49を見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段ラインに「ベル1図柄orベル2図柄−ベル1図柄−ベル1図柄orベル2図柄」の組み合せが表示されることで、遊技者は、ベル2に入賞したことを把握することが可能となる。なお、ベル1図柄とベル2図柄とは形態に若干違いがあるものの、ベルといった同じ観念を遊技者に生じさせる点で両図柄は共通する。ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、規定枚数(例えば9枚)のメダルの払い出しが行われる。
このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。このように、ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせは、ゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする。ただし、ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となる。なお、ベル1に対応する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせを構成する図柄は、目押しすることなく有効ライン上に表示することができるように、各リール上に配置されている。
[チェリー役]
本実施形態のスロットマシン1には、チェリー役として、上述したとおり、「チェリー3」、「チェリー2」、「チェリー1」の3種類が用意されている。このチェリー役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、チェリー役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、チェリー役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば2枚)が払い出される。
[スイカ役]
スイカ役(スイカ)に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。このスイカ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、スイカ役の図柄組み合わせが揃ったと判定される。スイカ役の図柄組み合わせが揃ったと判定された結果、賞としてのメダル(例えば5枚)が払い出される。
[AT専用役]
本実施形態のスロットマシン1には、AT専用役として、上述したとおり、「AT1」〜「AT10」の10種類が用意されている。これらAT専用役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。すなわち、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであって且つ適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される。その結果、賞として9枚のメダルが払い出される。ただし、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであったとしても、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合には、賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせが表示されるか、あるいはハズレの図柄組み合わせが表示されることとなる。賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせを構成する図柄は、目押しすることなく有効ライン上に表示することができるように、各リール上に配置されている。
[チャンス目役]
本実施形態のスロットマシン1には、チャンス目役として、上述したとおり、「チャンス目2」、「チャンス目1」の2種類が用意されている。このチャンス目役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、チャンス目役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、チェリー役の図柄組み合わせが揃ったと判定される。ただし、賞としてのメダルは払い出されない(払出は0枚である)。
[ハズレ]
図51〜53に示された図柄の組み合わせのいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの払出はなく(メダルの付与は行われず)、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない役であるともいえる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。これらの当選役に当選した場合には、後に説明する見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選が行われる。
なお、これらの図柄や図柄の組み合わせは上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。さらに、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[擬似役]
さらに、後述するように、擬似役表示制御が実行される場合、当選役に対応する図柄組み合わせが表示される場合と同様の図柄組み合わせが擬似役の図柄組み合わせとして表示される。擬似役の図柄組み合わせが表示された場合には、当選役に当選した場合と同様の見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選が行われる。ただし、当選役に対応する図柄組み合わせが表示された場合と同様のメダルの払出については行われない。また、擬似役が表示された場合の見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選と当選役に当選した場合の見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選とでは、その移行(当選)確率が異なっている。これらの見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選については、後にさらに説明する。
擬似役としては、各当選役に対応する擬似役がそれぞれ設けられている。これらの擬似役としては具体的に、チェリー役に対応する擬似役として擬似チェリー役、スイカ役に対応する擬似役とし擬似スイカ役、チャンス目役に対応する擬似役としてチャンス目役が設けられている。これらのうち、擬似チェリー役については、チェリー3,2,1にそれぞれ対応する擬似チェリー3,2,1が設けられており、チャンス目にそれぞれ対応する擬似チャンス目2,1が設けられている。
また、擬似役の図柄組み合わせは、有効ライン上に表示される。このように、擬似役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることで、擬似役が当選役であるかのような印象を遊技者に与えやすくすることができる。また、擬似役の図柄組み合わせは、有効ライン上のみではなく、有効ラインと想定しえる所定の想定有効ライン上に表示することもできる。スロットマシン1では、有効ラインは、図47に示す右上がりライン623bと右下がりライン623aの2ラインであるが、これに対して、想定有効ラインとしては、たとえば左、中、右リール301a,301b,301cの上段を通る上段平行ライン、左、中、右リール301a,301b,301cの中段を通る中段平行ライン、左、中、右リール301a,301b,301cの下段を通る下段平行ラインなどとすることができる。その他、左リール301aの上段、中リール301bの中段、右リール301cの上段を通るいわゆる小V型、左リール301aの下段、中リール301bの中段、右リール301cの下段を通るいわゆる小山型など、種々のラインを想定ラインとすることができる。
当選役に対応する図柄組み合わせは、メダルの払出を要する等の関係から有効ライン上に表示する必要があるが、一方の擬似役の図柄組み合わせはメダルの払出とは無関係に表示することができる。このため、有効ラインのみならず、想定有効ラインにも表示することができる。このため、擬似役の図柄組み合わせについては、表示の多様化を図ることができ、このような表示の多様化によって、たとえば付与する利益の大きさを変えるなどの設計を行うことができる。たとえば、擬似役の図柄組み合わせと想定有効ラインのいずれにも表示可能としておき、有効ライン上に表示された場合と想定有効ライン上に表示された場合とでは、有効ライン上に表示された方が、見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選の当選割合が高くなるようにすることができる。
さらに、表示の多様化を図ることができることから、所定の擬似役の図柄組み合わせが表示されるか否かの期待感を長く維持することができる。たとえば、擬似役の図柄組み合わせが有効ライン上にしか表示されない場合には、左リール301aが最初に停止された時点で左リール301aの上段または下段にスイカ図柄が表示されなければ擬似スイカの図柄組み合わせが表示される可能性がなくなるが、想定有効ライン上にも擬似役の図柄組み合わせが表示される場合には、左リール301aの中段にスイカ図柄が表示されたとしても、いまだ擬似スイカの図柄組み合わせが表示される可能性が維持されることとなる。
なお、擬似役を表示する際に、たとえば、画像表示体500に液晶表示などで擬似的に擬似リールを表示して、この擬似リールに擬似役を表示させることもできるが、スロットマシン1では、液晶表示装置等に設けられる擬似リール等を用いることなく、当選役内部抽選の結果を示すリール301a,301b,301cを用いている。
[擬似役の表示条件]
擬似役が表示される擬似役表示制御は、周期ゲーム数が0となったときに実行される。この周期ゲーム数について説明する。遊技状態が見掛ボーナス中から通常状態またはAT状態に移行すると、周期ゲーム数がセットされ、以後1ゲームを消化するごとに周期ゲーム数の減算が行われる。周期ゲーム数は、周期ゲーム数が0となった後に、改めて図54に示す周期ゲーム数テーブルを参照して決定される。周期ゲーム数が0となることによって擬似役表示制御が実行される。また、見掛ボーナス準備中に移行したときには周期ゲーム数の減算が中止され、見掛ボーナス中が終了した後に、改めて図54に示す周期ゲーム数テーブルを参照して決定される。
周期ゲーム数は、図54に示す周期ゲーム数テーブルを参照して決定される。図54に示すように、周期ゲーム数テーブルには、周期ゲーム数として1〜256のゲーム数が設定されている。このうち、周期ゲーム数としては、40/1000の割合で1ゲームが決定され、40/1000の割合で4ゲームが決定され、70/1000の割合で8ゲームが決定される。また、90/1000の割合で20ゲームが決定され、240/1000の割合で30ゲームが決定され、150/1000の割合で50ゲームが決定される。さらに、240/1000の割合で100ゲームが決定され、80/1000の割合で200ゲームが決定され、50/1000の割合で300ゲームが決定される。なお、周期ゲーム数の平均ゲーム数は、72.26ゲームである。
また、周期ゲーム数が0となったときに行われる擬似役表示制御では、図55に示す擬似役抽選テーブルを参照して、擬似役抽選を行って擬似役を決定し、決定した擬似役を表示する。擬似役抽選テーブルは、前回のゲームにおける当選役に応じて決定され、決定された擬似役抽選テーブルを用いて擬似役抽選が行われる。
前回ゲームにおける当選役がレア役以外であった場合は、図55(a)に示す擬似役抽選テーブルが用いられる。ここで、レア役とは、チェリー役(チェリー3、チェリー2、チェリー1)、スイカ、チャンス目役(チャンス目1、チャンス目2)を除いた各当選役であり、ベル役(ベル1、ベル2)、リプレイ(7揃いリプレイ、通常リプレイ)、AT専用役(AT1〜AT10)、ハズレが該当する。また、レア役に対応する擬似役を擬似レア役という。
前回ゲームにおける当選役がレア役以外であった場合に決定される擬似役としては、図55(a)に示すように、10/1000の割合で擬似チェリー3が決定され、110/1000の割合で擬似チェリー2が決定され、370/1000で擬似チェリー1が決定される。また、220/1000の割合で擬似スイカが決定され、90/1000の割合で擬似チャンス目2が決定され、200/1000の割合で擬似チャンス目1が決定される。なお、この例では、周期ゲーム数が0となったときに擬似役を表示するための擬似役表示制御を行うが、擬似役表示制御を行う契機を他の契機とすることもできる。たとえば、所定の当選役に基づく擬似役表示抽選に当選した場合に擬似役表示制御を行うこともできるし、これらの契機を併用することもできる。ここでの所定の当選役に基づく擬似役表示抽選では、たとえばレア役に当選した場合に擬似役表示抽選に当選する割合を高くすることができる。
また、前回ゲームにおける当選役がチェリー役であった場合に決定される擬似役としては、図55(b)に示すように、100/1000の割合で擬似チェリー3が決定され、310/1000の割合で擬似チェリー2が決定され、370/1000で擬似チェリー1が決定される。また、90/1000の割合で擬似スイカが決定され、30/1000の割合で擬似チャンス目2が決定され、100/1000の割合で擬似チャンス目1が決定される。このように、前回ゲームにおける当選役がチェリー役の場合には、前回ゲームにおける当選役がレア役以外の場合よりも擬似レア役の当選割合が高く、特に擬似チェリー役の当選割合が高くされている。
さらに、前回ゲームにおける当選役がスイカであった場合に決定される擬似役としては、図55(c)に示すように、10/1000の割合で擬似チェリー3が決定され、60/1000の割合で擬似チェリー2が決定され、270/1000で擬似チェリー1が決定される。また、520/1000の割合で擬似スイカが決定され、40/1000の割合で擬似チャンス目2が決定され、100/1000の割合で擬似チャンス目1が決定される。このように、前回ゲームにおける当選役がスイカの場合には、前回ゲームにおける当選役がレア役以外の場合よりも擬似レア役の当選割合が高く、特に擬似スイカの当選割合が高くされている。
そして、前回ゲームにおける当選役がチャンス目役であった場合に決定される擬似役としては、図55(d)に示すように、10/1000の割合で擬似チェリー3が決定され、60/1000の割合で擬似チェリー2が決定され、230/1000で擬似チェリー1が決定される。また、110/1000の割合で擬似スイカが決定され、190/1000の割合で擬似チャンス目2が決定され、400/1000の割合で擬似チャンス目1が決定される。このように、前回ゲームにおける当選役がチャンス目役の場合には、前回ゲームにおける当選役がレア役以外の場合よりも擬似レア役の当選割合が高く、特に擬似チャンス目役の当選割合が高くされている。
このように、スロットマシン1では、周囲ゲーム数が0となって擬似役表示制御が行われるゲームの前ゲームにおいてレア役に当選していると、擬似役表示制御において擬似レア役が表示される割合が高くなっている。特に、当選したレア役に対応する擬似レア役が表示される割合が高くなっている。このため、レア役に当選した場合には、続けて擬似役の表示が連続して行われることが多くなり、その結果、後述するAT移行抽選や見掛ボーナス移行抽選の実行機会を多くすることができ、興趣の向上を図ることができる。また、擬似役表示制御を行う契機をレア役の当選とした場合には、レア役の当選によって擬似役表示制御が実行される可能性が高まるとともに、この擬似役表示制御において擬似レア役が表示される割合が高くなる。このため、AT移行抽選や見掛ボーナス移行抽選に対する期待感をさらに高めることができる。
[遊技状態]
上記のように、スロットマシン1には、遊技状態として通常状態、AT中、見掛ボーナス準備中、見掛ボーナス中の各遊技状態が設定されている。ここで、メイン基板409においては、いずれの遊技状態中であっても共通の制御を実行する。一方、演出制御基板510では、遊技状態に応じた種々の制御を実行する。以下、これらの遊技状態について説明する。
[通常状態]
通常状態は、一定期間にわたってゲームを実行した場合、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる遊技状態である。すなわち、通常状態は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。通常状態からは、AT中または見掛ボーナス準備中のいずれかの遊技状態に移行することがある。
[AT中]
AT中は、一定期間にわたってゲームを実行した場合、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が少なくなる遊技状態である。すなわち、AT中は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していく遊技状態である。通常状態とAT中では、メイン基板409で実行される制御は共通するものの、演出制御基板510において実行される制御の相違から、ゲームの実行に伴ってメダルの枚数が増加するか減少するかの違いが生じる。
たとえば、条件装置AT1が成立した場合、図50に示すように、「小物1」「小物4」「小物6」「小物7」「小物9」「小物13」「小物14」「小物15」「小物17」の各条件装置が成立する。この各条件装置が成立するため、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、「小物17」に相当する枚数のメダルが払い出され、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合には、メダルの払出枚数が少なくなり、または払出がなくなる。
ここで、演出制御基板510は、通常状態では、AT1〜AT10のいずれかに当選したときに、適正な押し順が教示しないところ、AT中では、適正な押し順を教示する演出を行う。このため、通常状態では、遊技者は自らの勘に頼るなどしてリール停止ボタン211a〜211cの押し順を決定するので、「小物17」に相当する枚数のメダルが払い出されたり、払い出されなかったりする。この結果、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していくこととなる。
一方のAT中には、AT1〜AT10のいずれかに当選したときに、適正な押し順を画像表示体500に表示することなどにより、AT中には適正な押し順を教示する(以下「押し順ナビ」という)演出を行う。このため、AT中では、遊技者は、教示された押し順にしたがってリール停止ボタン211a〜211cを操作することで、「小物17」に相当する枚数のメダルの払出を受けることができる。この結果、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していくこととなる。通常状態では、このような押し順ナビは行われないか、ごく少ない回数しか行われないことから、ゲームの実行に伴ってメダルの枚数が減少することとなる。AT中からは、通常状態または見掛ボーナス準備中のいずれかの遊技状態に移行することがある。
さらに、AT中は、見掛ボーナス移行抽選に当選して見掛ボーナス準備中に移行する場合にいったん終了する。あるいは、AT中に移行する際に決定されるATゲーム数を消化することによって終了して通常状態に移行する。ここでのATゲーム数は、AT中に行われる上乗せ抽選によって上乗せ(増加)することがある態様とすることもできる。
[見掛ボーナス準備中]
見掛ボーナス準備中は、通常状態またはAT中から見掛ボーナス状態に移行する前の遊技状態である。見掛ボーナス準備中は、AT中と同様、AT1〜AT10のいずれかに当選したときに、押し順ナビ演出を行う。このため、見掛ボーナス準備中は、AT中と同様、遊技者は、教示された押し順にしたがってリール停止ボタン211a〜211cを操作することで、「小物17」に相当する枚数のメダルの払出を受けることができる。この結果、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していくこととなる。
さらに、見掛ボーナス準備中に7揃いリプレイに当選すると、演出制御基板510は、適正な押し順および適正なタイミングでのリール停止ボタン211a〜211cの操作を教示すべく「右から7を狙え!」といった表示を画像表示体500に行わせる。そして、画像表示体500への表示にしたがってリール停止ボタン211a〜211cが操作され、再遊技4に相当する図柄組み合わせが表示されると、遊技状態を見掛ボーナス準備中から見掛ボーナス中へと移行させる。また、この表示にしたがうことなくリール停止ボタン211a〜211cが操作され、再遊技2〜4のいずれかに相当する図柄組み合わせが表示された場合にも、同様に遊技状態を見掛ボーナス準備中から見掛ボーナス中へと移行させる。
[見掛ボーナス中]
見掛ボーナス中は、AT中と同様、AT1〜AT10のいずれかに当選した場合、押し順ナビ演出を行う。このため、見掛ボーナス準備中は、AT中と同様、遊技者は、教示された押し順にしたがってリール停止ボタン211a〜211cを操作することで、「小物17」に相当する枚数のメダルの払出を受けることができる。この結果、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していくこととなる。
見掛ボーナス中は、予め定められた所定の見掛ボーナスゲーム数を消化することによって終了する。見掛ボーナスゲーム数は、AT中のATゲーム数とは異なり、一定のゲーム数であり、上乗せはないようにすることができる。また、見掛ボーナス中を消化した後は、AT移行条件を満たしているときにはAT中に移行し、AT移行条件を満たしていないときには通常状態に移行する。
[見掛ボーナス移行抽選]
通常状態およびAT中には、見掛ボーナス移行抽選を行い、見掛ボーナス移行抽選に当選したときに見掛ボーナス準備中を経て見掛ボーナス中へ移行する。見掛ボーナス移行抽選は、図56〜図59に示す見掛ボーナス抽選テーブルを参照して行われる。見掛ボーナス抽選は、後に説明する当選役内部抽選が行われたときおよび擬似役が表示されたとき、さらにはこれらが連続して実行されたときに行われる。図56は、通常状態における見掛ボーナス抽選テーブルを示す図、図57は、通常状態の際、当選役内部抽選による所定の当選役の当選および擬似役の表示が連続して行われたときの見掛ボーナス抽選テーブルを示す図である。また、図58は、AT中の見掛ボーナス抽選テーブルを示す図、図59は、AT中に、当選役内部抽選による所定の当選役の当選および擬似役の表示が連続して行われたときの見掛ボーナス抽選テーブルを示す図である。
図56に示すように、通常状態では、内部抽選においてチェリー3に当選した場合、1000/1000、チェリー2に当選したときには100/1000、チェリー1に当選したときには5/1000でそれぞれ見掛ボーナス移行抽選に当選する。また、スイカに当選したときには10/1000、チャンス目2に当選したときには120/1000、チャンス目1に当選したときには8/1000の割合でそれぞれ見掛ボーナス移行抽選に当選する。なお、ベル1、ベル2、AT1〜AT10、7揃いリプレイ、通常リプレイ、およびハズレに当選した場合には、見掛ボーナス移行抽選の当選確率は0であり、見掛ボーナス移行抽選に当選することはない。
さらに、通常状態においては、擬似役として擬似チェリー3が表示された場合には600/1000、擬似チェリー2が表示された場合には40/1000、擬似チェリー1が表示された場合には2/1000でそれぞれ見掛ボーナス移行抽選に当選する。また、擬似スイカが表示されたときには4/1000、擬似チャンス目2が表示されたときには40/1000、擬似チャンス目1が表示されたときには3/1000の割合でそれぞれ見掛ボーナス移行抽選に当選する。
また、図57に示すように、通常状態においては、当選役内部抽選による所定役の当選および擬似役の表示が連続して行われたときに、見掛ボーナス移行抽選に当選することがある。たとえば、チェリー役に3回連続して当選した場合には、900/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役に2回連続して当選した場合には、200/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。また、チェリー役に続いてスイカに当選した場合には、300/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役に続いてチャンス目役に当選した場合には、250/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。これらの場合において、各当選役に当選した順番が逆転した場合でも同様の割合で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の当選役が連続して当選した場合も同様である。
さらに、当選役が連続して当選したか否かを判断するにあたっては、ハズレおよびベルこぼ目が表示された場合を除いて当選役が連続して当選したか否かの判断を行っている。したがって、たとえば「チェリー1」→「ベルこぼ目」→「チェリー」→「ベルこぼ目」→「ベルこぼ目」→「チェリー」と続いて当選した場合には、「チェリー」が3回連続して当選したと判断される。
なお、「AT1」から「AT10」のいずれかに当選したときに、適正な押し順で停止ボタン211a,211b,211cが操作された場合には、ベル1に対応する図柄組み合わせが表示され、不適正な押し順で停止ボタン211a,211b,211cが操作された場合には、賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせまたはベルこぼ目が表示される。そこで、「AT1」から「AT10」のいずれかに当選した場合には、適正な押し順で停止ボタン211a,211b,211cが操作されてベル1に対応する図柄組み合わせが表示された場合にのみ、所定役に当選したものとみなして所定役等が連続して表示されたか否かを判断して見掛ボーナスの抽選を行う。
さらに、スイカに続いてチャンス目役に当選した場合、500/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チャンス目役に2回連続して当選した場合、450/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ここで「チェリー役」には「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の全てが含まれ、「チャンス目役」には、「チャンス目2」「チャンス目1」のいずれもが含まれる。この例では、「チェリー役」に当選した場合には、チェリー役が「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」のいずれであっても同様の割合で見掛ボーナス移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできる。特に、チェリー役に当選したとしても、「チェリー1よりもチェリー2、チェリー2よりもチェリー3に当選した方が、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合を高くすることができる。「チャンス目役」における「チャンス目2」「チャンス目1」についても、「チェリー役」と同様の関係とすることができる。
また、擬似チェリー役が3回連続して表示された場合、500/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、擬似チェリー役が2回連続して表示された場合、100/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。さらに、擬似チェリー役に続いて擬似スイカが表示された場合には、150/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、擬似チェリー役に続いて擬似チャンス目役が表示された場合には、125/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。これらの場合において、各擬似役が表示された順番が逆転した場合でも同様の割合で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の擬似役が連続して表示された場合も同様である。
さらに、擬似スイカに続いて擬似チャンス目役が表示された場合、275/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、擬似チャンス目役が2回連続して表示された場合、250/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ここで「擬似チェリー役」には「擬似チェリー3」「擬似チェリー2」「擬似チェリー1」の全てが含まれ、「擬似チャンス目役」には、「擬似チャンス目2」「擬似チャンス目1」のいずれもが含まれる。この例では、「擬似チェリー役」が表示された場合には、擬似チェリー役が「擬似チェリー3」「擬似チェリー2」「擬似チェリー1」のいずれであっても同様の割合で見掛ボーナス移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできる。特に、チェリー役が表示されたとしても、擬似チェリー1よりも擬似チェリー2、擬似チェリー2よりも擬似チェリー3が表示された方が、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合を高くすることができる。「チャンス目役」における「チャンス目2」「チャンス目1」についても、「チェリー役」と同様の関係とすることができる。
また、チェリー役の当選と擬似チェリー役の表示が3回連続して行われた場合、750/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役の当選と擬似チェリー役の表示が2回連続して行われた場合には、150/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。また、チェリー役の当選に続いて擬似スイカが表示され、またはスイカの当選に続いて擬似チェリー役が表示された場合、220/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役の当選に続いて擬似チャンス目役が表示され、または擬似チャンス目の当選に続いて擬似チェリー役が表示された場合、175/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。これらの場合において、当選役の当選と擬似役の表示が逆転した場合でも同様の割合で見掛ボーナス移行抽選に当選しているが、当選役の当選と擬似役の表示が変更された場合に、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合を変更することもできる。なお、の関係は、以下の当選役の当選および擬似役の表示が連続した場合も同様である。
さらに、スイカの当選に続いて擬似チャンス目が表示され、またはチャンス目の当選に続いて擬似スイカが表示された場合、350/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チャンス目役の当選と擬似チャンス目役の表示が2回連続して行われた場合、300/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。
このように、擬似レア役の表示による見掛ボーナス移行抽選の当選割合の方が、レア役の当選による見掛ボーナス移行抽選の当選割合よりも低くされている。たとえば、図56および図57に示すように、擬似チェリー役などの擬似レア役の表示による利益とチェリー役等のレア役の当選による利益とを比較すると、概して擬似レア役の表示の方が、レア役の当選による見掛ボーナス移行抽選の当選に寄与する割合が低くなっており、擬似レア役の表示による利益、レア役の当選による利益はよりも小さくなっている。このため、見掛ボーナス移行抽選の契機として、レア役の当選のほかに擬似レア役の表示を加えることで、見掛ボーナス移行抽選に当選する期待感を遊技者に与えることができる。その傍ら、擬似レア役の表示による見掛ボーナス移行抽選の当選割合は低く抑えラテいるので、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合が大きくなりすぎないようにすることもでき、遊技場にかかる負担が大きくなりすぎないようにすることができる。
なお、たとえばチェリー役に3回連続して当選した場合には、それぞれの当選のたび毎に図56に示す割合で見掛ボーナス移行抽選が行われ、チェリー役に2回連続して当選した段階および3回連続して当選した段階でそれぞれ図57に示す見掛ボーナス移行抽選が順次行われる。この中で、最初に行われた見掛ボーナス移行抽選に当選した場合には、この中でのその後の見掛ボーナス移行抽選は実行されない。ただし、実行されない見掛ボーナス移行抽選に代えた他の抽選、たとえば見掛ボーナス中が終了した後にAT中に移行するための抽選を行ったり、見掛ボーナス中が終了した後にAT中に移行した際のそのAT中のATゲーム数を上乗せする抽選を行ったりすることができる。また、以下の図58および図59における見掛ボーナス移行抽選でも同様である。
また、図58に示すように、AT中においては、当選役内部抽選においてチェリー3に当選したときには1000/1000、チェリー2に当選したときには25/1000、チェリー1に当選したときには100/1000でそれぞれ見掛ボーナスに当選する。また、スイカに当選したときには150/1000、チャンス目2に当選したときには500/1000、チャンス目1に当選したときには80/1000でそれぞれ見掛ボーナスに当選する。なお、ベル1、ベル2、AT1〜AT10、7揃いリプレイ、通常リプレイ、およびハズレに当選した場合には、見掛ボーナス移行抽選の当選確率は0であり、見掛ボーナス移行抽選に当選することはない。
さらに、AT中では、擬似役として擬似チェリー3が表示されたときには800/1000、擬似チェリー2が表示されたときには150/1000、擬似チェリー1が表示されたときには50/1000でそれぞれ見掛ボーナスに当選する。また、擬似スイカが表示されたときには80/1000、擬似チャンス目2が表示されたときには300/1000、擬似チャンス目1が表示されたときには40/1000でそれぞれ見掛ボーナスに当選する。
また、図59に示すように、AT中では、当選役内部抽選による所定役の当選および擬似役の表示が連続して行われたときに、見掛ボーナス移行抽選に当選することがある。たとえば、チェリー役に3回連続して当選した場合には、700/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役に2回連続して当選した場合、150/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。さらに、チェリー役に続いてスイカに当選した場合、270/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役に続いてチャンス目役に当選した場合には、200/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。これらの場合において、各当選役に当選した順番が逆転した場合でも同様の割合で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の当選役が連続して当選した場合も同様である。
さらに、スイカに続いてチャンス目役に当選した場合、400/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チャンス目役に2回連続して当選した場合には、80/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ここで「チェリー役」には「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の全てが含まれ、「チャンス目役」には、「チャンス目2」「チャンス目1」のいずれもが含まれるのは、上記の通常状態の場合と同様である。また、この例では、「チェリー役」「チャンス目役」に当選した場合には、チェリー役、チャンス目役がいずれの当選役であっても同様の割合で見掛ボーナス移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできるのも上記の通常状態の場合と同様である。
また、擬似チェリー役が3回連続して表示された場合、480/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、擬似チェリー役が2回連続して表示された場合、80/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。さらに、擬似チェリー役に続いて擬似スイカが表示された場合、140/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、擬似チェリー役に続いて擬似チャンス目役が表示された場合には、100/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。これらの場合において、各擬似役が表示された順番が逆転した場合でも同様の割合で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の擬似役が連続して表示された場合も同様である。
さらに、擬似スイカに続いて擬似チャンス目役が表示された場合、250/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、擬似チャンス目役が2回連続して表示された場合、200/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。ここで「擬似チェリー役」には「擬似チェリー3」「擬似チェリー2」「擬似チェリー1」の全てが含まれ、「擬似チャンス目役」には、「擬似チャンス目2」「擬似チャンス目1」のいずれもが含まれるのは、上記の通常状態の場合と同様である。また、この例では、「擬似チェリー役」「擬似チャンス目役」が表示された場合には、チェリー役、擬似チャンス目役がいずれの擬似役であっても同様の割合で見掛ボーナス移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできるのも、上記の通常状態の場合と同様である。
また、チェリー役の当選と擬似チェリー役の表示が3回連続して行われた場合、680/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役の当選と擬似チェリー役の表示が2回連続して行われた場合、100/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。また、チェリー役の当選に続いて擬似スイカが表示され、またはスイカの当選に続いて擬似チェリー役が表示された場合、190/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チェリー役の当選に続いて擬似チャンス目役が表示され、または擬似チャンス目の当選に続いて擬似チェリー役が表示された場合、150/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。これらの場合において、当選役の当選と擬似役の表示が逆転した場合でも同様の割合で見掛ボーナス移行抽選に当選しているが、当選役の当選と擬似役の表示が変更された場合に、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合を変更することもできる。この関係は、以下の当選役の当選および擬似役の表示が連続した場合も同様である。
さらに、スイカの当選に続いて擬似チャンス目が表示され、またはチャンス目の当選に続いて擬似スイカが表示された場合、280/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選し、チャンス目役の当選と擬似チャンス目役の表示が2回連続して行われた場合には、300/1000で見掛ボーナス移行抽選に当選する。
また、図58および図59に示すように、チェリー役等の当選役の当選による利益と擬似チェリー役などの擬似役の表示による利益とを比較すると、概して当選役の当選の方が、擬似役の表示による見掛ボーナス移行抽選の当選に寄与する割合が、高くなっている。このように、通常状態の場合と同様、AT中においても、当選役の当選による利益は、擬似役の表示による利益よりも大きくなっている。このため、見掛ボーナス移行抽選に当選する期待感を遊技者に与えることができる傍ら、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合が大きくなりすぎないようにすることもでき、遊技場にかかる負担が大きくなりすぎないようにすることができる
[AT移行抽選]
通常状態から移行した見掛ボーナス中および通常状態では、AT移行抽選を行っている。ここで、AT移行抽選に当選したときにはAT中へ移行する。通常状態からAT中に移行する場合、所定の前兆ゲーム数を経た後にAT中へと移行する。また、通常状態から移行した見掛ボーナス中からAT中に移行する場合には、見掛ボーナスが終了した後、そのままAT中に移行する。
AT移行抽選は、図60〜図63に示すAT抽選テーブルを参照することによって行われる。また、AT移行抽選は、通常状態では、当選役内部抽選が行われたときおよび擬似役が表示されたときに行われ、見掛ボーナス中では、擬似役が表示されることがないので、当選役内部抽選が行われたときに行われる。図60は、通常状態におけるAT抽選テーブルを示す図、図61は、通常状態の際、当選役内部抽選による所定の当選役の当選および擬似役の表示が連続して行われたときのAT抽選テーブルを示す図である。また、図62は、見掛ボーナス中におけるAT抽選テーブルを示す図、図63は、見掛ボーナス中に、当選役内部抽選による所定の当選役に連続して当選したときのAT抽選テーブルを示す図である。
図60に示すように、通常状態の際、当選役内部抽選においてチェリー3に当選したときには100/1000、チェリー2に当選したときには300/1000、チェリー1に当選したときには2/1000でそれぞれAT移行抽選に当選する。また、スイカに当選したときには50/1000、チャンス目2に当選したときには500/1000、チャンス目1に当選したときには30/1000でそれぞれAT移行抽選に当選する。なお、ベル1、ベル2、AT1〜AT10、7揃いリプレイ、通常リプレイ、およびハズレに当選した場合には、AT移行抽選の当選確率は0であり、AT移行抽選に当選することはない。
さらに、通常状態の際、擬似役として擬似チェリー3が表示されたときには700/1000、擬似チェリー2が表示されたときには150/1000、擬似チェリー1が表示されたときには1/1000でそれぞれAT移行抽選に当選する。また、擬似スイカが表示されたときには20/1000、擬似チャンス目2が表示されたときには200/1000、擬似チャンス目1が表示されたときには10/1000でそれぞれAT移行抽選に当選する。
また、図61に示すように、通常状態において、当選役内部抽選による所定役の当選および擬似役の表示が連続して行われたときに、AT移行抽選に当選することがある。たとえば、チェリー役に3回連続して当選した場合、750/1000でAT移行抽選に当選し、チェリー役に2回連続して当選した場合、150/1000でAT移行抽選に当選する。また、チェリー役に続いてスイカに当選した場合、240/1000でAT移行抽選に当選し、チェリー役に続いてチャンス目役に当選した場合、200/1000でAT移行抽選に当選する。これらの場合において、各当選役に当選した順番が逆転した場合でも同様の割合でAT移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の当選役が連続して当選した場合も同様である。
さらに、スイカに続いてチャンス目役に当選した場合、350/1000でAT移行抽選に当選し、チャンス目役に2回連続して当選した場合、400/1000でAT移行抽選に当選する。ここで「チェリー役」には「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の全てが含まれ、「チャンス目役」には、「チャンス目2」「チャンス目1」のいずれもが含まれるのは、上記の見掛ボーナス移行抽選の場合と同様である。また、この例では、「チェリー役」「チャンス目役」に当選した場合には、チェリー役、チャンス目役がいずれの当選役であっても同様の割合でAT移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできることについても上記の見掛ボーナス移行抽選の場合と同様である。
また、擬似チェリー役が3回連続して表示された場合、350/1000でAT移行抽選に当選し、擬似チェリー役が2回連続して表示された場合、50/1000でAT移行抽選に当選する。さらに、擬似チェリー役に続いて擬似スイカが表示された場合、70/1000でAT移行抽選に当選し、擬似チェリー役に続いて擬似チャンス目役が表示された場合、80/1000でAT移行抽選に当選する。これらの場合において、各擬似役が表示された順番が逆転した場合でも同様の割合でAT移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の擬似役が連続して表示された場合も同様である。
さらに、擬似スイカに続いて擬似チャンス目役が表示された場合、200/1000でAT移行抽選に当選し、擬似チャンス目役が2回連続して表示された場合、180/1000でAT移行抽選に当選する。ここで「擬似チェリー役」には「擬似チェリー3」「擬似チェリー2」「擬似チェリー1」の全てが含まれ、「擬似チャンス目役」には、「擬似チャンス目2」「擬似チャンス目1」のいずれもが含まれるのは上記の見掛ボーナス移行抽選の場合と同様である。また、この例では、「擬似チェリー役」「擬似チャンス目役」が表示された場合には、チェリー役、擬似チャンス目役がいずれの擬似役であっても同様の割合でAT移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできるのも、上記の見掛ボーナス移行抽選の場合と同様である。
また、チェリー役の当選と擬似チェリー役の表示が3回連続して行われた場合、550/1000でAT移行抽選に当選し、チェリー役の当選と擬似チェリー役の表示が2回連続して行われた場合、100/1000でAT移行抽選に当選する。また、チェリー役の当選に続いて擬似スイカが表示され、またはスイカの当選に続いて擬似チェリー役が表示された場合、200/1000でAT移行抽選に当選し、チェリー役の当選に続いて擬似チャンス目役が表示され、または擬似チャンス目の当選に続いて擬似チェリー役が表示された場合、150/1000でAT移行抽選に当選する。これらの場合において、当選役の当選と擬似役の表示が逆転した場合でも同様の割合でAT移行抽選に当選しているが、当選役の当選と擬似役の表示が変更された場合に、見掛ボーナス移行抽選に当選する割合を変更することもできる。この関係は、以下の当選役の当選および擬似役の表示が連続した場合も同様である。
さらに、スイカの当選に続いて擬似チャンス目が表示され、またはチャンス目の当選に続いて擬似スイカが表示された場合、300/1000でAT移行抽選に当選し、チャンス目役の当選と擬似チャンス目役の表示が2回連続して行われた場合、250/1000でAT移行抽選に当選する。
このように、レア役の方が擬似レア役よりAT移行抽選の当選割合を高くしている。ここで、図60および図61に示すように、チェリー役等のレア役の当選による利益と擬似チェリー役などの擬似レア役の表示による利益とを比較すると、概してレア役の当選の方が、擬似レア役の表示によるAT移行抽選の当選に寄与する割合が高くなっており、レア役の当選による利益は、擬似レア役の表示による利益よりも大きくなっている。このため、擬似レア役を表示することで、AT移行抽選に当選する期待感を遊技者に与えることができる傍ら、AT移行抽選に当選する割合が大きくなりすぎないようにすることもでき、遊技場にかかる負担が大きくなりすぎないようにすることができる。
なお、たとえばチェリー役に3回連続して当選した場合には、それぞれの当選のたびに図60に示す割合でAT移行抽選が行われる。さらに、チェリー役に2回連続して当選した段階および3回連続して当選した段階でそれぞれ図61に示す割合でAT移行抽選が順次行われる。この中で、最初に行われたAT移行抽選に当選した場合には、この中でのその後のAT移行抽選は実行されない。ただし、実行されないAT移行抽選に代えた他の抽選、たとえばAT中に移行した後の見掛ボーナス移行抽選を行ったり、AT中の継続ゲーム数を上乗せする抽選を行ったりすることができる。また、以下の図62および図63におけるAT移行抽選でも同様である。
また、図62に示すように、見掛ボーナス中においては、当選役内部抽選においてチェリー3に当選したときには100/1000、チェリー2に当選したときには600/1000、チェリー1に当選したときには100/1000でそれぞれAT移行抽選に当選する。また、スイカに当選したときには300/1000、チャンス目2に当選したときには700/1000、チャンス目1に当選したときには200/1000でそれぞれAT移行抽選に当選する。さらに、7揃いリプレイに当選したときには100/1000でAT移行抽選に当選する。なお、ベル1、ベル2、AT1〜AT10、通常リプレイ、およびハズレに当選した場合には、AT移行抽選の当選確率は0であり、AT移行抽選に当選することはない。また、7揃いリプレイでAT移行抽選に当選した場合には、7揃いリプレイの適正な押し順が教示される。
さらに、図63に示すように、見掛ボーナス中においては、当選役内部抽選による所定役の当選が連続して行われたときに、AT移行抽選に当選することがある。たとえば、チェリー役に3回連続して当選した場合、600/1000でAT移行抽選に当選し、チェリー役に2回連続して当選した場合、120/1000でAT移行抽選に当選する。また、チェリー役に続いてスイカに当選した場合、230/1000でAT移行抽選に当選し、チェリー役に続いてチャンス目役に当選した場合、180/1000でAT移行抽選に当選する。これらの場合において、各当選役に当選した順番が逆転した場合でも同様の割合でAT移行抽選に当選する。ただし、これらの割合を当選した順番で変更することもできる。この関係は、以下の複数の当選役が連続して当選した場合も同様である。
さらに、スイカに続いてチャンス目役に当選した場合、350/1000でAT移行抽選に当選し、チャンス目役に2回連続して当選した場合、300/1000でAT移行抽選に当選する。ここで「チェリー役」には「チェリー3」「チェリー2」「チェリー1」の全てが含まれ、「チャンス目役」には、「チャンス目2」「チャンス目1」のいずれもが含まれるのは、上記の見掛ボーナス移行抽選の場合と同様である。また、この例では、「チェリー役」「チャンス目役」に当選した場合には、チェリー役、チャンス目役がいずれの当選役であっても同様の割合でAT移行抽選を行っているが、これらの割合を変更した抽選を行うこともできることについても上記の見掛ボーナス移行抽選の場合と同様である。
なお、このスロットマシン1においては、見掛ボーナス準備中および見掛ボーナス中に擬似役が表示されることはないが、見掛ボーナス準備中および見掛ボーナス中に擬似役が表示される態様とすることもできる。この場合、上記の見掛ボーナス準備中および見掛ボーナス抽選と同様、内部抽選当選役の当選と擬似役の表示が連続して行われた場合に、AT移行抽選を行うようにすることもできる。このときには、チェリー役等の当選役の当選による利益と擬似チェリー役などの擬似役の表示による利益とを比較した場合に、概して当選役の当選の方が、擬似役の表示によるAT移行抽選の当選に寄与する割合が、高くなるようにすることができる。
また、スロットマシン1においては、図55〜図63に示すテーブルを参照して見掛ボーナス移行抽選およびAT移行抽選を行っているが、たとえば高確率状態および低確率状態等を設けて、これらの遊技状態によって異なるテーブルを参照、見掛ボーナス移行抽選およびAT移行抽選の当選割合に高低差を設ける態様などとすることもできる。この場合、所定の移行条件によって高確率状態と低確率状態とが遷移するようにできる。高確率状態と低確率状態とを設けることで、遊技が単調となることを抑制できる。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図64は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。図6に示すように、まずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数によって、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(または1枚投入ボタン205)の押下操作により賭け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの賭け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、本実施形態のスロットマシン1は、3枚のメダルを投入することによってゲームの実行が可能となる3枚賭け専用機である。したがって、1枚投入ボタン205を備えていなくてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によってゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を当選役内部抽選の結果とするか否かを決定するための当選役内部抽選処理を実行する。この当選役内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止することが許容されるのである。
続くステップS4では、ステップS3において当選役内部抽選処理が実行された際に、遊技状態に応じて作動する各種カウンタの処理を行う。たとえば、AT中にはATゲーム数カウンタが作動している。また、見掛ボーナス中には、見掛ボーナスゲーム数カウンタが作動している。これらのカウンタ処理では、各種カウンタの処理を行っている。
次のステップS5では、ステップS3における当選役内部抽選処理の終了に伴い擬似役表示制御処理を実行する。この擬似役表示制御処理では、擬似役表示制御を行うか否かを判断し、擬似役表示制御を行う際には、当選役内部抽選処理が終了した後に、フリーズ制御を行い、フリーズ制御中に擬似役の表示を行う処理を実行する。
続くステップS6では、遊技状態(通常状態、AT中、見掛ボーナス準備中、見掛ボーナス中)の変更などの遊技状態判定処理を行う。遊技状態判定処理では、当選役内部抽選処理の結果や擬似役表示制御処理の結果に基づく遊技状態の移行抽選などに応じて遊技状態の変更を行う。
次のステップS7では、ステップS6における遊技状態判定処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されているランプである。
ステップS8では、ステップS7におけるリール回転処理の終了に伴い、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS9では、ステップS8において全ての右上がりライン623bと、「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(右下がりライン623a)の2つのラインのみを有効ラインとしてリール301a,301b,301cが停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された当選役内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS10では、ステップS9において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。さらには、メダルの払出処理のほかに、再遊技の各種遊技特典の付与などを実行する。
スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順は以上である。ここで、ステップS2(BET処理)、およびステップS3(当選役内部抽選処理)は、遊技者により行われる一連の外部操作に応じて実行されるものである。従って、これらの処理(ステップS2およびステップS3)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図65は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、最初にステップS11にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS11の判定が満たされ、ステップS12に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS12では、受付処理を行う。受付処理では、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。本実施形態のスロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、3枚のメダルが投入されると、右上がりライン623bと、右下がりライン623aの2つのラインが有効ラインとなり、これを示す有効ラインランプを点灯させる。
続くステップS13では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS14に移る。
次のステップS14では、始動レバー210の操作が有効化されているか、さらにはその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS13にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS15へ移る。
また、上記のステップS11にて遊技者がベット操作またはメダル投入をせず、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS11の判定が満たされず、ステップS14に移る。このときはステップS14の判定も満たされず、ステップS11に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS11の判定が満たされることになる。
続くステップS15では、ステップS14での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS16では、始動レバー210の操作があると、リール301a,301b,301cの回転を開始させるとともに、始動レバー210の操作に基づいて当選役に関する乱数(以下「当選役乱数」という)の抽出を行う。当選役乱数の抽出を行った後、次のステップS17に移る。なお、このときの当選役乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行ってもよく、あるいは始動レバー210の操作後所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなどしてもよく、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS17では、抽出された当選役乱数の乱数値(以下、「抽出当選役乱数値」という)からいずれの当選役に該当するかの当たり判定(乱数値の照合)を行う。この当たり判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出当選役乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出当選役乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出当選役乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に対応する条件装置をON(=1)にする(図50を参照)。なお、抽出された乱数値と当たり判定テーブルとを照合して行われる当たり判定における各当選役についての当選確率は、図49に示されるとおりである)。
一方、ステップS17において、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、いずれの条件装置も作動させない(図50を参照)。ここで、いずれかの条件装置がONになっているとき(成立しているとき)には、その成立している条件装置に対応する図柄組み合わせを揃えることが可能となる。各条件装置に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりである。従って、いずれの条件装置も成立していないハズレである場合は、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせも、有効ライン上に揃えることができないことになる。上記のステップS16及びステップS17はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行ってものであり、以下ではこれらのステップのことを、まとめて当選役内部抽選、あるいは当選役内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは当選役内部抽選(前述の図64のステップS3)に相当する。この乱数抽出処理によって始動処理を終了する。
[当選役内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、当選役内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容されている。ここで該当当選役が許容されると、該当当選役に対応する条件装置を作動させて、この作動した条件装置の情報は、当選役内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、当選役乱数の抽出を行う際の当選役乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めている。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を、便宜上、0から59999までとしているが、これに限られないことはいうまでもない。この乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられた当たり値判定テーブルを備えている。例えば、抽出範囲(本実施形態のスロットマシン1では0から59999)内における乱数値のうち、スイカに対応する乱数値は、図49に示すように「1181」から「1790」であるので、抽出乱数値が「1181」から「1790」のいずれか、たとえば「1500」となった場合に、当選役内部抽選の結果は「スイカに当選した」ということになり、スイカの条件装置が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びスイカに対応する乱数値から、スイカの当選確率(スイカが当選役内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(スイカ)でいえば、
〔 スイカに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、610/60000となり、スイカの当選確率は約1/98.4であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(スイカ)においては、抽出範囲内の乱数値「1181」から「1790」がスイカに対応する当たり値ということになる。また、「スイカ」のように、当たり値が複数存在する場合、例えば、所定役の当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1181」から「1790」とすれば、この所定役の当たり値の範囲は乱数値「1181」から「1790」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1181」から「1790」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、当選役内部抽選の結果として「所定役に当選した」ということになる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、一の当選役のみに当選する単独役の他に、複数の当選役が同時に当選する重複役を用意することもできる。このような重複役を用意した場合については、重複役の当たり値についても、上記の当たり値に含まれる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、当選役内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレとなる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
[擬似内部抽選確率]
さらに、スロットマシン1においては、当選役内部抽選とは異なる擬似内部抽選を行っている。擬似内部抽選は、擬似役表示制御中に実行され、擬似役表示制御中に表示する擬似役を抽選によって決定して表示する。擬似役の抽選では、当選役と同様の擬似内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が擬似役として決定される。ここで擬似役が決定されると、当該擬似役に対応する情報は、擬似役を示す情報コマンドとして以降の擬似役表示制御処理に反映されることになる。
擬似役を決定する場合においても、予め決定された抽出範囲、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)から1の乱数値を抽出乱数値として抽出する。また、各擬似役についても、当選役と同様に所定の乱数値が予め振り分けられている。そして、抽出乱数値と予め振り分けられた乱数値とが一致したときに、その乱数値が割り当てられた擬似役を決定する。なお、本実施形態のスロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を、便宜上、0から999までとしているが、これに限られないことはいうまでもない。
[カウンタ処理]
次に、カウンタ処理の手順について説明する。図66は、カウンタ処理の手順を示すフローチャートである。
図66に示すように、カウンタ処理では、最初に、ステップS101で現在の遊技状態がAT中であるか否かを判断する。ここで、AT中である場合には、ステップS102では、ATゲーム数の残りゲーム数を1減算して、カウンタ処理を終了する。また、ステップS103では、ステップS101においてAT中でないと判断した場合には、現在の遊技状態が見掛ボーナス中であるか否かを判断する。その結果、見掛ボーナス中であると判断した場合、ステップS104では、見掛ボーナスゲーム数の残りゲーム数を1減算して、カウンタ処理を終了する。また、ステップS103において見掛ボーナス中でないと判断した場合には、そのままカウンタ処理を終了する。
[擬似役表示制御処理]
続いて、擬似役表示制御処理の手順について説明する。図67は、擬似役表示制御処理の手順を示すフローチャートである。図67に示すように、擬似役表示制御処理において、最初に、ステップS111で現在の遊技状態がAT中または通常状態のいずれかであるか否かを判定する。その結果、AT中または通常状態のいずれでもない(見掛ボーナス中または見掛ボーナス準備中)であると判断した場合には、そのまま擬似役表示制御処理を終了する。
その一方、AT中または通常状態のいずれかであると判断した場合、ステップS112では、周期ゲーム数を1減算する。続いて、ステップS113では、周期ゲーム数が0を超えているか否かを判断する。その結果、周期ゲーム数が0を超えると判断した場合、いわゆるフリーズ制御を実行し、始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c等のすべての操作子を無効化する。次のステップS114では、擬似役乱数を抽出する。擬似役乱数を抽出するタイミングについては、当選役乱数を抽出する場合と同様に、始動レバー210の操作後直ぐに行ってもよく、あるいは始動レバー210の操作後所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなどしてもよく、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
その後のステップS115では、抽出された擬似役乱数の乱数値(以下では、抽出擬似役乱数値という)からいずれの擬似役に該当するかの擬似役判定(乱数値の照合)を行う。この擬似役判定では、当選役乱数値を照合するための当たり値判定テーブルのような擬似役判定テーブルを用い、抽出擬似役乱数値を擬似役判定テーブルに照合する。ここで行われる乱数値の照合は、上記の抽出当選役乱数値を当たり値判定テーブルに照合する場合と同様に行われ、予め決められた当選役の乱数値に、抽出擬似役乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出擬似役乱数値は、いずれかの擬似役に該当し、該当する擬似役を決定する。
続くステップS116では、左リール301a、中リール301b、右リール301cの3本のリールについて回転を開始させる。その次のステップS117では、MAXBETボタン(MAX投入ボタン206)を有効化し、遊技者などがMAX投入ボタン206を押下操作した場合に、操作信号がメイン基板409に出力される。続くステップS118では、押下許容タイマをスタートさせる。
さらに、続くステップS119では、MAX投入ボタン206が押下操作されたか否かを判断する。この判断は、メイン基板409に対してMAX投入ボタン206の操作信号が出力されているか否かに基づいて行われる。その結果、MAX投入ボタン206の操作信号が出力されておらず、MAX投入ボタン206が操作されていないと判断した場合、ステップS120では、押下許容タイマがタイムアップしているか否かを判断する。
ここで、押下許容タイマがタイムアップしていないと判断した場合、ステップS119に戻ってMAX投入ボタン206の押下操作がされたか否かの判断を行う。ステップS119において、MAX投入ボタンが押下操作されるか、あるいは押下許容タイマがタイムアップするまで、ステップS119とステップS120の処理が繰り返される。
また、ステップS119でMAX投入ボタン206が押下操作されたと判断した場合、あるいは、ステップS120において押下許容タイマがタイムアップしたと判断した場合、ステップS121では、第1リール(左リール)301aの停止操作を行う。この停止操作によって第1リール301aが停止制御される。第1リール301aを停止制御させる際の停止位置は、ステップS115で決定された擬似役に応じて決定される。このように、MAX投入ボタン206が有効化された後、押下許容タイマがタイムアップするか、その前にMAX投入ボタン206が操作されたときに、回転していた第1リール301aが停止する。
なお、図柄表示窓401を介して表示される第1リール301aでは、当選役に基づいて第1リール301aを停止制御させる場合と異なり、MAX投入ボタン206を操作してから第1リール301aが停止するまでの間においては、第1リール301aが移動するコマ数(いわゆる滑りコマ数)は、限定されず、4コマ以上とすることもできる。
続くステップS122では、第2リール301bについての停止制御が行われるまで同様の処理を繰り返すために、第nリールに相当するnの値を1加算する。それから、ステップS123においては、ステップS117で有効化されていたMAX投入ボタン206を無効化させる。
さらに、ステップS124では、第3リール301cについての停止制御が行われたかを判断するために、第nリールに相当するnの値が3を超えているか否かを判断する。その結果、nの値が3を超えていないと判断した場合には、ステップS117に戻り、ステップS123までの処理を繰り返す。こうして、第1リール301a〜第3リール301cまでの停止制御を行う。
なお、この擬似役表示制御では、擬似役を表示するにあたり、リール301a,301b,301cの停止を行うにも拘わらず、停止ボタン211a,211b,211cの操作によらず、MAX投入ボタン206の操作によるものとしている。また、上記の例では、MAX投入ボタン206の操作により、左→中→右の各リールの順でリールを停止させているが、その他の順序、たとえば中→右→左の各リールの順でリールを停止させることもできる。
さらに、スロットマシン1では、MAX投入ボタン206の操作によってリール301a,301b,301cを停止させているが、その他の操作子の操作子の操作によってリール301a,301b,301cを停止させるようにしてもよい。また、リール停止ボタン211a,211b,211cの操作によってリール301a,301b,301cを停止させてもよいが、この場合には、リール301a,301b,301cの停止順序が限定されてしまうことがある。この点、リール停止ボタン211a,211b,211c以外の操作子、たとえばスロットマシン1のようなMAX投入ボタン206のほか、始動レバー210、演出用に演出操作ボタンが設けられている場合にはこの演出操作ボタン、あるいは1枚投入ボタン205、メダル返却ボタン208などの操作子を用いることもできる。
それから、ステップS124においては、nの値が3を超えていると判断した場合には、第1リール301aから第3リール301cまでの停止制御が行われ、第1リール301aから第3リール301cまでがいずれも停止されている。次のステップS125では、ここで表示された擬似役似相当する擬似役表示フラグをセットする。たとえば、擬似チェリー3が表示されている場合には、擬似チェリー3表示フラグをセットする。
その後、続くステップS126においては、新たに周期ゲーム数をセットする。ステップS126では、図54に示す周期ゲーム数テーブルを参照して周期ゲーム数を決定する。周期ゲーム数を決定する際には、たとえば擬似役乱数値を用いることができるが、周期ゲーム数を決定するための擬似役乱数値の取得タイミングは任意とすることができる。たとえば、抽出擬似役乱数値をそのまま用いることもできるし、始動レバー210の操作時等の抽出擬似役乱数値を取得したタイミング以外のタイミング、たとえばMAX投入ボタン206が3回目に操作されたときに擬似役乱数値を取得し、図54に示す周期ゲーム数テーブルを用いて周期ゲーム数を決定することもできる。こうして、擬似役表示制御処理を終了する。擬似役表示制御処理が終了することにより、いわゆるフリーズ制御が終了し、始動レバー210やリール停止ボタン211a,211b,211c等の各操作子について、適宜のタイミングで有効化される。
[遊技状態判定処理]
次に、遊技状態判定処理の手順について説明する。スロットマシン1では、遊技状態として、通常状態、AT中、見掛ボーナス準備中、見掛ボーナス中の各遊技状態が設けられている。これらの遊技状態は、メイン基板409に搭載されたCPU1110および演出制御基板510におけるCPU1118によりそれぞれ実行される。遊技状態判定処理では、これらの遊技状態の判定および移行などの処理を行っている。
図68は、遊技状態判定処理の手順を示すフローチャートである。図68に示すように、遊技状態判定処理において、ステップS131では、最初に、現在の遊技状態が見掛ボーナス中であるか否かを判断する。見掛ボーナス中は、当選役内部抽選でAT1〜AT10に当選した場合に、適正な押し順を画像表示体500等によって遊技者にナビゲートする。このため、当選役内部抽選でAT1〜AT10に当選した場合には、ナビゲートにしたがって停止ボタン211a,211b,211cを操作するのみで容易に小物17に相当する図柄組み合わせがリール301a,301b,301cに表示させることができる。したがって、当選役内部抽選でAT1〜AT10に当選した場合の払出枚数を多くできるので、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数よりもゲームの結果として払い出されるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、見掛ボーナス中は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していく遊技状態である。ここで、見掛ボーナス中であると判断した場合、ステップS132では、見掛ボーナス終了フラグがセットされているか否かを判断する。その結果、見掛ボーナス終了フラグがセットされていない場合には、遊技状態移行制御処理を終了し、見掛ボーナス中がそのまま継続する。
さらに、ステップS132において、見掛ボーナス終了フラグがセットされていると判断した場合には、見掛ボーナスを終了するとともに、続いて移行する遊技状態を判定する。このため、ステップS133において、見掛ボーナス終了フラグをクリアする。続くステップS134では、AT開始フラグがセットされているか否かを判断する。
ここで、ステップS134においてAT開始フラグがセットされていないと判断した場合には、ステップS135において、遊技状態を通常状態に移行させる。こうして、遊技状態判定処理を終了する。一方、ステップS134において、AT開始フラグがセットされていると判断した場合、続くステップS136では、AT開始フラグをクリアする。それから、ステップS137では、遊技状態をAT中に移行させて、遊技状態判定処理を終了する。このように、見掛ボーナス中が終了した後は、遊技状態が通常状態またはAT中に移行する。
一方、ステップS131において、現在の遊技状態が見掛ボーナス中でないと判断した場合には、ステップS138では、現在の遊技状態が見掛ボーナス準備中であるか否かを判断する。見掛ボーナス準備中は、見掛ボーナス中と同様、当選役内部抽選でAT1〜AT10に当選した場合に、適正な押し順を画像表示体500等によって遊技者にナビゲートする。このため、見掛ボーナス準備中は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していく遊技状態である。ここで、現在の遊技状態が見掛ボーナス準備中であると判断した場合、ステップS139では、見掛ボーナス開始フラグがセットされているか否かを判断する。
ステップS139の判断の結果、見掛ボーナス開始フラグがセットされていないと判断した場合には、そのまま遊技状態判定処理を終了し、見掛ボーナス準備中が継続する。また、見掛ボーナス開始フラグがセットされていると判断した場合、ステップS140では、見掛ボーナス開始フラグをクリアする。続くステップS141では、遊技状態を見掛ボーナス中に移行させて、遊技状態判定処理を終了する。このように、見掛ボーナス準備中からは、遊技状態は常に見掛ボーナス中に移行することとなる。
さらに、ステップS138において現在の遊技状態が見掛ボーナス準備中でないと判断した場合、ステップS142では、現在の遊技状態がAT中であるか否かを判断する。AT中は、見掛ボーナス中や見掛ボーナス準備中と同様、当選役内部抽選でAT1〜AT10に当選した場合に、適正な押し順を画像表示体500等によって遊技者にナビゲートする。このため、見掛ボーナス準備中は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が増加していく遊技状態である。ここで、現在の遊技状態がAT中であると判断した場合、AT中の後の遊技状態として、通常状態または見掛ボーナス準備中を経た後における見掛ボーナス中のいずれに移行させるかを判定する。このため、ステップS143では、AT終了フラグがセットされているか否かを判断する。
ここで、ステップS143でAT終了フラグがセットされていないと判断した場合、ステップS144では、見掛ボーナス準備中開始フラグがセットされているか否かを判断する。その結果、見掛ボーナス準備中開始フラグがセットされていると判断した場合、ステップS145では、遊技状態を見掛ボーナス準備中へ移行させて遊技状態判定処理を終了する。また、見掛ボーナス準備中開始フラグがセットされていないと判断した場合、遊技状態がAT中のまま、遊技状態判定処理を終了する。
一方、ステップS143において、AT終了フラグがセットされていると判断した場合、ステップS146では、遊技状態を通常遊技状態に移行させて遊技状態判定処理を終了する。このように、AT終了フラグがセットされていると、AT中は終了し、通常遊技状態に移行する。また、AT中であっても、見掛ボーナス準備中フラグがセットされていると、見掛ボーナス準備中を経て見掛ボーナス中へと移行する。
また、ステップS142において、現在の遊技状態がAT中でないと判断した場合、ステップS147では、現在の遊技状態が通常状態であると判断する。この通常状態は、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、通常状態は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。ここで、通常状態の後の移行させる遊技状態として、AT中または見掛ボーナス準備中を経た後における見掛ボーナス中のいずれに移行させるかを判定する。
そのため、ステップS148においては、見掛ボーナス準備中開始フラグがセットされているか否かを判断する。その結果、見掛ボーナス準備中フラグがセットされていないと判断した場合、ステップS149では、AT開始フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、AT開始フラグがセットされていると判断した場合、ステップS150では、AT開始フラグをクリアする。そして、続くステップS151において、遊技状態をAT中に移行させて遊技状態判定処理を終了する。
その一方、ステップS149において、AT開始フラグがセットされていないと判断した場合には、通常状態を維持したまま、遊技状態判定処理を終了する。さらに、ステップS148において、見掛ボーナス準備中開始フラグがセットされていると判断した場合、ステップS152において、遊技状態を見掛ボーナス準備中に移行させる。こうして、遊技状態移行判定処理を終了する。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から6までの6段階)が設けられている(それぞれ図示はしない)。そして、これらのそれぞれの設定値では当選役内部抽選の当選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6、といったように設定値が高くなるほど見掛ボーナス中に移行する確率やAT中に移行する確率が優遇されるようにするとよい。例えば、設定値1に比べると設定値6では見掛ボーナス中に移行する確率が高く決められているといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。
[リール回転処理]
次に、リール回転処理の手順について説明する。図69は、リール回転処理の手順を示すフローチャートである。図69に示すように、リール回転処理におけるステップS161では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS162に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
また、ステップS162では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
さらにステップS163では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ擬似役表示制御処理は終了となる。
[リール停止処理]
始動処理が終了した場合、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図70では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理においては、最初にステップS201で、当該ゲームでの当選役内部抽選の結果に対応して作動した条件装置にしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての条件装置に1対1で対応するパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201において成立している条件装置に基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分けて説明する。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
次のステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
さらに、ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
続くステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、作動している条件装置に対応するリール停止制御テーブルに基づいて当選役内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
さらに、ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右上がりラインと右下がりラインとの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
次のステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
また、ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはOON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
続くステップS213では、中リール停止処理として、作動している条件装置に対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行っている(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分(いわゆる4コマ分)とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。このようなリールの回転移動をいわゆる「滑り」といい、たとえば図柄4個分までリールの回転移動が可能となることを「4コマまで滑ることが可能となる」と表現することがある。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、通常リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等の各役に対応する条件装置が作動している場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図46参照)。これは、通常リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等のそれぞれに対応する図柄組み合わせを構成する図柄については、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである。
なお、リプレイ図柄についてさらに着目すると、左リール301a上では、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に他の図柄が最大で4個分配置されている(図46参照)。これにより、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられても、リプレイ役に対応する条件装置が作動している限り、必ずリプレイ図柄を有効ライン上のいずれかに引き込んで停止させることができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。また、これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。さらに、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。また、擬似役表示制御処理で擬似役表示フラグがセットされた場合における遊技状態の移行処理を行う。図71では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理によって全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
判定処理では、まず、ステップS301において、リール表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されているか否かを判断する。その結果、リール表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されていると判断した場合、ステップS302では、リプレイ図柄または7揃いリプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄または7揃いリプレイ図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS303に移る。
次のステップS303では、リプレイゲーム処理を実行する。リプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そうした後、ステップS304では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
また、ステップS302において、リプレイ図柄または7揃いリプレイ図柄が揃っていないと判断された場合、ステップS305では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS306に移る。
次のステップS306では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを行う(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS307では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にし、その後に処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合には、上記のステップS302およびステップS305の判定が満たされず、ステップS308に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
また、ステップS308では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
さらに、ステップS301で当選図柄の組み合わせが表示されていないと判断した場合、ステップS309では、図67に示す擬似役表示制御処理のステップS125で擬似役表示フラグがセットされているか否かを判断する。その結果、擬似役表示フラグがセットされていないと判断した場合には、そのまま判定処理を終了する。
また、ステップS301で図柄表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されていると判断した場合、およびステップS309で擬似役表示フラグがセットされていると判断した場合には、続くステップS310において、現在の遊技状態が通常状態または見掛ボーナス準備中であるか否かを判断する。ここで、通常状態または見掛ボーナス準備中であると判断した場合、次のステップS311において、リール表示窓401に表示された図柄組み合わせまたは擬似役表示フラグに応じた擬似役を用いて行われる見掛ボーナス移行抽選に当選したか否かを判断する。見掛ボーナス移行抽選は、図柄表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されている場合には、当選役内部抽選に当選した当選役を図56または図57に示す見掛ボーナス抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。また、擬似役表示フラグがセットされている場合には、セットされた擬似役表示フラグに対応する擬似役を図56または図57に示す見掛ボーナス抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。なお、見掛ボーナス移行抽選は、通常状態の際に行われ、見掛ボーナス準備中に行われることはない。
ステップS310における判断の結果、見掛ボーナス移行抽選に当選していると判断した場合、ステップS312では、見掛ボーナス開始処理を行う。見掛ボーナス開始処理が終了すると、ステップS321に進む。また、ステップS311において、見掛ボーナス移行抽選に当選していないと判断した場合、ステップS313では、AT移行抽選に当選したか否かを判断する。AT移行抽選は、図柄表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されている場合には、当選役内部抽選に当選した当選役を図60または図61に示すAT抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。また、擬似役表示フラグがセットされている場合には、セットされた擬似役表示フラグに対応する擬似役を図60または図61に示すAT抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。なお、ここでのAT移行抽選は、通常状態の際に行われ、見掛ボーナス準備中に行われることはない。
ステップS313における判断の結果、AT抽選に当選していると判断した場合、ステップS314では、AT開始処理を行う。その後、ステップS321では、擬似役表示フラグがセットされているか否かを判断し、セットされている場合、ステップS322では、セットされた擬似役表示フラグをクリアし、擬似役表示フラグはセットされていない場合にはそのまま判定処理を終了する。
また、ステップS310で現在の遊技状態が通常状態または見掛ボーナス中ではないと判断された場合、ステップS315では、現在の遊技状態がAT中であるか否かを判断する。その結果、AT中であると判断した場合、続くステップS316では、リール表示窓401に表示された図柄組み合わせまたは擬似役表示フラグに応じた擬似役を用いて行われる見掛ボーナス移行抽選に当選したか否かを判断する。見掛ボーナス移行抽選は、図柄表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されている場合には、当選役内部抽選に当選した当選役を図58または図59に示す見掛ボーナス抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。また、擬似役表示フラグがセットされている場合には、セットされた擬似役表示フラグに対応する擬似役を図58または図59に示す見掛ボーナス抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。
この結果、見掛ボーナス移行抽選に当選していると判断した場合には、ステップS317では、見掛ボーナス開始処理を行う。続いてステップS318では、AT終了判定処理を行う。また、ステップS316で見掛ボーナス移行抽選に当選していないと判断した場合にも、ステップS316におけるAT終了判定処理に進む。その後、ステップS321に進み、ステップS321では、擬似役表示フラグがセットされているか否かを判断し、セットされている場合には、ステップS322においてセットされた擬似役表示フラグをクリアし、セットされていない場合にはそのまま判定処理を終了する。
また、ステップS315において現在の遊技状態がAT中でないと判断した場合、ステップS319では、現在の遊技状態が見掛ボーナス中であるか否かを判断する。ここで、見掛ボーナス中であると判断した場合、ステップS320では、見掛ボーナス終了判定処理を行い、ステップS321に進む。また、現在の遊技状態が見掛ボーナス中でないと判断した場合には、そのままステップS321に進む。ステップS321では、擬似役表示フラグがセットされているか否かを判断し、セットされている場合には、ステップS322においてセットされた擬似役表示フラグをクリアし、セットされていない場合にはそのまま判定処理を終了する。
[見掛ボーナス開始処理]
上記した図71のステップS311またはステップS136において見掛ボーナス移行抽選に当選したと判断された場合には、見掛ボーナス開始処理を実行する。この見掛ボーナス開始処理の手順について図72を用いて説明する。
見掛ボーナス開始処理では、最初に、ステップS401において、現在の遊技状態が見掛ボーナス準備中であるか否かを判断する。ここで見掛ボーナス準備中でないと判断した場合には、見掛ボーナス移行抽選に当選しているか否かを判断する。その結果、見掛ボーナス移行抽選に当選していない(落選している)と判断した場合は、そのまま見掛ボーナス開始処理を終了する。
続いて、ステップS402において、見掛ボーナス移行抽選に当選していると判断した場合、ステップS403では、見掛ボーナス準備中フラグをセットしてステップS404に進む。また、ステップS401で見掛ボーナス準備中であると判断した場合にも、ステップS404に進む。
さらにステップS404では、7揃いリプレイに当選し、かつ7揃いリプレイに対する適正な押し順でリール301a,301b,301cが操作されたか否かを判断する。ここで、7揃いリプレイに当選しておらず、あるいは7揃いリプレイに対する適正な押し順でリール301a,301b,301cが操作されていない場合には、そのまま見掛ボーナス開始処理を終了する。
その一方、7揃いリプレイに当選し、かつ7揃いリプレイに対する適正な押し順でリール301a,301b,301cが操作されたと判断した場合、続くステップS405では、見掛ボーナス準備中開始フラグをクリアする。さらに、続くステップ406において見掛ボーナスフラグをセットする。
続くステップS407では、見掛ボーナス初期ゲーム数をセットする。見掛ボーナス初期ゲーム数は、一定のゲーム数、たとえば30ゲームとされている。ただし、一定のゲーム数以外のゲーム数、たとえば30ゲームと50ゲームの中から選択できるようにしてもよいし、所定初期ゲーム数決定処理を経て決定するようにしてもよい。こうして、見掛ボーナス開始処理を終了する。
[見掛ボーナス終了判定処理]
続いて、上記した図71のステップS320における見掛ボーナス終了判定処理について図73を用いて説明する。
見掛ボーナス終了判定処理では、最初に、ステップS451において、見掛ボーナスゲーム数カウンタを参照し、見掛ボーナスゲームの残りゲーム数が0を超えているか否かを判断する。ここで、見掛ボーナスゲーム数の残りゲーム数が0を超えている(1以上である)と判断した場合には、見掛ボーナス終了判定処理を終了し、そのまま見掛ボーナス中を継続する。
その一方、見掛ボーナスゲーム数の残りゲーム数が0を超えていない(0となっている)と判断した場合、続くステップS452では、見掛ボーナス終了フラグをセットする。次に、ステップS453では、見掛ボーナス中にAT移行抽選に当選しているか否かを判断する。AT移行抽選は、図柄表示窓401に当選図柄組み合わせが表示されている場合には、当選役内部抽選に当選した当選役を図62または図63に示すAT抽選テーブルのいずれかに参照することで行われる。
ステップS453における判断の結果、見掛ボーナス中にAT移行抽選に当選していると判断した場合、続くステップS454では、ATゲーム数をセットする。ATゲーム数は、予め決められた所定のゲーム数、たとえば30ゲームや50ゲームなどとすることもできるし、予め決められた複数種類のゲーム数の中から決定するようにもできる。さらには、所定の抽選処理などを経て適宜決定されるようにすることもできる。その後、続くステップS455では、AT開始フラグをセットする。AT開始フラグがセットされることにより、見掛ボーナス中が終了した後は、遊技状態がAT中に移行する。見掛ボーナス終了判定処理を終了する。
また、ステップS453における判断の結果、AT移行抽選に当選していないと判断した場合、ステップS456では、見掛ボーナス中に移行する前の遊技状態がAT中であるか否かを判断する。なお、見掛ボーナス中に移行する前の遊技状態は、見掛ボーナス準備中であるが、ここでは、見掛ボーナス中に移行する前の遊技状態とは、見掛ボーナス準備中に移行する前の遊技状態を意味し、AT中または通常状態を意味している。
ステップS456における判断の結果、見掛ボーナス移行前の遊技状態がAT中でないと判断した場合には、そのまま見掛ボーナス終了判定処理を終了し、見掛ボーナス中が終了した後には通常状態に移行する。一方、見掛ボーナス移行前の遊技状態がAT中であると判断した場合には、ステップS455に進み、AT開始フラグをセットする。ここで、AT中に移行した後のATゲーム数は、見掛ボーナス中に移行した時点のATゲーム数となる。なお、見掛ボーナス中に移行した時点のATゲーム数に対して、見掛ボーナス中にATゲーム数を上乗せする処理等を行う態様とすることもできる。この場合には、AT開始フラグをセットする前にATゲーム数をセットし直すこととなる。こうして、見掛ボーナス終了判定処理を終了する。
[AT開始処理]
さらに、上記した図71のステップS314におけるAT開始処理について図74を用いて説明する。
AT開始処理では、最初に、ステップS501では、通常状態であるか否かを判断する。その結果、通常状態でない場合には、AT開始処理を終了する。一方、通常状態であると判断した場合、ステップS502では、AT移行抽選に当選しているか否かを判断する。その結果、AT移行抽選に当選していないと判断した場合には、そのままAT開始処理を終了する。また、AT移行抽選に当選していると判断した場合、ステップS503では、ATゲーム数をセットする。ここでセットするATゲーム数は、予め決められた所定のゲーム数、たとえば30ゲームや50ゲームなどとすることもできるし、予め決められた複数種類のゲーム数の中から決定するようにもできる。さらには、所定の抽選処理などを経て適宜決定されるようにすることもできる。その後、続くステップS504では、AT開始フラグをセットする。AT開始フラグがセットされることにより、AT開始処理の後は、遊技状態がAT中に移行する。こうして、AT開始処理を終了する。
[AT終了判定処理]
続いて、上記した図71のステップS318におけるAT終了判定処理について図75を用いて説明する。
AT終了判定処理では、最初に、ステップS551において、ATゲームの残りゲーム数が0を超えているか否かを判断する。この判断は、ATゲーム数カウンタを参照することによって行われる。ここで、ATゲーム数の残りゲーム数が0を超えている(1以上である)と判断した場合、ステップS555では、AT終了フラグをセットする。
その一方、ATゲーム数の残りゲーム数が0を超えていない(0となっている)と判断した場合、続くステップS552では、見掛ボーナス移行抽選に当選しているか否かを判断する。ここで、見掛ボーナス移行抽選に当選していないと判断した場合には、そのままAT終了判定処理を終了し、AT中が継続することとなる。一方、見掛ボーナス移行抽選に当選していると判断した場合、次のステップS553で見掛ボーナス準備中開始フラグをセットする。こうして、AT終了判定処理を終了する。
[コマンド出力処理]
メイン基板409では、上記のゲーム処理を実行している間に、種々のコマンドを生成する。ここで生成されるコマンドとしては、遊技状態に関するAT開始コマンド、AT終了コマンド、見掛ボーナス開始コマンド、見掛ボーナス終了コマンド等がある。また、周期開始ゲーム数コマンド、AT開始ゲーム数コマンド、さらには周期ゲーム数コマンド、ATゲーム数コマンド、見掛ボーナスゲーム数コマンド等がある。あるいは、リール回転開始コマンド、リール擬似回転開始コマンド、リール停止コマンド、擬似リール停止コマンド等がある。また、当選役似関する当選役コマンドや擬似役似関する擬似役コマンド等がある。
[演出動作の制御]
以上は、主にメイン基板409おいて実行されるゲーム処理の例である。その一方、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
以下においては、演出制御基板510で実行される1ゲームの制御プログラム上の処理手順について説明する。図76は、演出制御基板510で実行される1ゲームの制御プログラム上の処理手順を示すフローチャートである。図76に示すように、先ずステップS601では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
ステップS602では、メイン基板409から出力される各種コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する。演出制御基板510では、コマンド解析処理を実行することで、メイン基板409で制御されているゲーム処理の状況を確認している。具体的には、メイン基板409で実行されている遊技状態、各種カウンタでカウントされる周期ゲーム数、ATゲーム数、見掛ボーナスゲーム数、当選役内部抽選の結果や擬似役表示制御中における擬似役抽選の結果、さらには擬似役表示制御やリール回転制御、リール停止制御によるリールの回転/停止の状況などを確認している。
コマンド解析処理で実行される遊技状態に関する処理において、AT開始コマンド、AT終了コマンド、見掛ボーナス開始コマンド、見掛ボーナス終了コマンド等の各コマンドが出力された場合、出力されたコマンドに応じて遊技状態を移行させる。たとえば、AT開始コマンドが出力された場合には、遊技状態をAT中に移行させ、見掛ボーナス開始コマンドが出力された場合には、遊技状態を見掛ボーナス中に移行させる。さらに、AT終了コマンドが送信されたときには遊技状態を通常状態に移行させ、見掛ボーナス終了コマンドが送信されるとともに、AT開始コマンドが送信されていない場合には、遊技状態を通常状態に移行させる。演出制御基板510における遊技状態の移行は、メイン基板409から出力されるコマンドに応じて行われるが、その移行態様は、メイン基板409における遊技状態の移行と共通することとなる。
また、AT開始ゲーム数コマンドが出力された場合、出力されたAT開始ゲーム数コマンドに応じたATゲーム数をセットする。また、周期開始ゲーム数コマンドが出力された場合には、出力された周期開始ゲーム数コマンドに応じた周期ゲーム数をセットする。なお、見掛ボーナス開始コマンドが出力された場合には、メイン基板409と共通する予め定められた所定の見掛ボーナスゲーム数をセットする。
メイン基板409から始動コマンドが出力されると、遊技状態の移行に応じてカウント処理を行う。たとえば、遊技状態が通常状態であるときには、周期ゲーム数を1減算する。さらに、AT中は、周期ゲーム数およびATゲーム数を1減算し、見掛ボーナス中は見掛ボーナスゲーム数を1減算する。
また、周期ゲーム数コマンド、ATゲーム数コマンド、見掛ボーナスゲーム数コマンドが出力された場合には、メイン基板409でカウントされている周期ゲームメインカウント数、ATゲームメインカウント数、見掛ボーナスゲームメインカウント数を確認する。さらに、また、リール回転コマンド、リール擬似回転コマンド、リール停止コマンド等が出力された場合には、リールの回転状態を確認する。
さらに、当選役コマンドや擬似役コマンドが出力された場合、ゲーム処理において当選した当選役や擬似役を確認する。そして、当選役コマンドや擬似役コマンドが出力された場合に、出力された当選役コマンドや擬似役コマンドの履歴を記憶しておく。
コマンド解析処理が終了したら、次のステップS603では、リール作動時処理を行う。リール作動時処理では、コマンド解析制御において確認されたリールの回転状態に応じて、リールの作動に伴う画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等を実行させる。
さらに、ステップS604では、特殊確認処理を行う。特殊確認処理では、始動コマンドの出力に応じてカウントされる周期ゲーム数と、周期ゲーム数コマンドに応じて確認された周期ゲームメインカウント数とを比較する。この比較の結果、周期ゲーム数と周期ゲームメインカウント数とが一致しない場合、なんらかの不正が行われている可能性があるので、所定の警報処理等を行う。同様に、始動コマンドの出力に応じてカウントされるATゲーム数と、ATゲーム数コマンドに応じて確認されたATゲームメインカウント数とを比較する。さらには、始動コマンドの出力に応じてカウントされる見掛ボーナスゲーム数と、見掛ボーナスゲーム数コマンドに応じて確認された見掛ボーナスゲームメインカウント数とを比較する。これらの比較の結果、比較対象同士が一致しない場合には、やはり警報処理を行う。
ここでの警報処理の態様としては、いずれの比較結果が一致しないかによって警報の態様を代えることもできるし、共通する警報とすることもできる。あるいは、一致しない種類数によって警報を代え、たとえば一致しない種類数が多いほど重い警報を発生させることもできる。また、いずれの比較対象同士もが一致するときには、不正が行われている可能性が高いとはいえないので、警報処理を行うことなくステップS605に進む。
次のステップS605では、演出処理を行う。演出処理においては、現在の遊技状態に応じた背景処理等の演出、当選役や擬似役に応じた演出、遊技状態の移行時における演出等を行う。これらの演出は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等によって行われる。
また、演出処理では、当選役コマンドや擬似役コマンドが出力されたときに記憶される当選役の当選および擬似役の表示履歴(以下「表示役履歴」という)を画像表示体500に表示する。なお、当選役に当選した場合であっても、当選役がAT1〜AT10のいずれかであり、かつベルこぼ目が表示された場合には、表示役履歴に関してハズレと同様に取り扱っている。表示役履歴については、後にさらに説明する。こうして、演出制御基板510で実行される1ゲームの制御プログラム上の処理が終了する。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示、あるいはスピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとることにより、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[ゲーム処理中の画像表示体による表示]
次に、ゲーム処理が実行されている間における図側表示窓401における表示および画像表示体500における表示の内容について説明する。図77は、スロットマシン1を正面視した模式図である。図77に示すように、スロットマシン1における画像表示体500には、所定の演出に応じた内容が表示される。図77に示す例では、遊技状態が見掛ボーナス中に移行する状態を示している。また、図柄変動表示装置300内における図柄表示窓401を介して視認可能となるように表示されたリール301a,301b,301cには、7揃いリプレイに対応する図柄組み合わせが表示されている。
さらに、画像表示体500の右側下方位置には、図柄表示履歴表示部Xが設けられ、図柄表示履歴表示部Xには、図78(a)等に拡大して示すように、図柄表示履歴表示X1〜X5が表示されている。図柄表示履歴表示X1〜X5は、過去にリール301a,301b,301cに表示された図柄組み合わせに応じたアイコンが表示されている。具体的に、ベル役に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、第1図柄表示履歴表示X1に示すベルアイコンが表示され、リプレイ役に相当する図柄組み合わせが表示された場合には、第2図柄表示履歴表示X2に示すリプレイアイコンが表示される。また、スイカに相当する図柄組み合わせが表示された場合には、第3図柄表示履歴表示X3に示すスイカアイコンが表示され、チェリー役に相当する図柄組み合わせが表示された場合には、第4図柄表示履歴表示X4に示すチェリーアイコンが表示される。なお、図示はしないが、チャンス役に相当する図柄組み合わせが表示された場合には、チャンスアイコンが表示される。
この図柄表示履歴表示X1〜X5においては、ハズレまたはベルこぼ目に相当する図柄組み合わせがリール301a,301b,301cに表示された場合でも、アイコンの表示が変化することはない。要は「ベル役」「リプレイ役」「スイカ」「チャンス目役」がリール301a,301b,301cに表示された場合にその表示履歴を更新していく。なお、「スイカ」「チェリー役」については、いわゆるこぼし目が存在するが、これらのこぼし目が表示された場合でも、図柄表示履歴表示X1〜X5に対する表示は行われる。
この図柄表示履歴表示X1〜X5は、AT中および通常状態の際に画像表示体500に表示され、見掛ボーナス中および見掛ボーナス準備中には表示されない。また、第一図柄表示履歴表示X1〜第5図柄表示履歴表示X5に向けて古い情報が表示されている。以下、図柄表示履歴表示X1〜X5の表示の遷移について、図78および図79を参照して説明する。
たとえば、図78(a)に示すように、所定のゲームにおいて、図柄表示履歴表示X1〜X5には順に「ベルアイコン」「ベルアイコン」「リプレイアイコン」「ベルアイコン」「リプレイアイコン」が表示されていたとする。この状態で図78(b)に示すように、リール301a,301b,301cにリプレイ図柄が表示されたら、第1図柄表示履歴表示X1、第2図柄表示履歴表示X2、第3図柄表示履歴表示X3、第4図柄表示履歴表示X4に表示されたアイコンがそれぞれ第2図柄表示履歴表示X2、第3図柄表示履歴表示X3、第4図柄表示履歴表示X4、第5図柄表示履歴表示X5に移動する。また、このゲームで表示されたリプレイに相当する図柄に対応する図柄アイコンとして、第1図柄表示履歴表示X1には、リプレイアイコンが表示され、第5図柄表示履歴表示X5に表示されていたアイコンは消去される。その結果、図79に示すように、第1図柄表示履歴表示X1、第2図柄表示履歴表示X2、第3図柄表示履歴表示X3、第4図柄表示履歴表示X4、第5図柄表示履歴表示X5には、それぞれ「リプレイアイコン」「ベルアイコン」「ベルアイコン」「リプレイアイコン」「ベルアイコン」が表示される。
このように、リール301a,301b,301cに停止表示された図柄組み合わせに応じた図柄アイコンが順次表示され更新されていく。ここで、上記のように、ハズレの図柄組み合わせが表示されたとしても、図柄アイコンの表示の更新は行われない。その一方で、リール301a,301b,301cに表示された図柄組み合わせが当選役に基づく図柄組み合わせではなく、擬似役に応じた図柄の組み合わせであったとしても、図柄アイコンの更新が行われる。
なお、スロットマシン1では、当選役に基づく図柄組み合わせの表示と擬似役とで共通するアイコンを表示しているが、当選役に基づく図柄組み合わせの表示と擬似役の表示で異なるアイコンを用いることもできる。当選役に基づく図柄組み合わせの表示と擬似役の表示で異なるアイコンを用いることにより、遊技者に対して表示された履歴が当選役の当選によるものか擬似役の表示によるものかを明確に認識させることができる。したがって、遊技者は、見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選を行う契機を明確に認識することができるので、見掛ボーナス中やAT中への移行に対する期待感を実際の移行割合に近いものとして捕らえやすくすることができる。
こうして、図柄表示履歴表示が行われるが、チェリー役が連続して当選した場合などには、チェリー役に当選した場合の見掛ボーナス移行抽選に加えてチェリー役が2連続して当選した場合の見掛ボーナス移行抽選が行われるので、見掛ボーナス中に移行する可能性が高くなる。
このため、たとえば図80(a)に示すように、第1図柄表示履歴表示X1にチェリーアイコンが表示されているときにチェリー役に当選してチェリーに対応する図柄組み合わせがリール301a,301b,301cに表示されたとする。この場合、続いて図80(b)に示すように、第1、第2図柄表示履歴表示X1、X2にチェリーが表示された状態でリール301a,301b,301cが回転を開始した状態となる。このとき、チェリー役の連続当選によって、見掛ボーナス移行抽選に当選する可能性が高まることから、図81(a)に示すように、図柄表示履歴部Xが拡大表示されて拡大図柄表示部Yとなる。そして、チェリーが表示された第1拡大図柄表示履歴表示Y1および第2拡大図柄表示履歴表示Y2の周囲に光などを表示し、チェリーの表示およびチェリー役の連続当選を強調し、見掛ボーナス移行抽選の当選に対する期待感を煽っている。
それから、図81(b)に示すように、画像表示体500に「CHANCE!」の装飾文字が表示される。この装飾文字の表示により、見掛ボーナス中への移行に対する期待感をさらに高めることができる。
また、当選役内部抽選の結果がハズレであった場合について説明すると、図82(a)に示すように、所定のゲームにおいて、図柄表示履歴表示X1〜X5には順に「ベルアイコン」「ベルアイコン」「リプレイアイコン」「ベルアイコン」「リプレイアイコン」が表示されていたとする。この状態で図82(b)に示すように、リール301a,301b,301cにハズレ図柄組み合わせが表示されると、図柄表示履歴表示部Xの表示は変化せず、そのままの状態を維持する。続いて図83に示すように、図柄表示履歴部Xの表示態様が変化しないまま、次のゲームが開始することとなる。
さらに、擬似役が表示される場合の流れについて説明する。周期ゲーム数が0となると、擬似役表示制御が実行される。擬似役表示制御を行うにあたり、始動レバー210が操作されると、図84(a)に示すように、画像表示体500に「CHANCETIME!」の装飾文字が表示される。このとき、リール301a,301b,301cはいずれも停止された状態となっている。
次に、図84(b)に示すように、リール301a,301b,301cが回転を開始するとともに、画像表示体500には、「MAXBETを押せ!」の装飾文字が表示される。さらには、MAX投入ボタン206を模した画像が画像表示体500に表示される。このとき、停止ボタン211a〜211cは無効化されているので、停止ボタン211a〜211cが操作されても、リール301a,301b,301cは停止しない。
それから、MAX投入ボタン206の操作がなされると、図85(a)に示すように、左リール301aが停止する。このとき、中リール301bおよび右リール301cは回転を継続している。以後、MAX投入ボタン206の操作がなされるたびに、順次中リール301b、右リール301cが停止表示される。すると、図85(b)に示すように、画像表示体500には、「CHANGECOMP!」の装飾文字が表示され、擬似役が表示されたことを報知している。
その後、図86(a)に示すように、拡大図柄表示履歴表示部Yにおける第1拡大図柄表示履歴表示部Y1および第2拡大図柄表示履歴表示部Y2の表示として、チェリーアイコンが2個並ぶ。このとき、画像表示体500における画像により、見掛ボーナス中への移行の期待が高まったことを報知している。そして、擬似役表示制御が終了し、図86(b)に示すように、リール301a,301b,301cが回転を開始するとともに、画像表示体500には、見掛ボーナス中への移行の期待感を高める演出が実行される。
さらに、周期ゲーム数が0となるまでの間において、所定の周期ゲーム数表示条件が成立した場合には、図87に示すように、画像表示体500の右側に周期ゲーム数表示部Xnが表示される。周期ゲーム数表示部Xnには、残りの周期ゲーム数が表示され、図87に示す例では、「3」の文字が表示されている。周期ゲーム数表示部Xnに表示された数字が0となるときには、周期ゲーム数が0となるので、擬似役表示制御処理が実行されて擬似役の表示が行われる。この周期ゲーム数表示部Xnが表示されることにより、遊技者に対して、次に擬似役が表示されるまでのゲーム数を認識させることができる。したがって、周期ゲーム数の残りゲーム数が少ない場合などには、周期ゲーム数が0となり、擬似役が表示されるまでは遊技を継続しようとする気持ちを遊技者に湧き立たせることができ、遊技の終了を抑制することができ、その結果、稼働の低下抑制に寄与することができる。
周期ゲーム数表示部Xnが表示されるための周期ゲーム数表示条件は適宜設定することができる。たとえば、当選役に応じた抽選などによって周期ゲーム数表示条件の成立を判断することができる。また、周期ゲーム数表示部Xnは、所定の周期ゲーム数消去条件を満たしたときに、消去される態様とすることができる。ここでの周期ゲーム数消去条件を周期ゲーム数自体とは別個に判断することで、残りの周期ゲーム数が0となる前に周期ゲーム数表示部Xnの表示が消去されることがある。したがって、残りの周期ゲーム数を記憶させる楽しみを遊技者に与えることができ、その分興趣の向上を図ることができる。
このように、スロットマシン1においては、当選役内部抽選による当選役のほか、擬似役の表示結果を図柄表示履歴表示部Xに表示し、これらが連続したときに見掛ボーナス移行抽選を行っている。このため、当選役内部抽選でチェリーなどの所定の役に当選してない場合でも、擬似役を表示させて図柄履歴表示部Xに表示させることができる。さらに、擬似役の表示は、周期ゲーム数が0となったときに行われる擬似役表示制御処理によって表示される。周期ゲーム数は、最長でも300ゲームであるため、少なくとも300ゲームを消化する間には、当選役または擬似役の図柄組み合わせが表示されるので、見掛ボーナス中またはAT中への移行に持たせる図柄の組み合わせが長い間表示されないことによる興趣の低下を抑制することができる。
さらに、スロットマシン1においては、当選役内部抽選による当選役や擬似役の表示結果を図柄履歴表示部Xに表示するにあたり、当選役内部抽選の結果としてハズレ図柄やベルこぼ目が表示された場合には、図柄履歴表示部Xへの表示を排除している。このため、チェリーなどの当選役が表示された後の当選役内部抽選の結果、表示された図柄組み合わせがベルこぼ目であったとしても、先に表示されたチェリーが続けて表示される可能性を残すことができる。したがって、ハズレやベルこぼ目が表示されたとしても、遊技を止めるきっかけとはなりにくくなる遊技を止めるきっかけとなることを抑制できる。
また、スロットマシン1においては、当選役内部抽選としてチェリーやスイカ、あるいはチャンス目などの移行契機役に当選した後に擬似役表示制御処理が行われる場合に、その擬似役表示制御処理で表示される擬似役として、先に当選役内部抽選で当選した移行契機役に相当する擬似役が決定されやすくされている。このため、当選役内部抽選として移行契機役に当選した後に擬似役表示制御処理が行われる場合には、見掛ボーナス中やAT中への移行の期待を確実に高めることができる。
なお、上記のスロットマシン1では、レア役の当選および擬似レア役の表示またはこれらの連続発生に基づいて見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選を行っているが、レア役以外の当選によって見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選を行うこともできる。たとえば、「リプレイ」に10回連続して当選したときに見掛ボーナス移行抽選やAT移行抽選を行うこともできる。また、レア役以外の当選役に連続して当選している際に、レア役に当選したり、擬似レア役の表示があったりした場合には、当選役の連続当選の判断にあたってこれらのレア役の当選や擬似レア役の表示を無視するようにすることもできる。
また、上記のスロットマシン1では、擬似役表示制御が行われた際には、必ず擬似レア役が表示されるようにされているが、擬似レア役が表示されない態様とすることもできる。この場合には、ベル役に相当する擬似ベル役やリプレイ役に相当する擬似リプレイ役を表示することもできるし、ハズレに相当する擬似ハズレを表示することもできる。擬似役表示制御が行われた際には必ず擬似レア役が表示されるのでは、擬似レア役が表示されたことによる充足感を遊技者に与えることが難しいが、このように擬似レア役が表示されないようにすることで、擬似役表示制御によって擬似レア役が表示されることにより、擬似レア役が表示されたことに対する満足感を遊技者に与えることができる。
上記の発明を実施するための形態で説明したスロットマシン1は、以下の技術思想としてあらわすことができる。なお、以下では、上記の発明を実施するための形態で記載した用語を上位概念化して記載するとともに、この「上位概念化した用語」と上記の「発明を実施するための形態に記載された用語」との対応付けを行うべく、「上位概念化した用語」に相当する上記の「発明を実施するための形態に記載された用語」を括弧内に記載している。ただし、「上位概念化した用語」に相当する上記の「発明を実施するための形態に記載された用語」を一旦括弧内に記載したのちは、重複記載を回避すべく、その後の記載において省略していることがある。
[技術思想1]
複数種類の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
所定の当選役抽選条件が成立したときに、複数の当選役に関する抽選を実行する役抽選手段と、
停止された前記複数の可動体に付された前記複数種類の図柄によって、前記役抽選手段における抽選結果としての複数の当選役のいずれかに基づく図柄組み合わせを表示させる図柄表示手段と、
前記役抽選手段による抽選結果の履歴を表示する当選役履歴表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記抽選結果の履歴として、複数の当選役のいずれかが連続して前記当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行う特典付与判定手段と、
前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の当選役への当選以外の結果である場合に、前記抽選結果の履歴を前記当選役履歴表示手段による表示から排除する当選役履歴表示排除手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機(スロットマシン1)は、複数種類の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体(リール301a,301b,301c)と、所定の当選役抽選条件が成立したときに、複数の当選役に関する抽選を実行する役抽選手段(メイン基板409)と、停止された複数の可動体に付された複数種類の図柄によって、役抽選手段における抽選結果に基づく図柄組み合わせを表示させる図柄表示手段(図柄表示窓401)と、役抽選手段による抽選結果の履歴を表示する当選役履歴表示手段(画像表示体500と、を備える。また、遊技結果の履歴として、複数の当選役のいずれかが連続して当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行う特典付与判定手段(メイン基板409、演出制御基板510)と、役抽選手段による抽選結果が複数の当選役への当選以外の結果である場合に、抽選結果の履歴を当選役履歴表示手段による表示から排除する当選役履歴表示排除手段(メイン基板409、演出制御基板510)と、を備える。
上記技術思想に係る遊技機においては、遊技結果の履歴として、複数の当選役のいずれかがが連続して当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行っている。ここで、複数の当選役のいずれかが表示された後、他の抽選結果、たとえばハズレの抽選結果が表示されると、先に表示された当選役の表示に続く所定の抽選結果の表示による当選役の抽選結果の連続表示の可能性が途絶えてしまい、遊技を止めるきっかけを与える可能性がある。
この点、上記技術思想に係る遊技機では、役抽選手段による抽選結果が複数の当選役への当選以外の結果である場合に、抽選結果の履歴を当選役履歴表示手段による表示から排除している。このため、複数の当選役のいずれかが表示された後に抽選結果がたとえばハズレであったとしても、先に表示された当選役に続いて、同じ当選役が連続して表示される可能性を残すことができる。したがって、ハズレが表示されたとしても、遊技を止めるきっかけとはなりにくくなる遊技を止めるきっかけとなることを抑制できる。したがって、遊技を止めるきっかけを与えることを抑制しうる遊技機を提供することができる。
[技術思想2]
複数種類の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
所定の当選役抽選条件が成立したときに、複数の当選役に関する抽選を実行する役抽選手段と、
を備える遊技機であって、
停止された前記複数の可動体に付された前記複数種類の図柄によって、前記役抽選手段における抽選結果としての複数の当選役のいずれかに基づく図柄組み合わせを表示させる図柄表示手段と、
前記役抽選手段よる抽選の結果と異なる特定の図柄表示条件が成立したときに、前記図柄表示手段によって前記当選役のうちの特定当選役に応じた特定図柄組み合わせを表示させる特定図柄表示手段と、
前記役抽選手段による抽選結果および前記特定図柄表示手段による前記特定図柄組み合わせの表示の履歴を表示する当選役履歴表示手段と、
前記抽選結果の履歴として、複数の当選役または前記特定図柄組み合わせの表示のいずれかが連続して前記当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行う特典付与判定手段と、
前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の当選役への当選以外または前記特定図柄組み合わせ表示以外の結果である場合に、前記抽選結果の履歴を前記当選役履歴表示手段による表示から排除する当選役履歴表示排除手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特典付与判定手段において、複数の当選役のいずれかが連続して前記当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するとした場合、当選役は役抽選手段による抽選の結果として決定されることから、当選役に当選しない場合には、所定の特典の付与に期待を持たせることができなくなる。
この点、上記技術思想2に係る遊技機では、役抽選手段よる抽選の結果と異なる特定の図柄表示条件が成立したときに、図柄表示手段によって当選役のうちの特定当選役に応じた特定図柄組み合わせを表示させている。また、抽選結果の履歴として、複数の当選役または特定図柄組み合わせの表示のいずれかが連続して当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行っている。このため、役抽選手段による抽選によって同一の抽選結果が連続しない場合でも、所定の特典の付与に期待を持たせることができる。
[技術思想3]
複数種類の図柄がそれぞれに付されている複数の可動体と、
所定の当選役抽選条件が成立したときに、複数の当選役に関する抽選を実行する役抽選手段と、
を備える遊技機であって、
停止された前記複数の可動体に付された前記複数種類の図柄によって、前記役抽選手段における抽選結果としての複数の当選役のいずれかに基づく図柄組み合わせを表示させる図柄表示手段と、
前記役抽選手段よる抽選の結果と異なる特定の図柄表示条件が成立したときに、前記図柄表示手段によって前記当選役のうちの特定当選役に応じた特定図柄組み合わせを表示させる特定図柄表示手段と、
前記役抽選手段による抽選結果および前記特定図柄表示手段による前記特定図柄組み合わせの表示の履歴を表示する当選役履歴表示手段と、
前記抽選結果の履歴として、複数の当選役または前記特定図柄組み合わせの表示のいずれかが連続して前記当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行う特典付与判定手段と、
前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の当選役への当選以外または前記特定図柄組み合わせ表示以外の結果である場合に、前記抽選結果の履歴を前記当選役履歴表示手段による表示から排除する当選役履歴表示排除手段と、
前記役抽選手段による抽選結果として結果当選役に当選した後、前記特定図柄表示手段で前記特定図柄組み合わせを表示させるにあたり、前記結果当選役の応じた特定図柄組み合わせを表示する割合を、前記結果当選役に非当選となった場合よりも高くする連続表示促進手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特定役表示手段で特定図柄組み合わせを表示させて、複数の当選役または特定図柄組み合わせの表示のいずれかが連続して当選役履歴表示手段によって表示された場合に、所定の特典を付与するか否かの判定を行うとしても、複数の特定図柄組み合わせの表示割合によっては、当選役履歴表示手段によって複数の当選役または特定図柄組み合わせの表示のいずれかが連続して表示されることに対する期待感を高めることが難しくなることが想定される。
この点、上記の技術思想3に係る遊技機においては、役抽選手段による抽選結果として結果当選役に当選した後、特定図柄表示手段で特定図柄組み合わせを表示させるにあたり、結果当選役に応じた特定図柄組み合わせを表示する割合を、結果当選役に非当選となった場合よりも高くしている。このため、当選役履歴表示手段によって複数の当選役または特定図柄組み合わせの表示のいずれかが連続して表示に対する期待感を確実に高めることができる。