JP2015000067A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の単調さ解消して、興趣の低下を抑制し得る遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン1では、内部抽選によって決定された当選役に基づいてチャンスRTへの移行抽選を実行する。また、ストック抽選に当選した場合には、その後に出目変換制御を実行し、出目変換制御によって表示されるレア小役等に基づいて、チャンスRT移行抽選を実行する。チャンスRT移行抽選に当選した場合にはチャンスRTに移行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称される。)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称される。)等の遊技機に関するものである。
パチスロ遊技機として、従来、所定のレア小役に当選し、レア小役に対応する図柄の組み合わせが表示されることを契機としてATゲームやARTゲームといった有利な遊技状態である特定遊技状態に移行させる遊技機がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−93599号公報
上記特許文献1に開示された遊技機においては、レア小役に当選してレア小役に基づく図柄組み合わせが表示されることにより、ARTゲームなどの有利遊技状態への移行が期待されるが、期待にそぐわず有利遊技状態に移行しないこともある。この場合、次にレア小役に当選してレア小役に基づく図柄組み合わせが表示されることを待つこととなるものの、レア小役の当選確率は決められている。このため、レア小役に基づく図柄組み合わせが表示されることによる有利遊技状態へ移行する期待度に変化がなく、遊技が単調となり、興趣の低下を招くおそれがあった。
そこで、本発明の課題は、遊技の単調さ解消して、興趣の低下を抑制し得る遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る遊技機は、複数の図柄が各々に付された複数の可動体と、有利度合いが異なる複数の当選役の中からいずれかを選び出す抽選を実行する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいて複数の可動体を停止制御する停止制御手段と、抽選手段の抽選結果に基づく図柄組み合わせを表示する図柄表示手段と、を備える遊技機であって、抽選手段によって有利度合いが高い強当選役が選び出され、かつ特定の条件を満たした場合に、強当選役に関する抽選結果情報を保持する抽選結果情報保持手段と、抽選結果情報を保持した情報保持ゲーム以降の情報開示ゲームにおいて、結果情報保持手段によって保持された強当選役に基づいた図柄組み合わせを図柄表示手段に表示して開示する結果情報開示手段と、特定の条件を満たす度合いが優遇される優遇期間を設定する優遇期間設定手段と、優遇期間において強当選役が選び出された場合に強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、有利遊技状態への移行に対する期待度を高め得る制御を実行可能な期待度増加手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機によれば、遊技の単調さ解消して、興趣の低下を抑制し得ることができる。
スロットマシンの分解斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図である。 スロットマシンの斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図である。 図4のZ1部拡大図である。 コネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図である。 (a)は図7のZ2部拡大図、(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図である。 図8(a)の要部を示す拡大図である。 背板側を示すスロットマシン要部の横断面図である。 ケース部材の分解斜視図である。 ケース部材を後ろから見た斜視図である。 (a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図である。 配線中継部材の分解斜視図である。 配線中継部材のカバー体を省略した正面図である。 コネクタホルダーの分解斜視図である。 コネクタホルダーの分解斜視図である。 ケース部材を止めるストッパーの斜視図である。 他の形態を示すストッパーの斜視図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図である。 ケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図である。 配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図である。 スロットマシン上部の縦断面図である。 メダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図である。 図26の分解斜視図である。 スロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図である。 電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図である。 電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図である。 他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図である。 他の形態を示す照明装置の概略断面図である。 透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図である。 透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図である。 透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図である。 ヒンジ金具の分解・組み立て斜視図である。 ヒンジ金具の連鎖を示す線図である。 扉形前面部材を示す要部の横断平面図である。 開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図である。 扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図である。 連結具を縦方向に切断した断面斜視図である。 他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図である。 図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。 機種ユニットにおいて画像表示体及び枠部材を開いた状態を示す斜視図である。 連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。 リール帯の図柄列を平面的に展開した展開図である。 図柄表示窓401部分の拡大図である。 スロットマシンに装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示す概略図である。 各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその遊技特典を示す対応表である。 各当選役と、これら各当選役に対応して成立する条件装置を示す図である。 各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図である。 図51から続く図であり、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図である。 図52から続く図であり、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図である。 スロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。 始動処理の処理手順を示すフローチャートである。 遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。 ART移行判定テーブルである。 リール停止処理の処理手順を示すフローチャートである。 判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 BBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 BBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 RBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 RBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 RTゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 RTゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 チャンスRTの進行状況を示す図である。 図66に続く進行状況を示す図である。 チャンスRTで押し順ミスを生じた場合の進行状況を示す図である。 図68に続く進行状況を示す図である。 他のチャンスRTの進行状況を示す図である。 図70に続く進行状況を示す図である。 図71に続く進行状況を示す図である。 図72に続く進行状況を示す図である。 (a)は低確率滞在時状態移行抽選テーブル、(b)は高確率滞在時状態移行抽選テーブルである。 (a)は低確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブル、(b)は高確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルである。 出目変換制御の進行状況を示す図である。 図76に続く進行状況を示す図である。 (a)はストック抽選テーブル、(b)はストック高低状態決定テーブル、(c)は再表示ゲーム抽選テーブルである。 (a)〜(c)は、いずれもフリーズ制御継続時間決定テーブルである。 1ゲームで複数回の出目変換を実行する際の進行状況を示す図である。 図80に続く進行状況を示す図である。 図81に続く進行状況を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16,図17はコネクタホルダーの分解斜視図、図18はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図19は他の形態を示すストッパーの斜視図、図20,図21はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図22は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図23はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図24は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図25はスロットマシン上部の縦断面図、図26はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図27は図26の分解斜視図、図28はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図29は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図30は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図31は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図32は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図33は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図35は透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図、図36はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図37はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図38は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図41は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図43は図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図44は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図45は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図25想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図26〜図30に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図30参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図30参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図26,図27に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図31は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図30参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図26において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図26において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストをかけずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。なお、3個のリール301a,301b,301cは、解決手段に記載の複数の可動体に相当する。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図33,図34に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図35に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図34では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図35に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図33,図34において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図33拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図34の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図33拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図33〜図35において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図35に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図34拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図35は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図35から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天板部305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天板部305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天板部305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天板部305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天板部305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天板部305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張っていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図22に示したように、天板部305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図22の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば演出制御基板510(図44参))も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図20に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図21に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図18,図23に示した揺動レバー形態のストッパー117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図18実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図18想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図19に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図23に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図24に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図24に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図44参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図44に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図36は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図36の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図37の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図37(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図40及び図41に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図39のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図40において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図40において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が上記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図41,図42に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の底板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図44参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には、図4に示したように、照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図32に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図32は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図44及び図45参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431を図7に示すベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、上記の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し上記の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグfの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図17に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,演出制御基板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し上記の実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図25想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図25に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図46に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図47参照)。
また、図柄の種類は、図46に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄(第1リール配列番号6番等、以下「赤7図柄」という)、「青で塗りつぶされている「7」図柄(第1リール配列番号17番等、以下「青7図柄」という」)、「BAR図柄」、「チェリーの図柄が施された「チェリー図柄」」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「義」と記載された図柄(以下では「義図柄」という)、「正」と記載された図柄(以下では「正図柄」という)がある。
図46において、「赤7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号3番・6番の2つ、リール帯321bにおいては配列番号12番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号10番の1つが相当する。「青7図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号16番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号3番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号15番の1つが相当する。「BAR図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号11番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号6・9番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号2番の1つが相当する。「チェリー図柄」」は、リール帯321aにおいては配列番号10番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号1番・14番・17番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号7番・14番の2つが相当する。「リプレイ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号1番・4番・7番・12番・17番の5つ、リール帯321bにおいては配列番号0番・5番・8番・11番・16番・の5つ、リール帯321cにおいては配列番号1番・5番・8番・13番・17番の5つが相当する。「ベル1図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号13番・15番・18番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号2番・7番・10番・15番・18番の5つ、リール帯321cにおいては配列番号9番・12番・16番の3つが相当する。「ベル2図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号2番・5番・8番の3つ、リール帯321cにおいては配列番号0番・4番の2つが相当する。「スイカ図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号9番・14番・19番の3つ、リール帯321bにおいては配列番号4番・13番の2つ、リール帯321cにおいては配列番号3番・6番・11番・20番の4つが相当する。「義図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号19番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。「正図柄」は、リール帯321aにおいては配列番号0番の1つ、リール帯321bにおいては配列番号20番の1つ、リール帯321cにおいては配列番号18番の1つが相当する。なお、図柄の種類は一例であって、これらの種類に限られるものではない。
[枠部材]
図47は、図柄表示窓401を含む枠部材501の部分を拡大したところを示している。図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「ベル1図柄」が表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「リプレイ図柄」が表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301cの「ベル1図柄」が表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(賭け数のこと、賭けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(賭けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(賭けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、賭けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並びが決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一して称する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ(出目)は、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄がいずれかの有効ライン上に並んでいなければ(すなわち所定の当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に並んでいなければ)、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このように、所定の当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に並んでいない場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様(すなわちハズレの図柄の組み合わせ)が表示されたと判断される。
次に、ベット数及び有効ラインについて具体的に説明する。本実施形態のスロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、通常ゲームでは、メダルを3枚投入するとゲームを実行することが可能となる。このとき、右上がりの直線型の並び及び右下がりの直線型の並びが有効ラインとなる。
なお、有効ラインは上記のような右上がりの直線型の並びや右下がりの直線型の並びに限られるものではない。さらに、本実施形態のスロットマシン1は3枚賭け専用機であるが、これに代えて、ベット数に応じて有効ライン数が変化するようにしてもよい。
本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、賭け数は3ベット(MAXベット)のみとし、有効ラインを図47の図柄表示窓401内で「BAR図柄−リプレイ図柄−義図柄」が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン623a)の2つのラインのみを有効ラインとしている。
図47の図柄表示窓401内に表示されている図柄の組み合わせは、有効ラインの一つである右下がりライン623aに表示されている「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」であり、この図柄の組み合わせは、リプレイ役(再遊技役)に対応する図柄の組み合わせであるから、次ゲームにおいて、メダルを投入することなく自動ベットされ、前回のゲームと同様のゲームを再び実行することが可能となる。なお、有効ライン上に「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されたとしても、遊技者は、いずれの役の図柄の組み合わせが表示されたのか、一見して把握し難い。しかし、有効ラインではない中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示されることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを賭けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した1枚投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されると、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。メイン基板409では、始動レバー210の操作信号を検出した場合に、内部当選役を決定するための内部抽選を行う。メイン基板409は、解決手段に記載の抽選手段に相当する。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。リール駆動モータ341a,341b,341cは、解決手段に記載の停止制御手段に相当し、リール301a,301b,301cは、解決手段に記載の図柄表示手段に相当する。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207bの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他に演出制御基板510を備えており、この演出制御基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。演出制御基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112tやリセットスイッチ112u、電源スイッチ112v等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112vは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112tはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112uはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112tとともに設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの賭け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている(図46参照)。そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(有効ライン上に表示された図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン(右上がりライン623b及び右下がりライン623a)のうち少なくともいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。このとき、右上がりライン623bと右下がりライン623aとで、別の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示された場合には、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が同時に表示されたと判断されて、それぞれの払出数を合算した数量のメダルの払い出しが行われる。すなわち、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内の有効ライン上に表示されるものとなる。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「チェリー図柄」、「リプレイ図柄」、「ベル1図柄」、「ベル2図柄」、「スイカ図柄」、「義図柄」及び「正図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」、「BAR図柄」、「義図柄」、及び「正図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が停止操作する際に、これらの図柄が図柄表示窓401内に停止されるように狙って停止操作することが容易となっている(すなわち目押しすることが容易である)。さらに「義図柄」及び「正図柄」についても、図46を見ても分かるように、「義図柄」と「正図柄」との2つの図柄で円状を形成するかたちで「正義」と読めるように互いに上下に隣接して配置されているとともに、各リール301a,301b,301cにおいて1つしか配置されていないので、目押しすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。以下に、図49に示された各当選役に対応して許容される図柄の組み合わせ態様について説明する。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、これに対応する図柄の組み合わせについて、図49、図50及び図51〜53を用いて説明する。図49は、スロットマシン1の各入賞役についての当選確率を示す図であり、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。図50は、各当選役と、これら各当選役に対応して成立する条件装置を示す図であり、予めROM1112等に格納されているものである。図51〜53は、各条件装置に対応する図柄の組み合わせ及びメダルの払出数を示す図であり、これについても予めROM1112等に格納されているものである。
本実施形態のスロットマシン1における遊技状態としては、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT、ボーナス内部中、及びボーナス中が用意されている。これらの遊技状態は、メイン基板409及び演出制御基板510によって制御されている。スロットマシン1では、一般状態またはボーナス内部中においてボーナスに入賞した場合にボーナス中に移行し、ボーナス中が終了した後、一般状態に移行する。また、一般状態の際、ART付与抽選に当選した場合に準備RTに移行し、準備RTの際に昇格リプレイに入賞した場合にチャンスRT(ART)に移行する。ARTでは、移行時にARTの継続ゲーム数が決定され、転落リプレイに入賞した場合、準RTまたは一般状態に移行する。さらに、ARTの際にゲーム数上乗せ抽選に当選した場合には、ARTの継続ゲーム数が上乗せされる。
各当選役についての当選確率は、図49に示されるように、遊技状態毎に決められている。なお、図49において「RB1」と記載されている条件装置については、「RB1+チャンス目1」、「RB1+チャンス目2」、「RB1+スイカ1」、「RB1+スイカ2」、「RB1+チェリー1」、「RB1+チェリー2」、「RB1+ベル2」があるが、これらをまとめて「RB1」と記載している。同様に、「BB2」については「BB2+チャンス目1」、「BB2+チャンス目2」、「BB2+スイカ1」、「BB2+スイカ2」、「BB2+チェリー1」、「BB2+チェリー2」、「BB2+ベル2」をまとめて「BB2」と記載している。さらに、「BB1」については「BB1+チャンス目1」、「BB1+チャンス目2」、「BB1+スイカ1」、「BB1+スイカ2」、「BB1+チェリー1」、「BB1+チェリー2」、「BB1+ベル2」をまとめて「BB1」と記載している。
そして、抽選の結果として何らかの役に当選すると、当選役に応じた条件装置が作動し、作動した条件装置に基づいた図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。本実施形態のスロットマシン1では、一の条件装置とリール制御のパターンとが1対1で対応しているので、一の当選役に対して複数のリール制御パターンを用意したい場合には、一の当選役に対して複数の条件が成立する場合もある。こうすることで、一の当選役に対して、複数パターンの停止出目(有効ライン上に表示される図柄の組み合わせ)を用意することが可能となる。ここで、有効ライン上に表示される図柄組み合わせについて、図49に示される「RB1」のうちの「RB1+ベル2」、「スイカ」、「AT1」〜「AT10」、「ALL」、「昇格リプ5+転落リプ5」を例に挙げて説明する。
「RB1+ベル2」は、RB1とベル2とが同時に重複して当選する重複役である。このとき、RB1及びベル2の両方に対応する条件装置が作動し、これらに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、ベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出され、RB1に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、後述するRB1ゲームが開始される。ただし、RB1に対応する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせの両方について有効ライン上に表示されることが許容されたとしても、ベル2に対応する図柄の組み合わせが優先して有効ライン上に表示されるようにリール停止処理が行われる。ここで、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、当選した当該ゲームに限って、有効ライン上に表示されることが許容される。一方、RB1に対応する図柄の組み合わせは、当選した当該ゲームだけに限らず、次ゲーム以降においても、RB1に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるまで継続して、有効ライン上に表示されることが許容される。
なお、重複役とは、1回の抽選機会において複数の役が同時に選び出される役であることを意味する。例えば、当選成立状態が次ゲーム以降に持ち越される持ち越し役が1ゲーム目に選び出されたもののこの持ち越し役に対応する図柄組み合わせが表示されなかった場合において、例えば2ゲーム目で第1の役が選び出されたときは、持ち越し役と第1の役との両方が当選成立している状態となるが、この場合は、互いに別の抽選機会において選び出されているから、重複役に該当しない。これとは逆に、単独役とは、1回の抽選機会において一つの役のみが選び出される役を意味する。
また、BB1、BB2、RB1及びRB2をボーナス役とし、図51〜53においてメダルの払い出しがある役(例えばチェリー、スイカ、ベル1、ベル2等)を小役とし、前回ゲームと同じゲームを実行できる役(例えば通常リプ等)をリプレイ役とし、複数の図柄組み合わせについて有効ライン上に表示されることが同時に許容されたとき、リプレイ役、小役、ボーナス役の優先順位で、これらに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるように、後述するリール停止処理が行われる。
また、「スイカ」は、スイカの単独当選役である。このとき、有効ライン上にはスイカに対応する図柄の組み合わせが表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、スイカに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば5枚のメダルが払い出される。
なお、抽選の結果、いずれかの役に当選したとしても、当該当選役に対応する図柄の組み合わせは、後述する引き込み制御を実行可能な範囲で図柄表示窓401内(すなわち有効ライン上)に停止されるように狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)が行われないと、有効ライン上に当選役に対応する図柄の組み合わせを表示させることができない。したがって、抽選の結果、いずれかの役に当選したにもかかわらず、この当選役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されなければ、後述するステップS6においてゲーム結果がハズレである旨が判定される。
「AT1」〜「AT10」は、いずれも、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合とで、賞として払い出されるメダル枚数が異なっている。
具体的には、「AT1」及び「AT2」についての適正な押し順は、「左→中→右」(以下「順押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、作動している条件装置のうち小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。そして、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出される。なお、小物17の図柄組み合わせを構成する図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるときには、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ず、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。
また、すべての押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1の有効ライン上に賞として1枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「1枚払出図柄組み合わせ」という)が表示され、他の有効ライン上に賞として2枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「2枚払出図柄組み合わせ」という)が表示される。すべての押し順が不適正な押し順としては、例えば「AT1」及び「AT2」の場合には、「右→左→中」、「中→右→左」となる。ただし、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
すなわち、抽選の結果が「AT1」又は「AT2」であるとき、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作される限り必ずベル1の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせが各有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。
なお、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合における上記の「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT1」であるときと「AT2」であるときとで異なっている。より具体的には、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「不適正なタイミング」となり、抽選の結果が「AT1」であるときにおける「不適正なタイミング」は、抽選の結果が「AT2」であるときにおける「適正なタイミング」となる。
さらに、一部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1の有効ライン上に2枚払出図柄組み合わせ(以下「2枚払出図柄組み合わせ」という)が表示され、他の有効ライン上に賞として4枚のメダルが払い出される図柄の組み合わせ(以下「4枚払出図柄組み合わせ」という)が表示される。一部の押し順が不適正な押し順としては、例えば「AT1」及び「AT2」の場合には、「左→右→中」、「左→中→右」、「中→右→左」となる。ただし、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、ハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。このとき、賞としてのメダルは払い出されない。
また、「AT3」及び「AT4」についての適正な押し順は「左→右→中」(以下「はさみ押し」と称する)であり、「AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中→左→右」又は「中→右→左」(以下これらを「中押し」と称する)であり、「AT7」及び「AT8」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆押し」と称する)であり、「AT9」及び「AT10」についての適正な押し順は「右→左→中」(以下「逆はさみ押し」と称する)である。そして、この適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。ただし、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせ、あるいは2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが各有効ライン上に表示され、不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されるとハズレの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることとなる。ここで、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における「適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となり、抽選の結果が「AT3」、「AT5」、「AT7」及び「AT9」である場合における「不適正なタイミング」は、それぞれ、抽選の結果が「AT4」、「AT6」、「AT8」及び「AT10」である場合における「不適正なタイミング」となる。
なお、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるときに、不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作され、さらに不適正なタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されたことによって有効ライン上に表示されたハズレの図柄組み合わせは、この実施形態において「ベルこぼ目」と称する。また、「AT5」及び「AT6」についての適正な押し順は「中→左→右」又は「中→右→左」であり、すべての押し順が不適正な押し順は存在せず、「中→左→右」又は「中→右→左」以外の押し順は、一部の押し順が不適正な押し順となる。
「ALL」は、ボーナスゲーム中に限って抽選対象となる役であり、抽選の結果が「ALL」であるとき、いかなる押し順で且ついかなるタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合であっても、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることが許容され、これに基づいて、後述するステップS5のリール停止処理が行われる。上述したとおり、小物17の図柄組み合わせを構成する図柄は、リールの引き込み制御を実行可能な範囲内に配置されているので、抽選の結果が「ALL」であるときには、常に、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。そして、小物17の図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、賞として例えば9枚のメダルが払い出される。
「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」は、いずれも、昇格リプレイと転落リプレイとが同時に重複して当選する役であり、一般状態、ボーナス内部中、及びボーナス中では抽選対象とならず、準備RT、準RT、およびチャンスRTであるときに限り、抽選対象とされる。「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」に当選したとき、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合と、各々に決められた適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されなかった場合とで入賞する役が異なっている。
ここで、ボーナス役(BB1、BB2、RB1、RB2)、リプレイ役(再遊技役とも呼ばれる)、小役(ベル役(ベル1、ベル2)、チェリー役(チェリー1、チェリー2)、スイカ役、AT専用役、ALL役、ボーナスゲーム専用役)、シングルボーナス役(SB1、SB2、SB3)について説明する。
[ボーナス役]
本実施形態のスロットマシン1では、BB1、BB2、RB1又はRB2といったボーナス役に当選し、これらいずれかの役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム又はRB2ゲームといったボーナスゲームが実行される。このボーナスゲームは、複数ゲームにわたって、遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられるゲームである。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものは、図50に示されるように、BB1ゲーム及びBB2ゲームだけである。
また、スロットマシン1では、右上がりライン623b及び右下がりライン623aのうち少なくともいずれかの有効ラインに、作動した条件装置に対応する図柄組み合わせ(図50に示された図柄組み合わせ)が停止すると、1回のゲーム結果として、有効ラインに停止した図柄組み合わせに応じた賞が付与される。ただしこの場合、右上がりライン623b及び右下がりライン623aといった二つの有効ラインに、同時に重複して二つの当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合には、この二つの図柄の組み合わせに応じたメダルが賞として払い出される。なお、本実施形態のスロットマシン1では有効ラインの数が二つであるが、有効ラインの数を三つ以上とし、この三つの有効ラインに、同時に重複して三つ以上の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に、この三つ以上の図柄の組み合わせに応じたメダルが賞として払い出されるようにしてもよい。ただし、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。
なお、本実施形態のスロットマシン1には、上述したとおり、SB1、SB2及びSB3といったシングルボーナス役も用意されている。このシングルボーナス役に当選すると、次ゲームに限り、当選したSB役に応じて、図49に示されるSB中に制御されるとともに、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のいずれかであるときに適正な押し順が遊技者に教えられるATゲームの上乗せ抽選が行われる。
[リプレイ役]
本実施形態のスロットマシン1には、リプレイ役(再遊技役ともいう)として、通常リプレイ(図49では「通常リプ」と記載)、昇格リプレイ1〜5(図49では「昇格リプ1」〜「昇格リプ5」と記載)、及び転落リプレイ1〜5(図49では「転落リプ1」〜「転落リプ5」と記載)とが用意されている。このリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図53に示されるとおりである。そして、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、リプレイの図柄組み合わせが揃ったと判定される。なお、上記のリプレイ役のうち、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせは、図49を見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段ラインに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示されることで、遊技者は、リプレイに入賞したことを把握することが可能となる。なお、昇格リプレイに対応する図柄の組み合わせとしては、右上がりライン623aに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄の組み合せが表示される。さらに、転落リプレイに対応する図柄の組み合わせとしては、右上がりライン623aに「リプレイ図柄−リプレイ図柄−スイカ図柄/青7図柄」の図柄の組み合せ、または右上がりライン623aに「赤7図柄/青7図柄/スイカ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が表示される。
リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、リプレイの図柄組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを、再遊技として実行できる。なお、リプレイの図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたとしても、賞としてのメダルは払い出されない。
このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを賭ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、一般状態において、概ね6〜7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄と、同じくリプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成する図柄との間に配置される他の図柄(リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を構成しない図柄)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ役に対応する図柄の組み合わせ態様を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。
なお、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、通常リプレイに対応する図柄の組み合わせが表示されたゲームと同じゲームを再遊技として実行できるだけである。また、準備RTまたは準RTの際に昇格リプレイ1〜5に基づいた図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、チャンスRTへ移行する契機として機能している。さらに、チャンスRTの際に転落リプレイ1〜5に基づいた図柄の組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、準RTまたは一般状態へ移行する契機として機能している。
[ベル役]
本実施形態のスロットマシン1には、ベル役として、上述したとおり、「ベル1」と「ベル2」とが用意されている。このベル役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、ベル役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、ベル役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば9枚)が払い出される。なお、ベル2に対応する図柄の組み合わせは、図49を見ても分かるように遊技者がすぐに把握し難いものであるが、有効ラインではないものの中段ラインに「ベル1図柄orベル2図柄−ベル1図柄−ベル1図柄orベル2図柄」の組み合せが表示されることで、遊技者は、ベル2に入賞したことを把握することが可能となる。なお、ベル1図柄とベル2図柄とは形態に若干違いがあるものの、ベルといった同じ観念を遊技者に生じさせる点で両図柄は共通する。
ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、規定枚数(例えば9枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。このように、ベル1又はベル2に対応する図柄の組み合わせは、ゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする。ただし、ベル1に対応する図柄の組み合わせ又はベル2に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となる。なお、ベル1に対応する図柄の組み合わせ及びベル2に対応する図柄の組み合わせを構成する図柄は、目押しすることなく有効ライン上に表示することができるように、各リール上に配置されている。
[チェリー役]
本実施形態のスロットマシン1には、チェリー役として、上述したとおり、「チェリー1」と「チェリー2」とが用意されている。このチェリー役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。そして、チェリー役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、チェリー役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば2枚)が払い出される。
[スイカ役]
スイカ役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。このスイカ役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、スイカ役の図柄組み合わせが揃ったと判定され、賞としてのメダル(例えば5枚)が払い出される。
[AT専用役]
本実施形態のスロットマシン1には、AT専用役として、上述したとおり、「AT1」〜「AT10」が用意されている。これらAT専用役に対応する図柄の組み合わせ態様は、図51〜53に示されるとおりである。すなわち、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであって且つ適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されると、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示される。ただし、抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであったとしても、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されず、すべての押し順が不適正な押し順および適正なタイミングで操作された場合には、1枚払出図柄組み合わせ及び2枚払出図柄組み合わせが2ラインにそれぞれ表示される。また、一部の押し順が不適正な押し順および適正なタイミングで操作された場合には、2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが2ラインにそれぞれ表示されることとなる。
[ALL役]
ALL役に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりである。ただし、いかなる押し順で且ついかなるタイミングでリール停止ボタン211a〜211cが操作されたとしても、作動した条件装置のうち小物17に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されるように、リール制御される。
[ボーナスゲーム専用役]
さらに、ボーナスゲーム中(BB1ゲーム中、BB2ゲーム中、RB1ゲーム中及びRB2ゲーム中)にのみ有効となる当選役としてボーナスゲーム専用役がある。このボーナスゲーム専用役は、図49の「ロゴ」に相当し、これらに対応する図柄(ボーナスゲーム専用役図柄)の組み合わせは、図49に示されるとおりである。
ボーナスゲーム中にボーナスゲーム専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば10枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ボーナスゲーム専用役図柄が揃うと10枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。そして、ボーナスゲーム中はこのボーナスゲーム専用役を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、ボーナスゲーム専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄は、目押しを行うことなく有効ライン上に揃えることができるものとなっている。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスゲームにおいて、上記ボーナスゲーム専用役とALL役とが抽選対象とされているが、これらとは異なる当選役を設けてもよい。さらには、ボーナスゲーム専用役のようなボーナスゲーム中限定の当選役を設けずに、ベル役やスイカ役を代わりに用いるものとしてもよい。この場合、一般状態中とボーナスゲーム中とで、メダルの払い出し枚数を変えるようにしてもよい。
[ハズレ]
図51〜53に示された図柄の組み合わせのいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない役であるともいえる。また、一般状態の際にハズレとなった場合には、その一部、具体的には、2/37263の割合で確定役となる。確定役の図柄組み合わせは、ハズレと同一の手順で決定される。この確定役となった場合には、後に説明するチャンスRT移行抽選の当選確率が高くされる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図54は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により賭け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの賭け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、本実施形態のスロットマシン1は、3枚のメダルを投入することによってゲームの実行が可能となる3枚賭け専用機である。したがって、1枚投入ボタン205を備えていなくてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、リール301a,301b,301cの停止操作が行われたときに、該当する当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止することが許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において、「バー図柄−リプレイ図柄−正図柄」が表示されているライン(すなわち右上がりライン)623bと、「ベル1図柄−リプレイ図柄−ベル1図柄」が表示されているライン(すなわち右下がりライン623a)の2つのラインのみを有効ラインとして全てのリール301a,301b,301cが停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBB1、BB2、RB1、RB2、SB1、SB2、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更(図49に示される遊技状態の変更)や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の外部操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図55は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。本実施形態のスロットマシン1は、3枚賭け専用機であり、3枚のメダルが投入されると、右上がりライン623bと、右下がりライン623aの2つのラインが有効ラインとなり、これを示す有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次に、ステップS106では、出目変換制御処理を行う。出目変換制御処理では、フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、フリーズフラグがセットされていると判定したときに、フリーズタイマをセットしてスタートさせる。フリーズタイマがカウントされている間にフリーズ制御が実行され、このフリーズ制御が実行されている間に出目変換制御処理が実行される。その後、ステップS107に移る。出目変換制御処理の詳細については、後にさらに説明する。また、フリーズフラグがセットされていないと判定したときには、フリーズタイマをセットすることなくステップS107に移る。
ステップS107では、始動レバー210の操作があると、この始動レバー210の操作に基づいて乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS108に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS108では、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかの当たり判定(乱数値の照合)を行う。この当たり判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に対応する条件装置をON(=1)にする(図50を参照)。なお、抽出された乱数値と当たり判定テーブルとを照合して行われる当たり判定における各当選役についての当選確率は、図49に示されるとおりである。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、準備RTフラグ、準RTフラグ、チャンスRTフラグ、ボーナス内部中フラグ、ボーナス中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に一般状態中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS108にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、いずれの条件装置も作動させない(図50を参照)。ここで、いずれかの条件装置がONになっているとき(成立しているとき)には、その成立している条件装置に対応する図柄組み合わせを揃えることが可能となる。各条件装置に対応する図柄組み合わせは、図51〜53に示されるとおりである。従って、いずれの条件装置も成立していないハズレである場合は、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせも、有効ライン上に揃えることができないことになる。上記のステップS107及びステップS108はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行ってものであり、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図54のステップS3)に相当する。
次のステップS109では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS110に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS110では、出目変換制御処理にてスタートさせたフリーズタイマがタイムアップしたか否かを判定する。なお、フリーズタイマがタイムアップとなる時間は、後に説明するフリーズ時間決定処理によって決定される、このフリーズタイマがタイムアップするまでの間に、出目変換制御が実行される。また、この判定はフリーズタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS111では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS112では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。ここで該当当選役が許容されると、該当当選役に対応する条件装置を作動させて、この作動した条件装置の情報は、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を、便宜上、0から59999までとしているが、これに限られないことはいうまでもない。この乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(本実施形態のスロットマシン1では0から59999)内の乱数値のうち、RB2に対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「RB2に当選した」ということになり、RB2の条件装置が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びRB2に対応する乱数値から、RB2の当選確率(RB2が内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(RB2)でいえば、
〔 RB2に対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、2/60000となり、RB2の当選確率は1/30000であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(RB2)では、抽出範囲内の乱数値「1」がRB2に対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、所定役の当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、この所定役の当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「所定役に当選した」ということになる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、一の当選役のみに当選する単独役(例えばRB2、ベル1、ベル2等)の他に、複数の当選役が同時に当選する重複役(例えば「RB1+ベル2」、「BB2+ベル1」等)が用意されている。したがって、このような重複役については、重複役の当たり値についても、上記の当たり値に含まれる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
ところで、単独役とは、1つの抽出乱数値に対して1つの当選役が対応するものであり、重複役とは、1つの抽出乱数値に対して、複数(この場合2つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出された乱数値が重複役の当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。例えば、抽出された乱数値が図49に示された「昇格リプ5+転落リプ5」に該当する当たり値に該当する場合、前述したフラグ処理(図55のステップS107参照)にて、図50に示されるように、昇格リプ5に対応する条件装置及び転落リプ5に対応する条件装置を同時に成立させるということである。
また、図49によれば、ボーナス中は、ALL役とボーナスゲーム専用役(ロゴ)の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている。従って、ボーナスゲームが実行されると、このボーナスゲームが実行されている期間内に多量のメダルが払い出されることとなる。
[遊技状態の遷移]
図56は、メイン基板409に搭載されたCPU1110により実行される遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。
先ず、BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲームなどのボーナスゲーム(BG)中であるか否かが判定され(ステップS151)、ボーナスゲーム中であると判定されたときにボーナスゲームが終了したか否か(BGE)を判定する(ステップS152)。ここで、ボーナスゲームが終了したと判定すると(ステップS152におけるYES)、ボーナスゲームまたはボーナス内部中に移行する前の遊技状態、例えば一般状態(GGC)に移行される(ステップS153)。ボーナスゲームが終了していないと判定した場合には、ボーナスゲームが終了するまでこの判定をループする。
ステップS151においてボーナスゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲーム)中でないと判定されると(ステップS151におけるNO)、ボーナス内部(BI)中であるか否かが判定される(ステップS154)。すなわち、内部抽選においてボーナス役(BB1、BB2、RB1、RB2)に当選すると、ボーナス役に対応する条件装置が作動するが、このボーナス役に対応する条件装置は、内部抽選に当選したゲームにおいてボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されなかったとしても、次ゲーム以降においても、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されるまで継続して作動する。そして、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されたと判定される(BG)と(ステップS155におけるYES)、ボーナス中に移行し(ステップS156)、ボーナスゲーム(BG)が実行される。
ステップS154においてボーナス内部中でないと判定されると(ステップS154におけるNO)、準備RT(PRT)または準RT(SRT)であるか否かが判定される(ステップS157)。準備RTまたは準RTであると判定されたときには(ステップS157におけるYES)、昇格リプレイ(PRP)に入賞したか否かが判定される(ステップS158)。
ここで、昇格リプレイに入賞したと判定されると(ステップS158におけるYES)、チャンスRT(CRT)に移行される(SステップS159)。また、昇格リプレイに入賞していないと判定されると(ステップS158におけるNO)、転落リプレイに入賞したか否か(DRP)が判定される(ステップS160)。転落リプレイに入賞したと判定された場合は(ステップS160におけるYES)、遊技状態を一般状態(GGC)に移行させる(ステップS161)。また、転落リプレイに入賞していないと判定された場合は(ステップS160におけるNO)、ステップS158に戻り、昇格リプレイまたは転落リプレイに入賞するまでステップS158、ステップS160の判定をループする。
ステップS157において準備RTまたは準RTでないと判定されると(ステップS157におけるNO)、チャンスRT(CRT)であるか否かが判定される(S162)。チャンスRTであると判定されたときには(ステップS162におけるYES)、転落リプレイ(DRP)に入賞したか否かが判定される(ステップS163)。
転落リプレイに入賞したと判定されると(ステップS163におけるYES)、転落リプレイに入賞したゲームにおいて、適正な押し順が教示(NAVI)されていたか否かが判定される(ステップS164)。適正な押し順が教示されていたと判定されると(ステップS164におけるYES)、準RT(SRT)に移行する(ステップS165)。その一方、適正な押し順が教示されていないと判定されると(ステップS164におけるNO)、一般状態(GGC)に移行される(ステップS166)。また、転落リプレイに入賞していないと判定されると(ステップS163におけるNO)、転落リプレイに入賞したと判定されるまで、ステップS163をループする。
ステップS162においてチャンスRTでないと判定されると(ステップS162におけるNO)、遊技状態が一般状態にあることとなる。このとき、ART付与抽選に当選した(ARTGL)か否かを判定する(ステップS167)。ART付与抽選は、図57に示すように、チェリー2(強チェリー),チェリー1(弱チェリー)、スイカ、確定役といったいわゆる小役に当選した場合に実行される抽選である。各小役に当選した場合、図57に示す割合でART付与抽選に当選する。また、ART付与抽選は、出目変換制御で各小役等が表示された場合等にも実行される。ART付与抽選については、後にさらに説明する。ART付与抽選に当選した場合には(ステップS167におけるYES)、準備RTに遊技状態が移行する(ステップS168)。また、ART付与抽選に当選していない場合には(ステップS167におけるNO)、一般状態が維持される。
なお、一般状態では、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、一般状態は、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。また、準備RT及び準RTでは、一般状態と同様に、一定期間にわたってゲームを実行したときに、この一定期間内に、ゲームの結果として払い出されるメダル枚数よりも遊技者がゲームを実行するために賭けるメダル枚数の方が多くなる。すなわち、準備RT及び準RTは、一般状態と同様に、遊技者がゲームを実行すると、それに伴ってメダル枚数が減少していく遊技状態である。
さらに、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT、ボーナス内部中及びボーナス中の各遊技状態における内部抽選において、各入賞役が当選する確率は、図49に示されるとおりである。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、上述したとおり、メイン基板409から内部抽選の結果情報が情報コマンドとして演出制御基板510のCPU1118に向けて出力される。メイン基板409から出力された内部抽選の結果情報を受信した演出制御基板510のCPU1118は、この結果情報に基づいて、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた演出を実行する手段を備える。例えば、準備RT、準RT、チャンスRTでは、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであるとき、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順が、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた演出のナビゲートによって教示される。この適正な押し順のナビゲート(以下「押し順ナビ」という)については,後に詳しく説明する。また、押し順ナビについては、例えば一般状態やボーナスゲーム中には行われない。したがって、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちのいずれかであるとき、一般状態に制御されているときよりもチャンスRTに制御されているときの方が、「AT1」〜「AT10」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させることが遊技者にとって容易となる。この点で、チャンスRTは、一般状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されることを、上記の特定条件としている。具体的には、昇格リプレイ1〜5と転落リプレイ1〜5との重複役が内部抽選にて選び出された場合には、「左→中→右」の順押し、「左→右→中」のはさみ押し、「中→左→右」または「中→右→左」の中押し、「右→左→中」の逆押し、及び、「右→左→中」の逆はさみ押しの5通りの押し順のうち、いずれか一の押し順が適正な押し順に決定される。この場合、適正な押し順とは異なるが、一部の押し順が適正な押し順と共通する一部の押し順が不適正な押し順が2通り決められ、全部の押し順が不適正な押し順が2通りに決められる。ただし、中押しの場合には、適正な押し順が「中→左→右」または「中→右→左」の2通りあるので、中押しの場合の一部の押し順が不適正な押し順は、「中→左→右」の押し順を基準として定められる。その結果、一部の押し順が不適正な押し順が2通り決められ、全部の押し順が不適正な押し順が2通りに決められる。そして、適正な押し順または一部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、昇格リプレイ1〜5のいずれかに入賞する。さらに、全部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作された場合には、転落リプレイ1〜5のいずれかに入賞する。
なお、転落リプレイ役と通常リプレイ役との重複役が内部抽選にて選び出された場合には、上記5通りの押し順のうちいずれか一の押し順に決定されるようにしたが、決定される押し順の通り数は1に限られず、2以上の通り数であってもよい。
また、昇格リプレイに入賞させるための手順は、適正な押し順でリール停止ボタン211a〜211cが操作されることに限られないことは言うまでもない。例えば、三つのリール301a〜301cのうち少なくとも一のリール又は全てのリールが適正なタイミングで停止されるように、リール停止ボタン211a〜211cが停止操作されたこととしてもよい。
本実施形態のスロットマシン1は、上述したとおり、遊技状態として、一般状態のほか、準備RT、準RT、及びチャンスRTゲームが設けられている。以下に、これらのRTゲームについて説明する。
[準備RT]
準備RTとは、一般状態において所定のART付与抽選に当選した場合に移行する遊技状態であり、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。また、準備RT中は、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ5のいずれかに当選した場合に、チャンスRTに移行する。また、準備RT中に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
[準RT]
準RTとは、チャンスRTにおいて転落リプレイに入賞した場合に移行する遊技状態であり、チャンスRT以外の遊技状態から準RTに移行することはないものである。また、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。さらに、準RT中は、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ5のいずれかに当選した場合に、チャンスRTに移行する。準RTは、準備RTと比較して、リプレイの当選確率は同一とされているものの、昇格リプレイ1〜5の当選確率は高く設定されている。このため、準RTは、準備RTよりもチャンスRTへの移行しやすくなっている。また、一般状態では、準備RTを経てチャンスRTに移行するものであり、準備RT及び準RTは、一般状態よりもチャンスRTへ移行しやすくなっている。また、準RT中に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
[チャンスRT]
チャンスRTとは、チャンスRTが開始されてから継続ゲーム数が0となるまでのゲーム期間におけるゲームであり、このチャンスRTでは、図49を見ても分かるように、リプレイの当選確率が一般状態に比べて当選しやすくされている。さらに、チャンスRT中に「AT1」〜「AT10」のいずれかに当選すると、適正な押し順を教示する押し順ナビが実行され、実行された押し順ナビにしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、容易に9枚の払出が行わせる図柄組み合わせを表示させることができる。
また、チャンスRTが開始されるときに、チャンスRTの継続ゲーム数が決定される。チャンスRTでは、継続ゲーム数が0となる以前に転落リプレイに当選することにより、準RTに移行し、継続ゲーム数が0となった後に転落リプレイに当選することにより一般状態に移行する。継続ゲーム数が0となる以前では、準RTへの移行を避けるべく、転落リプレイが入賞することを回避するために、演出制御基板510のCPU1118により、例えば画像表示体500又は/及びスピーカ512を用いた押し順ナビの演出が実行される。すなわち、内部抽選の結果が「AT1」〜「AT10」のうちいずれかであるときに、転落リプレイが入賞しないように、適正な押し順でのリール停止ボタン211a〜211cの操作を促す演出、又は、適正なタイミングでのリール停止ボタン211a〜211cの操作を促すが実行される。押し順ナビにしたがったリール停止ボタン211a〜211cの操作が実行されることによって、継続ゲーム数の間、転落リプレイの入賞を回避してチャンスRTを継続させることが可能となる。
そして、継続ゲーム数が消化されると、押し順ナビの演出が実行されなくなる。その後、「昇格リプ+転落リプ」の条件装置が作動した場合には、遊技者の勘によって適正な押し順または押し順の一部が不適正な押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cを操作することにより、チャンスRTから一般状態への転落(移行)を回避できる。しかしながら、勘が外れて全部の押し順が不適正な押し順でリール停止ボタン211a,211b,211cを操作してしまった場合に、遊技状態がチャンスRTから一般状態に転落する。
また、チャンスRT中は、遊技者に向けてその遊技状態がチャンスRT中であることを認識(識別)できる態様にて実行させる。具体的には、チャンスRT中であることの表示(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ512等による)により識別可能なものとする。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から6までの6段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6、というように設定値が高くなるほどボーナス当選役やチャンスRT(ART)への移行確率が優遇されるようにするとよい。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBB1の当選確率が高く決められているのでBB1に当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図58では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果に対応して作動した条件装置にしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての条件装置に1対1で対応するパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて成立している条件装置に基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「はさみ押し」、「逆押し」、「逆はさみ押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させ、続いて中リール301bを第2番目に停止させ、最後に右リール301cを第3番目に停止させる操作手順をいう。また、「はさみ押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させ、続いて右リール301cを第2番目に停止させ、最後に中リール301bを第3番目に停止させる操作手順をいう。なお、「順押し」と「はさみ押し」とをまとめて「順押し」と表す場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させ、続いて中リール301bを第2番目に停止させ、最後に左リール301aを第3番目に停止させる操作手順をいう。また、「逆はさみ押し」の停止操作手順とは、右リール301cを第1番目に停止させ、続いて左リール301aを第2番目に停止させ、最後に中リール301bを第3番目に停止させる操作手順をいう。なお、「逆押し」と「逆はさみ押し」とをまとめて「逆押し」と表す場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、作動している条件装置に対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右上がりラインと右下がりラインとの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、作動している条件装置に対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等に対応する条件装置が作動している場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図46参照)。これは、リプレイ役、ベル1、ベル2、ALL役等のそれぞれに対応する図柄組み合わせを構成する図柄については、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである。
なお、リプレイ図柄についてさらに着目すると、左リール301a上では、リプレイ図柄からリプレイ図柄までのあいだに他の図柄が最大で4個分配置されている(図46参照)。これにより、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられても、リプレイ役に対応する条件装置が作動している限り、必ずリプレイ図柄を有効ライン上のいずれかに引き込んで停止させることができる。
また、内部抽選の結果がボーナス役と小役との重複役である場合は、ボーナス図柄よりも小役を優先的に引き込むものとしている。ボーナス役と小役との重複役に当選した場合、この当選したゲームにおいては小役に対応する図柄組み合わせが表示されたとしても、次ゲーム以降においてボーナス役に対応する図柄組み合わせが表示されるからである。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図59では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301及びS302では、それぞれ、RBゲーム中(RB中)であるか、BBゲーム中(BB中)であるかを判定する。これはRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS302の判定が満たされ、ステップS370に移る。RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301及びS302の判定がいずれも満たされず、ステップS303に移る。
ステップS303で、RTゲーム終了判定処理(RTEP、詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310,S320,S340,S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているか(BBPD)を判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」または「青7図柄−青7図柄−青7図柄」)が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する(BBSP)。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているか(RBPD)を判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄(「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「青7図柄−青7図柄−赤7図柄」)が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する(RBSP)。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているか(RPPD)を判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する(RPGP)。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして(RPHF←0)処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているか(SFPD)を判定する。いずれかの小役に当選した場合、この判定が満たされ、次のステップS351に移る。
次のステップS351では、RTゲーム開始処理を行う(RTSP)。RTゲーム開始処理では、当選した小役が当選した小役に基づいて実行されるART付与抽選の結果を参照し、ART付与抽選に当選している場合にはRTゲームを開始し、ART付与抽選に当選していない場合にはRTゲームを開始しない処理を行う。
次のステップS352では、いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合に、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして(SFHF←0)処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S320,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する(MIP)。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
上記のステップS303からステップS360までの処理は、一般状態、準備RT、準RT、及びチャンスRTの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム(BB1ゲーム、BB2ゲーム)及びRBゲーム(RB1ゲーム、RB2ゲーム)の場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているか(BB中OP)を判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ALL役及びボーナスゲーム専用役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理(BBEP)を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする(CIEF←0)。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているか(RB中OP)を判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称であり、本実施形態では、「BBゲーム時払出役」と同じである。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(MOP、メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理(RBEP)を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図59のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図60を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BB1フラグ、BB2フラグといったBBフラグ(BBF)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグ(BBGF)をON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする(BB中ACCC)。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の賭け数3ベット(3枚賭け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理(ER処理)を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図59のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図61を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図59のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する(BB中ACCUP)。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚(BB2の場合は200枚)を超えたかを判定する(AAC>TH)。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(BB中APCS)。このステップでは、払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグ(BBGF)をOFF(=0)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図59のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図62を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RB1フラグ、RB2フラグといったRBフラグ(RBF)がON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグ(RBGF)をON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウント(RB中ACCC)をクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の賭け数3ベット(3枚賭け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理(ER処理)を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図59のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図63を用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図59のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算(RB中ACCUP)する。
次にステップS552では、累計払出枚数(AAC)が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(RB中APCS)。このステップでは、払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグ(RBGF)をOFF(=0)にして処理を終了する。
[RTゲーム開始処理]
次に、前述の図59のステップS351のRTゲーム開始処理について説明する。RTゲームは、準備RT、準RT、またはチャンスRTにおいて実行されるゲームであり、一般状態においてART付与抽選に当選した場合に実行される。一般状態においてART付与抽選に当選すると、準備RTに移行する。また、準備RT中または準RT中に昇格リプレイに入賞するとチャンスRTに移行する。さらに、チャンスRT中に、押し順ナビが実行された状態で転落リプレイに入賞すると準RTに移行し、押し順ナビが実行されない状態で転落リプレイに入賞すると一般状態に移行する。
一般状態においてART付与抽選に1回当選すると、1セットのチャンスRTゲームが実行される。また、チャンスRTゲーム中にゲーム数上乗せ抽選が行われると、このゲーム数上乗せ抽選に当選する毎に、別途決定される継続ゲーム数が上乗せされていく。さらに、チャンスRTゲーム中にセット数上乗せ抽選が行われると、このセット数上乗せ抽選に当選する毎に、別途決定されるセット数が上乗せされていく。そして、この上乗せされた継続ゲーム数のチャンスRTゲームが全て消化されるまで、チャンスRTゲームが継続することとなる。以下、RTゲーム開始処理について、図64を用いて詳細に説明する。
まず、ステップS801において、遊技状態が一般状態(GGC)か否かを判定する。遊技状態が一般状態であると判定されると、ステップS802では、ART付与抽選(ARTGL)に当選したかを判定する。ここで、ART付与抽選に当選していないと判定されると、そのまま処理が終了となる。一方、ART付与抽選に当選したと判定されると、ステップS804において準備RTフラグ(SRTF)をON(=1)にする。
また、ステップS801において、一般状態でないと判定されると(ステップS801におけるNO)、遊技状態が準備RTまたは準RTであるか否かが判定される(ステップS810)。遊技状態が準備RTまたは準RTであるかと判定されると(ステップS810におけるYES)、昇格リプ(PRP)に入賞したか否かを判定する(ステップS811)。
ここで、昇格リプに入賞していないと判定されると(ステップS811におけるNO)、そのまま処理が終了となる。また、昇格リプに入賞したと判定されると(ステップS811におけるYES)、チャンスRTフラグ(CRTF)をON(=1)にし(ステップS813)、準備RTフラグ(PRTF)及び準RTフラグ(SRTF)をOFF(=0)にする。その後、チャンスRTの継続ゲーム数(CRTN)を「50回」にセットして(ステップS817)、処理が終了となる。
さらに、ステップS810において、準備RTまたは準RTでないと判定されると(ステップS810におけるNO)、チャンスRTであることとなる(ステップS820)。この場合、ゲーム数上乗せ抽選(GNU)に当選したか否かが判定される(ステップS821)。ゲーム数上乗せ抽選に当選したと判定されると、上乗せするゲーム数(α)を決定して、そのゲーム数をチャンスRTの継続ゲーム回数に加算する(ステップS823)。また、ゲーム数上乗せ抽選の代わりにセット数上乗せ抽選が行われる場合もある。このセット数上乗せ抽選に当選した場合には、チャンスRTゲームのセット数が上乗せされる。その後、処理が終了となる。一方、ステップS821において、ゲーム数上乗せ抽選に当選していないと判定されると(ステップS821におけるNO)、そのまま処理が終了となる。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図65を用いて詳細に説明する。前述の図59の判定処理において、準備RT、準RT、及びチャンスRT中に、RTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、チャンスRTフラグ(CRTF)がON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされると、次のステップS902では、チャンスRTの継続ゲーム数(ARTN)を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、転落リプレイに入賞したか否かを判定する。転落リプレイに入賞していない場合、処理は終了となる。一方、転落リプレイに入賞したと判定されると、転落リプレイに入賞したゲームにおいて、適正な押し順が教示(NAVI)されていたか否かが判定される(ステップS906)。適正な押し順が教示されていたと判定されると(ステップS906におけるYES)、いわゆる押し準ミスが発生していることとなるため、準RTフラグ(SRTF)をON(=1)にする。その後、チャンスRTフラグをOFF(=0)にして、処理を終了する(ステップS910)。
また、ステップS906において、適正な押し順が教示されていないと判定されると(ステップS906におけるNO)、チャンスRTの継続ゲーム数が消化しており、押し順ナビが発生していないこととなる。この場合には、一般状態に移行させるため、そのままチャンスRTフラグをOFF(=0)にして、処理を終了す(ステップS910)。
さらに、ステップS901において、チャンスRTフラグがONとなっていないと判定されると、準備RTフラグ(PRTF)または準RTフラグ(SRTF)がON(=1)となっているか否かを判定する(ステップS912)。準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていと判断されたら、処理を終了する。
準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていると判定されると、転落リプレイに入賞したか否かを判定する(S914)。ここで、転落リプレイに入賞していると判定されたら、準備RTフラグおよび準RTフラグをOFF(=0)にする。こうして、遊技状態を一般状態に移行させて処理を終了する。さらに、準備RTフラグまたは準RTフラグがON(=1)となっていると判定されると、処理は終了となり、RT状態が維持される。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。さらに、単発演出態様には、適正な押し順を教示する押し順ナビがある。押し順ナビでは、適正なタイミングを教示する場合もある。
[示唆演出]
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
[告知演出]
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
[押し順ナビ]
チャンスRT(ART)中、「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合、押し順ナビの演出を実行する。また、「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」のいずれかの当選役に重複当選した場合にも、押し順ナビの演出を実行する。「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合に、押し順ナビの演出にしたがってリール停止ボタン211a〜211cを適正な押し順で操作すると、9枚のメダルが払い出される。
「AT1」〜「AT10」のいずれかの当選役に当選した場合の流れについて、例えば、「AT1」の当選役に当選した場合の演出について説明する。「AT1」の当選役に当選した場合、図66(a)に模式的に示すように、画像表示体500に適正な押し順に対応する順番を表示する。具体的に、適正な押し順は「左→中→右」であるので、画像表示体500には、左側には、「1」の数字を表す左装飾文字LLが表示され、中央には、「2」の数字を表す中装飾文字LC、右側には、「3」の文字を表す右装飾文字LRが表示される。
続いて、押し順ナビにしたがって左リール停止ボタン211aが操作されると、図66(b)に示すように、左リール301aが停止し、左装飾文字LLが消去される。さらに、押し順ナビにしたがって中リール停止ボタン211bが操作されると、図67(a)に示すように、中リール301bが停止し、中装飾文字LCが消去される。それから、押し順ナビにしたがって右リール停止ボタン211cが操作されると、図67(b)に示すように、右リール301cが停止し、右下がりライン632a(図47参照)にベル図柄が揃う。このとき、画像表示体500では、右装飾文字LRが消去されるとともに「9枚GET!」の装飾文字が表示される。こうして、ベルの入賞による9枚の払い出しがあることを遊技者に報知する。
一方、押し順ナビの演出では、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順を教示しても、遊技者の不注意等によって教示通りにリール停止ボタン211a〜211cが操作されないことがある。例えば、図68(a)に示すよう、画像表示体500に適正な押し順である装飾文字LL,LC,LRを表示した後、図68(b)に示すように、教示された押し順と異なり、中リール停止ボタン211bを操作してしまったとする。この場合には、画像表示体500に「MISS!」の装飾文字に表示する警告を発することで、押し順ミスをしたことを遊技者に報知する。
その後、左右リール停止ボタン211a,211cを操作することによって、図69(a)に示すように、左右リール301a,301cが停止する。このとき、左右リール停止ボタン211a,211cが適正なタイミングで操作された場合には、2枚払出図柄組み合わせ及び4枚払出図柄組み合わせが2本の有効ラインにそれぞれ表示され、画像表示体500に「6枚GET!」の装飾文字が表示される。その一方、左右リール停止ボタン211a,211cが不適正なタイミングで操作された場合には、図69(b)に示すように、「ベルこぼ目」が表示される。
他方、ART中に昇格リプレイと転落リプレイとに重複当選した場合には、押し順ナビの演出にしたがってリール停止ボタン211a,211b,211cを適正な押し順で操作された場合、あるいは一部の押し順が不適正な押し順で操作された場合には、ARTが維持される。その一方、全部の押し順が不適正な押し順で操作されると、ARTから準RTに遊技状態が移行する。
「昇格リプ5+転落リプ5」〜「昇格リプ1+転落リプ1」のいずれかの当選役に当選した場合の流れについて、例えば、「昇格リプ5+転落リプ5」の当選役に重複当選した場合の演出について説明する。「昇格リプ5+転落リプ5」の当選役に当選した場合、図70(a)に模式的に示すように、画像表示体500に適正な押し順に対応する順番を表示する。具体的に、適正な押し順は「左→中→右」であるので、画像表示体500には、左側には、「1」の数字を表す左装飾文字LLが表示され、中央には、「2」の数字を表す中装飾文字LC、右側には、「3」の文字を表す右装飾文字LRが表示される。
続いて、押し順ナビにしたがって左リール停止ボタン211aが操作されると、図70(b)に示すように、左リール301aが停止し、左装飾文字LLが消去される。さらに、押し順ナビにしたがって中リール停止ボタン211bが操作されると、図71(a)に示すように、中リール301bが停止し、中装飾文字LCが消去される。それから、押し順ナビにしたがって右リール停止ボタン211cが操作されると、図71(b)に示すように、右リール301cが停止し、右上がりライン632b(図47参照)にリプレイ図柄が揃う。このとき、画像表示体500では、右装飾文字LRが消去され、ARTがそのまま継続する。
一方、押し順ナビの演出では、リール停止ボタン211a〜211cについての適正な押し順を教示しても、遊技者の不注意等によって教示通りにリール停止ボタン211a〜211cが操作されないことがある。例えば、図72(a)に示すよう、画像表示体500に適正な押し順である装飾文字LL,LC,LRを表示した後、図72(b)に示すように、教示された押し順と異なり、中リール停止ボタン211bを操作してしまったとする。この場合には、画像表示体500に「MISS!」の装飾文字に表示する警告を発することで、押し順ミスをしたことを遊技者に報知する。この時点で、リール停止ボタン211a〜211cが適正な押し順で操作されることはなくなり、一部の押し順が不適正な押し順または全部の押し順が不適正な押し順で操作されることとなる。
その後、一部の押し順が不適正な押し順で左右リール停止ボタン211a,211cが操作されると、図73(a)に示すように、左右リール301a,301cが停止し、昇格リプレイが表示されて、遊技状態はARTのまま維持される。このとき、画像表示体500に「KEEP!」の装飾文字が表示される。一方、全部の押し順が不適正な押し順で左右リール停止ボタン211a,211cが操作されると、図73(b)に示すように、左右リール301a,301cが停止し、転落リプレイが表示されて、遊技状態は準RTに移行(転落)する。このとき、画像表示体500に「FALL!」の装飾文字が表示される。
[連続演出]
他方、連続演出態様としては、一般状態、準備RT、準RT、チャンスRT中、ボーナス中等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が、例えば準備RT中であるのかチャンスRT中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
そして、ART中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を実行させる。例えば、ARTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はARTゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[ART付与抽選]
さらに、メイン基板409においては、遊技状態を一般状態から準備RTを経てチャンスRTに移行させるためのART付与抽選を実行している。以下、ART付与抽選について説明する。ART付与抽選は、遊技状態が一般状態にあるときに実行され、一般状態中における高低状態及び当選役(当選小役)、あるいは高低状態及び後に説明する変換後出目等に基づいて実行される。高低状態としては、高確率状態と低確率状態とが設けられており、高確率状態の方が低確率状態よりも総じてチャンスRTに移行する確率が高くされている。
[高低状態]
遊技状態が一般状態であるときには、高低状態として高確率状態と低確率状態との間で移行している。また、高確率状態にあるときには、低確率状態への移行抽選を実行しており、低確率状態にあるときには、高確率状態への移行抽選を実行している。これらの高確率状態への移行及び低確率状態への移行抽選は、当選役に基づいて実行される。
図74は、高低状態の移行確率を示す図であり、高低状態移行テーブルとして予めメイン基板409におけるROM1112等に格納されているものである。高低状態移行テーブルとしては、図74(a)に示す低確率滞在時状態移行抽選テーブルと、図74(b)に示す高確率滞在時状態移行抽選テーブルとが設けられている。
図74(a)に示す低確率滞在時状態移行テーブルが、遊技状態が一般状態の低確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれ高確率状態への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」のときには1/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「ベル(ベル1、ベル2)」のときには5/1024の確率で高確率状態に移行する。また、当選役が「弱チェリー(チェリー1)」のときには200/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「スイカ」のときには10/1024の確率で高確率状態に移行し、当選役が「強チェリー(チェリー2)」のときには20/1024の確率で高確率状態に移行する。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図74(a)に示す確率で高確率状態に移行する。
一方、図74(b)に示す高確率滞在時状態移行テーブルが、遊技状態が一般状態の高確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6で共通の高確率状態への移行確率が決められている。具体的に、当選役が「はずれ」のときには50/1024の確率で低確率状態に移行し、当選役が「リプレイ」のときには10/1024の確率で高確率状態に移行する。また、当選役がその他の役であるときには、高確率状態が維持される。
[チャンスRTへの移行抽選]
さらに、メイン基板409では、現在の滞在している高低状態及び当選役に基づいて、チャンスRTへの移行抽選を実行する。図75は、チャンスRTへの移行確率を示す図であり、チャンスRT移行テーブルとして予めメイン基板409におけるROM1112等に格納されているものである。チャンスRT移行テーブルとしては、図75(a)に示す低確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルと、図75(b)に示す高確率滞在時チャンスRT移行抽選テーブルとが設けられている。
図75(a)に示す低確率滞在時チャンスRT移行テーブルが、遊技状態が一般状態の低確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれチャンスRT(準備RT)への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」「ベル(ベル1、ベル2)」のときには1/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「弱チェリー(チェリー1)」のときには15/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、当選役が「スイカ」のときには50/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「強チェリー(チェリー2)」のときには100/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図75(a)に示す確率でチャンスRTに移行する。
一方、図75(b)に示す高確率滞在時チャンスRT移行テーブルが、遊技状態が一般状態の高確率状態に滞在しているときに参照されるテーブルであり、設定1〜設定6に対してそれぞれチャンスRT(準備RT)への移行確率が決められている。具体的に、設定1の場合、当選役が「はずれ」「リプレイ」のときには1/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「ベル(ベル1、ベル2)」のときには2/1024の確率でチャンスRTに移行する。また、当選役が「弱チェリー(チェリー1)」のときには30/1024の確率でチャンスRTに移行し、当選役が「スイカ」のときには100/1024の確率でチャンスRTに移行する。さらに、当選役が「強チェリー(チェリー2)」のときには200/1024の確率でチャンスRTに移行する。
このように、チャンスRTに移行しやすい図柄組み合わせを移行しにくい側から順に並べると、「ハズレ」「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」の順となる。したがって、「ハズレ」からみて「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」はいずれもチャンスRTに移行しやすい図柄組み合わせであり、遊技者にとって有利な図柄組み合わせとなる。これらの遊技者にとって有利な図柄な図柄組み合わせは、メイン基板409において決定される。
また、これらの小役を内部抽選による当選確率の順に並べると「ハズレ」「リプレイ」「ベル」「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」の順となる。したがって、内部抽選の当選確率が低いほど、チャンスRTに移行しやすい小役となっている。
[出目変換制御処理]
次に、出目変換制御処理について説明する。出目変換制御処理は、メイン基板409によって実行され、後に説明するストック抽選に当選したときに実行される。出目変換制御では、図柄表示手段に表示された図柄組み合わせを所定の図柄組み合わせに変換する制御を実行可能とされている。メイン基板409は、図柄変換制御手段に相当する。フリーズ制御が実行されると、スロットマシン1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210、リール停止ボタン211a,211b,211cなどのすべての操作子の受付が無効化される。
フリーズ制御が実行されている間、メイン基板409は、リール301a〜301cを適宜回転させて、現在表示されている出目を所定の出目に変換する制御を実行する。出目変換制御では、リール301a〜301cを回転させて、出目変換制御実行するゲームの前ゲームにおける出目(以下「前ゲーム出目」という)から、出目変換制御によって変換された後に表示される出目(所定の図柄組み合わせ、以下「変換後出目」という)に変換して表示する。変換後出目は、設定値、チャンスRTまたはボーナスゲームが終了してから計測した状態の消化ゲーム数、高低状態、所定のゲーム(前ゲームを含む)で実行された抽選結果等に基づいて決定される。変換後出目の決定手順については、後に説明する。このような出目変換制御を実行することにより、出目の表示回数を、各ゲームで実行される抽選回数よりも多くすることができる。その結果、各ゲームで実行される抽選確率よりも高い割合で出目を表示させることができる。
出目変換制御はフリーズ制御が実行されている間に完了し、フリーズタイマが0となってフリーズ制御が終了した後には、リール301a〜301cが回転を開始する。その後は、フリーズ制御が実行されない場合と同様、リール301a〜301cの回転速度が等速となった後にリール停止ボタン211a,211b,211cが有効となる。
出目変換制御が実行される場合のリール301a,301b,301cの具体的な動きについて図を参照して簡単に説明する。例えば、前ゲーム出目が「ベル」であり、変換後出目が「スイカ」であるとする。この場合、図76(a)に示すように、例えば前ゲーム出目として右下がり有効ライン623aに「ベル1図柄−ベル1図柄−ベル1図柄」が表示されて前ゲームが終了する。
続いて、次ゲームを開始させるため、遊技者が始動レバー210を操作し、メイン基板409が始動レバー210の操作を検知すると、フリーズ制御が実行されて、スロットマシン1における1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、スタートレバー210、リール停止ボタン211a,211b,211cなどのすべての操作子の受付が無効化される。これらの操作子の受付が無効化されたまま、図76(b)に示すように、リール301a,301b,301cが回転を開始する。このときの回転速度は、ゲームが実行されているときにおけるリールの回転速度よりも低い速度とされている。また、リール301a,301b,301cが回転を開始すると、画像表示体500には「CHANGE!」の装飾文字が表示され、出目変換が実行されていることを遊技者に教示している。
続いて、図77(a)に示すように、左リール301aが停止し、左リール301aの上から順に「スイカ図柄・ベル1図柄・リプレイ図柄」の図柄が停止表示される。このとき、中リール301b及び右リール301cは回転を継続している。このとき、画像表示体500に「COMP?」の装飾文字が表示され、出目変換制御により、レア小役などが表示される期待感を遊技者に抱かせている。
続いて、図77(b)に示すように、中リール301b及び右リール301cが順次停止し、中リール301bの上から順に「リプレイ図柄・スイカ図柄・青7図柄」の図柄が停止表示され、右リール301cの上から順に「リプレイ図柄・ベル1図柄・スイカ図柄」の図柄が停止表示される。こうして、右下がりライン623a上に当選役がスイカである場合に対応する図柄組み合わせである「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の図柄組み合わせが表示される。また、画像表示体500に「スイカGET!」の装飾文字が表示される。こうして、スイカに出目変換したことを遊技者に報知している。
右下がりライン623a上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」の図柄組み合わせが表示されたまま、フリーズ制御が継続し、フリーズタイマがタイムアップしたら、リール301a,301b,301cが回転を開始する。このときのリール301a,301b,301cの回転速度は、ゲームが実行されているときにおけるリールの回転速度とされる。このように出目変換制御が実行される。
上記の基本的な構成のほか、本発明の実施形態に特徴的な構成や動作等について説明する。本発明に係るスロットマシン1は、以下の技術思想としてあらわすことができる。
[技術思想1]
複数の図柄が各々に付された複数の可動体と、
有利度合いが異なる複数の当選役の中からいずれかを選び出す抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記複数の可動体を停止制御する停止制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づく図柄組み合わせを表示する図柄表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段によって有利度合いが高い強当選役が選び出され、かつ特定の条件を満たした場合に、前記強当選役に関する抽選結果情報を保持する抽選結果情報保持手段と、
前記抽選結果情報を保持した情報保持ゲーム以降の情報開示ゲームにおいて、前記結果情報保持手段によって保持された前記強当選役に基づいた図柄組み合わせを前記図柄表示手段に表示して開示する結果情報開示手段と、
前記特定の条件を満たす度合いが優遇される優遇期間を設定する優遇期間設定手段と、
前記優遇期間において前記強当選役が選び出された場合に前記強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、有利遊技状態への移行に対する期待度を高め得る制御を実行可能な期待度増加手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記技術思想に記載の遊技機においては、抽選手段によって有利度合いが高い強当選役(レア小役)が選び出され、かつ特定の条件(ストック抽選の当選)を満たした場合に、強当選役に関する抽選結果情報を保持する抽選結果情報保持手段(メイン基板409)を備える。また、抽選結果情報を保持した情報保持ゲーム(当選ゲーム)以降の情報開示ゲーム(再表示ゲーム)において、結果情報保持手段によって保持された強当選役に基づいた図柄組み合わせを図柄表示手段に表示して開示する結果情報開示手段(メイン基板409)及び特定の条件を満たす度合いが優遇される優遇期間(ストック高確率状態の期間)を設定する優遇期間設定手段(メイン基板409)を備える。さらに、優遇期間において強当選役が選び出された場合に強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、有利遊技状態(チャンスRT)への移行に対する期待度を高め得る制御を実行可能な期待度増加手段(メイン基板409)を備える。
強小役が選び出され(レア小役に当選し)、強小役に基づく図柄組み合わせが図柄表示手段(リール301a,301b,301c)に表示された場合には、有利遊技状態への移行に対する期待度が高められる。ここで、強小役が選び出されたとしても、有利遊技状態への移行確率が一定であると、有利遊技状態へ移行する期待度に変化がなく、遊技が単調となり、興趣の低下を招くおそれがある。
この点、上記技術思想に記載の遊技機では、抽選手段によって有利度合いが高い強当選役(レア小役)が選び出され、かつ特定の条件(ストック抽選の当選)を満たした場合に、強当選役に関する抽選結果情報を保持するようにしており、この特定の条件を満たす度合いが優遇される優遇期間が設定されている。この優遇期間が設定されていることにより、強当選役に当選するタイミング(当選したゲーム)によって、抽選結果情報を保持するか否かに差が付けられることとなる。期待度増加手段では、優遇期間において強当選役が選び出された場合に強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、有利遊技状態(チャンスRT)への移行に対する期待度を高め得る制御を実行している。このため、有利遊技状態へ移行する期待度に変化を付けることができるので、遊技の単調さを解消することができ、興趣の低下を抑制することができる。以下、この遊技機に係るスロットマシンについて、さらに説明する。
[ストック抽選]
上記のスロットマシン1においては、始動レバー210の操作信号を検出すると、内部当選役(以下「成立役」ともいう)を決定するための抽選を実行するとともに、ストック抽選を実行し、ストック抽選に当選すると再表示ゲームにおいて出目変換制御が実行され、ストックした成立役が再表示される。ストック抽選は、図78(a)に示すストック抽選テーブルを用いて実行される。
図78(a)は、ストック抽選テーブルを示しており、内部抽選によって当選した当選役を図78(a)に示すストック抽選テーブルに参照して、ストック抽選を実行する。ストック抽選を実行するにあたり、ストック低確率状態とストック高確率状態とがあり、各ストック状態に応じてストック抽選の当選確率が異なるように決められている。また、設定値(設定1〜設定6)に対してそれぞれストック抽選の当選確率が決められている。
具体的に、ストック低確率状態では、設定1の場合、成立役が「リプレイ」のときには1/1024の確率でストック抽選に当選し、成立役が「ベル」のときには2/1024の確率でストック抽選に当選する。また、成立役が「弱チェリー」のときには30/1024の確率でストック抽選に当選し、成立役が「スイカ」のときには100/1024の確率でストック抽選に当選し、成立役が「強チェリー」のときには200/1024の確率でストック抽選に当選する。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図78(a)に示す確率でストック抽選に当選する。
また、ストック高確率状態では、設定1の場合、成立役が「リプレイ」のときには1/1024の確率でストック抽選に当選し、成立役が「ベル」のときには2/1024の確率でストック抽選に当選する。また、成立役が「弱チェリー」のときには300/1024の確率でストック抽選に当選し、成立役が「スイカ」のときには600/1024の確率でストック抽選に当選し、成立役が「強チェリー」のときには900/1024の確率でストック抽選に当選する。また、設定2〜設定6の場合には、それぞれ図78(a)に示す確率でストック抽選に当選する。
「弱チェリー」「スイカ」「強チェリー」といった当選確率が低い小役(いわゆるレア小役)以外の小役(いわゆる通常小役)では、ストック低確率状態とストック高確率状態とでのストック抽選の当選割合は同等とされている。その一方、レア小役では、ストック高確率状態では、ストック低確率状態よりもストック当選確率が高く設定されている。ストック抽選の当選が解決手段に記載の特定の条件を満たすこととなる。レア小役は、解決手段に記載の強当選役に相当する。メイン基板409は、ストック抽選に当選した場合に、当選したレア小役を再表示ゲームまでストックする。メイン基板409は、解決手段に記載の抽選結果情報保持手段に相当する。
[ストック高低状態]
上記のスロットマシン1では、メイン基板409において、ストック高低状態を制御している。ストック高低状態は、チャンスRTまたはボーナスゲームから一般状態に移行した後の消化ゲーム数(以下「一般状態消化ゲーム数」という)に応じて決定される。図78(b)は、ストック高低状態決定テーブルである。
図78(b)に示すように、一般状態消化ゲーム数が1〜128ゲームの間は、ストック高低状態はストック高確率状態とされる。このように、チャンスRT等から一般状態に移行した直後は、ストック高確率状態とされる。従って、チャンスRT等が終了した直後も有利な状態が継続することとなるので、チャンスRTの終了直後に遊技を終了させないようにすることができ、稼働の向上に寄与することができる。
その後は、ストック高確率状態とストック低確率状態とが交互に繰り返される。この例では、一般状態消化ゲーム数が1〜128ゲームのほか、352〜384ゲーム、737〜768ゲームの間はストック高確率状態とされる。また、一般状態消化ゲーム数が129〜351ゲーム、385〜736ゲーム、769〜1120ゲームの間はストック低確率状態とされる。そして、一般状態消化ゲーム数が1121ゲームを超えるとストック高低状態のいわゆる天井ゲーム数を超えることとなり、ストック高確率状態が継続する。
このように、一般状態に制御されている間は、ストック抽選の当選確率が高いストック高確率状態に所定の間隔をおいて制御される。ストック高確率状態に制御されている期間は、解決手段に記載の優遇期間に相当し、メイン基板409は、解決手段に記載の優遇期間設定手段に相当する。
この例では、ストック高低状態を図78(b)に示すストック高低状態決定テーブルを参照して決定しているが、ストック高低状態は他の態様で決定することもできる。例えば、ストック低確率状態中に当選役等に基づいてストック高確率移行抽選を実行し、この抽選に当選した場合にストック高確率状態に移行させることもできる。あるいは、ストック低確率状態が所定ゲーム数、例えば100ゲームや300ゲーム等継続したときに、ストック高確率状態に移行させることもできる。さらに、ストック高確率状態に移行させるゲーム数を決定するための抽選を実行することもできる。
逆に、ストック高確率状態中に当選役等に基づいてストック低確率移行抽選を実行し、この抽選に当選した場合にストック低確率状態に移行させることもできる。あるいは、ストック高確率状態が所定ゲーム数、例えば10ゲームや30ゲーム等継続したときに、ストック高確率状態に移行させることもできる。さらに、ストック低確率状態に移行させるゲーム数を決定するための抽選を実行することもできる。
[再表示ゲーム決定抽選]
ストック抽選に当選した場合には、出目変換制御を実行して成立役を再表示するゲームを決定する。再表示ゲームは、ストック抽選に当選したゲーム(以下「当選ゲーム」という)の所定ゲーム数後のゲームであり、内部抽選による成立役を図78(c)に示す再表示ゲーム抽選テーブルに参照して決定する。具体的に、成立役が「リプレイ」の場合は、60/100の割合で当選ゲームから4ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、30/100の割合で当選ゲームから8ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、5/100の割合で当選ゲームから12ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。また、3/100の割合で当選ゲームから16ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、2/100の割合で当選ゲームから32ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。
成立役が「ベル」の場合は、30/100の割合で当選ゲームから4ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、60/100の割合で当選ゲームから8ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、5/100の割合で当選ゲームから12ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。また、3/100の割合で当選ゲームから16ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、2/100の割合で当選ゲームから32ゲーム後に変換制御が実行される。成立役が「スイカ」の場合は、10/100の割合で当選ゲームから4ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、30/100の割合で当選ゲームから8ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、20/100の割合で当選ゲームから12ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。また、20/100の割合で当選ゲームから16ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、20/100の割合で当選ゲームから32ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。
成立役が「弱チェリー」の場合は、60/100の割合で当選ゲームから4ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、30/100の割合で当選ゲームから8ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、5/100の割合で当選ゲームから12ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。また、3/100の割合で当選ゲームから16ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、2/100の割合で当選ゲームから32ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。成立役が「強チェリー」の場合は、10/100の割合で当選ゲームから4ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、30/100の割合で当選ゲームから8ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、10/100の割合で当選ゲームから12ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。また、20/100の割合で当選ゲームから16ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされ、30/100の割合で当選ゲームから32ゲーム後のゲームが再表示ゲームとされる。
このように、当選ゲームから4ゲーム、8ゲーム、12ゲーム、16ゲーム、32ゲームのいずれかのゲーム数が経過した後のゲームが再表示ゲームとされる。また、当選ゲームから再表示ゲームまでのゲーム数が4ゲーム、8ゲーム、12ゲーム、16ゲーム、32ゲームとされているが、その他のゲーム数とすることもできる。
さらに、再表示ゲームまでのゲーム数を一定数とし、必ず例えば16ゲーム後を再表示ゲームとすることもできる。また、チャンスRTへの移行ゲーム数に応じて出目変換制御実行時期を決定することもできる。例えば、チャンスRTが終了した後100ゲーム〜300ゲームである場合には、10/100で3ゲーム、20/100で6ゲーム、70/100で32ゲームとすることもできる。
さらに、当選ゲームにおいて成立役がストックされたら、当選ゲームから再表示ゲームまでの間(以下「ストック期間」という)、成立役がストックされることとなる。このストック期間は、上記の当選ゲームから再表示ゲームまでのゲーム数と同等で有り、4ゲーム、8ゲーム、12ゲーム、16ゲーム、32ゲームのいずれかの期間としたり、その他のゲーム数としたりすることができる。ここで、当選ゲームは、解決手段に記載の情報保持ゲームに相当し、再表示ゲームは、解決手段に記載の情報開示ゲームに相当する。
[再表示ゲームにおけるストック開示]
メイン基板409は、当選ゲームでレア小役をストックした場合、再表示ゲームにおいて出目変換制御を実行し、レア小役に基づいた図柄組み合わせをリール301a,301b,301cに表示して開示する。メイン基板409は、解決手段に記載の結果情報開示手段に相当する。
[成立役が再表示されたことによるチャンスRTへの移行抽選]
再表示ゲームにおいて、変換後出目によって成立役が再表示されると、メイン基板409では、現在の滞在している高低状態及び変換後出目に基づいて、チャンスRTへの移行抽選を実行する。チャンスRTへの移行抽選は、図75に示すチャンスRT移行抽選テーブルを参照して実行され、現在の滞在している高低状態及び当選役に基づいて実行するチャンスRTへの移行抽選と同様の手順で実行される。
メイン基板409では、成立役が再表示されたことによるチャンスRTへの移行抽選を実行する。ここで、成立役の再表示は、ストック抽選に当選した場合に実行されるが、ストック高確率状態を設けてストック抽選の当選割合を優遇する期間を設定している。このストック高確率状態とする期間を設けてレア小役のストック度合いが高められる制御を実行することで、チャンスRTへの移行に対する期待度を高め得る制御を実行している。メイン基板409は、解決手段に記載の期待度増加手段に相当する。
なお、チャンスRTへの移行抽選は、図75に示すチャンスRT移行抽選テーブルを用いた抽選とすることもできるし、他の態様での抽選とすることもできる。他の態様での抽選は適宜実行することができ、例えば、成立役の再表示時専用のテーブルを用いることができる。成立役の再表示時専用のテーブルを用いることにより、移行抽選とは異なる割合でチャンスRTへの移行抽選が実行されるので、チャンスRTへの移行に対する多様な期待感を与えることができる。また、チャンスRTが終了した後のゲーム数に応じて、ストック抽選の当選割合等を調整することもできる。こうしてストック抽選の当選割合等を調整することにより、チャンスRTへの移行した後に出目変換制御に起伏を与えることができる。特に、チャンスRTが終了してから経過したゲーム数が多くなるほど当選割合を大きくすることにより、一般状態を数多く遊技してメダルを多く消費したと考えられる場合の救済を図ることができる。
[フリーズ制御継続時間]
フリーズ制御を継続するフリーズ制御継続時間については、一定の時間とすることもできるし、所定の条件に基づいて異なる時間とすることもできる。例えば、異なるフリーズ制御継続時間の中からランダムにフリーズ制御継続時間を決定することもできるし、前ゲーム出目や変換後出目、あるいはこれらの両方に基づいてフリーズ制御継続時間を決定することもできる。
フリーズ制御継続時間を決定するには、例えば図79(a)に示すフリーズ制御継続時間決定テーブルを用いることができる。この例では、フリーズ制御継続時間を決定するにあたり、変換後出目を用いている。具体的に、変換後出目が「リプレイ」である場合、99.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、0.9%の割合で5秒となり、0.1%の割合で10秒となる。また、変換後出目が「ベル」である場合、90.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、9.8%の割合で5秒となり、0.2%の割合で10秒となる。
変換後出目が「弱チェリー」である場合、62.5%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、25.0%の割合で5秒となり、12.5%の割合で10秒となる。変換後出目が「スイカ」である場合、20.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、35.0%の割合で5秒となり、45.0%の割合で10秒となる。
変換後出目が「強チェリー」である場合、10.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、20.0%の割合で5秒となり、80.0%の割合で10秒となる。そして、変換後出目が「確定役」である場合、0.1%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、0.9%の割合で5秒となり、99.0%の割合で10秒となる。
このフリーズ制御継続時間決定テーブルを用いてフリーズ制御継続時間を決定する場合、概して、チャンスRTに移行する割合が高く、変換後出目が遊技者にとって有利であるほど、フリーズ制御継続時間が長くなる傾向とされている。他の見方をすると、フリーズ制御継続時間が長いほど、遊技者にとって有利となる変換後出目が決定される割合が高くなる。したがって、フリーズ制御継続時間が長いほど、遊技者に対して、チャンスRTへの移行の期待感を高めることができる。
また、フリーズ制御継続時間は、図79(b)に示すフリーズ制御継続時間決定テーブルを用いて決定することもできる。この例では、フリーズ制御継続時間を決定するにあたり、変換後出目を考慮することなく、チャンスRTの移行抽選結果のみを用いている。具体的に、チャンスRT移行抽選を実行した結果、チャンスRT移行抽選に当選せず(落選して)変換後出目が表示された後にチャンスRTに移行しない(一般状態を維持する)場合、50.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、37.5%の割合で5秒となり、12.5%の割合で10秒となる。
一方、チャンスRT移行抽選を実行した結果、チャンスRT移行抽選に当選して変換後出目が表示された後にチャンスRTに移行する場合、12.5%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、37.5%の割合で5秒となり、50.0%の割合で10秒となる。
図79(b)に示すフリーズ制御継続時間決定テーブルを用いてフリーズ制御継続時間を決定する場合、単純にフリーズ時間が長い方がチャンスRTに移行する割合が高くなっている。このため、変換後出目が表示される前に、フリーズ制御継続時間の経過だけでチャンスRTへの移行の期待感を調整することができる。そして、さらに変換後出目が表示されることにより、フリーズ制御継続時間が経過したときにおけるチャンスRTへの移行の期待感を変換後出目によって変えることができるので、より興趣の向上を図ることができる。
さらには、フリーズ制御継続時間は、図79(c)に示すフリーズ制御継続時間決定テーブルを用いて決定することもできる。この例では、フリーズ制御継続時間を決定するにあたり、変換後出目およびチャンスRTの移行抽選結果を用いている。具体的に、チャンスRT移行抽選を実行した結果、チャンスRT移行抽選に落選して変換後出目が表示された後にチャンスRTに移行しない場合について説明する。このとき、変換後出目が「リプレイ」である場合、99.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、0.9%の割合で5秒となり、0.1%の割合で10秒となる。変換後出目が「ベル」である場合、97.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、2.8%の割合で5秒となり、0.2%の割合で10秒となる。
変換後出目が「弱チェリー」である場合、95.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、4.0%の割合で5秒となり、1.0%の割合で10秒となる。変換後出目が「スイカ」である場合、65.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、25.0%の割合で5秒となり、10.0%の割合で10秒となる。変換後出目が「強チェリー」である場合、10.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、40.0%の割合で5秒となり、50.0%の割合で10秒となる。なお、チャンスRT移行に落選しているときには、変換後出目として「確定役」が決定されることはない。
一方、チャンスRT移行抽選を実行した結果、チャンスRT移行抽選に当選して変換後出目が表示された後にチャンスRTに移行する場合について説明する。このとき、変換後出目が「リプレイ」である場合、0.1%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、0.9%の割合で5秒となり、99.0%の割合で10秒となる。変換後出目が「ベル」である場合、10.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、60.0%の割合で5秒となり、30.0%の割合で10秒となる。
変換後出目が「弱チェリー」である場合、35.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、45.0%の割合で5秒となり、20.0%の割合で10秒となる。変換後出目が「スイカ」である場合、20.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、35.0%の割合で5秒となり、45.0%の割合で10秒となる。変換後出目が「強チェリー」である場合、10.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、10.0%の割合で5秒となり、80.0%の割合で10秒となる。変換後出目が「確定役」である場合、40.0%の割合でフリーズ制御継続時間が2秒となり、40.0%の割合で5秒となり、20.0%の割合で10秒となる。
図79(c)に示すフリーズ制御継続時間決定テーブルを用いてフリーズ制御継続時間を決定する場合には、概して、フリーズ時間が長いほど、チャンスRTに移行する割合が高く、遊技者にとって有利な変換後出目が表示される傾向にある。ただし、特定の条件がそろった場合には、この傾向に背く場合がある。例えば、変換後出目として「弱チェリー」が決定された場合には、図75に示すように、チャンスRTへの移行割合は15/1024であり、非常に低いものとなる。ところが、変換後出目として「弱チェリー」が決定された場合でも、フリーズ制御継続時間が10秒となった場合、チャンスRT移行に落選している確率が1.0%であるのに対して、チャンスRT移行に当選している確率は20.0%である。したがって、フリーズ継続時間が10秒となることにより、一転してチャンスRTへの移行割合が非常に高いものとなる。こうして、変換後出目が「弱チェリー」であるという期待感の低い状態を一転して期待感の高い状態に変えることができる。特に、フリーズ時間が5秒または10秒の場合でも、変換後出目を表示させるタイミングは、フリーズ制御を開始してから2秒など、早い時間とすることもできる。この場合、フリーズ制御を開始してから2秒後に「弱チェリー」が表示されるので、期待感が低いものとなる。ところが、フリーズ制御がそのまま継続し、5秒または10秒経過するまでフリーズ制御が実行されていると、「弱チェリー」であっても期待感を高めることができる。このため、「弱チェリー」が表示された後、フリーズ制御が継続している間に期待感の低い状態を一転して期待感の高めていくことができる。また、変換後出目として「弱チェリー」が決定された場合に、フリーズ制御継続時間が10秒となることは非常に希少である。このため、期待感の低い状態を一転して期待感の高い状態に変えることができるとともに、このような希少な現象に出くわすことによる優越感を遊技者に与えることもできる。
[抽選結果再表示制御]
スロットマシン1では、メイン基板409において、抽選結果再表示制御として、当選ゲームにおける成立役を抽選結果情報として保持しておき、再表示ゲームにおいて、出目変換制御を実行することにより保持している成立役に基づく出目を変換後出目として再表示する。以下、抽選結果再表示制御の流れについて説明する。
その例として、当選ゲームにおいて、「スイカ」が表示されてストック抽選に当選し、6ゲーム後に「スイカ」が再表示される場合について説明する。この場合、図80(a)に示すように、右下がり有効ライン623aに「スイカ」が表示されてストック抽選に当選すると、当選ゲームの次のゲームでは、図80(b)に示すように、「スイカストック中!」の装飾文字が画像表示体500の右斜め上方に小さく表示される。ストック期間中は、この「ストック中!」の装飾文字の表示が継続される。
画像表示体に「ストック中!」の装飾文字が表示されたまま、ストック期間の6ゲームが進行すると、再表示ゲームとなる。再表示ゲームでは、例えば図81(a)に示すように、リール301a,301b,301cには、はずれが表示されたとする。このとき、画像表示体500の右斜め上方には、「ストック消化準備中・・・」の装飾文字が表示されている。この後、図81(b)に示すように、画像表示体500の中央部に「ストック消化開始!」の装飾文字が大きく表示される。また、一旦停止したリール301a,301b,301cが再変動を開始し、出目変換制御が実行される。
続いて、出目変換制御が実行されている間、図82(a)に示すように、画像表示体500には、「変換中」の装飾文字が表示される。その後、図82(b)に示すように、その後、リール301a,301b,301cが停止し、右下がり有効ライン623aに「スイカ」が表示されるとともに、「変換完了!」の装飾文字が画像表示体500の中央に大きく表示される。こうして、当選ゲームで当選した成立役の再表示が実行される。
このスロットマシン1では、メイン基板409で行われるストック抽選に当選した場合に、抽選結果再表示制御を実行する。ここで、内部抽選によってレア小役に当選したときにおけるストック抽選の当選確率は、ストック高低状態に影響され、ストック高確率状態にあるときには、ストック低確率状態にあるときよりもストック抽選の当選確率が高くされている。
また、ストック高低状態は、一般状態消化ゲーム数に応じて決定されており、図78(b)に示すように、ストック高確率状態となる期間が設定されている。このストック高確率状態に制御されている期間においては、レア小役に当選した場合のストック抽選の当選確率を高める制御を実行することで、チャンスRTへの移行に対する期待度を高めることができる。このため、ストック高確率状態が設定されていることにより、レア小役に基づく図柄組み合わせが表示されることによってチャンスRTへ移行する期待度に変化が生じる。具体的には、ストック高確率状態にあるときにレア小役に当選した場合には、ストック低確率状態にあるときにレア小役に当選した場合よりもチャンスRTへの移行確率が高くなる。したがって、遊技の単調さを解消することができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、上記の例では、ストック期間中における高確率昇格抽選の当選割合が他の期間と共通としているが、ストック期間中に高確率昇格抽選の当選割合を他の期間よりも高くすることができる。ストック期間中の高確率昇格抽選の当選割合を高くすることにより、ストック期間中に低確率状態から高確率状態へ移行しやすくなる。したがって、再表示ゲームを高確率状態で実行する可能性を高くすることができ、再表示ゲームにおけるチャンスRTへ移行に対する期待感を高めることができる。
さらには、ストック期間中における低確率降格抽選の当選割合を他の期間期間よりも低くすることもできる。ストック期間中に高確率状態であったとしても、再表示ゲームまでの間に低確率状態に移行してしまった場合には、結局再表示ゲームでは低確率状態でチャンスRTへの移行抽選を実行することとなるので、チャンスRTへの移行の期待感が低くなってしまう。
その点、ストック期間中における低確率降格抽選の当選割合を低くすることにより、再表示ゲームを高確率状態で実行する可能性を高くすることができ、再表示ゲームにおけるチャンスRTへ移行に対する期待感を高めることができる。さらには、ストック期間中は低確率降格抽選を中止することもできる。この場合には、ストック期間中に一旦高確率状態に移行したら、再表示ゲームでは必ず高確率状態でチャンスRTへの移行抽選を実行することができる。したがって、再表示ゲームにおけるチャンスRTへ移行に対する期待感をより高めることができる。
[技術思想2]
複数の図柄が各々に付された複数の可動体と、
所定の移行条件を満たした場合に、通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態に移行させ得る制御を実行可能な有利遊技状態移行制御手段と、
前記移行条件を満たす度合いが異なる複数の当選役の中からいずれかを選び出す抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記複数の可動体を停止制御する停止制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づく図柄組み合わせを表示する図柄表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段によって前記移行条件を満たす度合いが高い強当選役が選び出された場合に、当該強当選役に基づいた図柄組み合わせを前記図柄表示手段に表示させ、さらに、特定の条件を満たした場合に、前記強当選役に関する抽選結果情報を保持する抽選結果情報保持手段と、
前記抽選結果情報を保持した情報保持ゲーム以降の情報開示ゲームにおいて、前記結果情報保持手段によって保持された前記強当選役に基づいた図柄組み合わせを前記図柄表示手段に表示して開示する結果情報開示手段と、
前記結果情報開示手段によって前記強当選役に基づいた図柄組み合わせが開示された場合においても、前記所定の移行条件を満たすか否かの判定を実行し得る有利遊技状態移行判定手段と、
前記特定の条件を満たす度合いが優遇される優遇期間を設定する優遇期間設定手段と、
前記優遇期間において前記強当選役が選び出された場合に前記強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、前記有利遊技状態への移行に対する期待度を高め得る制御を実行可能な期待度増加手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
技術思想2に記載の遊技機において、有利遊技状態移行制御手段(メイン基板409)は、所定の移行条件(チャンスRT移行抽選)を満たした場合に、通常遊技状態(一般状態)よりも有利な有利遊技状態(チャンスRT)に移行させ得る制御を実行し得る。さらには、有利遊技状態移行判定手段(メイン基板409)は、結果情報開示手段(リール301a,301b,301c)によって強当選役(レア小役)に基づいた図柄組み合わせが開示された場合においても、所定の移行条件を満たすか否かの判定を実行し得る。
このように、所定の移行条件を満たす場合に有利遊技状態に移行することにより、所定の移行条件を満たすことに対する遊技者の興味の低下を抑制することができる。さらに、優遇期間において強当選役が選び出された場合に強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、有利遊技状態への移行に対する期待度を高め得る制御を実行する。このため、有利遊技状態へ移行する期待度に変化を付けることができるので、遊技の単調さを解消することができ、興趣の低下を抑制することができる。
[その他の態様]
上記各技術思想のほか、本発明の変形例について以下説明する。
[フリーズ制御の実行時期]
フリーズ制御は、リール301a,301b,301cのうち、最後に停止制御されるリール(以下「第3リール」という)が停止制御されてから、次ゲームの始動レバー210の操作が検知されるまでの間のいずれのタイミングで実行することもできる。フリーズ制御の実行時期としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)第3リールが停止制御された時
(2)メダルの払出が完了した時(メダルの払出がない場合には第3リールが停止制御された時)
(3)ベッド操作完了時(MAXベットが完了した時、当選役がリプレイの場合にはリプレイランプ点灯時)
(4)始動レバー210の操作を検知した時
(5)(1)〜(4)以外の第3リールが停止制御されてから、次ゲームの始動レバー210の操作を検知するまでの間のいずれかの時
なお、前ゲーム出目を参照するにあたり、フリーズ制御を実行する時期によっては、参照する出目を前ゲーム出目ではなく、出目変換制御実行するゲームにおける出目(以下「今回ゲーム出目」という)とすることが好適である。例えば、フリーズ制御が実行される時期を上記(1)第3リールが停止制御された時、または(2)メダルの払出が完了した時(メダルの払出がない場合には第3リールが停止制御された時)とする場合には、参照する出目を前ゲーム出目に代えて今回ゲーム出目とすることが好適である。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。上記のスロットマシン1において、メイン基板409において実行される各制御は、メイン基板409で実行されるものに限定されず、演出制御基板510において実行されるものとすることもできる。また、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機(いわゆるパロット)等であっても本発明を適用することができる。
1 スロットマシン
10 隙間
21 透明板
50 機種ユニット
90 前面開閉部材
100 外本体
100a 回転軸
101 底板
102 側板
102a 凸面部
102b ガード部
103 天板
104a 放熱口
104b コード引出口
105 仕切板
106 突段部
107 取付片
108 取付片
109 開口
110 メダル放出装置
110a 装置本体
110b ホッパ
110c 放出口
110d オーバーフロー樋
110e 払出センサ
111 遊技メダル用補助収納箱
111a メダル満タンセンサ
112 電源装置
112a 装置ケース
112b 上面板
112c 後面板
112d 正面板
112e 側面板
112f 斜面板
112g 通気孔
112h 脚部
112i 通気空間
112j 段部
112k 取付片
112m 突部
112m−1 突片
112p 透孔
112r 底面板
112s 基板
112t 設定キースイッチ
112u リセットスイッチ
112v 電源スイッチ
113 配線中継部材
114 ボス孔
115 レール部材
116 レール部材
117 ストッパー
118 取付具
119 本体側配線類
120 取付板
121 カバー体
122 コネクタ基板
123 コネクタ基板
124 コネクタ
125 コネクタ
126 開口
127 該開口
128 支持筒
129 配線ダクト
131 外部中継端子板
132 貫通孔
133 通気口
200 扉形前面部材
200a 通孔
201 メダル用受皿
202 操作部
203 メダル投入口
205 1枚投入ボタン
206 MAX投入ボタン
207 メダルセレクタ
207a ソレノイド
207b 投入センサ
208 メダル返却ボタン
209 貯留解除スイッチ
210 始動レバー
211a 左リール停止ボタン
211b 中リール停止ボタン
211c 右リール停止ボタン
212 メダル樋
213 返却樋
214 透視窓
214a 透明板
214b 縁部材
214c 透孔
214d 通孔
215 錠装置
215a ベース部材
215b 支持片
216 額フレーム
217 発光ユニット
217a 発光体
217a−1 光源
217a−2 導光板
217b 反射部材
218 固定部材
219 凹溝
300 図柄変動表示装置
301a 左リール
301b 中リール
301c 右リール
302 装置ケース
303 駆動手段
304 底部板
305 天板部
305 天板部
306 右側板
307 左側板
308 後部板
309 上斜板
310 下斜板
311 把手
312 リール基板
313 ケーブル
315 抜け止め部
316 把手
321a〜321c リール帯
331a 左リール位置センサ
331b 中リール位置センサ
331c 右リール位置センサ
341a 左リール駆動モータ
341b 中リール駆動モータ
341c 右リール駆動モータ
400 ケース部材
401 図柄表示窓
402 補強桟
402a 案内部
403 底板
404 側板
405 後面板
406 天板
407 補強部材
408 配線作業空間
409 メイン基板
410 ボス
411 配線窓
412 凹段部
413 テーパ部
414 車輪
415 鍔
416 引掛部
417 三角スペース
418 仮止め部材棚
420 ヒンジ金具
420a 固定部材
420b 回動部材
420c 短リンク
420d 長リンク
420e 固定片
420f 軸承片
420g 重合領域
420h 重合領域
420h 重合領域
420j ピン孔
420k ピン
421 ロック片
422 把手口
423 ケース側配線類
424 ハーネス
425 コネクタ
426 ハーネス
427 コネクタ
427a 遊孔
427b 耳片
427c ビス
428 コネクタホルダー
429 ホルダー主体
429a 受筒
430 透孔
431 取着片
432 ボタン形パネルファスナー
433 ベンチ部
434 ベンチ側板
435 爪片
436 指掛部
437 ケーブル溝
438 配線口
440 案内レール
442 係止孔
443 天窓部
444 補強帯
449 メイン基板
500 画像表示体
500s 破線領域
501 枠部材(表示パネル)
502 照明装置
503 基板
505 透光性蓋板
506 チューブ枠
507 透光性カバー
508 受部
509 係合部
510 演出制御基板
512 スピーカ
600 上桟
601 固定部材
602 工具
603 ビス
604 エラーランプ
606 リプレイランプ
608 スタートランプ
610 ランプ
614 ランプ
623a 右下がりライン
623b 右上がりライン
700 記連結具
701 固定鞘部材
701a 防止片
702 ロッド
702a 軸孔部
702b 引掛壁
703 止め軸
703a スプリング
704 ストッパ
705 溝
706 摘み片
1110 CPU
1112 ROM
1114 RAM
1116 入出力インタフェース
1130 入出力インタフェース
1200 ホールコンピュータ

Claims (1)

  1. 複数の図柄が各々に付された複数の可動体と、
    有利度合いが異なる複数の当選役の中からいずれかを選び出す抽選を実行する抽選手段と、
    前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記複数の可動体を停止制御する停止制御手段と、
    前記抽選手段の抽選結果に基づく図柄組み合わせを表示する図柄表示手段と、
    を備える遊技機であって、
    前記抽選手段によって有利度合いが高い強当選役が選び出され、かつ特定の条件を満たした場合に、前記強当選役に関する抽選結果情報を保持する抽選結果情報保持手段と、
    前記抽選結果情報を保持した情報保持ゲーム以降の情報開示ゲームにおいて、前記結果情報保持手段によって保持された前記強当選役に基づいた図柄組み合わせを前記図柄表示手段に表示して開示する結果情報開示手段と、
    前記特定の条件を満たす度合いが優遇される優遇期間を設定する優遇期間設定手段と、
    前記優遇期間において前記強当選役が選び出された場合に前記強当選役に関する抽選結果情報の保持度合いが高められる制御を実行することで、有利遊技状態への移行に対する期待度を高め得る制御を実行可能な期待度増加手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
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