[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、MB遊技に、より多くの遊技媒体の獲得を目的とする遊技性(本実施形態において「獲得ゾーン」と呼ぶ)と、MB遊技の終了後にリプレイタイムへ移行させて有利な遊技状態を継続させることを目的とする遊技性(本実施形態において「延命ゾーン」と呼ぶ)との二つの異なる遊技性をもたせている。MB遊技中に遊技媒体の残り払出枚数が所定範囲内の値に達したときにフリーズ制御を行い、適切なタイミングで「延命ゾーン」の契機となる演出画像を表示させることによって、MB遊技をより面白いものとしている。
<スロットマシンの全体構造の説明>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、横長矩形の透明な表示窓20aが形成してある。
この表示窓20aの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上L2A、下L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右上がりL3A,斜め右下がりL3B)の入賞ラインとがあり、投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)が表示される。
また、表示窓20aの下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、3−ベットスイッチ36が配設してあり、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入するための遊技媒体投入口38が設けてある。
この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110(図4参照)に記憶するようになっている。
3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。遊技者が、遊技媒体を3枚投入し、又は3−ベットスイッチ36を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、すなわち、L1、L2A、L2B、L3A及びL3Bを有効化する。ここで、本実施形態のスロットマシン10は、一般遊技中は3枚の遊技媒体を賭けの対象として遊技を行い、BB及びMB遊技中は2枚の遊技媒体を掛けの対象として遊技を行うようにしてある。
なお、本実施形態では、遊技媒体投入口38からの投入、又は3−ベットスイッチ36の操作に基づく遊技媒体の数を「ベット数」と称し、その後、RAM110に記憶されて設定されたベット数を「設定ベット数」と称する。
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示手段70が設けてある。なお、画像表示手段70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けてある。各リール40L,40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、図2に示すような21個の図柄が描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。各リール40L,40C及び40Rは、上述した表示窓20aを介してそれぞれ視認可能となっている。3本のリール40L,40C及び40Rが停止した場合には、表示窓20aを介して合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L,40C及び40Rは、それぞれモータ(図示せず)により回転駆動され、表示窓20aにおいて、各リール40L,40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rが設けてある。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ52L,52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、ストップスイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した5つの入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3B上に位置付けられるように停止制御している。
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納したスピーカ(図5に示すスピーカ64参照)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C及び40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行われ、複数のリール40L、40C及び40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行うことができる。
<役と図柄の組み合せ>
図2に示すリール40L、40C及び40Rの図柄の組み合わせは、例えば、図17のBB未動作時一般抽選表に示すような小役、再遊技役、MB役、BB役、SB役、はずれといった複数種類の役を形成する。以下、図17に示す役名称及び図柄の組み合わせと、図2に示す図柄との対応関係について説明する。なお、図2及び図17は例示であり、図柄のデザイン、配列、組み合せ、役の種類や数は自由に設定することができる。
図17に示すように、スロットマシン10では「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「再遊技役」、「MB役1」、「MB役2」、「BB1役」、「BB2役」、「SB役」、「はずれ」が設定してある。
「小役1」は、左リールのみを「チェリー」の図柄(図2の左欄18番の図柄参照)で停止させることにより入賞する役である。この「小役1」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中に入賞した場合は2枚、特別遊技中に入賞した場合は15枚に設定してある。
「小役2」は、左中右リールを全て「ベル」(図2の左欄0番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。この「小役2」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中又は特別遊技中の入賞を問わず15枚に設定してある。「小役3」は、左中右リールを全て「スイカ」(図2の左欄8番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。この「小役3」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中に入賞した場合は5枚、特別遊技中に入賞した場合は15枚に設定してある。
「小役4」は、左リールを「赤BAR」(図2の左欄12番の図柄参照)、中右リールをそれぞれ「ベル」で揃えることにより入賞する役である。この「小役4」は、後述するMB遊技中における入賞が、MB遊技からリプレイタイム(RT=再遊技高確率状態)へ移行させるための条件となる移行役でもある。この「小役4」の遊技媒体の払出枚数を、一般遊技中又は特別遊技中の入賞を問わず2枚に設定してある。
「再遊技役」は、左中右リールを全て「リプレイ」(図2の左欄20番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。この「再遊技役」に入賞した場合は、遊技媒体を消費することなく次回遊技を行うことができる。
「MB1役」は、左中リールをそれぞれ「赤7」(図2の左欄11番の図柄参照)、右リールを「青7」(図2の左欄2番の図柄参照)で揃えることにより入賞する役である。「MB2役」は、左中リールをそれぞれ「青7」、右リールを「赤7」で揃えることにより入賞する役である。「MB1役」に入賞した場合は254枚以上の遊技媒体の払い出しを限度に、「MB2役」に入賞した場合は154枚以上の遊技媒体の払い出しを限度に、MB遊技を行うことができる。
このMB遊技では、左リールをストップスイッチの押動操作から所定の短い時間内(ex.75ms以内)に停止させるリール制御が行われ、いわゆる目押しにより左リールが「チェリー」、「ベル」、「赤BAR」のいずれかで停止するようにしてある(図2の左欄の「チェリー」、「ベル」、「赤BAR」の図柄配置を参照)。そして、左→中→右の順番でストップスイッチを押動操作することにより、中右リールにそれぞれ「ベル」が揃って「小役1」、「小役2」又は「小役4」のいずれかに入賞するようにしてある。
「BB1役」は、左中右リールを全て「赤7」で揃えることにより入賞する役である。「BB2役」は、左中右リールを全て「青7」で揃えることにより入賞する役である。「BB1役」又は「BB2役」に入賞した場合は、いずれも346枚以上の遊技媒体の払い出しを限度にBB遊技を行うことができる。このBB遊技は、一般遊技と、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技媒体の払出枚数が346枚以上に達するまで繰り返し行うことができる遊技である。
「SB役」は、左リールを「青7」、中リールを「白BAR」(図2の左欄17番の図柄参照)、右リールを「赤7」で揃えることにより入賞する役である。「SB役」に入賞した場合は、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを1回だけ行うことができる。この「SB役」は、上述したMB遊技の終了役でもあり、MB遊技中において「SB役」に当選した場合はSBフラグがオンとなり(図7のステップS49)、その時点でMB遊技が終了する。
<機能ブロック図の説明>
図3は、スロットマシン10の制御に関する機能ブロック図である。同図において、制御回路として、主制御回路100と副制御回路200とが電気的に接続してある。主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続してあるとともに、リール40L、40C及び40Rの各々に設けたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続してある。副制御回路200には、報知手段600が電気的に接続してあり、この報知手段600には、画像表示手段70と、ランプ手段21と、スピーカ64とが含まれている。
操作手段300には、停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、3−ベットスイッチ36とが含まれる。また、停止操作手段310は、3つのストップスイッチ52L,52C及び52Rから構成してある。なお、これらの操作手段300は、スイッチやボタンに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
<<主制御回路100の説明>>
主制御回路100は、ベット制御手段400と、役抽選手段410と、リール制御手段420と、遊技制御手段430と、カウンタ手段440と、フリーズ制御手段450とを含んでいる。
ベット制御手段400は、遊技媒体投入口38の下部に設置した遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数、又は3−べットスイッチ36が操作されたときに発信されるベット操作信号に基づいて、新たなベット数を設定するとともに、必要に応じてクレジット数からベット数を減算する。また、ベット制御手段400は、これらの処理の結果を信号に変換して副制御回路200へ送信する。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、上述した役の抽選を行うものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器412(ハード乱数等)と、この乱数発生器412が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段414と、乱数抽出手段414が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段416とを備えている。
リール制御手段420は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行って、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信又は所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行う。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うようにするための図柄組み合わせ制御を行う。
遊技制御手段430は、役抽選処理で特別役、小役、再遊技役に当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、入賞した役に対応した処理を進める。本実施形態における遊技制御手段430は、所定枚数の遊技媒体の払い出しを行う以外に、特別遊技制御手段431と、再遊技高確率状態制御手段432とを含み、特別遊技とリプレイタイムに関する制御処理を行っている。
特別遊技制御手段431は、上述したBB遊技、MB遊技及びSB遊技や、これら特別遊技中における所定枚数の遊技媒体の払い出しなどの制御を行う。上述したように、特別遊技制御手段431が遊技状態をMB遊技に設定した場合は、リール制御手段420が、左リール40Lをストップスイッチ52Lの押動操作から所定の短い時間内(ex.75ms以内)に停止させるリール制御を行い、左リール40Lを「チェリー」、「ベル」、「赤BAR」のいずれかで停止させる(図2の左欄の「チェリー」、「ベル」、「赤BAR」の図柄配置を参照)。このとき左→中→右の順番でストップスイッチ52L、52C、52Rが押動操作された場合には、中右リール40C、40Rにそれぞれ「ベル」が揃って小役1、小役2又は小役4のいずれかに入賞させるリール制御が行われる。
また、特別遊技制御手段431は、MB遊技中の役抽選でSB役(終了役)に当選した場合、SBフラグをオンにして(図7のステップS49)、その時点でMB遊技を終了させる制御を行う。これにより、SB役に当選した当該遊技は一般遊技状態となるが、本実施形態では、遊技制御手段430が、SB役に当選した当該遊技に限り、前回遊技の制御状態を維持する制御を行うようにしてある。すなわち、SB役に当選した当該遊技では、上述したMB遊技中におけるリール制御が維持されるので、左リール40Lを目押しして小役1、小役2又は小役4のいずれかに入賞することが可能となる。当該遊技で小役4(移行役)に入賞した場合は、次に述べる再遊技高確率状態制御手段432が、遊技状態を再遊技高確率状態(リプレイタイム=RT)に変更する。
再遊技高確率状態制御手段432は、所定の開始条件が満たされたときに、遊技の態様を、役抽選で再遊技役の当選確率が極めて高確率となる再遊技高確率状態に変更し、その後、所定の終了条件が満たされたときに、再遊技高確率状態を終了させる制御を行う。本実施形態では、上述したMB遊技中において終了役であるSB役に当選し、かつSB役に当選した当該遊技において移行役である小役4に入賞した場合に、再遊技高確率状態が開始される。再遊技高確率状態は、例えば、その遊技回数が100回に達したことを条件に終了される。その他、RT遊技中における所定役の当選(ボーナス等)、所定の図柄の組み合わせが揃ったことを再遊技高確率状態の終了条件としてもよい。
ここで、再遊技高確率状態では、図16に示すBB未作動時RT抽選表を用いて役抽選が行われる。このBB未作動時RT抽選表では、再遊技役の当選確率が「1/1.54」(約65%)に設定されており、図17に示すBB未作動時一般抽選表における再遊技役の当選確率「1/7.3」(約14%)と比較して、極めて高い当選確率となっている。
カウンタ手段440は、遊技中における遊技媒体の払出枚数、残り払出枚数及び獲得枚数を計数する。このカウンタ手段440の計数結果は、副制御回路200へ送信され、演出画像中の払出枚数、残り払出枚数及び獲得枚数に反映される。また、本実施形態では、カウンタ手段440が計数したMB遊技中の遊技媒体の残り払出枚数に基づいて、次に述べるフリーズ制御手段450が所定のフリーズ制御を行う。
フリーズ制御手段450は、MB遊技における遊技媒体の残り払出枚数が所定範囲内の値になったときに、遊技の進行に関する制御処理を所定期間だけ待機状態とする制御を行う。待機状態とされる制御処理には、例えば、遊技媒体投入口38への遊技媒体の投入、3−ベットスイッチ36の操作、スタートスイッチ50の操作、ストップスイッチ52L、52C、52Rの操作、遊技媒体の払い出しに関する制御処理など、単位遊技を進行するための制御処理の一部又は全部が含まれる。
本実施形態では、MB遊技中における遊技媒体の払い出し処理後に、遊技媒体の残り払出枚数Nをカウントし、この残り払出枚数Nが44枚以下29枚以上の範囲内の値になったときにフリーズ制御を行うようにしてある(図11のステップS101〜108参照)。冒頭で述べたように、本実施形態では、MB遊技に「獲得ゾーン」と「延命ゾーン」との異なる遊技性を含ませ、「獲得ゾーン」でより多くの遊技媒体を獲得する遊技を行った時点で、「延命ゾーン」でリプレイタイムへ移行させる遊技を行うことを可能としている。そこで、「獲得ゾーン」から「延命ゾーン」へ切り替える最良のタイミング(遊技媒体の払出枚数Nが上記範囲内の値になった時)にフリーズ制御を行い、図13(b)に示す演出画像を所定期間だけキャンセルされることなく表示させ、「延命ゾーン」への切り替え契機を報知することとしている。
なお、フリーズ制御を行う所定期間の長さは、特に限定されるものではないが、演出画像の内容を遊技者が認識することができ、かつMB遊技の中断に遊技者がストレスを感じない程度の長さとすることが好ましい。図13(b)に示す演出画像であれば、例えば、フリーズ制御の所定期間を5秒ないし10秒間に設定することが考えられる。また、遊技媒体の払出枚数、獲得枚数あるいは遊技回数に応じて、フリーズ制御の所定期間を選択するようにしてもよい。
<<副制御回路200の説明>>
副制御回路200には、画像制御手段500と、画像記憶手段510と、ランプ制御手段520と、音声制御手段530とが含まれている。画像制御手段500は、主として、主制御回路100から受信した信号に基づいて、画像記憶手段510(実際は図5に示すROM208又はRAM210の記憶領域の一部)に記憶した各種画像データを読み出し、報知手段600の画像表示手段70に所定の演出画像を表示させる。
本実施形態では、画像制御手段500が、MB遊技の開始時に図13(a)に示す演出画像を表示させるとともに、MB遊技中における遊技媒体の残り払出枚数Nが、44枚以下29枚以上の範囲内の値になったときに図13(b)に示す演出画像を表示させるようにしてある。このようなタイミングで図13(a)、(b)に演出画像を表示させることにより、「獲得ゾーン」と「延命ゾーン」とを含む特徴的なMB遊技の遊技性を遊技者に認識させることが可能となる。
ここで、図13(a)、(b)の演出画像について更に詳述する。図13(a)の演出画像は、MB遊技中の「獲得ゾーン」の遊技性を極めて簡単に説明するためのものであり、小役2を表す「ベル、ベル、ベル」の図柄画像71、「獲得ゾーン 青7を目押し! 15G(ゲーム)」の報知画像72が含まれている。「獲得ゾーン」は、より多くの遊技媒体を獲得するMB遊技の本来の遊技性を楽しむものである。例えば、MB1役に入賞し、MB遊技が254枚以上の遊技媒体の払い出しで終了する場合には、図13(a)の演出画像に従って「青7」を目押しすると、左リール40Lが「ベル」で停止して小役2(払出枚数15枚)に入賞させることができる。MB遊技の開始から小役2に15回入賞させることで、合計225枚の遊技媒体が払い出されることになる。
そして、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下29枚以上の範囲内に達したタイミングで図13(b)の演出画像が表示される。この図13(b)の演出画像は、「延命ゾーン」の遊技性を極めて簡単に説明するためのものであり、小役4を表す「赤BAR、ベル、ベル」の図柄画像71、「延命ゾーン 赤BARを目押し! 15G(ゲーム)」の報知画像73が含まれている。「延命ゾーン」は、移行役である小役4に入賞させてリプレイタイムへ移行させる遊技性を楽しむものである。小役4に入賞したときの払出枚数は2枚であるから、残り払出枚数Nが29枚となった時点から「延命ゾーン」の遊技を15回行うことができる。
ここで、本実施形態では、残り払出枚数Nを44枚以下29枚以上の範囲内に設定しているので、「獲得ゾーン」において15枚と2枚の払い出しが混在した場合でも、残り払出枚数が29枚となる前に図13(b)に示す演出画像が表示され、「延命ゾーン」の遊技回数が15回確保されるようにしている。
図3に戻り、副制御回路200のその他の構成要素について説明すると、画像記憶手段には、図13(a)、(b)に示す演出画像やその他遊技中に画像表示手段70に表示させる各種演出画像の画像データが記憶されている。また、ランプ制御手段520は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、ROM208に記憶したランプ点灯データを読み出し、ランプ駆動回路222(図5参照)を制御して、報知手段600中のランプ手段21を点灯させる。さらに、音声制御手段530は、上述したように遊技中のBGMや効果音の制御を行うものである。この音声制御手段530は、主制御回路100から受信した信号に基づいてROM208(図5参照)に記憶した音声データを読み出し、スピーカ駆動回路224(図5参照)を制御して、報知手段600のスピーカ64から所定の音声を発する。
<スロットマシン10の制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、上述のように主制御回路100と副制御回路200とで構成してある。ここで、図4は、主制御回路100のブロック図を示し、図5は、主制御回路100に電気的に接続した副制御回路200のブロック図を示す。
<<主制御回路100>>
図4において、上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続してあり、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続してある。スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。この入出力バス104を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
また、上述したインターフェイス回路102には、各ストップスイッチ52L,52C,52R及び3−ベットスイッチ36も接続してある。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に供給される。
上述した入出力バス104には、ROM108及びRAM110も接続してある。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図6に示すメインルーチン、図7〜図11に示すサブルーチン、及びこれらのプログラムで使用するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器412も接続されている。乱数発生器412は、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。なお、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続してある。このモータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rのそれぞれを回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続してある。ステッピングモータ80L、80C及び80Rは、3つのリール40L、40C及び40Rの内部にそれぞれ設けてあり、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように取り付けてある。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、CPU106からの駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行っている。
リール40L、40C及び40Rには、回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)がそれぞれ設けてあり、各回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続してある。各回転角度位置センサから発せられたリール40L、40C及び40Rの回転角度位置を示す信号は、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、フロントパネル20の表示窓20aの位置で停止している図柄を特定する。
さらに、インターフェイス回路102には、接続線118も接続してある。この接続線118によって、主制御回路100に副制御回路200を電気的に接続してある。
<<副制御回路200>>
図5において、上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続してあり、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続してある。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。この入出力バス204を介して、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになっている。
上述した入出力バス204には、ROM208及びRAM210も接続してある。ROM208は、表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224を制御する制御プログラムや、この制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。例えば、後述する図12に示すMB遊技演出制御サブルーチン、画像表示手段70に表示される種々の演出画像の制御プログラム、ランプ手段21を点灯させるための制御プログラム、スピーカ64からBGMや効果音等の音声を発するための音声データを記憶している。
すなわち、CPU206は、主制御回路100から供給される制御信号に応じてROM208に記憶されている画像、ランプ点灯及び音声に関するデータを読み出し、そのデータを表示駆動装置221、ランプ駆動回路222及びスピーカ駆動回路224に供給する。これにより、画像表示手段70に演出画像が表示され、ランプ手段21が点灯し、及びスピーカ64から所定の音声が発せられる。
<スロットマシン10の制御処理の説明>
以下に、上述したスロットマシン10の制御手段において行われる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図6はスロットマシン10の主制御回路100で行われる制御処理のメインルーチンを示す。図7〜図10はメインルーチンで行われる制御処理である各サブルーチンを示す。
図7は役抽選手段410により行われる役抽選と、役抽選に引き続き行われるフラグオン処理を行う役抽選処理サブルーチンを示す。図8はリール制御手段420により、リールの回転、停止のための制御を行うリール変動・停止サブルーチンを示す。図9はリール変動・停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理であるフラグオフ処理サブルーチンを示す。図10はフラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述したスロットマシン10の主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
<<メインルーチンの説明>>
図6のフローチャートを用いて、メインルーチンの制御処理を説明する。メインルーチンは、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させ停止させた結果に基づく処理までの単位遊技を、1回行うときの制御処理を示す。
まず、ステップS10において、遊技状態が再遊技状態に設定されているか否かを判断する。なお、再遊技状態の設定は、図10に示す役当選時処理サブルーチンのステップS91において行われる。
ステップS10において、再遊技状態に設定されていないと判別した場合(NO)は、ステップS11に進み、遊技媒体が投入されたか否かを判断する。遊技媒体が投入されたと判別した場合(YES)は、ステップS15に進み、投入枚数をベット数として検出する。なお、遊技媒体が投入された場合のベット数は、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタによって検出される。規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入された場合には、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶される。
ステップS11において、遊技媒体が投入されていないと判別した場合(NO)は、ステップS12に進み、クレジットされた遊技媒体があるか否か判断する。クレジットされた遊技媒体があると判別した場合(YES)は、ステップS13に進み、3−ベットスイッチ36がオンされたか否かを判断する。ステップS13において3−ベットスイッチ36がオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS15に進み、3枚のベット数を検出する。
一方、ステップS12においてクレジットされた遊技媒体がないと判別した場合(NO)、ステップS13において3−ベットスイッチ36がオンされていないと判別した場合(NO)は、いずれもベット数を検出することができないので、ステップS11〜S13の判断を繰り返す。
また、ステップS10において、遊技が再遊技状態に設定されていると判別した場合(YES)は、ステップS14に進み、再遊技状態の設定を解除する。この場合は、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費したりすることなく、3枚のベット数で再び遊技を行うことができる。
ステップS14又はS15を経て、ステップS16に進み、スタートスイッチ50がオンされたか否かを判断する。スタートスイッチ50がオンされていないと判別した場合(NO)は、ステップS16の処理を繰り返す。一方、スタートスイッチ50がオンされたと判別した場合(YES)は、ステップS17の役抽選処理サブルーチンに進む。
ステップS17の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選処理が行われ、当選した役に応じて、BBフラグ、MBフラグ、SBフラグ、再遊技フラグ、対応する小役フラグをオンにする等のフラグオン処理が行われる。このサブルーチンの詳細については、図7のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS17)に引き続き、役抽選結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行うリール変動・停止サブルーチン(ステップS18)が行われる。このリール変動・停止サブルーチンは、リール制御手段420によって行われ、このサブルーチンの詳細については、図8のフローチャートを用いて後述する。
次に、リール変動・停止サブルーチンによりリールが停止した後、入賞図柄判定を行い、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行うフラグオフ処理サブルーチン(ステップS19)が行われる。このサブルーチンの詳細については、図9及び図10のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した役に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS20)が行われる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるが、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって単位遊技が終了する。そして、このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の単位遊技を行うことができる。
なお、図6のメインルーチンには示していないが、例えば、遊技媒体の投入の検出、3−ベットスイッチ36の押動操作、スタートスイッチ50の傾動操作、ストップスイッチ52L、52C、52Rの押動操作などがあった場合は、各検出又は操作ごとに主制御回路100から副制御回路200へ信号が送信される。
<<役抽選処理サブルーチン>>
図7を用いて役抽選処理とフラグオン処理とについて詳細に説明する。まず、遊技の態様がBB遊技中であるか否かを判断する(ステップS30)。遊技の態様がBB遊技中であると判別した場合(YES)は、ROM108に記憶されたBB作動時抽選表を読み出す(ステップS31)。ここで、BB作動時抽選表の実施例を図14に示す。
図14に示すBB作動時抽選表では、図柄番号1〜4の小役1〜4と、図柄番号5のはずれとが設定してあり、例えば、小役2が当選した場合には、3つのリール全てに「ベル」の図柄が揃うと入賞するように設定してある。後述するステップS39で行う役抽選において、小役2の当選確率を「1/1.51」(約66.25%)と非常に高く設定してあり、逆に、はずれの確率を「約1/3.26」(約30%)と低く設定してある。このようにBB遊技中は、小役2に当選する可能性が非常に高く、遊技者は有利な遊技を行うことができる。
ステップS30において、遊技の態様がBB遊技中ではないと判別した場合(NO)には、ステップS32に進み、遊技の態様がMB遊技中であるか否かを判断する。遊技の態様がMB遊技中であると判別した場合(YES)は、ROM108に記憶されたMB作動時抽選表を読み出す(ステップS33)。ここで、MB作動時抽選表の実施例を図15に示す。
図15に示すMB作動時抽選表には、説明の便宜上、図柄番号1〜4の小役1〜4が含まれているが、これら小役1〜4のうち小役1、小役2及び小役4は、MB遊技中の役抽選の対象にはなっていない。上述したように、MB遊技中は抽選によらずに小役1、小役2及び小役4を目押しで入賞させることが可能なリール制御が行われる。本実施形態のMB遊技では、図柄番号3の小役3、図柄番号5のSB役及び図柄番号6のはずれの抽選を行っている。上述したように、SB役はMB遊技の終了役であり、SB役に当選した時点でMB遊技が終了する。本実施形態では、小役3の当選確率を「1/80」(1.25%)、SB役の当選確率を「1/10」(10%)、はずれを「約1/1.127」(約88.75%)に設定してあり、30回の遊技を行った場合にSB役に当選するような確率としてある。SB役に当選した場合は、MB遊技が終了してしまうが、終了後にリプレイタイムへ移行させるチャンスでもある。
ステップS32において、遊技の態様がMB遊技中でないと判別した場合(NO)は、ステップS34に進み、遊技の態様がSB遊技中であるか否かを判断する。遊技の態様がSB遊技中であると判別した場合(YES)は、ROM108に記憶されたSB作動時抽選表を読み出す(ステップS35)。SB遊技は、小役2が高確率で当選するBB遊技を1回だけ行うものであり、図示しないが、SB作動時抽選表は、図14に示すBB作動時抽選表と同様の内容になっている。
ステップS34において、遊技の態様がSB遊技中でないと判別した場合(NO)は、ステップS36に進み、遊技状態がRT遊技中であるか否かを判断する。遊技状態がRT遊技中であると判別した場合(YES)は、に進み、ROM108に記憶されたBB未動作時RT抽選表を読み出す(ステップS37)。ここで、BB未作動時RT抽選表の実施例を図16に示す。
図16に示すBB未動作時RT抽選表では、上述したように、再遊技役の当選確率を「1/1.54」(約65%)と非常に高く設定してあり、はずれの当選確率を「約1/7.18」(約13.92%)と非常に低く設定してある。このような当選確率により、リプレイタイム中は遊技媒体を消費することなく所定回数の遊技を行うことができるようになっている。
ステップS36において、遊技の態様がRT遊技中でないと判別した場合(NO)は、ステップS38に進み、ROM108に記憶されたBB未動作時一般抽選表を読み出す。ここで、BB未作動時一般抽選表の実施例を図17に示す。
図17に示すBB未作動時一般抽選表は、BB遊技、SB遊技、MB遊技、RT遊技ではない通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、図柄番号1〜4の小役1〜4、図柄番号5の再遊技役、図柄番号6のMB1役、図柄番号7のMB2役、図柄番号8のBB1役、図柄番号9のBB2役、図柄番号10のSB役、図柄番号11のはずれが設定されている。
以上のようなステップS31、S33、S35、S37又はS38において、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、ステップS39に進み、乱数を取得して抽選判定を行う役抽選を実施する。
その後、ステップS40〜S53において抽選結果の判定と必要なフラグオン処理とを行う。すなわち、ステップS40、S42、S44、S46、S48、S50、S52において、BB1役、BB2役、MB1役、MB2役、SB役、再遊技役、小役に当選したか否かを判断する。そして、これらのステップでいずれかの役に当選していると判別した場合(YES)は、当選した役に対応するBB1フラグ、BB2フラグ、MB1フラグ、MB2フラグ、SBフラグ、再遊技フラグ、小役フラグのいずれかをオンに設定する(ステップS41、S43、S45、S47、S49、S51、S53)。
これらステップS41、S43、S45、S47、S49、S51、S53のフラグ処理が終了した後は、ステップS54へ進み、役抽選の結果に関する信号を副制御回路200へ送信する。そして、当選した図柄番号、図柄データをRAM110に記憶する(ステップS55)。また、ステップS52において、いずれの小役にも当選していないと判別した場合(NO)も、ステップS54へ進み、副制御回路200へ信号を送信する。この場合は、はずれの図柄番号、制御図柄データをRAM110に記憶する(ステップS55)。
ステップS55においてRAM110に記憶した図柄番号、制御図柄データは、後述するリール変動・停止サブルーチンに用いられる。以上によって、役抽選処理サブルーチンを終了する。
<<リール変動・停止サブルーチンの説明>>
次に、図6のメインルーチンにおいて、役抽選処理サブルーチン(ステップS17)が終了すると、次に、リール変動・停止サブルーチン(ステップS18)を行う。図8を用いてリールの変動・停止制御について説明する。
まず、図7のステップS55で記憶した図柄番号と制御図柄データとを読み出す(ステップS61)。そして、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行う(ステップS62)。最短時間が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS62の判断処理を繰り返し実行する。この結果、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転は開始できないようにしている。この制御によって、一定時間に行われる遊技回数を、所定回数以内に抑える制御を行っている。
ステップS62において、最短時間が経過したと判別した場合(YES)は、リール回転開始信号を発信する(ステップS63)。この信号に基づいて、図4のモータ駆動回路114が作動して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始し、各リール40L、40C、40Rが回転を始める。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS64)。リールの回転がまだ定速回転になっていないと判別した場合(NO)は、このステップS64の判断処理を繰り返す。この結果、リールの回転が定速回転に達するまで、次の工程であるリール停止制御が行うことができないようにしている。
ステップS64において、リールの回転が定速回転になっていると判別した場合(YES)は、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS65〜S67)。
リール停止信号は、ストップスイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つのスイッチを押動操作したときに発信される。すなわち、ステップS65において第1リール用のストップスイッチ52Lが押動操作された場合(YES)は、第1リール停止信号(操作信号)が発信され、第1リール40Lを回転させるモータ80Lの停止制御を行う(ステップS68)。同様に、ステップS66において第2リール用のストップスイッチ52Cが押動操作された場合(YES)は、第2リール停止信号(操作信号)が発信され、第2リール40Cを回転させるモータ80Cの停止制御を行う(ステップS68)。また、ステップS67において第3リール用のストップスイッチ52Rが押動操作された場合(YES)は、第3リール停止信号(操作信号)が発信され、第3リール40Rを回転させるモータ80Rの停止制御を行う(ステップS68)。
第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれも受信しないと判別したときは、ステップS65〜S67の判断処理を繰り返し行い、ステップS68の停止制御は行わない。一方、第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれか1つを受信したと判別したときには、ステップS68へ進む。
ステップS68では、当選した役があるか否かを判別し、当選した役があると判別した場合、入賞ライン(図1中のL1,L2A,L2B,L3A,L3B参照)上に停止可能な範囲内に当選した役に対応する図柄があるときには、その図柄を入賞ライン上に停止させる。
上述したように、遊技の状態がMB遊技中の場合には、ステップS68において、左リール40Lをストップスイッチ52Lの押動操作から所定の短い時間内(ex.75ms以内)に停止させるリール制御を行い、左リール40Lを「チェリー」、「ベル」、「赤BAR」のいずれかで停止させる制御が行われる。例えば、図2に示す図柄配置において、左リール40Lをストップスイッチ52Lの押動操作から75ms以内に停止させる制御を行う場合は、押動操作された位置から当該図柄を含めて2コマ以内で図柄が移動停止可能である。例えば、図2中の点線で囲まれた箇所をスロットマシン10の表示窓20aと仮定し、図2の左欄12番の位置に「赤BAR」が表示されたときにストップスイッチ52Lが押動操作されると、この左欄12番の位置には、「赤BAR」又は「赤BAR」の1コマ上の「赤7」(左欄13番の図柄参照)が停止可能となる。なお、上述の制御は左リールの停止制御に限定されず、少なくとも1つのリールに対して、リール配列や小役構成に応じて中リール又は右リールに適用してもよい。
このとき左→中→右の順番でストップスイッチ52L、52C、52Rが押動操作された場合には、中右リール40C、40Rにそれぞれ「ベル」が揃って小役1、小役2又は小役4のいずれかに入賞させるリール制御が行われる。さらに、MB遊技中の役抽選でSB役に当選した場合は、SB役に当選した当該遊技に限り、前回遊技であるMB遊技のリール制御が維持されるようにしてある。
その後、ステップS69に進み、全リールが停止したか否か判断し、全リールが停止していないと判別した場合(NO)は、ステップS65に戻り、全リールが停止するまで、ステップSS65〜S67のいずれかの判断処理と、ステップS68の停止制御と、ステップS69の全リール停止の判断とを繰り返す。一方、全リールが停止したと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
<<フラグオフ処理サブルーチンの説明>>
図6のメインルーチンにおいて、上述のリール変動・停止サブルーチン(ステップS18)が終了すると、次に、入賞判定を含むフラグオフ処理サブルーチン(ステップS19)を行う。図9を用いてフラグオフ処理について説明する。
まず、ステップS71において、遊技状態がBB遊技中であるか否かを判断する。BB遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS72に進み、BB遊技処理を行う。
BB遊技処理では、所定の終了条件に達するまで、図14のBB作動時抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。この終了条件として、例えば、BB遊技中における遊技媒体の払出枚数又は獲得枚数、遊技回数又は入賞回数などを設定することができる。本実施形態では、BB1又はBB2役に入賞した場合のBB遊技の終了条件を、346枚以上の遊技媒体の払い出しとしている。
ステップS71において、遊技状態がBB遊技中ではないと判別した場合(NO)は、遊技状態がMB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS73)。MB遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS74に進み、MB遊技処理を行う。
MB遊技処理では、所定の終了条件に達するまで、図15のMB作動時抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。また、MB遊技処理には、上述したような、各リール40L、40C、40Rの特殊な停止制御、及び遊技媒体の残り払出枚数に基づくフリーズ制御も含まれる。さらに、MB遊技中の役抽選でSB役に当選した場合は、SB役に当選した当該遊技に限り、前回遊技であるMB遊技のリール制御が維持される制御処理を行うが、この制御処理もMB遊技処理に含まれる。
ステップS73において、遊技状態がMB遊技中ではないと判別した場合(NO)は、遊技状態がSB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS75)。遊技状態がSB遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS76に進み、SB遊技処理を行う。
SB遊技処理では、SB役に入賞した次回遊技に限り、所定小役の当選確率が高く設定された抽選表(図14のBB作動時抽選表とほぼ同様の抽選表)を用いた遊技に関する制御処理を行う。これにより、1回だけのボーナス遊技であるSB遊技を行うことが可能となる。
ステップS75において、遊技状態がSB遊技中ではないと判別した場合(NO)は、遊技状態がRT遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS77)。遊技状態がRT遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS78に進み、RT遊技処理を行う。
RT遊技処理では、再遊技役に入賞した次回遊技に限り、図16のBB未動作時RT抽選表を用いた遊技に関する制御処理を行う。このRT遊技処理には、前回遊技のベット数をそのまま設定ベット数とし、遊技媒体を投入しないで次回遊技を行う制御処理も含まれる。
上述したステップS72、S74、S76、S78の各遊技処理を行った後、又はステップS77でRT遊技中ではないと判別した場合(NO)は、ステップS79に進み、当選した役があるか否か判断する。当選役があると判別した場合(YES)は、ステップS80に進み、図10に示す当選時処理サブルーチンの制御処理を実行する。一方、ステップS79において、当選役がないと判別した場合(NO)は、そのままフラグオフ処理サブルーチンを終了する。
<<役当選時処理サブルーチンの説明>>
図10を用いて役当選時処理について説明する。この役当選時処理サブルーチンは、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であり、BB遊技、MB遊技、SB遊技、RT遊技又は一般遊技のいずれかの遊技状態において、なんらかの役に当選した場合に実行される。
まず、上述のリール変動・停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS81)。そして、この入賞図柄判定の結果、BB1役に入賞しているか否かを判断する(ステップS82)。BB1役に入賞していると判別した場合(YES)は、BB1フラグをオフにしてBB1遊技状態に設定し(ステップS83)、本サブルーチンを終了する。BB1遊技状態に設定することにより、次回の遊技はBB1遊技中と判別される。
ステップS82において、BB1役に入賞していないと判別した場合(NO)は、BB2役に入賞しているか否かを判断する(ステップS84)。BB2役に入賞していると判別した場合(YES)は、BB2フラグをオフにしてBB2遊技状態に設定し(ステップS85)、本サブルーチンを終了する。BB2遊技状態に設定することにより、次回の遊技はBB2遊技と判別される。
ステップS84において、BB2役に入賞していないと判別した場合(NO)は、MB1役に入賞しているか否かを判断する(ステップS86)。MB1役に入賞していると判別した場合(YES)は、MB1フラグをオフにしてMB1遊技状態に設定し(ステップS87)、本サブルーチンを終了する。MB1遊技状態に設定することにより、次回の遊技はMB1遊技と判別される。
ステップS86において、MB1役に入賞していないと判別した場合(NO)は、MB2役に入賞しているか否かを判断する(ステップS88)。MB2役に入賞していると判別した場合(YES)は、MB2フラグをオフにしてMB2遊技状態に設定し(ステップS89)、本サブルーチンを終了する。MB2遊技状態に設定することにより、次回の遊技はMB2遊技と判別される。
ステップS88において、MB2役に入賞していないと判別した場合(NO)は、再遊技役に入賞しているか否かを判断する(ステップS90)。再遊技役に入賞していると判別した場合(YES)は、再遊技フラグをオフにして再遊技状態に設定し(ステップS91)、本サブルーチンを終了する。再遊技状態に設定することにより、次回の遊技は再遊技と判別される。
ステップS90において、再遊技役に入賞していないと判別した場合(NO)は、ステップS92に進み、入賞図柄判定の結果にかかわらず、当選したSB役又は小役1〜4に対応するフラグをオフにした後、本サブルーチンを終了する。
<<メインルーチンの説明(続き)>>
以上のようにして、図9及び図10に示すフラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、図6のメインルーチンに戻り、ステップS19の入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップS20の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする単位遊技を行うための制御処理が終了する。
<本実施形態におけるMB遊技の説明>
以下、本実施形態に係るスロットマシン10のMB遊技中の制御処理について、図11〜図13を参照しつつ説明する。図11は、主制御回路のMB遊技中フリーズ制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。図12は、副制御回路のMB遊技演出制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。図13(a)、(b)は、画像表示手段に表示される演出画像を示す説明図である。
以下に例示するMB遊技は、MB1役に入賞した場合のMB遊技を具体例としており、このMB遊技は、遊技媒体の払出枚数が254枚以上に達した場合、終了役であるSB役に当選した場合に終了する。また、SB役に当選した当該遊技では、MB遊技中の制御状態が維持され、当該遊技において小役4(移行役)を入賞させた場合には、遊技状態がリプレイタイムへ移行するようになっている。
本実施形態では、このMB遊技に「獲得ゾーン」と「延命ゾーン」との異なる遊技性をもたせている。すなわち、MB遊技中における遊技媒体の残り払出枚数29枚を目安として、MB遊技前半の30ゲームを小役2(払出枚数15枚)に入賞させる「獲得ゾーン」とし、MB遊技後半の30ゲームを小役4(払出枚数2枚)に入賞させる「延命ゾーン」としている。「獲得ゾーン」では15枚払い出しの小役2に入賞させてより多くの遊技媒体を獲得し、「延命ゾーン」では移行役である小役4に入賞させてリプレイタイムへの移行を期待する遊技性となっている。そして、遊技者に「獲得ゾーン」から「延命ゾーン」への適切な切替タイミングを報知するために、遊技媒体の残り払出枚数29枚を目安にフリーズ制御を行い、「延命ゾーン」の契機となる図13(b)の演出画像を表示させるようにしている。
<<MB遊技中フリーズ制御処理サブルーチン>>
まず、ステップS101において、図3に示す主制御回路100の遊技制御手段430が、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断する。MB遊技中でないと判別した場合(NO)は、このステップS101の判断を繰り返す待機状態となる。
ステップS101において、現在の遊技状態がMB遊技中であると判別した場合(YES)は、ステップS102に進み、MB遊技における遊技媒体の残り払出枚数Nをカウントする。この遊技媒体の残り払出枚数Nは、図3に示すカウンタ手段440により算出される。
ステップS103に進み、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下であるか否か判断する。遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下であると判別した場合(YES)は、ステップS104に進み、遊技媒体の残り払出枚数Nが29枚以上であるか否か判断する。
すなわち、ステップS103及びS104では、遊技媒体の残り払出枚数Nが44〜29枚の範囲内にあるか否か判断している。この44≧N≧29は、後述するフリーズ制御を行い、かつ「延命ゾーン」の契機となる図13(b)の演出画像を表示させる条件となっている。この条件を44≧N≧29という所定範囲としたことにより、「獲得ゾーン」において遊技媒体がランダムに払い出された場合でも、遊技媒体の残り払出枚数が29枚以下となる前に、図13(b)の演出画像が確実に表示されることとなり、「延命ゾーン」の遊技を少なくとも15回行うことが可能となる。
ステップS103及びS104において、遊技媒体の残り払出枚数Nが44〜29枚の範囲内にあると判別した場合(YES)は、ステップS105に進み、既にフリーズ制御を実行したか否か判断する。フリーズ制御を実行していないと判別した場合(NO)は、ステップS106に進み、フリーズ制御を実行する。
このフリーズ制御とは、図3に示すフリーズ制御手段450により行われるものであり、例えば、3−ベットスイッチ36、スタートスイッチ50、各ストップスイッチ52L、52C、52Rの操作に基づく制御処理など、遊技を進行するための制御処理を所定時間だけ待機状態とする。この所定時間内に、「延命ゾーン」の契機となる図13(b)の演出画像がキャンセルされることなく表示される(図12のステップS136)。
ここで、本実施形態では、遊技媒体の残り払出枚数Nが44〜29枚の範囲内であっても(ステップS103、S104)、フリーズ制御は1回だけ行うこととしている(ステップS105)。このフリーズ制御は、「延命ゾーン」の契機となる図13(b)の演出画像を、所定時間だけキャンセルされることなく表示させるためのものである。なお、フリーズ制御の回数は1回に限定されるものではない。複数回のフリーズ制御を行って、図13(b)の演出画像を複数回表示させるようにしてもよい。さらに、複数回のフリーズ制御ごとに異なる演出画像を表示させるようにしてもよい。
次いで、ステップS107に進み、所定時間が経過したか否か判断する。所定時間が経過していないと判別した場合(NO)は、ステップS107の判断を繰り返し、そのままフリーズ制御を継続する(ステップS106)。一方、所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS108に進み、フリーズ制御を終了する。これにより、スロットマシン10の遊技を進行するための制御処理が復帰して遊技可能な状態となる。
上述したステップS103及びS104の判別結果がNOの場合、S105において既にフリーズ制御を実行したと判別した場合(YES)、ステップS108を経てフリーズ制御が終了した場合、いずれの場合もステップS111に進み、役抽選の結果(図7のステップS39)、終了役であるSB役に当選したか否か判断する。
ステップS111において、SB役に当選したと判別した場合(YES)は、ステップS112に進み、MB遊技を終了させる。すなわち、SB役に当選した時点でSBフラグがオンとなり(図7のステップS49)、その時点でMB遊技が終了する。これにより、SB役に当選した当該遊技は一般遊技状態となる。
ステップS113に進み、SB役に当選した当該遊技に限り、前回遊技の制御状態を維持する。すなわち、当該遊技に限り、図9に示すステップS74のMB遊技処理を継続する。これにより、当該遊技においてMB遊技中と同様に、移行役である小役4を目押しで入賞させることが可能となる。
ステップS114に進み、全リールが停止したか否か判断する。全リールが停止していないと判別した場合(NO)は、この判断を繰り返す。一方、全リールが停止したと判別した場合(YES)は、ステップS115に進み、当該遊技において移行役である小役4に入賞したか否かを判断する。
ステップS115において、小役4に入賞したと判別した場合(YES)は、ステップS116に進み、図3に示す再遊技高確率状態制御手段432が、遊技状態を再遊技高確率状態(リプレイタイム=RT)に変更する。これにより、MB遊技の終了後にリプレイタイムが開始されることとなり、MB遊技の終了後も遊技者に有利な遊技状態が継続される。
ステップS115において、小役4に入賞していないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
一方、上述したステップS111において、終了役であるSB役に当選していないと判別した場合(NO)は、ステップS117に進み、遊技媒体の払出枚数が、MB遊技終了の条件である254枚以上に達したか否か判断する。254枚以上に達したと判別した場合(YES)は、MB遊技を終了させた後(ステップS118)、本サブルーチンを終了する。
ステップS117において、遊技媒体の払出枚数が254枚以上に達していないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。この場合は、次回遊技もMB遊技が継続するので、ステップS101に戻り、再び本サブルーチンの制御処理が行われる。
<<MB遊技演出制御サブルーチン>>
次に、MB遊技演出制御処理サブルーチンについて、図12及び図13を参照しつつ説明する。本サブルーチンは、図3に示す副制御回路200の画像制御手段500により、上述したMB遊技中フリーズ制御処理サブルーチンと並行して実行される。
まず、ステップS131において、MB役に入賞したか否かを判断する。MB役に入賞していないと判別した場合(NO)は、このステップS131の判断を繰り返す待機状態となる。一方、MB役に入賞したと判別した場合(YES)は、ステップS132に進み、図3に示す画像表示手段70、ランプ手段21及びスピーカ64を用いたMB遊技の専用演出を開始する。
次いで、ステップS133に進み、主制御回路100からのリール回転開始信号を受信したか否か判断する。リール回転信号を受信していないと判別した場合(NO)は、このステップS133の判断を繰り返す。
ステップS133において、リール回転信号を受信したと判別した場合(YES)は、図13(a)の演出画像を画像表示手段70に表示させる。図13(a)の演出画像は、「獲得ゾーン 青7を目押し! 15G(ゲーム)」との報知画像72を含んでおり、MB遊技中の1〜15ゲームまでは、より多くの遊技媒体を獲得する「獲得ゾーン」であることが報知される。
この「獲得ゾーン」では、図13(a)の報知画像72に含まれる「青7を目押し!」の表示に従って、左リール40Lの「青7」(図2の図柄番号2を参照)を狙ってストップスイッチ52Lを押動操作すると、この押動操作から75ms以内に左リール40Lを停止させるリール制御が行われ、この結果、左リール40Lが、「青7」の2コマ上又は下の「ベル」(図2の図柄番号4又は0を参照)で停止される。このとき左→中→右の順番でストップスイッチ52L、52C、52Rを押動操作すると、中右リール40C、40Rにそれぞれ「ベル」が揃って、小役2に入賞させるリール制御が行われる。これにより、遊技媒体の払出枚数15枚の遊技を15ゲーム行って、合計225枚の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
ステップS135に進み、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下であるか否か判断する。このステップS135は、図11のステップS103に対応する条件を定めたものであり、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下に達したか否か判断し、上述したフリーズ制御がなされるタイミングで、「延命ゾーン」の契機となる図13(b)の演出画像を表示させるようにしている。
ステップS135において、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下であると判別した場合(YES)は、ステップS136に進み、図13(b)に示す演出画像を画像表示手段70に表示させる。図13(b)の演出画像は、「延命ゾーン 赤BARを目押し! 15G(ゲーム)」との報知画像73を含んでおり、MB遊技中の1〜15ゲームまでは、移行役である小役4に入賞させてリプレイタイムへの移行を期待する「延命ゾーン」であることが報知される。図13(b)の演出画像が表示された場合には、これと同時にフリーズ制御が実行されることとなり(図11のステップS106)、所定時間が経過するまで(図11のステップS107)、「延命ゾーン」の演出画像がキャンセルされることなく表示されることになる。
その後、ステップS137に進み、終了役であるSB役に当選したか否か判断する。SB役に当選していると判別した場合(YES)は、ステップS138に進み、移行役である小役4に入賞したか否か判断する。小役4に入賞したと判別した場合(YES)は、ステップS141に進み、現在行われているMB遊技の演出態様をRT遊技の演出態様へ変更する。
ステップS137でSB役に当選していないと判別した場合(NO)、ステップS138で小役4に入賞していないと判別した場合(NO)は、いずれもステップS139に進み、遊技媒体の払出枚数が、MB遊技終了の条件である254枚以上に達したか否か判断する。254枚以上に達したと判別した場合(YES)は、ステップS140に進み、MB遊技の演出態様を一般遊技の演出態様へ変更した後、本サブルーチンを終了する。
一方、上述したステップS135において、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下に達していないと判別した場合(NO)は、ステップS142に進み、終了役であるSB役に当選したか否か判断する。SB役に当選していないと判別した場合(NO)は、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下に達するまでステップS135の判断を繰り返す。
ステップS142において、遊技媒体の残り払出枚数Nが44枚以下に達する前に、終了役であるSB役に当選したと判別した場合(YES)は、ステップS136に進み、図13(b)に示す演出画像を画像表示手段70に表示させる。ここでの表示は、図11のステップS106におけるフリーズ制御と無関係に行われるので、例えば、ストップスイッチ52L、52C、52R等の遊技を進行させる操作によってキャンセルされてしまう場合もある。しかし、図13(b)の演出画像に従って、移行役である小役4に入賞させれば、次回遊技から遊技状態をリプレイタイムへ移行させることができる。
その後、ステップS137に進み、終了役であるSB役に当選したか否か判断するが、既にステップS142でSB役に当選していると判別しているので(YES)、そのままステップS138に進み、移行役である小役4に入賞したか否かを判断する。以降は上述したステップS139〜141と同様の制御処理を行い、本サブルーチンを終了する。
<第1実施形態の作用・効果>
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、MB遊技における遊技媒体の払出枚数Nに基づいてフリーズ制御を行い、このフリーズ制御が行われる所定期間中に、図13(b)に示す「延命ゾーン」の演出画像をキャンセルされることなく表示させることができる。これにより、MB遊技の本来の遊技である「獲得ゾーン」に、リプレイタイムへ移行させる遊技である「延命ゾーン」が追加され、これら異なる遊技性が相まって、遊技者の裁量で、より多くの遊技媒体を獲得しつつリプレイタイムへ移行させる、という新たな遊技性が創設され、MB遊技をより面白いものとすることができる。
なお、上述した実施形態では、一の特定遊技をMB遊技とし、他の特定遊技をRT(リプレイタイム)遊技としたが、この組み合わせに限定されるものでなく、BB遊技、RB遊技などの一般遊技よりも遊技者にとって有利に進行する遊技であれば、特定遊技として本発明の対象とすることが可能である。また、一の特定遊技の終了役はSB役に限定されるものではなく、種々の役を終了役に設定することが可能である。例えば、RB役を終了役に設定してもよい。
また、上述した本実施形態では、MB遊技中における遊技媒体の払出枚数が所定範囲内の値に達したときに、自動的にフリーズ制御が開始されるようにしたが、これに限定されるものではない。遊技媒体の払出枚数が所定の値又は所定範囲内の値に達し、かつ、遊技者が所定の操作(ex.3−ベットスイッチの操作)を行ったときにフリーズ制御が開始されるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、遊技媒体の払出枚数が所定範囲内の値に達したときに、図13(b)に示す「延命ゾーン」の演出画像を表示させていたが、これに限定されるものではなく、遊技媒体の獲得枚数が所定の値又は所定範囲内の値に達したときに、この演出画像を表示させることとしてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図18〜図22を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態のスロットマシンは、実物の回胴に図柄を付したメインリールと、液晶表示装置等の画像表示手段に表示された画像としてのサブリールとを備えた構成としてある。そして、254枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB1役と、136枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB2役とを設定するとともに、BB1役に入賞したのか、BB2役に入賞したのか遊技者の判別を困難とし(このようなBB遊技を本実施形態に限って単に「BB遊技」という)、このBB遊技において、遊技媒体の払出枚数が136枚に達したときにフリーズ制御を行い、BB遊技の終了及び継続を報知する演出画像を表示させることによって遊技者の興味を煽り、BB遊技をより面白いものとしている。
<スロットマシンの実物リール・液晶リールの説明>
図18は、本実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体上部には、3つの実物リール40L、40C及び40Rが回動自在に設けてある。各実物リール40L、40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、役に対応した複数種類の図柄41、41、41…を等間隔で印刷したリールテープが貼着してある。
実物リール40L、40C及び40Rの各図柄41は、役を構成する「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、「赤7」、「青7」等の図柄(上述した図2及び図17参照)にそれぞれ対応するものであるが、本実施形態では、図柄41を全て顔図柄とすることによって、停止した図柄41の組み合せを見ても、どの役に入賞したのか判別を困難としている。
一方、スロットマシン10の筐体前面部には、大型の液晶ディスプレイパネルからなる画像表示手段70が設けてあり、この画像表示手段70には、上述した3つの液晶リール70L、70C及び70Rが表示される。各液晶リール70L、70C及び70Rには、役を構成する「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、「赤7」、「青7」等の図柄画像71、71、71…が表示されている。なお、第1実施形態と同様に、画像表示手段70は液晶ディスプレイパネルに限定されるものではなく、リール画像やその他の演出画像を表示することが可能な、あらゆる表示装置を用いることが可能である。
上述したように、本実施形態では、実物リール40L、40C及び40Rの図柄(顔図柄)41によって入賞役の判別を困難とし、役を構成する図柄は、液晶リール70L、70C及び70Rの図柄画像71として表示される。したがって、スロットマシン10の遊技は、専ら液晶リール70L、70C及び70Rの図柄画像71を見ながら行われることになる。
このような実物リール40L、40C及び40Rと、液晶リール70L、70C及び70Rとによる図柄41,71の表示態様を利用して、本実施形態では、BB1役に入賞したのか、BB2役に入賞したのか遊技者の判別を困難とする演出を行っている。例えば、図17に示すBB1役(入賞図柄は「赤7、赤7、赤7」の組み合わせ)、又はBB2役(入賞図柄は「青7、青7、青7」の組み合わせ)に入賞した場合に、図2及び図7に存在しない特別な「ボーナス図柄」の図柄画像71の組み合せで各液晶リール70L、70C及び70Rを停止させる演出制御を実行する。この「ボーナス図柄」の図柄画像71は、何らかのボーナス役に入賞したことを暗示させることが可能であれば、図柄のデザインは特に限定されない。また、このような「ボーナス図柄」の図柄画像71を表示する代わりに、何らかのボーナス役に入賞したことを報知する演出画像を表示させることとしてもよい。
このような演出制御により、何らかのボーナス役に入賞したが、BB1役又はBB2役のいずれに入賞したか判別困難な状態を作り出している。そして、「ボーナス図柄」の図柄画像71が揃ったことを契機に、一般遊技中とは異なる演出(例えば、遊技状態がボーナスステージに移行したことを報知する演出)を開始し、遊技状態が何らかのボーナス遊技へ移行したことを遊技者に報知する。その後の遊技において小役2の入賞が頻発する(図14参照)ことで、遊技者は、現在の遊技状態がBB遊技であると認識する。但し、254枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB1遊技なのか、136枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB2遊技なのかは、現在の遊技状態から判別することができない。このようなBB遊技において、遊技媒体の払出枚数が136枚に達したタイミングでフリーズ制御を行い、このフリーズ制御が行われる所定期間中に、BB遊技の終了を報知する演出画像(図22(a)参照)を表示させるとともに、BB1役に入賞していた場合には、さらにBB遊技の継続を報知する演出画像(図22(b)参照)を表示させることによって、一端終了したBB遊技が続行ないし延長されたような演出が可能となる。
<副制御回路200の説明>
図19は、スロットマシン10の副制御回路200を示す機能ブロック図である。同図において、副制御回路200には、画像制御手段500と、画像記憶手段510と、ランプ制御手段520、音声制御手段530とが含まれている。ランプ制御手段520及び音声制御手段530は、第1実施形態と同様の構成となっているので、詳細な説明は省略する。
画像制御手段500には、液晶リール演出制御手段501と、演出画像制御手段502とが含まれている。また、画像記憶手段510には、図柄画像データ記憶手段511と、演出画像データ記憶手段512とが含まれている。
液晶リール演出制御手段501は、主制御回路100から受信した信号に基づいて、液晶リール70L、70C及び70Rの演出制御を実行する。例えば、スタートスイッチ50の操作信号に基づいて液晶リール70L、70C及び70Rの回転演出を開始し、ストップスイッチ52L、52C及び52Rの停止信号に基づいて、液晶リール70L、70C及び70Rの停止演出を行う。また、液晶リール演出制御手段501は、図3に示す役抽選手段410による役抽選の結果に基づいて、当選役(はずれを含む)に対応する図柄画像71の組み合わせとなるように液晶リール70L、70C及び70Rを停止させる。液晶リール70L、70C及び70R、図柄画像71の画像データは、図柄画像データ記憶手段511に記憶されている。
演出画像制御手段502は、上述した液晶リール70L、70C及び70Rの演出制御以外の演出制御を実行する。例えば、図22(a)に示すBB遊技の終了を報知する演出画像、図22(b)に示すBB遊技の継続を報知する演出画像、その他、キャラクター画像等を用いた当選役などの報知画像を表示させる。図22(a)、(b)の演出画像を含む各種画像データは、演出画像データ記憶手段512に記憶されている。
<副制御回路サブルーチンの説明>
図20は、液晶リールの回転・停止演出の制御を行うための副制御回路サブルーチンを示す。以下、同図を参照しつつ、副制御回路200の液晶リール演出制御手段501による液晶リール70L、70C及び70Rの回転・停止演出の制御処理について説明する。
まず、ステップS121において、主制御回路100における役抽選の結果を受信したか否か判断する。役抽選の結果は、上述した図7のステップS54において副制御回路200へ送信される。役抽選の結果を受信していないと判別した場合(NO)は、ステップS121の判断を繰り返す。
一方、ステップS121において、役抽選の結果を受信したと判別した場合(YES)は、ステップS122に進み、当選役(はずれを含む)に対応した所定の図柄画像71の組み合わせを選択する。
ここで、ステップS122では、BB1役又はBB2役に当選したときに、図2及び図7に存在しない特別な「ボーナス図柄」の図柄画像71の組み合わせを選択する場合がある。すなわち、図21のBB遊技中フリーズ制御処理サブルーチンにおいて、主制御回路100における役抽選でBB1役又はBB2役に当選した場合(図21のステップS145)には、特別遊技制御手段431がフリーズ制御を実行するか否かを抽選により決定する(図21のステップS146)。フリーズ制御を実行する場合(YES)には、副制御回路200に信号が送信され、この信号に基づいて、液晶リール演出制御手段501が、「はずれ」の図柄画像71の組み合わせを選択する。
次いで、ステップS123に進み、実物リール40L、40C及び40Rが回転を開始したか否か判断する。実物リール40L、40C及び40Rが回転を開始したか否かは、上述した図8のステップS63において発信されるリール回転開始信号に基づいて判断される。これにより、実物リール40L、40C及び40Rの回転開始に同期して、液晶リール70L、70C及び70Rが回転開始することになる。
ステップS123において、実物リール40L、40C及び40Rが回転を開始していないと判別した場合(NO)は、このステップS123の判断を繰り返す。一方、実物リール40L、40C及び40Rが回転を開始したと判別した場合(YES)は、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS125〜S127)。
図8のステップS65〜S67で説明したように、リール停止信号は、ストップスイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つのスイッチを押動操作したときに発信される。ステップS125において第1リール用のストップスイッチ52Lが押動操作された場合(YES)は、第1リール停止信号が発信され、第1液晶リール70Lを停止させる演出を行う(ステップS128)。同様に、ステップS126において第2リール用のストップスイッチ52Cが押動操作された場合(YES)は、第2リール停止信号が発信され、第2液晶リール70Cを停止させる演出を行う(ステップS128)。また、ステップS127において第3リール用のストップスイッチ52Rが押動操作された場合(YES)は、第3リール停止信号が発信され、第3液晶リール70Rを停止させる演出を行う(ステップS128)。
第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれも受信しないと判別したときは、ステップS125〜S127の判断処理を繰り返し行い、ステップS128の停止制御は行わない。一方、第1リール停止信号、第2リール停止信号又は第3リール停止信号のいずれか1つを受信したと判別したときには、ステップS128へ進む。
ステップS128では、ステップS122で選択した当選役に対応する3つの図柄画像71,71,71が、いずれかの仮想入賞ライン(図18の5本の鎖線参照)上に揃うように、液晶リール70L、70C及び70Rを停止させる演出を行う。
ここで、上述したステップS122において、当選役がBB1役又はBB2役であるときに、「ボーナス図柄」の図柄画像71の組み合わせを選択した場合には、このステップS128において、「ボーナス図柄」の図柄画像71、71、71の組み合せで液晶リール70L、70C及び70Rを停止させる演出を行う。この場合、実物リール40L、40C及び40Rの図柄41を顔図柄としてあるので、BB1役に入賞したのか、BB2役に入賞したのか遊技者の判別が困難であり、何らかのボーナス役に入賞したが、BB1役又はBB2役のいずれに入賞したか判別困難な状態が作り出される。
その後、ステップS129に進み、全液晶リール70L、70C及び70Rの停止演出が完了したか否か判断する。全液晶リール70L、70C及び70Rの停止演出が完了していないと判別した場合(NO)は、ステップS125〜S129の制御処理を繰り返す。一方、全液晶リール70L、70C及び70Rの停止演出が完了したと判別した場合(YES)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
<BB遊技中フリーズ制御処理サブルーチン>
次に、BB遊技中フリーズ制御処理サブルーチンについて図21を参照しつつ説明する。図21は、主制御回路のBB遊技中フリーズ制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。また、図22(a)、(b)は、上記フリーズ制御中に画像表示手段に表示される演出画像を示す説明図である。
まず、ステップS145において、主制御回路100の特別遊技制御手段431が、役抽選でBB1役又はBB2役に当選したか否か判断する。BB1役又はBB2役に当選してしていないと判別した場合(NO)は、このステップS150の判断を繰り返す。一方、BB1役又はBB2役に当選したと判別した場合(YES)は、ステップS146に進み、フリーズ制御を実行するか否か判断する。この判断は、例えば乱数を用いた抽選などに基づいて行われる。フリーズ制御を実行しないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。この場合は、通常のBB1遊技又はBB2遊技が行われる。すなわち、図21のBB遊技は、ステップS146の抽選による所定確率の下で実行されるものである。
ステップS146において、フリーズ制御を実行すると判別した場合(YES)は、ステップS147に進み、BB遊技が開始されたか否か判断する。未だBB遊技が開始されていないと判別した場合(NO)は、このステップS147の判断を繰り返す。
ここで、ステップS146において、フリーズ制御を実行すると判別した場合(YES)には、副制御回路200に信号が送信され、図20のステップS122において、液晶リール演出制御手段501が、液晶リール70L、70C及び70Rの停止図柄として、図2及び図7に存在しない特別な「ボーナス図柄」の図柄画像71の組み合わせを選択する。その後、遊技者がストップスイッチ52L、52C、52Rの停止操作によりBB1役又はBB2役に入賞させた場合に、液晶リール70L、70C及び70Rを「ボーナス図柄」の図柄画像71、71、71で停止させる演出が行われる。これにより、何らかのボーナス役に入賞したが、BB1役又はBB2役のいずれに入賞したか判別困難な状態が作り出されることになる。この「はずれ」を契機に通常遊技とは異なる演出が実行され、何らかのボーナス遊技へ移行したことが遊技者に報知される。
一方、ステップS147において、BB遊技が開始されたと判別した場合(YES)は、ステップS148に進み、カウンタ手段440が、BB遊技中における遊技媒体の払出枚数をカウントする。そして、ステップS149に進み、遊技媒体の払出枚数が136枚以上に達したか否か判断する。この遊技媒体の払出枚数136枚は、BB2遊技の終了条件となっている。ステップS149において、136枚に以上に達していないと判別した場合(NO)は、ステップS148、S149の制御処理を繰り返す。
この時点で遊技者は、小役2の入賞が頻発する(図14参照)ことで、現在の遊技状態がBB遊技であると認識するが、254枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB1遊技なのか、136枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB2遊技なのかは、現在の遊技状態から判別することができない。
一方、ステップS149において、遊技媒体の払出枚数が136枚以上に達したと判別した場合(YES)は、ステップS150に進み、フリーズ制御手段450がフリーズ制御を実行する。このフリーズ制御により、3−ベットスイッチ36、スタートスイッチ50、各ストップスイッチ52L、52C、52Rの操作に基づく制御処理など、遊技を進行するための制御処理が所定時間だけ待機状態となる。ステップS151において、所定時間が経過したか否か判断し、所定時間が経過していないと判別した場合(NO)は、ステップS150のフリーズ制御が引き続き行われる。
そして、この所定時間内に、図22(a)に示す演出画像が副制御回路200の画像制御手段500によって表示される。図22(a)に示す演出画像はBB遊技の終了を報知するものである。図22(a)において、遊技媒体の払出枚数が136枚以上に達するとフリーズ制御が開始され、これと同時に液晶リール70L、70C及び70Rが画像表示手段70の上端側に縮小表示され、「136枚払出!」と「大量のコイン」の報知画像74が大きく表示される。この図22(a)の報知画像74を見た遊技者は、「136枚払出!」の表示が、現在のBB遊技の終了条件である遊技媒体の払出枚数に達したことを報知するものと認識する。
そして、ステップS151において、所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS152に進み、現在のBB遊技の入賞役がBB1役か否か判断する。入賞役がBB1役であると判別した場合(YES)は、ステップS153に進み、さらに所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS153の判断を繰り返し、この所定時間が経過するまで、ステップS150のフリーズ制御を継続する。
この所定時間内に、画像制御手段500が、図22(a)に示す演出画像を、図22(b)に示す演出画像に切り替えて表示させる。この図22(b)はBB遊技の継続を報知するものであり、「ボーナス継続!」と「より大量のコイン」の報知画像75が大きく表示される。すなわち、図22(a)の演出画像により一端終了したBB遊技が、図22(b)の演出画像により続行ないし延長されたと思わせる演出を行っている。
そして、ステップS153において、所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS154に進み、フリーズ制御を終了させる。次いで、ステップS155に進み、BB1遊技の終了条件である遊技媒体の払出枚数が254枚以上に達したか否か判断する。遊技媒体の払出枚数が254枚以上に達していないと判別した場合(NO)は、このステップS155の判断を繰り返し、遊技者は、遊技媒体の払出枚数が254枚以上に達するまで、継続されたBB遊技を行うことができる。その後、ステップS155において、遊技媒体の払出枚数が254枚以上に達したと判別した場合(YES)は、ステップS157に進み、本サブルーチンのBB遊技を終了させる。
一方、上述したステップS152において、現在のBB遊技の入賞役がBB1役でないと判別した場合(NO)は、ステップS158に進んでフリーズ制御を終了し、その後、本サブルーチンのBB遊技を終了させる(ステップS157)。この場合は、現在のBB遊技の入賞役がBB2役であるから、図22(a)に示す演出画像の内容どおり、136枚の遊技媒体の払い出しでBB遊技が終了し、一端終了したBB遊技が再び継続する演出は実行されない。
<第2実施形態の作用・効果>
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、図22(a)、(b)の演出画像を、遊技媒体の払出枚数が136枚に達したタイミングで表示させることにより、遊技者に一端終了したBB遊技が継続するかもしれないという期待感を抱かせることができ、BB遊技が所定枚数の遊技媒体の払い出しを終了条件とする場合でも、意外性のある演出によって遊技者のBB遊技に対する趣向を高めることが可能となる。
また、これら図22(a)、(b)の演出画像をフリーズ制御と組み合わせて表示させているので、これら演出画像を用いた演出をキャンセルされることなく、遊技媒体の払出枚数が136枚に達したタイミングで確実に行うことができる。
なお、上述した実施形態では、254枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB1役と、136枚以上の遊技媒体の払い出しによって終了するBB2役との2種類のBB役を設けたが、これに限らず、2種類以上のBB1、2、3…役を設けて、各BB遊技の終了条件である遊技媒体の払出枚数に達したタイミングで、段階的にフリーズ制御と図22(a)、(b)の演出画像との組み合わせ演出を実行してもよい。例えば、各BB11、2、3…遊技の終了条件である遊技媒体の払出枚数N1、2、3…枚に達した毎に、BB遊技が終了するか継続するかの演出が段階的に行われ、BB遊技をより面白いものとすることが可能となる。
また、上述した実施形態では、BB1役又はBB2役に入賞した場合に、図2及び図7に存在しない特別な「ボーナス図柄」の図柄画像71の組み合せで各液晶リール70L、70C及び70Rを停止させることとしたが、これに限らず、例えば、「はずれ」の組み合せで各液晶リール70L、70C及び70Rを停止させて、遊技者が気付きにくいようにボーナス遊技へ移行させるようにしてもよい。また、BB1役に入賞した場合に、BB2役の入賞図柄である「青7、青7、青7」の組み合わせを停止させたり、その他、図17に示す既存の役の入賞図柄の組み合わせを停止させたり、図柄表示ではなく特別遊技を示唆するキャラクタが登場する等の演出にしてもよい。これらの場合も、本実施形態と同様に、BB1役に入賞したのか、BB2役に入賞したのか遊技者の判別を困難とすることが可能である。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技機であるスロットマシンについて、図23及び図24を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態のスロットマシンは、RT遊技の遊技回数が所定の値に達したときにフリーズ制御を行うとともに、この時点での遊技媒体の獲得枚数に応じて、RT遊技の終了を報知する一の演出画像を選択して表示させるようにしてある。その後、RT遊技の継続を報知する演出画像を表示させることによって遊技者の興味を煽り、RT遊技をより面白いものとしている。
<RT遊技中フリーズ制御処理サブルーチン>
図23は、主制御回路のRT遊技中フリーズ制御処理サブルーチンを示すフローチャートである。また、図24(a)、(b)は、上記フリーズ制御中に画像表示手段に表示される演出画像を示す説明図である。
まず、ステップS161において、主制御回路100の再遊技高確率状態制御手段432が、RT遊技の開始条件が成立したか否か判断する。RT遊技の開始条件として、例えば、第1実施形態で説明したようなMB遊技中における終了役(SB役)の当選と、終了役に当選した当該遊技における移行役(小役4)の入賞とを設定することができる。その他、BB遊技の終了や所定役の入賞をRT遊技の開始条件として設定することも可能である。
ステップS161において、RT遊技の開始条件が成立していないと判別した場合(NO)は、このステップS161の判断を繰り返す。一方、RT遊技の開始条件が成立したと判別した場合(YES)は、ステップS162に進み、フリーズ制御を実行するか否か判断する。この判断は、例えば乱数を用いた抽選などに基づいて行われる。フリーズ制御を実行しないと判別した場合(NO)は、そのまま本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS162において、フリーズ制御を実行すると判別した場合(YES)は、ステップS163に進み、RT遊技が開始されたか否か判断する。未だRT遊技が開始されていないと判別した場合(NO)は、このステップS163の判断を繰り返す。
ステップS163において、RT遊技が開始されたと判別した場合(YES)は、ステップS164に進み、カウンタ手段440が、RT遊技中における遊技回数と、遊技媒体の獲得枚数とをカウントする。遊技媒体の獲得枚数は、RT遊技中における遊技媒体の投入枚数と払出枚数との差枚数から算出している。
ステップS165に進み、RT遊技の遊技回数が所定値に達したか否か判断する。このステップS165では、フリーズ制御を行うか否かの条件を判断している。本実施形態では、RT遊技の終了条件を100ゲームに設定し、半分の50ゲームに達した時点でフリーズ制御が行われるように、ステップS165の所定値を「50」に設定してある。
ステップS165において、RT遊技の遊技回数が所定値に達していないと判別した場合(NO)は、ステップS164のカウントと、ステップS165の判断とを繰り返す。ステップS165において、RT遊技の遊技回数が所定値に達したと判別した場合(YES)は、ステップS166に進み、現時点での遊技媒体の獲得枚数が所定値に達したか否か判断する。
後に詳述するが、このステップS166の判断結果に基づいて、副制御回路200の演出画像制御手段502が、現時点での遊技媒体の獲得枚数に応じたRT遊技終了の報知画像を選択する。本実施形態では、RT遊技の終了をポジティブに報知する図24(a)の演出画像と、ネガティブに報知する図24(b)の演出画像とを用意している。
ここで、ステップS166の所定値は、副制御回路200による演出の内容に応じて自由に設定することができる。例えば、この所定値を「1」に設定し、50ゲーム中の遊技媒体の獲得枚数がプラスの場合は図24(a)の演出画像を表示し、逆にマイナスの場合は図24(b)の演出画像を表示するようにしてもよい。また、この設定値を「25」に設定し、50ゲーム中の遊技媒体の獲得枚数が25枚以上の場合(1ゲーム0.5枚以上獲得)は図24(a)の演出画像を表示し、逆に25枚未満の場合は図24(b)の演出画像を表示するようにしてもよい。
そして、ステップS166において、現時点での遊技媒体の獲得枚数が所定値に達していると判別した場合(YES)は、副制御回路200へ第1の信号が送信される。一方、現時点での遊技媒体の獲得枚数が所定値に達していないと判別した場合(NO)は、副制御回路200へ第2の信号が送信される。副制御回路200は、第1又は第2の信号に基づいて、図24(a)又は(b)いずれかの演出画像を選択する。
次いで、ステップS169に進み、フリーズ制御手段450がフリーズ制御を実行する。このフリーズ制御により、3−ベットスイッチ36、スタートスイッチ50、各ストップスイッチ52L、52C、52Rの操作に基づく制御処理など、遊技を進行するための制御処理が所定時間だけ待機状態となる。その後、ステップS170に進み、所定時間が経過したか否か判断する。所定時間が経過していないと判別した場合(NO)は、このステップS170の判断を繰り返し、そのまま、フリーズ制御を継続する。
そして、この所定時間内に、図24(a)、(b)いずれかの演出画像が副制御回路200の画像制御手段500によって表示される。図24(a)の演出画像は、RT遊技の終了をポジティブに報知するものであり、「50G(ゲーム)で獲得枚数25枚!」と「大量のコイン」の報知画像76が含まれている。一方、図24(b)の演出画像は、RT遊技の終了をネガティブに報知するものであり、「50G(ゲーム)で獲得枚数−9枚…」と「骸骨」の報知画像77が含まれている。遊技者は、このような報知画像76又は77がRT遊技の終了を報知するものと認識する。
次いで、画像制御手段500が、図24(a)又は(b)に示す演出画像を、図24(c)に示す演出画像に切り替えて表示させる。この図24(c)はRT遊技の継続を報知するものであり、「あと残り50G(ゲーム) リプレイ継続!」の報知画像78が含まれている。すなわち、図24(a)又は(b)の演出画像により一端終了したRT遊技が、図24(c)の演出画像により続行ないし延長されたと思わせる演出を行っている。
その後、ステップS170において、所定時間が経過したと判別した場合(YES)は、ステップS171に進み、フリーズ制御を終了させて、本サブルーチンを終了する。
<第3実施形態の作用・効果>
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、図24(a)と(c)又は(b)と(c)の演出画像を、遊技回数が50ゲームに達したタイミングで表示させることにより、遊技者に一端終了したRT遊技が継続するかもしれないという期待感を抱かせることができ、意外性のある演出によって遊技者のRT遊技に対する趣向を高めることが可能となる。特に、RT遊技中の遊技媒体の獲得枚数に応じて、図24(a)又は(b)いずれかの異なる演出画像を表示させることができ、RT遊技中の演出に種々のバリエーションをもたせることができる。
なお、上述した本実施形態では、RT遊技中における遊技回数が所定の値に達したときに、自動的にフリーズ制御が開始されるようにしたが、これに限定されるものではない。遊技回数が所定の値に達し、かつ、遊技者が所定の操作(ex.3−ベットスイッチの操作)を行ったときにフリーズ制御が開始されるようにしてもよい。
以上のように、第1〜第3実施形態に係るスロットマシン10によれば、各種特別遊技やリプレイタイムなどの特定遊技において、遊技媒体の払出数又は獲得数、あるいは遊技回数が所定の値になったときにフリーズ制御を行い、このフリーズ制御中に、特定遊技に関する所定の演出画像を表示させることによって、特定遊技に新たな遊技性をもたせることが可能となり、特定遊技に対する遊技者の趣向を高めることができる。なお、本発明の遊技機は、上述した第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、例えば、メダル以外の遊技媒体を用いた回胴式遊技機等にも広く適用することが可能である。