以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、3つのリール3L、3C、3Rから構成される可変表示装置2が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図4参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「青7」、「JAC」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。可変表示装置2には、図3に示すように、リール3L、3C、3Rのそれぞれについて上段または下段を選択して構成される8本の有効ラインが設定される。この有効ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図4参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図4参照)とが設けられている。リール3L、3C、3Rに描かれた図柄と、リール3L、3C、3Rの停止制御については、さらに詳しく後述するものとする。
可変表示装置2の下側であって、スロットマシン1の前面側ほぼ中央位置には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、大きさ的にも可変表示装置2よりも大きく、しかも遊技者(平均的な身長のものを想定)がスロットマシン1の前に座ったときに遊技者の目線の高さになる位置に設けられているので、可変表示装置2によりも視認容易になっている。
液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示される画像による演出としては、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rの回転/停止に合わせて演出用の図柄を変動/停止させる3つの仮想リールの表示、後述するビッグボーナスにおいて実行されるカードバトル、キャラクタバトルなどがある。仮想リールには、通常態様と特殊態様がある。さらに、液晶表示器4において、後述するビッグボーナスの終了または継続の報知も行われる。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
液晶表示器4の左側には、上からペイアウト表示部21と、クレジット表示部22と、ボーナス告知部36と、リプレイ表示部32と、スタート表示部30と、投入指示表示部29と、ヒット表示部34とが設けられている。ペイアウト表示部21は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器51(図4参照)によって構成され、後述する小役に入賞した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図4参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。
ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図4参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図4参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図4参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図4参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ヒット表示部34は、HITランプ54(図4参照)が点灯状態となることで、遊技状態が後述するレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあることを示す。
液晶表示器4の右側には、入賞表示部25a〜25dが設けられている。入賞表示部25a〜25dは、入賞表示ランプ45a〜45d(図4参照)が点滅状態となることで、可変表示装置2に対応する入賞の表示結果が導出されたことを示す。なお、後述するように「スイカ」の入賞は定められていないので、後述する「ベル」の小役に入賞したときに、「スイカ」の入賞表示部25bと「ベル」の入賞表示部25cとを適宜振り分けて、点滅表示させる。
また、液晶表示器4の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図4参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図4参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作により各ゲームで設定できる賭け数は、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)では1であり、それ以外の遊技状態では3である。レギュラーボーナス中は、MAXBETボタン15が操作されても、賭け数として1が設定される。遊技状態に応じた賭け数が設定されると、スタートレバー11が操作受付可能となり、ゲームを開始させることができる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rと、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18とが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図4参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図4参照)が発した光が照射される。
可変表示装置2の左右には、それぞれ演出手段としてのスピーカ7L、7Rが設けられている。スピーカ7L、7Rは、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。また、後述するビッグボーナスの終了または継続の報知は、液晶表示器4への画像の表示により行われる他、スピーカ7L、7Rからの音声の出力によっても行われる。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75E(図4参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Eが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Eは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Eの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図4は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図4では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
RAM112は、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU111には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、1ワード分の大きさである8ビットからなり、そのうちの下位7ビットがCPU111がROM113から命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数が使用される。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。これらのコマンドは、それぞれ8ビットで構成される。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ペイアウト表示器51、クレジット表示器52、投入指示ランプ59、スタートランプ60、リプレイランプ62、HITランプ54、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63R、入賞表示ランプ45a〜45dが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、RAM112に設定された当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75E、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、蛍光灯6、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定スイッチ91による設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ92をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ92をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能となる。設定値の変更操作が可能な期間において、設定スイッチ91が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートレバー11が操作されてから設定キースイッチ92がOFFされると、変更後の確定した設定値がRAM112に設けられた設定値の保存領域に記憶される。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技状態の移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、RAM112に当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
図5(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINが、小役としてベル、チェリーが、再遊技役としてリプレイが定められている。
レギュラーボーナスの遊技状態では、小役であるベル及びチェリーが、入賞となる役として定められており、レギュラーボーナスにおける内部抽選で抽選の対象とされる。ビッグボーナスの遊技状態では、特別役であるJACIN、小役であるベル及びチェリーが入賞となる役として定められており、ビッグボーナスにおける内部抽選で抽選の対象とされる。通常の遊技状態では、特別役であるレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)、小役であるベル及びチェリー、再遊技役であるリプレイ(RTにおけるリプレイと区別するため、通常時リプレイという)が入賞となる役として定められており、通常の遊技状態における内部抽選で抽選の対象とされる。
通常の遊技状態においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、当該ゲームで入賞しないと、その当選フラグが持ち越され、次のゲームから遊技状態がRT(Replay Time)に移行する。すなわち、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、レギュラーボーナス(2)当選フラグは、RT中フラグも兼ねるものとなる。RTでは、小役であるベル及びチェリー、再遊技役であるリプレイ(通常時リプレイと区別するため、RT時リプレイという)が入賞となる役として定められており、RTにおける内部抽選で抽選の対象とされる。なお、通常時リプレイと、RT時リプレイは、後述する判定値数の格納領域が異なるので当選確率が異なるものとなるが、他の点については共通している。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRTにおいて有効ライン(8本)のいずれかに「赤7−白7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて有効ライン(8本)のいずれかに「赤7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて有効ライン(8本)のいずれかに「赤7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、それぞれ遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)(これらを纏めてビッグボーナスという)に移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができる。
遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると、次のビッグボーナスの1ゲーム目で表示結果が導出されるまで、ビッグボーナス入賞フラグもRAM112に設定される。次のゲームが開始すると、ビッグボーナス入賞フラグが消去されて、ビッグボーナス開始フラグがRAM112に設定される。このビッグボーナス開始フラグに基づいて、ビッグボーナスの1ゲーム目の結果が導出された後には、ウェイトがかけられる。ウェイトの完了後ビッグボーナス開始フラグが消去される。
JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームにおいて有効ライン(8本)のいずれかに「ベル−チェリー−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、小役ゲーム以外の遊技状態では、この組み合わせが揃ったとしてもJACIN入賞とならない。JACIN入賞すると、ビッグボーナスの中で前述したレギュラーボーナスが提供されることとなり、ビッグボーナス中フラグに併せてレギュラーボーナス中フラグもRAM112に設定される。
ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)とでは、遊技性としては同一であるが、それぞれの間において遊技者が獲得できるメダルの枚数の上限に違いがある。より詳しく説明すると、ビッグボーナス(1)における獲得メダル枚数の上限は180枚であり、払い出し総数が入賞時の最大払い出し枚数である15枚を減算した165枚を越えたときにビッグボーナス(1)が終了する。ビッグボーナス(2)における獲得メダル枚数の上限は360枚であり、払い出し総数が入賞時の最大払い出し枚数である15枚を減算した345枚を越えたときにビッグボーナス(2)が終了する。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで165枚、345枚に達したときは、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
ベルは、いずれの遊技状態においても有効ライン(8本)のいずれかに「赤7−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについて有効ライン(8本)のいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、賭け数が1のときには15枚のメダルが、賭け数が3のときには1有効ラインにつき1枚、必ず4つの有効ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。賭け数1は、レギュラーボーナスでのみ設定されるものであるので、チェリーに入賞したときに払い出されるメダルの枚数は、遊技状態がレギュラーボーナスに移行することで15枚に変わるということができる。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて有効ライン(8本)のいずれかに「赤7−JAC−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、レギュラーボーナスやビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)では、この組み合わせが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
遊技状態に応じた役の参照は、図5(a)に示した遊技状態別当選役テーブルに応じて行われる。すなわち、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出され、遊技状態がビッグボーナス中の小役ゲームにあるときには、JACIN、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。
通常の遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、通常時リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRTにあるときには、ベル、チェリー、RT時リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。RTは、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときに制御される遊技状態であり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)を重ねて内部抽選の対象役としないものである。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。
各役の判定値数は、ゲームにおいて遊技者が設定する賭け数(BET)に対応して登録されている。同一の役であっても、レギュラーボーナスにおける当選確率が他の役と異なっている場合があるからである。また、各役の賭け数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常の遊技状態での賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。これらの役については、共通フラグの値が0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームでのみ内部抽選の対象となる役であり、小役ゲームでの賭け数に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
通常時リプレイは、通常の遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常の遊技状態での賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。RT時リプレイは、RTでのみ内部抽選の対象となる役であり、通常の遊技状態での賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
ベル及びチェリーは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスでの賭け数1に対応する判定値数の格納アドレスと、通常の遊技状態または小役ゲームでの賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。チェリーについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。ベルについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
役別テーブルには、各役に入賞したときのメダルの払い出し枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるベル及びチェリーである。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲームで賭け数の設定に用いるメダルが不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。
図6は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM112に、量産機種ではROM113に割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えばアドレスADDは、内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である31が判定値数として取得される。アドレスADD+2、ADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が2〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナスの当選確率は同じとなっている。
また、アドレスADD+12、ADD+14、ADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32、ADD+34は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)、(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)、(2)の当選確率が異なることとなる。
また、アドレスADD+36は、内部抽選の対象役がJACINであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ4311が判定値数として取得される。
アドレスADD+38、ADD+40、ADD+42、ADD+44、ADD+46、ADD+48は、それぞれ賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+38とADD+40、ADD+42とADD+44、ADD+46とADD+48には、それぞれ同一の値が登録されているので、レギュラーボーナス時においては、設定値1と設定値2、設定値3と設定値4、設定値5と設定値6とで、ベルの当選確率が同一となる。
アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60は、それぞれ賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態または小役ゲームにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60には、互いに異なる値が登録されているので、通常の遊技状態または小役ゲームにおいては、設定値に応じてベルの当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+62は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。アドレスADD+64は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態または小役ゲームにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。チェリーについての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもチェリーの当選確率は同じとなる。
アドレスADD+66は、通常の遊技状態において内部抽選の対象役がリプレイ(ここでは通常時リプレイ)であって賭け数が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+68は、RTにおいて内部抽選の対象役がリプレイ(ここではRT時リプレイ)であって賭け数が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+68には、アドレスADD+66よりも大きな値が登録されているので、RTにおけるリプレイ当選確率は、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも高くなる。
図7(a)〜(c)は、内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例を示す図である。図7(a)では通常の遊技状態にあるときの、図7(b)では小役ゲームにあるときの、図7(c)ではレギュラーボーナスにあるときの例を示している。図7(a)〜(c)のいずれも、設定値が6の場合の例を示しており、また、図7(a)では、レギュラーボーナス当選フラグとビッグボーナス当選フラグのいずれも設定されてない場合の例を示している。図では、これ以外の場合の例を省略しているが、同様に内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係が定められることとなる。
例えば、図7(a)に示すように、通常の遊技状態では、内部抽選の対象役となる役は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイであり、設定値6においては、それぞれの判定値数は、31、30、30、3562、269、2245となる。最初に内部抽選の対象役となるレギュラーボーナスは、判定値数の31を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16353〜16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
次に内部抽選の対象役となるビッグボーナス(1)は、レギュラーボーナスの判定値数31とビッグボーナスの判定値数30とを合計した61を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16323〜16352が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、ビッグボーナス(2)は、16293〜16322が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルは、12731〜16292が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーは、12462〜12730が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイは、10217〜12461が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。
これらの判定値数に基づいて算出される各役のおおよその当選確率は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイのそれぞれについて、1/528.5、1/546.1、1/546.1、1/4.6、1/60.9、1/7.3となる。なお、0〜10216が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
また、図7(b)に示すように、小役ゲームでは、JACIN、ベル、チェリーが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が4311、3562、269であるので、12073〜16383、8511〜12072、8242〜8510が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/3.8、1/4.6、1/60.9となる。なお、0〜8241が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
また、図7(c)に示すように、レギュラーボーナスでは、ベル、チェリーが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が15919、269であるので、465〜16383、196〜464が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1.03、1/60.9となる。なお、0〜195が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図8を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路115から乱数を抽出し、これをCPU111がソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。内部抽選用の乱数を取得するときには、ボーナス告知ランプ66を点灯するか否かを決定する告知決定用の乱数も取得される。なお、乱数発生回路115から抽出した、或いはこれを加工した乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図8(a)は、乱数発生回路115の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路115は、パルス発生回路115aと、下位カウンタ115bと、上位カウンタ115cとから構成されている。下位カウンタ115b及び上位カウンタ115cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ115bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ115cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路115aは、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路115aの出力するパルス信号が下位カウンタ115bにクロック入力される。
下位カウンタ115bは、パルス発生回路115aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからすなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ115bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ115cにクロック入力される。
上位カウンタ115cは、下位カウンタ115bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ115bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ115cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路115aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路115から出力されるものとなる。
サンプリング回路116は、ラッチ回路から構成され、CPU111からのサンプリング指令(スタートレバー11の操作時)に基づいて、乱数発生回路115からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、乱数発生回路115が発生する乱数として抽出するものとなる。なお、以下では、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明するものとする。
図8(b)は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、他の汎用レジスタまたはRAM112の作業領域を用いて、汎用レジスタ111GRの下位バイト(下位カウンタ115bから抽出した値)と、上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)とを入れ替える。
次に、CPU111は、抽出された乱数に対して上位バイトと下位バイトとが入れ替えられた乱数の値を、8080hと論理積演算をする。CPU111の処理ワードは1バイトなので、実際には上位バイトと下位バイトとについて順次論理積演算を行うものとなる。この論理積演算によって第15ビットと第7ビットは常に1となる。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。
CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を、内部抽選用の乱数として取得してRAM112の所定の領域に記憶させ、これに各役の判定値数を順次加算していくものとなる。内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットは常に1となるので、内部抽選用の乱数は、14ビット(16384)の大きさを有する乱数ということになり、実質的に0〜16383の値をとるものとなる。
なお、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、CPU111に対する割り込みが禁止される。CPU111に対して割り込みが発生することによって、当該割り込み処理ルーチンで汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐためである。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。なお、リール3L、3C、3Rは、任意の順序で停止させることが可能であるが、停止される順番に第1リール、第2リール、第3リールと呼ぶものとする。前述したように、リール3L、3C、3Rの回転は、停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で、すなわち4コマ以内の引き込み範囲で停止される。リール3L、3C、3Rの停止時における引き込み範囲が4コマなので、停止可能な図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作時に表示されている図柄と、次の4コマの範囲にある図柄の中から選ばれることとなる。
図柄の選択は、RAM112における各役の当選状況に従っている。すなわち、当選フラグの設定されている役の図柄が何れかの有効ライン上に導出されるように図柄が選択され、当選フラグの設定されていない役の図柄が何れの有効ラインにも導出されないように図柄が選択される。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、またはリプレイ当選フラグが設定されているときには、前者よりも後者の導出が優先される。
例えば、直線上に設定された有効ライン(例えば、上中下段の横方向、及び対角線方向)では、第2リールの停止時までに入賞の表示態様を構成する図柄がテンパイ(すなわち、第3リールを除いて入賞の表示態様が有効ライン上に導出されている)していても、当該役に入賞させるためには、テンパイしている有効ライン上に当該役の図柄が位置するか、当該位置から次の4コマ以内に当該役の図柄があるときに停止ボタンを操作しなければ、入賞することはない。
これに対して、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、可変表示装置2の有効ラインが図3に示したように各リールの上段または下段の組み合わせによって構成されている。このため、入賞の表示態様を導出するためには、当選フラグの設定されている役に入賞させるためには、当該役の図柄を上段または下段の何れかに停止させることができればよく、入賞の表示態様を構成する図柄がテンパイしているときに、当該役を構成する図柄が下段に位置するか、下段から次の6コマ(6コマ先であれば、上段にていしできるので)以内に当該役の図柄があるときに停止ボタンを操作すれば、入賞することとなる。
なお、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲でリール3L、3C、3Rの中段に導出することができる図柄は、当該最大遅延時間の範囲で下段または上段のいずれかに必ず導出できることとなる。このため、リール3L、3C、3Rの中段に特定の図柄を導出させることの意味は小さく、むやみに有効ラインの数を増やさないようにするため、中段を含む有効ラインが可変表示装置2に設定されないようになっている。
リール3L、3C、3Rのいずれについても7コマ以内で図柄が配置されている役については、当選フラグが設定されていれば、取りこぼすことなく可変表示装置2に導出させることができる。図2の図柄配列に示す通り、ベル、チェリー、リプレイ、JACINは、このような取りこぼしのない役となるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによっては取りこぼすことがある。
また、図2の図柄配列では、中のリール3Cについてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の表示態様を構成する図柄「白7」または「青7」が上段または下段に導出されたときには、リプレイの表示態様を構成する図柄「JAC」が必ず下段または上段に導出されるものとなる。左のリール3Lについての「赤7」は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の表示態様を構成するとともにリプレイの表示態様も構成する。
従って、第1、第2リールとして左のリール3Lと中のリール3Cとを停止させた(順不同)場合にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)がテンパイすれば、同時にリプレイにもテンパイすることとなる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選時には、このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とリプレイとがダブルテンパイした状態で右のリール3Cを操作したときに当選している役の種類に応じて「白7」または「青7」を上段または下段に停止させることができればボーナス入賞させ、そうでなければ、リプレイ入賞させる(リプレイ当選もしていることが条件)。
次に、ビッグボーナスの終了時の制御について説明する。ビッグボーナスの遊技状態は、その間に払い出したメダルの枚数が、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれに入賞したかで定まる規定数(165枚または345枚)を越えたゲームでメダルの払い出しを終了すると、ここで終了となる。ビッグボーナスの終了となったときには、予め定められた規定時間だけ、フリーズ状態に制御される。フリーズ状態では、後述するようにクレジットの精算を除いては、遊技者の如何なる操作も受け付けられず、また、内部的にも何ら遊技を進行させる処理が行われず、遊技の進行が不能な状態となる。また、ビッグボーナスの終了となっているので、HITランプ54も消灯させられる。
もっとも、フリーズ状態に制御されるのは、ビッグボーナスが終了したときだけに限らない。ビッグボーナス(1)の入賞に基づくビッグボーナスであれば、払出メダル枚数が165枚を越えたときにビッグボーナス終了となってフリーズ状態に制御されるが、ビッグボーナス(2)の入賞に基づくビッグボーナスでは、払出メダル枚数が165枚を越えたときであってもビッグボーナスは終了していない。この場合でも、ビッグボーナスが終了した場合と同様に、フリーズ状態に制御する。ここでフリーズ状態に制御されているときにも、HITランプ54が消灯させられるものとなる。
次に、賭け数の設定及びクレジットの精算について説明する。ゲームが実行されていない間は、賭け数の設定及びクレジットの精算が許可された状態であり、この状態においては、メダルを投入するか、クレジットを用いて賭け数の設定が可能に制御されている。賭け数の設定が可能な状態で、遊技状態に応じた規定数の賭け数が設定されていない状態であれば、メダルの投入が検出される毎に、賭け数が1ずつ加算される。また、遊技状態に応じた規定数の賭け数が設定された状態であれば、メダルの投入が検出される毎に、クレジットが1ずつ加算される。そして、クレジットが上限(50枚)に到達した時点で流路切替ソレノイド49がOFFとなり、投入されたメダルの流路が払出側に切り替わり、メダルの投入が禁止される。
また、クレジットが残存している状態であれば、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作により賭け数が設定され、その分がクレジットから減算される。また、クレジットが残存しているか、賭け数が設定されている状態であれば、精算ボタン16の操作によりホッパーモータ82の駆動によりクレジットとして記憶されている分のメダル及び賭け数の設定に用いられた分のメダルが払い出され、遊技者に返却されると共に、メダルの払い出しに応じてクレジット及び賭け数が減算される。
賭け数の設定及びクレジットの精算が許可された状態において、スタートレバー11が操作され、ゲームが開始すると、その時点で賭け数の設定もクレジットの精算も禁止される。具体的に言うと、流路切替ソレノイド49がOFFとなり、投入されたメダルの流路が払出側に切り替わり、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15、精算ボタン16の操作が無効化される。なお、ゲームが開始した時点とは、リール3L、3C、3Rの回転が開始した時点ではなく、スタートレバー11が操作されて、リール3L、3C、3Rを回転開始させるべく制御が移った時点である。
リール3L、3C、3Rの回転が停止して可変表示装置2に表示結果が導出され、メダルの払い出しを伴う小役入賞が発生していなければ、可変表示装置2の表示結果が導出された時点でゲームの終了と判定される。小役入賞が発生していれば、当該小役入賞に伴うメダルの払い出しが終了した時点でゲームの終了と判定される。ゲームの終了と判定されると、その時点で賭け数の設定及びクレジットの精算の禁止が解除され、賭け数の設定及びクレジットの精算が許可された状態となる。例外として、リプレイ入賞が発生した場合には、賭け数が自動的に設定されることとなるので、賭け数の設定もクレジットの精算も禁止されたままの状態となる。
ところで、前述したように、ビッグボーナスが終了した場合、或いは360枚の払い出しを上限とするビッグボーナスにおいて払出メダル枚数が165枚を越えたときには、上記したように遊技者が遊技を進めることのできなくなるフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態に制御されている間は、既にメダルの払い出しが終了しているので、ゲームが終了したものと判定されているが、賭け数の設定は禁止されたままとなる。フリーズ状態に制御する規定時間を経過した後に、賭け数の設定が許可された状態となる。クレジットの精算については、ゲームが終了したものと判定された時点で禁止が解除され、フリーズ状態に制御されている期間を含めて、クレジットの精算が許可された状態となる。
次に、外部出力基板105からの外部出力信号の出力について説明する。遊技制御基板101のCPU111は、遊技の進行の処理(後述する図9)と並行して、外部出力信号の生成の処理を行い、外部出力基板105から外部装置に出力させている。外部出力信号のうちのレギュラーボーナス中信号とビッグボーナス中信号は、それぞれRAM112にレギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号が設定されているときに出力されるものとなる。
もっとも、ビッグボーナス中フラグが設定されているときであっても、当該ビッグボーナスで最初に小役入賞するまでは、ビッグボーナス出力禁止フラグもRAM112に設定され、ビッグボーナス中信号が外部出力基板105から外部装置に出力されない。ビッグボーナスにおける最初の小役入賞でビッグボーナス出力禁止フラグが消去されると、ここで初めてビッグボーナス中信号が外部出力基板105から外部装置に出力されることとなる。
次に、遊技制御基板101のCPU111が演出制御基板102に送信するコマンドについて説明する。CPU111は、各回のゲームの進行状況に応じて各種のコマンドを送っているが、特に基本的なコマンドとして、内部抽選が行われた後に送られる当選状況通知コマンド、リール3L、3C、3Rの回転が停止したときにそれぞれ送られるリール停止コマンド、可変表示装置2に表示結果が導出された後に送られる入賞情報コマンド、1ゲームの終了後で次のゲームに移行する前に送られる状態コマンドがある。
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すものである。リール停止コマンドは、停止したリールの種類及び導出された図柄を示すものである。入賞情報コマンドは、入賞の有無及び入賞の種類を示すものである。状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態(通常、RT、レギュラーボーナス、ビッグボーナス)を示すものである。また、状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態がビッグボーナスである場合には、当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数を、0枚、1枚以上165枚以下、166枚以上の3区分で示す。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、特に液晶表示器4において行われる演出としては、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出と、ビッグボーナスに絡む演出(仮想リールによるものも含む)とがある。
仮想リールは、例えば「7」、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」といった図柄を所定の配列で配置したものが可変表示装置2のリール3L、3C、3Rに対応して3つ表示されるものとなる。仮想リールは、リール3L、3C、3Rが回転開始すると変動を開始し、リール3L、3C、3Rの回転が停止すると変動を停止する。もっとも、仮想リールの停止には、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rのような190ミリ秒の最大停止遅延時間という制約はない。
次に説明する仮想リール以外のビッグボーナスに絡む演出が行われている場合を除いて、可変表示装置2にリプレイが導出されるときに、仮想リールの表示態様として「リプレイ」の図柄が揃えられて停止される。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINに入賞したときであっても、仮想リールには、ハズレのときと同様の表示態様(ハズレの表示態様)が導出されるものとなる。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したゲームでは、仮想リールにはハズレの表示態様が導出されるが、当該ビッグボーナスで最初に可変表示装置2にベルまたはチェリーが導出されるときには、必ず「7」の図柄が揃えられた表示態様(ビッグボーナスの表示態様)が導出される。ビッグボーナスの表示態様は、ビッグボーナス(1)に入賞した場合でもビッグボーナス(2)に入賞した場合でも同じである。これ以外の場合で可変表示装置2にベルまたはチェリーが導出されるときに、仮想リールの表示態様として「ベル」、「チェリー」の図柄がそれぞれ揃えられて停止される。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞の前提となるビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグの設定で、遊技状態はRTに制御される。RTにおいては非常に高い確率でリプレイ当選する。ベル、チェリーの当選確率も合わせると、ハズレとなる場合がほとんどない。ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていても、取りこぼしのないリプレイ、ベル、チェリーの当選フラグも重ねて設定されていれば、他の役の入賞を優先してリール3L、3C、3Rの停止制御が行われるので、RTにおいては、停止ボタン12L、12C、12Rの操作について遊技者が目押し(回転するリール3L、3C、3Rに表示されている図柄に応じてタイミングを図って停止操作すること)をする必要性がほとんどない。
目押しもしないでゲームを行っていれば、可変表示装置2の表示結果としてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の表示態様が導出されても、遊技者が気付かないことが多い。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しても、仮想リールでは何も示されず、メダルの払い出しもなくペイアウト表示部21には何も表示されないため、遊技者が入賞に気付かない場合が多くなる。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した後であっても、可変表示装置2の表示結果がハズレまたはJACINとなった場合には、遊技者が認識できるような外部的な変化は起こらない。外部的な変化が生じるのは、ベルまたはチェリーに入賞して、メダルの払い出しが行われる場合である。そこで、ビッグボーナスで最初にベルまたはチェリーに入賞するゲームにおいて、仮想リールに導出される表示結果により遊技状態がビッグボーナスにあることが遊技者に示されることにより、ここで初めてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞を遊技者に気付かせることができる。
また、仮想リールに導出される表示結果がビッグボーナスとなることに伴ってメダルの払い出しが行われているため、仮想リールの表示結果だけを見ていると、ビッグボーナスの入賞によって、遊技状態の移行と共にメダルの払い出しが行われているように感じられるようになる。また、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞から最初の小役入賞までは、液晶表示器4には、通常の態様と異なる特殊態様(例えば、色違いなど)で仮想リールが表示される。これにより、実際には既にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞している訳であるが、あたかもビッグボーナスの表示態様の導出前にビッグボーナスへの入賞の期待感が高まっているように感じられるようになる。
ビッグボーナスの表示態様が仮想リールにより導出された後、小役入賞したゲーム数が1以上5以下の場合は、液晶表示器4では、カードバトルが行われる。カードバトルでは、液晶表示器4に3枚のカードが最初裏返しで表示され、リール3L、3C、3Rが停止する度に1枚ずつ捲られる。各カードの数字は「1」〜「13」で合計の数字としては「3」〜「39」まで取り得る。もっとも、ビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスの上限数が360枚(345枚を越える払い出しで終了)となったときの方が、大きな合計数が選択される確率が高い。なお、カードバトルの結果は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時に送られてきた入賞情報コマンドに基づいてRAM112に保存される規定数に応じた抽選で、当選状況通知コマンドを受信したときに決定され、リール停止コマンドを受信する度に順次表示されるものとなっている。
ビッグボーナスの表示態様が仮想リールにより導出された後、小役入賞したゲーム数が7以上の場合は、液晶表示器4では、キャラクタバトルが行われる。もっとも、ビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスの上限数が360枚になっているにも関わらず、払出メダル枚数が165枚を越えてフリーズ状態に制御されたときにビッグボーナスの終了が報知されたときには、そこから3ゲーム(小役入賞したかどうかを問わない)の間は、キャラクタバトルが行われずに、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示される。一方、ビッグボーナス(1)に入賞してビッグボーナスの上限数が180枚になっているにもかかわらず、ビッグボーナスの終了でフリーズ状態に制御されたときにビッグボーナスの継続が報知されたときには、そこから3ゲームの間は、キャラクタバトルが液晶表示器4で行われるものとなる。
キャラクタバトルでは、液晶表示器4に遊技者サイドのキャラクタともう1体のキャラクタを表示し、その戦い遊技者サイドのキャラクタが勝利したかどうかによって、ビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスの上限数が180枚と360枚のいずれであるかを示すものである。
キャラクタバトルの結果は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時に送られてきた入賞情報コマンドに基づいてRAM112に保存される規定数と、入賞情報コマンドに基づいてカウントされるビッグボーナスにおける小役入賞回数及び払出メダル枚数とに応じた抽選で、当選状況通知コマンドを受信したときに決定され、1ゲームで3つ目のリール停止コマンドを受信したときに表示されるものとなっている。但し、ビッグボーナスの上限数が360枚となっているときには、遊技者サイドのキャラクタが勝利する確率の方が高く、180枚となっているときには、遊技者サイドのキャラクタが負ける確率の方が高い。実際は終了しているビッグボーナスが継続される旨が報知された場合のカードバトルも、遊技者サイドのキャラクタが負ける確率の方が高い。
なお、演出制御基板102のRAM122には、上記したように液晶表示器4における演出の切り替えを行えるようにするため、ビッグボーナスカウンタが設けられている。ビッグボーナスカウンタは、ビッグボーナス(1)または(2)に入賞したときに初期値として1が設定され、入賞情報コマンドに基づいてベルまたはチェリーに入賞したときに、1ずつ加算される。
従って、ゲームの開始時においてビッグボーナスカウンタの値が1であれば、遊技状態がビッグボーナスにあるが、未だベルまたはチェリーに入賞していないことが分かる。ゲームの開始時においてビッグボーナスカウンタの値が2以上であれば、その値から1を減算した回数だけ前回のゲームまででベルまたはチェリーに入賞していることが分かる。また、演出制御基板102のRAM122には、入賞情報コマンドに基づいてビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントするカウンタが設けられている。このカウンタの値は、キャラクタバトルの結果の決定のために用いられる。
また、遊技制御基板101の側でフリーズ状態に制御されたことは、2回分の状態コマンドを参照すれば、分かるものとなっている。すなわち、前回のゲームで受信した状態コマンドでビッグボーナス、今回のゲームで受信した状態コマンドが通常となっていれば、今回のゲームでビッグボーナスが終了してフリーズ状態に制御されていることが分かる。また、前回のゲームで受信した状態コマンドでビッグボーナスの払出メダル枚数が1枚以上165枚以下で、今回のゲームで受信した状態コマンドで166枚以上であれば、今回のゲームで払出メダル枚数が165枚を越えてフリーズ状態に制御されていることが分かる。
演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側でフリーズ状態に制御されていることを認識すると、全ての演出の実行を一旦停止する。そして、フリーズ状態に制御される期間が終了するよりも前に、ビッグボーナスが終了したか継続するかを液晶表示器4への画像の表示、及びスピーカ7L、7Rからの音声(終了ファンファーレや継続ファンファーレ)の出力により遊技者に報知するものとしている。ビッグボーナスにおける払出メダル枚数が345枚を越えた場合には、その枚数以上にビッグボーナスが継続することはあり得ないので、必ずビッグボーナスの終了が報知されることとなる。
ビッグボーナスにおける払出メダル枚数が165枚を越えた場合には、そこでビッグボーナスが終了している場合と、さらに払出メダル枚数が345枚を越えるまでビッグボーナスが継続する場合とがある。実際にはビッグボーナスが終了している場合であっても、抽選により1割程度の確率でビッグボーナスの継続が報知されることがある。実際にはビッグボーナスが継続する場合であっても、抽選により1割程度の確率でビッグボーナスの終了が報知されることがある。これらの場合は、ビッグボーナスの継続または終了が報知されてから3ゲーム後に、ビッグボーナスの終了または継続が正しく報知されることとなる。
実際には終了したビッグボーナスが継続するものと報知された場合、そこから3ゲームの間は未だ遊技者にビッグボーナスの継続を期待させることができる。そこで、実際にはビッグボーナスが終了しているのに継続するものと報知した場合には、RAM122に設けられる転落カウンタ(初期値は3、1ゲーム毎に1減算)によって、ビッグボーナスの継続の報知から3ゲームの間は、仮想リールを液晶表示器4に表示するのではなく、ビッグボーナスの期間において行われていたキャラクタバトルを液晶表示器4において行うものとしている。
実際には継続するビッグボーナスが終了するものと報知された場合、そのままキャラクタバトルを行ってしまえば、ビッグボーナスが終了していないことが直ぐに遊技者に分かってしまう。そこで、実際にはビッグボーナスが継続するのに終了するものと報知した場合には、RAM122に設けられる復活カウンタ(初期値は3、1ゲーム毎に1減算)によって、ビッグボーナスの終了の報知から3ゲームの間は、キャラクタバトルを行わずに、仮想リールを液晶表示器4に表示させ、可変表示装置2の表示結果に応じた表示態様を仮想リールに導出させるものとしている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明に直接関わるものだけを説明する。
図9は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイフラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM112に当選フラグが設定される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなる。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(ビッグボーナス、レギュラーボーナス当選フラグ以外の当選フラグの消去やビッグボーナス、レギュラーボーナスの終了に関する処理を含む)も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS2のBET処理について詳しく説明する。図10、図11は、CPU111がステップS2で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM112において賭け数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS101)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイフラグがRAM112に設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS102)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS103)、これによってBETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数(リプレイ入賞は通常遊技状態またはRTで発生するので、ここでは必ず3)であるかどうかを判定する(ステップS104)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS103、S104の処理を繰り返して行い、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ41によりスタートレバー11の操作の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS105)。スタートレバー11の操作が検出されると、図9のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数であるか否かを判定する(ステップS106)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM112においてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS107)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド49をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS108)。そして、ステップS110の処理に進む。BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド49をONの状態とし、メダルの流路をホッパー80側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS109)。そして、ステップS110の処理に進む。
ステップS110では、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0であるか否かを判定する(ステップS110)。クレジットカウンタの値とBETカウンタの値のいずれか一方でも0でなければ、精算スイッチ47により精算ボタン16の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS111)。精算ボタン16の操作が検出されていれば、クレジットカウンタ及びBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御を行う精算処理を行う(ステップS112)。なお、精算処理の詳細については、後述する。そして、ステップS106の処理に戻る。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算ボタン16の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ44により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS113)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数であるか否かを判定する(ステップS114)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS115)、ステップS106の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS116)。クレジットカウンタの値が50でなければ、そのままステップS106の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50であれば、クレジットカウンタの値を1だけ加算して(ステップS117)、ステップS106の処理に戻る。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数であるか否かを判定する(ステップS118)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ41によりスタートレバー11の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS119)。スタートレバー11の操作が検出されていなければ、ステップS106の処理に戻る。スタートレバー11の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド49をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15、精算ボタン16の操作を無効とする(ステップS120)。そして、BET処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS121)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS106の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ45により1枚BETボタン14の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS122)。1枚BETボタン14の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ46によりMAXBETボタン15の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS123)。MAXBETボタン15の操作も検出されていなければ、ステップS106の処理に戻る。
1枚BETボタン14の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS124)、BETカウンタの値を1だけ加算する(ステップS125)。そして、ステップS106の処理に戻る。
MAXBETボタン15の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS126)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS127)、BETカウンタの値を1だけ加算する(ステップS128)。ここで、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数になったかどうかを判定する(ステップS129)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS106の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS126の処理に戻る。ステップS126でBETカウンタの値が0であると判定されると、ステップS126の処理に戻る。
次に、ステップS112の精算処理について詳しく説明する。図12は、CPU111がステップS112で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド49をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS201)。また、ホッパーモータ82をONの状態として駆動させる(ステップS202)。
次に、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS203)。クレジットカウンタの値が0であれば、BETカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS204)。クレジットカウンタの値かBETカウンタの値かの一方でも0でなければ、払出センサ81によりメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する(ステップS205)。メダルの払い出しが検出されていなければ、ステップS203の処理に戻る。
メダルの払い出しが検出されていれば、さらにクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS206)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS207)、ステップS203の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0であれば、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS208)、ステップS203の処理に戻る。
ステップS203、S204においてクレジットカウンタの値もBETカウンタの値も0であれば、ホッパーモータ82をOFFの状態として駆動を停止させる(ステップS209)。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図13は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、前回のゲームで小役入賞したときにはペイアウト表示部21に払出予定数が点灯表示されているので、ペイアウト表示器51を制御して、これを消灯させる。払出予定数の点灯表示がない場合は、消灯状態を維持するだけである(ステップS301)。
次に、詳細を後述する乱数取得処理を行う(ステップS302)。この乱数取得処理においては、乱数発生回路115が発生する乱数に基づいて、内部抽選用の乱数の値が取得されることとなる。
次に、現在の遊技状態に対応して、図5(a)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている役を順番に読み出す(ステップS303)。さらに、ステップS2で設定されたBET数を読み出し、当該役と読み出したBET数に対応する役について、図5(b)の役別テーブルに共通フラグの設定状況を取得する(ステップS304)。この結果、当該役、当該BET数について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS305)。
共通フラグが設定されていれば、当該役、当該BET数について図5(b)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS306)。そして、ステップS308の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM112に設定されている設定値を読み出しし、当該役、当該BET数について読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS307)。そして、ステップS308の処理に進む。
ステップS308では、ステップS306またはS307で取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS309)。オーバーフローが生じた場合には、当該役の当選フラグをRAM112に設定する(ステップS310)。そして、ステップS312の処理に進む。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態について定められた役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(ステップS311)。未だ処理対象としていない役があれば、ステップS303の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、ステップS312の処理に進む。
ステップS312では、RAM112における当選フラグの設定領域を参照し、各役の当選フラグが設定されているかどうかにより当選フラグの設定状況を特定可能な当選状況通知コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS302の乱数取得処理について詳しく説明する。図14は、CPU111がステップS302で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU111に対する割り込みを禁止する(ステップS401)。次に、サンプリング回路116にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路115が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート114から入力して、これを抽出する。乱数発生回路115から抽出された乱数の値は、汎用レジスタ111GRに格納される(ステップS402)。
次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の下位バイトの値と上位バイトの値を、RAM112の作業領域を用いて互いに入れ替える(ステップS403)。次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の値を8080hと論理積演算する(ステップS404)。さらに上位バイト(第15〜第8ビット)を1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。このときに汎用レジスタ111GRに格納された値が内部抽選用の乱数として取得され、RAM112の所定の領域に保存される(ステップS405)。そして、ステップS401で禁止した割り込みを許可してから(ステップS406)、乱数取得処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図15は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず、リール3L、3C、3Rの回転が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRの全てが基準位置を検出するというリール3L、3C、3Rの停止を可能とする所定の条件が成立したかどうかを判定する(ステップS501)。
この所定の条件が成立していなければ、ステップS501の処理を繰り返し、この所定の条件が成立するのを待機する。この所定の条件が成立した場合には、左、中、右の停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれの操作有効ランプ63L、63C、63Rを点灯する(ステップS502)。そして、ステップS503の処理に進む。
ステップS503では、ストップスイッチ42Lの検出信号が入力されたかどうかにより、左の停止ボタン12Lが操作されているかどうかを判定する。ここで、左の停止ボタン12Lが物理的には操作されたとしても既に操作無効となっていれば、停止ボタン12Lは操作されていないものとみなされる。左の停止ボタン12Lが操作されていない場合には、そのままステップS507の処理に進む。
左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS504)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Lを操作したタイミングで左のリール3Lについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS505)。さらに、今回停止されたリールが左のリール3Lであること、及び左のリール3Lに導出された図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS506)。そして、ステップS507の処理に進む。
ステップS507では、ストップスイッチ42Cの検出信号が入力されたかどうかにより、中の停止ボタン12Cが操作されているかどうかを判定する。ここで、中の停止ボタン12Cが物理的には操作されたとしても既に操作無効となっていれば、停止ボタン12Cは操作されていないものとみなされる。中の停止ボタン12Cが操作されていない場合には、そのままステップS511の処理に進む。
中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS508)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Cを操作したタイミングで中のリール3Cについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS509)。さらに、今回停止されたリールが中のリール3Cであること、及び中のリール3Cに導出された図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS510)。そして、ステップS511の処理に進む。
ステップS511では、ストップスイッチ42Rの検出信号が入力されたかどうかにより、右の停止ボタン12Rが操作されているかどうかを判定する。ここで、右の停止ボタン12Rが物理的には操作されたとしても既に操作無効となっていれば、停止ボタン12Rは操作されていないものとみなされる。右の停止ボタン12Rが操作されていない場合には、そのままステップS515の処理に進む。
右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS512)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Rを操作したタイミングで右のリール3Rについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS513)。さらに、今回停止されたリールが右のリール3Rであること、及び右のリール3Rに導出された図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS514)。そして、ステップS515の処理に進む。
ステップS515では、左、中及び右の全てのリール3L、3C、3Rが停止しているかどうかを判定する。リール3L、3C、3Rのうちで1つでも停止していないものがあれば、ステップS503の処理に戻る。リール3L、3C、3Rの全てが停止している場合には、リール変動停止処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS6の入賞判定処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS6で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、何れかの有効ライン上にビッグボーナス(1)の表示態様(赤7−白7−白7)が導出されたかどうかを判定する(ステップS601)。ビッグボーナス(1)の表示態様が導出されていれば、RAM112にビッグボーナス中フラグ及びビッグボーナス出力禁止フラグを設定するとともに、RAM112に設定されているビッグボーナス当選フラグを消去する。また、ビッグボーナス終了数を165に設定してRAM112の所定の領域に保存する。さらに、HITランプ54を点灯する(ステップS602)。そして、ステップS617の処理に進む。
ビッグボーナス(1)の表示態様が導出されていない場合には、何れかの有効ライン上にビッグボーナス(2)の表示態様(赤7−青7−青7)が導出されたかどうかを判定する(ステップS603)。ビッグボーナス(2)の表示態様が導出されていれば、RAM112にビッグボーナス中フラグ及びビッグボーナス出力禁止フラグを設定するとともに、RAM112に設定されているビッグボーナス当選フラグを消去する。また、ビッグボーナス終了数を345に設定してRAM112の所定の領域に保存する。さらに、HITランプ54を点灯する(ステップS604)。そして、ステップS617の処理に進む。
ビッグボーナス(2)の表示態様も導出されていない場合には、何れかの有効ライン上にレギュラーボーナスの表示態様(赤7−白7−青7)が導出されたかどうかを判定する(ステップS605)。レギュラーボーナスの表示態様が導出されていれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定するとともに、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。さらに、HITランプ54を点灯する(ステップS606)。そして、ステップS617の処理に進む。
レギュラーボーナスの表示態様も導出されていない場合には、何れかの有効ライン上にJACINの表示態様(ベル−チェリー−チェリー)が導出されたかどうかを判定する(ステップS607)。JACINの表示態様が導出されていれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定する。この場合は、ビッグボーナス中フラグに重ねてレギュラーボーナス中フラグも設定されるものとなる(ステップS608)。そして、ステップS617の処理に進む。
JACINの表示態様も導出されていない場合には、何れかの有効ライン上にリプレイの表示態様(赤7−JAC−チェリー)が導出されたかどうかを判定する(ステップS609)。リプレイの表示態様が導出されていれば、RAM112にリプレイフラグを設定する(ステップS610)。このリプレイフラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されたときに、消去されるものとなる。そして、ステップS617の処理に進む。
リプレイの表示態様も導出されていない場合には、何れかの有効ライン上にベルの表示態様(赤7−ベル−ベル)が導出されたかどうかを判定する(ステップS611)。ベルの表示態様が導出されていれば、メダルの払出予定数として15を設定し、ペイアウト表示器51を制御することにより、この払出予定数の15をペイアウト表示部21に表示させる(ステップS612)。そして、ステップS615の処理に進む。
ベルの表示態様も導出されていない場合には、何れかの有効ライン上にチェリーの表示態様(チェリー−ANY−ANY)が導出されたかどうかを判定する(ステップS613)。ベルの表示態様が導出されていれば、ステップS2で設定された賭け数に応じてメダルの払出予定数として15(レギュラーボーナス時)または4(通常の遊技状態または小役ゲーム)を設定し、ペイアウト表示器51を制御することにより、この払出予定数の15または4をペイアウト表示部21に表示させる(ステップS614)。そして、ステップS615の処理に進む。
ステップS615では、RAM112にビッグボーナス出力禁止フラグが設定されているかどうかを判定する。ビッグボーナス出力禁止フラグが設定されていなければ、そのままステップS617の処理に進む。ビッグボーナス出力禁止フラグが設定されていれば、今回のビッグボーナスで最初の小役入賞ということになる。この場合には、ビッグボーナス出力禁止フラグを消去して、ビッグボーナス中フラグに基づいて外部出力基板105から外部装置にビッグボーナス中信号が出力されるようにする(ステップS616)。そして、ステップS617の処理に進む。
ステップS617では、入賞の有無及び入賞があった場合には入賞した役を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS701)。
ここで、ステップS701の処理を終了することで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞して払出予定数が設定されていた場合には、払出予定数のメダルの払い出しが終了した時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞せずに払出予定数が設定されていないときには、メダルの払い出しをせずにステップS701が終了となるので、可変表示装置2に表示結果が導出された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。精算ボタン16の操作は、ここで有効となるが、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15の操作は、未だ有効とならない。
次に、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)になっているかどうかを判定する(ステップS702)。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていなければ、ステップS706の処理に進む。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該レギュラーボーナスにおけるゲーム数と入賞数とをカウントする(ステップS703)。
そのカウントの結果として、レギュラーボーナスの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS704)。レギュラーボーナスの終了条件となっていれば、RAM112のレギュラーボーナス中フラグを消去する。また、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS705)。そして、ステップS706の処理に進む。レギュラーボーナスの終了条件となっていない場合も、ステップS706の処理に進む。
ステップS706では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナスとなっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントする(ステップS707)。ここでカウントした払出メダル枚数がRAM112に設定されたビッグボーナス終了数を越えて、ビッグの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS708)。
ビッグボーナスの終了条件が成立していれば、RAM112のビッグボーナス中フラグを消去する。レギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、これも消去する。また、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化するビッグボーナス中のレギュラーボーナスであった場合もあるので、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS709)。
さらに、ビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの設定状況に基づいて現在の遊技状態(次のゲームで適用される遊技状態であって、ここでは通常の遊技状態となる)を示す状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS710)。さらに、HITランプ54を消灯させる(ステップS711)。ここで、CPU111の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS712)。
ウェイト時間の計時が開始されると、RAM112のクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS713)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS716の処理に進む。クレジットカウンタの値が0でなければ、精算スイッチ47により精算ボタン16の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS714)。精算ボタン16の操作が検出された場合には、図12に示した精算処理を行う(ステップS715)。そして、払出処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。精算ボタン16の操作が検出されていなければ、ステップS716の処理に進む。ステップS716では、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する。規定時間に達していなければ、ステップS713の処理に戻る。規定時間に達した場合には、ステップS727の処理に進む。
ステップS708でビッグボーナスの終了条件が成立していなければ、ここでビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの設定状況に基づいて現在の遊技状態(次のゲームで適用される遊技状態であって、ここではビッグボーナス)を示す状態コマンドを生成する。ここで生成する状態コマンドには、当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数を示す情報も含まれる。そして、生成した状態コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS717)。
さらに、今回のゲームで当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数が165枚を越えたかどうかを判定する(ステップS718)。未だ払出メダル枚数が165枚を越えていないか、前回以前のゲームで既に払出メダル枚数が165枚を越えていれば、そのままステップS727の処理に進む。今回のゲームで払出メダル枚数が165枚を越えた場合には、HITランプ54を消灯させる(ステップS719)。ここで、CPU111の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS720)。
ウェイト時間の計時が開始されると、RAM112のクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS721)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS724の処理に進む。クレジットカウンタの値が0でなければ、精算スイッチ47により精算ボタン16の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS722)。精算ボタン16の操作が検出された場合には、図12に示した精算処理を行う(ステップS723)。そして、払出処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。精算ボタン16の操作が検出されていなければ、ステップS724の処理に進む。ステップS724では、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する。規定時間に達していなければ、ステップS721の処理に戻る。規定時間に達した場合には、HITランプ54を消灯させて(ステップS725)、ステップS727の処理に進む。
ステップS706で現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていなければ、ここでビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの設定状況に基づいて現在の遊技状態(次のゲームで適用される遊技状態であって、ここではビッグボーナス以外の遊技状態)を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS726)。そして、ステップS727の処理に進む。
ステップS727では、RAM112に小役当選フラグ、リプレイ当選フラグ、JACIN当選フラグが設定されていれば、これを消去する。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグは、当該ゲームにおいて対応する役に入賞していなければRAM112から消去しないで、次のゲームに持ち越させる。また、ここで、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15の操作も有効となる。そして、払出処理を終了して、図9のフローチャートに復帰する。図9のフローチャートに復帰すると、そのまま1ゲーム分の処理が終了することとなる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出(特に液晶表示器4における仮想リールの表示、ビッグボーナス中における演出、フリーズ時のビッグボーナスの終了または継続の報知)を行うために実行する処理について説明する。
図18〜図20は、演出制御基板102のCPU121が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS801)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS802)。
受信したコマンドの種類がステップS312で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、前回のゲームで受信したリール停止コマンドに基づいてRAM122に保存した可変表示装置2における図柄の表示態様を示す情報をクリアする(ステップS803)。さらに、受信した当選状況通知コマンドが示す当選フラグの設定状況をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS804)。
次に、RAM112におけるビッグボーナスカウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS805)。ビッグボーナスカウンタの値が1であれば、既にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しているが、未だビッグボーナスの表示態様が仮想リールに導出されていない。このときには、特殊態様の仮想リールを液晶表示器4に表示させて、仮想リールによる図柄の変動表示を開始させる(ステップS806)。そして、ステップS801の処理に戻る。
ビッグボーナスカウンタの値が1でなければ、ビッグボーナスカウンタの値が2以上6以下であるかどうか、すなわちビッグボーナスで小役入賞したゲーム数が1ゲーム以上5ゲーム以下であるかどうかを判定する(ステップS807)。ビッグボーナスカウンタの値が2以上6以下であれば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時にRAM122に保存した規定数に応じてカードバトルの結果を決定して、RAM122の所定の領域に保存しておく(ステップS808)。その後、3枚のカードの裏面を液晶表示器4に表示させて、カードバトルを開始させる(ステップS809)。そして、ステップS801の処理に戻る。
ビッグボーナスカウンタの値が2以上6以下でもなければ、ビッグボーナスカウンタの値が7以上であるかどうか、すなわちビッグボーナスで小役入賞したゲーム数が7ゲーム以上かどうかを判定する(ステップS810)。ビッグボーナスカウンタの値が7以上であれば、RAM122の復活カウンタの値が0より大きいかどうか、すなわちビッグボーナスの終了が報知されているが、上限数が360枚で実際にはビッグボーナスが終了していないかどうかを判定する(ステップS811)。復活カウンタの値が0より大きければ、ステップS813の処理に進み、復活カウンタの値が0であれば、ステップS814の処理に進む。
ビッグボーナスカウンタの値が7以上でなければ、ビッグボーナスカウンタの値は0であるということになる。この場合には、RAM122の転落カウンタの値が0より大きいかどうか、すなわちビッグボーナスの継続が報知されているが、上限数が180枚で実際にはビッグボーナスが終了しているかどうかを判定する(ステップS812)。転落カウンタの値が0より大きければ、ステップS814の処理に進み、転落カウンタの値が0であれば、ステップS813の処理に進む。
ステップS813では、通常態様の仮想リールを液晶表示器4に表示させて、仮想リールによる図柄の変動表示を開始させる。そして、ステップS801の処理に戻る。ステップS814では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時にRAM122に保存した規定数に応じて、キャラクタバトルの結果を決定して、RAM122の所定の領域に保存しておく。その後、遊技者サイドのキャラクタともう1体のキャラクタを液晶表示器4に表示させて、キャラクタバトルを開始させる(ステップS815)。そして、ステップS801の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS506、S510またはS514で送信されたリール停止コマンドであった場合には、当該リール停止コマンドが示すリール3L、3C、3Rに導出された図柄を示す情報をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS816)。
次に、RAM122におけるビッグボーナスカウンタの値が1であるかどうか、すなわちビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に既に入賞しているが、未だビッグボーナスの表示態様が仮想リールに導出されていないかどうかを判定する(ステップS817)。ビッグボーナスカウンタの値が1であれば、ステップS804で保存した当選状況を参照して、ベルまたはチェリーの小役に当選しているかどうかを判定する(ステップS818)。
ベルまたはチェリーの小役に当選していれば、液晶表示器4には仮想リールが通常態様で表示されており、停止されたリール3L、3C、3Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させて、ここにビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)に共通した表示態様(7−7−7)を導出させる(ステップS819)。そして、ステップS801の処理に戻る。ベル及びチェリーのいずれにも当選していなければ、停止されたリール3L、3C、3Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させて、ハズレの表示態様を導出させる(ステップS820)。そして、ステップS801の処理に戻る。
ビッグボーナスカウンタの値が1でない場合には、RAM122にカードバトルの結果の決定が保存されているかどうかにより、カードバトルの実行中であるかどうかを判定する(ステップS821)。カードバトルの実行中であれば、リール3L、3C、3Rが停止された数に応じて液晶表示器4に表示されたカードを順次表面に更新し、ステップS808で決定したカードバトルの経過及び結果を液晶表示器4に表示させる(ステップS822)。そして、ステップS801の処理に戻る。
カードバトルの実行中でなければ、RAM122にキャラクタバトルの結果の決定が保存されているかどうかにより、キャラクタバトルの実行中であるかどうかを判定する(ステップS823)。キャラクタバトルの実行中であれば、RAM122に保存した停止状況を示す情報に基づいて、リール3L、3C、3Rの全てが停止したかどうかを判定する(ステップS824)。リール3L、3C、3Rのうちで停止していないものがあれば、そのままステップS801の処理に戻る。リール3L、3C、3Rの全てが停止した場合には、ステップS814で決定したキャラクタバトルの結果を液晶表示器4に表示させる(ステップS825)。そして、ステップS801の処理に戻る。
キャラクタバトルの実行中でもなければ、液晶表示器4には仮想リールが表示されている。ここでは、RAM122に保存した当選フラグの設定状況を示す情報とリール3L、3C、3Rの停止状況を示す情報とを参照して、停止されたリール3L、3C、3Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させ、可変表示装置2に導出された図柄に対応した図柄を仮想リールに導出させる。もっとも、入賞の表示態様を仮想リールに導出させるのは、ベル、チェリーまたはリプレイに入賞する場合だけであり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはJACINに入賞しても、仮想リールにはハズレのときと同じ表示態様を導出させる(ステップS826)。そして、ステップS801の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS617で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドがビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS827)。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示していれば、入賞した種類に対応したビッグボーナス終了数を規定数としてRAM122の所定の領域に保存する(ステップS828)。ビッグボーナス中の払出メダル枚数をカウントするカウンタの値も0にクリアする(ステップS829)。さらに、RAM122のビッグボーナスカウンタの値として1をセットする(ステップS830)。そして、ステップS801の処理に戻る。
受信した入賞情報コマンドがビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)の何れの入賞も示していなければ。前回のゲームのステップS835でRAM122に保存した遊技状態に基づいて、今回のゲームの遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS831)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS801の処理に戻る。遊技状態がビッグボーナスにあれば、当該入賞情報コマンドがベルまたはチェリーの入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS832)。ベル及びチェリーの何れにも入賞していなければ、そのままステップS801の処理に戻る。
ベルまたはチェリーに入賞していれば、RAM122に設けられたカウンタを用いて、入賞した役の種類に応じてビッグボーナス中の払出メダル枚数をカウントする(ステップS833)。また、ビッグボーナス中の小役入賞回数をカウントするためにも用いられるビッグボーナスカウンタの値を1だけ加算する(ステップS834)。そして、ステップS801の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS710、S717またはS726で送信された状態コマンドであった場合には、前回のゲームで受信した状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を示す情報を前回の遊技状態の保存領域に移し、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームの遊技状態)を示す情報をRAM122の今回の遊技状態の保存領域に上書きして保存する(ステップS835)。
次に、RAM122の転落カウンタの値が0よりも大きいかどうかを判定する(ステップS836)。転落カウンタの値が0よりも大きければ、転落カウンタの値を1だけ減算する(ステップS837)。この減算の結果、転落カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS838)。転落カウンタの値が0となっていなければ、そのままステップS801の処理に戻る。転落カウンタの値が0となれば、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスからの転落を報知する(ステップS839)。そして、ステップS801の処理に戻る。
転落カウンタの値が0であれば、RAM122の復活カウンタの値が0よりも大きいかどうかを判定する(ステップS840)。復活カウンタの値が0よりも大きければ、復活カウンタの値を1だけ減算する(ステップS841)。この減算の結果、復活カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS842)。復活カウンタの値が0となっていなければ、そのままステップS801の処理に戻る。復活カウンタの値が0となれば、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの復活を報知する(ステップS843)。そして、ステップS801の処理に戻る。
また、復活カウンタの値も0であれば、払出メダル枚数が345枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となったかどうかを判定する。ここでのビッグボーナスの終了は、前回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで166枚以上のメダルの払い出しを示しており、今回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスでないことを示していることで判断できる(ステップS844)。
払出メダル枚数が345枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となった場合には、まず、RAM122のビッグボーナスカウンタの値を0に初期化する(ステップS845)。また、遊技制御基板101の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器4の画像の表示、スピーカ7L、7Rからの音声の出力、遊技効果LED75A〜75M等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板102の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS846)。
次に、CPU121の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS847)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS848)。規定時間に達していなければ、ステップS848の処理を繰り返す。規定時間に達していれば、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS849)。そして、ステップS801の処理に戻る。
払出メダル枚数が345枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となったのでなければ、払出メダル枚数が165枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となったかどうかを判定する。ここでのビッグボーナスの終了は、前回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで1以上165枚以下のメダルの払い出しを示しており、今回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスでないことを示していることで判断できる(ステップS850)。
払出メダル枚数が165枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となった場合には、まず、RAM122のビッグボーナスカウンタの値を0に初期化する(ステップS851)。また、遊技制御基板101の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器4の画像の表示、スピーカ7L、7Rからの音声の出力、遊技効果LED75A〜75M等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板102の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS852)。
次に、CPU121の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS853)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS854)。規定時間に達していなければ、ステップS854の処理を繰り返す。
規定時間に達していれば、ソフトウェア乱数機能により抽出した乱数の値に基づいて、実際にはビッグボーナスが終了していても、一旦はビッグボーナスの継続を報知する継続報知を行うかどうかを抽選する(ステップS855)。この継続報知抽選に当選する確率は、例えば10分の1程度と比較的低い値になっている。ここで、継続報知抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS856)。
継続報知抽選にハズレた場合には、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS857)。そして、ステップS801の処理に戻る。継続報知抽選に当選した場合には、RAM122の転落カウンタに初期値として3をセットする(ステップS858)。さらに、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの継続を報知する(ステップS859)。そして、ステップS801の処理に戻る。
払出メダル枚数が165枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となったのでなければ、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが継続するかどうかを判定する。ここでのビッグボーナスの継続は、前回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで1以上165枚以下のメダルの払い出しを示しており、今回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで166枚以上のメダルの払い出しを示していることで判断できる(ステップS860)。
払出メダル枚数が165枚を越えたことによりビッグボーナスが終了となった場合には、遊技制御基板101の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器4の画像の表示、スピーカ7L、7Rからの音声の出力、遊技効果LED75A〜75M等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板102の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS861)。
次に、CPU121の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS862)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS863)。規定時間に達していなければ、ステップS863の処理を繰り返す。
規定時間に達していれば、ソフトウェア乱数機能により抽出した乱数の値に基づいて、実際にはビッグボーナスが継続していても、一旦はビッグボーナスの終了を報知する終了報知を行うかどうかを抽選する(ステップS864)。この終了報知抽選に当選する確率も、継続報知抽選の当選確率と同様の比較的低い値になっている。ここで、終了報知抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS865)。
終了報知抽選にハズレた場合には、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの継続を報知する(ステップS866)。そして、ステップS801の処理に戻る。終了報知抽選に当選した場合には、RAM122の復活カウンタに初期値として3をセットする(ステップS867)。さらに、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS868)。そして、ステップS801の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS869)。その後、ステップS801の処理に戻る。
なお、ステップS848、S854、S863における規定時間(演出側規定時間)は、図17のステップS716、S724における規定時間(遊技側規定時間)より短い時間に設定されている。演出側規定時間が遊技側規定時間よりも短く設定されていることから、フリーズ状態にある間に、ビッグボーナスの終了または継続が遊技者に報知されるものとなる。
以下、液晶表示器4において行われる各種の演出について、具体例に基づいて説明する。図21は、ビッグボーナス(1)の当選、入賞に絡む演出の実行例を示すタイミングチャートである。ここで、図21(a)は、可変表示装置2の表示結果を、図21(b)は、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが終了したときに、そのままビッグボーナスの終了が報知される場合における液晶表示器4における演出の例を、図21(c)は、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが終了しているのに、ビッグボーナスの継続が報知される場合における液晶表示器4における演出の例を示している。
払出メダル枚数が165枚を越える(ここでは、第20ゲーム)までは、ビッグボーナスの終了を報知するか継続を報知するかの区別はないので、同じ説明を行うものとする。第1ゲームにおいては、ビッグボーナス(1)に当選しているものの、未だビッグボーナス(1)に入賞していない。この場合には、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。第1ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がハズレであったものとすると、液晶表示器4の仮想リールにもハズレの表示態様が導出される。
ビッグボーナス(1)に当選しているので、第2ゲームからは遊技状態がRTに制御されるが、ここでも未だ、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。第2、第3ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がリプレイであったものとすると、液晶表示器4の仮想リールにもリプレイの表示態様が導出される。次に、第4ゲームにおける可変表示装置2の表示態様がビッグボーナス(2)であったものとする。しかし、ここでは、液晶表示器4の仮想リールには、ハズレの表示態様が導出されて、ビッグボーナスの表示態様は未だ導出されない。
第5ゲームにおいては、仮想リールにはビッグボーナスの表示態様は未だ導出されていないが、可変表示装置2にビッグボーナス(1)が導出されているので、特殊態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。第5ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がハズレであったものとすると、液晶表示器4の仮想リールにもハズレの表示態様が導出される。第6ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がベルまたはチェリーの小役であったものとすると、このビッグボーナスにおける最初の小役入賞ということなので、液晶表示器4の仮想リールに、小役の表示態様ではなく、ビッグボーナスの表示態様が導出される。
1回目の小役入賞を果たした後の第7ゲームからは、ゲーム毎にカードバトルが液晶表示器4において行われる。第13ゲームにおいて5回目の小役入賞を果たしたものとすると、第14ゲームからは、ゲーム毎にキャラクタバトルがカードゲームに代わって液晶表示器4において行われる。このキャラクタバトルは、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが終了することとなる第20ゲームまで、毎ゲーム行われるものとなる。
第20ゲームにおいて払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが終了すると、遊技制御基板101の側ではフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、継続報知抽選が行われる。継続報知抽選にハズレたものとすると、図21(b)に示すように、ビッグボーナスの終了が液晶表示器4において報知される。その後の第21ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
一方、第20ゲームにおいて継続報知抽選に当選したものとすると、図21(c)に示すように、ビッグボーナスの継続が液晶表示器4において報知される。ここで、転落カウンタの初期値として3がセットされるので、転落カウンタの値が0より大きくなっている第21ゲーム〜第23ゲームでは、ゲーム毎にキャラクタバトルが液晶表示器4において行われる。そして、転落カウンタの値が0となる第23ゲームの終了時に、ビッグボーナスの終了が改めて報知される。その後の第24ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
図22は、ビッグボーナス(2)の当選、入賞に絡む演出の実行例を示すタイミングチャートである。ここで、図22(a)は、可変表示装置2の表示結果を、図22(b)は、払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続するときに、そのままビッグボーナスの継続が報知される場合における液晶表示器4における演出の例を、図22(c)は、払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続するのに、ビッグボーナスの終了が報知される場合における液晶表示器4における演出の例を示している。
図22の例において、第1ゲームで当選し、第4ゲームで入賞するのがビッグボーナス(1)ではなくビッグボーナス(2)である点を除いては、図21の例と同じであるものとする。液晶表示器4における演出も全く同じものとなる。払出メダル枚数が165枚を越えた第20ゲームにおいて、図22の例ではビッグボーナスが終了せずに、払出メダル枚数が345枚を越えるまでビッグボーナスが継続するものとなる。
第20ゲームにおいて払出メダル枚数が165枚を越えると、ビッグボーナスが継続するものであっても、遊技制御基板101の側ではフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、終了報知抽選が行われる。終了報知抽選にハズレたものとすると、図22(b)に示すように、ビッグボーナスの継続が液晶表示器4において報知される。その後の第21ゲームからは、払出メダル枚数が345枚を越える第35ゲームまで、再びゲーム毎にキャラクタバトルが液晶表示器4において行われるものとなる。
第35ゲームにおいて払出メダル枚数が345枚を越えてビッグボーナスが終了すると、遊技制御基板101の側では再びフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、ビッグボーナスの終了が液晶表示器4において報知される。その後の第36ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
一方、第20ゲームにおいて終了報知抽選に当選したものとすると、図22(c)に示すように、ビッグボーナスの終了が液晶表示器4において報知される。ここで、復活カウンタの初期値として3がセットされるので、復活カウンタの値が0より大きくなっている第21ゲーム〜第23ゲームでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。そして、復活カウンタの値が0となる第23ゲームの終了時に、ビッグボーナスの継続が改めて報知される。
その後の第24ゲームからは、払出メダル枚数が345枚を越える第35ゲームまで、再びゲーム毎にキャラクタバトルが液晶表示器4において行われるものとなる。第35ゲームにおいて払出メダル枚数が345枚を越えてビッグボーナスが終了すると、遊技制御基板101の側では再びフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、ビッグボーナスの終了が液晶表示器4において報知される。その後の第36ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器4に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)という2種類のビッグボーナスがあり、それぞれ払出メダル枚数が165枚、345枚を越えたゲームで終了するものとなる。ここで、ビッグボーナス中の払出メダル枚数が165枚を越えるまでは、165枚を越えた時点でビッグボーナスが終了するかどうかは分からない。
ここで、ビッグボーナスが終了したときには、一定期間だけフリーズ状態に制御されるものとなっているが、払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続する場合も、ビッグボーナスの終了時と同様にフリーズ状態に制御されるものとなっている。このため、払出メダル枚数が165枚を越えてフリーズ状態に制御されたときにおいても、未だビッグボーナスが継続することを遊技者に期待させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、フリーズ状態に制御されている間は、ビッグボーナスが継続する場合であってもHITランプ54を消灯するものとしているため、HITランプ54によってビッグボーナスが終了したか継続するかが遊技者に分かってしまうことがなく、遊技者の期待感の継続を図ることができる。
ここで、フリーズ状態に制御された後、当該フリーズ状態が終了する前に、ビッグボーナスが終了したか継続するかが報知されるものとなっている。ここで、払出メダル枚数が345枚を越えてビッグボーナスが終了するときには、ビッグボーナスが終了することだけが報知されるので、ビッグボーナスの終了を確実に遊技者に示すことができる。払出メダル枚数が165枚を越えたときのフリーズ状態では、多くの場合において実際にビッグボーナスが終了したか継続するかに応じて報知がされるので、遊技者にビッグボーナスの終了または継続を示すことができるものとなっている。
もっとも、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが終了した場合であっても、一定の確率でビッグボーナスが継続する旨が報知される。払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続する場合であっても、一定の確率でビッグボーナスが終了する旨が報知される。このように払出メダル枚数が165枚を越えたときにビッグボーナスの終了または継続が報知されても、実際にビッグボーナスが終了したか継続するかは完全には分からないので、その後も遊技者に緊張感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、払出メダル枚数が165枚を越えたときに、実際にビッグボーナスが終了したのか継続するのかとは異なる報知が行われたとしても、当該報知が行われた3ゲーム後においてビッグボーナスが終了したのか継続するのかが正しく報知されるものとなるので、遊技者に不信感を与えることもない。
また、ビッグボーナスにおいて小役入賞した回数が5回に達していなければ、払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続される可能性を示すカードバトルが行われる。また、ビッグボーナスにおいて小役入賞した回数が6回に達した後で10回に達するまでは、液晶表示器4においてキャラクタバトルが行われる。これらのカードバトルやキャラクタバトルによって、払出メダル枚数が165枚を越えた後もビッグボーナスが継続することに対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
カードバトル及びキャラクタバトルは、払出メダル枚数が165枚を越えたときにビッグボーナスが終了するか継続するかによって、異なる結果が決定されるようになっている。特にカードバトル及びキャラクタバトルの結果が遊技者にとって好ましいものであれば、払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続することに対する遊技者の期待感を大きくすることができる。一方、カードバトル及びキャラクタバトルの結果が遊技者にとって好ましいものではなくても、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが継続することもあるので、遊技者の期待感を減退させることはない。
また、ビッグボーナスにおいて小役入賞した回数に応じて、カードバトルとキャラクタバトルという内容の異なる演出を行うものとすることで、演出の態様が豊富になり、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出の内容の変化によって、ビッグボーナスの進行状況が遊技者に分かりやすくなる。さらに、キャラクタバトルは、払出メダル枚数によっても結果に変化が生じるので、その結果の違いによっても払出メダル枚数が165枚を越えてもビッグボーナスが継続することに対する遊技者の期待感を高めさせることができる。
また、ビッグボーナスの終了条件となる払出メダル枚数は、当該ビッグボーナスに移行させる契機となった入賞がビッグボーナス(1)であるかビッグボーナス(2)であるかにより定まることとなる。ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれが入賞するかは、内部抽選の際に決められることとなる。このため、ビッグボーナスの終了条件となる払出メダル枚数を決めるための処理を、入賞時において改めて行う必要がなく、処理負荷を小さくすることができる。
また、スロットマシン1における各ゲームの結果は、リール3L、3C、3Rから構成される可変表示装置2に導出された表示態様によって示されるものであるが、ビッグボーナス以外の遊技状態にあるとき、或いはビッグボーナスでも最初の小役入賞までは、液晶表示器4に表示される仮想リールによっても示される。液晶表示器4は、可変表示装置2よりも大きく、遊技者の目線の高さに近くて視認しやすいものであり、仮想リールの表示によって可変表示装置2を見なくてもゲームを進められるようになる。
ここで、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rの停止には、停止ボタン12L、12C、12Rの操作から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止しなければならないという制約が課されているが、液晶表示器4に表示される仮想リールの停止に対しては、このような制約が課されていない。このため、液晶表示器4の仮想リールを停止させるときには、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rを停止させるときには不可能な多様な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、液晶表示器4の仮想リールに入賞の表示態様が導出されるのは、ベル、チェリーまたはリプレイに入賞したときだけであり、ビッグボーナス(1)やビッグボーナス(2)に入賞してもハズレの表示態様しか仮想リールには導出されない。ビッグボーナス(1)やビッグボーナス(2)の入賞ではメダルの払い出しはないため、遊技者が液晶表示器4の仮想リールだけを見て遊技を行っていた場合には、遊技状態がビッグボーナスに制御されていることを遊技者に察知されないようにすることができる。
そして、遊技状態がビッグボーナスに制御された後に最初に小役に入賞するときに、液晶表示器4の仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させるものとしている。このように最初の入賞を契機としてビッグボーナスの表示態様を導出させることで、ビッグボーナスの利益を得ることを遊技者に効果的に示すことができるようになる。また、最初の小役入賞を契機としてビッグボーナスの表示態様を導出させることで、メダルの払い出しと連動してビッグボーナスの利益を得ることを遊技者に効果的に示すことができるようになる。
仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させる契機となる小役の入賞は、ベルであるかチェリーであるかに関わらず、内部抽選の結果として当選さえしていれば停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに必ず導出できるものとなっている。このため、当選状況を判断した時点で仮想リールに導出させるべき図柄を決めておくことができ、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rが停止する度に仮想リールに導出させるべき図柄を判断する必要がないので、仮想リールへの図柄の導出の制御を容易に行えるようになる。
また、仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させる場合以外でカードバトルもキャラクタバトルも行われないときには、可変表示装置2の表示結果に対応した表示態様が仮想リールに導出されるものとなる。ここで、取りこぼしのあるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスについては、可変表示装置2の表示結果として導出されたときであっても仮想リールにはハズレの表示態様を導出させればよい。取りこぼしのないベル、チェリー、リプレイだけが入賞の種類に応じた表示態様として仮想リールに導出されるので、当選状況を判断した時点で仮想リールに導出させるべき図柄を決めておくことができ、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rが停止する度に仮想リールに導出させるべき図柄を判断する必要がないので、仮想リールへの図柄の導出の制御を容易に行えるようになる。
また、ビッグボーナス(1)に入賞してビッグボーナスに制御された場合でもビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスに制御された場合でも、液晶表示器4の仮想リールに導出されるビッグボーナスの表示態様は同じものとなっている。このため、液晶表示器4の仮想リールに導出された表示結果からは、165枚を越えて終了するビッグボーナスであるか、345枚を越えて終了するビッグボーナスであるかを遊技者に察知されないようにすることができる。
もっとも、165枚を越えて終了するビッグボーナスであるか、345枚を越えて終了するビッグボーナスであるかは、ビッグボーナス(1)に入賞したかビッグボーナス(2)に入賞したかで自動的に決まるので、可変表示装置2の表示結果を見れば、いずれであるかが遊技者に分かってしまうこととなる。しかし、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の入賞の前提となるビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときには、遊技状態がRTに制御されてリプレイ当選確率が高くなり、遊技者が目押しをしなくても、ほとんどのゲームで取りこぼしのないリプレイ、ベル、チェリーに入賞することとなる。
目押しもせずにゲームを進行できるものとなると、遊技者が可変表示装置2を見ないでゲームを行えるものとなる。ビッグボーナス(1)または(2)に入賞しても、メダルの払い出しもなく、ペイアウト表示部21の表示もないので、遊技者に入賞を気付かせない。このため、可変表示装置2の表示結果でビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を可能な限り察知させずに、165枚を越えて終了するビッグボーナスであるか、345枚を越えて終了するビッグボーナスであるかを可能な限り遊技者に察知されないようにすることができる。
また、ビッグボーナスで最初の小役入賞があった後、カードバトルやキャラクタバトルが行われる場合を除いて、液晶表示器4には仮想リールが表示され、演出用の図柄が変動表示されるものとなっている。ここで、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときは、最初の小役入賞でビッグボーナスの表示態様が導出される前であっても、仮想リールが特殊態様のものに変えられる。このように液晶表示器4に表示する仮想リールの態様の違いによって、ビッグボーナスへの遊技者の期待感を高めさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されて、遊技状態がビッグボーナスに制御されるものとなる。ビッグボーナス中では、外部出力基板105からビッグボーナス中信号が出力されるものとなる。従って、外部出力されたビッグボーナス中信号による遊技島のランプの点灯等のスロットマシン1の外部にある演出装置による演出があれば、遊技者は、ビッグボーナス中であることが分かることになる。
もっとも、ビッグボーナス中信号は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞して直ぐに出力開始されるのではなく、ビッグボーナス中の最初の小役入賞で仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されたときに初めて、出力開始されるものとなっている。このため、外部出力基板105から出力されたビッグボーナス中信号に基づいてスロットマシン1の外部にある演出装置で演出が行われるものとなっていても、仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されるまでは、外部の演出装置による演出で遊技状態がビッグボーナスにあることを遊技者に察知されないようにすることができる。
ところで、スロットマシンの遊技性は、単にゲームを行うだけではなく、ゲームの結果により遊技者がメダルを獲得していくことにあるので、入賞によってメダルの払い出しを伴う小役が最も基本的な役であるということができる。このスロットマシン1において、小役の種類としては、ベル、チェリーがあるが、いずれの遊技状態においても入賞となる役の種類として定められている。このように基本となる小役を、いずれの遊技状態に制御されているときであっても入賞となる役として定めることで、遊技性が遊技者にとって分かり易いものとなる。
また、ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、メダルの払い出し枚数が165枚または345枚を越えると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイが内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのメダルを減らさないものであるがメダルの払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しメダル枚数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率よく進めることができるようになる。
また、ビッグボーナスにおいて小役ゲームからレギュラーボーナスに遊技状態を移行させるためのJACINの表示態様は、「ベル−チェリー−チェリー」の組み合わせにより構成され、他の役の表示態様として使用されていないものである。このため、可変表示装置2に導出された表示態様と入賞となる役との関係が明確になり、遊技者にとっては遊技性が分かりやすいものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作がストップスイッチ42L、42C、42Rで検出されてから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止されることとなるが、この間に4コマを引き込むことができるので、停止すべき図柄は5コマの範囲から選ぶことができる。有効ラインは、上段と下段の何れかを選択して組み合わせたものとなっているので、ベルの小役に当選しているときには、これを取りこぼすことがない。特にレギュラーボーナス中のベルは、おおよそ1/1.03という非常に高い確率で当選することとなるが、これの取りこぼしが生じ得ないので、レギュラーボーナスでは遊技者が実質的には目押しをしなくても済むようになり、簡単に遊技を進められるようになる。
上記したように遊技状態毎に内部抽選の対象となる役の種類は、遊技状態別当選役テーブルに登録されているが、各役の当選確率を定める判定値数は、役別テーブルから参照されるアドレスに格納されている。役別テーブルには、各役の入賞が発生したときのメダルの払出枚数も登録されている。
役別テーブルにおいて、払い出し予定数は賭け数に応じて登録されており、チェリーの入賞が発生したときには、賭け数に応じて払い出し予定数が設定される。ここで、レギュラーボーナスにおける賭け数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭け数は3で固定されている。これにより、賭け数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じて適切な枚数のメダルを払い出すことができる。また、払い出し予定数を設定する際に遊技状態を判断する必要がないので、入賞判定処理における処理ステップが簡素化される。しかも、レギュラーボーナスに対応した賭け数1の方が、賭け数3のときよりもチェリーの入賞時におけるメダルの払い出し枚数が多いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
役別テーブルにおいて、いずれの遊技状態においても入賞となる役として定められたベル及びチェリーについては、賭け数毎に判定値数の格納先アドレスが登録されており、賭け数に従って判定値数が取得されることとなる(もっとも、チェリーでは、結果的に同じ判定数が取得される)。ここで、レギュラーボーナスにおける賭け数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭け数は3で固定されている。これにより、賭け数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じた当選確率でベル及びチェリーの内部抽選を行うことができる。また、判定値数を取得する際に遊技状態を判断する必要がないので、内部抽選における処理ステップが簡素化される。しかも、レギュラーボーナスに対応した賭け数1の方が、賭け数3のときよりもベルの当選確率が高いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、役別テーブルに登録されている各役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭け数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM113に記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
また、乱数取得処理によって取得される内部抽選用の乱数は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工してから使用するものとしている。乱数発生回路115は、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数で高速に更新して乱数を発生しているが、ソフトウェアにより加工した後の内部抽選用の乱数では、その加工によって更新の周期性が失われるものとなる。
これに対して、内部抽選では各役に対応した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していくことにより行うため、図7(a)〜(c)に示したように各役を当選とする内部抽選用の乱数の値は、固まってしまうこととなる。これに対して、ソフトウェアによる加工で内部抽選用の乱数の周期性を失わせ、その値をバラつかせることによって、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
しかも、乱数発生回路115のカウンタ115b、115cの値を更新させるためにパルス発生回路115aが発生するパルス信号の周波数は、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、整数倍ともなっていない。このため、乱数発生回路115が発生する乱数の更新が、CPU111が行う処理と同期しにくくなる。しかも、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数の方を高くすることで、乱数発生回路115が発生する乱数の更新速度を非常に速いものとすることができる。
一方、ソフトウェアによる乱数の加工は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替え、第15、第7ビットをマスクした後、上位バイトをビットシフトするだけでよい。従って、16ビット(実際にはマスクされて14ビット)という比較的大きな乱数であっても、周期性を失わせるために必要な加工の処理に要する負荷がそれほど大きくならず、容易に取得することができる。このように大きな乱数が取得できることで、内部抽選における確率設定を細かく行うことができるようになる。
ところで、このスロットマシン1における各ゲームは、スタートレバー11の操作によりリール3L、3C、3Rを回転開始させるように制御を移したときに開始され、可変表示装置2に表示結果が導出されるか、該表示結果により小役入賞していたときにはメダルの払い出しを完了したときに終了とされる。この開始から終了までのゲームが行われている期間は、賭け数の設定もクレジットの精算も禁止されるものとなっている。ここで、ビッグボーナスが終了したとき、または払出メダル枚数が165枚を越えたときのフリーズ状態には、1ゲームの終了と判定された後に制御されるものとなっている。
フリーズ状態は、ゲームの進行を不能とするので賭け数の設定は禁止されたままであるが、クレジットの精算は、フリーズ状態に制御される前のゲームの終了と判定された段階で禁止が解除されるものとなっている。このため、フリーズ状態に制御されていて賭け数の設定が禁止されていても、遊技者は、クレジットの精算をすることが可能になるので、可能な限り遊技者の意志を反映して、遊技者所有のメダルとして記憶されているクレジットに応じたメダルの払い出しを受けることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、「赤7−白7−白7」のビッグボーナス(1)に入賞したときにはビッグボーナスの上限数は180枚(165枚を越える払い出しで終了)とし、「赤7−青7−青7」のビッグボーナス(2)に入賞したときにはビッグボーナスの上限数は360枚(345枚を越える払い出しで終了)としていた。もっとも、ビッグボーナスの上限数は、入賞したビッグボーナスの種類(図柄)とは無関係に抽選により決定するものとしてもよい。この場合、ビッグボーナスに入賞となる表示態様(ビッグボーナス当選フラグ)が1種類であっても、本発明を適用することができる(もっとも、2種類以上である場合を除外するものではない)。ビッグボーナス上限数の決定は、内部抽選においてビッグボーナスに当選したときから、可変表示装置2にビッグボーナスの表示態様が導出されたときまでの任意のタイミングで行うものとすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスの終了または継続は、フリーズ状態が開始して一定の時間(演出側規定時間)を経過した後、フリーズ状態に制御される時間(遊技側規定時間)を経過するよりも前に、報知されるものとなっていた。しかしながら、フリーズ状態が開始するのと同時に、ビッグボーナスの終了または継続を報知するものとしてもよい。この場合、ステップS847及びS849、S853及びS854、S862及びS863の処理は不要となる。また、フリーズ状態が終了したタイミングで、ビッグボーナスの終了または継続を報知するものとしてもよい。この場合、ステップS848、S854、S863における規定時間(演出側規定時間)を、ステップS716、S724における規定時間(遊技側規定時間)を同じ時間に設定すればよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに、HITランプ54を点灯するものとしていた。また、ビッグボーナスが終了すれば、HITランプ54を消灯するものとしていたが、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが継続する場合には、フリーズ状態にある間だけHITランプ54を消灯していたが、フリーズ状態が終了すればHITランプ54を再び点灯するものとしていた。
もっとも、HITランプ54を点灯するタイミングは、ビッグボーナス中信号を外部に出力するタイミング、すなわちビッグボーナスの表示態様が液晶表示器4の仮想リールに導出されるタイミングである、ビッグボーナス後に最初に小役入賞したときとしてもよい。払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが継続する場合にHITランプ54を消灯したときは、そのままビッグボーナスが終了するまでHITランプ54を再点灯しないものとしてもよい。或いは、HITランプ54を消灯してから3ゲームを消化した後に、HITランプ54を再点灯するものとしてもよい。
このような制御により、液晶表示器4の仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されていないのに、HITランプ54によって遊技状態がビッグボーナスに移行されていることが遊技者に察知されないようにすることができる。また、ビッグボーナスが終了したものと報知したのに、HITランプ54によって実際にはビッグボーナスが継続されていることが遊技者に察知されないようにすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しても、これに基づくビッグボーナスにおける最初の小役入賞で液晶表示器4の仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されるまではビッグボーナス中信号を出力しないようにしていたが、一旦ビッグボーナス中信号が出力されると、その出力は当該ビッグボーナスが終了するまで継続するものとなっていた。
もっとも、HITランプ54を消灯するのと同様に、フリーズ状態に制御されている間もビッグボーナス中信号の出力を停止するようにしてもよい。さらに、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが継続する場合にビッグボーナス中信号の出力を停止した場合には、そのままビッグボーナスが終了するまでビッグボーナス中信号を再度出力しないものとしてもよい。或いは、HITランプ54を消灯してから3ゲームを消化した後に、ビッグボーナス中信号を再度出力するものとしてもよい。これにより、ビッグボーナスが終了したものと報知したのに、ビッグボーナス中信号に基づく演出によって実際にはビッグボーナスが継続されていることが遊技者に察知されないようにすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しても、これに基づくビッグボーナスにおける最初の小役入賞で液晶表示器4の仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されるまではビッグボーナス中信号を出力しないようにしていたが、これでは、スロットマシン1の遊技状態を外部から正確に監視できなくなってしまう。そこで、2種類のビッグボーナス中信号を外部出力基板105から外部に出力するものとしてもよい。
1種類は、上記の実施の形態と同じビッグボーナス中信号、或いは上記した変形例に示したビッグボーナス中信号である。他の1種類は、ビッグボーナス中フラグが設定されているときに常時出力され、遊技状態がビッグボーナスであるかどうかをそのまま示すビッグボーナス中信号である。他の1種類は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞してから、上記の実施の形態と同じビッグボーナス中信号、或いは上記した変形例に示したビッグボーナス中信号が出力開始されるまでの間で出力されるものとしてもよい。このように2種類のビッグボーナス中信号を出力するものとすることで、遊技状態がビッグボーナスとなっていることを察知されないように演出を行うことができる一方、遊技状態がビッグボーナスであるかどうかについての情報を外部のコンピュータ装置で正確に収集することができるようになる。
上記の実施の形態では、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが終了してもビッグボーナスの継続を報知した場合に、そこから3ゲームを経過した後に改めてビッグボーナスの終了を報知するものとしていた。また、払出メダル枚数が165枚を越えてビッグボーナスが継続してもビッグボーナスの終了を報知した場合に、そこから3ゲームを経過した後に改めてビッグボーナスの継続を報知するものとしていた。
しかしながら、ビッグボーナスの終了や継続を正しく報知するタイミングは、3ゲーム経過後に限るものではなく、当該ビッグボーナスの開始からの払出メダル枚数が345枚を越えるよりも前に行うものとすればよい。例えば、本来の状態とは異なる報知を行ってから小役入賞した回数が345枚を越え得ない範囲で定められた所定ゲーム数に達したときに、ビッグボーナスの終了や継続を正しく報知するものとしてもよい。当該ビッグボーナスの開始からの払出メダル枚数が180枚以上345枚以下の範囲で定められた所定数に達したときに、ビッグボーナスの終了や継続を正しく報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した後、最初の小役入賞があるまでの期間において、液晶表示器4に特殊態様の仮想リールを表示して演出用の図柄を変動表示させるものとしていた。しかしながら、この期間で必ず特殊態様の仮想リールを表示し、この期間以外に特殊態様の仮想リールを表示しないものとすれば、液晶表示器4に特殊態様の仮想リールが表示されていることを以て、遊技状態がビッグボーナスに制御されていることを遊技者に察知されてしまう。
そこで、液晶表示器4に特殊態様の仮想リールを表示するのは、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときからではなく、当選したときからとしてもよい。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選してから入賞するまでの期間において、所定の割合で特殊態様の仮想リールを表示するものとしてもよい。ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選すらしていない場合であっても、所定の割合で特殊態様の仮想リールを表示するものとしてもよい。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した後であっても、所定の割合で通常態様の仮想リールを表示するものとしてもよい。
また、この期間において行う演出は、仮想リールの表示態様を特殊態様とするだけのものに限らない。例えば、演出用の図柄の変動表示とは無関係な演出で複数ゲームに亘って継続する連続演出をこの期間において行うものとしてもよい。さらに、この期間に行う演出は、液晶表示器4への画像の表示によって行うものに限らず、スピーカ7L、7Rからの音声の出力や、遊技効果LED75A〜75E等のランプ類の点灯によって行うものであってもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスにおいて小役に入賞した回数に応じて液晶表示器4において行われる演出を、カードバトルからキャラクタバトルに変えるものとしていた。これに対して、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数に応じて液晶表示器4において行われる演出の内容を変えるものとしてもよい。ここで、払出メダル枚数が165枚を越えるまでのゲームは、上記したカードバトルのような上限数の多いビッグボーナスである可能性を示す演出を行うものとすればよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに、液晶表示器4の仮想リールにハズレの表示態様を導出し、ビッグボーナスで最初に小役入賞するときに、仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させるものとしていた。これに対して、ビッグボーナスにおいて何らかの役に入賞した最初のゲームでビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとしてもよい。ビッグボーナスにおいて最初にJACIN入賞したときに、ビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとしてもよい。可変表示装置2の表示結果に関わらずにビッグボーナスの1ゲーム目でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとしてもよい。
ビッグボーナスにおける最初の何らかの入賞でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させる場合は、ステップS818においてJACIN、ベルまたはチェリーのいずれかに当選しているかどうかを判定するものとすればよい。最初にJACIN入賞したときにビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させる場合には、ステップS818においてJACINに当選しているかどうかを判定するものとすればよい。JACINに当選している場合も、ベルやチェリーと同様に、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに入賞させることができるからである。
可変表示装置2の表示結果に関わらずにビッグボーナスの1ゲーム目でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させる場合には、ステップS817でビッグボーナスカウンタの値が1であると判定されたときには、当選状況に関わらずにビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとすればよい。また、ここでビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させた場合には、ビッグボーナスカウンタの値を1だけ加算して、2ゲーム目以降でビッグボーナスの表示態様が導出されることがないようにすればよい。
メダルの払い出しを伴うか否かに関わらずビッグボーナスにおける最初の入賞でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとすることで、遊技者がビッグボーナスの利益を実際に受けることのできたタイミングに合わせて、ビッグボーナスの表示態様によりビッグボーナスによる利益が得られることを遊技者に示すことができる。入賞の有無に関わらずビッグボーナスの1ゲーム目でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとすることで、ビッグボーナスが実際に開始したタイミングに合わせて、ビッグボーナスの表示態様によりビッグボーナスによる利益が得られることを遊技者に示すことができる。さらに、この場合には、可変表示装置2の表示結果(或いは当選状況)を判断することなくビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させることができるので、制御が簡単になる。
上記の実施の形態では、スロットマシン1の遊技状態として、通常の遊技状態の他に、レギュラーボーナスとビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)とがあった。これに対して、他の役の当選確率を変えることなくリプレイの当選確率を通常の遊技状態よりも高くするRT(Replay Time)、リール3L、3C、3Rのいずれか1つ以上の最大停止遅延時間を短縮する(例えば、75ミリ秒(1コマすべり))とともに内部抽選の結果に関わらずに小役に入賞可能とするCT(Challenge Time)、当選フラグの設定されている役に入賞させるための遊技手順を報知するAT(Assist Time)等の遊技状態をさらに含むものであってもよい。
CT、RT、ATへの移行を対応する役への入賞に基づいて行うものとしても、そのために追加される役は特別役であり、基本的な役ということではない。RTは、リプレイの当選確率が高くなるのみで役の構成は通常の遊技状態と変わらず、ATにしても、遊技手順が報知されるだけで役の構成は変わらない。CTは、内部抽選の対象とならなくても、最も基本的な役である小役には入賞できるので、基本的な役の構成は変わらない。従って、これらの遊技状態を含むものとしても、基本的な役の構成を変えずに遊技性を分かりやすいものとすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)に入賞したときもビッグボーナス(2)に入賞したときも、払出メダル枚数の上限が異なる以外は遊技性が同じであるビッグボーナスに遊技状態が制御されるものとなっていた。もっとも、ビッグボーナス(1)に入賞したときとビッグボーナス(2)に入賞したときとで、払出メダル枚数の上限が異なると共に制御される遊技性も異なる遊技状態に制御するものとしてもよい。払出メダル枚数の上限が多いビッグボーナス(2)に入賞したときには、ビッグボーナス(1)に入賞したときにビッグボーナスを終了させる165枚を越えるメダルの払い出しがあるまではこれと同じ遊技状態であるビッグボーナスに制御し、165枚を越えるメダルを払い出した後にはビッグボーナスとは異なる遊技性の遊技状態に制御するものとしてもよい。
ビッグボーナスとは遊技性の異なる遊技状態としては、例えば、チャレンジボーナスを適用することができる。チャレンジボーナスは、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同様に可変表示装置2に予め定められた表示態様(ビッグボーナス図柄)が導出されたときに開始する。チャレンジボーナス中のゲームでは、リール3L、3C、3Rのいずれか1つ以上の最大停止遅延時間を75ミリ秒に短縮するとともに内部抽選の結果に関わらずに小役に入賞することが可能になる。そして、払出メダル枚数が予め定められた所定数に達すると、チャレンジボーナスが終了となる。
もっとも、ビッグボーナスとチャレンジボーナスという遊技性の異なる遊技状態を適用する場合であっても、少なくとも少ない方の上限に払出メダル枚数が達するまでは、遊技者にとって見かけ上の区別がつかない、或いはつきにくいものとする必要がある。例えば、チャレンジボーナスでは、複数種類ある小役のうちで払出枚数が最大の種類の小役を優先して揃えるように制御しているので、ビッグボーナスでは、払出枚数が最大でない種類の小役に当選する確率を0または0に近い値とし、払出枚数が最大の種類の小役に当選する確率を1に近い値にすればよい。最大停止遅延時間の違いは、遊技者による停止ボタン12L、12C、12Rの操作が完璧になり得ないことを考えれば、見かけ上の区別をつきにくくすることが妨げるものではない。
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、通常の遊技状態またはRTにおいても、賭け数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭け数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
通常の遊技状態及びRTで賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。また、通常の遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいて賭け数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭け数1〜3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭け数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
上記の実施の形態では、設定値等に応じて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していたが、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットとを「0」として、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト全体を下位バイトで置換し、下位バイト全体を上位バイトで置換するという入れ替えを行っていた。これに対して、乱数発生回路115から抽出した乱数のビットのうちの特定のビットのデータを他のビットのデータ(但し、マスクされる第7、第15ビット以外)で置換するだけであってもよい。また、乱数発生回路115から抽出した乱数の値を、そのまま内部抽選用の乱数として取得するものとしてもよい。さらに、上記の実施の形態とは異なる方法により内部抽選用の乱数に加工するものとしてもよい。
図23は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS302)の第1の変形例の説明図である。この第1の変形例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)は、そのままにしておく。
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイトに加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
図24は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS302)の第2の変形例の説明図である。この例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。また、汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)にもリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイト及び下位バイトにそれぞれ加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
以上説明した第1、第2の変形例では、リフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出し、これを乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(第2変形例では、さらに下位バイト)に加算して、乱数の加工を行うものとしている。ここで適用した乱数の加工には、少なくとも加工用の乱数を上位バイトに加算する処理を含んでいる。これにより、内部抽選用の乱数のバラツキを大きくすることができ、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
また、加工用の乱数をリフレッシュレジスタ111Rから抽出するものとしたことで、加工用の乱数を生成する手段として特別な構成が必要ない。しかも、リフレッシュレジスタ111Rの値は、CPU111の命令フェッチ毎に更新されるもので、その更新間隔は一定しないので、ランダム性の高い乱数を加工用の乱数として抽出することができる。そして、加工用の乱数のランダム性が高いことから、これを用いて生成される内部抽選用の乱数のランダム性も高くなる。
なお、上記第1、第2の変形例において、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(及び下位バイト)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した値を加算していたが、リフレッシュレジスタ111R以外でハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算してもよい。また、リフレッシュレジスタ111Rから抽出した値(或いは、リフレッシュレジスタ111Rに代わるものの値)を加算するのではなく、減算や、論理和、論理積などの論理演算を行ってもよい。
また、上記の実施の形態で示した上位バイトと下位バイトとの入れ替えのようなビットの置換を、第1、第2の変形例に併用するものとしてもよい。上記第1、第2の変形例においても、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐため、CPU111に対する割り込みが禁止されるものとなる。
また、第2の変形例においては、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトにそれぞれ加算する加工用の乱数を、リフレッシュレジスタ111Rから異なるタイミングで別々に抽出してもよい。上位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段と、下位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段とを別々に用意し、それぞれから上位バイト用、下位バイト用の加工用の乱数を抽出する手段を設けるものとしてもよい。この場合において、上位バイト用の加工用の乱数を更新する手段と下位バイト用の加工用の乱数を更新する手段の一方をリフレッシュレジスタ111Rによって構成するものとすることができる。
なお、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のいずれにおいても、第7、第15ビットがマスクされて、内部抽選用の乱数が生成されるものとしていた。すなわち、内部抽選用の乱数の値は、14ビットにより表されるもので、0〜16383の範囲をとるものであった。もっとも、第7ビット、第15ビットのマスクを行うことなく、16ビットにより表される値をそのまま内部抽選用の乱数として適用することもできる。この場合、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲に応じて、内部抽選の対象役毎の判定値数をROM113に登録しておくものとすればよい。
一方、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のように第7、第15ビットをマスクして内部抽選用の乱数を生成するものとした場合には、当該マスクした2ビットにより表される数値を、内部抽選とは別の決定(例えば、演出の種類の選択など)を行うための乱数として適用することができる。これにより、乱数発生回路115から抽出した乱数の全てのビットを有効に用いることができる。
図25は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS501)の第3の変形例の説明図である。この例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116とを接続する信号配線は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順になるように接続されている。従って、サンプリング回路116がラッチするデータは、乱数発生回路115が出力しているデータ信号とは、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。
CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、上位8ビットと下位8ビットとを別々にサンプリング回路116から取り込んで、RAM112に設けられた内部抽選用の乱数の格納領域に一時格納する。内部抽選用の乱数の格納領域は、2バイト分設けられており、上位バイトの格納領域を上位領域、下位バイトの格納領域を下位領域と呼ぶものとする
CPU111がサンプリング回路116から数値データを取り込むときには、サンプリング回路116がラッチした乱数の上位8ビットを下位領域に取り込み、ラッチした乱数の下位8ビットを上位領域に取り込む。従って、CPU111がサンプリング回路116から内部抽選用の乱数の格納領域に取り込んだ数値データは、乱数発生回路115が発生しているデータ信号とは、ビットの並び順が完全に逆順となる。
なお、サンプリング回路116がラッチした乱数、或いはこれをCPU111が加工した乱数については、上位バイト、下位バイト毎に最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第7ビットと呼ぶものとする。また、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明し、サンプリング回路116がラッチした数値データも、その値に応じた乱数として説明するものとする。
上記したように、乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116でラッチすると、そのラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる((a)〜(b))。CPU111は、サンプリング回路116のラッチした乱数の上位8ビットを上位ポートからRAM112の下位領域に、下位8ビットを下位ポートからRAM112の上位領域に領域に取り込む((b)〜(d))。こうしてRAM112の上位領域と下位領域に取り込まれた数値データにより構成される16ビットの数値データが、加工前の乱数ということとなる。
下位領域のデータは、その後の加工で書き換えられてしまうが、その後にも加工前の乱数の下位領域のデータを用いることがあるので、加工前の下位領域のデータを待避データとしてRAM112の所定の待避領域に待避しておく。次に、CPU111は、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(e)。次に、上位領域のデータを読み出し、データを1ビットずつ下位(右)にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(f)。
次に、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域と下位領域の両方に格納する(g)。さらに、待避領域のデータ78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(h)。そして、上位領域のデータと待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(i)。このとき上位領域に格納されているデータを上位8ビットとし、下位領域に格納されているデータを下位8ビットとした数値データが、内部抽選用の乱数として取得されることとなる(j)。
なお、ここで最終的に生成される内部抽選用の乱数は、パルス信号の入力毎に、ほぼランダムに値が現れてくることとなる。すなわち、連続性も周期性も排除されたものとなる。ここでは、乱数発生回路115の数値のように完全に値が連続した状態から、ランダムに非連続な値が現れる状態に近づくことを、バラつくというものとする。例えば、乱数発生回路115の数値からサンプリング回路116の数値への変化、サンプリング回路116の数値から加工前の乱数への変化、加工前の乱数から内部抽選用の乱数の乱数への変化、のいずれも値がバラつくものに該当する。バラツキ、バラケるなどといった場合も同じである。
この第3の変形例では、上位領域のデータと下位領域のデータとの最終的な排他的論理和演算(図25(i))を行う前に、上位領域のデータから11hを減算し(図25(e))、下位に1ビットローテイトし(図25(f))、下位領域のデータと排他的論理和演算して(図25(g))、上位領域のデータを予め加工しておくものとしていたが、必ずしもこれらの全てを必要とする訳ではなく、いずれか1つまたは2つを適用し、最終的な排他的論理和演算の前における上位領域のデータの加工は全くなくてもよい。このときの上位領域のデータが内部抽選用の乱数における最終的な上位バイトのデータとなるものとしてもよい。図25(e)〜(f)の処理を行う順番は、任意の順番に入れ替えることができる。
また、図25(e)で減算する値は11hに限るものではなく、00h以外の任意の値を加算または減算することができ、図25(f)でローテイトするのは下位に1ビットに限るものではなく、7ビットまでの任意のビット数だけ上位または下位にローテイトすることができる。図25(g)で排他的論理和演算される下位領域のデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータに対して所定の演算を行ったものであってもよい。上位領域のデータに対して行う演算としては、これ以外の演算式による演算も適用することができる。さらには、図25(i)で上位領域のデータに対して排他的論理和演算される待避領域のデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータであってもよく、図25(e)〜(g)とは異なる所定の演算を行ったデータであってもよい。
また、内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータがそのまま適用されるものとしてもよい。図25(h)で78hを加算した後の待避領域のデータを内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。或いは、図25(g)で下位領域に格納した排他的論理和演算の結果のデータに78hを加算して、最終的な下位バイトのデータとしてもよい。さらには、下位領域のデータに対して行う演算として、これ以外の演算式による演算を適用し、その演算結果を内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。
なお、CPU111の有する命令セットが2アドレス方式または3アドレス方式の場合には、RAM112の上位領域に格納されたデータから11hを減算し、その減算結果のデータを上位領域に格納するものとし、また、RAM112の上位領域に格納されたデータと、同じくRAM112の下位領域に格納されたデータとを排他的論理和演算し、その排他的論理和演算の結果のデータを上位領域に格納するものとすることができる。
これに対して、CPU111の有する命令セットが1アドレス方式である場合には、例えば図25(e)のような減算を行う場合に、RAM112の上位領域に格納されたデータをまずアキュムレータ(汎用レジスタ)にロードし、アキュムレータのデータから11hを減算して減算結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ここでは、RAM112の上位領域に格納されたデータをアキュムレータにロードしたときに、当該アキュムレータは実質上は上位領域として作用することとなり、ここでは上位領域のデータに対して未だ演算を行うので、アキュムレータのデータをRAM112の上位領域に未だストアする必要はない。
図25(f)では、図25(e)の減算の結果が格納されているアキュムレータのデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。図25(g)では、図25(f)の演算の結果が格納されているアキュムレータのデータに対してRAM112の下位領域に格納されているデータをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータをアキュムレータに格納するものとなる。この時点では依然として、アキュムレータがRAM112の上位領域として作用しているので、図25(g)→(j)では、アキュムレータのデータをRAM112の下位領域にストアすればよいこととなる。
さらに、図25(h)では、RAM112の待避領域のデータをアキュムレータにロードするが、ここでアキュムレータは待避領域として作用することとなり、アキュムレータのデータに11hを加算してアキュムレータに格納すればよい。図25(i)では、アキュムレータのデータをRAM112の上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算し、その結果をアキュムレータに格納することとなるが、排他的論理和演算の結果が格納された後のアキュムレータは、再び上位領域として作用することとなる。
このように1アドレス方式の命令セットを有するCPU111におけるアキュムレータは、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる(もっとも、上記のような乱数の加工法では、アキュムレータが下位領域として作用することはない)。同様に0アドレス方式の命令せっtを有するCPU111におけるスタックも、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる。
また、CPU111が複数の汎用レジスタを有するのであれば、RAM112に上位領域及び下位領域を設けるのではなく、いずれかの汎用レジスタ2つを上位領域及び下位領域として適用するものとしてもよい。特にCPU111が1バイトの汎用レジスタの他に、2バイトの汎用レジスタを有すれば、これを上位領域及び下位領域のために用いるものとしてもよい。
また、RAM112において、サンプリング回路116から取り込んだ2nビットの数値データを格納する領域にも、最終的に生成された内部抽選用の乱数を格納する領域にも、同じ上位領域と下位領域とを用いていたが、別々の領域を用いるものとしてもよい。例えば、最終的に生成される内部抽選用の乱数が格納される2バイトの乱数領域を、上位領域及び下位領域とは別に設けるものとした場合、上位領域のデータを乱数領域の下位バイトに格納し、図25(i)の排他的論理和演算の結果のデータを乱数領域の上位バイトに格納するものとすればよい。
なお、この第3の変形例では、内部抽選用の乱数のビット数は、乱数発生回路115の発生する乱数のビット数と同じ16ビットであって0〜65535の値をとるものとなっている。この場合、各役の判定値数は、乱数の大きさに応じた値とする(例えば、上記の実施の形態の場合の4倍とする)ものとすればよい。また、上記の実施の形態における乱数の生成と同時に、16ビットのうちの一部のビット(上記の実施の形態では、第7ビットと第15ビット)を間引くことにより、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲がこれより小さくなるものとしてもよい。間引いた2ビットの数値は、他の処理(例えば、ボーナス告知のための演出など)の抽選に用いることができる。これにより、間引いたビットの数値も有効に利用することができる。
この第3の変形例における内部抽選用の乱数の生成方法は、図26〜図29にそれぞれ示すように、図25(a)〜(d)の過程を変更することができる。
図26の例では、図25(a)〜(b)の場合と同様に乱数発生回路115の発生する乱数を、上位8ビットと下位8ビットとでそれぞれビットの並び順を入れ替えてサンプリング回路116が取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路116が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM112の上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM112の下位領域に取り込む(b)〜(d)。その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(e)。
なお、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線の接続順を逆順にして、RAM112に最初に取り込まれる乱数について上位バイトと下位バイトのビットの並び順を逆順とするのではなく、サンプリング回路116と上位ポート:下位ポートとの間の配線の接続を逆順にして、RAM112に最初に取り込まれる乱数についての上位バイトと下位バイトのビットの並び順を、乱数発生回路115の発生する乱数と逆順にするものとしてもよい。この点は、図25の例においても適用することができる。
図27の例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線の接続が逆順になってなく、まず、乱数発生回路115の発生する乱数を、そのままのビットの並び順でサンプリング回路116が取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路116が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM112の上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM112の下位領域に取り込む(b)〜(d)。
その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替える(e)。さらに、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(f)。なお、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えるのを先に、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替えるのを後にしてもよい。
図28の例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線が、上位バイトと下位バイトとで逆になり、それぞれのバイト内ではビットの並び順が変わらないように接続されている。ここでは、乱数発生回路115の発生する乱数を、上位バイトと下位バイトとを入れ替えてサンプリング回路に取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路116が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM112の上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM112の下位領域に取り込む(b)〜(d)。
その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(e)。なお、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線に並び順の変更がなく、サンプリング回路116の上位バイトがCPU111の下位ポートに、下位バイトが上位ポートに接続されているものとしてもよい。
図29の例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線が、完全に逆順に接続されている。ここでは、サンプリング回路116が乱数発生回路115の発生する乱数のビットの並び順を完全に逆順にして取り込む(a)〜(b)。そして、サンプリング回路116に取り込まれた乱数の上位バイト、下位バイトをそのまま上位ポート、下位ポートを介して、RAM112の上位領域、下位領域に取り込むものとすればよい(b)〜(d)。
また、この第3の変形例における内部抽選用の乱数の上位バイトと下位バイトにおけるそれぞれのバイト内でのビットの並び順は、必ずしも逆順に限るものではなく、例えば、それぞれのバイト内の最上位ビットと最下位ビットとを入れ替えるだけのものであってもよい。もっとも、とりわけタイミングの違いに応じた値の変化が少ない乱数発生回路115の発生する乱数の上位バイトは、なるべく多くのビットが入れ替えられることが好ましい。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115が発生する乱数、すなわちハードウェア乱数機能により抽出した乱数をソフトウェアにより加工する場合に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、上記したソフトウェアによる乱数の加工は、ソフトウェアにより周期的に更新される乱数に適用してもよい。例えば、制御部110を構成するマイクロコンピュータとは第1のマイクロコンピュータにおいてタイマ割り込みなどにより周期的に更新される乱数を、CPU111が第2のマイクロコンピュータに指示を送って抽出させ、I/Oポート114を介してCPU111に入力して、汎用レジスタ111GRに格納するものとすることができる。第2のマイクロコンピュータの機能は、制御部110を構成するマイクロコンピュータに含まれていてもよい。この場合にも、加工後に取得される乱数の値をバラつかせることができるようになり、遊技者による狙い打ちの防止の効果を図ることができる。
上記の実施の形態では、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。
これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に応じて図柄の停止位置が予め登録されたリール制御テーブル(当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて予め選択される)を参照し、当該リール制御テーブルに登録された図柄の停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシン(例えば、特許第2627604号公報参照)にも適用することができる。ここで、リール制御テーブルにおいては、図柄の停止位置が予め定められているが、この停止位置は遊技状態に応じたリール3L、3C、3Rの最大停止遅延時間の範囲で定められているものである。つまり、停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止される図柄は、最大停止遅延時間の範囲内で選択されるものとなる。
また、リール制御テーブルは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作される前に予め、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて選択されているが、どのリール制御テーブルを選択したかによって、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが同じでも停止される図柄が異なってくる。従って、リール制御テーブルを選択することは、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて図柄を選択することとなる。さらに、リール制御テーブルには、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄の位置と図柄を停止すべき位置との関係が登録されているが、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときの図柄の表示位置に対応して登録されている図柄の停止位置を選択することとなるので、停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときに図柄の停止位置を選択するものということができる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていたが、液晶表示器4の方が大きく、視認容易に構成されていた。しかしながら、上記した液晶表示器4の大きさ、位置で可変表示装置を設けてもよく、可変表示装置2の位置に液晶表示器を設けてもよい。また、可変表示装置としては、上記した液晶表示器4の仮想リールと同様に、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを用いてもよい。一方、可変表示装置2の3つのリール3L、3C、3Rに対応した演出用リールから構成される演出用可変表示装置を、液晶表示器4に表示する仮想リールの代わりに適用するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う有価価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。