以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるスロットマシン1の正面図である。このスロットマシン1は、遊技島に固定される基枠と、この基枠の側端に回動自在に枢支された本体枠と、更にこの本体枠の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成される筐体内に構成部品が納められている。図1で示されているのは、前面扉の前側に当たる部分である。
この実施の形態のスロットマシン1の本体枠の内部上側には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)を水平方向に並設して収納するリールユニット2Uが配されている。これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓2Wから見えるように配置されており、このリールユニット2Uと透視窓2Wとで可変表示装置2が構成されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「青7」、「JAC」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓2Wにおいて各々上中下三段に表示される。可変表示装置2には、図3に示すように、リール2L、2C、2Rのそれぞれについて上段または下段を選択して構成される8本の入賞ラインが設定される。この入賞ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図9参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓2Wに連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓2Wに3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
可変表示装置2の下側であって、スロットマシン1の前面側ほぼ中央位置には、演出手段としての液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、大きさ的にも可変表示装置2よりも大きく、しかも遊技者(平均的な身長のものを想定)がスロットマシン1の前に座ったときに遊技者の目線の高さになる位置に設けられているので、可変表示装置2よりも視認容易になっている。
液晶表示器51は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器51に表示される画像による演出としては、可変表示装置2のリール2L、2C、2Rの回転/停止に合わせて演出用の図柄を変動/停止させる3つの仮想リールの表示、後述するビッグボーナスにおいて実行されるカードバトル、キャラクタバトルなどがある。仮想リールには、通常態様と特殊態様がある。さらに、液晶表示器51において、後述するビッグボーナスの終了または継続の報知も行われる。また、液晶表示器51には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、液晶表示器51の下方位置には、ゲームに使用するパチンコ球及び払出装置200から払い出されたパチンコ球を貯留する(待機させる)ための上皿26が設けられた操作台4が前方に向けて膨出するように形成されており、その下方には、上皿26から溢れたパチンコ球や上皿26から返却されたパチンコ球を貯留する下皿25が設けられている。なお、下皿25の底面には、下皿25に貯留されたパチンコ球を取り出すための取出口25aが形成されており、下皿25の前部に設けられたレバー25bのスライド操作により取出口25aを閉塞するシャッタ25cを開放することで、下皿25に貯留されたパチンコ球が下皿25の下方に配置される図示しない球箱等に流出し、下皿25に貯留されたパチンコ球を容易に取り出すことができるようになっている。
また、操作台4の上面には、上皿26からパチンコ球1球の取込を指示する際に操作される1球取込スイッチ5及び上皿26から遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(この実施の形態では後述の通常遊技状態及び小役ゲームにおいては15、後述のレギュラーボーナスにおいては5)を設定するのに必要な数のパチンコ球の取込を指示する際に操作されるMAXBETスイッチ6、取込済球を精算して上皿26に返却させる際、または上皿26に貯留されているパチンコ球及び後述する取込装置100内のパチンコ球を下皿25に返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、並設されたカードユニット400に受付中のプリペイドカードから読み出された有価価値の残額が表示される残額表示器28、残額表示器28に表示された有価価値の残額の範囲でパチンコ球の貸出を受ける際に操作される球貸スイッチ29、並設されたカードユニット400に受付中のプリペイドカードを返却させる際に操作される返却スイッチ30、がそれぞれ配設されているとともに、操作台4の前面には、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが配設されている。
また、MAXBETスイッチ6には、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作によるパチンコ球の取込操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図9参照)が内蔵されており、精算スイッチ10には、後述する取込準備球通路110(図5参照)内にパチンコ球が残存している旨を点灯により報知する残存球報知LED114(図9参照)が内蔵されており、ストップスイッチ8L、8C、8Rには、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図9参照)がそれぞれ内蔵されている。
また、液晶表示器51と操作台4の間には、遊技状態が後述するビッグボーナスにあることを示すHITランプ9、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作により取り込まれて賭数の設定に使用された使用済球数と取り込まれたもの最小単位の賭数を設定する際に必要な単位球数(この実施の形態では5球)に満たないために未だ賭数の設定に用いられていない未使用球数との合算値である取込済球数や入賞の発生に伴う賞球数のうち既に払い出された払出済球数が表示される取込済球/払出済球表示器11、後述するビッグボーナス中の総賞球数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1単位(遊技球5個で1単位)設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2単位設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3単位設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、パチンコ球の取込が可能な状態を点灯により報知する取込要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、操作台4の上部位置には、上皿26に貯留されているパチンコ球を、後述する取込装置100を経由させることなく球抜き通路120を介して下皿25に返却させる際に操作される球抜きレバー31が設けられている。
図4に示すように、上皿26は操作台4の上面に凹設され、上面が開放されており、パチンコ球を貯留する(待機させる)ための凹状の貯留部26aと、貯留部26aから取込装置100に向けて流下するパチンコ球を整流する帯状の整流部26bと、から構成されている。貯留部26aは、遊技者がパチンコ球を投入可能なように、スロットマシン1の前後方向(図4中上下方向)に向けて広がるように幅広に形成されており、その底面は右側の取込装置100に向けて下方に傾斜する傾斜面とされている。また、この貯留部26aは、操作台4の上面に、スロットマシン1の前面を正面から見て左側の端部、すなわち、スロットマシン1の前面の左右方向中央位置(図4中1点鎖線で示す中央線Pの位置)よりも左側の領域に形成されている。
一方、整流部26bは、貯留部26aの右側端部から右側の取込装置100の上方位置に向けて左右方向に延びるように延設され、その前後幅は貯留部26aの前後幅よりも短寸な細長帯状に形成され、底面は右側の取込装置100に向けて下方に傾斜する傾斜面とされている。また、整流部26bには、左右方向を向く整流板が前後幅方向に向けて2枚立設され、これら整流板により3条の整流通路がそれぞれ形成されており、貯留部26aに貯留されたパチンコ球は3条に分流されて取込準備球通路110に流入し、取込装置100に供給されるようになっている。
このようにこの実施の形態では、上皿26に貯留されたパチンコ球が整流部26bで3条に分流されて取込装置100に供給されるため、上皿26から取込装置100へのパチンコ球の供給速度を向上させることが可能となり、これにより取込装置100によるパチンコ球の取込速度も向上させることができる。なお、この実施の形態では3条の整流通路にて構成されているが、2条または4条以上の通路としても良い。
また、図4〜図5に示すように、整流部26bの下流部、すなわち、上皿26から流入したパチンコ球を取込装置100に導いて供給するための取込準備球通路110との連設部には、整流部26bを流下するパチンコ球を球抜き通路120内に流出させるための流出口121が形成されている。流出口121は、球抜きレバー31のスライド操作に連動して開閉するように設けられた開閉シャッタ122により開閉されるようになっており、該開閉シャッタ122を開放することで、上皿26のパチンコ球は流出口121から球抜き通路120内を流下し、後述する返却球誘導通路109に合流して払出口9から排出され、下皿25に返却されるようになっている。すなわち、球抜きレバー31の操作により開閉シャッタ122を開閉させることで、上皿26のパチンコ球の流路を取込装置100に連通する取込準備球通路110側または下皿25に連通する球抜き通路120及び返却球誘導通路109側のいずれかに切り換わるとともに、開閉シャッタ122を開放させることで、上皿26のパチンコ球は、取込装置100を経由することなく下皿25に返却される。なお、流出口121の近傍には、流出口121を開放する開放位置に位置している開閉シャッタ122を検出するための開閉シャッタ検出スイッチ123(図9参照)が設けられている。
また、1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10は、図4に示すように、操作台4の上面における前記中央線Pよりも右側の領域にそれぞれ配設されている。つまり、中央線Pを基準として、操作台4の上面における貯留部26aの配設位置と反対側に配設されており、貯留部26aと1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10とは、操作台4の上面における左右方向の両端部側にそれぞれ互いに所定距離離間して配設されていることになる。
よって、遊技者は、図4中点線で示されるように、例えばストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する右手にて、1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10を操作することができ、反対側の左手にて、例えば下皿25等に貯留されたパチンコ球を、上皿26における貯留部26aに投入(補給)することができる。これにより遊技者によるゲーム操作と貯留部26aへのパチンコ球の取込操作とを左右の手で効率よく行うことができるため、ゲームを進行するための操作性が効果的に向上する。
上皿26は、上面が開口する皿状に形成されていることで、貯留されているパチンコ球を上方から手で取り出すことができるようになっているとともに、下流側の整流部26bを流下したパチンコ球は、操作台4の内部に配置される取込準備球通路110内を流下し、同じく操作台4の内部に配置された後述の取込装置100に誘導されるようになっている。つまり、取込準備球通路110内に流入したパチンコ球は、後述する残存球透視窓130を除き、外部から視認不能となるとともに、手で取り出すことができない構造とされている。
前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図9参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図9参照)、が設けられているとともに、特に、操作台4の内部には、図1に示すように、上皿26から供給されたパチンコ球を内部に取り込むための取込装置100が設けられている。
取込装置100には、図5〜図7に示すように、取込準備球通路110の各条に対応して球切り用の3つのスプロケット106が水平方向に向けて並設されている。このスプロケット106の外周には2カ所の切欠が形成されており、これらスプロケット106が取込モータ101の駆動により回転されることで切欠内に入り込んだパチンコ球が1球ずつ下方に排出されるようになっている。また、各条に対応したスプロケット106各々の切欠は、円周方向に対する配置位置が互いに異なるように(3つのスプロケット106の6つの切欠が60度間隔で配置されるように)配置されており、3つのスプロケット106が同期回転することでパチンコ球が各スプロケット106毎に排出されるようになっている。
なお、特に図6に示すように、3条の取込準備球通路110のうちの2条の取込準備球通路110からスプロケット106に供給されたパチンコ球は、2つのスプロケット106にてそれぞれ排出された後、下流側において合流して後述する取込球誘導通路108または返却球誘導通路109に流下するようになっている。
また、この実施の形態においては、取込準備球通路110及び取込装置100の外形を構成するケース部材は、全て透明な合成樹脂材にて形成されており、取込準備球通路110及び取込装置100内を流下するパチンコ球を、後述する残存球透視窓130を透して外部から視認することができるように構成されている。
スプロケット106の下方には、振分ソレノイド102の励磁または解除により揺動し、スプロケット106の回転により排出されたパチンコ球の流下通路を、取込球誘導通路108または返却球誘導通路109のいずれか一方に切り替えるための流路切替弁107が設けられている。
流路切替弁107は、取込球誘導通路108及び返却球誘導通路109の上流側において、2条の通路それぞれに配置される2つの流路切替弁107にて構成されており、これら2つの流路切替弁107の下端は、振分ソレノイド102の伸縮軸102aの先端に中心部が軸支されたリンク部材124の下端に一端側が連結され、2条の通路にわたって水平方向に延びる揺動軸107aに固着されている。よって、図5及び図6に示すように、振分ソレノイド102の励磁または解除により伸縮軸102aが伸縮することで、リンク部材124が軸部を中心に回動して揺動軸107aを軸心周りに回動させるため、流路切替弁107が揺動軸107aを中心に揺動することになる。また、振分ソレノイド102の伸縮軸102aは、励磁されていない状態において該伸縮軸102a周りに環装された図示しないコイルバネにより常時伸張方向に向けて付勢されているため、伸縮軸102aの先端にリンク部材124を介して連結されている流路切替弁107は、振分ソレノイド102が励磁されていない状態(off状態)であるときに、スプロケット106により取り込まれたパチンコ球の流路を取込球誘導通路108側とする位置(図5参照)に向けて常時付勢されている。
また、リンク部材124の上端は、図6に示すように、パチンコ球の流路が返却球誘導通路109に切り替えられたとき、すなわち、流路切替弁107が起立姿勢(起立位置)となったときに、振分ソレノイド102の本体近傍に設けられた流路検出スイッチ115にて検出されるようになっている。このように流路検出スイッチ115によるリンク部材124の検出状況によって、流路切替弁107によりパチンコ球の流路が取込球誘導通路108側または返却球誘導通路109側のいずれになっているか、すなわち流路切替弁107によるパチンコ球の実際の流路方向を検出できるようになっている。
また、スプロケット106の回転により排出されたパチンコ球、すなわち、取り込まれたパチンコ球は、スプロケット106とほぼ同じ高さ位置に配置される上流側の第1取込球検出スイッチ104により検出されるようになっている。
詳しくは、第1取込球検出スイッチ104は、流下するパチンコ球に当接することにより回動するように軸支された当接部材125を介してパチンコ球の通過を検出するスイッチである。当接部材125は、図5〜図7に示すように、3条の通路にわたって水平方向に延びる水平軸125aと、該水平軸125aに基端が固着され、先端が通路内に出退自在に設けられた2つの出退片125bと、水平軸125aの一端側に基端が固着された検出片125cとから構成されており、出退片125bの先端が常時通路内に突出するように、図示しないコイルバネにより付勢されている。
このように構成される当接部材125は、図5に示すように、出退片125bがパチンコ球との当接により押圧されて通路から退避することで、検出片125cの先端が第1取込球検出スイッチ104により検出されるため、第1取込球検出スイッチ104による検出状況によりパチンコ球の通過状況を検出することができるようになっている。
また、流路切替弁107の下方における取込球誘導通路108との連結部分には、第2取込球検出スイッチ105が配置されており、スプロケット106の回転により排出され、流路切替弁107により取込球誘導通路108側に振り分けられたパチンコ球が検出されるようになっている。一方、返却球誘導通路109との連結部分には、返却球検出スイッチ103が配置されており、スプロケット106の回転により排出され、流路切替弁107により返却球誘導通路109側に振り分けられたパチンコ球が検出されるようになっている。
これにより、取込球誘導通路108側に取り込まれたパチンコ球は、上流側の第1取込球検出スイッチ104と、下流側の第2取込球検出スイッチ105との2つの検出スイッチにより検出され、返却球誘導通路109側に取り込まれたパチンコ球は、上流側の第1取込球検出スイッチ104と、下流側の返却球検出スイッチ103との2つの検出スイッチにより検出されるようになっている。
特に、取込球誘導通路108側に取り込まれたパチンコ球の通過状況を、上流側に配置される第1取込球検出スイッチ104と、下流側に配置される第2取込球検出スイッチ105との双方の検出スイッチにより検出すること、例えば、スプロケット106の回転により排出されたパチンコ球が上流側の第1取込球検出スイッチ104にて検出されてから下流側の第2取込球検出スイッチ105にて検出されるまでの通過時間を監視することで、電波等による不正が行われている可能性があることや、球詰まり等が発生したこと等を報知することが可能となるとともに、検出順序を監視することで、パチンコ球を逆流させること等による不正な検出を回避することができる。
また、前述のように第1取込球検出スイッチ104は、流下するパチンコ球に当接することにより回動するように軸支された当接部材125を介してパチンコ球の通過を検出するスイッチであるのに対し、第2取込球検出スイッチ105は、パチンコ球の通過を直接検出するスイッチとされており、双方の検出スイッチそれぞれに対応した不正行為を同時に行うことを困難とすることができる。
また、取込準備球通路110の下流側端部、すなわち、スプロケット106の回転が停止したときに取込準備球通路110内に残存するパチンコ球のうち、最下流側のパチンコ球が停留する最下流位置には、該最下流位置に停留するパチンコ球を検出する残存球検出スイッチ113が設けられている。残存球検出スイッチ113は、図7に示すように、3条の通路の左右側方に離間配置される投光部及び受光部からなるフォトセンサにて構成されており、3条の通路のうちいずれかの通路における前記最下流位置に停留するパチンコ球を検出することができるようになっている。
よって、この残存球検出スイッチ113により3条の通路のうちのいずれかの通路の最下流位置にパチンコ球が停留しているか否か、すなわち、誘導経路としての取込準備球通路110内(取込装置100内に形成されている取込準備球通路110を含む)にパチンコ球が残存しているか否かを検出することができるようになっている。この実施の形態においては、後述するように、球抜きレバー31が操作された後、すなわち、上皿26のパチンコ球の球抜き操作が行われた後に、残存球検出スイッチ113によりパチンコ球が検出されているときに、残存球報知LED114(図4参照)を点灯させることにより取込準備球通路110内(取込装置100内)にパチンコ球が残存している旨が報知されるようになっている。また、残存球検出スイッチ113は、前述したように最下流位置にあるパチンコ球を検出可能な位置に配設されているため、取込準備球通路110内(取込装置100内)に少なくとも1個のパチンコ球が残存していれば、取込準備球通路110内(取込装置100内)にパチンコ球が残存している旨が報知されることとなる。
次に、取込装置100において上皿26から導かれたパチンコ球を賭数を設定するために取り込んで遊技者に返却せずに遊技島に排出する場合には、振分ソレノイド102の励磁が停止した状態とする。この状態では、流路切替弁107が図5に示す状態(位置)であるので、スプロケット106の回転により排出されたパチンコ球が第1取込球検出スイッチ104にて検出された後、取込球誘導通路108側に誘導され、更に第2取込球検出スイッチ105により検出された後、取込球誘導通路108を流下してスロットマシン1の後側に回り込んで、図示しない遊技島内部のアウト球タンクに回収されるようになっている。
また、上皿26のパチンコ球を下皿25に排出(返却)させる場合には、振分ソレノイド102が励磁された状態とする。この状態では、流路切替弁107がコイルバネの付勢力に抗して揺動し、図6に示す状態となるので、スプロケット106の回転により排出されたパチンコ球が第1取込球検出スイッチ104にて検出された後、返却球誘導通路109側に誘導され、更に、返却球検出スイッチ103にて検出された後、返却球誘導通路109を流下して払出口9から下皿25に排出され、遊技者に返却されるようになっている。なお、振分ソレノイド102は、上皿26のパチンコ球を下皿25に排出(返却)させる場合を除き、励磁が停止した状態とされている。すなわち上皿26のパチンコ球を下皿25に排出(返却)させる場合を除き、流路切替弁107が図5に示す状態とされ、スプロケット106の回転により排出されたパチンコ球の流路方向が取込球誘導通路108側となるようになっている。
また、返却球誘導通路109における下皿25の近傍位置には、通路内の球詰りを検出する返却球詰まり検出スイッチ111(図1、図9参照)が設けられており、例えば、下皿25が満タンのために返却球誘導通路109が球詰りを起こしていることを検出できるようになっている。
前述した取込装置100、取込準備球通路110、球抜き通路120、取込球誘導通路108、返却球誘導通路109、及び払出球誘導通路208の下部前方は、操作台4及び該操作台4の下方前面を形成するカバーパネル4a(図1参照)により被覆されており、特に取込準備球通路110や取込装置100内に流入したパチンコ球を取り出すことができない構造とされている。操作台4の上面における取込装置100の上方位置近傍には、図4に示すように、取込準備球通路110(取込装置100内)内に残存しているパチンコ球、詳しくは、球抜きレバー31の操作が行われて上皿26のパチンコ球が球抜き通路120を介して球抜きした後においても取込準備球通路110に残存し、カバーパネル4aの内部に進入して視認不能となったパチンコ球を視認するための透明パネルからなる透光部としての残存球透視窓130が形成されている。
前述したように取込準備球通路110及び取込装置100のケースカバーは透明樹脂材にて形成されているため、遊技者は残存球透視窓130を透して取込準備球通路110内(取込装置100内)にパチンコ球が残存しているか否かをスロットマシン1の外部から目視により確認することができる。よって遊技者は、取込準備球通路110内にパチンコ球が残存しているときにはその旨を確実に認識することができるため、取込準備球通路110内にパチンコ球が残存しているにも関わらず遊技を終了して遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
図1に示すように、上皿26よりも上方位置には、当該スロットマシン1が設置される遊技島等から供給されたパチンコ球を上皿26に払い出すための払出装置200が設けられている。なお、払出装置200から払い出されたパチンコ球は、払出装置200から下方に向けて延設された払出球誘導通路208を流下して、上皿26における貯留部26a側に形成された連通口13から上皿26に払い出されるようになっている。また、払出球誘導通路208は、連通口13から更に下方の下皿25に向けて延設されており、上皿26が満タンのため上皿26から溢れた余剰球は払出球誘導通路208を流下して払出口9から下皿25に払い出されるようになっている。
また、本体枠の内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図9参照)、各リール2L、2C、2Rの基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33(図9参照)からなるリールユニット2と、電源ユニット(図示略)が設けられている。この電源ユニットの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36(図9参照)、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37(図9参照)、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38(図9参照)、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39(図9参照)、がそれぞれ配設されている。前面扉を開放することにより、電源ユニットの前面側に配設された打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が、スロットマシン1の前方から操作できるようになっている。
また、本体枠の内部には、遊技の制御を行う遊技制御基板40(図9参照)、パチンコ球の払出制御を行う払出制御基板60(図9参照)、演出の制御を行う演出制御基板90(図9参照)、スロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源を生成し、各部に供給する電源基板75(図9参照)、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に各種信号を出力する外部出力基板85(図9参照)が設けられている。外部出力基板85は、遊技制御基板40から入力されたビッグボーナス中信号(ビッグボーナス図柄が導出されてからビッグボーナスが終了するまでの間出力する)、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。
これら各基板のうち、遊技制御基板40及び払出制御基板60は、透明な合成樹脂材にて形成される1つの収容ケース内に収容された状態で本体枠の背面側に配設されている。また、演出制御基板90は、前面扉側に配設され、電源基板75は、前述した電源ユニット内に収納された状態で配設されている。遊技制御基板40及び払出制御基板60が収容される収容ケースは、特に図示はしないが、基板を収容可能なケース本体と、該ケース本体の開口を開閉可能なケースカバーとから構成されており、これらケース本体及びケースカバーそれぞれの左右側辺には、ワンウェイネジ(ドライバーにより一方向にしか回転させることが出来ないネジ)が螺入される複数の封止片が突設されている。
このように構成された収容ケースは、ケース本体及びケースカバーそれぞれの左右の封止片のうち、例えば左右それぞれ1つの封止片のみにワンウェイネジを螺入するとともに、該ワンウェイネジの先端を更にスロットマシン1の背面に形成された取付孔(図示略)に螺入することで、封止片等の取り付けに関連する取り付け関連部位を破壊しない限り、ケースカバーを開放、かつ、収容ケースをスロットマシン1から取り外すことができないように取り付けられており、これにより遊技制御基板40及び払出制御基板60に不正な改造等を施したり、不正な基板にすり替える等の不正行為が防止されている。
図1に示すように、スロットマシン1に供給されたパチンコ球は、本体枠の背面上部に設けられた補給タンク204に貯留され、補給タンクから延設される球供給通路210を流下して払出装置200に供給されるようになっている。この球供給通路210は特に図示はしないが3条の通路からなり、補給タンク204から流出したパチンコ球は3条の通路それぞれに分流された状態で払出装置200に供給されるようになっている。また、球供給通路210における払出装置200の上方所定高さ位置には各条に対応して供給球検出スイッチ205(図9参照)が設けられており、この供給球検出スイッチ205により払出装置200に供給されるパチンコ球が待機しているか否かが検出されるようになっている。この実施の形態では、供給球検出スイッチ205が賞球の払出を伴う入賞の発生により払出装置200にて払い出される最大賞球数である75球分の球が供給されていることを検出可能な位置に設けられており、最大賞球数の払出に必要なパチンコ球が待機しているか否かが検出されるようになっている。更にこの実施の形態では、取込装置100にて取り込まれる最大球数が15球であり、精算スイッチ10の操作に基づき払出装置200にて最大15球のパチンコ球が払い出されるが、この場合でも、供給球検出スイッチ205により、精算スイッチ10に基づき払い出すべき球数の払出に必要なパチンコ球が待機しているか否かが検出されるようになっている。更に、この実施の形態では、カードユニット400からの1回の貸出要求により25球の貸出が要求されるが、この場合でも、供給球検出スイッチ205により、貸出要求に基づき払い出すべき球数の払出に必要なパチンコ球が待機しているか否かが検出されるようになっている。
払出装置200には、図8に示すように、球供給通路210の各条に対応して、払出モータ201の駆動にて回転するスプロケット206が設けられている。また、スプロケット206の下方には、賞球等の払出に基づきスプロケット206にて排出されたパチンコ球の通過を検出するための払出球検出スイッチ202が設けられており、スプロケット206の回転により排出されたパチンコ球が払出球検出スイッチ202にて検出された後、払出装置200の下部から延設される払出球誘導通路208に排出されるようになっている。
払出球誘導通路208は下皿25まで延設されており、払出装置200から払い出されたパチンコ球は払出球誘導通路208を流下して連通口13から上皿26に払い出されるとともに、上皿26から溢れた余剰球は払出口9から下皿25に払い出されるようになっている。また、払出球誘導通路208における下皿25の近傍位置には、通路内の球詰りを検出する払出球詰まり検出スイッチ112(図1、図9参照)が設けられており、例えば、下皿25が満タンのために払出球誘導通路208が球詰りを起こしているか否かを検出できるようになっている。
この実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、有価価値が記録されたプリペイドカードを受け付けるカードユニット400と並設されており、前述した球貸スイッチ29の操作に基づくカードユニット400からの要求に応じて、受付中のプリペイドカードに記録された有価価値を用いてパチンコ球の貸出を行うことが可能とされている。
この実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、上皿26に貯留されたパチンコ球を用いて賭数を設定する。賭数を設定するには、1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。この実施の形態では、1球取込スイッチ5が操作されると、上皿26に貯留されたパチンコ球からパチンコ球が1球取り込まれ、MAXBETスイッチ6が操作されると、上皿26に貯留されたパチンコ球からその時点で遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定するのに必要な数のパチンコ球が取り込まれる。
なお、このように1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作に応じて賭数を設定するために取込装置100により取り込まれたパチンコ球は、前述したように取込球誘導通路108を流下して、スロットマシン1の内部、すなわち、スロットマシン1における遊技者が対面する側から見て裏側に取り込まれて、前述したように図示しない遊技島内部に設けられたアウト球タンクに排出される。
規定数の賭数が設定されると、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、この実施の形態では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいては15が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、5が定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓2Wに表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、いずれかの入賞ラインに予め定められた図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた数のパチンコ球(賞球)が払出装置200から払出され、払出球誘導通路208を介して直接上皿26に払い出されて遊技者に対して付与される。
この実施の形態では、図柄の組み合わせに応じて異なる数の賞球が付与されるようになっている。特に、賭数を1設定するのに単位球数(5球)のパチンコ球が必要であるのに対して、入賞の発生に応じて付与される賞球数は、単位球数(5球)の倍数となる球数に限られず、75球を上限として入賞に応じた任意の球数のパチンコ球を付与することが可能とされており、これら入賞の発生に応じて付与される賞球数を、各入賞に応じてより細かく設定することができるようになっている。
また、いずれかの入賞ラインに、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図9は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図9に示すように、遊技制御基板40、払出制御基板60、演出制御基板90、電源基板75、外部出力基板85が設けられており、遊技制御基板40によって主に遊技の制御が行われ、払出制御基板60によってパチンコ球の払出制御が行われ、演出制御基板90によって遊技の進行に応じた演出の制御が行われ、電源基板75によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板75には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された払出制御基板60や演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板75には、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、リールセンサ33、第1取込球検出スイッチ104、第2取込球検出スイッチ105、返却球検出スイッチ103、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112、流路検出スイッチ115、残存球検出スイッチ113、開閉シャッタ検出スイッチ123、払出球検出スイッチ202等の各種スイッチ類が接続されているとともに、電源基板75を介して前述した打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38等の各種スイッチ類が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したHITランプ9、取込済球/払出済球表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、取込要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、リールモータ32L、32C、32R、残存球報知LED114、取込モータ101、振分ソレノイド102等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述の遊技制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行う遊技制御部41、所定範囲(この実施の形態では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板75を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うリールモータ駆動回路45、取込モータ101の駆動制御を行う取込モータ駆動回路50、振分ソレノイド102の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号を遊技制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が一定期間入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU41aは、内部タイマを有している。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、遊技制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
遊技制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。この実施の形態では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
この実施の形態では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3及び割込4がタイマモードに設定され、割込1は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理を実行する。また、CPU41aは、割込3に割り当てられたクロック入力数が第1の規定数に到達する毎、すなわち割込3に割り当てられたクロック入力数が第1の規定数に到達する間隔(この実施の形態では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(A)を実行するとともに、割込4に割り当てられたクロック入力数が第2の規定数に到達する毎、すなわち割込4に割り当てられたクロック入力数が第2の規定数に到達する間隔(この実施の形態では、約0.4ms)毎に割込4を発生させて後述するタイマ割込処理(B)を実行する。また、割込1は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、4、1の順番で優先して実行するように設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込4または1が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行し、割込4と割込1が同時に発生した場合には、割込4を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
また、遊技制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、この実施の形態では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(A)により、RAM41cの特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
遊技制御部41のCPU41aは、I/Oポート41dを介して払出制御基板60と各種の信号の入出力を行う。なお、遊技制御基板40と払出制御基板60との信号の入出力については、後に説明する。
払出制御基板60には、前述した供給球検出スイッチ205、払出球検出スイッチ202、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112が接続されており、これら接続されたスイッチの検出信号が入力されるようになっている。なお、前述のように払出球検出スイッチ202、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112は、遊技制御基板40及び払出制御基板60の双方に接続されており、これら払出球検出スイッチ202、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112の検出信号は、遊技制御基板40及び払出制御基板60の双方に入力されるようになっている。
また、払出制御基板60には、前述した払出モータ201等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、払出制御基板60に搭載された後述の払出制御部61による制御に基づいて駆動されるようになっている。
払出制御基板60には、遊技制御部41と同様にCPU61a、ROM61b、RAM61c、I/Oポート61dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、パチンコ球の払出の制御を行う払出制御部61、払出制御基板60に接続されたスイッチから入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路62、払出モータ201の駆動制御を行う払出モータ駆動回路63、各種LED等の駆動制御を行う表示駆動回路64、電源投入時またはCPU61aからの初期化命令が一定期間入力されないときにCPU61aにリセット信号を与えるリセット回路65、その他の回路等、が搭載されており、CPU61aは、遊技制御基板40から出力される信号や、払出制御基板60に接続されたスイッチからの検出信号を受けて、パチンコ球を払い出す払出制御を行い、接続端子板70を介して接続されたカードユニット400からの要求に応じてパチンコ球を貸し出す貸出制御を行うとともに、払出制御基板60に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU61aは、遊技制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。CPU61aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(払出)を実行する。また、CPU61aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、払出制御部61には、遊技制御部41のように停電時においてバックアップ電源が供給されることはなく、停電時においてRAM61cに記憶されているデータは保持されることがない。
遊技制御部41のCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リール2L、2C、2Rの図柄を背後から照射するリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述の演出制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、遊技制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行う演出制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、演出効果LED52の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定期間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、遊技制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。CPU91aは、内部タイマを有している。演出制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、遊技制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて後述するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔(約1.12ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(演出)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ(INT)信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。なお、ストローブ(INT)信号の入力に基づいて割込が発生した割込処理の実行中にあっては、他の割込が禁止されるようになっている。
また、演出制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
次に、遊技制御基板40、払出制御基板60、カードユニット400において入出力される信号について説明する。
図10に示すように、遊技制御基板40に搭載された遊技制御部41は、払出制御基板60に対して、遊技制御基板40と払出制御基板60との接続確認を払出制御基板60側で確認するための遊技制御基板接続確認信号を出力する。そして、払出制御基板60に搭載された払出制御部61は、遊技制御基板接続確認信号の検出に基づき遊技制御基板40との接続を確認する。また、遊技制御部41は、払出制御基板60に対して、精算要求または払出要求により払出を指示する球数として0〜100の値を示す球数信号、取込済球数(既に取り込まれた球数のうち賭数の設定に用いられた使用済球数及び未だ賭数の設定に用いられていない未使用球数を合計した球数)の精算を要求する精算要求信号、賞球の払出を要求する払出要求信号を出力する。そして、払出制御部61は、精算要求信号または払出要求信号を検出したときに、その時点で球数信号が示す数のパチンコ球を払い出す払出制御を行う。
一方、払出制御部61は、遊技制御基板40に対して、遊技制御基板40と払出制御基板60との接続確認を遊技制御基板40側で確認するための払出制御基板接続確認信号、カードユニット400と接続されている旨を示すカードユニット接続中信号、精算要求または払出要求に基づくパチンコ球の払出動作の開始、動作中、終了を示す動作中信号を出力する。そして、遊技制御部41は、払出制御基板接続確認信号の検出に基づき払出制御基板60との接続を確認し、カードユニット接続中信号の検出に基づき払出制御基板60とカードユニット400との接続を確認し、動作中信号の検出に基づき、払出制御部61によるパチンコ球の払出動作の開始、動作中及び終了を確認する。
カードユニット400は、マイクロコンピュータを搭載した制御ユニットを備える。カードユニット400には、図10に示すように、スロットマシン1に設けられた前述の残額表示器28が接続端子板70を介して接続されており、制御ユニットが搭載するマイクロコンピュータの制御により残額表示器28が駆動されるようになっている。また、図10に示すように、カードユニット400には、スロットマシン1に設けられた前述の球貸スイッチ29や返却スイッチ30が接続端子板70を介して接続されており、これらスイッチの検出信号が制御ユニットに入力されるようになっている。
また、カードユニット400は、カード挿入口から挿入されたプリペイドカードの記録情報の読み出し及び書き込みを行うカードリーダライタを備えており、カードリーダライタは、プリペイドカードから読み出された記録情報を制御ユニットに対して出力するとともに、制御ユニットからの指令に基づき挿入されているプリペイドカードの記録情報の更新等を行う。
図10に示すように、カードユニット400は、スロットマシン1の払出制御基板60(払出制御部61)に対して、カードユニット400が正常に接続されている旨を示すカードユニット接続信号(VL)、カードユニット400による貸出処理の開始及び終了を示すカードユニットREADY信号(BRDY)、パチンコ球の貸出を要求する貸出要求信号(BRQ)を出力する。なお、カードユニット接続信号は、制御ユニットと払出制御基板60との間で通信を行う際の電源でもある。
これに対して、払出制御基板60(払出制御部61)は、カードユニット400に対して、パチンコ球の貸出を行うことが可能な状態を示すスロットマシンREADY信号(SRDY)、BRQに基づくパチンコ球の貸出動作の開始及び完了を示す貸出完了信号(EXS)を出力する。
また、前述のようにスロットマシン1に搭載された残額表示器28、球貸スイッチ29及び返却スイッチ30はカードユニット400に接続されており、残額表示器28は、制御ユニットの制御に基づき出力される残数表示制御信号に基づき駆動されるとともに、球貸スイッチ29の検出信号(貸出操作検出信号)及び返却スイッチ30の検出信号(返却操作検出信号)は、カードユニット400に入力される。そして、カードユニット400に搭載された制御ユニットは、球貸スイッチ29が検出されることで、受付中のプリペイドカードから読み出された有価価値が残存することを条件に前述したBRDYを出力するとともに、前述したBRQを出力し、スロットマシン1に対して貸出単位分(この実施の形態では25球)パチンコ球の貸出を要求する処理を、残存する有価価値の範囲内で規定回数(この実施の形態では、10回)行い、返却スイッチ30が検出されることで、受付中のプリペイドカードを返却させる処理を行う。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてパチンコ球の払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定キースイッチ37及びリセット/設定スイッチ38による設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能となる。設定値の変更操作が可能な期間において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されてから設定キースイッチ37がOFFされると、変更後の確定した設定値がRAM41cに設けられた設定値の保存領域に記憶される。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技状態の移行を伴う特別役と、パチンコ球の払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、RAM41cに当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
図11(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM41bに予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINが、小役としてベル、チェリーが、再遊技役としてリプレイが定められている。
レギュラーボーナスの遊技状態では、小役であるベル及びチェリーが、入賞となる役として定められており、レギュラーボーナスにおける内部抽選で抽選の対象とされる。ビッグボーナスの遊技状態では、特別役であるJACIN、小役であるベル及びチェリーが入賞となる役として定められており、ビッグボーナスにおける内部抽選で抽選の対象とされる。通常の遊技状態では、特別役であるレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)、小役であるベル及びチェリー、再遊技役であるリプレイ(RTにおけるリプレイと区別するため、通常時リプレイという)が入賞となる役として定められており、通常の遊技状態における内部抽選で抽選の対象とされる。
通常の遊技状態においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、当該ゲームで入賞しないと、その当選フラグが持ち越され、次のゲームから遊技状態がRT(Replay Time)に移行する。すなわち、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、レギュラーボーナス(2)当選フラグは、RT中フラグも兼ねるものとなる。RTでは、小役であるベル及びチェリー、再遊技役であるリプレイ(通常時リプレイと区別するため、RT時リプレイという)が入賞となる役として定められており、RTにおける内部抽選で抽選の対象とされる。なお、通常時リプレイと、RT時リプレイは、後述する判定値数の格納領域が異なるので当選確率が異なるものとなるが、他の点については共通している。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(8本)のいずれかに「赤7−白7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(8本)のいずれかに「赤7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(8本)のいずれかに「赤7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、それぞれ遊技状態がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)(これらを纏めてビッグボーナスという)に移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができる。
遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると、次のビッグボーナスの1ゲーム目で表示結果が導出されるまで、ビッグボーナス入賞フラグもRAM41cに設定される。次のゲームが開始すると、ビッグボーナス入賞フラグが消去されて、ビッグボーナス開始フラグがRAM41cに設定される。このビッグボーナス開始フラグに基づいて、ビッグボーナスの1ゲーム目の結果が導出された後には、ウェイトがかけられる。ウェイトの完了後ビッグボーナス開始フラグが消去される。
JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームにおいて入賞ライン(8本)のいずれかに「ベル−チェリー−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、小役ゲーム以外の遊技状態では、この組み合わせが揃ったとしてもJACIN入賞とならない。JACIN入賞すると、ビッグボーナスの中で前述したレギュラーボーナスが提供されることとなり、ビッグボーナス中フラグに併せてレギュラーボーナス中フラグもRAM41cに設定される。
ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)とでは、遊技性としては同一であるが、それぞれの間において遊技者が獲得できるパチンコ球の個数の上限に違いがある。より詳しく説明すると、ビッグボーナス(1)における獲得パチンコ球数の上限は900個であり、払い出し総数が入賞時の最大払い出し個数である75個を減算した825個を越えたときにビッグボーナス(1)が終了する。ビッグボーナス(2)における獲得パチンコ球数の上限は1800個であり、払い出し総数が入賞時の最大払い出し個数である75個を減算した1725個を越えたときにビッグボーナス(2)が終了する。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで825個、1725個に達したときは、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ライン(8本)のいずれかに「赤7−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、75個のパチンコ球が払い出される。チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール2Lについて入賞ライン(8本)のいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、賭数が1のときには75個のパチンコ球が、賭数が3のときには1入賞ラインにつき5個、必ず4つの入賞ラインでの導出となるので合計20個のパチンコ球が払い出される。賭数1は、レギュラーボーナスでのみ設定されるものであるので、チェリーに入賞したときに払い出されるパチンコ球の個数は、遊技状態がレギュラーボーナスに移行することで75個に変わるということができる。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(8本)のいずれかに「赤7−JAC−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、レギュラーボーナスやビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)では、この組み合わせが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リプレイ入賞したときには、パチンコ球の払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した15個のパチンコ球が払い出されるのと実質的には同じこととなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭数と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
遊技状態に応じた役の参照は、図11(a)に示した遊技状態別当選役テーブルに応じて行われる。すなわち、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出され、遊技状態がビッグボーナス中の小役ゲームにあるときには、JACIN、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。
通常の遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、通常時リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRTにあるときには、ベル、チェリー、RT時リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。RTは、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときに制御される遊技状態であり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)を重ねて内部抽選の対象役としないものである。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図11(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。
各役の判定値数は、ゲームにおいて遊技者が設定する賭数(BET)に対応して登録されている。同一の役であっても、レギュラーボーナスにおける当選確率が他の役と異なっている場合があるからである。また、各役の賭数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常の遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。これらの役については、共通フラグの値が0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームでのみ内部抽選の対象となる役であり、小役ゲームでの賭数に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
通常時リプレイは、通常の遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常の遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。RT時リプレイは、RTでのみ内部抽選の対象となる役であり、通常の遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
ベル及びチェリーは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスでの賭数1に対応する判定値数の格納アドレスと、通常の遊技状態または小役ゲームでの賭数3に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。チェリーについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。ベルについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
役別テーブルには、各役に入賞したときのパチンコ球の払い出し個数も登録されている。もっとも、入賞したときにパチンコ球の払い出し対象となる役は、小役であるベル及びチェリーである。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、パチンコ球の払い出し対象とはならない。リプレイでは、パチンコ球の払い出しを伴わないが、次のゲームで賭数の設定に用いるパチンコ球が不要となるので実質的には15個の払い出しと変わらない。
図12は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えばアドレスADDは、内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である31が判定値数として取得される。アドレスADD+2、ADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が2〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナスの当選確率は同じとなっている。
また、アドレスADD+12、ADD+14、ADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32、ADD+34は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)、(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)、(2)の当選確率が異なることとなる。
また、アドレスADD+36は、内部抽選の対象役がJACINであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ4311が判定値数として取得される。
アドレスADD+38、ADD+40、ADD+42、ADD+44、ADD+46、ADD+48は、それぞれ賭数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+38とADD+40、ADD+42とADD+44、ADD+46とADD+48には、それぞれ同一の値が登録されているので、レギュラーボーナス時においては、設定値1と設定値2、設定値3と設定値4、設定値5と設定値6とで、ベルの当選確率が同一となる。
アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60は、それぞれ賭数が3のとき、すなわち通常の遊技状態または小役ゲームにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60には、互いに異なる値が登録されているので、通常の遊技状態または小役ゲームにおいては、設定値に応じてベルの当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+62は、賭数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。アドレスADD+64は、賭数が3のとき、すなわち通常の遊技状態または小役ゲームにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。チェリーについての判定値数は、賭数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもチェリーの当選確率は同じとなる。
アドレスADD+66は、通常の遊技状態において内部抽選の対象役がリプレイ(ここでは通常時リプレイ)であって賭数が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+68は、RTにおいて内部抽選の対象役がリプレイ(ここではRT時リプレイ)であって賭数が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+68には、アドレスADD+66よりも大きな値が登録されているので、RTにおけるリプレイ当選確率は、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも高くなる。
図13(a)〜(c)は、内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例を示す図である。図13(a)では通常の遊技状態にあるときの、図13(b)では小役ゲームにあるときの、図13(c)ではレギュラーボーナスにあるときの例を示している。図13(a)〜(c)のいずれも、設定値が6の場合の例を示しており、また、図13(a)では、レギュラーボーナス当選フラグとビッグボーナス当選フラグのいずれも設定されてない場合の例を示している。図では、これ以外の場合の例を省略しているが、同様に内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係が定められることとなる。
例えば、図13(a)に示すように、通常の遊技状態では、内部抽選の対象役となる役は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイであり、設定値6においては、それぞれの判定値数は、31、30、30、3562、269、2245となる。最初に内部抽選の対象役となるレギュラーボーナスは、判定値数の31を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16353〜16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
次に内部抽選の対象役となるビッグボーナス(1)は、レギュラーボーナスの判定値数31とビッグボーナスの判定値数30とを合計した61を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16323〜16352が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、ビッグボーナス(2)は、16293〜16322が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルは、12731〜16292が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーは、12462〜12730が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイは、10217〜12461が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。
これらの判定値数に基づいて算出される各役のおおよその当選確率は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリー、リプレイのそれぞれについて、1/528.5、1/546.1、1/546.1、1/4.6、1/60.9、1/7.3となる。なお、0〜10216が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
また、図13(b)に示すように、小役ゲームでは、JACIN、ベル、チェリーが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が4311、3562、269であるので、12073〜16383、8511〜12072、8242〜8510が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/3.8、1/4.6、1/60.9となる。なお、0〜8241が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
また、図13(c)に示すように、レギュラーボーナスでは、ベル、チェリーが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が15919、269であるので、465〜16383、196〜464が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1.03、1/60.9となる。なお、0〜195が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図14を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路42から乱数を抽出し、これをCPU41aがソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。内部抽選用の乱数を取得するときには、ボーナス告知ランプ66を点灯するか否かを決定する告知決定用の乱数も取得される。なお、乱数発生回路42から抽出した、或いはこれを加工した乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図14(a)は、乱数発生回路42の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路42は、パルス発生回路42aと、下位カウンタ42bと、上位カウンタ42cとから構成されている。下位カウンタ42b及び上位カウンタ42cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ42bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ42cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路42aは、CPU41aの動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路42aの出力するパルス信号が下位カウンタ42bにクロック入力される。
下位カウンタ42bは、パルス発生回路42aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからすなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ42bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ42cにクロック入力される。
上位カウンタ42cは、下位カウンタ42bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ42bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ42cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路42aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路42から出力されるものとなる。
サンプリング回路43は、ラッチ回路から構成され、CPU41aからのサンプリング指令(スタートスイッチ7の操作時)に基づいて、乱数発生回路42からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。CPU41aは、I/Oポート41dを介してサンプリング回路43から入力されたデータ信号に対応した数値データを、乱数発生回路42が発生する乱数として抽出するものとなる。なお、以下では、乱数発生回路42から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明するものとする。
図14(b)は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。乱数発生回路42から抽出された乱数は、CPU41aが有する16ビットの汎用レジスタ41GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路42から抽出された乱数が汎用レジスタ41GRに格納されると、CPU41aは、他の汎用レジスタまたはRAM41cの作業領域を用いて、汎用レジスタ41GRの下位バイト(下位カウンタ42bから抽出した値)と、上位バイトの値(上位カウンタ42cから抽出した値)とを入れ替える。
次に、CPU41aは、抽出された乱数に対して上位バイトと下位バイトとが入れ替えられた乱数の値を、8080hと論理積演算をする。CPU41aの処理ワードは1バイトなので、実際には上位バイトと下位バイトとについて順次論理積演算を行うものとなる。この論理積演算によって第15ビットと第7ビットは常に1となる。さらに、CPU41aは、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。
CPU41aは、このときに汎用レジスタ41GRに格納されている値を、内部抽選用の乱数として取得してRAM41cの所定の領域に記憶させ、これに各役の判定値数を順次加算していくものとなる。内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットは常に1となるので、内部抽選用の乱数は、14ビット(16384)の大きさを有する乱数ということになり、実質的に0〜16383の値をとるものとなる。
なお、乱数発生回路42からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、CPU41aに対する割り込みが禁止される。CPU41aに対して割り込みが発生することによって、当該割り込み処理ルーチンで汎用レジスタ41GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐためである。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。なお、リール2L、2C、2Rは、任意の順序で停止させることが可能であるが、停止される順番に第1リール、第2リール、第3リールと呼ぶものとする。前述したように、リール2L、2C、2Rの回転は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したときから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で、すなわち4コマ以内の引き込み範囲で停止される。リール2L、2C、2Rの停止時における引き込み範囲が4コマなので、停止可能な図柄は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作時に表示されている図柄と、次の4コマの範囲にある図柄の中から選ばれることとなる。
図柄の選択は、RAM41cにおける各役の当選状況に従っている。すなわち、当選フラグの設定されている役の図柄が何れかの入賞ライン上に導出されるように図柄が選択され、当選フラグの設定されていない役の図柄が何れの入賞ラインにも導出されないように図柄が選択される。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、またはリプレイ当選フラグが設定されているときには、前者よりも後者の導出が優先される。
例えば、直線上に設定された入賞ライン(例えば、上中下段の横方向、及び対角線方向)では、第2リールの停止時までに入賞の表示態様を構成する図柄がテンパイ(すなわち、第3リールを除いて入賞の表示態様が入賞ライン上に導出されている)していても、当該役に入賞させるためには、テンパイしている入賞ライン上に当該役の図柄が位置するか、当該位置から次の4コマ以内に当該役の図柄があるときにストップスイッチを操作しなければ、入賞することはない。
これに対して、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、可変表示装置2の入賞ラインが図3に示したように各リールの上段または下段の組み合わせによって構成されている。このため、入賞の表示態様を導出するためには、当選フラグの設定されている役に入賞させるためには、当該役の図柄を上段または下段の何れかに停止させることができればよく、入賞の表示態様を構成する図柄がテンパイしているときに、当該役を構成する図柄が下段に位置するか、下段から次の6コマ(6コマ先であれば、上段に停止できるので)以内に当該役の図柄があるときにストップスイッチを操作すれば、入賞することとなる。
なお、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲でリール2L、2C、2Rの中段に導出することができる図柄は、当該最大遅延時間の範囲で下段または上段のいずれかに必ず導出できることとなる。このため、リール2L、2C、2Rの中段に特定の図柄を導出させることの意味は小さく、むやみに入賞ラインの数を増やさないようにするため、中段を含む入賞ラインが可変表示装置2に設定されないようになっている。
リール2L、2C、2Rのいずれについても7コマ以内で図柄が配置されている役については、当選フラグが設定されていれば、取りこぼすことなく可変表示装置2に導出させることができる。図2の図柄配列に示す通り、ベル、チェリー、リプレイ、JACINは、このような取りこぼしのない役となるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによっては取りこぼすことがある。
また、図2の図柄配列では、中のリール2Cについてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の表示態様を構成する図柄「白7」または「青7」が上段または下段に導出されたときには、リプレイの表示態様を構成する図柄「JAC」が必ず下段または上段に導出されるものとなる。左のリール2Lについての「赤7」は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の表示態様を構成するとともにリプレイの表示態様も構成する。
従って、第1、第2リールとして左のリール2Lと中のリール2Cとを停止させた(順不同)場合にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)がテンパイすれば、同時にリプレイにもテンパイすることとなる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選時には、このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とリプレイとがダブルテンパイした状態で右のリール2Cを操作したときに当選している役の種類に応じて「白7」または「青7」を上段または下段に停止させることができればボーナス入賞させ、そうでなければ、リプレイ入賞させる(リプレイ当選もしていることが条件)。
次に、ビッグボーナスの終了時の制御について説明する。ビッグボーナスの遊技状態は、その間に払い出したパチンコ球の個数が、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれに入賞したかで定まる規定数(825個または1725個)を越えたゲームでパチンコ球の払い出しを終了すると、ここで終了となる。ビッグボーナスの終了となったときには、予め定められた規定時間だけ、フリーズ状態に制御される。フリーズ状態では、後述するように遊技者所有のパチンコ遊技球の精算を除いては、遊技者の如何なる操作(賭数の設定等)も受け付けられず、また、内部的にも何ら遊技を進行させる処理が行われず、遊技の進行が不能な状態となる。また、ビッグボーナスの終了となっているので、HITランプ9も消灯させられる。
もっとも、フリーズ状態に制御されるのは、ビッグボーナスが終了したときだけに限らない。ビッグボーナス(1)の入賞に基づくビッグボーナスであれば、払出パチンコ球数が825個を越えたときにビッグボーナス終了となってフリーズ状態に制御されるが、ビッグボーナス(2)の入賞に基づくビッグボーナスでは、払出パチンコ球数が825個を越えたときであってもビッグボーナスは終了していない。この場合でも、ビッグボーナスが終了した場合と同様に、フリーズ状態に制御する。ここでフリーズ状態に制御されているときにも、HITランプ9が消灯させられるものとなる。
次に、賭数の設定及び遊技者所有のパチンコ遊技球の精算について説明する。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技者の関知する時間で考えると、スタートスイッチ7の操作により1ゲームが開始してから入賞に応じたパチンコ球の払い出しが終了するまで(パチンコ球の払い出しを伴う小役に入賞しなかった場合は、リール2L、2C、2Rの回転が停止して可変表示装置2の表示結果が導出されるまで)の間、賭数の設定が可能な状態となる。もっとも、パチンコ球の払い出しが終了した後でも、フリーズ状態に制御されている間は、賭数の設定が可能な状態とならない。
賭数の設定が可能な状態においてCPU41aが1球取込スイッチ5の操作を有効に検出すると、パチンコ球を1球取り込むための取込動作を取込装置100に行わせる取込制御(後述する取込制御処理)を実行する。また、賭数の設定が可能な状態においてCPU41aが、MAXBETスイッチ6の操作を有効に検出すると、遊技状態に応じた規定数の賭数を設定するのに必要な球数から、賭数の設定に使用された使用済球数及び取り込まれたものの未だ賭数の設定に使用されていない未使用球数を減算した球数、すなわちその時点で規定数の賭数を設定するのに必要な球数を取り込むための取込動作を取込装置100に行わせる取込制御(後述する取込制御処理)を実行する。
また、賭数の設定が可能な状態においてCPU41aが精算スイッチ10の操作を有効に検出すると、既に1以上の賭数が設定されている場合または未使用球が残存する場合、すなわち取込済球が残存する場合には、払出制御部61に対して取込済球数分のパチンコ球の精算要求を行い、これに基づき取込済球数分のパチンコ球を遊技者に返却させる精算要求制御を行うとともに、賭数が設定されておらず、未使用球が残存しない場合、すなわち取込済球が残存しない場合には、取込装置100内のパチンコ球を返却させる返却制御を行う。
ところで、前述したように、ビッグボーナスが終了した場合、或いは1800個の払い出しを上限とするビッグボーナスにおいて払出パチンコ球数が825個を越えたときには、上記したように遊技者が遊技を進めることのできなくなるフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態に制御されている間は、既にパチンコ球の払い出しが終了しているので、ゲームが終了したものと判定されているが、賭数の設定は禁止されたままとなる。フリーズ状態に制御する規定時間を経過した後に、賭数の設定が許可された状態となる。遊技者所有のパチンコ球の精算については、フリーズ状態に制御されている期間であっても許可された状態となる。
次に、外部出力基板85からの外部出力信号の出力について説明する。遊技制御基板40のCPU41aは、遊技の進行の処理(後述する図15)と並行して、外部出力信号の生成の処理を行い、外部出力基板85から外部装置に出力させている。外部出力信号のうちのレギュラーボーナス中信号とビッグボーナス中信号は、それぞれRAM41cにレギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号が設定されているときに出力されるものとなる。
もっとも、ビッグボーナス中フラグが設定されているときであっても、当該ビッグボーナスで最初に小役入賞するまでは、ビッグボーナス出力禁止フラグもRAM41cに設定され、ビッグボーナス中信号が外部出力基板85から外部装置に出力されない。ビッグボーナスにおける最初の小役入賞でビッグボーナス出力禁止フラグが消去されると、ここで初めてビッグボーナス中信号が外部出力基板85から外部装置に出力されることとなる。
次に、遊技制御基板40のCPU41aが演出制御基板90に送信するコマンドについて説明する。CPU41aは、各回のゲームの進行状況に応じて各種のコマンドを送っているが、特に基本的なコマンドとして、内部抽選が行われた後に送られる当選状況通知コマンド、リール2L、2C、2Rの回転が停止したときにそれぞれ送られるリール停止コマンド、可変表示装置2に表示結果が導出された後に送られる入賞情報コマンド、1ゲームの終了後で次のゲームに移行する前に送られる状態コマンドがある。
当選状況通知コマンドは、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示すものである。リール停止コマンドは、停止したリールの種類及び導出された図柄を示すものである。入賞情報コマンドは、入賞の有無及び入賞の種類を示すものである。状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態(通常、RT、レギュラーボーナス、ビッグボーナス)を示すものである。また、状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態がビッグボーナスである場合には、当該ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数を、0個、1個以上825個以下、826個以上の3区分で示す。
演出制御基板90のCPU91aは、このように遊技制御基板40のCPU41aから送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU91aの制御により実行される演出として、特に液晶表示器51において行われる演出としては、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出と、ビッグボーナスに絡む演出(仮想リールによるものも含む)とがある。
仮想リールは、例えば「7」、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」といった図柄を所定の配列で配置したものが可変表示装置2のリール2L、2C、2Rに対応して3つ表示されるものとなる。仮想リールは、リール2L、2C、2Rが回転開始すると変動を開始し、リール2L、2C、2Rの回転が停止すると変動を停止する。もっとも、仮想リールの停止には、可変表示装置2のリール2L、2C、2Rのような190ミリ秒の最大停止遅延時間という制約はない。
次に説明する仮想リール以外のビッグボーナスに絡む演出が行われている場合を除いて、可変表示装置2にリプレイが導出されるときに、仮想リールの表示態様として「リプレイ」の図柄が揃えられて停止される。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINに入賞したときであっても、仮想リールには、ハズレのときと同様の表示態様(ハズレの表示態様)が導出されるものとなる。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したゲームでは、仮想リールにはハズレの表示態様が導出されるが、当該ビッグボーナスで最初に可変表示装置2にベルまたはチェリーが導出されるときには、必ず「7」の図柄が揃えられた表示態様(ビッグボーナスの表示態様)が導出される。ビッグボーナスの表示態様は、ビッグボーナス(1)に入賞した場合でもビッグボーナス(2)に入賞した場合でも同じである。これ以外の場合で可変表示装置2にベルまたはチェリーが導出されるときに、仮想リールの表示態様として「ベル」、「チェリー」の図柄がそれぞれ揃えられて停止される。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞の前提となるビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグの設定で、遊技状態はRTに制御される。RTにおいては非常に高い確率でリプレイ当選する。ベル、チェリーの当選確率も合わせると、ハズレとなる場合がほとんどない。ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていても、取りこぼしのないリプレイ、ベル、チェリーの当選フラグも重ねて設定されていれば、他の役の入賞を優先してリール2L、2C、2Rの停止制御が行われるので、RTにおいては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作について遊技者が目押し(回転するリール2L、2C、2Rに表示されている図柄に応じてタイミングを図って停止操作すること)をする必要性がほとんどない。
目押しもしないでゲームを行っていれば、可変表示装置2の表示結果としてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の表示態様が導出されても、遊技者が気付かないことが多い。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しても、仮想リールでは何も示されず、また、パチンコ球の払い出しもないため、遊技者が入賞に気付かない場合が多くなる。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した後であっても、可変表示装置2の表示結果がハズレまたはJACINとなった場合には、遊技者が認識できるような外部的な変化は起こらない。外部的な変化が生じるのは、ベルまたはチェリーに入賞して、パチンコ球の払い出しが行われる場合である。そこで、ビッグボーナスで最初にベルまたはチェリーに入賞するゲームにおいて、仮想リールに導出される表示結果により遊技状態がビッグボーナスにあることが遊技者に示されることにより、ここで初めてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞を遊技者に気付かせることができる。
また、仮想リールに導出される表示結果がビッグボーナスとなることに伴ってパチンコ球の払い出しが行われているため、仮想リールの表示結果だけを見ていると、ビッグボーナスの入賞によって、遊技状態の移行と共にパチンコ球の払い出しが行われているように感じられるようになる。また、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞から最初の小役入賞までは、液晶表示器51には、通常の態様と異なる特殊態様(例えば、色違いなど)で仮想リールが表示される。これにより、実際には既にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞している訳であるが、あたかもビッグボーナスの表示態様の導出前にビッグボーナスへの入賞の期待感が高まっているように感じられるようになる。
ビッグボーナスの表示態様が仮想リールにより導出された後、小役入賞したゲーム数が1以上5以下の場合は、液晶表示器51では、カードバトルが行われる。カードバトルでは、液晶表示器51に3枚のカードが最初裏返しで表示され、リール2L、2C、2Rが停止する度に1枚ずつ捲られる。各カードの数字は「1」〜「13」で合計の数字としては「3」〜「39」まで取り得る。もっとも、ビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスの上限数が1800個(1725個を越える払い出しで終了)となったときの方が、大きな合計数が選択される確率が高い。なお、カードバトルの結果は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時に送られてきた入賞情報コマンドに基づいてRAM41cに保存される規定数に応じた抽選で、当選状況通知コマンドを受信したときに決定され、リール停止コマンドを受信する度に順次表示されるものとなっている。
ビッグボーナスの表示態様が仮想リールにより導出された後、小役入賞したゲーム数が7以上の場合は、液晶表示器51では、キャラクタバトルが行われる。もっとも、ビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスの上限数が1800個になっているにも関わらず、払出パチンコ球数が825個を越えてフリーズ状態に制御されたときにビッグボーナスの終了が報知されたときには、そこから3ゲーム(小役入賞したかどうかを問わない)の間は、キャラクタバトルが行われずに、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示される。一方、ビッグボーナス(1)に入賞してビッグボーナスの上限数が900個になっているにもかかわらず、ビッグボーナスの終了でフリーズ状態に制御されたときにビッグボーナスの継続が報知されたときには、そこから3ゲームの間は、キャラクタバトルが液晶表示器51で行われるものとなる。
キャラクタバトルでは、液晶表示器51に遊技者サイドのキャラクタともう1体のキャラクタを表示し、その戦い遊技者サイドのキャラクタが勝利したかどうかによって、ビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスの上限数が900個と1800個のいずれであるかを示すものである。
キャラクタバトルの結果は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時に送られてきた入賞情報コマンドに基づいてRAM41cに保存される規定数と、入賞情報コマンドに基づいてカウントされるビッグボーナスにおける小役入賞回数及び払出パチンコ球数とに応じた抽選で、当選状況通知コマンドを受信したときに決定され、1ゲームで3つ目のリール停止コマンドを受信したときに表示されるものとなっている。但し、ビッグボーナスの上限数が1800個となっているときには、遊技者サイドのキャラクタが勝利する確率の方が高く、900個となっているときには、遊技者サイドのキャラクタが負ける確率の方が高い。実際は終了しているビッグボーナスが継続される旨が報知された場合のカードバトルも、遊技者サイドのキャラクタが負ける確率の方が高い。
なお、演出制御基板90のRAM91cには、上記したように液晶表示器51における演出の切り替えを行えるようにするため、ビッグボーナスカウンタが設けられている。ビッグボーナスカウンタは、ビッグボーナス(1)または(2)に入賞したときに初期値として1が設定され、入賞情報コマンドに基づいてベルまたはチェリーに入賞したときに、1ずつ加算される。
従って、ゲームの開始時においてビッグボーナスカウンタの値が1であれば、遊技状態がビッグボーナスにあるが、未だベルまたはチェリーに入賞していないことが分かる。ゲームの開始時においてビッグボーナスカウンタの値が2以上であれば、その値から1を減算した回数だけ前回のゲームまででベルまたはチェリーに入賞していることが分かる。また、演出制御基板90のRAM91cには、入賞情報コマンドに基づいてビッグボーナスにおける払出パチンコ球数をカウントするカウンタが設けられている。このカウンタの値は、キャラクタバトルの結果の決定のために用いられる。
また、遊技制御基板40の側でフリーズ状態に制御されたことは、2回分の状態コマンドを参照すれば、分かるものとなっている。すなわち、前回のゲームで受信した状態コマンドでビッグボーナス、今回のゲームで受信した状態コマンドが通常となっていれば、今回のゲームでビッグボーナスが終了してフリーズ状態に制御されていることが分かる。また、前回のゲームで受信した状態コマンドでビッグボーナスの払出パチンコ球数が1個以上825個以下で、今回のゲームで受信した状態コマンドで826個以上であれば、今回のゲームで払出パチンコ球数が825個を越えてフリーズ状態に制御されていることが分かる。
演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40の側でフリーズ状態に制御されていることを認識すると、全ての演出の実行を一旦停止する。そして、フリーズ状態に制御される期間が終了するよりも前に、ビッグボーナスが終了したか継続するかを液晶表示器51への画像の表示、及びスピーカ53、54からの音声(終了ファンファーレや継続ファンファーレ)の出力により遊技者に報知するものとしている。ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数が1725個を越えた場合には、その個数以上にビッグボーナスが継続することはあり得ないので、必ずビッグボーナスの終了が報知されることとなる。
ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数が825個を越えた場合には、そこでビッグボーナスが終了している場合と、さらに払出パチンコ球数が1725個を越えるまでビッグボーナスが継続する場合とがある。実際にはビッグボーナスが終了している場合であっても、抽選により1割程度の確率でビッグボーナスの継続が報知されることがある。実際にはビッグボーナスが継続する場合であっても、抽選により1割程度の確率でビッグボーナスの終了が報知されることがある。これらの場合は、ビッグボーナスの継続または終了が報知されてから3ゲーム後に、ビッグボーナスの終了または継続が正しく報知されることとなる。
実際には終了したビッグボーナスが継続するものと報知された場合、そこから3ゲームの間は未だ遊技者にビッグボーナスの継続を期待させることができる。そこで、実際にはビッグボーナスが終了しているのに継続するものと報知した場合には、RAM91cに設けられる転落カウンタ(初期値は3、1ゲーム毎に1減算)によって、ビッグボーナスの継続の報知から3ゲームの間は、仮想リールを液晶表示器51に表示するのではなく、ビッグボーナスの期間において行われていたキャラクタバトルを液晶表示器51において行うものとしている。
実際には継続するビッグボーナスが終了するものと報知された場合、そのままキャラクタバトルを行ってしまえば、ビッグボーナスが終了していないことが直ぐに遊技者に分かってしまう。そこで、実際にはビッグボーナスが継続するのに終了するものと報知した場合には、RAM91cに設けられる復活カウンタ(初期値は3、1ゲーム毎に1減算)によって、ビッグボーナスの終了の報知から3ゲームの間は、キャラクタバトルを行わずに、仮想リールを液晶表示器51に表示させ、可変表示装置2の表示結果に応じた表示態様を仮想リールに導出させるものとしている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にパチンコ球の払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明に直接関わるものだけを説明する。
図15は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(ステップS1)、内部抽選処理(ステップS2)、リール回転処理(ステップS3)、リール停止処理(ステップS4)、入賞判定処理(ステップS5)、賞球付与処理(ステップS6)、ゲーム終了時処理(ステップS7)、を順に実行する。ゲーム終了時処理が終了すると1ゲーム分の処理が終了したことになり、再びBET処理に戻って次のゲームの処理が開始されることとなる。
ステップS1におけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。なお、BET処理の詳細については、後述する。
ステップS2における内部抽選処理では、ステップS1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。また、当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、内部抽選処理の詳細については、後述する。
ステップS3におけるリール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理を実行する。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなる。このリール回転処理においては、全てのリール2L、2C、2Rが定速回転した時点でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効とする。
ステップS4におけるリール停止処理では、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出され、各リール2L、2C、2Rの停止条件が成立したことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。また、リール2L、2C、2Rの回転が停止する度に、回転したリールの種類及び停止した図柄を示すリール停止コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、リール停止処理の詳細については、後述する。
ステップS5における入賞判定処理では、ステップS4において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。また、入賞の有無及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、入賞判定処理の詳細については、後述する。
ステップS6における賞球付与処理では、ステップS5において入賞の発生が判定された場合に、入賞に応じて付与される賞球数分のパチンコ球の払出を要求する処理を行う。なお、賞球付与処理の詳細については、後述する。
ステップS7におけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、次のゲームで適用される遊技状態を示す状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、ゲーム終了時処理の詳細については、後述する。
次に、上記したステップS1のBET処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS1で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(ステップS101)、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS102)。RAM41cにリプレイゲーム中である旨を示すリプレイゲーム中フラグが設定されており、当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1加算し、RAM41cに設定された賭数の規定数(後に説明するが、遊技状態に応じて定められた賭数の規定数であり、レギュラーボーナスにあるときには、1が設定され、通常遊技状態及び小役ゲームにあるときには、3が設定される。もっともリプレイゲームに制御されるのは通常遊技状態のみである。)を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する処理(ステップS103、S104)をステップS104においてBETカウンタの値が規定数であると判定されるまで繰り返し実行し、ステップS104においてBETカウンタの値が規定数であると判定された場合には、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS105)。そして、この状態でスタートスイッチ7の操作が検出されると、BET処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
また、ステップS102において当該ゲームがリプレイゲームでない場合には、開閉シャッタ検出スイッチ123の検出信号がonからoffへ遷移しているか否か、すなわち、球抜きレバー31が操作されて上皿26の球抜きが行われた否かを判定し(ステップS106)、開閉シャッタ検出スイッチ123の検出信号がonからoffへ遷移していれば、残存球検出スイッチ113からの検出信号の入力状態に基づいて取込準備球通路110内の残存球が検出されているか否かを判定する(ステップS107)。そして、取込準備球通路110内の残存球が検出されている場合には、残存球報知LED114を点灯させて(ステップS108)、精算スイッチ10の操作を促す報知を行った後、ステップS109の処理に進む。また、ステップS106において開閉シャッタ検出スイッチ123の検出信号がonからoffに遷移していない場合、またはステップS107において取込準備球通路110内の残存球が検出されていない場合には、そのままステップS109の処理に進む。
ステップS109では、カードユニット接続中信号のonが検出されているか否か、すなわちカードユニット400が払出制御基板60と接続されているか否かを判定する。
ステップS109においてカードユニット接続中信号のonが検出されている場合には、精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定する(ステップS110)。精算スイッチ10の操作が検出されていれば、図17に示す精算制御処理に制御を移行する(ステップS111)。精算制御処理から復帰すると、ステップS106の処理に戻る。また、精算制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS110において精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定し(ステップS112)、BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS113)、スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS106の処理に戻り、スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、BET処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。これに伴い、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS112においてBETカウンタの値が規定数でなければ、1球取込スイッチ5の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS114)、1球取込スイッチ5の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された取込球カウンタ(取り込むべき球数のうち未だ取り込まれていない球数である取込球数を記憶するカウンタ)の値を1に更新する(ステップS115)。そして、図19に示す取込制御処理に制御を移行する(ステップS116)。取込制御処理から復帰すると、ステップS106の処理に戻る。また、取込制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS114において、1球取込スイッチの操作が検出されていなければ、更にMAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS117)、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、ステップS106の処理に戻り、MAXBET6の操作が検出されていれば、取込球カウンタの値を(規定数×5−BETカウンタの値×5−未使用球カウンタ(RAM41cに設定されたカウンタであり、既に取り込まれているが未だ賭数の設定に用いられていない未使用球数を記憶するカウンタ)の値)に更新する(ステップS118)。すなわち取込球カウンタの値をMAXBETスイッチ6の操作により指示された取込要求球数から既に賭数の設定に用いられている使用済球数と未だ賭数の設定に用いられていない未使用球数を減算した値に更新する。そして、図19に示す取込制御処理に制御を移行する。取込制御処理から復帰すると、ステップS106の処理に戻る。また、取込制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
また、ステップS109において、カードユニット接続中信号のonが検出されていない場合には、カードユニット400がスロットマシン1と正常に接続されていない旨を示す接続エラーを示すエラーコードをセットする(ステップS119)。エラーコードがセットされると、当該エラーコードが遊技補助表示器12に表示され、接続エラーが遊技機外部に報知される。そして、精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS120)、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、図17に示す精算制御処理に制御を移行する(ステップS111)。精算制御処理から復帰すると、ステップS106の処理に戻る。また、精算制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS120において精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定し(ステップS121)、BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS122)、スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、BET処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。これに伴い、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS121においてBETカウンタの値が規定数でない場合、またはステップS122においてスタートスイッチ7の操作が検出されていない場合には、カードユニット接続中信号のonが検出されているか否か、すなわちカードユニット400と払出制御基板60とが接続状態となったか否かを判定し(ステップS123)、カードユニット接続中信号のonが検出されていなければ、そのままステップS106の処理に戻り、カードユニット接続中信号のonが検出されていれば、ステップS119において設定した接続エラーを示すエラーコードをクリアして(ステップS124)、ステップS106の処理に戻る。これに伴い遊技補助表示器12に表示されたエラーコードの表示も解除される。
次に、上記したステップS111の精算制御処理について詳しく説明する。図17は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS111において実行する精算制御処理を詳細に示すフローチャートである。
精算制御処理では、まず、未使用球カウンタの値が0か否かを判定し(ステップS201)、未使用球カウンタの値が0であれば、BETカウンタの値が0か否かを判定する(ステップS202)。
そして、ステップS201、S202において未使用球カウンタの値またはBETカウンタの値のいずれか一方でも0でない場合には、未精算球カウンタの値を(未使用球カウンタの値+BETカウンタの値×5)の値、すなわち未使用球数と使用済球数との合計値に更新し(ステップS203)、未使用球カウンタ及びBETカウンタの値をクリアする(ステップS204)。そして、図18に示す精算要求処理に制御を移行する。精算要求処理から復帰すると、残存球検出スイッチ113の検出信号の入力状態を確認して取込準備球通路110内の残存球が検出されているか否かを判定し(ステップS206)、取込準備球通路110内の残存球が検出されていなければ、そのまま精算制御処理を終了し、図16のフローチャートに復帰する。また、ステップS206において取込準備球通路110内の残存球が検出されていれば、残存球報知LED114を点灯して(ステップS207)、精算スイッチ10の操作を促す報知を行った後、精算制御処理を終了し、図16のフローチャートに復帰する。
また、ステップS201、S202において未使用球カウンタの値もBETカウンタの値も0の場合には、返却球詰まり検出スイッチ111が検出されているか否か、すなわち返却球誘導通路109内に返却球が詰まっているか否かを判定し(ステップS208)、返却球詰まり検出スイッチ111が検出されていなければ、更に、払出球詰まり検出スイッチ112が検出されているか否か、すなわち払出球誘導通路208内に払出球が詰まっているか否かを判定する(ステップS209)。そして、ステップS208において返却球詰まり検出スイッチ111が検出されているか、ステップS209において払出球詰まり検出スイッチ112が検出されていれば、精算制御処理を終了し、図16のフローチャートに復帰する。
また、ステップS208、S209において返却球詰まり検出スイッチ111も払出球詰まり検出スイッチ112も検出されていなければ、取込モータ101の回転駆動量を100球分に設定し(ステップS210)、振分ソレノイド102をonにして(ステップS211)、取り込まれたパチンコ球の流路方向を返却球誘導通路109側とする。
そして、流路切替弁107による実際の流路方向が返却球誘導通路109側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がonの状態か否かを判定し(ステップS212)、流路切替弁107による実際の流路方向が返却球誘導通路109側であれば、取込モータ101の設定をonとして取込動作を開始する(ステップS213)。すなわち流路切替弁107の流路方向を検出する流路検出スイッチ115の検出状態に基づき、実際の流路方向が返却球誘導通路109側を向いていることを条件に取込モータ101の駆動を開始する。
取込モータ101の駆動中においては、流路切替弁107による実際の流路方向が返却球誘導通路109側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がonの状態か否かを判定し(ステップS214)、流路方向が返却球誘導通路109側であれば、取込モータ101の駆動停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS215〜S218)。詳しくは、ステップS215において第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105の検出状況をチェックし、最後に取込球が検出されてから規定時間(例えば3秒間)にわたり取込球が検出されていないか否かを判定し、ステップS216において返却球詰まり検出スイッチ111が検出されているか否か、すなわち返却球誘導通路109内に返却球が詰まっているか否かを判定し、ステップS217においては、払出球詰まり検出スイッチ112が検出されているか否か、すなわち払出球誘導通路208内に払出球が詰まっているか否かを判定し、ステップS218においては、回転駆動量分、すなわち100球分の回転が終了したか否かを判定する。
そして、ステップS215〜S218において取込モータ101の駆動停止条件がいずれも成立していなければ、ステップS214の処理に戻る。また、ステップS215〜S218において取込モータ101の駆動条件がいずれか1つでも成立している場合、すなわち最後に取込球が検出されてから規定時間にわたり取込球が検出されていない場合、返却球詰まり検出スイッチ111が検出されている場合、払出球詰まり検出スイッチ112が検出されている場合または100球分の回転が終了した場合には、取込モータ101の設定をoffにして(ステップS219)、振分ソレノイド102をoffにして取り込まれたパチンコ球の流路方向を取込球誘導通路108側とする(ステップS220)。
次に、残存球検出スイッチ113からの検出信号の入力状態を確認して取込準備球通路110内の残存球が検出されているか否かを判定し(ステップS221)、取込準備球通路110内の残存球が検出されていなければ、残存球報知LED114を消灯した後(ステップS223)、精算制御処理を終了し、図16のフローチャートに復帰する。また、ステップS221において取込準備球通路110内の残存球が検出されていれば、残存球報知LED114を点灯して(ステップS224)、精算スイッチ10の操作を促す報知を行った後、精算制御処理を終了し、図16のフローチャートに復帰する。
また、ステップS212またはステップS214において流路方向が返却球誘導通路109側ではない場合、すなわち振分ソレノイド102をonとして返却球誘導通路109側に切り替えたにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が返却球誘導通路109側に切り替わってない場合、または取込モータ101の駆動中に、振分ソレノイド102がonの状態であり、流路方向が返却球誘導通路109側であるにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が取込球誘導通路108側を向いている場合には、取込モータ101の設定をoffとし(ステップS224)、振分ソレノイド102をoffにした後(ステップS225)、流路方向の異常を示す流路方向異常エラーを示すエラーコードをセットした後(ステップS226)。所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS227)。そして、エラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、精算制御処理を終了し、図16のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS205の精算要求処理について詳しく説明する。図18は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS205において実行する精算要求処理を詳細に示すフローチャートである。
精算要求処理では、まず、払出制御基板接続確認信号のonが検出されているか否か、すなわち遊技制御基板40と払出制御基板60が接続されているか否かを判定し(ステップS301)、払出制御基板接続確認信号のonが検出されていなければ、払出制御基板60と正常に接続されていない旨を示す払出制御基板接続エラーを示すエラーコードをセットし(ステップS302)、所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS303)。そして、エラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS301において払出制御基板接続確認信号のonが検出されていれば、球数信号の値を未精算球カウンタの値に更新し(ステップS304)、RAM41cに設定されたエラー判定用タイマカウンタ(払出通信エラー判定時間をカウントするためのカウンタ)に初期値を設定し(ステップS305)、精算要求信号をonとする(ステップS306)。
次に、動作中信号のonが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS307〜S309)。また、ステップS308においては、払出通信エラー判定時間(例えば5秒)が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定し、払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の開始が確認できない場合には、払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示す払出通信エラーコードを設定し(ステップS309)、再びステップS307の処理に戻る。これに伴い払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS307において、動作中信号のonが検出された場合、すなわち精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の開始を確認した場合には、動作中信号のoffが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS310〜S314)。また、ステップS310においては、払出球検出スイッチ202の検出状況をチェックして払出球が検出されたか否かを判定し、払出球が検出された場合には、未精算球カウンタの値を1減算し(ステップS312)、再びステップS310の処理に戻る。また、ステップS313においては、払出通信エラー判定時間が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定し(ステップS313)、払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了が確認できない場合には、前述した払出通信エラーを示すエラーコードを設定し(ステップS314)、再びステップS310の処理に戻る。これに伴い前述のように払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS311において、動作中信号のoffが検出された場合、すなわち精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了を確認した場合には、払出通信エラーを示すエラーコードがセットされているか否かを判定し(ステップS315)、払出通信エラーを示すエラーコードがセットされていない場合には、未精算球カウンタの値が残存するか否かに関わらず未精算球カウンタの値をクリアした後(ステップS317)、精算要求信号をoffにして(ステップS318)、精算要求処理を終了し、図17のフローチャートに復帰する。また、ステップS315において、払出通信エラーを示すエラーコードがセットされている場合には、当該エラーコードをクリアする(ステップS316)。すなわち精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過してエラー状態に制御されている場合でも、精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了を確認した場合には、当該エラー状態が自動的に解除されるようになっている。これに伴い遊技補助表示器12に表示されたエラーコードの表示も解除される。そして、未精算球カウンタの値が残存するか否かに関わらず未精算球カウンタの値をクリアした後(ステップS317)、精算要求信号をoffにして(ステップS318)、精算要求処理を終了し、図17のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS116の取込制御処理について詳しく説明する。図19は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS116において実行する取込制御処理を詳細に示すフローチャートである。
取込制御処理では、まず、残存球報知LED114が点灯中であるか否か、すなわち、精算スイッチ10の操作を促す報知が行われているか否かを判定し(ステップS401)、残存球報知LED114が点灯中である場合には、この時点で遊技者はゲームを行う意志があり、精算スイッチ10の操作を促す報知は不要であるとして、残存球報知LED114を消灯する(ステップS402)。残存球報知LED14が消灯中であれば、何もせずに消灯状態を維持する。
そして、RAM41cに設定されたリトライカウンタ(取込動作の再試行回数を記憶するカウンタ)に3を設定し(ステップS403)、取込球カウンタの値に応じた取込モータ101の回転駆動量、すなわち取込球カウンタに設定された値の球数を取り込むのに必要な回転駆動量を設定する(ステップS404)。尚、この状態では、振分ソレノイド102はoffの状態であり、流路切替弁107による流路方向は取込球誘導通路108側を向いている状態である。
そして、流路切替弁107による実際の流路方向が取込球誘導通路108側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がoffの状態か否かを判定し(ステップS405)、流路切替弁107による実際の流路方向が取込球誘導通路108側であれば、取込モータ101の設定をonにして取込動作を開始する(ステップS406)。すなわち流路切替弁107の流路方向を検出する流路検出スイッチ115の検出状態に基づき、実際の流路方向が取込球誘導通路108側を向いていることを条件に取込モータ101の駆動を開始する。
取込モータ101の駆動中においては、流路切替弁107による実際の流路方向が取込球誘導通路108側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がoffの状態か否かを判定し(ステップS407)、流路方向が取込球誘導通路108側であれば、第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105の検出状況をチェックし、取込球が検出されたか否かを判定する(ステップS408)。
ステップS408において取込球を検出した場合には、取込球カウンタの値を1減算するとともに、未使用球カウンタの値を1加算する(ステップS409)。この際、取込済球/払出済球表示器11に表示されている取込済球数も1加算する。そして、未使用球カウンタの値が5、すなわち賭数を1設定するのに必要な球数に到達したか否かを判定し(ステップS410)、未使用球カウンタの値が5未満であればステップS407の処理に戻る。また、ステップS410において未使用球カウンタの値が5であれば、BETカウンタの値を1加算するとともに、未使用球カウンタの値をクリアして(ステップS411)、ステップS407の処理に戻る。
また、ステップS408において取込球を検出していなければ、取込モータ101がonの状態か否か、すなわち取込モータ101が未だ駆動中か否かを判定し(ステップS412)、取込モータ101がonであれば、回転駆動量分、すなわち取込球カウンタの値分の回転が終了したか否かを判定し(ステップS413)、回転駆動量分の回転が終了していなければ、ステップS407の処理に戻り、回転駆動量分の回転が終了していれば、取込モータ101の設定をoffにして(ステップS414)、ステップS407の処理に戻る。
また、ステップS412において取込モータ101がonでなければ、取込モータ101がoffとなってから、取込モータ101の回転により取り込まれたパチンコ球が第2取込球検出スイッチ105にて検出されるまでに要する時間である検出待ち時間が経過したか否かを判定し(ステップS415)、検出待ち時間が経過していなければ、ステップS407の処理に戻る。
また、ステップS415において検出待ち時間が経過していれば、取込球カウンタの値が0か否か、すなわち1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作により要求された球数が全て取り込まれたか否かを判定し(ステップS416)、取込球カウンタの値が0でなければ、すなわち1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作により要求された球数が全て取り込まれていなければ、リトライカウンタの値が0か否か、すなわち不足分のパチンコ球を取り込むための取込動作が再試行回数にわたり行われたか否かを判定し(ステップS417)、リトライカウンタの値が0でなければ、リトライカウンタの値を1減算して(ステップS418)、ステップS404の処理に戻る。
また、ステップS416において取込球カウンタの値が0であれば、リトライカウンタの値をクリアして(ステップS419)、取込制御処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。また、ステップS417においてリトライカウンタの値が0であれば、取込球カウンタの値をクリアして(ステップS420)、取込制御処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
また、ステップS405またはステップS407において流路方向が取込球誘導通路108側ではない場合、すなわち振分ソレノイド102がoffの状態であり、流路方向が取込球誘導通路108側であるにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が返却球誘導通路109側を向いている場合、または取込モータ101の駆動中に、振分ソレノイド102がoffの状態であり、流路方向が取込球誘導通路108側であるにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が返却球誘導通路109側を向いている場合には、取込モータ101の設定をoffとし(ステップS421)、リトライカウンタ及び取込球カウンタの値をクリアした後(ステップS422)、流路方向の異常を示す流路方向異常エラーを示すエラーコードをセットし(ステップS423)、所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS424)。エラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、取込制御処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
以上のようにBET処理では、精算スイッチ10の操作が有効に検出されると、精算制御処理に移行し、既に1以上の賭数が設定されている場合または未使用球カウンタの値が0でない場合、すなわち取込済球が残存する場合には、精算要求を行い、これに基づき取込済球を遊技者に返却させる精算要求処理を行った後、精算制御処理を終了する。これに対して、賭数が設定されておらず、未使用球カウンタの値が0の場合には、取込装置100により取り込まれたパチンコ球の流路方向を返却球誘導通路109側とした状態で取込モータ101を駆動させることにより、取込装置100内のパチンコ球を返却させる制御を行った後、精算制御処理を終了する。
また、精算要求処理では、精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても、動作中信号のoffが検出されない場合、すなわち当該精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了が確認できない場合に、払出通信エラーフラグがセットされてエラー状態に制御される。そして、当該エラー状態は、動作中信号のonを検出し、精算要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了を確認した時点で、自動的に解除されるようになっている。
また、1球取込スイッチ5の操作が有効に検出されると、1を取込球カウンタに設定して取込制御処理に移行し、取込球カウンタの値分(1球分)のパチンコ球を取り込むための動作量の取込動作を、第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105による取込球の検出により減算された取込球カウンタの値が0となるか、取込動作を1回行う毎に減算されるリトライカウンタの値が0となるか、のいずれかの条件が成立するまで繰り返し行い、いずれか一方の条件が成立することで、取込制御処理が終了する。
また、MAXBETスイッチ6の操作が有効に検出されると、遊技状態に応じた規定数の賭数を設定するのに必要な球数(15球)から、使用済球数(BETカウンタの値×5)及び未使用球数(未使用球カウンタの値)を減算した球数、すなわちその時点で規定数の賭数を設定するのに必要な球数を取込球カウンタに設定して取込制御処理に移行し、取込球カウンタの値分のパチンコ球を取り込むための取込動作を、第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105による取込球の検出により減算された取込球カウンタの値が0となるか、取込動作を1回行う毎に減算されるリトライカウンタの値が0となるか、のいずれかの条件が成立するまで繰り返し行い、いずれか一方の条件が成立することで、取込制御処理が終了する。
次に、上記したステップS2の内部抽選処理について詳しく説明する。図20は、CPU41aがステップS2で実行する内部抽選処理を詳細に示すフローチャートである。内部抽選処理では、まず、詳細を後述する乱数取得処理を行う(ステップS501)。この乱数取得処理においては、乱数発生回路42が発生する乱数に基づいて、内部抽選用の乱数の値が取得されることとなる。
次に、現在の遊技状態に対応して、図11(a)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている役を順番に読み出す(ステップS502)。さらに、ステップS2で設定されたBET数を読み出し、当該役と読み出したBET数に対応する役について、図11(b)の役別テーブルに共通フラグの設定状況を取得する(ステップS503)。この結果、当該役、当該BET数について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS504)。
共通フラグが設定されていれば、当該役、当該BET数について図11(b)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS505)。そして、ステップS507の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、当該役、当該BET数について読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS506)。そして、ステップS507の処理に進む。
ステップS507では、ステップS505またはS506で取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS508)。オーバーフローが生じた場合には、当該役の当選フラグをRAM41cに設定する(ステップS509)。そして、ステップS511の処理に進む。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態について定められた役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(ステップS510)。未だ処理対象としていない役があれば、ステップS502の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、ステップS511の処理に進む。
ステップS511では、RAM41cにおける当選フラグの設定領域を参照し、各役の当選フラグが設定されているかどうかにより当選フラグの設定状況を特定可能な当選状況通知コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、内部抽選処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS501の乱数取得処理について詳しく説明する。図21は、CPU41aがステップS501で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU41aに対する割り込みを禁止する(ステップS601)。次に、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出する。乱数発生回路42から抽出された乱数の値は、汎用レジスタ41GRに格納される(ステップS602)。
次に、汎用レジスタ41GRに格納された乱数の下位バイトの値と上位バイトの値を、RAM41cの作業領域を用いて互いに入れ替える(ステップS603)。次に、汎用レジスタ41GRに格納された乱数の値を8080hと論理積演算する(ステップS604)。さらに上位バイト(第15〜第8ビット)を1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。このときに汎用レジスタ41GRに格納された値が内部抽選用の乱数として取得され、RAM41cの所定の領域に保存される(ステップS605)。そして、ステップS601で禁止した割り込みを許可してから(ステップS606)、乱数取得処理を終了して、図20のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS4のリール停止処理について詳しく説明する。図22は、CPU41aがステップS4で実行するリール停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず、リール2L、2C、2Rの回転が一定速度に達した後、リールセンサ33L、33C、33Rの全てが基準位置を検出するというリール2L、2C、2Rの停止を可能とする所定の条件が成立したかどうかを判定する(ステップS701)。
この所定の条件が成立していなければ、ステップS701の処理を繰り返し、この所定の条件が成立するのを待機する。この所定の条件が成立した場合には、左、中、右のストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とし、それぞれの停止有効LED22L、22C、22Rを点灯する(ステップS702)。そして、ステップS703の処理に進む。
ステップS703では、CPU41aに検出信号が入力されたかどうかにより、左のストップスイッチ8Lが操作されているかどうかを判定する。ここで、左のストップスイッチ8Lが物理的には操作されたとしても既に操作無効となっていれば、ストップスイッチ8Lは操作されていないものとみなされる。左のストップスイッチ8Lが操作されていない場合には、そのままステップS707の処理に進む。
左のストップスイッチ8Lが操作されていると判定した場合には、左のストップスイッチ8Lを以後操作無効とし、停止有効LED22Lを消灯する(ステップS704)。そして、RAM41cにおける各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者がストップスイッチ8Lを操作したタイミングで左のリール2Lについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、左のリール2Lの回転を停止させる(ステップS705)。さらに、今回停止されたリールが左のリール2Lであること、及び左のリール2Lに導出された図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS706)。そして、ステップS707の処理に進む。
ステップS707では、CPU41aに検出信号が入力されたかどうかにより、中のストップスイッチ8Cが操作されているかどうかを判定する。ここで、中のストップスイッチ8Cが物理的には操作されたとしても既に操作無効となっていれば、ストップスイッチ8Cは操作されていないものとみなされる。中のストップスイッチ8Cが操作されていない場合には、そのままステップS711の処理に進む。
中のストップスイッチ8Cが操作されていると判定した場合には、中のストップスイッチ8Cを以後操作無効とし、停止有効LED22Cを消灯する(ステップS708)。そして、RAM41cにおける各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者がストップスイッチ8Cを操作したタイミングで中のリール2Cについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、中のリール2Cの回転を停止させる(ステップS709)。さらに、今回停止されたリールが中のリール2Cであること、及び中のリール2Cに導出された図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS710)。そして、ステップS711の処理に進む。
ステップS711では、CPU41aに検出信号が入力されたかどうかにより、右のストップスイッチ8Rが操作されているかどうかを判定する。ここで、右のストップスイッチ8Rが物理的には操作されたとしても既に操作無効となっていれば、ストップスイッチ8Rは操作されていないものとみなされる。右のストップスイッチ8Rが操作されていない場合には、そのままステップS715の処理に進む。
右のストップスイッチ8Rが操作されていると判定した場合には、右のストップスイッチ8Rを以後操作無効とし、停止有効LED22Rを消灯する(ステップS712)。そして、RAM41cにおける各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者がストップスイッチ8Rを操作したタイミングで右のリール2Rについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、右のリール2Rの回転を停止させる(ステップS713)。さらに、今回停止されたリールが右のリール2Rであること、及び右のリール2Rに導出された図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS714)。そして、ステップS715の処理に進む。
ステップS715では、左、中及び右の全てのリール2L、2C、2Rが停止しているかどうかを判定する。リール2L、2C、2Rのうちで1つでも停止していないものがあれば、ステップS703の処理に戻る。リール2L、2C、2Rの全てが停止している場合には、リール停止処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS5の入賞判定処理について詳しく説明する。図23は、CPU41aがステップS5で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、何れかの入賞ライン上にビッグボーナス(1)の表示態様(赤7−白7−白7)が導出されたかどうかを判定する(ステップS801)。ビッグボーナス(1)の表示態様が導出されていれば、RAM41cにビッグボーナス中フラグ及びビッグボーナス出力禁止フラグを設定するとともに、RAM41cに設定されているビッグボーナス当選フラグを消去する。また、前述のビッグボーナス(1)のビッグボーナス終了数を825個に設定してRAM41cの所定の領域に保存する。さらに、HITランプ9を点灯する(ステップS802)。そして、ステップS817の処理に進む。
ビッグボーナス(1)の表示態様が導出されていない場合には、何れかの入賞ライン上にビッグボーナス(2)の表示態様(赤7−青7−青7)が導出されたかどうかを判定する(ステップS803)。ビッグボーナス(2)の表示態様が導出されていれば、RAM41cにビッグボーナス中フラグ及びビッグボーナス出力禁止フラグを設定するとともに、RAM41cに設定されているビッグボーナス当選フラグを消去する。また、前述のビッグボーナス(2)のビッグボーナス終了数を1725個に設定してRAM41cの所定の領域に保存する。さらに、HITランプ9を点灯する(ステップS804)。そして、ステップS817の処理に進む。
ビッグボーナス(2)の表示態様も導出されていない場合には、何れかの入賞ライン上にレギュラーボーナスの表示態様(赤7−白7−青7)が導出されたかどうかを判定する(ステップS805)。レギュラーボーナスの表示態様が導出されていれば、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグを設定するとともに、RAM41cに設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。さらに、HITランプ9を点灯する(ステップS806)。そして、ステップS817の処理に進む。
レギュラーボーナスの表示態様も導出されていない場合には、何れかの入賞ライン上にJACINの表示態様(ベル−チェリー−チェリー)が導出されたかどうかを判定する(ステップS807)。JACINの表示態様が導出されていれば、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグを設定する。この場合は、ビッグボーナス中フラグに重ねてレギュラーボーナス中フラグも設定されるものとなる(ステップS808)。そして、ステップS817の処理に進む。
JACINの表示態様も導出されていない場合には、何れかの入賞ライン上にリプレイの表示態様(赤7−JAC−チェリー)が導出されたかどうかを判定する(ステップS809)。リプレイの表示態様が導出されていれば、RAM41cにリプレイフラグを設定する(ステップS810)。このリプレイフラグは、次のゲームで賭数が自動設定されたときに、消去されるものとなる。そして、ステップS817の処理に進む。
リプレイの表示態様も導出されていない場合には、何れかの入賞ライン上にベルの表示態様(赤7−ベル−ベル)が導出されたかどうかを判定する(ステップS811)。ベルの表示態様が導出されていれば、パチンコ球の払出予定数として75を設定する(ステップS812)。そして、ステップS815の処理に進む。
ベルの表示態様も導出されていない場合には、何れかの入賞ライン上にチェリーの表示態様(チェリー−ANY−ANY)が導出されたかどうかを判定する(ステップS813)。ベルの表示態様が導出されていれば、ステップS2で設定された賭数に応じてパチンコ球の払出予定数として75(レギュラーボーナス時)または20(通常の遊技状態または小役ゲーム)を設定する(ステップS814)。そして、ステップS815の処理に進む。
ステップS815では、RAM41cにビッグボーナス出力禁止フラグが設定されているかどうかを判定する。ビッグボーナス出力禁止フラグが設定されていなければ、そのままステップS817の処理に進む。ビッグボーナス出力禁止フラグが設定されていれば、今回のビッグボーナスで最初の小役入賞ということになる。この場合には、ビッグボーナス出力禁止フラグを消去して、ビッグボーナス中フラグに基づいて外部出力基板85から外部装置にビッグボーナス中信号が出力されるようにする(ステップS816)。そして、ステップS817の処理に進む。
ステップS817では、入賞の有無及び入賞があった場合には入賞した役を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS6の賞球付与処理について詳しく説明する。図24は、CPU41aがステップS6で実行する賞球付与処理を詳細に示すフローチャートである。賞球付与処理では、まず、RAM41aに払出予定数が設定されているか否かに基づいて賞球の付与を伴う入賞が発生しているか否かを判定する(ステップS901)。賞球の付与を伴う入賞が発生していない場合には、賞球付与処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
また、賞球の付与を伴う入賞が発生している場合には、払出予定数だけの賞球数を、RAM41cに設定された未払出球カウンタ(払出要求に基づく未払出球数を記憶するカウンタ)にセットする(ステップS902)。そして、図25に示す払出要求処理に制御を移行する(ステップS903)。そして、払出要求処理から復帰すると、賞球付与処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS903の払出要求処理について詳しく説明する。図25は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS903において実行する払出要求処理を詳細に示すフローチャートである。
払出要求処理では、まず、払出制御基板接続確認信号のonが検出されているか否か、すなわち遊技制御基板40と払出制御基板60が接続されているか否かを判定する(ステップS1001)。払出制御基板接続確認信号のonが検出されていなければ、払出制御基板60と正常に接続されていない旨を示す払出制御基板接続エラーを示すエラーコードをセットし(ステップS1002)、所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS1003)。このエラー処理においてエラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、ステップS1001の処理に戻る。
また、ステップS1001において払出制御基板接続確認信号のonが検出されていれば、球数信号の値を未払出球カウンタの値に更新し(ステップS1004)、前述したエラー判定用タイマカウンタに初期値を設定し(ステップS1005)、払出要求信号をonとする(ステップS1006)。
次に、動作中信号のonが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS1007〜S1009)。より詳しく説明すると、動作中信号のonが検出されない時には、払出通信エラー判定時間(例えば5秒)が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定する(ステップS1008)。払出通信エラー判定時間を経過していなければ、そのままステップS1007の処理に戻る。払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち払出要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該払出要求に基づくパチンコ球の払出動作の開始が確認できない場合には、前述した払出通信エラーを示すエラーコードを設定し(ステップS1009)、再びステップS1007の処理に戻る。これに伴い、前述のように払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS1007において動作中信号のonが検出された場合、すなわち払出要求に基づくパチンコ球の払出動作の開始を確認した場合には、動作中信号のoffが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS1010〜S1015)。より詳しく説明すると、払出球検出スイッチ202の検出状況をチェックして払出球が検出されたか否かを判定する(ステップS1010)。払出球が検出された場合には、未払出球カウンタの値を1減算し(ステップS1012)、取込済球/払出済球表示器11に表示されている払出済球数を、(賞球数−未払出球カウンタの値)、すなわち賞球数のうちその時点で既に払い出されている払出済球数に更新し(ステップS1013)、再びステップS1010の処理に戻る。
ステップS1010において払出球が検出されなければ、動作中信号のoffが検出されたかどうかを判定する(ステップS1011)。動作中信号のoffが検出されなければ、払出通信エラー判定時間が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定する(ステップS1014)。払出通信エラー判定時間が経過していなければ、ステップS1010の処理に戻る。払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち払出要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該払出要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了が確認できない場合には、前述した払出通信エラーを示すエラーコードを設定し(ステップS1015)、再びステップS1010の処理に戻る。払出通信エラーフラグがセットされると、前述のように払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS1011において動作中信号のoffが検出された場合、すなわち払出要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了を確認した場合には、払出通信エラーフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1016)。払出通信エラーを示すエラーコードがセットされていなければ、そのままステップS1018の処理に進む。払出通信エラーを示すエラーコードがセットされている場合には、当該エラーコードをクリアして(ステップS1017)、ステップS1018の処理に進む。すなわち払出要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過してエラー状態に制御されている場合でも、払出要求に基づくパチンコ球の払出動作の終了を確認した場合には、当該エラー状態が自動的に解除されるようになっている。これに伴い遊技補助表示器12に表示されたエラーコードの表示も解除される。
ステップS1018では、未払出球カウンタの値が0か否かを判定する。未払出球カウンタの値が0であれば、そのまま払出要求信号をoffにする(ステップS1020)。そして、払出要求処理を終了して、図24のフローチャートに復帰する。また、未払出球カウンタの値が0でなければ、未払出球カウンタの値をクリアするとともに、取込済球/払出済球表示器11に表示されている払出済球数を賞球数の値に更新してから(ステップS1019)、払出要求信号をoffにする(ステップS1020)。そして、払出要求処理を終了して、図24のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS7のゲーム終了時処理について詳しく説明する。図26は、CPU41aがステップS7で実行するゲーム終了時処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)になっているかどうかを判定する(ステップS1101)。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていなければ、ステップS1105の処理に進む。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていれば、RAM41cのカウンタを用いて、当該レギュラーボーナスにおけるゲーム数と入賞数とをカウントする(ステップS1102)。
そのカウントの結果として、レギュラーボーナスの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS1103)。レギュラーボーナスの終了条件となっていれば、RAM41cのレギュラーボーナス中フラグを消去する。また、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS1104)。そして、ステップS1105の処理に進む。レギュラーボーナスの終了条件となっていない場合も、ステップS1105の処理に進む。
ステップS1105では、RAM41cにビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナスとなっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていれば、RAM41cのカウンタを用いて、当該ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数をカウントする(ステップS1106)。ここでカウントした払出パチンコ球数がRAM41cに設定されたビッグボーナス終了数を越えて、ビッグの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS1107)。
ビッグボーナスの終了条件が成立していれば、RAM41cのビッグボーナス中フラグを消去する。レギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、これも消去する。また、ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数をカウントするためのカウンタの値を初期化するビッグボーナス中のレギュラーボーナスであった場合もあるので、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS1108)。
さらに、ビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの設定状況に基づいて現在の遊技状態(次のゲームで適用される遊技状態であって、ここでは通常の遊技状態となる)を示す状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1109)。さらに、HITランプ9を消灯させる(ステップS1110)。ここで、CPU41aの内部タイマを用いてウェイト時間(前述のフリーズ状態となる期間)の計時を開始する(ステップS1111)。
ウェイト時間の計時が開始されると、精算スイッチ10の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS1112)。精算スイッチ10の操作が検出された場合には、図17に示した精算制御処理を行う(ステップS1113)。そして、ゲーム終了時処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、ステップS1114の処理に進む。ステップS1114では、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する。規定時間に達していなければ、ステップS1112の処理に戻る。規定時間に達した場合には、ステップS1124の処理に進む。
ステップS1107でビッグボーナスの終了条件が成立していなければ、ここでビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの設定状況に基づいて現在の遊技状態(次のゲームで適用される遊技状態であって、ここではビッグボーナス)を示す状態コマンドを生成する。ここで生成する状態コマンドには、当該ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数を示す情報も含まれる。そして、生成した状態コマンドを演出制御基板90に送信する(ステップS1115)。
さらに、今回のゲームで当該ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数が825個を越えたかどうかを判定する(ステップS1116)。未だ払出パチンコ球数が825個を越えていないか、前回以前のゲームで既に払出パチンコ球数が825個を越えていれば、そのままステップS1124の処理に進む。今回のゲームで払出パチンコ球数が825個を越えた場合には、HITランプ9を消灯させる(ステップS1117)。ここで、CPU41aの内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS1118)。
ウェイト時間の計時が開始されると、精算スイッチ10の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS1119)。精算スイッチ10の操作が検出された場合には、図17に示した精算制御処理を行う(ステップS1120)。そして、ゲーム終了時処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、ステップS1121の処理に進む。ステップS1121では、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する。規定時間に達していなければ、ステップS1119の処理に戻る。規定時間に達した場合には、HITランプ9を消灯させて(ステップS1122)、ステップS1124の処理に進む。
ステップS1105で現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていなければ、ここでビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの設定状況に基づいて現在の遊技状態(次のゲームで適用される遊技状態であって、ここではビッグボーナス以外の遊技状態)を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1123)。そして、ステップS1124の処理に進む。
ステップS1124では、RAM41cに小役当選フラグ、リプレイ当選フラグ、JACIN当選フラグが設定されていれば、これを消去する。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグは、当該ゲームにおいて対応する役に入賞していなければRAM41cから消去しないで、次のゲームに持ち越させる。また、ここで、1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作も有効となる。そして、ゲーム終了時処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。図15のフローチャートに復帰すると、そのまま1ゲーム分の処理が終了することとなる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のCPU41aは、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行っている。以下、演出制御基板90のCPU91aが各種の演出(特に液晶表示器51における仮想リールの表示、ビッグボーナス中における演出、フリーズ時のビッグボーナスの終了または継続の報知)を行うために実行する処理について説明する。
図27〜図29は、演出制御基板90のCPU91aが実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。演出制御基板90側では、遊技制御基板40から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1201)。遊技制御基板40からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1202)。
受信したコマンドの種類がステップS511で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、前回のゲームで受信したリール停止コマンドに基づいてRAM91cに保存した可変表示装置2における図柄の表示態様を示す情報をクリアする(ステップS1203)。さらに、受信した当選状況通知コマンドが示す当選フラグの設定状況をRAM91cの所定の領域に保存する(ステップS1204)。
次に、RAM41cにおけるビッグボーナスカウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS1205)。ビッグボーナスカウンタの値が1であれば、既にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しているが、未だビッグボーナスの表示態様が仮想リールに導出されていない。このときには、特殊態様の仮想リールを液晶表示器51に表示させて、仮想リールによる図柄の変動表示を開始させる(ステップS1206)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
ビッグボーナスカウンタの値が1でなければ、ビッグボーナスカウンタの値が2以上6以下であるかどうか、すなわちビッグボーナスで小役入賞したゲーム数が1ゲーム以上5ゲーム以下であるかどうかを判定する(ステップS1207)。ビッグボーナスカウンタの値が2以上6以下であれば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時にRAM91cに保存した規定数に応じてカードバトルの結果を決定して、RAM91cの所定の領域に保存しておく(ステップS1208)。その後、3枚のカードの裏面を液晶表示器51に表示させて、カードバトルを開始させる(ステップS1209)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
ビッグボーナスカウンタの値が2以上6以下でもなければ、ビッグボーナスカウンタの値が7以上であるかどうか、すなわちビッグボーナスで小役入賞したゲーム数が7ゲーム以上かどうかを判定する(ステップS1210)。ビッグボーナスカウンタの値が7以上であれば、RAM91cの復活カウンタの値が0より大きいかどうか、すなわちビッグボーナスの終了が報知されているが、上限数が1800個で実際にはビッグボーナスが終了していないかどうかを判定する(ステップS1211)。復活カウンタの値が0より大きければ、ステップS1213の処理に進み、復活カウンタの値が0であれば、ステップS1214の処理に進む。
ビッグボーナスカウンタの値が7以上でなければ、ビッグボーナスカウンタの値は0であるということになる。この場合には、RAM91cの転落カウンタの値が0より大きいかどうか、すなわちビッグボーナスの継続が報知されているが、上限数が900個で実際にはビッグボーナスが終了しているかどうかを判定する(ステップS1212)。転落カウンタの値が0より大きければ、ステップS1214の処理に進み、転落カウンタの値が0であれば、ステップS1213の処理に進む。
ステップS1213では、通常態様の仮想リールを液晶表示器51に表示させて、仮想リールによる図柄の変動表示を開始させる。そして、ステップS1201の処理に戻る。ステップS1214では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時にRAM91cに保存した規定数に応じて、キャラクタバトルの結果を決定して、RAM91cの所定の領域に保存しておく。その後、遊技者サイドのキャラクタともう1体のキャラクタを液晶表示器51に表示させて、キャラクタバトルを開始させる(ステップS1215)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS706、S710またはS714で送信されたリール停止コマンドであった場合には、当該リール停止コマンドが示すリール2L、2C、2Rに導出された図柄を示す情報をRAM91cの所定の領域に保存する(ステップS1216)。
次に、RAM91cにおけるビッグボーナスカウンタの値が1であるかどうか、すなわちビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に既に入賞しているが、未だビッグボーナスの表示態様が仮想リールに導出されていないかどうかを判定する(ステップS1217)。ビッグボーナスカウンタの値が1であれば、ステップS1204で保存した当選状況を参照して、ベルまたはチェリーの小役に当選しているかどうかを判定する(ステップS1218)。
ベルまたはチェリーの小役に当選していれば、液晶表示器51には仮想リールが通常態様で表示されており、停止されたリール2L、2C、2Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させて、ここにビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)に共通した表示態様(7−7−7)を導出させる(ステップS1219)。そして、ステップS1201の処理に戻る。ベル及びチェリーのいずれにも当選していなければ、停止されたリール2L、2C、2Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させて、ハズレの表示態様を導出させる(ステップS1220)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
ビッグボーナスカウンタの値が1でない場合には、RAM91cにカードバトルの結果の決定が保存されているかどうかにより、カードバトルの実行中であるかどうかを判定する(ステップS1221)。カードバトルの実行中であれば、リール2L、2C、2Rが停止された数に応じて液晶表示器51に表示されたカードを順次表面に更新し、ステップS1208で決定したカードバトルの経過及び結果を液晶表示器51に表示させる(ステップS1222)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
カードバトルの実行中でなければ、RAM91cにキャラクタバトルの結果の決定が保存されているかどうかにより、キャラクタバトルの実行中であるかどうかを判定する(ステップS1223)。キャラクタバトルの実行中であれば、RAM91cに保存した停止状況を示す情報に基づいて、リール2L、2C、2Rの全てが停止したかどうかを判定する(ステップS1224)。リール2L、2C、2Rのうちで停止していないものがあれば、そのままステップS1201の処理に戻る。リール2L、2C、2Rの全てが停止した場合には、ステップS1214で決定したキャラクタバトルの結果を液晶表示器51に表示させる(ステップS1225)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
キャラクタバトルの実行中でもなければ、液晶表示器51には仮想リールが表示されている。ここでは、RAM91cに保存した当選フラグの設定状況を示す情報とリール2L、2C、2Rの停止状況を示す情報とを参照して、停止されたリール2L、2C、2Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させ、可変表示装置2に導出された図柄に対応した図柄を仮想リールに導出させる。もっとも、入賞の表示態様を仮想リールに導出させるのは、ベル、チェリーまたはリプレイに入賞する場合だけであり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはJACINに入賞しても、仮想リールにはハズレのときと同じ表示態様を導出させる(ステップS1226)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS817で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドがビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS1227)。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示していれば、入賞した種類に対応したビッグボーナス終了数を規定数としてRAM91cの所定の領域に保存する(ステップS1228)。ビッグボーナス中の払出パチンコ球数をカウントするカウンタの値も0にクリアする(ステップS1229)。さらに、RAM91cのビッグボーナスカウンタの値として1をセットする(ステップS1230)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信した入賞情報コマンドがビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)の何れの入賞も示していなければ。前回のゲームのステップS1235でRAM91cに保存した遊技状態に基づいて、今回のゲームの遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS1231)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS1201の処理に戻る。遊技状態がビッグボーナスにあれば、当該入賞情報コマンドがベルまたはチェリーの入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS1232)。ベル及びチェリーの何れにも入賞していなければ、そのままステップS1201の処理に戻る。
ベルまたはチェリーに入賞していれば、RAM91cに設けられたカウンタを用いて、入賞した役の種類に応じてビッグボーナス中の払出パチンコ球数をカウントする(ステップS1233)。また、ビッグボーナス中の小役入賞回数をカウントするためにも用いられるビッグボーナスカウンタの値を1だけ加算する(ステップS1234)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1109、S1115またはS1123で送信された状態コマンドであった場合には、前回のゲームで受信した状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を示す情報を前回の遊技状態の保存領域に移し、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームの遊技状態)を示す情報をRAM91cの今回の遊技状態の保存領域に上書きして保存する(ステップS1235)。
次に、RAM91cの転落カウンタの値が0よりも大きいかどうかを判定する(ステップS1236)。転落カウンタの値が0よりも大きければ、転落カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1237)。この減算の結果、転落カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS1238)。転落カウンタの値が0となっていなければ、そのままステップS1201の処理に戻る。転落カウンタの値が0となれば、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスからの転落を報知する(ステップS1239)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
転落カウンタの値が0であれば、RAM91cの復活カウンタの値が0よりも大きいかどうかを判定する(ステップS1240)。復活カウンタの値が0よりも大きければ、復活カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1241)。この減算の結果、復活カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS1242)。復活カウンタの値が0となっていなければ、そのままステップS1201の処理に戻る。復活カウンタの値が0となれば、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスの復活を報知する(ステップS1243)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
また、復活カウンタの値も0であれば、払出パチンコ球数が1725個を越えたことによりビッグボーナスが終了となったかどうかを判定する。ここでのビッグボーナスの終了は、前回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで826個以上のパチンコ球の払い出しを示しており、今回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスでないことを示していることで判断できる(ステップS1244)。
払出パチンコ球数が1725個を越えたことによりビッグボーナスが終了となった場合には、まず、RAM91cのビッグボーナスカウンタの値を0に初期化する(ステップS1245)。また、遊技制御基板40の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器51の画像の表示、スピーカ53、54からの音声の出力、演出効果LED52等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板90の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS1246)。
次に、CPU91aの内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS1247)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS1248)。規定時間に達していなければ、ステップS1248の処理を繰り返す。規定時間に達していれば、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS1249)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
払出パチンコ球数が1725個を越えたことによりビッグボーナスが終了となったのでなければ、払出パチンコ球数が825個を越えたことによりビッグボーナスが終了となったかどうかを判定する。ここでのビッグボーナスの終了は、前回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで1以上825個以下のパチンコ球の払い出しを示しており、今回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスでないことを示していることで判断できる(ステップS1250)。
払出パチンコ球数が825個を越えたことによりビッグボーナスが終了となった場合には、まず、RAM91cのビッグボーナスカウンタの値を0に初期化する(ステップS1251)。また、遊技制御基板40の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器51の画像の表示、スピーカ53、54からの音声の出力、演出効果LED52等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板90の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS1252)。
次に、CPU91aの内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS1253)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS1254)。規定時間に達していなければ、ステップS1254の処理を繰り返す。
規定時間に達していれば、ソフトウェア乱数機能により抽出した乱数の値に基づいて、実際にはビッグボーナスが終了していても、一旦はビッグボーナスの継続を報知する継続報知を行うかどうかを抽選する(ステップS1255)。この継続報知抽選に当選する確率は、例えば10分の1程度と比較的低い値になっている。ここで、継続報知抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS1256)。
継続報知抽選にハズレた場合には、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS1257)。そして、ステップS1201の処理に戻る。継続報知抽選に当選した場合には、RAM91cの転落カウンタに初期値として3をセットする(ステップS1258)。さらに、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスの継続を報知する(ステップS1259)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
払出パチンコ球数が825個を越えたことによりビッグボーナスが終了となったのでなければ、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが継続するかどうかを判定する。ここでのビッグボーナスの継続は、前回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで1以上825個以下のパチンコ球の払い出しを示しており、今回の遊技状態の保存領域に保存した情報がビッグボーナスで826個以上のパチンコ球の払い出しを示していることで判断できる(ステップS1260)。
払出パチンコ球数が825個を越えたことによりビッグボーナスが終了となった場合には、遊技制御基板40の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器51の画像の表示、スピーカ53、54からの音声の出力、演出効果LED52等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板90の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS1261)。
次に、CPU91aの内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS1262)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS1263)。規定時間に達していなければ、ステップS1263の処理を繰り返す。
規定時間に達していれば、ソフトウェア乱数機能により抽出した乱数の値に基づいて、実際にはビッグボーナスが継続していても、一旦はビッグボーナスの終了を報知する終了報知を行うかどうかを抽選する(ステップS1264)。この終了報知抽選に当選する確率も、継続報知抽選の当選確率と同様の比較的低い値になっている。ここで、終了報知抽選に当選したかどうかを判定する(ステップS1265)。
終了報知抽選にハズレた場合には、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスの継続を報知する(ステップS1266)。そして、ステップS1201の処理に戻る。終了報知抽選に当選した場合には、RAM91cの復活カウンタに初期値として3をセットする(ステップS1267)。さらに、液晶表示器51に表示する画像及びスピーカ53、54から出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS1268)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS1269)。その後、ステップS1201の処理に戻る。
なお、ステップS1248、S1254、S1263における規定時間(演出側規定時間)は、図26のステップS1114、S1121における規定時間(遊技側規定時間)より短い時間に設定されている。演出側規定時間が遊技側規定時間よりも短く設定されていることから、フリーズ状態にある間に、ビッグボーナスの終了または継続が遊技者に報知されるものとなる。
以下、液晶表示器51において行われる各種の演出について、具体例に基づいて説明する。図30は、ビッグボーナス(1)の当選、入賞に絡む演出の実行例を示すタイミングチャートである。ここで、図30(a)は、可変表示装置2の表示結果を、図30(b)は、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが終了したときに、そのままビッグボーナスの終了が報知される場合における液晶表示器51における演出の例を、図30(c)は、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが終了しているのに、ビッグボーナスの継続が報知される場合における液晶表示器51における演出の例を示している。
払出パチンコ球数が825個を越える(ここでは、第20ゲーム)までは、ビッグボーナスの終了を報知するか継続を報知するかの区別はないので、同じ説明を行うものとする。第1ゲームにおいては、ビッグボーナス(1)に当選しているものの、未だビッグボーナス(1)に入賞していない。この場合には、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。第1ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がハズレであったものとすると、液晶表示器51の仮想リールにもハズレの表示態様が導出される。
ビッグボーナス(1)に当選しているので、第2ゲームからは遊技状態がRTに制御されるが、ここでも未だ、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。第2、第3ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がリプレイであったものとすると、液晶表示器51の仮想リールにもリプレイの表示態様が導出される。次に、第4ゲームにおける可変表示装置2の表示態様がビッグボーナス(2)であったものとする。しかし、ここでは、液晶表示器51の仮想リールには、ハズレの表示態様が導出されて、ビッグボーナスの表示態様は未だ導出されない。
第5ゲームにおいては、仮想リールにはビッグボーナスの表示態様は未だ導出されていないが、可変表示装置2にビッグボーナス(1)が導出されているので、特殊態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。第5ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がハズレであったものとすると、液晶表示器51の仮想リールにもハズレの表示態様が導出される。第6ゲームにおける可変表示装置2の表示結果がベルまたはチェリーの小役であったものとすると、このビッグボーナスにおける最初の小役入賞ということなので、液晶表示器51の仮想リールに、小役の表示態様ではなく、ビッグボーナスの表示態様が導出される。
1回目の小役入賞を果たした後の第7ゲームからは、ゲーム毎にカードバトルが液晶表示器51において行われる。第13ゲームにおいて5回目の小役入賞を果たしたものとすると、第14ゲームからは、ゲーム毎にキャラクタバトルがカードゲームに代わって液晶表示器51において行われる。このキャラクタバトルは、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが終了することとなる第20ゲームまで、毎ゲーム行われるものとなる。
第20ゲームにおいて払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが終了すると、遊技制御基板40の側ではフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、継続報知抽選が行われる。継続報知抽選にハズレたものとすると、図30(b)に示すように、ビッグボーナスの終了が液晶表示器51において報知される。その後の第21ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
一方、第20ゲームにおいて継続報知抽選に当選したものとすると、図30(c)に示すように、ビッグボーナスの継続が液晶表示器51において報知される。ここで、転落カウンタの初期値として3がセットされるので、転落カウンタの値が0より大きくなっている第21ゲーム〜第23ゲームでは、ゲーム毎にキャラクタバトルが液晶表示器51において行われる。そして、転落カウンタの値が0となる第23ゲームの終了時に、ビッグボーナスの終了が改めて報知される。その後の第24ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
図31は、ビッグボーナス(2)の当選、入賞に絡む演出の実行例を示すタイミングチャートである。ここで、図31(a)は、可変表示装置2の表示結果を、図31(b)は、払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続するときに、そのままビッグボーナスの継続が報知される場合における液晶表示器51における演出の例を、図31(c)は、払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続するのに、ビッグボーナスの終了が報知される場合における液晶表示器51における演出の例を示している。
図31の例において、第1ゲームで当選し、第4ゲームで入賞するのがビッグボーナス(1)ではなくビッグボーナス(2)である点を除いては、図30の例と同じであるものとする。液晶表示器51における演出も全く同じものとなる。払出パチンコ球数が825個を越えた第20ゲームにおいて、図31の例ではビッグボーナスが終了せずに、払出パチンコ球数が1725個を越えるまでビッグボーナスが継続するものとなる。
第20ゲームにおいて払出パチンコ球数が825個を越えると、ビッグボーナスが継続するものであっても、遊技制御基板40の側ではフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、終了報知抽選が行われる。終了報知抽選にハズレたものとすると、図31(b)に示すように、ビッグボーナスの継続が液晶表示器51において報知される。その後の第21ゲームからは、払出パチンコ球数が1725個を越える第35ゲームまで、再びゲーム毎にキャラクタバトルが液晶表示器51において行われるものとなる。
第35ゲームにおいて払出パチンコ球数が1725個を越えてビッグボーナスが終了すると、遊技制御基板40の側では再びフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、ビッグボーナスの終了が液晶表示器51において報知される。その後の第36ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
一方、第20ゲームにおいて終了報知抽選に当選したものとすると、図31(c)に示すように、ビッグボーナスの終了が液晶表示器51において報知される。ここで、復活カウンタの初期値として3がセットされるので、復活カウンタの値が0より大きくなっている第21ゲーム〜第23ゲームでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。そして、復活カウンタの値が0となる第23ゲームの終了時に、ビッグボーナスの継続が改めて報知される。
その後の第24ゲームからは、払出パチンコ球数が1725個を越える第35ゲームまで、再びゲーム毎にキャラクタバトルが液晶表示器51において行われるものとなる。第35ゲームにおいて払出パチンコ球数が1725個を越えてビッグボーナスが終了すると、遊技制御基板40の側では再びフリーズ状態に制御される。このフリーズ状態の終了前において、ビッグボーナスの終了が液晶表示器51において報知される。その後の第36ゲームからは、次にビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでは、通常態様の仮想リールが液晶表示器51に表示されて、演出用の図柄が変動表示されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)という2種類のビッグボーナスがあり、それぞれ払出パチンコ球数が825個、1725個を越えたゲームで終了するものとなる。ここで、ビッグボーナス中の払出パチンコ球数が825個を越えるまでは、825個を越えた時点でビッグボーナスが終了するかどうかは分からない。
ここで、ビッグボーナスが終了したときには、一定期間だけフリーズ状態に制御されるものとなっているが、払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続する場合も、ビッグボーナスの終了時と同様にフリーズ状態に制御されるものとなっている。このため、払出パチンコ球数が825個を越えてフリーズ状態に制御されたときにおいても、未だビッグボーナスが継続することを遊技者に期待させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、フリーズ状態に制御されている間は、ビッグボーナスが継続する場合であってもHITランプ9を消灯するものとしているため、HITランプ9によってビッグボーナスが終了したか継続するかが遊技者に分かってしまうことがなく、遊技者の期待感の継続を図ることができる。
ここで、フリーズ状態に制御された後、当該フリーズ状態が終了する前に、ビッグボーナスが終了したか継続するかが報知されるものとなっている。ここで、払出パチンコ球数が1725個を越えてビッグボーナスが終了するときには、ビッグボーナスが終了することだけが報知されるので、ビッグボーナスの終了を確実に遊技者に示すことができる。払出パチンコ球数が825個を越えたときのフリーズ状態では、多くの場合において実際にビッグボーナスが終了したか継続するかに応じて報知がされるので、遊技者にビッグボーナスの終了または継続を示すことができるものとなっている。
もっとも、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが終了した場合であっても、一定の確率でビッグボーナスが継続する旨が報知される。払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続する場合であっても、一定の確率でビッグボーナスが終了する旨が報知される。このように払出パチンコ球数が825個を越えたときにビッグボーナスの終了または継続が報知されても、実際にビッグボーナスが終了したか継続するかは完全には分からないので、その後も遊技者に緊張感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、払出パチンコ球数が825個を越えたときに、実際にビッグボーナスが終了したのか継続するのかとは異なる報知が行われたとしても、当該報知が行われた3ゲーム後においてビッグボーナスが終了したのか継続するのかが正しく報知されるものとなるので、遊技者に不信感を与えることもない。
また、ビッグボーナスにおいて小役入賞した回数が5回に達していなければ、払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続される可能性を示すカードバトルが行われる。また、ビッグボーナスにおいて小役入賞した回数が6回に達した後で10回に達するまでは、液晶表示器51においてキャラクタバトルが行われる。これらのカードバトルやキャラクタバトルによって、払出パチンコ球数が825個を越えた後もビッグボーナスが継続することに対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
カードバトル及びキャラクタバトルは、払出パチンコ球数が825個を越えたときにビッグボーナスが終了するか継続するかによって、異なる結果が決定されるようになっている。特にカードバトル及びキャラクタバトルの結果が遊技者にとって好ましいものであれば、払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続することに対する遊技者の期待感を大きくすることができる。一方、カードバトル及びキャラクタバトルの結果が遊技者にとって好ましいものではなくても、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが継続することもあるので、遊技者の期待感を減退させることはない。
また、ビッグボーナスにおいて小役入賞した回数に応じて、カードバトルとキャラクタバトルという内容の異なる演出を行うものとすることで、演出の態様が豊富になり、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出の内容の変化によって、ビッグボーナスの進行状況が遊技者に分かりやすくなる。さらに、キャラクタバトルは、払出パチンコ球数によっても結果に変化が生じるので、その結果の違いによっても払出パチンコ球数が825個を越えてもビッグボーナスが継続することに対する遊技者の期待感を高めさせることができる。
また、ビッグボーナスの終了条件となる払出パチンコ球数は、当該ビッグボーナスに移行させる契機となった入賞がビッグボーナス(1)であるかビッグボーナス(2)であるかにより定まることとなる。ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)のいずれが入賞するかは、内部抽選の際に決められることとなる。このため、ビッグボーナスの終了条件となる払出パチンコ球数を決めるための処理を、入賞時において改めて行う必要がなく、処理負荷を小さくすることができる。
また、スロットマシン1における各ゲームの結果は、リール2L、2C、2Rから構成される可変表示装置2に導出された表示態様によって示されるものであるが、ビッグボーナス以外の遊技状態にあるとき、或いはビッグボーナスでも最初の小役入賞までは、液晶表示器51に表示される仮想リールによっても示される。液晶表示器51は、可変表示装置2よりも大きく、遊技者の目線の高さに近くて視認しやすいものであり、仮想リールの表示によって可変表示装置2を見なくてもゲームを進められるようになる。
ここで、可変表示装置2を構成するリール2L、2C、2Rの停止には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止しなければならないという制約が課されているが、液晶表示器51に表示される仮想リールの停止に対しては、このような制約が課されていない。このため、液晶表示器51の仮想リールを停止させるときには、可変表示装置2のリール2L、2C、2Rを停止させるときには不可能な多様な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、液晶表示器51の仮想リールに入賞の表示態様が導出されるのは、ベル、チェリーまたはリプレイに入賞したときだけであり、ビッグボーナス(1)やビッグボーナス(2)に入賞してもハズレの表示態様しか仮想リールには導出されない。ビッグボーナス(1)やビッグボーナス(2)の入賞ではパチンコ球の払い出しはないため、遊技者が液晶表示器51の仮想リールだけを見て遊技を行っていた場合には、遊技状態がビッグボーナスに制御されていることを遊技者に察知されないようにすることができる。
そして、遊技状態がビッグボーナスに制御された後に最初に小役に入賞するときに、液晶表示器51の仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させるものとしている。このように最初の入賞を契機としてビッグボーナスの表示態様を導出させることで、ビッグボーナスの利益を得ることを遊技者に効果的に示すことができるようになる。また、最初の小役入賞を契機としてビッグボーナスの表示態様を導出させることで、パチンコ球の払い出しと連動してビッグボーナスの利益を得ることを遊技者に効果的に示すことができるようになる。
仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させる契機となる小役の入賞は、ベルであるかチェリーであるかに関わらず、内部抽選の結果として当選さえしていればストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに必ず導出できるものとなっている。このため、当選状況を判断した時点で仮想リールに導出させるべき図柄を決めておくことができ、可変表示装置2のリール2L、2C、2Rが停止する度に仮想リールに導出させるべき図柄を判断する必要がないので、仮想リールへの図柄の導出の制御を容易に行えるようになる。
また、仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させる場合以外でカードバトルもキャラクタバトルも行われないときには、可変表示装置2の表示結果に対応した表示態様が仮想リールに導出されるものとなる。ここで、取りこぼしのあるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスについては、可変表示装置2の表示結果として導出されたときであっても仮想リールにはハズレの表示態様を導出させればよい。取りこぼしのないベル、チェリー、リプレイだけが入賞の種類に応じた表示態様として仮想リールに導出されるので、当選状況を判断した時点で仮想リールに導出させるべき図柄を決めておくことができ、可変表示装置2のリール2L、2C、2Rが停止する度に仮想リールに導出させるべき図柄を判断する必要がないので、仮想リールへの図柄の導出の制御を容易に行えるようになる。
また、ビッグボーナス(1)に入賞してビッグボーナスに制御された場合でもビッグボーナス(2)に入賞してビッグボーナスに制御された場合でも、液晶表示器51の仮想リールに導出されるビッグボーナスの表示態様は同じものとなっている。このため、液晶表示器51の仮想リールに導出された表示結果からは、825個を越えて終了するビッグボーナスであるか、1725個を越えて終了するビッグボーナスであるかを遊技者に察知されないようにすることができる。
もっとも、825個を越えて終了するビッグボーナスであるか、1725個を越えて終了するビッグボーナスであるかは、ビッグボーナス(1)に入賞したかビッグボーナス(2)に入賞したかで自動的に決まるので、可変表示装置2の表示結果を見れば、いずれであるかが遊技者に分かってしまうこととなる。しかし、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の入賞の前提となるビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときには、遊技状態がRTに制御されてリプレイ当選確率が高くなり、遊技者が目押しをしなくても、ほとんどのゲームで取りこぼしのないリプレイ、ベル、チェリーに入賞することとなる。
目押しもせずにゲームを進行できるものとなると、遊技者が可変表示装置2を見ないでゲームを行えるものとなる。ビッグボーナス(1)または(2)に入賞しても、パチンコ球の払い出しもないので、遊技者に入賞を気付かせない。このため、可変表示装置2の表示結果でビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を可能な限り察知させずに、825個を越えて終了するビッグボーナスであるか、1725個を越えて終了するビッグボーナスであるかを可能な限り遊技者に察知されないようにすることができる。
また、ビッグボーナスで最初の小役入賞があった後、カードバトルやキャラクタバトルが行われる場合を除いて、液晶表示器51には仮想リールが表示され、演出用の図柄が変動表示されるものとなっている。ここで、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときは、最初の小役入賞でビッグボーナスの表示態様が導出される前であっても、仮想リールが特殊態様のものに変えられる。このように液晶表示器51に表示する仮想リールの態様の違いによって、ビッグボーナスへの遊技者の期待感を高めさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると、RAM41cにビッグボーナス中フラグが設定されて、遊技状態がビッグボーナスに制御されるものとなる。ビッグボーナス中では、外部出力基板85からビッグボーナス中信号が出力されるものとなる。従って、外部出力されたビッグボーナス中信号による遊技島のランプの点灯等のスロットマシン1の外部にある演出装置による演出があれば、遊技者は、ビッグボーナス中であることが分かることになる。
もっとも、ビッグボーナス中信号は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞して直ぐに出力開始されるのではなく、ビッグボーナス中の最初の小役入賞で仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されたときに初めて、出力開始されるものとなっている。このため、外部出力基板85から出力されたビッグボーナス中信号に基づいてスロットマシン1の外部にある演出装置で演出が行われるものとなっていても、仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されるまでは、外部の演出装置による演出で遊技状態がビッグボーナスにあることを遊技者に察知されないようにすることができる。
ところで、スロットマシンの遊技性は、単にゲームを行うだけではなく、ゲームの結果により遊技者がパチンコ球を獲得していくことにあるので、入賞によってパチンコ球の払い出しを伴う小役が最も基本的な役であるということができる。このスロットマシン1において、小役の種類としては、ベル、チェリーがあるが、いずれの遊技状態においても入賞となる役の種類として定められている。このように基本となる小役を、いずれの遊技状態に制御されているときであっても入賞となる役として定めることで、遊技性が遊技者にとって分かり易いものとなる。
また、ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、パチンコ球の払い出し個数が825個または1725個を越えると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイが内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのパチンコ球を減らさないものであるがパチンコ球の払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しパチンコ球数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率よく進めることができるようになる。
また、ビッグボーナスにおいて小役ゲームからレギュラーボーナスに遊技状態を移行させるためのJACINの表示態様は、「ベル−チェリー−チェリー」の組み合わせにより構成され、他の役の表示態様として使用されていないものである。このため、可変表示装置2に導出された表示態様と入賞となる役との関係が明確になり、遊技者にとっては遊技性が分かりやすいものとなる。
リール2L、2C、2Rの回転は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されてから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止されることとなるが、この間に4コマを引き込むことができるので、停止すべき図柄は5コマの範囲から選ぶことができる。入賞ラインは、上段と下段の何れかを選択して組み合わせたものとなっているので、ベルの小役に当選しているときには、これを取りこぼすことがない。特にレギュラーボーナス中のベルは、おおよそ1/1.03という非常に高い確率で当選することとなるが、これの取りこぼしが生じ得ないので、レギュラーボーナスでは遊技者が実質的には目押しをしなくても済むようになり、簡単に遊技を進められるようになる。
上記したように遊技状態毎に内部抽選の対象となる役の種類は、遊技状態別当選役テーブルに登録されているが、各役の当選確率を定める判定値数は、役別テーブルから参照されるアドレスに格納されている。役別テーブルには、各役の入賞が発生したときのパチンコ球の払出個数も登録されている。
役別テーブルにおいて、払い出し予定数は賭数に応じて登録されており、チェリーの入賞が発生したときには、賭数に応じて払い出し予定数が設定される。ここで、レギュラーボーナスにおける賭数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭数は3で固定されている。これにより、賭数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じて適切な個数のパチンコ球を払い出すことができる。また、払い出し予定数を設定する際に遊技状態を判断する必要がないので、入賞判定処理における処理ステップが簡素化される。しかも、レギュラーボーナスに対応した賭数1の方が、賭数3のときよりもチェリーの入賞時におけるパチンコ球の払い出し個数が多いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
役別テーブルにおいて、いずれの遊技状態においても入賞となる役として定められたベル及びチェリーについては、賭数毎に判定値数の格納先アドレスが登録されており、賭数に従って判定値数が取得されることとなる(もっとも、チェリーでは、結果的に同じ判定数が取得される)。ここで、レギュラーボーナスにおける賭数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭数は3で固定されている。これにより、賭数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じた当選確率でベル及びチェリーの内部抽選を行うことができる。また、判定値数を取得する際に遊技状態を判断する必要がないので、内部抽選における処理ステップが簡素化される。しかも、レギュラーボーナスに対応した賭数1の方が、賭数3のときよりもベルの当選確率が高いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、役別テーブルに登録されている各役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、内部抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、内部抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
また、乱数取得処理によって取得される内部抽選用の乱数は、サンプリング回路43により乱数発生回路42から抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工してから使用するものとしている。乱数発生回路42は、パルス発生回路42aのパルス信号の周波数で高速に更新して乱数を発生しているが、ソフトウェアにより加工した後の内部抽選用の乱数では、その加工によって更新の周期性が失われるものとなる。
これに対して、内部抽選では各役に対応した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していくことにより行うため、図13(a)〜(c)に示したように各役を当選とする内部抽選用の乱数の値は、固まってしまうこととなる。これに対して、ソフトウェアによる加工で内部抽選用の乱数の周期性を失わせ、その値をバラつかせることによって、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
しかも、乱数発生回路42のカウンタ42b、42cの値を更新させるためにパルス発生回路42aが発生するパルス信号の周波数は、CPU41aの動作クロックの周波数よりも高く、整数倍ともなっていない。このため、乱数発生回路42が発生する乱数の更新が、CPU41aが行う処理と同期しにくくなる。しかも、パルス発生回路42aのパルス信号の周波数の方を高くすることで、乱数発生回路42が発生する乱数の更新速度を非常に速いものとすることができる。
一方、ソフトウェアによる乱数の加工は、サンプリング回路43により乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替え、第15、第7ビットをマスクした後、上位バイトをビットシフトするだけでよい。従って、16ビット(実際にはマスクされて14ビット)という比較的大きな乱数であっても、周期性を失わせるために必要な加工の処理に要する負荷がそれほど大きくならず、容易に取得することができる。このように大きな乱数が取得できることで、内部抽選における確率設定を細かく行うことができるようになる。
ところで、このスロットマシン1における各ゲームは、スタートスイッチ7の操作によりリール2L、2C、2Rを回転開始させるように制御を移したときに開始され、可変表示装置2に表示結果が導出されるか、該表示結果により小役入賞していたときにはパチンコ球の払い出しを完了したときに終了とされる。この開始から終了までのゲームが行われている期間は、賭数の設定も精算も禁止されるものとなっている。ここで、ビッグボーナスが終了したとき、または払出パチンコ球数が825個を越えたときのフリーズ状態には、1ゲームの終了と判定された後に制御されるものとなっている。
フリーズ状態は、ゲームの進行を不能とするので賭数の設定は禁止されたままであるが、賭数として取込済のパチンコ球及び上皿26に貯留されているパチンコ球の精算は、フリーズ状態に制御される前のゲームの終了と判定された段階で禁止が解除されるものとなっている。このため、フリーズ状態に制御されていて賭数の設定が禁止されていても、遊技者は、パチンコ球の精算をすることが可能になるので、可能な限り遊技者の意志を反映して、遊技者所有のパチンコ球の払い出しを受けることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、「赤7−白7−白7」のビッグボーナス(1)に入賞したときにはビッグボーナスの上限数は900個(825個を越える払い出しで終了)とし、「赤7−青7−青7」のビッグボーナス(2)に入賞したときにはビッグボーナスの上限数は1800個(1725個を越える払い出しで終了)としていた。もっとも、ビッグボーナスの上限数は、入賞したビッグボーナスの種類(図柄)とは無関係に抽選により決定するものとしてもよい。この場合、ビッグボーナスに入賞となる表示態様(ビッグボーナス当選フラグ)が1種類であっても、本発明を適用することができる(もっとも、2種類以上である場合を除外するものではない)。ビッグボーナス上限数の決定は、内部抽選においてビッグボーナスに当選したときから、可変表示装置2にビッグボーナスの表示態様が導出されたときまでの任意のタイミングで行うものとすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスの終了または継続は、フリーズ状態が開始して一定の時間(演出側規定時間)を経過した後、フリーズ状態に制御される時間(遊技側規定時間)を経過するよりも前に、報知されるものとなっていた。しかしながら、フリーズ状態が開始するのと同時に、ビッグボーナスの終了または継続を報知するものとしてもよい。この場合、ステップS1247及びS1248、S1253及びS1254、S1262及びS1263の処理は不要となる。また、フリーズ状態が終了したタイミングで、ビッグボーナスの終了または継続を報知するものとしてもよい。この場合、ステップS1248、S1254、S1263における規定時間(演出側規定時間)を、ステップS1114、S1121における規定時間(遊技側規定時間)を同じ時間に設定すればよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに、HITランプ9を点灯するものとしていた。また、ビッグボーナスが終了すれば、HITランプ9を消灯するものとしていたが、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが継続する場合には、フリーズ状態にある間だけHITランプ9を消灯していたが、フリーズ状態が終了すればHITランプ9を再び点灯するものとしていた。
もっとも、HITランプ9を点灯するタイミングは、ビッグボーナス中信号を外部に出力するタイミング、すなわちビッグボーナスの表示態様が液晶表示器51の仮想リールに導出されるタイミングである、ビッグボーナス後に最初に小役入賞したときとしてもよい。払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが継続する場合にHITランプ9を消灯したときは、そのままビッグボーナスが終了するまでHITランプ9を再点灯しないものとしてもよい。或いは、HITランプ9を消灯してから3ゲームを消化した後に、HITランプ9を再点灯するものとしてもよい。
このような制御により、液晶表示器51の仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されていないのに、HITランプ9によって遊技状態がビッグボーナスに移行されていることが遊技者に察知されないようにすることができる。また、ビッグボーナスが終了したものと報知したのに、HITランプ9によって実際にはビッグボーナスが継続されていることが遊技者に察知されないようにすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しても、これに基づくビッグボーナスにおける最初の小役入賞で液晶表示器51の仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されるまではビッグボーナス中信号を出力しないようにしていたが、一旦ビッグボーナス中信号が出力されると、その出力は当該ビッグボーナスが終了するまで継続するものとなっていた。
もっとも、HITランプ9を消灯するのと同様に、フリーズ状態に制御されている間もビッグボーナス中信号の出力を停止するようにしてもよい。さらに、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが継続する場合にビッグボーナス中信号の出力を停止した場合には、そのままビッグボーナスが終了するまでビッグボーナス中信号を再度出力しないものとしてもよい。或いは、HITランプ9を消灯してから3ゲームを消化した後に、ビッグボーナス中信号を再度出力するものとしてもよい。これにより、ビッグボーナスが終了したものと報知したのに、ビッグボーナス中信号に基づく演出によって実際にはビッグボーナスが継続されていることが遊技者に察知されないようにすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しても、これに基づくビッグボーナスにおける最初の小役入賞で液晶表示器51の仮想リールにビッグボーナスの表示態様が導出されるまではビッグボーナス中信号を出力しないようにしていたが、これでは、スロットマシン1の遊技状態を外部から正確に監視できなくなってしまう。そこで、2種類のビッグボーナス中信号を外部出力基板85から外部に出力するものとしてもよい。
1種類は、上記の実施の形態と同じビッグボーナス中信号、或いは上記した変形例に示したビッグボーナス中信号である。他の1種類は、ビッグボーナス中フラグが設定されているときに常時出力され、遊技状態がビッグボーナスであるかどうかをそのまま示すビッグボーナス中信号である。他の1種類は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞してから、上記の実施の形態と同じビッグボーナス中信号、或いは上記した変形例に示したビッグボーナス中信号が出力開始されるまでの間で出力されるものとしてもよい。このように2種類のビッグボーナス中信号を出力するものとすることで、遊技状態がビッグボーナスとなっていることを察知されないように演出を行うことができる一方、遊技状態がビッグボーナスであるかどうかについての情報を外部のコンピュータ装置で正確に収集することができるようになる。
上記の実施の形態では、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが終了してもビッグボーナスの継続を報知した場合に、そこから3ゲームを経過した後に改めてビッグボーナスの終了を報知するものとしていた。また、払出パチンコ球数が825個を越えてビッグボーナスが継続してもビッグボーナスの終了を報知した場合に、そこから3ゲームを経過した後に改めてビッグボーナスの継続を報知するものとしていた。
しかしながら、ビッグボーナスの終了や継続を正しく報知するタイミングは、3ゲーム経過後に限るものではなく、当該ビッグボーナスの開始からの払出パチンコ球数が1725個を越えるよりも前に行うものとすればよい。例えば、本来の状態とは異なる報知を行ってから小役入賞した回数が1725個を越え得ない範囲で定められた所定ゲーム数に達したときに、ビッグボーナスの終了や継続を正しく報知するものとしてもよい。当該ビッグボーナスの開始からの払出パチンコ球数が900個以上1725個以下の範囲で定められた所定数に達したときに、ビッグボーナスの終了や継続を正しく報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した後、最初の小役入賞があるまでの期間において、液晶表示器51に特殊態様の仮想リールを表示して演出用の図柄を変動表示させるものとしていた。しかしながら、この期間で必ず特殊態様の仮想リールを表示し、この期間以外に特殊態様の仮想リールを表示しないものとすれば、液晶表示器51に特殊態様の仮想リールが表示されていることを以て、遊技状態がビッグボーナスに制御されていることを遊技者に察知されてしまう。
そこで、液晶表示器51に特殊態様の仮想リールを表示するのは、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときからではなく、当選したときからとしてもよい。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選してから入賞するまでの期間において、所定の割合で特殊態様の仮想リールを表示するものとしてもよい。ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選すらしていない場合であっても、所定の割合で特殊態様の仮想リールを表示するものとしてもよい。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した後であっても、所定の割合で通常態様の仮想リールを表示するものとしてもよい。
また、この期間において行う演出は、仮想リールの表示態様を特殊態様とするだけのものに限らない。例えば、演出用の図柄の変動表示とは無関係な演出で複数ゲームに亘って継続する連続演出をこの期間において行うものとしてもよい。さらに、この期間に行う演出は、液晶表示器51への画像の表示によって行うものに限らず、スピーカ53、54からの音声の出力や、演出効果LED52等のランプ類の点灯によって行うものであってもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスにおいて小役に入賞した回数に応じて液晶表示器51において行われる演出を、カードバトルからキャラクタバトルに変えるものとしていた。これに対して、ビッグボーナスにおける払出パチンコ球数に応じて液晶表示器51において行われる演出の内容を変えるものとしてもよい。ここで、払出パチンコ球数が825個を越えるまでのゲームは、上記したカードバトルのような上限数の多いビッグボーナスである可能性を示す演出を行うものとすればよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに、液晶表示器51の仮想リールにハズレの表示態様を導出し、ビッグボーナスで最初に小役入賞するときに、仮想リールにビッグボーナスの表示態様を導出させるものとしていた。これに対して、ビッグボーナスにおいて何らかの役に入賞した最初のゲームでビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとしてもよい。ビッグボーナスにおいて最初にJACIN入賞したときに、ビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとしてもよい。可変表示装置2の表示結果に関わらずにビッグボーナスの1ゲーム目でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとしてもよい。
ビッグボーナスにおける最初の何らかの入賞でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させる場合は、ステップS1218においてJACIN、ベルまたはチェリーのいずれかに当選しているかどうかを判定するものとすればよい。最初にJACIN入賞したときにビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させる場合には、ステップS1218においてJACINに当選しているかどうかを判定するものとすればよい。JACINに当選している場合も、ベルやチェリーと同様に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに入賞させることができるからである。
可変表示装置2の表示結果に関わらずにビッグボーナスの1ゲーム目でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させる場合には、ステップS1217でビッグボーナスカウンタの値が1であると判定されたときには、当選状況に関わらずにビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとすればよい。また、ここでビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させた場合には、ビッグボーナスカウンタの値を1だけ加算して、2ゲーム目以降でビッグボーナスの表示態様が導出されることがないようにすればよい。
パチンコ球の払い出しを伴うか否かに関わらずビッグボーナスにおける最初の入賞でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとすることで、遊技者がビッグボーナスの利益を実際に受けることのできたタイミングに合わせて、ビッグボーナスの表示態様によりビッグボーナスによる利益が得られることを遊技者に示すことができる。入賞の有無に関わらずビッグボーナスの1ゲーム目でビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させるものとすることで、ビッグボーナスが実際に開始したタイミングに合わせて、ビッグボーナスの表示態様によりビッグボーナスによる利益が得られることを遊技者に示すことができる。さらに、この場合には、可変表示装置2の表示結果(或いは当選状況)を判断することなくビッグボーナスの表示態様を仮想リールに導出させることができるので、制御が簡単になる。
上記の実施の形態では、スロットマシン1の遊技状態として、通常の遊技状態の他に、レギュラーボーナスとビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)とがあった。これに対して、他の役の当選確率を変えることなくリプレイの当選確率を通常の遊技状態よりも高くするRT(Replay Time)、リール2L、2C、2Rのいずれか1つ以上の最大停止遅延時間を短縮する(例えば、75ミリ秒(1コマすべり))とともに内部抽選の結果に関わらずに小役に入賞可能とするCT(Challenge Time)、当選フラグの設定されている役に入賞させるための遊技手順を報知するAT(Assist Time)等の遊技状態をさらに含むものであってもよい。
CT、RT、ATへの移行を対応する役への入賞に基づいて行うものとしても、そのために追加される役は特別役であり、基本的な役ということではない。RTは、リプレイの当選確率が高くなるのみで役の構成は通常の遊技状態と変わらず、ATにしても、遊技手順が報知されるだけで役の構成は変わらない。CTは、内部抽選の対象とならなくても、最も基本的な役である小役には入賞できるので、基本的な役の構成は変わらない。従って、これらの遊技状態を含むものとしても、基本的な役の構成を変えずに遊技性を分かりやすいものとすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)に入賞したときもビッグボーナス(2)に入賞したときも、払出パチンコ球数の上限が異なる以外は遊技性が同じであるビッグボーナスに遊技状態が制御されるものとなっていた。もっとも、ビッグボーナス(1)に入賞したときとビッグボーナス(2)に入賞したときとで、払出パチンコ球数の上限が異なると共に制御される遊技性も異なる遊技状態に制御するものとしてもよい。払出パチンコ球数の上限が多いビッグボーナス(2)に入賞したときには、ビッグボーナス(1)に入賞したときにビッグボーナスを終了させる825個を越えるパチンコ球の払い出しがあるまではこれと同じ遊技状態であるビッグボーナスに制御し、825個を越えるパチンコ球を払い出した後にはビッグボーナスとは異なる遊技性の遊技状態に制御するものとしてもよい。
ビッグボーナスとは遊技性の異なる遊技状態としては、例えば、チャレンジボーナスを適用することができる。チャレンジボーナスは、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同様に可変表示装置2に予め定められた表示態様(ビッグボーナス図柄)が導出されたときに開始する。チャレンジボーナス中のゲームでは、リール2L、2C、2Rのいずれか1つ以上の最大停止遅延時間を75ミリ秒に短縮するとともに内部抽選の結果に関わらずに小役に入賞することが可能になる。そして、払出パチンコ球数が予め定められた所定数に達すると、チャレンジボーナスが終了となる。
もっとも、ビッグボーナスとチャレンジボーナスという遊技性の異なる遊技状態を適用する場合であっても、少なくとも少ない方の上限に払出パチンコ球数が達するまでは、遊技者にとって見かけ上の区別がつかない、或いはつきにくいものとする必要がある。例えば、チャレンジボーナスでは、複数種類ある小役のうちで払出個数が最大の種類の小役を優先して揃えるように制御しているので、ビッグボーナスでは、払出個数が最大でない種類の小役に当選する確率を0または0に近い値とし、払出個数が最大の種類の小役に当選する確率を1に近い値にすればよい。最大停止遅延時間の違いは、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が完璧になり得ないことを考えれば、見かけ上の区別をつきにくくすることが妨げるものではない。
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、通常の遊技状態またはRTにおいても、賭数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
通常の遊技状態及びRTで賭数として1または2が設定されていたときには、賭数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しパチンコ球数を増加させることができる。また、通常の遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいて賭数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭数1〜3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
上記の実施の形態では、設定値等に応じて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していたが、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットとを「0」として、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイト全体を下位バイトで置換し、下位バイト全体を上位バイトで置換するという入れ替えを行っていた。これに対して、乱数発生回路42から抽出した乱数のビットのうちの特定のビットのデータを他のビットのデータ(但し、マスクされる第7、第15ビット以外)で置換するだけであってもよい。また、乱数発生回路42から抽出した乱数の値を、そのまま内部抽選用の乱数として取得するものとしてもよい。さらに、上記の実施の形態とは異なる方法により内部抽選用の乱数に加工するものとしてもよい。
図32は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS501)の第1の変形例の説明図である。この第1の変形例でも、乱数発生回路42から抽出された乱数は、CPU41aが有する16ビットの汎用レジスタ41GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路42から抽出された乱数が汎用レジスタ41GRに格納されると、CPU41aは、さらに内部のリフレッシュレジスタ41Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU41aは、汎用レジスタ41GRの上位バイトの値(上位カウンタ42cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ41Rから抽出した加工用の乱数を加算する。汎用レジスタ41GRの下位バイトの値(下位カウンタ42bから抽出した値)は、そのままにしておく。
次に、CPU41aは、汎用レジスタ41GRの値、すなわち上位バイトに加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU41aは、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU41aは、このときに汎用レジスタ41GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
図33は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS501)の第2の変形例の説明図である。この例でも、乱数発生回路42から抽出された乱数は、CPU41aが有する16ビットの汎用レジスタ41GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路42から抽出された乱数が汎用レジスタ41GRに格納されると、CPU41aは、さらに内部のリフレッシュレジスタ41Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU41aは、汎用レジスタ41GRの上位バイトの値(上位カウンタ42cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ41Rから抽出した加工用の乱数を加算する。また、汎用レジスタ41GRの下位バイトの値(下位カウンタ42bから抽出した値)にもリフレッシュレジスタ41Rから抽出した加工用の乱数を加算する。
次に、CPU41aは、汎用レジスタ41GRの値、すなわち上位バイト及び下位バイトにそれぞれ加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU41aは、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU41aは、このときに汎用レジスタ41GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
以上説明した第1、第2の変形例では、リフレッシュレジスタ41Rの値を加工用の乱数として抽出し、これを乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイト(第2変形例では、さらに下位バイト)に加算して、乱数の加工を行うものとしている。ここで適用した乱数の加工には、少なくとも加工用の乱数を上位バイトに加算する処理を含んでいる。これにより、内部抽選用の乱数のバラツキを大きくすることができ、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
また、加工用の乱数をリフレッシュレジスタ41Rから抽出するものとしたことで、加工用の乱数を生成する手段として特別な構成が必要ない。しかも、リフレッシュレジスタ41Rの値は、CPU41aの命令フェッチ毎に更新されるもので、その更新間隔は一定しないので、ランダム性の高い乱数を加工用の乱数として抽出することができる。そして、加工用の乱数のランダム性が高いことから、これを用いて生成される内部抽選用の乱数のランダム性も高くなる。
なお、上記第1、第2の変形例において、乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイト(及び下位バイト)にリフレッシュレジスタ41Rから抽出した値を加算していたが、リフレッシュレジスタ41R以外でハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算してもよい。また、リフレッシュレジスタ41Rから抽出した値(或いは、リフレッシュレジスタ41Rに代わるものの値)を加算するのではなく、減算や、論理和、論理積などの論理演算を行ってもよい。
また、上記の実施の形態で示した上位バイトと下位バイトとの入れ替えのようなビットの置換を、第1、第2の変形例に併用するものとしてもよい。上記第1、第2の変形例においても、乱数発生回路42からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、汎用レジスタ41GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐため、CPU41aに対する割り込みが禁止されるものとなる。
また、第2の変形例においては、乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトにそれぞれ加算する加工用の乱数を、リフレッシュレジスタ41Rから異なるタイミングで別々に抽出してもよい。上位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段と、下位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段とを別々に用意し、それぞれから上位バイト用、下位バイト用の加工用の乱数を抽出する手段を設けるものとしてもよい。この場合において、上位バイト用の加工用の乱数を更新する手段と下位バイト用の加工用の乱数を更新する手段の一方をリフレッシュレジスタ41Rによって構成するものとすることができる。
なお、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のいずれにおいても、第7、第15ビットがマスクされて、内部抽選用の乱数が生成されるものとしていた。すなわち、内部抽選用の乱数の値は、14ビットにより表されるもので、0〜16383の範囲をとるものであった。もっとも、第7ビット、第15ビットのマスクを行うことなく、16ビットにより表される値をそのまま内部抽選用の乱数として適用することもできる。この場合、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲に応じて、内部抽選の対象役毎の判定値数をROM41bに登録しておくものとすればよい。
一方、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のように第7、第15ビットをマスクして内部抽選用の乱数を生成するものとした場合には、当該マスクした2ビットにより表される数値を、内部抽選とは別の決定(例えば、演出の種類の選択など)を行うための乱数として適用することができる。これにより、乱数発生回路42から抽出した乱数の全てのビットを有効に用いることができる。
図34は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS501)の第3の変形例の説明図である。この例では、乱数発生回路42とサンプリング回路43とを接続する信号配線は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順になるように接続されている。従って、サンプリング回路43がラッチするデータは、乱数発生回路42が出力しているデータ信号とは、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。
CPU41aは、I/Oポート41dを介してサンプリング回路43から入力されたデータ信号に対応した数値データを、上位8ビットと下位8ビットとを別々にサンプリング回路43から取り込んで、RAM41cに設けられた内部抽選用の乱数の格納領域に一時格納する。内部抽選用の乱数の格納領域は、2バイト分設けられており、上位バイトの格納領域を上位領域、下位バイトの格納領域を下位領域と呼ぶものとする
CPU41aがサンプリング回路43から数値データを取り込むときには、サンプリング回路43がラッチした乱数の上位8ビットを下位領域に取り込み、ラッチした乱数の下位8ビットを上位領域に取り込む。従って、CPU41aがサンプリング回路43から内部抽選用の乱数の格納領域に取り込んだ数値データは、乱数発生回路42が発生しているデータ信号とは、ビットの並び順が完全に逆順となる。
なお、サンプリング回路43がラッチした乱数、或いはこれをCPU41aが加工した乱数については、上位バイト、下位バイト毎に最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第7ビットと呼ぶものとする。また、乱数発生回路42から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明し、サンプリング回路43がラッチした数値データも、その値に応じた乱数として説明するものとする。
上記したように、乱数発生回路42が発生する乱数をサンプリング回路43でラッチすると、そのラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる((a)〜(b))。CPU41aは、サンプリング回路43のラッチした乱数の上位8ビットを上位ポートからRAM41cの下位領域に、下位8ビットを下位ポートからRAM41cの上位領域に領域に取り込む((b)〜(d))。こうしてRAM41cの上位領域と下位領域に取り込まれた数値データにより構成される16ビットの数値データが、加工前の乱数ということとなる。
下位領域のデータは、その後の加工で書き換えられてしまうが、その後にも加工前の乱数の下位領域のデータを用いることがあるので、加工前の下位領域のデータを待避データとしてRAM41cの所定の待避領域に待避しておく。次に、CPU41aは、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(e)。次に、上位領域のデータを読み出し、データを1ビットずつ下位(右)にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(f)。
次に、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域と下位領域の両方に格納する(g)。さらに、待避領域のデータ78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(h)。そして、上位領域のデータと待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(i)。このとき上位領域に格納されているデータを上位8ビットとし、下位領域に格納されているデータを下位8ビットとした数値データが、内部抽選用の乱数として取得されることとなる(j)。
なお、ここで最終的に生成される内部抽選用の乱数は、パルス信号の入力毎に、ほぼランダムに値が現れてくることとなる。すなわち、連続性も周期性も排除されたものとなる。ここでは、乱数発生回路42の数値のように完全に値が連続した状態から、ランダムに非連続な値が現れる状態に近づくことを、バラつくというものとする。例えば、乱数発生回路42の数値からサンプリング回路43の数値への変化、サンプリング回路43の数値から加工前の乱数への変化、加工前の乱数から内部抽選用の乱数の乱数への変化、のいずれも値がバラつくものに該当する。バラツキ、バラケるなどといった場合も同じである。
この第3の変形例では、上位領域のデータと下位領域のデータとの最終的な排他的論理和演算(図34(i))を行う前に、上位領域のデータから11hを減算し(図34(e))、下位に1ビットローテイトし(図34(f))、下位領域のデータと排他的論理和演算して(図34(g))、上位領域のデータを予め加工しておくものとしていたが、必ずしもこれらの全てを必要とする訳ではなく、いずれか1つまたは2つを適用し、最終的な排他的論理和演算の前における上位領域のデータの加工は全くなくてもよい。このときの上位領域のデータが内部抽選用の乱数における最終的な上位バイトのデータとなるものとしてもよい。図34(e)〜(f)の処理を行う順番は、任意の順番に入れ替えることができる。
また、図34(e)で減算する値は11hに限るものではなく、00h以外の任意の値を加算または減算することができ、図34(f)でローテイトするのは下位に1ビットに限るものではなく、7ビットまでの任意のビット数だけ上位または下位にローテイトすることができる。図34(g)で排他的論理和演算される下位領域のデータは、乱数発生回路42から最初に下位領域に入力したデータに対して所定の演算を行ったものであってもよい。上位領域のデータに対して行う演算としては、これ以外の演算式による演算も適用することができる。さらには、図34(i)で上位領域のデータに対して排他的論理和演算される待避領域のデータは、乱数発生回路42から最初に下位領域に入力したデータであってもよく、図34(e)〜(g)とは異なる所定の演算を行ったデータであってもよい。
また、内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータは、乱数発生回路42から最初に下位領域に入力したデータがそのまま適用されるものとしてもよい。図34(h)で78hを加算した後の待避領域のデータを内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。或いは、図34(g)で下位領域に格納した排他的論理和演算の結果のデータに78hを加算して、最終的な下位バイトのデータとしてもよい。さらには、下位領域のデータに対して行う演算として、これ以外の演算式による演算を適用し、その演算結果を内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。
なお、CPU41aの有する命令セットが2アドレス方式または3アドレス方式の場合には、RAM41cの上位領域に格納されたデータから11hを減算し、その減算結果のデータを上位領域に格納するものとし、また、RAM41cの上位領域に格納されたデータと、同じくRAM41cの下位領域に格納されたデータとを排他的論理和演算し、その排他的論理和演算の結果のデータを上位領域に格納するものとすることができる。
これに対して、CPU41aの有する命令セットが1アドレス方式である場合には、例えば図34(e)のような減算を行う場合に、RAM41cの上位領域に格納されたデータをまずアキュムレータ(汎用レジスタ)にロードし、アキュムレータのデータから11hを減算して減算結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ここでは、RAM41cの上位領域に格納されたデータをアキュムレータにロードしたときに、当該アキュムレータは実質上は上位領域として作用することとなり、ここでは上位領域のデータに対して未だ演算を行うので、アキュムレータのデータをRAM41cの上位領域に未だストアする必要はない。
図34(f)では、図34(e)の減算の結果が格納されているアキュムレータのデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。図34(g)では、図34(f)の演算の結果が格納されているアキュムレータのデータに対してRAM41cの下位領域に格納されているデータをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータをアキュムレータに格納するものとなる。この時点では依然として、アキュムレータがRAM41cの上位領域として作用しているので、図34(g)→(j)では、アキュムレータのデータをRAM41cの下位領域にストアすればよいこととなる。
さらに、図34(h)では、RAM41cの待避領域のデータをアキュムレータにロードするが、ここでアキュムレータは待避領域として作用することとなり、アキュムレータのデータに11hを加算してアキュムレータに格納すればよい。図34(i)では、アキュムレータのデータをRAM41cの上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算し、その結果をアキュムレータに格納することとなるが、排他的論理和演算の結果が格納された後のアキュムレータは、再び上位領域として作用することとなる。
このように1アドレス方式の命令セットを有するCPU41aにおけるアキュムレータは、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる(もっとも、上記のような乱数の加工法では、アキュムレータが下位領域として作用することはない)。同様に0アドレス方式の命令せっtを有するCPU41aにおけるスタックも、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる。
また、CPU41aが複数の汎用レジスタを有するのであれば、RAM41cに上位領域及び下位領域を設けるのではなく、いずれかの汎用レジスタ2つを上位領域及び下位領域として適用するものとしてもよい。特にCPU41aが1バイトの汎用レジスタの他に、2バイトの汎用レジスタを有すれば、これを上位領域及び下位領域のために用いるものとしてもよい。
また、RAM41cにおいて、サンプリング回路43から取り込んだ2nビットの数値データを格納する領域にも、最終的に生成された内部抽選用の乱数を格納する領域にも、同じ上位領域と下位領域とを用いていたが、別々の領域を用いるものとしてもよい。例えば、最終的に生成される内部抽選用の乱数が格納される2バイトの乱数領域を、上位領域及び下位領域とは別に設けるものとした場合、上位領域のデータを乱数領域の下位バイトに格納し、図34(i)の排他的論理和演算の結果のデータを乱数領域の上位バイトに格納するものとすればよい。
なお、この第3の変形例では、内部抽選用の乱数のビット数は、乱数発生回路42の発生する乱数のビット数と同じ16ビットであって0〜65535の値をとるものとなっている。この場合、各役の判定値数は、乱数の大きさに応じた値とする(例えば、上記の実施の形態の場合の4倍とする)ものとすればよい。また、上記の実施の形態における乱数の生成と同時に、16ビットのうちの一部のビット(上記の実施の形態では、第7ビットと第15ビット)を間引くことにより、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲がこれより小さくなるものとしてもよい。間引いた2ビットの数値は、他の処理(例えば、ボーナス告知のための演出など)の抽選に用いることができる。これにより、間引いたビットの数値も有効に利用することができる。
この第3の変形例における内部抽選用の乱数の生成方法は、図35〜図38にそれぞれ示すように、図34(a)〜(d)の過程を変更することができる。
図35の例では、図34(a)〜(b)の場合と同様に乱数発生回路42の発生する乱数を、上位8ビットと下位8ビットとでそれぞれビットの並び順を入れ替えてサンプリング回路43が取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路43が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM41cの上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM41cの下位領域に取り込む(b)〜(d)。その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(e)。
なお、乱数発生回路42とサンプリング回路43との間の配線の接続順を逆順にして、RAM41cに最初に取り込まれる乱数について上位バイトと下位バイトのビットの並び順を逆順とするのではなく、サンプリング回路43と上位ポート:下位ポートとの間の配線の接続を逆順にして、RAM41cに最初に取り込まれる乱数についての上位バイトと下位バイトのビットの並び順を、乱数発生回路42の発生する乱数と逆順にするものとしてもよい。この点は、図34の例においても適用することができる。
図36の例では、乱数発生回路42とサンプリング回路43との間の配線の接続が逆順になってなく、まず、乱数発生回路42の発生する乱数を、そのままのビットの並び順でサンプリング回路43が取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路43が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM41cの上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM41cの下位領域に取り込む(b)〜(d)。
その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替える(e)。さらに、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(f)。なお、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えるのを先に、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替えるのを後にしてもよい。
図37の例では、乱数発生回路42とサンプリング回路43との間の配線が、上位バイトと下位バイトとで逆になり、それぞれのバイト内ではビットの並び順が変わらないように接続されている。ここでは、乱数発生回路42の発生する乱数を、上位バイトと下位バイトとを入れ替えてサンプリング回路に取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路43が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM41cの上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM41cの下位領域に取り込む(b)〜(d)。
その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(e)。なお、乱数発生回路42とサンプリング回路43との間の配線に並び順の変更がなく、サンプリング回路43の上位バイトがCPU41aの下位ポートに、下位バイトが上位ポートに接続されているものとしてもよい。
図38の例では、乱数発生回路42とサンプリング回路43との間の配線が、完全に逆順に接続されている。ここでは、サンプリング回路43が乱数発生回路42の発生する乱数のビットの並び順を完全に逆順にして取り込む(a)〜(b)。そして、サンプリング回路43に取り込まれた乱数の上位バイト、下位バイトをそのまま上位ポート、下位ポートを介して、RAM41cの上位領域、下位領域に取り込むものとすればよい(b)〜(d)。
また、この第3の変形例における内部抽選用の乱数の上位バイトと下位バイトにおけるそれぞれのバイト内でのビットの並び順は、必ずしも逆順に限るものではなく、例えば、それぞれのバイト内の最上位ビットと最下位ビットとを入れ替えるだけのものであってもよい。もっとも、とりわけタイミングの違いに応じた値の変化が少ない乱数発生回路42の発生する乱数の上位バイトは、なるべく多くのビットが入れ替えられることが好ましい。
上記の実施の形態では、乱数発生回路42が発生する乱数、すなわちハードウェア乱数機能により抽出した乱数をソフトウェアにより加工する場合に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、上記したソフトウェアによる乱数の加工は、ソフトウェアにより周期的に更新される乱数に適用してもよい。例えば、制御部41を構成するマイクロコンピュータとは第1のマイクロコンピュータにおいてタイマ割り込みなどにより周期的に更新される乱数を、CPU41aが第2のマイクロコンピュータに指示を送って抽出させ、I/Oポート41dを介してCPU41aに入力して、汎用レジスタ41GRに格納するものとすることができる。第2のマイクロコンピュータの機能は、制御部41を構成するマイクロコンピュータに含まれていてもよい。この場合にも、加工後に取得される乱数の値をバラつかせることができるようになり、遊技者による狙い打ちの防止の効果を図ることができる。
上記の実施の形態では、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。
これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に応じて図柄の停止位置が予め登録されたリール制御テーブル(当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて予め選択される)を参照し、当該リール制御テーブルに登録された図柄の停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシン(例えば、特許第2627604号公報参照)にも適用することができる。ここで、リール制御テーブルにおいては、図柄の停止位置が予め定められているが、この停止位置は遊技状態に応じたリール2L、2C、2Rの最大停止遅延時間の範囲で定められているものである。つまり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作により停止される図柄は、最大停止遅延時間の範囲内で選択されるものとなる。
また、リール制御テーブルは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作される前に予め、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて選択されているが、どのリール制御テーブルを選択したかによって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングが同じでも停止される図柄が異なってくる。従って、リール制御テーブルを選択することは、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて図柄を選択することとなる。さらに、リール制御テーブルには、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄の位置と図柄を停止すべき位置との関係が登録されているが、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときの図柄の表示位置に対応して登録されている図柄の停止位置を選択することとなるので、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したときに図柄の停止位置を選択するものということができる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていたが、液晶表示器51の方が大きく、視認容易に構成されていた。しかしながら、上記した液晶表示器51の大きさ、位置で可変表示装置を設けてもよく、可変表示装置2の位置に液晶表示器を設けてもよい。また、可変表示装置としては、上記した液晶表示器51の仮想リールと同様に、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを用いてもよい。一方、可変表示装置2の3つのリール2L、2C、2Rに対応した演出用リールから構成される演出用可変表示装置を、液晶表示器51に表示する仮想リールの代わりに適用するものとしてもよい。