上記課題を解決するために、請求項1に記載のスロットマシンは、予め定められた入賞ライン上において複数種類の図柄を一定順序で変動表示する図柄変動表示手段と、遊技者による停止手段の操作に応じて、内部当選した入賞役に対応する図柄を所定の引込可能範囲にある引込図柄数で引き込んで前記入賞ライン上に停止させる引込制御手段と、を備えたスロットマシンにおいて、内部当選した入賞役に応じて前記引込可能範囲を限定する引込可能範囲限定手段と、この引込可能範囲限定手段により限定された限定引込可能範囲を遊技者に報知する限定引込可能範囲報知手段と、を備え、前記引込可能範囲限定手段は、引込図柄数がゼロである範囲を含まない範囲に限定する場合があることを特徴とする。請求項1に記載のスロットマシンによれば、入賞役に内部当選する毎に引込可能範囲にある引込図柄数をランダムに限定するようにしたので、同じ図柄を揃える場合であっても、その都度目押しする位置が変化することになり、従来に無い手法で目押しの楽しさを増大させる。特に、限定引込可能範囲にある引込図柄数よりも近い位置で停止手段を操作した場合は、入賞図柄が入賞ラインを通り過ぎてから停止するという従来はあり得ない停止パターンが発生するので面白さが増す。例えば、引込可能範囲にある引込図柄数が4に限定された場合、3図柄手前で停止手段が操作されたときには、入賞図柄が入賞ラインを1図柄通過した時点で停止する。従って、毎回ビタ押しができるような上級者であっても、目押しを楽しむことができる。
請求項2に記載のスロットマシンは、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記限定引込可能範囲が報知された後に、遊技者が任意に前記限定引込可能範囲を変更可能な限定引込可能範囲変更手段を備えることを特徴とする。請求項2に記載のスロットマシンによれば、報知された限定引込可能範囲にある引込図柄数を変更できるようにしたので、目押しに自信がない遊技者は、引込可能範囲にある引込図柄数を変更して目押しによる入賞の可能性を高めることができる。
請求項3に記載のスロットマシンは、請求項1または2に記載のスロットマシンにおいて、前記限定引込可能範囲報知手段は、前記限定引込可能範囲を遊技者に報知するか否かを抽選で決定し、報知すると決定した場合に限って前記限定引込可能範囲を遊技者に報知することを特徴とする。請求項3に記載のスロットマシンによれば、限定引込可能範囲を遊技者に報知するか否かを抽選で決定し、報知すると決定した場合に限って限定引込可能範囲を遊技者に報知するようにしたことにより、限定引込可能範囲が報知される場合と限定引込可能範囲が報知されない場合とで遊技者の対応が異なってくるので、ゲーム展開がバラエティに富んで遊技の興趣を高めることができる。
請求項4に記載のスロットマシンは、請求項3に項に記載のスロットマシンにおいて、前記限定引込可能範囲報知手段が抽選で報知しないと決定した場合において、前記引込制御手段が前記限定引込可能範囲にある引込図柄数で引き込んで図柄を停止させた結果、前記内部当選した入賞役に対応する図柄が前記入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしが発生した場合には、その旨を遊技者に報知する取りこぼし報知手段を備えることを特徴とする。請求項4に記載のスロットマシンによれば、入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしが発生した場合には、その旨を遊技者に報知するようにしたので、遊技者は取りこぼしを確実に認識することができ、次回から取りこぼさないように一層ゲームに集中して遊技を楽しむことができる。また、取りこぼしが発生した事実に加えて、取りこぼしが発生したときの限定引込可能範囲にある引込図柄数を同時に報知するようにしてもよい。例えば、引込可能範囲にある引込図柄数が4に限定された場合、3図柄手前で停止手段が操作されて入賞図柄が入賞ラインを1図柄通過する取りこぼしが発生した場合に、取りこぼしが発生した事実と、限定引込可能範囲にある引込図柄数4とを報知するとよい。
請求項5に記載のスロットマシンは、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記限定引込可能範囲に応じて、入賞時の特典の内容に差を設けたことを特徴とする。請求項5に記載のスロットマシンによれば、限定引込可能範囲にある引込図柄数に応じて入賞時の特典に差を設けるようにしたので、限定引込可能範囲にある引込図柄数が少なければ入賞時の特典を大きくし、限定引込可能範囲にある引込図柄数が多ければ入賞時の特典を少なくして、結果として得られる特典を均衡させるなどの工夫をこらすことができる。例えば、限定引込可能範囲にある引込図柄数が多くなればなるほどリプレイタイム(RT)当選確率を低くし、限定引込可能範囲にある引込図柄数が少なくなればなるほどリプレイタイム(RT)当選確率を高くするような工夫が可能である。
図1は、本発明の実施例1に係るスロットマシン1を示す正面模式図である。本実施例1に係るスロットマシン1は、筐体を有し、その筐体内にはステッピングモータで回転駆動される3体の左、中、右リール41L,41C,41R(図2参照:図柄変動表示手段に相当)が収容されている。左、中、右の各リール41L,41C,41Rには、図柄(数字を含む図柄)が描かれている(図5(a)のリール配列参照)。筐体の前面中央部に設けられた表示窓10からは、各リール41L,41C,41Rの各3図柄分が視認可能となっており、これによって左、中、右図柄表示部11L,11C,11Rが形成されている。
表示窓10を通して3行3列の9図柄が表示される。もちろん表示される図柄は、9図柄に限定されない。左、中、右図柄表示部11L,11C,11Rに表示される3行3列合計9個の図柄表示領域を組み合わせることにより、上段ライン51,下段ライン52,中段ライン53,右上がりライン54,右下がりライン55の5つの入賞ラインが形成されている。これらの入賞ライン51,52,53,54,55に入賞図柄(図5(b)の役構成参照)が揃ったときに、所定数のメダル(遊技媒体)の払出しが行われる。
表示窓10の下部には、メダル投入口12と、遊技者がクレジット機能を利用して遊技を行う場合に操作するクレジット投入ボタン13と、遊技者がクレジットを解除するために操作するクレジット精算ボタン14とが設けられている。さらにその下部には、遊技を開始するためのスタートレバー(スタートスイッチ)15と、左、中、右図柄表示部11L,11C,11Rの図柄変動を停止させるために遊技者が操作する左、中、右ストップボタン16L,16C,16R(停止手段に相当)とが設けられている。筐体の最下部には、メダル払出口17と、メダル貯留皿18とが設けられている。
表示窓10の右側には、投入および払い出されたメダル枚数が50枚まで記憶されて表示されるクレジット表示部19と、図柄が所定の組合せを示す場合に入賞となって払い出されるメダルの数を表示する払出数表示部20とが設けられている。クレジット機能を利用して遊技を行う場合には、入賞時に払い出されるメダルと4枚目以上の投入メダルとが50枚を上限として貯留される。貯留されたメダル数はクレジット表示部19に表示される。そして、クレジット投入ボタン13の操作によって、設定された枚数に応じたメダルが投入された状態になって、1枚賭けゲーム、2枚賭けゲームあるいは3枚賭けゲームが可能な状態となる。
筐体の前面上部には、音声情報を遊技者に提供する左右一対のスピーカ21,21が設けられている。また、スピーカ21,21の間には、液晶表示部22と、変更ボタン24とが設けられている。
液晶表示部22は、内部抽選によってボーナス(特別役に相当)に当選し、ボーナスフラグ(特別役のフラグ)が成立したこと等の遊技状態を遊技者に告知表示する表示装置として機能する。なお、ボーナスには、従来と同様に、ビッグボーナス(BIGボーナス;BB)と、レギュラーボーナス(REGボーナス;RB)とが設定されている(図4(a)のボーナス当選確率および図5(b)の役構成参照)。ただし、特別役はビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に限られず、目押しをすることによりメダルが増える、または減らない状態となるチャレンジタイム(CT),小役やシングルボーナスを押し順ナビなどで告知してメダルが増加するアシストタイム(AT)等を採用することもできる。また、液晶表示部22は、内部抽選によって15枚役に当選しその内部当選フラグが成立したときに、15枚役に対応する入賞図柄をおよび限定引込可能範囲に引込図柄数を表示(報知)する限定引込可能範囲報知手段として機能する(図10(a)参照)。さらに、液晶表示部22は、限定引込可能範囲にある引込図柄数で引込制御を行ったときに、入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしが発生した場合には、その旨を遊技者に報知する取りこぼし報知手段としても機能する。
変更ボタン24は、液晶表示部22の右側近傍に配置され(図1参照)、液晶表示部22に限定引込可能範囲が報知された後に、遊技者が任意に限定引込可能範囲を変更するための限定引込可能範囲変更手段の機能を果たす。
図2は、本実施例1に係るスロットマシン1の電気的構成を概略的に示す回路ブロック図である。スロットマシン1の制御部であるメイン基板30は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)31と、各種プログラム32a〜32e(図3(a)参照)や各種テーブル32f〜32j(図3(a)参照)等が予め記憶された読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)32と、読み書き可能な主記憶装置でありワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)33と、入出力インタフェースであるI/O(Input/Output)34とを中心に構成されている。これらの装置は、図に表れていないバスで相互に接続されている。
メイン基板30には、操作部からの操作信号が、I/O34を経由して入力され、メイン基板30に入力された信号は、CPU31に入力される。各操作部は、スタートレバー15、左、中、右ストップボタン16L,16C,16R、投入メダル検知部12a、クレジット投入ボタン13、クレジット精算ボタン14、変更ボタン24、設定値操作部23、電源スイッチ(図示せず)などを含むものである。
スロットマシン1は、当選確率を規定する複数(例えば1〜6の6つ)の設定値のうちのいずれかが割り当てられることにより、遊技台毎にボーナスの当選確率に格差が設けられている(図4(a)参照)。そして、遊技店では、当選確率が最小の「設定値1」から最大の「設定値6」まで段階的に変化する設定値群の中から、設定値操作部23によりいずれかを人為的に選択することができる。具体的には、スロットマシン1の筐体内部に設けられた設定値操作部23(図1では図示省略)の所定部位に操作キー23aを挿入することにより、設定値(当選確率)の変更作業が可能になる。そして、設定値操作部23からの操作信号(設定値変更信号)は、I/O34を経由してCPU31に入力され、CPU31は、RAM33の設定値記憶エリア33aに記憶されている設定値を書き換える(図3(b)参照)。
メイン基板30には、リール駆動部41,停止位置検知部47,音声出力部45,メダル払出部42,液晶表示部22,および装飾ランプ部43などが接続されている。
リール駆動部41は、メイン基板30から出力された駆動パルス信号によって、左、中、右リール41L,41C,41Rの動作を制御する。左、中、右リール41L,41C,41Rは、停止位置検知部47によって1回転ごとに基準位置が検知され、リール基準位置信号がメイン基板30に入力される。そのリール基準位置信号に基づいて、CPU31がリール制御を行う仕組みになっている。
図3(a)に示すように、ROM32には、引込制御全体をコントロールする引込制御プログラム32aが格納されており、さらに引込制御プログラム32aから呼び出される15枚役当選時処理プログラム32b,変更ボタン処理プログラム32c,リプレイタイム(RT)抽選処理プログラム32d,および取りこぼし報知処理プログラム32eが格納されている。また、ROM32には、内部抽選判定用テーブル32f,演出パターンテーブル32g,図柄データテーブル32h,引込図柄数選択テーブル32i,15枚役成立ライン判定用テーブル32j等の各種テーブルが格納されている。
図3(b)に示すように、RAM33には、設定値記憶エリア33aが設けられ、設定値操作部23および操作キー23aによって設定された設定値が記憶されるようになっている。
内部抽選判定用テーブル32fには、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の当選乱数が設定値1〜6毎に定められており、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の当選確率は図4(a)に示す値となるように設定されている。図4(a)から分かるように、設定値は1〜6の整数値であり、値が大きくなるほど、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の当選確率が高くなるように設定されている。例えば、設定値が1の場合には、ビッグボーナス(BB)の当選確率は1/309、レギュラーボーナス(RB)の当選確率1/512であり、設定値が6の場合には、ビッグボーナス(BB)の当選確率は1/240、レギュラーボーナス(RB)の当選確率1/372である。
また、内部抽選判定用テーブル32fには、全設定値に共通する各小役の当選乱数も定められており、各小役の当選確率は図4(b)に示す値となるように設定されている。図4(b)から分かるように、小役当選確率は全設定値に共通のものであり、15枚役の当選確率は1/55、8枚役の当選確率は1/12、2枚役の当選確率は1/80、リプレイの当選確率は1/7.3に設定されている。ただし、リプレイタイム(RT)中は、リプレイの当選確率が1/2.0に高められるように設定されている。
引込図柄数選択テーブル32iには、全設定値に共通する、10個の限定引込可能範囲(引込図柄数)毎の選択値(選択率),およびリプレイタイム(RT)当選乱数が定められており、各限定引込可能範囲(引込図柄数),選択値(選択率),およびリプレイタイム(RT)当選乱数は図4(c)に示す値となるように設定されている。なお、整数値0〜127をとる引込図柄数決定用乱数があり、15枚役に内部当選したときに、引込図柄数決定用乱数から1つの値をサンプリングし、サンプリング値を引込図柄数選択テーブル32iの選択値と照合して、一致するエントリ中の限定引込可能範囲を決定する。さらに、整数値0〜29をとるリプレイタイム(RT)当選乱数があり、15枚役に内部当選したときに、リプレイタイム(RT)当選乱数から1つの値をサンプリングし、サンプリング値を引込図柄数選択テーブル32iの限定引込可能範囲を決定したエントリ中のリプレイタイム(RT)当選乱数と照合して、一致すればリプレイタイム(RT)に当選したものと決定する。図4(c)から分かるように、限定引込可能範囲にある引込図柄数が多くなればなるほどリプレイタイム(RT)当選確率は低くなり、限定引込可能範囲にある引込図柄数が少なくなればなるほどリプレイタイム(RT)当選確率は高くなるように設定されている。これは、限定引込可能範囲にある引込図柄数が少なければ入賞時の特典を大きくし、限定引込可能範囲にある引込図柄数が多ければ入賞時の特典を少なくして、限定引込可能範囲にある引込図柄数に応じて入賞時の特典に差を設け、結果として得られる特典を均衡させるようにしたためである。
図5(a)および(b)は、本実施例1に係るスロットマシン1における、左、中、右リール41L,41C,41Rに設けられた図柄を表すリール配列と、入賞を発生させる役構成とを示す図である。
図5(a)のリール配列には、左、中、右の各リール41L,41C,41Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列が示されている。各図柄には、1〜21のコードナンバーが付され、図柄データテーブル32hとしてROM32(図3(a)参照)に格納されている。
図5(b)の役構成には、入賞の生じる図柄の組み合わせが示されている。図5(b)から分かるように、本実施例1に係るスロットマシン1における入賞役には、入賞処理が実行されるまでフラグ成立状態が継続する(消滅しない)特別役として、ビッグボーナス(BB),およびレギュラーボーナス(RB)が設定されている。また、そのゲーム限りでフラグ成立状態が終了する(消滅する)小役として、15枚役,8枚役,3枚役,2枚役,およびリプレイが設定されている。さらに、他の役として、ビッグボーナス中に限り有効となるボーナスイン,ビッグボーナス中およびレギュラーボーナス中に限り有効となるジャックインの各役が設定されている。また、図5(b)には、各種入賞役対応するメダル払出枚数およびリプレイ等の特典が示されている。
内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選し、入賞ラインにビッグボーナス)図柄(7)を3つ揃えて停止表示できたときには、ビッグボーナス(BB)が開始され、15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって非常に有利なビッグボーナスゲームを規定回数行うことができる特別遊技状態となる。内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したが、入賞ラインにビッグボーナス図柄(7)を3つ揃えて停止表示できなかったときには、ビッグボーナスフラグの成立を継続して有効とする。
内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選し、入賞ラインにレギュラーボーナス図柄(バー)を3つ揃えて停止表示できたときには、レギュラーボーナス(RB)が開始され、15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって非常に有利なレギュラーボーナスゲームを規定回数行うことができる特別遊技状態となる。内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選したが、入賞ラインにレギュラーボーナス図柄(バー)を3つ揃えて停止表示できなかったときには、レギュラーボーナスフラグの成立を継続して有効とする。
内部抽選で15枚役に当選し、入賞ラインに15枚役図柄(太陽)を3つ揃えて停止表示できたときには、15枚のメダルが払い出される。また、内部抽選で8枚役に当選し、入賞ラインに8枚役図柄(リンゴ)を3つ揃えて停止表示できたときには、8枚のメダルが払い出される。さらに、内部抽選で3枚役に当選し、入賞ラインに3枚役図柄(星)を3つ揃えて停止表示できたときには、3枚のメダルが払い出される。さらにまた、内部抽選で2枚役に当選し、入賞ラインに左リール41Lの2枚役図柄(チェリー)を停止表示できたときには、2枚のメダルが払い出される。
内部抽選でリプレイに当選し、入賞ラインにリプレイ図柄(Rが楕円で囲われた図柄)を3つ揃えて停止表示できたときには、メダルを投入することなしに次のゲームをプレイすることができる。また、ビッグボーナス(BB)の消化中に内部抽選でボーナスインに当選し、入賞ラインにボーナスイン図柄(Rが楕円で囲われた図柄)を3つ揃えて停止表示できたときには、小役ゲームからボーナスゲームに移行し、15枚のメダルが払い出される。さらに、内部抽選でジャックインに当選し、入賞ラインにジャックイン図柄(Rが楕円で囲われた図柄)を3つ揃えて停止表示できたとき、またはジャックインの図柄の並び(太陽+Rが楕円で囲われた図柄+Rが楕円で囲われた図柄)で停止表示できたときには、ビッグボーナス(BB)の小役ゲームからジャックゲームに移行し、15枚のメダルが払い出される。
図6は、15枚役当選時処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3(a)のROM32に格納された15枚役当選処理プログラム32bに対応している。
図7は、変更ボタン処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3(a)のROM32に格納された変更ボタン処理プログラム32cに対応している。
図8は、リプレイタイム(RT)抽選処理を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、図3(a)のROM32に格納されたリプレイタイム(RT)抽選処理プログラム32dに対応している。
図9は、取りこぼし報知処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3(a)のROM32に格納された取りこぼし報知処理プログラム32eに対応している。
液晶表示部22は、ビッグボーナスゲーム,レギュラーボーナスゲーム中に獲得した遊技媒体数情報や、ビッグボーナス,レギュラーボーナス等の特別役に入賞する条件が成立したことを遊技者に対して告知する告知情報等の、ゲームを進行する上での様々な情報を表示する。また、液晶表示部22は、本発明の限定引込可能範囲報知手段,取りこぼし報知手段等として、図10(a)〜(c)の画面を表示する。
図10(a)は、15枚役当選時処理で液晶表示部22に表示される引込図柄数表示画面の一例を示す図である。引込図柄数表示画面には、15枚役の図柄(ここでは、3つ並んだ太陽マーク)と、限定引込可能範囲にある引込図柄数(ここでは、「SLIDE 3or4」)と、限定引込可能範囲を変更するかどうかを問い合わせるメッセージ(ここでは、「change?」)とが表示される。
図10(b)は、変更ボタン処理において液晶表示部22に表示される引込図柄数変更画面の一例を示す図である。引込図柄数変更画面には、15枚役の図柄(ここでは、3つ並んだ太陽マーク)と、変更後の限定引込可能範囲にある引込図柄数(ここでは、「SLIDE 0〜4」)と、これ以上変更できないことを知らせるメッセージ(例では、「No more change」)とが表示される。
図10(c)は、取りこぼし報知処理において液晶表示部22に表示される取りこぼし報知画面の一例を示す図である。取りこぼし報知画面には、15枚役の図柄が取りこぼされたことを示す表示(ここでは、2つ並んだ太陽マークから矢印が示す方向に移動した1つの太陽マーク)と、取りこぼしが発生した引込図柄数(ここでは、「SLIDE 4」)とが表示される。
次に、このように構成された実施例1に係るスロットマシン1の動作について説明する。
まず、メダル投入口12に任意の数のメダル(遊技媒体)を投入すると、投入メダル数に応じて有効な入賞ラインを示すランプが点灯して、入賞ライン51〜55のうちのどの入賞ラインが有効であるかが示される。例えば、メダル1枚を投入した場合には中段の入賞ライン53のみが有効な入賞ラインとして点灯表示され、いわゆる1枚賭けの状態となる。また、メダル2枚を投入した場合は1枚投入の場合の中段ライン53に加えて上段ライン51および下段ライン52が入賞ラインに追加して点灯表示され、いわゆる2枚賭けの状態となる。さらに、メダル3枚を投入した場合は2枚投入の場合の中段ライン53,上段ライン51および下段ライン52に加えて右上がりライン54および右下がりライン55が入賞ラインに追加して点灯表示され、いわゆる3枚賭けの状態となる。以下、スロットマシン1が3枚賭けの状態にあるものとして動作を説明する。
メダルを直接投入するメダル遊技ばかりでなく、クレジット機能を利用して遊技を行うことも可能である。クレジット機能は、通常、クレジット投入ボタン13と、クレジット精算ボタン14と、クレジット表示部19とで構成される。4枚以上のメダル投入については、クレジット枚数にあらかじめ規定された枚数(例えば50枚)を上限として貯留される。貯留されたメダルは、1ゲームで賭けることができる最大のメダル枚数3を投入することと同等のクレジット投入ボタン13を操作することによって投入され、遊技を行うことが可能となる。貯留メダルの残量はクレジット表示部19に表示される。クレジット精算ボタン14は、貯留を解除したい場合に操作する。クレジット機能は、メダルの投入をクレジット投入ボタン13の押圧操作によって簡単に行うことができるので、通常遊技中はもちろんのこと、ビッグボーナス(BB)等となった後に開始される大当たり等の特別な遊技状態中に非常に便利な機能である。
メダル投入口12にメダルを直接投入するか、あるいはクレジット投入ボタン13を操作すると、メダルが投入されてゲームを行う準備が整う。メイン基板30のCPU31は、メダルの投入数3に応じて入賞ライン51〜55(図1参照)を有効化し、各入賞ラインに対応するランプを点灯表示する。
次に、遊技者がスタートレバー15を操作して遊技を開始すると、スタートレバー15からゲーム開始信号が入力されるので、メイン基板30のCPU31は、ROM32に格納されている遊技制御プログラム(図示せず)等を逐次読み出して、RAM33に記憶し、遊技の進行に応じて実行する。これにより、CPU31は、処理の実行指令をI/O34を介してリール駆動部41,メダル払出部42,装飾ランプ部43等の各動作部に出力する。また、CPU31は、処理の実行指令をI/O34を介して液晶表示部22および音声出力部45へも出力する。スピーカ21は、音声出力部45を介して制御される。
リール駆動部41は、CPU31から実行指令を受けると、左、中、右リール41L,41C,41Rの回転を開始させる。このため、表示窓10を通して左、中、右リール41L,41C,41Rの図柄が次々と高速で表示される。
また、CPU31は、スタートレバー15からゲーム開始信号が入力されることに応じて、ボーナス(特別役に相当)や小役等の予め定められた複数種類の入賞役のうちのいずれを当選とするかを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理は、メイン基板30にて発生させた乱数をサンプリングし、サンプリング値を設定値毎に規定された内部抽選判定用テーブル32f(図3(a)参照)と照合することにより行われる。内部抽選判定用テーブル32fには、各入賞役(ハズレを含む)に対応する当選乱数が設定値毎に定められており、CPU31は、サンプリング値と一致する当選乱数に対応する入賞役のフラグ(入賞フラグ)を成立(ON)させる。なお、当選乱数のうちのビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に対応する当選乱数は設定値が大きくなるにつれて数が多く(当選確率が高く)なり、小役に対応する当選乱数は全設定値において共通となっている(図4(a),(b)参照)。また、CPU31は、内部当選した入賞役等に応じ、演出パターンテーブル32gを用いて液晶表示部22に各種演出表示を実行させる。
次に、遊技者は、左、中、右リール41L,41C,41Rを停止させるために、左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rをそれぞれ操作する。左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rを操作する順序は、遊技者の任意である。一般に、左、中、右図柄表示部11L,11C,11Rに流れるように表示される図柄を直視し、所望の図柄で停止させるタイミングを計り、左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rを押圧操作する、すなわち目押しする。
遊技者が左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rを押圧操作すると、左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rからリール停止信号がCPU31に入力される。CPU31は、リール停止信号に基づいてリール駆動部41により左、中、右リール41L,41C,41Rの回転をそれぞれ停止させる。詳しくは、CPU31は、ROM32から引込制御プログラム32aをRAM33に読み出して、左、中、右リール41L,41C,41Rの引込制御を行う。具体的には、CPU31は、最大4の引込図柄数の引込可能範囲で左、中、右リール41L,41C,41Rの引込制御を実行し、内部当選フラグに対応する入賞図柄を引き込んだり、あるいは非当選の場合には入賞図柄が揃わないようにしたりする。
以下、内部抽選処理により特定の入賞役(特定役)の一例として15枚役に内部当選したものとして、図6ないし図9に示すフローチャートに従って、引込制御処理の流れを説明する。なお、ビッグボーナス(BB),レギュラーボーナス(RB)等の他の特定役に内部当選した場合の引込制御処理についても同様であるので、ここでは他の特定役に内部当選した場合の引込制御処理については詳しい説明を割愛する。
スタートレバー15の操作に応じて内部抽選処理を実行した後は、CPU31は、ROM32から15枚役当選時処理プログラム32b(図3(a)参照)をRAM33に読み出して、図6の15枚役当選時処理を開始する。CPU31は、まず、15枚役フラグが成立したか否かを判定し(図6のS101)、15枚役フラグが成立していなければ(図6のS101:NO)、15枚役当選時処理を終了する。15枚役フラグが成立していれば(図6のS101:YES)、CPU31は、引込可能範囲にある引込図柄数を選択する(図6のS102)。詳しくは、CPU31は、整数値0〜127をとる引込図柄数決定用乱数から1つの値をサンプリングし、サンプリング値を引込図柄数選択テーブル32i(図4(c)参照)の選択値と照合して、一致するエントリ中の引込図柄数を限定引込可能範囲にある引込図柄数として選択(限定)する。次に、CPU31は、報知抽選を行い(図6のS103)、報知抽選に当選したかどうかを判定する(図6のS104)。詳しくは、報知決定用乱数から1つの値をサンプリングし、サンプリング値を予め設定された報知乱数値と照合して、一致していれば報知抽選に当選しているとし、一致していなければ報知抽選に当選していないとする。報知抽選に当選していなければ(図6のS104:NO)、CPU31は、15枚役当選時処理を終了する。報知抽選に当選していれば(図6のS104:YES)、CPU31は、図10(a)に例示するように、15枚役の図柄(3つ並んだ太陽マーク)と、限定引込可能範囲にある引込図柄数(ここでは、「SLIDE 3or4」)と、限定引込可能範囲にある引込図柄数を変更するかどうかを問い合わせるメッセージ(ここでは、「change?」)とからなる引込図柄数表示画面を液晶表示部22に表示してから(図6のS105)、15枚役当選時処理を終了する。
15枚役当選処理を実行した後は、CPU31は、ROM32から変更ボタン処理プログラム32c(図3(a)参照)をRAM33に読み出して、図7の変更ボタン処理を開始する。CPU31は、まず、液晶表示部22に表示された限定引込可能範囲にある引込図柄数が変更可能か否かを判定し(図7のS201)、変更可能でなければ(図6のS201:NO)、変更ボタン処理を終了する。いま、「change?」のメッセージが表示されていて変更可能であるので(図6のS201:YES)、CPU31は、変更ボタン24がONであるかどうかを判定する(図7のS202)。変更ボタン24がONでなければ(図7のS202:NO)、CPU31は、変更ボタン処理を終了する。いま、変更ボタン24が操作されていてONであるので(図7のS202:YES)、CPU31は、引込可能範囲にある引込図柄数を限定引込可能範囲にある引込図柄数として再選択(再限定)する(図7のS203)。限定引込可能範囲にある引込図柄数の再選択は、限定引込可能範囲にある引込図柄数の選択(図6のS102)と同様に行われる。次に、CPU31は、図10(b)に示すように、15枚役の図柄(3つ並んだ太陽マーク)と、変更後の限定引込可能範囲にある引込図柄数(「SLIDE 0〜4」)と、限定引込可能範囲にある引込図柄数をこれ以上変更することができない旨のメッセージ(「No more change」)とからなる引込図柄数変更画面を液晶表示部22に表示して(図7のS204)、変更ボタン処理を終了する。
また、左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rの操作に応じて全てのリール41L,41C,41Rが停止されたときは、CPU31は、ROM32からリプレイタイム(RT)抽選処理プログラム32d(図3(a)参照)をRAM33に読み出して、図8のリプレイタイム(RT)抽選処理を開始する。CPU31は、まず、15枚役フラグが成立しているかどうかに基づいて15枚役入賞かどうかを判定し(図8のS301)、入賞していなければ(図6のS301:NO)、リプレイタイム(RT)抽選処理を終了する。いま、15枚役に入賞しているので(図8のS301:YES)、CPU31は、整数値0〜29のRT判定乱数から1つの値をサンプリングし(図8のS302)、サンプリング値を引込図柄数選択テーブル32iの引込図柄数に対応したエントリのRT当選乱数と照合し(図8のS303)、サンプリング値がRT当選乱数と一致するかどうかを判定する(図8のS304)。サンプリング値がRT当選乱数と一致していなければ(図8のS304:NO)、CPU31は、リプレイタイム(RT)抽選処理を終了し、一致していれば(図8のS304:YES)、RTフラグをONしてから(図8のS305)、リプレイタイム(RT)抽選処理を終了する。なお、RTフラグは、ボーナス当選時にOFFされる。
さらに、全てのリール41L,41C,41Rが停止されたときは、CPU31は、ROM32から取りこぼし報知処理プログラム32e(図3(a)参照)をRAM33に読み出して、図9の取りこぼし報知処理を開始する。CPU31は、まず、15枚役入賞フラグが成立していたにもかかわらず、15枚役を取りこぼしたかどうかを判定する(図9のS401)。15枚役を取りこぼしていなければ(図9のS401:NO)、CPU31は、取りこぼし報知処理を終了する。15枚役を取りこぼしていれば(図9のS401:YES)、CPU31は、入賞ライン51〜55であって、2つ以上の15枚役図柄(太陽マーク)が停止表示されていたラインである入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしたかどうかを判定し(図9のS402)、入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしていなければ(図9のS402:NO)、取りこぼし報知処理を終了する。入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしていれば(図9のS402:YES)、CPU31は、引込図柄数を事前に報知したか否かを判定し(図9のS403)、引込図柄数を事前に報知していなければ(図9のS403:NO)、取りこぼし報知処理を終了する。引込図柄数を事前に報知していれば(図9のS403:YES)、CPU31は、図10(c)に例示するように、15枚役の図柄が取りこぼされたことを示す表示(2つ並んだ太陽マークから矢印が示す方向に移動した1つの太陽マーク)と、取りこぼしが発生した引込図柄数(「SLIDE 4」)とからなる取りこぼし報知画面を液晶表示部22に表示して(図9のS404)、取りこぼし報知処理を終了する。
左、中、右リール41L,41C,41Rが停止した時点で入賞図柄(図5(b)の役構成参照)が左、中、右図柄表示部11L,11C,11R(入賞ライン51〜55の所定位置)に停止表示されると入賞となり、CPU31は、各入賞役に応じた処理を行う。具体的には、いわゆるビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の特別役や、15枚役,8枚役等の小役(リプレイを含む)等に入賞すると、CPU31は、それぞれの入賞役に応じて規定された枚数のメダルをメダル払出部42から払い出したり、再遊技の機会を与えたりする。例えば、ビッグボーナス(BB),レギュラーボーナス(RB)等の特別役の入賞があった場合は、CPU31は、その後に規定回数の遊技者にとって非常に有利なゲームを開始する。
実施例1によれば、入賞役に内部当選する毎に引込可能範囲にある引込図柄数をランダムに限定するようにしたので、同じ図柄を揃える場合であっても、その都度目押しする位置が変化することになり、興趣が高まるという効果が得られる。例えば、限定引込可能範囲にある引込図柄数が0〜2の場合と、3〜4の場合とでは、目押し位置が全く異なってくることは明らかである。特に、引込可能範囲にある引込図柄数よりも近い位置で左、中、右ストップボタン16L,16C,16Rを操作した場合は、入賞図柄が揃うはずの入賞ラインを通り過ぎてから停止するという従来はあり得ない停止パターンが発生するので、面白さが増し、上級者であっても十分に目押しを楽しむことができる。また、上記のように入賞ラインを通り過ぎて取りこぼしが発生した場合はその旨が遊技者に報知されるので、従来ではあり得ない停止パターンであっても、それに遭遇した遊技者が混乱してしまうのを防止することができる。
さらに、本実施例1には、次のような変形を加えてもよい。
(1)引込可能範囲の限定は、全てのリールではなく、1または2リールについて実行してもよい。例えば、2リールが停止した時点で図柄がテンパイした場合に限り、引込可能範囲にある引込図柄数を限定してもよい。なお、「テンパイ」するとは、同一図柄が入賞ライン上に2つ並び、最終的に入賞する可能性がある、入賞前の状態を意味する。
(2)特定役(15枚役)が入賞した場合に限りリプレイタイム(RT)の抽選を実行するようにしたが、入賞しなかった場合であっても所定の確率でリプレイタイム(RT)の抽選を実行するようにしてもよい。
(3)特定役(15枚役)の入賞に応じてリプレイタイム(RT)を発生可能にしたが、リプレイタイム(RT)に限らず、例えばアシストタイム(AT),チャレンジタイム(CT)などの特別状態を発生させることも可能である。
(4)また、ストック方式のスロットマシンに適用した場合は、特定役(15枚役)の入賞に応じてストックの放出抽選を行うことも可能である。この場合、引込可能範囲にある引込図柄数に応じてストックの放出を異ならせることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば、本発明は、遊技球を遊技媒体とするスロットマシン(通称パロット)にも適用できる。