JP2009155408A - ブロックポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】100℃以下の低い焼付け温度でも架橋塗膜を形成可能であるブロックポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた塗料組成物を提供する。
【解決手段】脂肪族系ポリイソシアネート組成物、脂環族系ポリイソシアネート組成物、芳香族系ポリイソシアネート組成物から選ばれる1種又は2種以上のポリイソシアネート組成物と以下の式(I)で示される活性メチレン化合物との反応により得られるブロックポリイソシアネート組成物。
Figure 2009155408

(式中Rは水素または炭素数1〜8個のアルキル基、Rは炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基またはベンジル基)
【選択図】なし

Description

低温硬化性に優れるブロックポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた塗料組成物に関する。
ブロックポリイソシアネート組成物は、メラミン系硬化剤と共に、熱架橋型の硬化剤として焼付塗料用に広く使用されている。近年、メラミン系硬化剤を使用した場合、ホルマリンが発生することが指摘されており、地球環境、安全、衛生などの観点からブロックポリイソシアネート組成物が注目されている。
ブロックポリイソシアネート組成物のブロック剤としては、従来、オキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類が知られている。しかしながら従来のブロック剤を使用したブロックポリイソシアネート組成物は、一般に140℃以上の高い焼付け温度を必要とするため、非常に大きなエネルギーコストを必要とする。また、耐熱性の低いプラスチックへの加工には、高温焼付けが必要なブロックポリイソシアネート組成物は使用することができないという制限があった。
そのような欠点を克服するため、比較的低温で架橋塗膜を形成するブロックポリイソシアネート組成物として、アセト酢酸エステル系ブロックポリイソシアネート組成物が提案されている。(特許文献1)しかし、アセト酢酸エステル系ブロックポリイソシアネート組成物においても120℃程度の焼付け温度が必要であり、更なる低温硬化が望まれていた。
特公平6−34972号公報
本発明は、100℃以下の低い焼付け温度でも架橋塗膜を形成可能であるブロックポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究した結果、驚くべきことに、ブロック剤として式(I)に示される活性メチレン化合物のR、Rに特定の置換基を有することで、低温硬化性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
1.脂肪族系ポリイソシアネート組成物、脂環族系ポリイソシアネート組成物、芳香族系ポリイソシアネート組成物から選ばれる1種又は2種以上のポリイソシアネート組成物と以下の式(I)で示される活性メチレン化合物との反応により得られるブロックポリイソシアネート組成物。
Figure 2009155408
(式中Rは水素または炭素数1〜8個のアルキル基、Rは炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基またはベンジル基、Rは炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基またはベンジル基)
2.式(I)のRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする上記1.記載のブロックポリイソシアネート組成物。
3.式(I)のR、Rがともにメチル基であることを特徴とする上記1.または2.記載のブロックポリイソシアネート組成物。
4.式(I)のRがメチル基あるいはエチル基であることを特徴とする上記1.〜3.のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物。
5.1価アルコール系化合物を含有することを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物。
6.上記1.〜5.のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物とポリオールを主成分とする塗料組成物。
に関するものである。
本発明は、100℃以下の焼付け温度でも架橋塗膜を形成可能なブロックポリイソシアネート組成物、及びそれを用いた塗料組成物を提供することができる。
以下に、本発明について、特にその好ましい形態を中心に、詳述する。
本発明のブロックポリイソシアネート組成物の前駆体であるポリイソシアネート組成物は、脂肪族系ポリイソシアネート組成物、脂環族系ポリイソシアネート組成物、芳香族系ポリイソシアネート組成物から選ばれるポリイソシアネート組成物である。これは、単独で用いてもいいし、2種以上を併用しても構わない。
脂肪族系ポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート組成物、リジントリイソシアネート(以下LTIと示す)、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(トリマートリイソシアネート:以下TTIと示す)、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(グルタミン酸エステルトリイソシアネート:以下GTIと示す)、あるいはこれらのトリイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート組成物を例示することができる。
本発明の脂肪族系ポリイソシアネート組成物に使用される脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと記載する)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネートなどがあり、中でも、工業的入手のしやすさからHDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明の脂環族系ポリイソシアネート組成物は、以下に示される脂環族ジイソシアネートから誘導される。
本発明の脂環族系ポリイソシアネート組成物に使用される脂環族ジイソシアネートとしては炭素数8〜30のものが好ましく、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと記載する)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)―シクロヘキサン、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどが例示される。中でも、耐候性、工業的入手の容易さから、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
芳香族系ポリイソシアネート組成物は、以下に示される芳香族ジイソシアネートから誘導される。
本発明の芳香族系ポリイソシアネート組成物に使用される芳香族ジイソシアネートとしては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族ジイソシアネートは、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
これらのポリイソシアネート組成物の中でも、脂肪族系ポリイソシアネート組成物及び/または脂環族系ポリイソシアネート組成物が耐候性に優れるため、好ましい。さらに、脂肪族系ポリイソシアネート組成物の中では、脂肪族ジイソシアネートから誘導される脂肪族系ポリイソシアネート組成物が好ましい。
本発明のブロックポリイソシアネート組成物の前駆体であるポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数は2.0〜20である。下限値は、2.3であることが好ましく、さらに好ましくは2.5、最も好ましくは3.0である。上限値は、15であることが好ましく、さらに好ましくは10である。
2未満の場合は、架橋性が低下し、目的とする塗膜物性が得られない場合があり、一方、20を超える場合には、凝集力が高くなりすぎて、平滑な塗膜が得られない場合がある。
イソシソシアネート基平均数は以下の式(II)による求められる。
Figure 2009155408
本発明に用いるLTI、TTI、GTI等のトリイソシアネートあるいは、これらの誘導体以外のポリイソシアネート組成物は、ビウレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレタン結合、アロファネート結合、オキサジアジントリオン結合等を形成することにより製造されたジイソシアネートの2〜20量体のオリゴマーである。ビウレット結合を有するポリイソシアネート組成物は、水、t−ブタノール、尿素などのいわゆるビウレット化剤とジイソシアネートをビウレット化剤/ジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が約1/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネートを除去精製し得られる。イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネート組成物は、例えば、触媒などにより環状3量化反応を行い、転化率が約5〜約80質量%になった時に反応を停止し、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られる。この際に、1〜6価のアルコール化合物を併用することができる。
ウレタン結合を有するポリイソシアネート組成物は、例えば、トリメチロールプロパンなどの2〜6価のアルコール系化合物とジイソシアネートを、アルコール系化合物の水酸基/ジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が約1/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られる。
LTI、TTI、GTIの誘導体もジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート組成物と同様の方法で、製造されるが、これらのトリイソシアネートの場合、未反応トリイソシアネートの除去精製は必ずしも必要ではない。
本発明のブロックポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基とブロック剤を反応させることにより得られる。
本発明に用いるブロック剤は、式Iに示される活性メチレン化合物である。
具体的には、Rは、水素、あるいは炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数が9以上のアルキル基であると、潜在NCO質量%が低下するとともに、塗料とした時の主剤等との相溶性が低下する場合があり、好ましくない。その中でも、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、最も好ましくは、メチル基である。Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはベンジル基である。炭素数が9以上のアルキル基であると、潜在NCO質量%が低下するとともに、塗料とした時の主剤等との相溶性が低下する場合があり、好ましくない。その中でも、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、最も好ましくは、メチル基である。Rは炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基またはベンジル基である。炭素数が9以上のアルキル基であると、潜在NCO質量%が低下するとともに、塗料とした時の主剤等との相溶性が低下する場合があり、好ましくない。その中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基またはエチル基である。
潜在NCO質量%とは、ブロックポリイソシアネート組成物の全質量に対する潜在的に存在するイソシアネート基の質量%である。
本発明に用いる式Iで示されるブロック剤の具体例としては、イソブタノイル酢酸エステル、n−プロパノイル酢酸エステル、n−ブタノイル酢酸エステル、n−ペンタノイル酢酸エステル、n−ヘキサノイル酢酸エステル、2−エチルヘプタノイル酢酸エステル、等が挙げられる。その中でも、イソブタノイル酢酸エステル、n−プロパノイル酢酸エステル、n−ペンタノイル酢酸エステルが入手の面から好ましく、より好ましくは、イソブタノイル酢酸エステルである。
より具体的には、イソブタノイル酢酸エステルとしては、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチル、イソブタノイル酢酸n−プロピル、イソブタノイル酢酸イソプロピル、イソブタノイル酢酸n−ブチル、イソブタノイル酢酸イソブチル、イソブタノイル酢酸t−ブチル、イソブタノイル酢酸n−ペンチル、イソブタノイル酢酸n−ヘキシル、イソブタノイル酢酸2−エチルヘキシル、イソブタノイル酢酸フェニル、イソブタノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。その中でも、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチル、イソブタノイル酢酸イソプロピル、イソブタノイル酢酸n−ブチル、イソブタノイル酢酸t−ブチルがより好ましく、さらに好ましくは、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチルである。n−プロパノイル酢酸エステルとしては、n−プロパノイル酢酸メチル、n−プロパノイル酢酸エチル、n−プロパノイル酢酸n−プロピル、n−プロパノイル酢酸イソプロピル、n−プロパノイル酢酸n−ブチル、n−プロパノイル酢酸イソブチル、n−プロパノイル酢酸t−ブチル、n−プロパノイル酢酸n−ペンチル、n−プロパノイル酢酸n−ヘキシル、n−プロパノイル酢酸2−エチルヘキシル、n−プロパノイル酢酸フェニル、n−プロパノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。その中でも、n−プロパノイル酢酸メチル、n−プロパノイル酢酸エチル、n−プロパノイル酢酸イソプロピル、n−プロパノイル酢酸n−ブチル、n−プロパノイル酢酸t−ブチ
ルがより好ましく、さらに好ましくは、n−プロパノイル酢酸メチル、n−プロパノイル酢酸エチルである。n−ブタノイル酢酸エステルとしては、n−ブタノイル酢酸メチル、n−ブタノイル酢酸エチル、n−ブタノイル酢酸n−プロピル、n−ブタノイル酢酸イソプロピル、n−ブタノイル酢酸n−ブチル、n−ブタノイル酢酸イソブチル、n−ブタノイル酢酸t−ブチル、n−ブタノイル酢酸n−ペンチル、n−ブタノイル酢酸n−ヘキシル、n−ブタノイル酢酸2−エチルヘキシル、n−ブタノイル酢酸フェニル、n−ブタノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。その中でも、n−ブタノイル酢酸メチル、n−ブタノイル酢酸エチル、n−ブタノイル酢酸イソプロピル、n−ブタノイル酢酸n−ブチル、n−ブタノイル酢酸t−ブチルがより好ましく、さらに好ましくは、n−ブタノイル酢酸メチル、n−ブタノイル酢酸エチルである。n−ペンタノイル酢酸エステルとしては、n−ペンタノイル酢酸メチル、n−ペンタノイル酢酸エチル、n−ペンタノイル酢酸n−プロピル、n−ペンタノイル酢酸イソプロピル、n−ペンタノイル酢酸n−ブチル、n−ペンタノイル酢酸イソブチル、n−ペンタノイル酢酸t−ブチル、n−ペンタノイル酢酸n−ペンチル、n−ペンタノイル酢酸n−ヘキシル、n−ペンタノイル酢酸2−エチルヘキシル、n−ペンタノイル酢酸フェニル、n−ペンタノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。そのなかでも、n−ペンタノイル酢酸メチル、n−ペンタノイル酢酸エチル、n−ペンタノイル酢酸イソプロピル、n−ペンタノイル酢酸n−ブチル、n−ペンタノイル酢酸t−ブチルがより好ましく、さらに好ましくは、n−ペンタノイル酢酸メチル、n−ペンタノイル酢酸エチルである。n−ヘキサノイル酢酸エステルとしては、n−ヘキサノイル酢酸メチル、n−ヘキサノイル酢酸エチル、n−ヘキサノイル酢酸n−プロピル、n−ヘキサノイル酢酸イソプロピル、n−ヘキサノイル酢酸n−ブチル、n−ヘキサノイル酢酸イソブチル、n−ヘキサノイル酢酸t−ブチル、n−ヘキサノイル酢酸n−ペンチル、n−ヘキサノイル酢酸n−ヘキシル、n−ヘキサノイル酢酸2−エチルヘキシル、n−ヘキサノイル酢酸フェニル、n−ヘキサノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。その中でも、n−ヘキサノイル酢酸メチル、n−ヘキサノイル酢酸エチル、n−ヘキサノイル酢酸イソプロピル、n−ヘキサノイル酢酸n−ブチル、n−ヘキサノイル酢酸t−ブチルがより好ましく、さらに好ましくは、n−ヘキサノイル酢酸メチル、n−ヘキサノイル酢酸エチルである。2−エチルヘプタノイル酢酸エステルとしては、2−エチルヘプタノイル酢酸メチル、2−エチルヘプタノイル酢酸エチル、2−エチルヘプタノイル酢酸n−プロピル、2−エチルヘプタノイル酢酸イソプロピル、2−エチルヘプタノイル酢酸n−ブチル、2−エチルヘプタノイル酢酸イソブチル、2−エチルヘプタノイル酢酸t−ブチル、2−エチルヘプタノイル酢酸n−ペンチル、2−エチルヘプタノイル酢酸n−ヘキシル、2−エチルヘプタノイル酢酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘプタノイル酢酸フェニル、2−エチルヘプタノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。その中でも、2−エチルヘプタノイル酢酸メチル、2−エチルヘプタノイル酢酸エチル、2−エチルヘプタノイル酢酸イソプロピル、2−エチルヘプタノイル酢酸n−ブチル、2−エチルヘプタノイル酢酸t−ブチルがより好ましく、さらに好ましくは、2−エチルヘプタノイル酢酸メチル、2−エチルヘプタノイル酢酸エチルである。
本発明においては、上記に示したブロック剤を単独で用いることもできるし、2種以上を併用して使用することもできる。
また、本発明のブロックポリイソシアネート組成物は、既存のブロック剤、例えば、活性メチレン系、オキシム系、ピラゾール系ブロック剤等も混合して使用でき、それらのブロック剤はブロック化反応時に単独あるいは2種以上併用して使用することもできる。
活性メチレン系ブロック剤としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンが例示される。この中でも、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルが低温硬化性に優れるため、好ましい。
オキシム系ブロック剤としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムが例示される。
ピラゾール系ブロック剤としては、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメ
チルピラゾールが例示される。
また、本発明のブロックポリイソシアネート組成物に活性メチレン系、オキシム系、ピラゾール系ブロック剤から選ばれる単独あるいは2種以上のブロック剤から誘導されるブロックポリイソシアネート組成物を混合して使用することもできる。
本発明のブロックポリイソシアネート組成物のブロック剤とすでに公知であるアセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステルは似通った構造を有する化合物である。(アセト酢酸エステルの場合、本発明の式Iにおいて、R、Rともに水素)
本発明において、式IのRあるいはR、Rに特定のアルキル基を有することで、アセト酢酸エステルと比較して、硬化性が向上した。
また、本発明のブロックポリイソシアネート組成物のブロック剤と2,2−ジメチルプロパノイル酢酸エステル(2,2−ジメチルプロパノイル酢酸エステルの場合、本発明の式Iにおいて、R、Rがメチル基でさらにR結合炭素に水素の代わりにメチル基が結合している)もアセト酢酸エステルと同様に、似通った構造を有する化合物である。本発明において、R結合炭素に水素を有することで、2,2−ジメチルプロパノイル酢酸エステルと比較して、硬化性が格段に向上した。
上記2つの結果、つまり式Iに示される活性メチレン系ブロック剤において、カルボニル基隣接炭素に特定のアルキル基かつ水素が結合することで、硬化性が格段に向上するという結果は、驚くべきことであった。特許文献1にアセト酢酸エステルをブロック剤としたブロックポリイソシアネート組成物が開示されているが、本発明のブロック剤を使用したブロックポリイソシアネート組成物については、全く記載がない。
ポリイソシアネート組成物とブロック剤との反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いるのが好ましい。
ブロック反応に際して、反応触媒を使用することができる。具体的な反応触媒としては一般に塩基性を有するものが好ましく、例えば
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩
(2)トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩
(3)アルキルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルキル金属塩
(4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート
(5)ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物
(6)マンニッヒ塩基類
(7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用
(8)トリブチルホスフィン等の燐系化合物等があり、2種以上を併用してもよい。
用いた反応触媒が塗料または塗膜物性に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、該触媒を酸性化合物などで中和することが好ましい。この場合の酸性化合物としては、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸エチルエステル等のスルホン酸またはその誘導体、燐酸エチル、燐酸ジエチル、燐酸イソプロピル、燐酸ジイソプロピル、燐酸ブチル、燐酸ジブチル、燐酸2−エチルヘキシル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸イソデシル、燐酸ジイソデシル、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、ピロリン酸ブチル、亜
燐酸ブチル等があり、2種以上を併用しても良い。
本発明におけるブロック化反応は、ポリイソシアネート組成物の全てのイソシアネート基をブロック化してもいいし、目的に応じて、イソシアネート基の一部を残してもいい。全てのイソシアネート基をブロック化する場合、(ブロック剤のモル数)/(ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基のモル数)は、1.0〜1.5であることが好ましい。
ブロック化反応は、一般に−20〜150℃で行うことができるが、好ましくは0〜100℃である。150℃を越えると副反応を起こす可能性があり、他方、あまり低温になると反応速度が小さくなり不利である。
本発明においては、ポリオールと配合した際の貯蔵安定性を向上するために1価アルコール系化合物を含むことが好ましい。該1価アルコール系化合物としては、脂肪族、脂環族、芳香族などがあり、脂肪族が好ましい。炭素数1〜20が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−エチル−1−プロパノール、n−アミルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール等の飽和アルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3,6−ジオキサ−1−ヘプタノール等のエーテルアルコール等がある。その添加量は、ブロックイソシアネート基に対して0.2〜10倍モル量が好ましい。
このように調整されたブロックイソシアネート組成物は、ポリオールと共に塗料組成物の主要構成成分を形成する。
このポリオールの例としては、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがある。
ポリエステルポリオールとしては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール及び例えば多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られるポリカプロラクトン類等が挙げられる。
アクリルポリオールは、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独または混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独または混合物を共重合させることにより得られる。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルである。
上記単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、多価ヒドロキシ化合物の単独または混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては
(1)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど
(2)エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコール系化合物
(3)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
(4)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオースなどの二糖類、
(5)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類
(6)スタキオースなどの四糖類
等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレンなどが挙げられる。
ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下水酸基平均数)は2以上であることが好ましい。水酸基平均数が2未満であると、得られた塗膜の架橋密度が低下する場合がある。
フッ素ポリオールは分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体がある。
ポリカーボネートポリオール類としては、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物と前述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。
前記ポリオールの水酸基価は10〜300mgKOH/樹脂gであることが好ましい。水酸基価10mgKOH/樹脂g未満の場合には、架橋密度が減少して、本発明の目的とする物性を必ずしも十分には達成することが出来ず、水酸基価が300mgKOH/樹脂gを超えると、逆に架橋密度が増大し、塗膜の機械的物性が低下する場合がある。
好ましいポリオールはアクリルポリオール、ポリエステルポリオールである。
本発明の塗料組成物において、ブロックイソシアネート基とポリオールの水酸基の当量比は、通常10:1〜1:10に設定される。
メラミン系硬化剤等の他の硬化剤も併用することができる。メラミン系硬化剤としては、完全アルキルエーテル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、一部にイミノ基を有するイミノ基型メラミン樹脂が代表的なものとして例示される。
メラミン系硬化剤を併用する場合は、酸性化合物の添加が有効である。酸性化合物の具体例としては、カルボン酸、スルホン酸、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステルが挙げられる。
カルボン酸としては、酢酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸、デカンジカルボン酸が代表例として挙げられ、スルホン酸としては、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸が代表例として挙げられる。また、酸性リン酸エステルとしては、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジラウリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェートが代表例として挙げられ、亜リン酸エステルとしては、ジエチルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジラウリルフホスファイト、モノエチルホスファイト、モノブチルホスファイト、モノオクチルホスファイト、モノラウリルホスファイトが代表例として挙げられる。
必要に応じて、酸化防止剤例えばヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料例えばアルミ等、レオロジーコントロール剤例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等、硬化促進剤例えば、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物等を添加してもよい。
また、用途、目的に応じて、各種溶剤を用いることもできる。
溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどのエステル類、ブタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、などの群から目的及び用途に応じて適宜選択して使用することができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に本発明のブロックポリイソシアネート組成物は、水系塗料への配合性を向上させる目的で、界面活性剤、水に対し混和性の傾向を示す溶剤等を使用してもよい。界面活性剤の具体例としては、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤が挙げられる。水に対し混和性の傾向を示す溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、イソブタノール、ブチルグリコール、N−メチルピロリドン、ブチルジグリコールまたはブチルジグリコールアセテート等が挙げられる。
この様に調整された塗料組成物はロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静
電塗装、ベル塗装などにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及びプラスチック、無機材料などの素材にプライマーまたは中塗り、上塗りとして有用であり、更に防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装などに美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性などを付与するために有用である。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤などのウレタン原料としても有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
(数平均分子量の測定)
ポリイソシアネート組成物の数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)TSKgel SuperH1000(商品名)×1本
TSKgel SuperH2000(商品名)×1本
TSKgel SuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
また、ポリオールの数平均分子量は、下記のGPC測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)TSKgel SuperHM−H(商品名)×2本
キャリアー:N,N−ジメチルホルムアミド
検出方法:示差屈折計
(粘度の測定)
E型粘度計(トキメック社製VISCONIC ED型(商品名))を用いて、25℃で測定した。
(ウレタン結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合存在の確認)
以下の装置を用いたNMR測定から、ウレタン結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合の存在を確認した。
装置:日本電子社製JNM−LA400(商品名)
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトン中に23℃、24時間浸漬後、未溶解部質量の浸漬前質量に対する値を計算した。表2にゲル分率が80%以上のものを○、70%以上80%未満のものを△、70%未満のものを×で示した。
(製造例1)(イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4つ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI:1000gを仕込み、60℃で攪拌下、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート:0.1gを加えた。4時間後、反応液の屈折率が1.4680(転化率が38%)になった時点でリン酸0.2gを添加して反応を停止した。
その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIモノマーは薄膜蒸留により除去した。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は2700mPa・s、イソシアネート基含有量は22.2質量%、数平均分子量は650、イソシアネート基平均数は3.4であった。その後、NMR測定により、イソシアヌレート結合の存在を確認した。
(製造例2)(ウレタン結合、アロファネート結合含有イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 1000部、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール「プラクセル303」(ダイセル化学の商品名 分子量300)50部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化を行った。この時の屈性率は1.4530であった。その後反応液温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、屈折率が1.4735(転化率が54%)になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は9500mPa・s、イソシアネート基含有量は19.2質量%、数平均分子量は1100、イソシアネート基平均数は5.1であった。その後、NMR測定により、ウレタン結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合の存在を確認した。
(実施例1)(ブロックポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られたポリイソシアネート組成物100部、酢酸n−ブチル23.4部、イソブタノイル酢酸メチル80部を仕込み、60℃に保持した。その後、28%ナトリウムメチラート0.73部を添加し、4Hr保持した。n−ブタノール46.8部を添加し、反応液温度80℃で2Hr保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.72部を添加した。反応液の赤外スペクトルを測定した結果、イソシアネート基が消失し、固形分濃度70質量%のブロックポリイソシアネート組成物が得られた。得られたブロックポリイソシアネート組成物の物性を表1に示す。
(実施例2−10、比較例1−2)(ブロックポリイソシアネート組成物の製造)
表1に示す以外は実施例1と同様に行った。得られたブロックポリイソシアネート組成物の物性を表1に示す。
(応用実施例1)(ブロックポリイソシアネート組成物のゲル分率測定)
主剤にアクリルポリオール(大日本インキ化学工業株式会社の商品名「A801」、樹脂分濃度50質量%、水酸基価100mgKOH/樹脂g)100部と実施例1で得られたブロックポリイソシアネート組成物42.5部(ブロックイソシアネート基と主剤の水酸基の当量比を1.0で配合)を配合し、酢酸ブチルで塗料固形分が40質量%になるように調整した。作成した塗料溶液を乾燥後膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、90℃で30分間焼付けし、ゲル分率を測定した。結果を表2に示す。
(応用実施例2−9、応用比較例1−2)(ブロックポリイソシアネート組成物のゲル分率測定)
表2に示す以外は応用実施例1と同様に行った。得られたブロックポリイソシアネート組成物のゲル分率測定の結果を表2に示す。
(応用実施例10)(ブロックポリイソシアネート組成物のゲル分率測定)
実施例2で得られたブロックポリイソシアネート組成物15.5部、水13.6部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(日本乳化剤株式会社の商品名「ニューコール290M」、固形分70質量%)3部をそれぞれ添加し、ホモミキサーで混合した。混合後、乳白色の水分散液が得られた。その後、その混合液とアクリルエマルジョン(樹脂分濃度42質量%、水酸基価40mgKOH/樹脂g、Tg20℃、数平均分子量170,000)100部を混合した。(ブロックイソシアネート基と主剤の水酸基の当量比を1.0で配合、塗料固形分は40質量%で調整)混合後、乳白色の水分散液が得られた。作成した塗液を乾燥後膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、90℃で30分間焼付けし、ゲル分率を測定した。結果を表2に示す。
(応用比較例3)(ブロックポリイソシアネート組成物のゲル分率測定)
表2に示す以外は応用実施例10と同様の方法で行った。得られたブロックポリイソシアネート組成物のゲル分率測定の結果を表2に示す。
本発明のブロックポリイソシアネート組成物は、実施例、比較例、応用実施例、応用比較例により、100℃以下の焼付け温度で架橋可能であり、塗料組成物として好適に用いることができることが確認できた。
Figure 2009155408
Figure 2009155408
Figure 2009155408
Figure 2009155408
ポリイソシアネート組成物と特定の活性メチレン化合物との反応により得られたブロックポリイソシアネート組成物は、100℃以下の焼付け温度でも架橋塗膜を形成可能で塗料組成物に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 脂肪族系ポリイソシアネート組成物、脂環族系ポリイソシアネート組成物、芳香族系ポリイソシアネート組成物から選ばれる1種又は2種以上のポリイソシアネート組成物と以下の式(I)で示される活性メチレン化合物との反応により得られるブロックポリイソシアネート組成物。
    Figure 2009155408
    (式中Rは水素または炭素数1〜8個のアルキル基、Rは炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基またはベンジル基、Rは炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基またはベンジル基)
  2. 式(I)のRが炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  3. 式(I)のR、Rがともにメチル基であることを特徴とする請求項1または2記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  4. 式(I)のRがメチル基あるいはエチル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  5. 1価アルコール系化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物とポリオールを主成分とする塗料組成物。
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