JP5339675B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性と乾燥性に優れ、かつ塗料用硬化剤として使用した場合に充分なポッ
トライフを有するポリイソシアネート組成物及びその製造方法に関する。
ポリイソシアネートを硬化剤とするウレタン系塗料組成物は、その塗膜の耐薬品性、可
とう性などが優れている。特に、脂肪族、脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソ
シアネートを使用した場合、更に耐候性に優れるため、その使用は常温硬化性の2液ウレ
タン塗料、熱硬化性の1液ウレタン塗料および2液ウレタン塗料の形態で、自動車、建築
、家電等の分野の塗料として広く用いられている。しかしながら、該ウレタン系塗料組成
物には、作業時間短縮のため、架橋性、乾燥性の向上が望まれていた。
その解決のため、いくつかのポリイソシアネートが提案されている。
通常、脂肪族ジイソシアネートあるいは脂環族ジイソシアネートから得られる硬化剤の
イソシアネート基の平均数は約3であり、イソシアネート基の平均数をより高めて、架橋
性の向上を図る技術が特許文献1、2に開示されている。特許文献1の技術は、架橋性は
向上するが、乾燥性が不足する場合があった。また、特許文献2の技術は、架橋性、乾燥
性はともに優れるが、塗料用硬化剤として使用した場合に塗料のポットライフが短くなる
場合があった。
また、性質の異なる2種のプレポリマーを混合するものとして、ヘキサメチレンジイソ
シアネートプレポリマーとイソホロンジイソシアネートプレポリマーを混合したポリイソ
シアネート組成物が特許文献3、4などに開示されている。これら技術では、一般的に、
硬化初期の塗膜硬度には効果があるが、架橋性に劣る場合があった。
また、上記以外の2種のプレポリマーを混合するものとして、低粘度ポリイソシアネー
トと高粘度ポリイソシアネートを混合したポリイソシアネート組成物が特許文献5に開示
されているが、該技術では、低粘度ポリイソシアネートを混合することにより、低粘度化
が達成されるが、その割合が多い場合は、架橋性あるいは乾燥性に劣り、少ない場合には
、塗料用硬化剤として使用した場合に塗料のポットライフが短くなる場合があった。
そのため、架橋性、乾燥性に優れ、かつ、塗料用硬化剤として使用した場合に充分なポ
ットライフを有するポリイソシアネートの提供が強く望まれていた。
特開平06−312969号公報 国際公開2005/082966号パンフレット 特表平06−510087号公報 特開2002−293873号公報 特願2005−342329号
本発明は、架橋性、乾燥性に優れ、かつ、塗料用硬化剤として使用した場合に充分なポ
ットライフを有するポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネー
ト群、ポリオール群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物から誘導されたポリイソシ
アネート組成物であって、その各群の質量比を特定割合とし、特定の構造を有するポリオ
ール群を使用した結果、驚くべきことに、架橋性、乾燥性に優れ、かつ塗料用硬化剤とし
て使用した場合に充分なポットライフを有するという知見に基づき本発明を完成させるに
至った。
すなわち本発明は、
1.下記構造式(1)で表され、ポリイソシアネート骨格における、水酸基平均数3のポリオールの成分濃度が1〜30質量%、脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=90/10〜60/40(質量比)であり、粘度が5〜98Pa・s/25℃、数平均分子量が600〜1000、かつ、ジイソシアネート濃度が3質量%以下であるポリイソシアネート組成物、
R−(NCO)n ・・・式(1)
(式中、Rは、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと1種以上の水酸基平均数3のポリオールから誘導されたポリイソシアネートにおけるイソシアネート基を除く残基であり、ジイソシアネートとポリオールとがアロファネート結合及び/又はウレタン結合を介して結合されている基である。イソシアネート基平均数nは3〜6である。)
2.ポリイソシアネート骨格における、水酸基平均数3のポリオール成分濃度が1〜20質量%であることを特徴とする上記1.に記載のポリイソシアネート組成物、
3.水酸基平均数3のポリオールが数平均分子量150〜500であることを特徴とする上記1.または2.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物、
4.式(1)のイソシアネート基の平均数nが3.3〜5であることを特徴とする上記1.〜3.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物、
5.水酸基平均数3のポリオールがポリエステルポリオールであることを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物、
6.ポリイソシアネート骨格における脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=80/20〜60/40(質量比)であることを特徴とする上記1.〜5.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物、
7.上記1.〜6.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基がブロック剤で封鎖されたことを特徴とするブロックポリイソシアネート組成物、
8.脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと1種以上のポリオールから誘導されたポリイソシアネートを反応後、前記ジイソシアネートを除去することを特徴とする上記1.〜6.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物の製造方法、
に関するものである。
本発明のポリイソシアネート組成物により、架橋性、乾燥性に優れ、かつ、塗料用硬化
剤として使用した場合に充分なポットライフを有するポリイソシアネート組成物を提供す
ることができた。
以下に、本発明について、特にその好ましい形態を中心に、詳述する。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いる脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数
4〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと記載する)、2,2
,4−トリメチル−1,6−ジイソシアネートヘキサン、リジンイソシアネートなどが挙
げられ、中でも、工業的入手のしやすさからHDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネート
は、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いる脂環族ジイソシアネートとしては、炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと記載する)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。中でも、耐候性、工業的入手の容易さから、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明に使用するポリオールとしては、分子量500未満の低分子ポリオールと分子量
500以上の高分子ポリオールが挙げられる。低分子ポリオールとしては、ジオール類、
トリオール類、テトラオール類などがあり、ジオール類としては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ト
リプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,
2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−
メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメ
チル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオ
ール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ルなどが挙げられ、トリオール類としては、例えば、グルセリン、トリメチロールプロパ
ンなどが挙げられ、テトラオール類としては、例えば、ペンタエリスリトールなどが挙げ
られる。
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイ
マー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の
群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリ
セリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得
られるポリエステルポリオール及び、例えばε−カプロラクトンを多価アルコールに開環
重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つア
クリル酸エステル等、またはグリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸
モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸
モノエステル等の群から選ばれた単独または混合物とメタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メ
タクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水
素を持つメタクリル酸エステル等の群から選ばれた単独または混合物とを必須成分とし、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル等、メタクリル酸メチル
、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル
酸エステル等、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不
飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、フマル酸ジブチル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル
基を有するビニルモノマー等のその他の重合性モノマーの群から選ばれた単独または混合
物の存在下、あるいは非存在下において重合させて得られるアクリルポリオールが挙げら
れる。
ポリエーテルポリオール類としては、多価ヒドロキシ化合物の単独または混合物に、例
えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミン
などの強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイ
ドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジア
ミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリ
オール類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる
、いわゆるポリマーポリオール類等が挙げられる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、
(1)例えば、ジクリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールなど
(2)例えば、エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、
キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコ
ール系化合物、 (
3)例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクト
ース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
(4)例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース
、ラクトース、メリビオースなどの二糖類、
(5)例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類、
(6)例えば、スタキオースなどの四糖類、 などが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタエン、
水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレンなどが挙げられる。
ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下水酸基平均数)は2〜8であることが好
ましい。水酸基平均数が2未満であると、本発明のnの範囲が得られず、硬化性が低下す
る。また、8を超えると、得られたポリイソシアネート組成物の粘度が非常に高くなるか
、この粘度を低下させるためにポリオールの分子量を大きくすると、これで得られたポリ
イソシアネート組成物を用いて形成した塗膜の硬度の低下を招く場合がある。好ましい水
酸基平均数は3である。
好ましいポリオールの例としては、前記の低分子量ポリオール及びポリエステルポリオ
ールであり、さらに好ましくは、ポリエステルポリオールであり、その中でも最も好まし
くは、低分子量ポリオールにε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラク
トンポリオールである。
また、ポリオールの数平均分子量は、100〜1000が好ましく、より好ましくは1
00〜800であり、さらに好ましくは150〜500の範囲である。数平均分子量が1
00よりも小さい場合は、水酸基平均数が小さくなるため、本発明のnの範囲が得られに
くく、及び/又は形成した塗膜の可とう性が不足する場合があり、ポリオールの数平均分
子量が1000を超えた場合には、形成した塗膜の硬度の低下を招く恐れがある。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシア
ネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと1種以上のポリ
オールから誘導される。
本発明のポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格を構成する脂肪族ジイソ
シアネート成分と脂環族ジイソシアネート成分の質量比率は90:10〜60:40であ
ることが好ましく、より好ましくは80:20〜60:40である。前記比が90:10
未満であると、これにより得られる塗膜の硬度が得られにくくなる場合があり、60:4
0を超えると、ポリイソシアネート組成物の粘度が高くなる場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格を構成するとは、単にポ
リイソシアネート組成物中に存在するという意味ではなく、ポリイソシアネート構造中に
組み込まれていることを示す。
本発明のポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格を構成するポリオール成
分濃度は1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。
1質量%未満であると、イソシアネート基の平均数が低下しやすく、30質量%を超える
と、イソシアネート基濃度が低下しやすい。
本発明のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数nは3〜6であることが
好ましく、より好ましくは3.3〜5である。3未満の場合は、ポリイソシアネート組成
物の架橋性が低下する場合があり、6を超えると、塗料用硬化剤として使用した場合に塗
料のポットライフが短くなる場合がある。
イソシアネート基平均数は以下の式(2)による求められる。
Figure 0005339675
本発明のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度は3〜22質量%が好まし
い。3質量%未満の場合は、形成された塗膜中のウレタン結合濃度が低下しやすく、可と
う性が低下する場合があり、22質量%を越える場合、イソシアネート基平均数の増加が
し難く、硬化性が劣る場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物の数平均分子量は600〜1200が好ましく、よ
り好ましくは600〜1000である。600未満ではイソシアネート基平均数が低下し
やすく、1200を越えるとポリイソシアネート組成物の粘度が高くなる場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は5〜150Pa・sである
ことが好ましく、より好ましくは10〜120Pa・sであり、さらに好ましくは10〜
100Pa・sである。5Pa・s未満の場合は、結果的にイソシアネート基平均数が低
下しやすく、150Pa・sを超える場合、作業性が低下する場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物中の未反応ジイソシアネートモノマー濃度は3質量
%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは
0.5質量%以下である。未反応ジイソシアネート濃度が3質量%を越えると、ポリイソ
シアネート組成物の硬化性が低下する場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法について説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシア
ネート群のそれぞれの群から選ばれた2種以上のジイソシアネートと1種以上のポリオー
ルを反応させることを特徴として誘導される。ジイソシアネートのイソシアネート基とポ
リオールの水酸基のウレタン化反応及び、イソシアヌレート化反応の両者を併用すること
が好ましい。イソシアヌレート化反応後、前記ポリオールを添加し、ウレタン化反応を行
うことができるが、好ましくはウレタン化反応後、イソシアヌレート化反応を行うことが
、イソシアネート基平均数を高めるために好ましい。
イソシアヌレート化反応により、その前に形成されたウレタン基の一部またはすべては
アロファネート基となる。
前記のジイソシアネートとポリオールを反応させる場合のジイソシアネートとポリオー
ルの比率は、好ましくはイソシアネート基/水酸基の当量比が10〜100であり、より
好ましくは15〜80であり、さらに好ましくは、20〜60である。10未満であると
、得られるポリイソシアネート組成物の粘度が高くなり、100を超えると、ポリイソシ
アネート組成物のイソシアネート基平均数の増加が難しい場合がある。反応温度は、好ま
しくは50〜200℃、より好ましくは50〜150℃である。50℃未満では反応が進
みにくく、200℃を超えると製品の着色など好ましくない副反応が生じる場合がある。
水酸基の一部またはすべてが反応した後または反応と同時に、イソシアヌレート基を形
成するイソシアヌレート化反応を行うことが好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物は上記のイソシアヌレート化反応によるイソシアヌ
レート基を有することが好ましく、より好ましくは、イソシアヌレート3量体濃度が20
質量%以上であり、さらに好ましくは、イソシアヌレート3量体濃度が30質量%以上で
ある。イソシアヌレート基を有しない場合、これにより得られたポリイソシアネートを使
用して得られる塗膜の硬度が低下しやすく、さらにイソシアヌレート3量体濃度が20質
量%未満の場合、ポリイソシアネート組成物の粘度が高くなりやすい。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、50〜200℃、好ましくは50〜150℃で
ある。50℃未満では、反応が進みにくく、200℃を超えると製品の着色など好ましく
ない副反応が生じる場合がある。
この際に使用するイソシアヌレート化触媒としては、例えば一般に塩基性を有するもの
が好ましく、(1)例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の
テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸、カプリン酸等の有
機弱酸塩、(2)例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒド
ロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒ
ドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド
や、例えば、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、(3)酢酸、カプロン酸、オクチル酸、
ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の例えば、錫、亜鉛、鉛等のアルカリ金属塩、(4
)例えば、ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、(5)例えば、ヘキサメチルジ
シラザン等のアミノシリル基含有化合物、(6)マンニッヒ塩基類、(7)第3級アミン
類とエポキシ化合物との併用、(8)例えば、トリブチルホスフィン等の燐系化合物、な
どが挙げられる。
この中でも4級アンモニウムの有機弱酸塩が好ましく、さらにテトラアルキルアンモニ
ウムの有機弱酸塩がさらに好ましい。
これらは反応を終了させるために、触媒を中和する例えばリン酸、リン酸エステルなど
の酸性物質、熱分解、化学分解等により不活性化することができる。
ポリイソシアネート組成物の収率は10〜70質量%の範囲から選択される。高い収率
で得られるポリイソシアネート組成物の粘度は高くなる。
これらの反応は溶媒を用いても、用いなくても良い。溶媒を用いる場合は、イソシアネ
ート基に対して不活性な溶媒を用いるべきである。
反応終了後、未反応ジイソシアネートモノマーは薄膜蒸発缶、抽出などにより除去され
る。
本発明のポリイソシアネート組成物は、単独の場合だけでなく、2種以上のポリイソシ
アネート組成物を混合した場合にも適用される。
架橋性に優れる硬化剤は、その反応性ゆえに、塗料用硬化剤として使用した場合にポッ
トライフが短くなるのが一般的である。本発明のポリイソシアネート組成物は、架橋性、
乾燥性に優れるにもかかわらず、塗料用硬化剤として使用した場合に充分なポットライフ
を有することは驚くべきことであった。
本発明のポリイソシアネート組成物は、そのイソシアネート基の一部を活性水素含有化
合物で後変性反応させたポリイソシアネート組成物として使用することもできる。ここで
掲載する後変性反応とは、ポリイソシアネート組成物を得た後に、そのポリイソシアネー
ト組成物の性能を付与させるため、そのイソシアネート基の一部を活性水素含有化合物と
反応させることをいう。活性水素含有化合物は、単独で用いても良いし、2種以上を併用
して用いてもよい。この場合、使用する活性水素含有化合物によっては主剤であるポリオ
ールとの相溶性が向上する場合がある。
活性水素含有化合物で後変性反応させる場合の後変性率は、ポリイソシアネート組成物
中のイソシアネート基の5〜30%であることが好ましく、更に好ましくは5〜20%で
ある。5%未満であるとポリオールとの相溶性が良好とならない場合があり、30%を越
える場合、塗膜の硬化性が充分でない場合が生じる。
活性水素含有化合物としては、モノアルコール、モノカルボン酸が用いられる。モノア
ルコールの具体例としては、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、n−ペ
ンタノール、イソペンタノール、n−ヘキサノール、2−ヘキサノール、n−ヘプタノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,3,5−トリメチルヘキサノール
、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−
テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノー
ル、n−オクタデカノール、n−ノニルデカノール、エイコサノール、5−エチル−2−
ノニルアルコール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジ
エチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデ
カノール、2−デシルテトラデカノールなどの脂肪族アルコール、シクロペンタノール、
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール、ノル
ボルニルアルコールなどの脂環族アルコール、あるいはフェノール性の芳香族アルコール
、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
また、2−ブトキシエタノールなどのエーテル基含有アルコール、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートなどのエステル基含有アルコールなども
挙げられる。モノカルボン酸としては、吉草酸、、トリメチル酢酸、2−メチルブタン酸
、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの脂肪族カルボン酸、シクロヘキ
サンカルボン酸などの脂環族カルボン酸、安息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸などの芳
香族カルボン酸が挙げられる。好ましくは、モノアルコールであることが好ましく、イソ
ブタノール、イソペンタノール、2−エチルヘキサノール、3,3,5−トリメチルヘキ
サノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリ
メチルシクロヘキサノール、ノルボルニルアルコールなどの分岐アルコールがより好まし
く、更に好ましくは、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノールで
ある。
この反応は溶媒を用いても、用いなくてもよい。溶媒を用いる場合は、イソシアネート
基に対して不活性な溶媒を用いるべきである。反応温度は通常20〜160℃、好ましく
は40〜130℃である。
この反応は、触媒を用いても用いなくても良く、用いる場合の触媒として錫、亜鉛、鉛
等の有機金属塩及び3級アミン等が挙げられる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、そのイソシアネート基の一部または全てをブロ
ック剤で封鎖し、ブロックポリイソシアネートとしても使用できる。
この場合に使用されるブロック剤としては、活性水素を分子内に1個有する化合物が好
ましく、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン、
メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミ
ン系、イミド系、ピラゾール系化合物等がある。より具体的なブロック化剤の例を下記に
示す。
(1)メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノ
ール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノールなどのアルコール類。
(2)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモ
ノおよびジアルキルフェノール類であって、例えば、n−プロピルフェノール、i−プロ
ピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノ
ール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノー
ル、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール
、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ
−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール
、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノ
ール類。
(3)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノ
ール、ヒドロキシ安息香酸エステル等。
(4)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、ア
セト酢酸エチル、アセチルアセトン等。
(5)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等。
(6)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラ
クタム、γ−ブチロラクタム等。
(7)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等。
(8)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等。
(9)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等。
(10)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、
メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等。
(11)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等。
(12)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等。
(13)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾー
ル等。
好ましいブロック剤は、アルコール系、オキシム系、酸アミド系、活性メチレン系、ピ
ラゾール系から選ばれる少なくとも1種である。
ポリイソシアネート組成物とブロック剤とのブロック化反応は溶剤の存在の有無に関わ
らず行うことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用
いる必要がある。
ブロック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩及び3級アミン系化合物、ナト
リウムなどのアルカリ金属のアルコラート等を触媒として用いてもよい。
反応は、−20〜150℃で行うことが好ましく、より好ましくは30〜100℃であ
る。150℃を越える温度では副反応を起こす可能性があり、他方、−20℃未満になる
と反応速度が小さくなりやすい。
本発明の塗料組成物は前記ポリイソシアネート組成物に加えて、イソシアネート基と反
応性を有する活性水素を分子内に2個以上有する化合物と混合し、主成分を構成する。ポ
リイソシアネート組成物中のイソシアネート基は、この活性水素含有化合物と反応して、
架橋塗膜を形成することができる。前記の活性水素を2個以上有する化合物とは、例えば
、ポリオール、ポリアミン、ポリチオールなどであり、多くの場合、ポリオールが使用さ
れる。このポリオールの例としては、前記の高分子ポリオールの以外に、フッ素ポリオー
ルなどがある。フッ素ポリオールは分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば特開
昭57−034107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオ
ロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボ
ン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。前記ポリオールの水酸基価は30〜20
0mgKOH/g、酸価0〜30mgKOH/gの中から選択される。
好ましいポリオールはアクリルポリオール、ポリエステルポリオールである。
必要に応じて、完全アルキル型、メチロール基型アルキル、イミノ基型アルキル等のメ
ラミン系硬化剤を添加することができる。
また、用途、目的に応じて各種溶剤、添加剤を用いることができる。溶剤としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどのエステル類、ブタノール、イソプロピルア
ルコールなどのアルコール類、などの群から目的及び用途に応じて適宜選択して使用する
ことができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて、酸化防止剤、例えばヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤、例
えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料、例えば、酸化チタン、カーボンブラ
ック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料、例えばアルミ等、レオロ
ジーコントロール剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等
、硬化促進剤、例えば、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物等を添加してもよい。
この様に調整された塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、
静電塗装、ベル塗装などにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及びプラスチック、無機
材料などの素材にプライマーまたは上中塗りとして有用であり、更に防錆鋼板を含むプレ
コートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装などに美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、
耐チッピング性などを付与するために有用である。また、接着剤、粘着剤、エラストマー
、フォーム、表面処理剤などのウレタン原料としても有用である。
以下に、実施例などの基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
などにより何ら限定されるものではない。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GP
Cという。)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)TSKgel SuperH1000(商品名)×1本
TSKgel SuperH2000(商品名)×1本
TSKgel SuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
(残存ジイソシアネートモノマー濃度)
前記GPC測定で得られる未反応ジイソシアネート相当の分子量(例えば、HDIであ
れば168)のピーク面積%をその質量濃度として表した。
(イソシアヌレート3量体濃度)
前記GPC測定で得られるイソシアヌレート3量体相当の分子量(例えば、IPDIで
あれば667)のピーク面積%をその濃度として表した。
(アロファネート基、イソシアヌレート基)
以下の装置を用いた 1H−NMR測定から、アロファネート基とイソシアヌレート基の存
在を確認した。
装置:日本電子社製、JNM−LA400(商品名)
溶剤:重クロロホルム (粘度の測定)
E型粘度計(トキメック社製、VISCONIC:ED型(商品名))を用いて、25
℃で測定した。
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトン中に20℃、24時間浸漬後、未溶解部質量の浸漬前質量に対す
る値を計算し、90質量%未満の場合は×、90質量%以上の場合は〇で表した。
(塗膜硬度)
ケーニッヒ硬度計(BYK.Gardner社のPendulum.hardness
.tester(商品名))を用いて、測定温度23℃、塗膜膜厚40μmで測定した。
ケーニッヒ硬度が100未満の場合は×、100以上の場合は○で表した。
(ポットライフ)
アクリルポリオール(アクゾノーベル社の商品名「SETALUX1903」、樹脂固
形分75%、水酸基価;150mgKOH/樹脂g)とポリイソシアネート組成物を水酸
基とイソシアネート基の当量比が1.0になるように混合し、更にSTANN.BL(三
共有機合成社の商品名)を塗料固形分に対して100ppmを混合し、シンナーとして酢
酸ブチルでフォードカップNo.4で測定した粘度が15秒になるように希釈した。
上記塗料組成物の粘度を23℃で測定した場合に、6時間後に25秒未満の場合を○、
25秒以上になる場合を×として表した。
[実施例1](ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラス
コ内を窒素雰囲気にし、HDI:700部、IPDI:300部、3価アルコールである
ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール「プラクセル303」(ダイセル化学の商
品名、分子量300)32部を仕込み、攪拌下で反応器内温度を90℃1時間保持しウレ
タン化を行った。その後反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラ
メチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が32%になった時点で燐酸を添加し反応
を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDI、IPDIを薄膜蒸留装置に
より除去した。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は19000mPa・s、イソシア
ネート基基含有量は19.0質量%、ジイソシアネートモノマー濃度は0.3質量%、数
平均分子量は900、イソシアネート基平均数は4.1、HDI成分/IPDI成分の質
量比は77/23、ポリオール成分濃度は9.7質量%であった。アロファネート基、イ
ソシアヌレート基の存在を確認した。結果は表1に記載した。
[実施例2、3](ポリイソシアネート組成物の製造)
仕込み原料を表1に示す以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例4](ポリイソシアネート組成物の製造)
吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、実施例2で得られたポリイソシアネート組成物500部、酢酸ブチル130部、シクロヘキサノール22部を仕込み、攪拌下反応器内温度を70℃に保持し2時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート濃度が13.0質量%になった時点で、温度を下げ、反応を終了とした。得られたポリイソシアネート溶液の25℃の粘度は、520mPa・s、数平均分子量は910、イソシアネート基平均数は3.5であった。
その後、エバポレーターで酢酸ブチルを減圧留去し、100質量%を得た。この時の25℃における粘度は98000mPa・sであった。結果は表2に記載した。
参考実施例5](ポリイソシアネート組成物の製造)
仕込み原料を表2に示す以外は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
(比較例1、2)(ポリイソシアネート組成物の製造) 仕込み原料、反応条件を表1
に示す以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(比較例3)(ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラス
コ内を窒素雰囲気にし、HDI:700部、IPDI:300部を仕込み、80℃で2時
間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリ
エートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が37質量%になった時点で2時
間後、リン酸を添加して反応を停止した。
その後、反応液を濾過した後、未反応のHDI、IPDIを薄膜蒸留装置により除去し
た。得られたポリイソシアネートの物性を表1に示す。
(比較例4)(ポリイソシアネート組成物の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラス
コ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000部、イソブタノール1.0部を仕込み、撹拌下
反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒テトラメチル
アンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、HDIモノマーの転
化率が18%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を更に160℃で1時
間保持した。この加熱によりウレトジオン基含有ポリイソシアネートが生成した。反応液
を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。ウレトジオン基を含
有した後の収率は20%となった。得られたポリイソシアネートの特性を表1に示す。
(比較例5)(ポリイソシアネート組成物の製造)
比較例2で得られたポリイソシアネート組成物と比較例4で得られたポリイソシアネー
ト組成物を1/1(質量比)で混合させた。得られたポリイソシアネートの特性を表3に
示す。
(参考例1〜5、比較参考例1〜5)(塗料組成物の製造、ゲル分率、塗膜硬度評価)
アクリルポリオール(アクゾノーベル社の商品名「SETALUX1903」、樹脂分
濃度75質量%、水酸基価150mgKOH/樹脂g)と実施例1〜5、比較例1〜5で
得られたポリイソシアネート組成物を用いて、イソシアネート基/水酸基の当量比1.0
で塗料配合し、酢酸ブチルで塗料粘度がフォードカップNo.4で15秒になるように調
整した。作成した塗料溶液をガラス板に乾燥後膜厚40μmになるようにアプリケーター
塗装し、90℃で30分間パスで硬化し、ゲル分率、塗膜硬度を評価した。結果を表4に
示す。
Figure 0005339675
Figure 0005339675
Figure 0005339675
Figure 0005339675

Claims (8)

  1. 下記構造式(1)で表され、ポリイソシアネート骨格における、水酸基平均数3のポリオールの成分濃度が1〜30質量%、脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=90/10〜60/40(質量比)であり、粘度が5〜98Pa・s/25℃、数平均分子量が600〜1000、かつ、ジイソシアネート濃度が3質量%以下であるポリイソシアネート組成物。
    R−(NCO)n ・・・式(1)
    (式中、Rは、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと1種以上の水酸基平均数3のポリオールから誘導されたポリイソシアネートにおけるイソシアネート基を除く残基であり、ジイソシアネートとポリオールとがアロファネート結合及び/又はウレタン結合を介して結合されている基である。イソシアネート基平均数nは3〜6である。)
  2. ポリイソシアネート骨格における、水酸基平均数3のポリオール成分濃度が1〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 水酸基平均数3のポリオールが数平均分子量150〜500であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 式(1)のイソシアネート基の平均数nが3.3〜5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 水酸基平均数3のポリオールがポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物。
  6. ポリイソシアネート骨格における脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=80/20〜60/40(質量比)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基がブロック剤で封鎖されたことを特徴とするブロックポリイソシアネート組成物。
  8. 脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと1種以上の水酸基平均数3のポリオールから誘導されたポリイソシアネートを反応後、前記ジイソシアネートを除去することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物の製造方法。
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