JP5354854B2 - ウレタン系塗料組成物 - Google Patents
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Description
その解決のため、いくつかのポリイソシアネートが提案されている。通常、脂肪族ジイソシアネート或いは脂環族ジイソシアネートから得られる硬化剤のイソシアネート基平均数は約3であり、イソシアネート基平均数をより高めて、架橋性の向上を図る技術が特許文献1、2に開示されている。特許文献1に開示の技術は、架橋性は向上するが、乾燥性が不足する場合があった。また、特許文献2に開示の技術は架橋性、乾燥性はともに優れるが、塗料用硬化剤として使用した場合に塗料のポットライフが短くなる場合があった。
また、上記以外の2種のプレポリマーを混合するものとして、低粘度ポリイソシアネートと高粘度ポリイソシアネートを混合したポリイソシアネート組成物が特許文献5に開示されている。これは、低粘度ポリイソシアネートを混合することにより、低粘度化が達成されるが、その割合が多い場合は、架橋性あるいは乾燥性に劣り、少ない場合には、塗料用硬化剤として使用した場合に塗料のポットライフが短くなる場合があった。
そのため、架橋性、乾燥性に優れ、かつ、塗料用硬化剤として使用した場合に充分なポットライフを満足するポリイソシアネートが望まれていた。
すなわち本発明は、下記の通りである。
1.少なくとも下記(1)及び(2)の2成分を含有することを特徴とする塗料組成物。
(1)水酸基価30〜200mgKOH/g、酸価0〜30mgKOH/gであるポリオール。
(2)下記構造式(1)で表され、ポリイソシアネート骨格における、水酸基平均数3のポリオールの成分濃度が1〜30質量%、脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=90/10〜60/40(質量比)であり、粘度が5〜98Pa・s/25℃、数平均分子量600〜1000、かつ、遊離のジイソシアネート濃度3質量%以下であるポリイソシアネート組成物。
R−(NCO)n ・・・式(1)
(式中、Rは、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと水酸基平均数3のポリオールから誘導されたポリイソシアネートにおけるイソシアネート基を除く残基であり、ジイソシアネートとポリオールとがアロファネート結合及び/又はウレタン結合を介して結合されている基であり、イソシアネート基平均数nは3〜6である。)
3.ポリイソシアネート組成物の水酸基平均数3のポリオールが数平均分子量150〜500であることを特徴とする上記1.又は2.に記載の塗料組成物。
4.式(1)のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数nが3.3〜5であることを特徴とする上記1.〜3.のいずれかに記載の塗料組成物。
5.ポリイソシアネート組成物の水酸基平均数3のポリオールがポリエステルポリオールであることを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載の塗料組成物。
6.ポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格における脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=80/20〜60/40(質量比)であることを特徴とする上記1.〜5.のいずれかに記載の塗料組成物。
7.上記1.〜6.のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基
がブロック剤で封鎖されたことを特徴とする塗料組成物。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いる脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと記載する。)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアネートヘキサン、リジンイソシアネートなどが挙げられ、中でも、工業的入手のしやすさからHDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いる脂環族ジイソシアネートとしては、炭素数8〜30のものが好ましく、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと記載する。)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられ、中でも、耐候性、工業的入手の容易さから、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール、及び例えば、ε−カプロラクトンを多価アルコールに開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
(1)例えば、ジクリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど、
(2)例えば、エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコール系化合物など、
(3)例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類など、
(4)例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース
、ラクトース、メリビオース等の二糖類など、
(5)例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類など、
(6)例えば、スタキオース等の四糖類など、
等が挙げられる。
ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下、水酸基平均数という。)は2〜8であることが好ましい。水酸基平均数が2未満であると、本発明の式(1)中のnの範囲が得られず、硬化性が低下する。また、8を超えると、得られたポリイソシアネート組成物の粘度が非常に高くなるか、この粘度を低下させるためにポリオールの分子量を大きくすると、これで得られたポリイソシアネート組成物を用いて形成した塗膜の硬度の低下を招く場合がある。好ましい水酸基平均数は、3である。
好ましいポリオールの例としては、前記の低分子量ポリオール及びポリエステルポリオールであり、さらに好ましくは、ポリエステルポリオールであり、その中でも最も好ましくは、低分子量ポリオールにε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオールである。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと1種以上のポリオールから誘導される。
本発明のポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格を構成するとは、単にポリイソシアネート組成物中に存在するという意味ではなく、ポリイソシアネート構造中に組み込まれていることを示す。
本発明のポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格を構成するポリオール成分濃度は1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。1質量%未満であると、イソシアネート基平均数が低下しやすく、30質量%を超えると、イソシアネート基濃度が低下しやすい。
イソシアネート基平均数は以下の式(2)による求められる。
本発明のポリイソシアネート組成物の数平均分子量は600〜1200が好ましく、より好ましくは600〜1000である。600未満ではイソシアネート基平均数が低下しやすく、1200を越えるとポリイソシアネート組成物の粘度が高くなる場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は5〜150Pa・sであることが好ましく、より好ましくは10〜120Pa・sであり、さらに好ましくは10〜100Pa・sである。5Pa・s未満の場合は、結果的にイソシアネート基平均数が低下しやすく、150Pa・sを超える場合、作業性が低下する場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物中の未反応ジイソシアネートモノマー濃度は3質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。未反応ジイソシアネート濃度が3質量%を越えると、ポリイソシアネート組成物の硬化性が低下する場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた2種以上のジイソシアネートと1種以上のポリオールを反応させることを特徴として誘導される。ジイソシアネートのイソシアネート基とポリオールの水酸基のウレタン化反応及び、イソシアヌレート化反応の両者を併用することが好ましい。イソシアヌレート化反応後、前記ポリオールを添加し、ウレタン化反応を行うことができるが、好ましくはウレタン化反応後、イソシアヌレート化反応を行うことが、イソシアネート基平均数を高めるために好ましい。
イソシアヌレート化反応により、その前に形成されたウレタン基の一部またはすべてはアロファネート基となる。
水酸基の一部またはすべてが反応した後または反応と同時に、イソシアヌレート基を形成するイソシアヌレート化反応を行うことが好ましい。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、50〜200℃、好ましくは50〜150℃である。50℃未満では、反応が進みにくく、200℃を超えると製品の着色など好ましくない副反応が生じる場合がある。
この中で4級アンモニウムの有機弱酸塩が好ましく、さらにテトラアルキルアンモニウムの有機弱酸塩がさらに好ましい。
これらは反応終了させるために、触媒を中和する例えばリン酸、リン酸エステルなどの酸性物質、熱分解、化学分解等により不活性化することができる。
これらの反応は溶媒を用いても、用いなくても良い。溶媒を用いる場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶媒を用いるべきである。
反応終了後、未反応ジイソシアネートモノマーは、薄膜蒸発缶、抽出などにより除去される。
本発明のポリイソシアネート組成物は、単独の場合だけでなく、2種以上のポリイソシアネート組成物を混合した場合にも適用される。
架橋性に優れる硬化剤を用いたウレタン塗料系組成物は、その硬化剤の反応性ゆえに、塗料のポットライフが短くなるのが一般的である。本発明のウレタン塗料系組成物は、架橋性、乾燥性に優れるにもかかわらず、充分なポットライフを有することは驚くべきことであった。
活性水素含有化合物で後変性反応させる場合の後変性率は、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の5〜30%であることが好ましく、更に好ましくは5〜20%である。5%未満であるとポリオールとの相溶性が良好とならない場合があり、30%を越える場合、塗膜の硬化性が充分でない場合が生じる。
この反応は溶媒を用いても、用いなくてもよい。溶媒を用いる場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶媒を用いるべきである。反応温度は通常20〜160℃、好ましくは40〜130℃である。
この反応は、触媒を用いても用いなくても良く、用いる場合の触媒として錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩及び3級アミン等が挙げられる。
この場合に使用されるブロック剤としては、活性水素を分子内に1個有する化合物が好ましく、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物等がある。より具体的なブロック化剤の例を下記に示す。
(1)メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノールなどのアルコール類。
(2)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアルキル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェノール類であって、例えば、n−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類。
(4)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等。
(5)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等。
(6)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等。
(7)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等。
(8)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等。
(9)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等。
(10)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等。
(11)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等。
(12)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等。
(13)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等。
ポリイソシアネート組成物とブロック剤とのブロック化反応は溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。
ブロック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩及び3級アミン系化合物、ナトリウムなどのアルカリ金属のアルコラート等を触媒として用いてもよい。
反応は、−20〜150℃で行うことが好ましく、より好ましくは30〜100℃である。150℃を越える温度では副反応を起こす可能性があり、他方、−20℃未満になると反応速度が小さくなりやすい。
必要に応じて、完全アルキル型、メチロール基型アルキル、イミノ基型アルキル等のメラミン系硬化剤を添加することができる。
また、必要に応じて、酸化防止剤例えば、ヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料例えば、アルミ等、レオロジーコントロール剤例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等、硬化促進剤例えば、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物等を添加してもよい。
この様に調整された塗料組成物はロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装などにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及びプラスチック、無機材料などの素材にプライマーまたは上中塗りとして有用であり、更に防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装などに美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性などを付与するために有用である。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤などのウレタン原料としても有用である。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)TSKgel SuperH1000(商品名)×1本
TSKgel SuperH2000(商品名)×1本
TSKgel SuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
前記GPC測定で得られる未反応ジイソシアネート相当の分子量(例えば、HDIであれば168)のピーク面積%をその質量濃度として表した。
(イソシアヌレート3量体濃度)
前記GPC測定で得られるイソシアヌレート3量体相当の分子量(例えば、IPDIであれば667)のピーク面積%をその濃度として表した。
(アロファネート基、イソシアヌレート基)
以下の装置を用いた 1H−NMR測定から、アロファネート基とイソシアヌレート基の存在を確認した。
装置:日本電子社製、JNM−LA400(商品名)
溶剤:重クロロホルム
E型粘度計(トキメック社製、VISCONIC;ED型(商品名))を用いて、25℃で測定した。
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトン中に20℃、24時間浸漬後、未溶解部質量の浸漬前質量に対する値を計算し、90質量%未満の場合は×、90質量%以上の場合は○で表した。
(塗膜硬度)
ケーニッヒ硬度計(BYK・Gardner社のPendulum,hardness,tester(商品名))を用いて、測定温度23℃、塗膜膜厚40μmで測定した。ケーニッヒ硬度が100未満の場合は×、100以上の場合は○で表した。
アクリルポリオール(アクゾノーベル社の商品名「SETALUX1903」、樹脂固形分75%、水酸基価:150mgKOH/樹脂g)とポリイソシアネート組成物を水酸基とイソシアネート基の当量比が1.0になるように混合し、更にSTANN・BL(三共有機合成社の商品名)を塗料固形分に対して100ppmを混合し、シンナーとして酢酸ブチルでフォードカップNo.4で測定した粘度が15秒になるように希釈した。
上記塗料組成物の粘度を23℃で測定した場合に、6hr後に25秒未満の場合を○、25秒以上になる場合を×として表した。
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:700部、IPDI:300部、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール「プラクセル303」(ダイセル化学の商品名;分子量300)32部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃、1時間保持しウレタン化を行った。その後反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が32%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDI、IPDIを薄膜蒸留装置により除去した。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は19000mPa・s、イソシアネート基基含有量は19.0質量%、ジイソシアネートモノマー濃度は0.3質量%、数平均分子量は900、イソシアネート基平均数は4.1、HDI成分/IPDI成分の質量比は77/23、ポリオール成分濃度は9.7質量%であった。アロファネート基、イソシアヌレート基の存在を確認した。結果は表1に記載した。
表1に示す以外は製造例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(製造例4)(ポリイソシアネート組成物の製造)
吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例2で得られたのポリイソシアネート組成物500部、酢酸ブチル130部、シクロヘキサノール22部を仕込み、攪拌下反応器内温度を70℃に保持し2時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート濃度が13.0質量%になった時点で、温度を下げ、反応を終了とした。得られたポリイソシアネート溶液の25℃の粘度は、520mPa・s、数平均分子量は910、イソシアネート基平均数は3.5であった。
その後、エバポレーターで酢酸ブチルを減圧留去し、100質量%を得た。この時の25℃における粘度は98000mPa・sであった。結果は表2に記載した。
表2に示す以外は製造例4と同様に行った。結果を表2に示す。
(比較製造例1、2)(ポリイソシアネート組成物の製造)
表1に示す以外は製造例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(比較製造例3)(ポリイソシアネート組成物の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:700部、IPDI:300部を仕込み、80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が37質量%になった時点で2時間後、リン酸を添加して反応を停止した。
その後、反応液を濾過した後、未反応のHDI、IPDIを薄膜蒸留装置により除去した。得られたポリイソシアネートの物性を表1に示す。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000部、イソブタノール1.0部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、HDIモノマーの転化率が18%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を更に160℃、1時間保持した。この加熱によりウレトジオン基含有ポリイソシアネートが生成した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。ウレトジオン基を含有した後の収率は20%となった。得られたポリイソシアネートの特性を表1に示す。
比較製造例2で得られたポリイソシアネート組成物と比較製造例4で得られたポリイソシアネート組成物を1/1(質量比)で混合させた。得られたポリイソシアネートの特性を表3に示す。
(実施例1〜4、参考実施例5、比較例1〜5)(塗料組成物の製造、ゲル分率、塗膜硬度評価)
アクリルポリオール(アクゾノーベル社の商品名「SETALUX1903」、樹脂分濃度75質量%、水酸基価150mgKOH/樹脂g)と製造例1〜4、比較製造例1〜6で得られたポリイソシアネート組成物を用いて、イソシアネート基/水酸基の当量比1.0で塗料配合し、酢酸ブチルで塗料粘度がフォードカップNo.4で15秒になるように調整した。作成した塗料溶液をガラス板に乾燥後膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、90℃、30分パスで硬化し、ゲル分率、塗膜硬度を評価した。結果を表4に示す。
Claims (7)
- 少なくとも下記(1)及び(2)の2成分を含有することを特徴とする塗料組成物。
(1)水酸基価30〜200mgKOH/g、酸価0〜30mgKOH/gであるポリオール。
(2)下記構造式(1)で表され、ポリイソシアネート骨格における、水酸基平均数3のポリオール成分の濃度が1〜30質量%、脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=90/10〜60/40(質量比)であり、粘度が5〜98Pa・s/25℃、数平均分子量600〜1000、かつ、遊離のジイソシアネート濃度3質量%以下であるポリイソシアネート組成物。
R−(NCO)n ・・・式(1)
(式中、Rは、脂肪族ジイソシアネート群、脂環族ジイソシアネート群のそれぞれの群から選ばれた合計2種以上のジイソシアネートと水酸基平均数3のポリオールから誘導されたポリイソシアネートにおけるイソシアネート基を除く残基であり、ジイソシアネートとポリオールとがアロファネート結合及び/又はウレタン結合を介して結合されている基であり、イソシアネート基平均数nは3〜6である。) - ポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格における水酸基平均数3のポリオールの成分濃度が1〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
- ポリイソシアネート組成物の水酸基平均数3のポリオールが数平均分子量150〜500であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 式(1)のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数nが3.3〜5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- ポリイソシアネート組成物の水酸基平均数3のポリオールがポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- ポリイソシアネート組成物のポリイソシアネート骨格における脂肪族ジイソシアネート成分/脂環族ジイソシアネート成分=80/20〜60/40(質量比)であることを特
徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基がブロック剤で封鎖されたことを特徴とする塗料組成物。
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