JP2013199051A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた遮光性を有し、ハードコート剤の塗布性、密着性に優れ、窓貼りフィルムに加工後も長期に渡り使用することのできるフィルムを提供する。
【解決手段】 中間層に染料を含有する少なくとも3層の共押出積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片方の表面に、ポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物を含有するプライマー層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム、および当該フィルム全体のヘーズが5.0%以下であり、可視光線透過率が3〜70%であることを特徴とする窓貼り用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 中間層に染料を含有する少なくとも3層の共押出積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片方の表面に、ポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物を含有するプライマー層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム、および当該フィルム全体のヘーズが5.0%以下であり、可視光線透過率が3〜70%であることを特徴とする窓貼り用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関するものであり、例えば、自動車の窓、建築物の窓等のガラスに貼り合わせをして使用される窓貼り用フィルムに好適に使用することのできる積層ポリエステルフィルムであり、ハードコート層等との良好な密着性が必要な部材としても好適に用いられる積層ポリエステルフィルムに関するものである。
近年、自動車の窓や建築物の窓等に、プライバシーの保護、意匠性、日照調整、内部温度調整、ガラス飛散防止等の目的で貼り合わされるフィルムには、透明性、耐光性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れているポリエステルフィルムが良く用いられる。
我々は既に3層以上の積層ポリエステルフィルムの内層に染料を含有させた複合フィルムを、遮光性を有する窓貼り用ポリエステルフィルムとして用いることを提案している(特許文献1)。
ところで、これらの窓貼り遮光フィルムは、通常片面にハードコート加工が施され、反対面には糊剤が塗布され、この上に離型用フィルムが貼られる層構成であることが多い。この窓貼り用遮光フィルムを作成する際には、傷つき防止、表面硬度等の性能を向上させるために、通常は溶剤系のハードコート加工、糊剤塗布加工を行う必要がある。基材のポリエステルフィルムとハードコート層との密着性を向上させるために、プライマー層として易接着性の塗布層が設けられる場合が一般的である。このプライマー層としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が知られている(特許文献2、3)。
近年、窓貼り遮光フィルム分野では、さらなるコストダウンのための生産速度アップおよび高耐久性が求められてきている。また、環境面での有機溶剤の廃棄削減に向けた配慮から従来使われてきた溶剤系のハードコート剤から無溶剤タイプのハードコート剤への移行が検討されてきている。これらの理由で、ハードコート層等の構成は変化が激しく、さまざまな層との密着性、耐湿熱性が良好であるような易接着性能を有するポリエステルフィルムが求められている。
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、優れた遮光性を有し、ハードコート剤の塗布性、密着性に優れ、窓貼りフィルムに加工後も長期に渡り使用することのできるフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の積層構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を高度に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、中間層に染料を含有する少なくとも3層の共押出積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片方の表面に、ポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物を含有するプライマー層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム、および当該フィルム全体のヘーズが5.0%以下であり、可視光線透過率が3〜70%であることを特徴とする窓貼り用積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、優れた遮光性を有し、ハードコート材、の塗布性、密着性に優れ、窓貼りフィルムに加工後も長期に渡り使用することのできるフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも3層以上のポリエステル層が積層されたフィルムであることが必要で、さらに詳しくは、全ての層が押出口金から共に溶融押し出しされる、いわゆる共押出法により押し出されたフィルムである。また、フィルムは未延伸の状態や一軸延伸フィルムではなくて、縦方向および横方向の二軸方向に延伸して配向させ、その後に熱固定を施したフィルムである。このような積層フィルムは、両面に共押出表層を有し、その間には共押出中間層を有するが、この共押出中間層自体が積層構造となっていてもよい。
ポリエステルフィルムが単層構成である場合には、添加した染料がフィルム表面に湧き出す現象(ブリードアウト)、およびそれが昇華する現象が発生しやすく、これによってフィルム製膜機の汚染されるため、生産自体ができない場合が多く、仮に作成できたとしても、その表層にはブリードアウトによるフィルム内部からの湧出物が存在して、それによって後加工に悪影響を及ぼす。
本発明のポリエステルフィルムは、積層された各層に用いるポリエステルが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。これらの中でもPETは物性とコストのバランスが良好であり、最も良く用いられるポリエステルである。
本発明で用いるポリエステルは、合計で通常10モル%以内、好ましくは5モル%以内であれば第三成分を含有した共重合体であってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等が挙げられる。この中でも特にフィルムの内部異物が少なくなるという観点から、200ppm以下の低含有量で効果のある金属化合物が好ましく、なかでもチタン化合物であることが特に好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、その積層構造の共押出中間層の少なくとも1層が染料を含有する必要があり、当該染料は、可視光領域(380〜780nm)に吸収を持つことが好ましい。このような染料を含有させることによって、フィルム全体の可視光線透過率を3〜70%、さらには5〜50%の範囲とすることが好ましい。
本発明で用いる染料は、ポリエステルに実質的に溶解することが好ましい。ここで言う実質的に溶解するとは、ポリエステルの溶融状態で混練りしたときに、凝集体などが残らずに均一に混ざることを意味し、これによって後述するように二軸配向後のフィルムヘーズが5.0%以下、好ましくは4.0%以下となることを指す。また、これらの染料は、ポリエステルの成型温度で分解が少ないものが好ましい。このような染料は化学構造的にはアントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾメチン系、複素環系染料等が好ましく挙げられ、染色処方的には分散性染料、油溶性染料が好適である。また一般に顔料として分類されているものであっても、上記のように溶融ポリエステル中で溶解するものであれば、本発明では染料として用いることができる。この例としては、フタロシアニン系などの銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロムなどの金属イオンとの錯塩染料などを挙げることができる。
上記の染料は、たとえばグレー調やブラウン調に調色するために、適宜選択して数種混合して使用されるのが一般的であり、これら染料のポリエステル中の含有量は、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%の範囲から適宜選ぶことができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、共押出中間層に前述した染料のほかに、外光等による劣化防止のため、公知のポリエステルフィルムの製造工程で付加される熱に耐えうる紫外線吸収剤あるいはラジカルトラップ剤等を共存させることができる。しかし、これらの添加剤を添加してもフィルムに濁りを生じることなく、前述した範囲内のフィルムヘーズであることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤があるが、透明性の観点からは有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、環状イミノエステル系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などが挙げられる。耐久性の観点からは環状イミノエステル系、ベンゾトリアゾール系がより好ましい。また、紫外線吸収剤を2種類以上併用して用いることも可能である。
本発明の積層ポリエステルフィルムのポリエステル層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することも可能であるが、透明性の観点から粒子を配合量が少ないことが好ましい。粒子を配合する場合、配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
また、粒子を配合する場合、粒子の平均粒径は、通常3μm以下、好ましくは0.01〜1.5μmの範囲である。平均粒径が3μmを超える場合には、フィルムの透明性が悪化する場合や、粒子による粒々感が発生し視認性が悪化する場合がある。
粒子の含有量は、平均粒径にも依存するが、粒子を含有するポリエステルフィルムの層において、通常1000ppm以下の範囲、好ましくは500ppm以下の範囲、さらに好ましくは50ppm以下の範囲(意図して含有しないこと)である。1000ppmを超える場合は、透明性が悪化する場合や、粒子による粒々感が発生し視認性が悪化する場合がある。
フィルムの視認性を悪化させないで、かつ必要最小限の滑り性を確保するため、上記のような粒子を含有させることにより、フィルム表面の平均表面粗さRaを0.005〜0.050μmの範囲内とすることが好ましい。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
なお、本発明の積層ポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、赤外線吸収剤等の公知の添加剤を公知の量だけ添加することも可能である。
本発明において、染料およびその他の添加剤を積層ポリエステルに添加する方法は、フィルムを溶融成型する際に、これらの粉体やペーストあるいは液体などとして添加する方法でもよいが、装置の汚染の問題や銘柄切り替えのしやすさを考慮すると、あらかじめ染料等のマスターバッチを作成しておき、フィルムの溶融成型時にこれらのマスターバッチをクリアレジンで希釈しながら添加することが好ましい。また、これらの溶融成型の際には、ポリエステルに分散良く混練りしながら行うために、特に二軸押出機を用いることが好ましい。
また、共押出表層と共押出中間層の積層厚み構成に関しては、フィルム全体の濁り(フィルムヘーズ)を抑えるために、微粒子の添加された共押出表層はできるだけ薄いことが好ましい。一方で、中間層に存在する染料や他の添加剤がブリードアウトするのを防止するためには、共押出表層はむしろ厚い方が好ましい。これらを勘案して、フィルム全体の厚みに関わらず、共押出表層厚みは、通常片側0.5〜5.0μmの範囲が好適である。また、両表層の厚みは同じであっても、異なっていてもよいが、異なる場合にも両者ともに上記の厚み範囲内であることが好ましい。
本発明における積層ポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜300μm、好ましくは15〜100μmの範囲である。コストダウンの観点から、特に好ましくは、15〜50μmの範囲として、生産速度を上げることが期待される。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を乾燥したペレットを、単軸押出機を用いて多層ダイから押し出した溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
次に本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するプライマー層の形成について説明する。プライマー層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上にプライマー層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に、延伸後のポリエステルフィルムの熱処理工程で、プライマー層を高温で処理することができるため、プライマー層上に形成され得る各種の表面機能層との密着性や耐湿熱性等の性能を向上させることができる。また、延伸前にコーティングを行う場合は、プライマー層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。すなわち、インラインコーティング、特に延伸前のコーティングにより、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物を含有するプライマー層を有することを必須の要件とするものである。
本発明における塗布層は、溶剤系、無溶剤系UVハードコート層、熱硬化ハードコート層等、各種の表面機能層との密着性を向上させることができるものである。
本発明で用いるブロックポリイソシアネート系化合物とは、前駆体であるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を活性メチレン化合物で保護した構造を有する化合物およびその反応物のことであり、塗布層上に形成され得るハードコート層等の表面機能層との密着性の向上や、塗布層の耐湿熱性の向上のために用いられるものである。
本発明で用いるブロックポリイソシアネート系化合物とは、前駆体であるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を活性メチレン化合物で保護した構造を有する化合物およびその反応物のことであり、塗布層上に形成され得るハードコート層等の表面機能層との密着性の向上や、塗布層の耐湿熱性の向上のために用いられるものである。
本発明で用いるブロックポリイソシアネート系化合物の前駆体であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ポリイソシアネート化合物、脂環族系ポリイソシアネート化合物、芳香族系ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
脂肪族系ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート化合物、リジントリイソシアネート、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート、あるいはこれらイソシアネート化合物から誘導される化合物等を挙げることができる。その中でも工業的入手のしやすさからヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
脂環族系ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート(、1,3−ビス(イソシアナトメチル)―シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、あるいはこれらイソシアネート化合物から誘導される化合物等を挙げることができる。その中でも、耐候性、工業的入手の容易さから、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
芳香族系ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、あるいはこれらイソシアネート化合物から誘導される化合物等を挙げることができる。
これらのポリイソシアネート化合物の中でも、脂肪族系ポリイソシアネート化合物および脂環族系ポリイソシアネート化合物が耐候性に優れるため、好ましい。さらに、脂肪族系ポリイソシアネート化合物の中では、脂肪族系ジイソシアネートから誘導される脂肪族系ポリイソシアネート化合物が好ましい。その中でも、特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。また、これらイソシアネート化合物は、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明におけるブロックポリイソシアネート系化合物は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、活性メチレンブロック剤と反応させて作製することができる。
活性メチレンブロック剤としては、例えば、イソブタノイル酢酸エステル、n−プロパノイル酢酸エステル、n−ブタノイル酢酸エステル、n−ペンタノイル酢酸エステル、n−ヘキサノイル酢酸エステル、2−エチルヘプタノイル酢酸エステル、マロン酸エステル、アセト酢酸エステル、アセチルアセトン等を挙げることができる。その中でも、低温硬化性および水存在下の貯蔵安定性に優れるという点で、イソブタノイル酢酸エステル、n−プロパノイル酢酸エステル、n−ブタノイル酢酸エステル、n−ペンタノイル酢酸エステル、n−ヘキサノイル酢酸エステル、2−エチルヘプタノイル酢酸エステルが好ましく、より好ましくは、イソブタノイル酢酸エステル、n−プロパノイル酢酸エステル、n−ペンタノイル酢酸エステルであり、さらに好ましくは、イソブタノイル酢酸エステルである。より具体的には、イソブタノイル酢酸エステルとしては、例えば、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチル、イソブタノイル酢酸n−プロピル、イソブタノイル酢酸イソプロピル、イソブタノイル酢酸n−ブチル、イソブタノイル酢酸イソブチル、イソブタノイル酢酸t−ブチル、イソブタノイル酢酸n−ペンチル、イソブタノイル酢酸n−ヘキシル、イソブタノイル酢酸2−エチルヘキシル、イソブタノイル酢酸フェニル、イソブタノイル酢酸ベンジル等が挙げられる。その中でも、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチルが好ましい。n−プロパノイル酢酸エステルとしては、例えば、n−プロパノイル酢酸メチル、n−プロパノイル酢酸エチル、n−プロパノイル酢酸イソプロピル、n−プロパノイル酢酸n−ブチル、n−プロパノイル酢酸t−ブチル等が挙げられる。その中でも、n−プロパノイル酢酸メチル、n−プロパノイル酢酸エチルが好ましい。n−ペンタノイル酢酸エステルとしては、例えば、n−ペンタノイル酢酸メチル、n−ペンタノイル酢酸エチル、n−ペンタノイル酢酸イソプロピル、n−ペンタノイル酢酸n−ブチル、n−ペンタノイル酢酸t−ブチル等が挙げられる。その中でも、n−ペンタノイル酢酸メチル、n−ペンタノイル酢酸エチルが好ましい。
本発明で用いるブロックポリイソシアネート系化合物としては、上記に示した活性メチレンブロック剤を単独で用いることもできるし、2種以上を併用して使用することもできる。併用する活性メチレンブロック剤としては、低温硬化性に優れるという点で、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルが好ましい。
また、本発明に用いるブロックポリイソシアネート化合物は、既存のブロック剤、例えば、オキシム系、ピラゾール系、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、アミン系、イミン系、重亜硫酸塩ブロック剤等をブロック化反応時に併用して使用することもできる。併用する既存のブロック剤は、単独あるいは2種以上使用してもよい。
オキシム系ブロック剤としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。ピラゾール系ブロック剤としては、例えば、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。アルコール系ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトカシエタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。アルキルフェノール系ブロック剤としては、例えば、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類等が挙げられる。フェノール系ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。メルカプタン系ブロック剤としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。酸アミド系ブロック剤としては、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等が挙げられる。酸イミド系ブロック剤としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。イミダゾール系ブロック剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。尿素系ブロック剤としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。アミン系ブロック剤としては、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジーn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等が挙げられる。イミン系ブロック剤としては、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
本発明で用いるブロックポリイソシアネート系化合物は、水系塗料における配合性を高めるため、親水性部位を含有することが好ましく、ブロックポリイソシアネート系化合物に親水部位を付加する方法としては、例えば、前駆体であるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と活性水素を有する親水性化合物を反応させる方法が挙げられる。
本発明に用いるブロックポリイソシアネート化合物に使用される活性水素を有する親水性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール系化合物、カルボン酸含有化合物、スルホン酸含有化合物、アミン含有化合物等が挙げられる。これらの親水性化合物は、単独で用いてもいいし、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明に用いるブロックポリイソシアネート化合物に使用される活性水素を有する親水性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール系化合物、カルボン酸含有化合物、スルホン酸含有化合物、アミン含有化合物等が挙げられる。これらの親水性化合物は、単独で用いてもいいし、2種以上を併用して用いてもよい。
ポリエチレングリコール系化合物としては、例えば、モノアルコキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンコポリマージオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマージオール等が挙げられ、その中でも、特にモノメトキシポリエチレングリコール、モノエトキシポリエチレングリコール等のモノアルコキシポリエチレングリコールが好ましい。
カルボン酸基含有化合物としては、モノヒドロキシカルボン酸あるいはジヒドロキシカルボン酸あるいはそれらの誘導体等が挙げられる。カルボン酸基含有化合物の中では、モノヒドロキシカルボン酸あるいはジヒドロキシカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは、モノヒドロキシカルボン酸である。
カルボン酸含有化合物の具体例としては、例えば、ヒドロキシピパリン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸あるいは、これらを開始剤としたポリカプロラクトンジオールやポリエーテルポリオール等の誘導体が挙げられる。
スルホン酸基含有化合物としては、アミノエチルスルホン酸、エチレンジアミノ−プロピル−β−エチルスルホン酸、1,3−プロピレンジアミン−β−エチルスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸が挙げられる。
スルホン酸基含有化合物としては、アミノエチルスルホン酸、エチレンジアミノ−プロピル−β−エチルスルホン酸、1,3−プロピレンジアミン−β−エチルスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸が挙げられる。
アミン含有化合物としては、水酸基含有アミノ化合物が挙げられる。具体的には、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等が挙げられる。
なお、本発明のポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物は、乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる設計で用いている。できあがった塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。 本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、塗布面上にハードコート層等の種々の表面機能層が形成されたときの密着性の向上、透明性の向上、塗布面状を良化させる等のために任意のポリマーを併用することも可能である。
ポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。上記中でも特に塗布面状や密着性の向上という観点からポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂を併用することが好ましい。
さらに塗布層中には本発明の主旨を損なわない範囲において、オキサゾリン系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、本発明以外のイソシアネート系化合物等の架橋剤を併用することも可能である。
なお、これら架橋剤は、乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる設計で用いている。できあがった塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
また、本発明はプライマー層中に、固着性(ブロッキング)、滑り性改良を目的として上述の金属酸化物以外の粒子を含有しても良い。その平均粒径はフィルムの透明性の観点から好ましくは1.0μm以下の範囲であり、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下の範囲である。粒子の具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、有機粒子等が挙げられる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、プライマー層には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等が含有されてもよい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、上述したプライマー層を設けた面と反対側の面にもプライマー層を設けることも可能である。例えば、ハードコート層等の表面機能層を形成する反対側に粘着層等の機能層を形成する場合に、当該機能層との密着性を向上させることが可能である。反対側の面に形成するプライマー層の成分としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等のバインダーポリマー、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド化合物等の架橋剤等が挙げられ、これらの材料を単独で用いてもよいし、複数種を併用して用いてもよい。また、上述してきたようなポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物を含有するプライマー層(ポリエステルフィルムに両面同一のプライマー層)であってもよい。
プライマー層中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS、ESCA、蛍光X線等の分析によって行うことができる。
インラインコーティングによってプライマー層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の膜厚は、通常0.002〜1g/m2、より好ましくは0.01〜0.5g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.2g/m2の範囲である。膜厚が0.002g/m2未満の場合は十分な密着性が得られない可能性があり、1g/m2を超える場合は、外観や透明性、フィルムのブロッキング性が悪化する可能性がある。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の膜厚は、通常0.002〜1g/m2、より好ましくは0.01〜0.5g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.2g/m2の範囲である。膜厚が0.002g/m2未満の場合は十分な密着性が得られない可能性があり、1g/m2を超える場合は、外観や透明性、フィルムのブロッキング性が悪化する可能性がある。
本発明において、プライマー層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明において、ポリエステルフィルム上にプライマー層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングによりプライマー層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングによりプライマー層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明のポリエステルフィルムには、プライマー層の上にハードコート層等の表面機能層を設けるのが一般的である。ハードコート層に使用される材料としては、特に限定されないが、例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物が挙げられる。これらのうち生産性および硬度の両立の観点より、活性エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物としては特に限定されるものでない。例えば、公知の活性エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを一種類以上混合したもの、活性エネルギー線硬化性ハードコート材として市販されているもの、或いはこれら以外に本実施形態の目的を損なわない範囲において、その他の成分をさらに添加したものを用いることができる。
活性エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではないが、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ) アクリレート、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールの(メタ)アクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、そしてポリウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを含む組成物に含まれるその他の成分は特に限定されるものではない。例えば、無機または有機の微粒子、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤およびレベリング剤等が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる場合には、任意の量の溶媒を添加することができる。
ハードコート層の形成方法は、有機材料を用いた場合にはロールコート法、ダイコート法等の一般的なウェットコート法が採用される。形成されたハードコート層には必要に応じて加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射を施し、硬化反応を行うことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ハードコート(HC)層密着性の評価方法
ポリエステルフィルムの塗膜形成面に下記塗布剤組成から構成される活性エネルギー線硬化樹脂を#16ワイヤーバーにより塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、紫外線照射機から紫外線をメタルハライドランプ120Wで180mJ/cm2照射し、厚み5μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムに対して、初期(密着性1)、および80℃、90%RHの環境下で48時間後(密着性2)、JIS K5600−5−6に記載された試験方法に準じて接着性を求めた。具体的には100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を升目上の切り傷面に貼り付け、2.0kgのローラーを20往復して完全に付着させた後、180度の剥離角度で急激に剥がした後の剥離面を観察し、剥離面積が5%未満ならば◎、5%以上20%未満なら○、20%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
ポリエステルフィルムの塗膜形成面に下記塗布剤組成から構成される活性エネルギー線硬化樹脂を#16ワイヤーバーにより塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、紫外線照射機から紫外線をメタルハライドランプ120Wで180mJ/cm2照射し、厚み5μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムに対して、初期(密着性1)、および80℃、90%RHの環境下で48時間後(密着性2)、JIS K5600−5−6に記載された試験方法に準じて接着性を求めた。具体的には100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を升目上の切り傷面に貼り付け、2.0kgのローラーを20往復して完全に付着させた後、180度の剥離角度で急激に剥がした後の剥離面を観察し、剥離面積が5%未満ならば◎、5%以上20%未満なら○、20%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
《活性エネルギー線硬化樹脂組成》
KAYARAD−DPHA(日本化薬社製) 24部
R−128H(日本化薬社製) 6部
Irgacure 651(BASF社製) 1.5部
トルエン(和光純薬社製) 70部
KAYARAD−DPHA(日本化薬社製) 24部
R−128H(日本化薬社製) 6部
Irgacure 651(BASF社製) 1.5部
トルエン(和光純薬社製) 70部
(4)可視光線透過率
分光式測色計SE−2000(日本電色社製)を用いてD65光源で各波長の光線透過率を測定し、JIS−S3107に従って可視光線透過率を算出した。
分光式測色計SE−2000(日本電色社製)を用いてD65光源で各波長の光線透過率を測定し、JIS−S3107に従って可視光線透過率を算出した。
(5)フィルムの濁度(フィルムヘーズ)
JIS−K7105に準じ、濁度計NDH300A(日本電色社製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定した。
JIS−K7105に準じ、濁度計NDH300A(日本電色社製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定した。
(6)ハードコート(HC)層表面の鉛筆硬度
JIS−K5401に準じて、ハードコート層表面の鉛筆硬度で表示した。
JIS−K5401に準じて、ハードコート層表面の鉛筆硬度で表示した。
以下の実施例および比較例で用いたポリエステル原料の製造方法は次のとおりである。
<ポリエステルA>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<ポリエステルA>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<ポリエステルB>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径1.4μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径1.4μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
<ポリエステルC>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、三菱化学社製ダイアレジンレッドHS 3.0重量%、同ブルーH3G 5.5重量%、および同イエローF 1.5重量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルCを作成した。
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、三菱化学社製ダイアレジンレッドHS 3.0重量%、同ブルーH3G 5.5重量%、および同イエローF 1.5重量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルCを作成した。
プライマー層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・活性メチレンブロックポリイソシアネート:(I)下記方法で合成したブロックポリイソシアネート
ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート
(化合物例)
・活性メチレンブロックポリイソシアネート:(I)下記方法で合成したブロックポリイソシアネート
ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート
・ポリウレタン樹脂:(IIA)下記方法で合成したポリカーボネート系ポリウレタンの水分散体
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400部、ネオペンチルグリコールを10.4部、イソホロンジイソシアネート58.4部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート206.6部からなるプレポリマーに、ジメチロールブタン酸が74.3部、トリエチルアミン50.6部からなるカルボン酸塩溶液を加えて得たイソシアネート末端プレポリマーを、イソホロンジアミン38.3部で鎖延長して得られたポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂の水分散体
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400部、ネオペンチルグリコールを10.4部、イソホロンジイソシアネート58.4部、水添ジフェニルメタンジイソシアネート206.6部からなるプレポリマーに、ジメチロールブタン酸が74.3部、トリエチルアミン50.6部からなるカルボン酸塩溶液を加えて得たイソシアネート末端プレポリマーを、イソホロンジアミン38.3部で鎖延長して得られたポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂の水分散体
・ポリウレタン樹脂:(IIB)下記組成で共重合したポリエステル系ポリウレタン樹脂の水分散体
酸成分としてテレフタル酸を100部、イソフタル酸を95部、グリコール成分としてジエチレングリコールを84部、エチレングリコールを41部からなるポリエステルポリオールを重合する。そこにイソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートを85部、ジメチロールプロピオン酸を21部加えウレタン化反応させて得られるポリウレタン樹脂の水分散体
酸成分としてテレフタル酸を100部、イソフタル酸を95部、グリコール成分としてジエチレングリコールを84部、エチレングリコールを41部からなるポリエステルポリオールを重合する。そこにイソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートを85部、ジメチロールプロピオン酸を21部加えウレタン化反応させて得られるポリウレタン樹脂の水分散体
・ポリウレタン樹脂:(IIC)下記方法で合成したポリエーテル系ポリウレタン樹脂の水分散体
数平均分子量が2000のポリオキシテトラメチレンポリオールを400部、トリレンジイソシアネート116.7部からなるプレポリマーに、ジメチロールプロピオン酸が25.5部、トリエチルアミン19.2部からなるカルボン酸塩溶液を加えて得たイソシアネート末端プレポリマーを、イソホロンジアミン42.9部で鎖延長して得られたポリエーテル構造を有するウレタン樹脂の水分散体
数平均分子量が2000のポリオキシテトラメチレンポリオールを400部、トリレンジイソシアネート116.7部からなるプレポリマーに、ジメチロールプロピオン酸が25.5部、トリエチルアミン19.2部からなるカルボン酸塩溶液を加えて得たイソシアネート末端プレポリマーを、イソホロンジアミン42.9部で鎖延長して得られたポリエーテル構造を有するウレタン樹脂の水分散体
・ポリエステル樹脂:(III)下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
・アクリル樹脂:(IV)下記組成で重合したアクリル樹脂の水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
・粒子:(V)平均粒径65nmのシリカゾル
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
・アクリル樹脂:(IV)下記組成で重合したアクリル樹脂の水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
・粒子:(V)平均粒径65nmのシリカゾル
実施例1:
ポリエステルA、Cの各チップを78.0:22.0の割合で、それぞれ中間層用レジンとして中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを93.0:7.0の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、レジンは乾燥することなしに290℃の溶融温度で押出しを行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で合流して積層した。その後静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して3層構成の積層未延伸シートを得た。得られたシートを83℃で3.6倍縦方向に延伸した。ここで、一軸延伸フィルムの両面に、下記表1の塗布液1で示す固形分重量割合の水分散性塗布剤を塗布した。
ポリエステルA、Cの各チップを78.0:22.0の割合で、それぞれ中間層用レジンとして中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを93.0:7.0の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、レジンは乾燥することなしに290℃の溶融温度で押出しを行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で合流して積層した。その後静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して3層構成の積層未延伸シートを得た。得られたシートを83℃で3.6倍縦方向に延伸した。ここで、一軸延伸フィルムの両面に、下記表1の塗布液1で示す固形分重量割合の水分散性塗布剤を塗布した。
次いで、フィルムをテンターに導き93℃でフィルムを乾燥・予熱した後、横方向に3.8倍延伸し、225℃にて熱固定を行った。さらに幅方向に185℃で5%弛緩処理を行って、冷却した後、巻き取って塗布量(乾燥後)が下記表2に示すような塗布層を有する二軸配向フィルムのロールを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を下記表2に示す。
得られたフィルムロールをスリッターに供し、所定幅にスリットしてフィルムロールを作成した。
得られたフィルムロールをスリッターに供し、所定幅にスリットしてフィルムロールを作成した。
得られたポリエステルフィルムに関して各種の密着性を評価したところ、いずれの評価でも良好であった。このフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例2〜12:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおりであり、密着性は良好であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおりであり、密着性は良好であった。
実施例13:
実施例1において、ポリエステルA、Cの各チップを95.5:4.5の割合で、それぞれ中間層用レジンとして中間層用押出機に投入し、塗布剤組成を塗布液3に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示す。このフィルムロールを実施例1と同じスリッターに供し、所定幅にスリットしてフィルムロールを作成した。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、ハードコート層との密着性が良好なものであった。
実施例1において、ポリエステルA、Cの各チップを95.5:4.5の割合で、それぞれ中間層用レジンとして中間層用押出機に投入し、塗布剤組成を塗布液3に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示す。このフィルムロールを実施例1と同じスリッターに供し、所定幅にスリットしてフィルムロールを作成した。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、ハードコート層との密着性が良好なものであった。
比較例1〜5:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおりであり、密着性が弱いものであった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおりであり、密着性が弱いものであった。
比較例6:
実施例1において、塗布層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおりであり、密着性が弱いものであった。
実施例1において、塗布層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおりであり、密着性が弱いものであった。
比較例7:
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルAを100%用いて、表層用レジンは実施例1と同様の物を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示す。このフィルムロールを実施例1と同じスリッターに供し、所定幅にスリットしてフィルムロールを作成した。
しかしながらこのフィルムの中間層に染料が添加されていないため、遮光性がなく、本発明の範囲外である。
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルAを100%用いて、表層用レジンは実施例1と同様の物を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示す。このフィルムロールを実施例1と同じスリッターに供し、所定幅にスリットしてフィルムロールを作成した。
しかしながらこのフィルムの中間層に染料が添加されていないため、遮光性がなく、本発明の範囲外である。
本発明のフィルムは、例えば、自動車の窓や建築物の窓等に、プライバシーの保護、意匠性、日照調整、内部温度調整、ガラス飛散防止等の目的で貼り合わされるフィルムにおいて、ハードコート層等の表面機能層との密着性および視認性を重視する用途に好適に利用することができる。
Claims (3)
- 中間層に染料を含有する少なくとも3層の共押出積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片方の表面に、ポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応により得られるブロックポリイソシアネート系化合物を含有するプライマー層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
- プライマー層が、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、またはアクリル樹脂のうち少なくとも1種を含有する塗布液から形成された塗布層である請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
- フィルム全体のヘーズが5.0%以下であり、可視光線透過率が3〜70%であることを特徴とする請求項1または2に記載の窓貼り用積層ポリエステルフィルム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2012-03-26 JP JP2012068742A patent/JP2013199051A/ja active Pending
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