JP2009137539A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】コードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上させることが可能な重荷重用タイヤを提供する。
【解決手段】コーティングゴムで被覆したスチールコードよりなるカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト5と、該ベルト5及びカーカス4に隣接して少なくともショルダー部に配置されたクッションゴム6とを備えた重荷重用タイヤにおいて、前記クッションゴム6に、加硫後の遊離脂肪酸の含有量がゴム成分100質量部に対し1質量部以下であるゴム組成物を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、重荷重用タイヤに関し、特にトラック・バスタイヤ及びオフザロードタイヤとして好適で、コードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上させた重荷重用タイヤに関するものである。
近年、重荷重用タイヤは、タイヤ特性として、重荷重や高速度に対する耐久性や、耐用年数の向上が要求されている。一般に、タイヤの使用条件が重荷重化や高速度化すると、タイヤのクラウン部からショルダー部に亘り温度が上昇するため、カーカスにおけるゴム−スチールコード間の接着力の低下が進行し、走行中のカーカスのゴム−スチールコード間の接着剥離が起きたり、また、タイヤのショルダー部に配置したクッションゴムに加わる歪みや熱が上昇することで、クッションゴム内にセパレーションを起こす場合がある。
これに対し、タイヤのショルダー部に位置するカーカスのゴム−コード間の接着耐久性を向上させるために、カーカスのコーティングゴムに配合する硫黄の配合量を増量する手法や、カーカスのコーティングゴムを厚くしてカーカスコードからクッションゴム間の厚みを増加させる手法等が挙げられる。しかしながら、カーカスのコーティングゴムに配合する硫黄の配合量を増量する場合、コーティングゴムの熱劣化後の物性が悪化するため、ショルダー部のカーカスコード間でコーティングゴムの割れが生じる問題があり、一方、カーカスコードからクッションゴム間の厚みを増加する場合においては、ショルダー部の発熱性が高まり、接着耐久性の向上効果以上に接着寿命が低下する問題がある。
また、ショルダー部に配置したクッションゴムの配合を変えて、ショルダー部に位置するカーカス部分の接着耐久性を向上させる手法として、特開2004−148986号公報(特許文献1)には、クッションゴムにポリメトキシメチルメラミンを配合することにより、加硫促進剤から放出されるアミン成分をトラップし、接着性の湿熱劣化を抑制する技術や、特開2005−67358号公報(特許文献2)には、クッションゴムにポリサルファイド化合物を配合することにより、カーカスの接着耐久性を向上させる技術が開示されている。しかしながら、特開2004−148986号公報に開示の技術は、重荷重用タイヤに用いる場合、ショルダー部に配置したクッションゴムにまで酸素や水分が達しないため、その改良効果が小さい。また、特開2005−67358号公報に開示の技術は、タイヤの新品時からクッションゴムの破壊特性が低いため、走行中クッションゴム内の破壊を起こし易く、また、ポリサルファイド化合物は一般に性状が液体であるためにタイヤのハンドリングを低下させる問題があった。更に、特開2005−67358号公報に開示の技術では、クッションゴムの加硫を著しく早めるために焼け易かったり、未加硫ゴムの粘度が上昇してしまう等、生産性に関する問題もあった。
ところで、クッションゴムに配合する硫黄の配合量を増量し、カーカスのコーティングゴムとクッションゴムの硫黄濃度差を低減することで、カーカスの接着耐久性を向上させる手法も知られているが、この場合、クッションゴムに配合する硫黄の配合量を単純に増量する結果、クッションゴムの耐熱老化性が低下する問題があった。また、ショルダー部の発熱性を低減するため、クッションゴムに大粒系のカーボンブラックを配合したり、カーボンブラックの配合量を低減したりすると、クッションゴムの破壊特性を悪化させる問題があった。
特開2004−148986号公報 特開2005−67358号公報
一般に、重荷重用タイヤは、ショルダー部が厚く、製造時の加硫時間が長いため、ショルダー部に配置されたクッションゴムは、新品時から過加硫状態にある。また、このようなタイヤは、ショルダー部に酸素や水分の浸入がほとんどなく、カーカスの接着性の劣化は、主としてショルダー部における歪みや熱の上昇が原因となる。
特に、オフザロードタイヤ等の大型の重荷重用タイヤにおいては、ショルダー部の故障として、ベルトセパレーションの他、カーカスのコードとコーティングゴムとの接着劣化によるセパレーションや、ショルダー部に配置されたクッションゴム内のセパレーションを原因とするものが挙げられる。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、トラック・バスタイヤ及びオフザロードタイヤとして好適で、コードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上させることが可能な重荷重用タイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、重荷重用タイヤのベルト及びカーカスに隣接して少なくともショルダー部に配置されたクッションゴムに、加硫後の遊離脂肪酸の含有量が特定値以下に制御されたゴム組成物を用いることにより、カーカスやベルトのコードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の重荷重用タイヤは、コーティングゴムで被覆したスチールコードよりなるカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルトと、該ベルト及びカーカスに隣接して少なくともショルダー部に配置されたクッションゴムとを備え、
前記クッションゴムに、加硫後の遊離脂肪酸の含有量が、ゴム成分100質量部に対し1質量部以下であるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明の重荷重用タイヤの好適例においては、前記ゴム組成物が、更に脂肪酸金属塩をゴム成分100質量部に対し1〜5質量部含む。
本発明の重荷重用タイヤの他の好適例において、前記ゴム組成物は、亜鉛含有成分をゴム成分100質量部に対し亜鉛量として2.4質量部以上含む。
本発明の重荷重用タイヤは、前記ショルダー部の最大厚さが50mm以上であることが好ましい。
本発明の重荷重用タイヤは、オフザロードタイヤとして好適である。
本発明によれば、ベルト及びカーカスに隣接して少なくともショルダー部に配置されたクッションゴムに、加硫後の遊離脂肪酸の含有量が特定値以下に制御されたゴム組成物を用いることにより、カーカスやベルトのコードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上させることが可能な重荷重用タイヤを提供することができる。なお、本発明の重荷重用タイヤは、従来技術と全く異なる手法により、本発明の課題を解決することができるため、クッションゴムの加硫特性、発熱特性、コスト、ハンドリング等について問題が生じることもない。
以下に、図を参照しながら、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の重荷重用タイヤの一例の断面図であり、図2は、本発明の重荷重用タイヤの他の例の断面図である。なお、図1〜2において同じ符号は同じ部材であることを示す。
図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,3を補強するカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト5と、該ベルト5及びカーカス4に隣接してショルダー部に配置されたクッションゴム6とを備える。なお、図1に示すタイヤは、ショルダー部にのみクッションゴム6が配置されるが、本発明の重荷重用タイヤはこれに限られず、ベルト5及びカーカス4に隣接して少なくともショルダー部にクッションゴム6が配置されていればよく、例えば、図2に示すように、ショルダー部間に延在したクッションゴム6をベルト5とカーカス4の間に配置することもできる。
図示例のタイヤにおいて、カーカス4は、複数のスチールコードをコーティングゴムで被覆してなるカーカスプライ1枚から構成され、また、ビード部1内に夫々埋設されたリング状のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部4aと、各ビードコア7の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部4bとを有する。なお、カーカス4の構造及びプライ数は、これに限られるものではない。上記カーカス4において、上記カーカスプライを構成するコーティングゴムとしては、特に制限されるものではなく、通常のコーティングゴム用ゴム組成物を用いることができる。
また、図示例のタイヤにおいて、ベルト5は、三枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルトを構成するベルト層の枚数は、これに限られるものではない。なお、ベルト層は、複数のコードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層を構成するコードには、スチールコードを用いることが好ましく、該ベルト層を構成するコーティングゴムとしては、特に制限されるものではなく、通常のコーティングゴム用ゴム組成物を用いることができる。
なお、本発明の重荷重用タイヤは、公知のタイヤ部材を必要に応じて更に備えることができる。
本発明の重荷重用タイヤは、クッションゴム6に、加硫後の遊離脂肪酸の含有量が、ゴム成分100質量部に対し1質量部以下であるゴム組成物を用いる。本発明者が検討したところ、大型の重荷重用タイヤに見られるカーカスやベルトのコードとコーティングゴムとの接着劣化は、走行時のショルダー部の発熱によりコードを接着剤処理する際に形成される接着剤層が溶解され、該接着剤層に含まれる硫化銅(CuxS)等の配合剤がコーティングゴム中に拡散し、接着剤層の厚みを低減することにより起こることが分かった。また、クッションゴム6には、加硫促進剤助剤として遊離脂肪酸や酸化亜鉛等を配合したゴム組成物を用いるが、ここで、クッションゴム中に含まれる遊離脂肪酸が、隣接するカーカスやベルトのコーティングゴム中に移行し、接着耐久性を低下させることも分かった。この知見から、重荷重用タイヤのショルダー部に配置されたクッションゴムには、加硫後の遊離脂肪酸濃度の最適化が必要であると考えられる。そこで、本発明の重荷重用タイヤは、クッションゴムに、加硫後の遊離脂肪酸の含有量がゴム成分100質量部に対し1質量部以下に制御されたゴム組成物を用いるため、隣接するカーカスやベルトのコーティングゴムへの遊離脂肪酸の移行を抑制し、コードとコーティングゴムの接着耐久性を向上させることができる。
上記クッションゴム6に用いるゴム組成物の遊離脂肪酸としては、加硫促進剤を活性化し、促進反応を更に促進させる加硫促進剤助剤として作用するものである限り特に制限されるものではないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸等が挙げられる。これら遊離脂肪酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記クッションゴム6に用いるゴム組成物は、更に脂肪酸金属塩をゴム成分100質量部に対し1〜5質量部含むことが好ましい。一般に、大型の重荷重用タイヤに見られるクッションゴム内のセパレーションは、過加硫や走行熱によりクッションゴムの破壊特性が低下し、走行時の歪みにクッションゴムが耐えられないことが原因である。更に、本発明の重荷重用タイヤは、上記した通り、加硫後の遊離脂肪酸の含有量が特定値以下に制御されたゴム組成物を用いているため、クッションゴムの破壊特性の低下が顕著である。しかしながら、上記脂肪酸金属塩は、遊離脂肪酸と同様に加硫促進助剤として作用することに加え、遊離脂肪酸と異なり接着剤層を破壊しないため、コードとコーティングゴムの接着耐久性には影響を及ぼさない。従って、上記クッションゴム6用ゴム組成物に、更に脂肪酸金属塩を配合すれば、クッションゴムの破壊特性を十分に保持しながら、コードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上させることができる。また、脂肪酸金属塩の含有量がゴム成分100質量部に対して1質量部未満では、脂肪酸金属塩を配合する効果が十分に得られず、一方、5質量部を超えると、未加硫時にブルームし易くなり、部材間の接着不良を生じるおそれがある。
上記クッションゴム6に用いるゴム組成物の脂肪酸金属塩としては、加硫促進剤助剤として作用するものである限り特に制限されるものではないが、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸ニッケル、オレイン酸亜鉛、オレイン酸コバルト、オレイン酸ニッケル、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸ニッケル、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸コバルト、ミリスチン酸ニッケル、リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リノール酸ニッケル等が挙げられる。これら脂肪酸金属塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記クッションゴム6に用いるゴム組成物は、亜鉛含有成分をゴム成分100質量部に対し亜鉛量として2.4質量部以上含むことが好ましく、2.4質量部を超え且つ4.8質量部以下含むことが更に好ましい。上記ゴム組成物中に含まれる亜鉛含有成分の含有量がゴム成分100質量部に対し亜鉛量として4.8質量部を超えると、不分散の亜鉛含有成分が破壊核となり、走行中にセパレーションを起こすおそれがある。また、ゴム組成物中に含まれる亜鉛含有成分の含有量がゴム成分100質量部に対し亜鉛量として2.4質量部未満では、加硫促進助剤の機能が不足し、加硫戻りが大きくなる場合がある。なお、上記亜鉛含有成分としては、上記した脂肪酸の亜鉛塩の他、例えば、酸化亜鉛等が挙げられる。
上記クッションゴム6に用いるゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなり、該ゴム成分としては、未変性のゴム及び変性ゴムのいずれを用いてもよい。また、上記合成ジエン系ゴムとして、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらの中でも、天然ゴムが特に好ましい。なお、上記ゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
上記クッションゴム6に用いるゴム組成物は、更に充填剤をゴム成分100質量部に対し30〜50質量部含むことが好ましい。充填剤の配合量が30質量部未満では、加硫ゴムの破壊特性が十分でなく、一方、50質量部を超えると、発熱性が悪化し、接着劣化を早める傾向がある。ここで、充填剤としては、カーボンブラック及びシリカが好ましい。なお、カーボンブラックとしては、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのものが好ましく、HAF,ISAF,SAFグレードのものが更に好ましい。一方、シリカとしては、湿式シリカ及び乾式シリカ等が好ましく、湿式シリカが更に好ましい。これら補強性の充填剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
上記クッションゴム6に用いられるゴム組成物には、上記ゴム成分、遊離脂肪酸、脂肪酸金属塩、亜鉛含有成分、充填剤の他、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、上記クッションゴム6用ゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。また、混練りの方法としては、加硫促進剤及び加硫剤等の加硫系配合剤を最後の段階で加えて混練りする多段階の混練り方法が好ましい。この場合、亜鉛華等の亜鉛含有成分と遊離脂肪酸を混練りの最初の段階で加えると、配合物中の遊離脂肪酸の含有量を低減することができるので望ましい。
本発明の重荷重用タイヤは、クッションゴム6に上記したゴム組成物を適用し、常法により製造することができる。ここで、本発明の重荷重用タイヤは、ショルダー部の最大厚さが50mm以上であることが好ましい。ショルダー部の最大厚さが50mm未満では、ショルダー部の発熱により、カーカスの接着が進行し難いので、本発明の効果が十分に得られない。また、本発明の重荷重用タイヤは、少なくともショルダー部に配置されたクッションゴムに隣接する部材のコードに対するコーティングゴムの接着耐久性を向上させることができる。従って、クッションゴムに隣接するベルトやカーカスに、スチールコード等のコードのゴム引き層が適用されたトラック・バスタイヤやオフザロードタイヤに、本発明の重荷重用タイヤを用いることが好ましい。なお、本発明の重荷重用タイヤは、クッションゴム以外の部材は、特に限定されず、公知の部材を使用することができる。また、本発明の重荷重用タイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方に従い、下記の方法でクッションゴム用ゴム組成物を調製した。まず、第一段階では、表1に示す配合処方の内の加硫促進剤及び硫黄を除く配合剤をバンバリーミキサー中に投入し混練りした。なお、酸化亜鉛は、第一段階と第二段階に分けて配合されており、第一段階での酸化亜鉛の配合量は、天然ゴム100質量部に対して2質量部であった。また、このとき、バンバリーミキサーの混練り条件を、実施例1〜5,7及び比較例1〜2においては、循環水温度70℃、ローター回転数80rpmに設定し、実施例6においては、循環水温度96℃、ローター回転数80rpmに設定した。そして、バンバリーミキサー内の温度が、実施例6においては180℃、それ以外の比較例及び実施例においては150℃に上昇したら、配合物を取り出し、該配合物を室温まで冷却した。次に、第二段階では、第一段階で得られた配合物、酸化亜鉛(天然ゴム100質量部に対して1質量部)、加硫促進剤及び硫黄をバンバリーミキサー中に投入し再度混練りした。このとき、バンバリーミキサーの混練り条件を、循環水温度70℃、ローター回転数50rpmに設定した。そして、バンバリーミキサー内の温度が100℃に上昇したら、配合物を取り出し、速やかに冷却し、クッションゴム用ゴム組成物を得た。
次に、得られたクッションゴム用ゴム組成物を用いて、図1の構造を有し、サイズが16.00R25の重荷重用タイヤ(ショルダー部の最大厚さ:111mm)を常法に従って製造した。得られたタイヤに対し、下記の方法で、加硫後の遊離脂肪酸の含有量、カーカスのゴム被覆率、破断強度を測定・評価した。結果を表1に示す。
(1)加硫後の遊離脂肪酸の含有量
加硫後のタイヤを解体して、クッションゴムを切り出し、下記の手順で加硫後の遊離脂肪酸の含有量を定量した。
1. クッションゴム3gを精秤し、アセトンで抽出した。
2. 抽出液からアセトンを乾燥させた後、得られた抽出物を5mlのメスフラスコに入れ、クロロホルムを加えて定容した。
3. 次に、脂肪酸2mg, 5mg, 7mgをそれぞれ5mlのメスフラスコに入れ、クロロホルムを加えて定容し、検量線標準試料を調製した。なお、使用した脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸であった。
4. ガスクロマトグラフィー(GC)を用い、各脂肪酸溶液についてのピーク面積S2mg, S5mg1, S7mgを求めて、検量線を作成した。
5. タイヤ未知試料中に含まれる各脂肪酸に対応するピーク面積STを求めて、検量線を用い、ゴム成分100質量部に対する加硫後の遊離脂肪酸の含有量を算出した。
(2)カーカスのゴム被覆率
得られたタイヤを、ドラム試験機上にてステップロード条件下(荷重:TRA規格100%・10ton内圧800kPa,72時間毎に荷重を20%上昇)、時速20km/hで走行させ、320時間後に停止した。走行後のタイヤのショルダー部に位置するカーカスについて、ショルダー部の最大ゲージ部を中心に幅10cmの領域を切り出し、コードに対するゴム被覆率(%)を求めた。
(3)破断強度
新品時のタイヤのクッションゴムから、厚さ2mmのシートを切り出し、JIS K6301に準拠して引張試験を行い、破断時の強度(MPa)を測定し、比較例1の破断強度を100として指数表示した。指数値が大きい程、破断強度が大きいことを示す。
Figure 2009137539
*1 FLEXSIS社製,SANTOFLEX 6PPD.
*2 ステアリン酸亜鉛.
*3 ステアリン酸コバルト.
*4 大内新興化学工業(株)製,ノクセラーDZ−G,N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
表1の結果から明らかなように、クッションゴムに、加硫後の遊離脂肪酸の含有量がゴム成分100質量部に対し1質量部以下に制御されたゴム組成物を用いた実施例1〜7のタイヤは、比較例1〜2のタイヤに比べて、クッションゴムに隣接したカーカスにおけるコードに対するコーティングゴムの接着耐久性を大幅に向上できることが分かる。また、ゴム組成物中に脂肪酸金属塩を配合した実施例2〜5及び7のタイヤは、実施例1のタイヤに比べて、クッションゴムの破断強度の低下を抑制できることが分かる。
更に、実施例6のタイヤは、配合した遊離脂肪酸の含有量が高いにもかかわらず、混練り温度が高いことにより、遊離脂肪酸と酸化亜鉛が反応し、脂肪酸亜鉛となるため、加硫後の遊離脂肪酸の含有量を低減することができ、その結果、接着耐久性を大幅に向上できることが分かった。なお、実施例4のタイヤにおいて、加硫後のゴム組成物中に遊離脂肪酸の存在が確認されたのは、ステアリン酸亜鉛由来の遊離脂肪酸が存在するためと思われる。
本発明の重荷重用タイヤの一例の断面図である。 本発明の重荷重用タイヤの他の例の断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
4a カーカス本体部
4b カーカス折り返し部
5 ベルト
6 クッションゴム
7 ビードコア

Claims (5)

  1. コーティングゴムで被覆したスチールコードよりなるカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルトと、該ベルト及びカーカスに隣接して少なくともショルダー部に配置されたクッションゴムとを備えた重荷重用タイヤにおいて、
    前記クッションゴムに、加硫後の遊離脂肪酸の含有量が、ゴム成分100質量部に対し1質量部以下であるゴム組成物を用いたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記ゴム組成物が、更に脂肪酸金属塩をゴム成分100質量部に対し1〜5質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記ゴム組成物は、亜鉛含有成分をゴム成分100質量部に対し亜鉛量として2.4質量部以上含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
  4. 前記ショルダー部の最大厚さが50mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用タイヤ。
  5. オフザロードタイヤであることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用タイヤ。
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