JP2018158996A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低転がり抵抗性、耐偏摩耗性、引張り破断伸びおよび耐チャンキング性を従来レベル以上に改良するようにした重荷重用空気入りタイヤを提供する。【解決手段】キャップトレッドゴムおよびアンダートレッドゴムを有する重荷重用空気入りタイヤであって、キャップトレッドゴムがキャップトレッド用ゴム組成物からなり、該キャップトレッド用ゴム組成物が、天然ゴム40〜100質量%およびブタジエンゴム60〜0質量%からなるジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを30〜60質量部、シリカを1〜30質量部配合してなり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積と前記シリカの窒素吸着比表面積の差が30〜100m2/gであり、前記キャップトレッドゴムのゴム硬度Hcおよび前記アンダートレッドゴムのゴム硬度Huの差(Hc−Hu)が5以上10以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、低転がり抵抗性、耐偏摩耗性、引張り破断伸びおよび耐チャンキング性を改良するようにした重荷重用空気入りタイヤに関する。
北米におけるSmart Way規制、欧州におけるラベリングの環境規制の観点からトラック、バス等に使用される重荷重用タイヤの転がり抵抗を小さくすることが求められている。
重荷重用タイヤの転がり抵抗を小さくするため、トレッド用ゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量を減らすことが考えられるが、ゴム硬度が低下し、偏摩耗が発生することが懸念される。また、加硫系配合剤を増量すると、ゴム硬度は高くなるが、引張り破断伸びが低下するという問題がある。
特許文献1は、天然ゴム/イソプレンゴムからなるジエン系ゴム質量部に、シリカを35〜50質量部、硫黄を1.5〜3.5質量部、特定量のカーボンブラック、スルフェンアミド系加硫促進剤および硫黄含有シランカップシング剤を含むゴム組成物で重荷重用タイヤのキャップトレッドを構成することにより、転がり抵抗を小さくし、耐摩耗性および耐偏摩耗性を改良することを記載する。
しかしながら、近年、低転がり抵抗性や軽量化をより一層高度なものにするため、超偏平率にされた所謂スーパーシングルタイヤ(またはワイドシングルタイヤ等)が、トラック、バス等の片側2本の重荷重用タイヤ(ダブルタイヤ)に代わるものとして使用されることがある。このような超偏平率の重荷重用空気入りタイヤでは、耐偏摩耗性に求められる性能がより厳しくなると共に、チャンキングを今まで以上に発生し難くすることも課題となっていた。
特許第5850201号公報
本発明の目的は低転がり抵抗性、耐偏摩耗性、引張り破断伸びおよび耐チャンキング性を従来レベル以上に改良するようにした重荷重用空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の重荷重用空気入りタイヤは、キャップトレッドゴムおよびアンダートレッドゴムを有する重荷重用空気入りタイヤであって、キャップトレッドゴムがキャップトレッド用ゴム組成物からなり、該キャップトレッド用ゴム組成物が、天然ゴム40〜100質量%およびブタジエンゴム0〜60質量%からなるジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを30〜60質量部、シリカを1〜30質量部配合してなり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積と前記シリカの窒素吸着比表面積の差が30〜100m2/gであり、前記キャップトレッドゴムのゴム硬度Hcおよび前記アンダートレッドゴムのゴム硬度Huの差(Hc−Hu)が5以上10以下であることを特徴とする。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、キャップトレッド用ゴム組成物に、主に天然ゴムからなるジエン系ゴム100質量部に、カーボンブラックを30〜60質量部、シリカを1〜30質量部配合すると共に、カーボンブラックの窒素吸着比表面積とシリカの窒素吸着比表面積の差を30〜100m2/gになるようにしたので、キャップトレッド用ゴム組成物の低発熱性、耐偏摩耗性および引張り破断伸びを維持向上し、かつキャップトレッドゴムのゴム硬度Hcおよびアンダートレッドゴムのゴム硬度Huの差(Hc−Hu)を5以上10以下にしたので、チャンキング故障の発生を抑制することができる。
本発明の重荷重用タイヤにおいて、前記キャップトレッドゴムの厚さTcおよび前記アンダートレッドゴムの厚さTuが以下の一般式(1)を満たすとよく、低発熱性および耐偏摩耗性をより優れたものにすることができる。
1/10≦(Tu)/(Tc+Tu)≦1/3 (1)
(式中、Tcはキャップトレッドゴムの厚さ(mm)、Tuはアンダートレッドゴムの厚さ(mm)を表す。)。
前記キャップトレッド用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、加硫促進剤を0.8〜1.8質量部配合してなることが好ましい。また、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が100〜130m2/gであるとよく、前記シリカの窒素吸着比表面積が50〜200m2/gであるとよい。
図1は、本発明の重荷重用空気入りタイヤの実施形態の一例を示す子午線方向の断面図である。
本明細書において、重荷重用空気入りタイヤとは、トラック、バス、建設車両に装着する大型空気入りタイヤをいう。
図1において、重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部1、サイドウォール部2及びビード部3を有し、左右のビード部3,3間にカーカス層4が装架され、その両端部がビードコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1におけるカーカス層4のタイヤ径方向外側には4層構造のベルト層6が配置され、最外側のベルト層6の外側にトレッドゴムが配置される。トレッドゴムは、ベルト層6に隣接する径方向内側のアンダートレッドゴムの層8とトレッド部1の表面に露出する径方向外側のキャップトレッドゴムの層7の二層構造になっている。
本発明の重荷重用空気入りタイヤにおいて、キャップトレッドゴムの層7は、キャップトレッド用ゴム組成物により構成され、アンダートレッドゴムの層8は、アンダートレッド用ゴム組成物により構成される。
キャップトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、天然ゴム、または天然ゴムおよびブタジエンゴムからなる。ジエン系ゴムを天然ゴム、ブタジエンゴムで組成することにより、ゴム組成物の低発熱性、ゴム硬度および引張り破断伸びを高いレベルで確保することができる。
天然ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、60〜100質量%、好ましくは65〜95質量%である。天然ゴムの含有量が、60質量%未満であるとゴム硬度および引張り破断伸びが低下する虞がある。ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、40〜0質量%、好ましくは35〜5質量%である。ブタジエンゴムの含有量が40質量%を超えるとゴム硬度および引張り破断伸びが低下する虞がある。
キャップトレッド用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、天然ゴムを100質量%、又は天然ゴム及びブタジエンゴムの合計を100質量%にする。好ましくは天然ゴム及びブタジエンゴムの合計を100質量%にする。なお、キャップトレッド用ゴム組成物に各種配合剤を添加するとき、希釈材料やマスターバッチのベースゴムとして、天然ゴム、ブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含有する場合、そのような配合剤の使用を排除するものではなく、本発明の目的を阻害しない範囲で使用することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。
キャップトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合する。カーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物のゴム強度、ゴム硬度を高くし、耐摩耗性及び耐偏摩耗性を高くすることができる。カーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に対し、30〜60質量部、好ましくは32〜55質量部、より好ましくは35〜50質量部配合する。カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、ゴム組成物のゴム硬度、ゴム強度及び耐摩耗性が悪化する。カーボンブラックの配合量が60質量部を超えると発熱性が大きくなり引張り破断伸びが低下する。
カーボンブラックとしては、ASTM D1765により分類された等級が、好ましくはISAF級またはSAF級であるとよく、窒素吸着比表面積が好ましくは100〜130m2/g、より好ましくは105〜128m2/gであるとよい。窒素吸着比表面積が100m2/g未満であると、ゴム組成物のゴム硬度、ゴム強度などの機械的特性が低下し耐摩耗性及び耐偏摩耗性が悪化する。窒素吸着比表面積が130m2/gを超えると、転がり抵抗が大きくなる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
キャップトレッド用ゴム組成物において、シリカを、ジエン系ゴム100質量部に対し1〜30質量部、好ましくは2〜25質量部、より好ましくは5〜20質量部配合する。シリカを配合することにより、タイヤにしたとき転がり抵抗を小さくすると共に、キャップトレッド用ゴム組成物のゴム硬度を高くすることができる。シリカの配合量が1質量部未満であると、ゴム硬度を高くする効果が得られ難い。シリカの配合量が60質量部を超えると、引張り破断伸びおよびゴム硬度が大きくなり過ぎ、チャンキング故障が起こり易くなる。
シリカの窒素吸着比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜200m2/g、より好ましくは60〜180m2/gであるとよい。シリカの窒素吸着比表面積が50m2/g未満であると耐摩耗性及び耐偏摩耗性が悪化し好ましくない。またシリカの窒素吸着比表面積が300m2/gを超えると、転がり抵抗が大きくなり好ましくない。なおシリカの窒素吸着比表面積はJIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
シリカとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。シリカは、市販されているものの中から適宜選択して使用することができる。また通常の製造方法により得られたシリカを使用することができる。
キャップトレッド用ゴム組成物において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積とシリカの窒素吸着比表面積の差は30〜100m2/gであり、好ましくは40〜90m2/gである。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積とシリカの窒素吸着比表面積の差は、両者の窒素吸着比表面積の差の絶対値をいう。したがって、カーボンブラックの窒素吸着比表面積、シリカの窒素吸着比表面積のいずれが大きくてもよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積とシリカの窒素吸着比表面積の差が30m2/g未満であると、発熱性が大きくなり、チャンキング故障を起こし易くなる。また窒素吸着比表面積の差が100m2/gを超えるとゴム硬度が低下し、引張り破断伸びが悪化する。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、シリカと共に硫黄含有シランカップリング剤を配合する。硫黄含有シランカップリング剤を配合することにより、シリカの分散性を改良し、ゴム組成物の低発熱性をより小さくし、転がり抵抗をより小さくすると共に、耐摩耗性及び耐偏摩耗性を改良することができる。
硫黄含有シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。なかでもビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。
本発明では、カーボンブラック、シリカ以外の他の充填剤を配合することができる。他の充填剤としては、例えばクレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等を例示することができる。なかでも炭酸カルシウム、クレー、酸化アルミニウムが好ましい。他の充填剤を配合することによりゴム組成物の機械的特性をより一層改良することができ、タイヤにしたときの低発熱性、耐カット性及び加工性のバランスを改良することができる。
キャップトレッド用ゴム組成物は、硫黄、加硫促進剤を含むことができる。加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは0.8〜1.8質量部、より好ましくは1.0〜1.5質量部であるとよい。加硫促進剤が0.8質量部未満であると、ゴム硬度が低下し、耐摩耗性が劣る虞がある。また加硫促進剤が1.8質量部を超えると、引張り破断伸びが低下し、チャンキング故障を起こし易くなる虞がある。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、キャップトレッドゴムの層を上述したキャップトレッド用ゴム組成物で構成し、アンダートレッドゴムの層をアンダートレッド用ゴム組成物で構成する。本発明において、キャップトレッドゴムのゴム硬度Hcおよびアンダートレッドゴムのゴム硬度Huの差(Hc−Hu)が5以上10以下である。ゴム硬度の差(Hc−Hu)が5未満であると、トレッドの偏摩耗が発生しやすくなる。またゴム硬度の差(Hc−Hu)が10を超えると、チャンキング故障の発生を抑制することができない。ゴム硬度の差(Hc−Hu)は好ましくは5〜8、より好ましくは5〜7であるとよい。本明細書において、キャップトレッドゴムのゴム硬度Hcおよびアンダートレッドゴムのゴム硬度Huは、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定するゴムの硬さをいう。
本発明の重荷重用空気入りタイヤにおいて、キャップトレッドゴムの厚さTcおよびアンダートレッドゴムの厚さTuは、以下の一般式(1)を満たすことが好ましい。
1/10≦(Tu)/(Tc+Tu)≦1/3 (1)
(式中、Tcはキャップトレッドゴムの厚さ(mm)、Tuはアンダートレッドゴムの厚さ(mm)を表す。)
トレッドゴム全体の厚さ(Tc+Tu)に対するアンダートレッドゴムの厚さ(Tu)の比[(Tu)/(Tc+Tu)]を1/10以上にすることにより、発熱を抑制し耐チャンキング性を改良するため好ましい。また厚さの比[(Tu)/(Tc+Tu)]を1/3以下にすることにより、耐摩耗性および耐偏摩耗性を優れたものにすることができ好ましい。厚さの比[(Tu)/(Tc+Tu)]はより好ましくは1/4〜1/9、さらに好ましくは1/5〜1/8であるとよい。
本発明で好適に使用するアンダートレッド用ゴム組成物は、重荷重用タイヤのアンダートレッドに用いられるものであれば特に制限されるものではないが、好ましくは天然ゴム及び/又はイソプレンゴムを70〜100質量%と、ブタジエンゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムを30〜0質量%とからなるジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを15〜50質量部配合するとよい。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAが好ましくは35〜85m2/gであるとよい。
キャップトレッド用ゴム組成物およびアンダートレッド用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤などの重荷重用空気入りタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明の重荷重用空気入りタイヤは、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、トラック、バス、等の大型車両に好適に用いることができる。とりわけ偏平率が好ましくは60以下、より好ましくは55以下、更に好ましくは50以下という超偏平率の重荷重用空気入りタイヤとして用いることができる。本発明の重荷重用空気入りタイヤを、スーパーシングルタイヤ(ワイドシングルタイヤ)として用いることにより、重荷重用タイヤの耐摩耗性および耐偏摩耗性を従来レベル以上に向上すると共に、チャンキング故障の発生を抑制することができる。またダブルタイヤを使用するときと比べ、タイヤ/ホイール組立体の重量を大幅に軽量化し、燃費性能を向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す配合剤を共通配合とし、表1に示す配合からなる16種類のキャップトレッド用ゴム組成物(実施例1〜8、標準例、比較例1〜7)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお、表2に記載した共通配合剤の添加量は、表1に記載したジエン系ゴム100質量部に対する質量部で表わした。実施例7を除く実施例、標準例、比較例において、アンダートレッド用ゴム組成物として天然ゴム100質量部にカーボンブラック40質量を配合し上記と同様にして調製した。また実施例7において、アンダートレッド用ゴム組成物として天然ゴム100質量部にカーボンブラック50質量を配合し上記と同様にして調製した。
得られた14種類のキャップトレッド用ゴム組成物を、所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により、ゴム硬度(Hc)、発熱性(60℃のtanδ)および引張り破断伸び(100℃)の評価を行った。またアンダートレッド用ゴム組成物を、所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により、ゴム硬度(Hu)を評価した。
ゴム硬度(HcおよびHu)
得られた試験片のゴム硬度を、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。キャップトレッド用ゴム組成物のゴム硬度(Hc)およびアンダートレッド用ゴム組成物のゴム硬度(Hu)の差(Hc-Hu)を算出し、その結果を表1に記載した。またキャップトレッド用ゴム組成物のゴム硬度(Hc)について、標準例の値を100とする指数として表1の「ゴム硬度(Hc)」の欄に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性および耐偏摩耗性が優れることを意味する。
発熱性(60℃のtanδ)
得られた試験片を、JIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。得られたtanδの値の逆数を算出し標準例の値を100とする指数として表1の「tanδ(60℃)」の欄に示した。この指数が大きいほど発熱性(60℃のtanδ)が小さく、タイヤ走行時に発熱によりタイヤ温度が高くなるのを抑制し、タイヤ耐久性を向上可能にする。また同時に空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗が小さくなることを意味する。
引張り破断伸び(100℃)
得られた試験片から、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試験片を切り出した。100℃で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、破断したときの引張り破断伸びを測定した。得られた結果は、標準例の値を100にする指数として表1の「引張破断伸び」の欄に記載した。引張破断伸びの指数が大きいほど引張破断伸びが大きく優れることを意味する。
得られたキャップトレッド用ゴム組成物をキャップトッレドゴムの層(厚さTc=17mmまたは17.85mm)に、アンダートレッド用ゴム組成物をアンダートッレドの層(厚さTu=3.4mmまたは2.55)に使用して、重荷重用空気入りタイヤ(タイヤサイズ275/80R22.5)を加硫成形した。これらの重荷重用空気入りタイヤは、トッレドゴムの厚さの比[(Tu)/(Tc+Tu)]が1/6または1/8であった。得られた重荷重用空気入りタイヤを使用し、以下の方法で耐チャンキング性の試験を行った。
耐チャンキング性
得られた重荷重用空気入りタイヤを標準リムにリム組みし、ドラム試験機にて、80km/hの条件で走行させ、チャンキングが発生するまでの走行距離を測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数として「耐チャンキング性」の欄に示した耐チャンキング性の指数が大きいほど耐チャンキング性が優れ、チャンキング故障の発生が抑制され優れることを意味する。
Figure 2018158996
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、TSR20
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1200
・SBR:スチレン−ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502、非油展品
・CB−1:カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラックS118、窒素吸着比表面積が145m2/g
・CB−2:カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラックN234、窒素吸着比表面積が123m2/g
・CB−3:カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラックN330T、窒素吸着比表面積が60m2/g
・シリカ:EVONIK社製ULTRASIL VN3GR、窒素吸着比表面積が170m2/g
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
Figure 2018158996
なお、表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:NOF CORPORATION社製ステアリン酸
・硫黄:四国化成工業社製ミュークロンOT−20
表1から明らかなように実施例1〜7のキャップトレッド用ゴム組成物および重荷重用空気入りタイヤは、ゴム硬度、発熱性(60℃のtanδ)、引張り破断伸び(100℃)および耐チャンキング性が従来レベル以上に向上することが確認された。
また表1から明らかなように、比較例1のゴム組成物は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積とシリカの窒素吸着比表面積の差が100m2/gを超えるので、ゴム硬度、および引張り破断伸び(100℃)が低下する。
比較例2のゴム組成物は、ブタジエンゴムの代わりにスチレンブタジエンゴムを配合し、天然ゴムおよびブタジエンゴムの合計がジエン系ゴム100質量%にならないので、発熱性(60℃のtanδ)、および引張り破断伸び(100℃)が低下する。
比較例3のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が60質量部を超えるので、発熱性(60℃のtanδ)、および引張り破断伸び(100℃)が低下する。またゴム硬度の差(Hc-Hu)が10を超え、耐チャンキング性が低下する。
比較例4のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が30質量部未満であるので、ゴム硬度が低下し、耐摩耗性および耐偏摩耗性が劣る。
比較例5のゴム組成物は、シリカの配合量が30質量部を超えるので、発熱性が悪化する(60℃のtanδが大きくなる)。また引張り破断伸び(100℃)が低下する。更にゴム硬度の差(Hc-Hu)が10を超え、耐チャンキング性が低下する。
比較例6のゴム組成物は、シリカの配合量が1質量部未満であるので、発熱性に優れる(60℃のtanδが小さくなる)が、ゴム硬度が低下するので、ゴム硬度の差(Hc-Hu)が5未満となり、タイヤトレッドの偏摩耗が発生する。
比較例7のゴム組成物は、天然ゴムの含有量が60質量%未満、およびブタジエンゴムの含有量が40質量%を超えるので、ゴム硬度、および引張り破断伸び(100℃)が低下する。
1 トレッド部
7 キャップトレッドゴムの層
8 アンダートレッドゴムの層

Claims (5)

  1. キャップトレッドゴムおよびアンダートレッドゴムを有する重荷重用空気入りタイヤであって、キャップトレッドゴムがキャップトレッド用ゴム組成物からなり、該キャップトレッド用ゴム組成物が、天然ゴム40〜100質量%およびブタジエンゴム0〜60質量%からなるジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを30〜60質量部、シリカを1〜30質量部配合してなり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積と前記シリカの窒素吸着比表面積の差が30〜100m2/gであり、前記キャップトレッドゴムのゴム硬度Hcおよび前記アンダートレッドゴムのゴム硬度Huの差(Hc−Hu)が5以上10以下である重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記キャップトレッドゴムの厚さTcおよび前記アンダートレッドゴムの厚さTuが以下の一般式(1)を満たしてなる請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
    1/10≦(Tu)/(Tc+Tu)≦1/3 (1)
    (式中、Tcはキャップトレッドゴムの厚さ(mm)、Tuはアンダートレッドゴムの厚さ(mm)を表す。)
  3. 前記キャップトレッド用ゴム組成物が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、加硫促進剤を0.8〜1.8質量部配合してなる請求項1または2重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が100〜130m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記シリカの窒素吸着比表面積が50〜200m2/gである請求項1〜4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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