JP2009133924A - 被膜形成方法及びそれに用いるポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】段差シリコン基板等に設けられた微細な有底の孔部や溝部における内壁面及び底面に対して、均一な被膜を高精度且つ容易に形成することができる被膜形成方法及びそれに用いるポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本被膜形成方法は、[1](a)開口部の面積が25〜10000μmであり且つ深さが10〜200μmである孔部11及び(b)開口部の線幅が5〜200μmであり且つ深さが10〜200μmである溝部12のうちの少なくとも一方を有する段差基板1に、溶剤13を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、孔部11及び溝部12内の溶剤13と接触するように、段差基板1に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜14を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、孔部11並びに溝部12における内壁面及び底面に樹脂成分を含む被膜16を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被膜形成方法及びそれに用いるポジ型感光性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、段差基板に設けられた微細な有底の孔部や溝部における内壁面及び底面に対して、均一な被膜を高精度且つ容易に形成することができる被膜形成方法及びそれに用いるポジ型感光性樹脂組成物に関する。
従来より、電子機器の半導体素子の製造においては、基板上にレジストパターンを形成するために感光性樹脂組成物が用いられている。この感光性樹脂組成物としては、アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド化合物等の感光剤を有機溶媒に溶解してなるポジ型感光性樹脂組成物が広く採用されている。このポジ型感光性樹脂組成物については、感度、解像性、被膜形成性等の各種レジスト特性を改良するために、樹脂骨格の構造や分子量、感光剤の構造、各種添加剤や溶媒の種類等について多くの検討が行われている。
具体的な感光性樹脂組成物としては、例えば、(1)アルカリ可溶性樹脂、感光剤、無機粒子(アルミニウム粒子)を含んでなることを特徴とし、不透明なポジ型感光性樹脂であって、スカムの発生を抑制し、現像時間を短縮することができるもの(特許文献1参照)や、(2)アルカリ可溶性樹脂、キノジアジド化合物、無機微粒子(コロイダルシリカ)、アミン化合物を含んでなることを特徴とし、解像性等に優れ、且つ現像後の表面荒れを抑制することができるもの(特許文献2参照)、(3)アルカリ可溶性樹脂、感光剤、2種のチクソ剤(シリカ微粉末)を含み、解像性の低下を抑制するために前記2種のチクソ剤を組成物の固形量に対して合計6〜20質量%(特に6〜12質量%)とすることを特徴とし、プリント配線板の回路形成に用いることができるもの(特許文献3参照)、及び(4)流体特性がチクソトロピー性を示すと均一な膜厚の被膜が得られなくなるために、塑性流体或いは擬塑性流体であることを特徴とし、且つ特定の見かけ粘度を有し、疎水化処理された微粉体が添加されており、ディップ工法によって均一な膜厚の被膜を形成可能なもの(特許文献4参照)等が挙げられる。
特開2006−126354号公報 国際公開WO2004/114020号公報 特開平6−180499号公報 特開平4−218049号公報
三次元実装を必要とする電子デバイス(例えば、CMOSイメージセンサー、フラッシュメモリやCPU等)では、貫通電極が形成されたものが多用されている。この貫通電極を形成する方法としては、Si基板に微細孔や微細溝を形成し、形成した微細孔や微細溝の内壁面及び底面を含む表面に、感光性樹脂組成物を用いて被膜を形成し、その被膜に対して露光及び現像を行ってパターン化し、それをマスクとして用いて微細孔等の内部をエッチング処理することにより、貫通電極用の孔部を形成し、この貫通電極用の孔部に導電性材料を充填する方法等が挙げられる。
そして、半導体回路の高集積化が進む今日では、集積率を向上するため、孔部や溝部の微細化が要求されている。
しかしながら、上述の従来の感光性樹脂組成物を用いたとしても、微細な孔部や溝部が形成された段差基板に対する被膜形成性や金属不純物の濃度という点では未だ十分とは言えず、より均一な被膜を高精度且つ容易に形成可能な感光性樹脂組成物が求められているのが現状である。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、シリコン基板等に設けられた有底の孔部や溝部における内壁面及び底面に対して、均一で金属不純物含有量が低い被膜を高精度且つ容易に形成することができる被膜形成方法及びそれに用いるポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
1.[1](a)開口部の面積が25〜10000μmであり且つ深さが10〜200μmである孔部及び(b)開口部の線幅が5〜200μmであり且つ深さが10〜200μmである溝部のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法であって、前記ポジ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1〜100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、該ポジ型感光性樹脂組成物は、チクソトロピー性を有すると共に、その固形分中におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、前記(C)シリカの含有割合が、該ポジ型感光性樹脂組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とする被膜形成方法。
2.前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、重量平均分子量が4000〜50000のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する前記1.に記載の被膜形成方法。
3.前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、更に、重量平均分子量が2000未満のアルカリ可溶性樹脂を含有する前記2.に記載の被膜形成方法。
4.更に、低分子フェノール性化合物を含有する前記1乃至3.のいずれかに記載の被膜形成方法。
5.更に、密着助剤を含有する前記1.乃至4.のいずれかに記載の被膜形成方法。
6.前記(C)シリカの疎水化率が、20〜80%である前記1.乃至5.のいずれかに記載の被膜形成方法。
7.[1](a)開口部の面積が25〜10000μmであり且つ深さが10〜200μmである孔部及び(b)開口部の線幅が5〜200μmであり且つ深さが10〜200μmである溝部のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法に用いられる前記ポジ型感光性樹脂組成物であって、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1〜100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、本組成物は、チクソトロピー性を有すると共に、その固形分中におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、前記(C)シリカの含有割合が、本組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
本発明の被膜形成方法によれば、段差基板に設けられた有底の微細孔部や微細溝部における内壁面及び底面に均一な被膜を容易に形成することができる。そのため、前記被膜が形成された基板に対して、露光、現像することにより、微細な孔部内や溝部内、及び基板表面に任意のパターンを形成することができる。そして、パターン形成後には、エッチングレジストとして用いることができるため、形成された樹脂被膜をマスクとして、Si、SiO等の蒸着酸化膜や金属酸化膜等に対してエッチング処理を行うことができ、エッチング処理後には、容易に樹脂被膜を剥離することができるので、微細な孔部や溝部の内部に対する微細加工に好適に利用することができる。特に、貫通電極等を容易に形成することができる。従って、CMOSイメージセンサー、フラッシュメモリ、CPU等の三次元実装を必要とする電子デバイス作製分野において非常に有用である。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物によれば、段差基板に設けられた微細な有底の孔部や溝部における内壁面及び底面に均一な被膜を高い精度で形成することができる。更には、この樹脂組成物は、汎用的且つ簡便なスピンコート法により、基板表面に塗布することができるため、前記被膜を容易に形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
1.被膜形成方法
本発明の被膜形成方法は、[1](a)開口部の面積が25〜10000μmであり且つ深さが10〜200μmである孔部(以下、単に「孔部」、又は「微細孔部」ともいう。)及び(b)開口部の線幅が5〜200μmであり且つ深さが10〜200μmである溝部(以下、単に「溝部」、又は「微細溝部」ともいう。)のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成することを特徴とする。
<溶剤塗布工程>
前記溶剤塗布工程では、段差基板に溶剤が塗布される。
前記段差基板としては、シリコン、各種金属、アルミナ、ガラスエポキシ、紙フェノール、ガラス等の構成材料からなるものや、これらに各種金属薄膜若しくは金属酸化物薄膜が形成されたものが用いられる。特に、段差Si(シリコン)基板が好ましく用いられる。尚、基板の厚さは、通常、100〜1000μmである。
前記段差基板は、図1の断面図に示されるように、段差基板1の少なくとも一面側において表面から内部に縦方向に形成された、(a)開口部の面積が25〜10000μm、好ましくは100〜10000μm、より好ましくは250〜7000μmであり、且つ深さが10〜200μm、好ましくは30〜200μm、より好ましくは50〜150μmである孔部11及び(b)開口部の線幅が5〜200μm、好ましくは5〜150μm、より好ましくは10〜100μmであり、且つ深さが10〜200μm、好ましくは30〜200μm、より好ましくは50〜150μmである溝部12のうちの少なくとも一方を有する。
前記孔部及び溝部(以下、両者を含む意味で、「孔部等」ともいう。)の形状や数は、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜調整することができる。前記孔部等の基板面に対して垂直方向の断面形状(縦断面形状)は、柱状〔図1(a)参照〕、順テーパー状〔図1(b)参照〕、逆テーパー状〔図1(c)参照〕等とすることができる。尚、孔部の基板面に対して平行方向の横断面形状は、円形、楕円形、多角形等とすることができる。また、溝部は直線状に形成されていてもよいし、曲線状に形成されていてもよい。更に、孔部等が複数ある場合、各孔部等の大きさ及び深さは、それぞれ、異なっていてもよいし、隣り合う孔部等同士の間隔(長さ)も特に限定されない。
また、前記孔部の好ましい形状としては、横断面形状が円形且つ縦断面形状が順テーパー状である。
前記孔部が、横断面形状が円形である場合、孔部表面の開口径と、孔部深さとの比(孔部深さ/開口径)は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。
また、前記溝部の好ましい形状としては、溝部が直線形状に形成されており、且つ縦断面形状が柱状若しくは順テーパー状のものである。
前記溝部の縦断面形状が柱状である場合、縦断面の四角形におけるアスペクト比(孔部の深さ/孔部上面の1辺の長さ)は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。
また、前記溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記溶剤塗布工程において、前記溶剤を段差基板に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー法、スピンコート法等の塗布法、浸漬法等を挙げることができる。尚、溶剤を塗布することにより、前記孔部内に溶剤が充填された場合の溶剤の充填率は、特に限定されない。
<樹脂組成物塗布工程>
前記樹脂組成物塗布工程では、前記段差基板における孔部等内の溶剤と接触するように、ポジ型感光性樹脂組成物が塗布される。尚、このポジ型感光性樹脂組成物については、後段にて詳細を説明する。
前記樹脂組成物塗布工程において、感光性樹脂組成物を、前記段差基板に塗布する方法は、この感光性樹脂組成物が前記孔部等内の溶剤と接触するように塗工される方法であれば特に限定されないが、例えば、スピンコート法、スプレー法、バーコート法等を挙げることができる。これらのなかでも、スピンコート法を用いることが好ましい。
尚、この樹脂組成物塗布工程においては、感光性樹脂組成物の固形分濃度、粘度等が考慮されて、後に進められる乾燥工程により、前記段差基板の表面に形成される被膜の厚さが0.1〜10μmの範囲に入るように、塗膜を形成することが好ましい。
<乾燥工程>
前記乾燥工程では、前記樹脂組成物塗布工程により形成された塗膜が乾燥される。即ち、塗膜に含まれる溶剤のみが除去され、孔部等の内表面を含む段差基板の表面に被膜が形成される。
この工程における乾燥温度は、前記溶剤塗布工程において充填された溶剤の沸点、又は、前記溶剤塗布工程において充填された溶剤と、感光性樹脂組成物とからなる混合物に含まれる混合溶剤の沸点を考慮して適宜選択される。
また、乾燥条件は特に限定されず、一定温度で行ってよいし、昇温又は降温しながら行ってよいし、これらを組み合わせてもよい。また、圧力についても、大気圧下で行ってよいし、真空下で行ってもよい。尚、雰囲気ガス等も特に限定されない。
ここで、本発明の被膜形成方法について具体的に説明する(図2参照)。
まず、溶剤塗布工程により、溶剤を段差基板1に塗布する。この際、溶剤13は、通常、図2(b)のように、段差基板1に設けられている孔部11(溝部12)内に充填されており、また、段差基板1の表面を一様に濡らしていてもよい。
次いで、樹脂組成物塗布工程において、感光性樹脂組成物が塗布されると、段差基板1の表面には、均一な塗膜14が形成され、孔部11内においては、前記溶剤塗布工程において充填された溶剤と、感光性樹脂組成物とからなる混合物15が収容されることとなる〔図2(c)参照〕。
その後、乾燥工程により、溶剤が除去されて、孔部の内壁面及び底面を含む段差基板表面には、感光性樹脂組成物の固形分からなる均一な被膜16(孔部以外の段差基板1の全表面に形成されている被膜16a、孔部の内壁面に形成されている被膜16b、孔部の底面に形成されている被膜16c)が形成される〔図2(d)参照〕。尚、被膜16a、16b及び16cの厚さは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の被膜形成方法によれば、段差基板に設けられた有底の孔部や溝部における内壁面及び底面に均一な被膜を形成することができるため、形成された被膜をマスクとして利用することで、Si、SiO等の蒸着酸化膜や金属酸化膜等に対してエッチング処理を行うことができる。更には、エッチング処理後には、容易に樹脂被膜を剥離することができるので、微細な孔部や溝部の内部に対する微細加工に好適に利用することができる。例えば、基板の片面に微細孔部や微細溝部が形成されており且つその微細孔部や微細溝部に対応する位置に対する反対面に電極部を備える段差基板において、この孔部や溝部の底面にパターンを形成し、底部に対してエッチング処理を施すことにより、貫通電極を容易に形成することができる。
ここで、前記貫通電極の形成方法について具体的に説明する(図3参照)。
まず、片面に微細孔部11(或いは微細溝部12)が形成されており且つその反対面に電極部2を備える段差基板1〔図3(a)参照〕の表面に、感光性樹脂組成物を用いる本発明の被膜形成方法により被膜16を形成する〔図3(b)参照〕。
その後、上方から、孔部に対して、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線等を照射し、前記孔部11の底面に形成されている被膜16cの所定領域を露光する〔図3(c)参照〕。尚、露光量は、使用する光源、被膜の厚さ等によって、適宜、選択されるが、例えば、厚さが5〜50μm程度の被膜に対して、高圧水銀灯から紫外線を照射する場合、好ましい露光量は、1000〜20000J/m程度である。
そして、図3(c)に示される被膜露光部161は、アルカリ可溶性となるので、アルカリ性溶液を用いて処理し、孔部底面にパターン3を形成する〔図3(d)参照〕。尚、前記アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の水溶液、又は、この水溶液に、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤、界面活性剤等が適量添加された溶液等を用いることができる。
次いで、残存している被膜16をマスクとして、孔部における基板17に対してエッチング処理を施す〔図3(e)参照〕。また、エッチング方法としては、ドライエッチング、フッ酸等を用いたウェットエッチング等の公知の方法を用いることができる。
その後、残存している被膜16を、所定の剥離液(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の溶剤、又はこれらの溶剤にアルカリ、界面活性剤等が適量添加された溶液等)を用いて剥離し、貫通電極用孔部4を形成する〔図3(f)参照〕。
次いで、貫通電極孔部4に、導電材料を充填することにより貫通電極を形成することができる。尚、導電材料としては、銅、銀、タングステン、タンタル、チタン、ルテニウム、金、スズ、アルミニウム、及び、これらを含む合金等が挙げられる。
2.ポジ型感光性樹脂組成物
本発明の被膜形成方法において用いられるポジ型感光性樹脂組成物(以下、単に「感光性樹脂組成物」ともいう。)は、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1〜100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、且つチクソトロピー性を有するものである。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
前記アルカリ可溶性樹脂〔以下、「アルカリ可溶性樹脂(A)」ともいう。〕としては、例えば、(1)フェノール性水酸基を有する樹脂(以下、「樹脂(A1)」ともいう。)、(2)フェノール性水酸基を有する単量体と(メタ)アクリル酸エステルとを含む単量体を用いて得られた共重合体(以下、「樹脂(A2)」ともいう。)、(3)カルボキシル基を有する樹脂(以下、「樹脂(A3)」ともいう。)等が挙げられる。
前記樹脂(A1)としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で、縮合させることにより得られたノボラック樹脂を用いることができる。
前記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
前記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ノボラック樹脂以外の樹脂(A1)としては、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレンと他の単量体〔(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを除く〕との共重合体、ポリイソプロペニルフェノール、イソプロペニルフェノールと他の単量体〔(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを除く〕との共重合体、フェノール/キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール/キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール/ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂(A2)は、フェノール性水酸基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを含み、且つ、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する化合物を含まない単量体を用いて得られた共重合体である。
前記フェノール性水酸基を有する単量体としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。尚、これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基の水素原子は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。
また、前記樹脂(A2)の形成に際し、フェノール性水酸基を有する単量体及び(メタ)アクリル酸エステル以外に、重合性不飽和結合を有する化合物を他の単量体として用いてもよい。
前記他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物;前記不飽和カルボン酸のエステル;(メタ)アクリロニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル;(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド;(メタ)アリルアルコール等の不飽和アルコール;N−ビニルアニリン、ビニルピリジン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂(A3)は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。通常、この樹脂(A3)は、カルボキシル基を有する化合物(以下、「単量体(m)」という。)を含む単量体を用いて得られた重合体である。
前記単量体(m)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、4−ビニル安息香酸等の不飽和カルボン酸又は不飽和ジカルボン酸;不飽和ジカルボン酸のモノエステル等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂(A3)としては、以下の共重合体を例示することができる。
[1]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する単量体とを用いて得られた共重合体
[2]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとを用いて得られた共重合体
[3]単量体(m)と、フェノール性水酸基を有する単量体と、芳香族ビニル化合物と、(メタ)アクリル酸エステルとを用いて得られた共重合体
[4]単量体(m)と、芳香族ビニル化合物と、(メタ)アクリル酸エステルとを用いて得られた共重合体
[5]単量体(m)と、芳香族ビニル化合物と、共役ジオレフィンとを用いて得られた共重合体
[6]単量体(m)と、(メタ)アクリル酸エステル、共役ジオレフィンとを用いて得られた共重合体
[7]単量体(m)と、(メタ)アクリル酸エステル、脂肪酸ビニル化合物とを用いて得られた共重合体
尚、前記態様における、フェノール性水酸基を有する単量体、(メタ)アクリル酸エステル及び芳香族ビニル化合物については、前述の説明をそのまま適用することができる。
また、前記共役ジオレフィンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等が挙げられる。
更に、前記脂肪酸ビニル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル等が挙げられる。
本発明における感光性樹脂組成物は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
また、本発明における感光性樹脂組成物は前記アルカリ可溶性樹脂(A)として、重量平均分子量(Mw)が4000〜50000(より好ましくは4000〜30000)の樹脂を含有していることが好ましい。特に、前記アルカリ可溶性樹脂として、(i)Mwが4000〜50000の樹脂のみを含有しているか、或いは(ii)Mwが4000〜50000の樹脂と、Mwが2000未満(より好ましくは500〜1900)の樹脂とを含有していることが好ましい。これらの場合には、アルカリ可溶性をコントロールすることができる。尚、樹脂の重量平均分子量は、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記Mwが4000〜50000のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基を有する樹脂が好ましく、特に、ヒドロキシスチレンを用いて得られた共重合体、及びノボラック樹脂が好ましい。
前記Mwが2000未満のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール/キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール/ジシクロペンタジエン縮合樹脂、ヒドロキシスチレンを用いて得られた共重合体、及びノボラック樹脂が好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂(A)として、Mwが4000〜50000のアルカリ可溶性樹脂と、Mwが2000未満のアルカリ可溶性樹脂とを含む場合、Mwが4000〜50000のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、アルカリ可溶性樹脂(A)全体を100質量%とした場合に、30〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは50〜100質量%である。
また、前記感光性樹脂組成物における前記アルカリ可溶性樹脂(A)の含有割合は、感光性樹脂組成物に含まれる固形分全体を100質量%とした場合に、30〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜50質量%、更に好ましくは35〜50質量%である。この含有割合が30〜60質量%である場合には、アルカリ溶解性に優れる。
<(B)キノンジアジド基を有する化合物>
前記キノンジアジド基を有する化合物〔以下、「キノンジアジド化合物(B)」ともいう。〕とは、フェノール化合物の、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸エステルである。
前記フェノール化合物は、フェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物等が好ましい。
〔式中、X〜X10は、それぞれ相互に同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である。尚、X〜Xのうちの少なくとも1つはヒドロキシル基である。また、Aは単結合、O、S、CH、C(CH、C(CF、C=O、又はSOである。〕
〔式中、X11〜X24は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である。尚、X11〜X15のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基である。また、R〜Rは、それぞれ相互に同一又は異なってもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。〕
〔式中、X25〜X39は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である。尚、X25〜X29のうちの少なくとも1つ及びX30〜X34のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基である。また、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。〕
〔式中、X40〜X58は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である。尚、X40〜X44のうちの少なくとも1つ、X45〜X49のうちの少なくとも1つ及びX50〜X54のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基である。また、R〜Rは、それぞれ相互に同一又は異なってもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。〕
〔式中、X59〜X72は、それぞれ相互に同一又は異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はヒドロキシル基である。尚、X59〜X62のうちの少なくとも1つ及びX63〜X67のうちの少なくとも1つはヒドロキシル基である。〕
前記一般式(1)〜(5)における、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトシキ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を挙げることができる。
また、前記一般式(1)〜(5)における、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を挙げることができる。
前記フェノール化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エタン等を挙げることができる。これらのフェノール化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
従って、前記キノンジアジド化合物(B)としては、上述のフェノール化合物から選ばれた少なくとも1種と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸と、を反応させて得られたエステル化物等を、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記感光性樹脂組成物における前記キノンジアジド化合物(B)の含有割合は、感光性樹脂組成物に含まれる固形分全体を100質量%とした場合に、1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。この含有割合が1〜40質量%である場合には、得られる被膜の露光部・未露光部の溶解度の差を大きくすることができ、現像性をより向上させることができるため好ましい。
<(C)シリカ>
本発明における感光性樹脂組成物には、チクソトロピー性を発現させ且つ制御するために、少なくとも一部が疎水化処理されたシリカ〔以下、「シリカ(C)」ともいう。〕が配合されている。
疎水化処理されるシリカの種類は特に限定されないが、例えば、コロイダルシリカ、アエロジル、ガラス等が挙げられる。尚、これらの粒子形状は、特に限定されず、球状、楕円形状、偏平状、ロッド状、繊維状等とすることができる。
前記シリカ(C)の疎水化率は、20〜80%であることが好ましく、より好ましくは30〜70%、更に好ましくは40〜70%である。この疎水化率が20〜80%である場合には、シリカの溶剤への分散性及び前記樹脂との相溶性が良好となり、更には前記感光性樹脂組成物のチクソトロピー性を発現させることができるため好ましい。
尚、前記感光性樹脂組成物におけるシリカ(C)の疎水化率は、疎水化前及び疎水化後のシリカ表面のシラノール基数を0.1N水酸化ナトリウム水溶液による中和滴定法により測定し、下式により求められた値である。
疎水化率(%)=(疎水化後のシラノール基数/疎水化前のシラノール基数)×100
また、前記シリカ(C)の平均粒子径は1〜100nmであり、好ましくは5〜80nm、より好ましくは10〜50nmである。この平均粒子径が、1〜100nmである場合には、露光光に対する十分な透明性、及び十分なアルカリ溶解性等を得ることができる。一方、100nmを超える場合には、露光光に対する十分な透明性が得られず、解像性が悪化する傾向にある。
尚、この平均粒子径は、光散乱流動分布測定装置(大塚電子社製、型番「LPA−3000」)を用いて、シリカ粒子の分散液を常法に従って希釈して測定した値である。また、この平均粒子径は、シリカ粒子の分散条件により制御することができる。
また、前記シリカ(C)におけるナトリウム含有量は、1ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5ppm以下、更に好ましくは0.1ppm以下である。このナトリウム含有量が1ppm以下である場合には、得られる感光性樹脂組成物におけるナトリウム含有量を1ppm以下とすることができる。
尚、シリカ(C)におけるナトリウム含有量は、原子吸光計(パーキネルマー製、型番「Z5100」)等により測定することができる。
前記感光性樹脂組成物における前記シリカ(C)の含有割合は、感光性樹脂組成物における固形分全体を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であり、好ましくは30質量%以上、60質量%以下、更に好ましくは30質量%以上、50質量%以下である。この含有割合が20質量%を超えて、60質量%以下である場合には、十分なチクソトロピー性を得ることができ、段差基板等における微細孔や微細溝の内壁面及び底面に均一な被膜を形成することができる。また、この含有割合が20質量%以下の場合、十分なチクソトロピー性が得られず、段差基板等における微細孔や微細溝の内壁面及び底面に均一な被膜を形成することができないおそれがある。一方、70質量%を超える場合、露光部・未露光部の溶解度の差を制御することができず、十分な現像性が得られないおそれがある。
尚、本発明における感光性樹脂組成物は、前記シリカ(C)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよいが、シリカ粒子の良好な分散性の観点から、1種のみ含有することが好ましい。
<(D)溶剤>
前記溶剤〔以下、「溶剤(D)」ともいう。〕は、感光性樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節したりするために含有されている。
前記溶剤(D)としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類が挙げられる。これらの溶剤(D)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<低分子フェノール性化合物>
本発明における感光性樹脂組成物には、アルカリ可溶性を向上させるために、添加剤として分子量が500未満の低分子フェノール性化合物が含有されていてもよい。
前記低分子フェノール性化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記低分子フェノール性化合物の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜25質量部、更に好ましくは5〜20質量部である。
<密着助剤>
本発明における感光性樹脂組成物には、基板との密着性を向上させるために、添加剤として密着助剤が含有されていてもよい。
前記密着助剤としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤等が挙げられる。具体的には、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらの密着助剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記密着助剤の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)と低分子フェノール性化合物との合計を100質量部とした場合に、0.5〜10質量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜8質量部である。この含有量が0.5〜10質量部である場合には、基板との良好な密着性を発現するため好ましい。
<界面活性剤>
本発明における感光性樹脂組成物には、樹脂組成物の塗布性を向上さるために、添加剤として界面活性剤(レベリング剤)が含有されていてもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステリアルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ)、メガファックF171、F172、F173(大日本インキ化学工業)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム)、アサヒガードAG710、サーフロンS−381、S−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106、サーフィノールE1004、KH−10、KH−20、KH−30、KH−40(旭硝子)、フタージェント250、251、222F、FTX−218(ネオス)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341、X−70−092、X−70−093(信越化学工業)、SH8400(東レ・ダウコーニング)、アクリル酸系又はメタクリル酸系ポリフローNo.75、No.77、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業)が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記界面活性剤の含有量は、前記アルカリ可溶性樹脂(A)と低分子フェノール性化合物との合計を100質量部とした場合に、0.01〜1質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量部である。この含有量が0.01〜1質量部である場合には、段差基板等における微細孔や微細溝の内壁面及び底面に平坦性に優れた被膜を形成することができる。
<他の添加剤>
本発明における感光性樹脂組成物には、必要に応じて他の添加剤を本発明の特性を損なわない程度に含有させることができる。このような他の添加剤としては、増感剤、レベリング剤等が挙げられる。
<ナトリウム含有量>
前記感光性樹脂組成物の固形分中におけるナトリウム含有量は、1ppm以下であり、より好ましくは0.8ppm以下、更に好ましくは0.5ppm以下である。このナトリウム含有量が1ppm以下である場合には、本発明における感光性樹脂組成物を用いて作製された電子デバイス中の金属不純物が少なく、電気的信頼性に優れた電子デバイスを作製することができるため好ましい。
尚、樹脂組成物中におけるナトリウム含有量は、原子吸光計(パーキネルマー製、型番「Z5100」)等により測定することができる。
また、本発明における感光性樹脂組成物は、チクソトロピー性を有するものであり、微細孔部及び微細溝部の少なくとも一方が形成された段差基板に被膜を形成するために好適に用いることができる。具体的には、段差基板における孔部や溝部の内壁面及び底面に均一な被膜を形成するために好適に用いることができる。
本発明における感光性樹脂組成物の固形分濃度は、5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは25〜60質量%である。
更に、感光性樹脂組成物の固形分濃度が5〜80質量%であるときの粘度は、10〜10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは20〜7000mPa・s、更に好ましくは30〜5000mPa・sである。この粘度が10〜10000mPa・sであると、微細な孔部や溝部の内壁面及び底面に対する製膜性に優れ、より均一な被膜を得ることができる。尚、樹脂組成物の粘度は、温度25℃で、回転速度20rpmで測定された値である。
また、本発明における感光性樹脂組成物は、樹脂組成物の固形分濃度が5〜80質量%の範囲にある場合、剪断速度6S−1における粘度V(mPa・s)と、剪断速度60S−1における粘度V(mPa・s)との比(V/V)が、1.1以上であることが好ましく、より好ましくは1.1〜10.0、更に好ましくは1.2〜8.0、特に好ましくは1.3〜6.0である。この比(V/V)が、1.1以上である場合には、微細な孔部や溝部の内壁面及び底面に対する製膜性に優れ、均一な被膜を得ることができる。
更に、樹脂組成物の固形分濃度が5〜80質量%の範囲にある場合、剪断速度1.5S−1における粘度V(mPa・s)と、剪断速度600S−1における粘度V(mPa・s)との比(V/V)が、2.0以上であることが好ましく、より好ましくは2.0〜80、更に好ましくは2.0〜70、特に好ましくは3.0〜60である。この比(V/V)が、2.0以上である場合には、より均一な被膜を得ることができる。
3.感光性樹脂組成物の調製方法
本発明における感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、公知の方法により調製することができる。また、前記アルカリ可溶性樹脂(A)、前記キノンジアジド化合物(B)、前記シリカ(C)、前記溶剤(D)、更には必要に応じて前述の各添加剤を中に入れ完全に栓をしたサンプル瓶を、ウェーブローター等の上で攪拌することによっても調製することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
[1]ポジ型感光性樹脂組成物の調製
(実施例1)
表1に示すとおり、(A)アルカリ可溶性樹脂(A−1)100質量部、(B)キノンジアジド化合物(B−1)25質量部、(C)シリカ(C−1)100質量部及び(F)界面活性剤(F−1)0.1質量部を、(D)溶剤(D−1)210質量部に溶解することにより感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例2〜8及び比較例1〜5)
実施例1と同様にして、表1に示すとおり、(A)アルカリ可溶性樹脂、(a)低分子フェノール性化合物、(B)キノンジアジド化合物、(C)シリカ、(E)密着助剤及び(F)界面活性剤を、(D)溶剤に溶解することにより各感光性樹脂組成物を調製した。
尚、表1に記載の組成は、以下のとおりである。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
A−1:m−クレゾール/p−クレゾール=60/40(モル比)からなるクレゾールノボラック樹脂、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=6500
A−2:ポリヒドロキシスチレン(丸善石油化学製、商品名「マルカリンカー S−2P」)、Mw=5000
A−3:フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂(三井化学製、商品名「ミレックス XLC−3L」、Mw=1500
<(a)低分子フェノール性化合物>
a−1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン
<(B)キノンジアジド化合物>
B−1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸との2.0モル縮合物
<(C)シリカ>
C−1:商品名「クォートロンPL−2L」(扶桑化学工業製、疎水化処理物(疎水化率:50%)、平均粒子径:20nm、ナトリウム含有量:0.02ppm)
C−2:商品名「PMA−ST」(日産化学工業製、疎水化処理物(疎水化率:60%)、平均粒子径:20nm、ナトリウム含有量:600ppm)
C−3:商品名「クォートロンPL−30」(扶桑化学工業製、疎水化処理物(疎水化率:40%)、平均粒子径:300nm、ナトリウム含有量:0.02ppm)
<(D)溶剤>
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<(E)密着助剤>
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー製、商品名「A−187」)
<(F)界面活性剤(レベリング剤)>
F−1:商品名「FTX-218」(ネオス製)
尚、前記(C)シリカにおける各疎水化率は、下記のようにして測定した値である。
<疎水化率>
まず、シリカの10%水分散液150mLに塩化ナトリウム30gを溶解させ、pH4になるように1N塩酸で調整した。次いで、0.1N水酸化ナトリウム水溶液をpH9になるまで滴下した。そして、シリカ表面のシラノール基数を下式により求めた。
A=(a×0.1×N)/(W×S)
[但し、Aはシラノール基数(個/nm)、aは0.1N水酸化ナトリウム水溶液の滴下量(L)、Nはアボガドロ数(個/mol)、Wはシリカ重量(g)、SはシリカのBET面積(nm/g)である。
このようにして、疎水化前及び疎水化後のシリカのシラノール基数をそれぞれ求め、下式によりシリカの疎水化率を計算した。
疎水化率(%)=(疎水化後のシラノール基数/疎水化前のシラノール基数)×100
[2]ポジ型感光性樹脂組成物の評価
前記実施例1〜8及び比較例1〜5の各感光性樹脂組成物を、下記の方法に従って評価した。その結果を表2に示す。
(1)被膜形成性
表面に、開口部形状が正方形(80μm×80μm)、深さが100μm、及び、底面形状が正方形(60μm×60μm)である順テーパー状の孔部〔図1(b)参照〕を有する、直径150mm及び厚さ500μmの段差Si基板上に、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルアセテートをスピンコート(1000rpm、3秒間)し、孔部にこの溶剤を充填した〔図2(b)参照〕。
その後、感光性樹脂組成物をスピンコート(1段階目;300rpm、10秒間、2段階目;600rpm、20秒間)し、孔部内の溶剤表面を含む段差Si基板の表面に塗膜を形成した。
次いで、塗膜付きSi基板を、温度110℃のホットプレート上に5分間静置し、溶剤を揮発させて、Si基板の表面並びに孔部の内壁面及び底面に被膜を形成させ、被膜付きSi基板を得た〔図2(d)参照〕。
そして、電子顕微鏡により孔部の断面形状を観察し、以下の基準で被膜形成性を評価した。
○;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆されており、孔部における内壁面及び底面の被膜の膜厚が略一定となっている場合(図4参照)
△;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆されているが、孔部における内壁面及び底面における膜厚が略一定になっていない場合(図5参照)
×;被膜により表面開口部の肩が完全に被覆されていない場合、又は孔部を完全に埋めつくしている場合(図6参照)
(2)ナトリウム含有量
感光性樹脂組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにより希釈し、原子吸光計(パーキンエルマー製、型番「Z5100」)を用いてナトリウム含有量を測定した。
(3)解像性
6インチのシリコンウェハに感光性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で5分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗膜を作製した。その後、アライナー(Suss Microtec社製、型番「MA−150」)を用い、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が6000J/mとなるように露光した。次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて、23℃で3分間、浸漬現像した。そして、得られたパターンの最小寸法を解像度とした。
(4)エッチング性
6インチのシリコンウェハに感光性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて110℃で5分間加熱し、10μm厚の均一な樹脂塗膜を作製した。その後、ドライエッチング装置(神港精機社製、型番「E1113−C23」)を用い、CFガス雰囲気中、500W×120秒間の条件でドライエッチング処理を行った。そして、その際におけるドライエッチングにより消失した膜厚を測定し、以下の基準でエッチング性を評価した。
○;エッチング処理により消失した膜厚が1.5μm以下の場合
×;エッチング処理により消失した膜厚が1.5μmを超える場合
段差基板に形成されている孔部(溝部)の断面を模式的に示す説明図である。 本発明の被膜形成方法を模式的に示す説明図である。 貫通電極の作成方法を模式的に示す説明図である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像である。 被膜が形成された孔部断面を示す画像である。
符号の説明
1;段差基板、11;微細孔部、12;微細溝部、13;溶剤、14;塗膜、15;感光性樹脂組成物及び溶剤の混合物、16、16a、16b、16c;被膜、161;被膜露光部、17;基板、2;電極部、3;パターン、4;貫通電極用孔部。

Claims (7)

  1. [1](a)開口部の面積が25〜10000μmであり且つ深さが10〜200μmである孔部及び(b)開口部の線幅が5〜200μmであり且つ深さが10〜200μmである溝部のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法であって、
    前記ポジ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1〜100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、該ポジ型感光性樹脂組成物は、チクソトロピー性を有すると共に、その固形分中におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、前記(C)シリカの含有割合が、該ポジ型感光性樹脂組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とする被膜形成方法。
  2. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、重量平均分子量が4000〜50000のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する請求項1に記載の被膜形成方法。
  3. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂として、更に、重量平均分子量が2000未満のアルカリ可溶性樹脂を含有する請求項2に記載の被膜形成方法。
  4. 更に、低分子フェノール性化合物を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の被膜形成方法。
  5. 更に、密着助剤を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の被膜形成方法。
  6. 前記(C)シリカの疎水化率が、20〜80%である請求項1乃至5のいずれかに記載の被膜形成方法。
  7. [1](a)開口部の面積が25〜10000μmであり且つ深さが10〜200μmである孔部及び(b)開口部の線幅が5〜200μmであり且つ深さが10〜200μmである溝部のうちの少なくとも一方を有する段差基板に、溶剤を塗布する溶剤塗布工程と、[2]ポジ型感光性樹脂組成物を、前記孔部及び溝部内の溶剤と接触するように、前記段差基板に塗布する樹脂組成物塗布工程と、[3]塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備えており、且つ、前記孔部並びに溝部における内壁面及び底面に前記樹脂成分を含む被膜を形成する被膜形成方法に用いられる前記ポジ型感光性樹脂組成物であって、
    (A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キノンジアジド基を有する化合物と、(C)疎水化処理されており且つ平均粒子径が1〜100nmであるシリカと、(D)溶剤と、を含有しており、本組成物は、チクソトロピー性を有すると共に、その固形分中におけるナトリウム含有量が1ppm以下であり、且つ、前記(C)シリカの含有割合が、本組成物の固形分を100質量%とした場合に、20質量%を超えて、60質量%以下であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
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