JP5951597B2 - セラミックス素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本出願は、2011年3月31日に出願された日本国特許出願第2011−080887号に基づく優先権を主張する。その出願の全ての内容はこの明細書中に参照により援用されている。
本明細書が開示する技術は、セラミックス基板を複数に分割してセラミックス素子を製造する方法に関する。
セラミックス基板を複数に分割してセラミックス素子を製造する方法として、フィルム上にセラミックス基板を接着固定し、固定したセラミックス基板をダイシングする技術が知られている。
また、日本国公開特許公報2010−287723には、接着剤を用いて基板を支持板に貼り付ける方法が開示されている。
ダイシングブレードにより溝を形成する際には、溝の底面が荒れ易い。フィルム上に接着したセラミックス基板をダイシングする上述した技術では、ダイシングソーが接着剤層の一部を削るようにしてセラミックス基板を切断する。すなわち、溝は、セラミックス基板を貫通し、接着剤層に達する深さで形成される。したがって、溝の底面は接着剤層により構成されることになる。このように、溝の底面が柔らかい接着剤層により構成されていると、溝の底面(すなわち、接着剤層の切削面)が極めて荒れた状態となる。例えば、細長い切削屑が接着剤層に接続された状態で切削面に残ってしまうことがある。このように、接着剤層の切削面が荒れていると、後の工程で不具合が生じる場合がある。例えば、接着剤層に接続された状態の切削屑がセラミックス素子に付着して、付着物がその後の加工工程において不具合を生じさせることがある。
また、ブラスト加工によりセラミックス基板を切断する技術も存在する。ブラスト加工によって、セラミックス基板を貫通して接着剤層に達する溝(すなわち、底面が接着剤層により構成される溝)を形成すると、溝の底面を構成している接着剤層にブラスト加工用のメディア(砥粒)が多量に巻き込まれる。その後の工程において、接着剤層に巻き込まれたメディアが脱落し、脱落したメディアが不具合を生じさせることがある。
したがって、本明細書では、セラミックス基板を好適に切断可能であり、その後の加工工程において不具合を生じさせることがないセラミックス素子の製造方法を提供する。
本明細書が開示するセラミックス素子の製造方法は、犠牲層を介してセラミックス基板を補強板に固定する固定工程と、セラミックス基板の上面に、セラミックス基板と犠牲層を貫通して補強板に達する溝を形成することで、セラミックス基板を複数に分割する溝形成工程と、犠牲層を除去する犠牲層除去工程を有する。なお、ここでいうセラミックス基板は、誘電体セラミックス基板、圧電体セラミックス基板、電歪体セラミックス基板、焦電体セラミックス基板、強誘電体セラミックス基板、無機化合物基板、金属酸化物基板等全てを含む概念であり、また、その上面あるいは内部に電極を有しているものも含む。即ち、本願において、セラミックス基板とは、セラミックス基板単体及び電極が形成されたセラミックス基板をいう。また、犠牲層とは、特定の溶液で溶解除去できる樹脂層である。犠牲層は1GPa以上のヤング率を有することが好ましい。溝形成工程時の加工負荷によるセラミックス基板の変形を小さくするためである。また、犠牲層は分割された溝の側面にコートされる樹脂と接触しても安定で、その樹脂を硬化する時の熱処理温度で軟化しない材料が好ましい。また、補強板とは、分割されるべきセラミックス基板を支持する基板である。補強板は、可撓性を有さないことが好ましい。また、補強板は、犠牲層よりも硬く、ヤング率が高い(ビッカース硬度で比較)ことが好ましい。溝の内面が荒れた状態となることを抑制するためである。さらに好ましくは、分割されるべきセラミックス基板よりも厚いものであることが好ましい。セラミックス基板の切削時に確実に支持し、補強するためである。また、ここでいう溝形成工程は、切削加工(いわゆる、ダイシング)により溝を形成する工程であってもよいし、ブラスト加工により溝を形成する工程であってもよい。
この製造方法では、溝形成工程においてセラミックス基板と犠牲層を貫通して補強板に達する溝を形成する。
ダイシングによって犠牲層を貫通するように溝を形成すると、犠牲層の切削面が荒れることが抑制される。また、このように溝を形成すると、溝の底面は補強板により構成されることになる。補強板には、硬くて切削加工性のよい材質を採用することができる。したがって、補強板の切削面が荒れることも抑制される。したがって、この製造方法では、溝形成工程において形成される溝の表面が従来よりも滑らかとなる。細長い切削屑が切削面に接続された状態で残ってしまうことがなくなるので、後の工程で不具合が生じることが抑制される。
また、ブラスト加工によって犠牲層を貫通するように溝を形成すると、犠牲層にメディアが巻き込まれ難い。また、このように溝を形成すると、溝の底面は補強板により構成されることになる。補強板には、硬くて加工性のよい材質を採用することができるので、メディアが補強板に巻き込まれることはほとんどない。したがって、その後の工程において、溝の内面から脱落したメディアにより不具合が生じることが抑制される。
このように、溝形成工程において何れの加工方法を用いた場合でも、この製造方法によれば、溝を好適に形成して後の工程における不具合の発生を抑制することができる。
なお、上述した製造方法では、溝形成工程後であって犠牲層除去工程前に、セラミックス基板(すなわち、分割された各セラミックス素子)の上面に、支持体(例えば、支持フィルムや支持板)を貼り付けてもよい。このように支持体を貼り付けることで、犠牲層を除去した後でも、各セラミックス素子を支持しておくことができる。
なお、セラミックス素子からのセラミックス粒子の脱粒防止や、セラミックス素子の耐久性向上のために、セラミックス素子を樹脂によってコートすることがある。セラミックス素子を樹脂でコートする場合には、上述した製造方法は、以下のように構成されていることが好ましい。この製造方法では、溝形成工程後であり、犠牲層除去工程前に、セラミックス基板の上面と溝の内面を、光を受けると変質する樹脂によりコートすることで樹脂層を形成する樹脂コート工程と、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てずに犠牲層の側面の樹脂層に光を当てるか、若しくは、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てて犠牲層の側面の樹脂層に光を当てない光照射工程をさらに有していることが好ましい。また、犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を溝の内部に浸入させることによって、溝の内部の犠牲層の側面から犠牲層を溶解することが好ましい。なお、光を受けると変質する樹脂は、特定の波長の光(例えば、紫外線等)を受けると変質する樹脂であればよく、全ての波長の光により変質する樹脂である必要はない。
この製造方法では、セラミックス基板の上面と溝の内面を、光(例えば、特定の波長の光)を受けると変質する樹脂を用いてコートする。これによって、セラミックス素子の上面と側面に樹脂層が形成される。樹脂コート工程が完了したら、光照射工程において、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層と犠牲層の側面の樹脂層との何れか一方に光を照射して、これら樹脂層の特性を異ならせる。この工程は、例えば、所定のマスク越しにセラミックス基板の上面に対して光を照射することで実施することができる。なお、犠牲層の側面の樹脂層は、その後に選択的に除去してもよいし、若しくは、犠牲層の側面の樹脂層が液体を透過できる場合(例えば、光の照射によって犠牲層の側面の樹脂層にクラックが入っている場合等)には、犠牲層の側面の樹脂層を残存させておいてもよい。また、ネガ型(光を受けることで安定化する型)の樹脂層を用いる場合には、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を照射し、ポジ型(光を受けることで可溶性になったり、液体を透過する特性になる型)の樹脂層を用いる場合には、犠牲層の側面の樹脂層に光を照射することができる。犠牲層除去工程では、溶解液を溝の内部に浸入させる。犠牲層の側面の樹脂層は除去されているか、液体を透過するようになっているので、溝の内側から犠牲層を溶解させることができる。犠牲層を溶解除去することで、セラミックス素子が補強板から分離する。これによって、上面と側面が樹脂によりコートされたセラミックス素子が得られる。また、この製造方法によれば、ハンドリングが困難な小さなセラミックス素子を製造する場合であっても、切断面(すなわち、溝の内面)への樹脂コートを効率的に行うことができる。
上述した光照射工程を有する製造方法では、補強板が透光性材料により構成されており、光照射工程では、補強板の下面に向けて光を照射することで、溝の内部の補強板の表面及び犠牲層の側面に存在する樹脂層を変質させることが好ましい。
このような構成によれば、セラミックス素子(溝により分離されたセラミックス基板)自身がマスクとなってセラミックス素子の上面及び側面の樹脂層に光が当たることが防止される。したがって、高い位置精度で、セラミックス素子の上面及び側面の樹脂層に光を当てずに、溝の内部の補強板の表面及び溝の内部の犠牲層の側面の樹脂層に光を照射することが可能となる。
また、上面と側面が樹脂によりコートされたセラミックス素子は、以下の方法によっても製造することができる。この製造方法では、補強板が多孔質材料により構成されていることが好ましい。また、溝形成工程後であり、犠牲層除去工程前に、セラミックス基板の上面と溝の内面を樹脂によりコートすることで樹脂層を形成する樹脂コート工程をさらに有していることが好ましい。また、犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を、補強板の下面から補強板内部の空孔を通して犠牲層に到達させることで、犠牲層を溶解することが好ましい。
この製造方法では、溝形成工程後に、セラミックス基板の上面と溝の内面を樹脂によりコートする。これによって、各セラミックス素子の上面と側面が樹脂によりコートされる。溝の内面を樹脂でコートすると、溝の内部から犠牲層を溶解させることができない。したがって、この製造方法では、多孔質の補強板の下面側から補強板内部の空孔に溶解液を浸透させ、空孔を通して犠牲層に溶解液を到達させる。これによって、犠牲層を溶解除去することができる。犠牲層を除去することで、セラミックス素子が補強板から分離する。これによって、上面と側面が樹脂によりコートされたセラミックス素子が得られる。また、この製造方法でも、ハンドリングが困難な小さなセラミックス素子を製造する場合であっても、切断面(すなわち、溝の内面)への樹脂コートを効率的に行うことができる。
なお、溝の内面を樹脂コートする際には、溝の底面に樹脂が溜まり易い。したがって、溝の底面に形成される樹脂層は厚くなる。また、溝の側面をコートする樹脂層のうち、溝の底面の樹脂層に近い位置の樹脂層は厚くなり易い。このように厚い樹脂層が犠牲層の側面に形成されると、問題が生じる。例えば、犠牲層側面の樹脂層を光により変質させる方法では、犠牲層側面の樹脂層が厚いと、犠牲層側面の樹脂層を変質させたり、除去するために長時間の処理が必要となり、他の領域の樹脂層にもダメージが生じる。また、多孔質材料の補強板を用いる方法では、犠牲層を除去したあとに、犠牲層の側面を覆っていた樹脂層が切れずに残り、セラミックス素子が補強板から分離し難くなる。
したがって、上述した樹脂コートを行う何れかの製造方法は、溝の底面をコートしている樹脂層の上面が、犠牲層の下面よりも下側に位置していることが好ましい。
このような構成によれば、犠牲層の側面の樹脂層が厚くなることが抑制される。したがって、上述した問題が生じることを抑制することができる。
上面と側面が樹脂によりコートされたセラミックス素子を得る上述した何れかの製造方法は、固定工程前に、セラミックス基板の下面を樹脂によりコートする下面樹脂コート工程をさらに有しており、固定工程では、セラミックス基板の下面の樹脂層を犠牲層に接触させてセラミックス基板を固定することが好ましい。
このような構成によれば、上面と側面だけでなく、下面も樹脂コートされたセラミックス素子が得られる。
上述した何れかの製造方法は、固定工程前に、補強板の上面に熱硬化性シートを接着させる工程と、固定工程前に、セラミックス基板の下面に犠牲層を形成する工程をさらに有しており、固定工程では、犠牲層と熱硬化性シートとが接触するようにセラミックス基板を固定することが好ましい。
このような構成によっても、セラミックス基板を補強板に好適に固定することができる。
なお、本願において、補強板としては、多孔質ガラス、多孔質セラミックス(アルミナ、ジルコニア、マグネシア)が好適な例としてあげられ、さらには透光性を有する補強板としては、ガラス、透光性アルミナ、サファイヤ、SiCが好適な例としてあげられる。
また、本明細書が開示するセラミックス素子の他の製造方法は、犠牲層を介してセラミックス基板を補強板に固定する固定工程と、セラミックス基板の上面から、セラミックス基板を貫通して犠牲層に達する溝を形成することで、セラミックス基板を複数に分割する溝形成工程と、犠牲層を除去する犠牲層除去工程を有している。犠牲層には犠牲層の樹脂部よりも硬い微粒子が分散されており、犠牲層のガラス転移点温度が80℃以上であり、犠牲層のヤング率が6GPa以上である。
このような構成によれば、溝の底面が犠牲層によって構成される。しかしながら、この製造方法では、犠牲層のガラス転移温度が80℃以上であり、犠牲層のヤング率が6GPa以上である。このような犠牲層によって溝の底面が構成される場合には、溝を形成する際に、溝の底面が荒れた状態となり難い。さらに、犠牲層中には硬い微粒子が分散されている。ダイシングブレードによって溝を形成する場合には、微粒子によってダイシングブレードがドレッシングされる。したがって、溝の底面が荒れた状態となることがさらに抑制される。
また、本明細書が開示するセラミックス素子のさらに別の製造方法は、セラミックス基板の下面に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、熱硬化性のシートを介して、前記シートが犠牲層に接触するように、セラミックス基板を補強板に固定する固定工程と、セラミックス基板の上面から、セラミックス基板と犠牲層を貫通してシートに達する溝を形成することで、セラミックス基板を複数に分割する溝形成工程と、犠牲層を除去する犠牲層除去工程を有している。シートにはシートの樹脂部よりも硬い微粒子が分散されており、シートのガラス転移点温度が80℃以上であり、シートのヤング率が6GPa以上である。
このように、シートに達するように溝を形成する(すなわち、溝の底面がシートにより構成される)場合には、シートを上記の構成とすることによって、溝の底面が荒れた状態となることを抑制することができる。
第1実施例の製造方法を示すフローチャート。 ステップS2実施後のセラミックス基板10の縦断面図。 ステップS4実施後の補強板20の縦断面図。 ステップS6実施後の積層体60の縦断面図。 ダイシングライン90を示す積層体60の斜視図。 ステップS8実施後の積層体60の縦断面図。 ダイシング時のダイシングラインに沿った向きの積層体60の縦断面図。 ステップS10実施後の積層体60の縦断面図。 ステップS12における光の照射方法を示す積層体60の縦断面図。 ステップS14実施後の積層体60の縦断面図。 キャリアフィルム50の貼付後の積層体60の縦断面図。 補強板20から分離したセラミックス素子62の縦断面図。 セラミックス素子10の拡大断面図。 第2実施例の製造方法を示すフローチャート。 キャリアフィルム50の貼付後の積層体60の縦断面図。 犠牲層30の除去後の積層体60の縦断面図。 第3実施例の製造方法を示すフローチャート。 ステップS2a実施後のセラミックス基板10の縦断面図。 ステップS4a実施後の補強板20の縦断面図。 ステップS6a実施後の積層体60の縦断面図。 第4実施例の製造方法を示すフローチャート。 ステップS4b実施後の補強板20の斜視図。 ステップS4c実施後の補強板20の斜視図。 ブラスト加工時の積層体60の縦断面図。 参考例1の製造方法を説明する積層体の断面図。 参考例2の製造方法を説明する積層体の断面図。 事前に切断しておいたセラミックス素子362を補強板310に貼り付けた状態を示す縦断面図。
以下に説明する実施例の製造方法では、薄いシート状に成形されたセラミックス基板を細かく切断し、少なくとも切断面を樹脂で覆うことで、圧電素子等に用いられるセラミックス素子を製造する。実施例の製造方法は、厚さが5〜150μmである薄いセラミックス基板を切断することによって、小型(例えば、0.2mm×0.8mmの長方形)のセラミックス素子を製造するのに適している。
(第1実施例)
図1は、第1実施例の製造方法を示すフローチャートである。ステップS2では、セラミックス基板の上面と下面にポリイミド樹脂を塗布する。そして、セラミックス基板を加熱することで、塗布したポリイミド樹脂を硬化させる。これによって、図2に示すように、セラミックス基板10の上面に樹脂層12を形成し、セラミックス基板10の下面に樹脂層14を形成する。ここでは、5μm以下の厚さを有する樹脂層12、14を形成する。
ステップS4では、セラミックス基板10とは別に準備されている補強板20の上面に樹脂を塗布することで、図3に示すように、犠牲層30を形成する。ここでは、0.5〜10μmの厚さを有する犠牲層30を形成する。なお、この段階では、犠牲層30は粘性を有している。なお、補強板20は、適切に切削加工ができる程度の硬さを有する基板である。また、補強板20は、透光性を有する。また、補強板20は、多孔質である。すなわち、補強板20の内部には、多数の空孔が形成されている。空孔は互いに繋がっており、これらの空孔を通って補強板20の上面から下面に流体が流れることができる。また、犠牲層30は、熱硬化性の樹脂である。
ステップS6では、図4に示すように、樹脂層14が犠牲層30と接するようにして、セラミックス基板10を補強板20に貼り付ける。そして、補強板20とセラミックス基板10の積層体60を加熱することで、犠牲層30を硬化させる。これによって、セラミックス基板10を補強板20に固着させる。なお、犠牲層30を硬化させる際には、犠牲層30中に含まれている溶剤が気化してガスが発生する。ステップS6の熱処理においては、犠牲層30から発生したガスは、補強板20の内部の空孔を通って外部に放出される。これによって、犠牲層30で発生したガスの圧力によって、セラミックス基板10が変形したり、セラミックス基板10にクラックが生じたりすることが防止される。
ステップS8では、図5に破線で示すダイシングライン90に沿ってセラミックス基板10をダイシングする。ここでは、図6に示すように、セラミックス基板10の上面から、セラミックス基板10と犠牲層30を貫通して補強板20に達する溝40をダイシングライン90に沿って形成する。これによって、セラミックス基板10が複数のセラミックス素子62に分割される。図7は、ダイシング時における積層体60のダイシングラインに沿った縦断面を示している。図示するように、ダイシング時には、ダイシングブレード80が回転しながら矢印92に示す方向に移動することで、積層体60が切削される。本実施例では、補強板20に達する溝40を形成するので、ダイシングブレード80の下端は補強板20内に位置している。このように積層体60を切削すると、犠牲層30を切削している部分において、ダイシングブレード80の外周端の刃の移動方向94(周方向への移動方向)が、ダイシングブレード80自体の移動方向92に対して平行とならない。したがって、犠牲層30を好適に切削することができる。また、補強板20を切削している部分においては、ダイシングブレード80の外周端の刃の移動方向96が、ダイシングブレード80自体の移動方向92に対して平行となる。しかしながら、補強板20は、犠牲層30よりも硬く、切削に適した硬さを有しているので、補強板20の切削面が荒れた状態となることが抑制される。また、補強板20を切削する際には、ダイシングブレード80の刃がドレスされる。これによって、ダイシングブレード80の刃に樹脂(犠牲層30の切削屑等)が目詰まりすることが抑制される。このため、ダイシングブレード80の切削力の低下が抑制される。さらに、硬い補強板20に達するように溝40を形成すると、ダイシングブレード80の振れが低減されるため、セラミックス基板10の表面におけるチッピングの発生を抑えることも出来る。したがって、ステップS8では、従来よりも滑らかな内面を有する溝40を形成することができる。なお、樹脂層12、14及び犠牲層30は、何れも、ダイシング時に用いられる研削液で劣化しない樹脂により構成されている。また、このように溝40を形成すると、ダイシングソーの振れの影響で、溝40の側面が若干傾斜する。すなわち、溝40は、上側ほど幅が広がるテーパ形状となる。ここでは、側面のテーパ角度(図6の角度θ)が1.5°以上であり、上端部の幅が0.01〜0.15mmである溝を形成する。
ステップS10では、積層体60の上面に、ポリイミド樹脂を塗布する。ここでは、特定の波長の光の照射を受けたときに、任意の溶剤によって溶解する性質に変質するポジ型の感光性のポリイミド樹脂を塗布する。積層体60の上面にポリイミド樹脂を塗布すると、溝40の内面もポリイミド樹脂に覆われる。次に、積層体60を加熱することで、塗布したポリイミド樹脂を乾燥させる。これによって、図8に示すように、積層体60の表面を覆う樹脂層16を形成する。なお、ポリイミド樹脂を塗布する際には、溝40の底面にポリイミド樹脂が溜まる。このため、図8に示すように、溝40の底面の樹脂層16aが厚くなる。また、溝40の側面をコートする樹脂層16は、底面の樹脂層16aに近い位置で厚くなる。ステップS10では、図8に示すように、溝40の底面の樹脂層16aの上面が、犠牲層30の下面よりも下側に位置するようにして、これらの間に距離ΔDを確保する。これによって、犠牲層30の側面の樹脂層16が厚くなることを抑制する。ここでは、溝40の底面以外の部分で5μm以下の厚さを有する樹脂層16を形成する。なお、樹脂層16は、樹脂層12、14と同種の樹脂により構成されているので、以下では、樹脂層12〜16をまとめて樹脂層18という。
ステップS12では、図9の矢印100に示すように、補強板20の下面に向けて、樹脂層16を変質させる波長の光を照射する。補強板20は透光性を有するので、補強板20を透過した光が、溝40の底面を覆っている樹脂層16aに当たる。また、照射された光は、犠牲層30の側面を覆っている樹脂層16(図9の参照番号16bに示す位置の樹脂層)まで届く。これによって、樹脂層16a、16bが変質する。一方、セラミックス基板10の側面を覆っている部分の樹脂層16(図9の参照番号16cに示す位置の樹脂層)には、光は当たらない。これは、溝40がテーパ状に形成されているので、犠牲層30がマスクとなるためである。したがって、樹脂層16cは変質しない。なお、光が当たる範囲は、照射される光の強度や溝40の形状(溝の深さや溝の側面の角度等)によって変化する。本実施例では、樹脂層16a、16bに光が当たり、それ以外の樹脂層16に光が当たらないように、光の強度や溝40の形状が調節されている。
ステップS14では、樹脂層16のうちの変質した樹脂層16a、16bだけを選択的に溶かすことができる溶剤によって、図10に示すように、犠牲層30の側面の樹脂層16bを除去する。なお、図10では、溝40の底面の樹脂層16aも除去されているが、溝40の底面の樹脂層16aは厚いので、完全に除去する必要はない。上述したようにステップS10で距離ΔDを確保することで、犠牲層30の側面の樹脂層16bが薄く形成されている。したがって、ステップS14では、短時間で樹脂層16bを除去することができる。このため、変質していない樹脂層へのダメージが抑制される。樹脂層16bを除去したら、積層体60を加熱して、残った樹脂層16を硬化(安定化)させる。
ステップS16では、各セラミックス素子62の特性、外観について検査を行う。
ステップS18では、まず、図11に示すように、表面に粘着層52を有するキャリアフィルム50を積層体60の上面に貼り付ける。なお、粘着層52は、UV照射、加熱、冷却等によって粘着力が低下する粘着層である。次に、犠牲層30を選択的に溶かす溶解液中に積層体60を浸漬させる。すると、溶解液が溝40内に浸入する。ステップS14で犠牲層30の側面の樹脂層16bが除去されているので、犠牲層30が側面から溶解する。これによって、犠牲層30を除去する。犠牲層30を除去すると、各セラミックス素子62が補強板20から分離される。これによって、図12に示すようにセラミックス素子62が完成する。なお、このとき用いる溶解液は、犠牲層30だけを選択的に溶解させる溶解液であり、樹脂層18等の他の層は溶解液に溶解しないか、あるいは、溶解速度が犠牲層30よりも極端に遅い。
以上に説明したように、第1実施例の製造方法によれば、滑らかな内面を有する溝40を形成することができる。したがって、溝の内面に異物が存在していることがなく、ステップS10の樹脂コートを実施する際に、異物が樹脂に巻き込まれることが抑制される。この技術によれば、好適に樹脂コートを行うことができる。また、第1実施例の製造方法によれば、6面全体が樹脂層18に覆われたセラミックス素子62を製造することができる。したがって、セラミックス素子62の信頼性をより向上させることができる。
また、第1実施例の製造方法では、溝40の底面を覆っている樹脂層16aの上面が、犠牲層30の下面よりも下側に位置するように樹脂層16を形成する(すなわち、図8の距離ΔDを確保する)。したがって、犠牲層30の側面の樹脂層16bが厚くなることが抑制され、樹脂層16bを除去する際に変質していない樹脂層(すなわち、セラミックス素子62の表面をコートしている樹脂層)へのダメージが抑制される。
なお、上述した第1実施例では、ステップS14で変質した樹脂層16bを除去した。しかしながら、ステップS12において樹脂層16bが液体を透過する程度にまで劣化している場合には、ステップS14を行わなくてもよい。この場合には、劣化した樹脂層16bが存在している状態でステップS18を行う。ステップS18では、溶解液が樹脂層16bを透過するので、犠牲層30を溶解させることができる。
また、第1実施例では、ステップS6においてガスの逃げ道を確保する目的で、多孔質の補強板20を用いた。しかしながら、後述する実施例のように、別の方策によりガスの問題を解決する場合には、補強板20は多孔質である必要はない。
また、図13は、第1実施例の製造方法により製造されたセラミックス素子の拡大断面図を示している。第1実施例の製造方法では、犠牲層30の側面の樹脂層16bを略完全に除去できるので、セラミックス素子10の下側のエッジ部10aにおいて樹脂層18が下側に突出することが無い。このため、樹脂層18の一部が脱落しがたくなっており、セラミックス素子10の実装時等に樹脂層18の脱落により異物が発生することが抑制される。
(第2実施例)
次に、第2実施例の製造方法について説明する。図14は、実施例の製造方法を示すフローチャートである。
ステップS2は、第1実施例のステップS2と同様にして実施する。
ステップS4では、第1実施例のステップS4と同様にして、補強板20の上面に犠牲層30を形成する。なお、第2実施例の製造方法では、多孔質の補強板20を用いる。ここで用いる補強板20は、気孔率20〜50%の多孔質である。すなわち、補強板20の内部には、Φ0.08mm以下の多数の空孔が形成されている。空孔は互いに繋がっており、これらの空孔を通って補強板20の上面から下面に流体が流れることができる。また、第2実施例では、補強板20は透光性を有している必要はない。
ステップS6〜S8は、第1実施例のステップS6〜S8と同様にして実施する。
ステップS10aでは、第1実施例のステップS10と同様にして、積層体60の表面をポリイミド樹脂でコートし、ポリイミド樹脂を硬化させることで樹脂層16を形成する。このとき、第1実施例のステップS10と同様にして、溝40の底面の樹脂層16aと犠牲層30の下面との間に距離ΔDを確保する(図8参照)。これによって、犠牲層30の側面の樹脂層16が厚くなることを抑制する。なお、第2実施例では、ポリイミド樹脂は感光性を有している必要はない。
ステップS16では、各セラミックス素子62の特性、外観について検査を行う。
ステップS18aでは、第1実施例のステップS18と同様にして、図15に示すように、表面に粘着層52を有するキャリアフィルム50を積層体60の上面に貼り付ける。次に、犠牲層30を選択的に溶かす溶解液を補強板20の空孔に浸透させる。これによって、補強板20の空孔を通して溶解液を犠牲層30に到達させ、犠牲層30を溶解させる。なお、このとき用いる溶解液は、犠牲層30だけを選択的に溶解させる溶解液であり、樹脂層18等の他の層は溶解液に溶解しないか、あるいは、溶解速度が犠牲層30よりも極端に遅い。ステップS18aでは、図16に示すように、犠牲層30を完全に除去する。なお、図16に示す状態では、樹脂層16のうちの犠牲層30の側面を覆っていた部分54によって、セラミックス素子62と補強板20が接続されている。しかしながら、ステップS10aにおいて上述した距離ΔDが確保されているので、図16の接続部分54の膜厚は薄い。このため、犠牲層30の溶解中に、補強板20の重さによって樹脂層16の接続部分54は切断される。但し、樹脂層16が比較的厚く(例えば、1〜5μm程度)、補強板20の自重では樹脂層16の接続部分54が切断されない場合には、超音波等の機械的振動や、加温による熱膨張差によって接続部54を切断することができる。以上の構成によって、図12に示すように、表面全体が樹脂層18に覆われたセラミックス素子62が得られる。
このように、第2実施例の製造方法でも、6面全体が樹脂層18に覆われたセラミックス素子62を製造することができる。
(第3実施例)
次に、第3実施例の製造方法について説明する。図17は、第3実施例の製造方法を示すフローチャートである。
ステップS2では、第1実施例のステップS2と同様にして、セラミックス基板10の上面と下面に樹脂層12、14を形成する。
ステップS2aでは、セラミックス基板10の下面に樹脂を塗布することで、図18に示すように、犠牲層30aを形成する。ここでは、0.5〜10μmの厚さを有する犠牲層30aを形成する。次に、セラミックス基板10を加熱して、犠牲層30aを乾燥させる。
ステップS4aでは、補強板20の上面に樹脂を塗布することで、図19に示すように、犠牲層30bを形成する。ここでは、0.5〜10μmの厚さを有する犠牲層30bを形成する。ステップS4aでは、第1実施例のステップS4とは異なり、補強板20を加熱して、犠牲層30bを乾燥させる。
ステップS6aでは、減圧雰囲気中において、図20に示すように、犠牲層30aと犠牲層30bが接触するようにしてセラミックス基板10と補強板20を積層させる。このように減圧雰囲気中でセラミックス基板10と補強板20を積層することで、犠牲層30aと犠牲層30bの間に空気層が形成されることを防止することができる。あるいは、ステップS6aでは、犠牲層30aと犠牲層30bが接触するようにしてセラミックス基板10と補強板20を重ね合わせ、これらをホットプレートで加熱しながら、スキージやゴムローラを一方向に動かすことで空気を押し出すようにしてセラミックス基板10を補強板20に向けて加圧してもよい。このような方法でも、犠牲層30aと犠牲層30bの間に空気層が形成されることを防止することができる。次に、積層体60を厚さ方向に加圧するとともに、積層体60を加熱する。これによって、犠牲層30aと犠牲層30bを熱圧着させると同時に、加熱硬化させる。このように、既に乾燥済みの犠牲層30a、30bを熱圧着させることで、犠牲層からガスが発生することが防止され、ガスの圧力によって、セラミックス基板10が変形したり、セラミックス基板10にクラックが入ったりすることが防止される。
その後のステップS8〜ステップS18は、第1実施例の製造方法と同様にして実施される。
(第4実施例)
次に、第4実施例の製造方法について説明する。図21は、実施例の製造方法を示すフローチャートである。
ステップS2、S2a、S4aは、第3実施例の製造方法と同様にして実施される。
ステップS4bでは、補強板20上の犠牲層30bの表面にレジスト層32を形成し、その後、図22に示すようにレジスト層32を格子状にパターニングする。
ステップS4cでは、ステップS4bで形成したレジスト層32をマスクとして、犠牲層30bをエッチングする。その後、レジスト層32を除去する。これによって、図23に示すように、犠牲層30bの表面に格子状に伸びる溝34が形成される。
ステップS6bでは、犠牲層30aと犠牲層30bが接触するようにしてセラミックス基板10と補強板20を積層させる。そして、積層体60を厚さ方向に加圧するとともに、積層体60を加熱する。これによって、犠牲層30aと犠牲層30bを熱圧着させると同時に、加熱硬化させる。なお、セラミックス基板10と補強板20を積層する際には、ステップS4cで形成した溝34が空気の逃げ道となるので、積層時に犠牲層30aと犠牲層30bの間に空気層が形成されることが防止される。このように、第3実施例の製造方法では、減圧雰囲気とすることなく圧着工程を実施することができるので、製造設備を簡略化することができる。また、この製造方法では、第3実施例の製造方法と同様に、犠牲層からガスが発生することが防止される。したがって、ガスの圧力によって、セラミックス基板10が変形したり、セラミックス基板10にクラックが入ったりすることが防止される。
その後のステップS8〜ステップS18は、第1実施例の製造方法と同様にして実施される。
なお、上述した第3実施例及び第4実施例の技術は、上述した第2実施例(多孔質の補強板に溶解液を浸透させることで犠牲層を溶解させる技術)において、セラミックス基板10を補強板20に接着する際に用いることもできる。
また、第3実施例及び第4実施例では、補強板20の上面に形成される犠牲層30bに代えて、犠牲層とは別の樹脂により構成された熱硬化性樹脂シートからなる樹脂層を用いてもよい。熱硬化性シートを用いる場合には、最初に、70℃〜100℃の比較的低い温度において、熱硬化性シートが軟化している状態で犠牲層30aを熱硬化性シートの上面に貼り付けるとともに、補強板20を熱硬化性シートの下面に貼り付ける。これにより、熱硬化性シートと犠牲層30aは互いに仮固定され、熱硬化性シートと補強板20も互いに仮固定される。次に、これらの積層体を180℃〜230℃の高温で熱処理することで、熱硬化性シートを硬化させる。これにより、熱硬化性シートと犠牲層30aは互いに接着され、熱硬化性シートと補強板20も互いに接着される。すなわち、セラミックス基板10が補強板20に固定される。なお、熱硬化性シートは、硬化後に、犠牲層と同程度のヤング率(例えば、3GPa以上)を有しており、溝の側面をコートする樹脂と接触しても安定であり、溝の側面をコートする樹脂を硬化させるときの熱処理において分解しない特性を有することが好ましい。また、熱硬化性シートの厚さは5〜100μmとすることができる。犠牲層とは別の樹脂層を形成する場合には、セラミックス基板10を補強板20から切り離す際に、犠牲層30aのみを溶解させることになる(すなわち、犠牲層30bの代わりの樹脂層(例えば、熱硬化性樹脂シート)は、補強板20の表面に残る。)。セラミックス基板10や補強板20の表面にうねりや局所的な反りが存在する場合や、セラミックス基板10に凹凸がある場合には、熱硬化性樹脂シートを介して犠牲層30aと保持板20を接続すると、熱硬化性シートが緩衝材となって、接続部分に空気層が巻き込まれることが抑制される。また、距離ΔDは、少なくとも溝40の底面の樹脂層16aと犠牲層30aの下面との間で確保されればよい。
また、上述した第1実施例〜第4実施例においては、ステップS8のダイシング工程にかえて、ブラスト加工によって溝を形成する工程を実施してもよい。図24は、ブラスト加工によって溝40を形成する工程を示している。ブラスト加工を用いる場合には、まず、セラミックス基板10の最表面にレジストマスク36を形成する。なお、レジストマスク36には、ダイシングラインに沿って開口を設けておく。そして、その開口に向かって、図24に示すようにメディアを噴射することで、セラミックス基板10と犠牲層30を貫通して補強板20に達する溝40を形成する。このようにブラスト加工により溝40を形成する場合にも、溝40は上側ほど幅が広がるテーパ形状となる。また、このように犠牲層30を貫通する溝40を形成すると、犠牲層30にメディアが巻き込まれ難い。また、溝40の底面を構成している補強板20は硬いので、補強板20にもメディアは巻き込まれ難い。したがって、溝40を形成した後の工程において、溝40の内面からメディアが脱落して不具合が生じることが抑制される。
また、上述した第1実施例〜第4実施例において、犠牲層を除去する前に、溝40の底面の樹脂層16をレーザを照射することで除去してもよい。
また、上述した第1実施例〜第4実施例では、ステップS2の開始時において、既にセラミックス基板10の表面に電極が形成されていてもよい。
また、上述した第1実施例〜第4実施例では、ステップS2においてセラミックス基板10の上面と下面の両方に樹脂層12、14を形成したが、下面にのみ樹脂層を形成してもよい。このような構成でも、6面全体が樹脂層に覆われたセラミックス素子62を形成することができる。また、セラミックス素子62の下面については樹脂コートする必要がない場合には、ステップS2を省略することもできる。
また、上述した第1実施例〜第4実施例において、ダイシング工程(すなわち、ステップS8)と樹脂コート工程(すなわち、ステップS10)の間に、積層体60の表面からダイシング時に生じた切削屑を除去する洗浄工程を実施してもよい。洗浄工程では、犠牲層の切削屑を溶解可能な溶解液を用いて洗浄を行ってもよい。洗浄工程を実施することで、樹脂コート工程において、樹脂層16に異物が巻き込まれることを防止することができる。これによって、セラミックス素子62の信頼性をより向上させることができる。
(第5実施例)
第5実施例の製造方法では、最初に、セラミックス基板の下面を樹脂によりコートする。次に、犠牲層を介してセラミックス基板を補強板に固定する。ここでは、セラミックス基板の下面の樹脂層が犠牲層に接触するようにして、セラミックス基板を補強板に固定する。犠牲層を介してセラミックス基板を補強板に固定する方法は、上述した実施例の方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。ここでは、フィラーが分散されている樹脂を犠牲層として用いる。すなわち、犠牲層中には、フィラーが分散した状態で含有されている。フィラーは、犠牲層中の樹脂よりも硬い微粒子であり、シリカビーズ等をフィラーに用いることができる。また、硬化後において、犠牲層は、ガラス転移点温度が80℃以上であり、かつ、ヤング率が6GPa以上である。また、犠牲層中の樹脂は、例えば、ポリイミド、エポキシ、あるいはポリイミドとエポキシの混合樹脂等のように硬化後に表面タック性を有さない樹脂であることが好ましい。次に、ダイシングによって、図25に示すように、セラミックス基板200を貫通して犠牲層220に達する溝240を積層体の上面に形成する。但し、溝240は、補強板210に達しないように形成する。犠牲層が、ガラス転移点温度が80℃以上で、かつ、ヤング率が6GPa以上となる特性を有していると、ダイシングによる発熱があっても犠牲層が変質し難くなる。このため、切削屑がセラミックス基板表面や溝の内面に付着せずに溝から排出され、溝内面が荒れた状態となることが抑制される。すなわち、第5実施例の方法によれば、底面が犠牲層内に存在する溝を形成する場合でも、内面が滑らかな溝を形成することができる。さらに、犠牲層中にフィラーが存在していると、ダイシング時にダイシングブレードがフィラーによってドレスされて、ダイシングブレードの刃に樹脂(犠牲層の切削屑)が目詰まりすることが抑制される。特に、フィラーが、犠牲層中に30%以上の体積比で添加されていると、ドレスによる高い効果が得られる。また、ブラスト加工によって同様の溝を形成する場合でも、犠牲層に表面タック性が無いため、メディアが犠牲層に付着することが抑制される。これによって、溝の内面を滑らかに形成することができ、メディアの脱粒の問題が抑制される。
溝を形成した後は、以下のように各工程を実施することができる。溝を形成した後に、図1のステップS10と略同じ方法によって、セラミックス基板の上面と溝の内面を感光性樹脂によりコートする。これによって、感光性の樹脂により構成された樹脂層を形成する。次に、露光装置等を用いて、感光性樹脂層を劣化させる波長の光を感光性樹脂層に照射する。このとき、セラミックス基板の上面及び側面に形成されている感光性樹脂層に光を当てずに、犠牲層の表面に形成されている感光性樹脂層のみに光を当てる。これによって、犠牲層の表面の感光性樹脂層を劣化させる。次に、劣化した感光性樹脂層を溶剤によって選択的に溶かすことで、犠牲層の表面の感光性樹脂層を除去する。次に、各セラミックス素子の上面をキャリアフィルムに貼り付けた状態で、犠牲層を選択的に溶かす溶解液によって犠牲層を除去する。これによって、各セラミックス素子が、補強板から分離される。以上の工程によって、セラミックス素子が製造される。なお、露光のみで犠牲層の表面の感光性樹脂層が溶解液を透過する程度十分に劣化する場合には、劣化した感光性樹脂層を除去する工程を実施しなくてもよい。
なお、第5実施例において、補強板が多孔質材料により構成されていてもよい。この場合、溝を形成した後に、以下のように各工程を実施しても良い。すなわち、溝を形成した後に、図1のS10と略同じ方法によって、セラミックス基板の上面と溝の内面を感光性の樹脂によりコートする。これによって、感光性の樹脂により構成された樹脂層を形成する。次に、各セラミックス素子の上面をキャリアフィルムに貼り付けた状態で、犠牲層を選択的に溶かす溶解液中にセラミックス基板を浸漬させる。すると、補強板内部の空孔を通って溶解液が犠牲層に到達する。このため、犠牲層が溶解され、除去される。これによって、各セラミックス素子が、補強板から分離される。以上の工程によって、セラミックス素子が製造される。
(第6実施例)
第6実施例の製造方法では、最初に、セラミックス基板の下面を樹脂によりコートする。次に、セラミックス基板の下面(すなわち、樹脂でコートされた表面)に、犠牲層を形成する。次に、熱硬化性シートを介してセラミックス基板を補強板に接着する。このとき、犠牲層が熱硬化性シートと接触するようにする。その後、熱硬化性シートを硬化させる。これによって、セラミックス基板が補強板に固定される。犠牲層と熱硬化性シートを介してセラミックス基板を補強板に固定する方法は、例えば、上述した実施例において説明した方法であってもよいし、他の方法であってもよい。ここでは、フィラーが分散されている樹脂を熱硬化性シートとして用いる。すなわち、熱硬化性シート中には、フィラーが分散した状態で含有されている。フィラーは、熱硬化性シート中の樹脂よりも硬い微粒子であり、シリカビーズ等をフィラーに用いることができる。また、硬化後において、熱硬化性シートは、ガラス転移点温度が80℃以上であり、かつ、ヤング率が6GPa以上である。また、熱硬化性シート中の樹脂は、例えば、ポリイミド、エポキシ、あるいはポリイミドとエポキシの混合樹脂等のように硬化後に表面タック性を有さない樹脂であることが好ましい。また、犠牲層は、上述した第5実施例と同様の特性を有することが好ましい。次に、ダイシングによって、図26に示すように、セラミックス基板200と犠牲層220を貫通して熱硬化性シート230に達する溝240を積層体の上面に形成する。但し、溝240は、補強板210に達しないように形成する。熱硬化性シートが、ガラス転移点温度が80℃以上で、かつ、ヤング率が6GPa以上となる特性を有していると、ダイシングによる発熱があっても熱硬化性シートが変質し難くなる。このため、切削屑がセラミックス基板表面や溝の内面に付着せずに溝から排出され、溝内面が荒れた状態となることが抑制される。すなわち、第6実施例の方法によれば、底面が熱硬化性シート内に存在する溝を形成する場合でも、内面が滑らかな溝を形成することができる。さらに、熱硬化性シート中にフィラーが存在していると、ダイシング時にダイシングブレードがフィラーによってドレスされて、ダイシングブレードの刃に樹脂(犠牲層や熱硬化性シートの切削屑)が目詰まりすることが抑制される。特に、フィラーが、熱硬化性シート中に30%以上の体積比で添加されていると、ドレスにより高い効果が得られる。また、ブラスト加工によって同様の溝を形成する場合でも、熱硬化性シートに表面タック性が無いため、メディアが熱硬化性シートに付着することが抑制される。これによって、溝の内面を滑らかに形成することができ、メディアの脱粒の問題が抑制される。
溝を形成した後は、以下のように各工程を実施することができる。溝を形成した後に、図1のステップS10と略同じ方法によって、セラミックス基板の上面と溝の内面を感光性の樹脂によりコートする。これによって、感光性の樹脂により構成された樹脂層を形成する。なお、ここでは、図8と同様に、前記溝の底面をコートしている感光性樹脂層の上面が、犠牲層の下面よりも下側に位置するように樹脂層を形成する。次に、露光装置等を用いて、感光性樹脂層を劣化させる波長の光を樹脂層に照射する。このとき、セラミックス基板の上面及び側面に形成されている感光性樹脂層に光を当てずに、犠牲層の側面と熱硬化性シートの表面に形成されている感光性樹脂層のみに光を当てる。これによって、光を当てた領域の感光性樹脂層を劣化させる。次に、劣化した感光性樹脂層を溶剤によって選択的に溶かすことで、犠牲層の側面の感光性樹脂層を除去する。次に、各セラミックス素子の上面をキャリアフィルムに貼り付けた状態で、犠牲層を選択的に溶かす溶解液によって犠牲層を除去する。これによって、各セラミックス素子が、熱硬化性シート及び補強板から分離される。以上の工程によって、セラミックス素子が製造される。なお、露光のみで犠牲層の側面の感光性樹脂層が溶解液を透過する程度十分に劣化する場合には、劣化した感光性樹脂層を除去する工程を実施しなくてもよい。
犠牲層の材料は比較的効果な材料である。第6実施例のように部分的に熱硬化性シートを使用することで、犠牲層の材料の使用量を減らし、セラミックス素子の製造コストを下げることができる。
なお、第5実施例と第6実施例では、感光性の樹脂として、ポジ型の樹脂を用いたが、ネガ型の樹脂を用いてもよい。
また、事前にセラミックス基板を切断してセラミックス素子を準備しておき、図27に示すように、そのセラミックス素子362を犠牲層320と熱硬化性シート330を介して補強板310に固定してから、上述した実施例のようにセラミックス素子の表面を樹脂コートしてもよい。このような方法でも、セラミックス素子の表面を好適に樹脂コートすることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (17)

  1. セラミックス素子の製造方法であって、
    犠牲層を介してセラミックス基板を補強板に固定する固定工程と、
    セラミックス基板の上面から、セラミックス基板と犠牲層を貫通して補強板に達する溝を形成することで、セラミックス基板を複数に分割する溝形成工程と、
    前記溝の内面を樹脂によりコートすることで樹脂層を形成する樹脂コート工程と、
    犠牲層を除去する犠牲層除去工程、
    を有する製造方法。
  2. 前記樹脂コート工程が、前記溝形成工程後であり、前記犠牲層除去工程前に実施される請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記樹脂コート工程において、セラミックス基板の上面を前記樹脂によりコートする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記樹脂が、光を受けると変質する樹脂であり、
    セラミックス基板の側面の樹脂層に光を当てずに犠牲層の側面の樹脂層に光を当てるか、若しくは、セラミックス基板の側面の樹脂層に光を当てて犠牲層の側面の樹脂層に光を当てない光照射工程をさらに有し、
    前記犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を前記溝の内部に浸入させることによって、前記溝の内部の犠牲層の側面から犠牲層を溶解する、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
  5. 前記樹脂が、光を受けると変質する樹脂であり
    セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てずに犠牲層の側面の樹脂層に光を当てるか、若しくは、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てて犠牲層の側面の樹脂層に光を当てない光照射工程をさらに有しており
    前記犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を前記溝の内部に浸入させることによって、前記溝の内部の犠牲層の側面から犠牲層を溶解する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  6. 補強板が透光性材料により構成されており、
    前記光照射工程では、補強板の下面に向けて光を照射することで、前記溝の内部の補強板の表面及び犠牲層の側面に存在する樹脂層を変質させる、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 補強板が多孔質材料により構成されており、
    前記犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を、補強板の下面から補強板内部の空孔を通して犠牲層に到達させることで、犠牲層を溶解する、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
  8. 前記溝の底面をコートしている樹脂層の上面が、犠牲層の下面よりも下側に位置していることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の製造方法。
  9. 前記固定工程前に、セラミックス基板の下面を樹脂によりコートする下面樹脂コート工程をさらに有しており、
    前記固定工程では、セラミックス基板の下面の樹脂層を犠牲層に接触させてセラミックス基板を固定する、
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の製造方法。
  10. 前記固定工程前に、補強板の上面に熱硬化性シートを接着させる工程と、
    前記固定工程前に、セラミックス基板の下面に犠牲層を形成する工程、
    をさらに有しており、
    前記固定工程では、犠牲層と熱硬化性シートとが接触するようにセラミックス基板を固定する、
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の製造方法。
  11. セラミックス素子の製造方法であって、
    犠牲層を介してセラミックス基板を補強板に固定する固定工程と、
    セラミックス基板の上面から、セラミックス基板を貫通して犠牲層に達する溝を形成することで、セラミックス基板を複数に分割する溝形成工程と、
    犠牲層を除去する犠牲層除去工程、
    を有しており、
    犠牲層が、樹脂部と、樹脂部中に分散されているとともに樹脂部よりも硬い微粒子を有しており、犠牲層のガラス転移点温度が80℃以上であり、犠牲層のヤング率が6GPa以上である、
    ことを特徴とする製造方法。
  12. 前記溝形成工程後であり、前記犠牲層除去工程前に、セラミックス基板の上面と前記溝の内面を、光を受けると変質する樹脂によりコートすることで樹脂層を形成する樹脂コート工程と、
    セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てずに犠牲層の側面の樹脂層に光を当てるか、若しくは、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てて犠牲層の側面の樹脂層に光を当てない光照射工程、
    をさらに有しており、
    前記犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を前記溝の内部に浸入させることによって、前記溝の内部の犠牲層の側面から犠牲層を溶解する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  13. 補強板が多孔質材料により構成されており、
    前記溝形成工程後であり、前記犠牲層除去工程前に、セラミックス基板の上面と前記溝の内面を樹脂によりコートすることで樹脂層を形成する樹脂コート工程をさらに有しており、
    前記犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を、補強板の下面から補強板内部の空孔を通して犠牲層に到達させることで、犠牲層を溶解する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  14. 前記固定工程前に、セラミックス基板の下面を樹脂によりコートする下面樹脂コート工程をさらに有しており、
    前記固定工程では、セラミックス基板の下面の樹脂層を犠牲層に接触させてセラミックス基板を固定する、
    ことを特徴とする請求項11〜13の何れか一項に記載の製造方法。
  15. セラミックス素子の製造方法であって、
    セラミックス基板の下面に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
    熱硬化性のシートを介して、前記シートが犠牲層に接触するように、セラミックス基板を補強板に固定する固定工程と、
    セラミックス基板の上面から、セラミックス基板と犠牲層を貫通して前記シートに達する溝を形成することで、セラミックス基板を複数に分割する溝形成工程と、
    犠牲層を除去する犠牲層除去工程、
    を有しており、
    前記シートが、樹脂部と、樹脂部中に分散されているとともに樹脂部よりも硬い微粒子を有しており、前記シートのガラス転移点温度が80℃以上であり、前記シートのヤング率が6GPa以上である、
    ことを特徴とする製造方法。
  16. 前記溝形成工程後であり、前記犠牲層除去工程前に、セラミックス基板の上面と前記溝の内面を、光を受けると変質する樹脂によりコートすることで樹脂層を形成する樹脂コート工程と、
    セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てずに犠牲層の側面の樹脂層に光を当てるか、若しくは、セラミックス基板の上面及び側面の樹脂層に光を当てて犠牲層の側面の樹脂層に光を当てない光照射工程、
    をさらに有しており、
    前記犠牲層除去工程では、犠牲層を溶解する液を前記溝の内部に浸入させることによって、前記溝の内部の犠牲層の側面から犠牲層を溶解する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記溝の底面をコートしている樹脂層の上面が、犠牲層の下面よりも下側に位置していることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
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