JP2009117629A - 筐体用空冷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合して配備される2つの冷却ファンユニット103a,103bを収納するファンケース3をファンケースガイドとして機能するスリーブ11で支え、筐体101のフロントパネル104の内側にファンケース3が位置する通常運転位置とファンケース3がフロントパネル104の開口部113から外側に突出するファンユニット交換位置との間で移動自在に保持する構成とし、ファンケース3を引き出した状態で、故障した冷却ファンユニット103a,103bのみを取り出して換装作業を行うことで、換装作業中における筐体10の冷却機能を保持する。
【選択図】図3
Description
筐体用空冷装置100は、軸流方向を筐体101の一面であるフロントパネル104と直交させて直列的に重合された2つの冷却ファンユニット103a,103bを当該フロントパネル104の吸気口105の内側に備える。
図9では重合された2つの冷却ファンユニット103a,103bを4列に亘って併設しているが、3列以下あるいは5列以上に亘って併設する場合もある。
一般に、冷却ファンユニット103a,103bの故障に伴って生じる冷却障害の防止を主目的とした場合では2つの冷却ファンユニット103a,103bの仕様は基本的に同様であり、また、多段圧縮による送風効果の強化を主目的とした場合にあっては冷却ファンユニット103a,103bにおけるファンのピッチや回転数の仕様を異ならせることもある。
冷却ファンユニット103a,103bは、筐体101の天板106に形成された開口部107から筐体101に差し込まれて筐体101の内部に固定されるようになっており、その各々がフロントパネル104と平行な方向つまり図9中の上下方向に独立して挿抜可能とされている。
そして、筐体101は、其の左右両側に固設されたインナーレール108とラックマウント102側に固設されたアウターレール109とを介してラックマウント102に取り付けられ、ラックマウント102から手前側に向けて引き出し可能な構造とされている。
従って、何れかの冷却ファンユニット103a,103bが故障して停止した場合には、図9に示されるようにして筐体101をラックマウント102から引き出し、停止した冷却ファンユニット、たとえば、左端側の冷却ファンユニット103b等を開口部107から引き抜いて、新たな冷却ファンユニット103bを換装することができる。
このようにして冷却ファンユニット103bの換装作業を行う間も、当該冷却ファンユニット103bと重合する位置にある冷却ファンユニット103aの稼動状態が維持されるので、送風力の著しい低下に伴う重大な冷却障害の発生を防止した状態で冷却ファンユニット103bの換装作業が行なえるといったメリットがある。
しかし、サーバ装置やコンピュータあるいはハードディスクドライブ等の筐体101にあっては、図10に示されるように、ラックマウント102に取り付けられた他の筐体110等との間の電気的な接続が筐体101,110の裏面パネルに接続されるケーブル111を介して行われるのが普通であり、特に、高速処理を必要とされる筐体101,110の接続にあたっては、全長に制限のある高速信号ケーブルが必要とされる場合が多く、ケーブル111の全長が短くなるため、裏面パネルをケーブル111で拘束された筐体101を図9のようにして手前側に引き出すことが難しくなり、特に、後方に位置する冷却ファンユニット103bの交換作業が困難になるといった問題がある。
この際、ケーブル111を取り外して筐体101を手前側に引き出すことは可能であるが、そうした場合、システムの稼動状態自体が維持できなくなるといった著しい不都合が生じてしまう。
しかしながら、このような筐体用空冷装置114においては、後方に位置する冷却ファンユニット103bを交換する際には必ず開口部113からファンユニット収容ボックス112を引き抜く必要がある。
この結果、冷却ファンユニット103bと共に当該時点では故障に至っていない冷却ファンユニット103aも同時に取り外されてしまうことになり、ファンユニット収容ボックス112を取り外した部分の筐体101の冷却能力が著しく低下するといった問題に直面する。
従って、極めて短時間の内に冷却ファンユニット103bの交換作業を済ませてファンユニット収容ボックス112を元の位置に取り付け直す必要があり、また、この交換作業に手間取ってしまうと、冷却障害によってシステム全体がダウンするといった恐れも多分にある。
しかし、このような構造を適用した場合、後方に位置する冷却ファンユニットを取り外すと、前方に位置する冷却ファンユニットから筐体の開口部に至る空気流路のうち、取り外された冷却ファンユニットの外周面の2つ、例えば、上面と右側面に相当する箇所が完全に外部に向けて開放されることになり、前方に位置する冷却ファンユニットからの送風を効率よく筐体内に送り込めなくなるといった問題がある。
従って、このような構成を適用した場合であっても、前記と同様、後方側の冷却ファンユニットが故障した場合にあっては短時間の内に冷却ファンユニットの交換作業を済ませる必要があり、また、この交換作業に手間取ってしまうと、冷却障害によってシステムのダウン等の問題に直面する可能性が残る。
前記軸流方向の空気の流れを許容して前記冷却ファンユニットを前記一面と平行な方向に挿抜可能な状態で保持すると共に前記一面と直交する前記冷却ファンユニットの外周面を3方から包囲するファンケースと、
前記ファンケースを保持し、前記一面の内側に前記ファンケースが位置する通常運転位置と、前記ファンケースが前記一面よりも外側に突出するファンユニット交換位置との間で、前記一面と直交する方向に沿った前記ファンケースの移動を許容するファンケースガイドとを設けたことを特徴とする構成を有する。
また、冷却ファンユニット103a,103bの各々は、吸気口2の配設位置に合わせるようにしてファンケース3の内側に画成された2行4列あわせて8個となるセル4の内側に挿抜可能な状態で内嵌して取り付けられている。
図3に示す通り、ファンケース3は其の上面のみを開放して冷却ファンユニット103a,103bの着脱作業を許容するものであり、フロントパネル104と直交する冷却ファンユニット103a,03bの外周面のうち、右側面,下面,左側面がファンケース3によって3方から包囲されたかたちとなる。
つまり、ファンケース3のセル4に冷却ファンユニット103a,103bを挿入すると、各々の電源端子8と此れに対応する電力供給端子10とが自動的に接続する構造である。
従って、このスリーブ11は、ファンケース3の外周面および開口部113の内側の双方に対して摺動自在に嵌合することができる。
また、このスリーブ11は、ファンケース3がフロントパネル104よりも外側に突出した状態でファンケース3の背面と開口部104との間に隙間が生じることを防止するカバーとしても機能するようになっている。
スリーブ11に対するファンケース3の引き出し限度は長穴13の後方側の端部が係合突起12と衝合する位置で規制されるので、ファンケース3が引き出し限度を超えてスリーブ11の手前側に引き抜かれることはない。
また、ファンケース3を引き出す際には、ファンケース3がスリーブ11に対する引き出し限度まで引き出され、長穴13の後方側の端部が係合突起12に衝合した時点で、スリーブ11がファンケース3と共に手前側に向かう移動を開始する。なお、長穴13に代えてプレス加工の凹部を形成してもよく、空気漏れの問題を解消するためにはプレス加工の凹部の方が好適である。
また、リンク桿20の他端部20bの近傍には、ファンケース3の底面上に一端部を止着された引張コイルバネ23の他端部が取り付けられ、他端部20bの枢着箇所を支点としてリンク桿20を図5,図7中で定常的に反時計方向に揺動付勢している。
更に、2本のリンク桿19,20の一端部19a,20aから一定の間隔を置いたリンク桿19,20上の位置には、引張コイルバネ24がリンク桿19,20を相互に引き寄せるようにして取り付けられている。
同様に、図8はスリーブ11を除去すると共に図3に示されるラインB−Bの位置で筐体101を上下に切断して筐体101の上側部分を除去した状態で、ファンケース3が通常運転位置にあるときの筐体用空冷装置1の各部の状態と折り畳まれた2本のリンク桿19,20の姿勢を明示するための作用説明図である。
図7および図8は何れもスリーブ11の具体的な形状や取付構造および筐体101の具体的な全体構造を示したものではなく、スリーブ11の具体的な形状や取付構造および筐体101の具体的な全体構造に関しては、飽くまでも、図1〜図3を参照して説明した通りである。
この状態で、ファンケース3の背面と筐体101の開口部104との間には図7に示す通りの間隙Hが生じるが、ファンケース3の背面と開口部104との間の空間はカバーとして機能するスリーブ11によって覆われているので、ファンケース3をファンユニット交換位置まで移動させても、ファンケース3の背面と開口部104との間に空気漏れの原因となる隙間が生じることはない。
特に、後方側に位置する冷却ファンユニット103bを取り外して手前側の冷却ファンユニット103aのみで送風を行なう場合において、空気流路となる後方側の空間からの空気の漏れを効果的に抑制して筐体101の内部に効率よく外気を送り続けることができる。
この実施形態では、左右に隣接するセル4の間に隔壁を形成し、セル4を画成する左右両側の隔壁とファンケース3の底面とによって、冷却ファンユニット103a,103bを取り外した部分の空間を3方から包囲するようにしているが、ダクテッドファン状の冷却ファンユニット103a,103bを装着する場合においては、取り外されていない冷却ファンユニット103a,103bのケーシング5の側面を利用して隔壁とすることが可能でるので、セル4に対する冷却ファンユニット103a,103bの位置決めや取り付けさえ確実に行われるのであれば、この隔壁は必ずしも必要ではない。但し、左端部に位置する冷却ファンユニット103a,103bの左側に隣接する冷却ファンユニット103a,103bや右端部に位置する冷却ファンユニット103a,103bの右側に隣接する冷却ファンユニット103a,103bといったものは存在し得ないので、ファンケース3の左右両側壁の存在は必須の要件である。
ファンケース3を通常運転位置からファンユニット交換位置に移動させた状況下にあってもファンケース3が通常運転位置にある場合と実質的に同等の冷却機能を発揮させることができる点については既に述べた通りであるが、より厳密にいえば、ファンケース3がファンユニット交換位置にある状況下では、ファンケース3のセル4と冷却ファンユニット103a,103bとの隙間や冷却ファンユニット103a,103bのケーシング5の上面に形成された2つの透孔の部分で空気の漏れが生じて僅かに冷却効率が低下するので、ファンケース3は、冷却ファンユニット103a,103bの換装作業を実際に行う場合を除いて常に通常運転位置に保持することが望ましい。
しかも、ファンケース3の引き出し量に比べ、ファンケース3やスリーブ11の収納に必要とされる空間は僅かなもので済むので、筐体101を無闇に大型化する必要はなく、また、筐体101内の限られた空間を有効に利用して様々な電気部品を内蔵させることができる。
また、重合する2つの冷却ファンユニット103a,103bを筐体101の高さ方向に沿って3列以上に亘って併設する場合においては、冷却ファンユニット103a,103bの挿抜方向はフロントパネル104と平行な方向のうち左右の方向となる。
また、開口部113からファンケース3の前後幅に相当する距離だけ奥まった位置で筐体101の内壁を一巡するようにして一端を固着されると共に、其の他端部をファンケース3の背面の輪郭に沿って固着された断面矩形状のベローズを、ファンケース3の背面と開口部104との間に隙間が生じることを防止するカバーとして利用することができる。
この際、ベローズの一端を開口部113からファンケース3の前後幅に相当する距離だけ奥まった位置で筐体101の内壁に取り付けるのは、図8に示されるような通常運転位置にファンケース3が位置した状態でベローズがファンケース3や筐体101の内壁と干渉するのを防止するためであり、また、ベローズの他端部をファンケース3の背面の輪郭に沿って固着することで左右のガイドレールの間に位置させるのは、ベローズとガイドレールとの干渉を防止するためである。
2 吸気口
3 ファンケース
4 セル
5 ケーシング
6 ファン駆動モータ
7 ファン
8 電源端子
9 中継基板
10 電力供給端子
11 スリーブ(ファンケースガイド,カバー)
12 係合突起
13 長穴もしくは凹部
14 返し部
15 リンク装置(ファンケース自動復帰手段の一部)
16 係合突起
17 長穴もしくは凹部
18 返し部
19 リンク桿
19a 一端部
19b 他端部
20 リンク桿
20a 一端部
20b 他端部
21 隔壁
22,23,24 引張コイルバネ(ファンケース自動復帰手段の一部)
100 筐体用空冷装置
101 筐体
102 ラックマウント
103a,103b 冷却ファンユニット
104 フロントパネル(筐体の一面)
105 吸気口
106 天板
107 開口部
108 インナーレール
109 アウターレール
110 他の筐体
111 ケーブル
112 ファンユニット収容ボックス
113 開口部
114 筐体用空冷装置
115 ハンドル
H 間隙
Claims (7)
- 直列的に重合された2以上の冷却ファンユニットの軸流方向を筐体の一面と直交させて前記一面の開口部の内側に配備した冗長冷却式の筐体用空冷装置において、
前記軸流方向の空気の流れを許容して前記冷却ファンユニットを前記一面と平行な方向に挿抜可能な状態で保持すると共に前記一面と直交する前記冷却ファンユニットの外周面を3方から包囲するファンケースと、
前記ファンケースを保持し、前記一面の内側に前記ファンケースが位置する通常運転位置と、前記ファンケースが前記一面よりも外側に突出するファンユニット交換位置との間で、前記一面と直交する方向に沿った前記ファンケースの移動を許容するファンケースガイドとを設けたことを特徴とする筐体用空冷装置。 - 前記ファンケースが前記一面よりも外側に突出した状態で前記ファンケースの背面と前記開口部との間に隙間が生じることを防止するカバーを併設したことを特徴とする請求項1記載の筐体用空冷装置。
- 前記一面と直交するファンケースの外周面を包囲して該ファンケースの外周面と前記開口部の双方に対して摺動自在に嵌合するスリーブによって前記ファンケースガイドおよび前記カバーが形成されていることを特徴とする請求項2記載の筐体用空冷装置。
- 前記ファンケースが前記ファンユニット交換位置から前記通常運転位置に向かう方向で前記ファンケースを定常的に付勢するファンケース自動復帰手段を併設したことを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3の何れか一項に記載の筐体用空冷装置。
- 2本のリンク桿から成り、各リンク桿の一端部が相互に枢着されると共に、一方のリンク桿の他端部が前記ファンケースに枢着され、かつ、他方のリンク桿の他端部が前記筐体の内部に枢着されて、前記ファンケースが通常運転位置に位置する状態で前記2本のリンク桿が折り畳まれる一方、前記ファンケースがファンユニット交換位置に位置する状態で前記2本のリンク桿が引き伸ばされた状態となるリンク装置と、
前記2本のリンク桿が相互に接近して折り畳まれる方向に前記2本のリンク桿を揺動付勢するバネとによって、前記ファンケース自動復帰手段が構成されていることを特徴とする請求項4記載の筐体用空冷装置。 - 前記冷却ファンユニットに駆動電力を供給するコードが、前記2本のリンク桿の上を這うようにして前記ファンケースから前記筐体内の電源部に導かれていることを特徴とする請求項5記載の筐体用空冷装置。
- 前記冷却ファンユニットがファンケースに挿入された状態で前記冷却ファンユニットの電源端子と自動的に接続する電力供給端子が前記ファンケース内に設けられていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5または請求項6の何れか一項に記載の筐体用空冷装置。
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