JP2009114472A - 表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法 - Google Patents

表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム鋳造物のノンクロメート化成処理技術において、当該化成処理の前に強アルカリによる表面調整工程を実施しても処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良を生じさせない手段の提供。
【解決手段】表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法において、少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤を含有するアルカリ性表面調整液をアルミニウム鋳造物に適用する工程を含み、当該工程で使用する前記アルカリ性表面調整液について、表調活性度(CD;mol/l)を0.05≦CD≦2.3の範囲内とし、光沢係数(CE;g/mol)を2.8≦CE≦90の範囲内とすることを特徴とする製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法と、当該表面調整アルミニウム鋳造物を用いてのノンクロメート皮膜形成アルミニウム鋳造物の製造方法に関する。
アルミニウム鋳造物は、軽量でかつ成型性が容易なため、建築部材、装飾品、自動車・二輪車部品及び自動車用ホイール等の様々な分野で使用されている。しかしながら、前記金属材料そのままでは、金属の宿命である腐食の問題が避けられない。そのため、最終製品とした際の耐食性の確保、更に最終製品での外観を向上させるため、塗装を行う場合が多い。しかしながら、前記金属製品にそのまま塗装を行っても市場で要求されている塗装密着性や塗装後耐食性を満たすことができないため、塗装前処理を施した後に塗装を施されている。
これらの塗装前処理として、例えば、クロメート処理法は、非常に優れた密着性及び耐食性を示す処理方法である。しかしながら、クロメート処理に用いられる6価クロムは、古くから発ガン性が指摘されている。そこで、反応型クロメート処理の場合は、クロメート処理後の水洗工程をクローズド化する等の処置を施している。また、クロメート処理後に水洗工程を実施せずに乾燥を行う塗布型クロメート処理も実用化されている。しかしながら、何れにしても皮膜中に6価クロムを含有しており皮膜からのクロム溶出の恐れが完全に拭えないこと、また、表面処理時の作業安全衛生環境上の問題から敬遠される傾向にある。
特開2007−107069 WO2003/074761号公報 特開2004−76024号公報 特開平7−188956号公報 特開平11−181587号公報 特開2006−2229号
そこで、6価クロムイオン含有しないノンクロメート化成処理でアルミニウム鋳造物の塗装前処理をすることが想定されるが、当該ノンクロメート化成処理でアルミニウム鋳造物を塗装前処理しても、十分な塗装密着性や塗装後耐食性を得ることができない。特にアルミニウムホイールは、鋳造による表面の汚れが著しくかつ汚れの程度が幅広く変動している他、例えショットブラストを行ってもショット粉がアルミニウムホイールに付着するため、塗装密着性や塗装後の耐食性が低下しやすく、その安定的な性能を確保する手段が強く求められている。
ここで、特許文献1には、アルミニウム系基材のノンクロメート処理に先立ち、強アルカリ性水溶液又はアルカリ電解水で処理することにより、塗装密着性や塗装後耐食性を向上させることが可能となることが記載されている。しかしながら、本発明者らの実験によると、当該文献に記載された方法を実施しても、処理されたアルミニウム鋳造物において処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良が生じる場合があることが判明した。そこで、本発明は、アルミニウム鋳造物のノンクロメート化成処理技術において、当該化成処理の前に強アルカリによる表面調整工程を実施しても処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良を生じさせない手段を提供することを第一の目的とする。
更に、本発明者らは、特許文献1に係る強アルカリ液を継続使用すると、アルミニウム鋳造物間での処理外観や塗装後の皮膜性能のばらつきの相違が生じることも発見した。そこで、本発明は、製造ラインにおけるアルミニウム鋳造物間での処理外観や塗装後の皮膜性能のばらつきを回避する手段を提供することを目的とする。
尚、本出願人は、本発明について先行技術調査を実施した結果、上述の特許文献1の他、本発明に関連する下記の特許文献2〜6を見出した。しかしながら、いずれの特許文献に記載の技術でも、アルミニウム鋳造物を塗装した際の塗装密着性と塗装後耐食性を向上させることが不可能であるとか、素材表面を十分に清浄化する必要がある等の問題を有している。以下、詳述する。
まず、特許文献2には、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム又はマグネシウム合金表面に、スラッジ等の廃棄物を出さずかつ6価クロム等の環境に有害な成分を含まない処理液を用いて、裸耐食性及び塗装後耐食性に優れ表面処理皮膜を析出させるために用いる表面処理用組成物、表面処理用処理液及び表面処理方法、更に裸耐食性に優れた前記金属材料について開示されている。
特許文献3には、クロムを使用せず、アルミダイキャストAC−4C、AC−4CH、5000番系、6000番系アルミニウム合金等のアルミニウム基材に対して好適に適用でき、耐食性、密着性に優れるジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、並びに可溶性エポキシ樹脂からなる化成処理剤で化成処理する処理方法について開示されている。
これらの発明によると、アルミニウム系材料の塗装後の密着性及び耐食性を向上させることが可能であることが解る。しかしながら、これらの発明の実施例によると、化成処理方法の前提条件は、アルミニウム系素材を脱脂工程等により清浄化しておく必要性があり、素材表面に何らかの異常があり表面の清浄化がなされなかった場合、目標とした塗装性能を発揮できなくなる可能性が高い。また、素材表面の異常の他、例えば脱脂剤等の老化によりその性能が低下した場合などに、目標とした塗膜性能が発揮できなくなる可能性が高い。
特許文献4には、自動車車体用Mg含有アルミニウム合金板のプレス成形用低粘度油塗布前の表面処理において、pH12以下の弱アルカリ性のアルカリ溶液中で洗浄処理することを特徴とする自動車車体用Mg含有アルミニウム合金板の表面処理方法が開示されている。この発明によると、アルカリ溶液のpHが9〜12で300s浸漬処理した時のエッチング量が4g/m以下のアルカリ溶液を用いて10〜120s洗浄処理を行うことで、低粘度油を塗布した場合の成型性を低下させることなく、リン酸亜鉛皮膜の均一性を向上させることができる。しかしながら、この発明はプレス加工後のアルミニウム板材表面にリン酸亜鉛皮膜の均一性を向上させるための手法であり、本発明とは目的、被処理材料、及び処理工程が異なる。
特許文献5には、洗浄性、経時後の液安定性に優れ、高濃度のアルカリ成分を含んでいても、溶解度以上の高濃度の洗浄剤有効成分を均一な乳化分散状態で含有する、常温保管型の金属用アルカリ性液体洗浄剤について開示されている。この方法を用いると、低コストで洗浄性も従来品と同等以上の常温一液型洗浄剤を製造することができる。しかしながら、この発明は、安定した一液型の洗浄剤を製造するための手法であり、本発明とは目的、被処理材料、処理工程及び処理方法が異なる。
特許文献6には、アルミニウムやその合金に対しごく短い時間で高いエッチング力を示す洗浄剤について開示されている。この発明によると、アルカリ金属とマレイン酸共重合体とヒドロキシカルボン酸を用いることにより優れた洗浄性を示すことが可能である。しかしながら、この発明はごく短い時間で高いエッチング力を示し、従来品と比較して比較的低いpH領域でも高いエッチング力を維持し、アルミニウムイオンの許容量が高くかつ発生するスラッジの量を低く抑えることを目的とした手法であり、本発明とは目的、及び処理工程が異なる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、アルカリ性の表面調整液を使用した場合の処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良の原因が、液の使用に伴い液中に増大する、アルミニウム鋳造物から溶出するアルミニウム及び/又は空気中の炭酸ガスを吸収等した炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩の成分(B)であることを付き止め、これらのインデックスとなるパラメータとして表調活性度及び光沢係数を提案し、これらを所定範囲に管理することにより、処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良の問題を解決できることを発見し、本発明を完成させたものである。
本発明(1)は、表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法において、少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤を含有するアルカリ性表面調整液をアルミニウム鋳造物に適用する工程を含み、当該工程で使用する前記アルカリ性表面調整液について、下記第一法で測定した場合の水酸化ナトリウム換算含有量(CA;mol/l)から下記第二法で測定した場合の水酸化ナトリウム換算含有量(CB;mol/l)を減じた値である表調活性度(CD;mol/l)と、前記少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤の濃度(CC;g/l)を前記表調活性度(CD;mol/l)で除した値である光沢係数(CE;g/mol)のいずれもが、下記条件を充足するよう設定することを特徴とする製造方法である。
0.05≦CD≦2.3
2.8≦CE≦90
第一法:JIS K 0102.15.2に基づく酸消費量での測定値。
第二法:JIS K 0102.22に基づくTOC測定の無機体炭素量測定により無機C量を求めた後、NaCOとしての水酸化ナトリウムとして換算した数値と、JIS K 0102.58に基づくアルミニウム測定によりアルミニウム濃度を求めた後、NaAl(OH)としての水酸化ナトリウムとして換算した数値との合計値。
本発明(2)は、前記表面調整アルミニウム鋳造物を連続的に製造する際、前記表調活性度(CD)及び前記光沢係数(CE)をそれぞれ一定範囲にコントロールする、前記発明(1)の製造方法である。
本発明(3)は、前記表調活性度(CD)を一定範囲にコントロールするため、アルカリ金属成分を前記アルカリ性表面調整液に補充する工程と、前記光沢係数(CE)を一定範囲にコントロールするため、前記少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤を前記アルカリ性表面調整液に補充する工程と、を更に含む、前記発明(2)の製造方法である。
本発明(4)は、前記有機ビルダーが、(C1)水溶性ビニルモノマーとして少なくともアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群より選択される一種以上からなるビニル重合物及び/又はビニル共重合物、(C2)水溶性ビニルモノマーとして少なくともアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群より選ばれた一種以上と、非水溶性ビニルモノマーとからなるビニル共重合物であり、かつ、水溶性ビニルモノマーと非水溶性ビニルモノマーとのモル比が水溶性ビニルモノマー/(水溶性ビニルモノマー+非水溶性ビニルモノマー)=0.2〜1.0である、(C1)及び/又は(C2)から選択された一種以上であり、前記キレート剤が、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトグルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、L−グルタミン酸二酢酸、及びこれらのアルカリ金属塩からなる群から選択された一種以上である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(5)は、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの製造方法により得られた表面調整アルミニウム鋳造物に対してノンクロメート化成処理を施す工程を含むことを特徴とする、ノンクロメート被膜形成アルミニウム鋳造物の製造方法である。
本発明(6)は、前記アルカリ性表面調整液を前記アルミニウム鋳造物に適用する前に当該アルミニウム鋳造物にショットブラスト処理を施す工程を更に含むか、前記アルカリ性表面調整液を前記アルミニウム鋳造物に適用した後の前記表面調整アルミニウム鋳造物にショットブラスト処理を施す工程を更に含む、前記発明(5)の製造方法である。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における用語の定義を説明する。「第一法で測定した場合の水酸化ナトリウム換算含有量」及び「第二法で測定した場合の水酸化ナトリウム換算含有量」とは、実際の管理において第一法及び第二法で測定する必要があることを意味するのではない。したがって、実際の管理において第一法及び第二法とは異なる測定法を実施しており、当該測定法に基づく数値が本発明の範囲から外れていたとしても、当該液を第一法及び第二法で測定した場合に本発明の範囲内となる場合には、当該液は本発明の範囲内である。「表面調整」とは、塗装前処理に適したアルミニウム鋳造物の表面を提供するための前段的な金属表面の調整を意味している。
以下、本発明の最良形態に係るアルカリ性表面調整液(組成、物性)、当該アルカリ性表面調整液を使用した表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法(アルミニウム鋳造物の表面調整方法)、表面調整アルミニウム鋳造物の用途(ノンクロメート化成処理済アルミニウム鋳造物の製造方法、塗装済みアルミニウム鋳造物の製造方法)を順番に詳述する。但し、以下で詳述する事項はあくまで最良形態であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
《アルカリ性表面調整液の組成》
本最良形態に係るアルカリ性表面調整液は、少なくとも1種のアルカリ金属の成分(A)、少なくとも1種の炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩の成分(B)、少なくとも1種の有機ビルダー及び/又はキレート剤の成分(C)を含む。以下、各成分について詳述する。尚、以下の成分(A)〜(C)は、溶媒である水を除去したときの固形物として規定されているが、当該アルカリ性表面調整液においては一部又は全部が解離して存在することになる。
・アルカリ金属の成分(A)
成分(A)としては、ナトリウム及びカリウムの水酸化物、珪酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩及び縮合リン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が使用できる。ここで、アルカリ金属の成分(A)の濃度は、ナトリウム及び/又はカリウムとしては1〜100g/Lであることが好適であり、2〜50g/Lであることがより好適である。1g/L未満ではエッチング力が不十分であり高温・長時間の処理が必要となり効率的ではなく、また100g/Lを超える濃度としても効果が飽和に達し経済的ではない。
・少なくとも1種の炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩の成分(B)
成分(B)は、少なくとも1種の炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩である。ここで、当該成分は、表面調整液に新液当初から含められていてもよく、或いは、表面調整液の使用により蓄積される結果含有されることとなってもよい(大気中の二酸化炭素に由来して、炭酸塩や重炭酸塩が蓄積し、アルミニウム鋳造物に由来して、アルミニウム塩が蓄積する)。好適な濃度としては、適用するラインに応じた平衡濃度等がひとつの目安となるが、例えば炭酸塩としてNaCOを添加する場合には0.5〜4.0g/lが良好であり、アルミニウム塩としてNaAl(OH)を添加する場合には10〜200g/lが良好である。炭酸塩や重炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸ソーダ、重炭酸カリウム等がある。また、アルミニウム塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等がある。
・少なくとも1種の有機ビルダー及び/又はキレート剤の成分(C)
成分(C)は、表面調整後のアルミニウム鋳造品に対して良好な表面外観、つまり、良好な表面平滑性及び意匠性を付与する成分である。ここで、成分(C)の内、有機ビルダーとしては、(C1)水溶性ビニルモノマーとして少なくともアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群より選ばれた1種以上からなるビニル重合物及び/又はビニル共重合物、(C2)水溶性ビニルモノマーとして少なくともアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群より選ばれた1種以上と、非水溶性ビニルモノマーとからなるビニル共重合物であり、かつ水溶性ビニルモノマーと非水溶性ビニルモノマーとのモル比が水溶性ビニルモノマー/(水溶性ビニルモノマー+非水溶性ビニルモノマー)=0.2〜1.0である、(C1)及び/又は(C2)から選ばれた1種以上であることが好ましい。
また、成分(C)の内、キレート剤としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、へプトグルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、L−グルタミン酸二酢酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれる1 種以上であることが好ましい。
成分(C)の含有量は、1〜50g/Lの濃度であることが好適であり、1〜20g/Lの濃度がより好適である。成分(C)の含有量が1g/L未満では、アルミニウム鋳造物を該表面調整液と接液した際に生ずるエッチング反応によりアルミニウム鋳造物と該表面調整液の界面でのpH変化が急激に生ずることにより発生する加水分解生成物を抑制するに十分ではなく、また、該表面調整液中に溶出してくるアルミニウムイオン、アルミニウム鋳造物中に含まれる合金成分イオンを補足するに十分ではなく、続く工程における塗装前処理性を劣化させるので好ましくない。また50g/Lを超える量を含有しても、その効果が飽和に達するので経済的ではない。
・他の任意成分
本最良形態に係る表面調整液は、通常水溶液の表面張力を低下させ、アルミニウム鋳造物表面に対する濡れ性を向上させるために、使用する通常の界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては特に限定するものではなく、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤から選ばれる1種以上が使用できるが、好ましくはノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上、より好ましくはHLB=5〜16であるノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上を任意に使用することができる。
《アルカリ性表面調整液の物性》
本最良形態に係るアルカリ性表面調整液は、好適には、成分(A)〜成分(C)を含む表面調整液の水酸化ナトリウム換算含有量(CA)が0.1mol/L〜4.0mol/Lであり、成分(B)の水酸化ナトリウム換算含有量(CB)が0.01mol/L〜1.5mol/Lである。
また、本最良形態に係るアルカリ性表面調整液は、前述の水酸化ナトリウム換算含有量(CA)から前述の水酸化ナトリウム換算含有量(CB)を減じた値として定義される「表調活性度」(CD)が、0.05mol/L〜2.3mol/Lである必要がある。また、表調活性度は、好適には0.1mol/L〜1.5mol/Lである。
更に、本最良形態に係るアルカリ性表面調整液は、成分(C)の濃度(CC;g/l)を前記表調活性度(CD;mol/l)で除した値として定義される「光沢係数」(CE)が、2.8g/mol〜90g/molである必要がある。このCEが低いと表面調整後の外観が悪くなる一方、CEが高すぎると経済面から不利となる。また、光沢係数は、好適には5g/mol〜60g/molである。
《表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法》
次に、本最良形態に係る表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法を説明する。ここで、当該製造方法に関し、原料であるアルミニウム鋳造物、製造プロセス(特に表面調整工程)、最終産物である表面調整アルミニウム鋳造物の順に詳述することとする。
・アルミニウム鋳造物
本最良形態に係る製造方法において使用されるアルミニウム鋳造物は、特に制限はなく、例えば、アルミニウムと銅、マグネシウム、亜鉛、鉄、珪素等から選ばれる少なくとも1種の元素との合金鋳造物であって、アルミニウムの含有量が50質量%以上のものを挙げることができる。具体的には、建材、装飾品、自動車・二輪車部品及びアルミホイール等に使用されているJIS規格におけるAC1〜8(A〜C)、及びADC1〜12等のアルミニウム合金が挙げられる。これらの中でもアルミホイール等に使用されているAC1〜8について本発明が特に有効である。
ここで、通常アルミニウム鋳造物には、鋳造時に発生したバリ等を除去するためにショットブラスト処理やアルミニウム鋳造物の一部を切削する切削処理が施される。当該ショットブラスト処理及び/又は切削処理は、以下で説明する表面調整工程を行う前に施されても、該表面調整工程後に施されても、更には省略されてもよい。
・製造プロセス(特に表面調整工程)
本最良形態に係る表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法は、アルミニウム鋳造物にアルカリ性表面調整液を適用する表面調整工程を必須的に含み、例えば、前述したショットブラスト工程やアルミニウム鋳造物の一部を切削する切削工程等を任意的に含む。ここで、表面調整工程以外の工程は当該分野での周知事項であり、本明細書で特記しなくともその内容は明らかであるので、当業者は実施可能であると共にその範囲も明確である。そこで、以下では表面調整工程を中心に詳述することとする。ここで、「適用」とは、例えば、表面調整液のスプレー処理、浸漬処理、流しかけ処理又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
まず、表面調整処理を行う際の該表面調整液の温度としては、好ましくは30〜80℃である。30℃未満では必要十分な塗装前処理に適した表面状態が得られず、また80℃を超える温度であっても効果は飽和に達しており経済的ではない。より好ましくは、35〜70℃である。また、該表面調整液とアルミニウム鋳造物との接液時間は特に制限するものではないが、1秒〜10分間とすることが好ましい、1秒未満では必要十分な塗装前処理に適した表面状態が得られず、また10分間を超える時間接液しても効果は飽和に達しており生産性が不利となる。好ましくは、30秒から5分間である。
ここで、処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良を無くすためには、前述のように表調活性度を0.05〜2.3mol/Lの範囲内とし光沢係数を2.8〜90mol/Lの範囲内とするよう管理する必要がある。しかしながら、前述のように、液の使用を重ねるにつれ、アルミニウム鋳造物から溶出するアルミニウム及び/又は空気中の炭酸ガスを吸収等した炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩の成分(B)が増大すると共に、成分(C)が減少するため、当該範囲外となってしまう場合がある。この場合には、処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良が出てしまうため、定期的に表調活性度及び光沢係数をモニターし、前述の範囲から外れないよう、成分(A)及び/又は成分(C)を補充する必要がある。更には、当該範囲内である場合であっても、ラインで製造をする際、製品間で処理外観や塗装後の皮膜性能のばらつきが出てしまう。したがって、定期的に表調活性度及び光沢係数をモニターし、これら表調活性度及び光沢係数が常に一定値となるよう、定期的に成分(A)及び/又は成分(C)を補充することが好適である。ここで、上記一定値は、ライン特性、品質要求レベルによってライン毎に採択されうるものであるが、一般的には、小さいほど良好であり、好適には±30%、より好適には±20%、更に好適には±10%以内で行うことが必要である。
・表面調整アルミニウム鋳造物
本製造方法で得られた表面調整アルミニウム鋳造物は、処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良が殆ど無いという性質(意匠外観保持性能)を有する。また、本製造方法で得られた表面調整アルミニウム鋳造物は、飛躍的に高められた塗装密着性及び塗装後耐食性を有する。このように、処理当初におけるCDとCEを前述した規定数値内に設定することで、当該表面調整アルミニウム鋳造物は、優れた性能(処理外観や塗装後の性能)を発揮する。更に、連続処理の際にCD管理とCE管理をすることで、ラインで製造した複数の表面調整アルミニウム鋳造物のいずれもが、処理外観や塗装後の皮膜性能が相互にばらつかない状況で、前述の優れた性能を有することとなる。具体的には、実施例の表2に示すように、当初10個の表面調整アルミニウム鋳造物の処理後外観は非常に良好であったが、当該液をCD管理とCE管理をせずにそのまま使用し続けると、初期の性能を維持できないことが判明した。そこで、処理に従い当該液のCD管理とCE管理の幅を小さくすることで、所定の良好な結果を得ることができた。
《表面調整アルミニウム鋳造物の用途(ノンクロメート化成処理済みアルミニウム鋳造物の製造方法、塗装済みアルミニウム鋳造物の製造方法)》
本製造方法で得られた表面調整アルミニウム鋳造物は、ノンクロメート化成処理済みアルミニウム鋳造物や塗装済みアルミニウム鋳造物を製造する一原料として利用可能である。具体的には、鋳造時に使用した離型剤や鋳造時に発生したバリ等を除去するためのショットブラスト・バレル研磨・ブラシ研磨工程、必要な寸法精度や平滑性を得るために鋳造物表面の一部を切削する切削加工工程、ノンクロメート化成処理を行う前処理工程(これによりノンクロメート化成処理済みアルミニウム鋳造物が製造)、塗装工程(これにより塗装済みアルミニウム鋳造物が製造)、という各工程に付すことにより、ノンクロメート化成処理済みアルミニウム鋳造物や塗装済みアルミニウム鋳造物が製造される。その他、当該鋳造物に対して熱処理を行う場合と熱処理を行わない場合がある。また、各工程の間に、水洗、酸洗、脱脂処理という汎用工程が存在する場合もある。以下、各工程を説明する。
まず、ショットブラスト工程は、前述のように表面調整工程前後のいずれで実施してもよい。また、当該工程を実施してもしなくともよい。ここで、ショットブラスト処理に使用されるショット材の材質としては特に制限されるものではなく、コスト、使いやすさ等から、ステンレス、鉄、鋼等の鉄成分含有粒子が一般的に使用でき、その他として、例えば亜鉛、亜鉛合金、アルミ、アルミ合金等の金属製粒子、シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミック製粒子、或いは、各種プラスチック等の有機樹脂製粒子等が使用できる。
次に、切削加工工程は、アルミニウム鋳造物の一部を寸法精度、表面平滑性、意匠性等を目的とした加工である。ここで、前述のように、切削加工も、表面調整処理の前後のいずれで実施してもよいが、切削加工後の表面処理の場合には、より制約を受けることになる。当該切削加工を行った後に表面調整工程を行う場合、寸法精度、表面平滑性、意匠性等を損なわないようにするために自ずと表面調整処理の使用条件は制限を受けたものとなるからである。
次に、ノンクロメート化成工程は、6価クロムイオンを含有しない化成処理を行う。ここで、当該化成処理は、6価クロムイオンを含有しない化成処理である限り特に限定されず、例えば、バナジウム化合物と、チタン塩、ジルコニウム塩及び亜鉛塩の群から選択された少なくとも一種の化合物とを含む水溶液よりなることを特徴とする化成処理液(特開昭56−136978号公報)や、pHを1.5〜4.0に調整した、Vイオンと、Zrイオンと、POイオンと、有効Fイオンとを含有する化成処理剤(特開平1−246370号公報、特開平7−310189号公報、特開平11−131254号公報)を挙げることができる。
以下に実施例を比較例と共に挙げ、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
<工程>
基本処理工程は、ショットブラスト→切削→表面調整→塗装前処理→塗装である。但し、実施例と比較例では表面調整条件が相違し、これについては後述する。まず、実施例と比較例で共通する条件を説明する。
(1)供試材:AC4C系アルミニウム鋳造板:70mm×150mm
(2)ショットブラスト:鉄ショットを用い、表面粗さを5〜10μmに調整した。
(3)切削:表面粗さを1〜5μmになる様に調整した。
(4)塗装前処理:脱脂、水洗、酸洗、水洗、化成処理、水洗、純水洗、乾燥(120℃、20分)の順に従い処理を行った。
(4−1)脱脂:市販のアルカリ系脱脂剤FC−359(日本パーカライジング(株)製)を用い、50℃で2分間スプレー処理を行った。
(4−2)酸洗:市販の酸洗剤PL−5552(日本パーカライジング(株)製)を用い、50℃で1分間スプレー処理を行った。
(4−3)化成処理:市販のジルコンニウム系6価クロムフリー化成処理剤(日本パーカライジング(株)製)を用い、45℃で1分間スプレー処理を行った。
(5)塗装:市販の粉体塗料エバクラッド5600(関西ペイント(株)社製)を用いて膜厚100μm、焼き付け160℃20分を行った後、市販の溶剤塗料マジクロンALCベースクリアー(関西ペイント(株)社製)を用いて膜厚30μmで塗装し、次いで、市販の溶剤塗料マジクロンALCクリアー(関西ペイント(株)社製)を用いて膜厚で30μm塗装した後、焼き付け140℃20分を行った。
実施例1〜14及び比較例1〜4で使用する表面調整液の組成及び物性(パラメータ値)を表1に示す。当該表面調整液の製造は、水に所定量の成分Aと、所定量の成分Bと、所定量の成分Cを添加することにより実施した。また、処理液のCD及びCEの測定は、第一法及び第二法でそれぞれ実施した。そして、70℃に加温した各表面調整液に供試材を浸漬し、1分間表面調整処理を行った。その後、上述の化成処理や塗装処理等を実施し、各塗膜形成供試体について表面調整後の外観評価試験及び塗装性能試験を実施した。その結果を表1に示す。また、各試験方法を以下に記す。
<表面調整後の外観評価>
◎ :表面が均一な光沢である。
○ :表面が均一な光沢である(表面が均一な光沢ではあるが、◎に比べると光沢性が多少落ちる)。
△ :多少ムラがある。
× :ひどくムラが目立つ。
表2の試験にあたっては、所定の処理液のCD及びCEの管理の状態を変更しながら、処理を続け、10個目、100〜110個目、200〜210個目のアルミニウム鋳造物の表面処理外観を調査した。
<塗装性能試験>
・1stADH:1次密着性試験
鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切り、碁盤目部を粘着性のあるセロファンテープで剥離を行い、碁盤目の状態を確認した。
・2ndADH:耐水2次密着性試験
塗装板を40℃の脱イオン水に240時間浸漬し、その後、鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切り、碁盤目部を粘着性のあるセロファンテープで剥離を行い、碁盤目の状態を確認した。
・SST:塩水噴霧試験
鋭利なカッターでクロスカットを入れた塗装板を5%−NaCl水溶液で840時間噴霧(JIS−Z−2371に準ずる)し、噴霧終了後にクロスカット部からの両側最大膨れ幅を測定した。
・CASS試験
鋭利なカッターでクロスカットを入れた塗装板を5%−NaCl−塩化銅−酢酸水溶液で240時間噴霧(JIS−Z−2371に準ずる)し、噴霧終了後にクロスカット部からの両側最大膨れ幅を測定した。
<塗装性能評価>
・1stADH:1次密着性試験
テープ剥離後の剥離個数
・2ndADH:耐水2次密着性試験
テープ剥離後の剥離個数
・SST:塩水噴霧試験
両側最大膨れ幅:0.0〜0.5mm:◎
0.5〜1.0mm:○
1.0〜2.0mm:△
2.0mm≦ :×
・CASS試験
両側最大膨れ幅:0.0〜1.5mm:◎
1.5〜3.0mm:○
3.0〜5.0mm:△
5.0mm≦ :×
Figure 2009114472
次に、実施例2、実施例6及び実施例9の処理液を用いて、CD、CE管理をした場合としない場合とでの性能差を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2009114472
以上の結果から、本発明に係る表面調整液を用いた表面調整アルミニウム鋳造物をその後のノンクロメート化成処理及び塗装処理に使用することによって、外観保持性(製品における処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良、製品間における外観の相違)を達成することが可能となると共に、6価クロム系化成処理剤を使用しなくても、優れた塗装後の塗装密着性及び塗装後耐食性を保持することが可能であることが明らかである。
本発明に係る表面調整アルミニウム鋳造物により得られる表面調整アルミニウム鋳造物は、ノンクロメート化成処理を実施した場合でも、製品における処理外観不良又は塗装後の皮膜性能不良が殆ど無いことに加え、優れた塗装密着性や塗装後耐食性を示すので、環境へも配慮しつつ、あらゆる用途に適用することが可能である。

Claims (6)

  1. 表面調整アルミニウム鋳造物の製造方法において、少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤を含有するアルカリ性表面調整液をアルミニウム鋳造物に適用する工程を含み、当該工程で使用する前記アルカリ性表面調整液について、下記第一法で測定した場合の水酸化ナトリウム換算含有量(CA;mol/l)から下記第二法で測定した場合の水酸化ナトリウム換算含有量(CB;mol/l)を減じた値である表調活性度(CD;mol/l)と、前記少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤の濃度(CC;g/l)を前記表調活性度(CD;mol/l)で除した値である光沢係数(CE;g/mol)のいずれもが、下記条件を充足するよう設定することを特徴とする製造方法。
    0.05≦CD≦2.3
    2.8≦CE≦90
    第一法:JIS K 0102.15.2に基づく酸消費量での測定値。
    第二法:JIS K 0102.22に基づくTOC測定の無機体炭素量測定により無機C量を求めた後、NaCOとしての水酸化ナトリウムとして換算した数値と、JIS K 0102.58に基づくアルミニウム測定によりアルミニウム濃度を求めた後、NaAl(OH)としての水酸化ナトリウムとして換算した数値との合計値。
  2. 前記表面調整アルミニウム鋳造物を連続的に製造する際、前記表調活性度(CD)及び前記光沢係数(CE)をそれぞれ一定範囲にコントロールする、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記表調活性度(CD)を一定範囲にコントロールするため、アルカリ金属成分を前記アルカリ性表面調整液に補充する工程と、前記光沢係数(CE)を一定範囲にコントロールするため、前記少なくとも一種の有機ビルダー及び/又はキレート剤を前記アルカリ性表面調整液に補充する工程と、を更に含む、請求項2記載の製造方法。
  4. 前記有機ビルダーが、(C1)水溶性ビニルモノマーとして少なくともアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群より選択される一種以上からなるビニル重合物及び/又はビニル共重合物、(C2)水溶性ビニルモノマーとして少なくともアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩からなる群より選ばれた一種以上と、非水溶性ビニルモノマーとからなるビニル共重合物であり、かつ、水溶性ビニルモノマーと非水溶性ビニルモノマーとのモル比が水溶性ビニルモノマー/(水溶性ビニルモノマー+非水溶性ビニルモノマー)=0.2〜1.0である、(C1)及び/又は(C2)から選択された一種以上であり、前記キレート剤が、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトグルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、L−グルタミン酸二酢酸、及びこれらのアルカリ金属塩からなる群から選択された一種以上である、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法により得られた表面調整アルミニウム鋳造物に対してノンクロメート化成処理を施す工程を含むことを特徴とする、ノンクロメート被膜形成アルミニウム鋳造物の製造方法。
  6. 前記アルカリ性表面調整液を前記アルミニウム鋳造物に適用する前に当該アルミニウム鋳造物にショットブラスト処理を施す工程を更に含むか、前記アルカリ性表面調整液を前記アルミニウム鋳造物に適用した後の前記表面調整アルミニウム鋳造物にショットブラスト処理を施す工程を更に含む、請求項5記載の製造方法。
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