JP3595666B2 - 金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法 - Google Patents
金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄性、経時後の液安定性に優れ、高濃度のアルカリ成分を含んでいても、溶解度以上の高濃度の洗浄剤有効成分を均一な乳化分散状態で含有し、かつ低コスト化も可能な、常温保管型の金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法に関する。本発明の金属用アルカリ性液体洗浄剤による金属の洗浄は通常電解洗浄により行う。
【0002】
【従来技術】
通常、工業用金属材料表面には動植物油脂、グリース、鉱物油、圧延油、切削油、プレス油、伸線剤等の油性物質等の汚れが付着しており、更に金属粉等が前記汚れに混入している場合もある。これらの汚れは後工程、例えば焼鈍工程、めっき、塗装前処理工程、塗装工程の前段にて除去しておく必要があり、一般にアルカリ剤と界面活性剤とキレート剤とを含有した金属用アルカリ性洗浄剤により前記汚れを除去している。
【0003】
これらの金属用アルカリ性洗浄剤に使用されているアルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物やオルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム等の珪酸のアルカリ金属塩やリン酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等があり、主として動物油や植物油のような油脂のケン化反応等の種々の用途に用いられている。
【0004】
次に界面活性剤としては洗浄用界面活性剤と消泡用界面活性剤とに大別できる。洗浄用界面活性剤はノニオン性界面活性剤の単独使用、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の併用にて使用されているケースがほとんどであり、前述の汚れに対して界面活性剤の持つ浸透作用、乳化作用、分散作用によって汚れを除去する。消泡用界面活性剤としてはノニオン性界面活性剤にて比較的HLBの低いタイプやアルコール等を使用しているケースが一般的であり、洗浄用界面活性剤に起因する発泡に対する消泡作用、前記汚れ成分中の可ケン化物質がアルカリ成分によってケン化されて生成する石鹸による発泡を抑制する作用を持つものである。
【0005】
キレート剤は主として圧延工程、切削工程、プレス工程等で発生する鉄粉等の金属粉の除去作用およびアニオン性界面活性剤を使用した場合に工業用水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の硬水成分がアニオン性界面活性剤と不溶性塩類を形成して界面活性能が低下するのを防止する作用、いわゆる硬水成分の封鎖作用を有する。
一般に用いられる金属用アルカリ性洗浄剤は上記各成分の総合作用により優れた洗浄力を発揮するのである。
【0006】
これら、従来の工業用アルカリ性洗浄剤は通常濃縮状態にて供給され使用時に希釈して用いるが、強アルカリビルダー(主としてアルカリ金属水酸化物をいう)による界面活性剤の塩析作用や低溶解度ビルダー(主としてアルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属のリン酸塩やポリリン酸塩等をいう)の結晶析出現象等により、濃縮状態での液体化が困難であるため、薬品の供給は粉末またはフレーク状の強アルカリビルダーに対して界面活性剤、キレート剤等を混合した粉末状態、もしくはアルカリビルダーとキレート剤の水溶液と界面活性剤水溶液との二液型にて行ってきた。しかしながら、粉末状態の洗浄剤ではユーザーにて一定濃度の水溶液となるように溶解してから使用する必要があり、かつ空気中に飛散したミストや溶解した溶液の皮膚への付着等の作業性、作業環境の悪さが指摘されていた。また、二液型洗浄剤の場合にはアルカリビルダー水溶液と界面活性剤水溶液を別々に補給することになり、成分バランスを確保するのが難しいといった液管理の問題があり、また必要充分量のキレート剤や低溶解度ビルダーを含有し、濃縮化されたアルカリビルダー水溶液は結晶析出現象等により、常温保管が困難であった。したがって、これらの洗浄剤を使用するユーザーからは、必要充分量の洗浄剤成分を含有し、濃縮化されたアルカリ性液体洗浄剤の開発が切望されていた。
【0007】
これまでに上記の要求に対して、アルカリビルダーに可溶化剤等の溶解助剤を配合し均一透明な一液型アルカリ洗浄剤の製造を可能にした(1)から(3)が報告されているので以下にその概要を示す。
(1)特開昭64−4226号公報には
(a)強アルカリ剤3〜50重量%
(b)HLB3〜18の非イオン界面活性剤0.01〜30重量%、および
(c)一般式:RCOOMで表される可溶化剤0.01〜30重量%
(式中、Rは炭素数4〜14の直鎖脂肪族炭化水素基または炭素数4〜18の分岐鎖脂肪族炭化水素基を示し、Mは水素、アルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニアまたはアルカノールアミンを示す)
を含有し、pH10以上であることを特徴とする非イオン界面活性剤の強アルカリ性水溶液が開示されている。
【0008】
(2)特公平3−46038号公報には
(a)強アルカリ剤3〜50重量%
(b)HLB3〜18の非イオン界面活性剤0.01〜30重量%、および
(c)一般式:R−X−(CH)COOMで表される可溶化剤0.01〜30重量%
(式中、Xは=NH、=N(CH)COOMまたは=CHCOOM
を示し、Rは炭素数4〜18の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基またはアリル基(注:アリール基の誤植と解される)を示し、Mはアルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニアまたはアルカノールアミンを示す。mおよびnは各1〜3の整数を示す。)
を含有し、pH10以上であることを特徴とする強アルカリ性洗浄剤組成物が開示されている。
【0009】
(3)特開平5−230498号公報には
(a)強アルカリ剤25〜40重量%
(b)HLB3〜18の非イオン界面活性剤0.1〜7重量%
(c)アミノポリカルボン酸型キレート剤およびオキシカルボン酸型キレート剤から選ばれる一種以上のキレート剤0.2〜10重量%、および
(d)2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、およびそれらのアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩から選ばれる一種以上の化合物0.5〜15重量%
を含有する高濃度強アルカリ性水溶液組成物が開示されている。
【0010】
しかしながら、上記(1)から(3)の発明にて開示されているような可溶化剤を使用した溶解型一液アルカリ洗浄剤の場合、脱脂性は良好であるが、一液型アルカリ洗浄剤の原料費に対する可溶化剤のコスト比率が大きいことによる薬剤原価の増加、さらには強アルカリ剤の濃縮化としての限界が20〜30%程度までと充分に高濃縮化されていないために、実用上の補給薬剤の納入回数が多いことによる薬剤輸送費の増加に起因した高コスト化の問題がある。これを改善するために、一液型アルカリ洗浄剤のさらなる高濃度化をすると可溶化剤自体が塩析することで溶解助剤としての効果を失い、しかもアルカリビルダーやキレート剤などを常温での溶解度以上に高濃度化すると、それらが結晶析出することによる沈殿や分離などが生じるため、常温一液型洗浄剤の充分な高濃度化にはおおきな制約となっていた。さらに、より良好な洗浄性を求めるためにHLBの高いノニオン性界面活性剤を可溶化する場合には可溶化剤の添加量を増加させる必要があるが、その増加には上に述べたような制限があり、また消泡力の良好なHLBの低いノニオン性界面活性剤を可溶化する場合には塩析分離して可溶化できない等の問題から被可溶化合物の選択が自由に行えず、またライン操業上、充分な量の消泡剤を含有させることができずに別途での添加を余儀なくされているのも現状である。さらに、一液化に際して多量に使用される可溶化剤による高COD化が原因となる廃水処理性への負荷などが問題視されている。
【0011】
そこでこれらの問題の解消を目指した以下の(4)および(5)の発明が出願されているので以下にその概要を示す。
(4)特開平7−41974号公報には
アルカリ剤を10〜35(NaO基準)重量%および一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物を0.1〜20重量%含有することを特徴とする高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物、それを希釈してなる洗浄剤組成物、並びに前記の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物の製造方法が開示されている。
この発明で示される高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物は優れたスラリー安定化剤を含むため、高アルカリ濃度において通常難溶性のアルコール、界面活性剤、脂肪酸、キレート剤等を配合することができ、洗浄剤に要求される高洗浄、低COD、低コストのすべてをかなりな程度に満足するものであり、より安定した製品としてユーザーに提供することができる。
【0012】
(5)特開平7−41975号公報は特開平7−41974号の関連出願であり、
アルカリ剤を10〜35(NaO基準)重量%および一分子中に2〜6個の極性基を有する脂肪族化合物を0.1〜20重量%含有することを特徴とする高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物、それを希釈してなる洗浄剤組成物、並びに前記の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物の製造方法が開示されている。
この発明で示される高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物は優れたスラリー安定化剤を含むため、高アルカリ濃度において通常難溶性のアルコール、界面活性剤、脂肪酸、キレート剤等を配合することができ、洗浄剤に要求される高洗浄、低COD、低コストのすべてをかなりな程度に満足するものであり、より安定した製品としてユーザーに提供することができる。
【0013】
(4)、(5)で示される発明は現在切望されている高洗浄性、低コスト化、低COD化等の要求に対してかなり改善されているが、常温保管可能なオルソ珪酸ナトリウムなどの低溶解度ビルダー含有薬剤の開発、さらなるアルカリビルダーの高濃度化による低コスト化、さらなる低COD化等の要求が出されており、現状ではこれらの要求を満足するような液体洗浄剤組成物は得られていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術が抱える問題点を解決しようとしたものであり、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性ビルダーの濃度を35重量%以上とし、本来は過飽和析出により安定に含有させることができない消泡剤を含む界面活性剤を始め、キレート剤、低溶解度アルカリビルダーなどを含めた高濃度の洗浄剤有効成分を均一に乳化分散することにより常温での一液化を可能にし、低CODで廃水処理性も良く、経時後の乳化分散安定性も良好で、洗浄性も従来品と同等以上の常温一液型の懸濁状の金属用アルカリ性液体洗浄剤を提供することを目的とする。本発明はさらに、高濃度のキレート剤や低溶解度アルカリビルダーを均一に乳化分散した水性のアルカリビルダー組成物と消泡剤を含む界面活性剤を含有する水性の界面活性剤組成物よりなる二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤を提供することをも目的とする。
本発明はさらに上記一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法、および上記金属用アルカリ性液体洗浄剤の使用方法を提供することをも目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来技術の抱える問題点を解決するための手段について鋭意検討を重ねた結果、35〜70重量%の高濃度のアルカリ剤と、洗浄用界面活性剤と消泡剤とキレート剤とを含有するか、該アルカリ剤とキレート剤とを含有するアルカリ性水溶液の中に、塩析分離した洗浄用および消泡用界面活性剤、析出したキレート剤および場合によりさらに過飽和により析出したアルカリ剤を、経時後でも、安定に分散できる物質として、1,000〜3,000,000の分子量を持つエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。
【0016】
すなわち、本発明は、そのもっとも広い範囲として、(A)アルカリ剤と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体(他のエチレン性モノマーとの共重合体も含む、以下同様)、またはその塩と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状の金属用アルカリ性液体洗浄剤に関する。本発明は、次に広い範囲として、(A)アルカリ剤35〜70重量%(洗浄剤全体の重量に対する値である、特許請求の範囲の記載において以下同様)と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩と、(B)洗浄用界面活性剤、(C)消泡剤および(D)キレート剤から選ばれる少なくとも1種と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状の金属用アルカリ性液体洗浄剤に関する。
【0017】
より詳細には、本発明は、(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(B)洗浄用界面活性剤0.1〜20重量%と、(C)消泡剤0.01〜10重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状で建浴用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤(組成物)に関する。
本発明はまた、上記一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤を二液型とした(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有する懸濁状の組成物(以下、アルカリビルダー組成物という)と、これと組み合わせて使用するための、(B)洗浄用界面活性剤と(C)消泡剤とを含有するか成分(B)と成分(C)と水とを含有する組成物であって、そのままでもしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0.1〜20重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜10重量%となる組成物(以下、界面活性剤組成物という)よりなる、建浴用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤に関する。
【0018】
また洗浄用界面活性剤として働く成分が洗浄工程中に生ずる場合があり、この場合の補給剤には洗浄用界面活性剤は必要でない。したがつて、本発明はまた(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(C)消泡剤0.01〜25重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状で補給用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤(組成物)、さらにまた、(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有する懸濁状の組成物(以下、アルカリビルダー組成物という)と、これと組み合わせて使用するための、(C)消泡剤、または消泡剤と水とを含有する組成物(以下、消泡剤単独からなる場合も含め、便宜上、界面活性剤組成物というものとする)よりなる、補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤にも関する。
【0019】
上記補給用の一液型の本発明の洗浄剤は、洗浄用界面活性剤としての成分(B)を0から大で25重量%以下含有するのが通常好ましく、また上記補給用の二液型の本発明の洗浄剤中の界面活性剤組成物は、成分(B)をさらに含有する組成物であって、そのままでもしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0より大〜25重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜25重量%となる組成物であるのが通常好ましい。
【0020】
本発明の一液型の洗浄剤には、高濃度アルカリ剤水溶液中で塩析分離する洗浄用界面活性剤および消泡剤を吸着することでその乳化分散安定性を強化するため、任意成分としてスメクタイト系粘土鉱物を含有させるのが好ましい。
【0021】
本金属用アルカリ性液体洗浄剤において、前記アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウム(もしくはリン酸水素ナトリウム)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、また、前記エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩は、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸とマレイン酸との共重合体、アクリル酸単位および/またはおよびマレイン酸単位を70モル%以上含有する共重合体、およびかかる単独もしくは共重合体の塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0022】
本発明はまた上記各態様の洗浄剤を使用時のアルカリ剤濃度に希釈した金属用アルカリ性液体洗浄剤に関する。
本発明はまた成分(D)(キレート剤)を溶解した水溶液中または成分(D)(全量)と成分(E)(分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩)の一部を溶解した水溶液中に、アルカリ剤濃度が40重量%以上の濃度となるように成分(A)(アルカリ剤)を攪拌混合させていき、キレート剤の全量もしくは一部、またはキレート剤の全量もしくは一部とアルカリ剤の一部とが懸濁成分として析出している懸濁液▲1▼を調製した後に、成分(B)(洗浄用界面活性剤)と成分(C)(消泡剤)と成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)と水とを攪拌混合した液または成分(C)と成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)と水とを攪拌混合した液▲2▼を、▲1▼に▲1▼を攪拌しながら少量ずつ添加し混合することを特徴とする本発明の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法に関する。この製造方法によって一液型の金属用アルカリ性洗浄剤を効率よく製造できる。成分(F)のスメクタイト系粘土鉱物を含有させる場合には上記▲2▼の液の調製を成分(F)を水に分散させた分散液に成分(B)、成分(C)および成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)を添加するかまたは成分(C)および成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)を添加し、撹拌混合することにより行うのが好ましい。
本発明はさらに上記希釈した金属用アルカリ性液体洗浄剤による金属材料の洗浄を電解洗浄により行う方法に関する。
【0023】
なお、本発明の上記の建浴用の一液型の金属用アルカリ性洗浄剤、建浴用の二液型の金属用アルカリ性洗浄剤、補給用の一液型の金属用アルカリ性洗浄剤、および補給用の二液型の金属用アルカリ性洗浄剤は、金属用アルカリ性液体洗浄剤である点で産業上の利用分野が同一であり、かつアルカリ性ビルダーの濃度をより高め、キレート剤の濃度もより高めても経時後の乳化分散性の良好な金属用アルカリ性液体洗浄剤を提供する点において解決しようとする課題が共通しているので、特許法第37条第1号の要件を満足すると解される。
また、上記4種の金属用アルカリ性洗浄剤は、少なくともアルカリ剤、キレート剤および水を含む系に成分(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩を存在させ、それにより安定分散系を作り出すという点で共通している。したがって、これらはお互いに主要部が同一である発明でもあるので、特許法第37条第2号の要件をも満足すると解される。
また、本発明の金属用アルカリ性洗浄剤の製造方法および使用方法は特許法第37条第3号の要件を満足すると解される。
すなわち、本特許出願はいわゆる出願の単一性要件を満足するものであると解される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、説明に当っての一般的原則について述べておくと、発明に関して与えられた目的に適当であるか好ましいとして一群のもしくはひとクラスの物質が記載されて入る場合には、その群のもしくはクラスのメンバーの2以上の混合物も同様に適当であるか好ましいものとし;また化学用語での成分の記載は、明細書中に特定されたいずれかの組合せにするための添加の時点での該成分に関するものであって、一旦混合された後の混合物の成分の間での化学的相互作用を必ずしも排除するものではないものとし;また建浴剤は新たに洗浄浴として使用する時(建浴時)の、または建浴時から定常状態に至るまでの洗浄性を確保するための洗浄剤を意味し、補給剤は途中でのまたは定常状態での補給に使用する洗浄剤を意味するものとする。
【0025】
本発明の金属用アルカリ性液体洗浄剤において用いられる成分(A)のアルカリ剤としては、水溶性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム(NaHPO、NaHPO)、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム(KHPO、KHPO)等のアルカリ金属のリン酸塩もしくはリン酸水素塩、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等のアルカリ金属ポリリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。これらは各単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0026】
成分(A)は構成成分としてアルカリ金属水酸化物を必ずしも含まなくて良いが、通常アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム1モル%以上と、100モル%でない場合、他のアルカリ剤、好ましくはアルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属リン酸塩もしくはアルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属ポリリン酸塩等の低溶解度アルカリビルダーの少なくとも1種、特にオルソ珪酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウムもしくはリン酸水素ナトリウムの少なくとも1種とから構成されるのが好ましい。
また、アルカリ金属リン酸塩もしくはアルカリ金属リン酸水素塩、またはアルカリ金属ポリリン酸塩を用いる場合、通常アルカリ金属水酸化物を(通常倍モル以上)併用することが好ましい。
【0027】
本発明洗浄剤中、すなわち建浴用の一液型の本洗浄剤中、補給用の一液型の本洗浄剤中、建浴用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中、および補給用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中の成分(A)のアルカリ剤の配合量は、35〜70重量%であることが必要であり、35〜65重量%であることが好ましく、35〜60重量%であることがより好ましく、35〜55重量%であることがより一層好ましく、38〜50重量%であることがさらにより一層好ましい。この配合量が35重量%未満ではキレート剤や低溶解度アルカリビルダーの過飽和析出成分を安定に分散させた懸濁液を調製することが困難であるために液安定性が保てず、さらに本発明の目的である充分な高濃縮化の領域とは言えず意味がなくなってくる。また、70重量%より多いと一液型の本洗浄剤や、二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物の極端な増粘や固化が起こりやすくなる。
成分(A)の配合量についてさらに詳しくは、成分(A)がアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム単独よりなる場合には、成分(A)の配合量は35〜60重量%が好ましく、35〜55重量%がより好ましく、37〜50重量%がより一層好ましい。成分(A)がアルカリ金属珪酸塩、特にオルト珪酸ナトリウム単独よりなる場合には、成分(A)の配合量は35〜45重量%が好ましく、35〜40重量%がより好ましい。成分(A)がアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムとアルカリ金属珪酸塩、特にオルト珪酸ナトリウムからなる場合には、成分(A)の配合量は35〜50重量%が好ましく、35〜45重量%がより好ましく、37〜43重量%がより一層好ましい。成分(A)がアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムとアルカリ金属のリン酸塩もしくはリン酸水素塩、特にリン酸ナトリウムもしくはリン酸水素ナトリウムとからなる場合には、成分(A)の配合量は35〜65重量%が好ましく、45〜60重量%がより好ましい。
【0028】
本発明洗浄剤中での前記アルカリ剤成分中のアルカリ金属水酸化物については比較的溶解度が高いために、溶解成分もしくは溶解度を超えた状態で懸濁成分として存在していると考えられるが、その他の低溶解度アルカリビルダーについては、そのほとんどが析出した懸濁成分として存在しているものと考えられる。その効果の機構については定かではないが、本発明の組成物中に溶解もしくは微細分散している、後述の分子中にエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩、すなわち成分(E)が、溶解度を超えて析出しているアルカリビルダー成分の粒子間に侵入して粒子間の接近を妨げる効果、または粒子表面への高分子吸着での結晶成長抑制効果および立体安定化効果、イオン化できる基を持つ水溶性高分子の吸着による静電的な反発力で安定化する静電効果、それらの相乗的効果などによる分散作用にて安定分散されるものと考えられる。
【0029】
本発明において用いられる成分(B)の洗浄用界面活性剤としては、HLB8以上18以下のノニオン性界面活性剤をまず挙げることができる。該ノニオン性界面活性剤は洗浄性向上剤として非常に有用であり、浸透性、乳化性、分散性および起泡性を有するものである。また、アニオン性界面活性剤も洗浄性向上剤として使用できるが、比較的高発泡性であること、水中の硬度成分となるカルシウムイオン、マグネシウムイオンにより不溶性の塩を作る場合があり、洗浄後の水洗において除去され難いこと等の欠点があるので、アニオン性界面活性剤の単独使用よりもノニオン性界面活性剤の単独使用もしくはノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の併用にて使用することが好ましい。すなわち、併用の場合、全体の少なくとも80重量%がノニオン性界面活性剤であることが好ましい。また成分(B)としてはカチオン性界面活性剤や両性界面活性剤も、必要に応じ、各単独でもしくは上記界面活性剤と併用して用いることができる。
【0030】
本発明で洗浄性向上剤として使用できるノニオン性界面活性剤の例を下記(a)に、アニオン性界面活性剤の例を下記(b)に、カチオン性界面活性剤の例を下記(c)に、両性界面活性剤の例を下記(d)に示すが、本発明においては特にこれらに限定される訳ではない。
(a)ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル(通常モノエステル)(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル(モノもしくはジエステル)(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等が挙げられる。洗浄用として特に有効である具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。上記ノニオン性界面活性剤は単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0031】
(b)洗浄性向上剤としてのアニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩(高級脂肪酸は通常C12〜18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、アルキル硫酸エステル塩(アルキルは通常C12〜18のアルキル)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキルは通常C11〜15のアルキル)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(アルキルは通常C4程度のアルキル)、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩(2つのアルキルの合計炭素数が通常10〜20)、アルキルリン酸エステル塩(アルキルは通常C12〜18のアルキル)、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩(アルキルは通常C8またはC9のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸エステル塩(アルキルは通常C8またはC9のアルキル)等が挙げられる。上記アニオン性界面活性剤の塩は通常アルカリ金属塩であり、この中ではナトリウム塩を用いるのが好ましい。上記アニオン性界面活性剤は単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
(c)洗浄性向上剤として必要に応じて配合されるカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミンアセテート、アルキルアミン塩酸塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、(d)両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミノカルボン酸塩等が挙げられる。上記カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤は単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
建浴用で一液型の本発明洗浄剤における成分(B)の洗浄用界面活性剤の配合量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%である。この配合量が0.1重量%未満では洗浄性向上剤としての効果が発現せず、20重量%より多いとその効果が飽和してしまうので不経済である。
上記洗浄用界面活性剤は、一般に高濃度の強アルカリ性水溶液中では塩析作用を受けることによりほとんど溶解できずに分離するが、建浴用で一液型の本発明洗浄剤中では懸濁成分の一部として安定に分散している。その効果の機構は定かではないが、本発明の組成物中に溶解もしくは微細分散している、後述のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩、すなわち成分(E)が、強アルカリ性水溶液中に溶解できずに析出している洗浄用界面活性剤粒子間に侵入して粒子間の接近を妨げる効果、または粒子表面への高分子吸着での立体安定化効果、静電的反発力による安定化である静電効果、それらの相乗的効果などによる分散作用にて安定分散されるものと考えられる。
【0033】
補給用で一液型の本発明の洗浄剤における成分(B)の配合量は、「課題を解決するための手段」の項で述べたごとく、0であっても良い場合がある。すなわち例えば、冷延鋼板(牛脂等を含有する圧延潤滑油が付着する)の連続焼鈍ライン中の脱脂工程では、生成する圧延潤滑油のケン化物(石けん)が鋼板洗浄性に大きく寄与しており、この場合の補給剤には洗浄用界面活性剤は必要でない。
しかしながら、本発明の洗浄剤を使用する、他の多くの洗浄工程では補給剤中にも洗浄用界面活性剤である成分(B)を配合せしめるのが好ましく、その場合の成分(B)の配合量は0より大で25重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%、さらに一層好ましくは2〜10重量%である。この配合量が0.1重量%未満では建浴操業時に成分(B)に代るに足る洗浄用界面活性剤成分が生成する場合を除き、洗浄向上剤としての効果が発現せず、25重量%より多いとその効果が飽和してしまうので不経済である。なお、上記配合量の上限は建浴用で一液型の本発明の洗浄剤における成分(B)の配合量の上限より高く設定されている。この理由は鉱物油などの非ケン化性油脂の洗浄による除去を行うラインでは、鉱物油の消泡効果により消泡剤(C)の必要量は低減されるが、逆に油水分離装置での界面活性剤の消費や油分濃度の増加に伴う油乳化性能の低下などにより洗浄用界面活性剤の増量が必要になるからである。
【0034】
建浴用で二液型の本発明の洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物と界面活性剤組成物との使用比率は洗浄剤の使用時に選ぶことができるので、洗浄剤中では、例えば成分(B)の洗浄用界面活性剤と成分(A)のアルカリ剤との相互比率は考慮する必要はなく、成分(B)の配合量については界面活性剤組成物中の成分(B)と成分(C)(消泡剤)との相互比率のみを考慮すれば良い。両成分の相互比率は、該界面活性剤組成物がそのままでもしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは0.5〜5重量%となる組成物であることで規定される。
なお、成分(B)および成分(C)がそれ自体液体であって送液性を確保し得る場合には、界面活性剤組成物中に水は必ずしも必要でない。
【0035】
補給用で二液型の本発明の洗浄剤における界面活性剤組成物中の成分(B)の配合量は、上述の補給剤で一液型の本発明の洗浄剤における成分(B)の配合量と同様0であっても良い場合があるが、それを除いては通常、成分(B)を配合するのが好ましい。その場合の成分(B)と成分(C)(消泡剤)との相互比率は、該界面活性剤組成物がそのままでもしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0より大〜25重量%、好ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、より一層好ましくは2〜10重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、より一層好ましくは0.5〜5重量%となる組成物であることで規定される。
【0036】
次に、本発明において用いられる成分(C)の消泡剤は、洗浄過程での発泡を抑える上で効果的である。消泡剤としては、通常消泡剤として使用される消泡用界面活性剤が用いられ、例えばソルビタン高級脂肪酸モノエステル(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ソルビタン高級脂肪酸トリエステル(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ノニルフェノールのエチレンオキサイド低モル付加物、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体であってエチレンオキサイド付加量の低いもの、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン多価アルコールエーテルであってエチレンオキサイド付加量の低いものなど、水溶性が低く、水中で白濁分散あるいは分離するものが挙げられる。上記ノニオン性界面活性剤は単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0037】
建浴用で一液型の本発明洗浄剤における成分(C)の消泡剤の配合量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。この配合量が0.01重量%未満では消泡剤としての効果が発現せず、10重量%より多いとその効果が飽和してしまうので不経済である。本洗浄剤中では、消泡剤も懸濁成分の一部として安定分散しており、その効果の機構については、前記の洗浄用界面活性剤の分散機構と同様であると考えられる。
【0038】
補給用で一液型の本発明の洗浄剤における成分(C)の配合量は、0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、より一層好ましくは0.5〜5重量%である。この配合量が0.01重量%未満では消泡剤としての効果が発現せず、25重量%より多いとその効果が飽和してしまうので不経済である。
なお、上記配合量の上限は建浴用で一液型の本発明の洗浄剤における成分(C)の配合量の上限より高く設定されている。この理由はケン化性油脂の洗浄による除去を行うラインでは経時的に生成石けん分が増量し洗浄性能が増強されるのに対し、耐発泡性能の低下が顕著となってくるからである。
【0039】
建浴用の二液型の本発明の洗浄剤における界面活性剤組成物中での、成分(C)の消泡剤の配合量は、成分(B)の配合量の説明で述べた通りである。
【0040】
補給用で二液型の本発明の洗浄剤における界面活性剤組成物については、成分(B)の配合量が0の場合には、界面活性剤組成物は成分(C)(消泡剤)のみよりなることもできるし、成分(C)と水よりなることもできる。成分(C)と水よりなる場合、成分(C)の濃度は、該界面活性剤組成物がそのままでもしくはそれを水で希釈した際に成分(C)の濃度が0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、より一層好ましくは0.5〜5重量%になり得るような濃度であれば良い。また、成分(B)が配合される場合には、成分(B)と成分(C)との相互比率は成分(B)の配合量の説明で述べた通りである。
【0041】
次に、本発明の洗浄剤においては洗浄効果を向上させる目的で成分(D)のキレート剤を配合する。このようなキレート剤としては、例えばニトリロトリ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等のアミノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩(例えばトリエチルアミン塩)等の塩、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、ヘプトグルコン酸等のオキシカルボン酸またはそのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩(例えばトリエチルアミン塩)等の塩などが挙げられる。これらの中ではオキシカルボン酸もしくはその塩、特にオキシカルボン酸のアルカリ金属塩を用いるのが好ましい。上記キレート剤は単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0042】
本洗浄剤中に配合されたこれらのキレート型ビルダーの全量もしくは一部分は、高濃度強アルカリ性水溶液中で溶解度を超える濃度で析出し、後述のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩、すなわち成分(E)による分散作用および凝集抑制作用により、懸濁成分の一部として、安定分散している。また、このキレート剤析出物は、本組成物中において前記低溶解度アルカリビルダーの過飽和析出物、洗浄用界面活性剤および消泡剤などの安定分散をさらに向上させる効果を有するため、分散助剤としての効果も発現していると推定される。
【0043】
本発明洗浄剤中、すなわち建浴用の一液型の本洗浄剤中、補給用の一液型の本洗浄剤中、建浴用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中、および補給用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中における成分(D)のキレート剤の配合量は0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。この配合量が0.1重量%未満では洗浄効果の向上が不充分であり、20重量%より多いと本組成物が極端に増粘するか、その効果が飽和してしまい不経済である。
【0044】
次に、本発明において用いられる成分(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩は、高濃度の強アルカリ性水溶液中で塩析分離する成分(B)の洗浄用の界面活性剤や成分(C)の消泡剤、過飽和析出する成分(D)のキレート剤や成分(A)中の低溶解度アルカリビルダー等を、高濃度強アルカリ性水溶液中に安定に乳化分散するために必須である。なお、成分(E)の構造によっては、洗浄効果を向上させる目的としてのキレート剤としても働いていると解される。なお、成分(E)は、本発明の金属用アルカリ性液体洗浄剤中において、溶解もしくは微細分散しているものと考えられる。
【0045】
上記エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体としては、エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独重合体もしくはその2種以上からなる共重合体またはエチレン性不飽和有機酸モノマーの少なくとも1種と他のエチレン性モノマーの少なくとも1種との共重合体が挙げられる。このうち他のエチレン性モノマーとの共重合体としては、エチレン性不飽和有機酸モノマーの単位を70モル%以上、さらには90モル%以上含有する共重合体が、上記安定分散効果をもたらすために好ましい。
【0046】
上記エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体としてより詳しくは、例えば下記(1)に示すエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独重合体もしくはその2種以上からなる共重合体または下記(1)に示すエチレン性不飽和有機酸モノマーの少なくとも1種と下記(2)〜(6)のモノマーの少なくとも1種との共重合体が挙げられる。下記(1)のモノマーと下記(2)〜(6)のモノマーとの共重合体としては、下記(1)のモノマーの単位を70モル%以上、さらには90モル%以上含有する共重合体が、上記安定分散効果をもたらすために好ましい。
上記エチレン性不飽和有機酸モノマーとしては、下記(1)に示すようなエチレン性不飽和カルボン酸モノマーおよびエチレン性不飽和スルホン酸モノマーが挙げられるが、エチレン性不飽和カルボン酸モノマーがより好ましい。
【0047】
かくしてこれらのエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩中、好ましいものは、下記(1)のエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの単独重合体もしくはその2種以上からなる共重合体、もしくは下記(1)のエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの少なくとも1種と下記(2)〜(6)のモノマーの少なくとも1種との共重合体であって、該カルボン酸モノマーの単位を70モル%以上、さらには90モル%以上含有する共重合体、またはそれらのアルカリ金属塩であり、さらに好ましいものは、アクリル酸もしくはマレイン酸の単独重合体もしくは両者の任意割合の共重合体、もしくはアクリル酸およびマレイン酸の少なくとも1種と下記(2)〜(6)のモノマーの少なくとも1種との共重合体であって、該カルボン酸モノマーの単位を70モル%以上、さらには90モル%以上含有する共重合体、またはそれらのアルカリ金属塩である。
【0048】
エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体の塩としては、上記単独もしくは共重合体のアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩(例えばトリエチルアミン塩)等が挙げられる。また重合体中の有機酸モノマー単位はそのすべてが塩になっていても一部が塩になっていても良い。
なお、上述のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩として市販のものを用いることはもちろん可能であり、一般には水溶液として入手できる。
【0049】
本発明で使用するエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体は、成分(B)の洗浄用界面活性剤、成分(C)の消泡剤、成分(D)のキレート剤および成分(A)中の低溶解度アルカリビルダーの安定な分散を与えるために、分子量(=平均分子量)は、アクリル酸エステル樹脂を標準物質として用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合、1,000〜3,000,000であることが必要であり、1,000〜1,000,000であることが好ましく、1,000〜300,000であることがより好ましく、2,000〜150,000であることがより一層好ましく、3,000〜20,000であることがさらにより一層好ましい。分子量が1000未満であると分散安定性が劣り、3,000,000を超えると、成分(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩自体が極端に高粘度となり水溶液の濃度も高められなくなるため取扱性が非常に悪く、本発明の分散剤としての必要量が配合困難となる。
【0050】
(1)アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル等、これらのうち2塩基酸のハーフエステル等のエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のエチレン性不飽和スルホン酸モノマー
(2)N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のN−非置換もしくは低級アルキル置換メチロール基を有する(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(C=1〜8、特にC=1〜4)(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジ低級アルキル(メタ)アクリルアミド;N−ベンジル(メタ)アクリルアミド;N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー
【0051】
(3)ホスホニルオキシメチルアクリレート、ホスホニルオキシエチルアクリレート、ホスホニルオキシプロピルアクリレート、ホスホニルオキシメチルメタクリレート、ホスホニルオキシエチルメタクリレート、ホスホニルオキシプロピルメタクリレート等のホスホニルオキシ低級アルキル(メタ)アクリレート
(4)メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシメチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシメチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシブチルアクリレート等の低級アルコキシ低級アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ低級アルキル(メタ)アクリレート
(5)メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート等のアルキル(C=1〜8)(メタ)アクリレート、
(6)スチレン、メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、α位で分岐した飽和カルボン酸のビニルエステル、塩化ビニル、ビニルトルエン、エチレン等のその他のエチレン性モノマー。
なお上記(1)〜(6)において低級アルキル、低級アルコキシにおける「低級」は炭素数1〜4、特に1〜2であることを示す。
【0052】
本発明洗浄剤中、すなわち建浴用の一液型の本洗浄剤中、補給用の一液型の本洗浄剤中、建浴用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中、および補給用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中において、成分(E)であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩の配合量は0.1〜15重量%であることが必要であり、0.5〜10重量%であることが好ましく、0.5〜7重量%であることがより好ましい。この配合量が0.1重量%未満では分散安定性が不十分であり、15重量%を超えて配合すると本洗浄剤が極端に増粘するか、その効果が飽和してしまうので経済的に無駄となる。
なお、成分(E)の単独もしくは共重合体の分子量が増大すると粘性が上昇するので、配合量は分子量が100,000より大では1重量%以下、10,000〜100,000では5重量%以下にするのが好ましい。
【0053】
次に、本発明において用いられる成分(F)のスメクタイト系粘土鉱物は、高濃度アルカリ水溶液中で塩析分離する洗浄用界面活性剤および消泡剤を吸着することで、本発明の洗浄剤中でのこれらの界面活性剤成分の乳化分散安定性を強化するため、任意成分として、本洗浄剤中に含有させる。上記理由から成分(F)の二液型の本発明の洗浄剤への配合は不要であり、成分(F)は建浴用もしくは補給用の一液型の本発明の洗浄剤にのみ、任意的に含有させる。
【0054】
本発明において用いられる成分(F)のスメクタイト系粘土鉱物は、以下の一般式
[Si8(MgaLib)O20(OH)cF4−c]−xMe+x(0<a≦6、0<b≦6、4<a+b<8、0≦c≦4、x=12−2a−b、Me:Na、K、Li
およびNH4の少なくとも1種)を有する粘土鉱物である。この粘土鉱物は、天然にも産するが合成品としても得られる。
本発明において用いられるスメクタイト系粘土鉱物の具体的な例としては、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ヘクトライト等を挙げることができるが、粒子径が小さいことからヘクトライトが好ましい。ヘクトライトには天然ヘクトライトと合成ヘクトライトがあり、どちらも本発明において用いることができるが、一般により小さい粒子径を有する合成ヘクトライトがもっとも好ましい。
【0055】
スメクタイト系粘土鉱物は層状構造をしており、層状構造における結晶構造各層は、厚さ約1mμの二次元小板よりなっている。そしてこの小板ユニットに存在するマグネシウム原子とアルミニウム原子の一部が低原子価の陽イオン原子と同型置換しており、その結果小板ユニットは負に帯電している。乾燥状態ではこの負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換可能な陽イオンと釣り合っており、固相ではこれらの粒子はファンデルワールス力により互いに結合し平板の束を形成している。
このようなスメクタイト系粘土鉱物を水相に分散すると、置換可能な陽イオンが水和されて粒子が膨潤を起こし、高速ディソルバー等の通常の分散機を用いて分散させると安定なゾルを得ることができる。このように水相に分散された状態では小板は表面が負の電荷となり、相互に静電気的に反発し、小板状の一次粒子にまで細分化されたゾルになる。スメクタイト系粘土鉱物の水相分散物は厚さ約1mμの2次元小板すなわち方形または円板状のプレートでプレート面の一辺もしくは直径は20〜500mμであると考えられている。一次粒子の形状が厚さ約1mμで20〜40mμの直径を持つ円板状粒子である合成ヘクトライトが市販されている。
【0056】
建浴用および補給用の一液型の本洗浄剤中における成分(F)のスメクタイト系粘土鉱物の配合量は、0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.3重量%である。この配合量が0.01重量%未満では充分な効果が得られず、0.5重量%を超えると低温保管時の増粘や固化が起こりやすくなるほか、コスト的にも不利になる。
【0057】
本発明の建浴用で一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法は、アルカリ剤以外の配合成分を予め水に撹拌混合させながら最後にアルカリ剤を添加していく常法でも良いが、この場合は本発明洗浄剤の液安定性を高めるために、強力な剪断力を持ち合わせている撹拌設備を使用し長時間の撹拌を必要とする。
しかし、次のような製造方法を用いれば生産性の向上が期待できる。すなわち、成分(D)(キレート剤)を溶解した水溶液中もしくは成分(D)(全量)と成分(E)(エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩)の一部を溶解した水溶液中に、アルカリ剤濃度が40重量%以上、好ましくは40〜75重量%、さらに好ましくは45〜65重量%の濃度となるように成分(A)(アルカリ剤)を撹拌混合させていき、キレート剤の全量もしくは一部、またはキレート剤の全量もしくは一部とアルカリ剤の一部とが懸濁成分として析出している懸濁液▲1▼を調製した後に、成分(B)(洗浄用界面活性剤)と成分(C)(消泡剤)と成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)と水とを撹拌混合した液▲2▼を▲1▼に各種撹拌方法によって▲1▼を撹拌しながら少量ずつ添加し混合していく製法を用いるのが好ましい。
成分(F)(スメクタイト系粘土鉱物)を用いる場合には、上記▲2▼の液の調製を成分(F)を水に分散させた分散液に成分(B)、成分(C)および成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)を添加し、撹拌混合することにより行うのが好ましい。
具体的には、上記▲1▼に対して▲2▼を添加する時の▲1▼の温度を50℃以上、さらには60℃以上にするのが好ましく、撹拌設備は高剪断力を有するホモミキサー、ラインミキサー、ギヤポンプ等を用いるのが好ましい。
【0058】
また、補給用で一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤は、上記▲2▼として成分(B)を含有しないことを除いて同じ液を使用して上記と同様にして、または成分(B)を含有させる場合には上記と同様にして製造することができる。
また、建浴用もしくは補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤中のアルカリビルダー組成物を製造する場合には、上記▲2▼として成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)と水からなる液を使用すれば良い。また建浴用もしくは補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤中の界面活性剤組成物は、成分(C)のみよりなる場合はそのままで良いが、その他の場合には、成分(B)と成分(C)とをまたは成分(B)と成分(C)と水とを混合するか、または成分(C)と水とを混合することにより製造することができる。
【0059】
本発明の建浴用もしくは補給用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤は、一般にアルカリ剤(例えば水酸化ナトリウム)濃度換算で2〜5重量%に水で希釈した後、各種金属材料(冷延鋼板、電気めっき鋼板、アルミニウム材など)、特に冷延鋼板のような鉄鋼材料表面に付着した動植物油、グリース、鉱物油、圧延油、切削油、プレス油、伸線剤等の油性物質の汚れ、および金属粉の洗浄に適用することができる。
この洗浄は50〜80℃程度の処理液温度で浸漬洗浄、スプレー洗浄、電解洗浄などの方法で行うことができる。中でも洗浄効果がより優れている電解洗浄が好ましい。
【0060】
また、本発明の建浴用または補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤を使用するに際しては、アルカリビルダー組成物と界面活性剤組成物と水とを混合して上記と同様にして、洗浄に供しても良いし、アルカリビルダー組成物および界面活性剤組成物をそれぞれ別個に水で希釈して例えば別々のノズルから上記と同様なスプレー条件でスプレーするといった手法を取っても良い。いずれにせよ、使用に際してのアルカリビルダー組成物と界面活性剤組成物との使用比率は自由に変えられる訳ではなく、アルカリビルダー組成物と界面活性剤組成物と水との、金属に使用する時点での、混合物を調製したとした場合に、その中の各成分の濃度の比率が、建浴用か補給用かによって、本発明の建浴用の一液型の洗浄剤組成物または補給用の一液型の洗浄剤組成物中の上記した濃度の比率の範囲に入っている必要がある。
【0061】
【実施例】
以下に、本発明を下記実施例および比較例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1〜51および比較例1〜35
1.使用薬剤および洗浄剤組成物の調製
(1)使用薬剤
(A)アルカリ剤:
(A−1)水酸化ナトリウム(96%、試薬特級)
(A−2)オルソ珪酸ナトリウム(日本化学工業(株)製、粒状、純度90%以上)
(A−3)リン酸二水素ナトリウム無水物(関東化学(株)製、純度99%以上)
(B)洗浄用界面活性剤:
(B−1)ノニルフェノールエチレンオキサイド9モル付加物
HLB=12
(B−2)ノニルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物
HLB=16
(B−3)ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム
(B−4)ノニルフェノールエチレンオキサイド94モル付加物
HLB=19
【0062】
(C)消泡剤:
(C−1)多価アルコールエチレンオキサイド10モルプロピレンオキサイド20モル付加物
(C−2)ノニルフェノールエチレンオキサイド2モル付加物
(D)キレート剤:
(D−1)グルコン酸ナトリウム
(D−2)エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩
【0063】
(E)エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩 または他の重合体:
(E−1)ポリアクリル酸(分子量3,000)
(E−2)ポリアクリル酸(分子量10,000)
(E−3)ポリアクリル酸(分子量70,000)
(E−4)ポリアクリル酸(分子量150,000)
(E−5)ポリアクリル酸(分子量1,600,000)
(E−6)ポリマレイン酸(分子量20,000)
(E−7)アクリル酸とマレイン酸との共重合物(モル比率:アクリル酸/マレイン酸=70モル%/30モル%)(分子量10,000)
(E−8)アクリル酸とスチレンとの共重合物(モル比率:アクリル酸/スチレン=80モル%/20モル%)(分子量10,000)
(E−9)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量10,000)
(E−10)アクリル酸とスチレンとの共重合物(モル比率:アクリル酸/スチレン=50モル%/50モル%)(分子量10,000、比較品)
(E−11)ポリアクリル酸(分子量500、比較品)
(E−12)ポリアクリル酸ナトリウム(分子量4,300,000、比較品)
(E−13)ポリビニルアルコール(分子量1,500、ケン化度88モル%、比較品)
(E−14)ポリエチレングリコール(分子量20,000、比較品)
【0064】
(F)スメクタイト系粘土鉱物:
(F−1)市販の合成ヘクトライト[Si(MgLi)O(OH+F)]Na(一次粒子形状:厚さ1mμ、直径20〜40mμの小円板状)
(G)可溶化剤:
(G−1)2−メチル酪酸(特開平5−230498号公報で使用)
(G−2)オクテニルコハク酸(特公平3−46038号公報で使用)
【0065】
(2)洗浄剤組成物の調製
実施例および比較例に使用した各洗浄剤組成物は、上記各成分を用いて以下のようにして調製した。
▲1▼ (E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩または他の重合体の全配合量の1〜2割と(D)のキレート剤とを水に溶解した水溶液中に、撹拌下、アルカリ濃度が40重量%以上となるように(A)のアルカリ剤を混合させていき、(E)の一部、(A)および(D)を含有する懸濁液もしくは水溶液を得る。
▲2▼ 別容器にて(B)の洗浄用界面活性剤、(C)の消泡剤、および▲1▼で使用した残りの(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩または他の重合体、および場合によりさらに(F)のスメクタイト系粘土鉱物、または(G)可溶化剤を水に所定比率で配合した水溶液もしくは乳化液を得る。
ただし、建浴用および補給用の二液型金属用アルカリ性液体洗浄剤の場合には(B)の洗浄用界面活性剤および(C)の消泡剤を除く。
▲3▼ ▲1▼で作製した懸濁液もしくは水溶液をハイスピードミキサーにより6000rpmで攪拌しながら▲2▼で作製した水溶液もしくは乳化液を徐々に添加し、さらに1時間攪拌することにより一液型金属用アルカリ性液体洗浄剤(組成物)またはアルカリビルダー組成物を得た。
【0066】
2.試験方法
2.1 液安定性試験
上記で調製した各一液型アルカリ性液体洗浄剤またはアルカリビルダー組成物を常温(15℃または30℃)において静置もしくは連続撹拌し、分離、増粘、固化等の有無を目視で観察し、下記の液安定性評価基準にて評価した。
なお、実用面から製品の運搬時や貯蔵タンク内での保管期間を考慮した場合、静置状態で1日以上および撹拌状態で3日以上の製品安定性(△以上)が最低限必要である。
撹拌条件:各試験液200gをガラスビーカーに取った後に密閉し、マグネットスターラーを用いた300rpmの回転速度にて撹拌した。
【0067】
2.2 洗浄性試験
上記で調製した各建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤をアルカリ剤濃度として2重量%になるように水で希釈して洗浄液を得る。各洗浄液を80℃に加温し、これを用いて合成エステル系圧延油が付着した鋼板を電解洗浄し、その後ただちに水洗を行い、15秒間放置した後の水濡れ面積を目視評価した。電解洗浄の条件は電流密度:4A/dm、処理時間:鋼板が陰極で1秒、ついで鋼板が陽極で1秒。
【0068】
2.3 発泡性試験
上記で調製した各建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤をアルカリ剤濃度として2重量%になるように水で希釈して洗浄液を得る。各洗浄液を50℃に加温し、100mlの有栓メスシリンダーに50ml採取する。採取後直ちに有栓メスシリンダーを1秒間に1回の割合で30回振盪し、振盪直後の泡の高さを有栓メスシリンダーの目盛りから測定した。
【0069】
2.4 コスト
上記で調製した各建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤をアルカリ剤濃度として2重量%になるように水で希釈した場合において、その中の従来品の原料原価を100として相対的に評価した。従来品としては後述の表2中の比較例14を使用した。
【0070】
表1には建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤の実施例1〜28、表2には建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤の比較例1〜20、表3には補給用一液型アルカリ性液体洗浄剤の実施例29〜40および比較例21〜28、表4には建浴用および補給用の二液型アルカリ性液体洗浄剤の実施例41〜51および比較例29〜35の各アルカリ性液体洗浄剤の組成と上記試験方法および評価方法に基づき試験を行った結果を示す。なお、表3の補給用一液型アルカリ性液体洗浄剤については液安定性評価結果のみを示し、表4の建浴用および補給用二液型アルカリ性液体洗浄剤についてはアルカリビルダー組成物の液安定性評価結果のみを示した。
表1に示した実施例1〜28では液安定性、洗浄性、発泡性およびコストの面で総合的にバランスが取れており、表3に示した実施例29〜40および表4に示した実施例41〜51においても液安定性に優れ、本発明の目的を実用上満足するものであった。
【0071】
一方、表2に示した比較例1〜20では液安定性、洗浄性、発泡性およびコストのいずれかの評価項目が劣っており、また表3に示した比較例21〜28および表4に示した比較例29〜35では液安定性が劣っていた。
すなわち、エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩(E)が入っていないか、分子量が外れているか、エチレン性不飽和有機酸モノマーの共重合比率が70モル%未満であるか、または異なる重合体を使用した比較例1〜7、21〜25および29〜33では液安定性が劣っていた。洗浄用界面活性剤(B)が含まれない比較例8やHLBの範囲を外れた界面活性剤を使用した比較例9では洗浄性が劣っていた。消泡剤が含まれていない比較例10では発泡性が高かった。キレート剤(D)が含まれていない比較例11では洗浄性が劣っていた。また、従来技術である特公平3−46038号もしくは特開平5−230498号公報に記載の可溶化剤を使用した比較例14、15および17では洗浄性および液安定性は良好であるがコスト高であり、可溶化剤を使用して高濃度化を試みた比較例13、28、34および35と比較的親油性の高い高性能消泡剤(C−1)を使用した比較例16では液安定性が劣っていた。また、アルカリ剤(A)、キレート剤(D)、エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩(E)などの配合量が本発明範囲外である比較例12、18〜20、26および27では液安定性が劣っていた。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】
本発明の組成物は、従来品のように高濃度の強アルカリ剤中に多量の可溶化剤を添加し塩析分離を回避させる必要がなく、常温一液型で経時後の乳化安定性も良好で、かつ洗浄性も従来品と同等以上で、かつ低コスト品であるので、作業効率の向上や低コスト化に大きく貢献する。また、従来技術による高濃度化にて多量に配合されていた洗浄必須成分以外の有機物である可溶化剤を使用しないことからBODやCODも低減化できるため、従来品よりも廃水処理性が良好である。さらに、溶解タイプではなくて乳化分散タイプの懸濁液であることから、比較的低溶解度であるアルカリビルダー成分の高濃度化、洗浄用界面活性剤および消泡剤成分の選択性の拡大、洗浄用界面活性剤および消泡剤成分の配合バランスの自由度の拡大により、使用状況に則した洗浄剤の設計が可能となり、実用上の効果はかなり大きいと言える。
Claims (14)
- (A)アルカリ剤38〜70重量%(洗浄剤全体の重量に対する値である、特許請求の範囲の記載において以下同様)と、(B)洗浄用界面活性剤0.1〜20重量%と、(C)消泡剤0.01〜10重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体(他のエチレン性モノマーとの共重合体も含む、特許請求の範囲の記載において以下同様)またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有し、キレート剤がアミノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩とオキシカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩との組合せよりなり、キレート剤の全量または一部が析出し懸濁成分として分散していることを特徴とする、懸濁状で建浴用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤(ただし、該洗浄剤はグリセロールもポリグリセロールも含有しないか、両者の少なくとも一方を含有するとしても全体として0.5重量%未満でしか含有しないものとする)。
- (A)アルカリ剤38〜70重量%と、(C)消泡剤0.01〜25重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体又はその塩0.1〜15重量%と、水とを含有し、キレート剤がアミノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩とオキシカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩との組合せよりなり、キレート剤の全量または一部が析出し懸濁成分として分散していることを特徴とする、懸濁状で補給用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤(ただし、該洗浄剤はグリセロールもポリグリセロールも含有しないか、両者の少なくとも一方を含有するとしても全体として0.5重量%未満でしか含有しないものとする)。
- (B)洗浄用界面活性剤0より大で25重量%以下をさらに含有する請求項2記載の補給用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- (F)スメクタイト系粘土鉱物0.01〜0.5重量%をさらに含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- (A)アルカリ剤38〜70重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有し、キレート剤がアミノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩とオキシカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩との組合せよりなり、キレート剤の全量または一部が析出し懸濁成分として分散していることを特徴とする懸濁状の組成物(ただし、該洗浄剤はグリセロールもポリグリセロールも含有しないか、両者の少なくとも一方を含有するとしても全体として0.5重量%未満でしか含有しないものとする)(以下、アルカリビルダー組成物という)と、これと組み合わせて使用するための、(B)洗浄用界面活性剤と(C)消泡剤とを含有するか成分(B)と成分(C)と水とを含有する組成物であって、そのままでもしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0.1〜20重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜10重量%となる組成物(以下、界面活性剤組成物という)よりなる、建浴用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- (A)アルカリ剤38〜70重量%と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩0.1〜15重量%と、水とを含有し、キレート剤がアミノカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩とオキシカルボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩との組合せよりなり、キレート剤の全量または一部が析出し懸濁成分として分散していることを特徴とする懸濁状の組成物(ただし、該洗浄剤はグリセロールもポリグリセロールも含有しないか、両者の少なくとも一方を含有するとしても全体として0.5重量%未満でしか含有しないものとする)(以下、アルカリビルダー組成物という)と、これと組み合わせて使用するための、(C)消泡剤、または消泡剤と水とを含有する組成物(以下、消泡剤単独からなる場合も含め、便宜上、界面活性剤組成物というものとする)よりなる、補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- 界面活性剤組成物が、(B)洗浄用界面活性剤をさらに含有する組成物であって、そのままでもしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0より大〜25重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜25重量%となる組成物である請求項6記載の補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- 前記アルカリ剤(成分(A))が水酸化ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウムもしくはリン酸水素ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし7のいずれかに記載の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- 前記洗浄用界面活性剤(成分(B))が、HLBが8以上18以下のノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし8のいずれかに記載の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- 前記エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体(他のエチレン性モノマーとの共重合体も含む、特許請求の範囲の記載において以下同様)またはその塩(成分(E))が、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸とマレイン酸の共重合体、アクリル酸単位および/またはマレイン酸単位を70モル%以上含有する共重合体、およびかかる単独もしくは共重合体の塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし9のいずれかに記載の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- 一液型の場合、使用時のアルカリ剤濃度となるよう水で希釈し、二液型の場合、アルカリビルダー組成物を水で希釈するか、アルカリビルダー組成物、界面活性剤組成物および水を混合して、使用時のアルカリ剤濃度となるようにした請求項1ないし10のいずれかに記載の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
- 成分(D)(キレート剤)を溶解した水溶液中または成分(D)(全量)と成分(E)(分子量が1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩)の一部を溶解した水溶液中に、アルカリ剤濃度が40重量%以上の濃度となるように成分(A)(アルカリ剤)を攪拌混合していき、成分(D)の全量もしくは一部、または成分(D)の全量もしくは一部とアルカリ剤の一部とが懸濁成分として分散している懸濁液▲1▼を調製した後に、成分(B)(洗浄用界面活性剤)と成分(C)(消泡剤)と成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)と水とを攪拌混合した液▲2▼を、▲1▼に▲1▼を攪拌しながら少量ずつ添加し混合することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法。
- 請求項12記載の懸濁液▲1▼に、成分F(スメクタイト系粘土鉱物)を水に分散させた分散液に、成分(B)、成分(C)および成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)を添加するかまたは成分(C)および成分(E)(全量もしくは▲1▼で使用の残り)を添加し、攪拌混合した液▲2▼を、▲1▼を攪拌しながら少量ずつ添加し混合することを特徴とする請求項4記載の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法。
- 請求項11記載の金属用アルカリ性液体洗浄剤による金属材料の洗浄を電解洗浄により行う金属材料の洗浄方法。
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