JPH11181587A - 金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法 - Google Patents

金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法

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JPH11181587A
JPH11181587A JP32690497A JP32690497A JPH11181587A JP H11181587 A JPH11181587 A JP H11181587A JP 32690497 A JP32690497 A JP 32690497A JP 32690497 A JP32690497 A JP 32690497A JP H11181587 A JPH11181587 A JP H11181587A
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忍 小見山
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禎浩 林
Kiyousuke Hori
亨介 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解洗浄に供するための、高濃度のキレート
剤やアルカリビルダー、さらには消泡剤を含む界面活性
剤を乳化分散もしくは溶解した金属用アルカリ性洗浄剤
の提供。 【解決手段】 (A)アルカリ剤35〜70重量%と、
(E)分子量が1,000〜3,000,000である
エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合
体、またはその塩と、(B)洗浄用界面活性剤、(C)
消泡剤および(D)キレート剤から選ばれる少なくとも
1種と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状で建
浴用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤、これを2
つに分けた建浴用の二液型の洗浄剤、それらから一部を
欠く補給用の一液型または二液型の洗浄剤、これらの希
釈物、およびその製造方法およびそれを用いる電解洗浄
方法。界面活性剤の乳化分散性を強化するため、さらに
(F)スメクタイト系粘土鉱物を含有させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄性、経時後の
液安定性に優れ、高濃度のアルカリ成分を含んでいて
も、溶解度以上の高濃度の洗浄剤有効成分を均一な乳化
分散状態で含有し、かつ低コスト化も可能な、常温保管
型の金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造およ
び使用方法に関する。本発明の金属用アルカリ性液体洗
浄剤による金属の洗浄は通常電解洗浄により行う。
【0002】
【従来技術】通常、工業用金属材料表面には動植物油
脂、グリース、鉱物油、圧延油、切削油、プレス油、伸
線剤等の油性物質等の汚れが付着しており、更に金属粉
等が前記汚れに混入している場合もある。これらの汚れ
は後工程、例えば焼鈍工程、めっき、塗装前処理工程、
塗装工程の前段にて除去しておく必要があり、一般にア
ルカリ剤と界面活性剤とキレート剤とを含有した金属用
アルカリ性洗浄剤により前記汚れを除去している。
【0003】これらの金属用アルカリ性洗浄剤に使用さ
れているアルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属の水酸化物やオルソ珪酸ナト
リウム、メタ珪酸ナトリウム等の珪酸のアルカリ金属塩
やリン酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等があり、主とし
て動物油や植物油のような油脂のケン化反応等の種々の
用途に用いられている。
【0004】次に界面活性剤としては洗浄用界面活性剤
と消泡用界面活性剤とに大別できる。洗浄用界面活性剤
はノニオン性界面活性剤の単独使用、ノニオン性界面活
性剤とアニオン性界面活性剤の併用にて使用されている
ケースがほとんどであり、前述の汚れに対して界面活性
剤の持つ浸透作用、乳化作用、分散作用によって汚れを
除去する。消泡用界面活性剤としてはノニオン性界面活
性剤にて比較的HLBの低いタイプやアルコール等を使
用しているケースが一般的であり、洗浄用界面活性剤に
起因する発泡に対する消泡作用、前記汚れ成分中の可ケ
ン化物質がアルカリ成分によってケン化されて生成する
石鹸による発泡を抑制する作用を持つものである。
【0005】キレート剤は主として圧延工程、切削工
程、プレス工程等で発生する鉄粉等の金属粉の除去作用
およびアニオン性界面活性剤を使用した場合に工業用水
中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の硬水成分が
アニオン性界面活性剤と不溶性塩類を形成して界面活性
能が低下するのを防止する作用、いわゆる硬水成分の封
鎖作用を有する。一般に用いられる金属用アルカリ性洗
浄剤は上記各成分の総合作用により優れた洗浄力を発揮
するのである。
【0006】これら、従来の工業用アルカリ性洗浄剤は
通常濃縮状態にて供給され使用時に希釈して用いるが、
強アルカリビルダー(主としてアルカリ金属水酸化物を
いう)による界面活性剤の塩析作用や低溶解度ビルダー
(主としてアルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属のリン酸
塩やポリリン酸塩等をいう)の結晶析出現象等により、
濃縮状態での液体化が困難であるため、薬品の供給は粉
末またはフレーク状の強アルカリビルダーに対して界面
活性剤、キレート剤等を混合した粉末状態、もしくはア
ルカリビルダーとキレート剤の水溶液と界面活性剤水溶
液との二液型にて行ってきた。しかしながら、粉末状態
の洗浄剤ではユーザーにて一定濃度の水溶液となるよう
に溶解してから使用する必要があり、かつ空気中に飛散
したミストや溶解した溶液の皮膚への付着等の作業性、
作業環境の悪さが指摘されていた。また、二液型洗浄剤
の場合にはアルカリビルダー水溶液と界面活性剤水溶液
を別々に補給することになり、成分バランスを確保する
のが難しいといった液管理の問題があり、また必要充分
量のキレート剤や低溶解度ビルダーを含有し、濃縮化さ
れたアルカリビルダー水溶液は結晶析出現象等により、
常温保管が困難であった。したがって、これらの洗浄剤
を使用するユーザーからは、必要充分量の洗浄剤成分を
含有し、濃縮化されたアルカリ性液体洗浄剤の開発が切
望されていた。
【0007】これまでに上記の要求に対して、アルカリ
ビルダーに可溶化剤等の溶解助剤を配合し均一透明な一
液型アルカリ洗浄剤の製造を可能にした(1)から
(3)が報告されているので以下にその概要を示す。 (1)特開昭64−4226号公報には (a)強アルカリ剤3〜50重量% (b)HLB3〜18の非イオン界面活性剤0.01〜
30重量%、および (c)一般式:RCOOMで表される可溶化剤0.01
〜30重量% (式中、Rは炭素数4〜14の直鎖脂肪族炭化水素基ま
たは炭素数4〜18の分岐鎖脂肪族炭化水素基を示し、
Mは水素、アルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミ
ン、アンモニアまたはアルカノールアミンを示す) を含有し、pH10以上であることを特徴とする非イオ
ン界面活性剤の強アルカリ性水溶液が開示されている。
【0008】(2)特公平3−46038号公報には (a)強アルカリ剤3〜50重量% (b)HLB3〜18の非イオン界面活性剤0.01〜
30重量%、および (c)一般式:R−X−(CH COOMで表される可
溶化剤0.01〜30重量% (式中、Xは=NH、=N(CH)COOMまたは=C
HCOOMを示し、Rは炭素数4〜18の飽和もしくは
不飽和の脂肪族炭化水素基またはアリル基(注:アリー
ル基の誤植と解される)を示し、Mはアルカリ金属、炭
素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニアまたはアルカノ
ールアミンを示す。mおよびnは各1〜3の整数を示
す。) を含有し、pH10以上であることを特徴とする強アル
カリ性洗浄剤組成物が開示されている。
【0009】(3)特開平5−230498号公報には (a)強アルカリ剤25〜40重量% (b)HLB3〜18の非イオン界面活性剤0.1〜7
重量% (c)アミノポリカルボン酸型キレート剤およびオキシ
カルボン酸型キレート剤から選ばれる一種以上のキレー
ト剤0.2〜10重量%、および (d)2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、およびそれら
のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩から選ばれる一
種以上の化合物0.5〜15重量% を含有する高濃度強アルカリ性水溶液組成物が開示され
ている。
【0010】しかしながら、上記(1)から(3)の発
明にて開示されているような可溶化剤を使用した溶解型
一液アルカリ洗浄剤の場合、脱脂性は良好であるが、一
液型アルカリ洗浄剤の原料費に対する可溶化剤のコスト
比率が大きいことによる薬剤原価の増加、さらには強ア
ルカリ剤の濃縮化としての限界が20〜30%程度まで
と充分に高濃縮化されていないために、実用上の補給薬
剤の納入回数が多いことによる薬剤輸送費の増加に起因
した高コスト化の問題がある。これを改善するために、
一液型アルカリ洗浄剤のさらなる高濃度化をすると可溶
化剤自体が塩析することで溶解助剤としての効果を失
い、しかもアルカリビルダーやキレート剤などを常温で
の溶解度以上に高濃度化すると、それらが結晶析出する
ことによる沈殿や分離などが生じるため、常温一液型洗
浄剤の充分な高濃度化にはおおきな制約となっていた。
さらに、より良好な洗浄性を求めるためにHLBの高い
ノニオン性界面活性剤を可溶化する場合には可溶化剤の
添加量を増加させる必要があるが、その増加には上に述
べたような制限があり、また消泡力の良好なHLBの低
いノニオン性界面活性剤を可溶化する場合には塩析分離
して可溶化できない等の問題から被可溶化合物の選択が
自由に行えず、またライン操業上、充分な量の消泡剤を
含有させることができずに別途での添加を余儀なくされ
ているのも現状である。さらに、一液化に際して多量に
使用される可溶化剤による高COD化が原因となる廃水
処理性への負荷などが問題視されている。
【0011】そこでこれらの問題の解消を目指した以下
の(4)および(5)の発明が出願されているので以下
にその概要を示す。 (4)特開平7−41974号公報には アルカリ剤を10〜35(NaO基準)重量%および一
分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物を
0.1〜20重量%含有することを特徴とする高濃度一
液型アルカリ洗浄剤組成物、それを希釈してなる洗浄剤
組成物、並びに前記の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物の製造方法が開示されている。この発明で示される高
濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物は優れたスラリー安定
化剤を含むため、高アルカリ濃度において通常難溶性の
アルコール、界面活性剤、脂肪酸、キレート剤等を配合
することができ、洗浄剤に要求される高洗浄、低CO
D、低コストのすべてをかなりな程度に満足するもので
あり、より安定した製品としてユーザーに提供すること
ができる。
【0012】(5)特開平7−41975号公報は特開
平7−41974号の関連出願であり、アルカリ剤を1
0〜35(NaO基準)重量%および一分子中に2〜6
個の極性基を有する脂肪族化合物を0.1〜20重量%
含有することを特徴とする高濃度一液型アルカリ洗浄剤
組成物、それを希釈してなる洗浄剤組成物、並びに前記
の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物の製造方法が開示
されている。この発明で示される高濃度一液型アルカリ
洗浄剤組成物は優れたスラリー安定化剤を含むため、高
アルカリ濃度において通常難溶性のアルコール、界面活
性剤、脂肪酸、キレート剤等を配合することができ、洗
浄剤に要求される高洗浄、低COD、低コストのすべて
をかなりな程度に満足するものであり、より安定した製
品としてユーザーに提供することができる。
【0013】(4)、(5)で示される発明は現在切望
されている高洗浄性、低コスト化、低COD化等の要求
に対してかなり改善されているが、常温保管可能なオル
ソ珪酸ナトリウムなどの低溶解度ビルダー含有薬剤の開
発、さらなるアルカリビルダーの高濃度化による低コス
ト化、さらなる低COD化等の要求が出されており、現
状ではこれらの要求を満足するような液体洗浄剤組成物
は得られていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術が抱える問題点を解決しようとしたものであり、水酸
化ナトリウムなどのアルカリ性ビルダーの濃度を35重
量%以上とし、本来は過飽和析出により安定に含有させ
ることができない消泡剤を含む界面活性剤を始め、キレ
ート剤、低溶解度アルカリビルダーなどを含めた高濃度
の洗浄剤有効成分を均一に乳化分散することにより常温
での一液化を可能にし、低CODで廃水処理性も良く、
経時後の乳化分散安定性も良好で、洗浄性も従来品と同
等以上の常温一液型の懸濁状の金属用アルカリ性液体洗
浄剤を提供することを目的とする。本発明はさらに、高
濃度のキレート剤や低溶解度アルカリビルダーを均一に
乳化分散した水性のアルカリビルダー組成物と消泡剤を
含む界面活性剤を含有する水性の界面活性剤組成物より
なる二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤を提供するこ
とをも目的とする。本発明はさらに上記一液型の金属用
アルカリ性液体洗浄剤の製造方法、および上記金属用ア
ルカリ性液体洗浄剤の使用方法を提供することをも目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記従来技
術の抱える問題点を解決するための手段について鋭意検
討を重ねた結果、35〜70重量%の高濃度のアルカリ
剤と、洗浄用界面活性剤と消泡剤とキレート剤とを含有
するか、該アルカリ剤とキレート剤とを含有するアルカ
リ性水溶液の中に、塩析分離した洗浄用および消泡用界
面活性剤、析出したキレート剤および場合によりさらに
過飽和により析出したアルカリ剤を、経時後でも、安定
に分散できる物質として、1,000〜3,000,0
00の分子量を持つエチレン性不飽和有機酸モノマーの
単独もしくは共重合体、またはその塩を配合することに
より、上記課題を解決できることを見出し、本発明を解
決するに至った。
【0016】すなわち、本発明は、そのもっとも広い範
囲として、(A)アルカリ剤と、(E)分子量が1,0
00〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機
酸モノマーの単独もしくは共重合体(他のエチレン性モ
ノマーとの共重合体も含む、以下同様)、またはその塩
と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状の金属用
アルカリ性液体洗浄剤に関する。本発明は、次に広い範
囲として、(A)アルカリ剤35〜70重量%(洗浄剤
全体の重量に対する値である、特許請求の範囲の記載に
おいて以下同様)と、(E)分子量が1,000〜3,
000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマー
の単独もしくは共重合体、またはその塩と、(B)洗浄
用界面活性剤、(C)消泡剤および(D)キレート剤か
ら選ばれる少なくとも1種と、水とを含有することを特
徴とする、懸濁状の金属用アルカリ性液体洗浄剤に関す
る。
【0017】より詳細には、本発明は、(A)アルカリ
剤35〜70重量%と、(B)洗浄用界面活性剤0.1
〜20重量%と、(C)消泡剤0.01〜10重量%
と、(D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分
子量が1,000〜3,000,000であるエチレン
性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、また
はその塩0.1〜15重量%と、水とを含有することを
特徴とする、懸濁状で建浴用の一液型の金属用アルカリ
性液体洗浄剤(組成物)に関する。本発明はまた、上記
一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤を二液型とした
(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(D)キレート
剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜
3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノ
マーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜1
5重量%と、水とを含有する懸濁状の組成物(以下、ア
ルカリビルダー組成物という)と、これと組み合わせて
使用するための、(B)洗浄用界面活性剤と(C)消泡
剤とを含有するか成分(B)と成分(C)と水とを含有
する組成物であって、そのままでもしくは水で希釈した
際に成分(B)の濃度が0.1〜20重量%のときに成
分(C)の濃度が0.01〜10重量%となる組成物
(以下、界面活性剤組成物という)よりなる、建浴用の
二液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤に関する。
【0018】また洗浄用界面活性剤として働く成分が洗
浄工程中に生ずる場合があり、この場合の補給剤には洗
浄用界面活性剤は必要でない。したがつて、本発明はま
た(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(C)消泡剤
0.01〜25重量%と、(D)キレート剤0.1〜2
0重量%と、(E)分子量が1,000〜3,000,
000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独も
しくは共重合体、またはその塩0.1〜15重量%と、
水とを含有することを特徴とする、懸濁状で補給用の一
液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤(組成物)、さらに
また、(A)アルカリ剤35〜70重量%と、(D)キ
レート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,0
00〜3,000,000であるエチレン性不飽和有機
酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.
1〜15重量%と、水とを含有する懸濁状の組成物(以
下、アルカリビルダー組成物という)と、これと組み合
わせて使用するための、(C)消泡剤、または消泡剤と
水とを含有する組成物(以下、消泡剤単独からなる場合
も含め、便宜上、界面活性剤組成物というものとする)
よりなる、補給用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄
剤にも関する。
【0019】上記補給用の一液型の本発明の洗浄剤は、
洗浄用界面活性剤としての成分(B)を0から大で25
重量%以下含有するのが通常好ましく、また上記補給用
の二液型の本発明の洗浄剤中の界面活性剤組成物は、成
分(B)をさらに含有する組成物であって、そのままで
もしくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0より大
〜25重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜2
5重量%となる組成物であるのが通常好ましい。
【0020】本発明の一液型の洗浄剤には、高濃度アル
カリ剤水溶液中で塩析分離する洗浄用界面活性剤および
消泡剤を吸着することでその乳化分散安定性を強化する
ため、任意成分としてスメクタイト系粘土鉱物を含有さ
せるのが好ましい。
【0021】本金属用アルカリ性液体洗浄剤において、
前記アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、オルソ珪酸
ナトリウムおよびリン酸ナトリウム(もしくはリン酸水
素ナトリウム)から選ばれる少なくとも1種であること
が好ましく、また、前記エチレン性不飽和有機酸モノマ
ーの単独もしくは共重合体またはその塩は、ポリアクリ
ル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸とマレイン酸との共
重合体、アクリル酸単位および/またはおよびマレイン
酸単位を70モル%以上含有する共重合体、およびかか
る単独もしくは共重合体の塩から選ばれる少なくとも1
種であることが好ましい。
【0022】本発明はまた上記各態様の洗浄剤を使用時
のアルカリ剤濃度に希釈した金属用アルカリ性液体洗浄
剤に関する。本発明はまた成分(D)(キレート剤)を
溶解した水溶液中または成分(D)(全量)と成分
(E)(分子量が1,000〜3,000,000であ
るエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重
合体、またはその塩)の一部を溶解した水溶液中に、ア
ルカリ剤濃度が40重量%以上の濃度となるように成分
(A)(アルカリ剤)を攪拌混合させていき、キレート
剤の全量もしくは一部、またはキレート剤の全量もしく
は一部とアルカリ剤の一部とが懸濁成分として析出して
いる懸濁液を調製した後に、成分(B)(洗浄用界面
活性剤)と成分(C)(消泡剤)と成分(E)(全量も
しくはで使用の残り)と水とを攪拌混合した液または
成分(C)と成分(E)(全量もしくはで使用の残
り)と水とを攪拌混合した液を、にを攪拌しなが
ら少量ずつ添加し混合することを特徴とする本発明の一
液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法に関す
る。この製造方法によって一液型の金属用アルカリ性洗
浄剤を効率よく製造できる。成分(F)のスメクタイト
系粘土鉱物を含有させる場合には上記の液の調製を成
分(F)を水に分散させた分散液に成分(B)、成分
(C)および成分(E)(全量もしくはで使用の残
り)を添加するかまたは成分(C)および成分(E)
(全量もしくはで使用の残り)を添加し、撹拌混合す
ることにより行うのが好ましい。本発明はさらに上記希
釈した金属用アルカリ性液体洗浄剤による金属材料の洗
浄を電解洗浄により行う方法に関する。
【0023】なお、本発明の上記の建浴用の一液型の金
属用アルカリ性洗浄剤、建浴用の二液型の金属用アルカ
リ性洗浄剤、補給用の一液型の金属用アルカリ性洗浄
剤、および補給用の二液型の金属用アルカリ性洗浄剤
は、金属用アルカリ性液体洗浄剤である点で産業上の利
用分野が同一であり、かつアルカリ性ビルダーの濃度を
より高め、キレート剤の濃度もより高めても経時後の乳
化分散性の良好な金属用アルカリ性液体洗浄剤を提供す
る点において解決しようとする課題が共通しているの
で、特許法第37条第1号の要件を満足すると解され
る。また、上記4種の金属用アルカリ性洗浄剤は、少な
くともアルカリ剤、キレート剤および水を含む系に成分
(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしく
は共重合体またはその塩を存在させ、それにより安定分
散系を作り出すという点で共通している。したがって、
これらはお互いに主要部が同一である発明でもあるの
で、特許法第37条第2号の要件をも満足すると解され
る。また、本発明の金属用アルカリ性洗浄剤の製造方法
および使用方法は特許法第37条第3号の要件を満足す
ると解される。すなわち、本特許出願はいわゆる出願の
単一性要件を満足するものであると解される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。まず、説明に当っての一般的原則について述べてお
くと、発明に関して与えられた目的に適当であるか好ま
しいとして一群のもしくはひとクラスの物質が記載され
て入る場合には、その群のもしくはクラスのメンバーの
2以上の混合物も同様に適当であるか好ましいものと
し;また化学用語での成分の記載は、明細書中に特定さ
れたいずれかの組合せにするための添加の時点での該成
分に関するものであって、一旦混合された後の混合物の
成分の間での化学的相互作用を必ずしも排除するもので
はないものとし;また建浴剤は新たに洗浄浴として使用
する時(建浴時)の、または建浴時から定常状態に至る
までの洗浄性を確保するための洗浄剤を意味し、補給剤
は途中でのまたは定常状態での補給に使用する洗浄剤を
意味するものとする。
【0025】本発明の金属用アルカリ性液体洗浄剤にお
いて用いられる成分(A)のアルカリ剤としては、水溶
性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具
体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪
酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸カリウム
等のアルカリ金属珪酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水
素ナトリウム(NaHPO、NaHPO)、リン酸カリ
ウム、リン酸水素カリウム(KHPO、KHPO)等の
アルカリ金属のリン酸塩もしくはリン酸水素塩、トリポ
リリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等のアル
カリ金属ポリリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等のアルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。これらは各単
独でまたは2種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0026】成分(A)は構成成分としてアルカリ金属
水酸化物を必ずしも含まなくて良いが、通常アルカリ金
属水酸化物、特に水酸化ナトリウム1モル%以上と、1
00モル%でない場合、他のアルカリ剤、好ましくはア
ルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属リン酸塩もしくはアル
カリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属ポリリン酸塩等の
低溶解度アルカリビルダーの少なくとも1種、特にオル
ソ珪酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウムもしくはリ
ン酸水素ナトリウムの少なくとも1種とから構成される
のが好ましい。また、アルカリ金属リン酸塩もしくはア
ルカリ金属リン酸水素塩、またはアルカリ金属ポリリン
酸塩を用いる場合、通常アルカリ金属水酸化物を(通常
倍モル以上)併用することが好ましい。
【0027】本発明洗浄剤中、すなわち建浴用の一液型
の本洗浄剤中、補給用の一液型の本洗浄剤中、建浴用の
二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中、
および補給用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビル
ダー組成物中の成分(A)のアルカリ剤の配合量は、3
5〜70重量%であることが必要であり、35〜65重
量%であることが好ましく、35〜60重量%であるこ
とがより好ましく、35〜55重量%であることがより
一層好ましく、38〜50重量%であることがさらによ
り一層好ましい。この配合量が35重量%未満ではキレ
ート剤や低溶解度アルカリビルダーの過飽和析出成分を
安定に分散させた懸濁液を調製することが困難であるた
めに液安定性が保てず、さらに本発明の目的である充分
な高濃縮化の領域とは言えず意味がなくなってくる。ま
た、70重量%より多いと一液型の本洗浄剤や、二液型
の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物の極端な増
粘や固化が起こりやすくなる。成分(A)の配合量につ
いてさらに詳しくは、成分(A)がアルカリ金属水酸化
物、特に水酸化ナトリウム単独よりなる場合には、成分
(A)の配合量は35〜60重量%が好ましく、35〜
55重量%がより好ましく、37〜50重量%がより一
層好ましい。成分(A)がアルカリ金属珪酸塩、特にオ
ルト珪酸ナトリウム単独よりなる場合には、成分(A)
の配合量は35〜45重量%が好ましく、35〜40重
量%がより好ましい。成分(A)がアルカリ金属水酸化
物、特に水酸化ナトリウムとアルカリ金属珪酸塩、特に
オルト珪酸ナトリウムからなる場合には、成分(A)の
配合量は35〜50重量%が好ましく、35〜45重量
%がより好ましく、37〜43重量%がより一層好まし
い。成分(A)がアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナ
トリウムとアルカリ金属のリン酸塩もしくはリン酸水素
塩、特にリン酸ナトリウムもしくはリン酸水素ナトリウ
ムとからなる場合には、成分(A)の配合量は35〜6
5重量%が好ましく、45〜60重量%がより好まし
い。
【0028】本発明洗浄剤中での前記アルカリ剤成分中
のアルカリ金属水酸化物については比較的溶解度が高い
ために、溶解成分もしくは溶解度を超えた状態で懸濁成
分として存在していると考えられるが、その他の低溶解
度アルカリビルダーについては、そのほとんどが析出し
た懸濁成分として存在しているものと考えられる。その
効果の機構については定かではないが、本発明の組成物
中に溶解もしくは微細分散している、後述の分子中にエ
チレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体
またはその塩、すなわち成分(E)が、溶解度を超えて
析出しているアルカリビルダー成分の粒子間に侵入して
粒子間の接近を妨げる効果、または粒子表面への高分子
吸着での結晶成長抑制効果および立体安定化効果、イオ
ン化できる基を持つ水溶性高分子の吸着による静電的な
反発力で安定化する静電効果、それらの相乗的効果など
による分散作用にて安定分散されるものと考えられる。
【0029】本発明において用いられる成分(B)の洗
浄用界面活性剤としては、HLB8以上18以下のノニ
オン性界面活性剤をまず挙げることができる。該ノニオ
ン性界面活性剤は洗浄性向上剤として非常に有用であ
り、浸透性、乳化性、分散性および起泡性を有するもの
である。また、アニオン性界面活性剤も洗浄性向上剤と
して使用できるが、比較的高発泡性であること、水中の
硬度成分となるカルシウムイオン、マグネシウムイオン
により不溶性の塩を作る場合があり、洗浄後の水洗にお
いて除去され難いこと等の欠点があるので、アニオン性
界面活性剤の単独使用よりもノニオン性界面活性剤の単
独使用もしくはノニオン性界面活性剤とアニオン性界面
活性剤の併用にて使用することが好ましい。すなわち、
併用の場合、全体の少なくとも80重量%がノニオン性
界面活性剤であることが好ましい。また成分(B)とし
てはカチオン性界面活性剤や両性界面活性剤も、必要に
応じ、各単独でもしくは上記界面活性剤と併用して用い
ることができる。
【0030】本発明で洗浄性向上剤として使用できるノ
ニオン性界面活性剤の例を下記(a)に、アニオン性界
面活性剤の例を下記(b)に、カチオン性界面活性剤の
例を下記(c)に、両性界面活性剤の例を下記(d)に
示すが、本発明においては特にこれらに限定される訳で
はない。 (a)ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C1
6)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常
C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテ
ル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェ
ニル)、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル
(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレン
ソルビタン高級脂肪酸エステル(通常モノエステル)
(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽
和一価脂肪酸)、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステ
ル(モノもしくはジエステル)(高級脂肪酸は通常C1
2〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、エチレ
ンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等が挙げ
られる。洗浄用として特に有効である具体例としては、
ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエー
テル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデシ
ルフェニルエーテル、エチレンオキサイド−プロピレン
オキサイド共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。上記
ノニオン性界面活性剤は単独もしくは2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0031】(b)洗浄性向上剤としてのアニオン性界
面活性剤としては、高級脂肪酸塩(高級脂肪酸は通常C
12〜18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、アルキ
ル硫酸エステル塩(アルキルは通常C12〜18のアル
キル)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキルは通
常C11〜15のアルキル)、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩(アルキルは通常C4程度のアルキル)、ジア
ルキルスルホコハク酸エステル塩(2つのアルキルの合
計炭素数が通常10〜20)、アルキルリン酸エステル
塩(アルキルは通常C12〜18のアルキル)、ホルマ
リン縮合ナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩(アルキルは通常C8またはC
9のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
硫酸エステル塩(アルキルは通常C8またはC9のアル
キル)等が挙げられる。上記アニオン性界面活性剤の塩
は通常アルカリ金属塩であり、この中ではナトリウム塩
を用いるのが好ましい。上記アニオン性界面活性剤は単
独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。 (c)洗浄性向上剤として必要に応じて配合されるカチ
オン性界面活性剤としては、アルキルアミンアセテー
ト、アルキルアミン塩酸塩、第4級アンモニウム塩等が
挙げられる。また、(d)両性界面活性剤としては、ア
ルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシ
メチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アル
キルアミノカルボン酸塩等が挙げられる。上記カチオン
性界面活性剤および両性界面活性剤は単独もしくは2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0032】建浴用で一液型の本発明洗浄剤における成
分(B)の洗浄用界面活性剤の配合量は、0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましく
は2〜10重量%である。この配合量が0.1重量%未
満では洗浄性向上剤としての効果が発現せず、20重量
%より多いとその効果が飽和してしまうので不経済であ
る。上記洗浄用界面活性剤は、一般に高濃度の強アルカ
リ性水溶液中では塩析作用を受けることによりほとんど
溶解できずに分離するが、建浴用で一液型の本発明洗浄
剤中では懸濁成分の一部として安定に分散している。そ
の効果の機構は定かではないが、本発明の組成物中に溶
解もしくは微細分散している、後述のエチレン性不飽和
有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩、
すなわち成分(E)が、強アルカリ性水溶液中に溶解で
きずに析出している洗浄用界面活性剤粒子間に侵入して
粒子間の接近を妨げる効果、または粒子表面への高分子
吸着での立体安定化効果、静電的反発力による安定化で
ある静電効果、それらの相乗的効果などによる分散作用
にて安定分散されるものと考えられる。
【0033】補給用で一液型の本発明の洗浄剤における
成分(B)の配合量は、「課題を解決するための手段」
の項で述べたごとく、0であっても良い場合がある。す
なわち例えば、冷延鋼板(牛脂等を含有する圧延潤滑油
が付着する)の連続焼鈍ライン中の脱脂工程では、生成
する圧延潤滑油のケン化物(石けん)が鋼板洗浄性に大
きく寄与しており、この場合の補給剤には洗浄用界面活
性剤は必要でない。しかしながら、本発明の洗浄剤を使
用する、他の多くの洗浄工程では補給剤中にも洗浄用界
面活性剤である成分(B)を配合せしめるのが好まし
く、その場合の成分(B)の配合量は0より大で25重
量%以下、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ま
しくは0.5〜15重量%、さらに一層好ましくは2〜
10重量%である。この配合量が0.1重量%未満では
建浴操業時に成分(B)に代るに足る洗浄用界面活性剤
成分が生成する場合を除き、洗浄向上剤としての効果が
発現せず、25重量%より多いとその効果が飽和してし
まうので不経済である。なお、上記配合量の上限は建浴
用で一液型の本発明の洗浄剤における成分(B)の配合
量の上限より高く設定されている。この理由は鉱物油な
どの非ケン化性油脂の洗浄による除去を行うラインで
は、鉱物油の消泡効果により消泡剤(C)の必要量は低
減されるが、逆に油水分離装置での界面活性剤の消費や
油分濃度の増加に伴う油乳化性能の低下などにより洗浄
用界面活性剤の増量が必要になるからである。
【0034】建浴用で二液型の本発明の洗浄剤における
アルカリビルダー組成物と界面活性剤組成物との使用比
率は洗浄剤の使用時に選ぶことができるので、洗浄剤中
では、例えば成分(B)の洗浄用界面活性剤と成分
(A)のアルカリ剤との相互比率は考慮する必要はな
く、成分(B)の配合量については界面活性剤組成物中
の成分(B)と成分(C)(消泡剤)との相互比率のみ
を考慮すれば良い。両成分の相互比率は、該界面活性剤
組成物がそのままでもしくは水で希釈した際に成分
(B)の濃度が0.1〜20重量%、好ましくは0.5
〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%のときに
成分(C)の濃度が0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜8重量%、より好ましくは0.5〜5重量%と
なる組成物であることで規定される。なお、成分(B)
および成分(C)がそれ自体液体であって送液性を確保
し得る場合には、界面活性剤組成物中に水は必ずしも必
要でない。
【0035】補給用で二液型の本発明の洗浄剤における
界面活性剤組成物中の成分(B)の配合量は、上述の補
給剤で一液型の本発明の洗浄剤における成分(B)の配
合量と同様0であっても良い場合があるが、それを除い
ては通常、成分(B)を配合するのが好ましい。その場
合の成分(B)と成分(C)(消泡剤)との相互比率
は、該界面活性剤組成物がそのままでもしくは水で希釈
した際に成分(B)の濃度が0より大〜25重量%、好
ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは0.5〜
15重量%、より一層好ましくは2〜10重量%のとき
に成分(C)の濃度が0.01〜25重量%、好ましく
は0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10
重量%、より一層好ましくは0.5〜5重量%となる組
成物であることで規定される。
【0036】次に、本発明において用いられる成分
(C)の消泡剤は、洗浄過程での発泡を抑える上で効果
的である。消泡剤としては、通常消泡剤として使用され
る消泡用界面活性剤が用いられ、例えばソルビタン高級
脂肪酸モノエステル(高級脂肪酸は通常C12〜C18
の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ソルビタン高級脂
肪酸トリエステル(高級脂肪酸は通常C12〜C18の
飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ノニルフェノールの
エチレンオキサイド低モル付加物、エチレンオキサイド
−プロピレンオキサイド共重合体であってエチレンオキ
サイド付加量の低いもの、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレン多価アルコールエーテルであってエチレン
オキサイド付加量の低いものなど、水溶性が低く、水中
で白濁分散あるいは分離するものが挙げられる。上記ノ
ニオン性界面活性剤は単独もしくは2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0037】建浴用で一液型の本発明洗浄剤における成
分(C)の消泡剤の配合量は、0.01〜10重量%、
好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは0.5〜
5重量%である。この配合量が0.01重量%未満では
消泡剤としての効果が発現せず、10重量%より多いと
その効果が飽和してしまうので不経済である。本洗浄剤
中では、消泡剤も懸濁成分の一部として安定分散してお
り、その効果の機構については、前記の洗浄用界面活性
剤の分散機構と同様であると考えられる。
【0038】補給用で一液型の本発明の洗浄剤における
成分(C)の配合量は、0.01〜25重量%、好まし
くは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜1
0重量%、より一層好ましくは0.5〜5重量%であ
る。この配合量が0.01重量%未満では消泡剤として
の効果が発現せず、25重量%より多いとその効果が飽
和してしまうので不経済である。なお、上記配合量の上
限は建浴用で一液型の本発明の洗浄剤における成分
(C)の配合量の上限より高く設定されている。この理
由はケン化性油脂の洗浄による除去を行うラインでは経
時的に生成石けん分が増量し洗浄性能が増強されるのに
対し、耐発泡性能の低下が顕著となってくるからであ
る。
【0039】建浴用の二液型の本発明の洗浄剤における
界面活性剤組成物中での、成分(C)の消泡剤の配合量
は、成分(B)の配合量の説明で述べた通りである。
【0040】補給用で二液型の本発明の洗浄剤における
界面活性剤組成物については、成分(B)の配合量が0
の場合には、界面活性剤組成物は成分(C)(消泡剤)
のみよりなることもできるし、成分(C)と水よりなる
こともできる。成分(C)と水よりなる場合、成分
(C)の濃度は、該界面活性剤組成物がそのままでもし
くはそれを水で希釈した際に成分(C)の濃度が0.0
1〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%、よ
り好ましくは0.1〜10重量%、より一層好ましくは
0.5〜5重量%になり得るような濃度であれば良い。
また、成分(B)が配合される場合には、成分(B)と
成分(C)との相互比率は成分(B)の配合量の説明で
述べた通りである。
【0041】次に、本発明の洗浄剤においては洗浄効果
を向上させる目的で成分(D)のキレート剤を配合す
る。このようなキレート剤としては、例えばニトリロト
リ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二
酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等のアミノカルボ
ン酸またはそのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、
カリウム塩)もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミ
ン塩(例えばトリエチルアミン塩)等の塩、リンゴ酸、
クエン酸、グルコン酸、ヘプトグルコン酸等のオキシカ
ルボン酸またはそのアルカリ金属塩(例えばナトリウム
塩、カリウム塩)もしくはアンモニウム塩もしくは低級
アミン塩(例えばトリエチルアミン塩)等の塩などが挙
げられる。これらの中ではオキシカルボン酸もしくはそ
の塩、特にオキシカルボン酸のアルカリ金属塩を用いる
のが好ましい。上記キレート剤は単独もしくは2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0042】本洗浄剤中に配合されたこれらのキレート
型ビルダーの全量もしくは一部分は、高濃度強アルカリ
性水溶液中で溶解度を超える濃度で析出し、後述のエチ
レン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体ま
たはその塩、すなわち成分(E)による分散作用および
凝集抑制作用により、懸濁成分の一部として、安定分散
している。また、このキレート剤析出物は、本組成物中
において前記低溶解度アルカリビルダーの過飽和析出
物、洗浄用界面活性剤および消泡剤などの安定分散をさ
らに向上させる効果を有するため、分散助剤としての効
果も発現していると推定される。
【0043】本発明洗浄剤中、すなわち建浴用の一液型
の本洗浄剤中、補給用の一液型の本洗浄剤中、建浴用の
二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中、
および補給用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビル
ダー組成物中における成分(D)のキレート剤の配合量
は0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%であ
る。この配合量が0.1重量%未満では洗浄効果の向上
が不充分であり、20重量%より多いと本組成物が極端
に増粘するか、その効果が飽和してしまい不経済であ
る。
【0044】次に、本発明において用いられる成分
(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしく
は共重合体またはその塩は、高濃度の強アルカリ性水溶
液中で塩析分離する成分(B)の洗浄用の界面活性剤や
成分(C)の消泡剤、過飽和析出する成分(D)のキレ
ート剤や成分(A)中の低溶解度アルカリビルダー等
を、高濃度強アルカリ性水溶液中に安定に乳化分散する
ために必須である。なお、成分(E)の構造によって
は、洗浄効果を向上させる目的としてのキレート剤とし
ても働いていると解される。なお、成分(E)は、本発
明の金属用アルカリ性液体洗浄剤中において、溶解もし
くは微細分散しているものと考えられる。
【0045】上記エチレン性不飽和有機酸モノマーの単
独もしくは共重合体としては、エチレン性不飽和有機酸
モノマーの単独重合体もしくはその2種以上からなる共
重合体またはエチレン性不飽和有機酸モノマーの少なく
とも1種と他のエチレン性モノマーの少なくとも1種と
の共重合体が挙げられる。このうち他のエチレン性モノ
マーとの共重合体としては、エチレン性不飽和有機酸モ
ノマーの単位を70モル%以上、さらには90モル%以
上含有する共重合体が、上記安定分散効果をもたらすた
めに好ましい。
【0046】上記エチレン性不飽和有機酸モノマーの単
独もしくは共重合体としてより詳しくは、例えば下記
(1)に示すエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独重
合体もしくはその2種以上からなる共重合体または下記
(1)に示すエチレン性不飽和有機酸モノマーの少なく
とも1種と下記(2)〜(6)のモノマーの少なくとも
1種との共重合体が挙げられる。下記(1)のモノマー
と下記(2)〜(6)のモノマーとの共重合体として
は、下記(1)のモノマーの単位を70モル%以上、さ
らには90モル%以上含有する共重合体が、上記安定分
散効果をもたらすために好ましい。上記エチレン性不飽
和有機酸モノマーとしては、下記(1)に示すようなエ
チレン性不飽和カルボン酸モノマーおよびエチレン性不
飽和スルホン酸モノマーが挙げられるが、エチレン性不
飽和カルボン酸モノマーがより好ましい。
【0047】かくしてこれらのエチレン性不飽和有機酸
モノマーの単独もしくは共重合体またはその塩中、好ま
しいものは、下記(1)のエチレン性不飽和カルボン酸
モノマーの単独重合体もしくはその2種以上からなる共
重合体、もしくは下記(1)のエチレン性不飽和カルボ
ン酸モノマーの少なくとも1種と下記(2)〜(6)の
モノマーの少なくとも1種との共重合体であって、該カ
ルボン酸モノマーの単位を70モル%以上、さらには9
0モル%以上含有する共重合体、またはそれらのアルカ
リ金属塩であり、さらに好ましいものは、アクリル酸も
しくはマレイン酸の単独重合体もしくは両者の任意割合
の共重合体、もしくはアクリル酸およびマレイン酸の少
なくとも1種と下記(2)〜(6)のモノマーの少なく
とも1種との共重合体であって、該カルボン酸モノマー
の単位を70モル%以上、さらには90モル%以上含有
する共重合体、またはそれらのアルカリ金属塩である。
【0048】エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独も
しくは共重合体の塩としては、上記単独もしくは共重合
体のアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩)もしくはアンモニウム塩もしくは低級アミン塩(例
えばトリエチルアミン塩)等が挙げられる。また重合体
中の有機酸モノマー単位はそのすべてが塩になっていて
も一部が塩になっていても良い。なお、上述のエチレン
性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体または
その塩として市販のものを用いることはもちろん可能で
あり、一般には水溶液として入手できる。
【0049】本発明で使用するエチレン性不飽和有機酸
モノマーの単独もしくは共重合体は、成分(B)の洗浄
用界面活性剤、成分(C)の消泡剤、成分(D)のキレ
ート剤および成分(A)中の低溶解度アルカリビルダー
の安定な分散を与えるために、分子量(=平均分子量)
は、アクリル酸エステル樹脂を標準物質として用いるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場
合、1,000〜3,000,000であることが必要
であり、1,000〜1,000,000であることが
好ましく、1,000〜300,000であることがよ
り好ましく、2,000〜150,000であることが
より一層好ましく、3,000〜20,000であるこ
とがさらにより一層好ましい。分子量が1000未満で
あると分散安定性が劣り、3,000,000を超える
と、成分(E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単
独もしくは共重合体またはその塩自体が極端に高粘度と
なり水溶液の濃度も高められなくなるため取扱性が非常
に悪く、本発明の分散剤としての必要量が配合困難とな
る。
【0050】(1)アクリル酸、マレイン酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル等、これらのう
ち2塩基酸のハーフエステル等のエチレン性不飽和カル
ボン酸モノマー、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸等のエチレン性不飽和スルホン
酸モノマー (2)N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のN−非置
換もしくは低級アルキル置換メチロール基を有する(メ
タ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド;N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アク
リルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−
オクチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(C
=1〜8、特にC=1〜4)(メタ)アクリルアミド;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジ低級アル
キル(メタ)アクリルアミド;N−ベンジル(メタ)ア
クリルアミド;N−シクロヘキシル(メタ)アクリルア
ミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー
【0051】(3)ホスホニルオキシメチルアクリレー
ト、ホスホニルオキシエチルアクリレート、ホスホニル
オキシプロピルアクリレート、ホスホニルオキシメチル
メタクリレート、ホスホニルオキシエチルメタクリレー
ト、ホスホニルオキシプロピルメタクリレート等のホス
ホニルオキシ低級アルキル(メタ)アクリレート (4)メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、エトキシメチルアクリレート、エトキシエ
チルアクリレート、メトキシメチルメタクリレート、メ
トキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリ
レート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシブチ
ルアクリレート等の低級アルコキシ低級アルキル(メ
タ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等のヒドロキシ低級アルキル(メタ)アクリレート (5)メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピ
ルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート等の
アルキル(C=1〜8)(メタ)アクリレート、 (6)スチレン、メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、α位で分岐した飽和カルボン酸のビニルエ
ステル、塩化ビニル、ビニルトルエン、エチレン等のそ
の他のエチレン性モノマー。 なお上記(1)〜(6)において低級アルキル、低級ア
ルコキシにおける「低級」は炭素数1〜4、特に1〜2
であることを示す。
【0052】本発明洗浄剤中、すなわち建浴用の一液型
の本洗浄剤中、補給用の一液型の本洗浄剤中、建浴用の
二液型の本洗浄剤におけるアルカリビルダー組成物中、
および補給用の二液型の本洗浄剤におけるアルカリビル
ダー組成物中において、成分(E)であるエチレン性不
飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその
塩の配合量は0.1〜15重量%であることが必要であ
り、0.5〜10重量%であることが好ましく、0.5
〜7重量%であることがより好ましい。この配合量が
0.1重量%未満では分散安定性が不十分であり、15
重量%を超えて配合すると本洗浄剤が極端に増粘する
か、その効果が飽和してしまうので経済的に無駄とな
る。なお、成分(E)の単独もしくは共重合体の分子量
が増大すると粘性が上昇するので、配合量は分子量が1
00,000より大では1重量%以下、10,000〜
100,000では5重量%以下にするのが好ましい。
【0053】次に、本発明において用いられる成分
(F)のスメクタイト系粘土鉱物は、高濃度アルカリ水
溶液中で塩析分離する洗浄用界面活性剤および消泡剤を
吸着することで、本発明の洗浄剤中でのこれらの界面活
性剤成分の乳化分散安定性を強化するため、任意成分と
して、本洗浄剤中に含有させる。上記理由から成分
(F)の二液型の本発明の洗浄剤への配合は不要であ
り、成分(F)は建浴用もしくは補給用の一液型の本発
明の洗浄剤にのみ、任意的に含有させる。
【0054】本発明において用いられる成分(F)のス
メクタイト系粘土鉱物は、以下の一般式[Si8(Mga
Lib)O20(OH)c4-c-xMe+x(0<a≦6、
0<b≦6、4<a+b<8、0≦c≦4、x=12−
2a−b、Me:Na、K、LiおよびNH4の少なく
とも1種)を有する粘土鉱物である。この粘土鉱物は、
天然にも産するが合成品としても得られる。本発明にお
いて用いられるスメクタイト系粘土鉱物の具体的な例と
しては、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライ
ト、ヘクトライト等を挙げることができるが、粒子径が
小さいことからヘクトライトが好ましい。ヘクトライト
には天然ヘクトライトと合成ヘクトライトがあり、どち
らも本発明において用いることができるが、一般により
小さい粒子径を有する合成ヘクトライトがもっとも好ま
しい。
【0055】スメクタイト系粘土鉱物は層状構造をして
おり、層状構造における結晶構造各層は、厚さ約1mμ
の二次元小板よりなっている。そしてこの小板ユニット
に存在するマグネシウム原子とアルミニウム原子の一部
が低原子価の陽イオン原子と同型置換しており、その結
果小板ユニットは負に帯電している。乾燥状態ではこの
負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換可能な陽
イオンと釣り合っており、固相ではこれらの粒子はファ
ンデルワールス力により互いに結合し平板の束を形成し
ている。このようなスメクタイト系粘土鉱物を水相に分
散すると、置換可能な陽イオンが水和されて粒子が膨潤
を起こし、高速ディソルバー等の通常の分散機を用いて
分散させると安定なゾルを得ることができる。このよう
に水相に分散された状態では小板は表面が負の電荷とな
り、相互に静電気的に反発し、小板状の一次粒子にまで
細分化されたゾルになる。スメクタイト系粘土鉱物の水
相分散物は厚さ約1mμの2次元小板すなわち方形また
は円板状のプレートでプレート面の一辺もしくは直径は
20〜500mμであると考えられている。一次粒子の
形状が厚さ約1mμで20〜40mμの直径を持つ円板
状粒子である合成ヘクトライトが市販されている。
【0056】建浴用および補給用の一液型の本洗浄剤中
における成分(F)のスメクタイト系粘土鉱物の配合量
は、0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜
0.3重量%である。この配合量が0.01重量%未満
では充分な効果が得られず、0.5重量%を超えると低
温保管時の増粘や固化が起こりやすくなるほか、コスト
的にも不利になる。
【0057】本発明の建浴用で一液型の金属用アルカリ
性液体洗浄剤の製造方法は、アルカリ剤以外の配合成分
を予め水に撹拌混合させながら最後にアルカリ剤を添加
していく常法でも良いが、この場合は本発明洗浄剤の液
安定性を高めるために、強力な剪断力を持ち合わせてい
る撹拌設備を使用し長時間の撹拌を必要とする。しか
し、次のような製造方法を用いれば生産性の向上が期待
できる。すなわち、成分(D)(キレート剤)を溶解し
た水溶液中もしくは成分(D)(全量)と成分(E)
(エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重
合体またはその塩)の一部を溶解した水溶液中に、アル
カリ剤濃度が40重量%以上、好ましくは40〜75重
量%、さらに好ましくは45〜65重量%の濃度となる
ように成分(A)(アルカリ剤)を撹拌混合させてい
き、キレート剤の全量もしくは一部、またはキレート剤
の全量もしくは一部とアルカリ剤の一部とが懸濁成分と
して析出している懸濁液を調製した後に、成分(B)
(洗浄用界面活性剤)と成分(C)(消泡剤)と成分
(E)(全量もしくはで使用の残り)と水とを撹拌混
合した液をに各種撹拌方法によってを撹拌しなが
ら少量ずつ添加し混合していく製法を用いるのが好まし
い。成分(F)(スメクタイト系粘土鉱物)を用いる場
合には、上記の液の調製を成分(F)を水に分散させ
た分散液に成分(B)、成分(C)および成分(E)
(全量もしくはで使用の残り)を添加し、撹拌混合す
ることにより行うのが好ましい。具体的には、上記に
対してを添加する時のの温度を50℃以上、さらに
は60℃以上にするのが好ましく、撹拌設備は高剪断力
を有するホモミキサー、ラインミキサー、ギヤポンプ等
を用いるのが好ましい。
【0058】また、補給用で一液型の金属用アルカリ性
液体洗浄剤は、上記として成分(B)を含有しないこ
とを除いて同じ液を使用して上記と同様にして、または
成分(B)を含有させる場合には上記と同様にして製造
することができる。また、建浴用もしくは補給用の二液
型の金属用アルカリ性液体洗浄剤中のアルカリビルダー
組成物を製造する場合には、上記として成分(E)
(全量もしくはで使用の残り)と水からなる液を使用
すれば良い。また建浴用もしくは補給用の二液型の金属
用アルカリ性液体洗浄剤中の界面活性剤組成物は、成分
(C)のみよりなる場合はそのままで良いが、その他の
場合には、成分(B)と成分(C)とをまたは成分
(B)と成分(C)と水とを混合するか、または成分
(C)と水とを混合することにより製造することができ
る。
【0059】本発明の建浴用もしくは補給用の一液型の
金属用アルカリ性液体洗浄剤は、一般にアルカリ剤(例
えば水酸化ナトリウム)濃度換算で2〜5重量%に水で
希釈した後、各種金属材料(冷延鋼板、電気めっき鋼
板、アルミニウム材など)、特に冷延鋼板のような鉄鋼
材料表面に付着した動植物油、グリース、鉱物油、圧延
油、切削油、プレス油、伸線剤等の油性物質の汚れ、お
よび金属粉の洗浄に適用することができる。この洗浄は
50〜80℃程度の処理液温度で浸漬洗浄、スプレー洗
浄、電解洗浄などの方法で行うことができる。中でも洗
浄効果がより優れている電解洗浄が好ましい。
【0060】また、本発明の建浴用または補給用の二液
型の金属用アルカリ性液体洗浄剤を使用するに際して
は、アルカリビルダー組成物と界面活性剤組成物と水と
を混合して上記と同様にして、洗浄に供しても良いし、
アルカリビルダー組成物および界面活性剤組成物をそれ
ぞれ別個に水で希釈して例えば別々のノズルから上記と
同様なスプレー条件でスプレーするといった手法を取っ
ても良い。いずれにせよ、使用に際してのアルカリビル
ダー組成物と界面活性剤組成物との使用比率は自由に変
えられる訳ではなく、アルカリビルダー組成物と界面活
性剤組成物と水との、金属に使用する時点での、混合物
を調製したとした場合に、その中の各成分の濃度の比率
が、建浴用か補給用かによって、本発明の建浴用の一液
型の洗浄剤組成物または補給用の一液型の洗浄剤組成物
中の上記した濃度の比率の範囲に入っている必要があ
る。
【0061】
【実施例】以下に、本発明を下記実施例および比較例に
より具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例
によって制限されるものではない。 実施例1〜51および比較例1〜35 1.使用薬剤および洗浄剤組成物の調製 (1)使用薬剤 (A)アルカリ剤: (A−1)水酸化ナトリウム(96%、試薬特級) (A−2)オルソ珪酸ナトリウム(日本化学工業(株)
製、粒状、純度90%以上) (A−3)リン酸二水素ナトリウム無水物(関東化学
(株)製、純度99%以上) (B)洗浄用界面活性剤: (B−1)ノニルフェノールエチレンオキサイド9モル
付加物 HLB=12 (B−2)ノニルフェノールエチレンオキサイド20モ
ル付加物 HLB=16 (B−3)ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム (B−4)ノニルフェノールエチレンオキサイド94モ
ル付加物 HLB=19
【0062】(C)消泡剤: (C−1)多価アルコールエチレンオキサイド10モル
プロピレンオキサイド20モル付加物 (C−2)ノニルフェノールエチレンオキサイド2モル
付加物 (D)キレート剤: (D−1)グルコン酸ナトリウム (D−2)エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩
【0063】(E)エチレン性不飽和有機酸モノマーの
単独もしくは共重合体またはその塩または他の重合体: (E−1)ポリアクリル酸(分子量3,000) (E−2)ポリアクリル酸(分子量10,000) (E−3)ポリアクリル酸(分子量70,000) (E−4)ポリアクリル酸(分子量150,000) (E−5)ポリアクリル酸(分子量1,600,00
0) (E−6)ポリマレイン酸(分子量20,000) (E−7)アクリル酸とマレイン酸との共重合物(モル
比率:アクリル酸/マレイン酸=70モル%/30モル
%)(分子量10,000) (E−8)アクリル酸とスチレンとの共重合物(モル比
率:アクリル酸/スチレン=80モル%/20モル%)
(分子量10,000) (E−9)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量
10,000) (E−10)アクリル酸とスチレンとの共重合物(モル
比率:アクリル酸/スチレン=50モル%/50モル
%)(分子量10,000、比較品) (E−11)ポリアクリル酸(分子量500、比較品) (E−12)ポリアクリル酸ナトリウム(分子量4,3
00,000、比較品) (E−13)ポリビニルアルコール(分子量1,50
0、ケン化度88モル%、比較品) (E−14)ポリエチレングリコール(分子量20,0
00、比較品)
【0064】(F)スメクタイト系粘土鉱物: (F−1)市販の合成ヘクトライト[Si(MgLi)
O(OH+F)]Na(一次粒子形状:厚さ1mμ、直
径20〜40mμの小円板状) (G)可溶化剤: (G−1)2−メチル酪酸(特開平5−230498号
公報で使用) (G−2)オクテニルコハク酸(特公平3−46038
号公報で使用)
【0065】(2)洗浄剤組成物の調製 実施例および比較例に使用した各洗浄剤組成物は、上記
各成分を用いて以下のようにして調製した。 (E)のエチレン性不飽和有機酸モノマーの単独も
しくは共重合体またはその塩または他の重合体の全配合
量の1〜2割と(D)のキレート剤とを水に溶解した水
溶液中に、撹拌下、アルカリ濃度が40重量%以上とな
るように(A)のアルカリ剤を混合させていき、(E)
の一部、(A)および(D)を含有する懸濁液もしくは
水溶液を得る。 別容器にて(B)の洗浄用界面活性剤、(C)の消
泡剤、およびで使用した残りの(E)のエチレン性不
飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体またはその
塩または他の重合体、および場合によりさらに(F)の
スメクタイト系粘土鉱物、または(G)可溶化剤を水に
所定比率で配合した水溶液もしくは乳化液を得る。ただ
し、建浴用および補給用の二液型金属用アルカリ性液体
洗浄剤の場合には(B)の洗浄用界面活性剤および
(C)の消泡剤を除く。 で作製した懸濁液もしくは水溶液をハイスピード
ミキサーにより6000rpmで攪拌しながらで作製
した水溶液もしくは乳化液を徐々に添加し、さらに1時
間攪拌することにより一液型金属用アルカリ性液体洗浄
剤(組成物)またはアルカリビルダー組成物を得た。
【0066】2.試験方法 2.1 液安定性試験 上記で調製した各一液型アルカリ性液体洗浄剤またはア
ルカリビルダー組成物を常温(15℃または30℃)に
おいて静置もしくは連続撹拌し、分離、増粘、固化等の
有無を目視で観察し、下記の液安定性評価基準にて評価
した。なお、実用面から製品の運搬時や貯蔵タンク内で
の保管期間を考慮した場合、静置状態で1日以上および
撹拌状態で3日以上の製品安定性(△以上)が最低限必
要である。 液安定性評価基準:◎;静置状態で1週間以上および撹拌状態で2週間以上、分 離や極端な増粘(固化も含む)がなく安定の場合 ○;静置状態で3日以上および撹拌状態で1週間以上、分離 や極端な増粘(固化も含む)がなく安定の場合 △;静置状態で1日以上および撹拌状態で3日以上、分離や 極端な増粘(固化も含む)がなく安定の場合 ×;1日未満の静置状態および3日未満の撹拌状態で、分離 または極端に増粘(固化も含む)した場合 撹拌条件:各試験液200gをガラスビーカーに取った後に密閉し、マグネット スターラーを用いた300rpmの回転速度にて撹拌した。
【0067】2.2 洗浄性試験 上記で調製した各建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤を
アルカリ剤濃度として2重量%になるように水で希釈し
て洗浄液を得る。各洗浄液を80℃に加温し、これを用
いて合成エステル系圧延油が付着した鋼板を電解洗浄
し、その後ただちに水洗を行い、15秒間放置した後の
水濡れ面積を目視評価した。電解洗浄の条件は電流密
度:4A/dm、処理時間:鋼板が陰極で1秒、ついで
鋼板が陽極で1秒。
【0068】2.3 発泡性試験 上記で調製した各建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤を
アルカリ剤濃度として2重量%になるように水で希釈し
て洗浄液を得る。各洗浄液を50℃に加温し、100m
lの有栓メスシリンダーに50ml採取する。採取後直
ちに有栓メスシリンダーを1秒間に1回の割合で30回
振盪し、振盪直後の泡の高さを有栓メスシリンダーの目
盛りから測定した。
【0069】2.4 コスト 上記で調製した各建浴用一液型アルカリ性液体洗浄剤を
アルカリ剤濃度として2重量%になるように水で希釈し
た場合において、その中の従来品の原料原価を100と
して相対的に評価した。従来品としては後述の表2中の
比較例14を使用した。
【0070】表1には建浴用一液型アルカリ性液体洗浄
剤の実施例1〜28、表2には建浴用一液型アルカリ性
液体洗浄剤の比較例1〜20、表3には補給用一液型ア
ルカリ性液体洗浄剤の実施例29〜40および比較例2
1〜28、表4には建浴用および補給用の二液型アルカ
リ性液体洗浄剤の実施例41〜51および比較例29〜
35の各アルカリ性液体洗浄剤の組成と上記試験方法お
よび評価方法に基づき試験を行った結果を示す。なお、
表3の補給用一液型アルカリ性液体洗浄剤については液
安定性評価結果のみを示し、表4の建浴用および補給用
二液型アルカリ性液体洗浄剤についてはアルカリビルダ
ー組成物の液安定性評価結果のみを示した。表1に示し
た実施例1〜28では液安定性、洗浄性、発泡性および
コストの面で総合的にバランスが取れており、表3に示
した実施例29〜40および表4に示した実施例41〜
51においても液安定性に優れ、本発明の目的を実用上
満足するものであった。
【0071】一方、表2に示した比較例1〜20では液
安定性、洗浄性、発泡性およびコストのいずれかの評価
項目が劣っており、また表3に示した比較例21〜28
および表4に示した比較例29〜35では液安定性が劣
っていた。すなわち、エチレン性不飽和有機酸モノマー
の単独もしくは共重合体またはその塩(E)が入ってい
ないか、分子量が外れているか、エチレン性不飽和有機
酸モノマーの共重合比率が70モル%未満であるか、ま
たは異なる重合体を使用した比較例1〜7、21〜25
および29〜33では液安定性が劣っていた。洗浄用界
面活性剤(B)が含まれない比較例8やHLBの範囲を
外れた界面活性剤を使用した比較例9では洗浄性が劣っ
ていた。消泡剤が含まれていない比較例10では発泡性
が高かった。キレート剤(D)が含まれていない比較例
11では洗浄性が劣っていた。また、従来技術である特
公平3−46038号もしくは特開平5−230498
号公報に記載の可溶化剤を使用した比較例14、15お
よび17では洗浄性および液安定性は良好であるがコス
ト高であり、可溶化剤を使用して高濃度化を試みた比較
例13、28、34および35と比較的親油性の高い高
性能消泡剤(C−1)を使用した比較例16では液安定
性が劣っていた。また、アルカリ剤(A)、キレート剤
(D)、エチレン性不飽和有機酸モノマーの単独もしく
は共重合体またはその塩(E)などの配合量が本発明範
囲外である比較例12、18〜20、26および27で
は液安定性が劣っていた。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明の組成物は、従来品のように高濃
度の強アルカリ剤中に多量の可溶化剤を添加し塩析分離
を回避させる必要がなく、常温一液型で経時後の乳化安
定性も良好で、かつ洗浄性も従来品と同等以上で、かつ
低コスト品であるので、作業効率の向上や低コスト化に
大きく貢献する。また、従来技術による高濃度化にて多
量に配合されていた洗浄必須成分以外の有機物である可
溶化剤を使用しないことからBODやCODも低減化で
きるため、従来品よりも廃水処理性が良好である。さら
に、溶解タイプではなくて乳化分散タイプの懸濁液であ
ることから、比較的低溶解度であるアルカリビルダー成
分の高濃度化、洗浄用界面活性剤および消泡剤成分の選
択性の拡大、洗浄用界面活性剤および消泡剤成分の配合
バランスの自由度の拡大により、使用状況に則した洗浄
剤の設計が可能となり、実用上の効果はかなり大きいと
言える。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルカリ剤と、(E)分子量が
    1,000〜3,000,000であるエチレン性不飽
    和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体(他のエチレ
    ン性モノマーとの共重合体も含む、特許請求の範囲の記
    載において以下同様)、またはその塩と、水とを含有す
    ることを特徴とする、懸濁状の金属用アルカリ性液体洗
    浄剤。
  2. 【請求項2】 (A)アルカリ剤35〜70重量%(洗
    浄剤全体の重量に対する値である、特許請求の範囲の記
    載において以下同様)と、(E)分子量が1,000〜
    3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノ
    マーの単独もしくは共重合体、またはその塩と、(B)
    洗浄用界面活性剤、(C)消泡剤および(D)キレート
    剤から選ばれる少なくとも1種と、水とを含有すること
    を特徴とする、懸濁状の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  3. 【請求項3】 (A)アルカリ剤35〜70重量%と、
    (B)洗浄用界面活性剤0.1〜20重量%と、(C)
    消泡剤0.01〜10重量%と、(D)キレート剤0.
    1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜3,0
    00,000であるエチレン性不飽和有機酸モノマーの
    単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜15重量
    %と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状で建浴
    用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  4. 【請求項4】 (A)アルカリ剤35〜70重量%と、
    (C)消泡剤0.01〜25重量%と、(D)キレート
    剤0.1〜20重量%と、(E)分子量が1,000〜
    3,000,000であるエチレン性不飽和有機酸モノ
    マーの単独もしくは共重合体、またはその塩0.1〜1
    5重量%と、水とを含有することを特徴とする、懸濁状
    で補給用の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  5. 【請求項5】 (B)洗浄用界面活性剤0より大で25
    重量%以下をさらに含有する請求項4記載の補給用の一
    液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  6. 【請求項6】 (F)スメクタイト系粘土鉱物0.01
    〜0.5重量%をさらに含有する請求項3ないし5のい
    ずれかに記載の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  7. 【請求項7】 (A)アルカリ剤35〜70重量%と、
    (D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量
    が1,000〜3,000,000であるエチレン性不
    飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはそ
    の塩0.1〜15重量%と、水とを含有する懸濁状の組
    成物(以下、アルカリビルダー組成物という)と、これ
    と組み合わせて使用するための、(B)洗浄用界面活性
    剤と(C)消泡剤とを含有するか成分(B)と成分
    (C)と水とを含有する組成物であって、そのままでも
    しくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0.1〜2
    0重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜10重
    量%となる組成物(以下、界面活性剤組成物という)よ
    りなる、建浴用の二液型の金属用アルカリ性液体洗浄
    剤。
  8. 【請求項8】 (A)アルカリ剤35〜70重量%と、
    (D)キレート剤0.1〜20重量%と、(E)分子量
    が1,000〜3,000,000であるエチレン性不
    飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、またはそ
    の塩0.1〜15重量%と、水とを含有する懸濁状の組
    成物(以下、アルカリビルダー組成物という)と、これ
    と組み合わせて使用するための、(C)消泡剤、または
    消泡剤と水とを含有する組成物(以下、消泡剤単独から
    なる場合も含め、便宜上、界面活性剤組成物というもの
    とする)よりなる、補給用の二液型の金属用アルカリ性
    液体洗浄剤。
  9. 【請求項9】 界面活性剤組成物が、(B)洗浄用界面
    活性剤をさらに含有する組成物であって、そのままでも
    しくは水で希釈した際に成分(B)の濃度が0より大〜
    25重量%のときに成分(C)の濃度が0.01〜25
    重量%となる組成物である請求項8記載の補給用の二液
    型の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  10. 【請求項10】 前記アルカリ剤(成分(A))が水酸
    化ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、およびリン酸ナ
    トリウムもしくはリン酸水素ナトリウムから選ばれる少
    なくとも1種である、請求項1ないし9のいずれかに記
    載の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  11. 【請求項11】 前記洗浄用界面活性剤(成分(B))
    が、HLBが8以上18以下のノニオン性界面活性剤、
    およびアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1
    種である、請求項1ないし10のいずれかに記載の金属
    用アルカリ性液体洗浄剤。
  12. 【請求項12】 前記エチレン性不飽和有機酸モノマー
    の単独もしくは共重合体またはその塩(成分(E))
    が、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸とマ
    レイン酸の共重合体、アクリル酸単位および/またはマ
    レイン酸単位を70モル%以上含有する共重合体、およ
    びかかる単独もしくは共重合体の塩から選ばれる少なく
    とも1種である、請求項1ないし11のいずれかに記載
    の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  13. 【請求項13】 一液型の場合、使用時のアルカリ剤濃
    度となるよう水で希釈し、二液型の場合、アルカリビル
    ダー組成物を水で希釈するか、アルカリビルダー組成
    物、界面活性剤組成物および水を混合して、使用時のア
    ルカリ剤濃度となるようにした請求項1ないし12のい
    ずれかに記載の金属用アルカリ性液体洗浄剤。
  14. 【請求項14】 成分(D)(キレート剤)を溶解した
    水溶液中または成分(D)(全量)と成分(E)(分子
    量が1,000〜3,000,000であるエチレン性
    不飽和有機酸モノマーの単独もしくは共重合体、または
    その塩)の一部を溶解した水溶液中に、アルカリ剤濃度
    が40重量%以上の濃度となるように成分(A)(アル
    カリ剤)を攪拌混合させていき、キレート剤の全量もし
    くは一部、またはキレート剤の全量もしくは一部とアル
    カリ剤の一部とが懸濁成分として析出している懸濁液
    を調製した後に、成分(B)(洗浄用界面活性剤)と成
    分(C)(消泡剤)と成分(E)(全量もしくはで使
    用の残り)と水とを攪拌混合した液または成分(C)と
    成分(E)(全量もしくはで使用の残り)と水とを攪
    拌混合した液を、にを攪拌しながら少量ずつ添加
    し混合することを特徴とする請求項3ないし5のいずれ
    かに記載の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の懸濁液に、成分
    (F)(スメクタイト系粘土鉱物)を水に分散させた分
    散液に、成分(B)、成分(C)および成分(E)(全
    量もしくはで使用の残り)を添加するかまたは成分
    (C)および成分(E)(全量もしくはで使用の残
    り)を添加し、攪拌混合した液を、を攪拌しながら
    少量ずつ添加し混合することを特徴とする請求項6記載
    の一液型の金属用アルカリ性液体洗浄剤の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の金属用アルカリ性液
    体洗浄剤による金属材料の洗浄を電解洗浄により行う金
    属材料の洗浄方法。
JP32690497A 1996-11-12 1997-11-12 金属用アルカリ性液体洗浄剤、およびその製造および使用方法 Expired - Fee Related JP3595666B2 (ja)

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