JP2012102149A - 鋼板用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄性及び消泡性が高いために長寿命の洗浄剤となり得る鋼板用洗浄剤組成物と、これを用いた冷間圧延鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】アルカリ剤(a)、非イオン性界面活性剤(b)、脂肪酸アミド(c)、炭素数8〜24の分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシアルキレン基が付加されていないアルコール(d)、及び、水を含有する鋼板用洗浄剤組成物であって、前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量と、前記アルコール(d)の含有量の比{(b)/(d)}が、0.10〜0.90である、鋼板用洗浄剤組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄、アルミニウム、銅などからなる鋼板(鋼帯)に付着した汚れを洗浄する際に用いられる、鋼板用洗浄剤組成物と、これを用いた冷間圧延鋼板の製造方法に関する。
鋼板表面の脱脂洗浄は、酸洗浄と共にメッキ、塗装等の表面処理を行う前処理として必要であり、製品の良否を決定づける非常に大きな因子である。鋼板表面に付着している汚れとしては、冷間圧延時に付着する圧延油、防錆油などの油汚れや、鉄粉等の固体汚れ等が挙げられる。特に、近年の鋼板の冷間圧延においては、ミル清浄性や生産性向上に適した圧延油が用いられるようになり、圧延油に対する優れた洗浄性を有する洗浄剤が求められている。
前記課題に対して、特定のアミノエーテルを含有する洗浄剤(特許文献1)、多価アルコールのオキシプロピレン基付加物を含有する洗浄剤(特許文献2)、一分子中に2〜6個の極性基を有する脂肪族系化合物を含有する洗浄剤(特許文献3)、界面活性剤及び消泡剤を含有する洗浄剤(特許文献4)等が提案されている。
特開2001−316693号公報 特開2007−154243号公報 特開平7−41975号公報 特開昭60−169583号公報
しかし、洗浄性向上のために、乳化力の高い界面活性剤を用いると、発泡性が高くなるため、発泡により洗浄剤が洗浄タンクから溢れ出し、操業上大きな問題となる。よって、洗浄剤には、洗浄性の他に、作業性の観点から泡立ちが小さい、即ち消泡性が高いことも求められている。従来の洗浄剤組成物では、洗浄性及び消泡性の双方を満足させるのは困難であった。特に、洗浄を繰り返すに従い、洗浄剤組成物中に鋼板表面に付着していた圧延油が堆積してくるため、洗浄剤組成物中の脂肪酸石鹸の濃度が増加し、泡立ちが過酷となる。洗浄剤組成物中に添加される従来の消泡剤では、脂肪酸石鹸の濃度が低い場合しか泡立ちを抑えられず、脂肪酸石鹸の濃度が高い場合は洗浄タンクから泡が溢れ出すため洗浄液を廃棄せざるを得なかった。そのため、長期間にわたって鋼板の生産が続けられず、洗浄液の寿命は短いものとなっていた。
本発明は、洗浄性及び消泡性が高いために長寿命の洗浄剤となり得る鋼板用洗浄剤組成物と、これを用いた冷間圧延鋼板の製造方法を提供する。
即ち、本発明は、
アルカリ剤(a)、
下記式(1)又は(2)のいずれかの一般式で示され、アルキル基又はアルケニル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の非イオン性界面活性剤(b)、
Figure 2012102149
Figure 2012102149
(前記式(1)、(2)において、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、Rは炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつそれぞれ独立に0より大きい数で、2≦m+n≦120であり、Rは炭素数6〜24の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、pはオキシプロピレン基の平均付加モル数、qはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、0≦p≦9、5≦q≦30であり、< >で囲まれた部分はランダム付加でもブロック付加でもよいことを示す。)
脂肪酸アミド(c)、
炭素数8〜24の分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシアルキレン基が付加されていないアルコール(d)、及び、
水を含有する鋼板用洗浄剤組成物であって、
前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量と、前記アルコール(d)の含有量の比{(b)/(d)}が、0.10〜0.90である、鋼板用洗浄剤組成物、に関する。
また本発明は、鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する圧延工程と、圧延された鋼板に付着した圧延油を洗浄剤により洗浄する洗浄工程とを含む冷間圧延鋼板の製造方法であって、
前記洗浄工程において、洗浄剤として、前記本発明の鋼板用洗浄剤組成物を用いる、冷間圧延鋼板の製造方法、に関する。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物によれば、洗浄性及び消泡性が高い洗浄剤を提供できる。特に、脂肪酸石鹸の濃度が高い場合においても消泡性が高いため、洗浄剤の長寿命化が可能となる。また、本発明の冷間圧延鋼板の製造方法によれば、鋼板表面の洗浄性を向上できる上、洗浄剤の消泡性向上により作業性に優れた冷間圧延鋼板の製造方法を提供できる。
以下、本発明の鋼板用洗浄剤組成物に含まれる各成分について説明する。
[アルカリ剤]
本発明において用いられるアルカリ剤(a)は、鋼板用洗浄剤組成物の油汚れの除去性を確保し洗浄性を高める観点から、水溶性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等の珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩等が挙げられる。これらは、単一又は2種以上の組み合わせで用いられる。鋼板用洗浄剤組成物の油汚れの除去性を確保し洗浄性を高める観点から、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。前記アルカリ剤(a)の含有量は、1.00〜3.00重量%であることが好ましく、1.20〜2.70重量%であることがより好ましく、1.30〜2.50重量%であることが更に好ましい。
[非イオン性界面活性剤]
本発明においては、前記式(1)又は(2)のいずれかの一般式で示され、アルキル基又はアルケニル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の非イオン性界面活性剤(b)が活性剤成分として用いられる。
前記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤において、Rはアルキル基又はアルケニル基を示し、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上の観点から、Rの炭素数は、6〜24であり、8〜20であることが好ましく、10〜18であることがより好ましく、12〜18であることがさらにより好ましい。鋼板用洗浄剤組成物の消泡性向上の観点から、Rは直鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。また、一般式(1)において、m及びnはオキシエチレン基(EO)の平均付加モル数を示し、かつそれぞれ独立に0より大きい数である。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上の観点から、2≦m+n≦120であり、5≦m+n≦60であることが好ましく、8≦m+n≦30であることがより好ましく、8≦m+n≦20であることがさらに好ましく、8≦m+n≦15であることがよりさらに好ましい。
前記一般式(2)で示される非イオン性界面活性剤において、Rは直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上の観点から、Rの炭素数は、6〜24であり、8〜20であることが好ましく、12〜18であることがより好ましい。鋼板用洗浄剤組成物の消泡性向上の観点から、Rは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。また、一般式(2)において、pはオキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数、qはオキシエチレン基(EO)の平均付加モル数を示す。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、0≦p≦9であり、0≦p≦5であることが好ましく、1≦p≦3であることがより好ましい。また、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、5≦q≦30であり、5≦q≦20であることが好ましく、10≦q≦15であることがより好ましい。また、前記一般式(2)において、< >で囲まれた部分はランダム付加でもブロック付加でもよいことを示し、ブロックの場合は、RO−POEO−Hでも良いし、RO−EOPO−Hでも良い。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上の観点から、RO基にオキシプロピレン基−オキシエチレン基の順番でブロック付加したものが好ましく、オキシエチレン基が末端の水素原子に結合したものがより好ましい。
さらに、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、末端の水素原子に結合したオキシアルキレン基がオキシエチレン基である一般式(2)の化合物は、下記一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012102149
Figure 2012102149
Figure 2012102149
前記(2−1)、(2−2)及び(2−3)のいずれかの一般式で示される非イオン性界面活性剤において、R、R及びRはそれぞれ独立に直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、R、R及びRの炭素数は、それぞれ独立に6〜24であり、8〜20であることが好ましく、12〜18であることがより好ましい。鋼板用洗浄剤組成物の消泡性向上の観点から、R、R及びRはそれぞれ独立に分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。また、一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)において、x1〜x8はそれぞれ独立にオキシエチレン基(EO)の平均付加モル数を示す。鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、x1〜x5及びx8のそれぞれは1以上の数であり、0<x6、0<x7であり、4≦x1+x2≦30、4≦x3+x4≦30、4≦x5+x6+x7+x8≦30、1≦x6+x7であり、好ましくは、5≦x1+x2≦20、5≦x3+x4≦20、5≦x5+x6+x7+x8≦20であり、より好ましくは、9≦x1+x2≦15、9≦x3+x4≦15、9≦x5+x6+x7+x8≦15である。また、一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)において、y1〜y5はそれぞれ独立にオキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数を示す数で、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、0<y1<x1+x2、0<y2<x3+x4、0.1≦y3+y5、0<y3、0<y4、0<y5、y3+y4+y5<x5+x6+x7+x8であり、好ましくは、0.5<y1<10、0.5<y2<10、0.5<y3+y4+y5<10であり、より好ましくは、1<y1<6、1<y2<6、1<y3+y4+y5<6である。また、前記一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)において、( )で囲まれた部分はブロック付加であることを示し、[ ]で囲まれた部分はランダム付加であることを示す。
前記非イオン性界面活性剤(b)の重量平均分子量は、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上の観点から、400〜2400であることが好ましく、450〜1300であることがより好ましく、550〜1100であることが更に好ましい。
前記列挙した非イオン性界面活性剤(b)の中では、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、一般式(1)、又は一般式(2)で示される非イオン性界面活性剤においてRが分岐鎖のアルキル基である非イオン性界面活性剤を用いることが好ましく、一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤を用いることがより好ましい。前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量は、0.02〜0.30重量%であることが好ましく、0.05〜0.27重量%であることがより好ましく、0.08〜0.25重量%であることが更に好ましい。
[脂肪酸アミド]
本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、消泡性向上の観点から、脂肪酸アミド(c)を含む。脂肪酸アミド(c)としては、モノアミドやビスアミドを使用することができ、モノアミドとしては、N−ステアリルアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド及びステアリルアミドが挙げられる。ビスアミドとしては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。これらのうち、消泡性を向上させる観点から、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスステアリルアミド及びブチレンビスパルミチルアミドが好ましく、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドがより好ましく、エチレンビスステアリルアミド及びエチレンビスラウリルアミドがさらに好ましく、エチレンビスステアリルアミドがさらにより好ましい。これら脂肪酸アミド(c)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、脂肪酸アミド(c)を配合する際、脂肪酸アミド(c)を含む混合物(消泡剤)として配合することもできる。この場合、消泡剤中の脂肪酸アミド(c)の含有量は、消泡性を向上させる観点から、1.0〜10.0重量%が好ましく、1.3〜9.0重量%がより好ましく、1.7〜8.0重量%が更に好ましく、2.0〜7.0重量%が更により好ましい。消泡剤中の脂肪酸アミド(c)以外の成分としては、炭化水素油やポリオキシアルキレン化合物等が挙げられる。このような脂肪酸アミド(c)を含有する消泡剤としては、SNデフォーマー477(サンノプコ社製),SNデフォーマー5013(サンノプコ社製)、プロナールA−3540(東邦化学工業社製)、PN−188NR(東邦化学工業社製)等が挙げられる。鋼板用洗浄剤組成物中の前記脂肪酸アミド(c)の含有量は、8〜200ppmであることが好ましく、16〜120ppmであることがより好ましく、20〜40ppmであることが更に好ましい。
前記アルコール(d)としては、鋼板用洗浄剤組成物の消泡性向上の観点から、2−エチルヘキシルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール等の分岐鎖がアルキル基である飽和のアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の分岐鎖がアルケニル基である不飽和のアルコールが挙げられ、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、イソステアリルアルコールがより好ましく、イソテトラデシルアルコール、イソステアリルアルコールがさらに好ましい。これらは、単一又は2種以上の組み合わせで用いられる。なお、前記分岐鎖がアルキル基である飽和のアルコールは、ブチレンもしくはプロピレンの重合体をオキソ法によりヒドロキシル化することにより得られる。前記アルコール(d)の含有量は、0.02〜0.40重量%であることが好ましく、0.03〜0.35重量%であることがより好ましく、0.03〜0.30重量%であることが更に好ましい。
本発明においては、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量と、前記アルコール(d)の含有量の比{(b)/(d)}が、0.10〜0.90である。前述したように、洗浄性と消泡性は相反する物性であるために、両物性を共に改善することは困難であった。しかしながら、本発明においては、特定の組成物を含む洗浄剤組成物において、前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量と、前記アルコール(d)の含有量の比を特定の範囲にすることで、意外にも洗浄性と消泡性の向上が可能となり、さらに、鋼板表面に付着していた圧延油が堆積し、脂肪酸石鹸の濃度が上昇した場合にも、消泡性を維持できるという驚くべき効果を奏する。同様の観点から、前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量と、前記アルコール(d)の含有量の比{(b)/(d)}は0.10〜0.80であることが好ましく、0.20〜0.80であることがより好ましい。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物には、キレート剤が更に含有されていてもよい。キレート剤は汚れ中の金属原子と結合してこれを除去することにより洗浄効果を高めると共に、本発明の洗浄剤組成物中の各剤の分散性を向上できると考えられる。キレート剤としては、例えば、グリシン、ニトリロ三酢酸、アスパラギン酸、ジヒドロキシエチレングリシン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二酢酸、イミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ノルロイシンアミノ酢酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩などのアミノカルボン酸類や、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、粘液酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩などのオキシカルボン酸型キレートビルダー等が挙げられる。これらのうち、好ましくはエチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、グリコール酸等のアルカリ金属塩である。これらは、単一又は2種以上の組み合わせで用いられる。
キレート剤の含有量は、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性向上、及び分散安定性向上の観点から、使用時(洗浄時)において、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.01〜3重量%であることがより好ましく、0.05〜3重量%であることが更に好ましい。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物には、鋼板用洗浄剤組成物の分散安定性を向上させる観点から、分散剤としてポリアクリル酸又はその塩が更に含有されていてもよい。ポリアクリル酸としては、東亜合成化学工業社製、製品名:アロンA−200U(重量平均分子量2,000)、アロン20U(同6,000)、アロンA20UN(同10,000)、アロンA−20ML(同50,000)、アロンA−30(同100,000)、アロンA−10HL(同200,000)、アロンA−6007(同350,000)、アロンA−7100G(同500,000)、アロンA−20LH(同1,000,000)などが好適に用いられる。ポリアクリル酸塩を構成するカチオンは、特に限定されるものではないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムが入手し易く好ましい。本発明では、ポリアクリル酸又はその塩を、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリアクリル酸又はその塩の含有量は、鋼板用洗浄剤組成物の分散安定性向上の観点から、使用時(洗浄時)において、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましく、0.05〜2重量%が更に好ましい。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、前記アルカリ剤(a)、前記非イオン性界面活性剤(b)、前記脂肪酸アミド(c)、前記アルコール(d)、及び必要に応じてキレート剤やポリアクリル酸又はその塩等と、水とを配合することにより調製される水系組成物である。当該水系組成物は、洗浄性を確保する観点から、好ましくはpHが12以上になるように、より好ましくはpHが13以上、更に好ましくはpHが14以上になるように調整される。pHは前記アルカリ剤(a)により調整することができる。なお、本発明の鋼板用洗浄剤組成物には、前記成分の他に、任意の添加剤を加えることができるが、当該添加剤は、アルカリ剤(a)によりpHを有効に調整できるように、pHへの緩衝作用の小さいものが好ましい。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物における各成分は、洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、使用時(洗浄時)において、以下の含有量であるのが好ましい。
前記アルカリ剤(a)の含有量は、1.00〜3.00重量%であることが好ましく、1.20〜2.70重量%であることがより好ましく、1.30〜2.50重量%であることが更に好ましい。前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量は、0.02〜0.30重量%であることが好ましく、0.05〜0.27重量%であることがより好ましく、0.08〜0.25重量%であることが更に好ましい。前記脂肪酸アミド(c)の含有量は、8〜200ppmであることが好ましく、16〜120ppmであることがより好ましく、20〜40ppmであることが更に好ましい。前記アルコール(d)の含有量は、0.02〜0.40重量%であることが好ましく、0.03〜0.35重量%であることがより好ましく、0.03〜0.30重量%であることが更に好ましい。
また、洗浄剤の調製時に脂肪酸アミドを含む混合物(消泡剤)を配合した場合、該消泡剤の含有量は、洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、使用時(洗浄時)において、0.01〜0.70重量%であることが好ましく、0.03〜0.60重量%であることがより好ましく、0.05〜0.50重量%であることが更に好ましい。
前記水としては、脱イオン水が望ましい。水により、鋼板用洗浄剤組成物中の各成分の濃度を制御できる。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、使用時(洗浄時)には、前記アルカリ剤(a)、前記非イオン性界面活性剤(b)、前記脂肪酸アミド(c)、及び前記アルコール(d)を、前記濃度で含有するものが好ましく用いられるが、製造後の保存安定性向上、運送効率向上等を考慮すれば、濃厚組成物として調製することが好ましい。濃厚組成物は、洗浄時に、水で希釈して用いられる。すなわち、本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、洗浄に際して使用される洗浄剤であってもよく、洗浄に先立って予め濃縮され使用時に希釈される濃厚組成物であってもよい。
濃厚組成物において、アルカリ剤(a)の含有量は、スラリーとしての安定性向上の観点、及び洗浄剤組成物を配管で輸送する際の粘度を適正に保つ観点から、好ましくは5〜48重量%、より好ましくは10〜45重量%、更に好ましくは20〜42重量%になるように調整される。
また、濃厚組成物において、前記非イオン性界面活性剤(b)、前記脂肪酸アミド(c)及び前記アルコール(d)の含有量は、製造後の鋼板用洗浄剤組成物の保存安定性向上、運送効率向上及びスラリーとしての安定性向上の観点から、それぞれ0.1〜8.0重量%、0.01〜0.60重量%及び0.4〜10.0重量%であることが好ましく、0.4〜6.0重量%、0.03〜0.50重量%及び0.6〜8.0重量%であることがより好ましく、0.5〜4.0重量%、0.03〜0.40重量%及び0.7〜7.0重量%であることが更に好ましい。
また、キレート剤を添加する場合、濃厚組成物におけるキレート剤の含有量は、製造後の鋼板用洗浄剤組成物の保存安定性向上、運送効率向上及びスラリーとしての安定性向上の観点から、好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
また、ポリアクリル酸又はその塩を添加する場合、濃厚組成物におけるポリアクリル酸又はその塩の含有量は、製造後の鋼板用洗浄剤組成物の保存安定性向上、運送効率向上及びスラリーとしての安定性向上の観点から、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜10重量%、更に好ましくは0.3〜5重量%である。
なお、濃厚組成物に係わる鋼板用洗浄剤組成物における前記アルカリ剤(a)、前記非イオン性界面活性剤(b)、前記脂肪酸アミド(c)、及び前記アルコール(d)の合計含有量は、鋼板用洗浄剤組成物の洗浄性及び消泡性を確保する観点から、5〜60重量%が好ましく、10〜55重量%がより好ましく、20〜50重量%が更に好ましい。一方、水の含有量は、40〜95重量%が好ましく、45〜90重量%がより好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、前記アルカリ剤(a)、前記非イオン性界面活性剤(b)、前記脂肪酸アミド(c)、前記アルコール(d)、及び必要に応じてキレート剤やポリアクリル酸又はその塩等と、水とを配合することにより調製される水系組成物であるが、それぞれの成分をあらかじめ一剤ないし二剤以上のキットとして準備しておいて、使用前に、例えば、それらを混合又はさらに水を加えて希釈してもよく、各キット成分をそれぞれ単独で洗浄槽に投入し、必要に応じて水で希釈してもよい。
本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、鋼板表面の脱脂洗浄剤として好適であり、なかでも、冷間圧延鋼板に付着した圧延油を除去するために使用される洗浄剤として好適である。即ち、本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する圧延工程と、圧延された鋼板に付着した圧延油を洗浄剤により洗浄する洗浄工程とを含む冷間圧延鋼板の製造方法における、前記洗浄工程において、洗浄剤として好適に用いることができる。なお、前記冷間圧延鋼板の製造方法では、前記洗浄工程において、洗浄剤として本発明の洗浄剤組成物を用いること以外は、従来と同様の方法を採用することができる。また、前記非イオン性界面活性剤(b)と前記脂肪酸アミド(c)の合計含有量は、洗浄性向上及び消泡性向上の観点から、使用時(洗浄時)において、0.02〜0.35重量%であることが好ましく、0.05〜0.30重量%であることがより好ましく、0.08〜0.27重量%であることが更に好ましい。
前記冷間圧延する工程は、製鉄所等において鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する加工処理工程である。洗浄工程では、連続洗浄、即ち浸漬洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、電解洗浄等により、本発明の洗浄剤組成物を用いて圧延油を洗浄除去する。特に、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄工程が浸漬及び/又は電解洗浄の場合において、圧延された鋼板を、アルカリ浸漬洗浄槽及び/又はアルカリ電解洗浄槽内に通過させる場合に好適に適用される。
また本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、カルボン酸エステルを50重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的であり、カルボン酸エステルを70重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対してより効果的である。カルボン酸エステルとしては、ゾーマリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ガドレイン酸、トール油脂肪酸等の炭素数16〜20の脂肪族不飽和酸のダイマー酸又はポリマー酸を原料とするカルボン酸エステル、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を原料とするカルボン酸エステル、炭素数1〜12の脂肪族アルコールと炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を原料とするカルボン酸エステル、多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を原料とするカルボン酸エステル、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多塩基酸と炭素数1〜12の脂肪族アルコールを原料とする合成エステル、及び前記アルコールのオキシエチレン基、オキシプロピレン基や、オキシブチレン基付加物とのエステル等が挙げられる。
更に、本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、酸価が10mgKOH/g以上である圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的であり、酸価が20mgKOH/g以上である圧延油が付着してなる鋼板に対してより効果的である。本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、合成エステルを50重量%以上含有し、かつ酸価が10mgKOH/g以上である圧延油が付着してなる鋼板に対して特に効果的である。
また、本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、40℃における粘度が70Pa・s以上であるエステルを10重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的であり、当該エステルを20重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対してより効果的である。特に粘度が40℃で好ましくは100Pa・s以上、より好ましくは150Pa・s以上である圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的である。高粘度エステルとしては、前記の炭素数16〜20の脂肪族不飽和酸のダイマー酸又はポリマー酸を原料とするカルボン酸エステル、前記の多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を原料とし多価アルコールの水酸基を1以上残したカルボン酸エステル、前記の多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を原料とするカルボン酸エステル等が挙げられる。なお、前記エステルの粘度は、離合社製自動粘度測定装置VMC−252 (JIS K2283)により測定できる。なお、本発明の鋼板用洗浄剤組成物は、エステル以外にも効果があり、例えば、ポリブテン等の化合物に対しても効果的である。
<洗浄性>
(1)被洗浄鋼板
被洗浄鋼板は全て以下の手順で調製した。即ち、パーム油を30重量%含有する合成エステル系圧延油で冷間圧延された厚さ0.5mmの鋼板を、25mm×50mmの大きさに切断したものを被洗浄鋼板とした。被洗浄鋼板の付着油分量は、100mg/m2であった。
(2)洗浄試験手順
洗浄試験は全て以下の手順で行った。即ち、各例の鋼板用洗浄剤組成物(新液)中に、それぞれ設置した縦100mm×横50mmの大きさの電極板一対(電極間距離は20mm)から等距離かつ中心に被洗浄鋼板を1秒間浸漬した。その後、電流密度10A/dm2で鋼板電位を負の状態にして0.5秒間保持し、次いで鋼板電位を正の状態にして0.5秒間保持して電解洗浄した。次いで、洗浄後の鋼板を60℃の水中に5秒間浸漬することによってリンスした後、温風乾燥した。なお、試験洗浄剤の温度は、60℃とした。
(3)残存付着油分量測定方法
洗浄試験後の鋼板表面に残存する付着油分量(残存付着油分量)を、鋼板付着油量測定装置EMIA−111(堀場製作所社製)を用いて測定した。測定値は5回測定の平均値である。残存付着油分量が少ないほど、洗浄性に優れることを表す。
<消泡性>
1000mLのメスシリンダーに各例の洗浄剤組成物(新液)を200mL入れて、液温を60℃に保持した。その後、実際の鋼板の洗浄時に生成する脂肪酸石鹸成分のモデルとして、パルミチン酸とオレイン酸の混合物(重量比はパルミチン酸:オレイン酸=13:5)を洗浄剤組成物100重量部に対して0.5重量部(実施例2のみ0.2重量部)添加し、この混合物にガラスボールフィルター(木下理化工業社製、木下式ガラスボールフィルター503G[球径:20mm、フィルター粒子:20〜30μm、管外径:8mm、管長:300mm])を通じて、窒素を270mL/分で流し、5分後の泡の体積(mL)(5分後のメスシリンダー中に存在する物質の全体積−200mL)を測定した。前記体積が少ないほど、消泡性に優れることを表す。
(実施例及び比較例)
表1(実施例)及び表2(比較例)に示す各成分(残部は脱イオン水)をホモジナイザーで10分間混合して洗浄剤組成物を調製し、前記の洗浄性及び消泡性の評価を行った(洗浄剤組成物のpHはいずれも14であった)。結果を表1,2に示す。なお、表1,2のエチレンビスステアリルアミド、C4H9-O-(PO)31-Hで表されるポリオキシアルキレン化合物、及び鉱物油系炭化水素は、比較例5以外は消泡剤(SNデフォーマー477、サンノプコ社製)として混合物の状態で配合した。比較例5については、C4H9-O-(PO)31-Hで表されるポリオキシアルキレン化合物及び鉱物油系炭化水素を、それぞれ単独で配合した。また、表1,2に記載の化合物A〜F(いずれも花王社製)の構造式を以下に示す。
Figure 2012102149
また、化合物A〜Eにおけるオキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数は、幸書房出版「界面活性剤分析法」(1987年出版)P255〜P273に基づいて、CDClに各化合物を2重量%溶解させたものをサンプルとして、NMRスペクトル(NMR装置:バリアン社製、MERCURY400)から定量した。
Figure 2012102149
Figure 2012102149
表1,2の結果から、本発明の洗浄剤組成物は、比較例に比べ、鋼板表面に付着している油汚れに対する良好な洗浄性と、消泡性を有していることが確認された。

Claims (6)

  1. アルカリ剤(a)、
    下記式(1)又は(2)のいずれかの一般式で示され、アルキル基又はアルケニル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の非イオン性界面活性剤(b)、
    Figure 2012102149
    Figure 2012102149
    (前記式(1)、(2)において、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示し、Rは炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつそれぞれ独立に0より大きい数で、2≦m+n≦120であり、Rは炭素数6〜24の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、pはオキシプロピレン基の平均付加モル数、qはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、0≦p≦9、5≦q≦30であり、< >で囲まれた部分はランダム付加でもブロック付加でもよいことを示す。)
    脂肪酸アミド(c)、
    炭素数8〜24の分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシアルキレン基が付加されていないアルコール(d)、及び、
    水を含有する鋼板用洗浄剤組成物であって、
    前記非イオン性界面活性剤(b)の含有量と、前記アルコール(d)の含有量の比{(b)/(d)}が、0.10〜0.90である、鋼板用洗浄剤組成物。
  2. 前記式(2)が、下記式(2-1)、(2-2)及び(2-3)のいずれかである、請求項1記載の鋼板用洗浄剤組成物。
    Figure 2012102149
    Figure 2012102149
    Figure 2012102149
    (前記式(2-1)、(2-2)及び(2-3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数6〜24の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、x1〜x8はそれぞれ独立にオキシエチレン基の平均付加モル数を示す数で、x1〜x5及びx8は1以上の数であり、0<x6、0<x7、4≦x1+x2≦30、4≦x3+x4≦30、4≦x5+x6+x7+x8≦30、1≦x6+x7であり、y1〜y5はそれぞれ独立にオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す数で、0<y1<x1+x2、0<y2<x3+x4、0.1≦y3+y5、0<y3、0<y4、0<y5、y3+y4+y5<x5+x6+x7+x8であり、( )で囲まれた部分はブロック付加であることを示し、[ ]で囲まれた部分はランダム付加であることを示す。)
  3. 使用時において、前記アルカリ剤(a)、前記非イオン性界面活性剤(b)、前記脂肪酸アミド(c)、及び前記アルコール(d)の含有量が、それぞれ1.00〜3.00重量%、0.02〜0.30重量%、8〜200ppm、及び0.02〜0.40重量%である、請求項1又は2記載の鋼板用洗浄剤組成物。
  4. 更に、キレート剤を含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の鋼板用洗浄剤組成物。
  5. 更に、ポリアクリル酸又はその塩を含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の鋼板用洗浄剤組成物。
  6. 鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する圧延工程と、圧延された鋼板に付着した圧延油を洗浄剤により洗浄する洗浄工程とを含む冷間圧延鋼板の製造方法であって、
    前記洗浄工程において、洗浄剤として、請求項1〜5の何れか1項記載の鋼板用洗浄剤組成物を用いる、冷間圧延鋼板の製造方法。
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