JP5843355B2 - 鋼板用洗浄剤 - Google Patents
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Description
(B)マレイン酸及び/又はシュウ酸、
(C)一般式(1):R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(R1は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは1〜20、mは1〜20、を満たす数である。{}内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)で示される化合物
及び一般式(2):R2−NR3−(EO)p−H (2)
(R2は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基、R3は−Hまたは−(EO)q−H、EOはエチレンオキシ基であり、p及びqはEOの平均付加モル数であり、pは1〜20、pとqの合計は1〜20を満たす数である。)で示される化合物から選ばれるいずれか少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
(D)キレート剤、並びに水を含有する鋼板用洗浄剤、に関する。
本発明において用いられる(A)アルカリ剤は、油汚れの除去性を確保するため、水溶性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等のアルカリ金属の珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のアルカリ金属のホウ酸塩等が挙げられる。二種以上の水溶性アルカリ剤を組み合わせてもよい。油汚れの除去性を確保し洗浄性を高める観点から、好ましくはアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の珪酸塩であり、より好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムであり、更に好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。
鉄粉除去性を確保するために、マレイン酸及びシュウ酸から選ばれる一種以上が使用できる。本発明のアルカリ洗浄剤において、マレイン酸及びシュウ酸の含有量は、鉄粉除去性の観点から、0.01重量%以上が好ましく、0.03重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上が更に好ましく、0.15重量%以上がより更に好ましい。また、マレイン酸及びシュウ酸の含有量は、油汚れの除去性の観点から、5.0重量%以下が好ましく、3.0重量%以下がより好ましく、1.0重量%以下が更に好ましく、0.50重量%以下がより更に好ましい。両者の観点から、マレイン酸及びシュウ酸の含有量は、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.03〜3.0重量%がより好ましく、0.05〜1.0重量%が更に好ましく、0.15〜0.50重量%がより更に好ましい。
本発明の(C)非イオン性界面活性剤としては、前記一般式(1)で示される化合物及び前記一般式(2)で示される化合物から選ばれるいずれか少なくとも1種が用いられる。
本発明において用いられるキレート剤(D)は、鉄石けん等の汚れに作用して鉄イオン等をキレートし、脂肪酸ナトリウム石けんにして汚れを溶解し易くして、油の洗浄性を向上させると考えられている。キレート剤(D)としては、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリセリン酸、テトロン酸、ペントン酸、ヘキソン酸、ヘプトン酸等のアルドン酸又はそのアルカリ金属塩若しくは炭素数1〜4の低級アミン塩;ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、テトラエチレンテトラミン六酢酸等のアミノカルボン酸のアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩;クエン酸、リンゴ酸等又はそのオキシカルボン酸のアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩;アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等のホスホン酸又はそのアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩;その他、前記のモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。これらキレート剤(D)としては、アルドン酸又はその塩が好ましく、アルカリ金属塩又は低級アミン塩が好ましい。なかでも、油の洗浄性の観点から、グルコン酸、グルコヘプトン酸のアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩が好ましく、グルコン酸ナトリウムがより好ましい。キレート剤(D)は少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができるが、油の洗浄性の観点から、2種以上を組み合わせることが好ましく、アルドン酸又はその塩と、エチレンジアミン四酢酸等のアミノカルボン酸のアルカリ金属塩を組み合わせるのが好ましく、グルコン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸ナトリウムの組み合わせがより好ましい。本発明ではマレイン酸及びシュウ酸は(B)成分であり、キレート剤(D)には該当しないとする。
<洗浄剤の調製>
洗浄剤は、表1及び2に示した配合量で全て以下の手順で300g調製した。表1、2の配合量は重量%である。
1. 300mlのビーカーに(D)キレート剤と水を混合攪拌して混合液を得た。
2. 1.で得られた混合液に(A)アルカリ剤を配合して、攪拌した。
3. 2.で得られた混合液に(C)非イオン性解明活性剤と、(B)多価カルボン酸として、マレイン酸、シュウ酸、又はクエン酸を配合し、攪拌して洗浄剤を得た。
(1)被洗浄鋼板
被洗浄鋼板は全て以下の手順で調整した。即ち、パーム油を含有する合成エステル系圧延油で冷間圧延された厚さ0.8mmの鋼板を、70mm×100mmの大きさに切断したものを洗浄試験に用いた。鉄粉付着量を測定した結果、230mg/m2であった。なお、鉄粉付着量を測定は、下記(3)残存鉄粉付着量測定方法と同じである。なお、洗浄剤1種に対して、9枚の被洗浄鋼板を用いた。
洗浄試験は全て以下の手順で行った。即ち、300mlビーカー中に洗浄剤300gを入れた後に、洗浄剤を60℃に加温した。次いで、前記洗浄剤中に縦160mm×横80mmの大きさの鉄製電極板1対(電極間距離は50mm)を設置した。電極間の等距離かつ中心に被洗浄鋼板をほぼ平行に1秒間浸漬し、その後続けて電流密度5A/dm2で鋼板電位を負から正にそれぞれ0.5秒ずつ一度切り替えて電解洗浄した。その後、ブラシ洗浄機(昭和工業社製)に鋼板をセットし回転するブラシ(150mpm)(素材:ナイロン,ナイロン線径:0.5mm・0.02mm混合,大きさ:幅120mm,直径300mm)にスプレーで60℃の温水を吹きかけながら回転方向とは逆向きに鋼板を50m/分で(速度管理可能なテーブルに鋼板を固定し)走らせてブラシ洗浄し、その後に鋼板を60℃の温水で5秒間浸漬リンスした後に乾燥した。
洗浄試験後の鋼板表面鉄粉量は、溶剤(n−ヘキサン)を含ませたペーパー(日本製紙クレシア株式会社製,キムワイプ120mm×215mm)により鋼板表面を、ピンセットを用いて拭き取り、拭き取り後のペーパーを酸分解した。酸分解は、被洗浄鋼板3枚それぞれを拭き取ったペーパー3枚を1サンプルとして、硫酸と熱(液温が120℃以上になるように加温)により有機物を灰化・燃焼蒸発させた。残留物(金属分)に塩酸を加え塩化物溶液とした。酸分解で得られた塩化物溶液をICPで鉄濃度として定量した。その濃度を鋼板拭き取り面積当たりに換算し、3サンプルの平均値を鉄粉付着量とした。結果を表1に示す。表1には、被洗浄鋼板の鉄粉付着量に対する残存鉄粉付着量の割合(%)を併せて示す。洗浄性の判断基準としては、残存鉄粉付着量は値が高い程、鋼板表面に鉄粉が残るために洗浄性が悪く、その反対に値が小さい程、鋼板表面に鉄粉が残っておらず洗浄性が優れることとなる。
非イオン性界面活性剤1:C6H13(C6H13)CH-O-(EO)5-(PO)2-(EO)5-H;(下記製造例1に従い製造)(一般式(1)において、R1=炭素数11のアルキル基、n=10、m=2、3段ブロック体);
非イオン性界面活性剤2:C12H25,C14H29-O-(EO)7-(PO)1.5-(EO)7-H、但し、C12H25,C14H29-はC12H25-とC14H29-の混合物を示す;(下記製造例2に従い製造)(一般式(1)において、R1=炭素数12と14のアルキル基の混合物、n=14、m=1.5、3段ブロック体);
非イオン性界面活性剤3:C10H21-O-(EO)8-(PO)4-H;(下記製造例3に従い製造)(一般式(1)において、R1=炭素数10のアルキル基、n=8、m=4、2段ブロック体);
非イオン性界面活性剤4:ポリオキシエチレンオレイルアミン〔平均付加モル数9モル〕(商品名 ブラウノンO−209、青木油脂工業(株)製)(一般式(2)において、R2=炭素数18のアルケニル基、R3=(EO)q−H、p+q=9);
非イオン性界面活性剤5:C12H25-O-(EO)9-H;(下記製造例4に従い製造)(一般式(1)において、R1=炭素数12のアルキル基、n=9、m=0);を示す。
オートクレーブに7−トリデカノール200.4g(1モル)及びKOH(触媒)0.30g(0.4重量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、7−トリデカノールを攪拌しながらオートクレーブ内の温度を130℃に昇温した。エチレンオキサイド220g(5モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまで7−トリデカノールとエチレンオキサイドとを反応させた後、オートクレーブ内の温度を120℃まで下げた。次いで、プロピレンオキサイド116g(2モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入した。前記圧力が低下して一定になるまでとプロピレンオキサイドを反応させた後、オートクレーブ内の温度を130℃まで昇温した。エチレンオキサイド220g(5モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまでエチレンオキサイドを反応させた後、オートクレーブ内の温度を室温まで低下させて、非イオン活性剤1を約750g得た。
オートクレーブにn−ドデカノール93.2g(0.5モル)、n−テトラデカノール107.2g(0.5モル)、及びKOH(触媒)0.30g(0.4重量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、n−ドデカノールとn−テトラデカノールを攪拌しながらオートクレーブ内の温度を130℃に昇温した。エチレンオキサイド308g(7モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまでn−ドデカノールとn−テトラデカノールとエチレンオキサイドとを反応させた後、オートクレーブ内の温度を120℃まで下げた。次いで、プロピレンオキサイド87g(1.5モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入した。前記圧力が低下して一定になるまでプロピレンオキサイドを反応させた後、オートクレーブ内の温度を130℃まで昇温した。エチレンオキサイド308g(7モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまでエチレンオキサイドを反応させた後、オートクレーブ内の温度を室温まで低下させて、非イオン性界面活性剤2を約900g得た。
オートクレーブにn−デカノール158.2g(1モル)及びKOH(触媒)0.30g(0.4重量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、n−デカノールを攪拌しながらオートクレーブ内の温度を130℃に昇温した。エチレンオキサイド352g(8モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまでn−デカノールとエチレンオキサイドとを反応させた後、オートクレーブ内の温度を120℃まで下げた。次いで、プロピレンオキサイド232g(4モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入した。前記圧力が低下して一定になるまでプロピレンオキサイドを反応させた後、オートクレーブ内の温度を室温まで低下させて、非イオン性界面活性剤3を約740g得た。
オートクレーブにn−ドデカノール186.4g(1モル)及びKOH(触媒)0.30g(0.4重量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、n−ドデカノールを攪拌しながらオートクレーブ内の温度を130℃に昇温した。エチレンオキサイド396g(9モル)を3.5kg/cm2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまでn−ドデカノールとエチレンオキサイドとを反応させた後、オートクレーブ内の温度を室温まで低下させて、非イオン性界面活性剤5を約580g得た。
Claims (5)
- (A)アルカリ剤、
(B)マレイン酸及び/又はシュウ酸、
(C)一般式(1):R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(R1は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは1〜20、mは1〜20、を満たす数である。{}内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)で示される化合物
及び一般式(2):R2−NR3−(EO)p−H (2)
(R2は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基、R3は−Hまたは−(EO)q−H、EOはエチレンオキシ基であり、p及びqはEOの平均付加モル数であり、pは1〜20、pとqの合計は1〜20を満たす数である。)で示される化合物から選ばれるいずれか少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、
(D)キレート剤、並びに水を含有する鋼板用洗浄剤。 - pHが12以上である請求項1記載の鋼板用洗浄剤。
- 電解洗浄に用いられる請求項1又は2記載の鋼板用洗浄剤。
- 請求項1〜3のいずれか記載の鋼板用洗浄剤中で、汚れが付着した鋼板の洗浄を行う、鋼板の洗浄方法。
- 前記洗浄が電解洗浄である請求項4記載の鋼板の洗浄方法。
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