JP3604277B2 - 鋼板脱脂用洗浄剤組成物 - Google Patents

鋼板脱脂用洗浄剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3604277B2
JP3604277B2 JP12275798A JP12275798A JP3604277B2 JP 3604277 B2 JP3604277 B2 JP 3604277B2 JP 12275798 A JP12275798 A JP 12275798A JP 12275798 A JP12275798 A JP 12275798A JP 3604277 B2 JP3604277 B2 JP 3604277B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
composition
alkali metal
cleaning composition
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12275798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11302685A (ja
Inventor
規夫 新井
竜二 秋本
正浩 西澤
健正 湯淺
優二郎 宮内
勝俊 圓山
郁也 井上
洋 金井
高橋  彰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP12275798A priority Critical patent/JP3604277B2/ja
Publication of JPH11302685A publication Critical patent/JPH11302685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3604277B2 publication Critical patent/JP3604277B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鋼板表面の脱脂用洗浄剤組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、発泡が少なく且つ脱脂洗浄性に優れた、特に圧延鋼板表面の洗浄用として適する新規な脱脂用洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
鋼板表面処理における前工程としての洗浄工程は、密着性のよいめっき膜を得る上で極めて重要な工程である。圧延鋼板について言えば、圧延工程を経た鋼板の表面には、圧延油および鉄粉等が付着しており、これをそのまま次工程でめっき処理を行うと、めっき不良を生じる。また、めっき処理の前に焼鈍工程を経た場合でも、表面に炭化物などの汚れが残留するため、やはりめっき不良を生じ、結果として製品価値が失われる原因となる。
【0003】
従来、上記の洗浄工程における洗浄法としては、アルカリ性洗浄液を用いた、浸漬法、スプレー法、ブラッシング法、電解洗浄法等があり、場合によっては、これらの洗浄法が組み合わされた方法が採用されている。
これらの洗浄法に用いられるアルカリ性洗浄剤としては、水酸化ナトリウムやケイ酸ナトリウムに代表される強アルカリ性物質を主剤として、これにキレート剤としてエチレンジアミン四酢酸ナトリウムに代表されるアミノポリカルボン酸型キレート剤やグルコン酸ナトリウムに代表されるオキシカルボン酸型キレート剤、更に界面活性剤として、ノニルフェノールエチレンオキシド付加体や高級アルコールエチレンオキシド付加体に代表される非イオン界面活性剤等が添加されたアルカリ性洗浄剤が一般的に使用されている。
【0004】
しかしながら、上記のキレート剤として用いられているエチレンジアミン四酢酸ナトリウムは、キレート力が強く、洗浄性能に優れていることから、この種のアルカリ性洗浄剤への添加剤として多量に使用されているが、微生物分解性が悪く、使用後の排水処理工程で分解されずに流出される為、排水中の化学的酸素要求量(COD値)を高くすることから工場排水上の問題点が指摘されている。また、オキシカルボン酸型のキレート剤は微生物分解性に優れ、使用後の排水に関わる問題は生じないものの、洗浄性の点で充分に満足出来る性能を有さない。
【0005】
一方、界面活性剤としては、上述のノニルフェノールエチレンオキシド付加型、あるいは高級アルコールエチレンオキシド付加型の非イオン界面活性剤が、脱脂力、浸透力に優れ、洗浄性を改善する効果を有することから、アルカリ洗浄剤に一般的に添加されて用いられているが、この種の非イオン界面活性剤は洗浄時に多量の泡の発生要因となる。この泡のため、ブラシ洗浄、スプレー洗浄の場合、洗浄性能を低下せしめ、或いは電解洗浄の場合はスパーク等の原因となり洗浄液が飛散したり、洗浄機から泡が漏れる等して操作上支障を来す等の問題を生じる。
【0006】
これらの問題を解決する方法として、抑泡性を有する非イオン界面活性剤の使用が行われているが、これらの非イオン界面活性剤は洗浄性に劣り、充分な洗浄性能を期待できない。
更に、主剤である強アルカリ性成分にキレート剤および界面活性剤を配合した製剤も数多く見られるが、このような組成物を一剤として製剤化する場合、粉粒状の製剤ではベタついたり固結する等の問題から界面活性剤の種類や配合量、および有機溶剤の配合量に限度があり、その為界面活性剤や有機溶剤の作用効果が充分に発揮し難い。
【0007】
また、一剤として液体製剤とする場合は、高濃度の電解質水溶液中に界面活性剤や有機溶剤を安定に均一溶解することは難しく、液体製剤中の有効成分濃度に限度があるため薄い液剤となり易い。この問題を解決する目的で可溶化剤の使用が検討され、実際に可溶化剤を添加した液体洗浄剤が提供されているが、液体洗浄剤中で可溶化剤の占める価格の割合が大きくなり、液体洗浄剤の価格を高くすること、可溶化剤の使用により排水中の化学的酸素要求量(COD値)が高くなること、あるいは可溶化剤を使用しても洗浄剤中の有効成分濃度を高めることになお限界があるなど多くの問題点を有している。
【0008】
このように、従来の鋼板表面の脱脂用として用いられているアルカリ洗浄剤は、洗浄性能および低泡性能の両方の性能を満足するに至っておらず、更に洗浄液排出時の環境汚染の問題など、解決すべき重要な課題が内在している。
【0009】
【発明の開示】
本発明者らは、上記諸課題を解決するために鋭意洗浄剤の開発研究を行った結果、下記(a)〜(e)に記載の成分を特定の比率で配合せしめることにより鋼板表面上に付着している広範囲の成分からなる圧延油に対して優れた洗浄効果を有し、更には、洗浄時の泡の発生が少なく、かつ低いCOD値を維持することができるアルカリ性洗浄剤の開発に成功した。
【0010】
すなわち、本発明は、
(a)アルカリ金属水酸化物 0.5〜5重量%、
(b)正リン酸もしくはそのアルカリ金属塩、
(c)オキシカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩、
(d)アクリル酸とマレイン酸との共重合体もしくはそのアルカリ金属塩、及び
(e)非イオン界面活性剤 0.02〜1.0重量%
を必須成分として含有し、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の配合比率がアルカリ金属塩換算での重量比で(b):(c):(d)=4〜20:1.5〜4:0.8〜1.5の範囲にあり、かつ、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の合計配合量が0.4〜1.2重量%の範囲のものであることを特徴とする鋼板脱脂用洗浄剤組成物を提供するものである。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る鋼板脱脂用洗浄剤組成物における(a)成分〜(e)成分物質として次のようなものが例示される。
(a)成分であるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのいずれも使用することが可能である。
(b)成分である正リン酸もしくはそのアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩またはカリウム塩の使用が可能である。
(c)成分であるオキシカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩については、オキシカルボン酸として、グルコン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられるが、特にグルコン酸のナトリウム塩の使用が好ましい。
(d)成分であるアクリル酸とマレイン酸との共重合体もしくはそのアルカリ金属塩については、アクリル酸とマレイン酸との平均分子量が1,000乃至7,000の範囲の共重合体の使用が可能であり、特に好ましくは平均分子量が2,000乃至4,000の共重合体の使用が好適である。平均分子量が1,000以下では分散効果が期待できず、また、7,000以上では粉粒体組成物の場合、吸湿性が大きく固化しやすくなり、液体組成物の場合は粘性が高くなって洗浄剤組成物の使用あるいは搬送等に支障をきたすことになり好ましくない。
【0012】
本発明者らは、先に必須成分が▲1▼アルカリ金属水酸化物▲2▼正リン酸のアルカリ金属塩▲3▼オキシカルボン酸のアルカリ金属塩▲4▼イソアミレンと無水マレイン酸との共重合体のアルカリ金属塩、及び▲5▼非イオン界面活性剤組成物からなる洗浄剤組成物を開発し(特願平8−337715号)、製品化に成功したが、さらに、本発明は▲4▼の成分であるイソアミレンと無水マレイン酸との共重合体のアルカリ金属塩を(d)成分のアクリル酸とマレイン酸との共重合体もしくはそのアルカリ金属塩に変えることにより鋼板脱脂性能を改善向上せしめたものである。
【0013】
また、(d)成分を使用することによりイソアミレンと無水マレイン酸との共重合体のアルカリ金属塩を使用した場合に比べて液体化しやすくなるという製剤化上の効果も有している。さらに、本発明の洗浄剤組成物は、アクリル酸とマレイン酸との共重合体を用いたことによって、2剤型の液剤として調製することができるので後述する利点をもっている。
【0014】
(e)成分である非イオン界面活性剤組成物としては、公知の非イオン界面活性剤を任意に組み合わせて使用することが可能であるが、特に下記の▲1▼及び▲2▼の非イオン界面活性剤の2成分を必須成分として含有する組成物が好ましい。
▲1▼アルキル基がオクチルもしくはノニルで、且つエチレンオキシドの平均付加モル数が10乃至16モルであるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル。
▲2▼脂肪族多価アルコールに、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドをブロック付加重合させて得られるポリエーテルポリオール。
【0015】
上記非イオン界面活性剤の好適な使用例は、▲1▼のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルと▲2▼のポリエーテルポリオールの混合比が、重量比で1:2乃至3:1からなる非イオン界面活性剤組成物であり、特に、▲1▼エチレンオキシドの平均付加モル数が10乃至12モルのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルと▲2▼エチレンオキシドとプロピレンオキシドの平均モル比が10:90乃至30:70の範囲にあって、且つ平均分子量が5,000乃至7,000の範囲からなるポリエーテルポリオールを使用し、両非イオン界面活性剤の混合比が重量比で1:1.5乃至2.5:1の範囲での使用が好ましい。
【0016】
本発明に係る洗浄剤組成物の各成分の配合比率は必須成分である(a)のアルカリ金属水酸化物が0.5−5重量%、(b)の正リン酸もしくはそのアルカリ金属塩、(c)のオキシカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩及び(d)のアクリル酸とマレイン酸との共重合体もしくはそのアルカリ金属塩からなる3成分の合計配合量が0.4−1.2重量%であって、その3成分の配合比率はアルカリ金属塩換算で(b):(c):(d)=4〜20:1.5〜4:0.8〜1.5であり、(e)の非イオン界面活性剤組成物は0.02〜1.0重量%の範囲であり、それぞれの成分を鋼板表面の汚染の程度に応じて所定の洗浄効果が得られる濃度に調製される。
【0017】
そして、本発明の洗浄剤組成物において、(a)成分〜(d)成分は、通常粉粒体の形状であり、他方(e)成分は通常液体である。粉粒体からなる(a)成分〜(d)成分は、使用時に各配合比率で調合し、そして液体の(e)成分を混合して所望の濃度として使用することができる。更に本発明の特記すべき特長として、2剤型の組成物から成る液剤化が可能であることである。すなわち、鋼板表面の汚れ成分の種類と量によって、界面活性剤とアルカリ成分の混合割合の変更を必要とする場合があり、その場合、2剤型の液剤とされていることによって、汚れの程度に適応して調製することが可能となり、結果洗浄性の向上のみならず、製品コストを低減するという利点が得られる。また、本発明の洗浄剤組成物は、作業上の便宜性から(a)成分〜(d)成分をあらかじめ各配合比率で混合調合した高濃度の粉粒体洗浄剤組成物として調製して、これを使用時に希釈し、併せて(e)成分を混合して用いることも可能である。
【0018】
さらに本発明の洗浄剤組成物には、必要に応じて他の添加剤を添加することは任意である。
また、本発明の洗浄剤組成物の使用にあたっては、液温の高い方が低泡性と洗浄性に優れた使用効果が見られるため、洗浄温度が約40℃以上での使用が好ましい使用態様である。
次に、本発明の実施例及び比較例を対比した試験により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0019】
なお、各試験例において(a)成分〜(e)成分として、下記の各物質を使用した。
(a)成 分 : 水酸化ナトリウム
(b)成 分 : 正リン酸ナトリウム
(c)成 分 : グルコン酸ナトリウム
(d)成 分 : アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリウム塩
(e)成 分 : 下記の▲1▼及び▲2▼の非イオン界面活性剤
▲1▼ ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
▲2▼ ポリエーテルポリオール
【0020】
【試験例】
試験例1 <洗浄性試験>
各種処方の洗浄剤組成物を調製し、これらについて鉱物油系圧延油が付着している圧延鋼板を用いて洗浄性試験を行った。
洗浄性試験に供する鋼板は鉱物油系圧延油が付着している圧延鋼板を7.5cm×15cmの大きさに切断したものを使用した。
各試料溶液に汚れ成分として鉱物油系圧延油を2%混入し、これを60±2℃に加温 して、この溶液を鋼板表面上に10秒間スプレーし洗浄した。洗浄後10秒間流水中ですすいだ後、60秒間静置し、その後鋼板表面上の水が濡れる面積を目視により観察して、下記の基準で判定した。この判定基準において評点4以上が満足する洗浄性能である。各処方及び試験の結果を表−1に示す。
Figure 0003604277
【0021】
【表1】
Figure 0003604277
【0022】
【表2】
Figure 0003604277
【0023】
【表3】
Figure 0003604277
註1):(d)成分1は、平均分子量が3000であるアクリル酸とマレイン酸の共重合体(ソカランCP12S、ビーエーエスエフ(BASF)社)を水酸化ナトリウムで中和し、ナトリウム塩としたもの
註2):(d)成分2は、平均分子量が4000〜8000であるイソアミレンと無水マレイン酸の共重合体(クインフロー750、日本ゼオン社)のナトリウム塩
註3):(e)成分は▲1▼ポリオキシエチレン(12モル)ノニルフェニルエーテルと▲2▼ポリエーテルポリオールとしてアデカノールLG−126(旭電化工業(株))とを50:50の配合比率で混合したもの
【0024】
表−1の結果から明らかなように、圧延鋼板上の汚れは、(e)成分が存在する系において水酸化ナトリウム(a)成分のみ(比較例1)、あるいは(a)〜(b)成分のみ(比較例2)、また水酸化ナトリウムに(b)〜(d)成分を2種含有させたもの(比較例3、4、5)はいすれも満足する洗浄性は得られない。一方、(a)成分の水酸化ナトリウムに(b)成分(正リン酸三ナトリウム)、(c)成分(グルコン酸ナトリウム)および(d)成分(ソカランCP12Sのナトリウム塩)を合計で0.4%以上含有せしめ、且つ(b)、(c)及び(d)成分の配合比率が4〜20:1.5〜4:0.8〜1.5の範囲内にあり、さらに水酸化ナトリウムを0.5%以上含有せしめた場合、洗浄性能が高く、満足する結果が得られた。本発明洗浄剤組成物は実施例から明らかなように、水酸化ナトリウムが5%、また(b)、(c)及び(d)成分の配合量が合計で1.2%付近で洗浄性能がほぼ一定となり、これ以上の使用は排水時のCODの増加やコストアップの点から無駄であると思われる(実施例8、10)。また(d)成分において、アクリル酸とマレイン酸の共重合体のナトリウム塩を用いた場合(実施例2)、イソアミレンと無水マレイン酸との共重合体のナトリウム塩を用いた組成物に比べて高い洗浄性能が得られた(比較例6)。
【0025】
試験例2 <洗浄性試験>
各種成分の洗浄剤組成物を調製し、これを試験例1と同じ圧延鋼板を用いて洗浄性、さらには発泡性について試験を行った。
1.洗浄性試験
表−2に示した各試料の洗浄剤水溶液に、鉱物油系圧延油を2%混入させ、この洗浄剤溶液を60℃±2℃に加温して、鋼板表面上に10秒間スプレーし、洗浄した。洗浄後、試験例1と同様の方法ですすぎを行い、同様の方法と判定基準により、洗浄性能の評価を行った。
【0026】
2.発泡性試験
汚れ成分の混入していない表−2の各種試料溶液の発泡性について観察した。発泡性は、100ccの比色管に試料溶液を50cc入れ、60℃に加温してから上下に激しく10回手振りした後、30秒間後の泡量を目視により観察し、下記の基準で判定した。この判定基準において評点4以上が満足する低泡性能とする。
Figure 0003604277
各処方並びに各試験の結果を表−2に示す。
【0027】
【表4】
Figure 0003604277
註1):(d)成分1は試験例1と同じものを使用した
註2):(e)成分は試験例1と同じ組成物を使用した
【0028】
表−2から明らかなように、(e)成分(非イオン界面活性剤組成物)の添加量が 0.02〜1.0重量%(実施例11〜14)において洗浄性及び低泡性の点で充分満足する性能が得られた。また、(e)成分の添加量が1.0%を越えると発泡が多くなる現象が見られた。
【0029】
試験例3 <洗浄性及び発泡性試験>
(e)成分である非イオン界面活性剤組成物を調製し、これを(a)、(b)、(c)及び(d)成分からなるアルカリ洗浄剤組成物と併用して、洗浄剤希釈水溶液の洗浄性及び発泡性について観察した。
各試料で使用している(e)成分の非イオン界面活性剤組成物は、洗浄性を高める目的でポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを使用し、この界面活性剤に起因する発泡量を少なくする目的で、脂肪族多価アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドをブロック付加重合させたポリエーテルポリオールを使用し、これら2種類の非イオン界面活性剤を配合して使用した。
発泡性試験は、試験例2と同様の方法、条件及び判定基準によって評価した。また、洗浄性試験は、試験例1と同様の方法、条件及び判定基準によって評価した。なお、ここでの洗浄性評価においても洗浄剤水溶液中に鉱物油系圧延油を2%混入させて行った。
各試験の結果及び処方を表−3に示す。
【0030】
【表5】
Figure 0003604277
【0031】
【表6】
Figure 0003604277
註1):(d)成分1は試験例1と同じものを使用した
註2):(e)成分中のポリエーテルポリオールは試験例1と同じものを
使用した
【0032】
表−3から明かなように、本発明の実施例15〜20に記載の各組成物においては洗浄性、抑泡性のいずれにおいても優れた結果が得られた。これに対して、(e)成分の非イオン界面活性剤組成物中で使用しているポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのエチレンオキシドの平均付加モル数が適性なる範囲を外れると、低泡性と洗浄性の点で満足する性能が得られない(比較例18、19)。更にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルとポリエーテルポリオールの配合比率が適性なる範囲を外れると低泡性と洗浄性の点で満足する性能が得られない(比較例20、21)。
【0033】
試験例4 <洗浄性及び発泡性試験3>
A剤として、(a)成分すなわち水酸化ナトリウム、(c)成分すなわちグルコン酸ナトリウム及び上水道水とからなるアルカリ性洗浄剤組成物、B剤として、(b)の酸成分すなわち正リン酸、(d)の酸成分すなわち平均分子量が3,000のアクリル酸とマレイン酸との共重合体であるソカランCP12S(BASF社製)、(e)成分すなわち試験例1と同様のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及びポリエーテルポリオールとを50:50の配合比率で混合したもの、および上水道水とからなる酸性液体洗浄剤組成物を調製した。これを洗浄剤水溶液の組成が試験例3の実施例16と同じになるよう、A剤 9.5重量%およびB剤 1.0重量%を混合併用して一剤とし、試験例2に準じてその洗浄性と発泡性の試験を行った。
【0034】
尚、ここでの洗浄性評価においても、洗浄剤水溶液中に鉱物油系圧延油を2%混入させて行った。
Figure 0003604277
試験の結果を表−4に示す。
【0035】
【表7】
Figure 0003604277
表−4の結果から明らかなようにA剤とB剤とからなる2剤の液体洗浄剤組成物を使用時に混合併用した本発明の組成物は、洗浄性および低泡性の面で充分満足出来る性能を有した。
【0036】
【発明の効果】
以上の詳細な説明から明らかなように、本発明に係る鋼板表面の脱脂用洗浄剤組成物は洗浄性能および低泡性能に優れ、種々の洗浄方法、洗浄条件において優れた洗浄効果を発揮し、洗浄剤として極めて利用価値の高いものである。

Claims (6)

  1. (a)アルカリ金属水酸化物 0.5〜5重量%
    (b)正リン酸もしくはそのアルカリ金属塩
    (c)オキシカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩
    (d)アクリル酸とマレイン酸との共重合体もしくはそのアルカリ金属塩、及び
    (e)非イオン界面活性剤 0.02〜1.0重量
    を必須成分として含有し、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の配合比率がアルカリ金属塩換算での重量比で(b):(c):(d)=4〜20:1.5〜4:0.8〜1.5の範囲にあり、かつ、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の合計配合量が0.4〜1.2重量%の範囲のものであることを特徴とする鋼板脱脂用洗浄剤組成物。
  2. 上記(c)成分がグルコン酸ナトリウムである請求項1に記載の鋼板脱脂用洗浄剤組成物。
  3. 上記(d)成分が、平均分子量1,000〜7,000の範囲のアクリル酸とマレイン酸との共重合体もしくはそのアルカリ金属塩である請求項1に記載の鋼板脱脂用洗浄剤組成物。
  4. 上記(e)成分が下記▲1▼及び▲2▼の非イオン界面活性剤
    ▲1▼ エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜16モルの範囲にあり、アルキル基がオクチルまたはノニルからなるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
    ▲2▼ 脂肪族多価アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドをブロック付加重合させたポリエーテルポリオール
    を必須成分とし、▲1▼と▲2▼の配合比率が重量比で1:2〜3:1のものである請求項1に記載の鋼板脱脂用洗浄剤組成物。
  5. 上記(a)成分及び(c)成分を主成分とする組成物と上記(b)成分、(d)成分および(e)成分の3成分を主成分とする組成物の2剤型組成物からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板脱脂用洗浄剤組成物。
  6. 上記2剤型組成物の一方の(b)成分、(d)成分及び(e)成分の3成分を主成分とする組成物が酸性組成物のものであることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の鋼板脱脂用洗浄剤組成物。
JP12275798A 1998-04-17 1998-04-17 鋼板脱脂用洗浄剤組成物 Expired - Fee Related JP3604277B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12275798A JP3604277B2 (ja) 1998-04-17 1998-04-17 鋼板脱脂用洗浄剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12275798A JP3604277B2 (ja) 1998-04-17 1998-04-17 鋼板脱脂用洗浄剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11302685A JPH11302685A (ja) 1999-11-02
JP3604277B2 true JP3604277B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=14843869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12275798A Expired - Fee Related JP3604277B2 (ja) 1998-04-17 1998-04-17 鋼板脱脂用洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3604277B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5843355B2 (ja) * 2011-12-27 2016-01-13 花王株式会社 鋼板用洗浄剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11302685A (ja) 1999-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6462014B1 (en) Low foaming/defoaming compositions containing alkoxylated quaternary ammonium compounds
AU2002257654A1 (en) Low foaming/defoaming compositions containing alkoxylated quaternary ammonium compounds
US5501816A (en) Aqueous based solvent free degreaser composition
US6440919B1 (en) Aqueous based solvent free cleaner compositions containing two nonionic surfactants
JPH04359096A (ja) 金属表面洗浄用水性液状アルカリ洗浄剤組成物
JP3875170B2 (ja) 鋼板用アルカリ洗浄剤組成物
JP3898109B2 (ja) 鋼板用アルカリ洗浄剤組成物
JP3604277B2 (ja) 鋼板脱脂用洗浄剤組成物
JP2960387B2 (ja) 鋼板用アルカリ洗浄剤組成物
JP2938840B2 (ja) 鋼板用アルカリ洗浄剤組成物
US6372706B1 (en) Alkaline hard surface cleaner and process therewith
JPH10219283A (ja) 伸線用洗浄剤組成物
JP3410621B2 (ja) 鋼板脱脂用洗浄剤組成物
JP6430232B2 (ja) 鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の製造方法
JP2908904B2 (ja) 消泡剤およびアルカリ洗浄剤組成物
KR100723214B1 (ko) 소포성 및 세정성이 우수한 저검화가 압연유용 탈지제
CN112458468A (zh) 一种喷淋清洗剂及其制备方法
JPH0448877B2 (ja)
JP4850455B2 (ja) 金属用洗浄剤組成物
JP3248783B2 (ja) 金属用アルカリ性液体洗浄剤組成物
JPH06346259A (ja) アルカリ洗浄剤組成物
JPH05194999A (ja) アルカリ性硬質表面洗浄剤
JP3284067B2 (ja) アルカリ洗浄剤用助剤組成物
US5880082A (en) Aqueous based solvent free cleaning compositions containing alcohol alkoxylates, alkoxylated fatty alcohols and fatty alcohols having oxyethylate moieties
JP2014111808A (ja) 鋼板用洗浄剤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees