JP4850455B2 - 金属用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属用洗浄剤組成物、特に主に鉄、アルミニウム、銅などの金属帯連続生産ラインにおいて使用される金属板用洗浄剤組成物に関する。
金属、特に鋼板製造においてはアルカリ洗浄後に、ブラシ洗浄工程で、アルカリ洗浄液を除去しながら、鋼板表面を洗浄することが行われる。ブラシ洗浄工程では、工業用水に含まれるカルシウム等によるスカムが発生するため、これまでは、ブラシ洗浄前に温水スプレーしてアルカリ洗浄液をすすいだり、操業を停止してブラシのロール交換するなど設備にて対応してきた(特許文献1、2)。
しかし、近年、生産性を高めるためにラインスピードを早くしており、徐々に対応しきれなくなってきた。
特開2000−96087号公報 特開2001−64675号公報
本発明の課題は、洗浄性に優れ、カルシウム塩等の分散性を高めて、生産性を向上させる、金属用洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明は、(a)アルカリ剤〔以下、(a)成分という〕、(b)カルボキシメチル化ポリエチレンイミン又はその塩〔以下、(b)成分という〕を含有し、(a)成分と(b)成分の重量比(a)/(b)が、5/1〜1000/1である、金属用洗浄剤組成物を提供する。また、本発明は、(a)成分と(b)成分とを、(a)/(b)が5/1〜1000/1の重量比で配合してなる、金属用洗浄剤組成物に関する。
本発明によれば、優れた洗浄性とともに、カルシウム塩等の分散性に優れる金属用洗浄剤組成物が得られる。
[(a)成分]
本発明に用いられる(a)成分のアルカリ剤としては、水溶性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム、一号珪酸ナトリウム、二号珪酸ナトリウム、三号珪酸ナトリウム等の珪酸塩、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩等が挙げられる。2種以上の水溶性アルカリ剤を組み合わせても良い。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、更に好ましくは水酸化ナトリウムである。
[(b)成分]
本発明に用いられる(b)成分はカルボキシメチル化ポリエチレンイミン又はその塩であり、塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩が挙げられ、好ましくはアルカリ金属塩であり、さらに好ましくはナトリウム塩である。
また、(b)成分は、良好なカルシウム石鹸の分散性及びカルシウムの溶解性を両立でき、洗浄性及びリンス工程でのカルシウム等の硬度成分析出を抑制する観点から、平均分子量が1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは5000〜80000、特に好ましくは10000〜60000である。平均分子量が上記下限よりも大きいと分散性が良好となり、また、上記上限よりも小さいとカルシウム溶解能が良好となる。この平均分子量は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定された重量平均分子量である。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
本発明の(b)成分としては市販品を用いることができ、具体的には、BASF社製TRILON P等が挙げられる。
[(c)成分]
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄性、特に汚れ蓄積時の洗浄性の観点から、非イオン界面活性剤〔以下、(c)成分という〕を含有することが好ましい。本発明に用いられる(c)成分の非イオン界面活性剤としては、炭素数4〜24の直鎖又は分岐鎖アルコールのアルキレンオキサイド付加物、アルキル(アルキル基の炭素数5〜12)フェノールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、炭素数4〜24の直鎖又は分岐鎖アルコールのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、一般式(I)〜(V)で表される化合物が更に好ましい。
1O-<EOn/POm>-H (I)
2O-(EO)x1-(PO)y1-(EO)x2-H (II)
3O-[EOx3/POy2]-(EO)x4-H (III)
4O-(EO)x5-[EOx6/POy3]-(PO)y4-[EOx7/POy5]-(EO)x8-H (IV)
5O-(EO)z-H (V)
〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。R1は炭素数4〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、nはオキシエチレン基の平均付加モル数、mはオキシプロピレン基の平均付加モル数を表し、nは0〜20、mは0超20以下の数であり、式α=0.33×n−0.15×m−0.475×(R1の炭素数)+2.6によって計算されるαが−2.0<α<1.9を満たす。R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、x1, x2, x3, x4, x5, x6, x7及びx8はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す数で、x1, x2, x3, x4, x5及びx8はそれぞれ1以上の数、x1+x2≧4、x3+x4≧4、x5+x6+x7+x8≧4、x6+x7≧1である。y1, y2, y3, y4及びy5はプロピレンオキサイドの平均付加モル数を示す数で、0<y1<x1+x2、0<y2<x3+x4、y3+y5≧0.1、y3≧0、y4≧0、y5≧0、y3+y4+y5<x5+x6+x7+x8である。また、< >で囲まれた部分はランダム付加でもブロック付加でもよいことを、[ ]で囲まれた部分はランダム付加、( )で囲まれた部分はブロック付加であることを示す。R5は炭素数5〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、zはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す数で、R5が炭素数5〜10である場合にはzは1〜20、R5が炭素数11〜12の場合にはzは6〜20である。〕
一般式(I)において、R1が、直鎖の場合より好ましくはR1は炭素数6〜10、分岐鎖の場合より好ましくはR1は炭素数8〜14である。αが上記の式で表される範囲にあると浸透性と乳化性のバランスがよく、良好な脱脂性が得られる。αは一般式(I)において極めて優れた脱脂効果に寄与する化合物をR1、n及びmで規定した指標である。かかる一般式(I)の化合物〔以下、化合物(I)成分という〕は、(a)成分、(b)成分との併用において良好な脱脂性を示すものであるが、化合物(I)の構造によっては、洗浄性(脱脂効果)にバラツキが生じることが判明した。そこで、更に、化合物(I)の構造と脱脂効果との関係を詳細に検討した結果、オキシエチレン基の平均付加モル数n及びオキシプロピレン基の平均付加モル数mと、脱脂効果とに相関があることが見出され、種々のR1の化合物について、nを横軸(X軸)とmを縦軸(Y軸)とするグラフに脱脂効果をプロットして、より優れた効果が得られる範囲を検討した結果、一定の傾きを持つ2つの直線の範囲内に収まることがわかった。その2つ直線の傾きを算出し、nとmを変数とする1次方程式におきかえ、一方の直線を範囲の上限とし、他方の直線を範囲の下限とすることを表現するために不等式を採用して上記αの算出式に到達したものである。すなわち、化合物(I)についてのαの算出式は、(a)成分、(b)成分との併用において、より脱脂性に優れた効果が得られる化合物(I)の構造について行った種々の実験に基づいて導出されたものである。
なお、化合物(I)において、オキシエチレン、オキシプロピレンの付加形態はブロックでもランダムでもよく、ブロックの場合はオキシエチレンとオキシプロピレンの位置が逆でも良い。しかしオキシプロピレン−オキシエチレンの順番でR1Oにブロック付加したものがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は平均分子量が130〜1000が好ましく、130〜700がより好ましい。オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の好ましい平均付加モル数は、0≦n<8、且つ0<m<5であり、3<n<8であることがより好ましい。またαの値として直鎖の場合、より好ましいのは−1.3<α<1.6であり、さらに好ましくは−1.3<α<0.7であり、特に好ましくは−0.8<α<0.7であり、最も好ましくは−0.3<α<0.3である。分岐鎖の場合、より好ましいのは−2.0<α<1.6であり、さらに好ましくは−2.0<α<1.0であり、最も好ましくは−2.0<α<0.3である。
一般式(II)〜(IV)において、R2、R3及びR4は、洗浄性の観点から、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、更に好ましくは炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。
一般式(II)で表される化合物において、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示すx1及びx2はそれぞれ1以上の数であり、水との相溶性の観点から、x1とx2の和は4以上の数である。またx1とx2の和が20を越えても洗浄性能は変わらないが、排水処理や発泡抑制等の観点から、x1とx2の和は、好ましくは20以下の数であり、さらに好ましくは6〜15の数である。また、一般式(II)で表される化合物のプロピレンオキサイドの平均付加モル数y1は、洗浄性や生分解性等の観点から、0より大きく、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるx1とx2の和より小さい数であり、好ましくは 0.5〜6、より好ましくは1〜5の数である。
一般式(III)で表される化合物において、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示すx3及びx4はそれぞれ1以上の数であり、水との相溶性の観点から、x3とx4の和は4以上の数である。またx3とx4の和が20を越えても洗浄性能は変わらないが、排水処理や発泡抑制等の観点から、x3とx4の和は、好ましくは20以下の数であり、さらに好ましくは6〜15の数である。また、一般式(III)で表される化合物のプロピレンオキサイドの平均付加モル数y2は、洗浄性や生分解性等の観点から、0より大きく、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるx3とx4の和より小さい数であり、好ましくは 0.5〜6、より好ましくは1〜5の数である。
一般式(IV) で表される化合物において、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示すx5及びx8はそれぞれ1以上の数であり、x6とx7の和は1以上の数で、水との相溶性の観点から、x5とx6とx7とx8の和は4以上の数である。またx5とx6とx7とx8の和が20を越えても洗浄性能は変わらないが、排水処理や発泡抑制等の観点から、x5とx6とx7とx8の和は、好ましくは20以下の数であり、さらに好ましくは6〜15の数である。また、一般式(IV) で表される化合物のプロピレンオキサイドの平均付加モル数y3, y4, y5はそれぞれ0以上であり、y3+y5≧0.1、好ましくはy3+y5≧1である。y3とy4とy5の和は、洗浄性や生分解性等の観点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるx5とx6とx7とx8の和より小さい数であり、好ましくは 0.5〜6、より好ましくは1〜5の数である。
一般式(V)において、R5は、好ましくは炭素数が6〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R5が炭素数6〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはオキシエチレン基の平均付加モル数zは1〜10、R5が炭素数9〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはオキシエチレン基の平均付加モル数zは4〜10である。さらにより好ましくは、R5が炭素数6〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはzは2〜8、R5が炭素数が8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはzは4〜8である。
一般式(I)〜(V)において、R1〜R5は2級アルキル基であることが更に好ましい。
これらの非イオン界面活性剤の中では、一般式(II)〜(IV)で表される化合物が好ましく、下記一般式(II−1)、(III−1)又は(IV−1)で表される化合物が更に好ましい。
Ra−O−(EO)x1−(PO)y1−(EO)x2−H (II−1)
Rb−O−[EOx3/POy2]−(EO)x4−H (III−1)
Rc−O−(EO)x5−[EOx6/POy3]−(PO)y4−[EOx7/POy5]−(EO)x8−H (IV−1)
〔式中、Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立に炭素数6〜24の2級アルキル基を示し、EO,PO,x1, x2, x3, x4,x5, x6, x7,x8,y1, y2, y3, y4及びy5は前記の意味を示す。また、[ ]で囲まれた部分はランダム付加、( )で囲まれた部分はブロック付加であることを示す。〕
一般式(II−1)及び(IV−1)で表される化合物を得る際に用いられるエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加する前の原料の具体例として、日本触媒化学工業(株)製、商品名ソフタノール30、ソフタノール50、ソフタノール70、ソフタノール90、ソフタノールEP5035、ソフタノールEP7025、ソフタノールEP7045、ソフタノールEP9050等が挙げられる。また、一般式(III−1)で表される化合物は、2級アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加して得ることができる。
[洗浄剤組成物]
本発明の洗浄剤組成物は供給方法に応じて様々な形態をとることができる。具体的には、液体、スラリー、ペースト、固体(粉体、粉末、顆粒等)などであり、(a)成分、(b)成分、(c)成分それぞれを個別に供給して得た組成物を水で希釈して洗浄液とする事も可能である。本発明の洗浄剤組成物の製造方法には特に限定がなく、(a)成分、(b)成分、(c)成分は任意の順序で混合することができる。
本発明の組成物は、(a)成分を含む組成物Aと、(b)成分を含む組成物Bとを含んでなるキットにより調製することができる。また、洗浄力向上の観点から、本発明の組成物は更に(c)成分を含有することが好ましいが、その場合、組成物A又は組成物Bに(c)成分を含有させるか、別途(c)成分を含む組成物Cをキットに含ませることが好ましい。
本発明の組成物が水で希釈して使用するタイプの濃縮水溶液である場合、輸送効率が良いことと、濃縮水溶液の安定性が良いことの観点から、組成物(濃縮水溶液)中の(a)成分と(b)成分の合計(a)+(b)は、3〜50重量%が好ましく、5〜45重量%がより好ましく、10〜43重量%が更に好ましい。また、組成物(濃縮水溶液)中の(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計(a)+(b)+(c)も同様の観点から、3〜50重量%が好ましく、5〜45重量%がより好ましく、10〜43重量%が更に好ましい。
本発明の組成物中の(a)成分の含有量は、リンス工程への洗浄液持ちだしによるリンス水のpH上昇によるカルシウムなどの析出の促進を抑制できる範囲にする観点から、15〜90重量%が好ましく、20〜70重量%が更に好ましい。(b)成分の含有量は、より十分な洗浄性を得、またリンス工程でのカルシウム等の硬度成分析出を抑制する観点から、組成物中、0.08〜16.66重量%が好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましい。(c)成分の含有量は、十分な洗浄性を得る観点から、組成物中、5〜80重量%が好ましく、20〜70重量%が更に好ましい。上記の通り、本発明の組成物の形態は、液体、スラリー、ペースト、固体(粉末、顆粒等)の何れでも良く、ハンドリング性の観点から、液体又はスラリーが、更には液体が好ましい。各成分の含有量は、形態に応じて上記の含有量範囲から適正な範囲を選定できる。通常、本発明の組成物は水等で希釈した洗浄液として用いられる。
本発明の組成物は、水で希釈した洗浄液の状態では、(a)成分の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。(a)成分を0.1重量%以上含有することにより十分な洗浄性が得られ、10重量%以下の含有量でリンス工程への洗浄液持ちだしによるリンス水のpH上昇によるカルシウムなどの析出の促進を抑制できる範囲にすることができるので好ましい。(b)成分の含有量は、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.005〜1重量%である。(b)成分を0.001重量%以上含有することにより十分な洗浄性が得られ、リンス工程でのカルシウム等の硬度成分析出を抑制でき、10重量%以下の含有量で、洗浄性能は十分であり、経済的に好ましい。(c)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%である。(c)成分を0.01重量%以上含有することにより十分な洗浄性が得られ、5重量%以下の含有量で、洗浄性能は十分であり、経済的に好ましい。また、水の含有量は、70〜99重量%が好ましく、80〜98重量%が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中の(a)成分と(b)成分の重量比は、(a)/(b)=5/1〜1000/1であり、6/1〜100/1が好ましく、6/1〜50/1がより好ましく、6.5/1〜50/1が更に好ましい。この範囲内であれば、渇水時などの硬度が非常に高い状況下でも十分にアルカリ土類金属等の析出を抑制でき、洗浄性を高く維持できるので好ましい。なお、この(a)/(b)重量比は、(a)成分、(b)成分の仕込量に基づいて算出することもできる。
本発明の洗浄剤組成物中の(b)成分と(c)成分の重量比は、(b)/(c)=1/1000〜1/1が好ましく、1/200〜1/1.2がより好ましく、1/50〜1/1.5が更に好ましい。この範囲内であれば、(b)成分の安定性とともに、洗浄性を高く維持できるので好ましい。なお、この(b)/(c)重量比は、(b)成分、(c)成分の仕込量に基づいて算出することもできる。
本発明の洗浄剤組成物には、上記(a)〜(c)成分以外に、キレート剤を配合することが好ましい。キレート剤としては、グリセリン酸、テトロン酸、ペントン酸、ヘキソン酸、ヘプトン酸等のアルドン酸類のアルカリ金属塩もしくは低級アルキルアミン塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、テトラエチレンテトラミン六酢酸等のアミノカルボン酸類のアルカリ金属塩もしくは低級アルキルアミン塩、クエン酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸類のアルカリ金属塩もしくは低級アルキルアミン塩、アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等のホスホン酸類のアルカリ金属塩もしくは低級アルキルアミン塩やエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられ、好ましくは、グルコン酸、グルコヘプトン酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、リンゴ酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸のアルカリ金属塩もしくは低級アルキルアミン塩であり、特に好ましくは、グルコン酸ナトリウム、グルコヘプトン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウムである。
本発明の水で希釈した洗浄液の状態では、キレート剤の含有量は、洗浄性及び経済性の観点から0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜2重量%が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、洗浄性を向上させる目的で、洗浄剤組成物に一般的に使用されている、前記非イオン界面活性剤以外の非イオン界面活性剤や、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤等を、COD及びコストの上昇を考慮した上で配合することも可能である。また、スラリー化剤、洗浄の工程で発生する泡を抑制する消泡剤、可溶化剤などを、必要に応じて配合することも可能である。
[洗浄方法]
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄温度を10〜50℃に低下させても鋼板等の金属を十分に清浄化できるが、50℃よりも高い温度において洗浄すれば、より清浄度は高くなる。
本発明の洗浄剤組成物は、金属の洗浄、特に鉄、アルミニウム、銅などの金属帯連続生産ラインにおいて使用される金属板、特に鋼板の洗浄に適しており、製鉄所等における鋼板(鋼帯)の連続洗浄、即ち浸漬洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、電解洗浄等において特にその効果を発揮することができ、更には低温(例えば10〜50℃)において冷延鋼板を電解洗浄する際に使用すると効果がより大きくなる。
合成例1
エチレンオキサイド用とプロピレンオキサイド用の2つの計量槽の付いた5リットルの回転攪拌式オートクレーブ中に平均炭素数が12の2級アルコールにエチレンオキサイドを3モル付加させたエトキシレート化合物(商品名「ソフタノール30」、(株)日本触媒製)を1012g、水酸化カリウムを3.0 g仕込み、窒素置換を行った後、110 ℃に昇温し、5.33kPa で1時間脱水を行った。次に150 ℃に昇温し、エチレンオキサイドを343kPaの圧力で267 gオートクレーブ中に導入し、圧力が低下して一定になるまで反応させた後、120 ℃に冷却してプロピレンオキサイド352 gをオートクレーブ中に343kPaの圧力で導入し、エチレンオキサイドの場合と同様に圧力が低下し、一定になるまで反応させた。その後、再び150 ℃に昇温し、エチレンオキサイドを668 g導入し、圧力が低下して一定になるまで反応させた。反応終了後、温度を低下させて合成したサンプルを抜き出し、触媒を酢酸で中和して約2.3kg の非イオン界面活性剤(平均分子量:760)を得た。得られた非イオン界面活性剤は、一般式(II−1)において、Raが総炭素数12の2級アルキル基、x1が5、x2が5、y1が2である化合物であった。
実施例1〜8及び比較例1〜8
下記成分を用い、表1に示す組成の洗浄剤組成物を調製した。得られた洗浄剤組成物を用い、下記方法で鋼板の洗浄を行い、残存付着油分量を測定した。また、下記方法で洗浄剤組成物のカルシウム溶解性試験を行い、カルシウム溶解限界濃度を測定した。これらの結果を表1に示す。
<配合成分>
(a−1):水酸化ナトリウム
(b−1):カルボキシメチル化ポリエチレンイミンのナトリウム塩(TRILON P、BASF社製)
(c−1):ノニルフェノールのエチレンオキサイド平均10モル付加物
(c−2):2−エチルヘキサノールのエチレンオキサイド平均4モル付加物
(c−3):平均炭素数が12の2級アルコールにエチレンオキサイドを12モル、プロピレンオキサイドを3モルブロック付加させた化合物(商品名「ソフタノールEP12030」、(株)日本触媒製)
(c−4):合成例1で合成した非イオン界面活性剤
(d−1):グルコン酸ナトリウム
<鋼板の洗浄試験及び残存付着油分量の測定>
1)被洗浄鋼板の調製
被洗浄鋼板はすべて以下の手順で調製した。即ちパーム油を含有する合成エステル系圧延油で冷間圧延した厚さ0.1mmの鋼板を25mm×50mmの大きさに切断し、試験に用いた。付着油分量は134mg/m2であった。
2)洗浄試験
洗浄剤組成物に、1)で調製した被洗浄鋼板を1秒浸漬し、その後続けて電流密度5A/dm2で鋼板極性を負から正にそれぞれ0.5秒ずつ一度切り替えて電解洗浄し、水でリンスした後、乾燥した。尚、洗浄温度は60℃で行った。
3)残存付着油分量の測定
洗浄試験後の鋼板表面の付着油分量は、すべて鋼板付着油分量測定装置EMIA−111(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。測定値は5回測定の平均値である。洗浄性の判断基準としては、残存付着油分量が20mg/m2以上は不良、10mg/m2以上20mg/m2未満は良、5mg/m2以上10mg/m2未満は優、5mg/m2未満は特優とした。
<カルシウム溶解性試験>
洗浄剤組成物を脱イオン水にて100倍希釈して、ラウリン酸カルシウムを最大100ppm添加し、25℃にて攪拌しても溶解しない析出限界を目視判定して、カルシウム溶解限界濃度を測定する。
Figure 0004850455

Claims (8)

  1. (a)アルカリ剤、(b)重量平均分子量が1000〜100000のカルボキシメチル化ポリエチレンイミン又はその塩を含有し、(a)成分と(b)成分の重量比(a)/(b)が、5/1〜1000/1である、金属用洗浄剤組成物。
  2. (a)アルカリ剤と(b)カルボキシメチル化ポリエチレンイミン又はその塩とを、(a)/(b)が5/1〜1000/1の重量比で配合してなる、金属用洗浄剤組成物。
  3. さらに、(c)非イオン界面活性剤を含有する、請求項1又は2記載の金属用洗浄剤組成物。
  4. (b)成分と(c)成分の重量比(b)/(c)が、1/1000〜1/1である、請求項記載の金属用洗浄剤組成物。
  5. 非イオン界面活性剤が、炭素数4〜24の直鎖又は分岐鎖アルコールのアルキレンオキサイド付加物である、請求項3又は4記載の金属用洗浄剤組成物。
  6. さらに、キレート剤を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の金属用洗浄剤組成物。
  7. 冷間圧延鋼板の電解洗浄に用いられる、請求項1〜6のいずれかに記載の金属用洗浄剤組成物。
  8. (a)アルカリ剤を含む組成物Aと、(b)カルボキシメチル化ポリエチレンイミン又はその塩を含む組成物Bとを含んでなる請求項1〜7いずれか記載の金属洗浄用洗浄剤組成物を得るためのキット。
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