JP5175457B2 - 金属用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属用液体洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、鉄系金属製、非鉄金属などの金属製の工業製品・部品などの表面に付着するグリース、加工油、切粉、指紋、塵芥などの除去性能、すすぎ性能などに優れ、また、連続的に金属製工業部品を洗浄する際に、初期洗浄力にすぐれ、加工油などの汚れが混入しても優れた洗浄力を発揮し、しかも液状洗浄剤の安定性にも優れた金属用液体洗浄剤組成物に関する。
従来、鉄系金属製工業製品・部品、非鉄金属製工業製品・部品などの金属製工業製品・部品表面の洗浄用洗剤としては、アルカリ性洗浄剤を代表とする水を媒体とする水系洗浄剤、および、1,1,1−トリクロロエタンを代表とする溶剤系洗浄剤が使用されている。アルカリ性洗浄剤は、(1)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルに代表される非イオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表されるアニオン界面活性剤などの界面活性剤、(2)炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性無機化合物、(3)EDTA、NTA、グルコン酸塩などのキレート剤、(4)ベンゾトリアゾール類、アミン類、アルカノールアミン類などの防錆剤などを適宜配合したものである。その配合組成は、洗浄する対象物、金属の種類、汚れの程度に応じて、種々のものが提案されている(非特許文献1、非特許文献2などを参照)。しかし、これらアルカリ性洗浄剤は、脱脂力、浸透力は、1,1,1−トリクロロエタンなどの含塩素溶剤系洗浄剤に比較して劣るので、実用されるのは構造の簡単な物品分野や、洗浄後の残存油分量をそれほど問題にしない分野が主である。
一方、1,1,1−トリクロロエタンなどの含塩素溶剤系洗浄剤は、脱脂力、浸透力に優れ、切削油、引き抜き油、プレス油など、あらゆる脱脂に適用でき、複雑な構造の物品や、高い洗浄度が要求される精密部品の洗浄目的に使用される。しかしながら、近年、含塩素溶剤系洗浄剤による地下水の汚染、大気汚染、オゾン層破壊などの問題が指摘され、産業界では、含塩素溶剤系洗浄剤に代わる洗浄剤として、水を媒体とする水系洗浄剤(以下、単に水系洗浄剤と記載する)に注目しつつある。
しかしながら、従来の水系洗浄剤は、含塩素溶剤系洗浄剤に比較し、脱脂力、浸透力が劣り、特に、切削油、引き抜き油や粘度の高いプレス油などが、狭い隙間や細部に付着しているような場合や、金属製工業製品・部品表面のごく微量の残留油分量を問題にする分野で使用することは困難であった。水系洗浄剤の脱脂力を高めるには、アルカリ性無機化合物を増量して洗浄液のpHを高める手法もあるが、安定な液状洗浄剤とすることは困難であり、さらには非鉄金属製の被洗浄物への影響、作業者への安全性などを勘案すると、好ましい手法ではない。安定な水系洗浄剤とする技術として、特許文献1に記載されているように、芳香族カルボン酸ナトリウムを配合する手法があるが、芳香族カルボン酸ナトリウムの代表として使用されるパラターシャリーブチル安息香酸ナトリウムは、人間の腎臓、肝臓に対する毒性が強いという問題がある。
辻薦著、地人書院社発行、「工業用洗剤と洗浄技術」、第221頁〜第223頁、 辻薦著、産業技術サービスセンター社発行、「最新洗浄技術総覧」、第422頁 特公昭63−13480号公報
本発明者は、かかる状況にあって、上記の諸欠点を解消した金属用の水系洗浄剤を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、次のとおりである。
1.金属製工業製品・部品などの表面に付着するグリース、加工油、切粉、指紋、塵芥などの除去性能、すすぎ性能などに優れた金属用液体洗浄剤組成物を提供すること。
2.連続的に金属製工業製品・部品を洗浄する際に、初期洗浄力にすぐれ、加工油などの汚れが混入しても優れた洗浄力を発揮する金属用液体洗浄剤組成物を提供すること。
3.液状洗浄剤の安定性に優れた、金属用液体洗浄剤組成物を提供すること。
4.毒性を有する物質を含まず、人間の健康に悪影響を与えなることのない金属用液体洗浄剤組成物を提供すること。
上記課題を解決するために、本発明では、下記(A)成分ないし(E)成分が、それぞれ次の割合(全体で100重量%とする。)で配合されてなることを特徴とする、金属用液体洗浄剤組成物を提供する。
(A)成分:次の一般式(1)によって表される(a1)化合物と、一般式(2)とによって表される(a2)化合物とが、これら両者の質量比{(a1)/(a2)}が1/5〜15/1とされてなる非イオン界面活性剤5〜30重量%、
(B)成分:ケイ酸塩化合物0.5〜4.0重量%、
(C)成分:エチレンジアミン四酢酸および/またはそのアルカリ金属塩0.5〜4.0重量%、
(D)成分:オキシカルボン酸および/またはそのアルカリ金属塩0.5〜4.0重量%、
(E)成分:水58.0〜93.5重量%。
本発明は、以下詳細に説明するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、金属製工業製品・部品などの表面に付着するグリース、加工油、切粉、指紋、塵芥などの除去性能、すすぎ性能などに優れている。
2.本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、連続的に金属製工業製品・部品を洗浄する際に、初期洗浄力にすぐれ、加工油などの汚れが混入しても優れた洗浄力を発揮する。
3.本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、液状洗浄剤の安定性に優れている。
4.本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、パラターシャリーブチル安息香酸ナトリウムなどの毒性を有する物質を含まないので、人間の健康に悪影響を与えることがない。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、(A)成分ないし(E)成分が、それぞれ特定の割合で配合されてなることを必須とする。本発明において(A)成分は、上記一般式(1)によって表されるエチレンオキサイド付加数の多い(a1)化合物と、上記一般式(2)とによって表されるエチレンオキサイド付加数の少ない(a2)化合物とが、これら両者の質量比{(a1)/(a2)}が1/5〜15/1とされてなる非イオン界面活性剤である。これらエチレンオキサイド付加数の異なる二種類の非イオン界面活性剤を組み合わせることにより、金属用液体洗浄剤組成物の初期洗浄力と、洗浄持続力とを同時に向上させることができる。
上記一般式(1)におけるRの炭素数が10未満であると、金属用液体洗浄剤組成物は均一になり難く、炭素数が15を超えると、金属用液体洗浄剤組成物の初期洗浄力と、洗浄持続性が向上し難く、いずれも好ましくない。Rの具体例は、デシル基(C10)、ウンデシル基(C11)、ドデシル基(C12)、トリデシル基(C13)、テトラデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)などのアルキル基、デセニル基(C10)、ウンデセニル基(C11)、ドデセニル基(C12)、トリデセニル基(C13)、テトラデセニル基(C14)、ペンタデセニル基(C15)などのアルケニル基が挙げられる。Rの炭素数の特に好ましい範囲は、10〜15である。上記一般式(1)によって表される(a1)化合物の整数mが7未満であると、均一な液状洗浄剤組成物となり難く、mが20を超えると、液状洗浄剤組成物の初期洗浄力と洗浄持続力が向上しない。(a1)化合物は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。一般式(1)におけるmは、mの異なる複数の混合物であってもよい。混合物の場合は、複数の化合物の平均値が7〜20の範囲であればよい。整数mの特に好ましい範囲は、7〜12である。
上記一般式(2)におけるRの炭素数が10未満であると、金属用液体洗浄剤組成物は均一になり難く、炭素数が15を超えると、金属用液体洗浄剤組成物の初期洗浄力と、洗浄持続性が向上し難く、いずれも好ましくない。Rの具体例は、上記一般式(1)におけるRと同じである。上記一般式(2)によって表される(a2)化合物の整数nが3未満であると、均一な金属用液状洗浄剤組成物となり難く、整数nが6を超えると、金属用液状洗浄剤組成物の初期洗浄力と洗浄持続力が向上しない。(a2)化合物は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。一般式(2)におけるnは、nの異なる複数の混合物であってもよい。混合物の場合は、複数の化合物の平均値が3〜6の範囲であればよい。整数nの特に好ましい範囲は、3〜5である。
本発明者の実験によれば、上記一般式(1)によって表される(a1)化合物を、(B)成分ないし(E)成分と組み合わせても、金属用液状洗浄剤組成物の初期洗浄力と洗浄持続力が向上しなかった。また、上記一般式(2)によって表される(a2)化合物を、(B)成分ないし(E)成分と組み合わせても、均一な金属用液状洗浄剤組成物となり難く、洗浄力も向上しなかった。そこで、上記一般式(1)によって表される(a1)化合物と、上記一般式(2)とによって表される(a2)化合物とを、これらの質量比{(a1)/(a2)}を1/10〜20/1として組み合わせ、これに(B)成分ないし(E)成分と組み合わせたものは、金属用液状洗浄剤組成物が均一で安定な液状となり、優れた初期洗浄力と洗浄持続力を発揮することが分かった。質量比{(a1)/(a2)}の好ましい範囲は、1/5〜15/1である。
上記(a1)化合物および(a2)化合物であって、入手の容易なものとしては、次のものが挙げられる。(a1)化合物および(a2)化合物は、エチレンオキサイド付加数が相違するだけで、分子鎖の骨格は共通している。ポリオキシエチレントリデシルエーテル(C 13 である。
本発明者の実験によれば、(A)成分の本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める割合は、1〜50重量%(必須成分全体で100重量%とする。以下、同じ意味である。)の範囲で選ぶものとする。(A)成分が1重量%未満では、金属用液状洗浄剤組成物の洗浄力が優れず、50重量%を超えると均一な金属用液状洗浄剤組成物とするのが困難となり、いずれも好ましくない。金属用液体洗浄剤組成物に占める(A)成分の好ましい割合は、5〜30重量%である。
(B)成分(ケイ酸塩化合物)は、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物をアルカリ性に保ち、洗浄力向上に寄与するとともに、金属への腐食抑制効果を発揮する。(B)成分の具体例としては、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、オルトケイ酸カリウムなどが挙げられる。(B)成分の本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める割合は、0.1〜6.0重量%の範囲で選ぶものとする。(B)成分が0.1重量%未満では、金属用液状洗浄剤組成物の初期洗浄力および洗浄持久力が劣り、6.0重量%を超えると、均一な金属用液状洗浄剤組成物が得られ難く、いずれも好ましくない。(B)成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。(B)成分の好ましい範囲は、0.5〜4.0重量%である。
(C)成分(エチレンジアミン四酢酸および/またはそのアルカリ金属塩)は、キレート効果を発揮し、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物の洗浄力の向上に寄与する。(C)成分の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸一ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン、四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸一カリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、エチレンジアミン四酢酸三カリウム、エチレンジアミン四酢酸四カリウムなどが挙げられる。(C)成分の本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める割合は、0.1〜6.0重量%の範囲で選ぶものとする。(C)成分が0.1重量%未満では、金属用液体洗浄剤組成物の初期洗浄力および洗浄持続力が劣り、6.0重量%を超えると均一な液状洗浄剤とするのが困難となり、いずれも好ましくない。(C)成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。(C)成分の好ましい範囲は、0.5〜4.0重量%である。
(D)成分(オキシカルボン酸および/またはそのアルカリ金属塩)は、上記(C)成分とともに、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物の初期洗浄力および洗浄持続力の向上に寄与する。(D)成分の具体例としては、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、ヘプトン酸、ヘプトン酸ナトリウム、ヘプトン酸カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、グリコール酸、グリコール酸ナトリウム、グリコール酸カリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムなどが挙げられる。これらの中では、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、ヘプトン酸、ヘプトン酸ナトリウム、ヘプトン酸カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどが好適である。(D)成分の本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める割合は、0.1〜6.0重量%の範囲で選ぶものとする。(D)成分が0.1重量%未満では、初期洗浄力および洗浄持続力が劣り、6.0重量%を超えると、均一な液状洗浄剤とするのが困難となり、いずれも好ましくない。(D)成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。(D)成分の好ましい範囲は、0.5〜4.0重量%である。
(E)成分は水であり、上記(A)成分ないし(D)成分を分散させる。(E)成分の本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める割合は、58.0〜93.5重量%の量で選ぶものとする。(E)成分が58.0重量%未満であると、分散性が不足し、安定性に優れた金属用液体洗浄剤組成物が得られず、93.5重量%を超えると有効成分が不足し、洗浄力および洗浄持続力が劣るので、いずれも好ましくない。
本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、上記(A)成分ないし(E)成分を必須とするが、本発明の目的を阻害しない限り、さらに付加的成分として、金属用腐食防止剤{(F)成分}、消泡剤{(G)成分}、可溶化剤{(H)成分}、香料および/または着色剤{(I)成分}などを配合することができる。
(F)成分(金属用腐食防止剤)は、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物がアルカリ性であるので、金属(アルミニウム、アルミニウム合金、銅、黄銅、リン青銅、洋白などの銅合金)が腐食されることがあり、この(F)成分を配合することにより金属の腐食を抑制することができる。(F)成分の具体例としては、安息香酸、桂皮酸などの芳香族カルボン酸類、これらの金属塩類およびアミン塩類、アルキルアミン類、ジシクロヘキシル亜硝酸塩、2−メルカプトチアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。(F)成分の本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める割合は、0.01〜0.5重量%(必須成分と付加成分との合計で100重量%とする。以下、同じ意味である。)の範囲で選ぶのが好ましい。(F)成分が0.01重量%未満であると、金属の腐食抑制効果が不十分で、0.5重量%を超えると、金属用液体洗浄剤組成物の洗浄力を低下させるので、いずれも好ましくない。
(G)成分(消泡剤)は、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物によって各種の金属製工業製品・部品を洗浄する際に、洗浄方法によって発生することがある気泡を抑制する。この(G)成分は、ポリジメチルシロキサンが代表的である。本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める(G)成分の割合は、0.1〜5.0重量%の範囲で選ぶのが好ましい。(G)成分が0.1重量%未満であると、消泡効果が十分でない場合があり、5.0重量%を超えると、金属用液体洗浄剤組成物の洗浄力を低下させるので、いずれも好ましくない。
(H)成分(可溶化剤)は、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物の構成成分を所定量秤量し、混合する際に、均一部溶解させる機能を果たすものをいう。(H)成分の具体例としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩類、低級アルコール類、エタノールアミンなどのアミン類、グリコールエーテル、尿素、および炭化水素類などが挙げられる。本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める(H)成分の割合は、1.0〜10.0重量%の範囲で選ぶのが好ましい。(H)成分が1.0重量%未満であると、可溶化剤としての機能を発揮できず、10.0重量%を超えると、金属用液体洗浄剤組成物の洗浄力を低下させるので、いずれも好ましくない。
(I)成分(香料および/または着色剤)のうち香料は、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物の基材臭や不快臭を抑制し、着色剤は、本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物を目視する際に、高級感を与えるように機能する。香料の例としては、シトロネロール、ゲラニオール、オイゲノール、バニリン、デカン−1−オール、アリルイソアミロキシアセテート、リモネンなどが挙げられる。着色剤としては、各種水溶性の染料が挙げられる。本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物に占める(I)成分の割合は、0.01〜1.0重量%の範囲で選ぶのが好ましい。(I)成分が1.0重量%を超えると、金属用液体洗浄剤組成物の洗浄力を低下させるので好ましくない。
本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物の調製するには、100ミリリットル〜数千リットルの容器に、(E)成分(水)を秤量して準備し、これに液体洗浄剤組成物を構成する必須成分、すなわち(B)成分〜(D)成分を所定量秤量し、さらに要すれば不可成分、すなわち(F)成分〜(I)成分も準備し、各成分を一括して水に添加し、または、添加順序を変えて水に添加し、攪拌機によって均一に攪拌すればよい。調製された本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、容器に収納して、使用時まで保存することができ、保存中に構成成分が層分離することがなく、従って固形分がゲル化することもなく、保存安定性に優れている。
本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物を使用する場合は、金属用液体洗浄剤組成物をそのまま、または金属用液体洗浄剤組成物を水で希釈し、洗浄する対象物の金属製工業製品・部品の大きさ・形状により、浸漬洗浄法、スプレイ洗浄法などによることができる。浸漬法の場合は、液体洗浄剤に超音波を印加して振動させることによって、洗浄効果を向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下に記載の例に限定されるものではない。
<構成成分の詳細>
実施例、比較例で使用した構成成分の詳細は、次のとおりである。
(a1)化合物
(1)a1−1:ポリオキシエチレントリデシルエーテル{炭素数13(以下C13と表示する。以下、数字は同じ意味である。)、m(エチレンオキサイド平均付加モル数)(mは、以下同じ意味である。)=12}である。
(2)a1−2:ポリオキシエチレントリデシルエーテル{C13、m=10}である。
(3)a1−3:ポリオキシエチレントリデシルエーテル{C13、m=8}である。
(4)a1−4:ポリオキシエチレントリデシルエーテル{C13、m=7}である。
(5)a1−5:ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル{C12〜15、m=10}である。
(6)a1−6:ポリオキシエチレンイソデシルエーテル{C10、m=8}である。
(7)a1−7:ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル{C、m=8}である。
(8)a1−8:ポリオキシエチレンオレイルエーテル{C18、m=14}である。
(9)a1−9:ポリオキシエチレンラウリルエーテル{C12、m=40}である。
(a2)化合物
(10)a2−1:ポリオキシエチレントリデシルエーテル{C13、n(エチレンオキサイド平均付加モル数)(nは、以下同じ意味である。)=3}である。
(11)a2−2:ポリオキシエチレントリデシルエーテル{C13、n=5}である。
(12)a2−3:ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル{C12〜15、n=3}である。
(13)a2−4:ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル{C12〜15、n=5}である。
(14)a2−5:ポリオキシエチレンイソデシルエーテル{C10、n=3}である。
(15)a2−6:ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル{C、n=4}である。
(16)a2−7:ポリオキシエチレンオレイルエーテル{C18、n=5}である。
(17)a2−8:ポリオキシエチレンラウリルエーテル{C12、n=2}である。
(18)B成分:メタケイ酸ナトリウム・5水塩(広栄化学工業社製)である。
(19)C成分:EDTA3ナトリウム(キレスト社製、商品名:キレートC)である。
(20)D成分:グルコン酸ナトリウム(扶桑化学工業社製)である。
[実施例1〜実施例11、比較例1〜比較例15]
<金属用液体洗浄剤組成物の調製>
金属用液体洗浄剤組成物を構成する各成分を、全量で300gになるように表−1および表−2(実施例)、表−3および表−4(比較例)に記載した割合(重量部)で秤量した。秤量した構成成分を、容量が500ミリリットルのビーカーに入れ、ミキサー(ヤマト科学株式会社製、型式:LABO STIRRER LR−41C)によって、500回/分の強度で、30分間攪拌を行い、金属用液体洗浄剤組成物を調製した。
<金属用液体洗浄剤組成物の評価方法>
(1)初期洗浄力:まず、大きさが25mm×80mm×1.0mmのSUS304製試験片を準備した。この試験片を、グリース(日本石油社製、商品名:マルチノック)とギヤ油(日本石油社製、商品名:ボンノックSP320)とを、重量比で6対4の割合として混合した油に浸漬して、試験片表面に油を塗布した。一方、表−1ないし表−4に示した金属用液体洗浄剤組成物を、水で希釈して5重量%濃度の洗浄液を調製した。調製した洗浄液を、JIS K3362の合成洗剤試験法に記載の「洗浄力評価試験」に準拠して、上記試験片を洗浄液に浸漬し、洗浄液を攪拌しつつ試験片表面を洗浄した。試験片の洗浄液への浸漬前後の重量の差を測定して、JIS K3362記載の指標洗剤によって同様の試験を行い、脱脂量を比較した。試験結果は、次のように表示した。
◎:実施例、比較例で調製洗浄液の脱脂量が、指標洗剤の4倍を超えるもの。
○:実施例、比較例で調製洗浄液の脱脂量が、指標洗剤の3〜4倍のもの。
×:実施例、比較例で調製洗浄液の脱脂量が、指標洗剤の3倍未満のもの。
(2)洗浄持続力:大きさが25mm×80mm×1.0mmのSUS304製試験片を準備した。この試験片を、グリース(日本石油社製、商品名:マルチノック)とギヤ油(日本石油社製、商品名:ボンノックSP320)とを、重量比で6対4の割合として混合した油に浸漬して、試験片表面に油を塗布した。一方、表−1ないし表−4に示した金属用液体洗浄剤組成物を、水で希釈して5重量%濃度の液を調製した。この調製した液に灯油を0.1重量%混合して洗浄液とした。この洗浄液を、JIS K3362の合成洗剤試験法に記載の「洗浄力評価試験」に準拠して、上記試験片を洗浄液に浸漬し、洗浄液を攪拌しつつ試験片表面を洗浄した。試験片の洗浄液への浸漬前後の重量の差を測定して、JIS K3362記載の指標洗剤によって同様の試験を行い、脱脂量を比較した。試験結果は、次のように表示した。
◎:実施例、比較例で調製洗浄液の脱脂量が、指標洗剤の4倍を超えるもの。
○:実施例、比較例で調製洗浄液の脱脂量が、指標洗剤の3〜4倍のもの。
×:実施例、比較例で調製洗浄液の脱脂量が、指標洗剤の3倍未満のもの。
(3)液状安定性:表−1ないし表−4に示した金属用液体洗浄剤組成物を、40℃に維持した恒温室に30日間放置し、金属用液体洗浄剤組成物の固形物の分離、沈殿の有無を目視観察した。試験結果は、次のように表示した。
◎:分離、沈殿は観察されない。
×:分離、沈殿が観察された。
表−1ないし表−4より、次のことが明らかとなる。
1.本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、金属製工業製品・部品などの表面に付着するグリース、加工油、切粉、指紋、塵芥などの除去性能、すすぎ性能などの初期洗浄力にすぐれ、加工油などの汚れが混入しても優れた洗浄力を発揮する(実施例1〜実施例11参照)。
2.これに対して、A成分として(a1)化合物と(a2)化合物の双方を含んでいても、その質量比が請求項1に規定する範囲外であると、初期洗浄力、洗浄維持力などに劣る(比較例1および比較例2参照)。
3.また、(A)成分が請求項1に規定する量より少ない場合(比較例3)は、初期洗浄力、洗浄維持力に劣り(比較例3参照)、逆に(A)成分が請求項1に規定する量より多過ぎる場合は、液状安定性が劣る(比較例4参照)。
4.a1化合物およびa2化合物の炭素数が8で、請求項1の要件を満たさない場合は、mおよびnが請求項1の要件を満たしても、液状安定性が劣る(比較例5参照)。
5.a1化合物およびa2化合物の炭素数が18で、請求項1の要件を満たさない場合は、初期洗浄力、洗浄維持力などに劣る(比較例6参照)。
6.a1化合物の炭素数が請求項1の要件を満たさず、mが40と請求項1の範囲外であると、初期洗浄力、洗浄維持力、液状安定性などに劣る(比較例7参照)。a2化合物の炭素数が請求項1の要件を満たさず、nが2と請求項1で規定する範囲外であると、初期洗浄力、洗浄維持力、液状安定性などに劣る(比較例8参照)。
7.また、(B)成分、(C)成分、(D)成分が請求項1の範囲外であると、初期洗浄力、洗浄維持力などに劣る(比較例9ないし比較例12参照)。
8.さらにまた、(B)成分、(C)成分、または(D)成分の配合量のいずれかが、請求項1で規定する範囲外であると、液状安定性に劣る(比較例13〜比較例15参照)。
本発明に係る金属用液体洗浄剤組成物は、鉄系金属製、非鉄金属などの金属製の工業製品・部品などの表面に付着するグリース、加工油、切粉、指紋、塵芥などの除去、すすぎなどの洗浄剤として有用である。

Claims (1)

  1. 下記(A)成分ないし(E)成分が、それぞれ次の割合(全体で100重量%とする。)で配合されてなることを特徴とする、金属用液体洗浄剤組成物。
    (A)成分:次の一般式(1)によって表される(a1)化合物と、一般式(2)とによって表される(a2)化合物とが、これら両者の質量比{(a1)/(a2)}が1/5〜15/1とされてなる非イオン界面活性剤5〜30重量%、
    (B)成分:ケイ酸塩化合物0.5〜4.0重量%、
    (C)成分:エチレンジアミン四酢酸および/またはそのアルカリ金属塩0.5〜4.0重量%、
    (D)成分:オキシカルボン酸および/またはそのアルカリ金属塩0.5〜4.0重量%、
    (E)成分:水58.0〜93.5重量%。
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