JPH05247665A - 燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法 - Google Patents
燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法Info
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- JPH05247665A JPH05247665A JP4547892A JP4547892A JPH05247665A JP H05247665 A JPH05247665 A JP H05247665A JP 4547892 A JP4547892 A JP 4547892A JP 4547892 A JP4547892 A JP 4547892A JP H05247665 A JPH05247665 A JP H05247665A
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/82—After-treatment
- C23C22/83—Chemical after-treatment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面に燐酸塩皮膜が形成された金属材2を酸
性処理液42と接触させて燐酸塩皮膜の上層部を溶解さ
せる後処理洗浄方法を、処理液42を連続循環使用し
ても被処理材2の塗膜密着性および塗膜耐食性を向上さ
せる初期の効果が永続的に得られ、処理液42中にス
ラッジが発生しないかまたはスラッジの発生が抑制さ
れ、燐酸塩処理工程後の水洗水を処理液調製用の原水
として使用でき、カチオン型電着塗装のための前処理
として特に有用であるものとする。 【構成】 酸性処理液42をH+ 型カチオン交換樹脂4
3でイオン交換処理する。これにより、酸性処理液42
中に金属イオンが蓄積するのが防がれる。
性処理液42と接触させて燐酸塩皮膜の上層部を溶解さ
せる後処理洗浄方法を、処理液42を連続循環使用し
ても被処理材2の塗膜密着性および塗膜耐食性を向上さ
せる初期の効果が永続的に得られ、処理液42中にス
ラッジが発生しないかまたはスラッジの発生が抑制さ
れ、燐酸塩処理工程後の水洗水を処理液調製用の原水
として使用でき、カチオン型電着塗装のための前処理
として特に有用であるものとする。 【構成】 酸性処理液42をH+ 型カチオン交換樹脂4
3でイオン交換処理する。これにより、酸性処理液42
中に金属イオンが蓄積するのが防がれる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燐酸塩処理された金
属材表面の後処理洗浄方法に関する。
属材表面の後処理洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄系、亜鉛系またはアルミニウム系表面
などの金属表面は、耐食性や塗膜密着性を向上させるた
めに、塗装に先立って、燐酸塩処理のような化成処理が
施されている。ところが、燐酸塩処理により金属表面に
形成された燐酸塩皮膜の上層部は、ぜい弱であるため、
後処理によって溶解除去されることが望ましい。これに
より、未塗装および塗装後の金属表面の耐食性を向上さ
せている。
などの金属表面は、耐食性や塗膜密着性を向上させるた
めに、塗装に先立って、燐酸塩処理のような化成処理が
施されている。ところが、燐酸塩処理により金属表面に
形成された燐酸塩皮膜の上層部は、ぜい弱であるため、
後処理によって溶解除去されることが望ましい。これに
より、未塗装および塗装後の金属表面の耐食性を向上さ
せている。
【0003】そのような後処理には、安全衛生や環境汚
染を考慮すると、クロムを含まない無公害性の処理液を
用いることが好ましい。たとえば、燐酸塩皮膜が形成さ
れた金属表面を酸性燐酸水溶液で処理することにより、
燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部を溶解して被処理材の塗膜
密着性および塗膜耐食性を向上させる方法(特開平1−
129997号公報参照)や、燐酸塩皮膜が形成された
金属表面を、フィチン酸およびジルコニウム化合物を含
むpH3〜7の水溶液で処理することにより、燐酸塩皮
膜のぜい弱な上層部を溶解するとともに不動態化皮膜を
形成して被処理材の塗膜密着性および塗膜耐食性を向上
させる方法(特公昭60−17827号公報参照)が提
案されている。
染を考慮すると、クロムを含まない無公害性の処理液を
用いることが好ましい。たとえば、燐酸塩皮膜が形成さ
れた金属表面を酸性燐酸水溶液で処理することにより、
燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部を溶解して被処理材の塗膜
密着性および塗膜耐食性を向上させる方法(特開平1−
129997号公報参照)や、燐酸塩皮膜が形成された
金属表面を、フィチン酸およびジルコニウム化合物を含
むpH3〜7の水溶液で処理することにより、燐酸塩皮
膜のぜい弱な上層部を溶解するとともに不動態化皮膜を
形成して被処理材の塗膜密着性および塗膜耐食性を向上
させる方法(特公昭60−17827号公報参照)が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記2つの公報記載の
後処理洗浄方法は、同じ処理液を連続循環使用(浸漬処
理の場合には処理液を取りかえずに連続して使用するこ
と、スプレー処理の場合にはスプレーして流下した液を
再びスプレーすること。以下同様)する場合には、処理
液中に金属イオンが蓄積していくため、次第にその処理
効果が減少していくとともに処理液中にスラッジが発生
して被処理材に付着するという問題が生じる。
後処理洗浄方法は、同じ処理液を連続循環使用(浸漬処
理の場合には処理液を取りかえずに連続して使用するこ
と、スプレー処理の場合にはスプレーして流下した液を
再びスプレーすること。以下同様)する場合には、処理
液中に金属イオンが蓄積していくため、次第にその処理
効果が減少していくとともに処理液中にスラッジが発生
して被処理材に付着するという問題が生じる。
【0005】また、両洗浄方法とも、処理液調製のため
の原水として、燐酸塩処理後の水洗水を使用すると、ス
ラッジが発生し、皮膜を溶解する成分濃度が低下するの
で、原水としては水道水、工業用水あるいは純水を使用
する必要がある。他方、被処理材をカチオン型電着塗装
する場合には、それ以前の工程で被処理材に付着した電
解質成分が電着塗料に持ち込まれると、電着塗膜にへこ
みを生じ、著しく外観を損なう。このため、電着塗装の
直前には、一般に純水洗工程が設けられる。上記両公報
記載の後処理洗浄方法において同じ処理液を連続循環使
用する場合には、処理液に金属イオンが蓄積していくた
め、その後の水洗工程に大きな負荷がかかり、特に水洗
工程の最終段階では充分な純水洗を採用する必要があ
る。
の原水として、燐酸塩処理後の水洗水を使用すると、ス
ラッジが発生し、皮膜を溶解する成分濃度が低下するの
で、原水としては水道水、工業用水あるいは純水を使用
する必要がある。他方、被処理材をカチオン型電着塗装
する場合には、それ以前の工程で被処理材に付着した電
解質成分が電着塗料に持ち込まれると、電着塗膜にへこ
みを生じ、著しく外観を損なう。このため、電着塗装の
直前には、一般に純水洗工程が設けられる。上記両公報
記載の後処理洗浄方法において同じ処理液を連続循環使
用する場合には、処理液に金属イオンが蓄積していくた
め、その後の水洗工程に大きな負荷がかかり、特に水洗
工程の最終段階では充分な純水洗を採用する必要があ
る。
【0006】この発明は、処理液を連続循環使用して
も被処理材の塗膜密着性および塗膜耐食性を向上させる
初期の効果が永続的に得られ、処理液中にスラッジが
発生しないかまたはスラッジの発生が抑制され、燐酸
塩処理工程後の水洗水を処理液調製用の原水として使用
でき、カチオン型電着塗装のための前処理として特に
有用である、燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄
方法を提供することを課題とする。
も被処理材の塗膜密着性および塗膜耐食性を向上させる
初期の効果が永続的に得られ、処理液中にスラッジが
発生しないかまたはスラッジの発生が抑制され、燐酸
塩処理工程後の水洗水を処理液調製用の原水として使用
でき、カチオン型電着塗装のための前処理として特に
有用である、燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄
方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、表面に燐酸塩皮膜が形成された金属材
を酸性処理液と接触させて燐酸塩皮膜の上層部を溶解さ
せる後処理洗浄方法であって、前記酸性処理液をH+ 型
カチオン交換樹脂でイオン交換処理することを特徴とす
る、燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法を提
供する。
に、この発明は、表面に燐酸塩皮膜が形成された金属材
を酸性処理液と接触させて燐酸塩皮膜の上層部を溶解さ
せる後処理洗浄方法であって、前記酸性処理液をH+ 型
カチオン交換樹脂でイオン交換処理することを特徴とす
る、燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法を提
供する。
【0008】この発明では、処理の対象となる金属材
は、金属であれば特に限定はないが、通常、鉄系表面、
亜鉛系表面およびアルミニウム系表面のうちの少なくと
も1種を有するものである。金属材表面には、通常の方
法に従って燐酸塩皮膜が形成される。このための化成処
理、すなわち燐酸塩処理は、酸性燐酸塩処理液と金属材
表面とを接触させることにより行われる。該酸性燐酸塩
処理液は、たとえば、従来公知のものが使用され、亜鉛
イオン、燐酸イオンおよび皮膜化成促進剤を必須成分と
し、その他、ナトリウムイオンおよび皮膜の変性成分と
してのニッケルイオンやマンガンイオンのようなカチオ
ンが含まれているとともに、硝酸イオン、塩素酸イオン
や塩素イオンのようなアニオンが含まれている。
は、金属であれば特に限定はないが、通常、鉄系表面、
亜鉛系表面およびアルミニウム系表面のうちの少なくと
も1種を有するものである。金属材表面には、通常の方
法に従って燐酸塩皮膜が形成される。このための化成処
理、すなわち燐酸塩処理は、酸性燐酸塩処理液と金属材
表面とを接触させることにより行われる。該酸性燐酸塩
処理液は、たとえば、従来公知のものが使用され、亜鉛
イオン、燐酸イオンおよび皮膜化成促進剤を必須成分と
し、その他、ナトリウムイオンおよび皮膜の変性成分と
してのニッケルイオンやマンガンイオンのようなカチオ
ンが含まれているとともに、硝酸イオン、塩素酸イオン
や塩素イオンのようなアニオンが含まれている。
【0009】燐酸塩処理された被処理材は、水洗された
後、純水洗される。この発明では、被処理材は、燐酸塩
処理が終わってからの段階、特に、カチオン電着塗装を
行う場合には燐酸塩処理が終わってから純水洗される前
までの段階で後処理洗浄される。燐酸塩処理と純水洗と
の間の水洗が1段階または2段階以上で行われる場合、
後処理洗浄は、いずれの水洗の前および/または後で行
われてもよい。後処理洗浄が燐酸塩処理後の早い段階で
行われると純水洗などに至るまでの間に被処理材に汚れ
が付着するおそれがあり、遅い段階で行われると被処理
材に付着する不純物が多くなって純水洗での負荷が大き
くなるおそれがあるので、それらを考慮して後処理洗浄
をどの段階で行うかを適宜選択すればよい。
後、純水洗される。この発明では、被処理材は、燐酸塩
処理が終わってからの段階、特に、カチオン電着塗装を
行う場合には燐酸塩処理が終わってから純水洗される前
までの段階で後処理洗浄される。燐酸塩処理と純水洗と
の間の水洗が1段階または2段階以上で行われる場合、
後処理洗浄は、いずれの水洗の前および/または後で行
われてもよい。後処理洗浄が燐酸塩処理後の早い段階で
行われると純水洗などに至るまでの間に被処理材に汚れ
が付着するおそれがあり、遅い段階で行われると被処理
材に付着する不純物が多くなって純水洗での負荷が大き
くなるおそれがあるので、それらを考慮して後処理洗浄
をどの段階で行うかを適宜選択すればよい。
【0010】この後処理洗浄では、金属材表面に形成さ
れた燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部が溶解除去される。こ
れに用いられる処理液は、燐酸塩皮膜上層部を溶解する
ために酸性を有する必要があり、pH2〜6を呈するこ
とが好ましい。この処理液は、燐酸水溶液またはこれに
由来する酸性液であることが好ましい。これは後処理洗
浄後に燐酸塩皮膜中に燐酸が過度に残留しても塩酸、硝
酸あるいは硫酸等に比べてその悪影響の程度が小さいと
いう理由による。
れた燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部が溶解除去される。こ
れに用いられる処理液は、燐酸塩皮膜上層部を溶解する
ために酸性を有する必要があり、pH2〜6を呈するこ
とが好ましい。この処理液は、燐酸水溶液またはこれに
由来する酸性液であることが好ましい。これは後処理洗
浄後に燐酸塩皮膜中に燐酸が過度に残留しても塩酸、硝
酸あるいは硫酸等に比べてその悪影響の程度が小さいと
いう理由による。
【0011】後処理洗浄に用いる処理液を調製するため
の原水は、工業用水、水道水または純水などの上水、燐
酸塩処理後の水洗および/または純水洗に使われた水洗
液などであるが、1価以上の金属イオンなどのカチオン
を含む水溶液であって、たとえば、燐酸塩処理後の水洗
に用いた水洗液が好適である。燐酸亜鉛処理方法では、
水洗液には亜鉛イオンの他、ナトリウムイオンおよび皮
膜の変性成分としてのニッケルイオンやマンガンイオン
のようなカチオンが含まれているとともに、燐酸イオ
ン、硝酸イオン、塩素酸イオン、塩素イオンのようなア
ニオンが含まれているため、水洗液を上記原水に用いる
と水洗液中の燐酸イオンをそのまま使えるという利点が
ある。前記原水をH+ 型カチオン交換樹脂でイオン交換
処理することにより、実質上、重金属イオンを含有しな
い酸性水溶液が生成し、この酸性水溶液を上記処理液と
することができる。H+ 型カチオン交換樹脂によるイオ
ン交換処理では、ナトリウムイオンやカリウムイオンの
ような1価カチオンに比べて、亜鉛イオン、マンガンイ
オン、ニッケルイオンのような2価カチオンが選択的に
イオン交換される。
の原水は、工業用水、水道水または純水などの上水、燐
酸塩処理後の水洗および/または純水洗に使われた水洗
液などであるが、1価以上の金属イオンなどのカチオン
を含む水溶液であって、たとえば、燐酸塩処理後の水洗
に用いた水洗液が好適である。燐酸亜鉛処理方法では、
水洗液には亜鉛イオンの他、ナトリウムイオンおよび皮
膜の変性成分としてのニッケルイオンやマンガンイオン
のようなカチオンが含まれているとともに、燐酸イオ
ン、硝酸イオン、塩素酸イオン、塩素イオンのようなア
ニオンが含まれているため、水洗液を上記原水に用いる
と水洗液中の燐酸イオンをそのまま使えるという利点が
ある。前記原水をH+ 型カチオン交換樹脂でイオン交換
処理することにより、実質上、重金属イオンを含有しな
い酸性水溶液が生成し、この酸性水溶液を上記処理液と
することができる。H+ 型カチオン交換樹脂によるイオ
ン交換処理では、ナトリウムイオンやカリウムイオンの
ような1価カチオンに比べて、亜鉛イオン、マンガンイ
オン、ニッケルイオンのような2価カチオンが選択的に
イオン交換される。
【0012】閉鎖系の処理工程では、一般に、純水洗に
使用された水洗液がその手前の工程の水洗の洗浄水に使
用され、水洗が複数段階で行われる場合には、水洗液が
順次手前の段階の水洗の洗浄水に使用され、燐酸塩処理
後の最初の水洗に使われた水洗液は廃棄される。燐酸塩
処理後の水洗および/または純水洗に使われた水洗液を
用いて後処理洗浄用の処理液を作る場合、処理液のpH
に適した重金属イオン濃度の水洗液を用いたり、混合や
希釈などにより水洗液をそのような濃度に調整したりす
ることができる。水洗や純水洗が複数の段階で行われる
場合には、いずれの段階で使用された水洗液が使用され
てもよい。
使用された水洗液がその手前の工程の水洗の洗浄水に使
用され、水洗が複数段階で行われる場合には、水洗液が
順次手前の段階の水洗の洗浄水に使用され、燐酸塩処理
後の最初の水洗に使われた水洗液は廃棄される。燐酸塩
処理後の水洗および/または純水洗に使われた水洗液を
用いて後処理洗浄用の処理液を作る場合、処理液のpH
に適した重金属イオン濃度の水洗液を用いたり、混合や
希釈などにより水洗液をそのような濃度に調整したりす
ることができる。水洗や純水洗が複数の段階で行われる
場合には、いずれの段階で使用された水洗液が使用され
てもよい。
【0013】この発明で後処理洗浄に用いる処理液中に
は、重金属イオンが実質上含有されない。ここで、重金
属イオンが実質上含有されないとは、この発明による燐
酸塩皮膜の溶解反応が抑制される濃度以上に重金属イオ
ンが含有されないという意味である。このため、該処理
液中の亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオンな
どの重金属イオンの合計濃度はたとえば10ppm以下
が好ましく、1ppm以下がより好ましい。重金属イオ
ン、特に亜鉛イオン等の多価金属イオンが存在すると、
処理液中でスラッジが形成されたり、燐酸塩皮膜のぜい
弱な上層部を溶解する能力が低下する。
は、重金属イオンが実質上含有されない。ここで、重金
属イオンが実質上含有されないとは、この発明による燐
酸塩皮膜の溶解反応が抑制される濃度以上に重金属イオ
ンが含有されないという意味である。このため、該処理
液中の亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオンな
どの重金属イオンの合計濃度はたとえば10ppm以下
が好ましく、1ppm以下がより好ましい。重金属イオ
ン、特に亜鉛イオン等の多価金属イオンが存在すると、
処理液中でスラッジが形成されたり、燐酸塩皮膜のぜい
弱な上層部を溶解する能力が低下する。
【0014】実質上、重金属イオンを含有しない処理液
を調製するために、イオン交換樹脂能力を考慮して、原
水に水道水や工業用水等を混合しても良い。原水中のカ
チオン、特に重金属イオンはH+ 型のカチオン交換樹脂
に捕捉され、処理液中には水素イオンが残ることとな
り、処理液のpHは原水よりも低下する。処理液のpH
は、カチオン交換量の調整により、また、必要ならば酸
(たとえば、燐酸)および/または塩基(たとえば、苛
性ソーダ)の添加によりpH2〜6に調整される。好ま
しくは、pH3〜5に調整される。pHが2未満である
と、金属面の燐酸塩皮膜を過剰に溶出し、この発明の効
果が充分に発揮されないおそれがある。逆に処理液のp
Hが6を超えると、燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部を溶解
しなくなり、この発明の効果が充分に発揮されないおそ
れがある。H+ 型カチオン交換樹脂でカチオン交換処理
された処理液をそのまま被処理材に接触させて後処理洗
浄してもよいが、後処理洗浄に使われた処理液を溜めた
水槽からH+ 型カチオン交換樹脂へ循環させてカチオン
交換処理を行い、該水槽中の処理液を被処理材に接触さ
せるようにしてもよい。
を調製するために、イオン交換樹脂能力を考慮して、原
水に水道水や工業用水等を混合しても良い。原水中のカ
チオン、特に重金属イオンはH+ 型のカチオン交換樹脂
に捕捉され、処理液中には水素イオンが残ることとな
り、処理液のpHは原水よりも低下する。処理液のpH
は、カチオン交換量の調整により、また、必要ならば酸
(たとえば、燐酸)および/または塩基(たとえば、苛
性ソーダ)の添加によりpH2〜6に調整される。好ま
しくは、pH3〜5に調整される。pHが2未満である
と、金属面の燐酸塩皮膜を過剰に溶出し、この発明の効
果が充分に発揮されないおそれがある。逆に処理液のp
Hが6を超えると、燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部を溶解
しなくなり、この発明の効果が充分に発揮されないおそ
れがある。H+ 型カチオン交換樹脂でカチオン交換処理
された処理液をそのまま被処理材に接触させて後処理洗
浄してもよいが、後処理洗浄に使われた処理液を溜めた
水槽からH+ 型カチオン交換樹脂へ循環させてカチオン
交換処理を行い、該水槽中の処理液を被処理材に接触さ
せるようにしてもよい。
【0015】この発明で用いるH+ 型カチオン交換樹脂
は、市販品を容易に入手することができる。この発明で
は、カチオン交換処理に、官能基として−SO3 Hを有
するH+ 型強酸性カチオン交換樹脂や、官能基として−
COOHを有するH+ 型弱酸性カチオン交換樹脂が利用
できるが、重金属イオン等とのカチオン交換能力の高い
H+ 型強酸性カチオン交換樹脂が望ましい。そのような
市販品は、たとえば、オルガノ社製の商品名「IR−1
18(H)」のH+ 型強酸性カチオン交換樹脂、オルガ
ノ社製の商品名「IRC−50(H型)」や「CG−5
0(H+ 型)」のH+ 型弱酸性カチオン交換樹脂があ
る。また、Na+ 型で市販されている強酸性カチオン交
換樹脂、たとえば、オルガノ社製の商品名「IR−12
0B」、「IR−252」、「CG−120」等は適当
な酸(たとえば、燐酸)で洗浄することにより、容易に
H+ 型の強酸性カチオン交換樹脂としてこの発明に利用
できる。
は、市販品を容易に入手することができる。この発明で
は、カチオン交換処理に、官能基として−SO3 Hを有
するH+ 型強酸性カチオン交換樹脂や、官能基として−
COOHを有するH+ 型弱酸性カチオン交換樹脂が利用
できるが、重金属イオン等とのカチオン交換能力の高い
H+ 型強酸性カチオン交換樹脂が望ましい。そのような
市販品は、たとえば、オルガノ社製の商品名「IR−1
18(H)」のH+ 型強酸性カチオン交換樹脂、オルガ
ノ社製の商品名「IRC−50(H型)」や「CG−5
0(H+ 型)」のH+ 型弱酸性カチオン交換樹脂があ
る。また、Na+ 型で市販されている強酸性カチオン交
換樹脂、たとえば、オルガノ社製の商品名「IR−12
0B」、「IR−252」、「CG−120」等は適当
な酸(たとえば、燐酸)で洗浄することにより、容易に
H+ 型の強酸性カチオン交換樹脂としてこの発明に利用
できる。
【0016】燐酸塩処理された金属表面の前記処理液に
よる後処理洗浄は、浸漬、スプレー等通常の方法で実施
することができる。処理温度は、室温から90℃までの
範囲で選ばれる。この温度範囲を下回ると燐酸塩皮膜の
ぜい弱な上層部を溶解しなくなり、この発明の効果が充
分に発揮されないおそれがあり、上回ると金属面の燐酸
塩皮膜を過剰に溶出し、この発明の効果が充分に発揮さ
れないおそれがある。処理時間は、金属面を処理液で充
分に湿潤することができる時間以上であればよいが、長
すぎると燐酸塩皮膜を過剰に溶解するおそれがあるの
で、通常5秒から5分までの範囲で選ばれる。
よる後処理洗浄は、浸漬、スプレー等通常の方法で実施
することができる。処理温度は、室温から90℃までの
範囲で選ばれる。この温度範囲を下回ると燐酸塩皮膜の
ぜい弱な上層部を溶解しなくなり、この発明の効果が充
分に発揮されないおそれがあり、上回ると金属面の燐酸
塩皮膜を過剰に溶出し、この発明の効果が充分に発揮さ
れないおそれがある。処理時間は、金属面を処理液で充
分に湿潤することができる時間以上であればよいが、長
すぎると燐酸塩皮膜を過剰に溶解するおそれがあるの
で、通常5秒から5分までの範囲で選ばれる。
【0017】この発明では、燐酸塩皮膜上層部を溶解除
去する際に、不動態化皮膜を形成させることが可能であ
る。たとえば、処理液に、特公昭60−17827号公
報に開示される後処理成分を添加することは、もちろん
可能である。このような処理液は、燐酸塩皮膜のぜい弱
な上層部を溶解するとともに、不動態化皮膜を形成でき
るので、被処理材の塗膜密着性および塗膜耐食性向上効
果が一層向上する。また、従来技術の欠点であった連続
循環処理に伴う初期効果の劣化も生じない。該処理液
は、ZrO2 換算濃度で0.05g/l 以上の水溶性ジル
コニウム化合物と0.05g/l 以上のミオイノシトール
リン酸エステルおよび/またはその水溶性塩類とを前者
と後者のモル比1〜50:1の割合で使用して得られる
pH3〜7の水溶液である。水溶性ジルコニウム化合物
は、ジルコニウムフッ酸および/またはその揮発性塩基
の塩〔 (NH4)2 ZrF6 のような錯フッ化ジルコニウ
ム塩〕などであり、ミオイノシトールリン酸エステルお
よび/またはその水溶性塩類は、フィチン酸および/ま
たはフィチン酸の揮発性塩基の塩などである。揮発性塩
基は、アンモニア、低級アミンなどである。
去する際に、不動態化皮膜を形成させることが可能であ
る。たとえば、処理液に、特公昭60−17827号公
報に開示される後処理成分を添加することは、もちろん
可能である。このような処理液は、燐酸塩皮膜のぜい弱
な上層部を溶解するとともに、不動態化皮膜を形成でき
るので、被処理材の塗膜密着性および塗膜耐食性向上効
果が一層向上する。また、従来技術の欠点であった連続
循環処理に伴う初期効果の劣化も生じない。該処理液
は、ZrO2 換算濃度で0.05g/l 以上の水溶性ジル
コニウム化合物と0.05g/l 以上のミオイノシトール
リン酸エステルおよび/またはその水溶性塩類とを前者
と後者のモル比1〜50:1の割合で使用して得られる
pH3〜7の水溶液である。水溶性ジルコニウム化合物
は、ジルコニウムフッ酸および/またはその揮発性塩基
の塩〔 (NH4)2 ZrF6 のような錯フッ化ジルコニウ
ム塩〕などであり、ミオイノシトールリン酸エステルお
よび/またはその水溶性塩類は、フィチン酸および/ま
たはフィチン酸の揮発性塩基の塩などである。揮発性塩
基は、アンモニア、低級アミンなどである。
【0018】イオン交換能力が低下したH+ 型カチオン
交換樹脂は、再生用の酸溶液を逆向きに通液することに
より容易に再生する。この場合、再生用の酸溶液として
は燐酸水溶液を使用するのが好ましい。ここで再生用の
燐酸水溶液は、燐酸濃度1〜30重量%が好ましい。こ
の範囲を下回ると再生に要する通液量が増し、または再
生に要する時間が長くなるおそれがあり、上回ると前記
範囲内で得られる以上の効果がなく、再生樹脂の水洗量
が多くなるおそれがある。カチオン交換樹脂の再生は、
通常の再生方法に従って行うことができる。再生の際に
カチオン交換樹脂を通過してきた液は、カチオン交換樹
脂から脱離してきたカチオンを含有している。このた
め、後処理洗浄の処理液の原水に金属材の燐酸塩処理後
の水洗液を使用した場合には、前記通過液はその燐酸塩
処理に用いられるカチオンを含有しているので、燐酸塩
処理に用いられることができる。
交換樹脂は、再生用の酸溶液を逆向きに通液することに
より容易に再生する。この場合、再生用の酸溶液として
は燐酸水溶液を使用するのが好ましい。ここで再生用の
燐酸水溶液は、燐酸濃度1〜30重量%が好ましい。こ
の範囲を下回ると再生に要する通液量が増し、または再
生に要する時間が長くなるおそれがあり、上回ると前記
範囲内で得られる以上の効果がなく、再生樹脂の水洗量
が多くなるおそれがある。カチオン交換樹脂の再生は、
通常の再生方法に従って行うことができる。再生の際に
カチオン交換樹脂を通過してきた液は、カチオン交換樹
脂から脱離してきたカチオンを含有している。このた
め、後処理洗浄の処理液の原水に金属材の燐酸塩処理後
の水洗液を使用した場合には、前記通過液はその燐酸塩
処理に用いられるカチオンを含有しているので、燐酸塩
処理に用いられることができる。
【0019】
【作用】燐酸塩皮膜は、水難溶性の燐酸塩からなってい
るが、酸性水溶液中では溶解して平衡に達する。燐酸亜
鉛皮膜〔Zn3(PO4)2 皮膜〕を例にとると、次なる平
衡式(1)で水に溶解する。
るが、酸性水溶液中では溶解して平衡に達する。燐酸亜
鉛皮膜〔Zn3(PO4)2 皮膜〕を例にとると、次なる平
衡式(1)で水に溶解する。
【0020】
【化1】
【0021】この発明では、平衡式(1)で示されるよ
うな反応を利用して、金属表面に形成された燐酸塩皮膜
のうちのぜい弱な上層部を溶解させる。この溶解により
処理液中に亜鉛イオンが蓄積してくると反応が進まなく
なる。そこで、この発明では、処理液をH+ 型カチオン
交換樹脂でイオン交換することにより重金属イオン濃度
を低下させるのである。このイオン交換は次式(2)で
示されるような反応である。この反応により、処理液中
に溶解している亜鉛イオンが低減され、処理液の寿命が
延びるのである。
うな反応を利用して、金属表面に形成された燐酸塩皮膜
のうちのぜい弱な上層部を溶解させる。この溶解により
処理液中に亜鉛イオンが蓄積してくると反応が進まなく
なる。そこで、この発明では、処理液をH+ 型カチオン
交換樹脂でイオン交換することにより重金属イオン濃度
を低下させるのである。このイオン交換は次式(2)で
示されるような反応である。この反応により、処理液中
に溶解している亜鉛イオンが低減され、処理液の寿命が
延びるのである。
【0022】
【化2】
【0023】すなわち、イオン交換の結果、式(1)の
平衡を保つべく、式(1)の反応は右方向に進み、燐酸
塩皮膜が溶解する。カチオン交換能力のある限り、式
(1)の右方向の反応、すなわち、燐酸亜鉛の溶解反応
が進む。通常は、H+ 型カチオン交換樹脂を複数準備し
ておき、カチオン交換能力がなくならない前に新しいも
のに切り換えることにより、処理液中の亜鉛イオンなど
のカチオン濃度をある一定レベル以下に保って、処理が
途切れないようにする。
平衡を保つべく、式(1)の反応は右方向に進み、燐酸
塩皮膜が溶解する。カチオン交換能力のある限り、式
(1)の右方向の反応、すなわち、燐酸亜鉛の溶解反応
が進む。通常は、H+ 型カチオン交換樹脂を複数準備し
ておき、カチオン交換能力がなくならない前に新しいも
のに切り換えることにより、処理液中の亜鉛イオンなど
のカチオン濃度をある一定レベル以下に保って、処理が
途切れないようにする。
【0024】この発明に用いる処理液は、カチオン交換
処理により、重金属イオンを実質上含有しないため、上
記説明で明らかなごとく燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部の
溶解能力が高い。この発明では処理液を連続循環使用を
しても、処理液に溶解した重金属イオンは、カチオン交
換処理により連続的に除去が可能なので、初期の効果が
永続して得られる。また、処理液を連続循環使用して後
処理洗浄を連続的に行う間、処理液中に重金属イオンを
含む不溶性塩(スラッジ)が発生しない。
処理により、重金属イオンを実質上含有しないため、上
記説明で明らかなごとく燐酸塩皮膜のぜい弱な上層部の
溶解能力が高い。この発明では処理液を連続循環使用を
しても、処理液に溶解した重金属イオンは、カチオン交
換処理により連続的に除去が可能なので、初期の効果が
永続して得られる。また、処理液を連続循環使用して後
処理洗浄を連続的に行う間、処理液中に重金属イオンを
含む不溶性塩(スラッジ)が発生しない。
【0025】この発明では処理液を調製するための原水
として、燐酸塩処理工程後の水洗液を使用しても、原水
中の重金属イオンはカチオン交換処理されるため、スラ
ッジが発生しないばかりか、原水中に存在しうるスラッ
ジを溶解する効果を有する。この発明では、燐酸塩皮膜
上層部を溶解するための処理液を調製するために、該処
理液を構成する成分を新たに添加する必要がないので、
後工程への持ち出しによる悪影響がない。すなわち、こ
の発明の後処理洗浄方法はカチオン電着塗装のための前
処理として特に有用な方法である。
として、燐酸塩処理工程後の水洗液を使用しても、原水
中の重金属イオンはカチオン交換処理されるため、スラ
ッジが発生しないばかりか、原水中に存在しうるスラッ
ジを溶解する効果を有する。この発明では、燐酸塩皮膜
上層部を溶解するための処理液を調製するために、該処
理液を構成する成分を新たに添加する必要がないので、
後工程への持ち出しによる悪影響がない。すなわち、こ
の発明の後処理洗浄方法はカチオン電着塗装のための前
処理として特に有用な方法である。
【0026】
【実施例】図1は、この発明の後処理洗浄方法の要部を
表す概略図である。ただし、この発明は図に示したもの
に限定されない。図1にみるように、化成処理領域1に
おいて燐酸塩処理を受けた被処理材2は、純水洗領域3
の手前までの間でこの発明の後処理洗浄を受ける。図1
に示した実施例では、ある水洗槽4において被処理材2
に洗浄水41をスプレーして水洗した後、被処理材2に
後処理洗浄用の処理液42をスプレーして後処理洗浄し
ている。処理液42は、水洗槽4に流下した水洗液44
をH+ 型カチオン交換樹脂43に通してカチオン交換処
理したものである。図1ではスプレーされた処理液42
が水洗槽4に入るようになっているが、水洗槽4とは別
の槽に入るようになっていてもよい。水洗槽4には、必
要に応じて、後の水洗段階および/または純水洗工程か
らのオーバーフロー水45および/または工業用水が供
給され、水洗槽4中の水洗液44は手前の工程の水洗に
利用されたり、廃棄されたりする。図1中、46は洗浄
液41をスプレーするためのポンプ、47は処理液42
をスプレーするためのポンプである。
表す概略図である。ただし、この発明は図に示したもの
に限定されない。図1にみるように、化成処理領域1に
おいて燐酸塩処理を受けた被処理材2は、純水洗領域3
の手前までの間でこの発明の後処理洗浄を受ける。図1
に示した実施例では、ある水洗槽4において被処理材2
に洗浄水41をスプレーして水洗した後、被処理材2に
後処理洗浄用の処理液42をスプレーして後処理洗浄し
ている。処理液42は、水洗槽4に流下した水洗液44
をH+ 型カチオン交換樹脂43に通してカチオン交換処
理したものである。図1ではスプレーされた処理液42
が水洗槽4に入るようになっているが、水洗槽4とは別
の槽に入るようになっていてもよい。水洗槽4には、必
要に応じて、後の水洗段階および/または純水洗工程か
らのオーバーフロー水45および/または工業用水が供
給され、水洗槽4中の水洗液44は手前の工程の水洗に
利用されたり、廃棄されたりする。図1中、46は洗浄
液41をスプレーするためのポンプ、47は処理液42
をスプレーするためのポンプである。
【0027】以下に、この発明の具体的な実施例および
比較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されな
い。 (実施例1−a)下記被処理材に下記塗装前処理および
塗装を施して、塗装品を得た。 〔被処理材〕冷延鋼板と合金化溶融亜鉛メッキ鋼板との
複合板 〔塗装前処理〕 工 程:脱脂→第1水洗→第2水洗→表面調整→化成
処理→第3水洗→第4水洗→後処理洗浄→第5水洗→純
水洗 脱 脂:日本ペイント株式会社製脱脂剤(商品名サー
フクリーナーSE136)を2重量%水溶液にして35
℃で2分間被処理材にスプレーした。
比較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されな
い。 (実施例1−a)下記被処理材に下記塗装前処理および
塗装を施して、塗装品を得た。 〔被処理材〕冷延鋼板と合金化溶融亜鉛メッキ鋼板との
複合板 〔塗装前処理〕 工 程:脱脂→第1水洗→第2水洗→表面調整→化成
処理→第3水洗→第4水洗→後処理洗浄→第5水洗→純
水洗 脱 脂:日本ペイント株式会社製脱脂剤(商品名サー
フクリーナーSE136)を2重量%水溶液にして35
℃で2分間被処理材にスプレーした。
【0028】第1水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理
材にスプレーした。 第2水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。 表面調整:日本ペイント株式会社製表面調整剤(商品名
サーフファイン5N−5)を0.1重量%水溶液にして
室温で30秒間被処理材にスプレーした。
材にスプレーした。 第2水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。 表面調整:日本ペイント株式会社製表面調整剤(商品名
サーフファイン5N−5)を0.1重量%水溶液にして
室温で30秒間被処理材にスプレーした。
【0029】化成処理:日本ペイント株式会社製燐酸亜
鉛処理剤(商品名サーフダインセレクト1000)を全
酸度20.5ポイント、遊離酸度0.5ポイント、トー
ナー値2.0ポイントの水溶液にして35℃で2分間被
処理物にスプレーした。 第3水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。被処理材を連続処理したときの洗浄水の組成はp
H=3.5、Zn2+=0.26g/l 、Ni2+=0.13
g/l 、Mn2+=0.06g/l であった。
鉛処理剤(商品名サーフダインセレクト1000)を全
酸度20.5ポイント、遊離酸度0.5ポイント、トー
ナー値2.0ポイントの水溶液にして35℃で2分間被
処理物にスプレーした。 第3水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。被処理材を連続処理したときの洗浄水の組成はp
H=3.5、Zn2+=0.26g/l 、Ni2+=0.13
g/l 、Mn2+=0.06g/l であった。
【0030】第4水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理
材にスプレーした。被処理材を連続処理したときの洗浄
水の組成はpH=4.5、Zn2+=0.04g/l 、Ni
2+=0.02g/l 、Mn2+=0.01g/l であった。 後処理洗浄:0.05重量%の燐酸水溶液を苛性ソーダ
でpH=4.0に調整してなるもの(重金属イオン濃度
1ppm未満)を最初に後処理洗浄用の処理液に用いて
被処理材にスプレーし、流下した処理液をH+ 型強酸性
カチオン交換樹脂でカチオン交換処理して後処理洗浄の
処理液として循環使用した。処理液は、室温で10秒間
被処理材にスプレーした。被処理材を連続処理したとき
の処理液の組成はpH=4.0、重金属イオン(ここで
はZn2+、Ni2+およびMn2+である。)濃度<0.0
01g/l であった。H+ 型強酸性カチオン交換樹脂は、
オルガノ社製の商品名IR−118(H)を使用した。
材にスプレーした。被処理材を連続処理したときの洗浄
水の組成はpH=4.5、Zn2+=0.04g/l 、Ni
2+=0.02g/l 、Mn2+=0.01g/l であった。 後処理洗浄:0.05重量%の燐酸水溶液を苛性ソーダ
でpH=4.0に調整してなるもの(重金属イオン濃度
1ppm未満)を最初に後処理洗浄用の処理液に用いて
被処理材にスプレーし、流下した処理液をH+ 型強酸性
カチオン交換樹脂でカチオン交換処理して後処理洗浄の
処理液として循環使用した。処理液は、室温で10秒間
被処理材にスプレーした。被処理材を連続処理したとき
の処理液の組成はpH=4.0、重金属イオン(ここで
はZn2+、Ni2+およびMn2+である。)濃度<0.0
01g/l であった。H+ 型強酸性カチオン交換樹脂は、
オルガノ社製の商品名IR−118(H)を使用した。
【0031】第5水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理
材にスプレーした。 純水洗 :純水を室温で10秒間被処理材にスプレーし
た。 (実施例1−b)実施例1−aにおいて、後処理洗浄を
次のようにして行ったこと以外は実施例1−aと同様に
した。後処理洗浄において、0.05重量%の燐酸水溶
液を苛性ソーダでpH=4.0に調整してなるもの(重
金属イオン濃度1ppm未満)を最初に用いて被処理材
にスプレーし、流下した処理液に第4水洗に使った水洗
液を補給して後処理洗浄用処理液調製槽に溜めた。この
溜められた処理液を該調製槽とH+ 型強酸性カチオン交
換樹脂塔とで連続循環させてカチオン交換処理するとと
もに後処理洗浄に循環使用した。カチオン交換処理は、
被処理材を連続処理したときの処理液が、pH=4.
0、かつ、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+およ
びMn2+である。)濃度<0.001g/l の平衡状態を
満足するように行った。第4水洗の洗浄水は第5水洗に
使った水洗液のオーバーフロー水であり、第5水洗の洗
浄水は純水洗に使った水洗液のオーバーフロー水であっ
た。
材にスプレーした。 純水洗 :純水を室温で10秒間被処理材にスプレーし
た。 (実施例1−b)実施例1−aにおいて、後処理洗浄を
次のようにして行ったこと以外は実施例1−aと同様に
した。後処理洗浄において、0.05重量%の燐酸水溶
液を苛性ソーダでpH=4.0に調整してなるもの(重
金属イオン濃度1ppm未満)を最初に用いて被処理材
にスプレーし、流下した処理液に第4水洗に使った水洗
液を補給して後処理洗浄用処理液調製槽に溜めた。この
溜められた処理液を該調製槽とH+ 型強酸性カチオン交
換樹脂塔とで連続循環させてカチオン交換処理するとと
もに後処理洗浄に循環使用した。カチオン交換処理は、
被処理材を連続処理したときの処理液が、pH=4.
0、かつ、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+およ
びMn2+である。)濃度<0.001g/l の平衡状態を
満足するように行った。第4水洗の洗浄水は第5水洗に
使った水洗液のオーバーフロー水であり、第5水洗の洗
浄水は純水洗に使った水洗液のオーバーフロー水であっ
た。
【0032】(実施例1−c)実施例1−bにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例1
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.0を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂は燐酸濃度15重量%の燐酸水溶
液を通液することにより容易に再生された。この再生操
作でカチオン交換樹脂を通過した燐酸洗浄液は化成処理
槽に補給用濃厚液として供給された。
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例1
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.0を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂は燐酸濃度15重量%の燐酸水溶
液を通液することにより容易に再生された。この再生操
作でカチオン交換樹脂を通過した燐酸洗浄液は化成処理
槽に補給用濃厚液として供給された。
【0033】実施例1−a〜1−cで、後処理洗浄に用
いた処理液が平衡に達したときの性状を表1の実施例1
の欄に示した。 (比較例1)図2にみるように、後処理洗浄用の処理液
の代わりに次段階の水洗(実施例1−aでは第5水洗)
に用いた水洗液55を洗浄水51として用いて被処理材
2にスプレーし、後処理洗浄しなかったことの他は、実
施例1─aと同様の工程および条件(ただし、平衡に達
したときの水洗液のpHと重金属イオン濃度は異な
る。)で処理を行った。後処理洗浄用の処理液の代わり
にに用いた洗浄水が平衡に達したときの性状を表1に示
した。図2中、5は水洗槽、56は洗浄水51をスプレ
ーするためのポンプであり、図1と同じ番号を付したも
のは図1と同じものである。
いた処理液が平衡に達したときの性状を表1の実施例1
の欄に示した。 (比較例1)図2にみるように、後処理洗浄用の処理液
の代わりに次段階の水洗(実施例1−aでは第5水洗)
に用いた水洗液55を洗浄水51として用いて被処理材
2にスプレーし、後処理洗浄しなかったことの他は、実
施例1─aと同様の工程および条件(ただし、平衡に達
したときの水洗液のpHと重金属イオン濃度は異な
る。)で処理を行った。後処理洗浄用の処理液の代わり
にに用いた洗浄水が平衡に達したときの性状を表1に示
した。図2中、5は水洗槽、56は洗浄水51をスプレ
ーするためのポンプであり、図1と同じ番号を付したも
のは図1と同じものである。
【0034】(比較例2)後処理洗浄に用いる処理液を
H+ 型強酸性カチオン交換樹脂に通液しないこと、およ
び、処理液がpH4となるように燐酸水溶液を供給した
ことの他は、実施例1−aと同様の工程および条件(た
だし、平衡に達したときの水洗液のpHと重金属イオン
濃度は異なる。)で処理を行った。後処理洗浄に用いた
処理液が平衡に達したときの性状を表1に示した。
H+ 型強酸性カチオン交換樹脂に通液しないこと、およ
び、処理液がpH4となるように燐酸水溶液を供給した
ことの他は、実施例1−aと同様の工程および条件(た
だし、平衡に達したときの水洗液のpHと重金属イオン
濃度は異なる。)で処理を行った。後処理洗浄に用いた
処理液が平衡に達したときの性状を表1に示した。
【0035】(実施例2−a)実施例1−aにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例1
−aと同様にした。フィチン酸濃度が0.3g/l 、 (N
H4)2 ZrF6 濃度がZrO2 として0.2g/l である
水溶液を苛性ソーダでpH=4.0に調整してなるもの
(重金属イオン濃度1ppm未満)を最初に後処理洗浄
用の処理液に用いて被処理材にスプレーし、流下した処
理液にフィチン酸および (NH4)2 ZrF6 を補給する
とともに該処理液をH+ 型強酸性カチオン交換樹脂でカ
チオン交換処理して後処理洗浄の処理液として循環使用
した。被処理材を連続処理したときの処理液の組成はp
H=4.0、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+お
よびMn2+である。)濃度が0.001g/l 未満、フィ
チン酸濃度が0.3g/l 、(NH4)2 ZrF6 濃度がZ
rO2 として0.2g/l であった。
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例1
−aと同様にした。フィチン酸濃度が0.3g/l 、 (N
H4)2 ZrF6 濃度がZrO2 として0.2g/l である
水溶液を苛性ソーダでpH=4.0に調整してなるもの
(重金属イオン濃度1ppm未満)を最初に後処理洗浄
用の処理液に用いて被処理材にスプレーし、流下した処
理液にフィチン酸および (NH4)2 ZrF6 を補給する
とともに該処理液をH+ 型強酸性カチオン交換樹脂でカ
チオン交換処理して後処理洗浄の処理液として循環使用
した。被処理材を連続処理したときの処理液の組成はp
H=4.0、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+お
よびMn2+である。)濃度が0.001g/l 未満、フィ
チン酸濃度が0.3g/l 、(NH4)2 ZrF6 濃度がZ
rO2 として0.2g/l であった。
【0036】(実施例2−b)実施例2−aにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例2
−aと同様にした。後処理洗浄において、フィチン酸濃
度が0.3g/l 、 (NH4)2 ZrF6 濃度がZrO2 と
して0.2g/l である水溶液を苛性ソーダでpH=4.
0に調整してなるもの(重金属イオン濃度1ppm未
満)を最初に処理液に用いて被処理材にスプレーし、流
下した処理液に第4水洗に使った水洗液を補給して後処
理洗浄用処理液調製槽に溜めた。この溜められた処理液
にフィチン酸および (NH4)2 ZrF6 を補給するとと
もに該処理液を該調製槽とH+ 型強酸性カチオン交換樹
脂塔とで連続循環させてカチオン交換処理するとともに
後処理洗浄に循環使用した。カチオン交換処理は、被処
理材を連続処理したときの処理液が、pH=4.0、か
つ、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+およびMn
2+である。)濃度<0.001g/l の平衡状態を満足す
るように行った。第4水洗の洗浄水は第5水洗に使った
水洗液のオーバーフロー水であり、第5水洗の洗浄水は
純水洗に使った水洗液のオーバーフロー水であった。
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例2
−aと同様にした。後処理洗浄において、フィチン酸濃
度が0.3g/l 、 (NH4)2 ZrF6 濃度がZrO2 と
して0.2g/l である水溶液を苛性ソーダでpH=4.
0に調整してなるもの(重金属イオン濃度1ppm未
満)を最初に処理液に用いて被処理材にスプレーし、流
下した処理液に第4水洗に使った水洗液を補給して後処
理洗浄用処理液調製槽に溜めた。この溜められた処理液
にフィチン酸および (NH4)2 ZrF6 を補給するとと
もに該処理液を該調製槽とH+ 型強酸性カチオン交換樹
脂塔とで連続循環させてカチオン交換処理するとともに
後処理洗浄に循環使用した。カチオン交換処理は、被処
理材を連続処理したときの処理液が、pH=4.0、か
つ、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+およびMn
2+である。)濃度<0.001g/l の平衡状態を満足す
るように行った。第4水洗の洗浄水は第5水洗に使った
水洗液のオーバーフロー水であり、第5水洗の洗浄水は
純水洗に使った水洗液のオーバーフロー水であった。
【0037】(実施例2−c)実施例2−bにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例2
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.0を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂は燐酸濃度15重量%の燐酸水溶
液を通液することにより容易に再生された。この再生操
作でカチオン交換樹脂を通過した燐酸洗浄液は化成処理
槽に補給用濃厚液として供給された。
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例2
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.0を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂は燐酸濃度15重量%の燐酸水溶
液を通液することにより容易に再生された。この再生操
作でカチオン交換樹脂を通過した燐酸洗浄液は化成処理
槽に補給用濃厚液として供給された。
【0038】実施例2−a〜2−cで、後処理洗浄に用
いた処理液が平衡に達したときの性状を表1の実施例2
欄に示した。 (比較例3)後処理洗浄に用いる処理液のフィチン酸濃
度が0.3g/l 、 (NH4)2 ZrF 6 濃度がZrO2 と
して0.2g/l をそれぞれ保つように、フィチン酸およ
び (NH4)2 ZrF6 を流下した処理液に補給したこと
を除いては、比較例2と同様の工程および条件(ただ
し、平衡に達したときの水洗液のpHと重金属イオン濃
度は異なる。)で連続処理を行った。後処理洗浄に用い
た処理液が平衡に達したときの性状を表1に示した。
いた処理液が平衡に達したときの性状を表1の実施例2
欄に示した。 (比較例3)後処理洗浄に用いる処理液のフィチン酸濃
度が0.3g/l 、 (NH4)2 ZrF 6 濃度がZrO2 と
して0.2g/l をそれぞれ保つように、フィチン酸およ
び (NH4)2 ZrF6 を流下した処理液に補給したこと
を除いては、比較例2と同様の工程および条件(ただ
し、平衡に達したときの水洗液のpHと重金属イオン濃
度は異なる。)で連続処理を行った。後処理洗浄に用い
た処理液が平衡に達したときの性状を表1に示した。
【0039】(実施例3−a)後処理洗浄開始時の処理
液を苛性ソーダでpH4.5に調整し、pH4.5を維
持するように処理液をカチオン交換処理したことを除い
ては、実施例1−aと同様の工程および条件(ただし、
平衡に達したときの水洗液のpHと重金属イオン濃度は
異なる。)で連続処理を行った。
液を苛性ソーダでpH4.5に調整し、pH4.5を維
持するように処理液をカチオン交換処理したことを除い
ては、実施例1−aと同様の工程および条件(ただし、
平衡に達したときの水洗液のpHと重金属イオン濃度は
異なる。)で連続処理を行った。
【0040】(実施例3−b)実施例3−aにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例3
−aと同様にした。後処理洗浄において、0.05重量
%の燐酸水溶液を苛性ソーダでpH=4.5に調整して
なるもの(重金属イオン濃度1ppm未満)を最初に用
いて被処理材にスプレーし、流下した処理液に第4水洗
に使った水洗液を補給して後処理洗浄用処理液調製槽に
溜めた。この溜められた処理液を該調製槽とH+ 型強酸
性カチオン交換樹脂塔とで連続循環させてカチオン交換
処理するとともに後処理洗浄に循環使用した。カチオン
交換処理は、被処理材を連続処理したときの処理液が、
pH=4.5、かつ、重金属イオン(ここではZn2+、
Ni2+およびMn2+である。)濃度<0.001g/l の
平衡状態を満足するように行った。第4水洗の洗浄水は
第5水洗に使った水洗液のオーバーフロー水であり、第
5水洗の洗浄水は純水洗に使った水洗液のオーバーフロ
ー水であった。
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例3
−aと同様にした。後処理洗浄において、0.05重量
%の燐酸水溶液を苛性ソーダでpH=4.5に調整して
なるもの(重金属イオン濃度1ppm未満)を最初に用
いて被処理材にスプレーし、流下した処理液に第4水洗
に使った水洗液を補給して後処理洗浄用処理液調製槽に
溜めた。この溜められた処理液を該調製槽とH+ 型強酸
性カチオン交換樹脂塔とで連続循環させてカチオン交換
処理するとともに後処理洗浄に循環使用した。カチオン
交換処理は、被処理材を連続処理したときの処理液が、
pH=4.5、かつ、重金属イオン(ここではZn2+、
Ni2+およびMn2+である。)濃度<0.001g/l の
平衡状態を満足するように行った。第4水洗の洗浄水は
第5水洗に使った水洗液のオーバーフロー水であり、第
5水洗の洗浄水は純水洗に使った水洗液のオーバーフロ
ー水であった。
【0041】(実施例3−c)実施例3−bにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例3
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.5を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂は燐酸濃度15重量%の燐酸水溶
液を通液することにより容易に再生された。この再生操
作でカチオン交換樹脂を通過した燐酸洗浄液は化成処理
槽に補給用濃厚液として供給された。
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例3
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.5を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂は燐酸濃度15重量%の燐酸水溶
液を通液することにより容易に再生された。この再生操
作でカチオン交換樹脂を通過した燐酸洗浄液は化成処理
槽に補給用濃厚液として供給された。
【0042】実施例3−a〜3−cで、後処理洗浄に用
いた処理液が平衡に達したときの性状を表1の実施例3
欄に示した。上記実施例および比較例での処理を受けた
被処理材の性能を調べるため、下記のようにして塗装を
行った。 〔塗 装〕 下塗り:日本ペイント株式会社製カチオン電着塗料(商
品名パワートップU−30)を乾燥膜厚20μmとなる
ように被処理材に電着塗装して乾燥、硬化させた。
いた処理液が平衡に達したときの性状を表1の実施例3
欄に示した。上記実施例および比較例での処理を受けた
被処理材の性能を調べるため、下記のようにして塗装を
行った。 〔塗 装〕 下塗り:日本ペイント株式会社製カチオン電着塗料(商
品名パワートップU−30)を乾燥膜厚20μmとなる
ように被処理材に電着塗装して乾燥、硬化させた。
【0043】中塗り:日本ペイント株式会社製メラミン
アルキッド中塗塗料(商品名オルガTO778)を乾燥
膜厚30μmとなるように被処理材にスプレー塗装して
乾燥、硬化させた。 上塗り:日本ペイント株式会社製メラミンアルキッド上
塗塗料(商品名オルガTO626)を乾燥膜厚40μm
となるように被処理材にスプレー塗装して乾燥、硬化さ
せた。
アルキッド中塗塗料(商品名オルガTO778)を乾燥
膜厚30μmとなるように被処理材にスプレー塗装して
乾燥、硬化させた。 上塗り:日本ペイント株式会社製メラミンアルキッド上
塗塗料(商品名オルガTO626)を乾燥膜厚40μm
となるように被処理材にスプレー塗装して乾燥、硬化さ
せた。
【0044】得られた塗装品について、密着性試験、ソ
ルトスプレー試験、点錆試験を行った。結果を表1に示
した。 〔密着性試験〕塗装品(3コート部位)を50℃の脱イ
オン水に10日間浸漬した後、これの平坦な面に1mm間
隔と2mm間隔のゴバン目(100個)を下地の金属材に
達するように鋭利なカッターで形成し、その各面に粘着
テープを貼着した後、これらを剥離して、塗装品に残っ
ているゴバン目塗膜の数を数えて評価した。評価基準は
下記のとおりであり、○〜◎が合格である。
ルトスプレー試験、点錆試験を行った。結果を表1に示
した。 〔密着性試験〕塗装品(3コート部位)を50℃の脱イ
オン水に10日間浸漬した後、これの平坦な面に1mm間
隔と2mm間隔のゴバン目(100個)を下地の金属材に
達するように鋭利なカッターで形成し、その各面に粘着
テープを貼着した後、これらを剥離して、塗装品に残っ
ているゴバン目塗膜の数を数えて評価した。評価基準は
下記のとおりであり、○〜◎が合格である。
【0045】◎:1mmおよび2mmのゴバン目数いずれも
100/100 ○:1mmゴバン目数90〜99/100、2mmゴバン目
数100/100 △:1mmゴバン目数<90/100、2mmゴバン目数9
0〜99/100 ×:1mmゴバン目数<90/100、2mmゴバン目数<
90/100 〔ソルトスプレー試験〕電着塗装品(1コート部位)に
下地の金属材に達するようにクロスカットを入れ、5%
塩水噴霧を、電着塗装品の下地が合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板である部分については500時間、下地が冷延鋼板
である部分については1000時間それぞれ行い、カッ
ト部からの塗膜異常(錆、フクレ)の最大幅を評価し
た。評価基準は下記のとおりであり、○〜◎が合格であ
る。
100/100 ○:1mmゴバン目数90〜99/100、2mmゴバン目
数100/100 △:1mmゴバン目数<90/100、2mmゴバン目数9
0〜99/100 ×:1mmゴバン目数<90/100、2mmゴバン目数<
90/100 〔ソルトスプレー試験〕電着塗装品(1コート部位)に
下地の金属材に達するようにクロスカットを入れ、5%
塩水噴霧を、電着塗装品の下地が合金化溶融亜鉛メッキ
鋼板である部分については500時間、下地が冷延鋼板
である部分については1000時間それぞれ行い、カッ
ト部からの塗膜異常(錆、フクレ)の最大幅を評価し
た。評価基準は下記のとおりであり、○〜◎が合格であ
る。
【0046】◎:1mm以内 ○:1mm超、2mm以内 △:2mm超、3mm以内 ×:3mm超 〔点錆試験〕電着塗装品(1コート部位)の平坦面のう
ちの下地が冷延鋼板である部分を水平面に対して15度
に傾斜させて設置し、これに重さ1.00g、全長1
4.0mm、先端に頂角90度の合金工具鋼鋼材製(材質
JIS−G−4404、かたさHv700以上)の円錐
型ヘッドを有するアローを150cmの高さから垂直に自
重落下させて、塗装面に25点のキズを形成した。つい
で、この電着塗装品を塩水噴霧試験(JIS−Z−28
71、24時間)→湿潤試験(温度40℃、相対湿度8
5%、120時間)→室内放置(24時間)を1サイク
ルとして8サイクルの試験に付した。試験後の塗面の点
錆およびブリスターを評価した。評価基準は下記のとお
りであり、○〜◎が合格である。電着塗装品のうちの下
地が合金化溶融亜鉛メッキ鋼板である部分はもともと点
錆が生じないので試験を行わなかった。
ちの下地が冷延鋼板である部分を水平面に対して15度
に傾斜させて設置し、これに重さ1.00g、全長1
4.0mm、先端に頂角90度の合金工具鋼鋼材製(材質
JIS−G−4404、かたさHv700以上)の円錐
型ヘッドを有するアローを150cmの高さから垂直に自
重落下させて、塗装面に25点のキズを形成した。つい
で、この電着塗装品を塩水噴霧試験(JIS−Z−28
71、24時間)→湿潤試験(温度40℃、相対湿度8
5%、120時間)→室内放置(24時間)を1サイク
ルとして8サイクルの試験に付した。試験後の塗面の点
錆およびブリスターを評価した。評価基準は下記のとお
りであり、○〜◎が合格である。電着塗装品のうちの下
地が合金化溶融亜鉛メッキ鋼板である部分はもともと点
錆が生じないので試験を行わなかった。
【0047】◎:最大フクレ幅1.0mm以内 ○:最大フクレ幅1.0mm超、2.0mm以内 △:最大フクレ幅2.0mm超、3.0mm以内 ×:最大フクレ幅3.0mm超
【0048】
【表1】
【0049】表1にみるように、実施例の処理を施され
た被処理材は、良好な塗膜密着性と塗膜耐食性を示した
が、比較例の処理を施された被処理材は、塗膜密着性と
耐食性が劣っていた。
た被処理材は、良好な塗膜密着性と塗膜耐食性を示した
が、比較例の処理を施された被処理材は、塗膜密着性と
耐食性が劣っていた。
【0050】
【発明の効果】この発明の後処理洗浄方法によれば、下
記〜の効果をすべて奏する。 処理液を連続循環使用しても被処理材の塗膜密着性
および塗膜耐食性を向上させる初期の効果が永続的に得
られる。 処理液中にスラッジが発生しないか、または、処理
液中でのスラッジの発生が抑制されるので、被処理材表
面にスラッジが付着するおそれがない。
記〜の効果をすべて奏する。 処理液を連続循環使用しても被処理材の塗膜密着性
および塗膜耐食性を向上させる初期の効果が永続的に得
られる。 処理液中にスラッジが発生しないか、または、処理
液中でのスラッジの発生が抑制されるので、被処理材表
面にスラッジが付着するおそれがない。
【0051】 燐酸塩処理工程後の水洗水を処理液調
製用の原水として使用できるので、処理液中の電解質濃
度が不必要に高くならない。このため、この発明の後処
理洗浄の後にカチオン型電着塗装を行う場合、電着塗料
中に電解質を持ち込むのを抑制するための水洗処理での
負荷が小さくなる。
製用の原水として使用できるので、処理液中の電解質濃
度が不必要に高くならない。このため、この発明の後処
理洗浄の後にカチオン型電着塗装を行う場合、電着塗料
中に電解質を持ち込むのを抑制するための水洗処理での
負荷が小さくなる。
【図1】この発明の後処理洗浄方法の1実施例を表す概
略図である。
略図である。
【図2】従来の後処理洗浄方法の1例を表す概略図であ
る。
る。
1 化成処理領域 2 被処理材 3 純水洗領域 4 水洗槽 41 洗浄水 42 後処理洗浄用の処理液42 43 H+ 型カチオン交換樹脂 44 水洗液 45 オーバーフロー水 46 ポンプ 47 ポンプ
Claims (9)
- 【請求項1】 表面に燐酸塩皮膜が形成された金属材を
酸性処理液と接触させて燐酸塩皮膜の上層部を溶解させ
る後処理洗浄方法であって、前記酸性処理液をH+ 型カ
チオン交換樹脂でイオン交換処理することを特徴とす
る、燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法。 - 【請求項2】 化成処理により金属材表面に燐酸塩皮膜
を形成した後、表面に燐酸塩皮膜が形成された金属材を
酸性処理液と接触させて燐酸塩皮膜の上層部を溶解させ
る後処理洗浄方法であって、前記酸性処理液をH+ 型カ
チオン交換樹脂でイオン交換処理することを特徴とす
る、燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法。 - 【請求項3】 酸性処理液が重金属イオンを実質上含有
しないものである請求項1または2記載の後処理洗浄方
法。 - 【請求項4】 酸性処理液が燐酸により酸性を呈するも
のである請求項1から3までのいずれかに記載の後処理
洗浄方法。 - 【請求項5】 金属材と接触させた後の酸性処理液に、
化成処理後の金属材の水洗に用いた水洗液を混合してイ
オン交換処理する請求項4記載の後処理洗浄方法。 - 【請求項6】 H+ 型カチオン交換樹脂に燐酸水溶液を
通液して再生する請求項4または5記載の後処理洗浄方
法。 - 【請求項7】 燐酸水溶液のH+ 型カチオン交換樹脂通
過液を化成処理に用いる請求項6記載の後処理洗浄方
法。 - 【請求項8】 燐酸塩皮膜の上層部を溶解させるのに用
いる酸性処理液がpH2〜6である請求項1から7まで
のいずれかに記載の後処理洗浄方法。 - 【請求項9】 酸性処理液がZrO2 換算濃度で0.0
5g/l 以上の水溶性ジルコニウム化合物と0.05g/l
以上のミオイノシトールリン酸エステルおよび/または
その水溶性塩類とを前者と後者のモル比1〜50:1の
割合で使用して得られるpH3〜7の水溶液である請求
項1から3までのいずれかに記載の後処理洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4547892A JPH05247665A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4547892A JPH05247665A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247665A true JPH05247665A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12720508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4547892A Pending JPH05247665A (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 燐酸塩処理された金属材表面の後処理洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05247665A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008184690A (ja) * | 2002-12-24 | 2008-08-14 | Nippon Paint Co Ltd | 塗装前処理方法 |
WO2016148105A1 (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-22 | 新日鐵住金株式会社 | 表面処理鋼板およびその製造方法 |
JP2017071844A (ja) * | 2015-10-09 | 2017-04-13 | 新日鐵住金株式会社 | 摺動部材及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-03-03 JP JP4547892A patent/JPH05247665A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008184690A (ja) * | 2002-12-24 | 2008-08-14 | Nippon Paint Co Ltd | 塗装前処理方法 |
WO2016148105A1 (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-22 | 新日鐵住金株式会社 | 表面処理鋼板およびその製造方法 |
JPWO2016148105A1 (ja) * | 2015-03-16 | 2017-04-27 | 新日鐵住金株式会社 | 表面処理鋼板 |
JP2017071844A (ja) * | 2015-10-09 | 2017-04-13 | 新日鐵住金株式会社 | 摺動部材及びその製造方法 |
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